地デジ、衛星放送用テレビアンテナを正しい向きに自分で調整する方法とは? アンテナ角度の調整に必要となる工事の手順も解説
インターネットやスマートフォンがすっかり定着した情報化社会の現在でも、特に戸建て住宅にお住まいの方では、お住まいに地上デジタル放送用の地デジアンテナ、また場合によっては衛星放送用のBS/CS
アンテナも設置して、テレビ放送をご覧になっている方も多いことでしょう。
お住まいまで直接、テレビの映像信号を送信するケーブルを引く形式の「ケーブルテレビ(CATV)」や、ネット回線などに使用される光回線を利用して映像信号を送る「光テレビ(ひかりTV)」などの方法に比べて、有料チャンネルやNHK受信料などを除けば、基本的に視聴料などは無料で、アンテナが正常に機能している限り、十年以上にわたって安定してテレビ放送を視聴できるという点です。
そのため、特に戸建て住宅のマイホームにおいて、テレビアンテナの設置はもっともコストパフォーマンスの高い方法になります。
しかしテレビアンテナにも、いくつかの弱点は存在します。長年の利用で機材が老朽化してトラブルが発生するのは、どのような機器にも起こり得ることです。
ただテレビアンテナは、ほとんどの場合、住宅の屋外でも、主に高い位置に設置されるという性質上、風雨や雪、さらには海沿いであれば潮風、また野鳥が止まる、フンをするなどの自然環境の影響を受けて、経年劣化が進みやすい性質もあります。
そしてテレビアンテナは、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、電波塔や静止衛星など、電波の発信元の方向へと設置する必要がございます。
したがってこのアンテナ角度がずれてしまうと、地デジや衛星放送のテレビ番組の画面が乱れる、映らないといった受信トラブルの原因となります。
そこで当コラムでは、地デジアンテナ、BS/CSアンテナの各機種、モデルごとに、テレビアンテナを向けるべき正確な向きと調整すべき角度。アンテナの向きが狂う要因と、角度がずれた場合に発生する症状。さらにアンテナの角度調整をご自分で行う場合の手順をご説明いたします。
地デジ・衛星放送用アンテナの角度調整とは?
地デジ放送用の地デジアンテナ、衛星放送用のBS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)とも、安定した受信のためには、アンテナ角度の適切な調整が必要です。
ただこのアンテナの向きを適切に調整するについては、特に地デジアンテナの場合、現場によって、適切な方向が異なります。またBS/CSアンテナでも、地域や設置の場所によってアンテナを向けるべき角度が微妙に変わってまいります。
また地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、ただ現場でアンテナを向けるべき方角がわかればいいというものではなく、なぜその方向に向ける必要があるのか、地デジ放送や衛星放送の仕組み。またそれぞれのアンテナの構造を理解して、もっとも受信感度が高まる方向へとアンテナ角度を微調整する必要もございます。
この項では、まずテレビアンテナの向きを的確に調整するための基礎知識として、地デジ、衛星放送の仕組みや電波の性質、また地デジアンテナ各機種や、BS/CSアンテナの受信の仕組みや構造について、ご説明してまいります。
地デジ放送の仕組みと電波の性質
現在の地上デジタル放送(地デジ放送)では、日本国内の各地に設置された地デジの電波塔から、電波塔の周辺一帯に地デジ電波を送信することで、日本国内の大半のエリアを地デジの受信範囲としています。
このように地上の施設から、地上の空間を通じて電波を送っているため、地デジ放送は、衛星放送との対比で「地上波放送(地上波テレビ放送)」ともいわれます。
地デジ放送のより正確な仕組みとしてが、日本国内を、地デジの放送内容によって区分した、いくつかの広いエリア(広域圏)に分け、例えば東京都墨田区押上に位置する、高さ634メートルの日本一の電波塔で、東京都と神奈川県、千葉県、埼玉県の多くのエリアから、茨城県、栃木県、群馬県の一部まで、関東広域圏の多くに地デジ電波を送信する東京スカイツリーなど、その広域圏の中心となる電波塔である、大規模な送信所(基幹局、親局)。
そして送信所の周辺の要所にいくつも設置され、送信所や他の電波塔からの電波を受信して、増幅して周辺エリアに送信することで、リレー形式で広域圏内の隅々のエリアに地デジ電波を送信していく中継局(サテライト局)といった、多数の電波塔を設置することで、国内でも人が居住する大半のエリアで地デジ放送の受信を可能としております。
この地デジ放送に使われる地デジ電波は、比較的、周波数帯の高いUHF波(極超短波)のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯を使用しています。この周波数帯の波長の幅は、おおよそ40センチから60センチ程度になります。
また現在の地デジ放送は、デジタル放送と呼ばれる通り、まずテレビ放送の映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換し、その信号を電波の波長に変換して送信する形式になっています。
これにより、かつての地上波放送であったアナログテレビ放送(映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信する方式)に比べ、必要な電波の周波数帯は大きく削減しながら、アナログ放送時代に比べて、約4.5倍の大容量の情報を送信できるようになっております。
それにより地デジ放送では、アナログ放送時代に比べて、テレビ画面のハイビジョン(2K)化や高音質化、データ放送や双方向通信、ワンセグ放送など、さまざまな新機能も実現しています。
ただ地デジ放送は、電波塔から周辺の一帯に電波を送信するという形式上、ひとつの電波塔がカバーできるエリアは、その電波塔の規模などによって変化します。また電波塔から距離が離れるほど、地デジの電波レベル(電波強度)は減衰(弱まり)していくため、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルも低くなってしまいます。
特定の電波塔から送信される地デジ電波を基準にして、電波塔からの距離や山地など地形の影響で、受信できるおおよその地デジ電波レベルで、地域を分類したものを「電界地域」と呼びます。
この電界地域は、電波レベルを示す単位「㏈(デシベル)」を基準として、テレビ局やアンテナメーカーが受信の目安として個別に使用しているもので、統一的な定義はないため、場合によって基準が異なるケースもございます。
ただ一般的には、そのエリアで受信できる地デジ電波レベルの目安が、80㏈以上であれば「強電界地域」。80㏈から60㏈であれば「中電界地域」。60㏈以下であれば「弱電界地域」に分類されます。
また弱電界地域よりさらに電波塔から遠く、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下程度になると、通常の地デジアンテナでは、地デジ放送の視聴に十分な電波レベルを受信することが難しくなり、そのようなエリアを「微弱電界地域」と分類することもございます。
さらに日本国内の一部には、山地や山間部、高地、離島部など、電波塔からの地デジ電波が完全に遮断されて届きにくい。また電波塔から遠く離れているなどの理由で、地デジ電波をほとんど受信できないエリアも存在し、このようなエリアは、地デジの「難視聴地域」と呼びます。
このように、地デジ放送では、主に電波塔からの距離で受信できる電波レベルが異なってくるほか、電波を遮る障害物など、その他の要因によっても受信できる電波レベルに影響が及びます。
まず地デジ電波は、山地などの地形をはじめ、高層建築物などに遮断されることがございます。
山地などの大規模な遮蔽物では、山の向こうに地デジ電波が届きにくくなり、距離的には電波塔から近いエリアでも、近隣に他の電波塔がない限り、受信できる地デジ電波レベルは低くなります。
また高層ビルなどの建築物にぶつかった場合、地デジ電波は電波の波長の広さから、障害物を乗り越えて向こう側で広がる、音に近い性質があるため、地デジ電波が極端に遮られることはございません。
ただ地デジ電波が障害物を乗り越えて広がる性質も完全ではなく、障害物となるビルの向こう側、直近や中心部の一帯では、地デジ電波レベルが大きく低下します。
同じ理由から、短い間隔で戸建て住宅が並ぶ住宅密集地では、周りに遮蔽物のない屋根の上では安定した地デジ電波を受信できても、家と家との間の狭い空間にあたる壁面部では、やはり受信できる地デジ電波レベルが大きく低下するケースもございます。
一方で、地デジ電波は、金属など電波を反射、吸収する一部素材を除けば、一般的な住宅の屋根や壁、窓などを透過して、屋内まで届くことが多くなります。
通り抜ける際に電波レベルの減衰は生じますが、強電界地域で建材や設置スペースなどの条件が整った現場であれば、室内アンテナの使用。また屋根裏、天井裏空間への地デジアンテナ設置による地デジ受信も可能となります。
もうひとつ、地デジ電波レベルに影響を与えるものが、気候や天候などです。
地デジ電波は空間を伝わって届くものであるため、各電界地域のまったく同じ場所でも、空間の気候などに影響を受け、電波レベルに変動が生じるのです。
例えば冬場などで気温が下がり、空気が収縮すると、地デジ電波が遠くまで届きやすくなります。ただその反面、ノイズとなる余計な電波も届きやすくなり、電波障害が起こるケースもあるので注意が必要です。また逆に、夏場などで空気が膨張すると、地デジ電波が届く距離は短くなります。
このような気候の変動により、同じ場所でも、受信できる地デジ電波レベルは気候による空気の膨張、収縮などの影響で、一年を通して6㏈程度の変動がございます。
さらに電波は水に吸収、遮断されやすい性質もがあるため、雨や雪などの悪天候の際には、電界地域などをとわず、地デジ電波レベルも大きく低下します。
総じて、このような障害物や気候による地デジ電波の影響は、電波塔から離れた地域、中電界地域から弱電界地域になるほど大きくなります。
また地デジ電波は、一般の住宅などから見れば高い位置である地デジ電波塔の先端から、各住宅などの建物に設置された地デジアンテナへと、下る形で送信されるものになります。
そのため基本的に、地デジアンテナは住宅でも、屋根の上などの高い位置に取り付けるほど、障害物など電波を遮る要因に影響されにくくなり、受信感度が高くなります。特に弱電界地域では、屋根の上などに高いマスト(ポール、支柱)を立て、その先端に性能の高い地デジアンテナを設置する以外に、地デジアンテナ工事の方法がないというケースも多くなります。
その他、地デジ受信に関係する地デジ電波の性質、特性としては、空間を伝わる地デジ電波と、地面を反射して上昇する地デジ電波が干渉することで、地上から高度が高まるにつれて、電波レベルの強弱が波のように一定周期で変動する「ハイトパターン」。また地デジ電波が、周波数帯の近い携帯電話の電波などと入り混じって電波障害が生じる「混信」を避けるため、日本各地でも一部の電波塔(中継局)において、送信される地デジ電波の波長の角度を変える「水平偏波」「垂直偏波」の違いなどがございます。
これら地デジ放送や電波の仕組みと性質、地上波テレビ放送の歴史などについては、以下の各コラム記事のページでも詳細をご説明しております。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
地デジアンテナの受信の仕組み
現在、戸建て住宅の屋外に設置される地デジアンテナは、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の三種類になります。またその他にも、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナを含めて、いくつかのモデルも存在します。
なお現在の地デジアンテナは、地デジ電波であるUHF波の周波数帯を受信することに特化したアンテナであるため、どの機種もすべて「UHFアンテナ」になります。
この項では、地デジアンテナの機種を問わず、アンテナの向きを調整するために必要となる、機種やモデルごとの受信性能。またそれらに大きく関係する、アンテナの「指向性」について解説してゆきます。
まず地デジアンテナの機種、モデルごとの受信性能は「素子数」「素子数相当」で表記されます。
素子とは、地デジアンテナ本体に設置された、UHF波を受信するパーツ「素子(エレメント)」のことで、各地デジアンテナに設置された素子の数が、そのまま受信性能に直結します。
なお地デジアンテナ本体の外観から素子の数が見える構造のアンテナ「素子アンテナ」といい、素子アンテナの場合、受信性能は「素子数」で表記されます。
ただ地デジアンテナには、独自の設計を持つ機器部をケースに収めて、外部からが素子の数がわからないモデルもあり、このようなモデルでは、その受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で表記します。
なお同じ素子数(相当)の地デジアンテナでも、実際の受信性能には一定の幅がございます。そして性能が素子数で表記される素子アンテナは、素子数相当で表記されるモデルに比べて、同じ素子数値のモデルでも、やや受信感度が高めになります。
地デジ電波の受信性能を判断する基準には、他にも「動作利得」がございます。
動作利得は、単に「利得」または英語で「ゲイン(gain)」とも呼ばれ、その概念を正確に説明すると少し複雑になりますが、受信性能の基準となる、後述の「指向性」がないアンテナとの出力レベルの差異を、常用対数により、㏈の単位で表した数値です。
動作利得が指し示すものを簡単に申し上げると、地デジアンテナで受信できる電波レベルに対して、アンテナから出力できる電波レベルの効率。またはアンテナ本体の正面側における受信感度を示す目安といえるものです。
この動作利得は、素子数では判断できない、同素子数でも素子アンテナとそうでないアンテナの違い、またアンテナ機種の指向性などによる受信性能の差を判断する目安にもなります。
そして地デジアンテナの受信性能、および向きの調整に大きく関係するのが、アンテナが個別に持つ「指向性」です。
指向性とは、これは地デジアンテナ本体の正面に当たる方向の一定範囲でのみ、地デジ電波の受信感度が高くなる性質をいいます。逆に地デジアンテナは正面の方向から外れるほど受信感度が低下してゆき、本体の真横や後方などでは、受信性能はほとんどなくなります。
この指向性の高さ(受信感度が高まる範囲の狭さ)は、アンテナ本体の設計や形状、受信性能などにも影響され、同じ素子数(相当)でも、指向性が高いアンテナほど、指向性の範囲内での受信性能が高くなります。いわばアンテナ本体の受信性能を狭い範囲に集中することで、同じ素子数(相当)でも受信性能を高めているともいえます。
指向性には他にも、アンテナ正面以外の方向から届く、地デジ電波以外のノイズとなる電波をカットする役割もあります。
そして地デジアンテナモデルごとの指向性の高さ、低さの違いは「半値幅」という数値で表されます。
半値幅とは、地デジアンテナでも受信性能がもっとも高くなる、本体の真正面を基準点として、アンテナ角度を左右へと徐々にずらして、アンテナの受信性能が、最大レベルの約半分になる角度を示す数値です。
ここでご説明した地デジアンテナの素子数(相当)や動作利得。また指向性などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説
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・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
地デジアンテナを向ける的確な角度とは?
以上、地デジ電波の発信元である地デジ電波塔、および地デジアンテナの指向性から、地デジアンテナを向けるべき正しい向きは、地デジアンテナを設置する現場から、もっとも近い位置にある電波塔の方向であることがお分かりいただけると思います。
さらに地デジアンテナが受信性能を発揮する、正確な角度調整の方法としては、地デジアンテナがもっとも高い受信性能を発揮するアンテナの真正面、少なくとも指向性を発揮する半値幅の範疇に、近隣の地デジ電波塔の方向を収める必要がございます。
なお、ご自宅など地デジアンテナを設置する現場で、もっとも近隣にある地デジ電波塔や、ご自宅の一帯が強・中・弱、どの電界地域に属するかなどについては、インターネット上に存在する「A=PAB・一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内のページ「地デジ放送エリアのめやす」を確認することで、地図上にて確認できます。
また地デジアンテナの角度調整については、基本的に、アンテナの前方を地デジ電波塔の方向へと向けるだけなので、方位角(左右の角度)のみの調整で済みます。またアンテナの指向性にもよりますが、おおよそ真正面側が電波塔の方向に向いていれば、十分な受信レベルを確保できるため、ミリ単位で電波塔の方向に合わせるなど、極度に緻密な角度調整は必要ございません。
ただ、必然的に地デジアンテナの設置にあたっては、お住まいの中でも、この地デジアンテナの方向調整を的確に行える位置へと、地デジアンテナを設置する必要がございます。
屋根の上のマストなど、高所への地デジアンテナ設置であれば、ほとんどの場合、360度の全方向にアンテナの向きを調整できるため、さほどの問題は生じません。
ただ、住宅の壁面やベランダなどに地デジアンテナを設置する場合は、その壁面やベランダが、アンテナの正面側を地デジ電波塔の方角に向けることができる方向でないと、地デジアンテナを設置できないケースが多くなりますので、どうかご注意ください。
地デジアンテナの確度調整で、特殊な調整が必要な例とは?
一般のお住まいなどに設置される地デジアンテナの向きを調整する方法は、以上の通りです。
ただ現場の条件によっては、ただ地デジアンテナを近隣の電波塔の方向へ向ける以外のアンテナ向き、角度調整が必要なケースもございますので、ここでは、それらの例についてご説明いたします。
ひとつは、近隣の地デジ電波塔がある方向に、高層建築などの障害物が存在し、電波塔から直接、送信される地デジ電波の受信が難しい場合に「反射波」と呼ばれる地デジ電波を受信する方法です。
反射波とは、文字通り、電波塔から発信された地デジ電波が、高層ビルなどの障害物にぶつかって反射し、方向が変わった地デジ電波のことを言います。
地デジ電波から直接、送信される電波が受信しにくい。また後述する地方チャンネルの電波だけ、別個の電波塔から送信されているという条件の現場では、この反射波の方向に地デジアンテナを向けることで、安定した地デジ受信を実現できるケースもございます。
ただしこの反射波は、どの現場でも受信できるとは限らず、また反射波を受信するためには、アンテナ工事のプロである専門業者が専門の機器を使用して、まず現場に反射波が存在するか、またその電波の方向や品質、強度などを確認して、受信に適しているかを判断する必要がございます。
もうひとつは、上記でも少し触れた通り、地デジ電波塔のうち、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔が異なる場合です。
皆様もよくご存じのこととは思われますが、地デジ放送のチャンネルには、日本全国で放送されるNHKと広域民放、そして日本国内でも主要都市圏の一部都府県で別個に存在する、例えば東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビジョンなど、広域民放キー局とのネットワーク関係を結んでいない「独立放送局」の「地方チャンネル」がございます。
地方チャンネルの電波塔は、放送エリアである都府県内にしか設置されていないため、地方チャンネルを受信できるのはその都府県内、および隣接する都府県でも、地方チャンネルの電波が届く直近の一部エリアのみになります。
そして地方チャンネルが受信できるエリアの電波塔には、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔が、別個になっているケースもございます。
上記の通り、地デジアンテナには指向性があるため、別々の電波塔から送信される地デジ電波でも、その方向が、地デジアンテナの半値幅の間に入っていれば、双方とも受信することも不可能ではございません。
ただ、別々の電波塔の方向が、現場から見てほぼ正反対など、大きく異なっている場合には、半値幅の範囲から外れてしまうため、一基の地デジアンテナで、NHK、広域民放と、地方チャンネルのすべての電波を受信することは難しくなります。
この場合の対処法としては、ひとつは、上記した反射波を利用することで、一基の地デジアンテナの半値幅の範疇で、すべての地デジ電波を受信できるよう調整するという方法がございます。ただ受信に都合のいい反射波が必ず存在するとは限らないため、この方法で受信できるケースは限られます。
そしてもうひとつは、NHK、広域民放を受信するメインの地デジアンテナとは別に、地方チャンネル用の地デジアンテナを、もう一基、追加設置するという方法になります。
この場合は当然ながら、NHK、広域民放用の地デジアンテナと、地方チャンネル用の地デジアンテナを、それぞれの電波塔の方向に向けて角度調整を行うことになります。
なお、当あさひアンテナでは、首都圏をはじめ地方チャンネルを受信できる地デジアンテナ設置に当たって、NHK、広域民放と地方チャンネルの電波塔の方向が大きく異なる場合でも、反射波を利用するなどの工夫で、可能な限り、一基の地デジアンテナですべてのチャンネルを受信できる地デジアンテナ取付を実施しております。
ただ現場の条件から、どうしても一基の地デジアンテナでは、NHK,広域民放と同時に地方チャンネルを受信することは難しいケースもございます。その場合に限って、弊社では、通常の地デジアンテナに加えて、地方チャンネル受信用の地デジアンテナを追加設置する地方局アンテナ追加工事を、アンテナ本体や設置具、ケーブルなどの機材代金を含めて「15,000円(税込み)」からでご案内いたします。
なお、地方チャンネルとその受信方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明いたしております。
・地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?
・東京MXは東京都以外でもテレビで視聴できる? 日本各地でエムキャスなどにより東京MXその他の地方チャンネルを見る方法
衛星放送の仕組みと電波の性質。
衛星放送とは、その名称の通り、地球の赤道軌道上に当たる宇宙空間、地上から約36,000キロ上空で、地球の自転と同じ速度で周回するため、地上からは常に上空の同じ場所にあるように見える「静止衛星」から広範囲に電波を送る放送になります。
衛星放送の正確な仕組みは、まず地上の放送局から、この静止放送に向けて、放送電波を送信(アップリンク)します。静止衛星では、受け止めた電波の周波数帯を変換、増幅して、地上の広範囲へと送り返す(ダウンリンク)するという形式です。
そのため、地上にいくつもの電波塔を設置する必要がある地デジ放送に比べて、一基の静止衛星で、日本国内の全域など、地上の広範囲へと、大容量の情報を効率的に送信できる点が特徴です。
他にも、衛星舗装は、地上の地形や建築物、災害などにも影響されにくく、常に安定した放送を実現できるというメリットがございます。
日本の衛星放送には、「放送衛星(Broadcast Satellite)」を利用した、日本国内の不特定多数を対象とする衛星放送で、BS/CSアンテナを設置すれば駄絵でも視聴できるNHK、広域民放などの無料チャンネルと、月額料金制の有料チャンネルがあるBS放送。
そして「通信衛星(Communication Satellite)」を利用し、放送事業者と契約した視聴者を対象にする衛星放送で、大半が有料チャンネルながら、BS放送以上の多チャンネルが特長の、CS放送の二種類に分けられます。
このBS放送、CS放送も、地デジ放送に先駆けてデジタル放送化されており、現在では「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」になっております。
また2018年(平成30年)には、このBS放送、CS放送にそれぞれ複数の4K、8Kチャンネルが追加される形で「新4K8K衛星放送」もスタートしております。
BS放送、CS放送の違いは、日本の放送法に基づく人工衛星の用途による区分でしたが、現在ではどちらも放送内容的に大きな違いはなくなっております。
またBS放送では東経110度に位置する放送衛星を使用し、CS放送では、東経110度の通信衛星を使用する110度CS放送「スカパー!」と、東経124度、128度の通信衛星を使用する、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」のふたつの放送サービスが存在します。
そしてBS放送、CS放送とも、静止衛星から地上まで送信される電波は、地デジ放送のUHF波より格段に周波数帯が高いマイクロ波でも、センチメートル波(SHF波)と呼ばれる電波です。そのうち12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯が使用されるため、衛星放送の電波は「12GHz帯」とも呼ばれ、その波長の幅は25ミリ前後になります。
12GHz帯の電波は、その波長の短さ(周波数帯の高さ)から、性質は光に近く、非常に直進性が高くなって、電波のエネルギーを集中させやすい性質がございます。そのため静止衛星から地上までの長距離を送信される電波として適しているのです。
衛星放送では、BS放送、CS放送それぞれの静止衛星から光のような電波を、日本全域にスポットライトを当てるような形で送信していると考えれば、わかりやすいかと思われます。
この静止衛星から日本全域へ、照射されるように送られる12GHz帯の電波を、地上に設置された衛星放送用のBS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)で受け止めることにより、衛星放送が視聴できます。
衛星放送の電波は、一基の静止衛星から日本全域へ、ライトを当てるような形で送信されているため、地デジ放送のように、地域によって大きな受信レベルの差が生じることなく、日本各地のどこでも、BS/CSアンテナを設置することで、安定した受信が可能となります。
ただ衛星放送の12GHz帯にも、その電波の特性から、送信される際のいくつかの弱点。またBS/CSアンテナを設置する際の注意すべきポイントなどが出てまいります。
まず12GHzの電波は、波長が短く長距離でも伝わりやすい半面、障害物を乗り越える力が非常に弱く、ちょうど日光がものに当たると影ができるように、障害物に遮断されやすい性質がございます。
そのため静止衛星から、地上に設置されたBS/CSアンテナまでを結ぶ直線状の空間、12GHz帯の電波の経路に、山地や建物をはじめ、樹木や枝葉、電柱や電線、また洗濯物など、BS/CSアンテナアンテナに影を落とすような形で、12GHz帯の電波を遮ってしまう、わずかな障害物が存在しても、BS/CSアンテナ側での受信不良の原因となります。
また12GHz帯の電波は、多少の気候や天候の変化にはさほど影響を受けませんが、やはりその波長の短さから、豪雨や大雪で、雨や雪の粒が、12GHz帯の波長と同じ25ミリに近くなると、空中で雨や雪により電波が吸収され、また乱反射も発生してしまい、やはりBS/CSアンテナの側で十分な受信ができなくなります。この現象を「降雨減衰」「降雪減衰」といい、基本的な対策は、天候の回復を待つのみとなります。
他にも12GHz帯の電波は、前述の通り静止衛星から日本全域に送信されるため、日本国内のどの地域でも、受信できる電波レベルに極端な差は生じません。ただ日本国内でも、中心部に比べると静止衛星からの距離が遠くなる、いわばスポットライトの端のあたりに位置する、日本国内でも北部や南端部、離島部などでは、距離による減衰が生じて、やはりBS/CSアンテナで受信できる12GHz帯の電波のレベルが、やや低くなってしまいます。
次の項では、上記した衛星放送の12GHz帯の電波の基礎知識に基づき、12GHz帯の電波を受信する衛星放送用BS/CSアンテナの基本的な構造や種類、そしてBS/CSアンテナを向ける方向と角度調整、また適した設置位置についてご説明してまいります。
なお、衛星放送や12GHz帯の電波については、以下の各コラム記事ページにも、詳しいご説明がございます。
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
BS/CSアンテナの受信の仕組みと向けるべき角度とは?
上記の通り、衛星放送の静止衛星から送信される12GHz帯の電波を受信するテレビアンテナは、主に衛星放送用のBS/CSアンテナと呼ばれるパラボラアンテナになります。
衛星放送用のパラボラアンテナは、皿のような形の円盤「ディッシュ(dish:皿)」または「放物面反射器(反射鏡)」と呼ばれる部分で、静止衛星から直進的に送信される12GHz帯の電波を受け止める受信部であり、本体の多くを占めるアンテナです。
ディッシュの背面には、上下、左右への角度調整部でもある、アンテナ本体をマスト(ポール、支柱)に取り付ける固定部。そして金属製のコンバーターアームが設置されています。
コンバーターはディッシュの下部を通ってディッシュ中心部近くまで伸び、その先端に「コンバーター(変換器)」と呼ばれる装置を設置しております。
BS/CSアンテナでは、ディッシュ(反射鏡)で受け止めた12GHz帯の電波を、内面の放物面に反射させ、ディッシュの中央部、コンバーターの一次放射器に集めます。
一次放射器を経由してコンバーターに集まった12GHz帯の電波は、コンバーターでMHz帯の周波数帯へと変換されます。これは、12GHz帯の電波をそのまま同軸ケーブルで送信すると、周波数帯が高すぎるため減衰量が大きくなり、正常に送信できないためです。
そしてMHz帯に変換された電波は、コンバーターに接続された同軸ケーブルから、住宅のアンテナ配線部を通じて、屋内のテレビなど受信機器のBS/CSチューナーに送信され、衛星放送が視聴できるという仕組みになります。
なおコンバーターは、電波の周波数帯を変換する電子機器であるため、BS/CSアンテナには、アンテナ配線部のブースター電源部。またはテレビやレコーダーなど受信機器で「BS電源設定」を行うことにより、BS/CSチューナー端子から、配線部を経由してコンバーターに給電する形で、電源が必要となります。
この電源設定が正しく行われていない、また電源供給にトラブルが生じるなどすると、12GHz帯の電波が適切な周波数帯に変換されず、衛星放送を受信できなくなるためご注意ください。
そして現在の主な衛星放送用パラボラアンテナは、BS放送と110度CS放送(スカパー!)の双方を一基で受信できる、BS/110度CSアンテナ(BS/CSアンテナ)になります。
なお、前述したCS放送のうち、東経124度、128度の通信衛星を用いた、124・128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」を受信するためには、BS/110度CSアンテナとは別に「プレミアムサービス専用アンテナ」。またはBS放送と、110度、124度、128度すべてのCS放送を受信できる「マルチアンテナ」が必要です。
また2018年にスタートした「新4K8K衛星放送」を受信するためには、同放送に対応できる「2K4K8K対応型」のBS/CSアンテナが必要です。
現在、生産され市販されるBS/CSアンテナは、すべて「2K4K8K対応型」です。ただ、2018年以前にお住まいに設置されたBS/CSアンテナは、新4K8K衛星放送のほとんどのチャンネルを受信できない「2K対応型」(現在は製造終了)である場合もございますので、どうかご注意ください。
これは、新4K8K衛星放送以前の2K衛星放送では、12GHz帯の電波として、右回りの螺旋を描く「右旋円偏波」が使用されていたのですが、新4K8K衛星放送のスタートで、BS放送、CS放送に4K、8Kチャンネルを追加する際、右旋の電波では、チャンネルに割り当てることができる周波数帯が不足したことによるものです。
そのため、右旋でも使用できる周波数帯に、BS放送でもNHK、広域民放の4Kチャンネルを割り当てた以外は、新規の4K、8Kチャンネル用の電波として、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」を新しく導入したのです。
これにより、BS/CSアンテナも左旋の電波に対応できる「2K4K8K対応型(右旋・左旋対応)」が必要になりました。また右旋、左旋の電波は、BS/CSアンテナのコンバーターでMHz帯の周波数に変換される際、従来の右旋の電波は1032MHzから2072MHz。新しく追加された左旋の電波は、やや周波数帯の高い2224MHzから3224MHzに変換されます。
そのためBS/CSアンテナの設置時期が2018年以前で、2K対応型BS/CSアンテナが設置されている場合は、アンテナ配線部に当たるブースターや分配器などの機器。場合によっては配線に使用される同軸ケーブル(アンテナケーブル)も、左旋円偏波が変換された周波数帯に対応できる「4K8K(3442MHz)対応型」へと交換する必要がございますので、この点にも注意が必要です。
総じて現在の衛星放送用アンテナは、プレミアムサービス対応型、また車載用やアウトドア用など一部の特殊なモデルを除けば、ほぼすべてが2K4K8K対応のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナになります。
このBS/CSアンテナは、パラボラアンテナとして基本的な設計や構造は、ほぼ同じになるため、メーカー、モデルは異なっても、ディッシュサイズが同じであれば、コンバーターの微妙な性能差などを除いて、受信性能にほぼ違いはございません。
BS/CSアンテナの主なモデルの違いは、ディッシュの大きさの差になります。一般住宅用のBS/CSアンテナは、ディッシュの有効直径(12GHz帯の電波を受け止める部分の直径)が45センチの「45型」モデルでも、十分な受信性能を発揮します。ただその他にも、ディッシュサイズが50型、60型、75型、90型、120型など大型で、より受信性能の高いBS/CSアンテナも存在します。
このような大型のBS/CSアンテナは、基本的にアパートやマンションなどに使用される、集合住宅向けの共同受信用アンテナになります。
ただ一般住宅でも、前述した「降雨減衰」「降雪減衰」への対策や、静止衛星との距離から12GHz帯の電波レベルがやや弱まる地域では、50型、60型、75型など、やや大型のBS/CSアンテナが使用されるケースもございます。
その他にも、BS/CSアンテナのバリエーションとして、太陽光の影響を避けやすい基本色のホワイト系以外、太陽光に強い特殊な塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。またディッシュが風を通しやすいパンチングメタル仕様。各固定部の強化などで耐風性能を高めた、高耐風モデルなども存在します。
BS/CSアンテナの基本的な設置位置としては、前述のように、東経110度に位置する静止衛星から、BS/CSアンテナを結ぶ、12GHz帯の電波の経路となる空間に、建物や樹木などの障害物が存在しない、さらに将来にわたって障害物が発生する可能性が考えにくい場所が選ばれます。
そしてBS/CSアンテナの角度調整は、静止衛星から光のように直進的に届く12GHz帯の電波を、ディッシュで正面から受け止め、反射させてコンバーターに集めるため、ディッシュの仰角(上下の角度)、方位角(左右の角度)とも、東経110度の方向へとミリ単位で正確に向ける必要がございます。
この角度が少しでも狂ってしまうと、ディッシュに反射した12GHz帯の電波の焦点がコンバーターから外れて、衛星放送の受信感度が大きく低下し、受信不良が生じてしまうのです。つまりBS/CSアンテナは、地デジアンテナ以上に指向性の高いアンテナであるとも言えます。
またBS/CSアンテナはその性質に加え、ディッシュが風を受けやすい形状から、設置位置などによっては、風雨などの影響を受けた角度のずれによる受信トラブルが発生することもございますので、ご注意ください。
なお、東経110度の方向は日本国内から見れば、南西方向の上空になります。ただ日本列島は東西に長く、南北にも一定の幅があるため、BS/CSアンテナを向けるべき東経110度の正確な角度は、地域によって微妙に異なってまいります。
なお、日本各地における東経110度の正確な角度については、日本三大アンテナメーカーの一社、日本アンテナ社が無償で提供しているスマートフォンアプリ「BSコンパス」を利用することで確認できます。
「BSコンパス」は、BS/CSアンテナを設置するエリアを入力することで、画面上に現場ごとの東経110度を示すコンパスが表示されます。このコンパスをBS/CSアンテナにあてがうことで、角度調整の作業が簡単になります。
他にも、日本アンテナ社のホームページはじめ、インターネット上には、日本各地の東経110度(BS/CSアンテナを調整すべき仰角、方位角)を表記したサイトがございます。またBS/CSアンテナの製品には、アンテナの角度調整部の目盛りに、日本各地の東経110度を示す表示がある商品や、付属のマニュアルに、やはり日本の各エリア別の、東経110度の仰角、方位角の一覧が付属する商品もございます。
ただいずれにせよ、BS/CSアンテナの角度調整は、ただエリアごとの東経110度に角度を合わせるだけでなく、現場ごとに、受信感度が最大になるよう微調整を行う必要があるためご注意ください。
ちなみに前述した、プレミアムサービス専用アンテナやマルチアンテナの場合は、アンテナを向ける静止衛星の位置が異なるだけで、基本的な方法は同じとなります。ただこれらのアンテナの場合は、角度調整を東経124度と128度、場合によっては東経110度など、二カ所または三カ所の静止衛星に向ける必要がある分、角度調整がシビアになるため、一般の方では調整が難しい場合もございますので、ご注意ください。
なお戸建て住宅への主なBS/CSアンテナ設置位置は、東経110度の方向に障害物がなく、BS/CSアンテナの角度調整が可能な位置であれば、どこに設置しても特に問題はございません。
ただ一般的にBS/CSアンテナは地デジアンテナとセットで設置されるため、配線が行いやすいよう、地デジアンテナの付近にセットで設置されます。
そのため周辺の障害物に影響されにくく、角度調整も行いやすい、地デジアンテナが設置された屋根の上、同じマストの下部に設置されるほか、現場の条件によっては、サイドベースなどを使用して、住宅の壁面や破風板(屋根の張り出し部)。ベランダの手すり部や内部空間などに設置される場合もございます。
他にも、12GHz帯の電波は障害物に弱いため、住宅の屋根や壁などを透過することはできません。
ただ透明な一枚板のシンプルなフロートガラスによる窓ガラスであれば、透過の際に多少の減衰は生じるものの、12GHz帯の電波も光のように通り抜けるため、ご自宅に条件のそろった窓があれば、BS/CSアンテナの専用の自立スタンドに固定して、窓際に置くことで、据え置きによる室内設置が可能なケースもございます。
ちなみに当あさひアンテナでは、BS/CSアンテナ設置工事については、日本三大アンテナメーカーの一社、DXアンテナ製の45型2K4K8K対応、高品質モデル「BC45AS」をご用意しており、アンテナ本体と基本設置具、ケーブルなどの料金も含めた基本設置工事を、地デジアンテナとのセットで設置される場合「15,000円(税込み)」からの費用でご案内いたしております。
また、台風などが多く、BS/CSアンテナの角度の狂いや経年劣化によるトラブルが起こりやすい地域向けのモデルとして、同じくDXアンテナ製45型、2K4K8K対応で、通常モデルに比べて格段に高い、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sの耐風性能を誇る、業界最強クラスの高耐風モデルBS/CSアンテナ「BC453SG」もご用意しており、弊社では同モデルによる同様のBS/CSアンテナ基本設置工事を「特別価格」でご案内いたしております。
その他、BS/CSアンテナのモデルでは、ブラックのカラーバリエーションや、集合住宅向けを含む各ディッシュサイズのモデルもご用意しておりますので、当あさひアンテナでは、一般の戸建て住宅から、マンションやアパートなどのオーナー様まで、さまざまなBS/CSアンテナ設置の現場、ご要望に対応できるBS/CSアンテナ取付工事をご案内いたします。
なお、BS/CSアンテナ本体や設置方法、角度調整などに関して、また新4K8K衛星放送に対応する機器の詳細は、それぞれ以下の各コラム記事にてご説明しております。
(BS/CSアンテナ本体)
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
(BS/CSアンテナ設置)
・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
(新4K8K衛星放送)
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について
・2K放送と4K、8K放送の違い
・用途・目的別、4Kテレビ、8Kテレビをおすすめできる方
主な地デジアンテナ機種と角度調整の方法とは?
現在、戸建て住宅などに設置される主な地デジアンテナの種類は、前述の通り「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の三種類になります。
これらのアンテナ機種には、それぞれの特徴やメリット、デメリットがあり、また機種ごとに形状から受信性能、指向性、主な設置位置なども変わってくるため、アンテナ角度の調整方法も異なってまいります。
以下の項目では、主な地デジアンテナ機種の特徴について、主に設置や角度調整の方法を中心にご説明してまいります。
高い受信性能と低価格が魅力:八木式アンテナ
八木式アンテナとは、テレビアンテナとしてはアナログ放送の時代から使われている古典的なモデルであり、矢印状の骨組みに、短い横棒に当たる素子をいくつも設置した、魚の骨のような形が特徴です。
八木式アンテナの設置方法は、戸建て住宅の場合、住宅の屋根の上で、屋根馬と呼ばれる固定具に、マスト(ポール、支柱)を立てて固定し、その先端にアンテナ本体を設置。そして屋根の四方から、ステンレスワイヤーなどの支線(ステー)を張って、屋根馬、マストごとアンテナをしっかり固定するという形になります。
他にも、垂直の板状の固定部から、真横にマストを固定するアームや、L字型のマスト兼用アームが突き出した、サイドベースと呼ばれる固定具を、住宅の壁面やベランダに取り付けて八木式アンテナを固定する。またベランダの内部空間に固定する。小型モデルを、ベランダの屋根や軒先から吊り下げるなどの設置方法もございます。
八木式アンテナの特徴は、8素子、14素子、20素子など素子数別のモデルが多彩。またⅩ字型の設置具の上下に複数の素子パーツを並べた高性能素子を用いて、27素子、30素子などの多素子モデルも存在する高性能アンテナ(パラスダックアンテナ)も存在するため、各電界地域はもちろん、高性能アンテナでは微弱電界地域でも地デジ受信化が脳になるなど、地デジアンテナ機種の中でも受信性能に優れ、もっとも幅広い地域に対応できるのが最大のメリットです。
他にも八木式アンテナは、基本的な設置位置が高所になる。素子アンテナである。指向性が高い。オールチャンネルアンテナの他にローチャンネルアンテナが存在するなどの要因から、同素子数(相当)の地デジアンテナ他機種と比べても、受信性能がもっとも高くなる機種になります。
また地デジアンテナは、設計もシンプルな古典的アンテナであることから、アンテナの本体価格や設置工事費用が、地デジアンテナではもっとも低価格になるというメリットもございます。
一方で、八木式アンテナのデメリットには、機器部がむき出しとなったやや大型の形状で、屋根の上に設置されることから、風雨などの自然環境の影響を受けて経年劣化が進みやすく、それに応じてアンテナ角度のずれなどのトラブルも生じやすくなる。また屋根の上などで形状が目立つため、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与えるといった点が挙げられます。
特に八木式アンテナは、設置位置や形状に加え、指向性の高さから受信性能が高くなる反面、アンテナ角度のずれがもっとも生じやすいアンテナ機種ともいえます。
ある大手国産メーカーの八木式アンテナで、標準的なモデルである20素子モデルの半値幅の例を挙げると「28度から52度」になります。この半値幅は、素子数が少ない八木式アンテナではやや広まる反面、高性能型のパラスタックアンテナではより狭くなるため、ご注意ください。
八木式アンテナの設置では、アンテナの角度調整部でもある、マストへの固定部を軸に、矢印型の先とは反対型にあたるアンテナの先端を、近隣の地デジ電波塔の方向へと、正確に向けて設置する必要がございます。
また八木式アンテナの耐用年数(寿命)は10年程度とされており、設置からこの年数を超えると耐久力が低下し、アンテナ角度のズレなどをはじめとするトラブルが発生しやすくなってまいります。特に風雨や雪が多い、海沿いで潮風を受けるなど、自然環境の厳しいエリアでは、より耐用年数が短くなることもございます。
なお、八木式アンテナの対候性や外観性などへの対策としては、地デジの受信性能に悪影響が出る場合もございますが、住宅の壁面やベランダ内外など、外部から見えにくく風雨を避けやすい位置に設置する。
また八木式アンテナでも、風雨や雪、潮風などへの抵抗力を高める設計を採用した、ステンレス製や雪害用、塩害用モデルなどが存在しますので、現場の環境に適した、このようなモデルを採用することで、アンテナ角度のズレなどトラブルのリスクや経年劣化をある程度、軽減することもできます。
総じて八木式アンテナは、受信性能と価格面に優れ、特に弱電界地域などでは、八木式アンテナを高所に設置する以外、地デジアンテナ設置の方法がないケースもございます。
ただその一方で、八木式アンテナは自然環境などの影響を受けやすく、経年劣化などにより、アンテナ角度のずれによるトラブルが生じやすい地デジアンテナ機種になりますので、注意が必要です。
ちなみに当あさひアンテナでは、八木式アンテナ本体と、アンテナケーブル(同軸ケーブル)のみを使用した基本設置工事では、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」本体と屋根馬、マストなどの基本設置具、同軸ケーブル、防水処理を含めて「15,000円(税込み)」からの料金でご案内しております。
他にも弊社では、八木式アンテナの各素子数モデル。パラスタックアンテナ。ローチャンネル用やロー・ミドルチャンネル対応モデル。またステンレスモデルや塩害用、雪害用モデルなどの御用意もございますので、電波状態から自然環境まで、さまざまな条件の現場にご対応が可能です。
なお八木式アンテナ本体やその種類、設置位置などの詳細については、以下の各コラム記事でもご紹介しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
見た目がスマートで自然環境にも強い:デザインアンテナ
デザインアンテナとは、地デジ放送がスタートした後である2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、地デジアンテナの第2世代モデルです。
その形状は、アンテナの機器部を、縦長の長方形で薄型のケースに収めたパネル状のものになり、形状や設置位置から、平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどとも呼ばれます。
その基本的な設置位置は、住宅の壁面やベランダの手すり部に、専用の固定具を設置して、デザインアンテナ本体をはめ込むように設置する形になります。
他にも、背面部のマストに設置するモデルもあり、屋根の上などでマストに固定されることもあるほか、強電界地域で住宅の建材など、受信に適した条件が整っていれば、屋外屋内兼用のコンパクトモデルを室内の窓際に設置する。また住宅の屋根裏や天井裏の空間に設置するといった方法も可能となります。
デザインアンテナのメリットでもある特徴は、その形状と設置位置、そして同モデルでもカラーバリエーションの豊富さから、住宅の壁面に設置しても目立たず家の見た目や周辺の景観に悪影響を与えにくい。
そして同じく形状と設置位置から、風雨や積雪、潮風などの自然環境に影響されにくく、経年劣化が進みにくいため、耐用年数が長くなり、トラブルが発生しにくい点も大きなメリットと申せます。
デザインアンテナの耐用年数(寿命)は、一般的な屋外への設置で15年から20年程度になります。
またデザインアンテナは平面型で多くの場合、壁面などにぴったり貼り付けるように固定されること。さらにアンテナの前面側が正面に当たるため、指向性がやや低い(半値幅が広い)ことから、角度のズレによるトラブルが生じにくいアンテナ機種であるとも言えます。
ある国産大手メーカー性デザインアンテナの、機種ごとの半値幅の例を挙げると、20素子相当モデルでは「75度から86度」。26素子相当モデルでは「71度から82度」と、余裕ある角度になります。
デザインアンテナの角度調整は、機種によっても異なりますが、デザインアンテナ本体や固定具を、左右の固定部から、扉を開くような形で調整する。また背面中央のマスト設置部を軸に、アンテナ本体を左右にずらすといった方法になります。
このようにデザイン性に優れ、自然環境にも強くアンテナ角度のズレが生じにくいというメリットの半面、デザインアンテナには、本体の受信性能がやや低くなるというデメリットもございます。
デザインアンテナの主な受信性能は、屋外屋内兼用のコンパクトモデルを除いた屋外設置用のモデルで、前述の通り20素子相当と26素子相当の二種類。そしてそれらのブースター内蔵型になります。
その他、デザインアンテナは、基本的な設置位置が低い。指向性が低くなる。オールチャンネルアンテナしか存在しないなどの要因により、八木式アンテナの同素子数(相当)モデルと比べても、全般的な受信性能はやや低くなるのです。
したがってデザインアンテナは、基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種となります。さらに対応する電界地域でも、周辺に高層建築物が位置する。住宅密集地の壁面にあたるなど、地デジ電波が遮られやすい現場では設置できないケースが多くなります。
他にも、住宅への壁面設置では、壁に固定具を取り付けるため、ビス穴を開ける必要が出る。八木式アンテナに比べて、本体価格や設置費用もやや高額になるなどのデメリットもございます。
総じてデザインアンテナは、アンテナ角度のズレをはじめとする、経年劣化などのトラブルにはかなり強い地デジアンテナ機種といえますが、半面、設置できる現場の条件が限られてくるため、設置に当たっては、あらかじめ現場の受信環境を綿密に確認することが重要となります。
当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事について、DXアンテナ製20素子相当の高品質モデル「UAH201」。および強電界地域専用のコンパクトモデルになりますが、日本三大アンテナメーカーの一社、マスプロ電工製の業界最小級である屋外屋内兼用モデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどを含めた基本設置工事を「20,000円(税込み)」からの費用でご案内いたしております。
またデザインアンテナについても、その他、26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどを、カラーバリエーションも含めてご用意しておりますので、現場の受信環境などから可能となる限り、デザインアンテナ取り付けにご対応いたします。
デザインアンテナの特徴や、屋根裏空間など屋内への設置、また受信性能からくる設置の失敗例と、それを避ける対策などについて、詳しくは以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・新築戸建て住宅で目立たない地デジ等テレビアンテナ形状の種類と選び方、設置工事の方法とは? デザインアンテナ失敗例も解説!
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
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すべてのメリットを兼ね備えた最新機種:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、マスプロ電工が発売した独自のアンテナモデル「U2CN」を指します。このモデルは地デジアンテナの第三世代であり、現時点で最新鋭の地デジアンテナ機種になります。
その形状は、長さ約67センチ、直径は12センチから14センチ程度の、ほぼ円柱型をしています。
正確にはアンテナの受信面に当たる正面側の下部に「UNICORN U2CN」「MASPRO」のロゴが入っており、直径は左右にやや長く、裏側は切り落としたような平面になっております。
またカラーバリエーションは、ツヤのないマットな質感の「ウォームホワイト(WW)」と「ブロンズブラック(BB)」の二色になります。
ユニコーンアンテナの設置方法は、アンテナ前方の下部、カバーを開いた部分に、ボルトで〆る形の、マスト先端への固定部があり、マストを軸に左右へと角度調整する形になります。
戸建て住宅への設置位置は、八木式アンテナと同じく、屋根馬を使って屋根の上のマストに立てられる。またサイドベースによって屋根の破風板や壁面での最上部に設置されます。いずれの設置方法でも、基本的にユニコーンアンテナ本体は、屋根の上から突き出すように設置されます。
ユニコーンアンテナの特性は、第三世代モデルとして、八木式アンテナの受信性能と、デザインアンテナの外観性、対候性を兼ね備える点にあります。
ユニコーンアンテナは、そのデザイン性から、本体が屋根の上などの高所に設置されても、非常にスタイリッシュな外観から、住宅の見た目や周辺の景観に、ほとんど悪影響を与えません。
さらに円柱状のカバーに覆われた形状から、高所でも風雨などを受け流せるため、自然環境などの影響を受けにくく、経年劣化を抑えられ、アンテナ角度のズレなどをはじめとするトラブルも生じにくくなります。
ユニコーンアンテナの耐用年数は、比較的、新しいモデルであるためデータは少ないのですが、デザインアンテナとほぼ同等の、15年から20年程度と見られております。
さらにデザインアンテナよりも指向性はさらに低く、その半値幅は「83度から93度」になる点も、アンテナ正面の向きの調整が行いやすく、角度のずれが生じにくい要因となります。
そしてユニコーンアンテナは、このような高い外観性、対候性を備えながら、設置位置の高さから、デザインアンテナに比べて、受信感度が安定しやすいというメリットもございます。
ユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当のみで、受信感度は、同じく20素子相当のデザインアンテナを、受信に適した壁面に設置した場合とほぼ同等になります。
そしてユニコーンアンテナは、設置位置が高いことから、デザインアンテナでは設置できないことが多くなる、高層建築の近隣、住宅密集地などの現場でも、安定した受信レベルを確保でき、設置できるケースが多くなってまいります。
このように多くのメリットに恵まれたユニコーンアンテナですが、デメリットとしては、同じ20素子からそれ以上の八木式アンテナに比べると、受信性能はやや低くなる点が挙げられます。
これは、ユニコーンアンテナも、やはり素子が露出していない。オールチャンネルアンテナしか存在しない。そしてユニコーンアンテナよりさらに指向性が低くなるため、アンテナ正面側の受信範囲が広い分、受信感度がやや低くなるといった要因によるものです。
そのため、ユニコーンアンテナも基本的に、強電界地域から中電界地域向けの地デジアンテナ機種となり、弱電界地域では設置できない現場でも出てまいります。
他にも、地デジアンテナでは最新モデルであるため、本体価格や設置費用がもっとも高額になる。純和風邸宅など、住宅の様式によっては、現代的なアンテナのデザインとマッチせず、住宅の外観性を崩すなどのデメリットも挙げられます。
総じてユニコーンアンテナは、デザインアンテナに比べて受信性能が高い分、幅広い現場で使用でき、外観性、対候性も高いため、アンテナ角度のズレなどのトラブルも生じにくい点が特徴となります。
ただ八木式アンテナに比べると、やや受信性能が及ばないため、設置できる現場が限られてくるケースもございますので、その点には注意が必要です。
なお当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナの基本設置工事を現在、各カラーバリエーションののアンテナ本体と設置具、ケーブルなど基本部材をセットにした基本設置工事費を、業界最安に挑む「キャンペーン価格」でご案内しております。
その他、ユニコーンアンテナ本体や設置に関しては。以下の各コラム記事ページでも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
テレビアンテナ角度の狂いが生じたらどうなるのか?
地デジアンテナでも指向性を発揮する正面方向の、半値幅の範囲から、地デジ電波塔の位置がずれる。またBS/CSアンテナの仰角、方位角が東経110度からずれると、当然、各テレビアンテナで十分な電波の受信ができなくなり、地デジ放送、衛星放送の画面が乱れる、映らなくなるなどの受信不良が生じます。
ただテレビ電波の受信不良は、アンテナ角度のズレの他にも、障害物や天候、気候、ノイズなどの影響でテレビ電波が遮られる、レベルが弱まるといった電波障害。アンテナ配線の接続部や、配線部にあるブースターや分配器など機器の不良。テレビ本体やB-CASカードの不調など、さまざまな要因でも起こり得ます。
各種の受信不良、機器トラブルなどにより、テレビ機器でテレビ放送を正常に映し出せなくなった場合には、テレビ機器が、自動的に自己診断して「エラーコード」およびメッセージを表示することで、その原因を示します。
このエラーコードはテレビ機器による自己診断であるため、必ずしも正確な原因を示しているとは限らない場合もございますが、アンテナ角度のずれによって発生した受信不良である場合、主に「E201」「E202」のエラーコードが表示されるケースが多くなります。
「E201」とは、ある程度のテレビ電波はテレビ機器に届いているものの、電波レベル(電波強度)が低くなっている状態で、十分な映像信号を確認できない状態です。
アンテナ角度の狂いでこのエラーコードが表示される場合は、アンテナの角度が電波塔や東経110度からわずかにずれ、十分なテレビ電波の受信ができなくなっている場合が考えられます。
「E202」は、テレビ電波がテレビなどのチューナーにまったく届いていない。また電波レベルが極端に低下して、テレビなどのチューナー側で映像信号を確認できず、テレビ放送を映し出せない場合に表示されるエラーコードです。
この場合は、地デジアンテナの正面側やBS/CSアンテナのディッシュなどの向きが、地デジ電波塔、東経110度などから大きく外れている。またアンテナがマストごと倒壊しているなど、物理的に大きなアンテナトラブルが考えられます。
ただ、これらのエラーコードは、前述した通り、電波障害などでアンテナが十分なテレビ電波を受信できない。またアンテナ配線部のトラブルなどで、テレビなどの機器に十分な電波が届いていない場合にも表示されることがございます。
エラーの原因が、アンテナ角度のズレをはじめとする、アンテナ本体のトラブルであるかどうかを確認するためには、まずご自宅のアンテナ本体の状態を視認される方法がございます。
ご自宅のアンテナの設置角度が、本来の向きから大きくズレている。ひいてはアンテナを設置したマスト(ポール、支柱)が傾いている、マストごとアンテナが倒壊しているなどの場合は、早急にテレビアンテナの角度調整や再設置、立て直しなどが必要となります。
ただ、大きなアンテナトラブルではなく、わずかな角度のズレなどで「E101」が表示される症状である場合は、アンテナの外観から角度のずれを判断することは難しいケースもございます。」
このような場合には、その他の条件から、ある程度、原因の目安をつけることもできます。
アンテナ角度のずれによる受信不良の可能性が高いケースとしては、ご自宅のアンテナ機種が地デジの八木式アンテナやBS/CSアンテナなど、角度のズレに影響を受けやすい機種である。十年以上前に設置されたアンテナで、本体やマストのサビ、微妙な傾き。マストを固定するステー(支線)のゆるみなど、全体的に老朽化が見て取れる。大きな台風や地震など、アンテナ角度に影響を与える自然災害の直後に、テレビ画面の乱れが生じた。ご自宅のすべてのテレビで同程度の受信不良が生じているなどの点が挙げられます。
受信不良の原因が、テレビアンテナの角度のずれでも、または耐用年数(寿命)を過ぎたことによる強度の低下や不具合でも、いずれにせよアンテナの状態を確認し、角度の再調整や修理。またはアンテナ本体の交換など、適切な対応を行う必要がございます。
ご自宅で受信不良の原因が特定できない場合は、アンテナ工事の専門業者に確認をご依頼になり、その結果に応じた対策をご依頼になるのが、適切な対応と申せます。
なお、テレビ画面に表示される各種エラーコードの意味、アンテナの倒壊や傾きなどを含む、アンテナトラブル時の対処法。またアンテナ修理費用に火災保険を適用できる例については、以下の各コラム記事でそれぞれ詳しく解説しております。
・アンテナ受信トラブルでテレビ画面に「E201」などエラーコードが表示されて映らない問題の原因と解決する対処の方法とは?
・テレビアンテナで地上デジタル放送が受信できない際の修理とは?E201などが表示されて映らない原因と工事費用の相場を解説
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・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法
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・地デジ・BS/CS放送のテレビ画面が乱れる原因とその対策
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・「700MHz電波障害」とは何か?
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・災害時の備え・災害に強い地デジアンテナ工事
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・地震や台風によるテレビアンテナの故障は火災保険で修理費用が出るってホント?
・「アンテナが倒れた場合の対処法!火災保険で無料修理」
テレビアンテナの角度調整をご自宅で行える条件とは?
上記のように、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、安定した受信のためには、アンテナを地デジ電波塔や静止衛星などの方向へと正確に向ける必要がございます。
そして、アンテナの老朽化や風雨などの自然環境、災害の影響などで、アンテナの角度が狂い、安定した受信が難しくなった場合には、アンテナ角度の再調整が必要となります。
他にも、地デジやBS/CSのテレビアンテナをご自宅でDIY設置される場合にも、最初に的確なアンテナ角度の調整が必要です。
このテレビアンテナの向き、角度の調整については、アンテナ設置位置などの条件が整っていれば、ご自宅で行うことも不可能ではございません。
ご自宅で地デジ、衛星放送のアンテナ角度調整を行うことができる条件としては「作業の安全が確保できること」につきます。
つまり地デジ、BS/CSアンテナの設置位置が、お住まいのベランダ内外。または屋上フロアのある住宅で、フロア内に立てられているなど、アンテナの向きを調整する作業を行う際に、十分な足場や安全が確保できる位置に設置されていることが、第一にして必須の条件になります。
逆に、ご自宅でもアンテナが通常の瓦屋根などの上に設置されている。また壁面でも脚立やハシゴなどを使用しないと手が届かない位置に設置されている場合は、決してご自宅での角度調整、その他の作業は行わないでください。
特に屋根の上など、高所におけるアンテナの向き、角度調整は、モデルによっては重量もあるテレビアンテナを、安定の悪い位置で態勢を維持しつつ、少しずつ角度を動かして、最適な位置を探してゆく、体力と集中力のいる作業となります。
アンテナ工事の専門業者も、高所でのアンテナ設置、角度調整などの作業は、専門の高い知識と技術を備えた、アンテナ工事のプロといえる職人が、まず命綱や安全帯など、法令に沿った安全作業のための装備を完全に装着し、さらに二人以上の体制で行います。
そして施工のための専用工具。テレビ電波の方向や強度などを確認できる専用のアンテナチェッカーなどの機材などを使用することで、万が一の事故を避けつつ、品質の高いアンテナ工事の施工を手早く行うことができるのです。
一般の方が、屋根の上などの高所にてアンテナの角度調整などの作業を行われると、転落による大変な事故はもちろん、誤ってアンテナを落下させてしまうことでの、アンテナ本体や屋根材の破損。また作業がうまくゆかず、かえってアンテナの状態を悪化させてしまうなどのリスクも高くなりますので、決して行わないでください。
また角度の狂いなどで問題が出ているアンテナが、設置から十年以上が過ぎたものである場合、老朽化により、角度の調整を行っても、またすぐに角度の狂いをはじめ、さまざまな不具合が出てくる場合もございます。このようなアンテナは、新しいものへと交換されることがオススメとなります。
当あさひアンテナでは、屋根の上など高所にあるテレビアンテナに、アンテナ向きの狂いなどが生じた場合、あらためて適切な向きへと角度調整を行い、よほどのことがない限り再度の狂いが生じないよう、しっかりと固定し直す「アンテナ方向調整」の工事を「8,000円(税込み)」よりの費用でお引き受けしております。
またテレビアンテナの不具合の原因が、部分的な破損や配線部の接触不良など、補修などで復旧できる軽微な故障である場合は、アンテナ修理作業を、現在は10パーセントオフの「5,000円(税込み)」でお引き受けいたします。
もしご自宅のテレビアンテナが、老朽化や大きな破損などで、角度調整、修理などよりも、交換されたほうがコストパフォーマンスが高いと思われる場合は、上記の基本設置工事費用など、業界最安に挑む価格でアンテナ交換をご案内いたします。
以下の項では、条件が整っていてご自宅でアンテナの角度調整を行う場合について、地デジ、BS/CSアンテナそれぞれの手順をご説明してまいります。
なおご自宅の地デジ、BS/CSなどアンテナの角度調整や、交換、修理については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!
・ご自宅に設置されているテレビアンテナを交換する時とは? 工事にかかる費用の相場はいくらか、また工事を進める方法を解説!
・地震や強風でテレビの地デジアンテナが倒れるなどの問題に対処法や対策はある? 修理費用の相場や安い工事業者の選び方も解説!
・テレビアンテナで地上デジタル放送が受信できない際の修理とは?E201などが表示されて映らない原因と工事費用の相場を解説
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)
地デジアンテナの角度調整を行う手順とは?
ここでは、お住まいのベランダや屋上のフロアなど、作業の安全が確保できる位置に設置された各種の地デジアンテナについて、何らかの原因で向きがズレた場合の、角度の再調整を前提に、その手順をご説明いたします。
既設の地デジアンテナで角度調整を行われる場合、ほとんどの場合は、アンテナ本体は近隣の電波塔の方向を向けやすい位置に設置されていることになりますが、念のため前述した「地デジ放送エリアのめやす」ページなどで、近隣の電波塔の位置をご確認ください。
なお前述の通り、地方チャンネルを受信されているなどで、一基のアンテナで異なる二か所の電波塔からの地デジ電波を受信している場合や、受信している電波が「反射波」である場合は、ご自宅での角度調整が難しくなりますので、アンテナ工事の専門業者へとお任せになることをおすすめいたします。
他にも、受信不良の原因が、アンテナ角度のズレではなく、地デジ電波を遮る障害物や、アンテナ本体の不具合であることも考えられます。
まずはアンテナ角度調整の前に、アンテナを向けるべき電波塔の方向に、建物や樹木などの障害物が発生していないか、またアンテナ本体に破損などはないかもご確認ください。
地デジアンテナを向けるべき方向を特定して、アンテナ本体や障害物などにも問題がなければ、アンテナの角度調整を行います。
アンテナの角度調整を行う日程としては、作業の安全はもちろん、地デジ電波塔から届く地デジ電波レベルが安定しやすい、天気のいい日がおすすめとなります。
まずアンテナ固定部のボルトを少し緩めて、アンテナ本体を軽く動かせる仮止めの状態にします。各アンテナの固定部は、上記の項でも少しご説明した通り、八木式アンテナはマストの固定部。デザインアンテナは背面の固定具の左右やマスト。デザインアンテナは本体下部のカバーを開いた部分が、角度の調整部になります。
一方、角度調整を行う地デジアンテナと接続されているテレビ機器の電源を入れ、設定画面などから、地デジの「アンテナレベル画面」を映し出します。「アンテナレベル画面」の名称や、表示する方法などは、テレビのメーカーやモデルなどによっても異なりますので、詳しくはテレビ付属のマニュアルや、メーカーの製品サイトなどをご確認ください。
いずれにせよ表示されたアンテナレベル画面では、帯状のインジケーターや数値などで、地デジアンテナから届く、地デジ電波のレベル(アンテナレベル)が表示されます。
ただこのアンテナレベルは、アンテナから届く㏈数などを表示するものではなく、そのテレビ機器で、安定した地デジ放送の視聴が可能になる受信レベルを示す基準になります。いずれにせよ、アンテナレベル画面には、地デジ視聴が安定する基準となるレベルがございますので、このレベルを越えることを目安とします。
テレビのアンテナレベル画面が表示された状態で、地デジアンテナの正面側、八木式アンテナの先端や、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナの表の面を近辺の地デジ電波塔の方向に向ける形で、左右に調整して、アンテナレベル画面の基準レベルを越え、もっとも高くなるよう、アンテナの角度、向きを調整してください。
なおアンテナの角度をわずかに調整してから、テレビ側のアンテナレベルに反映されるまで、数秒程度のタイムラグが生じるため、角度を少し調整しては数秒ほど待ち、、テレビのアンテナレベルを確認するという根気のいる作業が必要となります。
また地デジアンテナの位置とテレビが離れている場合には、アンテナ角度の調整役と、アンテナレベルを確認する役の二人以上で作業を行う必要があるほか、スマートフォンなどで連絡を取り合う工夫も必要となります。
ただ地デジアンテナの角度調整は、基本的に方位角(左右の角度)を、電波塔の方向に調整するだけになります。また一般的な地デジアンテナモデルは、機種によって違いはあるものの、超高性能モデルを除けば、ある程度、指向性(半値幅)に余裕があるモデルが多くなるため、さほど精密な角度調整は必要ございません。
いずれにせよ、受信感度が最大になるアンテナ角度を割り出すことが完了したら、固定部のボルトを締め込むなどして、地デジアンテナ本体が、多少のことでは角度のズレが生じないよう、設置具にしっかり固定すれば、角度調整の作業は完了です。
なお地デジアンテナの角度調整や、BS/CSアンテナを含めて、テレビでアンテナレベルを確認する方法などについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!
・地デジや衛星放送のアンテナレベルとは? テレビでの受信レベル確認や低下する原因、工事で改善する方法を解説!
BS/CSアンテナの角度調整を行う手順とは?
BS/CSアンテナの角度調整は、アンテナを向ける方向が東経110度に固定されているため、アンテナ角度の方向を特定する作業は必要ございません。
そのためDIYでの角度調整は、地デジアンテナに比べると容易になりますが、その反面、仰角(上下角)、方位角(左右角)の双方を、ミリ単位の正確さで調整する必要がございます。
BS/CSアンテナの角度調整も、おおまかな作業の流れは地デジアンテナの場合とほぼ同様となりますが、その手順はやや複雑になります。
衛星放送の12GHz帯の電波は、一定以上の降雨、降雪による減衰を除いては、天候や気候にさほど影響を受けませんが、作業の安全を確保するため、やはり作業は青天の日中に行うことがおすすめとなります。
またBS/CSアンテナの角度調整を行う前にも、BS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、建物や樹木、洗濯物などの障害物が発生していないかをご確認ください。前述の通り、衛星放送の12GHz帯の電波は、地デジアンテナよりもわずかな障害物に影響されやすいため、障害物の存在には、より注意が必要となります。
なおBS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、建物などの障害物がある場合、BS/CSアンテナの位置から計った障害物の高さより、アンテナと障害物との距離が1.5倍以上、離れていれば、12GHz帯の電波の受信に、障害物の影響は生じません。
例えばBS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、アンテナより10メートル高い建物が建っている場合、その障害物からBS/CSアンテナが15メートル以上も離れていれば、12GHz帯の電波の受信に、特に問題は生じません。
他にも、やはりBS/CSアンテナの本体の歪み、サビや破損などによる受信不良ではないか。またBS/CSアンテナの場合は、コンバーターの電源設定が正しく行われ、コンバーターが作動しているか、といった点も確認する必要がございます。
確認の結果、BS/CSアンテナの角度に問題があると思われる場合には、BS/CSアンテナの角度調整の作業に入ります。
まず前述した通り、ネット上のサイトなどで、お住まいのエリアでの東経110度にあたる仰角、方位角をご確認ください。また可能であれば、スマートフォンを使って「BSコンパス」などBS/CSアンテナの角度調整アプリもご用意ください。
そして地デジアンテナの場合と同じ手順で、BS/CSアンテナに接続されたテレビ側で、設定画面から「BSアンテナレベル」などに当たる画面を表示します。
BS/CSアンテナの場合も、このBS/CSアンテナレベルのインジケーターなどが、必要な水準を超えて、できるだけ高くなるようにアンテナの角度調整を行います。
BS/CSアンテナの場合は、仰角と方位角の両方を正確に調整する必要があるため、まずマストの固定部に当たる、方位角(左右)の調整を行います。
具体的には、まずマスト固定部のボルトを緩め、BS/CSアンテナの左右が動かせる状態にして、確認しておいた東経110度の方位角を中心に角度調整を行います。
やはりテレビ側のBSアンテナレベルが最大になるよう角度調整を行いますが、このとき「BSコンパス」などのアプリをインストールしたスマートフォンがあれば、BS/CSアンテナにあてがうことで、角度調整が楽になります。
アンテナレベルが最大になるよう、方位角の角度が完了すれば、方位角調整部のボルトを軽く締め込んで、簡単には動かないよう仮止めします。
次は仰角(上下)の角度調整です。やはりアンテナ本体にある、方位角の調整部分のボルトを緩め、軽く動かせるようにして、やはり東経110度の方向やBSコンパスなどで、BSアンテナレベルが最大になるよう調整して、完了すれば仰角調整部のボルトを、多少のことではズレれないよう、しっかりと締め込みます、
続いて、再度、方位角を調整部分のボルトを緩め、やはりBSアンテナレベルが最大になるよう、方位角の微調整を行います。この微調整が完了すれば、調整部のボルトをしっかり締め込んで、やはりBS/CSアンテナがマストから角度がずれないよう、しっかり固定すれば作業は完了になります。
ただ、BSアンテナレベルがやや低いと思われる場合などは、念のため、同じ手順で仰角の再調整も行われるとよろしいでしょう。
BS/CSアンテナのBSアンテナレベルについても、角度調整を行った後、その角度の受信レベルがテレビ側に反映されるまで、数秒ほどかかります。またBS/CSアンテナとテレビが離れている場合は、やはり最低でも二人で作業を行う必要がございます。
特にBS/CSアンテナは仰角、方位角とも、ミリ単位の精密な調整が必要であるため、緻密な角度調整を繰り返してアンテナレベルを確認する、手間のかかる作業になります。
ただBS/CSアンテナの場合、テレビ側でBSアンテナレベルを確認する他にも、BS/CSアンテナから延びるケーブルと、テレビまでつながるアンテナ配線部の間に接続して、その場で衛星放送の電波レベルを確認できる「BS/CSインジケーター(レベルチェッカー)」という機器もございます。
このような商品を使えば、ケーブルを通る衛星放送の電波レベルが、すぐに反映されて確認できるため、受信レベルが最大となるアンテナ角度の調整が簡単になります。実売価格も1,000円台からになるため、今後、BS/CSアンテナの角度調整が必要になった場合に備えて、購入されておくのもよろしいでしょう。
なお、BS/CSアンテナの角度調整については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
地デジ、BS/CSテレビアンテナのDIY設置について
上記の項でご説明した地デジやBS/CSアンテナの角度調整は、既設アンテナの角度を再調整する方法になります。ただ、ベランダなど設置作業の安全を確保できる場所であれば、ほぼ同様の手順で、地デジ、BS/CSアンテナのDIY設置も可能となります。
しかしその場合、一からアンテナを向けるのに適した地デジ電波塔などの角度、電波レベルを確認する必要があるほか、アンテナ設置や配線作業もご自宅で行う必要があるなどの問題も出てまいります。
またテレビアンテナのDIY設置では、ブースターや分配器を使って、ご自宅の各部屋にテレビ電波を送信するなど、複雑な配線は難しいといった問題も出てまいりますので、注意が必要です。
なお、地デジ、衛星放送のDIY設置については、情報量が多くなりますので、詳しくは以下の各コラム記事をご参照ください。
・DIYで地デジアンテナを設置できるか?
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ取り付けを自分でDIY工事する方法とは? 設置の注意点、費用についても解説(基礎知識編)
・地デジや衛星放送(BS放送、CS放送)用テレビアンテナを自分で取り付ける方法とは? 設置工事を進めるポイントと注意点をすべて解説(実践編)
・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?
・テレビアンテナの配線を自分でDIY設置できる? 取り付け工事に必要な作業と費用を徹底解説!
・地デジテレビアンテナを自分でDIY設置工事する手順とは? 的確な位置や方向への取り付け方と向き調整の方法、その費用も解説
テレビアンテナの向き、角度を調整する方法・まとめ
地デジ放送用の地デジアンテナ、衛星放送用BS/CSアンテナを設置する際の、それぞれアンテナを向けるべき向き。そして各アンテナ機種別の角度調整の方法については、おわかりいただけたでしょうか?
アンテナを正しい向きに向け、角度調整を行ってしっかり固定することは、その後、長年にわたっての安定した受信性能を確保する、重要なポイントになります。
しかし、どれだけ品質の高いテレビアンテナ本体を使用し、高い施工技術でしっかりと設置しても、年月の前には徐々に経年劣化が進み、耐久力の低下でアンテナ角度のずれをはじめとする、さまざまなトラブルが発生することがございます。
当あさひアンテナでは、本文でもご紹介した通り、ご自宅に設置された各種テレビアンテナで受信障害やトラブルが生じた場合の角度調整、修理。またご自宅のアンテナの老朽化が進んでいる場合の、新規アンテナへの交換工事なども、国産一流メーカーの高品質機材の価格をセットに、業界最安に挑む工事費用でご案内いたします。
また工事をご依頼いただくかどうかを問わず、現地に出張しての電波調査、お見積りについても、出張費、キャンセル料などすべての費用を含めた「完全無料」で実施いたします。
なおアンテナ工事業者の電波調査、お見積りについては、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
そしてご自宅のアンテナ状態の確認により、修理や角度調整で対応可能か、老朽化などの具合から交換される方がお得かを判断した上で、お客様にとって、もっともコストパフォーマンスが高いと思われる工事をご提案いたします。さらに弊社のご提案とお見積もり価格にご納得いただければ、即日工事にもご対応いたします。
アンテナ交換の場合の設置工事に当たっては、お住まいの各位置での綿密な電波調査により、安定した受信を実現できる取付方法の中から、お客様のご要望にもっとも適した施工をご提案いたします。
そして実際の施工では、弊社社員スタッフの優秀なアンテナ職人による完全自社施工で、工事のコストを押さえつつ、安定した受信性能と、丈夫で耐久性が高いことはもちろん、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に基づき、アンテナ本体や外部の配線はもちろん、屋根裏空間などの配線工事を行う場合も、見栄えがよくトラブルも避けることができる、整った施工を実施いたします。
さらにアンテナ工事完了後には、業界最長クラスとなるアフターフォロー体制、アンテナ工事の施工完了日からの「10年保証」をご用意しておりますので、お客様には工事後も末長くご安心いただけます。
ご自宅の地デジ、BS/CSアンテナの角度のずれや故障などをはじめとする、アンテナトラブルへの対応。また各種アンテナ設置工事のご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話。また公式サイトのメールフォーム、弊社のLINEアカウントまで、まずはどのようなことでも、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。