フィルム型アンテナとは何か? 地デジテレビ用でおすすめ、最強の室内アンテナの選び方。ランキングで人気の高性能商品も紹介!

2023年09月25日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
21世紀になってから20年以上、2023年(令和5年)の現在でも、地上デジタル放送や衛星放送を受信するためのテレビアンテナと言えば、住宅の屋根の上に設置する者といったイメージがございます。
近年では住宅の壁面に設置できる地デジアンテナ機種や設置工法も登場しておりますが、やはり戸建て住宅へのアンテナ工事と言えば、テレビアンテナ本体の屋外への固定や、住宅内への配線など、大掛かりな工事と一定の工事費用が必要になってまいります。

しかし、そのような大掛かりな工事や費用が必要なく、ご自宅で気軽に設置できて、地デジ放送が視聴できるアンテナが存在することをご存知でしょうか?
それが室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナと呼ばれるモデルになります。

このようなモデルは、本体が小型で低価格であり、設置もご自宅の室内に設置して、ケーブルでテレビと接続するだけと、非常に手軽なもので、アンテナ工事の専門業者に依頼する工事費用なども必要ございません。

ただ一方で、このようなモデルは屋外設置用の本格的な地デジアンテナに比べると、設置できる環境や受信の条件などに、さまざまな制限も生じてくるというのが実態です。

当コラムでは、室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナについて、その特徴や性能、安定して地デジ電波が受信できる条件、またオススメの高性能機種のご紹介まで、徹底的に解説してまいります。

室内に設置できる地デジアンテナの導入をお考えのお客様にとっては、当コラムを参考に、該当する地デジアンテナモデルへのご理解を深めていただければ幸いに存じます。

室内用アンテナの種類とは?

室内への設置を前提とした地デジアンテナは、大きく「室内アンテナ」「屋外屋内兼用アンテナ」の二種類に分けられます。まずはこれら室内用のアンテナモデルの、主な分類についてご紹介いたします。
ただ、この室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナを使用するには、現場の地デジ電波状態や、周辺環境、その他の適した条件がございます。また他にも、基本的には屋外設置用の地デジアンテナ、BS/CSアンテナを、屋内や室内に設置する方法もございます。
それらの点については、後の項で詳しく解説いたしますが、ここではまず、室内で使用できる地デジアンテナ機種の概要をご紹介いたします。

地デジの室内アンテナとは?

室内アンテナ(室内用アンテナ)とは、文字通り住宅の室内に設置して、同じ室内にあるテレビなどの地デジ受信機器と接続することで、地デジ放送の視聴を可能とする小型の地デジアンテナです。

詳しくは後述いたしますが、地デジ電波は、一部の素材や条件を除いた一般的な住宅の屋根や壁などであれば、一定の減衰(電波レベルの弱まり)は生じるもの、住宅の屋内にも届きます。
そのため、現場の電波状態にもよりますが、屋内にこのようなアンテナを設置することで、地デジ放送を視聴できるレベルの地デジ電波を受信できるケースがございます。

室内アンテナの形状は、主に「卓上アンテナ」「ペーパーアンテナ」の二種類になります。

「卓上アンテナ」は、薄い板状の本体にスタンドがついて縦置きできるような形状をはじめ、さまざまなスタイリッシュな形状を持つ、コンパクトな地デジアンテナです。
卓上の名前通り、室内でもテレビの付近や窓際など、地デジ電波が受信しやすい位置に置き、アンテナケーブル(同軸ケーブル)でテレビの地デジチューナー端子に接続すれば設置完了です。

「ペーパーアンテナ」とは、おおむね30センチ前後四方、厚さは5ミリ程度の薄いプラスチックなどでできたシートや板であるアンテナ本体に、ケーブルがついたものです。
このアンテナ本体部分を、主に地デジ電波が届く方向の壁や窓などに貼り付け、やはりケーブルをテレビの地デジチューナー端子に接続すれば設置が完了です。厳密には、本体は紙(ペーパー)製ではございませんが、紙のような薄さであることからそう呼ばれます。
ペーパーアンテナは、窓や壁に貼り付けるため設置スペースを取らないほか、窓や壁を通る地デジ電波を、薄く広いアンテナ本体で直接、受信できるため、室内アンテナにしては受信感度が向上しやすいのが特徴です。

またペーパーアンテナとよく似たモデルに「フィルムアンテナ」と呼ばれるものもございます。フィルムアンテナは、基本的に自動車用のカーナビや地デジ放送のフルセグ、ワンセグを受信するための、車載アンテナになります。
その形状はやはり透明の極薄シート(フィルム)がアンテナ本体であり、自動車のフロントガラスやリアガラスの内側に貼り付けて使用します。本体部が非常に薄い透明のフィルム状であるため、ガラスに貼り付けても視界に影響しない点が特徴です。

一方で車のガラス用として視界を確保できることを重視しているため、本体部は非常に薄型となり、一度貼ったものをはがすと、断線などで受信性能が低下するため、基本的に貼り直しができないという面もございます。
また車載用のフィルムアンテナは、ワンセグ・フルセグ用であっても、ケーブルのコネクタが一般的なテレビのチューナー端子とほとんどの場合、適合しないため、室内での地デジ受信用には使用できないモデルになります。

基本的に「ペーパーアンテナ」は住宅の室内用。「フィルムアンテナ」は車載用になりますが、ただこの使い分けは厳密でなく、場合によっては室内用アンテナがフィルムアンテナと呼ばれることもございます。
そのため貼り付けタイプのアンテナについては、まずその商品が室内用であるか、車載用であるかを、きちんとご確認されるとよろしいでしょう。

他にも、室内用の「卓上アンテナ」と「ペーパーアンテナ」の違いについても、本体部が薄型のプラスチックのものでは、スタンドに設置しての据え置きと、壁面などに貼り付け、取り付けの双方で使用できるものもございます。
卓上アンテナ、ペーパーアンテナとも室内アンテナの性能はさまざまで、ただ地デジ電波を受信するだけのシンプルなものから、受信した地デジ電波を増幅する「ブースター(増幅器)」内蔵型や、さまざまな付加機能がついているものもございます。

室内アンテナのメリットは第一に、設置作業が、室内にアンテナを配置して、ケーブルでテレビと接続するのみと非常に簡単で、アンテナ工事の専門業者に依頼せずとも、ご自宅で十分に可能となる点。
そして室内設置になるため、屋外設置用の地デジアンテナのように、住宅の外観や外装に影響を与えない点。また風雨などの影響を受けないため、やはり屋外のテレビアンテナのような自然環境による老朽化が進まず、故障などのトラブルが生じにくい点が挙げられます。

一方で、室内アンテナのデメリット、および注意点は、屋外設置用などの一般的な地デジアンテナに比べると、受信性能が非常に低い点になります。
屋外用の地デジアンテナの受信性能は、主に、地デジ電波を受信するパーツである、素子(エレメント)が設置されている数。または受信性能を素子の数に換算した「素子数(相当)」で表されます。

この地デジアンテナの受信性能については後の項で詳しくご説明いたしますが、室内アンテナの場合、受信性能が素子数で示せないほど低く、素子数表記のないモデルが大半になります。中には同じく地デジアンテナ受信性能の効率を示す「動作利得(利得、ゲイン)」が表記されているモデルもあり、一定の受信性能の目安にはなりますが、やはり屋外用モデルに比べると低くなります。

そのため室内用アンテナの受信性能では、どのようなモデルでも、アンテナ一基につきテレビ(またはレコーダーなど)の受信機器にしか接続できません。複数台のテレビで室内用アンテナを使う場合には、台数分の室内アンテナが必要となります。

また室内アンテナは受信性能の低さから、受信できる地デジ電波レベルが強いエリアでしか使用できず、地デジの電波を遮断する高い建物などがある周辺環境や、電波レベルを変動させる気候、天候などにも影響を受けやすく、受信レベルが安定しないケースもございます。

したがって室内アンテナは基本的に、例えば普段、テレビを設置しておらず、アンテナコンセントなどもない場所で、一時的にテレビを設置する場合。また短期間で単身の賃貸物件住まいなど、一時的な地デジ受信に用いる簡易的な地デジアンテナとしての使用がおすすめとなります。

地デジの屋内屋外兼用アンテナとは?

屋外屋内兼用アンテナは、室内屋外両用、屋内外兼用、屋内屋外共用などの呼び方もございますが、文字通り、屋外設置と室内設置の双方で使用できる地デジアンテナです。
その形状は、通常モデルの半分以下のサイズになるコンパクトなデザインアンテナや、室内アンテナに似た薄型。壁面などに固定も可能な台座を持つ、丸みを帯びたボックス型など、メーカー、モデルによってさまざまなものがございます。

おおむね屋外屋内兼用アンテナは、屋外専用のアンテナよりは小型ながら、室内専用のアンテナに比べるとやや大型になります。
そして純粋な室内アンテナに比べると、サイズが大きい分、受信性能がやや高くなり、モデルによっても異なりますが、3素子相当から5素子相当のものもございます。また屋外設置も想定しているため、風雨などにも耐えうる頑丈な作りになっております。

室内用として使う場合は、室内アンテナと同様にテレビとの接続も簡単で、住宅の見た目や外装に影響せず、風雨などにも影響されないというメリットがございます。
さらに屋内ではやや地デジ受信レベルが悪い場合も、電波塔からの地デジ電波を直接、受信できる屋外に設置できるため受信レベルが安定しやすくなります。

屋外設置でも、例えばベランダへの据え置きや適切な場所への固定といった設置も可能なため、通常の屋外用地デジアンテナに比べると、設置工事の手間もかからず、DIYでの設置も比較的、簡単になります。
また頑丈な構造に加え、本体が小型で風雨を受けにくいベランダ内などへの設置も可能なため、自然環境による経年劣化を抑えることも可能です。

屋外屋内兼用アンテナの本体価格は、やはりメーカーやモデル、特に受信性能やブースター内蔵型などの性能によって変化しますが、おおむね数千円から1万数千円程度で、通常の屋外用地デジアンテナに設置費用を加えた価格よりは、低価格になります。

屋外屋内兼用アンテナのデメリットは、室内アンテナよりは性能が高いながら、やはり屋外用アンテナに比べると受信性能が低くなる点です。そのため電波を遮る建物に近いなどの周辺環境によっては、安定した地デジ受信が難しくなるケースもございます。

またやはり、基本的には一台の屋外屋内兼用アンテナを、一基のテレビなどに接続するのみの使用法が主になり、複数台のテレビなどへの、電波の分配は、かなりの高性能モデルを除いては難しくなります。

そのため屋外屋内兼用アンテナも、室内アンテナに比べると用途は広がるものの、主に簡易的な地デジアンテナとしての使用が適しているモデルになります。
なお室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・面倒な工事も不要!2,000円で地デジ放送を楽しめる「室内アンテナ」について!

・室内アンテナの機種選びと設置の方法

アンテナの材料一通り持参 アンテナ工事

地デジアンテナの受信性能について

すでに少し触れましたが、主に屋外設置用のモデルで、地デジアンテナの受信性能を決める第一の要素は「素子数(相当)」になります。
素子(エレメント)とは、アンテナ本体で地デジ電波を受信するパーツのことで、設置された素子の数が多いほど、受信性能が高まります。

屋外用の地デジアンテナの中でも、八木式アンテナという古典的なモデルは、素子が外部に露出しており、その数が視認できる「素子アンテナ」です。またデザインアンテナ、ユニコーンアンテナといったデザイン性を重視したモデルでは、外観から素子が視認できないため、受信性能を素子数に換算した「素子数相当」という基準で表記されます。

屋外用地デジアンテナのモデルごとの素子数は、主に「8素子」「14素子」「20素子」「26素子」(相当)になり、主に現場の電波状態(後述する「電界地域」)にあわせた素子数(相当)のモデルが使用されます。
他にも八木式アンテナと同じ構造で、一ヵ所に複数の素子パーツを設置した高性能素子を使用し、27素子、30素子などのモデルもあることから、通常型八木式アンテナの数倍の受信性能を発揮する高性能モデル、パラスタックアンテナと呼ばれるものも存在します。

もうひとつ、地デジアンテナの受信性能を示す基準として「動作利得(利得)」または「ゲイン(gain)」と呼ばれるものがございます。
この動作利得については、詳しく説明すると複雑になるため略しますが、主に素子数を元に地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルに対して、アンテナから出力できる電波レベルの効率を示すもので、基本的に「㏈」の単位で表記されます。
動作利得の高さは素子数の高さに比例しますが、同じ素子数(相当)の地デジアンテナでも、後述する「指向性」や、地デジ電波でも受信できる周波数帯を限定したモデルは、より受信性能が高まります。
動作利得の数値は、素子数よりも細かい受信性能を表すものであり、アンテナ本体の正面側における受信感度を示すものともいえます。

そして特に屋外用の地デジアンテナを設置にあたって重要となる、受信性能にも影響の大きい要素が、アンテナの「指向性」になります。
地デジアンテナでいう指向性とは、アンテナ本体の一方向(正面側)でのみ、受信性能が高まる性質のことです。
そのため屋外用の地デジアンテナは、現場に地デジ電波を届ける電波塔の方向(場合によっては地デジ電波がビルなどにぶつかって反射した「反射波」の方向)へと、正確に正面を向ける形で設置する必要がございます。

そして地デジアンテナ本体の真正面側から外れるほど、受信感度が弱まり、真横や後方などではほとんど受信性能がなくなります。この指向性には、正面側以外から届く、ノイズとなる地デジ電波以外の電波を遮断する役割もございます。
この指向性は、地デジアンテナでも形状やモデルによって差があり、指向性が鋭く、受信性能を発揮する角度が狭いアンテナモデルほど、その範囲内での受信性能が高まる性質がございます。

いわば受信できる角度を絞り込むことで、受信性能を集中して高めているイメージになります。一方で指向性の高い地デジアンテナは、設置角度のズレにより、受信感度が低下しやすいという弱点も生じます。

なお地デジアンテナの指向性は「半値幅」という数値で表されます。半値幅とは、地デジアンテナの受信性能が最大レベルとなる真正面を基準に、アンテナの角度を徐々に左右へとずらしてゆき、受信性能が最大レベルからちょうど半減する角度を表した数値です。

室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの場合は、受信性能が低いため、外見から素子数が見て取れる、また表記されているモデルは少なくなり、前述の通り、屋外屋内兼用アンテナで、3素子相当から5素子相当のモデルがある程度になります。ただ動作利得が表記されているモデルもあるため、受信性能の目安はそちらが参考になります。

そして室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの指向性については、受信性能の低さからさほどの厳しさはございません。ただやはり、アンテナ本体を電波塔がある方向や、電波が通り抜けやすい窓際など、受信感度が高まる位置に設置する必要はございます。

他にも、室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナにもやや関連する地デジ電波の特徴として、水平偏波と垂直偏波の違いがございます。
具体的には、後述する日本各地に設置された地デジ電波塔の中には、地面に対して水平の波長を描く電波の水平偏波を送信するものと、地面に対して垂直の波長を描く電波の垂直偏波を送信するものが存在します。

この水平偏波、垂直偏波は、波長の角度の違いだけで、地デジ電波としての品質や強さ、送信されるテレビ放送の内容などには特に違いはございません。
そして日本各地に存在する地デジ電波塔(中継局)のうち、実際には95パーセント以上が水平偏波を送信しており、残りの5パーセント程度の電波塔で垂直偏波を送信しております。
他にも水平偏波と垂直偏波の双方を送信する電波塔もある他、状況の変化などにより、送信される電波の種類が切り替わるケースもございます。

この水平偏波、垂直偏波の使い分けは「混信」を避けるために、行われております。混信とは、周波数帯が近い二種類の電波が同じ空間を伝わることで、電波同士が干渉しあって、入り混じることです。
例えば地デジ電波と周波数帯の近い携帯電話、スマートフォンなどの電波。また別の中継局からの地デジ電波の混信が起こると、地デジ放送の映りが乱れる。スマートフォンの通信障害が起こるなど、電波障害の原因となります。

そしてこの混信は、周波数帯が近い電波であっても、波長の角度が違えば起こりにくくなります。そのため携帯電話の基地局が近いなど、混信の恐れがある地域では、一部の中継局から送信される地デジ電波を垂直偏波にすることで、混信を避けているのです。

この水平偏波、垂直偏波は、地デジアンテナの設置方法にも影響を与えます。具体的には、地デジアンテナで水平偏波と垂直偏波のそれぞれを受信するためには、波長の角度に合わせて、アンテナ設置の角度を90度、変更すれば対応できます。

ただ屋外設置用の地デジアンテナでは、モデルによっては設置角度を90度傾けると、外観性や左右の角度調整に問題が出るケースもございますので、水平偏波専用と垂直偏波専用のモデルが別々に存在する機種もございます。

室内アンテナ、屋外屋内専用アンテナは、本体が小型であることから、設置角度の変更で水平偏波、垂直偏波の双方に対応できるものが多くなりますが、形状によっては傾けた設置が難しく、基本的に水平偏波にしか対応できないモデルもございますのでご注意ください。

なお、お住まいの地域にある中継局が、水平偏波と垂直偏波のどちらを送信しているかは、日本国内の各エリアで個別に存在する総務省「総合通信局・総合通信事務所」のホームページや、各テレビ局の公式サイトなどでも確認できます。

上記した地デジアンテナの受信性能に関する要素については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!

・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説

地デジ放送の仕組みとは?

ここでは室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナで安定した地デジ電波を受信する方法をはじめ、地デジアンテナで地デジ電波を受信する仕組みをご説明するため、地デジ放送の仕組みや地デジ電波の種類、性質などについてご説明してまいります。

現在の地上デジタル放送、いわゆる地デジ放送は、日本国内でも、人口の多い主要なエリアを中心に、日本各地に設置された地デジの電波塔から、その周辺のエリアに地デジ電波を送信している、地上波放送(地上波テレビ放送)という仕組みのテレビ放送です。なお地上波放送は、主に衛星放送と対比した呼び名になります。

地デジの電波塔には、主に「送信所」と「中継局」の二種類がございます。
送信所(親局、基幹局)とは、東京都の墨田区押上に位置して、東京都や千葉県、埼玉県、神奈川県から、群馬県、栃木県、茨城県の一部エリアまでの広範囲に地デジ電波を送信する東京スカイツリーなど、日本でも地デジ放送の内容が異なる、近畿や中京などの広域圏別に設置され、その広域圏内の多くに地デジ電波を送信する、大型の電波塔のことです。

中継局(サテライト局)局とは、送信所の周辺一帯で、距離の遠さや山地などの地形の影響で、送信所からの地デジ電波が遮られてしまうエリアに、サテライト(衛星)のような形で設置される、送信所よりは小型になる、大小の電波塔です。
中継局では、送信所や他の中継局からの地デジ電波を受信し、中継局内で増幅して、周辺エリアに送信するといった、リレー形式で地デジ電波を送っています。
このような送信所、中継局が、日本国内でも国民が居住する大半のエリアで、必要な位置に設置されているため、日本国内であれば、山間部、離島部などの一部を除いて、ほとんどの地域で地デジ放送が受信、視聴できるのです。

現在、日本国内で放送される地デジのチャンネルは、広域圏ごとに内容は異なるものの、日本国内の全域で視聴できる、NHK、広域民放の各チャンネル。また東京都の東京MX、埼玉県のテレビ埼玉(テレ玉)、兵庫県のサンテレビジョン(サンテレビ、おっサンテレビ)など、三大都市圏の一部の都府県で別個に存在する独立地方局が、その都府県内を放送エリアとして放送する地方チャンネルになります。

これら地デジ放送のチャンネルは、災害などの非常時に、緊急情報を送信する役割なども持つ「基幹放送」であるため、日本国内であれば不特定多数の誰もが視聴できるテレビ放送になります。わかりやすく申し上げれば、日本国内にいる人であれば誰でも、地デジアンテナやワンセグ、フルセグ受信機器などの設備や機器を利用することで、NHK受信料を除いて基本的に無料で視聴できるテレビ放送ということです。

現在、地デジ放送用の地デジ電波は、UHF波(極超短波)と呼ばれる電波のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯が使用されており、その波長の長さは、およそ40センチから60センチ程度になります。

そのため、地デジ電波を受信するための地デジアンテナは、屋外に設置される八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどのモデルから、室内アンテナまで、すべて「UHFアンテナ」になります。

ちなみに現在の地デジ放送は、それ以前の地上波テレビ放送の形式であり、1953年(昭和28年)2月1日にNHKの本放送がスタートして以来、半世紀以上も放送され続けた「アナログ放送」から転換された放送の形式です。
地デジ放送は、地上アナログ放送と並行する形で、2003年(平成15年)12月1日、午前11時より放送をスタートしました。
そして2011年(平成23年)7月24日の正午に、一部地域への特例措置を除き、アナログ放送が終了(完全停波)することで、日本の地上波テレビ放送は、アナログ放送から地デジ放送へと転換されたのです。

地デジ放送(デジタル放送)とアナログ放送では、放送されるチャンネルなどには特に違いはございませんでした。その違いは、映像信号を送信する形式にあります。
アナログ放送では、テレビ放送の映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信していたのに対し、デジタル放送では映像信号を、まず「0」「1」のデジタル信号へと変換して、この信号を電波の波長へと変換して送信するという形式になります。

このアナログからデジタルへの転換は、当時のデジタル技術の飛躍的な進化により、従来のアナログ技術からデジタル技術への転換が、世界的に進んでいたこと。
そして携帯電話の爆発的な普及により、それまでNHK、広域民放ではVHF波、地方チャンネルではUHF波と、アナログのテレビ放送が広範囲を使用してきた電波の周波数帯を、携帯電話の使用に割くため、大きく削減する必要が出たことです。

デジタル放送では、映像信号をデジタル化することによって、映像信号から無駄な情報を大きくカットできるため、アナログ放送に比べて情報量を大幅に圧縮できるのです。
そのため地デジ放送では、UHF波の一部周波数帯と、使用する電波の周波数帯を大きく削減しながら、送信できる情報はアナログ放送の約4.5倍と、格段の大容量化を実現しております。
そのため、アナログ放送と地デジ放送では、テレビ放送の形にも大きな変化が生じました。

アナログ放送の時代は、テレビ受像機もブラウン管式が主流で、テレビ局から放送される番組を、一方的に視聴するだけという形でした。またテレビ放送の画質は、現在の画素数に換算すると、約640×480ピクセル、31万画素でした。

現在ではこの画質と、その画質でのテレビ放送のことを「標準画質(SD画質)」「標準放送(SD放送)」と呼び、映像メディアではDVD画質にあたります。またブラウン管の構造から、テレビ画面のサイズは、37インチ程度が限界でした。

対して現在の地デジ放送では、送信できる情報の大容量化により、映像のハイビジョン(HD)化が実現しております。そのためテレビ本体も、フルハイビジョン対応で、40インチから50インチクラスの液晶テレビも普及しております。
音声もCD並みにクリアとなり、2.0chステレオによる二か国語放送や副音声機能。5.1chサラウンドなどの高音質化を実現しております。

他にも、地デジ放送ではマルチ編成。番組表や字幕放送、データ放送、双方向サービス。ワンセグ放送など、アナログ放送では考えられなかった数々の新機能が導入されております。
他にも地デジ放送では、映像信号のデジタル化により、地デジ放送の電波にノイズ(映像信号を狂わせる余計な電波)が混入しても、一定のレベルまでは自動的にデジタルデータを修復できるため、ある程度の水準で地デジ電波が受信できる現場であれば、電波レベルの違いに影響を受けず、どこでも同じ品質のクリアな映像、音声を視聴することが可能です。

地デジ放送やその電波、アナログ放送から転換された歴史などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

お客様満足 あさひアンテナ アンテナ工事

地デジ放送の電界地域とは?

ご自宅の環境で、室内アンテナや、屋外屋内兼用アンテナが使用できるかどうかを判断するには、まず、ご自宅の環境で受信できる地デジ電波レベルを確認する必要がございます。
この判断の基準として、おおまかながらもっとも基本的なものとなるのか、個々でご説明する「電界地域」というものになります。

上の項でご説明した通り、地デジ放送は、日本各地に設置された送信所、中継局の地デジ電波塔から、周辺エリアに地デジ電波を送信するという形式の、地上波テレビ放送です。
そして電波とは、空中を、一定の波(波長)を描きながら、光の速さで伝わる電気的なエネルギーのことになります。したがって送信された電波は電波塔から離れるほど、そのエネルギーは弱まってゆき、十分な電波レベル(電波強度)での受信が難しくなってまいります。

そのため、日本国内でもエリアによって、主に電波塔との距離や、電波を遮る地形などの影響により、受信できる地デジ電波レベルには変動がございます。
この受信できる地デジ電波レベルの違いで、日本国内の各エリアを区分けしたものを「電界地域」と呼び、各電界地域で、使用できる地デジアンテナの種類や、可能なアンテナ設置工法などにも変化が出てまいります。

電界地域の区分は、場合によっては異なることもございますが、一般的には「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域(微弱電界地域)」の三種類、または四種類に区分されます。
なお地デジ電波など、電波の強度は主に「㏈(デシベル)」の単位で表され、この数値が電界地域を分ける基準となります。

「強電界地域」とは、到達する地デジ電波のレベルが80㏈以上のエリアを指します。
一般的には、地デジの電波塔を視認でき、周辺に山地や高層建築など、地デジ電波を妨害する障害物もほとんど見当たらないエリアが該当します。
強電界地域では、基本的に大半の現場で、地デジの視聴に十分な地デジ電波レベルを確保できるため、使用できる地デジアンテナの機種や、設置の位置も、選択の幅が非常に広くなります。
したがって室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナも、特に問題なく使用できるケースが多くなります。

「中電界地域」は、到達ずる地デジ電波レベルが、80㏈から60㏈にあたるエリアで、地図上では強電界地域の周辺などで、山地などに遮られない一帯となります。
中電界地域でも、ある程度は地デジ電波のレベルが安定しているため、一定の性能がある地デジアンテナであれば、安定した地デジの受信が可能となります。
したがってアンテナ機種や設置の位置も、強電界地域ほどではないものの、ある程度は選ぶ事か可能です。
ただ中電界地域になると、周辺の地デジ電波を遮る建物などの環境にも影響を受けやすくなります。そのため室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの使用については、強電界地域に近く、条件に恵まれた現場であれば可能なケースもございますが、難しくなってくることもございます。

「弱電界地域」は、到達する地デジ電波レベルが、60㏈以下となるエリアです。主に中電界地域のさらに周辺と、電波塔から遠距離。また山地などの付近で、地デジ電波が遮られやすいエリアに当たります。
弱電界地域では、受信できる地デジ電波レベルが弱いため、電波レベルが現場周辺の障害物や天候、気候などにも左右されやすくなります。
そのため地デジアンテナの設置では、受信性能の高いアンテナ機種を、障害物などに影響されにくい、住宅の屋根の上などの高い位置に設置する必要がございます。
そのため室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナなどは、まず使用できないエリアになってまいります。

さらに弱電界地域でも、特に受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下で、通常の地デジアンテナでは、安定した受信が難しくなるエリアを「微弱電界地域」と区分することもございます。
微弱電界地域は、その地デジ電波を送信する電波塔の受信範囲外とされており、同地域で安定した地デジ電波を受信するためには、パラスタックアンテナと呼ばれる、超高性能型の地デジアンテナでも27素子、30素子などの多素子モデルを使用し、また高性能のブースター(増幅器)で、地デジ電波レベルを増幅することも必要となります。

また上記の電界地域の他にも、日本国内には、地デジ電波が完全に遮られる山間部や、電波塔から遠く離れた離島部などで、地デジ電波がまったく届かないエリアも、ごく一部ながら存在します。このようなエリアは地デジ放送の「難視聴地域」と呼ばれます。
この難視聴地域では、地デジ放送の視聴に、主にケーブルテレビ(CATV)サービスを利用するか、地域で共同受信用の大型アンテナを設置し、各世帯に地デジ電波を送るといった方法を使用しております。

この電界地域の区分については、インターネット上に存在する「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内のページ「地デジ放送エリアのめやす」で、確認することができます。
具体的には、日本国内の住所や都道府県、日本各地に位置する地デジ電波塔などから検索して、日本地図上に表示される電波塔をクリックすることで、その電波塔から地デジ電波が届く範囲を、ほぼ強電界地域から中電界地域の範囲で、地図上に表示される色彩によって確認できます。地図上でこの色彩に含まれる範囲であれば、安定した地デジ電波の受信が可能となるエリアと言えます。

この電界地域は、上記の通り、エリアごとに使用できる地デジアンテナ機種や、設置の工法の目安ともなるもので、室内アンテナなどを含む、多くの地デジアンテナ機種には、モデルごとに「強電界地域用」など、対応できる電界地域が表示されております。

ただ、この電界地域を判断するについては、いくつか注意点もございます。
まず電界地域とは、学術上、法律上などで、正式に定義されたものではございません。
地デジ放送の放送局や、アンテナ機器のメーカーなどが、受信できる地デジ電波レベルをわかりやすく説明するため、それぞれ個別に便宜的に使用している基準です。

そのため、上記した三通り(四通り)の区分は、もっとも一般的な区分ですが、電界地域の基準は、使用する団体や企業によって、各電界地域の基準である㏈数が異なる。また強電界地域と弱電界地域に二分するだけなど、使い方が異なる場合もございます。

そのため「電界地域」の表記で、受信できる電波レベルを判断する際には、その電界地域がどのような基準で区分されているかを、まず確認される必要がございます。

他にも、地デジ電波レベルは、電波塔からの距離だけでなく、電波を遮る高層建築物などの障害物、また一年を通した気候や天候などの影響によっても変動します。
そのため、例えば高層建築物の近隣ではその影響を受け、強電界地域や中電界地域であっても、実際に受信できる地デジ電波レベルは、その基準を下回るというケースも実際にございます。

また気候や天候による地デジ電波レベルの変動も起こるため、電界地域の境界は実際にはあいまいで、明確に区分できるものでもございません。電界地域の基準となる㏈数が異なるケースがあるのも、その多くは、気候などによる電波レベルの変動を織り込んだものとなります。
これら、地デジ電波レベルを変動させる要因については、以下「地デジ電波の特徴」の項で個別に解説してまいります。

総じて電界地域とは、おおまかな広範囲における、おおよその地デジ電波レベルを判断するための目安でしかなく、各電界地域に含まれる現場でも、さまざまな条件によって、電界地域の基準から外れることもある点は、ご理解しておいてください。

電界地域については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

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地デジ電波の特徴:ある程度は障害物を乗り越えられる!

地デジ電波をはじめとする電波とは、電力と磁力の影響を受けて、波(波長)を描きながら空間を伝わる電気的なエネルギーの波「電磁波」の一種で、その中でも周波数(1秒間に繰り返す波長の数)が、比較的、低いものが「電波」と定義されます。

なお周波数の単位はHz(ヘルツ)で表され、例えば1Hzであれば、1秒間に1回の波を描く電波(電磁波)ということになります。
ちなみに地デジ電波の周波数帯に使用されるMHzは、1MHzが100万Hzに当たります。他にも電波で使用される単位としては、1kHz(キロヘルツ)は1,000Hz。1GHz(ギガヘルツ)は10億Hz。1THz(テラヘルツ)は1兆Hzにあたります。

日本の電波法をはじめ、一般的な電波の定義としては、3THz以下の電磁波が電波とされております。それ以上の周波数の電磁波は、周波数が低い順に、赤外線、可視光線、紫外線の光。それ以上ではⅩ線などの放射線になります。
そのため電波も、周波数帯が低いものほど、その性質は空気の振動である音に、周波数帯が高いほど性質は光に近くなります。

具体的には、周波数帯が低い電波は、波長の幅が長いものでは数十キロや数十メートル単位になるため、電波が音のように広がりやすくなります。
そのため、音であれば、壁や障害物を通した向こう側にも、ある程度、音は小さくなるものの届きやすいのと同じように、周波数の低い電波には、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合も、その向こう側へと回折しやすく、遠くに届きやすいという性質がございます。
また住宅の屋根や壁などに、電波を反射する金属、吸収しやすいコンクリートなどの素材が使われていない限り、透過する際に多少の減衰は生じるものの、壁を通り抜けて電波が屋内に届く性質もございます。

逆に周波数帯の高い電波は、これはテレビ電波でも、人工衛星から地上に向けて照射される電波として、マイクロ波の一種であるSHF波のうち、12GHz帯を使用する衛星放送に当てはまりますが、非常に直進性が強くなり、エネルギーを集中させやすい半面、障害物にぶつかるとほとんどが反射して、遮断されやすいという性質もございます。
一方、電波で送信できる情報量は、波長の数に比例するため、周波数帯の高い電波ほど送信できる情報量は多くなります。

前述の通り、地デジ放送の電波は、UHF波のうち470MHzから710MHzまでの周波数帯で、波長の長さは40センチから60センチ程度です。
UHF波は、電波の中では比較的、周波数帯の高いものになりますが、一定の波長の幅も持つため、例えば電波塔から発信された地デジ電波が、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合も、一定の反射は生じるものの、ある程度は障害物の向こう側に回り込むこともできるのです。

地デジ電波の特徴:地デジ電波が届きにくい環境とは?

前の項では、地デジ電波のUHF波は、ビルなどの障害物を乗り越えて向こう側に届く能力があると申し上げました。ただ、地デジ電波はこのような障害物に、まったく影響を受けないわけではございません。

現在の地デジ電波であるUHF波に対し、アナログ放送の時代は、VHF波(超短波)と呼ばれる、やや周波数が低く、波長が長い電波が使われておりました。アナログ放送におけるVHF波の波長の長さは、は約1.4メートルから3.3メートル程度でした。
そのため現在の地デジ電波は、アナログ放送のVHF波に比べると、障害物などを乗り越える力はやや弱くなっております。

地デジ放送では電波の出力を上げることで、波長の短さによる弱点をカバーしておりますが、例えば高層ビルなどの障害物にぶつかった場合、電波塔に近い強電界地域であっても、電波塔からの陰に当たる直近の一帯や、ビルの中心部に近い一帯では、地デジ電波が遮られてしまい、受信できる地デジ電波レベルが電界地域の基準を下回って、大きく低下するケースもございます。

他にも、短い距離を置いて住宅が立ち並ぶ、いわゆる住宅密集地などの場合、周囲に障害物の少ない屋根の上などの高所では、十分なレベルの地デジ電波が受信可能であっても、家と家の間に当たる壁面などの狭い部分には地デジ電波が届きにくくなり、やはり地デジ電波レベルが極端に下がるケースがございます。そのためデザインアンテナなど、壁面への地デジアンテナ設置ができないケースもございます。

また地デジアンテナを向けた方向に庭木やその枝、あるいは木立などがある場合も、地デジアンテナに届く電波レベルが低下するケースがございます。
そして屋内に設置される屋内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの場合も、このような周辺環境に影響されやすいため、注意が必要と言えます。

地デジ電波の特徴:戸建て住宅の屋根や壁を透過して屋内に届く!

上記の通り地デジ電波は、周波数帯はやや高いながら、ある程度の波長のもつため、一般的な戸建て住宅の屋根や壁などであれば、電波を通しにくい素材でない限り、通り抜ける際に一定の減衰は生じるものの、壁や屋根を透過して、地デジ電波が屋内まで届くのです。

そのため強電界地域など、到達する地デジ電波が強い現場で、地デジ電波が屋根や壁を通過しやすいなど、現場の環境が整っていれば、屋内にも地デジ放送の視聴に十分なレベルの地デジ電波が届き、室内アンテナや屋外屋内アンテナの利用、また屋外用の地デジアンテナを屋根裏や天井裏空間に設置する方法で、地デジ電波の受信が可能となるのです。

地デジ電波の特徴:地デジ電波が通り抜けにくい住宅の特徴とは?

ただ室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの利用や、屋外用アンテナの屋内設置など、屋内の地デジアンテナで、地デジ放送の視聴に十分なレベルの地デジ電波を受信するためには、いくつかの条件がございます。

前述の通り、地デジ電波は屋根や壁を透過する際に、ある程度の減衰が生じるため、屋内に設置した地デジアンテナで十分なレベルの地デジ電波を受信するためには、現場に届く地デジ電波そのものが強いレベルである必要がございます。

具体的には、強電界地域に当たる現場で、周辺に地デジ電波を遮る高層建築物や直近の家屋などの障害物がないことが必要となります。
その上で、現場となる住宅の屋根材や建材、断熱材などに、金属素材、コンクリートなど、電波を遮断、吸収する素材が使われていない。また屋根の上に太陽光パネルなどの金属製の設備がないことが重要となります。

他にも水は電波を減衰させる大きな要因となるため、冬場には屋根の上に雪が積もる。窓際に大きな水槽があるなどの環境も、地デジ電波を遮る要因となります。また壁の前にある家具が金属製である、部屋の窓ガラスが複層ガラスや金属素材入りの場合も、電波を減衰させる要因になります。

このような環境で室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナを使用する場合には、電波塔の方向を向いた窓際や、場合によっては屋外にアンテナを設置するといった工夫も必要です。

地デジ電波の特徴:気候や天候で電波レベルが左右される!

電界地域の項でも少しご説明いたしましたが、まったく同じ現場でも、実際に受信できる地デジ電波レベルには、一年を通して気候や天候などによる変動が生じます。

例えば冬場などで気温が下がると、空気が収縮するため、電波が遠くまで届きやすくなります。そのため遠距離でも地デジ電波の受信感度が高まる反面、無関係の電波も届きやすくなるため、電波同士が干渉して、ノイズが発生しやすくなるという問題も生じます。

逆に春から夏にかけて、気温が高くなると空気が膨張するため、空間を伝わる電波レベルがやや弱くなってまいります。
このような気候の変化により、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルも、一年を通して、およそ6㏈程度の変動が生じます。

そして上の項でも述べた通り、電波は水分に弱いため、湿度が高い日、特に雨や雪など悪天候の際には、電波レベルが大きく低下してまいります。

したがってアンテナ工事のプロである専門業者が、屋外用の地デジアンテナを取り付ける際には、工事は青天の日に行われても、地デジ受信レベルに関しては、季節や悪天候などで、地デジ電波レベルがもっとも低くなった状況を想定して、そのレベルでも安定した地デジ受信が可能となるよう調整されます。そうでないと、天気の良い日には安定した地デジ放送の視聴が可能であっても、悪天候や季節によっては地デジ放送の画面が乱れるなどのトラブルが発生するケースも出るからです。

特に受信性能が低く、ご自宅で設置されることも多い室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの場合は、設置した時点では安定した地デジ受信が可能でも、悪天候や季節の変化などにより、正常に受信できなくなるケースも多くなりますので、どうかご注意ください。

室内アンテナ/屋外屋内兼用アンテナの最強モデルとは?

室内アンテナなどに限らず、地デジ、衛星放送用のテレビアンテナ、またブースターや分配器などの周辺機器を含め、製造するメーカー別でのおすすめ製品としては、やはり日本三大アンテナメーカーである「DXアンテナ」「マスプロ電工」「日本アンテナ」の三社。またその三社に匹敵する大手メーカー「サン電子」などの製品が、品質や信頼性の面で優れていると申せます。

以下、大手メーカーの中でも、おすすめと言える室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの最強モデルを、ご紹介してまいります。

地デジ用室内アンテナの最強・お勧め高性能モデルとは?

(室内アンテナ)

・DXアンテナ製:UHF室内アンテナ「US10KB/US10WB」

このモデルは、正方形から角を切り落として、やや凸型になったアンテナ本体部を、ベースに立てたような形の卓上アンテナです。本体の高さは122ミリ、横幅、奥行きとも100ミリで、非常にスタイリッシュでコンパクトなモデルです。

型番の違いは「US10KB」がブラック、「US10WB」がホワイトの本体色であり、それ以外の形状、性能の違いはございません。このモデルはブースターを内蔵しておりませんが、アンテナ受信面の角度調整が0度から90度まで可能な他、別売りの木ネジにより壁面への設置もできます。

家電量販店やネットショップなどでの実売価格は、主に1,500円から1,900円台と、2,000円を切るため、強電界地域でも室内での地デジ受信が行いやすい現場では、価格面で最強と言える、オススメの室内アンテナモデルとなります。
以下、メーカー公式サイトにおける製品ページを御紹介します。
・DXアンテナ「US10KB」

・DXアンテナ「US10WB」

・DXアンテナ製:ブースター内蔵UHF室内アンテナ「US120A/US120AW」

このモデルは、高さ122ミリ、横幅、奥行きとも100ミリと、全体は丸みのある円筒形で、本体の向きを変えても変化しないシルエット。上部に長い持ち手がついた手桶のような、省スペース型のスタイリッシュなデザインです。
本体色はやはり「US120A」がブラック、「US120AW」がホワイトであり、それ以外の性能、形状はまったく同じモデルになります。

こちらのモデルは室内アンテナの中でもローノイズブースターを内蔵する機種であり、同社の従来品に比較して、地デジ受信性能がおよそ1.6倍に向上しております。
なおブースターは、地デジ電波のエネルギーを増幅する電子機器であり、電源が必要となるため、本モデルには、ブースター電源用のACアダプタが付属します。

さらに本体から延びる1.5メートルのケーブルでテレビなど受信機器に接続するため、テレビなどからやや離れた窓際などにも設置でき、強電界地域であれば室内での電波レベルがやや弱い現場でも、安定した地デジ受信が可能になります。
総じて卓上アンテナのモデルでは、ブースターによる受信性能が最強のモデルと言えます。

なお、家電量販店や楽天市場、Amazonなどによる本モデルの実売価格は、3,000円台から7,000円台と、比較的、幅が広くなっております。
以下、メーカー公式サイトによる紹介ページです。
・DXアンテナ「US120A」
・DXアンテナ「US120AW」

・マスプロ電工製:UHF卓上アンテナ「UTA2(S/BK)/UTA2B(S/BK)」

マスプロ電工社製の、長方形の平面型のアンテナ本体部と、それを立てるスタンド部からなるシンプルなデザインの室内アンテナです。本体色は、パソコンや多機能テレビの近くにもマッチするシルバー(S)とブラック(BK)の二色で、UTA2は通常モデル、UTA2Bはブースター内蔵モデルになります。
本体のサイズは、高さ約20センチ、横幅は約10センチ、奥行きは7センチ程度と非常にコンパクトです。

どちらのモデルも、電波塔が視認できる範囲で、周辺に障害物がない現場で使用できる強電界地域用で、14素子地デジアンテナを高さ10メートルの位置に設置した場合の地デジアンテナ出力レベルが65dBV以上となるエリアで視聴できます。
またアンテナ本体部を横に設置することで、水平偏波、垂直偏波の双方に対応できます。

ブースター内蔵型のUTA2Bは電源が必要で、ACアダプタが付属します。また電波レベルが強くなるため、やや受信感度の悪い現場や、長いアンテナケーブルを使用する現場にも適しております。

シンプルなデザイン性に加え、水平偏波、垂直偏波に対応できること、ブースター内蔵型もあることで受信性能も向上するなど、総合的な性能で最強と言える卓上アンテナになります。
なおUTA2の実店舗やネットなどでの実売価格は3,000円前後から4,000円前後。UTA2Bの実売価格は4,000円から7,000円強になります。
以下、メーカー公式サイトによる紹介ページです。
・マスプロ電工「UTA2(S)」

・マスプロ電工「UTA2(BK)」

・マスプロ電工「UTA2B(S)」

・マスプロ電工「UTA2B(BK)」

・マスプロ電工製:ブースター内蔵UHF卓上アンテナ「UDF2A」

こちらのモデルは、高さ約17センチ、横幅25センチの長方形の板状のアンテナ本体を、背面のスタンドで立てるモデルになります。背面スタンドを入れた奥行きは90センチ程度になります。
表面はブルーでスタイリッシュかつシンプルなデザインで、性能はUTA2、UTA2Bと同等の強電界地域用で、アンテナ出力レベル65dBVの地域向けです。付属品はやはり1.5メートルのアンテナケーブルと、ブースター用のACアダプタになります。

このモデルの特性は、マスプロ電工社独自の回路技術により、ダイポールアンテナを直接、増幅回路に接続することによる、損失の少ない13㏈から20dBの高利得設計。そしてUTA2シリーズと同じく、自立用スタンドを回転させることにより、垂直偏波、水平偏波の双方を受信できるという点になります。

このモデルもやはりシンプルなデザイン性や、垂直偏波、水平偏波への対応。設計やブースター内蔵による受信性能の高さなど、総合的に最強と言える卓上アンテナになります。
なおUDF2Aの実売価格は、5,000円台から9,000円前後になります。
以下、メーカー公式サイトによる紹介ページです。
・マスプロ電工「UTF2A」

・日本アンテナ製:室内用UHFアンテナ「ARL1(W/B)/ARBL1(W/B)」

高さ約19センチ、横幅10センチ強、奥行き7センチ弱のコンパクトサイズで、長方形の平面状のアンテナ本体部とスタンド部が一体化したスタイリッシュなデザインです。
通常モデルのARL1、ブースター内蔵型のARBL1に、それぞれホワイト(W)とブラック(B)のモデルが存在します。

本体の重さはARL1が265グラム。ARBL1が395グラムの軽量設計で、室内用アンテナの特徴としてどこへでも設置でき、本体から延びるケーブルをテレビ側の地デジチューナー端子と接続するだけの簡単な作業。テレビチューナー付きのパソコンにも使用できます。

本体はブリスターパック入りになっているため、箱などの余計な不用品なども出ません。なおブースター内蔵モデルは受信性能が高まりますが、電源が必要でACアダプタが付属しております。
このモデルもデザイン性が高く、ブースター内蔵のモデルかあることで、受信性能的にも最強と言える卓上アンテナのひとつといえます。

各モデルの実売価格としては、ARL1は主に3000円台。ARBL1は4,000円前後から6,000円前後になります。以下、メーカー公式サイトによる紹介ページです。
・日本アンテナ「ARL1(W)」
・日本アンテナ「ARL1(B)」
・日本アンテナ「ARBL1(W)」
・日本アンテナ「ARBL1(B)」

・日本アンテナ製:室内用UHFアンテナ「CRA10/CRAB10」

こちらは横幅19センチ、高さ10センチ弱、奥行き5センチ強で、横長の中央がやや膨らんだ長方形のアンテナ本体部を、スタンドに乗せた形状です。
CRA10は通常モデルで約170グラム、CRAB10はブースター内蔵型で約200グラムになり、ブースター用のACアダプタが付属します。その他の外形的な違いはございません。
こちらのモデルもテレビチューナー付きパソコンにも使用でき、やはりブリスターパック入りになります。またご自宅にあるブースターを接続しての使用も可能です。

本モデルもデザイン性が高く、ブースター内蔵のモデルかある、ブースターに接続可能など、受信性能の面も最強と言える卓上アンテナと申せます。
本モデルの実売価格は、CRA10が3,000円台、CRAB10が4,000円台になります。
以下、メーカー公式サイトによる紹介ページです。
・日本アンテナ「CRA10」
・日本アンテナ「CRAB10」

・サン電子製:室内用UHFアンテナ「IDA-7C/IDA-7CBシリーズ」

こちらは高さ約20センチ、横幅は約15センチ、奥行きは9センチ程度の、長方形の本体とスタンドが一体化したモデルです。

IDA-7Cは通常モデル、IDA-7CBはブースター内蔵モデルでACアダプタが付属します。本体の重量はどちらも370グラムです。
どちらも水平偏波用モデルで、本体についているケーブルの先端、テレビのチューナー端子と接続する側には、ストレートプッシュ形の金メッキプラグが採用されております。

IDA-7Cの動作利得は0.5㏈から2.0㏈。IDA-7CBはブースター性能を含めた総合利得で13㏈から17㏈になります。

IDA-7C、IDA-7CBの特徴は、そのカラーバリエーションの豊富さにあります。両モデルとも、アイボリーホワイト(IW)、ライトブルー(LB)、ライトグリーン(LG)、ライトイエロー(LY)、ライトオレンジ(LO)、ライトピンク(LM)、ワインレッド(WR)、セミグロスブラック(SK)の8色があり、お好みやお部屋の調度に合わせた、オシャレなモデルをお選びいただけます。

各モデルの実売価格は、IDA-7Cで3,000円台から4,000円前後。IDA-7CBで3,000円台から6,000円強になります。なお同モデルでもカラーバリエーションによって価格差が出ることもございますので、ご注意ください。

本モデルもブースター内蔵のモデルがあることで、受信性能的も高くなる他、外観の形状や、カラーバリエーションの多さで最強と言える卓上アンテナになります。
各モデルのカラーバリエーションに性能の違いはございませんので、以下、メーカー公式サイトの紹介ページから、アイボリーホワイトモデルのみをご紹介いたします。
・サン電子「IDA-7C-IW」
・サン電子「IDA-7CB-IW」

(屋外屋内兼用アンテナ)

・マスプロ電工製:屋外屋内兼用デザインアンテナ「U2SWLC3、U2SWLC3B」

「スカイウォーリー(Skywalley)」とは、マスプロ電工社によるデザインアンテナ(平面アンテナ)のブランド名です。
デザインアンテナとは主に長方形の平面型をもつ地デジアンテナで、住宅の壁面やベランダなどに設置することで、住宅の外観や景観を乱さず、自然環境の影響も避けて耐用年数が長くなるなどのメリットを持つアンテナ機種です。

その中でも「スカイウォーリーミニ(Skywalley-mini)」は、2023年現在、デザインアンテナ機種での業界最小を実現したモデルになります。
そのサイズは、高さ360ミリ、横幅150ミリ。厚さは上部から中央部までは55ミリ、下部3分の1程度が99ミリと、大判サイズの単行本を二冊並べた程度の大きさです。また重量は約1キロ(ブースター内蔵型は1.1キロ)になります。
スカイウォーリーミニには、ウォームホワイトの本体色である通常モデル「U2SWLC3」と、ブースター内蔵型の「U2SWLC3B」。また各モデルでも本体色がブラックになる「BK」の4モデルが存在し、受信性能では3素子から4素子相当であり、強電界地域向けの簡易的なモデルになります。

スカイウォーリーミニは水平偏波専用。地デジ電波塔が視認できる強電界地域向けのモデルで、動作利得の実力値は3.2㏈から4.3㏈。ブースター内蔵型の総合利得は20㏈から26㏈になります。
スカイウォーリーミニは屋外屋内兼用型のため、屋外では壁面やベランダ、また屋根の上やその他の位置に設置したマストにも固定できます。そして構造も丈夫なため、対候性も高くなります。さらに室内設置では、専用の据置スタンドが付属している他、室内の壁面へ固定することも可能です。

このように屋外屋内のさまざまな位置に設置でき、ブースター内蔵モデルもある他、ブースターなしのモデルでも外付けブースターへの接続が可能です。そのため各モデルとも、強電界地域であれば多くの現場で使用できます。

本モデル「スカイウォーリーミニ」は、デザインアンテナとしてはそのコンパクトさで、最強と言えるモデルになります。
なおスカイウォーリーミニの実売価格は、ブースターなしのモデルは5,000円から7,000円台、ブースター内蔵モデルで9,000円から11,000円台になります。

スカイウォーリーミニのメーカー公式サイト。および同機種についての詳しい解説は、以下の各コラム記事にございます。
・マスプロ電工「U2SWLC3」「U2SWLC3/BK」

・マスプロ電工「U2SWLC3B」「U2SWLC3B/BK」

・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)

・DXアンテナ製:屋外屋内兼用アンテナ「US210-P」

このモデルは、横長で厚みのない長方形の箱のようなアンテナ本体を、そのまま設置する。または専用スタンドに固定するという、独自の形状をもった、屋外屋内兼用の地デジアンテナです。
箱状の一方が、やや楔上に尖るような形になり、その側面に黒い横長の帯状の受信面がついております。この受信面を地デジ電波の方向へと向ける側で設置します。

本体部分のサイズは高さ60センチ弱、横幅30センチ程度、奥行き13センチ程度で、スタンドを含めると高さ10センチ程度、奥行きは14センチ程度になります。
US210-Pは、DXアンテナの独自名称である「フラットスリーブ方式」を採用しており、小型化、軽量化を実現しております。

受信性能は4素子相当で、動作利得は3.0㏈から5.0㏈。そのスマートなデザインから、強電界地域であれば屋外のベランダや室内への設置にも適しております。
本モデルは屋外屋内兼用アンテナとして、受信性能やコンパクトな外観性が特徴で、最強モデルのひとつといえます。

なおUS210-Pの実売店舗やネット上での実売価格は、5,000円から8,000円前後になります。
以下は、メーカーによる製品の公式ページです。
・DXアンテナ「US210-P」

・日本アンテナ製:屋外屋内兼用デザインアンテナ「UDF85/UDF85B」

UDF85は日本アンテナ製、デザインアンテナのブランド「F-PLUSTYLE(エフ・プラスタイル)」の、屋外屋内双方で使用可能な、強電界地域、中電界地域対応の14素子相当デザインアンテナモデルであり、UDF85Bはそのブースター内蔵モデルです。
本体色は淡いホワイトであり、両モデルにはスタンドとマルチ金具の両方が付属します。
室内の窓際に立てての設置のほか、屋外にはアンテナマストやベランダの手すり、壁面などの設置に対応。取り付け作業も簡単になります。

サイズは本体部のみで、横幅が27センチ弱、縦の長さが44センチ弱、奥行きが7センチ弱。スタンドを設置した場合の高さは約47センチ、奥行きは16センチ程度になります。
屋外設置では設置位置を変えることで、水平偏波、垂直偏波の双方に対応できますが、スタンドの使用時は水平偏波専用のモデルになります。

UDF85の動作利得は6.5㏈から8.5㏈。UDF85Bのブースター利得を含めた総合利得は23㏈から28㏈になります。このモデルは屋外屋内兼用型ながら、やや屋外設置に重きを置いたモデルになるため、本体はやや大型になりますが、その分、受信性能も高くなります。

実店舗やネットショップでの実売価格は、UDF85が5,500円から8,000円程度、UDF85Bが7,500円から8,500円程度になります。
本モデルは14素子相当で、強電界地域から中電界地域にかけて使用できる屋外屋内兼用アンテナでは、受信性能で最強のモデルのひとつといえます。
以下は、メーカーによる製品の公式ページになります。
・日本アンテナ「UDF85」
・日本アンテナ「UDF85B」

・サン電子製:スタンド付きデザインアンテナ「SDA-20-1S-K/SDA-20-3S-K/SDA-20-2SA-K/SDA-20-4SA-K」

このシリーズは、サン電子のデザインアンテナブランド「FLAT:LINE(フラットライン)」シリーズのモデルであり、設置具およびスタンドが付属するモデルで、壁面やベランダ、マストなどへの屋外設置と、室内への据え置きの双方に対応できます。

20素子相当と基本的には屋外設置モデルにあたる高性能モデルで、本体色はセミグロスブラック。本体のサイズは、本体のみで高さ60センチ、横幅およそ22センチ、厚さ約6センチ。スタンド設置した場合の、スタンド部の奥行きは約18センチになります。
そのため室内設置モデルとしてはやや大型になり、窓際などへの設置に向いております。その分、受信性能に関しては安定が望めます。

本モデルの特徴は、通常モデルとブースター内蔵モデルの他、室内設置が可能なデザインアンテナには珍しく、水平偏波用、垂直偏波用のモデルが存在する点になります。
なお通常モデルではSDA-20-1S-Kが水平偏波用。SDA-20-3S-Kが垂直偏波用。ブースター内蔵モデルではSDA-20-2SA-Kが水平偏波用。SDA-20-4SA-Kが垂直偏波用になります。なおブースター内臓モデルには、ブースターの電源部が付属します。

このモデルは、各部屋に地デジ電波を分配もできる、屋外用モデルに引けを取らないデザインアンテナを室内に設置したい。また垂直偏波専用のモデルを室内に設置したいというご要望の方に向いた地デジアンテナモデルと言えます。

このモデルになると、実質的には屋外用のデザインアンテナとなるため、室内設置用としてはアンテナ本体が大型になる難点もございますが、その分、20素子相当と受信性能が高く、屋内に設置しても屋外と大差ない受信感度を確保できる、地デジ受信に関して最強と言えるモデルになります。
各モデルのメーカーによる公式ページは、以下の通りになります。
・サン電子「SDA-20-1S-K」
・サン電子「SDA-20-3S-K」
・サン電子「SDA-20-2SA-K」
・サン電子「SDA-20-4SA-K」

・サン電子製:屋内外兼用UHFアンテナ「SDA-5-1/SDA-5-2」

丸みを帯びた横長、長方形の本体をもち、金具やスタンドに設置できる、5素子相当の屋外屋内兼用アンテナです。そのサイズは、高さが8センチ程度、横幅が28センチ程度、奥行きが13センチ程度。スタンドに設置した場合は高さが11センチ程度になります。
SDA-5-1が通常モデル、SDA-5-2がブースター内蔵モデルであり、通常モデルの動作利得は4㏈から5㏈。ブースター内蔵型の総合利得が19㏈から26㏈になります。

基本的にはどちらも強電界地域用のモデルですが、ブースター内蔵型であれば、屋外に設置することで中電界地域にも対応できます。ブースター内蔵型には、ブースター電源部も付属します。また市販の木ネジを使用することで、室内の壁に固定も可能です。

このモデルもカラーバリエーションが豊富で、各モデルにアイボリーホワイト(IW)、セミグロスブラック(SK)、アップルグリーン(AG)、ブライトブラウン(BB)の本体色があるため、屋内屋外の設置とも、お好みや住宅の外観、室内のインテリアに合わせた色合いのモデルを選択できます。

本モデルもコンパクトなスタイリッシュさに加えカラーバリエーションも豊富、ブースター内蔵型もあって受信性能も確保できるなど、屋外屋内兼用アンテナでは最強モデルの一角を担う機種と言えます。
本モデルもカラーバリエーションによる性能の違いはございませんので、メーカー公式サイトの紹介ページより、アイボリーホワイトの各モデルのみをご紹介いたします。
・サン電子「SDA-5-1-IW」
・サン電子「SDA-5-2-IW」

室内アンテナ・屋外屋内兼用アンテナを設置する上での注意点とは?

上記の通り、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナは、低価格で設置も簡単なため、業者に依頼する必要もなく、設置コストが安く済むという点が大きなメリットです。

一方でそのデメリットには、設置する現場の電波条件で十分な地デジ受信が可能かの判断、また現場の地デジ受信条件に適したモデルの選択が難しいという点が挙げられます。
屋外設置がメインとなる大型のデザインアンテナなどを除き、一般的な室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナは受信性能が低いため、基本的に強電界地域で地デジの電波塔が視認できる現場向けの機種になります。

また強電界地域であっても、周辺に高層建築物などの障害物が存在する環境で、現場に届く地デジ電波レベルが弱まる場合は使用できない、またはブースター内蔵型や屋外屋内兼用型など、やや受信性能の高い機種が必要になることもございます。

ただこの受信条件については、微妙な電波レベルや周辺環境の違いになるため、一般の方が的確に判断されることは、非常に難しくなります。
室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナがいかに低価格とはいえ、購入されたアンテナが現場の受信環境に適さず、使用できない場合は、購入費用が無駄になってしまいます。

もし室内アンテナや屋内屋外兼用アンテナをご希望で、現場の地デジ受信環境が判断できず、受信に適したアンテナ機種がわからない場合は、当あさひアンテナへとお気軽にご相談ください。

当あさひアンテナでは、上記モデルのうち、UHF室内アンテナでは「US10KB/US10WB」やブースター内蔵の「US120A/US120AW」。屋外屋内兼用型では「US210-P」や、スカイウォーリーミニ「U2SWLC3」など、受信性能、形状ともさまざまなモデルをご用意しております。

当あさひアンテナでは、ご自宅など現場におけるテレビ電波調査とお見積りを、出張料、キャンセル料などを含めた完全無料で実施しております。
室内アンテナをご希望の場合でも、ご自宅の設置現場において綿密な電波調査を行ない、気候や天候などによる地デジ電波レベルの変動も考慮した上で、安定した受信が可能となる室内用のアンテナ機種をご提案いたします。

また、もし室内アンテナの使用をお考えのお部屋で、地デジ電波の受信レベルが安定しない場合は、屋外屋内兼用アンテナを窓の外などの室外に設置する。通常型デザインアンテナの屋根裏・天井裏空間への設置や、通常の地デジアンテナ屋外設置など、お客様のご要望にもっとも適した地デジアンテナ設置の代案をご提案します。

なおデザインアンテナの屋内空間設置や、通常の屋外用地デジアンテナについては、以下の項でご説明いたしますので、ご検討の参考になさってください。

また当あさひアンテナをはじめ、アンテナ工事業者による地デジ電波調査、およびアンテナ工事のお見積もりについては、以下のコラム記事で詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

アンテナ工事が実質0円!

地デジアンテナの屋根裏・天井裏空間への設置とは?

室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナなど、室内での使用を前提としたアンテナ機種ではなく、通常は屋外に設置される地デジアンテナを、住宅の屋根裏空間、または上階と下階の間にある天井裏空間などへ設置することも可能です。
この場合、室内アンテナのように簡単に設置できて、設置費用も低価格になるといったメリットはございませんが、住宅の外観や外装に影響を与えない。またアンテナ本体が風雨などに影響されなくなるため、経年劣化を抑えられてアンテナの耐用年数が伸びるというメリットが得られます。

なお実際の設置位置は、受信レベルや設置スペースが確保できるのであれば、天井裏空間が選ばれるケースもございますが、一般的には、屋根を透過する地デジ電波の強度が強く、設置スペースも確保できることが多い屋根裏空間への設置が多くなります。

また設置が可能となる環境であれば、通常の20素子(相当)以上の屋外用地デジアンテナを設置に使用するため、電波を増幅するブースターや、複数のケーブルに電波を分配する分配器などの取り付けもでき、戸建て住宅で十分な地デジ電波レベルを確保できて、住宅内でアンテナコンセントが設置されるすべての部屋にテレビ電波を送信することができます。

設置できる条件は、室内アンテナなどを屋内に設置する場合と同じく、まずは屋根裏などの空間で十分な地デジ電波を受信できることになります。
そのため基本的に現場は強電界地域であり、屋根材や建材、断熱材などに、金属素材などの地デジ電波を遮断しやすい素材が用いられていない。屋根の上に太陽光パネルや冬場に積雪がないなどの条件が必要となります。

また屋根裏空間にアンテナ本体を設置できるスペース(デザインアンテナの場合は約1メートル四方の空間)および、アンテナの搬入および作業者の出入りができる、屋根裏への点検口があることが必要となります。

なお、屋根裏空間などに設置される地デジアンテナは、基本的に、上記した20素子相当のモデルなど、平面型のデザインアンテナになります。
屋外設置用の地デジアンテナモデルについては、詳しくは後述しますは、デザインアンテナは屋外設置用モデルの中でも、比較的、薄型でコンパクトサイズになるため、屋根裏空間への設置が行いやすい。また比較的、指向性が広いため屋根裏空間などでも角度を調整しやすく、電波をキャッチしやすいのがメリットになります。

さらに、屋外へのデザインアンテナ設置では、基本的な設置位置が壁面やベランダの手すり部などになるため、屋根裏空間に設置するほうが設置位置も高くなり、屋根や壁などによる電波の減衰を考慮しても、地デジ受信に有利となる面もございます。

他にも、基本的には屋根の上のマストに設置される、魚の骨に似た形状の、昔ながらの地デジアンテナで、受信性能の高さが特徴の八木式アンテナというモデルもございます。
この八木式アンテナは、素子アンテナであり、指向性が鋭い、受信できる周波数帯を絞ることで、受信性能を高めたローチャンネル用アンテナ等も存在するといった要因から、同素子数モデルでもデザインアンテナより受信感度が高くなるといった特徴がございます。

一方で、八木式アンテナはサイズ、特に横幅が一メートル以上と大きくなり、屋根裏空間への設置では、設置スペースや搬入口などの条件が厳しくなります。
さらに指向性が鋭い分、狭い屋根裏空間では、受信性能を高めるための的確な角度調整が難しくなるケースもございます。

八木式アンテナのもうひとつのメリットは、本体価格や設置工費が、地デジアンテナ機種の中ではもっとも低価格な点ですが、屋根裏設置などの場合は、専用の固定具などの部材が必要になるため、設置費用の総額もデザインアンテナとほとんど差がなくなります

総じて、屋根裏空間への八木式アンテナ設置は、デザインアンテナに比べて、受信性能以外ではデメリットが多く、全体的なメリットが少ないのというのが実際のところです。

そのため屋根裏などの屋内設置では、デザインアンテナでは十分な受信感度が確保できず、八木式アンテナの設置が可能である。また特にお客様からのご要望があった場合など、特別な条件を除いて、八木式アンテナが採用されることは少なくなります。

他にも2023年現在の地デジアンテナ最新機種には、コンパクトなポール状の形状を持つユニコーンアンテナが存在します。ただこのモデルは最新型のため本体価格が他機種より高価になる他、本体の受信面積が狭いため、屋根裏などへの設置には適しません。

屋根裏空間への地デジアンテナ設置工事は、通常の各モデルの地デジアンテナ基本設置工事費に加え、業者によっては追加工事費が発生することもございます。
しかし当あさひアンテナでは、屋根裏空間へのデザインアンテナ設置も、通常のデザインアンテナ設置の基本工事費用と同額の、高品質アンテナ本体、ケーブルや設置具などの基本部材をセットにして、税込み20,000円からでご案内しております。

なお、地デジアンテナの屋根裏空間、天井裏空間などへの屋内設置については、以下のコラム記事にも詳しい解説がございます。
・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説

ご新築でのアンテナ工事 アンテナ工事

屋外設置用の地デジアンテナモデルとは?

この項では、現場において室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの設置が難しく、屋外用の地デジアンテナを設置する場合を前提に、屋外設置に使用される、現在の主な地デジアンテナモデルについて解説してまいります。
各地デジアンテナ機種については、ここまでの記事で、多少、ご説明済みの部分もございますが、アンテナ機種選びの参考にしていただければ幸いです。

八木式アンテナとは?

八木式アンテナ(八木アンテナ、八木・宇田アンテナ)とは、いまはら約100年前の大正時代に発明された古典的なアンテナ機種で、アナログ放送の頃からテレビアンテナとして使い続けられてきた機種になります。そのため現在でもテレビアンテナといえば、八木式アンテナの形状を連想される方が多いことと思われます。

現在の地デジアンテナ(UHFアンテナ)である八木式アンテナは、矢印型をした金属の骨組みに、電波を受信するパーツである短い横棒「素子(エレメント)」がいくつもついた、魚の骨を思わせる形状になります。

八木式アンテナの主な設置方法は、住宅の屋根の上で、屋根馬という設置具に立てたマスト(支柱、ポール)の先にアンテナ本体を取り付け、屋根の四方からステンレスワイヤーなどのステー(支線)を張って固定する形になります。

また屋根の張り出し部(破風板)や、屋根の上でも壁状の部分など、屋根の上とほぼ同等の高さに、マストを固定するアームが横に突き出したサイドベースという器具を設置して八木式アンテナを設置するなど、基本的には住宅内でも高い位置に設置されます。

他にもやや設置の位置は低くなりますが、壁面やベランダの柵に設置したサイドベースにとりつける。ベランダの内部にアンテナ本体を隠すように設置する。専用の小型モデルを軒先などから吊り下げるなど、住宅の外観性や、風雨などを避けることを重視した設置方法もございます。

地デジ用アンテナとしての八木式アンテナの特徴は、第一に受信性能の高さが挙げられます。
八木式アンテナはモデルごとに、8素子、14素子、20素子など、さまざまな素子数のモデルがあり、その素子数がそのまま各電界地域に合わせた受信性能となります。
また高性能モデルとしては、Ⅹ字型などの器具の上下左右に複数の素子パーツを並べた高性能素子を、各素子部に設置し、その素子数も27素子、30素子などモデルが存在する高性能地デジアンテナ「パラスタックアンテナ」もございます。

このようなモデルも存在するため、八木式アンテナは、強電界地域から弱電界地域、微弱電界地域まで、適切なモデルを使用することで、幅広いエリアでの地デジ受信が可能となります。またパラスタックアンテナでは5素子程度でも、通常の14素子八木式アンテナとほぼ同等の受信性能を発揮する、アンテナ本体の小型化にも活用されます。

さらに八木式アンテナは、素子が露出して受信感度が高まる素子アンテナである。地デジアンテナの中では指向性が鋭い。また地デジ電波の全周波数帯(470MHzから710MHz)をすべて受信できるオールチャンネルアンテナの他、受信できる周波数帯を絞った分、受信感度が高まるローチャンネル用アンテナなどが存在することなどから、素子数(相当)が同等の地デジアンテナ他機種と比べても、受信感度が高くなりやすい機種になります。
基本的な設置位置が屋根の上などの高所になるため、地デジ電波を遮る周辺の障害物などに影響されにくく、総合的には現在の地デジアンテナ機種の中でも、一番高い受信性能を誇るモデルになります。

他にも八木式アンテナは、古典的機種でシンプルな設計と製造技術の確立から、本体価格や設置費用が、地デジアンテナ機種の中ではもっとも低価格なモデルでもあります。

一方、八木式アンテナの古典的な形状と、高所に設置されるという点は、デメリットにもつながります。
八木式アンテナは、屋根の上に立てられて目立つことから、デザイン性の高い住宅の外観や周辺の景観を乱しやすい。また風雨や雪、海沿いの潮風による塩害。アンテナに鳥が留まる、フンをするといった鳥害などの自然環境に影響を受けやすく、経年劣化が進みやすく耐用年数(寿命)が短くなりやすいという点が、主なデメリットになります。

これら八木式アンテナのデメリットについては、壁面やベランダ内外など設置位置を工夫するという方法もございますが、その場合、後述するデザインアンテナと同じく、地デジ受信感度にやや問題が出てくるケースもございます。

また八木式アンテナも近年のモデルでは、素材の改良や表面加工による軽量化。耐水性、抗サビ性の向上など、対候性が向上しております。
さらに降雪地帯や海沿いなどの環境を考慮して、適した設計や加工を施した雪害用、塩害用モデルも存在するため、このようなモデルを採用することで、対候性が高まって耐用年数が延びることも期待できます。

なお当あさひアンテナでは、風雨などにも強いDXアンテナ製の軽量型高品質20素子モデル八木式アンテナ「UA20」に、屋根馬やマストなど基本設置具。同軸ケーブル、防水処理をセットにして、アンテナ本体の設置と屋内の一ヵ所のみの配線を行う基本設置工事を、税込み15,000円からでお引き受けしております。
他にも、パラスタックアンテナを含む各素子数のモデル。また雪害用、塩害用モデルなどのご用意もございますので、地デジ受信環境から周辺の自然環境まで、さまざまな現場にご対応が可能です。

八木式アンテナの特徴や設置方法などについて、詳しくは以下の各コラム記事にも解説がございますので、よろしければご確認ください。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

デザインアンテナとは?

デザインアンテナとは、アナログ放送と地デジ放送への移行期である2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、地デジアンテナモデルの第二世代です。

その形状は、主に壁面などへの設置を前提とする長方形の薄型で、サイズはメーカーや受信性能などで異なりますが、高さは60センチ前後、横幅は20センチ強から25センチ程度。厚さは設置具の部分も含めて十数センチのモデルが多くなります。
また各メーカーの同モデルでも、カラーバリエーションが豊富となっております。

デザインアンテナの基本的な設置位置は、住宅の外壁、またはベランダの手すり部に、対応する固定具を取り付けてはめ込む形で固定する方法となります。
他にも、屋根の上に壁状の部分があればその位置に設置される他、八木式アンテナと同じく、屋根の上やその他の位置に立てられたマストに固定される場合もございます。

また上記のように、屋根裏空間や天井裏空間の設置にも、基本的にはデザインアンテナが採用されます。

このような特性から、デザインアンテナには、平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどの別名も存在します。
またデザインアンテナの名称は、広義には後述するユニコーンアンテナ。横長のカバーを設置したアンテナをマストの先に固定する横型アンテナ。前述の通りさまざまな形状をもつ屋外屋内兼用アンテナなど、デザイン(外観性)に配慮したテレビアンテナの総称として使われることもございます。
デザインアンテナは、八木式アンテナに続く第二世代アンテナとして、そのデメリットを解決すべく開発されたモデルになります。

そのため、そのメリットは、形状や設置位置、カラーバリエーションの豊富さから、戸建て住宅に設置しても、その外観や周辺の景観などを乱しにくい点。さらに風雨や雪などの自然環境にも影響を受けにくく、経年劣化を軽減できるため、耐用年数(寿命)が延びてアンテナトラブルも生じにくいという点です。

一方でデザインアンテナは、八木式アンテナに比べると、やや受信性能が低くなる面もございます。
デザインアンテナの受信性能は、上記したコンパクトモデルなどを除けば、主に「20素子相当」「26素子相当」の二種類、およびそのブースター内蔵型のみになります。

さらにデザインアンテナは、素子が露出していない。オールチャンネルモデルしか存在しない。指向性がやや広いなどの点から、八木式アンテナと同等の素子数モデルでも、受信感度はやや低くなります。
何より、主な設置位置が、屋根の上より低い壁面などになるため、地デジ電波を遮ってしまう周辺の建築物などに影響されやすくなります。

これらの点から、デザインアンテナや八木式アンテナに比べると受信性能が低く、基本的に強電界地域から中電界地域向けのモデルになります。
さらに強電界地域などであっても、電波が遮断されやすい高層建築物の近隣、また住宅密集地などにおける壁面設置では、そのエリアの地デジ電波レベルに関係なく、電波が遮られるため地デジ受信が困難となり、設置できないケースも出てまいります。

そのため特にデザインアンテナの設置では、現場の電波状態や周辺環境を確認して、デザインアンテナによる十分な地デジ受信が可能かをまず判断する必要がございます。
また壁面設置では、住宅の壁面にビス穴を開ける必要が出るのも問題のひとつです。なおベランダの手すり部への設置であれば、手すりを挟み込む形で固定できる設置具が存在するため、壁を傷つける必要はございません。

当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事には、DXアンテナ社の20素子相当モデル「UAH201」。または前述した強電界地域用のコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルなどをセットにして、屋根裏や天井裏への設置でも同じ価格の、税込み20,000円からでお引き受けしております。

もちろんデザインアンテナに関しても、26素子相当モデルやブースター内蔵モデル、垂直偏波対応モデルなどもご用意しておりますので、受信環境がやや悪いなど、さまざまな現場でも可能な限りデザインアンテナでご対応できるよう最善を尽くします。
なおデザインアンテナの特徴や設置方法、注意点などについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説

・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

アンテナ工事

ユニコーンアンテナとは?

ユニコーンアンテナは、マスプロ電工が2017年(平成29年)に開発、発売した同社独自のモデル「U2CN」で、2023年現在の最新モデルとなる第三世代の地デジアンテナです。

ユニコーンアンテナとは、長さ約67センチ、直径14センチ程度の円筒形のアンテナ本体を、マストの先に固定する形状で、接続部をカバーで隠せるため、非常にスタイリッシュな外観になっております。
カラーバリエーションは落ち着いたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色で、その名称は、ギリシャ神話で知られる伝説上の一角獣「ユニコーン」の角に由来しており、商品名は同社の登録商標でもあります。

ユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上に立てられたマスト。また住宅の破風板や壁面の高所などに設置されたサイドベースの先など、基本的に屋根の上とほぼ同じ高さに設置されます。

第三世代であるユニコーンアンテナは、第一世代の八木式アンテナの受信性能と、第二世代のデザインアンテナの外観性、対候性の融合を目指した地デジアンテナ機種になります。
具体的には、そのスタイリッシュな形状から、住宅の高所に設置しても装飾のように見え、住宅の外見や景観を乱さない。そして雨や風、雪などを受け流しやすいため、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が長くなるという、デザインアンテナと同様のメリットがございます。

さらに受信性能については、ユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当のみですが、高い位置に設置できるため、周辺で地デジ電波を遮る障害物に影響を受けにくく、受信感度が向上するという、八木式アンテナと同様のメリットもございます。

ユニコーンアンテナの基本的な受信性能は、同じく20素子相当のデザインアンテナを、受信環境のよい壁面に設置した場合と同等になります。

前述のようにデザインアンテナの壁面取り付けでは、周辺環境が高層建築物の付近や住宅密集地などの場合、地デジ電波が遮られるため、十分な地デジ受信レベルを確保できず、設置できないケースもございます。
しかし同じ現場でも高い位置に設置できるユニコーンアンテナであれば、障害物の影響を避けて十分な受信感度を確保でき、設置可能なケースが多くなります。

一方、ユニコーンアンテナのデメリットは、20素子相当のオールチャンネルアンテナしか存在しない。素子が露出しないモデルである。指向性が広いなどの要素から、20素子からそれ以上の高性能型である八木式アンテナの受信性能には及ばない点となります。
そのためユニコーンアンテナも強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では受信性能の不足により設置できないケースもございます。

他にも2023年現在の最新モデルであるため、地デジアンテナでは本体価格や設置費用がもっとも高価格になる。また純和風建築など住宅の様式によっては、アンテナ本体のデザインがマッチせず外観性を崩すこともある、などのデメリットもございます。

当あさひアンテナでは現在、アンテナ本体や設置具などの基本部材費をセットにした、ユニコーンアンテナの基本設置工事を、業界最安に挑戦するキャンペーン価格でご案内しております。詳しくは弊社フリーダイヤルかメールフォーム、LINEなどまで、お気軽にお問い合わせください。

その他、ユニコーンアンテナの特性や、他アンテナモデルとの比較については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

室内アンテナと屋外屋内兼用アンテナ・まとめ

室内アンテナや屋内屋外兼用アンテナは、低価格で設置も手軽と、非常に扱いやすい地デジアンテナになります。ただ一方で、安定して使用できる条件が限られるというデメリットも大きくなります。
基本的にこのようなアンテナモデルは、戸建て住宅で長年にわたって地デジ放送をご視聴になる用途には適さず、簡易的な地デジアンテナとしての利用に向いたモデルになります。

そのためご利用の際には、まずどのような目的で利用するかをよく考慮された上、現場で安定した受信が可能であるかを確認されることも重要となります。

記事本文で申しあげた通り、当あさひアンテナでは、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの高品質モデルも数多くご用意しており、ご自宅の設置現場の電波環境を確認して、安定した地デジ受信が可能となる機種や設置方法をご提案しております。

弊社では電波調査、お見積もりも、出張費、キャンセル費を含めた完全無料でご対応いたします。もし現場で室内アンテナや屋内屋外兼用アンテナの使用が難しい場合も、できる限りお客様のご要望に沿った地デジアンテナ工事をご提案いたします。

実際のアンテナ工事については、弊社モットー「見えないところも綺麗に」に基づき、安定した受信性能はもちろん、外観性や風雨など自然環境への強さ。またアンテナ設置や配線部の丁寧さなど、経験豊富で優れた技術を持つ弊社の職人が、細心の注意を払って、高品質の施工をお約束いたします。

またオプション工事としては、BS/CSアンテナの追加設置。テレビ電波を増幅するブースター。同軸ケーブル(テレビ電波)を各部屋に分配する分配器など、各種オプション工事も、国内一流メーカー製の高品質機器をご用意し、機器の本体代金込みでご提供しておりますので、戸建て住宅の条件および、お客様のご要望に応じたさまざまなアンテナ工事をご提供できます。

さらにアンテナ設置工事の完了後には、業界最長クラスとなる、施工完了日からの「10年保証」もご用意しておりますので、末永くご安心いただけます。

室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナのご利用をはじめ、地デジ、衛星放送の各種テレビアンテナ工事についてのご相談は、まずは当あさひアンテナへとお気軽にお寄せいただければ幸いです。

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アンテナ設置

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。