BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!
2023年(令和5年)、21世紀の現在。いまではインターネットの発展により、人々はどこにいても、スマートフォンなどの端末を利用することで、音声通話だけでなく、画像や動画を撮影し、その場から世界に発信できます。さらに外出中、どこでも映画やテレビドラマなどの映像コンテンツを楽しむこともできます。
1969年(昭和44年)に連載をスタートし、アニメ版でも長年親しまれ、現在でも声優陣を一新したテレビアニメ版が放送される、いまや国民的人気マンガのひとつ「ドラえもん」の世界では、ポケットからさまざまな未来の道具を出す猫型ロボット、ドラえもんは22世紀の世界からやってきたことになっています。そして情報通信の世界においては、昭和期、「ドラえもん」の世界では夢のような未来の道具だったものが、着実に実現しているといっても過言ではありません。
しかしテレビ放送の世界では、現在でも「ドラえもん」の昭和時代から変わらず、戸建て住宅などのお住まいに地デジ用のテレビアンテナを設置して、テレビ電波を受信するという方法が使われております。その点については、1990年代に普及したBS放送、CS放送などの衛星放送においても、設置されるのが衛星放送用のパラボラアンテナである点を除けば、基本的には変わりません。
現在では、地デジ放送は日本国内のほとんどの世帯に普及しており、また衛星放送の普及率も70パーセントを超えています。ご自宅で地デジ放送だけでなく、BS放送のNHK、広域民放をはじめさまざまな無料チャンネル。さらにはBS放送、CS放送で映画、テレビドラマ、アニメ、時代劇、海外ドラマなど、お好みの有料チャンネルをお楽しみの方も多いのではないでしょうか?
もちろん今日では、衛星放送、地デジ放送の各チャンネルを視聴する方法として、テレビアンテナの他にも、ケーブルテレビ(CATV)、光テレビなどの方法がございます。
しかし現在でも、テレビアンテナを取り付ける方法には、いったん設置すれば、衛星放送の有料チャンネルやNHK視聴料を除けば視聴料金が必要なく、永続的にテレビ放送を無料で視聴できること。さらに設置の後、おおむね十年以上の長期に渡ってテレビ放送を視聴できるという大きなメリットがあります。
そのため特に長年の居住を前提とする戸建て住宅のマイホームなどにおいては、やはりテレビアンテナを取り付けることが、もっともお得なテレビ視聴の方法といえます。
実際に、特に地デジアンテナの場合は、設置してから20年以上にわたって、特に問題もなく、安定してテレビ放送を視聴し続けている例もございます。
ただ現実には、新築戸建て住宅などの屋外に設置されたテレビアンテナは、長年、風雨など自然環境の影響を受けることで、徐々に老朽化が進み、やがては各部の劣化から、テレビ電波を正常に受信できなくなるトラブルが生じて、寿命を迎えることになります。
特に地デジアンテナに比べて、衛星放送を受信するBS/CSアンテナは、受信の仕組みやアンテナ本体の構造などから、地デジアンテナに比べてややアンテナトラブルが生じやすく、寿命も短くなりやすい面があります。
そこで当コラムでは、BS放送用のBS/CSアンテナを中心に、主なテレビアンテナ機種の寿命と交換時期。また衛星放送などテレビアンテナが寿命を迎えた場合に考えられるトラブルや、交換ではなく修理や調整などで対応できるケースを解説します。また経年劣化を抑えて長持ちする各種テレビアンテナのモデルや設置位置なども一覧でご紹介します。
地上デジタル放送と衛星放送の特性の違いとは?
地上デジタル放送、いわゆる地デジ放送と、BS放送、CS放送、また近年スタートした新4K8K衛星放送などの衛星放送では、受信のために必要となるテレビアンテナの種類がまったく異なります。
これは地デジ放送と衛星放送では。電波の発信方法など放送の形式、および使用される電波の種類や性質が大きく異なるためです。
地デジ放送は地上に建てられた電波塔、衛星放送は宇宙空間の人工衛星からテレビ電波を送信していることは、皆様もよくご存知でしょう。ただ地デジ放送と衛星放送では電波の性質も大きく異なり。そのため使用するアンテナの形状や設置方法、そしてトラブルの発生しやすさや、その寿命も大きく変わってくるのです。
ここでは地デジ放送、衛星放送それぞれのアンテナの特徴についてご理解いただくため。まずは地デジと衛星放送の放送形式、電波の性質などの違いについて解説してゆきます。
地デジ放送と衛星放送の放送形式の違いとは?
上記のように地デジ放送では、日本国内に建てられた多くの地デジ電場塔から、その周辺地域に地デジ電波を送信することで、日本国内の大半の地域をカバーしております。
より正確には、日本国内でも、それぞれ異なる地デジ放送のエリアとして区分けされた「広域圏」ごとに、例えば関東広域圏の東京スカイツリーなど、広範なエリアに地デジ電波を送る、広域圏の中心である大規模な電波塔「送信所(基幹局、親局)」と、送信所の周辺で必要な位置に、衛星のような形でいくつも設置され、送信所や他の中継局からの地デジ電波を受信し、電波塔で増幅して周辺に送信する「中継局(サテライト局)」といった地デジ電波塔が設置されております。
地デジ放送は地上の電波塔を用いて、地上の空間を通して電波を送信するため、衛星放送との対比として「地上波放送(地上波テレビ放送)」と呼ばれます。
対して衛星放送とは、地球の赤道軌道上にあたる宇宙空間に位置し、地球の自転に合わせて周回するため、地上から常に空の同じ位置に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、地上の広範囲にテレビなどの放送電波を送信する形式の放送です。
より正確には、衛星放送の電波は、まず地上に設置された放送局から、静止衛星へと送信(アップリンク)されます。静止衛星ではその電波を受け止め、周波数帯を変換、増幅した上で、地上へと送り返す(ダウンリンク)放送を行っています。
なお日本の衛星放送には「BS放送」「CS放送」の違いがありますが、これは放送用の静止衛星が、BS放送は「放送衛星(Broadcast Satellite)」であるのに対し、CS放送は「通信衛星(Communication Satellite)」という違いです。
この違いは、日本の放送法における、人工衛星(静止衛星)の用途の違いからくるものですが、現在ではBS放送、CS放送に大きな違いはなくなっております。
地デジ放送と衛星放送の放送チャンネル(内容)の違いとは?
地デジ放送で視聴できるチャンネルは、一般的にNHK、広域民放、地方チャンネルの三種類になります。
ただ、離れた都道府県への旅行やお引越しの経験がある方ならご存じでしょうが、同じ地上波テレビ局でも放送される内容は地域ごとに異なり、放送局名やチャンネル番号、また番組の編成や内容なども異なる。さらに他の都道府県では観られないチャンネルが存在することもございます。
これは同じNHKや広域民放でも上記した広域圏の地域ごとに放送局が異なり、主な番組内容は同じでも放送日時が異なる場合がある他、ローカル番組や再放送枠などの内容も大きく異なってくるためです。
さらに、例えば東京都の東京MXや千葉県の千葉テレビ(チバテレ)、兵庫県のサンテレビジョン(サンテレビ)など、国内でも一部の都府県(主に三大都市圏)には、各広域民放のネットワークに属さず、その都府県内(および近隣都府県の一部)で受信できる、独立放送局の地方チャンネルも存在します。
なお地デジ放送は、日本国内の不特定多数を対象にしたテレビ放送であり、災害などの非常時には緊急速報を送信する役割を持つため、日本国内では、地デジアンテナの設置や、フルセグ、ワンセグ機器の使用により、NHK受信料を除けば、誰もがすべてのチャンネルを無料で視聴できます。
対して衛星放送では、BS放送、CS放送によって主なチャンネルが異なります。
BS放送も、基本的には地デジ放送と同じく、日本国内の不特定多数を対象にする衛星放送であり、BS/CSアンテナの設置と、BSチューナーを内蔵するテレビなど受信機器の使用により、やはりNHK受信料を除いて、無料チャンネルであれば、誰でも無料で視聴できます。
2023年現在、BS放送の無料チャンネルには公共放送である「NHK BS」と、無料放送である各広域民放の「BS日テレ」「BS朝日」「BS-TBS」「BSテレ東」「BSフジ」。また「BS11」「TwellV(トゥエルビ)」「放送大学」「BS松竹東急」「BSJapanext」「BSよしもと」などが存在します。
またNHKには4K、8Kチャンネルもある他、各広域民放を中心に、無料4Kチャンネルも存在します。
他にもBS放送には「WOWOW」「スターチャンネル」「BSアニマックス」「日本映画専門チャンネル」など、さまざまな有料の専門チャンネルもあり、それぞれのチャンネルと個別に契約することで視聴できます。
CS放送は、通信事業者と契約を行った特定の世帯のみが視聴できる衛星放送です。現在では主に「スカパー!」の名称で知られ、BS放送以上の多チャンネルが特長で、洋画や邦画、アニメ、テレビドラマ、海外ドラマ、時代劇、ミステリー、ドキュメンタリー、お笑いなど、さまざまなジャンルに特化したチャンネルが存在します。そして事業者と契約した世帯が、各チャンネルと契約することで、お好みのチャンネルを視聴できるのが最大の特徴です。
なお、デジタル放送の仕組みや地デジ放送の歴史、また上記の地デジ地方チャンネルについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?
・東京MXは東京都以外でもテレビで視聴できる? 日本各地でエムキャスなどにより東京MXその他の地方チャンネルを見る方法
地デジ放送と衛星放送の電波の違いとは?
まず2023年現在では、地デジ放送、衛星放送とも、放送の形式はデジタル放送になっております。
デジタル放送とは、映像信号を電波レベルの強弱に変換して送信していた、それ以前のアナログ放送に対して、まず映像信号を「0」「1」のデジタル信号へと変換し、その信号を電波の波長に変換して送信する放送形式です。
このデジタル化により、映像信号から無駄な情報を大幅に削減できるようになったため、例えば地デジ放送の場合、アナログ放送の時代に比べて、使用する電波の周波数帯は大きくカットしながら、約4.5倍の大容量の情報を送信できるようになりました。
そのため地デジ放送では、テレビ映像のハイビジョン化や高音質化の他、マルチ編成やデータ放送、双方向サービスなど、さまざまな新機能を導入できたのです。
現在の地デジ放送では、NHK、広域民放、地方チャンネルなどすべてのチャンネルで、UHF波(極超短波)のうち470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用しており、電波の波長の幅は、およそ40センチから60センチ程度になります。
したがって、現在の地デジ用テレビアンテナはすべて、UHF波のうち、地デジ放送の周波数帯に特化した「UHFアンテナ」になります。
対して衛星放送では、より周波数帯の高いマイクロ波のうち「SHF波(センチメートル波)」と呼ばれる電波を送信しています。その周波数帯は12GHz前後になるため、衛星放送の電波は「12GHz帯」とも呼ばれ、その波長の幅は25ミリ前後です。
ちなみに周波数とは、1秒間に電波が描く波長の数を示す単位で、MHz(メガヘルツ)、GHz(ギガヘルツ)などの単位があります。1MHzは1秒間に100万回の波長を、1GHzは1秒間に10億回の波長を繰り返す電波になります。また周波数帯の高い電波ほど、その波長の幅は短くなります。
電波は周波数帯が低い(波長が短い)ほど、その性質は音に、そして周波数帯が高い(波長が短い)ほど性質が光に近くなります。
地デジのUHF波は、周波数帯はやや高めですが、一定の波長の幅も持つため、音に近い性質もあります。そのため、地上の電波塔から送信された後、山地などの大きな障害物にぶつかると遮られてしまいますが、高層ビルなどの小規模な障害物であれば、横を通り抜けてその裏側で広がり、乗り越えて向こう側に届くという性質もあります。
また一般の戸建て住宅の屋根や壁であれば、電波を反射する金属素材などが使われていない限り、透過の際に一定の減衰(電波強度の弱まり)が生じるものの、通り抜けて屋内まで届きます。そのため現場によっては、室内アンテナや地デジアンテナの屋内設置も可能になります。
ただ地デジ電波が障害物を乗り越える力も完全ではなく、高層ビルなどにぶつかった場合、その反対側にあたる直近の一帯、特にビル中心部などには地デジ電波が届きにくくなり、受信できる地デジ電波レベル(電波強度)が大きく低下します。
他にも、戸建て住宅が立ち並ぶ住宅密集地では、周辺に遮蔽物のない屋根の上では十分な地デジ電波レベルを確保できても、隣家との間隔が狭い壁面には地デジ電波が届きにくく、やはり受信できる地デジ電波レベルが低下します。
また地デジ放送は、各地域に設置された地デジ電波塔からUHF波を送信するという形式のため、電波塔から遠くなるほど、地デジ電波のレベルが弱まり、障害物に影響されやすくなります。
つまり電波塔からの距離や地形などの影響で、日本国内でも地域によって、受信できる地デジ電波レベルに大きな差が出やすくなるのです。
各電波塔を基準に、地域ごとに、受信できるその地デジ電波レベルで、各エリアを分類したものを「電界地域」と呼びます。
電界地域には統一された定義がないため、使用される場所によって分類や基準に違いが出るケースもありますが、一般的には、電波レベルを示す単位「㏈(デシベル)」を基準に、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上の地域を「強電界地域」。80㏈から60㏈の間である地域を「中電界地域」。60㏈以下の地域を「弱電界地域」に分類することが多くなります。
また弱電界地域でも、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下となるエリアは、その電波を送信する電波塔の受信範囲外であり「微弱電界地域」に分類されることもございます。
さらに地デジ電波がほとんど遮られる山地や山間部。電波塔から遠く離れた離島部など、地デジ電波がほとんど受信できなくなるエリアも日本国内には存在し、地デジの「難視聴地域」と呼ばれます。
対して衛星放送の12GHzの電波は、地デジ電波に比べると、格段に周波数帯が高いため、光のように直進性が高くなり、エネルギーを集中させて遠距離まで届きやすくなります。人工衛星から地上までの長距離を送信される衛星放送の電波には、このような電波が適しているのです。
BS放送、CS放送の静止衛星から送信される12GHz帯の電波は、それぞれの静止衛星から、ちょうど日本列島をスポットライトで照らすような形で、日本全域に送信されています。
地上では、この光のような直進性で届く12GHz帯の電波を、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナを設置して受信することになります。
そのため衛星放送は、日本国内でも静止衛星からの距離が遠くなる北部や南端部、離島部などでやや電波レベルが減衰することを除けば、地デジ放送ほど地域による大きな電波レベルの差異が生じず、日本国内の全域で地形や障害物などの影響が少なく、どこでも安定した受信が可能になる。さらに地上の災害などにも影響されにくいといった特徴があります。そもそも日本で衛星放送が導入される際の目的のひとつに、地デジにおける「難視聴地域」の解消がふくまれていました。
一方で、衛星放送の12GHz帯の電波は、光のような性質があるため、ちょうど太陽光が樹木などの障害物に遮られると影ができるように、わずかな障害物にも遮断されてしまいます。
したがって衛星放送の静止衛星と、地上に設置されたBS/CSアンテナとの間に、地形や高層ビルなどの建築物はもちろん、樹木やその枝葉、電線や電柱、また洗濯物など些細な障害物が存在しても、12GHz帯の電波が遮られてしまい、BS/CSアンテナのディッシュに影を落とす形になり、衛星放送の電波を十分に受信できなくなり、受信不良が生じやすくなります。
したがってBS/CSアンテナを設置する際には、BS/CSアンテナを向ける静止衛星の方向(東経110度、南西方向)に、12GHz帯の電波を遮る障害物が存在しないことが重要となります。
またこのような性質から、衛星放送の12GHz帯の電波は、住宅の屋根や壁に完全に遮断されてしまい、住宅の屋内に届くことはありません。
唯一の例外として、光を通しやすいシンプルな一枚板のフロートガラスの窓ガラスであれば、12GHz帯の電波も影響を受けにくく、透過しやすくなります。BS/CSアンテナの屋内設置は、12GHz帯の電波が十分に透過する窓がある住宅に限り、その窓際に据え置き設置する以外の方法はありません。
また電波は水に吸収されやすいため、地デジ電波や衛星放送の12GHz帯の電波は、空間を伝わる際の気候や天候などにも影響を受けます。
地デジ電波の場合、気温の低下や上昇に伴う空気の収縮、膨張の影響を受け、電波が届く距離に変化が出ます。気温が高い(空気が膨張する)と、遠くまで届きにくくなり、逆に気温が低い(空気が収縮する)と、遠くに届きやすくなる半面、ノイズとなる無関係な電波も届きやすくなります。
このような気候の影響から、地デジアンテナが設置された同じ現場でも、受信できる地デジ電波のレベルには、一年を通して6㏈程度の変動が生じます。
また電波は水分に吸収されて減衰が生じるため、降雨や積雪などの悪天候の際には、空間を伝わる地デジ電波が減衰して、アンテナで受信できる電波レベルが大きく低下します。
そのため、地デジアンテナ設置の際には、気候の変化や天候による地デジ電波レベルの低下も計算に入れて、余裕を持った受信レベルの確保が重要となります。
衛星放送の12GHz帯の電波は、光のような性質を持ち、エネルギーが集中したまま地上まで送信されるため、気候に影響を受けることはほとんどございません。
ただ一方で、12GHz帯の電波は、波長が25ミリ前後と短いため、多少の雨や雪では大きな影響は受けないものの、大雨や大雪となり、その雨や雪の粒の大きさが25ミリに近くなると、12GHz帯の電波が空中で雨や雪に吸収される。また電波の乱反射が起こるなどにより、BS/CSアンテナの側で十分に受信できなくなり、衛星放送の画面が乱れ、映らなくなる受信障害が発生します。
これを衛星放送の「降雨減衰」「降雪減衰」と呼び、基本的な対策としては、天候の回復を待つのみになります。ただ一般住宅向けの45型(ディッシュ部の有効直径が45センチ)のBS/CSアンテナではなく、50型、60型、75型など、ディッシュがやや大型の分、受信性能が高まるBS/CSアンテナを設置することで、降雨減衰、降雪減衰の影響を抑えることができます。
半面、大型のBS/CSアンテナには、価格がやや高価になる点や、老朽化や風雨の影響で角度のズレなどのトラブルが生じやすくなるといったデメリットもございますので、注意が必要となります。
地デジ、衛星放送の電波の性質や受信の特性などについては、以下の各コラム記事にも詳しい説明がございます。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
BS/CSアンテナや地デジアンテナの寿命(耐用年数)とは?
戸建て住宅に取り付けられる地デジ、BS/CSアンテナの、機種ごとの「寿命(耐用年数)」とは、そのアンテナ機種を一般的な屋外の取り付け位置に設置して以降、特に大きなトラブルなどがなく安定したテレビ電波の受信が可能となる、平均的な年数のことです。
テレビアンテナも、BS/CSアンテナと地デジアンテナ、また地デジアンテナの各機種で大きく形状が異なりますが、その寿命は、主にアンテナメーカーやアンテナ工事業者が、実際のデータを元に、アンテナ機種ごとに割り出した平均的な耐用年数になります。実際の寿命は機種ごとに変わってきますが、おおむね10年から20年程度になります。機種ごとの詳しい耐用年数は後述します。
この耐用年数を超えたテレビアンテナは、各部の老朽化により受信性能や耐久力が低下して、受信不良や、場合によっては部分的な破損、さらにはアンテナ本体の倒壊などのトラブルが生じやすくなります。
また耐用年数を過ぎたテレビアンテナにトラブルが生じた場合には、破損部分を一時的に修理しても、全体的な老朽化によりトラブルが再発するケースが多くなるため、手間や費用などのコストパフォーマンスを考慮すると、新品のアンテナへの交換が推奨されます。
ただこの耐用年数は、いわゆる誇大な宣伝などにならないよう、実際の平均値でも比較的、低めの年数に抑えられているのが実情です。
そのため特に台風や大雪などがなく、気候の安定した、アンテナ本体が受ける負担の少ない現場であれば、耐用年数をすぎても大きな老朽化、性能や強度などの低下などが生じず、20年以上にわたって安定した受信が可能になるケースも珍しくはございません。
逆に、アンテナの機種や設置位置などはほぼ同じ条件でも、台風の多い地域で毎年のように強い風雨を受ける。その他、豪雪地帯でアンテナが雪に埋もれるなどの雪害。海沿いで潮風をうけてアンテナの腐食が進む塩害。野鳥が多くアンテナに鳥が留まる、フンをするといった鳥害など、アンテナに対する自然環境が厳しいエリアでは、通常よりアンテナの受けるダメージが多いため、耐用年数より早く経年劣化によるトラブルが生じ、アンテナの交換が必要になるケースも出てまいります。
なお戸建て住宅における主なテレビアンテナの設置位置としては、地デジ、衛星放送とも、電波を遮る周辺の障害物の影響を受けにくく、全方向への角度調整も行いやすい屋根の上が主に選ばれます。
ただ、テレビ電波の受信に大きな問題がなければ、同じ現場でも、雨風などの影響を避けやすく、アンテナ本体の経年劣化が進みにくくなるため、耐用年数が長くなる。さらにアンテナを目立たせないことで住宅の外見性を高めることもできる、住宅の壁面、ベランダの内外、屋内空間などが選ばれることもございます。
なお、戸建て住宅における地デジ、BS/CSテレビアンテナの設置位置については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法
・地デジ用テレビアンテナ各種類の違いと選び方とは? 戸建て住宅への設置や交換する方法、工事費用はいくらかの相場も解説!
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
BS/CSアンテナの仕組みと主な種類とは?
本コラムの主なテーマである、BS放送を受信するためのBS/CSアンテナは、円盤状のディッシュが特長のパラボラアンテナになります。
BS/CSアンテナの構造は、この皿状の円盤型をした「ディッシュ(dish:皿)」または「放物面反射器」で、静止衛星から直進的に送られる12GHz帯の電波を正面から受け止め、ディッシュ内側の放物面に反射させて、電波をディッシュの前方、中心部近くに集めます。
12GHz帯の電波が集中する位置には、ディッシュ裏側から下部を通じて伸びるアームに支えられる「コンバーター」の一次放射器が設置されており、ここに集められた12GHz帯の電波が、コンバーターによってケーブルでの伝送に適したMHz帯の電波に変換されます。
変換されたMHz帯の電波は、コンバーターのケーブルから、屋内のケーブル配線を通じて、住宅内のテレビなど受信機器へと送信され、BS/CSチューナーを通じてテレビ映像に変換され、衛星放送を視聴できる仕組みになります。
なおパラボラアンテナの「パラボラ(parabola)」とは、電波を反射させるディッシュ内側の「放物線」を意味します。また12GHz帯の電波は周波数帯が高く、そのままケーブルで送信すると減衰量が非常に大きくなるため、 コンバーターによりMHz帯の電波に変換されるのですが、そのためBS/CSアンテナのコンバーター部には、アンテナ配線部のブースター電源部、またテレビなど受信機器のBS/CSチューナー端子から給電する形で、電源が必要となります。
現在、BS/CSアンテナでもっとも一般的な機種は、放送衛星が東経110度に位置するBS放送および、CS放送のうち、同じく東経110度に位置する通信衛星を使用する110度CS放送(スカパー!)の12GHz帯の電波。および、2018年(平成30年)に、従来のBS放送、CS放送に4K、8Kチャンネルを追加する形でスタートした「新4K8K衛星放送」もすべて受信できる「2K4K8K対応BS/110度CSアンテナ」になります。
なお新4K8K衛星放送と、従来の2K衛星放送の違いは、従来の2K衛星放送が12GHz帯の電波として、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」という電波を使用していたのに対し、新4K8K衛星放送の多くのチャンネルでは、右旋の電波における空きの周波数帯が不足したため、新しく右回りの螺旋で送信される「左旋円偏波」を導入して、その周波数帯を割り当てました。
したがってBS/CSアンテナの側も、左旋円偏波に対応できるモデルが必要となったのです。
そして2018年以前に設置されたBS/CSアンテナは、左旋円偏波を受信できない2K対応BS/CSアンテナである可能性があり、その場合、左旋の電波で送信される多くの4K8Kチャンネルを受信できません。
そのような環境で新4K8K衛星放送をすべて受信するためには、2K4K8K対応モデルへのBS/CSアンテナの交換、また場合によってはアンテナ配線部のケーブルや、ブースターなどの機器も「4K8K(3442MHz)対応型」への交換が必要になるケースもありますので、ご注意ください。
その他にも、CS放送のうち、東経124度/128度に位置する静止衛星を使用するサービス(スカパー!プレミアムサービス)を受信するための「プレミアムサービス専用アンテナ」。同サービスとBS放送、110度CS放送の、2023年現在のすべての衛星放送サービスを受信できる「マルチアンテナ」などのBS/CSアンテナ(パラオボラアンテナ)が存在します。
またさほど一般的なモデルではありませんが、BS/CSアンテナにも、車載用や、アウトドア用として、パラボラアンテナではない、独自の機能と形状を持つ専用モデルも存在します。
BS/110度CSアンテナのバリエーションとしては、前述したディッシュの直径(センチ数)の違いとして、一般住宅向けの45型から、アパートやマンションなど集合住宅の規模に合わせて使用される共同受信用の50型、60型、75型、90型、120型が存在します。
通常、一般住宅でのご使用では、45型でも十分な受信性能を持ちますが、前述した降雨減衰、降雪減衰への対策や、静止衛星からの距離でややBS放送の電波レベルが弱まる地域などでは、一般住宅でもやや大型で受信性能が高いモデルが使用されることもございます。
なおBS/110度CSアンテナは、メーカーやモデルは別でも基本的な構造は変わらないため、コンバーター性能が微妙に異なる以外は、同じディッシュサイズのBS/CSアンテナであれば、受信性能にほとんど違いは生じません。
カラーバリエーションとしては、基本色は太陽光を反射し、熱や紫外線に影響されにくい白系統ですが、近年では太陽光の影響を受けにくい塗料を用いた塗装の、本体色が黒などのモデル。またメッシュ仕様やパンチングホール仕様で風を通すディッシュ部や、各接合部の強化により耐風性能を向上させた、高耐風モデルなども存在します。
BS/CSアンテナの基礎知識や種類、新4K8K衛星放送に対応できるアンテナや機器類などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
BS/CSアンテナの耐用年数(寿命)と主な設置位置は?
以下は基本的に、一般のご家庭にBS/110度CSアンテナを設置する場合についてご説明してゆきます。ただその他のパラボラアンテナを設置する場合も、機種に合わせて設置の角度が異なってくるだけで、基本的に大きな違いはございません。
そして住宅などにBS/CSアンテナを設置して、的確に12GHz帯の電波を受信するために必須の要件は、主に以下の二点です。
一点目は、BS/CSアンテナのディッシュ部を、静止衛星が位置する東経110度の方向に正面を向けるよう、ミリ単位の正確さで、仰角(上下角)、方位角(左右角)とも調整して、アンテナを固定する必要があるという点です。
これは、静止衛星から光のような直進性で送信される12GHz帯の電波を、ディッシュ内側の放物面で受け止めて反射し、中央部のコンバーターに集めるという構造上、わずかでも角度が狂うと、電波の焦点がずれてコンバーターに集まらなくなり、受信感度が大幅に低下するためです。
東経110度とは、日本から見ておおむね南西、南南西の方向ですが、日本国内でも地域によって正確な角度は微妙に異なる他、現場ごとに、受信レベルが最大になるよう微調整を行う必要もあります。
二点目は前述の通り、東経110度の方向を向けたBS/CSアンテナのディッシュと、静止衛星を結ぶ直線状の空間に、12GHz帯の電波を遮るわずかな障害物も存在しないという点です。
したがって、戸建て住宅でBS/CSアンテナを設置できる位置は、この二点の条件を満たすことができる位置に限られます。逆に言えば、この条件を満たす場所であれば、一般住宅レベルでの設置位置の高度などは受信感度にほとんど影響しないため、BS/CSアンテナの設置に、特に制限は生じません。
ただ実際的に、戸建て住宅にBS/CSアンテナを設置する場合には、地デジアンテナの設置にあわせて追加設置されるため、配線などをまとめやすいよう、近い位置に設置されるのが基本になります。
そのため、例えば八木式アンテナ、ユニコーンアンテナなどを、屋根の上にマストに立てて設置する場合には、同じマストの下部にBS/CSアンテナを設置する方法がとられます。このような高所の設置であれば、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、電波を遮る周辺の障害物に影響を受けにくく、またアンテナの正確な角度調整も行いやすいというメリットが出ます。
他にもBS/CSアンテナの設置場所には、サイドベースなどの器具を用いた住宅の壁面や、ベランダ、窓などの手すり部。ベランダ内部。また東経110度の方向を向き、12GHz帯の電波が充分に差し込むという条件がそろった窓であれば、窓際に専用のスタンドを設置して、BS/CSアンテナを据え置きするといった方法も可能になります
そして、BS/CSアンテナの耐用年数(寿命)は、上記の通り、アンテナが設置される現場の自然環境、および設置位置でも大きく変動いたします。
ただ住宅の屋根の上など、屋外に設置されたBS/CSアンテナ(一般的な45型通常モデル)の平均的な寿命は、設置から「10年」が目安になります。
BS/CSアンテナの主な設置方法については前述の各コラム記事でご紹介しましたが、具体的な角度調整の方法やアンテナの指向性、また寿命や大きなトラブルの際の対処については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(前編・原因と対処)
・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(後編・修理と対策)
・アンテナが倒れたときの対策
・地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!
・地域別・アンテナ修理事例を徹底解説!
・地デジ、BS/CSテレビアンテナの落雷や積雪、鳥の糞害対策は? 映らなくなる原因と防止法、対策となる設置工事
・台風や大雪、地震により起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策
・雷で起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策
・火災保険の適用範囲と天災時のアンテナ修理
BS/CSアンテナの寿命を判断するポイントは?
BS/CSアンテナだけでなく、地デジアンテナも含めて、住宅に設置されたテレビアンテナの寿命を判断する目安としては、まずアンテナ設置工事から、ここでご紹介する各モデルのアンテナ寿命に近い年数が経っていること。
その上で、ご自宅のテレビで衛星放送、地デジ放送が正常に映らないなどのアンテナトラブルが発生している。またはアンテナ外観にサビや部分的な故障など、視認してわかるような老朽化が見て取れるという点になります。
ただ、特にBS/CSアンテナの場合は、ミリ単位のアンテナ角度のズレで受信不良が生じやすい。コンバーターへの給電が滞ると電波が受信できなくなる、などの側面もあります。
そのため、ご自宅のBS/CSアンテナで衛星放送の画面が乱れる。また「E201」「E202」などのエラーコードが表示されて画面が映らないなどの場合には、エラーコードの内容なども判断して、まずテレビなど受信機器で、BS/CS放送のアンテナレベルを確認する。またBS/CSアンテナへの電源設定などを確認する必要もあります。
ご自宅でBS/CSアンテナの角度調整を行える環境であれば、角度の再調整を行い、アンテナレベルが回復しないかを確認することもひとつの方法です。
これらのポイントを確認しても、状況が改善しない、またはトラブルが再発する場合には、BS/CSアンテナ本体に問題が生じており、アンテナ交換が必要になると考えられます。
お住まいのエリアが、テレビアンテナにダメージを与える台風や積雪は多い地域であるか。特にアンテナトラブルが発生する前に、激しい台風や積雪、または地震など、アンテナにダメージを与える自然災害はなかったかなどもご考慮ください。
ただ実際のところ、BS/CSアンテナをはじめとするテレビアンテナにトラブルが生じた場合、ケーブル接続部の接触不良や断線。テレビアンテナから受信機器までを接続する、屋内の配線部、およびそこに設置されたブースター、分配器など周辺機器のトラブル。テレビなど受信機器本体や、挿入されたB-CASカードなどの問題である可能性も考えられます。
さらにテレビアンテナが屋根の上などに設置されている場合は、ご自宅での点検や調整も困難になります。したがってアンテナ本体か、それ以外の箇所のトラブルであるのか。またアンテナトラブルでは、修理や角度調整で復旧できる軽度のトラブルなのか、あるいはアンテナの老朽化が進行して交換が必要なケースかを判断することは、一般の方では難しいこともございます。
もしご自宅で、テレビアンテナによる衛星放送、地デジ放送などの受信トラブルが生じて、その原因が特定できない場合には、当あさひアンテナのフリーダイヤル、公式サイトのメールフォーム、LINEなどにご相談ください。
ご依頼いただければ弊社の職人が現地に駆け付け、早急にトラブルの原因を特定致します。
当あさひアンテナでは、ご自宅のテレビアンテナの、ケーブル配線部の不良や部分的破損など、軽微な故障であれば、修理作業を税込み5,000円から。高い位置にあるアンテナの角度調整は税込み8,000円からでお引き受けいたします。
もしアンテナ本体はじめ、機材の交換が必要となるトラブルの場合は、現場の状況からお見積りを行い、業界最安に挑む工事費用をご提案の上、ご了承いただければ即日工事にもご対応いたします。
アンテナ交換工事にあたっては、不要となった既設アンテナの撤去および処分は、税込み5,000円からでお引き受けいたします。
ご自宅で衛星放送、地デジなどのテレビ放送が正常に映らなくなった場合は、以下の各コラム記事を参考に、原因や対処方法をご確認ください。
・テレビアンテナ修理の依頼前に簡単に自分で調整できること
・一時的にテレビ画面が乱れる場合の原因と対策・徹底解説!
・電波障害? テレビが映らない原因はアンテナトラブル? 確認と対処法
・BS・CS放送がテレビで正しく映らない原因と対処法・アンテナの受信から工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの受信レベルが急に低くなりテレビ放送が映らない原因とその対処方法、アンテナレベル確認を解説!
・テレビ側で地上デジタル放送(地デジ)のチャンネルスキャンができないときの受信、設定の対処方法
・地デジやBS/CSアンテナで受信感度が落ち突然テレビが映らなくなる原因、受信レベルを上げ映るよう解決する対処法の工事は?
・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法
・一部屋だけテレビが映らない不具合の原因と対処法
・地デジ・BS/CS放送のテレビ画面が乱れる原因とその対策
・地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法
・BS/CS衛星放送は映るのに地デジ放送が映らない場合の対処法
・「700MHz電波障害」とは何か?
・地デジ、衛星放送のテレビアンテナ故障例、テレビ放送が映らなくなった場合に考えられる原因とその対処法は? 必要な工事を解説
・BS放送、CS放送の衛星放送が映らないアンテナトラブルの原因とその対処法について、ご自宅でも可能な方法をFAQで徹底解説
・テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用
・「B-CASカード」の基礎知識とテレビ画面のトラブル
・テレビアンテナで地上デジタル放送が受信できない際の修理とは?E201などが表示されて映らない原因と工事費用の相場を解説
・地震や強風でテレビの地デジアンテナが倒れるなどの問題に対処法や対策はある? 修理費用の相場や安い工事業者の選び方も解説!
BS/CSアンテナの耐用年数を決める要因と長寿命化する方法は?
上記の通り、通常型BS/CSアンテナの耐用年数(寿命)は、屋外設置の場合で平均的に約10年になります。これは、BS/CSアンテナの性質に基づく年数とも言えます。
すでに述べた通りBS/CSアンテナは、東経110度の方向へと仰角、方位角とも正確な角度調整が必要となり、わずかな角度の狂いが受信性能の低下につながります。BS/CSアンテナは、後述する地デジアンテナの各機種に比べても、より指向性が高いアンテナであると言えます。
したがってBS/CSアンテナは、長年の使用により、各接合部の耐久力が低下する。またディッシュやコンバーター位置のゆがみなどが生じることで、角度のずれによる受信不良が生じやすくなるのです。
特にBS/CSアンテナは、ディッシュ部を船の帆のように掲げて設置するため、屋外で風雨などの影響を受けやすく、風圧などによる老朽化が生じやすくなります。
もうひとつ、BS/CSアンテナにはコンバーター部が付属するという点も、その寿命に影響します。
コンバーターはご説明した通り、BS/CSアンテナが受信した12GHz帯の電波を、MHz帯の電波にする電子機器で、電源が必要となります。このような電子機器は、通電を続けることで徐々に基盤などの劣化が進み、いずれは寿命を迎えることになります。
集合住宅などで使用される90型、120型など大型のBS/CSアンテナの場合、本体価格が10万円を超えるモデルも珍しくないため、コンバーターが故障した際は、コンバーターのみの交換対応も可能ですが、一般的な45型BS/CSアンテナでは、本体価格が1万円以下になり、コンバーター交換のコストと差がないため、基本的にアンテナごと交換の対応になります。
このような要因から、特に屋外に設置されたBS/CSアンテナは、設置から10年程度で自然環境などの影響を受けて各部の強度が低下し、角度のズレによる受信不良が生じやすくなる。またコンバーターも徐々に劣化していくなどの要因から、一時的な修理でもトラブルが再発しやすくなり、アンテナ本体の交換が推奨される状態になるのです。
なお、この10年という数値は、風雨や積雪、潮風など環境が極端に厳しい現場を除いて、一般的な戸建て住宅であれば最低限、この年数は安定して使用できるという目安です。
したがって実際には、設置から10年以上すぎたBS/CSアンテナが、その後も長年にわたって、安定して機能し続けている例も多くございます。
そして一般住宅でも、BS/CSアンテナの寿命をできるだけ長期化する方法も、いくつかございます。
第一の方法は、BS/CSアンテナ設置位置を選ぶことです。上記のように、地デジアンテナとのセット設置や、障害物に影響されにくく、角度調整が行いやすい点などなどを考慮すれば、BS/CSアンテナも屋根の上などの高所に設置するのが適していると言えます。
半面、このような位置は、風雨や積雪などの影響を如実に受けてしまい、テレビアンテナの経年劣化が進みやすい位置でもあります。また屋上フロアがある住宅などを除けば、お住まいの方でもアンテナに手が届きにくいため、アンテナのお手入れなども難しくなります。
しかしBS/CSアンテナの設置位置を、壁面やベランダの手すり、ベランダ内部などにすれば、風雨や雪などの影響を避けやすくなり、アンテナの経年劣化を軽減できる上、アンテナのメンテナンスも行いやすくなり、アンテナ寿命の長期化も期待できます。
ただ上記のように、BS/CSアンテナの設置には、アンテナを向ける方向や、その方向に障害物がないことなどの制約もあるため、必ずしもご希望の設置位置が選べるとは限りません。特にベランダ内部への設置では、ベランダ内に人が立つ、洗濯物を干すなどが12GHz帯の電波を遮るケースも出てまいりますので、ご注意ください。
また室内の窓際にBS/CSアンテナを設置する方法では、アンテナに対する自然環境の影響を大きくカットすることができます。半面、そもそも設置できる条件が厳しい上、ガラス窓を通ることで12GHz帯の電波に減衰が生じる。またBS/CSアンテナをスタンドに立てて据え置くだけなので、誤ってアンテナに触れることなどで角度のズレが生じやすいなど、デメリットも多くなります。この点にも注意が必要と言えます。
そして第二の方法が、高耐風モデルのBS/CSアンテナを使用することです。
上記の通り、BS/CSアンテナには、さまざまな工夫を凝らした高耐風モデルが存在します。中でも最強と言える高耐風BS/CSアンテナが、日本三大アンテナメーカーのひとつ「DXアンテナ」の製品である、45型、2K4K8K対応BS/CSアンテナ「BC453SG」です。
「BC453SG」の特徴は、まずディッシュの全面に、無数の小さな丸い穴が規則的に開けられた「パンチングメタル仕様」です。この使用により、ディッシュが正面から強い風を受けても、無数の穴から風が抜けるため、アンテナが受ける風圧を大幅に軽減することができます。
さらにアンテナ本体をマストに固定する「マウント部」のマスト押さえ金具を、より分厚く、またマストを挟み込むギザギザの牙のような「歯形」と呼ばれる部分を従来の二段から三段にする。マウント部に適合するマストも、より太いマストに対応可能とする。コンバーターを支えるアームをボルト2か所留めにすることで揺れを抑える。アームとディッシュの下部を樹脂プラケットで固定するなど、さまざまな設計の工夫を採用しております。
これらの工夫により、強風に影響されにくく、アンテナ各部のズレ、揺れ、歪みなども生じにくくなっており、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sという高い耐風性能(従来の通常モデルでは受信可能風速20m/s、復元可能風速50m/s、破壊風速60m/s)を実現しております。
この「BC453SG」を採用することで、激しい雨風の中でも、降雨減衰や降雪減衰を除けば、衛星放送の受信性能を失いにくく、アンテナ本体のトラブルや破損も生じにくい。暴風雨によるアンテナトラブルが生じても、その後の角度の再調整で回復できる、軽微なもので終わる可能性が非常に高くなります。
したがって風雨の影響に強いだけでなく、風雨を受けたアンテナの経年劣化も進みにくく、アンテナ寿命も長くなることが期待できるのです。
また、ベランダの手すりなど、足場がしっかりして作業の安全を確保できる位置であれば、BS/CSアンテナの取り付けを業者に依頼せず、ご自宅にてDIYで行えることもあります。
ただ、安定した受信感度を確保しつつ、風雨などを避けやすい適切な取り付け位置の選択と、高い技術によるしっかりした取り付けで、BS/CSアンテナの長寿命化をご希望されるお客様は、プロのアンテナ工事業者に依頼されるのがもっとも適切な方法と申せます。
なお当あさひアンテナでは、通常モデルのBS/CSアンテナに、DXアンテナ製の2K4K8K対応45型最新モデル「BC45AS」をご用意しており、地デジアンテナ設置と合わせてのBS/CSアンテナ追加設置では、アンテナ本体や基本設置具などの料金も含めた基本設置工事を、税込み15,000円からでご案内いたします。さらに上記の高耐風モデル「BC453SG」の設置にもご対応しており、基本設置工事を「特別価格」でご提供いたしております。
BS/CSアンテナの老朽化、トラブル対策となる設置法。また高耐風モデルや、屋内設置、DIY設置などの方法については、下記の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
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地デジアンテナ各機種の特徴と設置位置、寿命とは?
ここからは、一般の戸建て住宅で主に使用される地デジアンテナ機種「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の主な設置位置とその特徴、また各モデルの寿命について、ご説明してまいります。
なお、地デジアンテナの受信性能を把握するための基礎知識として、モデルごとの受信性能を示す主な目安には、地デジ電波を受信するパーツ「素子(エレメント)」の数を示す「素子数」および、外部から素子が見えない機種で使用される「素子数相当」。
また地デジアンテナが受信できる電波に対し、出力できる電波レベルの効率。もしくは指向性が働く地デジアンテナ前面における受信性能を示す「動作利得(利得、gain:ゲイン)」が存在します。
地デジアンテナの「指向性」とは、アンテナ本体の正面側でのみ受信性能が高まり、真横や後方などでは受信性能が非常に低くなる特徴を示します。
この指向性は、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナほど極端ではありませんが、地デジアンテナを設置する際には、その現場に地デジ電波を送信する電波塔の方向(場合によっては電波が高層ビルなどに反射した反射波の方向)に、方位角(左右角)を調整して向ける必要があります。
地デジアンテナの場合、仰角(上下角)はほとんど関係しません。またこの指向性には、アンテナの正面側以外から届く、地デジ電波以内の余計な電波(ノイズ)をカットする役割もあります。
そして地デジアンテナの指向性の高さは機種やモデルによって異なり「半値幅」という数値で示されます。これは地デジアンテナの受信性能が最大に高まる真正面の方向を「0」として、アンテナの角度を左右へとずらして、受信性能が最大レベルから半分のレベルになる角度を表した数値です。
地デジアンテナの指向性は受信性能にも関係し、同じ素子数(相当)のモデルでも、指向性が高い(半値幅が狭い)ほど、正面側の受信性能が高くなる性質があります。この違いは「動作利得」の数値で見て取ることができます。
これら地デジアンテナの受信性能や設置方法に関わる「素子数(相当)」「動作利得」「指向性」や、アナログ放送時代のテレビアンテナとの違いなどの点については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
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・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
八木式アンテナの特徴と寿命とは?
八木式アンテナ(八木アンテナ、八木・宇田アンテナ)とは、いまから約100年前に開発され、アナログ放送の時代からテレビアンテナとして使用されてきた古典的なアンテナ機種です。
一般的なテレビアンテナのイメージとして根強い、住宅の屋根の上でマスト(ポール、支柱)の先に固定される、矢印型をした金属の骨組みに、短い横棒がいくつもついた、魚の骨のようなアンテナが、八木式アンテナです。
戸建て住宅における八木式アンテナの基本的な設置方法は、上記の通り屋根の上で、屋根馬やステー(支線)を使って立てたマストの先になります。
他にも、住宅の壁面やベランダの手すりにサイドベースで固定する。ベランダ内部への設置。専用の小型モデルを軒先などから吊り下げるなどの方法もあります。
八木式アンテナの本体につく短い横棒は、地デジ電波を受信する素子になります。八木式アンテナの特徴は、さまざまな素子数のモデルがあり、幅広い電波状態の地域に対応できて、他の地デジアンテナ機種よりも受信性能が高いという点です。
八木式アンテナの主なモデルは、強・中・弱の電界地域に合わせた8素子、14素子、20素子になりますが、他にも、Ⅹ字型などの器具の上下に複数の素子パーツを並べた高性能素子を使用して、5素子程度の小型モデルでも通常モデルに遜色ない性能を持つほか、27素子、30素子などの多素子モデルでは、地デジ電波レベルが極めて低い微弱電界地域でも使用できる高性能アンテナ「パラスタックアンテナ」も存在します。
他にも八木式アンテナは、素子が露出して受信感度が向上する素子アンテナである。地デジアンテナの中ではもっとも指向性が高い。地デジ電波の周波数帯のうち、低めの周波数帯にしか対応しない分、受信性能が高まるローチャンネル用アンテナが存在するなどの点から、他機種と比べて地デジアンテナ本体の受信性能がもっとも高いモデルになります。
さらに戸建て住宅への基本的な設置位置が屋根の上などの高所であるため、地デジ電波を遮る周辺の障害物に影響されにくい点から、実際の受信感度も非常に高くなります。
また八木式アンテナは設計がシンプルで昔から使われている機種であるため、本体価格や設置費用が、地デジアンテナ機種の中ではもっとも低価格になる点も大きなメリットです。
半面、八木式アンテナのデメリットは、古典的な形状で基本的に屋根の上に立てられることから、住宅の外観性や周辺の景観を乱しやすい。そして風雨や雪、海沿いの潮風、鳥害などの自然環境に影響を受けやすいため、経年劣化が進みやすく、地デジアンテナ機種の中では耐用年数(寿命)が短くなるという点が挙げられます。
八木式アンテナを住宅の屋根の上に設置した場合の平均的な耐用年数は「10年」とされております。実際の寿命は自然環境の穏やかなエリアでは長くなることもある反面、台風が多い、豪雪地帯など環境が厳しいエリアではより短くなることもあります。
八木式アンテナの寿命を長くする工夫としては、壁面やベランダの内外など設置位置を工夫するのもひとつの方法です。この場合、目立たなくなり住宅の外観や景観を乱さないメリットも出ますが、設置位置が低くなる分、地デジの受信感度が低くなり、現場の環境によっては設置できない場合もあるというデメリットも出てきます。
他にも、八木式アンテナでも最新のモデルでは、素材の改良、表面加工による軽量化や耐水性、抗サビ性の向上など、対候性が向上しております。
さらに豪雪地帯や海沿いなど、それぞれの環境を想定して、最適な設計や加工で対策を施した雪害用、塩害用モデルも存在します。このように現場の環境に合わせた対候性を持つモデルを採用することで、屋根の上への設置でも、耐用年数が十数年程度に延びることも期待できます。
なお当あさひアンテナでは、軽量で風雨にも強い、DXアンテナ製の高品質20素子八木式アンテナ「UA20」に、屋根馬やマストなどの基本設置具。同軸ケーブル、防水処理をセットにして、アンテナ本体の設置とケーブルのみの配線を行う基本設置工事を、税込み15,000円からでお引き受けいたします。
その他、各素子数モデルやパラスタックアンテナ。雪害用、塩害用など各種モデルのご用意もございますので、地デジ電波レベルから自然環境まで、さまざまな現場にご対応できます。
八木式アンテナの特徴や設置方法など、詳しくは以下の各コラム記事でも御説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
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・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
デザインアンテナの特徴と寿命とは?
デザインアンテナ(平面アンテナ)は、アナログ放送から地デジ放送の移行期、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた、地デジアンテナの第二世代です。
サイズはメーカーや受信性能などによって異なりますが、長方形の薄いパネル状の形状で、高さ60センチ前後、横幅20センチ以上から25センチ前後。厚さは設置具を含めて十数センチのモデルが多くなります。また各メーカーの同モデルでも、カラーバリエーションが豊富です。
デザインアンテナの基本的な設置方法は、住宅の外壁、ベランダの手すり部に、専用の固定具を取り付けてアンテナ本体をはめ込む形になります。他にも八木式アンテナと同じように、屋根の上やその他の位置に立てられたマストに固定される場合もあります。
また現場の地デジ電波レベルや、住宅の建材などから屋内にも十分なレベルの地デジ電波が届く場合には、屋根裏空間や天井裏空間などにも設置できるケースもあります。
戸建て住宅におけるデザインアンテナのメリットは、形状や設置位置などから、設置しても住宅の外観や景観などを乱さない点。また風雨や雪などの自然環境にも影響を受けにくく、経年劣化を抑えられ、耐用年数(寿命)が延びるという点です。
デザインアンテナの寿命は、通常の屋外設置で「15年から20年程度」とされており、風雨や雪などの影響による寿命の変動も少なくなっております。
また上記のように現場の条件が整っていれば、屋内の屋根裏空間、天井裏空間(上階と下階の間)へのデザインアンテナ設置、屋内設置対応のコンパクトなデザインアンテナの使用も可能になります。
この場合、アンテナが住宅の外観などにまったく影響を与えない上、デザインアンテナ本体も風雨などの影響をほぼ完全にカットできるため、耐用年数が格段に向上することも期待できます。
このように八木式アンテナにはないメリットから、デザインアンテナは現在の地デジアンテナ機種で一番の人気となっております。ただその一方で、デザインアンテナには、八木式アンテナに比べると、受信性能が低いというデメリットも存在します。
デザインアンテナの受信性能は、屋外設置用の主なモデルでは、20素子相当と26素子相当、およびそのブースター内蔵型のみになります。他に、屋外屋内兼用のコンパクトモデルとして、3素子相当程度の強電界地域専用モデルや、14素子相当のモデルなども存在します。
また素子が露出していない。オールチャンネルモデルのみ。八木式アンテナより指向性がやや広いなどの要因から、同素子数相当でも受信性能がやや低くなる。さらに主な設置場所が、壁面など屋根の上より低い位置であるため、地デジ電波を遮断する周辺の建築物などに影響されやすくなります。
そのためデザインアンテナは、同素子数相当のモデルでも、総合的な受信性能では八木式アンテナよりやや低くなり、基本的には強電界地域から中電界地域向けのモデルになります。
さらに強電界地域でも、現場の条件が、電波塔からの地デジ電波が遮られやすい高層ビルなどの近隣、また住宅密集地などでは、特に壁面への設置では地デジ電波が届きにくくなるため、デザインアンテナが設置できないというケースも出てきます。
したがって、特にデザインアンテナを設置する場合は、あらかじめ現場の電波状態や周辺環境を確認して、デザインアンテナによる十分な地デジ受信が可能かをまず判断する必要がございます。
また住宅の壁面への設置では、外壁に設置具を取り付けるためビス穴を開ける必要が出るのもデメリットのひとつです。ご注意ください。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事について、DXアンテナの高品質20素子相当モデル「UAH201」。またはマスプロ電工の強電界地域用コンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルなどをセットに、税込み20,000円からの基本工事費用でお引き受けしております。
また現場の条件から可能であれば、屋根裏空間、天井裏空間へのデザインアンテナ設置も、追加費用なしの基本設置工事費のみでお引き受けいたします、
デザインアンテナもその他、26素子相当モデルやブースター内蔵モデル、垂直偏波対応モデルなどのご用意もございますので、地デジ受信環境がやや不利などさまざまな現場においても、可能な限りデザインアンテナでご対応できるよう、最善を尽くします。
デザインアンテナの特徴、屋根裏空間などを含む設置方法、注意点などについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
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ユニコーンアンテナの特徴と寿命とは?
ユニコーンアンテナとは、日本三大アンテナメーカーの一社、マスプロ電工が2017年(平成29年)に開発、発売した、地デジアンテナ第三世代に当たる同社独自のモデル「U2CN」のことです。
2023年現在の最新モデルでもあるユニコーンアンテナは、アンテナ本体は長さ約67センチ、直径14センチ程度の円筒形であり、そのアンテナをマストの先に固定する形で設置されます、接続部はカバーで隠せるため、外観はアイスキャンディのようん非常にスタイリッシュとなります。
カラーバリエーションはツヤのない落ち着いたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色で、ギリシャ神話などに登場する伝説上の「ユニコーン(一角獣)」の角に由来するその名称は、同社の登録商標でもあります。
戸建て住宅におけるユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上のマスト。また住宅の破風板、壁面の高所などに取り付けられたサイドベースのマストなど、基本的にアンテナ本体が、屋根の上と同じ高さに来るように設置されます。
ユニコーンアンテナのメリットは、まずスタイリッシュな形状から、住宅の高所に設置しても、外見や景観を乱さない。そして雨風や雪などを受け流せる形状から、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が長くなるという、デザインアンテナと同様の点になります。
ユニコーンアンテナの寿命は、まだ歴史の浅いモデルであるため、実際のデータは少ないものの、おおよそ「15年から20年」程度と、デザインアンテナと同等と考えられております。
さらにユニコーンアンテナは、デザインアンテナに比べて受信性能に優れるのが特徴です。ユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当のみですが、屋根の上と同等の高所に設置できるため、電波塔から送信される地デジ電波を遮蔽する障害物に影響されにくく受信感度が向上する、八木式アンテナと同じメリットを備えます。
ユニコーンアンテナの受信性能は、同じ20素子相当のデザインアンテナを、受信環境のよい壁面に設置した場合と同等ですが、前述のようにデザインアンテナの壁面設置では、たとえ強電界地域であっても周辺の高層建築物や住宅密集地などの環境に影響されやすく、周辺環境によっては、地デジ電波が遮られてしまい、壁面に設置できないケースもございます。
しかし同じ環境の現場でも、高さを確保できるユニコーンアンテナであれば、障害物の影響を避けられるため、設置可能なケースが多くなるのです。
一方、ユニコーンアンテナのデメリットとしては、20素子相当のオールチャンネルアンテナしか存在しない。素子が露出していない。地デジアンテナ機種では指向性がもっとも広いなどの要素から、同素子数かそれ以上の八木式アンテナには、受信性能で及ばないという点があります。
ユニコーンアンテナも基本的には、やはり強電界地域から中電界地域向けの機種であり、弱電界地域では設置できないケースも出てまいります。
その他にも、現状の最新モデルであるため、本体価格や設置費用が地デジアンテナ機種でもっとも高価格になる。現状では水平偏波対応モデルしか存在しない。また純和風建築など住宅の様式によっては、アンテナのデザインが不似合いになり、外観性を乱すこともある、などのデメリットが挙げられます。
なお当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナ本体、同軸ケーブル、基本設置具などをセットにした、ユニコーンアンテナ基本設置工事を、業界最安に挑戦する「キャンペーン価格」でご提供しております。詳しくは弊社フリーダイヤル、またはメールフォーム、LINEなどまで、お気軽にお問い合わせください。
その他、ユニコーンアンテナの特性や、他の地デジアンテナ機種との比較については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
BS/CS・地デジアンテナの寿命と対処法・まとめ
BS/CSアンテナ、地デジアンテナとも、その寿命は必ずしも一定のものではございません。設置する機種や設置位置、現場の環境によって大きく変動するものであり、場合によっては30年以上にわたって、安定したテレビ電波の受信が可能になるケースもございます。
いったん設置したテレビアンテナは、もちろん長い間、使用できるほどコストパフォーマンスが高まります。ただテレビアンテナの高寿命化を望むには、設置時点での適切な位置やアンテナモデルの選択。また一般的な耐用年数が近づいた際の定期的なメンテナンスなども重要と言えます。
そして耐用年数が近づいたアンテナで、急なトラブルが発生した場合、業者を手配してアンテナ修理を行うまでテレビ放送が視聴できず、大変な不便を伴うため、ある程度、寿命に近づいたテレビアンテナは、大きなトラブルの前に交換されることも重要です。
できるだけ高寿命を望めるBS/CSアンテナ、地デジアンテナを新規に設置する工事。また年数を経たテレビアンテナのメンテナンスや、トラブル時の修理対応などをお求めのお客様は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル、公式サイトのメールフォーム、LINEなどへとご相談をお寄せください。
弊社では当コラム本文や、公式ページでご紹介している通り、BS/CSアンテナ、地デジアンテナの各モデル、また機材や周辺機器とも、国内大手メーカーの高品質機材を取りそろえ、業界最安クラスの工事料金をご案内しております。
またアンテナ工事の前に必須となる電波調査、お見積もりも、出張費やキャンセル費など各種費用をすべてあわせた「完全無料」でお引き受けいたしております。
電波調査では、お住まいのさまざまな位置で綿密な調査を実施し、現場の電波状態や周辺環境などから可能な限り、お客様のご注文やご要望に沿えるアンテナ工事をご提案いたします。
お見積もりについても、相見積もりにもご対応し、他業者に負けない低価格、高品質のお見積もりをご提案いたします。弊社のお見積もりにご納得いただければ、本契約からの即日工事にもご対応できます。
工事に当たっては、弊社社員スタッフである、経験豊富で技術の確かなアンテナ職人による完全自社施工により、中間マージンをカットした低価格ながら、安定した受信性能と、風雨などにも強く高寿命となるアンテナ設置はもちろん、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に基づき、アンテナ設置は屋外の配線はもちろん、屋根裏空間など見えない部分の施工も、可能な限りシンプルで見た目も整った、質の高い施工を実施いたします。
そして工事完了後も、業界トップクラスとなるアフターフォロー体制である、アンテナ工事完了日から「10年間」の長期保証をご用意しておりますので、アンテナ寿命やそれに伴うトラブルなどにも、末永くご安心いただけます。
寿命が長くなる各種テレビアンテナの取り付け工事から、アンテナトラブル時のご対応まで、アンテナに関するご相談は、業界でも最高品質のアンテナ工事を、業界最安に挑む低価格でご提供している、当あさひアンテナにお任せいただければ幸いです。