地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

2022年06月06日

2011年(平成23年)7月24日に、日本のテレビ放送がそれまでの地上波アナログ放送から、地上波デジタル放送へと完全に移行してから、2022年(令和4年)現在、すでに11年目となります。当時は新鮮だった鮮明なハイビジョン放送、また一週間分の番組表やデータ放送なども、いまではすっかり日常の一部になりました。
そして現代でも、新居へのお引越しを控えて、新たな地デジアンテナの設置を必要とされる方から、古くなった地デジアンテナの交換、またケーブルテレビなどから地デジアンテナによるテレビ視聴への切り替えなどを考えておられる方も、世の中には多いと存じます。
地デジアンテナの設置により地デジ放送をご覧になる最大のメリットは、やはり費用の問題となります。月額料金などが必要なケーブルテレビ、ひかりTV、フレッツテレビとは異なり、地デジアンテナ設置による地デジのご視聴では、基本的にアンテナ設置工事の初期費用(イニシャルコスト)が必要となるだけで、定期的なメンテナンスの費用などを除いて、ランニングコストがほとんど不要となります。
ただ地デジアンテナで確実に地デジ放送を受信して、安定した地デジ放送のご視聴を楽しむためには、アンテナを設置するお客様のお家の地デジ電波状態が問題となります。

例えば東京都を中心とした関東地方では、東京都墨田区押上に立つ東京スカイツリーが、東京都の西端部を除くほとんどの地域から、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨木県、栃木県、群馬県の多くの地域にあたる「関東広域圏」にNHKおよび広域民放を送信する基幹放送局の役割を果たしている他、それよりやや範囲は狭まりますが、東京都の地方チャンネルである東京MXを、東京都の東部および、神奈川県、埼玉県、千葉県の東京都寄りの一帯に送信しています。
日本最大の地デジ中継局(送信局)でもある東京スカイツリーをはじめ、このような地デジ中継局は、規模の違いはあれ、日本の各都道府県の要所、特に人口の多い市街地や住宅地の周辺に数多く設置されています。そのため日本国内でも山間部などを除く、人口が多い都市部であれば、ほとんどの場合、地デジアンテナの設置によって、周辺の中継局から地デジ放送が受信できるようになっています。
基本的に地デジ電波の強度は、当然ながら近隣の地デジ中継局に近いほど良好であり、遠く離れるほど低下してゆきます。ただその他、お客様のお家の地形や周辺の建築物などの環境によっても電波強度は変化してまいります。

そして各ご家庭に地デジアンテナ設置を行うに際して、まず重要となるのが、地デジアンテナを設置するお客様のお家が「強電界地域」であるか「弱電界地域」であるかです。またその中間として「中電界地域」という分類もございます。この3種類の言葉は、地デジアンテナの設置をお考えのお客様が、インターネットなどで地デジアンテナ工事について調べた場合、最初に出会うであろう言葉のひとつでしょう。語感からすると少年漫画かアニメに登場する特別な用語のようにも思えますが、おおよその意味は文字を見ればおわかりかと思います。
ここでは、「強電界地域」「弱電界地域」そして「中電界地域」がどういうものかについて、またその確認方法などを具体的にご説明してゆきます。

強電界地域、中電界地域、弱電界地域の違いと、その基準は?

結論から申し挙げると「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」は、それぞれのエリア(地域)ごとの地デジ電波の強度を示す言葉です。基本的には、地デジ中継局から近距離にあたって、一帯を飛んでいる地デジ電波が強力なため、さほど受信性能の高くない地デジアンテナ機種を用いる、また屋内の空間など地デジ受信にはやや不利となる場所にアンテナを設置するなどしても、十分に地デジ受信が可能なエリアが「強電界地域」にあたります。
逆に「弱電界地域」は、地デジ中継局から遠く離れ、飛来する地デジ電波が弱くなっているエリアのことであり、地デジ電波の受信は不可能ではないものの、確実な地デジ受信のためには、より高性能となる地デジアンテナの採用や、より高所へのアンテナ設置など、アンテナ機種や設置位置、工法などに多くの制約が生じるエリアのことです。
また「中電界地域」も、読んで字の如く、強電界地域と弱電界地域の中間にあたるエリアで、強電界地域に比べると、受信のために必要なアンテナ工事の工法、採用できるアンテナ機種などがやや限られるものの、弱電界地域ほど厳しい制約ではないというエリアになります。
では、各地デジ中継局、からの距離など、どこからどこまでが、それぞれ「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」にあたるかの基準ですが、実はその点について法律や業界の定義など、明確な規定はございません。

ただ一般的には、地デジ電波の強度を示す「dB(デシベル)」の単位において、その一帯を飛ぶ地デジ電波の強度が「80dB」以上の電界地域が「強電界地域」と呼ばれることが多くなります。同じように地デジ電波の強度が「80dB」から「60dB」の範囲内のエリアであれば「中電界地域」。それ以下の電界強度のエリアは「弱電界地域」と呼ばれます。
また通常、各エリアを飛ぶ地デジ電波の強度は、1年を通して天候、季節の変化などにより、おおむね「6dB」前後の変動が生じます。さらにご家庭に設置された地デジアンテナで受信した地デジ電波のdB値は、ケーブルを通じて実際のテレビチューナーに届くころには、やや低下しております。そしてチューナーに届く電波レベルが「90㏈」以上と逆に強すぎる場合も、画面の乱れや地デジ放送が映らなくなるなどの障害が生じてまいります。

理論上、地デジを視聴するための「㏈」の数値は、チューナーに届く時点で「34dB」から「89dB」の地デジ電波レベルが必要となっております。ただ前述のように、季節や天候による一帯の地デジ電波強度の変動、またアンテナからチューナーに届くまでの電波の減衰などを計算して、実際にはチューナーに届く時点で最低でも「40㏈」以上。一般的には「47dB」から「81dB」の電波レベルが適切とされております。
またかつての地上波アナログ放送では放送電波を波のまま送信していたため、ほとんど電波強度(dB)だけが受信の可否を決めていましたが、現在の地デジ放送では、電波をデジタル信号に変換して送信するため、地デジ電波強度の他に、地デジ電波の品質を示す「MER(モジュレーションエラーレシオ)」や「BER(ビットエラーレート)」といった数値も、確実な地デジ受信のために関係してまいります。
これら「MER」「BER」の数値は、電界強度と直接の関連性はございませんが、安定した地デジ受信のためにはやはり一定の数値が必要となる、地デジ受信のための重要な要素になっております。詳しくはこちらのコラムをご参照ください。
(参考「地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?」
詳しくはこちらのページで

広域エリアにおける「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の違いについては、おおむね地デジ中継局からの距離および、周辺一帯の地形などによる、エリア一帯での実際の地デジ電波強度(dB)の強弱によって決まってまいります。
例えば地デジ中継局からは近距離で、周辺の一帯がすべて強電界地域にあたるエリアでも、例えば中継局との間に山地や森林、高層建築物などの障害物がある。また周囲より一段低い窪地になっているなど、周辺の環境や地形によっては、そのエリアだけ障害物が地デジ電波に対する防波堤になっているか、穴が開いているかのように、中電界地域や弱電界地域になってしまうこともございます。
また地デジ電波は、高層ビルなどの大きな障害物にぶつかると反射して、流れの方向を変える性質がございます。地デジ電波そのものは目に見えないため、特定の中継局から送信された地デジ電波にどのような反射が生じ、どのような強さでどの方向に向かっているか、電波の強度や流れの全体像を俯瞰的に確認することはできません。
そのため周辺のほとんどが中電界地域、弱電界地域にあたるエリアでも、反射などの影響から特定のエリアのみ強い地デジ電波が届いており、一部エリアのみ強電界地域、中電界地域になっているケースもございます。地デジ中継局からの距離や、そのエリアの地形、周辺環境などは、一定の目安にはなるものの、実際の各現場が「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」のどれにあたるかは、詳しい電波調査によって確認してみないとわからないというのが実態です。

強電界地域、中電界地域、弱電界地域それぞれに適した地デジアンテナ機種

現在、ご家庭での地デジアンテナ設置に使われるアンテナ機種には、「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の3種類がございます。機種ごとに特徴や特性があり、それぞれ「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の各エリアへの適性も異なってまいります。各機種の具体的な特徴は以下のようなものです。

八木式アンテナ

八木式アンテナとは、日本ではおそらく多くの人が、テレビアンテナと聞いて真っ先に連想する形と思われる、主に屋根の上に見られる、魚の骨のような形をしたテレビアンテナのことです。
八木式アンテナは1920年代に、八木秀次博士と宇田新太郎博士の共同研究によって開発され、日本でアナログテレビ放送が始まった当初よりテレビアンテナとして使われ続けている、現在では100年近い歴史を持つアンテナです。機種名は単独で特許を取得した八木博士に由来し、八木アンテナ、八木・宇田アンテナと呼ばれることもあります。
八木式アンテナの特徴はその基本設計の完成度にあります。今日の地デジ放送で使われる八木式アンテナは、素材や強度などは改良が重ねられ、寿命や耐久性は向上しているものの、設計そのものは開発当初からまったく変わっておりません。
八木式アンテナの地デジアンテナとしてのメリットは、第一に、基本的に住宅の屋根の上など高所に設置されることから、非常に高い地デジ電波の受信性能を誇ることが挙げられます。
さらに古くからの機種であるため構造がシンプルで、設置工法も確立されていることから、各種地デジアンテナの中でも、本体価格やアンテナ設置工事の費用、また故障した際の修理費用などが、もっとも低価格になっております。昔から使われ続けていることもあり、現在、ご家庭に設置されている地デジアンテナの中では、もっとも普及率が高い機種でもあります。
一方、八木式アンテナのデメリットとしては、屋根の上をはじめとする吹きさらしの高所に設置されるため、メンテナンスや修理、調整などの作業が専門業者でなければ難しいという点が挙げられます。
またやはり設置される位置から、雨風や雪、特に豪雪地帯や台風が多い地域、海沿いであればサビを進行させる潮風など、自然環境の影響を受けやすく、特に環境が厳しいエリアでは老朽化が進みやすい。野鳥が留まりやすい形状から、それによる調整の狂いが生じることもある。さらに近年のデザイン性が高い住宅などでは、屋根の上に八木式アンテナを立てることで、住宅の外観性を損ねることもある。住宅密集地では、アンテナの一部が隣家の敷地に侵入してしまう越境問題が起こることがある、などの点がデメリットとして挙げられます。
ちなみに当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本モデルとして、国産一流メーカー「DXアンテナ」社製で耐水性、耐風性が高い軽量モデル「UA20」をご用意しており、アンテナ本体価格をセットにしたアンテナ設置工事の基本価格「15,000円(税込み)」からで施工しております。

デザインアンテナ

デザインアンテナは、2009年(平成21年)ごろより広く普及しはじめた比較的、新しい地デジアンテナ機種です。形状は平面で薄型軽量、大きさもコンパクトで、主に住宅の壁面など、八木式アンテナよりやや低い位置に設置されます。その形状や設置位置から、フラットアンテナ、壁面アンテナ、平面アンテナ、ボックス型アンテナなどと呼ばれることもありますが、基本的には同じ機種を指します。
デザインアンテナのメリットは、その名の通りデザイン性が非常に高いことです。同じ型番でも複数のカラーバリエーションが用意されており、住宅の壁面色に合わせた色を設置することで、住宅全体のデザインに調和して目立たず、住宅外装の一部に見える施工も可能です。そのため近年のデザイン性が高い住宅でも、その外観性を乱すことがございません。
さらに壁面に設置することで、風雨や雪、潮風などの自然環境、また鳥などの影響を受けにくくなっており、経年劣化や故障のリスクを格段に軽減できる点も非常に大きなメリットです。また設置位置の低さから、メンテナンスや故障時の修理なども簡単になります。このようなメリットの豊富さから、現在の地デジアンテナ工事においては、もっとも人気が高いアンテナ機種になっております。
さらに現場の地デジ電波状態や、ご自宅の屋根裏空間の形状、断熱材の素材など諸条件が適合すれば、ご自宅の屋根裏空間はじめ、屋内にアンテナを設置することも可能です。屋内へのデザインアンテナ設置は、日光や風雨などの影響を受けなくなるため、耐用年数が格段に向上する、また住宅の外観性にまったく影響を与えないなどのメリットがございます。
八木式アンテナや後述するユニコーンアンテナでも、屋内への設置は不可能ではありませんが、基本的に屋内への地デジアンテナ設置は、軽量でコンパクトであるデザインアンテナを使用することになります。
逆にデザインアンテナのデメリットとしては、本体の受信性能については基本モデルで20素子相当と、八木式アンテナの基本モデルと同等になっているものの、アンテナの設置位置が低い分、受信感度もやや低下するケースがあること。また八木式アンテナに比べると、アンテナ本体価格や設置費用がやや割高になる点が挙げられます。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本モデルとして、やはりDXアンテナ製の最新鋭機種で、受信性能は20素子相当、形状は業界最小クラスの厚さ4.9cm、大きさ9cm×22cmである超薄型モデル「UAH201」を、4種類のカラーバリエーションをご用意して、アンテナ本体をセットにしたアンテナ設置工事を、基本価格「20,000円(税込み)」からで施工しております。

ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナは、現在の地デジアンテナ機種でもっとも近年になって登場した、2022年時点では最新鋭のアンテナ機種といえます。ポールの先端に円筒状のアンテナ本体が設置された、鞘に納めた槍の穂先や棒状のアイスキャンディーなどに似たスタイリッシュな形状です。そのため360度どこから見ても同じ形状になっており、ポール型アンテナと呼ばれることもあります。
ユニコーンアンテナも基本的に屋根の上など、住宅の高所に設置される地デジアンテナであり、その設置位置から八木式アンテナに匹敵する受信性能を誇ります。一方でシンプルかつデザイン性の高い外観から、ご自宅のデザイン性をほとんど損ねない。風が通り抜けて受け流しやすい形状から、強風はもちろん風雨などの影響を受けにくく、経年劣化や故障リスクを大幅に軽減できるなど、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを兼ね備えた地デジアンテナ機種になっております。
他にも、その軽量、省スペース性から、屋根の上だけでなく、屋根が張り出した縁の部分にあたる「破風」や、外壁などに設置することも可能。そのため太陽光パネルがあるご自宅でも、発電の邪魔にならず設置できる。ユニコーンアンテナのポール部分にBS/CSアンテナを設置するシンプルで合理的な施工も可能、などのメリットがございます。
デメリットとしては、やはり最先端機種であることから、現状ではデザインアンテナと比べても本体価格や設置工費がやや割高である点が挙げられます。
なお当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナとして、同機種を開発した国内の一流メーカー「マスプロアンテナ社」製で、2018年(平成30年)度の「グッドデザイン賞」を受賞。また「有害物質使用規制(RpHS指令)」にも適合しており環境にも優しいモデル「U2CN(ユニコーン)」を、ブラックとホワイトのカラーバリエーションでご用意しております。

現在の一般住宅向け地デジアンテナは、基本的に上記の3機種になりますが、その中でも各電界強度のエリア向け機種、また屋内向けの機種など、さまざまなタイプが存在いたしますので、使用するエリアの電波状態や設置工法に適応した機種を選ぶ必要がございます。
各地デジアンテナ機種それぞれに存在する、強電界地域向け、中電界地域向け、弱電界地域向けモデルの違いは、主に地デジ電波を受信する「素子(エレメント)」数の違いになります。
どの機種であっても、強電界地域向けのモデルはおおむね4素子から8素子(相当)。中電界地域向けモデルは14素子から20素子(相当)の標準モデル。弱電界地域向けモデルは20素子から30素子(相当)の高性能モデルになります。
この素子数は八木式アンテナであれば、魚の骨のような形の、横棒にあたる部分の数で視認することができます。弱電界地域向けの高性能モデルであれば横棒の数が多く、そのぶん大型のアンテナになってまいります。ただデザインアンテナ、ユニコーンアンテナでは外見から素子数を判定することは難しく、また素子数の上限に制約が生じることもございます。
以下、各電界強度のエリアに適したアンテナ機種や、可能なアンテナ設置の工法についてご説明いたします。

強電界地域

強電界地域では基本的に地デジ電波が「80db」以上と強力なため、八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナ、すべての地デジアンテナについて、ほとんどの場合は基本モデルの使用で、快適な地デジ受信が可能になります。また屋根裏をはじめとする屋内やベランダの内部など、自然環境の影響を避けられる位置へのアンテナ設置も可能であるケースが多くなっております。
ただ強電界地域にあたるエリアでも、高層建築の近隣などでは部分的に電波状態が悪くなるケースもございます。また前述の通り地デジ電波は、各チューナーに達する時点での電波強度が「90dB」以上になっても受信不良が生じるため、その場合は基本モデルより素子数が少なく、受信感度(実際に受信できるdBの数値)が低くなる機種を設置する。またアンテナとチューナーの間に「アッテネーター(減衰器)」という装置を設置して、アンテナが受信した電波を適度に弱める工事が必要となるケースもございます。

弱電界地域

弱電界地域では確実な地デジ受信のため、より受信感度の高いアンテナ機種を、できるだけ高所に設置する必要がございます。そのため基本的に八木式アンテナが最適となります。また現場の電波状態に合わせて、素子数が多く受信感度が高い高性能アンテナを使用する、受信した地デジ電波を増幅する「ブースター(増幅器)」という機器を設置するなどの必要も生じてまいります。
またデザインアンテナ、ユニコーンアンテナでは「中・弱電界地域用」の機種が必要となる他、屋内への設置などは難しくなることもございます。さらに八木式アンテナでも高性能アンテナが必要となるエリアでは、デザインアンテナやユニコーンアンテナでは地デジ受信ができず、設置できないケースもございます。

中電界地域

地デジ電波状態が強電界地域と弱電解地域のほぼ中間にあたるエリアの中電界地域では、弱電界地域ほど地デジ受信についての条件は厳しくなく、おおむね各機種の地デジアンテナを使用することが可能です。ただ基本的にはどの機種も「中・弱電界地域用」のアンテナを設置する必要がございます。また一部の機種や屋内への設置などができないケースもあるなど、同じ中電界地域であっても、各現場における実際の電波強度(dBの数値)などによって、アンテナ設置に関する条件は異なってまいります。

実際の現場が「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」のいずれに該当するかを確認する方法

お客様のご自宅、また地デジアンテナの設置を予定している現場の電波状態が「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」のどれに該当するか、確認する方法はいくつかございます。ここではその方法についてご説明いたします。

レベルチェッカー(電波測定器)を使用する

通常、アンテナ業者が現場の地デジ電波状態を確認するために使用する電波測定器「レベルチェッカー」は、通販サイトなどから個人でご購入することも可能です。ただこういった機器は、一台が数万円もする高価なものです。さらに個人でレベルチェッカーを使用できたとしても、正確な電波状態や適切なアンテナ設置のための判断には、地デジ電波やアンテナ機器などに関する専門知識も必要となります。
ご自宅に地デジアンテナ設置をされる機会が数度もないであろう一般の方々にとっては、現実的でない方法といえます。

周辺の住宅に設置されている地デジアンテナを確認する

前述のように、強電界地域、中電界地域、弱電界地域の各エリアによって、使用できるアンテナ機種も変わってまいります。特に八木式アンテナは素子数や大きさからその性能が一目瞭然であるため、現場の周辺にあるアンテナ機種を確認することで、そのエリアの電界強度を知ることができます。
基本的に強電界地域であれば、八木式アンテナは素子数が少ない小型のものが選ばれる他、デザインアンテナが見られる割合も多くなってまいります。逆に弱電界地域では、使用される地デジアンテナのほとんどが八木式アンテナになり、しかも素子数が多く大型の高性能モデルが多い、全体的に高い位置に設置されている、などの特徴が見られます。
ただアンテナ設置に使われる機種は、そのご家庭の好みにも左右される他、一帯における地デジ電波の強弱を、ブースター、アッテネーターなどの機器で補正しているケースも多いため、この判定方法はあくまで大まかな目安にしかなりません。

周辺の家電量販店に問い合わせてみる

そのエリアに位置する家電量販店では、周辺エリアでの現場で使用されるアンテナが購入される割合が高いため、アンテナを担当する店員も周辺の地デジ電波状態についてある程度の知識を持っているケースが多くなります。
ただ家電量販店の店員はアンテナ工事の専門家ではなく、販売しているモデルの特性には詳しくとも、アンテナ工事や地デジ電波、周辺の電波状態などの知識については、メーカーや専門業者に教わったか、インターネットで調べた程度というケースもございます。基本的には参考意見ぐらいに考えておく必要がございます。

ワンセグ放送を受信してみる

スマートフォンなどワンセグ受信に対応する機器をお持ちであれば、ワンセグ受信により地デジ電波の強度を確認することもできます。
ワンセグの電波も地デジ電波を送信するのと同じ中継局から発信されているため、ワンセグが快適に受信できるエリアは、基本的に地デジの電波状態も良好なエリアだと判断できます。ワンセグ受信では、特定の住宅などピンポイントな場所での地デジ電波状態を確認できるメリットもございます。
ワンセグの受信強度から電波状態を確認する場合は、その住宅でも複数の部屋や場所などにおいて、安定したワンセグ受信が可能であるかをご確認ください。どの場所でも問題なくワンセグが視聴できる場合は、現場の電波状態が良好であると判断できます。逆に場所によってはワンセグ受信が困難になる、またほとんど受信できないなどの場合は、その状態に応じて電波状態が弱いエリアだと考えられます。
ただワンセグは地デジ電波より弱い電波でも受信できるため、これもあくまで大まかな目安にしかなりません。

インターネット上のサイトで調べる

インターネット上には、日本全国に存在するすべての地デジの中継局および、その受信範囲を確認できるサイトがございます。
まずは「A=PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」(https://www.apab.or.jp/)のサイトをご確認ください。
この協会は、放送および放送関連サービスの高度化を推進して、関連の技術仕様の検討や検証、評価を行うこと。そしてテレビの技術基盤を用いた新たな産業や文化の創成に貢献して、公共の福祉の増進、国民生活の向上に資することを目的とする一般社団法人です。
このサイトでは、地デジ、ワンセグなどの地上波放送、BS、CSなどの衛星放送、4K8Kなどのスーパーハイビジョンに関する基礎知識や最新情報を確認することができます。
そして地デジ受信に関しては「地デジ放送エリアの目安」(https://tv-area.jp/#/)というサイトで確認することができます。
このサイトでは、日本各地のエリアに存在する地デジ中継局と、その中継局が送信する地デジ電波が受信できるエリアについて、確認したい地域や現場の住所、郵便番号から、また中継局の名称や、都道府県ごとの中継局の一覧から調べることができます。
例えば東京都墨田区押上の東京スカイツリーを選択すれば、スカイツリーを中心にした地図と、その地デジ電波の届く範囲が薄い色彩を重ねる形で表示されます。
このサイトから確認することで、東京都および関東地方の基幹局であるスカイツリーは、NHKおよび各民放放送局(NHK・広域民放)については、東京都の西部を除く大半と、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨木県、栃木県、群馬県の東京都寄りの一帯と、極めて広範囲に地デジ電波を送信していることがわかります。また「表示オプション」によりスカイツリー以外の中継局の表示をオフにすれば、東京スカイツリーを中心に、その地デジ電波は平地の広範な一帯に広がり、山地にせき止められる形で受信エリアを形成していることがわかります。

でん

また同じくスカイツリーから発信される地デジ電波でも、基本的に東京都内を対象とする地方局(地方チャンネル)である東京MX(MXTV)は、NHK、広域民放の電波出力が10kwであるのに対し、送信の範囲がやや狭い3kwになっています。
サイト上の表示を「MXTV」に切り替えれば、スカイツリーから送信される東京MXの地デジ電波が受信できる範囲が表示され、東京都でも西部の山地を除く一帯と、その周辺部にあたる神奈川県、埼玉県、千葉県の一部で受信できることがわかります。

同じ要領で、このサイトから全国各地の各エリアにおいて、受信できる中継局を最大5か所まで確認できます。ただ一度に表示すると送信範囲の色彩が重なってわかりにくいのと、エリアによっては6か所以上の中継局から地デジ電波を受信できるケースもございますので、その場合はいったん表示をオフにして、周辺に位置する個々の地デジ中継局の受信範囲を確認するといいでしょう。

ただ、このサイトでは、各地デジ中継局の受信可能エリアとして色彩で表される範囲は、おおむねその中継局からの地デジ電波が「60dB」以上となるエリアになっております。
そのため基本的に、サイト上の色彩で示される範囲内であれば、まず確実に地デジ受信か可能であるものの、実際にはそれよりやや広範囲のエリアも「弱電界地域」にあたり、アンテナ設置の工夫次第で、同じ中継局からの地デジ電波が受信できる可能性がございます。
また逆に色彩で示されるエリア内であっても、中継局の方向に高層建築物が位置し、ほぼ隣接しているなどの周辺環境によっては、ピンポイントで地デジ電波状態が悪くなるケースもございます。
このサイトを利用すれば、現場の周辺に位置する地デジ中継局から、その地デジ電波が確実に受信できるエリア。また山地などの障害物となる大きな地形などの存在についても、かなり詳しく確認することができます。ただ高層建築物の影響など、ピンポイントでの地デジ受信環境まではカバーしていないため、このサイトの情報も、あくまで目安と考えておく必要はございます。

アンテナ工事業者に測定を依頼する

これまでご紹介した地デジ電波状態の確認方法は、どれもおおまかな目安となります。地デジアンテナの設置を想定している住宅など、ピンポイントにおける正確な電界強度を確認するためには、やはり専門のアンテナ工事業者に調査を依頼することが、もっとも確実で正確な測定が可能となる方法といえます。
アンテナ設置業者では、専門知識を持つアンテナ職人が、現場にて高性能の電波測定器(レベルチェッカー)を用いた電波調査を実施します。専門アンテナ業者による電波調査では、片手で持てるハンディタイプのレベルチェッカーを用いて、屋根の上や屋内の各部屋など、住宅内でも各場所の電波状態を確認する他、やや大型の機器を用いて地デジ電波の品質を細かく分析するなど、個人で揃えるには非常に高額となる機器を用いて、現場での正確な地デジ電波状態を割り出します。
その結果により現場内でもっとも電波状態がよく、地デジアンテナを設置するのに最適な位置や、風雨などの影響を避けて高寿命を実現することを含めて、もっとも有利な工法などを割り出し、八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどの地デジアンテナ機種から、屋根裏や壁面などの設置位置まで、ご希望のアンテナ工事に対応いたします。
現場の地デジ電波状態や条件からご希望には完全に対応できない場合でも、より近い工法をご提案できる他、弱電界地域であっても、安定した地デジ受信が可能となるアンテナ工事のご提案が可能です。
このような専門アンテナ業者による現場での地デジ電波調査に関しては、業者によっては調査料、出張料が発生する場合もございますが、当あさひアンテナでは、弊社フリーダイヤル、公式サイトのメールフォーム、また弊社LINEにご要望をいただければ、現場に出張しての電波調査から、現場の条件に最適の地デジアンテナ設置のお見積りまで、完全無料で実施しております。
また電波調査やお見積りの結果にご満足いただけず、アンテナ工事の本契約にいたらなかった場合も、キャンセル料その他の諸費用は1円もいただいておりません。地デジ電波調査や地デジアンテナ設置のお見積りは、当あさひアンテナへお気軽にお申し込みいただければ幸いです。

まとめ

「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の概念と、それぞれの違いについてご理解いただけたでしょうか?
これらエリアごとの電界強度の差は、地デジアンテナを設置するにあたり、はじめに確認すべき事項になります。
また各現場の電界強度について、大まかな目安を確認する方法もいくつかございます。ただ地デジ電波は目に見えないため、地デジアンテナ設置を想定している各現場での正確な地デジ電波状態は、実際に現場で専用の機器を用いた、正確な地デジ電波測定を行わないとわからないというのが実情です。
おおまかな目安のみ現場の電界地域を判断して、それぞれの電界地域用の地デジアンテナを購入すると、実際に地デジ電波調査を行った際、現場の電波状態と適合せず、購入した地デジアンテナがアンテナ設置に使用できないというケースも起こりえます。
前述のように当あさひアンテナでは、八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナの地デジアンテナ各機種について、国内の一流メーカー「DXアンテナ」社製をはじめとする最新高性能モデルをご用意し、アンテナ本体価格をセットにした、格安の地デジアンテナ設置価格でご提供しております。
さらに強電界地域、中電界地域、弱電界地域の各エリアに対応できるよう、素子数の多い高性能アンテナから、ブースター、アッテネーターなどの各種機器もご用意しており、あらゆるエリアでの地デジアンテナ設置にご対応できます。
日本国内の各地において、地デジアンテナ設置をお考えで、まずは現場の電界地域が強、中、弱のどのエリアに該当するが確認なさりたいお客様は、現場における地デジ電波調査から具体的な地デジアンテナ設置工事のお見積りまで無料でご案内している、当あさひアンテナまで、どうかお気軽にご相談ください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。