地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!

2024年01月04日
あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談

ご自宅に設置される、地デジ放送用の地デジアンテナ(UHFアンテナ)、衛星放送用のBS/CSアンテナは、テレビ電波を受信するために、電波を送っている電波塔や人工衛星の方向に向ける必要があることは、皆様もよくご存じでしょう。

そして地デジ用、衛星放送用とも、テレビアンテナは、安定した受信のために、アンテナの設置位置や角度を、電波が届く方向へと正確に向けなければなりません。

近年では地デジ用のデザインアンテナをはじめ、家の壁やベランダなど、やや低い位置にアンテナが設置されることもございます。ただ現在でも、テレビアンテナと言えば屋根の上に立てられるケースが多くなるのは、やはり周辺で電波を遮る建物などに影響を受けにくく、もっともアンテナの受信感度が高くなり、また角度調整が行いやすい場所であるためです。

当コラムでは、地デジ放送、衛星放送、それぞれの仕組みや電波の性質にもとづく、テレビアンテナを向ける的確な方向の目安や、その確認の方法。またアンテナの機種やモデル別の設置位置と注意点。風雨などの影響でご自宅のアンテナ角度がずれてしまい、安定した受信ができなくなった場合に、あらためて正しい方向へと角度を調整する方法についてご説明してゆきます。

地デジ放送の仕組みと電波が届く方向とは?

現在の日本における主なテレビ放送の「地上デジタル放送(地デジ放送)」は、日本国内に数多く設置された地デジ放送の電波塔から、その周辺エリアに電波を送信することで、日本国内のほとんどの地域を放送エリアとしてカバーしています。

地デジ放送は、地上の電波塔から、地上の空間を通して電波を送信することから、主に衛星放送との対比として「地上波放送(地上波テレビ放送)」とも呼ばれます。

1953年(昭和28年)にスタートした日本で最初のテレビ放送である「アナログテレビ放送」も、同じ形式で電波塔から放送される地上波放送でした。

ただ放送の形式として、アナログ放送では、テレビ放送の映像信号を、そのまま電波の強弱に変換して送信していたのに対し、地デジ放送では映像信号をまず「0」「1」のデジタル信号に変換して、この信号を電波の波長に変換して送信しています。

この方式により、地デジ放送ではアナログ放送に比べて、使用する電波の周波数帯を大きくカットしながら、約4.5倍の大容量の情報を送信することが可能になっております。

これにより、地デジ放送では、テレビ映像のハイビジョン化をはじめ、番組表やデータ放送その他、アナログ放送時代にはなかった、さまざまな新機能が導入されたのです。

なお現在の地デジ放送は、2003年(平成15年)12月1日の午前11時に、アナログ放送と並行する形でスタートしました。その後、地デジ放送は徐々に放送範囲を広げてゆき、2011年(平成23年)7月24日の正午、アナログ放送が終了(完全停波)したことで、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されたのです。

現在の地デジ放送では、日本の各地域を地デジ放送の内容で区分けした「広域圏」ごとに、例えば関東広域圏では、東京都を中心に神奈川県、千葉県、埼玉県、さらには茨木県、栃木県、群馬県の一部エリアまで、広範なエリアに地デジ電波を送信する東京スカイツリーなど、広域圏の中心となる電波塔の「送信所(基幹局、親局)」が設置されます。

さらに地形や距離などによって、送信所からの電波が届きにくい地域には、送信所を中心とした衛星のように「中継局(サテライト局)」という電波塔が設置されます。

この中継局は、送信所や他の中継局からの地デジ電波を受信して、電波塔内で増幅した電波を周辺に送信し直すという役割を果たしており、このようなリレー形式で、広域圏の隅々にまで地デジ電波を送信しているのです。

地デジ放送の電波塔とは、一般住宅よりもはるかに高い位置に当たる塔の先端に、送信用アンテナを固定し、上空から周辺エリアの全方向へとまんべんなくテレビ電波を送信する、それ自体が大型の地デジアンテナと言えます。

なお「アンテナ」というと、一般的にテレビ電波を受信するための家庭用アンテナのイメージが強いでしょうが、本来「アンテナ(antenna)」とは、電波などの電気エネルギーを、空間に放出する。または空間から取り入れるためのエネルギー変換器のことをいい、その英語の語源は、昆虫などの「触覚」になります。

したがって一般の戸建住宅のお住まいなどで、受信用の地デジアンテナを設置する際には、基本的に、現場(ご自宅)にもっとも強い地デジ電波が届く向きである、近辺の地デジ電波塔の方向へと、地デジアンテナの正面側を向けるようにして設置する必要がございます。

ただ場合によっては、電波塔から発信された地デジ電波が、高層ビルなどにぶつかって方向が変わった「反射波」と呼ばれる電波の方向に、地デジアンテナの正面を向けて設置する場合もございます。

地デジ電波は、一般的な戸建て住宅のアンテナから見れば上空に当たる電波塔からの先端から送信される点。また詳しくは後述いたしますが、地デジ電波は地形や高層ビル、立ち並ぶ住宅などに遮られることもあるため、一般的には住宅の屋根の上など、できるだけ高い位置に設置するほど、受信感度や電波レベルが安定しやすくなります。

このアンテナの角度調整に関係する、地デジアンテナの「指向性」や、具体的な設置位置、角度調整の方法などについても、後の項でそれぞれ解説してゆきます。

地デジ放送の「地デジ電波」とその性質とは?

地デジ放送では、UHF波(極超短波)と呼ばれる電波のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯の電波を使用しており、その波長の幅は約40センチから60センチ程度です。

したがって、地デジ放送を受信するための「地デジアンテナ」は、基本的にすべて「UHFアンテナ」になります。

なお電波とは、電界と磁界の影響を受けて、波長(波)を描きながら空間を光の速さで伝わる波動「電磁波」のうち、周波数(1秒間に描かれる波長の数)が比較的、低いものをいいます。

日本の電波法をはじめ、一般的には、300万MHz(3THz)までの電磁波を「電波」と定義することが多くなります。

周波数の基本的な単位はHz(ヘルツ)であり、1Hzは1秒間に1回の波長を描くことを示します。そしてkHz(キロヘルツ)は1,000、MHz(メガヘルツ)は100万、GHz(ギガヘルツ)は10億、THz(テラヘルツ)は1兆の周波数を表す単位になります。また電波(電磁波)は、周波数帯が高くなるほど波長の幅が短くなります。

ちなみに電波より周波数の高い電磁波は、まず赤外線、可視光線、紫外線の順で「光」になるため、電波も周波数帯が低い(波長が長い)ほど、その性質は音に近く、周波数帯が高い(波長が短い)ほど、性質が光に近くなります。

地デジ電波であるUHF波は、日本各地に設置された電波塔の先端を中心に、空間を広がるように伝播してゆきます。ただ地デジ電波は、山地などの障害物にぶつかると遮られてしまう他、電波塔から遠く離れるほど、電波レベル(電波の強度)は低下してゆきます。

地デジ電波を遮る障害物とは?

地デジ電波のUHF波は比較的、周波数帯の高い電波ですが、音に近い性質もあり、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合、電波が障害物の上や横を通り過ぎて向こう側で広がることにより、障害物を乗り越える性質もあります。

ただ地デジ電波が完全に障害物を乗り越えられるわけではなく、高層ビルなどであれば、電波塔から見て裏側に当たる一帯、特にその中心部では受信できる地デジ電波のレベルが低くなります。

同じように、狭い間隔で戸建て住宅が並ぶ住宅密集地などでは、屋根の上では十分な地デジ電波を受信できても、隣家との間が狭い住宅の壁面部などには十分な地デジ電波が届かず、受信できる電波レベルが大きく低下することもあります。

一方で、地デジ電波は一定の波長の幅もあるため、一般的な戸建て住宅の屋根や壁、窓などでは、電波を反射する金属の材質や、太陽光パネルなどが設置されていない限り、住宅の屋根や壁を通り抜けて、地デジ電波が屋内まで到達します。

壁や屋根などの障壁を通り抜ける際に、地デジ電波レベルに一定の減衰(電波の弱まり)は発生しますが、後述の強電界地域など、受信できる地デジ電波が強いエリアであれば、屋根裏空間への地デジアンテナ設置や、室内アンテナの利用により、屋内のアンテナで地デジ電波を受信できるケースも多くなります。

地デジ電波の「電界地域」とは?

地デジ電波などの電波レベルは「㏈(デシベル)」の単位で表されますが、主に地デジ電波塔からの距離と地形の影響により、日本国内の各地で、受信できる電波レベル別に地域を区分した、受信レベルの目安が「電界地域」になります。

この電界地域は、放送局やアンテナメーカーなどが受信の目安としてそれぞれの基準で分類しているため、定義が異なる場合もございますが、一般的には、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上の地域であれば「強電界地域」。同じく80㏈から60㏈の地域は「中電界地域」。60㏈以下の地域は「弱電界地域」になります。

また弱電界地域でも、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下のエリアは、その電波塔の受信範囲外にあたり、通常モデルの地デジアンテナでは地デジ受信が難しくなる「微弱電界地域」と分類されることもあり、このような地域では、地デジ受信のために高性能地デジアンテナ(パラスタックアンテナ)が必要となります。

他にも日本国内には、地デジ電波がほぼ遮断されてしまう山地や山間部。また電波塔から遠く離れた離島部や原野など、地デジ電波がほとんど受信できないエリアも一部ながら存在し、このようなエリアは、地デジの「難視聴地域」と呼ばれます。

基本的に各電界地域は、山地などの影響を除けば、地デジ電波塔から近い順に、強電界地域、中電界地域、弱電界地域に分類されます。そしてエリアに届く地デジ電波レベルが弱まるほど、障害物などの影響も受けやすくなるため、各電界地域や設置の現場に適した地デジアンテナモデルや、設置位置を選ぶことが重要になります。

天候や気候が地デジ電波に与える影響とは?

地デジ電波のレベルは、伝わる空間の気候や天候などにも影響を受けます。

一例として、気温が下がり空気が収縮すると、地デジ電波が電波塔から遠くまで届きやすくなる一方で、地デジアンテナがノイズとなる余計な電波も受信しやすくなります。逆に気温が高く空気が膨張すると、地デジ電波が遠くまで届きにくくなります。

このような気候の変化により、同じ場所であっても受信できる地デジ電波レベルには、6㏈程度の変動が生じます。さらに電波は水分に吸収されやすいため、雨や雪などの悪天候では、好天の日に比べて、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下します。

そのため、地デジアンテナの設置にあたっては、気候や天候などによる地デジ電波レベルの変動も踏まえて、余裕を持った受信レベルの確保も重要となります。

その他、アンテナ設置に関する地デジ電波の性質とは?

その他、空間を伝わる地デジ電波と、地面にぶつかって上方向に反射する電波の干渉によって、地面から高度が上がるにつれて、地デジ電波レベルの強弱が波のように変化する「ハイトパターン」。地デジ電波が、波長の近い携帯電話などの電波と入り混じることで電波障害が発生することを避けるため、一部の電波塔から送信される地デジ電波の波長の角度を変える「水平偏波」「垂直偏波」の違いなど、地デジ電波の特性で、地デジアンテナの設置に影響を与える要素は存在します。

なお、上記した地デジ放送、地デジ電波の基礎知識や電波の性質については、以下の各コラム記事でも、それぞれ詳しくご説明しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?

・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

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地デジアンテナの「地方局用アンテナ」とは?

基本的に、一般的な戸建て住宅などにテレビアンテナを設置する場合は、まず基本的なアンテナとして「地デジアンテナ」から、現場の条件やお客様のご要望に適した機種、取り付け位置などを選択して設置することになります。

そして衛星放送もご視聴になるご家庭では、さらに衛星放送用のBS/CSアンテナも追加設置することになります。

そのため、一般世帯に設置されるテレビアンテナは、地デジアンテナにBS/CSアンテナを加えて、最大で二基ということになります。

ただ場合によっては、もう一基「地方局用アンテナ」として、地デジアンテナ(UHFアンテナ)を設置する必要が出ることもございます。

地デジ放送は、基幹放送として自然災害などの非常時に情報を拡散する役割も持つため、日本国内であれば、地デジアンテナの設置や、ワンセグ・フルセグ機器の使用で、誰もが無料で視聴する事ができます。

そして地デジ放送のチャンネルには、NHK、広域民放と、地方チャンネル(地方局)の三種類が存在します。

NHK、広域民放は、日本国内の各広域圏で番組編成や、地域によっては民放局の数が異なる場合もありますが、日本全国でほぼ同じ内容の放送を視聴できます。

ただ地方チャンネルとは、例えば東京都の東京MX。千葉県の千葉テレビ(チバテレ)。岐阜県の岐阜放送(ぎふチャン)。兵庫県のサンテレビジョン(サンテレビ)など、主に主要都市圏の一部都府県で、各広域民放局とのネットワーク関係を持たない「独立放送局」が、その都府県内を放送エリアとして、独自の番組編成を行うテレビ局になります。

そのため各地方チャンネルは、独立放送局が所在する都府県内、および隣接する都府県で、独立放送局がある都府県との境界に近いエリアで受信できます。

そしてNHK、広域民放、地方チャンネルとも、すべて同じUHF波を使用する地デジ放送であるため、基本的には一基の地デジアンテナですべて受信できます。

ただ同じ地域であっても、NHK、広域民放と地方チャンネルでは、電波を送信する電波塔が異なる場合もあるのです。

そして地デジアンテナには、前述した「指向性(アンテナの正面方向でも、限られた角度の範囲内でのみ高い受信性能を発揮する性質)」があるため、ご自宅(アンテナ設置場所)から見て、NHK、広域民放の電波塔と、地方チャンネルの電波塔がほぼ正反対の方角など、角度が大きく離れている場合、一基の地デジアンテナでは受信できないこともございます。

このような場合、基本的な地デジアンテナは、NHK、広域民放用として、地方チャンネルを受信するためには、別途に地方局用の地デジアンテナをもう一基、地方チャンネルを送信する電波塔に向けて設置する必要が出るのです。

また地方局を受信できる地域によっては、二基の地デジアンテナ(八木式アンテナ)をマストに固定して配線などを行った、その地区用の地デジアンテナ機種も存在します。

なおアンテナ設置工事に当たり、NHK、広域民放用の主な地デジアンテナとは別に、地方局用地デジアンテナの追加設置工事を行う場合には、アンテナ本体や機材の費用を含め、主に20,000円前後から40,000円程度の追加設置費用(地デジアンテナをもう一基、設置する費用)が工事費用の総額に加算されます。

なお当あさひアンテナでは、地デジアンテナ設置にあたって、NHK、広域民放、およびその地域で受信できる地方チャンネルを、前述した反射波を利用するなどして、可能な限り一基の地デジアンテナで受信できるよう、施工の工夫を実施いたします。

その上で、どうしても一基のアンテナでは地方局の安定した受信が難しい場合のみ、地方局用アンテナの設置を、15,000円(税込み)からの工事費用(アンテナ本体や機材の費用含む)でご案内いたします。

なお地方チャンネルやその視聴方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?

・東京MXは東京都以外でもテレビで視聴できる? 日本各地でエムキャスなどにより東京MXその他の地方チャンネルを見る方法

地デジアンテナの「指向性」とは?

地デジアンテナの設置に当たって、角度調整が重要になるのは、地デジアンテナが基本的にもつ「指向性」という性質があるためです。

すでに少しご説明した通り、地デジアンテナの指向性とは、アンテナ本体でも特定の方向(正面方向)でのみ、受信性能が高くなる性質のことです。

逆にアンテナ本体の正面側から外れるほど受信感度は低くなり、アンテナ本体でも真横や後方などでは、受信性能はほとんど失われます。

逆に言えば、地デジアンテナは正面以外の方向からズレるほど、受信性能が弱まってゆき、本体の真横や後ろ側などでは、地デジ電波をほとんど受信できなくなります。

この性質には、ノイズとなる別方向からの余計な電波を受信しないことで、地デジ受信のノイズを抑える役割もございます。

地デジアンテナの指向性は、機種やモデルごとの受信性能や形状によっても変化し、主に指向性が高い(受信性能を発揮する角度が狭い)地デジアンテナほど、指向性の範囲内での受信性能が高まるという性質がございます。

地デジアンテナの指向性は、機種やモデルごとに表記される「半値幅」と呼ばれる数値で表されます。

この半値幅とは、地デジアンテナの受信性能が最大レベルになる、真正面の方向を「0」にあたる基準点として、アンテナの角度を左右にずらし、受信性能が最大から半分のレベルになる角度を示す数値です。

したがって地デジアンテナの設置に当たっては、現場に地デジ電波を送信する電波塔(場合によっては反射波の方向)に、地デジアンテナの正面側、半値幅の範囲を合わせる形で、角度調整を行う必要が出るのです。

また、この半値幅が狭い(指向性が高い)アンテナは、アンテナの正面側で高い受信性能を発揮する半面、地デジ電波塔の方向に、狭い半値幅を合わせる正確な角度調整を行う必要があり、また風雨などによるアンテナ角度のズレで、受信性能が低下しやすいという問題も生じます。

一方、半値幅が広い(指向性が低い)アンテナでは、本体の受信性能はやや低くなる半面、角度調整が簡単になり、アンテナ角度のズレによるトラブルも生じにくくなります。

指向性はアンテナの形状に影響されるため、厳密な意味で指向性がない(全方向に同じ受信性能を発揮する)アンテナは実際には存在しません。

ただ地デジアンテナの一部モデルには「無指向性アンテナ」というモデルも存在します。このモデルは、支柱の先に半球のようなドーム状の受信部が設置されたもので、この半球状の部分で呑み、全方向からの地デジ電波を、等しい受信感度で受信できるものになります。

このようなモデルは、設置に際して細かい角度調整が不要。また前述した地方局用アンテナが必要な現場など、方向が大きく異なる複数の電波塔からの地デジ電波を、一基で受信できる点がメリットになります。

その反面、ノイズとなる無関係な電波も受信しやすいというデメリットもあるため、基本的には地デジ電波レベルが強い強電界地域向けのモデルになります。

なお地デジアンテナの指向性については、以下の各コラム記事でも詳しい解説がございます。

・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!

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主な地デジアンテナ機種と角度調整の方法とは?

以下、現在の主な地デジアンテナ機種である「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」について、主に設置時の角度調整に関係する点について、ご説明してまいります。

なお地デジアンテナでも各モデルの受信性能は、基本的に「素子数(相当)」で表されます。

「素子」とは「エレメント」とも言い、地デジアンテナでも地デジ電波を受信する部品に当たり、この素子の数が多いほど受信性能が高まります。具体的には「14素子」「20素子」など設置される素子の数で表記されます。

また外部から素子数がわからない形状の地デジアンテナモデルでは、受信性能を素子数に換算した「20素子相当」などの「素子数相当」で表記されます。

他にも、地デジアンテナモデルことの受信性能を表す指標に「動作利得(利得)」または「ゲイン(gain)」と呼ばれるものがあります。

これは地デジアンテナが受信できる電波レベルに対し、アンテナから出力できる電波レベルの効率を表すものであり、アンテナが受信性能を発揮する正面側での受信感度を示す数値とも言えます。

この動作利得の数値は㏈で表記されますが、この数値は、単純な受信レベルではなく、該当するアンテナと、基準となる指向性がまったく存在しない理論上(架空)のアンテナとの出力レベルの差を、常用対数で表した数値になります。

この動作利得の数値は、素子数(相当)より細かな受信性能の違いを判断する目安となり、例えば同じ20素子(相当)の地デジアンテナでも、指向性の高さ、低さによって受信性能に違いが出ますが、その違いを判断する目安として、動作利得の数値が参考になります。

地デジアンテナの素子数と動作利得については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!

・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

「八木式アンテナ」の特徴と設置・角度調整の方法

八木式アンテナとは、主に住宅などの屋根の上に立てた、マスト(支柱、ポール)の先に設置される、魚の骨に似た形状の地デジアンテナです。

アナログ放送の時代からテレビアンテナとして使われてきた古典的な機種であり、現在でもテレビアンテナと言えば、この機種のイメージが強くなります。

現在の地デジアンテナ(UHFアンテナ)としての八木式アンテナは、矢印型の骨組みに、短い横棒がいくつもついた魚の骨のような形状をしています。

この形状の中で、八木式アンテナの正面側に当たるのは、矢印の先(魚の頭)とは逆方向の先端になります。

この方向を向いた中心の支柱は、地デジ電波を伝える「導波器(ディレクター)」と呼ばれる部分であり、この先端を、近隣の電波塔をはじめ、地デジ電波が届く方向へと正確に向けることになります。

ちなみに魚の頭に当たる部分は「反射器(リフレクター)」といい、通り抜ける地デジ電波をディレクターの方向へ反射させると同時に、別方向からの余計な電波を遮る役割も持ちます。

八木式アンテナの特徴は、8素子、14素子、20素子や、一ヵ所に複数の素子パーツを固定した高性能素子を使用し、27素子、30素子などの多素子モデルもある高性能アンテナ「パラスタックアンテナ」など、受信性能別のモデルが豊富で、モデルによって強電界地域から弱電界地域、微弱電界地域まで、幅広いエリアや現場で使用できる点です。

さらに八木式アンテナは、地デジアンテナ機種の中でも指向性が高い分、同素子数でも他のモデルに比べると、受信性能が高くなります。

ちなみにある国内大手メーカーの八木式アンテナ、および高性能素子を使うパラスタックアンテナの、各素子数モデルの指向性を示す半値幅と、動作利得は以下の通りになります。

(八木式アンテナ)

・8素子:半値幅42度から63度/動作利得5.0から9.9㏈

・14素子:半値幅34度から57度/動作利得8.0㏈から12.5㏈

・20素子:半値幅28度から52度/動作利得8.5㏈から13.8㏈

(パラスタックアンテナ)

・5素子:半値幅35度から56度/動作利得7.2㏈から10.5㏈

・14素子:半値幅26度から43度/動作利得10.6㏈から13.5㏈

・20素子:半値幅18度から35度/動作利得11.3㏈から14.5㏈

・27素子:半値幅15度から40度/動作利得10.6㏈から16.4㏈

・30素子:半値幅18度から29度/動作利得13.2㏈から16.1㏈

素子数が多く受信性能が高いモデルほど、その半値幅が狭くなることがおわかりいただけると存じます。ちなみに高性能素子を使用するパラスタックアンテナは、同素子数でも通常モデルの3、4倍ほど高い受信性能を持ちますが、その分、半値幅も狭くなります。

さらに八木式アンテナは、素子アンテナ(素子が露出して受信感度が向上するアンテナ)である。設置位置が高く周辺の障害物などに影響されにくい。ローチャンネル用アンテナが存在するといった点から、他の地デジアンテナモデルに比べ、総合的な受信性能がもっとも高くなります。

また八木式アンテナはシンプルな設計で古くから使われるテレビアンテナであるため、今日の地デジアンテナとしても、アンテナ本体価格や設置工事の費用が、もっとも低価格になります。

一方、八木式アンテナのデメリットは、現在の地デジアンテナとしては、大型かつ独自の形状で、戸建て住宅では主に屋根の上のマストに設置されることから、住宅の外観性や周辺の景観に悪影響を与えやすい点。

また風雨や雪、海沿いの潮風など、自然環境の影響も受けやすく、経年劣化が進みやすいため、耐用年数(寿命)が10年程度とやや短い。さらに指向性の高さから、自然環境の影響などによるわずかなアンテナ角度の狂いで、受信感度が低下しやすいという点になります。

なお戸建て住宅に八木式アンテナを設置する方法としては、基本的に、屋根の上に立てたマストの先に固定するという方法が主になります。

他にも、サイドベースという器具を用いて、住宅の壁面やベランダの手すりから、垂直に立てたアームの先に固定する。ベランダの内部に設置する。専用モデルを軒先やベランダの屋根から吊り下げるなどの方法がございます。

このうち、屋根の上への設置であればほとんどの場合、八木式アンテナの前方を、マストを中心軸として360度の全方向へと向けられるため、電波塔の方向に向ける角度調整が行いやすくなります。

ただ、住宅の壁面やベランダなどの位置に設置する場合には、その位置で八木式アンテナの先端を電波塔の方向に向けることができるか、まず確認する必要があり、壁やベランダが電波塔と正反対の方向では、アンテナを設置できないこともありますのでご注意ください。

当あさひアンテナでは、八木式アンテナの設置について、日本三大アンテナメーカーのひとつ、DXアンテナ製の20素子高性能モデル「UA20」に、マストや屋根馬、支線(ステー)などの基本設置具や同軸ケーブル、防水処理などをセットにして、アンテナ設置と、屋内の一ヵ所とのケーブル配線を行う「基本設置工事」を、15,000円(税込み)からでお引き受けしております。

他にも、8素子、14素子など各素子数モデルやパラスタックアンテナ。また受信チャンネルを一部帯域に絞ることで受信性能を高めたローチャンネル型、ロー・ミドルチャネル型。対候性を高めたステンレス、塩害用、雪害用などのモデルもご用意しており、さまざまな条件の現場に対応が可能です。

なお八木式アンテナやその設置位置などの詳細については、以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

「デザインアンテナ」の特徴と設置・角度調整の方法

デザインアンテナ(平面アンテナ)は、薄型で縦長の長方形の形状を持つ、パネル状の地デジアンテナです。

デザインアンテナの設置では、パネル状の背面を専用の設置具に取り付ける形になり、したがってアンテナの正面側(受信側)は表側の面になります。

デザインアンテナの設置位置は、住宅の外壁やベランダの手すり部などに、専用の固定具を取り付けて、アンテナ本体を固定する形になります。また場合によっては、八木式アンテナと同じように、屋根の上のマストに設置されることもあります。

また現場が強電界地域で電波状態が良く、住宅の建材などが地デジ電波を通しやすい。設置スペースが確保できるなどの条件が整っていれば、コンパクトモデルを室内に設置することや、屋根裏空間、天井裏空間へのデザインアンテナ設置も可能となります。

デザインアンテナの特徴は、その形と設置場所に加え、同モデルでもカラーバリエーションが豊富なため、設置しても住宅の外観や景観に悪影響を与えにくい点。

さらに風雨などにも影響を受けにくいため、経年劣化を抑えることができ、アンテナ寿命も15年から20年程度と長くなります。

一方で、その受信性能は、八木式アンテナには及ばないというデメリットもあります。

デザインアンテナの受信性能は、強電界地域用のコンパクトモデルなどを除いた、通常の屋外設置用モデルで、主に20素子相当と26素子相当になります。またそれぞれのモデルに、ブースター内蔵型も存在します。

また八木式アンテナに比べると、デザインアンテナは指向性もやや低くなります。ある国産大手メーカー性デザインアンテナの、動作利得と半値幅(指向性)の例を挙げると、

・20素子相当:半値幅75度から86度/動作利得7.8㏈から9.8㏈(標準値)、7.5㏈から9.7㏈(規格値)

・26素子相当:半値幅71度から82度/動作利得8.4㏈から10.2㏈(標準値・規格値)

になります。指向性が低い分、角度調整には余裕ができますが、その反面、同素子数モデルでも八木式アンテナに比べると受信性能はやや低くなるのです。

さらに素子が露出していない。また何より設置位置が屋根の上より低くなることが、デザインアンテナの受信感度が低くなる要因となります。

そのため、基本的にデザインアンテナは強電界地域から中電界地域向けのモデルになります。

また地デジ電波が遮られやすい高層建築物の近隣、住宅密集地の壁面など、設置する環境によっては、強電界地域から中電界地域でもデザインアンテナの設置ができない場合もございます。

他にもデザインアンテナは、八木式アンテナに比べて本体価格や設置費用がやや割高になる点。壁面への設置では、まず設置具を取りつけるため、住宅の壁にビス穴を開ける必要がある点もデメリットといえます。

なおデザインアンテナの方向、角度調整については、まず地デジ電波が届く方向の壁面側にデザインアンテナを設置する必要があります。そのため電波塔と正反対の方向にあたる壁面などには設置できないケースもございます。

デザインアンテナの角度調整については、モデルにもよりますが、主に背面の設置具から、アンテナの正面側を、扉を開くようにして、左右に角度をつける形で行います。

いずれにせよデザインアンテナは、指向性の広さと設置の方法から、設置角度の狂いによる受信不良のトラブルなどは生じにくいモデルと言えます。

なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナ取り付けに関して、DXアンテナ製の高品質20素子相当モデル「UAH201」。または同じく日本三大アンテナメーカーであるマスプロ電工製の強電界地域専用、業界最小クラスのコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」を、各カラーバリエーションを含めてご用意しており、アンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどを含む基本設置工事を、20,000円(税込み)からでお引き受けしております。

また、現場の条件から安定した受信が可能であれば、屋根裏空間、天井裏空間へのデザインアンテナ設置も、追加工事費なしの基本設置工事費用のみでお受けいたします、

デザインアンテナでは他にも、26素子相当やブースター内蔵のモデル、垂直偏波対応モデルなどもご用意しており、お客様のご要望に応じて、現場の条件が許すかぎり、デザインアンテナ取り付けにご対応いたします。

なおデザインアンテナの特徴や、屋根裏空間への設置方法。設置する場合の注意点などについては、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。

・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)

・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説

・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説

・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

「ユニコーンアンテナ」の特徴と設置・角度調整の方法

ユニコーンアンテナとは、マスプロ電工が2017年(平成29年)に発売した、ほぼ円筒形の本体部をもつ独自の地デジアンテナ機種「U2CN」のことです。

その機種名も同社の登録商標であり、高さ約67センチ、直径は12センチから14センチ程度のほぼ円筒形の本体部を、マストの先に立てて固定する形で設置されます。

その厳密な形状は、円筒の断面が左右にやや広く、裏面に当たる部分は平らになっております。受信性能を発揮するアンテナの正面側は、裏面の正反対側にあたり、円筒の下部に機種名、メーカーなどのロゴが入っております。

ユニコーンアンテナの戸建て住宅への設置では、八木式アンテナと同じく、屋根の上のマストの先に固定する。また破風板(屋根の張り出し部)や壁面の高所などにサイドベースを取り付けて固定するなど、基本的には、アンテナ本体が屋根の上の高さに位置するよう設置されます。

ユニコーンアンテナのメリットは、そのスタイリッシュなデザインに加え、艶のないウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の落ち着いたカラーバリエーション。またアンテナとマストの接合部を下部のカバーで隠せるなどの点から、住宅の外見や景観を乱さない点。

さらに高所に設置しても、形状的に雨風や雪などを受け流せるため、経年劣化が進みにくく、寿命も推定で15年から20年程度と、耐用年数が長くなる点です。

さらに受信性能に関しても、デザインアンテナに比べると高いレベルで安定しやすくなります。

ユニコーンアンテナ本体は20素子相当のみで、他の地デジアンテナ機種に比べて、受信性能が特に優れるわけではありません。

ただ高所に設置されることを前提としているため、周辺の障害物にも影響されにくく、受信感度が安定しやすくなるのです。

ユニコーンアンテナを高所に設置した場合の受信性能は、同じく20素子相当のデザインアンテナを、周辺に障害物がなく受信に適した壁面に設置した場合とほぼ同等です。

そしてデザインアンテナの場合、強電界地域でも周辺に高層建築物がある、住宅密集地など環境が悪い現場では、壁面など低い位置への設置が難しくなります。しかしユニコーンアンテナは、高度を確保できるため、設置できる場合が多くなるのです。

このように外観性と対候性、受信性能を兼ね備えたユニコーンアンテナですが、指向性は地デジアンテナの中でもっとも低く、半値幅は83度から93度。そして動作利得は5.5㏈から6.2㏈になります。

さらに素子が露出しない点も加えて、同じ20素子の八木式アンテナに比べると、やや受信性能が低くなってきます。そのため基本的には、強電界地域から中電界地域向けの機種になるというデメリットがございます。

他にも、現状の最新モデルになるため、他の地デジアンテナ機種に比べて、本体価格や設置費用がもっとも高額である。純和風建築など住宅のスタイルによっては、アンテナのデザインが不似合いとなるケースもある、などのデメリットもございます。

ユニコーンアンテナに関しても、アンテナ本体は屋根の上など、四方が開けた位置に来るよう設置されるため、その半値幅の広さをあって、角度調整は比較的、簡単になります。

さらに指向性に加えて風雨などに影響されにくい形状から、本体角度のズレによる受信トラブルも起こりにくいモデルであると言えます。

なお当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナの本体と設置具、同軸ケーブルなどをセットにした基本設置工事を、業界最安に挑戦する「キャンペーン価格」でご提供しております。詳しくは弊社フリーダイヤル、またはメールフォーム、LINEまで、お気軽にお問い合わせください。

ユニコーンアンテナに関しては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説

地デジアンテナを向けるべき適切な角度、方角とは?

 

前述の通り、各戸建住宅などにおいて、設置した地デジアンテナ機種の正面側を向ける方向は、基本的に、現場からもっとも近く、またご覧になりたい地デジ放送のチャンネル(地方チャンネル含む)の地デジ電波をすべて送信している電波塔の方向になります。

また現場の環境から、電波塔からの電波を直接、受信しにくい場合。方向の異なる電波塔からの電波を一基の地デジアンテナで受信したい場合などには、電波塔から送信された地デジ電波が高層ビルなどに反射して方向が変わった「反射波」を利用することもあります。

この現場に届く電波の方向、すなわち地デジアンテナの正面側を向ける方向を確認する方法は、当あさひアンテナをはじめとするプロのアンテナ工事業者に依頼することがもっとも確実と言えます。

アンテナ工事の専門業者は、アンテナレベルチェッカーなどの電波測定器を使用して、戸建て住宅などのアンテナ設置現場に届く地デジ電波(反射波も含む)の方向をはじめ、その電波レベルや電波の品質なども正確に分析し、現場に適したアンテナの設置位置と角度、アンテナ機種や受信性能を判断します。

ただ、ご自宅にて地デジアンテナを向けるべき方向を確認する方法としては、インターネット上にて「A=PAB・一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内の「地デジ放送エリアのめやす」ページを確認するという方法があります。

このサイトでは、地図上で、日本国内に存在するすべての地デジ電波塔と、その電波塔から送信される電波の、強電界地域から中電界地域にあたる範囲を確認できるため、地デジアンテナを向けるべき方向、および自宅で受信できる地デジ電波レベルの目安となります。

他にも、専用のスマートフォンアプリ、例えばAndroidでは「テレビアンテナ」。iPhoneでは「アレドコ」などをダウンロードすれば、近隣の地デジ電波塔の位置や方角を確認できます。

また周辺の住宅などに設置されている八木式アンテナの向きや、デザインアンテナが設置されている壁面の方向などを参考にする方法もございます。

ただこれらの方法で判断できるのは、あくまで電波塔から地デジ電波が届くおおまかな方向のみになり、周辺の建築物など環境の影響や電波の品質。反射波の存在。またお住まいへの設置で最適になるアンテナ機種や設置位置までは判断できません。

現場に最適な地デジアンテナ機種や設置位置を確認したい。また地方チャンネルなど別々の電波塔からの地デジ電波を受信したい場合などは、やはりアンテナ工事の専門業者に電波調査をご依頼になることが最適と言えます。

なお当あさひアンテナでは、地デジ電波をはじめとするテレビの電波調査、およびアンテナ工事費用のお見積もりを、出張料、工事契約に至らなかった場合のキャンセル料などすべての費用を含めた「完全無料」でご案内しております。

地デジの電波調査に当たっては、お住まいの各お部屋、各位置で綿密な電波調査を行い、地デジアンテナ設置が可能な位置をすべて確認の上で、お客様のご要望に最適となる地デジアンテナ工事を、業界最安に挑むお見積もり価格でご提案いたします。

ご自宅で地デジアンテナをはじめとするテレビアンテナ工事をお考えのお客様は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル、メールフォーム、LINEにて、電波調査、お見積もりだけでもご依頼いただければ幸いです。

なおテレビアンテナ工事に伴う、アンテナ工事業者の電波調査、お見積もりについて、詳しくは以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

地デジアンテナの角度を調整する方法とは?

ご自宅の地デジアンテナが、風雨の影響や経年劣化などで角度がずれてしまい、地デジ放送の映像が乱れるなどのトラブルが発生している。またご自宅で地デジアンテナをDIY設置される場合には、地デジアンテナの角度を、アンテナ機種に応じた指向性で、地デジ電波の方向へと調整する必要がございます。

この作業は、ご自宅で可能な場合もございますが、いくつかの条件がございます。

まずもっとも重要な条件としては、地デジアンテナ本体が、角度調整の作業を安全に行える位置に設置されているという点です。

具体的には、住宅のベランダ手すり部。また屋上フロアがある住宅の高所など、作業の足場が確保できて、作業が安全に行えるといった点が絶対条件になります。

逆に屋根の上やそれに類する位置に設置された八木式アンテナ、ユニコーンアンテナなどの場合は、作業中の転落をはじめ、大変な事故につながる恐れがございます。決してご自分では行われず、アンテナ工事の専門業者などにお任せください。

基本的に地デジアンテナの角度調整は、地デジアンテナの正面側を地デジ電波塔(または反射波)の方向に向ける、方位角(左右角)の調整のみになり、また必要な正確さも、アンテナ機種の指向性によってやや変化するものの、電波の方向と地デジアンテナの正面側をほぼ一致させることができれば、極端に正確な調整は必要ございません。

実際に地デジアンテナの角度調整(またはDIYでの取り付け)を行う場合には、まず前述の方法で、受信する地デジ電波塔の方向を確認します。

特にDIYで一から地デジアンテナを設置する場合には、電波塔の方向だけでなく、その方向に電波を遮る建築物などの障害物がないかの点もご確認ください。ベランダなどへの設置では、設置位置が低い分、障害物に影響されやすくなるためご注意ください。

また設置工事を行う日は、作業の安全性はもちろん、地デジの電波状態も良くなる、できるだけ好天の日をおすすめいたします。

ここでは一例として、ベランダなどの手すり部に設置されている地デジアンテナの角度調整(DIY設置)を行うケースを想定してご説明してまいります。

角度調整の場合は、設置されている地デジアンテナの接続部を少し緩めて、角度調整が可能な状態にします。DIY設置では、手すり部に対応する固定具を固定し、アンテナ本体を取り付け、やはり角度調整が行いやすいよう仮止めします。

なお地デジアンテナの固定部は、八木式アンテナの場合、本体の下部(垂直偏波を受信する場合は真横)の、取っ手のような枠の部分と、マストの先端を金具で固定しています。

デザインアンテナは機種によりますが、設置部の左右の端を固定して、左右に扉を開くようにして角度調整をする。また中央部でマストに固定して、マストを軸に左右へと角度調整できるなどのモデルがあります。

ユニコーンアンテナは高所に設置されるため角度調整の機会はさほどございませんが、下部のカバーを開いた部分に、ボルト二本でマストの先端に取り付ける固定部がございます。

次に、地デジアンテナと同軸ケーブルで接続されているテレビ(DIY設置の場合は屋内のテレビとケーブル配線を行う)をオンにし、「設定画面」から、地デジ放送の「アンテナレベル画面」を映し出します。

なお設定画面、アンテナレベル画面などの名称、表示方法はテレビのメーカー、モデルによって異なりますので、付属のマニュアル、メーカーの公式サイトなどをご確認ください。

アンテナレベル画面では、帯状のインジケーターや数値などで、アンテナからテレビに届く地デジ電波のレベル(アンテナレベル)と、安定した受信の基準となるポイントが表示されます。

ここで地デジアンテナの角度を、電波塔の方向に向けて左右に調整し、テレビ側でアンテナレベルが、安定した受信レベルの基準を超えて、もっとも高くなる角度に調整してください。

地デジアンテナの角度調整は、前述の通り、機種や受信性能ごとの指向性によって、受信感度が高まる範囲は異なるものの、さほど厳密な角度調整は必要ございません。

ただ地デジアンテナの角度を少し調整してから、テレビ側のアンテナレベルに反映されるまでには、数秒の差が生じるため、角度の調整後、少し待ってからアンテナレベルを確認するという作業が必要となります。

また地デジアンテナとテレビの位置が離れている場合が、アンテナの角度調整とアンテナレベルの確認を、二人以上で手分けして行う必要も出てきます。

アンテナレベルが必要な基準を超えて、もっとも高くなる適切な地デジアンテナ角度に調整できたら、アンテナ側で接続部のボルトを締め込むなどして、多少の風などでは角度のずれが生じないようしっかりと固定すれば、作業は完了です。

ただ、ご自宅での地デジアンテナの角度調整、またDIY設置については、屋根の上など高所での作業は避けるべきなのはもちろん、現場の正確な電波状態や周辺環境などを把握しにくいという難点もございます。

もし屋根の上など、高い位置にある地デジアンテナの角度が狂った、その他の理由で、ご自宅でのアンテナ角度調整が難しい場合は、当あさひアンテナにご一報ください。

当あさひアンテナでは、ご自宅で困難なテレビアンテナの角度調整は8,000円(税込み)でお引き受けしている他、アンテナの軽微な故障に対する修理は5,000円(税込み)から。また新規アンテナ設置などに併せて、古くなった既設アンテナの撤去と処分も、やはり5,000円(税込み)からでお引き受けしております。

また、ご自宅で地デジ放送のテレビ画面が乱れる、映らないなどのトラブルが発生した場合、その原因はアンテナ角度のズレだけでなく、ケーブル配線部からテレビ本体にいたるまで、さまざまな可能性が考えられ、ご自宅で原因の特定が難しいことも多くなります。

そのような場合も、やはり当あさひアンテナのフリーダイヤルにご相談いただければ、アンテナ工事現場に同行するなどの研修を重ね、アンテナ工事の専門知識と現場経験も豊富なオペレーターが、お話から推測される原因、およびご自宅で可能な対処方法を考えられる限り、ご説明いたします。

そして、もし弊社オペレーターのご説明のみで、トラブルが復旧できた場合には、料金は一切、頂戴いたしません。もしご自宅でテレビアンテナに関するトラブルが発生した際には、まずは当あさひアンテナまで、ご相談をお寄せいただければ幸いです。

なお、地デジアンテナの角度調整や、DIY設置の方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・DIYで地デジアンテナを設置できるか?

・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?

衛星放送の仕組みとその電波とは?

衛星放送が、宇宙空間にある人工衛星を利用したテレビ放送であることは、皆様もよくご存じでしょう。そのため使用される電波の種類や性質も、地デジ放送とは大きく変わってまいります。

衛星放送は、赤道軌道上、約36,000キロ上空の宇宙空間に位置し、地球の自転に同期して周回しているため、地上からは常に上空の一点に静止して見える「静止衛星」から電波を送信する放送です。

正確には、まず地上の放送局より、静止衛星に向けて放送電波を送信(アップリンク)します。そして静止衛星が、受け止めた電波の周波数帯を変換して増幅し、地上の広範囲へと送り返す(ダウンリンク)という仕組みになっています。

そのため地デジ放送に比べて、一基の静止衛星から、日本国内の全域など、地上の広範囲へと、大容量の情報を効率的に送信できる点。また地上の地形や建築物などの障害物、災害などにも影響を受けにくく、常に安定した放送を実現できる点などが、衛星放送のメリットといえます。

日本の衛星放送では、放送衛星(Broadcast Satellite)を使用するBS放送(BSデジタル放送)と、通信衛星(Communication Satellite)を使用するCS放送(CSデジタル放送)の二種類が知られております。

BS放送は、地デジ放送と同じく、不特定多数の視聴者を対象とした衛星テレビ放送で、東経110度に位置する放送衛星を使用しております。

BS放送にはNHK、広域民放を中心とした無料チャンネルと、「WOWOW」「J-SPORTS」などの有料チャンネルがあり、無料チャンネルであれば、日本国内で、BS/CSアンテナなどBS放送の受信設備があれば、誰でも視聴できます。

CS放送は、CS放送事業者との契約を結んだ視聴者を対象にする放送です。2024年現在のCS放送には、東経110度に位置する通信衛星を用いる、110度CS放送「スカパー!」。東経124度、128度の通信衛星を用いる、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」と、二種類の放送サービスが存在し、それぞれ別個の契約と、専用アンテナの設置が必要です。

各放送サービスとも、BS放送以上の多チャンネルになっていますが、その大半が有料チャンネルとなっており、視聴者は、ご覧になりたいチャンネルごとに月額料金制の視聴契約を結ぶことで視聴できます。

これらBS放送の放送衛星、CS放送の通信衛星から送信される電波は、地デジのUHF波よりも周波数帯が高いマイクロ波(SHF波)のうち、12GHz前後の周波数帯になる「12GHz帯」と呼ばれる電波で、その波長の幅は25ミリ前後です。

12GHz帯の電波は、波長の短さから性質は光に近くなり、直進性が非常に高く、エネルギーを集中させやすい性質があります。そのため静止衛星から送られる衛星放送の電波に適しており、日本の衛星放送では、静止衛星から放たれる光のような12GHz帯の電波で、日本列島全体をスポットライトで照らし出すようにして送信しています。

このような形式から、地上に取り付けられた小型のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナでも、衛星放送の視聴に十分なレベルの電波が受信できるのです。

一方で、12GHz帯の電波には、その周波数帯の高さから、いくつかの弱点も存在します。

まず12GHz帯は、地デジ電波よりも電波を遮る障害物に影響されやすくなります。

12GHz帯の電波は、静止衛星から光のような性質で地上まで直進的に届き、BS/CSアンテナで受信されます。しかし静止衛星と地上のBS/CSアンテナを結ぶ直線上の空間に、山地や高層建築などをはじめ、樹木やその枝葉、電柱や電線、洗濯物などのささいな障害物が存在しても、光が遮られてアンテナ側に影を落とすような形で、電波が遮られてしまい、衛星放送の受信不良が生じるのです。

したがって一般住宅などにBS/CSアンテナを取り付ける際には、アンテナを向ける静止衛星の方向に、電波を遮る障害物がない、また将来にわたって障害物が発生しない位置を選ぶことが重要です。

他にもこの性質から、衛星放送の電波は住宅の屋根や壁などに遮られてしまうため、住宅の屋内に届くことはございません。ただ唯一の例外として、静止衛星の方向を向き、その方向に障害物のないガラス窓などで、シンプルな一枚板の透明ガラスが使われている場合は、多少の減衰は生じるものの、12GHz帯の電波がガラスを透過して屋内に届くこともございます。

また12GHz帯の電波は、激しい雨や雪などにも影響を受けます。

直進性の高い12GHz帯の電波は、気候や、ある程度の雨風などには、さほどの影響を受けません。ただ12GHz帯の電波は、波長の幅が25ミリ程度と短いため、豪雨や大雪で、雨や雪の粒が25ミリに近くなると、12GHz帯の電波が、空間で雨や雪に吸収される、乱反射などが起こります。

それによってBS/CSアンテナの側で、12GHz帯の電波が十分に受信できなくなり、映像の乱れや、一時的に視聴できなくなることがあり、これを「降雨減衰」「降雪減衰」と呼びます。

この悪天候による受信不良については、天候の回復を待つ以外の対策がございません。

また、日本国内でも北部や南端部、離島部など、中心部に比べて静止衛星からの距離がやや遠くなる地域では、距離による減衰が生じて、受信できる12GHz帯の電波のレベルがやや低下します。

他にも、2018年(平成30年)には、BS放送、CS放送それぞれに複数の4K、8Kチャンネルが追加される形で、衛星放送の4K8K放送である「新4K8K衛星放送」がスタートしています。

ただこの4K8K放送の開始に当たり、従来の衛星放送に使われてきた12GHz帯の電波で、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」では、割り当てられる周波数帯が不足しました。

そのためBS放送のNHK、広域民放の4Kチャンネルを除き、ほとんどの4K8K放送では、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」を新しく導入し、その周波数帯を割り当てました。

現在のBS/CSアンテナは、すべて右旋と左旋、双方の電波を受信できる、2K4K8K対応型になります。ただ2018年以前に設置されたBS/CSアンテナは、右旋の電波にしか対応できない2K対応型(現在は生産終了)である場合もあり、その場合は、4K8K放送のほとんどのチャンネルを受信できないことになります。

他にも4K8K放送の受信には、BS/CSアンテナから屋内のテレビまでを接続する、同軸ケーブルの配線やブースター、分配器なども、左旋の電波が変換された周波数帯に対応している「4K8K(3442MHz)対応型」である必要がございますので、ご注意ください。

これら、衛星放送の仕組みや12GHz帯の電波に関する基礎知識、また新4K8K衛星放送の受信に必要な機材などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!

・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!

・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について

衛星放送用パラボラアンテナの種類とは?

現在、戸建て住宅などに設置される衛星放送用のアンテナは、基本的にパラボラアンテナであるBS/CSアンテナになります。

中でももっとも一般的なBS/CSアンテナが、東経110度に位置する静止衛星から送信される、BS放送と110度CS放送(スカパー!)の双方を受信できる、BS/110度CSアンテナです。

他にも、124度/128度CS放送専用の「プレミアムサービスアンテナ専用アンテナ」。またBS放送、110度/124度/128度CSのすべての電波を受信できる「マルチアンテナ」が存在します。

以下では、基本的にBS/110度CSアンテナを中心にご説明してまいります。

皆様も良くご存知でしょうが、衛星放送用のパラボラアンテナとは、大きな皿のような形の「放物面反射器」または「ディッシュ(dish)」を中心にしたアンテナです。

ディッシュの裏面には、アンテナをマストに取り付ける固定部および、その下からディッシュの全面、中心部まで金属製の支柱(コンバーターアーム)が伸び、その先に「コンバーター(変換器)」を固定しています。このコンバーターから延びる同軸ケーブルが、屋内へと衛星放送のテレビ電波を送信しています。

BS/CSアンテナでは、このディッシュで、静止衛星からの12GHz帯の電波を受け止め、コンバーターの一次放射器に集中させる形で反射させます。

12GHz帯の電波は周波数帯の高さから、そのままケーブルで送信すると減衰量が非常に大きくなってしまうため、コンバーター内でケーブルでの送信に適したMHz帯の電波へと変換してから、同軸ケーブルで配線部を通じて、屋内のテレビなど機器へのチューナーへと送信されます。

なおコンバーターは、電波の周波数帯を変換する電子機器であるため、その作動には電源が必要となり、配線部に設置されたブースターの電源部。またはテレビなど受信機器で「BSアンテナ電源設定」を行い、給電する必要があります。

BS/110度CSアンテナは、アウトドア用、車載用などの特殊なモデルを除けば、基本的にパラボラアンテナの一種類のみであり、メーカーやモデル別の受信性能の違いもほとんどございません。

ただ、ディッシュサイズの違いをはじめ、いくつかのバリエーションも存在します。

BS/CSアンテナのディッシュサイズは、ディッシュの有効直径をセンチ数で表したもので、一般住宅向けは45型になります。他にも、アパート、マンションなど集合住宅用の、規模に合わせた共同受信用となる50型、60型、75型、90型、120型などのモデルが存在します。

なお一般住宅では45型で十分な受信性能を発揮するものの、前述した降雨減衰や降雪減衰、12GHz帯の電波がやや弱まる地域への対策として、やや大型のモデルが使われることもあります。

他にも、BS/CSアンテナの基本色は、太陽光や紫外線の影響を受けにくい白色系になりますが、同じく太陽光などに強い塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。またさまざまな設計上の工夫で、台風などに対する耐風性能を向上させ高耐風モデルなども存在します。

当あさひアンテナでは、一般住宅向けBS/CSアンテナの設置工事に、DXアンテナ製の2K4K8K対応45型最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ設置に併せての追加設置では、アンテナ本体や基本設置具などもセットの基本設置工事を、15,000円(税込み)からでご案内しております。

さらに同じくDXアンテナ社製の2K4K8K対応45型モデルで、パンチングホール仕様のディッシュや各接合部の強化により、業界最強クラスの耐風性能を備えた高耐風モデル「BC453SG」もご用意しており、やはり基本設置工事を「特別価格」でご案内いたします。

他にも、ブラックのカラーバリエーション。各ディッシュサイズのBS/CSアンテナもご用意しておりますので、集合住宅への設置も含め、さまざまなご要望に対応するBS/CSアンテナ設置工事をご案内いたします。

ここでご説明した、BS/CSアンテナの基礎知識や種類、注意点などに関しては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法

・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説

・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!

BS/CSアンテナ角度調整の方法とは?

衛星放送用のBS/CSアンテナを設置する上での注意点は、主に2点となります。

ひとつは前述の通り「静止衛星とBS/CSアンテナを結ぶ直線上の電波の経路に、電波を遮る障害物が存在してはならない」こと。

もうひとつは「BS/CSアンテナのディッシュを、静止衛星が位置する東経110度に向けて、ミリ単位で正確に角度調整しなくてはならない」という点です。

前述の通りBS/CSアンテナは、12GHz帯の電波を、ディッシュの内側に反射させ、コンバーターに集中させて受信しています。したがってディッシュの角度が狂うと、12GHz帯の電波がコンバーターに集まる焦点がずれてしまい、受信レベルが大きく低下するのです。

そのためBS/110度CSアンテナでは、南西か南南西にあたる東経110度に向けて、ディッシュを仰角(上下角)、方位角(左右角)とも正確に調整して設置する必要がございます。

つまりBS/CSアンテナは、地デジアンテナ以上に指向性が鋭いアンテナといえます。また日本国内でも各地域により、アンテナを調整すべき東経110度の角度は微妙に異なってまいります。

BS/CSアンテナの設置に当たり、日本各地別での東経110度の正確な角度を確認する方法としては、日本三大アンテナメーカーのひとつ「日本アンテナ」社が無償で提供しているスマートフォンアプリ「BSコンパス」などの各種アプリをダウンロードしてご利用になる方法が、もっとも簡単になります。

「BSコンパス」でお住まいの地域を設定すると、スマートフォン画面に、その地域の東経110度を示すコンパスが表示されるため、そのスマホ画面をBS/CSアンテナにあてがって作業することで、仰角、方位角とも、角度調整が簡単に行えるようになります。

他にもインターネット上で、日本各地の東経110度の仰角、方位角の一覧が掲載されているサイト。またBS/CSアンテナの角度調整部に、日本地域の東経110度に当たる角度が表示されているモデルもございます。これらを利用することでも、BS/CSアンテナの角度調整の手間を抑えることができます。

ただBS/CSアンテナの角度調整は、上記のアプリなどを利用して、表示された角度に調整するだけでなく、各現場で、12GHz帯の受信感度が最大になるよう、微調整を行う必要もありますので、ご注意ください。

なお戸建て住宅におけるBS/CSアンテナの設置においては、上記の条件を満たしていれば、特に設置位置は選びません。ただ一般的には、ケーブル配線をまとめるため、地デジアンテナと近い位置に設置されます。

主な設置位置としては、地デジアンテナと同じく、障害物に影響されにくく、全方向に向けて角度調整が行いやすい屋根の上などの高所になります。他にも条件さえ整っていれば、住宅の壁面やベランダの内外などにも設置できます。

また条件は厳しいながら、12GHz帯の電波が十分に差し込む窓ガラスのある住宅であれば、その窓際にBS/CSアンテナを据え置き設置することもできます。

BS/CSアンテナの向きを調整する手順とは?

BS/CSアンテナは、その形状や指向性から、角度のズレによる受信不良が生じやすいアンテナ機種です。また住宅のベランダなどにDIYで設置されることも多くなります。

地デジアンテナと同様、ベランダの手すり部など、作業の安全が確保できる位置であれば、ご自宅でBS/CSアンテナの角度調整やDIY設置を行うことも、さほど難しくはありません。

BS/CSアンテナの角度調整の作業は、地デジアンテナに比べて、やや複雑になります。

まずベランダの手すりなどに設置されたBS/CSアンテナの、角度調整部のボルトを少し緩めて、微調整できる状態にします。DIY設置の場合は、アンテナを手すりなどに設置し、角度調整のボルトを完全に締め込まない仮固定の状態にします。

次に、BS/CSアンテナに接続されたテレビなどの受信機器側で、設定画面から「BSアンテナ電源設定」で、ご自宅の設置状態に応じて「オン」「オート」などであるか。すなわちBS/CSアンテナのコンバーター部に給電されており、衛星放送の電波が受信できる状態であるかを確認します。

DIY設置の場合は、テレビ機器などとのケーブル配線を行い、機器側で適切な電源設定を行ってBS/CSアンテナ側に給電します。

いずれにせよ、BS/CSアンテナ側に正しく給電されていない状態では、テレビ側に衛星放送の電波が届きませんのでご注意ください。

その後、同じくテレビ側の設定画面から「BSアンテナレベル」などにあたる画面を表示し、地デジアンテナの場合と同じく、インジケーターが必要な水準を超え、もっとも高いレベルになるようBS/CSアンテナの角度調整を行います。

各テレビ機器におけるBSアンテナ電源設定、BSアンテナレベル画面の表示、確認方法については、やはり付属のマニュアル、メーカー公式サイトなどをご確認ください。

また、BS/CSアンテナの角度調整には、前述した「BSコンパス」をはじめとするアプリや、エリアごとの東経110度の角度を示すサイト、アンテナ製品などが役立ちます。

まず仰角の調整部で、地域ごとの適切な角度に合わせた後、ボルトを軽く締めて仮止めします。

次に方位角の調整を行ないます。やはりほぼ適切な角度、やや南寄りに合わせた後、西側へと数度ずつ徐々に動かし、テレビのアンテナレベル画面が最大になる角度を見出し、その角度で方位角調整部のボルトをしっかり締め込んで固定します。

その後、仰角調整部のボルトを再度、緩めて仰角を微調整し、やはりテレビ画面のアンテナレベルが最大になるよう、最終の調整を行います。

アンテナレベルが最大になる仰角を特定したのち、あらためて仰角調整部のボルトをきっちり締め込めば、角度調整の作業は完了です。

ただBS/CSアンテナの場合も、アンテナの角度を調整した後、テレビ側のアンテナレベルに反映されるまでには、数秒の時間差が出ます。

さらにBS/CSアンテナは仰角、方位角とも、地デジアンテナに比べ、ミリ単位の精密な調整が必要なため、アンテナ角度を一ミリ程度、調整しては数秒待ち、アンテナレベルを確認する、根気のいる作業となります。またアンテナとテレビの位置が離れている場合は、やはり二人以上の人数が必要となります。

ただBS/CSアンテナとテレビを結ぶケーブルの間に接続して、衛星放送の電波レベルを確認できる、簡易的な「BS/CSインジケーター(レベルチェッカー)」という製品もございます。

この製品では、ケーブルを伝わる電波レベルが即座に反映され、手元で確認できるため、BS/CSアンテナの角度調整作業が簡単になります。価格も1,000円台からで販売されているため、購入されてご利用になるのもよろしいでしょう。

またBS/CSアンテナの角度のズレ、その他トラブルに関しても、当あさひアンテナでは、上記の角度調整、修理費用をはじめ、フリーダイヤルなどでご相談を受け付けております。

BS/CSアンテナに関しても、突然のトラブルでお困りの際には、まずは当あさひアンテナまで、お気軽にご相談をお寄せいただければ幸いです。

なお、BS/CSアンテナの角度調整や設置方法、DIY設置などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点

・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?

・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!

・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説

テレビアンテナの方角、角度調整・まとめ

本記事でご説明した通り、地デジ、衛星放送とも、設置時の角度調整は、末永く安定した受信を実現するための、非常に重要なポイントとなります。

ただ地デジアンテナの角度調整は、電波塔の数が多く、最適の向きを特定しにくい。衛星放送の場合は、アンテナの精密な角度調整が必要など、一般の方には難しい部分も多くなります。

当あさひアンテナでは、本文でもご紹介した通り、各種地デジアンテナ、BS/CSアンテナの設置から、トラブル時の角度調整、修理など、あらゆるアンテナ工事をお引き受けしております。

すでに申しあげましたが、アンテナ工事前の電波調査、お見積もりは完全無料で、相見積もりにもご対応しております。

綿密な電波調査により、安定した受信を前提とした適切なアンテナ設置位置を割り出し、お客様のご要望に最適のアンテナ工事を、業界最安に挑戦するお見積もり価格でご提案いたします。

さらに他社のお見積りが弊社より低価格であった場合は、そのお見積書をご提示いただければ、弊社にて、使用する素材や施工の品質はまったく落とさず、より低価格でお見積もりいたします。

実際の施工も、弊社社員スタッフである優秀なアンテナ工事の職人が、高い技術を駆使した施工で、安定した受信性能に加え、また滅多なことでは角度のずれなどが生じない頑丈なアンテナ工事。さらに弊社モットー「見えないところもキレイに」に基づき、アンテナ本体や外部の配線部はもちろん、屋根裏空間などの配線、ブースターや分配器などの設置も含め、見た目の整った丁寧な工事をお約束いたします。

施工の完了後には、ご自宅のテレビやアンテナコンセントで、きちんと受信状態を確認した上で、工事の完成といたします。またアフターフォロー体制も、業界最長クラスとなる、アンテナ工事完了日からの「10年保証」をご用意しております。

各種テレビアンテナから、アンテナ周辺機器の設置。またアンテナトラブルへのご対応など、テレビアンテナに関するあらゆるご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤル、公式サイトメールフォーム、LINEまで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。