地デジやBS/CSテレビアンテナに電源は必要? おすすめ人気アンテナや周辺機器に電源が必要なときに供給方法の選び方を解説

2023年10月17日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
2023年(令和5年)、21世紀の現在はもちろん、日本で言えば明治時代以降の、近代社会の発展に欠かせない存在といえば、それは「電気」です。

日本では明治時代に、東京の銀座に、電気灯であるアーク灯(アークライト)が輝いて以降、明治末から大正時代にかけて、東京都内をはじめとする、主要な地域の家庭に広く電球が普及し、また現代で言う映画の「活動写真」が浅草を中心に大変な人気を集めるなど、電気の存在は、それまでの常識を大きく変えてゆきました。

明治の当時は、「電気」と言う言葉は新しい文化の代名詞のように使われ、電化製品とは無関係のさまざまな商品なども「電気○○」などの名称で呼ばれました。
当時の電気ブームの名残として現在でもよく知られているのが、1880年(明治13年)に開業し、今日でも浅草の名所のひとつとして名高い、日本最初のバー「神谷バー」で、1882年(明治15年)に売り出された、ブランデーをベースにしたカクテル「電気ブラン(デンキブラン)」です。

また1925年(大正14年)に発表された、日本ミステリ界の巨匠、江戸川乱歩さん初期の傑作短編小説で、名探偵、明智小五郎の初登場作品としても知られる「D坂の殺人事件」では、当時の一般家庭における電気や電球の仕組みが、事件の謎を解く重要なカギを握っています。

その後も、電気の普及につれてラジオ放送や蓄音機なども広まってゆき、第二次世界大戦後にはテレビ放送もスタート。高度経済成長期にはテレビ、洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」と呼ばれるようになりました。さらにはクーラーやビデオデッキ、パソコンやゲーム機、携帯電話など、昭和、平成と時代に合わせたさまざまな家電製品が登場し、人々の生活を革新してゆきました。

誰しもがインターネットやスマートフォンなどを日常的に、利用できる21世紀の現代社会も、すべては「電気」という存在が成り立たせているといっていいでしょう。

さて、電気が実現した重要な家電製品のひとつに「テレビ放送」がございます。
昭和にテレビ放送がスタートして以来、テレビはさまざまな出来事や、時代ごとに人気を集めたテレビ番組などを映し出してきました。テレビはいまや、家電製品や生活インフラであると同時に、文化の一環であると言っても過言ではございません。

そのテレビの仕組みと言えば、現在ではケーブルテレビ(CATV)や光テレビなども存在するものの、基本的には住宅などにテレビアンテナを設置し、住宅内のテレビなど機器と接続して、テレビ放送の電波を受信、視聴するという形が、現在でも主なものになっております。

そしてテレビ放送を視聴するためには、まずはテレビ機器そのものに電源が必要であることはいうまでもございません。
しかし、現在ではほとんどの住宅でご自宅に設置されており、テレビ電波を受信して、テレビ機器へと送信する、重要な役割を果たすテレビアンテナには、電源は必要ないのか、との疑問をお持ちになった方も、おられるのではないでしょうか?

そこで当コラムでは、ご自宅のテレビアンテナから、各部屋のテレビにいたるまでのアンテナ配線と、その間に設置される周辺機器の中で、電源が必要となる部分について、徹底解説いたします。
アンテナ本体から配線部の構造と、各部分における電源の必要性をご理解いただくことで、急なアンテナトラブルの際にも、的確な原因の診断や、対応が可能になることでしょう。

戸建て住宅におけるテレビアンテナとケーブル配線部の仕組みとは?

ここではまず、一般的な戸建て住宅でテレビアンテナを設置した場合の、アンテナ本体から、家の中で各部屋に設置されたテレビなど受信機器までを接続するケーブル配線、および配線部に設置される機器について、各部にて電源が必要であるかの点も含め、解説いたします。
以下、テレビアンテナを起点として、テレビなど機器に至るまでの配線部と、その間に設置される機器を、一覧で個別に紹介してまいります。

・テレビアンテナ

戸建て住宅にテレビアンテナを取り付ける場合、まず基本的なアンテナとして、地デジ(地上デジタル放送)を視聴するための地デジアンテナ(UHFアンテナ)を設置します。地デジ放送に使用されるテレビ電波はUHF波であることから、地デジアンテナはUHFアンテナとも呼ばれます。
そして衛星放送(BS放送、CS放送)も視聴する場合には、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナを追加設置します。

他にも、地デジ放送で現場から見て、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔の方向が大きく異なり、一基の地デジアンテナでの受信が難しい場合には、メインの地デジアンテナとは別に、地方チャンネル用の地デジアンテナを設置するケースもございます。

戸建て住宅におけるテレビアンテナの一般的な設置位置は、高所であることから周辺の障害物に影響されにくく、方向調整が簡単で地デジ受信の感度、利得が高まるほか、BS/CSアンテナについても障害物の影響を避けて角度調整が行いやすくなる、屋根の上が主に選ばれます。
ただ現場の条件が許せば、住宅の壁面やベランダの内外、また地デジアンテナであれば屋内空間への設置が可能なケースもございます。

近年では、特に地デジアンテナについては、古典的な八木式アンテナのほか、壁面に設置できるデザインアンテナ、高所設置用ながらデザイン性や対候性の高いユニコーンアンテナなどの機種も登場しております。

なおテレビアンテナについては、その基本的な構造は、空間を伝わる電気的なエネルギーである電波を構造部でキャッチし、ケーブルで送信するというものなので、電源は必要ありません。
そのため地デジアンテナの多くの機種にも電源は必要ございませんが、ただ後述する「ブースター」を内蔵したモデルの場合は、ブースターに電気を送るための電源部が必要となります。

またBS/CSアンテナについては、衛星放送の仕組みから「コンバーター」と呼ばれる部位を作動させるための電源が必要となります。
これら各アンテナ機種の詳細と、電源の必要性、またその供給方法については、後の項でご説明いたします。

・混合器(アンテナミキサー)

混合器、またはアンテナミキサーとは、地デジアンテナとBS/CSアンテナなど、戸建て住宅に二基以上のアンテナを設置する場合、アンテナのすぐ近くに設置される装置です。その役割は、各アンテナから、受信したテレビ電波を送信するために延びる二本の同軸ケーブル(アンテナケーブル)を接続し、すべての電波を一本のケーブルにまとめることです。
アンテナケーブルを一本化することで、それ以降、使用するケーブルの長さや機器を簡略化でき、工事のコストを抑えて、シンプルでトラブルも起こりにくい配線部を実現できるのです。

なお混合器は、地デジアンテナを一基しか設置しない場合には使用しません。また後述するブースターのうち、混合器の役割をも兼ねる「混合ブースター」を使用する場合は、やはり単体の混合器は必要なくなります。

また混合器は、送信される電波を一本のケーブルにまとめるだけの装置で、電源を要する機構などは存在しないため、電源は必要ございません。
混合器については、以下のコラム記事でも詳細を解説しております。
・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?

・ブースター(増幅器)

ブースターとは、アンテナブースター、テレビブースターとも言い、テレビアンテナで受信して、ケーブルで送信されてきた電波の強度(レベル)を増幅する装置のことです。
特に地デジ電波の場合、アンテナの設置現場と電波塔との距離などにより、現場によって受信できる電波レベルに大きな強弱の差が生じます。また設置されたアンテナからテレビまでのケーブル配線が長い場合も、その間での電波の減衰(電波レベルの弱まり)が生じます。

ブースターは、このように受信できるテレビ電波が弱い、また配線などの関係で電波の減衰が生じる場合に、弱い電波レベルを増幅するために使用される装置です。
また屋内の各部屋に複数台のテレビを設置する場合も、アンテナが受信した電波レベルを台数分で割る形として均等に分配するため、地デジアンテナが十分な電波レベルを確保できる現場であっても、三台以上のテレビを設置する場合には、ブースターの設置が必要となります。

ブースターの種類は、主に設置場所別と、対応するテレビ放送(電波)別に分類できます。
設置場所別によるブースターの分類は、主に「屋外用ブースター」「屋内用ブースター」「ラインブースター」に分けられます。

屋外用ブースターは、文字通り、屋外への設置を前提としたブースターです。電波レベルの増幅性能が非常に高く、また外部環境に対する耐水性などの性能も高くなります。
ブースターには電波レベルを増幅すると同時に、電波に混じるノイズも増幅してしまう性質があるため、特に増幅性能の高い屋外用ブースターは、屋根の上のアンテナの真下や、引き込み口付近の屋根裏空間など、できるだけアンテナに近い位置へと設置されます。アンテナに近い位置へと設置することで、ノイズが混入しにくくなり、信号の損失を最小限に抑えることができるのです。

屋内用ブースター(室内用ブースター)は、文字通り、住宅の室内に設置できるコンパクトなブースターです。屋外用ブースターに比べると電波の増幅性能は低くなりますが、室内に設置できるため、一般の方でも設置や増幅レベル調整が簡単で、風雨などにも影響されません。
住宅内にて電波を増幅するレベルが多少でいい場合や、一部の部屋でのみ電波を増幅する場合に、この屋内用ブースターが採用されます。

ラインブースターは前置ブースターともいい、ケーブルよりやや太い筒や長方形の箱のような形状をした、小型のブースターです。テレビなど受信機器の前で、ケーブルとケーブルの間に挟み込むような形で接続します。
接続方法は非常に簡単ですが、増幅できる電波のレベルも低くなります。基本的にラインブースターは、その他のブースターの補助。またアンテナからの距離が遠く、電波レベルが減衰しやすい部屋などで主に使用されます。

また、対応する電波(テレビ放送)によるブースターの分類では「UHF帯用ブースター」と「UHF・BSCS混合ブースター」になります。
UHF帯用ブースターとは、文字通りUHF帯域の電波、すなわち地上デジタル放送の電波のみ増幅するブースターです。地デジ放送しか視聴しない(地デジアンテナしか設置しない)世帯では、このモデルのブースターが設置されます。

UHF・BSCS混合ブースターは、UHF帯域の地デジ放送と、衛星放送であるBS放送、CS放送、双方の電波を増幅できるブースターになります。また混合ブースターの名称通り、混合器の機能をも兼ね備えた機器になるため、この機器を使用する場合は、基本的に混合器の設置が必要ございません。
地デジ放送と衛星放送の双方のアンテナを設置する場合は、ブースターもこちらのモデルが選ばれます。ただUHF帯ブースターに比較すると、多機能な分だけ価格もやや高くなります。

なおUHF・BSCS混合ブースターは主に屋外用ブースターのモデルになり、室内用やラインブースターでは、混合器の機能を持たないUHF・BSCS対応型、またはUHF帯対応型になります。

そしてアンテナの配線部で電源が必要となる主な機器も、このブースターになります。ブースターとは電気的エネルギーである電波を増幅する装置であるため、電子回路を作動させて電波のエネルギーを増幅するための電源が必須であるためです。

ブースターへの電源供給方法は、まず屋外用ブースターの場合は、本体である増幅部と、電源を供給する電源部が別個になっております。
まず増幅部をテレビアンテナに近い位置へと設置し、アンテナ側からのケーブルを増幅部の入力端子に、屋内へ続くケーブルを出力端子に接続します。
そして電源部を、主に屋根裏空間などへ設置し、やはり同様にケーブル配線と接続。さらに電源部を電源コンセントと接続することで、アンテナケーブルを通じてブースター(増幅部)側に電源が供給されるのです。

なお現在の戸建て住宅には、主に屋根裏の空間などに、ブースターの電源部用であるコンセントがあらかじめ設置されております。もし存在しない場合は、アンテナ工事の専門業者がブースターを設置する際に、電源用コンセントもあらためて設置いたします。

屋内用ブースターでは、室内にあるコンセントから電源を取ることができます。ラインブースターの場合は、やはり同様に室内のコンセントに接続して電源を得るモデルもある他、テレビなど機器の「電源設定」をオンにすることで、テレビ側のチューナー端子からケーブルを通じて通電する電気を電源とするモデルもございます。

このようにブースターは、アンテナ配線部の中でも、安定した電波レベルの供給を実現する、重要な役割を果たす機器であると同時に、電源を必要とするアンテナ周辺機器の代表格であるとも言えます。
ブースターについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
・地デジ用テレビアンテナの受信レベルが低くなる原因とは? ブースターによる対処法など受信レベルを改善する工事の方法を解説!

・分配器

分配器とは、一個の入力端子と、複数の出力端子を持つ機器です。主に屋根裏空間などに設置され、テレビアンテナ側からブースターなどを経由して電波を送信するケーブルを入力端子に接続し、複数の出力端子に接続された、複数本のケーブルへと、等分に電波を分配する装置です。
分配器により分配されたケーブルは、住宅内の各部屋にあるアンテナコンセントへと接続されます。

分配器の分配数は、2分配から8分配まで、7分配を除いた6種類が存在し、ご自宅で必要となる分配数に、予備の1端子を加えたものが使用されます。

分配器の特性は、上記の通り、入力された電波レベルを、分配数によって均等なレベルに分配する点です。電波レベルの強度は「㏈(デシベル)」の単位で表されますが、例えば4分配器に180㏈の電波が入力された場合、4分配されることで、分配された先では、4本のケーブルに45㏈ずつという形になります。ただ正確には、ケーブルの接続端子や機器を通る際にわずかな減衰が生じるため、実際の出力先の電波レベルは45㏈よりやや低くなります。

また、アンテナ配線部を通じて、アンテナ本体やブースターなどに給電する場合、電源となるテレビなどのチューナー端子やブースター電源部からの電気は、出力端子から入力端子の方向へと、電波とは逆方向に流れる形で、この分配器を通ることになります。

そして分配器には「1端子通電型」「全端子通電型」の二種類がございます。一端子通電型は、複数ある出力端子のうち、一ヵ所のみで通電するもの。全端子通電型は、すべての端子で通電するものです。

この二種類は主に、BS/CSアンテナへと通電する際、その方式によって使い分けられます。価格的には1端子通電型のほうが低価格になりますが、電気を送信するケーブルを通電しない端子に接続してしまうと、そこで電気の流れが止まってしまうのでご注意ください。

また、分配器を接続した先のケーブルに、さらに分配器を接続して電波を分配するといった、いわゆる「カスケード接続(タコ足配線)」のような分配器の使用は、送信される電波が分配に分配を重ねてレベルが低下することになるため、基本的にはおすすめできません。行う場合は、各部屋のアンテナコンセントの先で、電波を2分配する程度など、必要最小限にとどめてください。

なお分配器も、電波レベルを等分に分配するだけの装置で、電気的な機構などは内蔵されていないため、基本的に電源は必要ございません。ただアンテナコンセントの先、個々の室内で使用する分配器については、分配された電波を補完するためのブースター内蔵型モデルなどもあり、このようなモデルでは、室内のコンセントなどから電源を得る必要がございます。

また分配器は、前述した混合器の他、後述する分波器。またマンションなどの集合住宅で使われる分岐器という機器とも、その名称や役割、機器の外見などが非常に似ており、混同しやすいためご注意ください。

分配器についての基礎知識や、上記の機器との役割の違い、区別の方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
・アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
・テレビアンテナの分配器の設置・接続、交換方法と注意点
・テレビアンテナの電波を各部屋に分岐する方法は? 分配器と分波器の違い・接続方法や選び方

・アンテナコンセント(テレビコンセント)

アンテナコンセントとは、アンテナ配線部の機器というより、住宅の設備になりますが、現在の一般的な戸建て住宅などで、テレビを視聴する部屋に設置された、壁面にアンテナ端子が配置された部分のことを言います。このアンテナコンセントと、室内に設置されたテレビ、レコーダーなどの受信機器を室内用アンテナケーブルによって接続することで、地デジ、衛星放送などのテレビ放送が視聴できるようになります。
また近年ではアンテナ端子の他、電源コンセントや電話回線、LAN端子なども一ヵ所に集めた「マルチメディアコンセント」であるケースもございます。

なおアンテナ端子とアンテナコンセントは混同されることもございますが、アンテナコンセントはコンセント部全体。アンテナ端子は、コンセント部にある接続端子を指し、この端子の形状は、年代によっていくつか種類がございます。
現在の主流であるアンテナ端子は、円筒形の先端部中央に端子を差し込む小さな穴があり、横にネジ切りがついたF型端子。またそれより少し以前の端子で、ほぼ同型ながらネジ切りのないプッシュ端子になります。

この二種類の端子であれば、多くのアンテナケーブルは併用可能ですが、F型接栓など、一部にはF型端子にしか対応できないコネクタも存在しますのでご注意ください。
これ以前の同軸直付端子、フィーダ端子などは、昭和期から平成初期の住宅で使われていたアンテナ端子になり、現在ではあまり見られることもございませんが、電波の漏洩や混入が生じやすく、現在の地デジ、衛星放送などのテレビ放送には適さない端子になりますので、アンテナ工事業者へとご依頼になり、お早めの交換をおすすめいたします。

またプッシュ端子も現在の新4K8K衛星放送には適さないものが多くなりますので、特に衛星放送をご覧になる場合は、できれば最新のアンテナ端子に交換されることをオススメいたします。

なおアンテナコンセント(アンテナ端子)については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・アンテナコンセントとは?その種類や耐用年数、交換法などを徹底解説!
・古いテレビアンテナやアンテナ端子は交換するべき? 交換が必要な条件や方法を解説!
・テレビコンセントをご自宅で交換することは可能なのか?
・テレビ端子(アンテナコンセント)がない部屋でのテレビ番組ご視聴方法

・分波器

分波器とは、地デジアンテナとBS/CSアンテナを設置し、混合器、または混合ブースターを使用している場合に、その対として使用する装置です。

分波器は、混合器などによって一本のケーブルにまとめられた、地デジ放送と衛星放送の電波を、アンテナコンセントの先で、テレビなど受信機器に接続する前に、双方の電波をふたたび2本のケーブルに分離する装置です。
形状は二分配型の分配器とほぼ同様で、構造的にも、シンプルな混合器とまったく同じで、それを混合器とは逆方向に接続するものになります。

使用法は、まずアンテナコンセント側に接続したアンテナケーブルを分波器の入力端子に接続。そして地デジ、BS/CSそれぞれの出力端子と、テレビなど受信機器の、地デジチューナー、BS/CSチューナーの端子をケーブルで接続することで、それぞれのチューナーに、分離された地デジ電波、BS/CS放送の電波が届くことになります。

また分波器にはケーブルとの一体型もあり、このようなモデルでは、ケーブル接続部を経由することによる電波の減衰が生じないというメリットがございますが、室内のアンテナコンセントから設置されるテレビなど機器までの距離に合わせた、適切なケーブルの長さをもつ製品を使用する必要がございます。
短すぎては接続できないことはもちろん、必要以上に長すぎる場合もケーブル送信時の減衰が生じるため注意が必要です。

なお分波器についての詳細や、混同しやすい分配器などとの役割の違い、区別の方法については以下のコラム記事、または「混合器」「分波器」の項でご紹介した各コラム記事をご参照ください。
・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!

・同軸ケーブル(アンテナケーブル)

同軸ケーブルとは、ここまでで説明したテレビアンテナから、ブースター、分配器などの各機器を経由して、アンテナコンセントからテレビなど受信機器までを接続する、ケーブルの種類になります。
これは電気や電気信号を送信する「被覆電線」の一種であり、名前の由来は、その断面が数層の同心円を重ねたような形状になることです。

同軸ケーブルにも用途によって種類の違いは存在しますが、アンテナケーブルの場合は、4層構造のものが一般的です。
まず中心部には、電気や電気信号を伝送する、銅製の線「内部導体(中心導体)」が通っております。
その内部導体の周辺を筒状に覆う、ポリエチレンなどによる素材が「絶縁体」です。名称通り、電気を通さない(絶縁)性質があり、内部導体で送信される電波信号などの電流を外部へと漏らさない役割をもっております。

その絶縁体の表面は、細い銅線を編んだ編組線や、その内外をさらに薄い金属箔でシールドした被膜「外部導体」で覆われております。この外部導体は、内部導体の電気信号などが外部へ漏れることや、ケーブル外部の電気、電波の影響から内部導体の信号をガードする、シールド効果を果たしております。
そしてケーブルのもっとも表面を覆うビニール製などの膜が「外部被覆(保護被覆、ビニル)」で、ケーブルそのものを外部からの衝撃などから守っている部分になります。

この同軸ケーブルは、絶縁体や外部導体の素材、太さ、また複層の構造などにより、品質が変わってまいります。品質が高く太いものは電波の減衰が生じにくく、長いケーブルも使用しやすい半面、折り曲げなどの取り回しがやや扱いにくく、逆に細いものは取り回しやすい一方で、品質が低くなり電波の減衰や断線が生じやすいため、長いケーブルの用途には適さないといった面が生じます。

また詳しくは後述いたしますが、同軸ケーブルの品質によって地デジ、衛星放送など対応できるテレビ電波にも違いが出てくるため、ご視聴になるテレビ放送の電波に対応する品質のアンテナケーブル(同軸ケーブル)をお選びになる必要もございます。
このケーブルの品質や対応できるテレビ放送の電波については、ケーブル製品のパッケージなどの他、ケーブル本体に印字されている、例えば「S-5C-FB」などの記号からも読み取ることができます。

この同軸ケーブルの種類や品質の違い。対応できるテレビ電波。記号の読み取り方などの詳細は、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
・テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!
・アンテナとテレビを結ぶアンテナケーブル、その種類と性能を徹底解説!
・室内のテレビアンテナケーブルを延長する方法とは? アンテナ線なしのワイヤレスで地デジ、衛星放送を見る方法も解説!

アンテナの材料一通り持参 アンテナ工事

 

アンテナ配線部や周辺機器における注意点とは?

以上のように、アンテナ配線部で電源が必要となる機器は、主に「ブースター」になります。
具体的なブースターへの電源の供給方法は、上記の項でご説明した通りですが、配線部の条件や給電方法によっては、分配器なども、ケーブルを介した通電に適した機器を設置する必要がございますので、どうかご注意ください。

また地デジ、BS/CSのアンテナで受信し、アンテナ配線部を送信されるテレビ電波も、地デジ電波、2K衛星放送の電波、新4K8K衛星放送の電波で周波数が異なるため、アンテナケーブルをはじめ、ブースターや分配器などの機器も、地デジ(UHF)対応、BS/CS対応、4K8K対応など、お住まいでご覧になるテレビ放送(電波)に対応する機器を設置する必要がございます。
各テレビ放送の電波や周波数帯については、以下の記事で詳しくご説明してまいります。

なお当あさひアンテナをはじめ、一般的なアンテナ工事業者が提示する、各種アンテナ機種の基本設置工事、標準設置工事などは、お住まいの適切な位置にアンテナ本体を設置し、周辺機器などは使用せず、屋内の一ヵ所のみと接続する最小限のアンテナ設置、および配線工事になります。

このご家庭で必要なアンテナ機種の基本設置工事に、同じくテレビ(アンテナコンセント)を設置する部屋数などにあわせて、適切な性能のブースターや分配器、その他の周辺機器を、オプション工事として設置することで、ご自宅の条件に最適化したアンテナ設置および配線部の工事が完成いたします。

そして工事費用は、アンテナ設置の基本費用に、お客様のご要望や現場の条件に合わせて、必要となったオプション工事などの総額となります。
アンテナ工事業者の中には、アンテナの基本設置工事費用はたいへんな低料金を謳いながら、使用するアンテナ機器のメーカーや型番を明確にせず、低価格で粗悪な機材を使用する。またその他のオプション工事費の体系を不明確にするなどの方法で、最終的には不当に高額の工事費用を請求する、悪質な業者も残念ながら存在しますので、お客様にはできる限りご注意いただきたく存じます。

当あさひアンテナでは、このような工事費用の総額についてのご不安を払拭すべく、各アンテナの基本設置工事費用はもちろん、各種オプション工事費用も、明確な価格体系でご案内しております。
例えば、上記した各種周辺機器のオプション設置工事費や、その他アンテナ設置工事、修理などに伴うオプション工事は、以下の価格でご案内しております。

・UHF帯ブースター設置工事:20,000円。(税込み、機器価格込み)
・UHF/BSCS混合ブースター設置工事:25,000円。(税込み、機器価格込み)
・分配器設置工事:5,000円より。(税込み、機器価格込み。価格は分配数などによって変動します)
・混合器設置工事:15,000円。(税込み、機器価格込み)
・既設アンテナ修理:5,000円より。(税込み)
・既設アンテナ方向調整:8,000円。(税込み)
・既設アンテナ撤去・処分:5,000円。(税込み)
・地方局アンテナ追加工事:15,000円。(税込み)

地デジ用、衛星放送用の各種アンテナ機種の基本設置費用については、以下の項でご説明してまいりますが、当あさひアンテナでは、地デジや衛星放送の各種アンテナ設置に当たって、前もって必要となる、現場に出張しての電波調査、また工事費用のお見積もりを、出張料やキャンセル料など各種費用をすべて含めた「完全無料」でご案内しております。

電波調査に当たっては、お住まいの各部屋、各位置で電波強度から品質まで、綿密な調査を行い、安定したレベルの地デジ電波が受信できることを大前提に、お客様のご要望に最適となる高品質な各種アンテナ工事を、各種オプション工事費を含め、業界最安に挑むお見積もり価格でご提案いたします。

弊社のお見積もり内容にご納得いただければ、即日対応の工事も可能です。もちろん他業者さんとの相見積もりにもご対応いたしますので、ぜひ相見積もりの際には、当あさひアンテナをお加えいただければ幸いです。

専門業者をはじめ、アンテナ工事を引き受ける業者による電波調査とお見積もり、また各業者による作業や工事費用などの違いについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
・戸建住宅におけるテレビアンテナ配線を徹底解説!
・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説
・業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事
・アンテナ工事の料金はいくら? 業者ごとの相場、必要な工事の選び方
・テレビアンテナ工事は即日で設置できる? 依頼可能な業者と方法・費用
・新築、既存住宅のテレビアンテナ工事はどこの業者に頼むか? おすすめ会社の選び方を、費用から依頼の流れまで徹底比較&解説!
・新築物件、中古物件、修理など各種テレビアンテナ工事を頼むおすすめ業者はどこ? 依頼できる業者選びの比較ポイント徹底解説!
・テレビアンテナ工事の専門業者は他の業者とどう違う? 技術から費用の相場まで比較しておすすめ業者の選び方を徹底解説!

地上デジタル放送の仕組みと地デジ電波について

地デジアンテナやその受信に関連する機器で、電源が必要になる機器の種類と、なぜ電源が必要になるのかという点をご説明するには、まず地デジ放送の仕組みや、地デジ電波の性質について、基礎的な知識をご理解していただく必要がございます。
以下の項では、地デジ放送および、地デジ電波についての基礎知識を解説してまいります。

地上デジタル放送(地デジ放送)とは、日本最初のテレビ放送であり、1953年(昭和28年)2月1日に放送をスタートした、現在で言う「アナログテレビ放送(アナログ放送)」から転換する目的でスタートしたテレビ放送です。

地デジ放送、アナログ放送とも、地上に設置された数多くの電波塔から、周辺エリアにテレビ電波を送信する形式の「地上波放送(地上波テレビ放送)」である点に違いはございません。なお地上波放送とは、主に衛星放送と対比する形の呼称となります。

この二種類の地上波放送の違いは、アナログ放送では、テレビの映像信号をそのまま、電波の強弱へと変換して放送していたのに対し、デジタル放送では、まず映像信号を「0」「1」のデジタル信号へと変換して、このデジタル信号を電波の波長に変換して送信している点になります。

地デジ放送は、2003年(平成15年)12月1日午前11時に、アナログ放送と並行する形で放送をスタートしており、2011年(平成23年)7月24日の正午、特例による一部地域を除き、日本国内でアナログ放送が終了(完全停波)したことにより、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されました。

なお地デジ放送、かつてのアナログ放送とも、非常時などには緊急情報を拡散する役割も持つ「基幹放送」であることから、どちらも日本国内の不特定多数を対象とした放送になっており、現在の地デジ放送は、地デジアンテナや受信機器を使用することにより、日本国内であれば(NHK受信料を除けば)誰でも無料で受信、視聴できます。

この地上波放送の転換は、当時の世界的なデジタル技術からアナログ技術への転換の趨勢と、また携帯電話の大幅な普及により、それまで地上波テレビ放送(アナログ放送)が多くを使用していた、電波の周波数帯を大きく削減するため、政府の主導で行われたものです。

アナログ放送と地デジ放送では、放送されるチャンネルや番組の内容には違いはありませんでした。
その違いは、後述する、使用される電波の周波数帯の違いと、デジタル化による送信できる情報量の大容量化、それに伴う多機能化です。

デジタル放送(地デジ放送)では、アナログ放送の時代に比べて、映像信号をデジタル化して大幅に圧縮することにより、使用する電波の周波数帯は削減しながら、約4.5倍という大容量の情報を送信することを可能としております。

それにより、テレビ放送の画質も、アナログ放送の時代は、現在の画素数に換算して640×480程度、DVD画質に相当する「SD放送」「SD画質」だったのに対し、地デジ放送では1,920×1,080のハイビジョン放送を実現しております。

その他にも、CD並みの音声のクリアさや2.0chステレオ放送による副音声機能。またマルチ編成や番組表、字幕放送、データ放送や双方向サービス、ワンセグ放送など、さまざまな機能が追加され、21世紀の新しいテレビ放送に相応しいものとなっております。

地デジ放送の詳細や、アナログ放送時代からの歴史、転換の経緯などについては、以下のコラム記事でもより詳しくご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

地デジ電波(UHF波)の特性とは?

現在の地上デジタル放送では、放送に使用される電波として、日本でもほぼ全国的に放送されるNHK、広域民放。また東京都の東京MXなど、主要都市圏の一部都府県で別個に存在し、その都府県内を放送エリアとする独立地方局の地方チャンネルなど、すべてのチャンネルを、「UHF波(極超短波)」と呼ばれる電波のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用し、送信しております。

ちなみにアナログ放送の時代は、NHK、広域民放のチャンネルは、UHF波より周波数帯の低いVHF波(超短波)のうち、90MHzから108MHzのローバンド帯、また170MHzから222MHzのハイバンド帯。独立放送局の地方チャンネルは、地デジ放送と同じUHF波のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使って送信していました。

したがって地デジ化された現在、使用される地デジアンテナは、すべて地デジ電波として使用されるUHF波の周波数帯に最適化した「UHFアンテナ」になります。
なおアナログ放送の時代、テレビアンテナは、日本全国各地では、NHK、広域民放を受信するための「VHFアンテナ」をまず設置し、地方チャンネルを受信できるエリアでは、現在の地デジアンテナとほぼ同じ「UHFアンテナ」を追加設置するという形でした。

現在の地デジ放送では、日本国内を、いくつかの都道府県によりまとめた、複数の広域圏に分けており、各広域圏で放送内容が異なっております。

例えば関東広域圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県)では、東京都墨田区押上に位置する、高さ634メートルを誇る日本一の電波塔、東京スカイツリーが、地デジ電波塔の中でも広域圏の中核を担うの役割を果たしており、東京都を中心に、各都県の多くのエリアに地デジ電波を送信して送信所(親局、基幹局)います。

ただこの東京スカイツリー(送信所)だけでは、遠く離れた県域や、山地など地形の影響で電波が遮断される地域など、広域圏のすべてに地デジ電波を行きわたらせることはできません。
そこで、送信所の周辺、電波が届きにくいエリアの要所に、数多くの大小の電波塔である、中継局(サテライト局)を、その名の通り衛星(サテライト)のごとく設置しております。

この中継局が、送信所や他の中継局からの地デジ電波を受信し、増幅して周辺エリアに送信し直すという形で、地デジ電波をリレー形式によって電波を送信していくことで、広域圏のほぼ全体に地デジ電波を送信しております。

各広域圏によって、このような送信所、中継局による放送網が構築されているため、日本国内では、地デジアンテナの設置や、フルセグ・ワンセグ受信機器の使用により、ほぼ全域で地デジ放送を視聴できるのです。

ただ地デジ電波に限らず、電波とは、波長を描いて空間を伝わる電気的エネルギーになります。そのため、電波塔などの発信元から距離が遠くなるほど、そのエネルギーは弱まり、いずれは消滅します。だからこそ、送信所と中継局のような仕組みで、日本各地に地デジ電波を行き渡らせる必要があるのだともいえます。

ちなみに電波の周波数とは、単位時間(1秒間)に電波が描く波長の数を示す単位で、Hz(ヘルツ)が単位となります。
1Hzであれば1秒に1回の波長を描く電波ということになり、1MHz(メガヘルツ)は100万回、1GHz(ギガヘルツ)は10億回、1THz(テラヘルツ)は1兆回になります。また電波は周波数体が高くなるほど、その波長の幅が短くなります。

そもそも電波とは電磁波の一種で、その中でも波長の幅が比較的、短いもの。日本の電波塔を含めて一般的には3THzまでのものをいいます。3THzを越えた電磁波は、周波数が低い順に、赤外線、可視光線、紫外線などの光、そしてⅩ線などの放射線になります。
電波の波長の長さは、長いもので数十キロから、短いものは0.1ミリほどの幅があります。そして電波は波長の幅が長いほど音の性質に、短いほど光の性質に近くなります。

地デジ電波であるUHF波の、470MHzから770MHzまでは、比較的、周波数帯の高い電波ながら、その波長の長さは40センチから60センチ程度であり、ある程度、音のように広がりやすい性質も持ちます。

そのため、例えば電波塔から送信された電波が、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合、そのビルを乗り越えて向こう側に伝わることもできます。ただし乗り越える力も完全ではなく、そのビルの裏側に当たる一帯、特に中心部などでは、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下してしまいます。

同じように、ほぼ同等の高さの住宅が、狭い間隔で立ち並ぶ住宅密集地などでは、屋根の上など遮蔽物のない空間では安定した地デジ電波が受信できる現場でも、家と家の間の空間が狭い壁面などの位置には、やはり地デジ電波が届きにくくなり、壁面設置用の地デジアンテナが使用できないといったケースも想定されます。

また地デジ電波は、一般的な戸建て住宅の壁や屋根などであれば、建材や屋根材、断熱材、設備などに、電波を反射する金属素材などが使われていない限り、透過の際に一定の減衰は発生するものの、屋内空間まで地デジ電波が到達します。
そのため、地デジ電波塔に近く電波レベルが強力なエリアであれば、室内アンテナの使用や、住宅の屋内空間への地デジアンテナ設置が可能となるケースもございます。

ただ地デジ電波レベルは、同じ現場であっても、一年を通した気候の変化により、空気の膨張や収縮などの影響を受けて、6㏈程度の変動が生じてまいります。また電波は水分に吸収されやすい弱点があるため、豪雨などの悪天候の際には、電波レベルが大きく減衰してまいります。
そのため、青天の日や特定の季節には安定して地デジ放送を視聴できる現場でも、悪天候や季節の変化による電波レベルの変動を受けて、地デジのテレビ画面に乱れが生じることもございます。

なお、日本国内の各エリアで、どの程度の地デジ電波レベルを受信できるかの目安には「電界地域」と呼ばれるものがございます。
この電界地域は、法律などにより統一された定義ではなく、放送局やアンテナメーカーなどが、受信の目安として個々に定義しているものであるため、場合によってやや基準の違いはございますが、一般的に以下のような「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の三通りに分けられます。

「強電界地域」とは、その一帯で受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアです。
一般的には、地デジ電波を送信している電波塔が視認でき、周辺に電波を遮る地形や建物などの障害物も少ないエリアが該当します。
強電界地域であれば、どのようなアンテナでも安定した強いレベルの地デジ電波が受信できます。そのため、使用できる地デジアンテナ機種。設置位置の選択肢も広く、室内アンテナや、地デジアンテナの室内設置が可能となるケースも多くなります。

ただこのように電波環境がよいエリアで、受信感度が高すぎる地デジアンテナを使用すると、ノイズなども受信しやすくなるほか、地デジ電波レベルは、テレビなどのチューナーに届いた時点で90㏈以上と強すぎても、地デジ放送の画面に乱れなどが生じるため注意が必要です。

強電界地域に適した地デジアンテナは、素子数にして8素子(相当)から14素子(相当)程度。また受信できる電波レベルが強すぎる場合は「アッテネーター(減衰器)」と呼ばれる、地デジ電波を適度に減衰させる機器を配線部に設置する。またアッテネーター機能をもつテレビなど受信機器の場合は、機能をオンにするといった対応が必要です。

「中電界地域」は、一帯で受信できる地デジ電波レベルが80㏈から60㏈の範囲のエリアをいいます。具体的には、地デジ電波塔から見て、おおむね強電界地域の周辺一帯になります。
中電界地域でも、そこまで強力ではないものの、安定したレベルの地デジ電波を受信できるため、地デジアンテナの機種や設置位置については、強電界地域ほどではなく、屋内設置などは難しくなることも多く、ブースターも必要になるものの、ある程度は選択肢が広くなります。
中電界地域に適した地デジアンテナの素子数は14素子(相当)から20素子(相当)程度ですが、中電界地域になると、地デジ電波を遮る高層ビルなど、現場の周辺環境にも影響されやすくなるため、どうかご注意ください。

「弱電界地域」は、受信できる地デジ電波レベルが60㏈以下になるエリアです。電波レベルの数値的には、安定した地デジ受信のためには必要最小限に近いレベルとなり、エリア的には、電波塔から見て中電界地域よりさらに遠い位置。また山地などの影響で地デジ電波が遮られやすい地域になります。
弱電界地域では電波を遮る高層建築や、気候、天候などにもより影響を受けやすくなるため、主に20素子(相当)以上の高性能な地デジアンテナを、住宅の屋根の上をはじめとする、障害物に影響されにくい高所に設置する必要がございます。またブースターの設置も必須となります。

また弱電界地域でも、特に受信できる地デジ電波が50㏈程度から40㏈以下であり、アンテナ単体では安定した地デジ放送の視聴が難しくなるエリアを、微弱電界地域と呼ぶこともございます。微弱電界地域は、基本的に電波塔から見た地デジ電波の受信範囲外となります。
このようなエリアで安定したレベルの地デジ電波を受信するためには、パラスタックアンテナと呼ばれる、微弱な地デジ電波も受信できる超高性能型の地デジアンテナが必要となります。

他にも日本国内には、一部ながら、地デジ電波が遮断される山間部。また近辺に中継局が存在しない過疎地域、離島部など、地デジ電波がまったく届かないエリアも存在します。
このようなエリアは、地デジ放送の「難視聴地域」と呼ばれ、主にケーブルテレビ(CATV)や地域による共同受信用の大型アンテナなどを利用して、地デジ放送をはじめとするテレビ放送を視聴することになります。

これら電界地域を確認する方法としては、インターネット上の「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内のページ「地デジ放送エリアのめやす」で、調べたいエリアの周辺に存在する地デジ電波塔と、各電波塔から地デジ電波が届く範囲を視認することができます。

ただ前述の通り、電界地域とは、統一的な定義のない大まかな目安に過ぎない点。また基本的には電波塔からの距離と地形から割り出した基準であり、気候や天候、また高層建築など局地的な障害物の影響は考慮されていないという点に注意が必要です。

その他、地デジ電波の品質を判断する基準には「MER」「BER」がございます。また地デジ電波、地デジ放送の特性として、地面から高度が高くなるほど、受信できる電波レベルが波のように強弱を繰り返す「ハイトパターン」。また電波同士の混信を避けるため、一部の中継局で送信する電波の波長の角度を使い分ける「水平偏波」「垂直偏波」などがございます。

これら地デジ電波の特性や、アナログ放送時代のテレビアンテナの違いなどについては、以下の各コラム記事で、項目ごとに詳しくご説明しております。よろしければご参照ください。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

地デジ放送で電源が必要となるアンテナと機器とは?

以上のように、地デジ放送は、日本のほぼ全国各地で受信可能ですが、地域によって受信できる電波レベルに比較的、大きな差が出てまいります。また住宅内に設置されるテレビなど地デジ受信機器の台数が三台以上になると、その分、必要な地デジ電波レベルも大きくなります。

そのため、現在では電界地域にほぼ関係なく、戸建て住宅への地デジアンテナ取り付けに当たっては「ブースター」の設置が必須となります。前述のようにブースターは地デジ電波を増幅する役割を持つ機器であるため、電源が必要となります。
戸建て住宅において、地デジアンテナを含め、地デジ放送を受信するための機器の中で、電源が必要なものは、特殊なケースを除けば、基本的にこのブースターのみとなります。

ブースターへの電源供給の方法は、上の項ですでにご説明しております。ただ、地デジアンテナ機種の中には、受信性能を補完するため、ブースターを内蔵するモデルも存在します。ブースター内蔵型の地デジアンテナでは、やはり電源部の設置、接続が必要となります。

以下では、現在、戸建て住宅への設置に使用される主な地デジアンテナ3機種、すなわち八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナについて、機種ごとの電源の必要性も含めて詳しくご説明してまいります。

地デジ:八木式アンテナとは?

八木式アンテナとは、アナログ放送の時代から使われている古典的なテレビアンテナです。
現在の地デジアンテナ(UHFアンテナ)としての八木式アンテナは、サイズは受信性能(素子数)によっても変動しますが、主に1メートル弱から1.5メートル程度の、矢印のような骨組みの全体に、短い横棒がいくつもついた形状で、よく魚の骨に例えられます。

この短い横棒は「素子(エレメント)」と呼ばれるパーツで、地デジ電波を受信するパーツに当たり、この素子数(相当)の数値が、アンテナの受信性能を示すものになります。
その基本的な設置位置は、住宅の屋根の上など高所が選ばれ、主に屋根馬という四脚の器具に固定された、マスト(ポール、支柱)の先端です。

他にも、サイドベースなど専用の設置具によって、住宅の壁面やベランダの手すりなどにマストを固定して設置されることもあります。またベランダ内部への設置や、専用の小型モデルを使用して、軒先などから吊り下げる形で取り付けられることもございます。

八木式アンテナの特徴は、古典的かつシンプルな構造で、8素子、14素子、20素子など、幅広い素子数(受信性能)のモデルが存在し、強電界地域から弱電界地域まで、幅広いエリアで使用できることです。

またⅩ字型のパーツの上下左右などに複数の素子部を並べる「高性能素子」を使用した高性能アンテナ「パラスタックアンテナ」では、27素子、30素子などの多素子モデルも存在するため、微弱電界地域でも地デジ電波の受信が可能となります。

このような素子数の多彩さに加え、設置位置が屋根の上である種、周辺の建築物など電波を遮る障害物に影響されにくい。素子が露出していて受信感度が高まる「素子アンテナ」である。指向性が鋭い。ローチャンネル用モデルなど、受信できるチャンネル帯域を絞って受信感度を高めたモデルもあるなどの要因から、八木式アンテナは総合的に、現在の地デジアンテナ機種では、受信性能がもっとも高い機種となっております。

また古典的モデルで、その設計のシンプルさから製造や設置の技術も完成されているため、地デジアンテナ機種では、本体価格や設置費用がもっとも低価格な機種でもあります。

一方、八木式アンテナのデメリットとしては、その独自の形状と設置位置から、住宅の屋根の上で目立ちやすく、家屋のデザイン性や景観を乱す。また風雨や積雪、海沿いの潮風など、自然環境の影響を受けやすく、経年劣化が進みやすいため、アンテナの耐用年数(寿命)が短くなる、という点が挙げられます。

一般的な八木式アンテナの耐用年数は10年程度とされておりますが。現在では八木式アンテナもステンレスモデルなど、設計や素材の改良、加工などにより、軽量化、防水性、防サビ性などが向上したモデルも存在します。さらにさまざまな自然環境に対応できる設計、加工を施した雪害用、塩害用のモデルも存在するため、これらのモデルを使用することで、厳しい自然環境下でも、経年劣化を抑えてアンテナ寿命を延ばすことが期待できます。

なお八木式アンテナ本体は非常にシンプルな構造で、地デジ電波を受信する以外の機能を持たないため、アンテナ本体に対する電源の供給は必要ございません。

なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事に、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」本体をご用意し、基本的な設置具、同軸ケーブル、防水処理などをセットにして、税込み15,000円からでご案内いたします。
他にも8素子、14素子、16素子、20素子モデルや各種パラスタックアンテナ。またローチャンネル、ロー・ミドルチャンネル対応型など核種の受信性能を持つモデル。自然環境に強いステンレスモデル、塩害用モデル、雪害用モデルなどもご用意しているため、安定した受信性能から風雨などへの強さまで、どのような現場にもご対応いたします。

八木式アンテナの本体や設置方法、その他の詳細については、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

地デジ:デザインアンテナとは?

一般的なデザインアンテナとは、平面アンテナとも呼ばれる、アンテナ機器部を長方形の薄型ケースに収め、壁面などへの設置を前提とした地デジアンテナのモデルであり、2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、地デジアンテナの第二世代になります。

平面アンテナとしてのデザインアンテナは、他にも壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどの別名もございます。またデザインアンテナの名称は、広義には、後述するユニコーンアンテナなど、デザイン性に工夫を凝らしたテレビアンテナの総称としても使用されます。

デザインアンテナの設置位置は、主に住宅の外壁やベランダの手すり部です。他にも八木式アンテナと同じく、屋根の上のマストや、壁面状の部分に設置されるケースもございます。
また強電界地域で住宅の建材などの条件が整った現場に限られますが、コンパクトモデルの室内設置や、通常モデルを屋根裏空間、天井裏空間に取り付ける施工も可能です。

デザインアンテナのメリットは、その形状と設置位置、そして同モデルでも豊富なカラーバリエーションから、住宅に設置しても外観性や景観を崩さない点です。
さらに形状と設置位置から、風雨などにも影響を受けにくいため、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が長くなり、トラブルも起こりにくくなります。デザインアンテナの耐用年数は、通常の屋外設置で15年から20年程度とされております。

このようにメリットが豊富なため、デザインアンテナは、現在ではもっとも人気の高い地デジアンテナです。ただそのデメリットとしては、受信性能がやや低くなる点が挙げられます。

デザインアンテナの受信性能は、屋内屋外兼用型のコンパクトモデルなどを除けば、主に20素子相当、26素子相当と、そのブースター内蔵型になります。
さらに素子部が露出しておらず、受信性能の表記が「素子数相当」になる。指向性がやや広い。オールチャンネルアンテナしか存在しないといった点のほか、何より、戸建て住宅に設置される位置が低く、周辺環境に影響されやすいとい点から、総合的な地デジの受信性能では、同素子数モデルであっても、八木式アンテナよりは低くなるのが実態です。

したがってデザインアンテナは、基本的に強電界地域から中電界地域向けのモデルであり、弱電界地域では使用できないケースもございます。
また強電界地域などであっても、基本的な設置位置の低いデザインアンテナは周辺環境に影響されやすく、特に高層マンションの近隣や、隣家との間の空間が狭い住宅密集地などでは、デザインアンテナを外壁に取り付けても、受信できる地デジ電波レベルが非常に低くなるため、設置できないケースも出てまいります。

その他、外壁への設置ではビス穴を開ける必要が出る。アンテナ価格や設置費用が八木式アンテナよりやや割高になる。壁面などでも電波塔などの方向をむいた側にしか設置できないなどのデメリットもございます。

総じてデザインアンテナは、八木式アンテナの弱点をカバーすることを眼目に開発された地デジアンテナであるため、メリットとデメリットは八木式アンテナと対照的なものになります。

そしてデザインアンテナは、ここでご紹介する地デジアンテナ機種の中で、唯一、電源が必要になるケースもあるアンテナ機種でもあります。

デザインアンテナを設置する場合、その受信性能の低さから、ほとんどの場合はブースターの設置が必須となります。そのためアンテナメーカーでも多くのモデルでは、通常モデルと、同モデルのブースター内蔵型を販売していることが多くなります。

ブースター内蔵型のデザインアンテナでは、メーカーやモデルにもよりますが、アンテナ本体の他にブースター電源部が付属しており、一般的には通常のブースター設置と同じく、屋根裏空間などにあるブースター用の電源に電源部を接続し、アンテナ配線部の同軸ケーブルを通じて、デザインアンテナ側へと給電する形になります。

またブースターを内蔵していないデザインアンテナでも、裏側にブースターの取り付け空間を用意して、別売りのブースターをスッキリと設置できるモデルが存在します。

なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事に、DXアンテナ製の高品質20素子相当モデル「UAH201」。または強電界地域であれば、マスプロ電工製、業界最小のコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と設置具や白黒2色の同軸ケーブルなど基本部材をセットにして、税込み20,000円からでご案内しております。
その他、26素子相当モデルやブースター内蔵モデル、垂直偏波用モデルなども各カラーバリエーションでご用意しており、現場の受信条件が許す限り、さまざまなご要望にご対応するデザインアンテナの設置が可能となります。

デザインアンテナの本体の特徴やさまざまな設置方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
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地デジ:ユニコーンアンテナとは?

ユニコーンアンテナとは、マスプロ電工が2017年(平成29年)に発売した地デジアンテナの第三世代モデル「U2CN」のことです。2023年現在の最新モデルでもあるその特徴は、縦幅は約67センチ、直径は12センチから14センチ程度の、ほぼ円筒形のアンテナ本体をマストの先に立てて固定するという、まるでアイスキャンディのよう外観になります。
マストとの接続部もカバーで隠せるため、その外観は非常にスタイリッシュで、カラーバリエーションは落ち着いたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の2色がございます。

ユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上に屋根馬で固定されたマスト。または屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所に設置されたサイドベースのマストです。
総じてユニコーンアンテナの設置場所は、屋根の上と同様の高い位置になります。

ユニコーンアンテナのメリットは、その洗練された外観から、高所に設置しても住宅の外観性や景観に悪影響を与えない点です。さらに形状から雨風や雪なども受け流しやすいため、自然環境に影響されにくく、経年劣化も進みにくくなります。
ユニコーンアンテナの耐用年数(寿命)は、最新機種であるため正確には不明ながら、デザインアンテナとほぼ同等の15年から20年程度とみられております。

そしてユニコーンアンテナの受信性能は、本体の性能は20素子相当モデルのみながら、設置位置が屋根の上と同等の高所になるため、周辺の高層建築物などの障害物に影響されにくく、受信感度が高まる点が特徴です。

ユニコーンアンテナを高所に設置した場合の受信性能は、周辺環境の良い壁面に設置された20素子相当のデザインアンテナとほぼ同等とされております。

しかしデザインアンテナは、前述の通り、地デジ電波状態は良好なエリアでも、高層建築の近隣や住宅密集地などの環境では、壁面に十分なレベルの地デジ電波が届かないため、設置できないケースも出てまいります。
そのような現場であっても、ユニコーンアンテナであれば、外観性や対候性などはデザインアンテナと同等のまま、設置位置を高くできるため、安定した地デジ電波の受信レベルを確保でき、設置が可能となるケースが多くなります。

総じてユニコーンアンテナは、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを兼ね備えた第三世代モデルといえます。ただそのデメリットとしては、20素子相当のみで素子が露出していない。オールチャンネルアンテナのみである。指向性がデザインアンテナより広いなどの点から、八木式アンテナの20素子モデルやそれ以上の高性能モデルには、受信性能では及ばないという点になります。
したがって基本的にはユニコーンアンテナも、強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースもございます。

また最新モデルであるため、現在の地デジアンテナでは、本体価格や設置費用がもっとも高価になる。純和風建築など住宅のスタイルによっては、アンテナのデザインとマッチせず外観性を崩すこともあるなどのデメリットもございます。

なおユニコーンアンテナも基本的には地デジ電波を受信するだけの、シンプルなアンテナであるため、アンテナ本体に電源部は必要ございません。

なお、当あさひアンテナでは現在、アンテナ本体と基本的な設置部材、ケーブルなどを含めた、ユニコーンアンテナの基本設置工事を、業界最安に挑むキャンペーン価格でご案内しております。
またユニコーンアンテナの特性や、その他のアンテナモデルとの比較については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

衛星放送の仕組みとその電波について

続いて、衛星放送用および、そのテレビアンテナについて、ご説明してまいります。
衛星放送とは、宇宙空間の赤道軌道上、高度で約36,000キロ上空に位置し、地球の自転にあわせて周回しているため、地上からは上空の同じ位置に、常に静止して見える「静止衛星」を利用したテレビ放送です。

電波を送る形式は、まず地上の放送局より、この静止衛星に向けて放送電波を送信(アップリンク)します。その電波を受け止めた静止衛星が、電波の周波数帯を変換して増幅したのち、地上の広範囲へと送り返す(ダウンリンク)という形になっています。

そのため、日本国内を網羅するために、地上に多数の電波塔の設置が必要となる地デジ放送とは異なり、地上の一か所の放送局から、一基の静止衛星を経由することで、日本国内の全域など、地上の非常に広い範囲へと、大容量の情報を効率的に送信できる点が衛星放送の特徴といえます。

またその方式から、地上の地形や建築物などの障害物、さらには地上で発生した災害などにも影響を受けにくく、常に安定した放送が可能になる点も、衛星放送の大きなメリットです。

2023年現在、日本の衛星放送には、「放送衛星(Broadcast Satellite)」を使用するBS放送(BSデジタル放送)と、「通信衛星(Communication Satellite)」を使用するCS放送(CSデジタル放送)の二種類が存在します。

BS放送では、現在は東経110度に位置する放送衛星を使用しております。BS放送では、NHK、広域民放など、放送内容は異なりますが、地上波と同じ基幹放送各局のチャンネルをはじめとする無料チャンネル。またチャンネルごとに月額契約制の有料チャンネルがございます。
BS放送は地デジ放送と同じく不特定多数を対象としたテレビ放送であるため、衛星放送のアンテナを設置することで、日本国内であれば誰しもが視聴することができます。

CS放送は、CS放送事業者との契約を結んだ視聴者を対象にする放送です。そのためBS放送以上の多チャンネルながら、その大半が有料チャンネルであり、視聴者はご覧になりたいチャンネルと個別に契約することで視聴できます。
2023年現在、CS放送には、東経110度に位置する通信衛星を用いる、110度CS放送「スカパー!」と、東経124度、128度の通信衛星を用いる、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の2サービスが存在し、それぞれ別個の契約、および専用アンテナの設置が必要となります。

さらに2018年(平成30年)12月1日には、BS放送、CS放送それぞれに複数の4K、8Kチャンネルが追加される形で、衛星放送の4K8K放送「新4K8K衛星放送」が放送スタートしています。

これらBS放送、CS放送などの衛星放送で、静止衛星である放送衛星、通信衛星から地上へとダウンリンクされる電波は、電波の中でも周波数帯が高いマイクロ波(SHF波)のうち、周波数帯が12GHz前後にあたる「12GHz帯」と呼ばれるものであり、その波長の幅は25ミリ前後になります。

したがってその性質は光に近くなり、直進性が非常に高く、エネルギーを集中させやすいという性質があります。衛星放送ではこの12GHz帯の電波を、静止衛星から、日本列島全体にスポットライトを照射するようにして送信しています。
そのため地上に設置した小型のBS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)でも、衛星放送のテレビ放送を視聴するのに十分なレベルの電波が受信できるのです。

衛星放送のメリットは前述した通りですが、その一方で、静止衛星から送信される12GHz帯の電波には、以下のような弱点も存在します。

ひとつめは、電波の経路となる空間に存在する「障害物」です。
静止衛星から送信される12GHz帯の電波は、光のような直進性でまっすぐ地上まで届き、設置されたBS/CSアンテナで受信されることになります。しかしこの12GHz帯の電波が伝わる直線上に、山地や建物などはもちろん、樹木やその枝、電柱や電線、洗濯物などのささいな障害物が存在しても、ちょうど光が遮られてアンテナの側に影を落とすような形になり、電波が遮断されてしまうのです。

その結果、アンテナ側で受信できる衛星放送の電波レベルが低下し、衛星放送の視聴に問題が出ることがございます。したがってBS/CSアンテナ設置の際には、アンテナを向ける方向に障害物のない位置を選ぶことが重要になります。

もうひとつが「天候の影響」です。地デジ放送の項でもご説明した通り、電波は水分に弱く、その点は12GHz帯の電波も変わりません。特に波長の幅が25ミリ程度と非常に短い12GHz帯の電波は、通常の雨などではさほどの影響は受けないものの、雨や雪の粒が25ミリに近くなる豪雨や大雪になると、空間を送信される12GHz帯の電波が、空中の雨や雪に吸収されるほか、乱反射も起こります。

それにより、地上に設置されたBS/CSアンテナで、衛星放送の電波が十分に受信できなくなり、映像、音声の乱れや、一時的に視聴できなくなるケースがございます。これを「降雨減衰」「降雪減衰」といい、基本的には天候の回復を待つ以外の対策がございません。ただ、やや大型で受信性能が高くなるBS/CSアンテナを使用することで、降雨減衰、降雪減衰の対策にもなり得ます。

他にも、衛星放送の12GHz帯の電波は、障害物の影響を除けば、日本国内の津々浦々に届きますが、日本の中心部に比べて、北部や南端部、離島部などでは、静止衛星からの距離が遠くなる分、距離による減衰が生じ、受信できる12GHz帯の電波のレベルがやや弱まります。この場合も、一般戸建て住宅向けのBS/CSアンテナに比べて、やや大型のBS/CSアンテナが必要となってまいります。

これら、衛星放送の仕組みや電波に関する詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

衛星放送用BS/CSアンテナの構造と電源が必要な理由とは?

現在の日本における衛星放送を受信するためのアンテナは、車載用やアウトドア用など一部の特殊なモデルを除き、どれもパラボラアンテナになります。
中でも現在、一般的な衛星放送用のアンテナとして用いられるのが、BS/CSアンテナ(BS/110度CSアンテナ)です。これは一基で、同じく東経110度に位置する、BS放送の放送衛星、110度CS放送(スカパー!)の双方を受信できるというモデルです。

他にも、124度/128度CS放送を受信するための、プレミアムサービスアンテナ専用アンテナ。さらにBS放送、110度/124度/128度CSのすべての電波を受信できるマルチアンテナなどが存在します。
以降では、基本的にBS/110度CSアンテナを前提にご説明してまいります。

パラボラアンテナとは、主に大きな皿(dish)のような形状を持つ「放物面反射器」。もしくはそのまま「ディッシュ」と呼ばれる部分を中心にしたアンテナです。
このディッシュ部の裏には、アンテナをマストに取り付ける固定部と、その下から金属製の支柱であるアーム(コンバーターアーム)が伸び、ディッシュ表側の中心部近くに「コンバーター(変換器)」という部分を固定しています。またこのコンバーターから同軸ケーブルが伸び、屋内に衛星放送のテレビ電波を送信する仕組みです。

BS/CSアンテナは、まずディッシュ部を、静止衛星が位置する東経110度の方向へと正確に向けることにより、静止衛星から直進的に送られる12GHz帯の電波を受け止めます。ディッシュ内側の放物曲面に反射した12GHz帯の電波は、コンバーターの一次放射器に集まる形で集中します。
こうして12GHz帯の電波はコンバーターに集まるのですが、この12GHz帯の電波は、周波数帯が高すぎるため、そのままケーブルで送信すると減衰量が非常に大きくなってしまいます。

そこで、このコンバーターにて12GHz帯の電波を、ケーブルで送信しやすいMHz帯の電波へと変換した後、ケーブルで送信し、ブースターや分配器、分波器などを経由して、各室内にあるテレビなど受信機器などのBS/CSチューナーへと届けられるのです。

ちなみに現在、衛星放送の12GHz帯の電波でも、旧来の2K放送であるBS放送、CS放送のチャンネル。および新4K8K衛星放送のうち、基幹放送であるBS放送のNHK、各広域民放の4Kチャンネルは、右回りの螺旋を描いて進む「右旋円偏波」。それ以外の新4K8K衛星放送の大半のチャンネルは、左回りの螺旋を描いて進む「左旋円偏波」が使用されています。

これらの電波は、BS/CSアンテナのコンバーターで変換される際、右旋円偏波は1032MHzから2072MHzの周波数帯に。左旋円偏波は2224MHzから3224MHzの周波数帯に変換されます。
そしてこのコンバーターも、電気的なエネルギー波である電波の周波数帯を、電気的に変換する電子機器であるため、その作動には電源が必要となるのです。

このコンバーターは、いわばBS/CSアンテナの心臓部ともいえる重要な電子機器ですが、その作動には電源の供給が必須になります。コンバーターに電源を供給する方法は、やはりアンテナケーブルを通じてのもので、その方法は、以下の二通りにわけられます。

ひとつは、ブースター電源部からの電源を供給する方法です。戸建て住宅に地デジアンテナ、BS/CSアンテナの双方を設置する場合、各部屋に双方のテレビ電波を行きわたらせるため、主にUHF/BSCS混合ブースターを設置することになります。
そのブースター電源部から同軸ケーブルを通じて、ブースターだけでなく、BS/CSアンテナに電源を供給するという方法です。

もうひとつは、テレビなどの受信機器の側で、リモコンを使って設定画面などから「BSアンテナ電源設定」を選択し、電源設定を「オン」または「オート」にするという方法です。これによりテレビなどのチューナー端子から必要に応じて給電され、ケーブルを通じてBS/CSアンテナのコンバーター電源となります。

なおBSアンテナ電源設定の方法や名称は、テレビのメーカーやモデルによっても多少の違いがございますので、お持ちのテレビに付属するマニュアル(説明書)や、メーカーの公式サイトなどをご確認ください。

ただ、この電源部によるBS/CSアンテナへの給電、特に後者のチューナー端子からの給電の場合は、上記した分配器の選択も重要になります。

住宅内に複数のテレビが設置されている場合、BS/CSアンテナへと給電する方法は、特定の一台のテレビからアンテナ側へ常に給電し続ける方法と、テレビなどで衛星放送を視聴する際のみ、アンテナ側へ給電する方法がございます。

一台のテレビから常時給電する場合は、アンテナ配線部の分配器に「1端子通電型」を使用し、給電を行うテレビなどの機器でBS電源設定をオンにして、通電する出力端子を接続し、BS/CSアンテナ側へと給電します。
この方法は、少し前までBS/CSアンテナへの主流の給電方法でしたが、視聴しない際も給電し続けるため節電上の問題や、給電を行うテレビの電源を切っていると、アンテナ側に給電が行われないため、他のテレビで衛星放送が視聴できないという問題が生じました。

そのため近年では、住宅内の各テレビで、電源設定を「オート」にして衛星放送を視聴する際のみ、BS/CSアンテナに給電する、オート給電の方式が主流になっております。この方式では、住宅内の個々のテレビで衛星放送を視聴する際、BS/CSアンテナに給電されていない際のみ、テレビ側で自動判断してアンテナ側に給電するため、節電になる上、過剰給電によるショートの心配もございません。

ただこのオート給電を行う場合には、すべてのテレビから、配線部を通じてアンテナ側に給電されるよう、分配器に「全端子通電型」を使用する必要がございますので、ご注意ください。

なおBS/CSアンテナの電源設定に関しては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法

その他、BS/CSアンテナについての基礎知識

ここでは、BS/CSアンテナの電源設定とは直接の関係はないものの、BS/CSアンテナを設置するにあたり、重要となるポイントをいくつか解説してまいります。

まずBS/CSアンテナの設置に当たり、もっとも重要な点は、アンテナのディッシュ部を静止衛星の位置する東経110度へと正確に向ける必要がある点。そしてアンテナを向けた方向に電波を遮断する障害物がない点になります。

これは静止衛星から直進的に送られる12GHz帯の電波を、ディッシュ部で反射させ、コンバーターに集めるという構造からの必要で、この角度調整にミリ単位の狂いが生じても、受信レベルが大きく低下することにつながりますので、ご注意ください。

なおBS/CSアンテナを東経110度へと正確に向けて、その先に建築物などの障害物がある場合、アンテナ位置を起点とした障害物の高さに対し、アンテナと障害物の間が1.5倍以上は離れていれば、12GHz帯の電波を受信する上での悪影響はございません。

例えば、BS/CSアンテナを向けた東経110度の先に、アンテナの位置から8メートル高い住宅などがある場合、BS/CSアンテナと建物との間に12メートル以上の距離があれば、特に問題は起こらないことになります。
逆にいえば、これらの条件さえ満たしていれば、BS/CSアンテナの設置位置には特に制限は生じません。

戸建て住宅における一般的なBS/CSアンテナの設置位置は、配線がまとめやすいよう、地デジアンテナと同じ位置が選ばれ、障害物に影響されにくく角度調整も行いやすい、屋根の上などの他、住宅の壁面やベランダ内外などになります。

また12GHz帯の電波は、住宅の屋根や壁など透過できないため、屋内設置は難しくなりますが、唯一、静止衛星からの電波を受信する条件が整った、シンプルで透明な窓ガラスの窓際であれば、BS/CSアンテナを窓際に据え置きできる場合もございます。

もうひとつ、前述した新4K8K衛星放送については、前述の通り、一部を除く大半のチャンネルで、従来の2K衛星放送に使用されてきた右旋円偏波ではなく、左旋円偏波が使用されております。
これは新4K8K衛星放送のスタート時、従来の右旋の電波では、新しく追加される数多くの4K8Kチャンネルに割り当てられる周波数帯が不足したためです。

そしてBS/CSアンテナおよび配線部の周辺機器も、左旋の電波および、コンバーターで変換された3442MHzまでの周波数帯に対応できる機器が必要となるのです。

2023年現在のBS/CSアンテナはすべて、右旋と左旋の双方の電波に対応できる2K4K8K対応型になりますが、もし2018年以前に設置された、右旋の電波のみを受信する2K対応型BS/CSアンテナをお使いの場合には、新4K8K衛星放送をご視聴するためには、2K4K8K対応型BS/CSアンテナへの交換が必要となってまいります。

同じように配線部のケーブルやブースター、分配器などの機器も、2018年以前の機器では、左旋の電波が変換された周波数帯に対応できないこともございますので、この場合も、機器、ケーブル類を4K8K(3442MHz)対応型へと交換することが必要となります。

BS/110度CSアンテナの種類やモデルについては、前述の通り、基本的にパラボラアンテナの一種類のみとなり、メーカーやモデルによる大きな受信性能の違いはございません。
ただ本体のディッシュサイズに、ディッシュ直径のセンチ数を数値で表したもので、一般の戸建て住宅向けの45型の他、アパート、マンションなど集合住宅向けの共同受信用である、50型、60型、75型、90型、120型などのモデルが存在します。

なおBS/110度CSアンテナは、メーカーやモデルは異なっても基本の構造は同じで、太陽光に強い白色系のパラボラアンテナになります。したがって同じサイズのモデルでは、どのモデルも受信性能に違いはございません。

BS/CSアンテナはこのディッシュ部が大きいほど受信感度が高くなり、一般住宅では45型で十分な受信性能を発揮しますが、前述のように、降雨減衰や降雪減衰への対策、また12GHz帯の電波レベルがやや弱くなるエリアでは、一般住宅でも50型、60型、75型などやや大型のモデルが利用されることもございます。

他にも、BS/CSアンテナのバリエーションとしては、太陽光に強い一般的な白色系の他、太陽光への体制を持つ塗料を使用したブラックなどのカラーバリエーション。またパンチングホール仕様で風を通すディッシュや、各接合部の強化により、耐風性能を向上させ、台風などの際にもトラブルが起こりにくい高耐風モデルなどが存在します。

なお当あさひアンテナでは、BS/CSアンテナの設置では、DXアンテナ製2K4K8K対応45型最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ設置に当たっての追加設置では、アンテナ本体や基本設置具などもセットにした基本設置工事を、税込み15,000円からでご案内しております。

さらに同じくDXアンテナ社製2K4K8K対応45型モデルで、パンチングホール仕様のディッシュ部や各接合部の強化により、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sと、業界最強クラスの高耐風モデル「BC453SG」もご用意しており、やはり基本設置工事を特別価格でご案内いたします。

その他、ブラックのカラーバリエーションや、ディッシュが各サイズのBS/CSアンテナもご用意しておりますので、集合住宅のオーナー様なども含め、お客様のさまざまなニーズに応じたBS/CSアンテナ取り付け工事にご対応できます。

また上記の、BS/CSアンテナに関する基礎知識や注意点などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説

電源が必要なテレビアンテナと周辺機器・まとめ

戸建てのお住まいなどに設置されるテレビアンテナや配線部は、電波塔や静止衛星から送信される、電気的なエネルギーである電波をキャッチして、そのまま配線部でテレビなど受信機器のチューナーへと送るための設備になります。
したがって、基本的な構造だけ見れば、電気的な機構を働かせる必要はないため、電源は必要ないことになります。

ただ実際には、各ご家庭で十分な電波レベルを確保するため、ほとんどの場合、電波を増幅する装置であるブースターが必要となります。またBS/CSアンテナでは受信の際に、12GHz帯の電波の周波数帯を変換するためのコンバーターを作動させることが必須となります。
これら、電気的エネルギーである電波を増幅、変換する場合には、相応の電子機器を作動させ、電波に影響を与えるためのエネルギーとして、電源が必要となるのです。

もしブースター内蔵型の地デジ用デザインアンテナや、コンバーター部を持つ衛星放送用のBS/CSアンテナに正しく電源供給が行われていないと、各テレビ機器に十分な地デジ電波が届かない、またMHz帯に変換されたBS放送、CS放送の電波がまったく届かないなどの事態となり、テレビ画面にエラーコードが表示されて、各テレビ放送が正しく映らない事態が想定されます。

そのような場合に、テレビ画面のエラーコードからトラブルの原因を想定する手掛かりとしては、以下のコラム記事が参考になります。

・アンテナ受信トラブルでテレビ画面に「E201」などエラーコードが表示されて映らない問題の原因と解決する対処の方法とは?

当あさひアンテナでは、本文でも申しあげた通り、完全無料の電波調査、お見積りからはじまり、各種テレビアンテナや周辺機器の設置を低価格でお引き受けしていることはもちろん、アンテナ設置に伴う必要な各種の電源設定、電源の設置などもお引き受けしております。

実際の施工は、弊社社員である知識、経験、技術に優れたアンテナ職人が担当し、受信性能や機器のセッティングに関する精巧さはもちろん、外から見えない部分も含めて、丁寧で見栄えのいい施工をお約束いたします。

さらにアンテナ工事の完了後には、末永いご安心をお約束すべく、業界最長クラスである、施工完了日からの「10年保証」もご用意しております。

各種アンテナ工事のご相談はもちろん、ご自宅のブースターやBS/CSアンテナなどの電源設定に関して、ご不明な点がある場合まで、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル、メールフォーム、LINEなどまでお問い合わせください。

専門知識の豊富な弊社オペレーターが、お住まいの状況などを判断して、適切なアドバイスをいたします。もしお電話口などのご相談のみで問題が解決した場合には、料金は一切いただきませんので、どのようなことでもお気軽にご相談いただければ幸いです。

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テレビアンテナ修理工事

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。