UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

2023年06月07日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
ご新居にテレビアンテナを新規設置する。また現在の住宅に設置されているアンテナの老朽化による交換や、衛星放送のアンテナを新規設置する場合などには、新しく設置するテレビアンテナの機種を選ぶことが必要となります。

現在、戸建住宅に設置されるテレビアンテナとしては、地デジ放送を受信するための地デジアンテナ、そして衛星放送を受信するためのパラボラアンテナであるBS/CSアンテナに大きく分けられます。この二種類のアンテナの違いは比較的、わかりやすいものですが、特に地デジアンテナでは現在、八木式アンテナデザインアンテナユニコーンアンテナを主とするさまざまな機種が登場しております。

また地デジアンテナについては、特に一部の機種が「UHFアンテナ」と表記されることもございます。このUHFアンテナの呼称は一見、地デジアンテナの別名のようにも思えます。ただ地デジ放送がスタートする以前、アナログ放送の時代にUHFアンテナが使われていたという例もございます。

これからアンテナ機種をお選びになる方にとって、UHFアンテナとは何を指すのか、お悩みの方もおられるのではないでしょうか?

そこで当コラムでは、テレビアンテナにおける「UHFアンテナ」とはどのようなアンテナを指すのか。その名称の意味、定義から、現在の地デジ放送とアナログ放送の時代に使われたUHFアンテナの違い。またアナログ放送時代のUHFアンテナを含め、昔のアンテナを使い続けている場合に生じる問題点や、各アンテナの耐用年数と、交換の目安についてご説明してまいります。

また合わせて、アンテナ端子が昔の古いタイプである場合に交換をおすすめできるケースや、その種類、方法などもご説明いたします。

UHFアンテナとは地デジアンテナはどう違うのか?

「UHFアンテナ」を言葉の意味通りにご説明すると、電波の一種である「UHF波(極超短波)」を受信、送信するためのアンテナということになります。「アンテナ」とは元来、電気エネルギーを電磁波の形で空間に放出する、または空間を飛ぶ電磁波を取り入れるためのエネルギー変換器を指し、一般的にはテレビアンテナのように、電波を受信、または送信する装置として使われています。

そして電波とは「電磁波」の一種です。電磁波とは電場と磁場の影響を受けながら、光の速さで空間を伝搬する波(波動)のことをいいます。電波などの説明によく使われる「周波数」とは、単位時間(電波の場合は1秒)の間に電磁波の波長が繰り返される回数のことですが、電磁波のうち、この周波数帯が比較的、低いものが電波とされております。日本の電波法をはじめ、一般的には3㎔(テラヘルツ)、すなわち3,000,000MHz(300万メガヘルツ)以下の周波数になる電磁波が「電波」と定義されています。

ちなみに電波以上に周波数が高い電磁波は、周波数が低い順に赤外線、可視光線、紫外線などの光。そしてⅩ線やガンマ線などの放射線になります。そのため電波も周波数が低いほど広がりやすく、障害物があってもその向こう側に回りこみやすく、薄い壁などは通り抜けるため、遠くに届きやすい。一方で電波に乗せられる情報量は低いという音に近い性質。周波数が高くなると、直進性が強くなり、障害物に当たると遮られて向こう側に回り込みにくい。一方で乗せられる情報力は多いという、光に近い性質になります。

UHF波とは「Ultra High Frequency」の略で、電波の中でも300MHzから3GHzの周波数のものを指します。またその波長は10センチから1メートル程度で、デシメートル波とも呼ばれます。

そして現在の地デジ放送(地上デジタル放送)は、東京都墨田区押上にある東京スカイツリーをはじめ、日本国内の主な地域に設置された大型の送信所。また地形や距離などによって送信所からの電波が届かないエリアをカバーするため、日本各地に数多く設置された大小の中継局などの地デジ電波塔によって、国内のほぼ全域に地デジ電波を送信している地上波放送(地上から放送電波を発信する放送形式)のテレビ放送です。現在の地デジ放送では、UHF波のうち470MHzから710MHzまでの周波数帯を使用しており、その波長はおよそ40センチから60センチ程度の長さになります。

UHF波は電波の中では比較的、周波数帯が高い電波になるため、主に短距離間の通信に利用されます。一方で波長の短さからアンテナを小型化できるため、移動通信に適しております。現在、地デジ放送以外にUHF波が利用される主な用途は、軍用の航空無線や無線航法。スマートフォンを含む携帯電話やPHS。無線LAN。無線ネットワークであるXGP、モバイルWiMAX。アマチュア無線。非接触型ICカードなどに利用されるRFID。デジタル簡易無線などです。

そのため、現在の地デジ電波を受信するためのテレビアンテナは、どのような機種、モデルもすべて「UHFアンテナ」になります。

現在のテレビアンテナで、UHFアンテナと言えば、地デジアンテナのことだと考えて問題はございません。ただ地デジ化される以前、2011年まで放送されていたアナログ放送では、放送されるチャンネルによって、UHF波と、UHF波よりやや周波数帯が低いVHF波(超短波)が使用されております。

そのためアナログ放送時代には、VHF波を受信する主なテレビアンテナであるVHFアンテナだけでなく、UHF波を受信するための、現在の地デジアンテナと同じUHFアンテナが設置されることもございました。

つまりUHFアンテナとは、UHF波を受信、送信するためのアンテナの総称であり、現在のUHF波を使用する地デジ放送用アンテナもすべてUHFアンテナに含まれますが、地デジアンテナよりも広い概念ということになります。

これらテレビアンテナとしてのUHFアンテナの種類については、以下の項で詳しく解説いたします。また地デジ電波の性質については、下記の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

UHFテレビアンテナ「地デジアンテナ」

上記のように、現在の地デジ放送にはUHF波が使用されているため、受信用のテレビアンテナはすべてUHFアンテナになります。

そのため現在、地デジ放送関係やアンテナメーカー、工事業者などのホームページ、家電製品の通販サイトなどで「UHFアンテナ」と表記されるものは、すべて地デジアンテナのことだと考えて問題はございません。

現在の地デジ放送に使用されるUHF波は、アナログ放送時代の主なテレビ電波であったVHF波に比べると波長が短くなっているため、アンテナの小型化が実現し、アナログ放送用には存在しなかったさまざまなアンテナ機種も登場しております。

現在の地デジアンテナの主な機種には「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」と、やや簡易的な「室内用アンテナ」「屋外屋内兼用アンテナ」がございます。各アンテナ機種には、強・中・弱の電界地域など、対応できる地デジ電波レベルのエリアの他、受信性能や外観性、対候性などの特徴があり、設置する現場の条件と、使用する方のご希望によって機種が選ばれます。

地デジアンテナをはじめとするテレビアンテナには、特定の方向(アンテナの正面側)のみで受信性能が高まる「指向性」があるため、アンテナの正面側を、地デジ中継局や建物などに反射した地デジ電波(反射波)など、電波が届く方向へと正確に向けて設置する必要がございます。

この指向性が高いアンテナほど、正面側での受信性能が高まってまいります。また指向性には地デジ電波以外の余計な電波をカットするというメリットもございます。また地デジアンテナの中には特殊なモデルとして、ほとんど指向性のないドーム状の機種などもあり、主に強電界地域で使用され、複数の方向からの地デジ電波をキャッチできるというメリットもございます。

このアンテナの指向性および、地デジ電波は高層建築物などの障害物によって遮られやすい性質から、地デジアンテナの設置位置は、360度の方向へと角度調整が行いやすく、周辺の障害物にも影響されにくい。またやはり人工衛星の方向(東経110度)へ正確に角度調整する必要があるBS/CSアンテナも同じ場所に設置しやすい、といった利点から、主に屋根の上などの高所に設置されます。

ただ現場の電波状態や周辺環境などの条件によっては、住宅でも地デジ電波が届く方向の壁面やベランダ、さらには屋根裏空間などの屋内に設置できることもございます。

また現在の地デジアンテナには「ローチャンネル用」という機種も存在します。地デジ放送のUHF帯の電波は、470MHzから710MHzの周波数帯を、6MHzずつのチャンネル(channel)に分け、全部で13chから52chまでのチャンネルを、各放送局(テレビ局)へと割り当てております。この割り当てられた周波数帯を数字化したものが、いわゆる各地域におけるNHK、民間放送局などテレビ局の「チャンネル」であり「物理チャンネル」と呼ばれます。

しかし実際の地デジ放送で使用されるチャンネルは各エリアで異なり、一部エリアを除く日本国内のほとんどのエリアでは、使用されるチャンネルは13chから36chまでになります。この地デジ電波の中でも、周波数帯が低いチャンネルをローチャンネル帯といいます。

そしてローチャンネル用アンテナとは、このローチャンネル帯に特化した地デジアンテナのことです。

ローチャンネル帯のアンテナは、同じ地デジ電波でも、それ以上のチャンネル帯はまったく受信できない半面、ローチャンネルに限っては、すべてのチャンネルを受信できる地デジアンテナ(オールチャンネルアンテナ)に比べて、受信性能(動作利得)が高くなるのです。

地デジ放送でローチャンネル帯しか使用されていないエリアでは、例えば同じ八木式アンテナでも、20素子相当のオールチャンネルアンテナと、14素子のローチャンネル用アンテナでほとんど受信性能が変わらないか、ローチャンネル用アンテナのほうがやや高くなることもございます。特に八木式アンテナでは素子数を少なくすることでより小型化でき、風雨などの影響も抑えられるため、アンテナ寿命が長くなるというメリットもございます。

したがって地デジ電波にローチャンネル帯しか使用されていないエリアでは、ローチャンネル用のアンテナがおすすめと申せますが、アンテナ機種を選択する際には、まずお住まいの地域の地デジ電波で、使用されているチャンネル帯を確認される必要がございます。

他にも、45chから62chの地デジ電波受信に特化した「ハイチャンネルアンテナ」が販売されております。また一般的に販売されているローチャンネル用アンテナは、主に13chから34chに対応しておりますが、モデルによっては上限が32chから36chのものもございます。

また地デジアンテナには「水平偏波対応」「垂直偏波対応」「水平・垂直偏波対応」のモデルがございます。この水平偏波、垂直偏波は、地デジ電波を発信する電波塔によって、電波の波長の角度が異なるというものです。

大半の電波塔では、地上に対して水平に波長を描く「水平偏波」が使用されておりますが、一部のエリアでは、同じUHF帯を使用する携帯端末などの電波と入り混じり、電波障害の原因となる「混信」を避けるため、地上に対して垂直の波長になる「垂直偏波」が使用されるのです。この地デジの水平偏波と垂直偏波には、波長の角度以外の、放送内容や周波数などの違いはございません。

そして地デジアンテナの側も、設置方法や機種で、この水平偏波、垂直偏波に合わせることが必要となります。

八木式アンテナの場合は、設置角度を90度、傾けることで、水平偏波、垂直偏波の双方に対応可能です。デザインアンテナの場合も、基本的には設置角度を90度傾けることで双方の電波に対応可能ですが、デザインアンテナの特徴である外観性や、電波の方向に向けた際優への角度調整に問題が出るため、同じメーカーのほぼ同一機種でも水平偏波用と垂直偏波用の異なるモデルが存在することもございます。

ユニコーンアンテナは、2023年現在、垂直偏波用の機種しか存在しません。

なお、地デジアンテナ(UHFアンテナ)の指向性やその受信性能を決める素子数、動作利得。また水平偏波と垂直偏波については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

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UHFテレビアンテナ「アナログ放送時代の地方局用UHFアンテナ」

現在の地デジ放送は、1953年(昭和28年)に放送がスタートして以降、日本の主なテレビ放送(地上波テレビ放送)であった「アナログ放送」からの転換を目的に、2003年(平成15年)12月1日正午に導入され、アナログ放送と地デジ放送が並行(放送チャンネルや内容はどちらも同じ)する移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日の正午にアナログ放送が停波(放送終了)したことで、完全移行された地上波テレビ放送です。

アナログ放送の時代は、映像信号をそのまま電波の波長に変換して送信していました。しかしデジタル放送では、映像信号を「0」と「1」のデジタル信号へと変換して送信することで、電波に乗せる情報量を大幅に圧縮することが可能になったのです。

そのためアナログ放送の時代に比べると、使用する電波の周波数帯を大幅に削減し、それでいて大容量の情報を送信することを実現しました。これにより地デジ放送では、テレビ映像のフルハイビジョン(2K、FHD)化。またデータ放送や双方向性、録画機器によるコピー回数の制限など、アナログ放送時代には考えられなかった多くの新機能が追加されております。

この地上波テレビ放送の転換は、当時、世界的にアナログからデジタル技術への転換が進んでいたことに加え、携帯電話が急激に普及したことなどによって電波の周波数帯に対する需要が高まり、アナログテレビ放送による使用が大半を占めていた周波数帯を大幅に削減する必要が出た。またデジタル技術によるテレビ番組の著作権保護なども重視されるようになったためです。

そしてアナログ放送の時代には、前述のように放送用電波として、VHF波とUHF波の二種類が使われておりました。

正確には、NHK、広域民放にはVHF波のうち90MHzから108MHzのローバンド、および170MHzから222MHzのハイバンドの周波数帯。東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビ(チバテレ)、兵庫県のサンテレビジョン(SUN-TV)など、日本でも一部の都府県に存在し、その都府県と周辺エリアに向けて、独立したチャンネルと内容で放送を行う独立放送局の地方チャンネルはUHF波のうち。470MHzから770MHzの周波数帯が使用されていたのです。

そのためアナログ放送の時代は、NHKや広域民放を受信するための主なテレビアンテナであるVHFアンテナとは別に、独立放送局が存在するエリアでは、地方チャンネルを視聴するためのUHFアンテナを設置する必要がございました。

アナログ放送時代のテレビアンテナは、基本的に八木式アンテナ一種類のみで、大半が屋根の上のマストに設置されていました。当時のVHFアンテナはVHFの波長の幅に合わせて、大きさが1メートル以上とやや大型で、形状も骨組みを地面から平行に、平べったく組み合わせたものでした。UHFアンテナは現在の地デジアンテナである八木式アンテナと形状にほとんど違いはなく、基本的にはマストの先端にUHFアンテナが、そのやや下部にVHFアンテナが設置されるという形でした。

そしてアナログ放送から地デジ放送への転換にあたって、アナログ放送用のVHFアンテナのみを設置している現場の場合は、新しくUHF用の地デジアンテナを設置する必要がございました。しかし地方チャンネルを受信できるエリアで、VHFアンテナとUHFアンテナの双方が設置されている現場では多くの場合、アナログ放送用のUHFアンテナを、そのまま地デジ用UHFアンテナに転用できたため、アナログ放送時代のアンテナを使用し続けているケースが多く見られます。

ちなみにアナログ放送時代のVHFアンテナについては、現在ではテレビ受信用のアンテナとしては使用できませんが、FMラジオ受信用のアンテナとして利用されているケースもございます。

ただしアナログ放送当時のUHFアンテナは、現在では老朽化をはじめ、条件によっては電波障害が発生する可能性もあるため、できればお早めに現在の地デジアンテナへと交換されることがおすすめです。この点について、詳しくは以下の項でご説明いたします。

アナログ放送時代のUHFアンテナで考えられるトラブルとは?

前述のように、アナログ放送時代に設置された地方チャンネル用のUHFアンテナ(八木式アンテナ)が、現在でも地デジアンテナとして使用されているケースは、意外と多く見られます。ただアナログ放送が終了した2011年から数えて、現在(2023年)ではすでに12年と、一般的な八木式アンテナの耐用年数である10年をすぎていることになります。

加えてアナログ放送時代のアンテナであることを考えると、少なくとも2003年以前に設置されたことになり、最低でも20年以上。場合によっては30年、40年以上前のアンテナであることも考えらえます。

したがってアンテナ本体や、アンテナを立てているマストや屋根馬、固定するワイヤーなどにも、相当の老朽化が予想されます。このようなアンテナの場合、突然の故障により地デジ電波が受信できなくなるだけでなく、台風や地震といった災害の際に、アンテナが大きく傾く。さらにはマストや屋根馬ごと倒壊する。屋根から落下するといった事故も考えられます。

特にアナログ放送時代のテレビアンテナであれば、同じマストにUHFアンテナと、より大型のVHFアンテナがセットで設置されています。また古いアンテナは、素材などが改良された現在のものより重量があり、防錆性能などの耐久性も低いことが多くなります。このようなアンテナが屋根から落下した場合には、重大な人身事故、物損事故などのリスクも考えられます。

もうひとつ、アナログ放送時代のUHFアンテナで考えられるトラブルが「700MHz電波障害」です。

前述のように、アナログ放送から地デジへの転換が行われた大きな理由のひとつが、急激に普及した携帯電話などの通信のため、テレビ電波に使用されていた電波の周波数帯を圧縮することでした。地デジ化により、アナログ放送時代のVHF波は使用されなくなった他、使用されるUHF波の周波数帯も、アナログ時代の470MHzから770MHzの範囲に対し、470MHzから710MHzまでと、やや圧縮されました。

そして削減された周波数帯のうち、UHF波の700MHz帯が、近年、スマートフォン用の電波として本格的に利用されるようになりました。

ここでいう700MHz帯とは、正確には710MHzから803MHzの周波数帯のことです。この帯域を含む700MHzから900MHzの周波数帯は「プラチナバンド」「ゴールデンバンド」と呼ばれ、携帯端末での通信に適した周波数帯になります。特に700MHz帯は雨などの悪天候や、高層建築物などの障害物にもより強く、携帯端末用の電波としてより優れた周波数帯になります。

現在の地デジアンテナ用に生産されたUHFアンテナであれば、受信できる電波はUHF波の470MHzから710MHzに限られるため、スマートフォンに使われる710MHz以上の周波数帯に反応することはございません。しかしアナログ放送時代のUHFアンテナでは、770MHzまでの電波を受信する性能があるため、アンテナの付近に710MHzから770MHzまでの周波数帯を利用する携帯電話の基地局などがあると、テレビアンテナはこの電波を受信してしまうのです。

さらに現在の戸建て住宅などに設置されるテレビアンテナには、ほとんどの場合、アンテナのすぐ近くに「ブースター」という機器が設置されます。ブースターとは増幅器のことで、テレビアンテナが受信した放送電波を、その住宅などで必要なレベルにまで増幅する装置のことです。主に中電界地域から弱電界地域など、受信できる地デジ電波が弱いエリアで設置される機器ですが、強電界地域などでも屋内に設置されるテレビ機器が三台以上の場合は、各テレビに十分なレベルの電波を送るためにブースターが必要となり、現在の戸建住宅では現実的に設置がほぼ必須と言える機器です。

しかしこのブースターは、地デジや衛星放送のテレビ電波だけでなく、そこに入り混じるノイズ(無関係な電波)も増幅してしまう性質がございます。地デジ放送では、電波に乗せて送信する映像信号をデジタル化しているため、電波に多少のノイズ、信号のエラーが混じっても、受信したチューナーの側で修復することが可能です、しかしノイズの量が大きすぎると、修復できるレベルを越えてしまい、地デジ放送のテレビ画面に乱れが生じてまいります。

そしてアナログ放送時代のUHFアンテナおよびブースターをそのまま地デジアンテナとして流用しており、スマートフォン基地局の700MHz帯の電波を受信してしまった場合、ブースターによってノイズになるこの電波が増幅されることで、地デジのテレビ映像が乱れる電波障害が発生するのです。これを「700MHz電波障害(通信障害)」といいます。

この700MHz電波障害は、アナログ放送時代のUHFアンテナが、地デジ電波以外の余計な電波を受信し、ブースターがそれを増幅することで発生するものです。したがってこの電波障害が発生した場合に、復旧、または防止する方法は、700MHz帯の電波を受信しない現在の地デジ用UHFアンテナに交換する。または現状のUHFアンテナやブースターに、700MHz帯の電波を受信しない、増幅しない処置をほどこすといった方法がございます。

具体的には、アナログ放送対応の古いブースターを、現在の地デジ放送に対応する「DHマーク710(デジタルハイビジョン受信マーク710)」が付与された、700MHz帯を増幅しない新式のものへと交換する。またはUHFアンテナに、710MHz以上の電波をカットする「フィルター」と呼ばれる装置を設置する、といった方法になります。

またこの700MHz電波障害については、特に発生が考えられるエリアにおいて「700MHz利用推進協会」を名乗る団体が、ご自宅のポストに案内のチラシを入れる。また対策員がご自宅を訪問するなどの場合もございます。

この「700MHz利用推進協会」とは、700MHz帯の基地局を使用する主な携帯キャリア会社が、合同で設立した非営利団体です。

民法709条には「原因者負担の原則」というものがございます。これは公害による環境汚染などで被害が生じた場合には、その被害を解消するための費用を、その原因となった企業などが負担するという原則です。

この原因者負担の原則は700MHz電波障害にも適用されるため、スマートフォンの基地局によって周辺の住宅などに700MHz電波障害が発生した場合には、その原因となった携帯キャリア会社(この場合は各社の合同による700MHz利用推進協会)が、すべての費用などを負担して、電波障害を解消する責任が生じるのです。

700MHz利用推進協会が行う具体的な工事は、主に古いブースターを「DHマーク710」のついた機器に交換するものですが、現場の条件などによっては、UHFアンテナにフィルターを設置することがございます。またこれらの工事により発生する費用は、全額が協会の負担となり、工事を受ける側では1円たりとも負担する必要はございません。

もし同協会のチラシが配布されているエリア内において、アナログ放送時代のUHFアンテナを使用している住宅で、地デジ放送に電波障害と思われる画面の乱れなどが発生した場合には、同協会のコールセンター(フリーダイヤル:0120-700-012)にご相談ください。受付は年中無休で、9:00から21:00までになります。

ただ同協会とは無関係の団体が、協会を装ってご自宅を訪問し、不必要な機器を販売するなどの詐欺が行われているとの報告もございますので、協会の対策員を名乗る人物がご自宅を訪問した場合には、きちんと身分証明を確認するなど、なにとぞご注意ください。

なおご自宅の屋根の上にあるテレビアンテナ(八木式アンテナ)の設置時期や、アナログ放送時代のものか、地デジ対応アンテナであるかが不明な場合は、まずアンテナ本体の外観をご確認ください。

そして上記の通り、マストの先端に、現在の地デジ用である八木式アンテナとさほど違いのない。矢印型に短い横棒がいくつもついた魚の骨のような八木式アンテナ(UHFアンテナ)があり、その下にやや大型で、中心の支柱からほぼ左右対称の骨組みがいくつも突き出す形の、平べったい八木式アンテナ(VHFアンテナ)が設置されている場合は、アナログ放送時代のアンテナであると考えられます。

もしアナログ放送の時代のUHF、VHFアンテナだと思われる場合は、同時にアンテナ本体やマスト、屋根馬などのサビや破損、またアンテナを四方から固定するワイヤーのゆるみなどもご確認の上、老朽化など状態の悪化が見て取れる場合は、現行の各種地デジアンテナへと、お早めに交換されることをおすすめいたします。

なお現在、戸建住宅の屋外に設置される主な地デジアンテナ(UHFアンテナ)機種については、以下の項でご説明いたします。

またアナログ放送時代のUHF、VHFアンテナや、700MHz電波障害、ブースター、アンテナの老朽化などについては、以下の各コラムでも詳しくご説明しておりますので、そちらもご確認ください。

・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

・「700MHz電波障害」とは何か?

・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法

・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】

・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(前編・原因と対処)

・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(後編・修理と対策)

・地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!

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地デジ用UHFアンテナ「八木式アンテナ」とは?

ここまでの項でもご説明いたしましたが、八木式アンテナとは、アナログ放送時代からVHFアンテナ、UHFアンテナとして使用される、骨組みのような形状の古典的なテレビアンテナです。八木式アンテナとは、その開発者、特許取得者であるである八木秀次博士に由来する名称ですが、アナログ放送の時代はテレビアンテナと言えば、ほぼすべてが八木式アンテナであったため、単に(VHF、UHF)テレビアンテナという呼称が一般的でした。また現在では実質的に開発を主導した宇田新太郎博士の名前も含め、正式には八木・宇田アンテナと呼ばれる他、指向性短波アンテナなどの別名もございます。

前述のように現在の地デジアンテナであるUHFアンテナの八木式アンテナは、矢印型の骨組みに短い横棒である「素子(エレメント)」がいくつもついた形状から、よく魚の骨に例えられます。

テレビアンテナとしての八木式アンテナの基本的な設置方法は屋根の上に「屋根馬」というマスト(支柱、ポール)を立てる器具を置き、マストの先にアンテナ本体を取り付けて、四方から支線(ワイヤー)で固定するというものです。

他にも「サイドベース」という設置具を用いて、住宅の破風板(屋根の張り出し部)や壁面、ベランダの手すりなどにも設置できる他、ベランダ内側への設置や、軒先やベランダの屋根から吊り下げる形の設置方法もございます。

地デジアンテナとしての八木式アンテナの特徴は、モデルによって地デジ電波を受信するパーツである素子の数(受信性能)を調整できること。また素子が露出した「素子アンテナ」であること。主な設置位置が周辺の障害物に影響されにくい高所であることから、地デジアンテナ機種の中では、もっとも高い受信性能を誇ることです。

通常型の八木式アンテナは、主に8素子、14素子、20素子などがあり、強・中・弱の各電界地域に対応できる他、Ⅹ字型の固定具に複数の素子パーツを取り付けた高性能素子を使用し、27素子、30素子などの多素子モデルもある高性能モデル、パラスタックアンテナでは、通常の八木式アンテナの3倍から4倍程度の受信性能を誇り、地デジ電波が非常に弱い地域でも受信が可能になります。また5素子程度のパラスタックアンテナでは、通常の八木式アンテナと変わらない受信性能で、アンテナ本体の小型化も実現できます。

他にも、設計がシンプルな古典的アンテナで、製造や設置の方法が確立しているため、アンテナの本体価格、設置費用がもっとも低価格であるというメリットもございます。

一般的な20素子八木式アンテナの実売価格は4,000円程度からになり、業者に設置を依頼した場合は、アンテナ本体や設置具、基本的な配線などをセットにした、屋根の上への設置で、15,000円から25,000円程度の設置費用になります。

一方、地デジ用の八木式アンテナがもつデメリットとしては、屋根の上への設置では住宅の見た目や景観などを乱してしまう点。風雨や雪、海沿いの潮風などの自然環境に影響されやすく、老朽化の進行で耐用年数(寿命)が短くなり、トラブルも起こりやすくなる点などです。

一般的な八木式アンテナの耐用年数は、自然環境や設置位置にもよりますが、10年程度とされております。また自然環境の厳しいエリアでは、現場に適した対候性を高める加工を施した雪害用、塩害用などのモデルを使用することで、一定の寿命を確保することができます。近年の最新型モデルである八木式アンテナでは軽量化や表面加工などが進歩し、寿命が15年程度になるケースもございます。

なおアナログ放送時代のUHFアンテナではなく、地デジ用の八木式アンテナであっても、地デジ放送がスタートした初期、2003年近くに設置された八木式アンテナでは、2023年現在で設置からすでに20年近くになるため、老朽化が予想されます。

該当するアンテナをご使用の住宅では、まずアンテナの状態をご確認、メンテナンスなどを行った上で、老朽化が進んでいる場合はアンテナの交換を行ったほうがよろしいでしょう。

八木式アンテナについての詳細は、以下の各ごラムでもご説明しております。

・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

地デジ用UHFアンテナ「デザインアンテナ」とは?

デザインアンテナとは、アナログ放送から地デジ放送へ転換期の後半、2009年(平成21年)頃より急速に普及しはじめた地デジアンテナ機種の第2世代です。その形状は、アンテナの機器部分を主に長方形で薄型のケースに収めたものです。

同モデルでもカラーバリエーションが豊富という特徴もあり、その形状や設置位置から、平面アンテナ、壁面アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどとも呼ばれます。またデザインアンテナとは、平面型だけでなく、後述するユニコーンアンテナなどを含め、外観性に配慮した地デジアンテナの総称として使われることもございます。

デザインアンテナの主な設置位置は、住宅の壁面に設置具をビスで固定する、またベランダの手すり部に固定具を取り付けて、アンテナ本体をはめ込むという方法になります。他にも屋根の上などのマストに設置されることもある他、現場の電波状態や周辺環境、住宅の建材などの条件が整っていれば、屋根裏空間など屋内への設置も可能です。

デザインアンテナは形状や主な設置位置などから、住宅の見た目や景観を乱さない点。さらに風雨や雪などにも影響されにくく老朽化が進みにくいため、寿命が長くなりトラブルも抑えられる点などのメリットから、現在では人気ナンバーワンの地デジアンテナ機種です。

ただ受信性能については、素子アンテナ(八木式アンテナ)を基準にした性能で、主に20素子相当、26素子相当の二種類になります。また素子が隠れたアンテナであるため、八木式アンテナの同素子モデルに比べると、受信性能が微妙に低くなります。

そのため、基本的にデザインアンテナは強電界地域から中電界地域向けの機種となります。この受信性能を補完するために、ブースター内蔵型などのモデルも存在しますが、八木式アンテナに比べると主な設置位置が低くなることもあり、高層建築物の近隣や住宅密集地など、地デジ電波が遮られやすい周辺環境では、十分な地デジ電波が受信できないため、設置不可能となるケースもございます。

また強電界地域であれば、通常のデザインアンテナより受信性能は低いものの、大幅な小型化を実現し、室内の窓際などにも設置可能な、屋外屋内兼用のコンパクトモデルも使用できます。

デザインアンテナの実売価格は、通常の20素子相当で6,000円程度からと、八木式アンテナに比べるとやや割高になります。

またその設置費用も、通常の20素子相当モデルで、アンテナ本体や基本の設置機材などをセットにした壁面、ベランダなどへの基本設置工事で、20,000円から30,000円程度の費用となります。

なおデザインアンテナの耐用年数は、やはり設置位置や周辺環境によっても変動しますが、15年から20年程度と考えられております。

そのため2023年現在で、寿命を迎えることは少ないものの、初期に設置されたものでは、設置から13年前後が過ぎており、やや寿命が近いと言えます。設置時期が古いデザインアンテナでは、やはり状態確認やメンテナンスを行われることがおすすめです。

また設置時期が早い初期のデザインアンテナは、現在のモデルに比べると受信性能がやや低いケースもあり、場合によってはお早めに交換されるのも選択肢のひとつといえます。

デザインアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)

地デジ用UHFアンテナ「ユニコーンアンテナ」とは?

ユニコーンアンテナとは2017年(平成29年)に、日本三大アンテナメーカーの一社「マスプロ電工」社が発売した、地デジアンテナの第三世代で、2023年現在の最新モデルになります。アンテナ本体の形状はスタイリッシュな円筒形で、マストの先に立てる形になり、ツヤの少ない落ち着いた色合いになる、ウォームホワイトとブラックブロンズの2種類のカラーバリエーションが存在します。

住宅への設置方法は、八木式アンテナと同じく、屋根の上に屋根馬を固定して立てる。また屋根の上への設置が難しい場合は、サイドベースによって屋根の張り出し部である破風板や壁面の高所など、屋根の上に近い位置に立てる形になります。

ユニコーンアンテナは現在、マスプロ電工製の「U2CN(WW/BB)」のみで、名称も同社の登録商標ですが、他にポール型アンテナと呼ばれることもございます。

そのメリットは、優れたデザインで住宅の外観や景観を乱さない点。風雨などを受け流す形状でダメージを受けにくく耐用年数が長くなる点。そして設置位置を高く取れることで、受信感度を確保しやすい点です。

ユニコーンアンテナの受信性能は20素子相当のみで、素子が隠れていることから、やはり同素子数の八木式アンテナに比べると受信感度はわずかに低くなります。そのため基本的には、強電界地域から中電界地域向きの機種となります。

ただ設置位置が高くなるため、周辺の高層建築物や住宅密集地といった、地デジ電波を遮断する環境に影響されにくくなるため、中電界地域以上のエリアながら周辺環境の影響からデザインアンテナが設置できない現場でも、ユニコーンアンテナでは地デジ受信が可能となり、設置できるケースが多くなります。

総合的に、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを兼ね備えているユニコーンアンテナですが、デメリットとしては弱電界地域では使用できないことが多くなる点。また最新モデルであるため、地デジアンテナでは本体価格や設置工事費用がもっとも高額である点が挙げられます。

ユニコーンアンテナの実売価格は店舗によっても異なりますが、現在では8,000円から10,000円強程度となります。また業者に設置を依頼した場合は、アンテナ本体や基本的な設置具などを含め、最小限の配線を行う基本設置工事で、33,000円から40,000円程度の工事費用になります。

ユニコーンアンテナの耐用年数は、最新機種であるためデータは少ないものの、おおよそデザインアンテナと同じく、15年から20年程度と考えられております。そのため2023年現在で、設置されたユニコーンアンテナが寿命を迎えるケースは、ほとんど考えられません。

ただ今後、使用し続けるについては、適切な時期に本体の状態を確認、メンテナンスなども行うことが、よりアンテナ寿命を長く保つためにはおすすめといえます。

ユニコーンアンテナの詳細については、以下の各コラム記事もご確認ください。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

テレビアンテナの種類によってケーブルやアンテナ端子の交換は必要?

基本的に、住宅などに設置されたテレビアンテナから、各部屋のテレビ機器までを接続するアンテナケーブル(同軸ケーブル)の配線、および配線部に設置されるブースター、分配器などの機器。またアンテナコンセント部のアンテナ端子などは、送信される電波の周波数に適したものが必要となります。

ただアナログ放送時代のUHFアンテナを地デジアンテナへと流用するにあたっては、前述した700MHz電波障害への対策を除いては、アンテナケーブルやアンテナ端子、その他機器などの交換を行う必要はございませんでした。

これは、地デジ放送に使用されるUHF波の周波数帯が、アナログ放送時代に使用されたUHFおよびVHFの周波数帯の範疇に含まれるため、アンテナケーブルや配線部の機器類も、そのままで十分、地デジ電波に対応できたためです。

アナログ放送時代や地デジ放送対応の古い配線部を使用している場合に問題が生じやすいのは、地デジ放送だけでなく、BS/CSアンテナを設置して、衛星放送も受信する場合になります。

これは地デジ放送の電波が、前述のようにUHF帯で470MHzから710MHzの周波数帯になるのに対し、従来の2K放送であるBS放送、CS放送の衛星放送は、人工衛星から送信される12GHz帯の電波をBS/CSアンテナで受信し、コンバーターで適切な周波数帯に変換してケーブルに送信される時点での周波数帯が、1032MHzから2072MHzになるためです。

現在、住宅などに設置されるアンテナ配線部のケーブルや機器は、ほとんどがこの2K衛星放送の周波数帯に対応できるものになっております。ただ2018年(平成30年に)に、従来のBS放送、CS放送に4K、8Kのチャンネルを追加する形で放送を開始した「新4K8K衛星放送」では、ケーブルで送信される周波数帯がより高くなっております。

これは従来の2K衛星放送で、人工衛星からの送信に使われていた電波「右旋円偏波」では、追加される4K、8Kチャンネルに割り当てられる周波数帯が不足したためです。そこで右旋の電波で使用できる周波数帯には、BSのNHK、広域民放の無料4Kチャンネルを割り当て、それ以外の4K8Kチャンネルには、新しく「左旋円偏波」という電波を導入し、その周波数帯に割り当てたのです。

そしてこの左旋円偏波は、BS/CSアンテナのコンバーターで変換された際に、2224MHzから3224MHzのより高周波数帯になります。

電波は高周波数帯になるほど、ケーブルで送信する際の減衰(電波レベルの弱まり)が大きくなる他、接続部などでの電波の漏洩などが起こりやすくなります。そのため新4K8K衛星放送のすべてのチャンネルをご視聴いただくためには、使用しているBS/CSアンテナが古い2K対応型の場合は、現在の2K4K8K対応型アンテナに交換しなければならない他、アンテナ配線部のケーブルや機器も、3224MHzなどまでの周波数帯に対応できる4K8K(3224MHz)対応型のものに交換する必要がございます。

また特に新4K8K衛星放送をご視聴になる場合には、アンテナ端子や接続プラグなども、接続部を完全に覆う形で電波の流出や混入を防ぐ「高シールド仕様」の製品を使用する必要がございます。そしてこの高シールド仕様の端子を使用するためには、ご自宅にあるアンテナコンセントの端子部分を交換する必要が出るケースもございます。

現在の最新型であるアンテナ端子は「F型端子」になります。これはケーブルの接続部がネジ切りのついた円筒形で、中央部にケーブルの中心線を通す小さな穴が開いた接続端子になります。この端子に、4K8K対応型で「SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)」または「HSマーク(ハイシールドマーク)」がついたケーブルなどの製品を使用すれば、端子部からの電波の漏洩、混入の心配はまずなくなります。

またF型端子より少し古いタイプの端子として、ほぼ同じ形ながらネジ切りがなく、なめらかな形の「プッシュ端子」もございます。プッシュ端子用のアンテナケーブルにも、4K8K放送に対応できる高シールド仕様のものがあり、4K8K放送のご視聴について特に問題はございませんが、確実性を重んじるのであれば、F型端子の交換も選択肢のひとつといえます。

ただそれ以前の、アナログ放送時代のアンテナ端子で、アンテナケーブルの先端を、芯線が露出する形に加工して接続する「同軸直付端子」や、さらに古いもので、現在の同軸ケーブルではなく、フィーダー線(メガネ線)というケーブルに対応する「フィーダー端子」などでは、4K8K放送だけでなく、2Kの衛星放送や地デジ放送に関しても電波の漏洩や混入が起こりやすいため、早急な交換が必要となります。

これらのアンテナ端子のうち、プッシュ端子からF型端子に交換する場合は、構造がほぼ同じであるため、同型のF型端子を用意することで、ご自宅にてDIYで交換することも可能となります。

具体的な手順としては、まず電源コンセントと一体化しているコンセントでは、安全のためブレーカーを落とし、アンテナコンセントのカバーを、マイナスドライバーなどを使って取り外します。

そして露出したアンテナ端子の取付枠(フレーム)のネジをドライバーでゆるめて、取付枠を外して外に引き出します。次にプッシュ端子の背後に接続されているケーブルを外して、新しいF型端子に接続します。その後、F型端子をフレームにはめ込んで、再度、コンセントに取り付けてネジで固定し、その上にカバーを取り付ければ、作業は完了です。

しかし同軸直付端子やフィーダー端子など、古いアンテナ端子の場合は、現在のアンテナコンセントとは構造が異なる他、ケーブルそのものも衛星放送などに対応できない古いタイプである可能性もございます。

そのためご自宅でのDIY作業や、新4K8K衛星放送などへの対応は難しいことも考えられます。この場合、交換などの方法については、アンテナ工事の専門業者へとご相談ください。なお新4K8K衛星放送に対応できる機器やご視聴の方法、アンテナコンセント、アンテナ端子などの詳細については、以下の各コラム記事をご確認ください。

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!

・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

・「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?

・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!

・部屋にあるテレビアンテナ用コンセントの交換、増設方法は? 工事の方法から耐用年数、端子の種類まで徹底解説!

・古いテレビアンテナやアンテナ端子は交換するべき? 交換が必要な条件や方法を解説!

・住宅の部屋にテレビコンセント(アンテナコンセント)を増設する工事の方法は? 設置されるアンテナ用端子の種類も解説

・テレビアンテナの配線を自分でDIY設置できる? 取り付け工事に必要な作業と費用を徹底解説!

・戸建住宅におけるテレビアンテナ配線を徹底解説!

UHFアンテナ・まとめ

テレビアンテナにおけるUHFアンテナとは、文字通りUHF波の電波を受信するアンテナになります。したがって現在の地デジアンテナだけでなく、アナログ放送時代のUHFアンテナを設置している住宅でも、地デジの受信について基本的な支障が出ることはございません。

ただ古いUHFアンテナを使用している場合には、アンテナ本体および、配線部の老朽化によるトラブルや電波障害のリスク。また配線部の古さから衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)に対応できないこともあるなど、さまざまなデメリットも考えられます。

なおアンテナの寿命に伴うアンテナ交換工事などについては、以下の各コラム記事も参考になることと存じます。

・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!

・地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットで設置する工事とは? 地デジ用、衛星放送用テレビアンテナの種類とその違いを解説

もしご自宅に設置されているUHFアンテナがアナログ放送時代のもの、または地デジ用のUHFアンテナであっても設置年代が古いなどで、さまざまな不具合が生じている、また不具合が予想される場合には、まずは当あさひアンテナまでご一報ください。

 

当あさひアンテナでは、地デジ、BS/CSアンテナ設置や交換工事では、国産一流メーカーの高性能アンテナをご用意して、アンテナ本体や基本部材の価格をセットにした、業界最安に挑む低価格のアンテナ工事をご提供しております。

もちろんそれ以外の配線部の機器、ケーブル、アンテナ端子などの工事も、明確な価格体系でご用意しており、衛星放送や新4K8K衛星放送など、新しく追加するアンテナのテレビ放送に合わせて、最適となる配線部の設置にもご対応いたします。

また現地に出張しての電波調査やお見積もりは、出張費、キャンセル費なども含めた完全無料。工事後の保証も、業界最長クラスである工事完了日からの「10年保証」のご用意がございます。

古いテレビアンテナの交換、追加設置をはじめ、各種テレビアンテナ工事のご相談は、まずは当あさひアンテナまで、お気軽にお問い合わせいただければ幸いに存じます。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。