衛星放送用BS/CSアンテナの受信レベルが急に低くなりテレビ放送が映らない原因とその対処方法、アンテナレベル確認を解説!

2023年05月01日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
ご家庭のBS/CSアンテナで受信している衛星放送のアンテナレベルが低下し、BS放送、CS放送のテレビ番組を正常に受信、視聴できなくなった場合に、考えられる主な原因と、アンテナレベルを上げる方法の具体的な対処法を掲載した記事です。衛星放送の受信トラブルが発生した際の参考にしてください。

令和の現在、2018年(平成30年)には、衛星放送の4K8K放送である「新4K8K衛星放送」がスタートしたこともあり、BS放送、CS放送の衛星放送も一般のご家庭に広く普及し、現在ではその普及率は70パーセント以上と言われております。
BS放送、CS放送の衛星放送では、NHKや広域民放その他の無料放送でも、地上デジタル放送(地デジ)にはない、さまざまなオリジナルのコンテンツを楽しむことができます。さらにお好みに合わせた多彩なジャンルの誇る有料チャンネルのご契約から、4K、8Kテレビにて新4K8K衛星放送の鮮明な画質までも視聴することができ、現在では衛星放送が日常生活に欠かせないと思われる方も多いことでしょう。

特に衛星放送をBS/CSアンテナの設置で視聴される場合には、無料放送チャンネルであれば、毎月の視聴料などはご不要で、アンテナが機能する限り永続的にご視聴になれることはもちろん、有料放送チャンネルも月単位で、ご覧になりたいコンテンツがある時だけ、1チャンネル単位から自由にご契約、ご解約が可能など、ご利用の幅が広がってまいります。
ただその一方で、BS/CSアンテナによる衛星放送の受信には、地デジ放送にはない、さまざまな独自の制約も生じてまいります。
衛星放送において、周辺の電波の受信環境が変化してしまうことから、ご自宅のBS/CSアンテナ機器、配線などの不調などの要因により、アンテナからテレビなどの機器まで、十分なレベルの衛星放送の電波が届かなくなって、十分な衛星放送の受信ができなくなることもございます。
日常的に衛星放送を楽しんでおられたご家庭で、ある日突然、衛星放送が映らなくなる、画面が乱れるなどの問題で、お困りの方もおられるのではないでしょうか?

このようなトラブルの際には、主に、テレビなどの機器側に届いている衛星放送の電波レベルを示す「アンテナレベル」のご確認で、ある程度、トラブルの原因を絞り込むことができます。
当コラムでは、衛星放送の画面が乱れる、映らないなどの問題に対して、アンテナレベルの状態ごとに、考えられる原因を解説いたします。また可能な場合はアンテナレベルを向上させることにより、安定した衛星放送の受信状態を回復する方法もご説明しております。

衛星放送とBS/CSアンテナの仕組みとは?

日本の衛星放送は、主に地上から見て東経110度(南西)の方向の上空に静止して見える、「放送衛星」から送信されるBS放送、および「通信衛星」から送信される110度CS放送を受信して、テレビ放送を視聴するテレビ放送です。
それぞれの人工衛星は、地上から約36,000キロ上空の宇宙空間にて、赤道軌道上を地球の自転に同期して周回しているため、地上からは静止して見える「静止衛星」になります。BS放送と110度CS放送の人工衛星は同じ位置に静止して見えるため、一基のBS/CSアンテナでどちらの放送も受信できるのです。
ただCS放送には、110度CS放送「スカパー!」の他にも、東経124度、128度の通信衛星による124度128度CS「スカパー!プレミアムサービス」が存在します。こちらの放送は衛星の角度が異なるため、受信には別途、プレミアムサービス専用アンテナ。またBS放送、110度、124度、128度CS放送を一基ですべて受信できるマルチアンテナが必要となります。
これら衛星放送用の人工衛星からは、日本国内の全域をライトで照らすようにして、直進的な電波が送信されています。
この電波は、高周波数帯で直進性が強いマイクロ波の一種「SHF(センチメートル波)」のうち、12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数である、12GHz帯と呼ばれる電波にあたり、波長の長さは25ミリ前後です。
そのため衛星放送の受信には、マイクロ波の受信に適したパラボラアンテナが使用されます。BS/CSアンテナのパラボラアンテナとは、皿状の円盤が本体の主な部分に当たるアンテナです。
BS/CSアンテナでは、ディッシュ(dish:皿)と呼ばれるこの放物面反射器で、衛星放送の電波を正面から受け止め、アームでディッシュ中央に固定されたコンバーター(変換器)に集中させる形で反射させます。12GHz帯の電波を集めたコンバーターでは、その電波をMHz(メガヘルツ)の周波数へと変換した後、接続された同軸ケーブル(アンテナケーブル)で屋内へと送信します。これは12GHz帯の電波のままでは、ケーブルで送信すると減衰(電波の弱まり)量が非常に多くなってしまうためです。
ケーブル配線部では、電波を住宅内で必要なレベルにまで増幅すると同時に、地デジ電波と一本のケーブルにまとめる混合ブースター。各部屋にまで電波を分配する分配器。テレビなど機器の前で衛星放送、地デジの電波を二本のケーブルに再分割する分波器などの機器を経て、各部屋のテレビ、レコーダーなどの受信機器に接続されます。
そして各機器のBS/CSチューナーにて、電波を映像信号へと変換することにより、衛星放送のさまざまな番組がご視聴いただけるのです。したがって衛星放送の画面が乱れる、映らないなどの問題が生じた場合の要因は、主に以下の二点に分けられます。

・ご自宅に届く衛星放送の電波状態が悪化している。
・ご自宅のBS/CSアンテナや配線部にトラブルが生じ、十分なレベルの電波が届かなくなっている。

いずれにせよ、テレビなどの機器に届いている電波レベルがどのような状態であるかは、テレビなど機器を操作して「アンテナレベル」画面を表示することで確認できます。
以下、ご自宅にてアンテナレベルを確認する方法。またアンテナレベルが低下する要因について解説してまいります。
なお衛星放送および、BS/CSアンテナに関する基礎知識は、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

アンテナの材料一通り持参 アンテナ工事

アンテナレベルの基礎知識とその確認方法

アンテナレベルとは何か?

アンテナレベルとは、ご自宅の各部屋にあるテレビ、レコーダーなど、地デジおよび衛星放送の受信機器に届いている、地デジ、衛星放送それぞれの電波レベル(電波の強度)のことです。これが一定レベル以上であれば、画面の乱れなどもなく安定してテレビ放送を視聴できる一方、一定のレベルを下回ると、テレビ画面が乱れる、映らなくなるといったトラブルにもつながってまいります。
アンテナレベルに関する注意点としては、あくまでご自宅の地デジ、BS/CSアンテナからケーブル配線を経由して、個々のテレビ、レコーダーなどの機器に届いている電波の強さを示す数値であるという点です。
したがってトラブルの要因が衛星放送、地デジの個々のアンテナや電波状態。またアンテナ配線部に問題があるなどの状況により、例えば衛星放送と地デジ、一方は問題なく受信できているのに、もう一方のみアンテナレベルが極端に低い。また住宅内にある他のテレビではアンテナレベルには問題がないのに、特定のテレビのみでアンテナレベルが低くなるといったトラブルも起こり得ます。
各テレビなど機器におけるアンテナレベルの確認方法は、詳細は各テレビメーカーやモデルによって異なってまいりますが、基本的な操作はどれも同じになり、特に専門知識がなくとも、テレビとリモコンを利用することで操作可能です。

BS/CSアンテナレベルの確認方法は?

各メーカーのテレビ、レコーダーなどに共通するおおよそのBS/CSアンテナレベル確認方法としては、リモコンのボタンを操作して、テレビの「メニュー画面」から「設定画面」を表示し、さらに「アンテナ設定」「受信設定」などのメニュー名を選択します。
そこで「BS/CSアンテナ設定」のメニュー。さらに「BS/CSアンテナレベル」の項目を選択することなどで、BS/CS放送のアンテナレベル画面を表示することができます。このとき「BS/CSアンテナレベル」ではなく「地デジアンテナレベル」を選択すれば、同じ方法で地デジのアンテナレベルを確認することもできます。
なおそれぞれの項目名や正確な操作方法は、テレビなどのメーカーやモデルによっても異なります。そのためテレビに付属するマニュアルや、メーカーの公式サイトなどでご確認ください。
アンテナレベル画面では、やはりメーカーやモデルによって表示方法は異なりますが、数値や帯状、色彩によるインジケーターで、そのテレビなど機器に届いている電波レベルが表示されます。
このアンテナレベルが一定以上であれば、安定した衛星放送、地デジの受信が可能となりますが、一定の基準以下では、電波レベルが不足し、画面の乱れやテレビ画面が映らないといった症状が出てまいります。
このアンテナレベルの基準となる数値も、やはりメーカーやモデルによって異なり、例えばPanasonicの「VIERA(ビエラ)」であれば、数値が44以上であれば十分な電波レベルですが、44以下では電波レベルが不足していることになります。
同じようにSHARPの「AQUOS(アクオス)」では、60以上で十分な電波レベル、60以下では不足気味。SONYの「BRAVIA(ブラビア)」では、アンテナレベルがカラーで表示され、緑色は十分な電波レベル。黄色から赤色になるほど電波レベルが不足していることを示します。
いずれにせよ、BS/CSのアンテナレベルが低レベルの場合は、受信には十分でないものの、アンテナである程度の電波は受信できており、機器に届いていることになります。
しかしBS/CSアンテナレベルが「0」の場合には、そのテレビに衛星放送の電波がまったく届いておらず、衛星放送の受信環境。あるいはBS/CSアンテナやアンテナケーブル配線、配線部の機器などに重大なトラブルが発生していると考えられます。
なおBS/CSアンテナレベルが極端に低い、または「0」である場合は、地デジ放送のアンテナレベルでも同じ症状が発生しているか。またご自宅にある他のテレビ機器では正しく受信できているかを確認することにより、ある程度の原因を特定することができます。
またBS/CS放送の場合には、BS/CSアンテナ側とテレビとのケーブルに挟み込む形で接続することにより、本体のメーターやランプなどで、ケーブルを通過する衛星放送の電波レベルを一目で確認できる「インジケーター(レベルチェッカー)」などの機器も販売されております。
このような機器を使用すれば、一目で衛星放送の電波レベルを素早く確認できる他、後述するBS/CSアンテナの角度調整も非常に簡単となります。価格も1,000円強から存在しますので、BS/CSのアンテナレベルが下がった場合には、今後のトラブルに備えて購入されておくのもよろしいでしょう。
以下の項では、BS/CSアンテナレベルが低い、または「0」である場合に考えられる原因を、個別に解説してまいります。
なお、アンテナレベルの確認方法、およびテレビ主要メーカー、モデルにおけるアンテナレベル確認の手順や、十分なアンテナレベルの基準については、以下の各コラム記事でもご紹介しております。アンテナレベルの基準は地デジ放送のものになっておりますが、BS/CS放送の場合も大きな違いはございません。
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BS/CSアンテナレベルが低い原因1:BS/CSアンテナ角度のずれ

(アンテナレベル:0~低レベル
すでにご説明した通り、衛生放送では、静止衛星からレーザー光線のように直進する12GHz帯の電波を、BS/CSアンテナのディッシュで正確に正面から受け止めて反射させ、コンバーターへと集めることで受信しています。そのためディッシュを静止衛星の位置、東経110度へと正確に向ける必要があり、この角度がミリ単位でもずれてくると、コンバーターへと正確に電波を集められなくなり、受信感度が極端に低下してくることもございます。
この東経110度は日本でも各地域によって角度が微妙に異なってまいりますが、おおむね南西方向に当たります。BS/CSアンテナの設置時には、アンテナ角度を地域ごとの東経110度に合わせて正確に角度調整を行った上で固定するため、安定した受信を実現できます。
ただ設置から十年以上を経て老朽化したBS/CSアンテナや、施工技術が低い業者、またDIYによる設置などで、アンテナ本体がしっかりと設置されていない場合には、風雨や雪、また地震などの際に、アンテナのわずかなズレが蓄積されてゆき、最終的にはズレの程度が、衛星放送の電波が受信できるレベルを越えてしまい、アンテナレベルの低下により受信不良にいたることもございます。
この場合は、受信の大本であるBS/CSアンテナで衛星放送の電波が十分に受信できていないため、ご自宅のすべてのテレビで、衛星放送のアンテナレベルのみが極端に低くなる、または「0」になる症状が発生します。
BS/CSアンテナの角度を再調整して、角度のズレを回復する方法については、のちの項にて詳しくご説明いたします。

BS/CSアンテナレベルが低い原因2:BS/CSアンテナの前方に障害物がある

(アンテナレベル:0~低レベル
BS/CSアンテナを設置する際、アンテナ角度の調整と並んで重要な点が、アンテナを東経110度の方向に向けたその先に、電波を遮る障害物が存在しない点になります。
衛星放送に使われる12GHz帯の電波は、波長の幅が25ミリ前後という高周波数帯であり、その性質は光に近くなります。そのため電波が障害物に当たった場合、それを乗り越える力が弱く障害物の先では電波が遮断されやすくなります。
特に衛星放送の12GHz帯では、建築物や山地などはもちろん、電柱や歩道橋など小規模の建造物や、アンテナの前に樹木が伸びる、枝葉が生い茂る。またクレーン車、さらには洗濯物など一時的な障害物ができることでも、受信障害が起こり得ます。
この受信障害の場合も、BS/CSアンテナで衛星放送の電波が十分に届かなくなるため、ご自宅にあるすべてのテレビで、衛星放送のみアンテナレベルが低くなるか「0」になる事態にいたります。
そのためBS/CSアンテナの設置時には、まずアンテナを向ける東経110度の方向に障害物が存在しない。さらには設置後にも障害物が発生する可能性が低い、屋根の上などの高所が選ばれることが多くなります。
そして障害物の発生により受信障害が起きていると思われる場合は、可能であれば障害物を排除する。難しい場合はBS/CSアンテナの設置位置を変更するという対策がございます。
なおBS/CSアンテナを設置する際、東経110度の方向にある建物など障害物の高さは、BS/CSアンテナを設置する位置を起点とした障害物の高さより、アンテナと障害物との間に1.5倍以上の距離であれば、その障害物は衛星放送の受信に影響を与えません。
例えばBS/CSアンテナを向けた方向に、アンテナの設置位置より6メートル高い住宅があっても、その住宅とアンテナの距離が9メートル以上,離れていれば、特に問題は生じないことになります。
またお住まいの直近に高層マンションなどの大型建築物が建てられ、衛星放送だけでなく地デジ放送の受信も困難になるなどの「遮蔽障害」が発生した場合には、お住まいの自治体の担当課に連絡して、自治体を通じて建築主と相談の上、費用の多くを建築主側が負担して、建物の屋上に共用アンテナを設置するなどの対策をとってもらうこともできます。
遮蔽障害をはじめ、各種の電波障害の種類や対策については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
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BS/CSアンテナレベルが低い原因3:アンテナコンバーターの問題

(アンテナレベル:
これもご説明した通り、BS/CSアンテナでは、衛星放送からの12GHz帯の電波を、アンテナのコンバーター部で適度なMHz帯の電波に変換した後、ケーブルでテレビなど受信機器に送信しております。そしてアンテナのコンバーター部は、電波の周波数を変換する電子機器であるために、電源の供給が必要となります。
コンバーターの電源は、アンテナとテレビなど機器をつなぐ配線部のうち、電波レベルを増幅する電子機器であり、やはり電源に接続されているブースター。またはテレビなど受信機器のチューナー端子から、ケーブルを通してアンテナ側へと給電されております。
このコンバーター部が故障する。または電源部のトラブルや設定ミスにより正しく給電されなくなるなどのトラブルが生じると、コンバーターからMHz帯に変換された電波が、テレビなど機器側に送られなくなるため、衛星放送が視聴できなくなります。
この場合もBS/CSアンテナの故障であるため、ご自宅のすべてのテレビで、衛星放送のアンテナレベルだけが「0」になります。
コンバーターの故障については、アンテナそのものの老朽化による、コンバーターの不可逆的(修理不能)な故障。またコンバーターのショートによる保護装置の作動などが考えられます。
コンバーターが完全に故障した場合については、マンションなど集合住宅用の共用アンテナで、一基の価格が100,000円を超えるような大型のBS/CSアンテナではコンバーターのみの交換も可能ですが、家庭用のBS/CSアンテナは本体が低価格ため、アンテナそのものの交換で対応いたします。
またコンバーターがショートした場合は、テレビなどの画面に「コンバーターがショートしています」などのメッセージが表示されますので、アンテナに電源を供給している機器の電源プラグを抜き、数分待って再接続するなど、コンバーターへの給電を一時的に断つリセットを試みてください。
なお、コンバーターの電源として、ブースターからの給電ではなく、ご家庭に複数台、設置されるテレビなどの機器から給電する方法には、特定の一台のテレビなどから常に給電し続ける「常時給電」と、ご家庭内にて衛星放送を視聴するテレビなどすべての機器で、衛星放送を受信するときのみ給電する「オート給電」の二種類の方法がございます。
常時給電では、電源となるテレビなどの機器で、設定画面を表示し「BSアンテナ電源設置」を「オン」にして、アンテナ側へと常に給電する状態にします。またこの場合のアンテナ配線部では、アンテナ側から入力端子に接続した一本のケーブルを、複数の出力端子からケーブルに分配して、各部屋のアンテナコンセントに電波を送信する機器「分配器」に、出力端子のうち特定の一端子のみで通電する「一端子通電型」のものを選択して、通電する端子と電源となるテレビなど機器を接続する必要がございます。
この常時給電では、アンテナへの電源となるテレビの電源を切ると、コンバーターにも給電されなくなり、住宅内にある他のテレビなどでは衛星放送が受信できなくなりますのでご注意ください。
オート給電では、住宅内のうち、衛星放送を視聴するテレビなど機器で設定画面を表示し「BSアンテナ電源設置」を「オート」にして、各テレビ側で衛星放送を視聴する際のみに、アンテナ側へと給電する設定にします。またこの設定の場合、分配器は、すべての出力端子からアンテナ側へと通電できる「全端子通電型」のものを使用する必要がございます。
これらのBS電源設定や、使用する分配器の選択などにミスがあると、コンバーター側に正しく給電されず、衛星放送が受信できないことがございます。なお一昔前までは、BS/CSアンテナへの給電方法は、常時給電が主流でした。しかし近年では節電などの理由もあり、オート給電が主流となっております。
また各テレビなど機器で、BSアンテナ電源設定を行う場合、実際の操作の方法や、各設定の名称などは、機器のメーカーやモデルによって異なります。正確な方法は、テレビなど機器のマニュアルやメーカーの公式サイトなどでご確認ください。
なおBS/CSアンテナの電源設定や、分配器の使い分けなどについては、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
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BS/CSアンテナレベルが低い原因4:ケーブル配線機器のトラブル

(アンテナレベル:0~低レベル
通常、住宅内の各部屋にある複数のテレビ、レコーダーなどの機器で、地デジ放送、衛星放送を受信しているご家庭では、地デジ、BS/CSアンテナから、各部屋のテレビなど受信機器にいたる配線の間に、さまざまな機器が接続されております。
一般的な戸建て住宅にて、地デジとBS/CSアンテナの双方を設置している場合のアンテナ配線部には、主に以下のような機器が設置されていることになります。
まず地デジアンテナとBS/CSアンテナから延びる二本のケーブルを「混合器」と呼ばれる装置で一本にまとめます。これにより配線部のケーブルの長さや必要な装置などをシンプルにして、工事の総合的なコストやトラブルのリスクを軽減できます。なお後述する「UHF/BSCS混合ブースター」を設置する場合は、混合器は必要ございません。
次に、アンテナの真下や屋根裏など、アンテナに近い位置に「ブースター(増幅器)」を設置します。
ブースターとは文字通り、アンテナが受信した地デジ、衛星放送の電波を、その住宅で必要なレベルにまで増幅する装置です。
主に受信できる地デジ電波レベルが弱い中電界地域から弱電界地域で使用されますが、強電界地域でも住宅内に三台以上のテレビを設置する場合には電波の増幅が必要となり、現在では実質的に設置がほぼ必須となっている機器です。
前述の通りブースターには電源部が必要であり、その電源をBS/CSアンテナのコンバーターに給電する場合もございます。また地デジアンテナとBS/CSアンテナの双方を設置する現場では、双方の電波に対応し、混合器の機能も備えた「UHF/BSCS混合ブースター」が設置されることが多くなります。
そして「分配器」は、先ほどの項でもご説明した通り、アンテナやブースターから延びるケーブルを入力端子に接続し、複数の出力端子から各ケーブルへと、入力された電波レベルを等分に分配して、各部屋のアンテナコンセントに送信する装置です。この分配器に入力された電波レベルは、3分配であれば3分の1など分配数で割られる形で、個々の分配先では電波レベルが低下します。
最後に、各機器の前で一本のケーブルに混合されていた地デジとBS/CSの電波を、再度、二本のケーブルに分ける「分波器」を接続し、機器側の地デジ、BS/CSのチューナー端子へと、それぞれ接続いたします。
これら配線部の機器にトラブルが生じている場合も、配線部の途中で電波が弱まる、途切れるなどして、テレビなど機器で衛星放送が視聴できなくなります。
トラブルの具体例としては、ブースターの故障や電源部のトラブルで、電波が増幅されなくなったか、BS/CSアンテナに給電されていない。分配器の分配数を増やすなどしたため、等分に分配される個々の電波レベルが低下した。また接続部の接触不良やケーブルの断線、機器の寿命などのケースが考えられます。
これらブースター、分配器、同軸ケーブルの寿命は、一般的に10年程度とされておりますので、配線部の機器の寿命が過ぎている場合には特にご注意ください。またこれら配線部のトラブルの場合には、衛星放送だけでなく、地デジ放送のアンテナレベルも低下するか「0」になるなど、受信トラブルが生じることが多くなりますので、原因を特定する目安になります。
また、ご自宅のアンテナ配線の中で、一部屋だけ、遠く離れて配線が長くなる部屋では、配線の長さによる電波の減衰が起こり、その部屋でのみ、地デジや衛星放送が正常に使用できなくなることもございます。この場合は、その部屋の配線に、大本のブースターの性能を補完する小型ブースター「ラインブースター」を設置するなどの方法で対処します。
なおアンテナ配線部やブースターなど各機器の詳細については、以下の各コラム記事をご確認ください。
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BS/CSアンテナレベルが低い原因5:大雨や降雪で衛星放送の電波が乱れている

(アンテナレベル:0~低レベル
人工衛星から地上のBS/CSアンテナに送信される電波は、前述の通り波長の長さが25ミリ程度と短い、12GHz帯の電波になります。そして水分には、電波を吸収する性質がございます。
そのため地上で雨粒や雪粒の大きさが、25ミリに近い大雨や雪になると、衛星放送の電波が降っている雨や雪に吸収されやすくなる他、電波の乱反射なども生じてまいります。その結果、各住宅などに設置されたBS/CSアンテナで受信できる電波レベルが低下し、衛星放送の画面が乱れる、映らなくなるなどの事態が発生します。これを衛星放送の「降雨減衰」「降雪減衰」と呼びます。
この降雨減衰、降雪減衰でも、やはりご自宅のすべてのテレビで、衛星放送のアンテナレベルだけが極端に低くなるか「0」になります。またこの症状は電波の性質に由来する問題のため、復旧には基本的に、天候の回復を待つ以外の方法はございません。
ただBS/CSアンテナは、ディッシュ部の直径が大きくなるほど受信性能が高まるため、一般戸建て住宅用の45型(ディッシュ部の直径センチを示す)BS/CSアンテナではなく、やや大型となる50型、60型、75型などのモデルを使うことで、豪雨や大雪などの際にも、安定したBS/CS電波の受信を実現できます。しかしアンテナが大型になると、その分、風雨などの影響による角度のズレなどのトラブルが生じやすくなり、経年劣化も進みやすくなるためご注意ください。
他にも、雪の多い地域では、積雪によりアンテナ本体が雪に埋もれる、表面に雪がこびりつくなどの状態でも、雪に電波が吸収されて受信トラブルの原因となり得ます。この場合には、雪下ろしなどでアンテナ周囲の雪を除去する。また予防策としてアンテナに防水・離雪スプレーを噴射しておく。専用の防雪カバーを設置するなどの方法もございます。
なおBS/CSアンテナの降雨減衰、降雪減衰や、雪対策については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
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BS/CSアンテナレベルが低い原因6:衛星放送の電波が弱いエリアである

(アンテナレベル:低レベル
前述の通り、衛星放送では、宇宙空間の静止衛星から、日本国全域をスポットライトで照らすような形で、直進的なテレビ電波を放射しております。したがってスポットライトの端に当たる部分、日本国内の北部、また南端部、離島部など一部エリアでは、中央部に比べて人工衛星と地上の距離がやや遠くなる分だけ、送信中に電波の減衰が生じ、地上に届く電波レベルがやや弱くなってまいります。
この場合も、衛星放送のみでアンテナレベルが低下いたします。このようなエリアでは、一般のご家庭でも、安定した衛星放送の受信のためには、通常の45型BS/CSアンテナではなく、50型から75型程度の、やや大型のアンテナが必要となりますのでご注意ください。

BS/CSアンテナレベルが低い原因7:テレビ機器そのものの不調

(アンテナレベル;0~低レベル、またその他の症状
電波状態やアンテナ本体、配線部には特に問題はなくとも、テレビ本体に不調が生じることで、衛星放送などのテレビ放送が視聴できなくなることもございます。
テレビなど受信機器の寿命は、一般的に10年程度とされており、それ以上にわたって使用していると、内部の基盤やパーツの劣化が進み、さまざまな不具合が生じてくることもございます。軽度の不具合であれば、問題が生じたテレビなど機器の主電源を切り、電源プラグを抜いて数分待ち、再度、電源を入れ直す「リセット」を行うことで復旧することもございます。
ただテレビ内部の部品などが激しく劣化している場合では、リセットでも回復できず、テレビ機器の買い替えが必要となります。
他にも、特に2Kハイビジョンのテレビなど地デジ放送やBS/CSデジタル放送の受信機器には、テレビ番組の著作権保護や有料放送、双方向サービスなどのために利用される「B-CASカード」が同梱されています。これら受信機器では、このB-CASカードをスロットに差し込まないと、地デジや衛星放送を視聴できません。

このB-CASカードをそのものが劣化する、またスロットの不調や接触不良でも、機器がB-CASカードを認識できなくなり、テレビ画面に「E100」「E101」「E102」などのエラーコードが表示され、地デジ、衛星放送が視聴できなくなります。
この場合は、機器本体の電源を切ってB-CASカードを抜き、カード接触部の汚れを落として、きちんと差し直す。またカード本体が破損したとみられる場合には、「B-CAS公式サイト」から申し込みを行い、カードを交換するなどの対処が必要です。
なお近年の4K8Kテレビなど4K8K放送の受信機器では、B-CASカードに代わって、本体内にB-CASカードと同じ機能を持つ「ACASチップ」が内蔵されているため、B-CASカードは使用されません。
いずれにせよ、テレビ本体やB-CASカードのトラブルの場合は、衛星放送のアンテナレベルが下がるだけでなく、さまざまな症状が起こり得るため、ある程度、原因を判断することができます。
テレビ本体の不調やB-CASカードのトラブルとその対処法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用

「B-CASカード」の基礎知識とテレビ画面のトラブル

 

BS/CSアンテナレベルが低い原因8:BS/CSアンテナや機器が新4K8K衛星放送に非対応

(アンテナレベル:一部4K8Kチャンネルのみ0~低レベル
冒頭でもご説明した通り、2018年(平成30年)12月1日には、従来の衛星放送、地デジの画質である2K、フルハイビジョン(FHD)に比べて、格段に高画質となる衛星放送の4K、8K放送「新4K8K衛星放送」がスタートしております。
この新4K8K衛星放送は、従来のBS放送、CS放送に、それぞれ4K、8K放送のチャンネルが追加されたものであるため、すでに衛星放送がご視聴になれる環境であれば、有料チャンネルの契約を除けば、特別な手続きや設定などは不要でご視聴いただけます。
ただ一点のみ、新4K8K衛星放送のチャンネルを追加するにあたって、従来の2K衛星放送で使用されていた、右回りの螺旋で送信される電波「右旋円偏波」では、追加される4K8Kチャンネルに割り当てられる周波数帯が不足しました。
そのため、右旋円偏波の残り周波数帯には、基本的なチャンネルであるBS放送のNHK、広域民放の各4Kチャンネルが割り当てられました。そして人工衛星からの電波に、左回りの螺旋を描いて送信される「左旋円偏波」を新しく導入し、その他の大半の4K8Kチャンネルに、左旋の電波を割り当てたのです。
しかしこの左旋円偏波を受信するには、新4K8K衛星放送スタートの前後に登場した、左旋の電波に対応できる2K4K8K対応型BS/CSアンテナが必要となります。現在のBS/CSアンテナはほぼすべてが2K4K8K対応型ですが、2018年以前の2K対応BS/CSアンテナでは左旋の電波を受信できないため、4K8Kチャンネルのうち、BS放送の一部を除いて、ほとんどのチャンネルを受信できません。
また人工衛星から受信した、12GHz帯の右旋、左旋の電波を、2K4K8K対応BS/CSアンテナのコンバーターで変換する際、従来の右旋の電波は1032MHzから2072MHz帯に変換されますが、左旋の電波はより高周波数帯である2224MHzから3224MHz帯に変換されます。
したがって、アンテナ配線部のブースターや分配器、混合器、分波器。またケーブルそのものが、2K時代の右旋の周波数にしか対応できないものである場合は、やはりテレビなど受信機器の側で、左旋で送られる大半の4K8Kチャンネルをご視聴いただけなくなります。
左旋電波のチャンネルを含む新4K8K衛星放送をすべてご視聴になるためには、2K4K8K対応BS/CSアンテナの他にも、アンテナ配線部のブースター、分配器などの機器、ケーブルなども、すべて3224MHzまでに周波数に対応できる4K8K対応型のものが必要です。
もしご自宅で、衛星放送の一部の4K、8Kチャンネルのみ受信レベルが0、または非常に低いレベルでご視聴になれない場合は、BS/CSアンテナか、または配線部の機器などが、左旋の電波に対応していない可能性がございます。
この場合は、アンテナ本体や配線部などをご確認の上、必要な機器を4K8K放送の対応型に交換することで、すべての新4K8K衛星放送のチャンネルをご視聴いただけるようになります。
他にも、衛星放送でも特定の有料チャンネルのみが視聴できない場合は、契約料金の払い込みミスや、新規契約時の操作ミスなどにより、解約状態になっている場合も考えられますので、あらためて契約状況をご確認ください。
新4K8K衛星放送および、ご視聴に必要な機器については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?

超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について

2K放送と4K、8K放送の違い

BS/CSアンテナレベルが低い原因9:BS/CSアンテナの老朽化

BS/CSアンテナも長く使い続けることにより、コンバーターの故障だけでなく、ディッシュ部の歪みやサビ、コンバーターを支えるアームの歪みなどにより、正しく角度調整してもコンバーター部に電波を集めることができなくなり、受信不良が発生することもございます。
この場合はアンテナそのものの寿命と考えて、アンテナ本体の交換をおすすめいたします。
BS/CSアンテナの寿命は、一般的に「10年」程度とされております。設置から10年が過ぎたBS/CSアンテナは、一度メンテナンスを行い、老朽化が進んでいると思われる場合には、早めに交換されるのもよろしいでしょう。
BS/CSアンテナの寿命や、老朽化したアンテナへの対処法については、以下のコラム記事で詳しくご説明しております。

衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説

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BS/CSアンテナ角度調整でアンテナレベルを高める手順

BS/CSアンテナにおいて、住宅内のすべてのテレビなど機器でBS/CSのアンテナレベルが低下する原因としては、やはりアンテナ角度のズレであるケースがもっとも多くなります、そしてBS/CSアンテナが設置されている条件によっては、ご自宅でのDIY作業によりBS/CSアンテナの角度を再調整することによって、アンテナレベルを回復できることがございます。
ご自宅でBS/CSアンテナの角度調整を行える条件としては、まずBS/CSアンテナの位置が、住宅のベランダや手に届きやすい窓の柵。また屋上テラス空間のある家など「ご家庭でも安全に角度調整作業ができる場所にBS/CSアンテナが設置されている」ことが必須となります。
一般的な屋根の上にBS/CSアンテナが設置されているなど、BS/CSアンテナの角度調整に危険が伴う場合は、決してご自宅での作業は行われず、アンテナ工事の専門業者にご依頼ください。
作業に必要な機材は「アンテナのボルトを調節できるスパナ、レンチなどの工具」「BSアンテナ角度調整アプリをダウンロードしたスマートフォンなどの端末」。そして必須ではありませんが、前述した「BS/CSインジケーター」があれば、作業が非常に楽となります。
BS/CSアンテナの角度調整を行うアプリとしては、大手アンテナメーカー、日本アンテナ社が無料で提供する「BSコンパス」がございます。このアプリをダウンロードしたスマートフォンなどで、日本国内の各地域における東経110度を確認しながら角度を調整することで、作業の手間を軽減できます。またアプリが使用できない場合は、インターネットで各地域の東経110度の角度を確認しておく方法もございます。
他にもBS/CSアンテナの中には、角度の調整部分に、各地域別の東経110度の角度を示している品も存在しますので、まずご自宅のBS/CSアンテナの角度調整部を確認されるとよろしいでしょう。
角度調整の手順としては、まずアンテナの近くにあるテレビで、BS/CSアンテナレベルの画面を表示します。またインジケーターがある場合には、BS/CSアンテナの近く、作業中に確認できる場所のケーブルに挟み込む形で接続してください。
そしてBS/CSアンテナの角度を、あらためてご自宅のエリアの東経110度に当たる角度へと調整します。ただ実際には東経110度に向ければいいだけでなく、現場ごとの微妙な角度調整も必要となります。
そのため、まずBS/CSアンテナの仰角(上下角)の角度調整部分を、東経110度の方向へ向けてボルトを軽く締め、仮止めした状態で、方位角(左右角)の調整を行います。東経110度のやや南寄りから西側へとミリ単位で少しずつ角度を調整しつつ、テレビ側のアンテナレベルが最大になる角度を見出して、その角度で方位角のボルトを締め、しっかりと固定します。
引き続いて、アンテナの仰角も同じように上下に少しずつ動かして微調整を行い、アンテナレベルが最大になる角度を見出して、そこでボルトを締め、アンテナ角度を固定すれば、作業は完了です。
ただ文章にすると簡単に思えますが、この角度調整を行う場合、テレビのアンテナレベル画面では、アンテナ側の角度を1度程度、動かしたとして、テレビ側でその角度のアンテナレベルが反映されるまでに、数秒のタイムラグが生じます。そのため実際の作業は、アンテナ角度をわずかに動かしては、5秒から10秒ほど待ち、テレビ側のアンテナレベルを確認するという作業を繰り返して、アンテナレベルが最大になる角度を見出す作業を、仰角と方位角で行うという、非常に根気のいる作業となります。
またアンテナとテレビの位置が離れている場合には、角度調整役とアンテナレベルの確認役、二名による作業が必要となります。
ただ前述したインジケーターを接続している場合には、角度調整を行っている手元で受信レベルが確認できる上、角度を調整してすぐに受信レベルが反映されます。そのため作業の手間を大きく軽減することができます。
なお、アンテナ角度調整を行ってもアンテナレベルが改善しない場合は、アンテナ角度以外の原因でレベルが低下していると予想されます。
ご自宅での角度調整でアンテナレベルが改善されない。また作業自体が難しいと思われる場合には、やはりアンテナ工事の専門業者へと、角度調整をご依頼されることがおすすめといえます。
BS/CSアンテナの角度調整について詳しくは、以下の各コラム記事も参考になると存じます。

BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

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まとめ

衛星放送のアンテナレベルが極端に下がった、また「0」になった場合に考えられる主な原因は、以上の通りです。ただ原因によっては、ご自宅での原因の特定や、復旧のための対処が難しいケースもございます。
その他、衛星放送のテレビ画面が乱れる、まったく映らないといった事態で、考えられる原因やその対処については、以下の各コラム記事でもご説明しております。
地デジ・BS/CS放送のテレビ画面が乱れる原因とその対策

地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法

地デジ、衛星放送のテレビアンテナ故障例、テレビ放送が映らなくなった場合に考えられる原因とその対処法は? 必要な工事を解説

BS放送、CS放送の衛星放送が映らないアンテナトラブルの原因とその対処法について、ご自宅でも可能な方法をFAQで徹底解説

もしご自宅で衛星放送の画面が映らない、激しく乱れるなどの症状が発生し、ご自宅で原因を特定できない、また対処が難しい場合には、当あさひアンテナのフリーダイヤルやメールフォームまで、どうかお気軽にご相談ください。
弊社では各種アンテナの新規設置だけでなく、アンテナトラブル時の対応や修理もお引き受けいたしております。
アンテナトラブルのご相談をいただければ、確かな技術と豊富な経験を誇る弊社の職人が即座に現場へと駆け付け、手早く原因を特定した上で、アンテナや機材の交換など各種工事が必要な場合には、業界最安に挑む低価格でお見積もりさせていただきます。
ご自宅のテレビで突然、衛星放送や地デジ放送が正常に視聴できなくなったなど、テレビアンテナに関してお困り、お悩みのことがあれば、まずは当あさひアンテナへと、すぐにご相談をお寄せいただければ幸いに存じます。

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テレビアンテナ修理工事

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。