なぜテレビアンテナは屋根の上に設置される? 新築戸建て各位置に取り付けるアンテナ種類や工事の流れ、費用の相場について解説
突然ですが、一戸建ての家に取り付けられているテレビのアンテナといえば、皆さまはどのような形を想像されるでしょうか?
ほとんどの方は、住宅の屋根の上に立てられたポールの先に設置されている、魚の骨のような形をしたテレビアンテナを連想されるのではないでしょうか。
その次に多いのが、衛星放送用の大きな皿のような形をしたパラボラアンテナかと思われます。パラボラアンテナは、上記の肴の骨のようなテレビアンテナと同じポールの下部。または住宅の壁や窓際、ベランダの手すり部に取り付けられているところを思い浮かべられる方もおいででしょう。
この魚の骨のような形のアンテナは、八木式アンテナと呼ばれる昔ながらのテレビアンテナで、21世紀初頭より以前、昭和から平成前期であるアナログ放送時代のテレビアンテナと言えば、ほとんどこの八木式アンテナ一種類のみだったといえます。
また1990年代に衛星放送がスタートしてから、徐々に普及してきた衛星放送用のパラボラアンテナも、衛星放送そのもののデジタル化、4K、8K化など状況の変化はあっても、アンテナそのものの基本的な設定は現在でも変わっておりません。
ただ現在では、いわゆる地上派のテレビ放送が、アナログ放送から地デジ放送に転換されたこともあり、デザインアンテナなど、住宅の壁面やベランダ、場合によっては屋内に設置できる地デジアンテナも登場しております。またテレビ番組の視聴方法にも、ケーブルテレビ(CATV)やインターネットに使われる光回線を利用した光テレビ(ひかりTV)なども登場しております。
一方、現在でも地デジ、衛星放送のテレビアンテナは、戸建て住宅の場合、主に屋根の上へと設置されるケースが多くなります。屋根の上へのテレビアンテナ設置には、昔もいまも変わらない、大きなメリットがあるためです。
ただ一方で、屋根の上へのアンテナ設置にはデメリットも存在するため、現在ではテレビアンテナを設置する際、お客様のご希望と、現場の環境、テレビ電波の受信条件によって、屋根の上の他にも、テレビアンテナの設置位置や、適したアンテナ機種を決めることができるようになっております。
今回のコラムでは、戸建て住宅などの屋根の上にテレビアンテナを設置するメリット、デメリットや、屋根の上に設置するほうが良いケース。取り付けの注意点。その他にアンテナを設置できる住宅内の位置と、メリット、デメリットの比較。またそれぞれの設置位置に適したアンテナの機種、モデルなどの概要から、実際の工事の流れ、工事に必要な金額の目安。工事を担当するのに適したプロのアンテナ工事業者など関連する情報まで、2024年(令和6年)現在の最新情報に基づき、皆様がお知りになりたいと思われる情報やよくある質問を元に、一覧の形で詳しくご説明いたします。
当コラムをご覧いただくことで、皆様がご自宅にテレビアンテナを設置される際に、一番と言える設置場所、およびアンテナ機種をご検討になる参考になれれば幸いです。
テレビアンテナを設置する基本的な方法とは?
戸建て住宅の屋根の上に地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナを設置する方法は、基本的に屋根の上に、マスト、ポールと言われる金属製のパイプ状の支柱を立て、そこにアンテナ本体を固定するという形になります。
この屋根の上にマストを立てる方法としては、現在でもやはり「屋根馬」という器具を使い、さらに「支線(ステー)」で固定する手法が主になります。
屋根馬とは、四脚型で中央にマストを固定できる金属製の器具です。四本の足を持つ形が、動物の馬のように見えることから、屋根馬と呼ばれます。
屋根馬を用いたテレビアンテナの設置方法は、最初に屋根馬を、住宅などの屋根でも、面が合わさる頂点の部分など、安定した位置に設置します。
そして屋根馬の中央部に金属製の棒であるマスト(ポール、支柱)を立てて固定。さらにそのマストの先端や中ほどに、それぞれテレビアンテナを取り付けて、適切な角度で固定します。
その後、専用の金具を用いて、丈夫なステンレスワイヤーなどの支線(ステー)を屋根の四隅に固定。さらにそのステーを、やはり屋根馬やマストの金具や固定部に伸ばして取り付け、四本の支線をバランスよく緊張させることで、屋根馬やマストごと、テレビアンテナをしっかり固定するのです。
なお屋根馬を使用したアンテナの固定方法は、基本的に屋根馬をバランスよく置くことができる、頂点部がある屋根にしか使用できません。
そのため一枚の面となった屋根が一方側に傾いている「片流れ屋根」や、二枚の屋根が合わさる部分に段差がある「段違い屋根(差し掛け屋根)」などの形では、通常は屋根馬を使ったテレビアンテナの設置はできないことになります。
ただ、当あさひアンテナでは、屋根の傾斜にあわせて「水平器」という機器を用い、屋根馬の脚の先端をバランスよく切断することで、斜めになった屋根の面にも屋根馬を置き、テレビアンテナを垂直に設置できる技術を備えております。
そのため通常では屋根馬によるアンテナ設置ができない斜めの屋根にも、丈夫で安定したアンテナ設置工事のご対応が可能です。
なおアンテナを設置した後のアンテナケーブル(同軸ケーブル)の配線については、アンテナから壁面の目立たない位置を添わせて、アンテナケーブルなどを屋内に引き込む「引き込み口」から、屋根裏空間などに引き込まれることになります。
近年の住宅には、住宅の設備として、テレビアンテナを固定し、アンテナケーブルをポールの内部に通すことができる「スッキリポール」などの名称を持つアンテナ専用のポール(マスト、支柱)が設置されていることもございます。
また他にも、屋根の上へのテレビアンテナ設置の方法では、例えば上記した段違い屋根や越屋根など、屋根の上に壁となる部分がある住宅の場合には、板状の設置部の真横(直角)に、マストを固定する二本以上のアーム。またはL字型のマストなどが設置されている「サイドベース」という設置具を使用して、ビスを使って壁状の部分に設置し、垂直に立てられたマストの先に、各種テレビアンテナを設置するという工法もございます。
他にも、このサイドベースを用いて、住宅でも屋根の張り出し部に当たる破風板や、屋根の上でも屋根の真下に当たる最上部に固定することで、マストの先端が屋根より高い位置に突き出すことになり、実質的には屋根の上に設置することと同様になります。
なお、戸建住宅などの屋根の形や素材などの種類と、それぞれの屋根の形に適したテレビアンテナ機種、アンテナ設置方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・屋根の形状、素材に適したテレビアンテナの種類(前編・屋根編)
・屋根の形状、素材に適したテレビアンテナの種類(後編・アンテナ編)
なぜ地デジアンテナは屋根の上に立てられるのか?
上記のような形で住宅の屋根の上にテレビアンテナを設置する方法は、現在でのテレビアンテナの設置工法としては主流のひとつで、現在でも多くの住宅などテレビアンテナの設置現場では、屋根の上にテレビアンテナを設置する工事が選ばれております。
上記の通り、21世紀になって地デジ放送が普及する以前、テレビ放送の初期、アナログテレビ放送の時代は、テレビアンテナと言えば、魚の骨のような八木式アンテナの一種類のみで、設置方法は基本的に上記のような形で、住宅の屋根の上に設置されることが大半でした。
しかし地デジ放送の開始と、アナログ放送から完全に転換された後、デザインアンテナなど地デジアンテナの新機種が登場した後、最近でもやはり地デジアンテナは、旧来の八木式アンテナ、また最新鋭のユニコーンアンテナなど、屋根の上に設置されるケースが多くなっております。
これはただ昔の方法を踏襲しているわけではなく、テレビアンテナを設置するについて、とても合理的な理由があるためです。
地デジアンテナについて申し上げると、屋根の上に設置される理由は、単純に「地デジアンテナは高い位置に設置した方が、地デジ電波の受信感度が安定しやすい」こと。そして「地デジアンテナには正確な向きの調整が必要で、高い位置に設置した方が最適な角度調整を行いやすい」ためです。
特に地デジ放送は、使用される電波の性質。また受信に使用される地デジアンテナの特性から、現場の条件によっては、屋根の上に受信性能の高い地デジアンテナを設置する以外に、安定した受信を実現する方法がないケースもございます。
以下の項では、地デジ放送の仕組みや地デジ電波の性質。また地デジアンテナ本体の特性から、地デジアンテナが屋根の上に設置される理由をご説明してまいります。
地上デジタル放送(地デジ)とは何か?
地上デジタル放送(地デジ放送)は、それ以前の国内の主なテレビ放送であった「アナログテレビ放送」から転換するために、2003年(平成15年)12月1日正午、日本国内の三大都市圏を皮切りに導入され、その後、徐々に放送エリアを拡大しつつ、アナログ放送と地デジ放送が同時に放送される移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日の正午にアナログ放送が停波(放送終了)したことで、アナログ放送から、放送形式を移行された「地上波テレビ放送」です。
アナログ放送とは、日本国内で1953年(昭和28年)に放送をスタートし、その後、ほぼ半世紀にわたって、日本の主なテレビ放送の役割を果たしてきたテレビ放送になります。
以降前のアナログ放送と現在の地デジ放送では、放送されるチャンネル(テレビ局)や番組内容などに違いはなく、ただ電波を用いてテレビの映像信号を送信する放送の形式が「アナログ放送」から「デジタル放送」に転換されただけになります。
かつてのアナログ放送とは、テレビの映像信号を、そのまま電波の強弱に変換して電波塔から送信。一般世帯では、その電波をアナログ放送用のアンテナによって受信し、テレビなどに内蔵されたアナログ放送用のチューナー(変換器)で再度、映像信号に変換して、当時のテレビ画面であったブラウン管に映し出すという形式でした。
対してデジタル放送とは、映像信号をまず「0」と「1」のデジタル信号に変換し。そのデジタル信号を電波の波長に変換して送信。あとはアナログ放送と同じように地デジアンテナで受信し、テレビなど受信機器のデジタルチューナーで、デジタル信号を映像に転換して、今日の液晶大画面などのテレビ画面に表示するのです。
このアナログ放送から地デジ放送への一大転換は、20世紀初頭の当時、世界的な趨勢としてアナログ技術からデジタル技術への転換が進んでいたこと。携帯電話が急激に普及したことにより、社会における電波の周波数帯に対する需要が高まったため、それまでアナログテレビ放送で使われていた、幅広い電波の周波数帯を、大きく削減する必要が出たこと。またデジタル技術の進歩により、画質などを劣化させず、テレビ放送の内容を無制限にコピー(録画)できるようになったため、テレビ番組の著作権保護が重視されるようになったことも挙げられます。
なおアナログ放送の時代は。映像信号を送信するテレビ電波として、日本全国で受信できるNHK、広域民放には、VHF波(超短波)のうち、90MHz(メガヘルツ)から108MHzのローバンド、および170MHzから222MHzのハイバンドの周波数帯。また東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビジョン(SUN-TV)など、日本でも主要な都市圏の一部都府県で別個に存在し、キー局とのネットワーク関係を持たない「独立放送局」が、所在する都府県内を放送エリアとして放送する「地方チャンネル」は、VHFよりやや周波数帯が高い、UHF波(極超短波)のうち。470MHzから770MHzの周波数帯を使っていました。
一方、現在の地デジ放送で使われるテレビ電波は、UHF波のうち470MHzから710MHzまでの周波数帯であり、その波長の幅はおよそ40センチから60センチ程度の長さになります。
地デジ放送では、デジタル化により映像信号の情報量を大幅に圧縮することにより、アナログ放送時代に比べて、VHF波をまったく使用しなくなり、使用されるUHF波の周波数帯もやや縮小できていることが、おわかりになると思います。
地デジ放送では、このデジタル化により、使用する電波の周波数帯は削減しながら、アナログ放送に比べて約4.5倍の大容量の情報を送信することが可能になっております。それにより地デジ放送では、テレビ映像のフルハイビジョン(2K、FHD)化や高音質化から、番組表やデータ放送、双方向性、ワンセグ放送など、アナログ放送時代には存在しなかった、多くの新機能が追加されました。
現在の地デジ放送、およびアナログ放送では、日本国内の要所に設置された数多くの電波塔から、その周辺にテレビ電波を送信するという形でテレビ放送が行われております。
具体的には、日本国内を地デジ(アナログ放送)のテレビ放送の内容で大きく分類した「広域圏」ごとに、例えば関東広域圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)では、アナログ放送時代の東京タワー。地デジ放送の東京スカイツリーなど、広域圏の多くのエリアにテレビ電波を送信する、中心的な電波塔「送信所(基幹局、親局)」が存在します。
そして距離や地形などの影響で、送信所からの電波が直接、届きにくい場所を中心に、送信所の周辺の要所に、衛星のように数多く設置されて、送信所や他の電波塔からのテレビ電波を受信した後、増幅して周辺の地域に送信することで、リレー形式にて広域圏の隅々まで電波を送信していく「中継局(サテライト局)」の存在により、広域圏内、ひいては日本国内の全域を、地デジ放送(アナログ放送)の放送エリアとしてカバーしているのです。
現在の地デジ放送、およびかつてのアナログ放送は、電波塔から地上の空間を通じてでんぱをそうしんしているため、衛星放送と対比する呼称として「地上波放送(地上波テレビ放送)」とも呼ばれます。
ただ現在の地デジ放送も、放送の形式や使用されるUHF波の性質。また受信する地デジアンテナの性質などから、受信に当たってはさまざまな条件が生じてまいります。
以下の項では、地デジ電波、地デジアンテナの性質に基づく、地デジ電波の受信や地デジアンテナ設置に関して注意すべきポイントについて解説してまいります。
なお、地デジ放送とアナログ放送の歴史。対応するテレビアンテナの違いなどについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しておりますので、よろしければご確認ください。
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・UHFアンテナとは何か? VHFアンテナとの違いやテレビアンテナ各機種について徹底解説!
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
地デジ電波の性質:地デジ電波は電波塔からの距離が遠ざかるほど弱まる。
上記のように、地デジ電波は、日本の各地に設置された送信所、中継局などの地デジ電波塔の先端から、周辺エリアに広がるようにして送信されております。
そもそも電波とは、詳しく解説すると難しくなりますが、空間を一定の波長(波)を描いて、光の速さで伝わる電気的エネルギー「電磁波」の一種です。
そして周波数とは、電波や電磁波が単位時間(1秒間)に繰り返す波長の数を示す数値です。周波数の「Hz(ヘルツ)」とは波長の数を示す単位になり、1Hzが一回の波長を示します。そして地デジ放送やアナログ放送の周波数帯に使用される「1MHz」は、1秒間に100万回の波長を描く単位になります。
また電波や電磁波は、周波数が高く(波長の数が多く)なるほど、波長の幅は短くなる性質がございます。そして電波とは、電磁波の中でも比較的、周波数帯が低いものを指します。具体的には、おおむね3THz(テラヘルツ)、つまり3兆Hz以下の電磁波が電波に当たります。
電波の周波数(波長の長さ)の種類は、3kHz(キロヘルツ:1,000Hz)から30kHzと周波数帯が低く、波長の幅は100キロから10キロの長さになるVLF波(超長波)から、電波の上限に近い300GHz(ギガヘルツ:10億Hz)から3THz、波長の幅は1ミリから0.1ミリになるサブミリ波まで幅広く、それぞれ異なる性質がございます。
またこれ以上の周波数帯にあたる電磁波は、赤外線、可視光線、紫外線などの光や、Ⅹ線、ガンマ線などの放射線になります。
つまり電波とは、光より周波数帯が低い電磁波に当たるため、周波数帯が低く波長が大きい電波は、性質が音に近くなり、周波数帯が高く波長が短くなると、その性質は光に近くなります。
そして地デジ電波に使われるUHF波は、比較的、周波数帯の高い電波ながら、ある程度の波長の幅もあるため、音に近い性質もございます。
ただいずれにせよ、地デジ電波は送信元である地デジ電波の先端から距離が遠くなるほど、距離による減衰、すなわち電波エネルギーの減少による電波レベル(強度)の低下が生じて、地デジアンテナで受信できる電波レベルも低下します。
また詳しくは後述しますが、山地などの地形は地デジ電波を遮ってしまい、その向こう側の一帯に地デジ電波を届きにくくします。このような地形の影響も避けるため、広域圏の要所に中継局が設置されるのです。
ある電波塔から送信される地デジ電波について、その電波塔からの距離、また山地など電波を遮る地形の影響により、そのエリアで受信できるおおよその地デジ電波レベルによって、国内のエリアを分類したものを「電界地域」と呼びます。
この電界地域とは、テレビ局やアンテナメーカーなどが、地デジ電波を受信できる目安として個別に使用している基準であるため、統一された定義はございません。そのため使われる場所によって分類や基準が異なるケースもございます。
ただ一般的には、そのエリアで受信できる地デジ電波レベルを示す単位「㏈(デシベル)」を基準に、受信できる地デジ電波レベルが、80㏈以上のエリアは「強電界地域」。80㏈から60㏈の間のエリアは「中電界地域」。60㏈以下のエリアは「弱電界地域」に分類されます。
そして弱電界地域でも電波塔から遠く、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下の程度となり、一般的な地デジアンテナでは安定した受信が難しくなるエリアは、その電波塔の受信エリア外とされ「微弱電界地域」と分類されることもございます。
また日本国内には地デジ電波が遮断される山地や山間部。電波塔から極端に離れた広原や離島部など、地デジ電波をほぼ受信できないエリアも一部ながら存在し、このようなエリアは、地デジ放送の「難視聴地域」と呼ばれます。
地デジアンテナの設置については、基本的にこの電界地域に合わせて、適切な受信性能の地デジアンテナ機種や、受信しやすい設置位置を選択することになります。
なお、ご自宅のエリアがどの電界地域に含まれるかについては、インターネット上にて「A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)」公式サイト内のページ「地デジ放送エリアのめやす」にて、地図上からご自宅の近隣にある電波塔。およびその電波塔から送信される地デジ電波を、一定レベル以上で受信できる範囲を確認できます
他にも、ご自宅で受信できる地デジ電波レベルを確認する方法には、アンテナ工事の専門業者に問い合わせ、電波調査を依頼する。またおおよその目安になりますが、近隣の住宅に取り付けられている地デジアンテナの種類や設置位置を確認する。テレビアンテナを販売する近隣の家電量販店やホームセンター、アンテナ工事を引き受ける町の電器店などに問い合わせる。ワンセグ放送の受信感度を確認する、などの方法がございます。
ただこの電界地域は、電波塔からの距離と地形にもとづいて、広範なエリアでおおまかな地デジ電波の受信レベルを確認できるめやすにすぎません。
また実際に受信できる地デジ電波レベルは、以下の項でご説明する要因にも影響されますので、安定した受信のためには、これらの要素も考慮される必要がございます。
またここでご説明した地デジ電波の基礎知識や電界地域その他の性質。アンテナ工事業者による電波調査やお見積もりについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
地デジ電波の性質:建物などの障害物に影響されやすい。
上記のように、地デジ放送のUHF波は比較的、周波数帯の高い電波ながら、波長の幅は40センチから60センチ程度になるため、ある程度、音に近い性質がございます。
地デジ電波は、山地など地形の他にも、ビルなどの高層建築物などに遮断されることがございます。地デジ電波に限らず、電波は金属素材にぶつかると反射する。またコンクリート素材には吸収されやすいなどの性質があるためです。
もっとも一定の波長の幅をもつ地デジ電波は、ビルなどの障害物に遮られても、その周囲を乗り越えて向こう側で広がるため、ビルなどの建築物でも完全に遮られることはございません。
ただビルなど障害物の影響もまったくないわけではなく、ビルなどに地デジ電波が遮られた向こう側にあたる直近の一帯、特にビルの中心部では、ビルを乗り越えて広がる地デジ電波が届きにくい一帯に当たるため、上記の電界地域に関係なく、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下します。
同じ理由により、戸建て住宅が狭い間隔で並ぶ住宅密集地では、周辺に地デジ電波を遮る障害物がない屋根の上では安定した地デジ電波を受信できても、家と家との間の狭い隙間には地デジ電波が届きにくくなるため、壁面などに地デジアンテナを設置しても、十分なレベルの地デジ電波レベルが受信できなくなるケースもございます。
このような障害物の影響は、距離による減衰で地デジ電波レベルが弱まる、中電界地域から弱電界地域になるほど大きくなるため、受信レベルが低くなるエリアほど、利用できる地デジアンテナ機種、および設置位置が限られてまいりますのでご注意ください。
また上記のような性質がある一方で、地デジ電波は、電波を反射、吸収する素材、設備が使用されていなければ、一般的な住宅の屋根や壁、窓などを通り抜け、屋内まで届きます。
壁などを通り抜ける際には、ある程度、電波レベルの減衰は生じますが、強電界地域で住宅の建材などが電波を通しやすく、設置スペースなども存在する現場であれば、室内アンテナの利用をはじめ、屋根裏や天井裏空間に地デジアンテナを設置することでの地デジ受信も可能になります。
地デジ電波の性質:空間の気候や天候にも影響を受ける。
電波塔から送信された地デジ電波は、空間を伝わって届きます。そのため空間の状態、すなわち気候や天候なども、電波の伝わりやすさに影響を与えます。
気候に関しては、気温の低い冬場などで空気が収縮すると、空間を伝わる電波が遮られにくくなり、地デジ電波が遠くまで届きやすくなります。一方でノイズ(周波数帯の近い余計な電波)も遠くから届きやすくなり、電波障害が生じる可能性も高くなるため注意が必要です。
逆に、夏場などで気温が上がり、空気が膨張すると、地デジ電波などがやや空間を伝わりにくくなり、電波が届く距離は短くなります。
このような気候の変動により、まったく同じ現場でも、地デジアンテナによって受信できる地デジ電波レベルは、一年を通して約6㏈程度の変動が出てまいります。
さらに電波は水に吸収され、遮られやすい性質もございます。そのため雨や雪などの悪天候の際には、空間を伝わり、地デジアンテナで受信できる地デジ電波のレベルも大きく低下します。
特に電波塔から離れて地デジ電波のレベルが弱まる、中電界地域から弱電界地域になるほど、気候、天候などが地デジ電波に与える影響も大きくなりますので、注意が必要です。
地デジアンテナの受信性能と性質とは?
地デジ放送を受信するためのテレビアンテナ、いわゆる地デジアンテナは、地デジ電波として用いられるUHF波の周波数帯を受信することに特化したアンテナです。従ってどのような機種も、すべて「UHFアンテナ」に該当します。
現在の地デジアンテナには、住宅の屋外に設置される3つの主な機種である「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」のほか、室内設置を前提とする室内アンテナ。室内と屋内の双方で使用できる屋外屋内兼用アンテナなども存在します。
それぞれの機種の特徴は後述しますが、アンテナの取り付け位置や方向にも影響する、各機種に共通の特徴としては、受信性能を示す「素子数」「素子数相当」および、アンテナを向ける方向を決める「指向性」になります。
まず「素子数」「素子数相当」ですが、この「素子」とは「エレメント」ともいい、地デジアンテナ本体に装着されている、電波を受信するパーツのことです。この素子の数は、地デジアンテナのモデルごとに異なり、装着された素子の数が、そのまま受信性能を示しています。
地デジアンテナをはじめとする各種アンテナでも、外観から素子が見えるシンプルな構造のアンテナは「素子アンテナ」と呼ばれ、地デジアンテナの場合、外見から素子の数がわかることから、受信性能は「素子数」で表記されます。
一方、地デジアンテナでも、外観性や対候性を重視して、独自の設計で本体部をケースなどに収めた、近年の機種では、外観から素子の数を判断できないため、受信性能については、素子数に換算した「素子数相当」で表記します。
また、各素子数(相当)の地デジアンテナの受信性能には、一定の幅が存在します。そして素子が露出した素子数表記の素子アンテナは、素子が見えない素子数相当表記の機種に比べると、素子数(相当)が同じ数値のモデルでも、受信感度がやや高めになります。
この素子数(相当)に関しては、各電界地域や現場の受信環境に合わせて、適切な性能の地デジアンテナを採用する必要がございます。
具体的には、強電界地域では8素子以下から14素子。中電界地域では14素子から20素子。弱電界地域では20素子からそれ以上の高性能アンテナが必要となります。なお各電界地域向けより素子数(相当)が多すぎるモデルを使用すると、地デジ電波だけでなくノイズ(無関係の電波)まで受信してしまい、かえって地デジ放送の画面が乱れる原因にもなりますのでご注意ください。
そして「指向性」とは、地デジアンテナ各機種でも、本体の正面側に当たる方向を中心に、一定の角度内の範囲でのみ、地デジ受信性能が高くなる性質のことです。
逆にこの正面側の範囲から角度がずれるほど受信感度が低下してゆき、アンテナ本体の真横や後方などでは、ほとんど地デジ電波を受信できなくなります。
この指向性には、アンテナの前方以外の方向から届く、地デジ電波ではないノイズとなる電波をカットする役割もございます。
この指向性は、地デジアンテナの設計や形状、受信性能などに影響され、地デジアンテナの機種、モデルごとに異なってまいります。そしてアンテナ正面側で受信感度が高まる範囲が狭いほど、指向性が高い(強い)、逆に範囲が広まるほど指向性が低い(弱い)アンテナになります。
そして同じ素子数(相当)の地デジアンテナであっても、その形状などから指向性が高くなるほど、正面側での受信性能が向上します。これは素子数(相当)に違いはなくとも、素子が発揮する受信性能を狭い範囲に集中させることで、正面側の受信性能を向上させているともいえます。
アンテナ機種、モデルごとの指向性の高さ、低さの差については「半値幅」という角度の数値で表されます。
半値幅とは、地デジアンテナでも受信性能がもっとも向上する、本体の真正面側を基準点(0度)として、アンテナ角度を左右へと徐々にずらしてゆき、アンテナの受信性能が、真正面の最大レベルからおよそ半分になる角度を示した数値です。
地デジアンテナはこの指向性があるため、受信感度がもっとも向上するアンテナの真正面側を、近隣の電波塔(場合によっては地デジ電波が高層ビルなどに反射して方向が変わった「反射波」の側)へと、正確に向けて設置する必要があるのです。
また指向性が高い(半値幅が狭い)地デジアンテナほど、アンテナ正面を電波塔などの方向へと向けることで、同素子数(相当)モデルでも受信性能が高くなります。ただその反面、受信性能を発揮する範囲が狭くなることから、固定したアンテナ角度のズレによる受信感度の低下も生じやすいため、その点には注意が必要です。
ちなみに地デジアンテナでも一部のモデルには、アンテナの受信部に当たる先端部がドーム状などになった「無指向性アンテナ」と呼ばれる機種もございます。
このようなモデルも、正確には指向性が皆無ではなく、先端のドーム状の部分でのみ、全方向から届く地デジ電波を同等のレベルで受信できる機種です。そのため指向性の高い地デジアンテナ機種に比べると、アンテナの細かい角度調整が不要で、現場から見て方向が大きく異なる複数の電波塔からの地デジ電波も、一基で受信できるといったメリットがございます。
一方でこのようなモデルは、指向性が低いことから受信感度がやや低くなる。また360度の方向からの電波を受信するため、ノイズとなる余計な電波も拾いやすいなどのデメリットもあり、基本的には地デジ電波レベルが強くなる、強電界地域用のモデルとなります。
なお、地デジアンテナの指向性の高さ低さによる受信性能の違いは、素子数(相当)では判断できません。このような細かな受信性能の差異を判断する基準は「動作利得」が目安となります。
動作利得は、単に「利得」または英語で「ゲイン(gain)」とも呼ばれるもので、地デジアンテナで受信できる電波のレベルに対して、アンテナから出力できる電波レベルの効率。または地デジアンテナ本体でも正面側の受信感度を示す目安になるものです。
動作利得の概念を詳しく説明するとやや複雑になりますが、受信性能の基準となる、指向性がまったくない仮想のアンテナ、もしくはもっともシンプルな構造で極めて指向性の低いアンテナとの、電波の出力レベルの差異を、常用対数によって㏈の単位で表した数値になります。
この動作利得は、素子数(相当)では判断できない、指向性の違いや素子アンテナとそうでないアンテナの違いなど、微妙な受信性能の差を判断する目安にもなるといえます。
ここでご説明した地デジアンテナの素子数(相当)や指向性、動作利得などについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
地デジアンテナは高い位置に設置するほど受信しやすい?
上記の通り、現在でも地デジアンテナを戸建て住宅に設置する場合には、主に屋根馬やマストを使用して屋根の上に固定する形が主になります。
その理由は、ここまででご説明した通り、地デジ電波および地デジアンテナの性質にございます。
地デジ電波は、一般の住宅などから見れば非常に高い位置である地デジ電波塔の先端から、各住宅などの建物に設置された地デジアンテナへと、下るような形で送信されるものになります。
そのため、屋根の上など、住宅内でもできるだけ高所に設置することで、電波の発信元からの距離が近くなる。さらに周りの高層マンションなど障害物の影響も受けにくくなるため、地デジ電波の受信感度が高くなりやすいのです。
さらに地デジアンテナの指向性から、アンテナの正面側をテレビ電波塔の方向(電波が届く方向)へと正確に向ける必要がございます。
地デジアンテナの角度調整は、正面側を地デジ電波(電波塔)の方向へと向けるだけなので、仰角(上下角)の調整は必要なく、方位角(左右角)の調整のみになります。ただ、アンテナの前方を向ける方向は、近隣の電波塔などになるため、現場によって異なってまいります。
また現場によっては、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔が異なるケースもあり、その場合は、アンテナの半値幅の範疇に双方の電波が収まるよう地デジアンテナ角度を調整する。またそれぞれの電波塔の位置が極端に異なり、半値幅に収めることが困難な場合は、メインの地デジアンテナとは別途に、地方局用のテレビアンテナを設置する必要が出るケースもございます。
いずれにせよ屋根の上への地デジアンテナ設置であれば、周辺の建物などの障害物に影響を受けにくく、360度の方向へとアンテナの角度を調整できるため、地デジ電波状態、アンテナの角度調整とも、最適の位置を見出しやすく、地デジ電波の受信感度がもっとも安定しやすくなるのです。
特に、電波塔からの距離で地デジ電波レベルが低下しやすい中電界地域から弱電界地域にかけては、安定した地デジ受信を重視する場合、屋根の上などの高い位置に地デジ電波を設置する必要性が高くなってまいります。
また地デジ電波には、空間を伝わる地デジ電波と、いったん地面にぶつかって反射し、上昇する形になった地デジ電波の干渉により、地面から高くなるにつれて、電波レベルが数メートル程度の、一定の間隔で波のように強弱を繰り返す「ハイトパターン」という性質がございます。
このハイトパターンについても、屋根の上への地デジアンテナ設置であれば、マストの高さやアンテナ設置位置を調整できるため、対応しやすくなります。
地デジアンテナ機種についても、古典的なモデルである八木式アンテナはほとんどの場合、屋根の上に設置される他、最新モデルであるユニコーンアンテナも、基本的にアンテナが屋根の上に来るように設置されることで、受信感度を確保するモデルになります。
主に壁面などに設置されるデザインアンテナについても、屋根の上のマストや、壁面状の部分に設置することで、受信感度を確保するケースもございます。
総じて屋根の上などの高所にテレビアンテナを建てる工事は、受信感度を確保する点ではベストの選択と言えます。
なお、テレビアンテナを屋根の上に設置する工事については、特に八木式アンテナやユニコーンアンテナなど、屋根の上への設置が前提となっているテレビアンテナの場合、各アンテナ機種の基本設置工事費に含まれるケースが大半になります。
ただ三階建て住宅など、テレビアンテナを取り付ける位置が通常の二階建て住宅より高くなる場合には、アンテナ基本設置工事費に加えて、三連梯子などを用いた「高所作業費」が加算されるケースもございますので、ご注意ください。
ここでご説明した地方チャンネル用アンテナやハイトパターンについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
地デジアンテナを屋根の上に設置するデメリットとは?
地デジアンテナを屋根の上に建てる形で設置する一番のメリットは、周辺の障害物に影響されず、角度調整も行いやすいため、地デジの受信感度が高まることです。ただその一方、地デジアンテナを屋根の上に設置することには、いくつかのデメリットも出てまいります。
屋根の上に地デジアンテナを設置する場合のデメリットは、主に、機器部がむき出しになった昔ながらの形状と大きさを持つ従来の地デジアンテナで、他機種に比べて受信性能に優れる「八木式アンテナ」で生じやすくなります。
屋根の上に、特に八木式アンテナを設置した場合のデメリットは、まず屋根の上で独自の形状が目立ってしまい、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与えるという点です。
そのため他にも、景観地域などでは景観条例によって、屋根の上への八木式アンテナの設置を制限される場合がある。アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出す越境問題が生じる場合もある。太陽光発電システムを導入しているご家庭では、アンテナが屋根の上に太陽光パネルに影を落とし、発電の支障になる場合もある、などの点が挙げられます。
もうひとつ、屋根の上へのテレビアンテナ設置では、アンテナ本体が吹きさらしの状態となり、雨風や積雪。海沿いの潮風、またアンテナに鳥が留まり、フンをするなどの被害を受けた老朽化が進みやすくなり、アンテナ寿命の低下やトラブルが起きるリスクが高まりやすいという点が挙げられます。
また屋根の上へのテレビアンテナ設置や調整などの作業は、屋上フロアがある家などを除けば、大変な危険が伴うため、アンテナ工事専門の業者にご依頼いただきたく存じます。
これら、屋根の上にテレビアンテナを設置するデメリットへの対策としては、八木式アンテナに比べて外観性や対候性に優れる「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」などの機種を採用する。さらには設置の場所を壁面などに変更するという方法が第一となります。
ただ、デザインアンテナやユニコーンアンテナは、八木式アンテナに比べるとアンテナ本体の受信性能がやや低くなる。また壁面などの低い位置では、現場の電波状態や周辺環境などによってはやはり十分なレベルの地デジ電波が届かない場合もあり、設置できないケースもございます。
弱電界地域などで、安定した地デジ受信を重視するため、屋根の上に八木式アンテナを設置する必要があり、なおかつ風雨など自然環境の影響を抑えるためには、八木式アンテナでも、ステンレスモデル、雪害用モデル、塩害用モデルなど、環境に応じた対候性を高めたモデルを採用するのもひとつの選択肢となります。
他にも鳥による鳥害の対策としては、八木式アンテナの本体に結束バンドを数多く巻き付け、鳥が留まれないようにする。その他、鳥よけグッズを用いることも有効な対策となり得ます。
屋根の上でテレビアンテナが受けやすい自然環境や災害の影響、想定されるトラブル。そしてその対策については、以下の各コラム記事で、それぞれ詳しくご説明しております。
・地震や強風でテレビの地デジアンテナが倒れるなどの問題に対処法や対策はある? 修理費用の相場や安い工事業者の選び方も解説!
・地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!
・屋根の上の地デジテレビアンテナが強風などで倒れる原因と、対処となる取り付け工事、修理費用の相場を安くする方法とは?
・強風、台風などでアンテナが倒れた修理の対処は? 対策となるアンテナ工事法。火災保険で相場より費用を安くする対処法も解説
・屋根の上の地デジテレビアンテナが強風などで倒れる原因と対処。修理や対策の取り付け工事と費用を相場より安くする方法は?
・地デジ、BS/CSテレビアンテナの落雷や積雪、鳥の糞害対策は? 映らない原因と修理費用の相場、予防、対策の設置工事を解説
・台風や大雪、地震でテレビが映らなくなる原因は? アンテナの災害への対処法と、対策となる風などに強いアンテナ機種を紹介
・テレビアンテナに雷が落ちることはある? 落雷の対策となるアンテナ設置工事と対応できる会社を解説
・アンテナ設置工事の台風対策。テレビが映らない、アンテナが倒れるなどの原因と対策、予想される風災トラブルへの対処方とは?
・降雪や積雪の影響で地デジ、BS/CSのテレビ放送が映らなくなるトラブル対策になるアンテナ工事の方法とは?
・テレビアンテナが台風などの風で揺れてテレビが映らない対策の工事とは? アンテナが倒れる原因や対処法、修理の費用も解説!
・台風などで壊れたテレビアンテナの修理に火災保険の申請を使える場合と、工事費用の目安を紹介。
・地震や台風によるテレビアンテナの故障は火災保険で修理費用が出るってホント?
・「景観地区」「美観地区」などでテレビアンテナは設置できる?
地デジアンテナの主な機種とは?
以下では、すでに少し言及した、地デジアンテナの主なモデル「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の3種類について、その特徴や適した設置位置、機種を決定するポイントなどについて、簡単にご説明いたします。
地デジ:八木式アンテナとは?
八木式アンテナとは、いまから約100年前に開発された古典的なアンテナで、アナログ放送の時代から使われているテレビアンテナです。前述のように、現在の地デジアンテナとしては、矢印状の骨組みに、短い横棒である素子をいくつも設置した魚の骨のような形で、素子が露出した「素子アンテナ」にあたります。
八木式アンテナの設置方法は、上で述べた通り、マストと屋根馬を用いて屋根の上に設置する。または受信が可能であれば、サイドベースを用いて住宅の壁面や屋根の張り出し部、ベランダの手すり部に設置するという方法がとられます。
他にも風雨などを避けて目立たなくするため、ベランダの内部空間に固定する。または強電界地域であれば小型モデルを軒先から吊り下げるなどの方法も取られます。
八木式アンテナには、素子の数が8素子、14素子、20素子など素子数別のモデルが数多く、さらにⅩ字型の設置具の上下に複数の素子パーツを並べた「高性能素子」を使用し、27素子、30素子などの多素子モデルも存在する「超高性能アンテナ(パラスダックアンテナ)」などのバリエーションもございます。
そのため通常モデルでは強・中・弱の各電界地域はもちろん、高性能アンテナでは微弱電界地域でも地デジ電波の受信が可能など、地デジアンテナ機種の中ではもっとも幅広い地域に対応できる点が、大きな特徴です。
さらに八木式アンテナは、主な設置位置が高所になる。素子アンテナである。地デジアンテナの各機種の中では、もっとも指向性が高い。受信できる周波数帯を絞ることで受信感度を高めるローチャンネルアンテナが存在するなどの要素から、同じ素子数(相当)の他の地デジアンテナ機種と比べても受信性能がもっとも高くなり、地デジ受信については信頼が置ける機種になります。
他にも、古典的なモデルで設計もシンプルであることから、アンテナの本体価格や設置工事費用が、地デジアンテナでは最安値になるという点も、大きなメリットです。
一方で、八木式アンテナのデメリットは、上記の通り、古典的な設計と屋根の上に設置されることから、自然環境の影響による経年劣化が進みやすい、また高い位置に目立つ形状のアンテナが設置されるため、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与える。またそれらの結果として生じる上記の問題が挙げられます。
八木式アンテナの耐用年数(寿命)は、通常の屋根の上への設置で、平均して10年程度とされております。ただ、設置からのこの年数を超えても、八木式アンテナが即座に使えなくなるわけではありません。
自然環境が穏やかなエリアでは、八木式アンテナが設置後から20年以上にわたって使用されている例もございますが、耐用年数を超えるとアンテナ本体の耐久力が低下し、角度のずれなどの各種トラブルが発生しやすくなります。特に自然環境の厳しいエリアでは、10年未満でトラブルが生じるケースもございます。
特に八木式アンテナは、ある大手国産メーカーの標準的なモデル、20素子モデルの半値幅を例として上げる、28度から52度になります。このように半値幅の狭さから受信性能が高まる反面、アンテナ角度のずれにより受信感度が低下しやすい弱点も存在します。
この半値幅は、素子数が少なく受信性能の低い八木式アンテナでは広まる反面、高性能型のパラスタックアンテナではより狭くなるため、設置時には注意が必要です。
なお八木式アンテナは、矢印型とは反対の先端がアンテナの前方にあたるため、こちらを電波塔などの方向に向けて、アンテナ角度の調整を行うことになります。
また現場の条件などから八木式アンテナの設置が推奨される現場で、住宅の外観性や風雨を避ける設置を重視される場合は、上記の通り、風雨などを避けやすい設置位置や方法を工夫する。またステンレス製や雪害用、塩害用モデルなど、対候性の高いモデルを採用するという方法がございます。
総じて、八木式アンテナの屋根の上への設置は、現在でも受信性能と工事費用の安さに優れており、弱電界地域を含む幅広いエリアに対応できる工法であるため、現在でも採用されるケースが多いアンテナ工事の方法になります。
当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事(アンテナ本体の設置と同軸ケーブルのみの配線を行う最小限の工事)では、日本三大アンテナメーカーの一社、DXアンテナ製の20素子高品質モデル「UA20」本体と屋根馬、マストなどの基本設置具、同軸ケーブル、さらに防水処理を含めた工事料金「15,000円(税込み)」からでご案内しております。
他にも八木式アンテナでは、各素子数モデルやパラスタックアンテナから、ローチャンネル用、ロー・ミドルチャンネル対応モデル。またステンレスモデルや塩害用、雪害用モデルなどもご用意しておりますので、地デジの受信環境から自然環境まで、さまざまな現場にご対応いたします。
なお八木式アンテナ本体やその種類、設置位置について、詳しくは以下の各コラム記事でも解説しておりますので、よろしければご参照ください。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
地デジ:デザインアンテナとは?
デザインアンテナとは、地デジ放送のスタート後、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた、地デジアンテナの第2世代モデルであり、地デジ受信を前提に開発されたモデルになります。
デザインアンテナの名称は、広義には後述するユニコーンアンテナ等を含めた、デザイン性の高いアンテナの総称として使われることもございますが、一般的には、縦長の長方形、薄いパネル状のケースにアンテナ機器部を収めた、いわゆる平面アンテナのことを指します。
平面アンテナ(デザインアンテナ)は、その形状や設置位置から、他にも壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどと呼ばれる場合もございます。
デザインアンテナの基本的な設置位置は、その形状から、住宅の壁面やベランダの手すり部に、専用の取付具を固定して、デザインアンテナ本体をはめ込むように設置する形式になります。
他にも、背面部の中央部でマストに固定するモデルも存在するため、屋根の上のマストや、壁状に当たる部分に設置されることもございます。さらに強電界地域で住宅の建材が地デジ電波を通しやすいなど、屋内での地デジ受信に適した条件が整っていれば、屋外屋内兼用の小型モデルを室内の窓際に設置する。また住宅の屋根裏や天井裏の空間に通常モデルを設置するなどの方法も可能です。
デザインアンテナは、主に前世代モデルである八木式アンテナの弱点をカバーすべく開発された地デジアンテナになります。
したがってその特徴およびメリットは、本体が軽く、壁面やベランダに貼り付ける形で設置でき、また同モデルでもカラーバリエーションが豊富なため、住宅の壁面に設置しても目立たず家の見た目や周辺の景観に悪影響を与えにくい点になります。そのため景観条例のある景観地域でも使用できる。越境問題もまず発生しない。太陽光パネルに悪影響を与えることもない、などのメリットも出てまいります。
さらに、その形状と設置の場所から、風雨や雪、潮風や鳥などの自然環境に影響されにくくなるため、経年劣化も進みにくくなり、耐用年数(寿命)も、一般的な屋外への設置で15年から20年程度と、長期化する点も大きなメリットです。
なおデザインアンテナの指向性については、やはり国産大手メーカー性モデルの半値幅で一例をあげると、20素子相当モデルは75度から86度。26素子相当モデルは71度から82度と、八木式アンテナに比べれば余裕ある角度になり、角度のずれによる受信感度の低下も生じにくくなります。
デザインアンテナの正面側は、前面の全体に当たり、角度調整の方法は、機種によって異なりますが、デザインアンテナ本体を固定具から左右にずらすような形になります。
八木式アンテナに比べて、外観性と対候性に優れるのがデザインアンテナのメリットですが、一方で八木式アンテナに比べると、受信性能がやや低くなるデメリットもございます。
デザインアンテナの受信性能は、屋外設置用の主なモデルで、20素子相当と26素子相当の二種類および、それぞれのブースター内蔵型になります。
他にも、基本的な設置位置が壁面など、屋根の上より低い。指向性もやや低い。素子アンテナではなくオールチャンネルアンテナのみなどの要因により、八木式アンテナの同素子数モデルと比べても、総合的な受信性能はやや低くなります。
そのためデザインアンテナは、強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースもございます。さらに強電界地域などでも、高層建築物の近隣。住宅密集地の壁面部など、地デジ電波が届きにくい現場では使用できない場合が多くなります。
他にも、住宅の壁面に取り付ける場合、まず壁に固定具を設置するため、壁にビス穴を開けることになる。八木式アンテナに比べると、本体価格や設置費用がやや割高などのデメリットもございます。
総じてデザインアンテナは、設置した場合の外観性に優れ、また経年劣化などの問題にも強い地デジアンテナ機種と言えます。一方で屋根の上など高所への設置にはあまり適さず、壁面などへの設置の場合、現場の条件によっては十分な地デジ電波受信ができないこともあるため、あらかじめ設置現場で受信できる地デジ電波レベルをしっかり確認することが重要となります。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事では、DXアンテナ製、20素子相当の高品質モデル「UAH201」。または強電界地域専用のコンパクトモデルとして、同じく日本三大アンテナメーカーの一社、マスプロ電工製、屋外屋内兼用モデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意しており、アンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどの費用を含めた基本設置工事を「20,000円(税込み)」からでご案内いたしております。
デザインアンテナについても、他に26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、現場の条件で可能な限り、デザインアンテナの取り付けにご対応いたします。
デザインアンテナ本体や、設置の失敗例と失敗を避ける対策などについては、詳しくは以下の各コラム記事でも解説しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
地デジ:ユニコーンアンテナとは?
ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)にマスプロ電工社が発売した、独自のアンテナモデル「U2CN」のことを指します。このモデルは旧世代モデルとは異なる形状、特性をもつ地デジアンテナの第3世代であり、2024年の今、もっと新しい地デジアンテナ機種になります。
ユニコーンアンテナの形状は、長さ約67センチ、直径は12センチから14センチ程度の、ほぼ円柱型です。受信面に当たる正面側の下部に、アンテナ機種名や社名のロゴが入っており、直径は左右にやや長く、裏面は切り落としたような平面になっています。
本体のカラーバリエーションには、ツヤのない落ち着いた質感の「ウォームホワイト(WW)」と「ブロンズブラック(BB)」の二色がございます。
ユニコーンアンテナ本体の下部はカバーが開く形になっており、その内部に、アンテナケーブル(同軸ケーブル)の接続部。およびマストの先端に固定してボルトで締める形の固定部があり、マストを軸にして、左右へと角度調整できます。
ユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じく、住宅の屋根の上で、屋根馬を使ってマストの先に立てられる。またサイドベースによって屋根の破風板、壁面の高所などに設置されます。
いずれにせよ、ユニコーンアンテナの本体は、屋根の上から突き出すような形で、屋根の上にくることを前提に設置されます。
ユニコーンアンテナの特徴は、第三世代モデルとして、八木式アンテナの受信性能。デザインアンテナの外観性、対候性を高いレベルで兼ね備える点です。
ユニコーンアンテナは、本体が屋根の上などの高所に設置されても、外観がポール状でスタイリッシュなため、住宅の見た目や周辺の景観には、ほとんど悪影響を与えません。そのため、景観地域でも使用できる。越境問題も生じにくい。太陽光パネルにも悪影響を与えにくいなどのメリットもございます。
さらにその形状から、屋根の上でも風雨などを受け流せるため、自然環境などにも影響を受けにくく、経年劣化を軽減でき、アンテナトラブルも生じにくくなります。
ユニコーンアンテナの耐用年数は、まだ実際のデータは少ないものの、デザインアンテナとほぼ同等の、15年から20年程度と考えられています。指向性もデザインアンテナよりさらに低く、半値幅は83度から93度になるため、アンテナの角度調整が行いやすく、その形状もあって角度のずれによる問題も生じにくくなります。
さらに受信性能に関しても、ユニコーンアンテナはデザインアンテナに比べると、受信感度が安定しやすいという点も大きなメリットになります。
ユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当モデルのみで、実際の受信感度は、同じく20素子相当のデザインアンテナを、周辺に障害物がない壁面に設置した場合とほぼ同じ性能になります。
しかしユニコーンアンテナは、基本的な設置位置が屋根の上で高所になることから、安定した受信レベルを確保しやすく、デザインアンテナでは設置できないケースが多い高層建築の近隣、住宅密集地などであっても、設置できるケースが多くなってまいります。
一方で、ユニコーンアンテナのデメリットとしては、同じく20素子からそれ以上の八木式アンテナに比べると、受信性能がやや低くなる点がございます。
ユニコーンアンテナも、設置位置は高いものの、素子アンテナではない。オールチャンネルアンテナしか存在しない。そしてデザインアンテナよりもさらに指向性が低いなどの点から、同じく20素子の八木式アンテナに比べても、実際の受信感度はやや低くなるのです。
そのためユニコーンアンテナも、基本的には強電界地域から中電界地域向けのモデルとなり、弱電界地域では設置できないケースも出てまいります。
他にも、ユニコーンアンテナは現状の最新モデルであるため、他機種に比べて本体価格や設置費用がもっとも高価になる。純和風邸宅など住宅の様式によっては、アンテナのデザインが不似合いになり、住宅の外観性を崩す場合もあるなどのデメリットも挙げられます。
総じてユニコーンアンテナは、基本的な設置位置を屋根の上にすることで、受信性能と外観性、対候性を高いレベルで兼ね備えた、新世代の地デジアンテナであると言えます。
反面、やはり八木式アンテナには受信性能が及ばず、設置できる現場がやや限られてくるという点には注意が必要になります。
なお当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナの基本設置工事について、アンテナ本体と設置具、ケーブルなど基本部材をセットにした基本設置工事費を、現在、業界最安に挑む「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEアカウントまで、どうかお気軽にお問合わせください。
その他、ユニコーンアンテナ本体や設置の注意点などに関しては。以下の各コラム記事ページでも詳しく解説しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
地デジアンテナを壁面に設置するメリット・デメリットは?
現在ではデザインアンテナの登場もあり、テレビアンテナを住宅の壁面に当たる部分に設置するケースも多くなっております。
壁面へのアンテナ設置は、上記のようにデザインアンテナを壁面に設置する他、八木式アンテナやBS/CSアンテナをサイドベースで壁面や屋根の張り出し部に設置する方法もございます。サイドベースで壁面の上部や屋根の張り出し部に設置する場合は、実質的にアンテナ本体を、屋根の上とほぼ同じ高さに設置することになります。
他にもベランダの手すり部に各種アンテナを設置する。八木式アンテナやBS/CSアンテナをベランダ内部に設置する。八木式アンテナを軒先などから吊り下げ設置する方法もございます。
各種アンテナを住宅に壁面に設置するメリットは、デザインアンテナの場合はもちろん、八木式アンテナ、BS/CSアンテナの場合も、住宅の外観で目立たず、家の見た目や景観に悪影響を与えない。また風雨などの影響によるアンテナの経年劣化が進みにくくなるという点になります。
特にベランダ内外への各種アンテナ設置であれば、ベランダのスペースを一部占拠してしまうというデメリットもございますが、アンテナのメンテナンスが行いやすく、ご自身でのDIY設置も安全に行いやすいといったメリットもございます。
一方、デメリットとしては、位置が低くなる分だけ、周辺の障害物に影響を受けやすくなり、地デジ電波の受信感度が下がる。衛星放送が受信できないケースが出るといった点が挙げられます。
特に地デジアンテナは近隣の電波塔の向き、BS/CSアンテナは東経110度(南西方向)の向きへとアンテナの正面側を向ける必要があるため、各種アンテナの正面側を適切な方向に向けた設置ができる方向の壁面にしか取り付けができないため、どうかご注意ください。
いずれにせよ、特に壁面に当たる部分への地デジアンテナ設置に関しては、あらかじめ綿密な電波調査で、壁面でも安定した地デジ受信が可能になるかを確認することが重要と申せます。
なお、住宅の壁面にあたる位置への、地デジ、BS/CSの各種アンテナ設置に関しては、以下の各コラム記事でも詳細をご説明しております。
・地デジ、BS/CSテレビアンテナを住宅の壁面に設置する方法とメリットや注意点とは? 壁面取付に適したアンテナ機種も解説!
・壁面に設置できる地デジ用テレビアンテナとは? デザインアンテナなど壁に取り付けられる全アンテナと工事費用、失敗例など解説
地デジアンテナを屋内空間に設置する方法は?
上記のように地デジ電波は、一般的な住宅の屋根や壁を透過する性質がございます。
そのため、室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナを室内に設置できることもあるほか、現場の条件が整っている場合は、主にデザインアンテナを住宅の屋根裏空間、天井裏空間(上階と下階の間)に設置できるケースもございます。
この場合のメリットは、配線を含めた地デジアンテナの設置工事が、屋内空間で完結するため、住宅の外見や外装にまったく影響を与えない。また地デジアンテナ自体も風雨などの自然環境からほぼ完全に守られるため、経年劣化を軽減できて耐用年数が大幅に伸びる点になります。
屋根裏空間などに地デジアンテナを設置できる条件は、まず屋根裏などの空間内でも、屋根や壁を透過した地デジ電波が、十分なレベルで受信できることになります。そのため設置できる現場は、屋根や壁を通り抜ける際の減衰を踏まえても、十分なレベルの電波が屋内空間に届く、強電界地域であることが大前提となります。
具体的に地デジ電波を通しやすい住宅の条件でいえば、屋根材や建材、断熱材などの建材に、金属素材など、電波を遮断しやすい素材が使われていないこと。また、同じく電波を遮ってしまう太陽光パネルが設置されていない。冬場に屋根の上の積雪がないなどの点も重要になります。
設置作業上の条件としては、屋根裏空間でデザインアンテナの設置作業を行えるスペース(最低でも約1メートル四方のスペース)および、作業の担当者とアンテナや機材が出入りできる、屋根裏空間への点検口があれば、屋根裏空間への地デジアンテナ設置は可能となります。
特にデザインアンテナを屋根の上に設置する場合には、壁面よりも高度を確保できることが多いため、屋外の外壁に設置する場合に比べても、受信感度が高まるケースもございます。
なお、八木式アンテナを屋根裏空間に設置することも不可能ではございません。ただ八木式アンテナはデザインアンテナに比べて大型で独自の形状になるため、設置スペースや搬入口の条件がより厳しくなってまいります。
さらに、八木式アンテナ本体や設置費用はデザインアンテナに比べると割安ですが、八木式アンテナを屋根裏などに設置する場合、専用の固定具などが必要となるため、設置費用の総額はデザインアンテナとほとんど差がなくなります。
総じて、屋根裏への八木式アンテナ設置は、デザインアンテナを設置する場合に比べて、大きなメリットがございません。そのため、デザインアンテナでは屋根の上での十分な受信感度が確保できず、八木式アンテナを設置できる条件が整っているなど、珍しいケースを除いて、屋根裏などの空間に八木式アンテナが設置されることはさほどございません。
またユニコーンアンテナについては、本体が高価になる。また屋根の上に設置されることで受信感度を発揮するモデルであること。本体の受信面積が狭いことなどから、屋根裏などへの設置には適しておらず、採用されることはございません。
なお、地デジアンテナの屋内空間設置は、屋根や壁を透過してレベルの濃淡が生じ、やや方向がずれることもある地デジ電波から、もっとも適切な設置位置を選ぶ必要がございます。そのため専用の機器による綿密な電波調査の後に、適切な地デジアンテナ設置を行う、アンテナ工事の専門業者に工事を依頼することが適切です。
なおデザインアンテナをはじめとする、地デジアンテナの屋根裏空間への設置工事は、アンテナ工事業者によっては、デザインアンテナの基本設置工事費に加え、オプションの特殊作業費が加算されるケースもあり、一般的な工事費用の相場はアンテナ本体や設置具、ケーブルなどの費用を含めて25,000円から35,000円程度になります。
ただ当あさひアンテナでは、デザインアンテナの屋根裏空間への設置も、追加費用はご不要のデザインアンテナ基本設置工事費、20,000円(税込み)からでご案内しております。
地デジアンテナを室内に設置するもうひとつの方法、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナを利用する方法は、室内アンテナを屋内の適切な位置に設置して、付属のケーブルでテレビなどの機器と接続するだけの非常に手軽な方法となります。
屋外屋内兼用アンテナも、例えばコンパクトサイズのデザインアンテナなどを窓際に据え置き設置して、アンテナケーブルでテレビなどの機器と接続する形になります。屋外屋内兼用アンテナは、ベランダや窓の外などの屋外にも設置できるため、より受信感度が高まりやすくなります。
このようなアンテナを使用するメリットは、屋外に設置工事を行うモデルに比べて、本体価格が非常に低価格で、設置も簡単なため、ご自宅でも十分に可能なことから、設置費用を非常に安く抑えられる点になります。
一方、デメリットとしては、このようなアンテナ機種は、室内アンテナは素子数表記がなし。屋外屋内兼用アンテナも3素子相当から5素子相当など、受信性能が非常に低いため、基本的に強電界地域専用のモデルで、アンテナ一台を、一台のテレビにしか接続できない。また強電界地域でも周辺環境などによっては、受信レベルが安定しないケースもあることなどです。
基本的にこのような室内向けの地デジアンテナは、簡易的なテレビアンテナとしてのご使用がオススメと言えます。
当あさひアンテナでも、室内アンテナではDXアンテナ製、カラーバリエーション含む通常モデル「US120A」「US120AW」やブースター内蔵の「US10KB」「US10WB」。屋外屋内兼用アンテナも、やはりDXアンテナ製「US210-P」。また前述したマスプロ電工製のコンパクト型デザインアンテナ、スカイウォーリーミニ「U2SWLC3」「U2SWLC3(BK)」などをご用意しており、まず現場にて、これらのアンテナを室内設置しても十分な地デジ受信が可能であるか、最適の設置位置も確認した上で、アンテナ工事業者ならではのスケールメリットを生かした低価格でご提供しております。
なお、地デジアンテナの屋根裏空間など屋内空間への設置や、室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
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衛星放送用のBS/CSアンテナを屋根の上に設置するメリットとは?
衛星放送を受信するためのアンテナは、いわゆるパラボラアンテナのBS/CSアンテナになります。
そして戸建て住宅へのテレビアンテナ設置工事の場合は、基本的にまず適切な機種、設置位置を選んで地デジアンテナを取り付けた後、必要に応じてBS/CSアンテナを追加設置する形になります。
衛星放送用のBS/CSアンテナは、やはり屋根の上のマストに固定されるケースが多い一方、壁面やベランダに設置されるケースも多くなります。
ここでは衛星放送の仕組みや電波の性質、BS/CSアンテナの特性から、屋根の上をはじめ、BS/CSアンテナの設置に適した位置について解説してまいります。
衛星放送の仕組みと電波とは?
衛星放送とは、その名前の通り、地球の赤道軌道上、地上から約36,000キロ上空の宇宙空間で、地球の自転に同期して周回しているため、地上からは常に上空の同じ位置に静止して見える「静止衛星」を利用した各種の放送です。
衛星放送では、まず地上の放送局から静止放送に向けて、放送電波を送信(アップリンク)します。静止衛星では、受信した電波の周波数帯を変換し、電波レベルを増幅して、地上の広範囲へと送り返す(ダウンリンク)することで、放送を行っています。
衛星放送の特性は、多くの電波塔が必要になる地デジ放送に比べて、一基の静止衛星で、日本国内の全域などの広範囲へ、大容量の情報を効率的に送信できる点です。そのため、地デジ放送に比べて、放送範囲内で受信できる電波レベルの差が生じにくく、地上の地形や建築物、また災害などにも影響されにくくなるため、放送範囲の全域で安定した放送を実現できる点がメリットになります。
日本の衛星放送には、主にBS放送、CS放送の二種類が存在します。
BS放送(BSデジタル放送)は、東経110度に位置する「放送衛星(Broadcast Satellite)」を使った、日本国内の不特定多数を対象とする衛星放送であり、BS/CSアンテナを設置すれば誰でも視聴できるNHK、広域民放などの無料チャンネルと、月額料金制の有料チャンネルが存在します。
CS放送(CSデジタル放送)は、東経110度および、124度、128度に位置する「通信衛星(Communication Satellite)」を使って送信され、放送事業者に加入の手続き(契約)を行った特定の視聴者を対象にする衛星放送で、大半が有料チャンネルながら、BS放送以上の多チャンネルが特長となっており、視聴者はお好みのチャンネルを1チャンネルから契約して視聴することが可能です。
BS放送、CS放送の違いは、日本の方法法に基づく、静止衛星の用途の違いによるものですが、現在では実質的な違いは少なくなっております。
また2018年(平成30年)には、BS放送、CS放送にそれぞれ多くの4K、8Kチャンネルが追加されるという形で「新4K8K衛星放送」もスタートしております。
この静止衛星から地上に向けて送信される衛星放送の電波は、BS放送、CS放送とも、地デジ放送のUHF波よりもはるかに周波数帯が高いマイクロ波でも、波長の幅が1センチから10センチの間になる、センチメートル波(SHF波)と呼ばれる電波です。衛星放送ではそのうち、12GHz前後、波長の幅は25ミリ前後の周波数帯が使用されるため「12GHz帯」の電波とも呼ばれます。
12GHz帯の電波は、その波長の短さから、その性質は光に近くなり、直進性が高くなって、電波のエネルギーを集中させやすい性質がございます。この性質から、宇宙空間の静止衛星より地球上までの長距離を送信される電波としては、非常に適しているのです。
日本の衛星放送では、放送衛星、通信衛星、それぞれの静止衛星から、光のような12GHzの電波を、日本全域にスポットライトを照射するようなイメージで送信している形になります。
また新4K8K衛星放送が導入される以前の、2K(フルハイビジョン)衛星放送では、12GHz帯の電波として、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」が使用されていました。
ただ新4K8K衛星放送で、多数の4K、8Kチャンネルが追加される際、右旋の電波では、追加チャンネルに割り当てることができる空きの周波数帯が不足したため、BS放送のNHK、広域民放の無料4Kチャンネルに右旋の電波を割り当てた以外、新しく左回りの螺旋を描いて送信される「左旋円偏波」を導入し、その周波数帯を割り当てました。
したがって、2018年以前に設置された旧式のBS/CSアンテナ、およびアンテナ配線部では、新4K8K衛星放送(左旋円偏波)を受信できない場合もございますので、ご注意ください。この点について詳しくは後述します。
また衛星放送の12GHz帯の電波にも、その特性から、いくつかの弱点も存在します。
まず12GHzの電波は、波長が短く性質が光に近いため、長距離でも安定して送信できる半面、障害物を乗り越える力が非常に弱く、太陽光が遮蔽物に当たると影ができるように、障害物に遮断されやすい性質がございます。
したがって静止衛星から、地上のBS/CSアンテナまでを結ぶ直線状、12GHz帯の電波の経路に、山地や建物はもちろん、樹木やその枝葉、電柱や電線、または洗濯物など、BS/CSアンテナ側に影を落とすような形で12GHz帯の電波を遮ってしまう、ささいな障害物が存在しても、アンテナ側で12GHzの電波を十分に受信できなくなります。
また12GHz帯の電波は、多少の気候や天候にはさほどの影響を受けませんが、波長の短さから、雨や雪の粒が、12GHz帯の波長と同じ25ミリに近くなる激しい雨や雪の場合は、空中で雨や雪によって電波が吸収される。また乱反射が生じるなどして、やはりBS/CSアンテナまで十分なレベルの電波がトド泣かくなり、衛星放送が映らないといった事態が生じます。このような状態を「降雨減衰」「降雪減衰」といい、基本的な対策は、天候の回復を待つことになります。
他にも12GHz帯の電波は、前述の通り静止衛星からスポットライトのような形で、日本全域へと送信されているため、地デジ電波の電界地域のように、日本国内で受信できる電波レベルに、地域による極端な違いは存在しません。
ただ日本国内でも、中心部に比べると静止衛星からの距離がやや遠くなる、北部や南端部、離島部などでは、距離による減衰が生じて、受信できる12GHz帯の電波のレベルがやや低くなってまいります。
なお、衛星放送や12GHz帯の電波の受信に関する基礎知識については、以下の各コラム記事ページにも詳しい解説がございます。
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
衛星放送用のBS/CSアンテナの種類と構造とは?
上記の通り、現在の衛星放送(BS放送、CS放送)用のテレビアンテナは、車載用、アウトドア用などの特殊なモデルを除き、ほぼすべて「パラボラアンテナ」になります。
衛星放送用のパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)とは、円盤状の「ディッシュ(dish:皿)」または「放物面反射器」をもつアンテナです。
このディッシュを静止衛星の位置する方向へと正確に向けて、12GHz帯の電波をディッシュ内側の放物局面で受け止めます。光のような性質を持つ12GHzの電波は、放物局面に反射して、ディッシュのほぼ中心部に集中する形になります。
12GHzの電波が集中する部分には、ディッシュの裏面から延びる金属製のコンバーターアームにより固定された「コンバーター(変換器)」が設置されており、その一次放射器に12GHzの電波を集め、コンバーターに12GHz帯の電波を通します。
12GHzの電波は周波数帯が高すぎるため、そのまま同軸ケーブル(アンテナケーブル)で送信すると、減衰量が大きくなりすぎて正常に送信できません。そのためコンバーターで右旋円偏波は1032MHzから2072MHz。左旋円偏波は2224MHzから3224MHzの周波数帯に変換したのち、アンテナケーブルへと送信するのです。
なおコンバーターは電子機器であるため、アンテナ配線部のブースター電源部。またはテレビなどの受信機器側で「BS電源設定」を行い、BS/CSチューナー端子から、アンテナ配線部を通じてコンバーターに給電する形で、電源が必要となります。
現在、戸建て住宅への設置で使用される主要な衛星放送用パラボラアンテナは、右旋、左旋、双方の電波を受信できる2K4K8K対応のBS/110度CSアンテナ(BS/CSアンテナ)になります。
このモデルは、新4K8K衛星放送の全チャンネルに対応できることはもちろん、静止衛星が同じ東経110度に位置するBS放送と、CS放送の主なサービスである、110度CS放送「スカパー!」の双方を、一基で受信することができます。
ただ他にも、CS放送には、東経124度、128度に位置する通信衛星を使用する、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」という放送サービスが存在し、こちらを受信するためにはプレミアムサービス専用アンテナ。またはBS放送、110度、124度、128度すべてのCS放送を一基で受信できるマルチアンテナと呼ばれるパラボラアンテナが必要になります。
他にも上で少し申し上げた通り、現在は生産終了ながら、2018年以前に生産、設置されたBS/CSアンテナは、左旋の電波に対応していない「2K対応型」になるため、住宅に設置されているBS/CSアンテナがこのモデルである場合には、新4K8K衛星放送を受信するために、最新の2K4K8K対応BS/CSアンテナへの交換が必要となってまいります。
他にも、アンテナ配線部のブースターや分配器などの機器。場合によっては配線部の同軸ケーブル(アンテナケーブル)も、左旋円偏波からブースターで変換されたやや高い周波数帯に対応できる「4K8K(3442MHz)対応型」へと交換する必要が出るケースもございますので、この点にもご注意ください。
一般住宅に設置されるBS/CSアンテナは、上記の通りBS/110度CSアンテナになり、このアンテナは、メーカーやモデルに違いはあっても、基本的な設計や構造に大きな差はないため、コンバーターの微妙な性能差などを除けば、受信性能に大きな差は生じません。
BS/CSアンテナの主なモデルの違いとしては、ディッシュの大きさの違いが挙げられます。
一般住宅向けのBS/CSアンテナは、ディッシュでも12GHz帯の電波を受け止める部分の直径をセンチ数で示した「45型」になります。他にも、50型、60型、75型、90型、120型などディッシュが大型で、より受信性能が高くなるモデルも存在します。
大型のBS/CSアンテナは、主にアパートやマンションなど集合住宅に使用される、共同受信用アンテナになります。ただ一般の住宅でも、前述した「降雨減衰」「降雪減衰」への対策。また静止衛星との距離から12GHz帯の電波レベルが弱くなる地域では、より受信レベルを安定させるため、50型、60型、75型など、やや大型のBS/CSアンテナを使用する場合もございます。
他にも、45型2K4K8K対応BS/CSアンテナのバリエーションとしては、日光の影響を避けやすい基本色である白色系の他に、太陽光に強い特殊な塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。
またディッシュが風を通すパンチングメタル仕様や、各固定部の強化などで耐風性能を格段に高め、激しい台風などでもトラブルが生じにくい高耐風モデルなども存在します。
BS/CSアンテナ本体やその種類、性能などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
BS/CSアンテナはなぜ屋根の上に設置される?
BS/CSアンテナを設置する上での注意点は、直進的な12GHzの電波を受け止めて反射させ、コンバーターに集めるという構造上、まずディッシュを静止衛星の位置する東経110度(南西方向)へと、ディッシュの仰角(上下角)、方位角(左右角)とも、ミリ単位の正確さで調整する必要がある点です。
この角度調整がミリ単位でも狂ってしまうと、コンバーターに集まる12GHzの電波の焦点がずれるため、受信レベルが大きく低下してしまうのです。
そしてもうひとつ、静止衛星の位置する東経110度の方向と、BS/CSアンテナのディッシュを結ぶ空間の間に、直進する12GHzの電波を遮ってしまう山地や建物、樹木や電柱、電線、洗濯物などの障害物が存在してはならないという点も、BS/CSアンテナの設置には重要になります。
なおBS/CSアンテナの設置位置で、東経110度の方向に建物などの障害物が見える場合、BS/CSアンテナの位置から計った障害物の高さに比べて、アンテナと障害物との距離が1.5倍以上であれば、12GHz帯の電波を受信する上で、特に悪影響はございません。
例えばBS/CSアンテナの設置位置から東経110度の方向に、アンテナの位置より8メートル高い建物が見える場合、その障害物からBS/CSアンテナまで12メートル以上の距離があれば、衛星放送の受信について、特に問題は生じません。
このような特性から、BS/CSアンテナの設置位置も、基本的には屋根の上などの高所であるほうが、周辺の障害物に影響を受けにくい。さらに仰角、方位角とも角度調整が行いやすい点から、屋根の上などの高所に設置することが適していると言えます。
ただBS/CSアンテナの場合、アンテナを向ける方向がどの現場でも東経110度と一定である(ただし正確には、地域によってわずかな角度の差が生じます)。さらに東経110度の方向に障害物さえなければ、設置位置を問わず安定した受信が可能となるため、地デジアンテナに比べると設置の自由度は高くなります。
そのためBS/CSアンテナの設置位置には、屋根の上への設置以外にも、サイドベースを用いて住宅の壁面に設置する。ベランダの手すり部やベランダ内部に設置するなど、さまざまな選択肢もございます。
ベランダの内外など、作業の足場を確保できる位置であれば、ご自宅におけるBS/CSアンテナのDIY設置も可能となります。また12GHz帯の電波は住宅の壁や屋根に遮られるため、屋内への設置は難しくなりますが、唯一、東経110度の方向を向いて、窓から12GHz帯の電波が差し込む、シンプルな一枚板のフロートガラスの窓であれば、BS/CSアンテナを専用の自立スタンドに設置して窓際に据え置きすることで、室内設置も可能になります。
なお一般住宅におけるBS/CSアンテナの設置位置は、12GHz帯の電波を受信できることを大前提として、地デジアンテナと同じ場所に設置されることが多くなります。
例えば屋根の上でマストに設置された八木式アンテナやユニコーンアンテナであれば、同じマストの下部にBS/CSアンテナが設置されることが多くなります。壁面にデザインアンテナを設置する場合も、その近くで12GHz帯の電波を受信しやすい位置がBS/CSアンテナの設置位置に選ばれます。
これは、アンテナ設置作業の手間や機材を削減することで、工事のコストを抑えられること。また地デジとBS/CSアンテナを近い位置に設置することで、混合器やブースターの設置など、アンテナ配線部をまとめやすくするためです。
ただ一方で、特にディッシュが風雨を受けやすい。またミリ単位の角度調整が必要となるBS/CSアンテナでは、屋根の上などの高所に設置すると、八木式アンテナと同じく風雨などの影響を受けやすくなり、老朽化や角度のズレなどのトラブルも生じやすくなるため注意が必要です。
特に高所に設置したBS/CSアンテナで、風雨などによる悪影響を避ける方法としては、上記した高耐風モデルのBS/CSアンテナを設置することが有効な対策となります。
中でもDXアンテナ社製の45型2K4K8K対応、高耐風モデル「BC453SG」は、各接合部の強化や、風を通すパンチングメタル仕様のディッシュを採用することにより、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sと、業界最高クラスの耐風性能を実現しており、台風などへの抵抗力も高くなっております。
当あさひアンテナでは、BS/CSアンテナの基本設置工事については、DXアンテナ製の2K4K8K対応・45型の最新モデル「BC45AS」をご用意しており、各種地デジアンテナと同時の設置工事であれば、アンテナ本体や基本設置具などの料金も含めて「15,000円(税込み)」からの工事費用でご案内いたしております。
また上記した業界最高クラスの高耐風モデルBS/CSアンテナ「BC453SG」もご用意しており、こちらの基本設置工事は「特別価格」でご案内いたします。
他にも各ディッシュサイズ、カラーバリエーションなどの各種BS/CSアンテナもご用意しておりますので、一般戸建て住宅からマンション、アパートなど集合住宅までも含めた、さまざまなBS/CSアンテナ設置の現場、ご要望にもご対応いたします。
なおBS/CSアンテナの設置に関する情報については、以下の各コラム記事でもそれぞれの詳細をご説明しております。
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
屋根の上へのテレビアンテナ設置・まとめ
21世紀の現在でも、戸建て住宅のテレビアンテナが屋根の上に設置される傾向が多い理由は、おわかりいただけたでしょうか?
屋根の上へのテレビアンテナ設置は、現在でも地デジや衛星放送の受信が安定しやすく、アンテナの適切な角度調整も行いやすい。さらに八木式アンテナであれば、設置費用が低価格になるといったメリットもございます。
なお、地デジアンテナ、BS/CSアンテナの設置工事については、以下の各コラム記事にも詳しい情報がございますので、よろしければご確認ください。
・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説
・地デジ用と衛星放送用テレビアンテナの種類と設置工事の方法とは? ご要望に適した機種の選び方を徹底解説!
・地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!
・オシャレなデザインのテレビアンテナ工事で失敗しない選び方とは? 屋根裏などにアンテナを隠す設置と配線の方法も解説!
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?
・地デジ、衛星放送の各種テレビアンテナ設置工事にかかる時間はどれぐらい? 各種アンテナ工事費用の相場と合わせて徹底解説!
・テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)
・地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットで設置する工事とは? 地デジ用、衛星放送用テレビアンテナの種類とその違いを解説
・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!
・BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!
・一戸建て住宅へのテレビアンテナ設置工事で、アンテナ取り付けができる場所とは? 工事の費用や流れ、適した工事業者を解説!
一方で、屋根の上へのテレビアンテナ設置に関しては、アンテナの老朽化が進みやすく、角度のズレなどをはじめとするトラブルも発生しやすいというデメリットもございます。
そのため、住宅の外観性や対候性を重視される場合には、屋根の上ではなく、壁面その他の位置へのテレビアンテナ設置をお選びになるのもひとつの方法と言えます。
ただその場合、特に十分な地デジ電波の受信を実現できるか、あらかじめアンテナ工事業者に依頼しての電波調査を行い、確認しておくことが重要です。他にも、適切な位置へのテレビアンテナ設置には、さまざまな位置へのアンテナ施工経験を持つ、施工技術の確かなアンテナ工事業者をお選びになることも大切なポイントと言えます。
なおアンテナ工事業者の電波調査やお見積もり。アンテナ工事を請け負う各種業者の違いにについては、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
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最後になりますが、当あさひアンテナでは、本文でもご紹介した通り、地デジ、BS/CSなど各種テレビアンテナの基本設置工事について、国産一流メーカーの高品質機材も基本設置費用に含めて、業界最安に挑戦する工事価格でご案内いたしております。
またオプション工事でブースター、分配器など各種機器の設置にもご対応しているため、新規アンテナ工事で、アンテナ配線部の設置も含め、どのようなお住まいのアンテナ工事にもご対応できます。
現地に出張しての電波調査や工事のお見積りについても、当社では出張費、キャンセル料などすべての費用を含めた「完全無料(0円)」で実施いたします。
事前の電波調査については、高性能の測定器を用いて、屋根の上はもちろん、お住まいのさまざまな位置や部屋で綿密な電波強度や品質の測定を行い、お客様のご要望に応じて、住宅の壁面やベランダ、屋内空間など、ご自宅の条件で可能になるさまざまなアンテナ工事のご提案をいたします。また弊社のご提案とお見積もりにご納得いただければ、見積もり当日の即日工事にもご対応が可能です。
実際の施工では、弊社の社員スタッフである、経験と実績が豊かで優秀なアンテナ職人により、完全自社施工を実施。工事のコストを押さえつつ、安定した受信性能と、丈夫で耐久性が高いアンテナ設置はもちろん、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に基づいて、アンテナ本体や配線はもちろん、屋根裏空間などの機器設置についても、きちんと見やすくメンテナンスも簡単になる、丁寧で整った施工を必ず実施いたします。
さらにアンテナ工事の完了後には、業界最長クラスとなるアフターフォロー体制、施工完了日からの「10年保証」をご用意しておりますので、万が一のトラブルに対しても、お客様には末長くご安心いただけます。
ご自宅の屋根の上をはじめ、さまざまな位置への地デジ、BS/CSテレビアンテナ設置をご希望のお客様。さらにご自宅でアンテナを設置する位置についてご不安をお持ちのお客様には、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話。公式サイトのメールフォーム、弊社のLINEアカウントへのご連絡で、どのようなことでも、お気軽にお問い合わせ、ご相談いただければ幸いです。
ご提案や見積価格から最終的なアンテナ工事の仕上がりまで、必ずやお客様にご満足いただけるアンテナ工事をご提供いたします。