ブースター内蔵の屋外用地デジアンテナとは?テレビ受信レベルが低くなる原因と対処法、低い受信レベルを上げる方法や製品を解説

2023年10月22日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
あなたのご自宅において、地デジ放送や衛星放送は、特に問題なく正常に映っているでしょうか?

2023年(令和5年)、21世紀の現在では、ほぼすべてのご家庭で、地上デジタル放送、いわゆる地デジ放送をご覧になっておられることと存じます。また衛星放送の普及率も現在では7割を超えていると言われ、BS放送やCS放送、さらに4K、8Kテレビを設置して、マイ・ホームにおいて新4K8K衛星放送の超高画質を大画面で楽しんでおられるご家庭も多いことと思われます。

ただ、地デジや衛星放送を利用してさまざまな映像コンテンツを楽しめる快適な日常も、テレビ電波の受信不調による突然の画面の乱れ、さらにはテレビが映らなくなるといったトラブルが発生すれば、あっというまに台無しになってしまいます。

このテレビ電波の受信不良については、地デジ、衛星放送それぞれの電波の性質から、周辺の受信環境、またご自宅のテレビアンテナ機器の性能不足やトラブルなど、さまざまな要因が考えられます。

その中でも、特に地デジ放送の場合に多いケースが、ご自宅の地デジアンテナで、十分なレベルの電波が受信できていないといった問題になります。

この地デジ受信レベルの不足は、ただご自宅など現場に届く電波レベルが低いだけでなく、ご自宅でテレビ放送を視聴するテレビの台数が多い、家が広くて配線ケーブルが長いなどといった条件でも発生することがございます。

このような場合に、トラブル解決のために役立つ機器が「ブースター(増幅器)」です。ブースターとは、アンテナブースター、テレビブースターともいい、ご自宅の地デジ、BS/CSなどテレビアンテナで受信したテレビ電波を、必要となるレベルまで増幅してくれる装置のことです。

このブースターを設置することで、受信できる地デジ電波がやや弱いエリアや、住宅内に設置しているテレビの台数が多いご家庭であっても、ご家庭で必要な電波レベルを十分に確保でき、安定したテレビ放送の視聴が可能になるのです。

しかしこのブースターにも、さまざまな種類や、種類ごとの特性などがあり、どのようなテレビ電波でも思いのままに増幅できるというものでもございません。

ブースターの性質や適切な機種、設置方法を理解しないまま、ただ安易にブースターを設置しても、十分な効果が得られないどころか、かえってトラブルを招く結果になることも考えられます。

そこで当コラムでは、地デジ放送、衛星放送の受信レベル不足により、画面が乱れる主な原因と、その対処法。特にブースターなどの商品を使った対処と、適切なブースター機種の選び方、その構造や設置方法などについて、わかりやすくご説明してまいります。

目次

地上デジタル放送と地デジ電波の仕組みとは?

いわゆる地デジ放送の電波が弱まる原因をご理解いただくためには、まず地デジ放送の仕組みや電波の性質を把握する必要がございます。以下、それらの点を簡単に解説してまいきます。

現在の地上デジタル放送(地デジ放送)は、それ以前の地上波テレビ放送であり、1953年(昭和28年)2月1日に放送を開始した日本初のテレビ放送、いわゆる「アナログテレビ放送(アナログ放送)」から転換した比較的、新しいテレビ放送です。

地デジ放送は2003年(平成15年)の12月1日、午前11時に、アナログ放送を継続しつつ、並行する形で放送をスタート。しばらくの間、アナログ放送からデジタル放送への移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日正午、日本国内において(特例措置による一部地域を除き)アナログ放送が終了し、完全停波したことにより、日本で唯一の地上波テレビ放送になりました。

地デジ放送とアナログ放送は、放送されるチャンネルや番組内容などに特に違いはありませんでした。その違いは、電波で映像信号を送信する放送形式にあります。

旧来のアナログ放送では、テレビの映像信号をそのまま、送信される電波の強弱へと変換して放送していました。対してデジタル放送では、映像信号をまず「0」「1」のデジタル信号へと変換。このデジタル信号を電波の波長に変換して送信する形式になっています。

このデジタル化により、アナログ放送の時代に比べて地デジ放送では、使用する電波の周波数帯、および映像信号の情報量を大幅に圧縮することが可能となりました。

アナログ放送の時代は、テレビ放送に用いられる電波の周波数として、日本全国で放送されるNHK、広域民放では、VHF波(超短波)のうち90MHz(メガヘルツ)から108MHz。および170MHzから222MHzまでが使用されていました。そして東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビジョンなど、主要な都市圏の都府県で個別に存在し、その都府県内を放送エリアとする、独立放送局の地方チャンネルは、やや周波数帯が高いUHF波(極超短波)のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用していました。

対して、地デジ放送では、NHK、広域民放、地方チャンネルのすべてのチャンネルで、UHF波のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用しております。その電波が描く波長の幅は、40センチから60センチ程度になります。アナログ放送時代に比べると、VHF波をまったく使用しなくなり、UHF波も700MHz帯の一部が削減されていることがお分かりいただけるかと存じます。

そのため、現在の地デジアンテナはすべて、UHF波の中でも、地デジ放送で使用される周波数帯を受信することに特化した「UHFアンテナ」になります。

また地デジ放送では、このように使用する電波の周波数帯は大きく抑えながら、映像信号のデジタル化により、送信できる情報量はアナログ放送の約4.5倍という大容量化を実現しております。

この情報量の増大により、現在の画面解像度では640×480程度、DVD相当の「SD画質」「SD放送」であったアナログ放送に比べ、地デジ放送では映像のハイビジョン化や高音質化、副音声機能やマルチ編成、データ放送、番組表、ワンセグ放送など、さまざまな新機能も実現しております。

現在の地デジ放送では、日本国内を、例えば関東広域圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県)や、近畿広域圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県)など、地域ごとに複数の都道府県をまとめた複数の広域圏に分けており、その広域圏によって、放送局や放送内容が異なっております。

そして各広域圏にて、送信所、中継局などの地デジ電波塔を要所に配置することにより、日本全国の大半の地域に地デジ電波を送信しているのです。

例えば関東広域圏では、東京都墨田区押上に位置する、東京スカイツリーが、上記した都府県の多くのエリアに地デジ電波を送信する送信所(親局、基幹局)の役割をはたしています。

ただ各広域圏の送信所だけでは、広域圏内でも送信所から距離のあるエリアや、山地などの地形によって電波が遮られる地域などには、十分な地デジ電波を送ることができません。

そこで広域圏内でも、送信所からの電波が届きにくいエリアの要所に、送信所よりは小規模な大小の電波塔、中継局(サテライト局)を、その名の通り衛星(サテライト)のごとく設置します。

この中継局が、送信所や他の中継局から送信される地デジ電波を受信し、増幅して周辺エリアに送信し直すという形で、リレー形式によって周辺エリアに電波を送信していくことで、各広域圏、ひいては日本全国の大半のエリアを、地デジ電波でカバーしているのです。

これにより日本国内では、ほぼ大半のエリアで、地デジアンテナ設置、またはフルセグ・ワンセグ受信機器の使用により、地デジ放送を受信、視聴できるのです。

なお、現在の地デジ放送、そして電波塔を使用するほぼ同じ形式でテレビ電波を放送していたアナログテレビ放送とも、地上の施設を用い、地上の空間に電波を送信することから「地上波放送(地上波テレビ放送)」と呼ばれます。この呼称は、主に衛星放送と対比したものとなります。

地デジ放送、またかつてのアナログ放送とも、非常時などには緊急情報を送信する役割も果たす「基幹放送」であるため、放送対象は日本国内の不特定多数になります。したがって日本国内では、地デジアンテナや受信機器を使用することにより、NHK受信料を除けば誰でも無料で受信、視聴できます。

なお、地デジ放送の詳細や歴史、地デジ電波の特性やアナログ放送との違い、特に使用されるテレビアンテナの違いについては、以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

各ご家庭で受信できる地デジ電波が弱まる原因とは?

地デジ放送の基本的な仕組み、および使用される電波や周波数帯は以上の通りです。

ちなみに、地デジ電波の強度(電波レベル)は、主に「㏈(デシベル)」の単位で表され、地デジ電波がテレビアンテナから各機器や配線を経由して、テレビなど受信機器のチューナーに届いた時点で、34㏈以上から89㏈以下のレベルが確保できていれば、地デジ放送の映像は、特に乱れることなく安定してクリアな映像が映ります。

と申しますのも地デジ放送では、電波にノイズが混入しても、ある程度のレベルであれば、デジタルデータの乱れを修復することが可能なのです。したがって、現場の地デジアンテナで受信できる地デジ電波が、一定の受信レベルと品質を維持できていれば、電波レベルが34㏈を下回らない限り、映し出される地デジ放送の映像の品質には影響が出ないのです。

ただし受信できる電波レベルが34㏈を下回る、またはノイズが一定のレベルを越えると、映像にブロックノイズと呼ばれるモザイク状の乱れが生じ、さらにレベルや品質がより悪化すると、ブラックアウトしたテレビ画面に「E201」などのエラーコードと、エラーの内容を記したメッセージが表示されるだけで、地デジ放送がまったく映らなくなります。

ただ、詳しくは後の項でもご説明いたしますが、空間を走る地デジ電波のレベルは、そのときの気候や天候などにも影響を受けて、ある程度の変動が生じます。そのためテレビなど受信機器に届く実際の電波レベルとしては、変動を計算に入れて47㏈から81㏈の範囲、最低でも40㏈以上が確保できるように調整されます。

また、受信機器に届く地デジ電波レベルが90㏈以上と強力すぎる場合も、テレビ画面の乱れや映らないといったトラブルが発生するため、そのような可能性のあるエリアや現場では、ある程度、受信性能を抑えた地デジアンテナ機種を使用する。また配線部に、電波レベルをやや減衰させる「アッテネーター(減衰器)」を設置する。アッテネーター機能を持つテレビなどの場合は、その機能をオンにするなどの対処が必要です。

総じて、地デジ放送の受信レベル低下による、地デジ放送の画面の乱れを引き起こさないためには、個々のテレビなど受信機器に届く電波レベルが34㏈を下回らない。実際的には一定の余裕を入れて、気候や天候の悪影響を受けても、40㏈を下回らないようにすることが重要です。

実際にテレビ側で受信できているアンテナレベルを確認する方法としては、テレビのリモコンでメニューボタンを押し、設定画面、初期設定などの画面から、アンテナレベル画面を表示することで、各テレビ機器に届いているアンテナレベル(電波レベル)の状態を、インジケーターや数値にて確認することが可能です。

以下の項では、ご自宅の地デジアンテナで受信レベルが著しく低下し、地デジ放送の画面に乱れなどが生じるケースについて、原因別の具体例をご説明してまいります。

地デジ電波レベルが低下する要因1・「電界地域」で電波の弱い地域に位置する。

前述のように地デジ放送では、送信所、中継局などの地デジ電波塔にて、地デジ電波をリレー形式に送信してゆき、各電波塔の周辺地域へと発信することで、各広域圏、ひいては日本全国の大半の地域へと、地デジ電波を送信しております。

そして地デジ電波に限らず、空間を伝わる電波は、電波塔などの発信元から距離が遠ざかるほど、電波レベルが減衰してゆきます。そのため日本国内では、地デジ放送が受信、視聴可能なエリアであっても、主に電波塔からの距離などにより、受信できる地デジ電波レベルに差異が出てまいります。

この電波塔からの距離と、山地などおおまかな地形の影響により、受信できるおおよその地デジ電波レベルごとに、日本国内の各エリアをおおまかに分類したものが「電界地域」と呼ばれるものです。

ただしこの電界地域とは、法的、また学術的に統一された定義ではなく、放送局やテレビアンテナメーカーなどが、受信の目安のために個別の基準で使用しているものであるため、使う場所によって分類の種類や基準などが異なるケースもございます、ただ一般的には主に、受信できる㏈数を基準に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の三通りに分類されます

まず「強電界地域」とは、主に受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアを指します。

一般的には、地デジの電波塔を視認できて、電波を遮る山地などの障害物もほとんど存在しないエリアが強電界地域に該当します。

強電界地域であれば、使用できるアンテナ機種、設置位置が幅広く、現場の条件が許せば、小型の室内アンテナ、屋外屋内アンテナの室内設置や、通常型のデザインアンテナを屋根裏空間などに設置する施工も可能となります。

強電界地域に適した地デジアンテナの受信性能は、地デジ電波を受信するパーツの数、もしくはその数に換算した受信性能を示す「素子数(相当)」で8素子(相当)から14素子(相当)の品になります。

ただ一方で、強電界地域では上記の通り、テレビなど受信機器に届く地デジ電波レベルが強すぎることによるトラブルも起こり得ます。また強電界地域に限らず、現場の地デジ電波レベルに比べて、受信性能が高すぎる地デジアンテナを使用すると、ノイズを受信しやすくなることでトラブルの原因となるため、各電界地域において適切な受信性能のアンテナ機種を使用することが重要となります。

次に「中電界地域」は、受信できる地デジ電波レベルが主に80㏈から60㏈の範疇になるエリアで、地図上で見れば、地デジ電波塔を中心に、おおむね強電界地域の周辺一帯にあたります。

このエリアでも、強電界地域ほどではないものの、一定水準の地デジ電波を安定して受信できるため、屋外設置用の地デジアンテナであれば、ある程度の選択肢がございます。

中電界地域に適した地デジアンテナの受信性能は、14素子(相当)から20素子(相当)程度ですが、

ただ中電界地域以下のエリアでは、現場周辺の高層建築など地デジ電波を遮る障害物や、天候、気候などによる電波レベル低下などの影響も受けやすくなるため、その点は注意が必要です。

「弱電界地域」は、受信できる地デジ電波レベルが主に60㏈以下となるエリアです。地図上では電波塔から見て中電界地域のさらに周辺や、地形などの影響により、電波塔からの地デジ電波が届きにくくなるエリアになります。

弱電界地域では、気候などによる電波レベルの変動を踏まえると、受信できる地デジ電波レベルが、安定して地デジ放送を視聴できる最小限に近い水準になるため、できるだけ高性能型の地デジアンテナを、周辺の障害物などに影響されにくく受信感度が高まる、屋根の上などの高所に設置する必要が出てまいります。具体的な性能としては、20素子(相当)以上の地デジアンテナが適しております。

また弱電界地域の中でも、特に受信できる地デジ電波のレベルが50㏈から40㏈以下になり、一般的な地デジアンテナを設置するだけでは、安定した地デジ放送の受信、視聴が困難になるエリアを「微弱電界地域」と呼ぶこともあり、このようなエリアは、基本的に地デジ電波塔から送信される地デジ電波の受信範囲外にあたります。

そのため微弱電界地域と呼ばれるエリアで地デジ電波を受信する場合には、高性能素子を用いて通常の地デジアンテナの数倍の受信性能を持つ、パラスタックアンテナなどの超高性能型の地デジアンテナが必要になります。

これら各電界地域の他にも、日本国内には、地形によって地デジ電波が遮断されてしまう山地や山間部。また電波塔から遠い原野や離島部などで、まったく地デジ電波が受信できないエリアも一部に存在します。このようなエリアは、地デジ放送の「難視聴地域」と呼ばれ、人口の少ないエリアであることが大半になります。

このようなエリアで地デジ放送を視聴する場合には、ケーブルテレビ(CATV)を利用する。また地域で共同受信用の大型アンテナを設置し、アンテナから各世帯にケーブルを敷設してテレビ電波を配分するといった方法を取ることが多くなります。

これら日本各地の電界地域および、ご自宅などの地域がどの電界地域に該当するか。また日本各地に存在する送信所、中継局など地デジ電波塔の位置を確かめるには、インターネットで検索することにより閲覧できるホームページ「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内のページ「地デジ放送エリアのめやす」を利用する方法がございます。

このサイト内では、地図上で日本各地に所在する電波塔と、その電波塔から一定の強度で地デジ電波が届く範囲を確かめることができます。

なお電界地域は、その一帯に届く電波レベルの目安であるため、どのようなアンテナ機種を用いても、電界地域のレベル以上に強い電波を受信することはできません。

そのため、特に戸建て住宅に複数台のテレビを設置するなどで、現場にて地デジアンテナで受信できる以上に強い電波レベルが必要な場合は、アンテナで受信した電波を増幅する機器である、ブースターが必要になるのです。このブースターについては、後の項で詳しくご説明いたします。

また電界地域の基準は、電波塔からの距離と地形などの影響のみを元に、受信できるおおよその電波レベルを判断した大まかな目安にすぎません。したがって、地デジ電波を遮る建築物などの影響、また気候や天候が地デジ電波レベルに与える影響などは考慮しておりません。

したがって、例えば強電界地域や中電界地域などでも、高層マンションの近隣や住宅密集地の壁面などでは、電界地域の基準を大きく下回って受信レベルが低下すること。また季節や悪天候などによっては、受信できる電波レベルが低くなることもございます。

すなわち電界地域とは、受信できる地デジ電波レベルおよび、使用できる地デジアンテナ機種や設置位置を判断するおおよその基準であり、実際には電界地域に加えて、実際のアンテナ設置現場の周辺環境を確認し、さらに気候、天候などによる電波レベルの変動も想定して、現場ごとに安定した地デジ電波の受信レベルを確保できる地デジアンテナ機種、および設置位置を選択する必要がございます。

なお電界地域については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

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地デジ電波レベルが低下する要因2・周辺の障害物に地デジ電波が遮られる。

前述の通り、現在の地デジ放送の電波は、UHF波のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用しており、波長の幅は、40センチから60センチ程度になります。

電波は周波数が低い(波長の幅が長い)ほど性質が音に近くなり、周波数が高く(波長の幅が短く)なるほど性質が光に近くなります。

そして地デジ電波のUHF波は比較的、周波数帯の高い電波ながら、一定の波長の幅も持つため、ある程度は音のような性質も持ちます。

具体的には、電波塔から送信された地デジ電波は拡散しやすく、高層ビルなどの障害物にぶつかっても、障害物を乗り越えてその向こう側に電波が届く。また一般的な住宅の屋根や壁であれば、電波を反射する金属素材の建材や、太陽光パネルなどの設備がない限り、ある程度の減衰は生じるものの、屋根や壁を透過して屋内にも電波が届くといった性質を備えております。

そのため、壁などを通り抜ける際の減衰を考慮しても、屋内に十分なレベルの地デジ電波が届く強電界地域などであれば、室内アンテナの使用や、地デジアンテナを屋根裏空間などの屋内へ設置するなどの工法が可能となるのです。

ただ地デジ電波のUHF波は、アナログ放送時代の主なテレビ電波であったVHF波に比べると波長が短くなっていることもあり、例えば電波が高層ビルにぶつかった場合、その裏側の直近部や、ビルの中央部に近い一帯では、現場の電界地域に関係なく、受信できる地デジ電波レベルが極端に低下することがございます。

また隣家との間隔が狭い住宅密集地などでは、屋根の上の高所では周辺に障害物が少ないことから、十分な地デジ電波レベルが確保できる場合でも、隣家と近い壁面などでは地デジ電波が届きにくくなり、壁面に設置されるデザインアンテナなどが使用できないというケースも出てまいります。

他にも、ご自宅の地デジアンテナを電波塔の方向へ向けた際、アンテナを向けた方向に、庭木や林などがある場合も、アンテナに届く地デジ電波レベルが弱まってしまうことがございます。

このような周辺の障害物による影響で、アンテナで受信できる地デジ電波レベルが低下してしまう場合には、障害物を避けて安定した受信が可能となるアンテナ機種や設置位置を選ぶ。またご自宅の庭木などで可能な場合であれば、枝を切るなどして障害物を排除するといった対処が有効です。

地デジ電波レベルが低下する要因3・季節や悪天候による地デジ電波レベルの変化。

地デジ電波のUHF波に限らず、各種の放送電波は空間を伝わるものであるため、その空間の気候や天候などにも影響を受けます。

一例として、気温の低い冬場などで空気が収縮すると、電波が遠くまで届きやすくなるため、地デジ受信に有利となります。しかしその一方で、ノイズとなる無関係の電波も遠くから届きやすくなるため、電波の品質が下がる場合もあるといった問題も出てまいります。

逆に夏場などで気温が高くなると、空気が膨張するため電波が届く距離が短くなり、特に中電界地域から弱電界地域などでは、受信できる電波レベルが寒い時期より弱まってきます。

このような年間の通じた気候の影響により、同じ場所であっても、受信できる地デジ電波のレベルには、およそ6㏈程度の変動が生じます。

さらに電波は水分に弱く、吸収されて減衰しやすい性質があるため、降雨や降雪などの悪天候では、空間を走る電波が降り注ぐ雨や雪に吸収され、全体的に地デジ電波レベルが低下いたします。

そのため、地デジアンテナを設置する現場によっては、電波が届きやすい季節や晴天では地デジ電波の受信、視聴に問題がなくとも、季節や天候の変化によって受信レベルが低下し、地デジの画面に乱れが生じるなどのケースもございます。

この場合は、元の地デジ受信レベルが、地デジ視聴のために最低限に近いレベルしか確保できておらず、気候や天候の変化により、必要なレベルを下回ってしまうと考えられます。

したがってその対処には、設置する地デジアンテナ機種や性能、設置位置などを再考する。またブースターを設置するなどの方法で、アンテナで受信できる基本的な地デジ電波レベルを高め、気候や天候による受信レベルの低下に大きな影響を受けないよう、受信環境を整えることが重要です。

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地デジ電波レベルが低下する要因4・地デジアンテナの性能や設置位置に問題がある。

この点は、すでに記したことと重なる部分もございますが、ご自宅の電界地域や受信環境に比べて、設置している地デジアンテナの受信性能、すなわち素子数(相当)が低い。また周辺環境によって地デジ電波が遮られやすい場所に地デジアンテナを設置すると、当然ながら受信できる地デジ電波レベルは低下してしまいます。

地デジアンテナの機種や設置位置に関する基本的な傾向として、八木式アンテナなど高所に設置できるアンテナは、本体の性能も含め、設置位置から周辺の障害物に影響を受けにくく、受信性能が高まりやすい。半面、屋根の上で目立ってしまい、住宅の外観性や景観を乱すこともある他、風雨など自然環境に影響を受けやすく、経年劣化が進みやすくなり、後述するアンテナ角度のズレや故障などのトラブルが生じやすくなります。

一方、デザインアンテナをはじめ、地デジアンテナを壁面やベランダ内外など、やや低い位置に設置する場合には、住宅の見た目などに悪影響を与えにくく、風雨など自然環境の影響も避けやすいため、経年劣化が進みにくくアンテナの耐用年数(寿命)が長くなるといったメリットが生じます。

半面、低い位置への設置では、周辺の高層建築など、地デジ電波を遮る障害物に影響されやすくなるため、各電界地域に関係なく、周辺環境によっては必要な地デジ電波レベルを確保できず、地デジアンテナを設置できないケースも出てまいります。

また室内で室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナを使用する。屋根裏空間や天井裏空間にデザインアンテナを設置するといった、屋内での地デジアンテナが使用できるのは、基本的に屋内空間にも十分な地デジ電波が到達する強電界地域に限られる他、住宅の建材に電波を遮断する金属素材などが使用されていない、電波を吸収する冬場の屋根への積雪がないなどの条件も重要となります。

したがって、実際の戸建て住宅への地デジアンテナ設置にあたっては、各電界地域による適した地デジアンテナの判断だけでなく、住宅内の各位置、各部屋などで綿密な電波調査を行い、各場所で安定した地デジ受信を実現できるアンテナ設置方法、機種を判断することが重要となります。

当あさひアンテナでは、地デジアンテナをはじめ各種テレビアンテナの設置工事に先立ち、現場での電波調査、およびアンテナ工事のお見積もりを、現場への出張料、本契約に至らなかった場合のキャンセル料などを含め、完全無料で実施しております。

電波調査に当たっては、お住まいでアンテナ設置に適した各位置での電波レベルや品質の調査を綿密に行い、安定した受信レベルの確保を大前提に、見た目や自然環境への強さなど、お客様のご要望に最適となるアンテナ機種、設置位置などを、業界最安に挑むお見積もり価格にて、可能な限りご提案いたします。

弊社への電波調査のご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤル、またはメールフォーム、LINEまで、お気軽にお寄せいただければ幸いです。

なお各種アンテナ工事業者による電波調査、お見積もりについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説

・業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事

・アンテナ工事の料金はいくら? 業者ごとの相場、必要な工事の選び方

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地デジ電波レベルが低下する要因5・アンテナ角度のズレ、またアンテナ本体や周辺機器のトラブル。

住宅の屋外に設置される地デジアンテナには、一部の特殊なモデルを除き、どれも「指向性」という性質を備えています。

地デジアンテナにおける指向性とは、アンテナの特定の方向(真正面側)でのみ、受信性能が最大限に高まる性質のことを言います。逆に正面側から角度がずれるほど受信性能が低くなり、アンテナの横側や後部などでは、受信性能をほとんど失います。

この指向性は、地デジアンテナの機種やモデルによっても異なり、モデルごとに表記される「半値幅」の数値で指向性の高さを判断できます。

半値幅とは、地デジアンテナで受信性能がもっとも向上する真正面を基準に、角度を徐々に左右へとずらしてゆき、受信性能が最大からちょうど半分のレベルに低下する角度を表したものです。

そして地デジアンテナは同素子数(相当)のモデルでも、この指向性が高い(半値幅が狭い)機種ほど、素子の数によりアンテナ本体が備える受信性能を狭い範囲に集中するイメージで、受信性能が高くなるのです。また地デジアンテナの指向性には、正面側以外から届く、ノイズとなる余計な電波をカットするという機能もございます。

つまり地デジアンテナは、指向性が高いモデルほど、アンテナ正面側を、地デジ電波を送信する電波塔の方向(場合によっては地デジ電波がビルなどに反射した反射波の方向)へと正確に向けることで、受信性能が高くなる。半面、わずかなアンテナ角度のズレで、受信性能が大きく低下しやすい。

逆に指向性が低めのモデルでは、アンテナ正面を電波の方向へと向けた場合の受信性能はやや低くなる一方で、多少の角度のズレが生じても、受信性能に影響を受けにくくなるという傾向がございます。

地デジの受信性能を重視するのであれば、指向性の高いモデルである八木式アンテナを、屋根の上に設置することがベストになります。ただ一方で、屋根の上への八木式アンテナ設置は、前述のように自然環境の影響による経年劣化が進みやすく、特に老朽化したアンテナでは角度のズレによる受信不良が生じやすくなるといったデメリットもございます。

他にも、アンテナ本体の老朽化による、素子部やケーブル接続部の劣化。さらには配線部に設置される機器のトラブルなど、アンテナ本体や配線部の部分的な故障によっても、アンテナ本体の受信性能、およびアンテナコンセントまで送信されるテレビ電波レベルが大きく低下する場合がございます。

またアンテナ配線部から届く電波レベルに問題はなくとも、テレビ、レコーダーなどの経年劣化による不調でも、受信不良に似たテレビ画面の乱れ、映らないといったトラブルが生じることもあるため、注意が必要と言えます。

特にテレビ本体の不調と思われる場合には、B-CASカードの確認や、カードを抜いて汚れを落とし、あらためてしっかりと差し直す。本体付属のマニュアルやメーカーの公式サイト、商品ホームページを参考に、テレビなど機器の再起動を行うといった対処も有効です。

これら、アンテナ本体から配線部、あるいはテレビやレコーダー本体のトラブルによって、テレビ画面の映りに問題が生じている場合、ご自宅で原因を特定することは難しいケースもございます。

そのような場合は、当あさひアンテナのフリーダイヤルなどにご相談いただければ、現場経験も持つ実践的な知識の豊かなオペレーターが、ご自宅での症状から、考えられる原因とその対処法をご説明いたします。なお、お電話などでのご説明でトラブルが解決した場合には、料金は頂戴いたしませんので、どうかお気軽にご相談をお寄せください。

また、アンテナトラブルにより修理対応が必要な場合には、テレビアンテナの軽微な故障で、交換などが必要ない場合は、アンテナ修理のご対応を「5,000円(税込み)」より、アンテナの角度がズレているトラブルの場合は、角度を再調整してしっかりと固定し直す、方向調整の作業を「8,000円(税込み)」よりでご対応しております。

また、各種アンテナトラブルと、その対処法については、以下の各コラム記事で、症状や原因ごとに詳しくご説明しております。

・一時的にテレビ画面が乱れる場合の原因と対策・徹底解説!

・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法

・一部屋だけテレビが映らない不具合の原因と対処法

・地デジ・BS/CS放送のテレビ画面が乱れる原因とその対策

・地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法

・BS/CS衛星放送は映るのに地デジ放送が映らない場合の対処法

・地デジ、衛星放送のテレビアンテナ故障例、テレビ放送が映らなくなった場合に考えられる原因とその対処法は? 必要な工事を解説

・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(前編・原因と対処)

・屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(後編・修理と対策)

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地デジ電波レベルが低下する要因6・アンテナケーブルの問題。

テレビアンテナ本体や配線部のトラブルとやや重なる部分がございますが、地デジなどのテレビ電波は、ご自宅のテレビアンテナで受信した後、ケーブル配線部を通じて、各部屋のテレビ、レコーダーなど受信機器のチューナーに届くまでの間にも、徐々に減衰が生じます。

ケーブル配線部におけるテレビ電波レベルの減衰量は、主に同軸ケーブルの長さに比例する他、ケーブルと機器との接続部などでも生じます。したがって、同じお住まいに設置されているテレビでも、テレビアンテナからすぐ近くの部屋で、配線部も短い場合に比べて、アンテナから離れた部屋で、配線部が長くなる部屋では、テレビ電波の減衰量が多くなります。

また各部屋に設置されたアンテナコンセントから、室内のテレビやレコーダーなどを接続する同軸ケーブルである、アンテナケーブル(テレビケーブル)も、必要以上に長いものを使用すると、そのぶん減衰量が大きくなるため、必要な長さに多少の余裕がある程度のものをお選びになる必要がございます。

さらにアンテナケーブルにも太さや素材によって品質の違いがあり、細いものは曲げやすく取り扱いやすい半面、電波の減衰や内部の断線が生じやすく、またケーブルの品質によっては、地デジ電波より周波数帯が高くなる2K衛星放送、新4K8K衛星放送の電波には対応できないこともございます。

そのため、室内用のアンテナケーブルは、用途や使用する場所、受信するテレビ電波に適した太さや品質の製品をお選びになる必要がございます。

上記のような原因から、同じ住宅内でも、ほとんどの部屋ではテレビ画面の映りに問題はないものの、テレビアンテナから離れている。また必要以上に長い、品質の低いケーブルを使用している一部の部屋でのみテレビ映像が乱れるといったケースも起こり得ます。

またアンテナ配線部で、各部屋に届くテレビ電波レベルに大きな影響を与える機器が「分配器」です。

分配器とは、アンテナケーブルを接続する一個の入力端子と、複数の出力端子をもつ機器であり、テレビアンテナやブースターを経由して電波を送信する一本の同軸ケーブルを接続し、複数の出力端子から各部屋のアンテナコンセントまでのケーブルを接続することで、各部屋へとテレビ電波を等分に分配する機器になります。

この分配器には、分配数によって2分配から8分配まで、7分配を除く6種類が存在します。また本コラムのテーマと直接の関係はございませんが、テレビのチューナー端子からBS/CSアンテナのコンバーターへと給電する場合に使い分ける「1端子通電型」「全端子通電型」の種類の違いもございます。

この分配器は、前述の通り、テレビアンテナ側から届くテレビ電波レベルを、等分に分配する性質がございます。例えば、テレビアンテナとブースターを経由して、200㏈のテレビ電波が4分配器へと届いた場合、4本のケーブルに分配された個々の分配先の電波レベルは、50㏈×4になるのです。ただ実際には、分配器や接続端子を経由することで、多少の減衰(分配損失)が生じます。

このようなケーブル配線部による電波レベルの分配や減衰についての対策では、テレビアンテナの近くに屋外用ブースターを設置して、大本のテレビ電波レベルを、住宅全体で必要なレベルにまで増幅する。また一部の部屋でのみ電波レベルが弱まる場合には、必要に応じて各部屋などの要所に屋内用ブースター、ラインブースターなどを設置するといった方法がございます。

アンテナケーブル、および分配器については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

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その他、地デジアンテナや地デジ電波の特性について。

地デジ電波の受信レベルが弱まる主な要因は、以上の通りになります。

ここでは、その他の、受信レベルに関係する地デジアンテナおよび地デジ電波の性質について、簡単にご説明してまいります。

地デジアンテナの受信性能を示す主な数値は、前述の通り「素子数(相当)」になりますが、他にも「動作利得(利得)」または「ゲイン(gain)」というものがございます。

この動作利得は、地デジアンテナが受信できる電波レベルに対して、出力できる電波レベルの効率。またはアンテナ前方の受信性能を示すものです。具体的には、素子数では判断できない、指向性の高さや、オールチャンネルアンテナと比較したローチャンネル用アンテナなどの受信性能の高さを判断する目安になります。

また地デジ電波の強度ではなく品質を示す基準には、各現場に届く地デジ電波の、デジタル信号のエラーや変調の割合を示す「MER(Modulation Error Ratio/モジュレーションエラーレシオ)」「BER(Bit Error Rate/ビットエラーレート)」がございます。

これらの数値は、主にアンテナ工事の専門業者が電波調査の際に、アンテナレベルチェッカーを用いて、地デジ電波の品質を判断する際の基準となります。

また地デジ電波には、空間を伝わって地デジアンテナに届く電波と、地面などに反射して上方に登る形になる電波との干渉により、地面から高度が上がるにつれ、受信できる地デジ電波レベルの強弱が、並みのように変化する「ハイトパターン」という性質がございます。

他にも中継局から送信される地デジ電波の種類として、地面に対して水平の波長を描く「水平偏波」と、垂直の波長を描く「垂直偏波」の二種類がございます。

この二種類の電波には、電波の品質や放送内容などに違いはございません。そしてほとんどの中継局では水平偏波を使用しているのに対し、一部エリアの中継局では、周波数帯の近い携帯電話やスマートフォンなどの電波との「混信」を避けるために、波長の角度が異なる垂直偏波を使用しているのです。

また水平偏波、垂直偏波のそれぞれを受信する地デジアンテナについても、アンテナの機種によって、設置角度を90度、変更する。または水平偏波、垂直偏波の専用モデルを使用するといった対処が必要となります。

上記それぞれの事柄については、以下の各コラム記事にて詳しくご説明しております。

・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

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テレビアンテナ修理工事 アンテナ工事

地デジ電波レベルが弱い場合に使用する「ブースター」とは?

上記の通り、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルが低い場合には、適切な地デジアンテナ機種や設置位置の選択、アンテナ本体や配線部のトラブルの解決といった対処がございます。

ただどのように優れたアンテナ機器や設備でも、地デジ電波の場合は、中電界地域や弱電界地域など、現場に届く電波レベルが弱ければ、それ以上のレベルの電波を受信することはできません。

そこで、あらゆる電界地域において、各住宅などで必要なテレビ電波レベルを確保するための装置として必要となるのが「ブースター(増幅器)」またはアンテナブースター、テレビブースターです。

ブースターは、各戸建て住宅などに設置された地デジ、BS/CSのテレビアンテナから、そのケーブル配線部に設置され、アンテナが受信したテレビ電波を、必要なレベルにまで増幅する装置です。

現在では、戸建て住宅に複数台のテレビが設置されることも珍しくはなく、台数分の地デジ電波レベルを確保する必要がございます。そのため現在では、中電界地域や弱電界地域に限らず、強電界地域でも三台以上のテレビを設置する住宅などでは、ブースターを設置することが必須となります。

このブースターの特性としては、まず空間を伝わる電気的なエネルギーである電波のレベルを増幅する装置であるため、電源が必要となる点が挙げられます。

もうひとつ、ブースターは電波レベルだけでなく、電波に混入するノイズも増幅してしまう性質がございます。そのため、ブースター本体はノイズが混入しにくい、できるだけアンテナ本体の近くに設置する必要がある他、電波の増幅レベルも、必要最小限のレベルに抑える必要がございます。

ブースターの種類については、まず設置位置や電波の増幅レベルで使い分ける「屋外用ブースター」「室内用ブースター」「ラインブースター」の三種類がございます。

また対応できるテレビ電波については、地デジ電波対応の「UHF対応型」と地デジ・衛星放送に対応する「UHF・BSCS対応型」。さらにその4K8K対応型が存在します。

テレビアンテナが受信するテレビ電波レベルに対し、ブースターが増幅できる電波レベルは㏈数で表され、この数値を「利得」と呼びます。他にもブースターには、モデルごとに「定格出力」「適正出力」などの数値があり、これはブースターから出力できる電波レベルの適正値を指します。

ブースターで増幅されたテレビ電波レベルが、定格出力、適正出力の数値を越えると、電波の質が低下してしまい、電波レベルは高くともノイズの混入によってテレビ画面が乱れてしまうため、ブースターで増幅される電波レベルは、定格出力以下に抑える必要がございます。

例えば電波を増幅できる利得が40㏈で、定格出力が100㏈のブースターに、61㏈以上のテレビ電波が入力されると、増幅された電波レベルが100㏈、すなわち定格出力の値を越えてしまい、テレビ電波の質が劣化してまいります。

そのため現在のブースターでも、特に利得レベルが高い屋外用ブースターでは、この定格出力を越えないよう、ブースターに入力されるテレビ電波レベルを適度に減衰させる「入力ATT(入力アッテネータ)」。ダイヤル式のつまみなどによって利得の電波レベルを調整できる「ゲインコントロール」。利得レベルを25㏈程度から、30㏈台、40㏈以上など段階的に調整できる「利得切替スイッチ」などの機能が付いたものが多く存在します。

また地デジアンテナ本体にブースターを内蔵しているモデルが存在する他、アンテナコンセントの先、室内でケーブル分配に使用されるタイプの分配器などにも、個々の分配先での地デジ電波レベル低下を補完するための、ブースター内蔵モデルなどが存在します。

以下の項では、ブースターの各モデル別に、その特徴を解説してまいります。

屋外用ブースターとは?

屋外用ブースターとは、文字通り、屋外に設置されることを前提としたブースターです。

その特徴は、ブースターの中ではもっとも電波の増幅性能が高いこと。風雨などにも耐えられるよう、構造が頑丈であること。また「増幅部(ブースター本体)」と「電源部」が別個になっている点が挙げられます。

屋外用ブースターは、一般的な戸建て住宅へのアンテナ設置工事の際に設置されるブースターであり、設置場所は、できるだけノイズの混入を避けるべく、住宅に設置されたテレビアンテナのマスト(支柱、ポール)の下部やデザインアンテナの裏側。もしくは屋外の引き込み口からすぐ近くの屋根裏など、アンテナに近い位置になります。

屋外用ブースターの設置が必要なケースは、住宅内に設置されるテレビの台数が多い。また中電界地域から弱電界地域で、地デジアンテナで受信できる電波レベルが低い場合など、主にアンテナから住宅全体へ送信されるテレビ電波のレベルを増強する必要がある場合に設置されます。

屋外用ブースターの利得は主に30㏈から40㏈強で、上記の「入力ATT」「ゲインコントロール」「利得切替スイッチ」などの機能を持つモデルが大半になります。

屋外用ブースターの具体的な設置方法としては、まず上記の通り、ブースターの増幅部をテレビアンテナの付近に接続し、アンテナから延びるケーブルに接続します。そして増幅部からのケーブルを住宅屋内に引き込み、ブースター電源部に接続します。

次に電源部を、屋根裏空間に設置されたブースター用の電源コンセントに接続することで、アンテナ配線部の同軸ケーブルを通じて増幅部へと給電され、アンテナが受信した電波レベルを増幅できるようになるのです。電源部からは増幅された電波が、ケーブルを通じて分配器などに送信され、各部屋のアンテナコンセントを通じて、住宅全体へと送られることになります。

屋外用ブースターの増幅部と電源部が分かれている理由は、風雨などによる故障のリスクを抑えるためです。ブースターの寿命は各モデル問わず約10年程度ですが、屋外用ブースターでは、故障が発生した場合、電源部か増幅部、どちらか一方の交換で済むケースもございます。

ただ屋外用ブースターの場合は、本体に当たる増幅部が、屋根の上などのテレビアンテナの近くに設置されることが多いため、設置および増幅レベルの調整については、アンテナ工事の専門業者に依頼する必要が出るケースが多くなります。

屋内用ブースターとは?

屋内用ブースターは、住宅全体で増幅する電波レベルが比較的、低くてもいい場合や、ケーブル配線の長さなどから、屋内の一部の部屋でのみテレビ電波レベルが弱くなり、増幅する必要がある場合に設置されるブースターです。

屋内用ブースターは、基本的に増幅部と電源部が一体となっており、屋内に引き込まれたアンテナケーブルや、アンテナコンセントとテレビなど受信機器の間のケーブルに接続する形で設置されます。

その利得はおおよそ20㏈から30㏈強で、屋内でケーブルと本体の端子を接続して、本体の電源プラグを室内のコンセントに接続するだけの作業になるため、一般の方でも設置は簡単です。

屋内用ブースターも利得のレベルを調整できるモデルが多くなりますが、増幅レベルが低いこともあり、屋外用ブースターのような、複雑な調整機能などはございません。

屋内用ブースターの利得レベル調節は、主に地デジ、BS/CSそれぞれの増幅レベルを調整するダイヤル式のつまみ部分を操作する形になります。なおUHF用ブースターの場合は、当然ながらBS/CSの調整ダイヤルは存在しません。

他にも、一本のケーブルで地デジ、衛星放送の双方の電波を送信している場合には、室内用ブースターに、それぞれの電波を二本のケーブルに分ける「分波器」の機能を備えた機種もございます。

そのような機種では、前述した地デジ、BS/CSの電波をそのまま一本のケーブルから出力するか、個別の出力端子からの二本のケーブルに分けて出力するかを切り替えるスイッチが存在します。

ラインブースターとは?

ラインブースターは前置ブースターとも言い、手のひら大の長方形や筒形で、その両端に入力端子、出力端子がついている小型のブースターになります。

その利得も10㏈から20㏈強と低くなり、屋外用や屋内用のブースターのように、大きく電波レベルを増幅する機器ではなく、それらの機器の補助的な役割を果たす製品になります。

具体的には、屋外用や屋内用のブースターではやや増幅レベルが不足する場合や、ブースターを使用しても一部の部屋で電波レベルが不足する場合などに使用されます。

ラインブースターには利得レベルの調整機能などはなく、増幅できる電波レベルは機器によって決まっております。また価格も性能などにより、千円台から数千円台と低価格になります。

ラインブースターの接続方法も、室内のテレビなど受信機器のケーブルに挟み込んで接続するだけの、非常に簡単なものです。また電源の供給方法は、ACアダプタなどを使用して室内の電源コンセントを使うタイプと、テレビなど受信機器の電源設定をオンにして、受信機器のチューナー端子から給電するタイプの機種が存在します。

UHF帯ブースターとUHF・BSCS混合ブースターの違いとは?

前述の通り、ブースターには、屋外用、屋内用、ラインブースターのそれぞれで、地デジ電波のみに対応するモデル。また地デジと衛星放送や新4K8K衛星放送の電波に対応するモデルがございます。

地デジ電波のみに対応し、地デジアンテナのみを設置している現場で使用されるモデルは「UHF帯ブースター」と呼ばれ、衛星放送対応型に比べ、価格がやや安くなるのが特徴です。

そして地デジと衛星放送の双方の電波に対応するモデルでも、特に屋外用ブースターでは「UHF・BSCS混合ブースター」と呼ばれる機器が多くなります。

これは地デジ、BS/CS双方のアンテナを設置している現場で使用されるブースターであり、地デジと衛星放送、双方の電波を増幅できることはもちろん、双方のアンテナケーブルから送信される地デジ、衛星放送の電波を、一本のケーブルに混合する「混合器」の機能をも兼ね備えるものです。

この混合ブースター(混合器)を使用することで、住宅全体で使用するアンテナケーブルの長さや機器の数が少なく、シンプルな配線となり、工事のコストやトラブルのリスクを軽減することができるのです。

なお詳しくは後述しますが、同じ衛星放送でも、従来の2K衛星放送と新4K8K衛星放送では、使用される電波の周波数帯がやや異なるため、新4K8K衛星放送をご視聴になる場合には、4K8K(3442MHz)対応型のUHF・BSCSブースターを使用する必要がございます。

なお当あさひアンテナでは、UHF帯ブースターの設置工事は、国産メーカー製の高性能ブースター機器の価格を含めて「20,000円(税込み)」。UHF・BSCS混合ブースターでは「25,000円(税込み)」にてお引き受けいたしております。

その他、ブースターや混合器、分波器などについての詳細は、以下の各コラム記事でも解説しておりますので、よろしければご確認ください。

・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】

・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

・地デジ用テレビアンテナの受信レベルが低くなる原因とは? ブースターによる対処法など受信レベルを改善する工事の方法を解説!

・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?

・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!

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八木式アンテナとブースターについて

以下の項では、現在の地デジアンテナの主な三機種について、ブースターとの関連性を中心に、その特徴について解説してまいります。

まず八木式アンテナとは、アナログ放送の時代からテレビアンテナとして使用される、魚の骨に似た古典的なテレビアンテナであり、地デジアンテナの第一世代モデルに当たる機種です。現在では研究を主導した共同開発者の名前も含めた、八木・宇田アンテナの正式名称でも呼ばれます。

地デジアンテナとしての八木式アンテナは、基本的には住宅の屋根の上などの高所を選んで、屋根馬やサイドベースなどの器具に固定されたマスト(ポール、支柱)の先端に設置されます。

他にもサイドベースを使って、住宅の壁面やベランダの内外などに設置される場合や、専用のモデルを用いて、軒先などから吊り下げるようにして設置されることもございます。

八木式アンテナの特徴は、古典的かつシンプルな構造で、8素子相当、14素子相当、20素子相当など、多彩な素子数(受信性能)のモデルが存在する点です。

また一か所に特殊な設置具を用いて複数の素子パーツを配した「高性能素子」を使用する高性能アンテナ、パラスタックアンテナというモデルもあり、このモデルでは同素子数で通常の八木式アンテナの4倍程度の受信性能を発揮するほか、27素子、30素子などの多素子モデルも存在するため、微弱電界地域などでも地デジ電波の受信が可能となります。またパラスタックアンテナは、5素子程度でも通常モデルと同等の受信性能を発揮するため、アンテナ本体の小型化にも利用されます。

八木式アンテナは、このような基本的な素子数の多さに加え、設置位置が高いため周辺の障害物に影響されにくい。素子の露出で受信感度が高まる素子アンテナにあたる。地デジアンテナ機種の中でも指向性が高い。ローチャンネル用アンテナなど、受信できるチャンネル帯域を絞ることで動作利得を高めたモデルも存在するなど、総合的な要因で、地デジアンテナ各機種の中でも、もっとも受信性能の高い機種になり、適切な受信性能のモデルを選ぶことで、幅広い電界地域にて使用が可能です。

またテレビアンテナとしては古典的モデルで、設計や製造、設置の技術も完成されているため、本体価格や設置費用がもっとも低価格という特徴もございます。

一方で八木式アンテナのデメリットには、古典的な形状と高い設置位置から、住宅の屋根の上で目立つため、住宅の外観性や景観を乱す。さらに風雨や降雪、海沿いの潮風など自然環境の影響を受けやすく、経年劣化が進みやすいため、アンテナの耐用年数(寿命)が約10年程度と短くなり、老朽化したアンテナでは角度のズレなどのトラブルが生じやすくなるといった点が挙げられます。

ただ自然環境への対策としては、八木式アンテナも近年の最新モデルでは、素材や設計の改良、表面加工などにより、軽量化、防水性、防サビ性が向上している他、各種の自然環境に対応できる設計、加工を施した雪害用、塩害用などのモデルも存在するため、このようなモデルを使用することで、経年劣化を抑えて従来より耐用年数を延ばすことが期待できます。

なお八木式アンテナは非常にシンプルなアンテナであるため、ブースター内蔵モデルは存在せず、必要に応じてアンテナのマスト部などに屋外用ブースターを固定することになります。

ちなみに当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事において、DXアンテナ製の20素子高品質モデル「UA20」本体と、設置具、同軸ケーブル、防水処理などをセットにして「15,000円(税込み)」からでご提供しております。

他にも各素子数モデルやパラスタックアンテナ。ローチャンネル、ロー・ミドルチャンネル対応型。また風雨などに強いステンレスモデル、塩害用モデル、雪害用モデルなどもご用意しており、受信状況から自然環境まで、どのような現場にも八木式アンテナでご対応いたします。

また八木式アンテナについて詳しくは、以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

デザインアンテナとブースターについて

デザインアンテナとは、広い意味では、後述するユニコーンアンテナなども含め、デザイン性を重視したテレビアンテナの総称としても使われます。ただ一般的には、薄型で長方形のケースにアンテナ本体部を収め、壁面などへの設置を前提に、2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、平面アンテナとも呼ばれる、第二世代にあたる地デジアンテナ機種のことを指します。

デザインアンテナの設置場所は、主に住宅の壁面やベランダの手すり部などを前提としておりますが、八木式アンテナと同じく、屋根の上などのマストに設置されることもございます。

また強電界地域で建材などの条件が整った現場であれば、屋外屋内兼用のコンパクトモデルを室内の窓際に据え置く他、屋外用モデルを屋根裏空間、天井裏空間に設置することも可能です。

このような特徴から、デザインアンテナ(平面アンテナ)には、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどの別名もございます。

デザインアンテナは、その形状と設置場所、またカラーバリエーションの豊富さにより、住宅に設置しても目立たず、家の外観や景観に悪影響を与えない点。さらに風雨など自然環境にも影響を受けにくいため、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が15年から20年程度と長くなり、トラブルも起こりにくいという点が、主なメリットになります。

総じてデザインアンテナは、第二世代モデルとして八木式アンテナのデメリットをカバーする特性があり、メリットの豊富さから現在ではもっとも人気の高い地デジアンテナ機種になります。

一方、デザインアンテナのデメリットには、八木式アンテナと比べた場合の、受信性能の低さが挙げられます。

デザインアンテナの受信性能は、屋外屋内兼用のコンパクトモデルなどを除けば、主に20素子相当、26素子相当のみになります。

さらに素子が露出していない。指向性がやや広い。オールチャンネルアンテナしか存在しない。なにより設置位置が屋根の上より低くなるという点から、総合的な受信性能は八木式アンテナの同素子数モデルと比べても、やや低くなってまいります。

したがってデザインアンテナは基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないこともございます。特に高層マンションの直近に当たる位置や、隣家との間の空間が狭い住宅密集地などでは、強電界地域などでも壁面に十分な地デジ電波が届かないことがあるため、壁面にデザインアンテナが設置できないケースも多くなってまいります。

その他にも、壁面への設置では壁にビス穴を開ける必要が出る。アンテナ価格や設置費用が八木式アンテナよりやや割高になる。地デジ電波が届く方向である電波塔を向いた壁面などにしか設置できないといった点もデメリットといえます。

ちなみにデザインアンテナには、その受信性能の弱さをカバーするため、多くのモデルに、通常モデル(ブースター非内蔵型)と、基本性能は同一ながらやや本体価格が高い、ブースター内蔵型のモデルが存在します。

ブースター内蔵型モデルには、通常の屋外用ブースターと同じく電源部が付属し、屋外用ブースターと同じ形式で、アンテナ側に電源を供給することになります。またブースター非内蔵型のデザインアンテナにも、背面に別売りのブースターを固定するためのスペースが設置された製品も存在します。

ただデザインアンテナに内蔵されるブースターは、やや弱い受信性能を補完するための機器になるため、現場の電波レベルによっては増幅性能が不足して、内蔵ブースターとは別途に配線部へのブースター設置が必要となるケースもございます。

なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事として、DXアンテナ製の高品質20素子相当モデル「UAH201」。また強電界地域用のコンパクトモデルでは、マスプロ電工製の「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と設置具、白黒2色の同軸ケーブルなど基本部材をセットにして「20,000円(税込み)」からでご案内いたしております。

他にも、26素子相当モデルやブースター内蔵型、垂直偏波用モデルなども、カラーバリエーションを含めてご用意しておりますので、現場の地デジ受信環境で可能な限り、さまざまなご要望に対応できるデザインアンテナの設置をご提案いたします。

またデザインアンテナの詳細や各種設置方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

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デザインアンテナ マージン 10年保証

ユニコーンアンテナとブースターについて

ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、国内の大手アンテナメーカー、マスプロ電工が発売した独自モデル「U2CN」のことであり、地デジアンテナの第三世代モデルであると同時に、2023年現在の最新モデルになります。

その外観は、長さ約67センチ、直径14センチ程度のほぼ円筒形で、アンテナ本体をマストの先に立てて固定する形になります。カラーバリエーションは落ち着いた色合いのウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の2色で、マストの固定部もカバーで隠せるため、非常にスタイリッシュな外観となります。

その名称は、ギリシャ神話の伝説上の一角獣「ユニコーン」の角を思わせることに由来し、マスプロ電工社の登録商標にもなっております。

ユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上に固定されたマストや、屋根の張り出し部(破風板)、壁面の高所に設置されたサイドベースのマストの先になります。基本的に、屋根の上と同様の高所が設置場所に選ばれます。

ユニコーンアンテナのメリットは、高所に設置しても。そのデザイン性から家屋の外観や景観を乱さない点。そして風雨や雪などを受け流しやすい形状から、経年劣化が進みにくく、耐用年数(寿命)も長くなる、また角度のズレなどのアンテナトラブルも生じにくいといった点になります。

ユニコーンアンテナの耐用年数は、誕生が新しいモデルであるため正確には不明ながら、デザインアンテナと同等の15年から20年程度になると考えられております。

さらに受信性能も、本体は20素子相当モデルのみながら、設置位置が高所になるため、周辺の建築物などの環境に影響されにくく、受信感度が高いレベルで安定します。

ユニコーンアンテナの受信性能は、環境の良い壁面に設置された20素子相当のデザインアンテナとほぼ同等とされております。ただデザインアンテナの場合、前述のように、高層建築の近隣や住宅密集地などでは、地デジ受信レベルの低下から壁面に設置できないケースもございます。

しかしユニコーンアンテナでは屋根の上など高い位置に設置できるため、同様の悪条件であっても周辺の障害物に影響されず、安定した地デジ受信が可能となるため、設置できるケースが多くなります。

ユニコーンアンテナは、地デジアンテナの第三世代モデルとして、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットの融合を目指したモデルといえます。

ただユニコーンアンテナは、20素子相当モデルのみ。素子が露出していない。地デジアンテナの中では指向性がもっとも広く、オールチャンネルアンテナしか存在しないなどの要素から、八木式アンテナの20素子モデルやそれ以上の高性能モデルには、受信性能では及びません。

そのためユニコーンアンテナも、基本的には強電界地域から中電界地域向けの機種であり、弱電界地域では使用できないケースもございます。

他にもユニコーンアンテナのデメリットには、最新モデルであるため、現状では地デジアンテナの中で本体価格や設置費用がもっとも高価である。純和風建築など住宅の形式によっては、アンテナのデザインがマッチしない場合もある。現状では水平偏波専用モデルしか存在せず、垂直偏波を受信できないなどの点が挙げられます。

なおユニコーンアンテナには、ブースター内蔵型は存在しないため、やはり現場の地デジ受信環境に応じて、マストの下部などに別途、ブースターを設置する必要が出てまいります。

ちなみに当あさひアンテナでは現在、アンテナ本体と設置具、ケーブルなど基本部材などをセットにしたユニコーンアンテナの基本設置工事を、業界最安に挑むキャンペーン価格でご案内しております。

詳しくは当あさひアンテナのフリーダイヤル、メールフォーム、LINEなどへ、どうぞお気軽にお問い合わせください。

またユニコーンアンテナの特性やデザインアンテナとの比較など、その他の詳細は以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

衛星放送の仕組みと電波の特性

地上デジタル放送に続いて、ここからは衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)の仕組みと電波の特性。およびその受信レベルが低下する原因と対処法について解説してまいります。

衛星放送とは、地球の上空、赤道軌道上、約36,000キロ上空の宇宙空間にて、地球の周回軌道上を周回しているため、地上からは常に上空の一点に静止して見える「静止衛星」を使用する放送です。

より正確には、地球上に送信局から静止衛星へと、テレビ放送の電波を送信(アップリンク)します。そして静止衛星の側で、その電波の周波数を変換、増幅して、地球上の広範囲へと放送電波を送り返す(ダウンリンク)仕組みになります。

衛星放送の特性は、地デジ放送などの地上波放送に比べ、一基の静止衛星で日本国内の全域など、非常に広い範囲へと、効率的に大容量の情報を送信することが可能な点です。さらに地上の地形や建築物、また地上の災害などの影響をほとんど受けないといったメリットもございます。

そのため日本の衛星放送では、日本各地で受信できる電波レベルに大きな差が存在せず、したがって各電界地域や難視聴地域などの区分けも存在しません。

現在の日本の衛星放送は「BS放送(BSデジタル放送)」「CS放送(CSデジタル放送)」の二種類に分類されます。さらに2018年(平成30年)12月1日には、BS放送、CS放送に多数の4K、8Kチャンネルが追加される形で「新4K8K衛星放送」もスタートしております。

BS放送とは「放送衛星(Broadcast Satellite)」を用いた衛星放送であり、現在では東経110度に位置する放送衛星を使用しております。BS放送は、有料チャンネルを除き、地デジ放送と同じく日本国内では衛星放送用のアンテナを設置すれば不特定多数の誰もが視聴できる放送になります。

BS放送のチャンネルには、NHK、広域民放の基幹放送をはじめとする無料チャンネル。および月額契約制の有料チャンネルがございます。

CS放送は、元は企業や事業者などを対象にした「通信衛星(Communication Satellite)」を用いる衛星放送です。現在のCS放送は、CS放送の事業者と契約を結んだ、特定の視聴者を対象とするテレビ放送で、チャンネルの大半が有料チャンネルになります。

2023年現在、CS放送のサービスには、東経110度の通信衛星を用いる、110度CS放送「スカパー!」と、東経124度、128度の通信衛星を用いる、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の二種類が存在し、各サービスの契約、および各有料チャンネルと契約することで、各サービス内のお好みのチャンネルを視聴できます。

BS放送、CS放送の違いは、元来は放送法の規定による、静止衛星の用途に基づいた区分でしたが、現在では双方の放送内容に、実質的な差異は少なくなっております。

そしてこれらBS放送、CS放送の電波として、各静止衛星から送信される電波は、周波数帯の高いマイクロ波(SHF波)の電波の中でも、12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯に当たる「12GHz帯」と呼ばれる電波になります。

12GHz帯の電波は、波長の長さが25ミリ程度と短いため、地デジ電波などに比べても性質が光に近くなり、直進性が非常に強くなります。この直進性の高さが、静止衛星からの長距離を送信される電波には適しており、日本国内の衛星放送では、静止衛星から日本全域をスポットライトで照らすような形で、12GHz帯の電波をまんべんなく送信しているのです。

衛星放送の電波については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

衛星放送用BS/CSアンテナの仕組み

BS放送、CS放送や新4K8K衛星放送などの衛星放送を受信するため、戸建て住宅などに設置されるテレビアンテナは、基本的にバラボラアンテナのみになります。

パラボラアンテナとは、大きな円盤状の「放物面反射器」もしくは「ディッシュ(dish)」と、その中央部に金属製のアーム(コンバーターアーム)で固定された「コンバーター(変換器)」によって構成されるアンテナです。

現在の衛星放送用の主要なBS/CSアンテナは、静止衛星が同じ東経110度に位置するBS放送と110度CS放送「スカパー!」の双方を、一基で受信できるBS/110度CSアンテナになります。

その他にも、124度/128度CS放送を受信するためのプレミアムサービスアンテナ専用アンテナ。また東経110度、124度、128度すべての静止衛星からの電波を受信できるマルチアンテナなどが存在しますが、本コラムではBS/110度CSアンテナを前提に解説してまいります。

BS/110度CSアンテナで、静止衛星から送信される12GHz帯の電波を受信する仕組みは、まずBS/CSアンテナのディッシュを、静止衛星が位置する東経110度へと正確に向け、静止衛星から直進的に届く12GHz帯の電波をディッシュで正面から受け止めます。

受け止められた12GHz帯の電波は、ディッシュ内側の放物面反射器に反射し、コンバーターの「一次放射器」に集中する形で集められます。

12GHz帯の電波は、前述の通り周波数帯が高いため、そのままアンテナケーブルで送信すると非常に減衰量が大きくなってしまいます。そこでコンバーターによって、地デジ電波よりやや周波数帯が高い程度のMHz帯の電波へと変換し、ケーブルを通じて、テレビなど受信機器のBS/CSチューナーへと送信することで、BS放送、CS放送などが視聴できるのです。

なお、このコンバーターを作動させるため、BS/CSアンテナには、ブースター電源部やチューナー端子から、ケーブル配線部を通じて給電する形で、電源が必要となります。

BS/110度CSアンテナは、基本的にメーカーやモデルは違っても、その設計や構造は同じパラボラアンテナになります。そのため同じ大きさのBS/CSアンテナであれば、コンバーターの細かい性能差などを除いて、受信性能にほとんど違いは生じません。

BS/CSアンテナのディッシュサイズについては、ディッシュの有効直径(電波を受け止める部分の直径)をセンチ数で示す数値として、一般戸建て住宅向けにあたる45型の他、50型、60型、75型、90型、120型などがございます。

このディッシュ直径サイズが大きいほど12GHz帯の電波の受信性能が高まり、45型以上の大型モデルは、主にアパート、マンションなど、集合住宅の規模に合わせて使用される共同受信用のモデルになります。

他にも、一般戸建て住宅向けBS/CSアンテナのバリエーションには、太陽光に強い一般的な白色系のモデルの他、同じく太陽光に影響されにくい塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。またディッシュ部が風を通すパンチングホール仕様や、各接合部の強化などにより、台風などに対する耐風性能を高めた高耐風モデルなどが存在します。

当あさひアンテナでは、戸建て住宅におけるBS/CSアンテナの基本設置工事については、DXアンテナ製、2K4K8K対応45型高品質モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ各モデルとのセット設置では、アンテナ本体に設置具、ケーブルなどの価格も含め「15,000円(税込み)」からでご案内しております。

また高耐風モデルでは、同じくDXアンテナ社製の45型2K4K8K対応モデルながら、受信可能風速50m/s、耐破壊風速70m/sと、業界最強レベルの耐風性能を誇る「BC453SG」もご用意して、通常モデルと同じ基本設置工事を、特別価格でお引き受けしております。

他にも、ブラックのカラーバリエーションモデルや各ディッシュサイズのBS/CSアンテナも取り揃えておりますので、マンションなど集合住宅へのBS/CSアンテナ設置をはじめ、さまざまな現場への対応も可能となっております。

その他、BS/CSアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

衛星放送の受信レベルが低下する原因と対処法とは?

前述の通り、衛星放送では静止衛星から日本国内の全域に向けて、まんべんなく12GHz帯の電波を送信しているため、日本国内の各エリアで受信できる衛星放送の電波レベルに大きな差は生じません。

したがって、衛星放送を視聴するテレビの台数が多い住宅では、その台数に合わせたUHF・BSCS混合ブースターの設置や調整が必要になる以外、ほとんどの場合は、特に衛星放送の電波レベルを上げる必要はございません。

ただ衛星放送にも、テレビ電波の受信レベルが下がってしまう要因はいくつか挙げられます。

以下の項では、衛星放送の受信レベルが下がる要因と、その対処法を解説してまいります。

衛星放送の電波レベルが低下する要因1・BS/CSアンテナ角度のズレ。

上記の通り、BS/CSアンテナは、ディッシュの角度を静止衛星の位置する東経110度へと正確に向けることで、光のように直進する12GHz帯の電波を受信しています。

したがってBS/CSアンテナのディッシュ部を、東経110度に向けて、仰角(上下の角度)、方位角(左右の角度)とも正確に調整する必要がございます。

このディッシュの角度がミリ単位でも狂ってしまうと、12GHz帯の電波がコンバーターにうまく集中しなくなるため、衛星放送の受信レベルが大きく低下してしまうのです。つまりBS/CSアンテナは、地デジアンテナ以上に指向性が高いアンテナと言えます。

日本から見て東経110度は、南西から南南西の方角にあたりますが、日本国内でも地域によって、その角度は微妙に異なるため、地域ごとの東経110度の角度を確認した上で、受信レベルがもっとも高まるよう、アンテナ角度の微調整も必要となります。

また正確な角度調整でBS/CSアンテナを設置した後も、台風など激しい風雨の影響やアンテナの老朽化により、アンテナ角度のズレが生じることもございます。特にBS/CSアンテナはパラボラアンテナの形状的に風雨を受けやすいため、設置の際には、多少の雨風などに影響されない、頑丈な固定が必要です。

したがって、BS/CSアンテナの角度のズレへの対策としては、高い施工技術を持つ、プロのアンテナ工事専門業者に、設置位置の工夫などを含めて取り付けを依頼する。また台風などが多いエリアでは、前述した高耐風モデルのBS/CSアンテナを採用するといった対策が考えられます。

BS/CSアンテナの角度調整や指向性については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

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衛星放送の電波レベルが低下する要因2・BS/CSアンテナを向けた方向の障害物。

もうひとつ、BS/CSアンテナを設置する際に重要となるポイントが、現場から見てアンテナのディッシュ部を向ける東経110度の方向に、電波を遮断する障害物がないという点です。

静止衛星から送信される12GHz帯の電波は、光のように直進して地上のBS/CSアンテナへと届きます。そして性質が光に近い分、静止衛星とBS/CSアンテナのディッシュを結び、電波が走る直線状に、わずかな障害物でも存在すると、ディッシュ部に影を落とすような形で12GHz帯の電波が遮られてしまい、受信できる電波レベルが大きく低下してしまうのです。

この障害物の例としては、山地やビルなど規模が大きなものはもちろん、電柱や電線。樹木やその枝葉。また水分を含んだ洗濯物など、ささいなものにも影響を受けてしまいます。

そのためBS/CSアンテナを設置する場合には、アンテナを向ける東経110度の方向に障害物が存在しないことはもちろん、設置後にも、新しく建築物が建てられる、また樹木が成長し、葉が生い茂るなど、のちに障害物が発生する可能性が低い設置位置を選ぶことが重要な対策となります。

ちなみにBS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、建築物など障害物になりうるものがある場合、アンテナの位置から計った障害物の高さに比べて、アンテナと障害物との間に、1.5倍以上の距離があれば、12GHz帯の電波の受信に影響はございません。

例えばBS/CSアンテナの設置位置から見て東経110度の方向に、アンテナより10メートル高い建物があった場合、アンテナと建物との間が15メートル以上も離れていれば、衛星放送の受信について特に問題は起こらないことになります。

衛星放送の電波レベルが低下する要因3・悪天候による電波レベルの減衰。

衛星放送の12GHz帯の電波は、波長の長さが25ミリ前後と、地デジ電波に比べても非常に短いものです。そのため地デジ電波よりも天候に影響を受けやすい性質がございます。

もっとも通常の雨や雪にさほど影響を受けることはございませんが、激しい雨や雪で、雨や雪の粒の大きさが25ミリに近くなると、12GHz帯の電波が空中で雨や雪に吸収され、また乱反射なども発生して、BS/CSアンテナで受信できる電波レベルが極度に低下してまいります。

これにより衛星放送の画面が乱れ、エラーコードとメッセージが表示されるのみで、衛星放送が映らなくなるといったトラブルも発生いたします。これを「降雨減衰」「降雪減衰」と言います。

降雨減衰、降雪減衰への対策は、基本的には天候の回復を待つことになります。ただBS/CSアンテナを、戸建て住宅向けの45型ではなく、50型、60型、75型などややディッシュが大型のモデルを使用することで受信性能が高まり、降雨減衰や降雪減衰への対策にもなります。

半面、大型のBS/CSアンテナはそのぶん、大きさや重さから風雨などに影響されやすくなり、角度のズレなどのトラブルが生じやすくなるため、注意が必要といえます。

衛星放送の降雨減衰、降雪減衰については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

衛星放送の電波レベルが低下する要因4・国内一部エリアにおける電波レベルの減衰。

衛星放送はその仕組みから、日本国内でも地デジ放送の電界地域のような、大きな受信レベルの変化は生じず、国内の全域で安定した受信が可能となるテレビ放送です。

ただ、日本国内でも北部や南西部、離島部など、静止衛星から見て、地上までの距離がやや遠くなるエリアでは、距離による電波の減衰が生じて、国内の中央部に比べると、12GHz帯の電波レベルがやや低くなり、受信不良が生じやすくなるケースもございます。

このようなエリアでは、やはり一般の戸建住宅でも、45型ではなく50型、60型などやや大型のBS/CSアンテナを採用することで、受信不良への対策となります。

衛星放送の電波レベルが低下する要因5・BS/CSアンテナや配線部が4K8K放送に対応していない。

設置された時期が古いBS/CSアンテナの場合、2018年にスタートした新4K8K衛星放送については、一部のチャンネルを除いて受信、視聴できないケースがございます。

と申しますのも、新4K8K衛星放送より以前の、2K衛星放送では、BS放送、CS放送とも、12GHz帯の電波として、右回りの螺旋を描いて送信される、右旋円偏波が使用されておりました。

しかし新4K8K衛星放送の開始で、BS放送、CS放送にそれぞれ4K、8Kのチャンネルを追加するにあたって、この右旋円偏波では、4K、8Kの追加チャンネルに割り当てることができる空きの周波数帯が不足したのです。

そこで右旋円偏波の空き周波数帯には、まずBS放送の基幹的な放送である、NHK、広域民放の無料4Kチャンネルを割り当て、それ以外の4K、8Kチャンネルには、新しく左回りの螺旋を描いて送信される左旋円偏波を導入し、その周波数帯を割り当てました。

またBS/CSアンテナのコンバーターで12GHz帯の電波をMHz帯に変換する際、右旋円偏波は1032MHzから2072MHz。左旋円偏波は2224MHzから3224MHzのより高い周波数帯に変換されます。

そして2023年現在のBS/CSアンテナは、ほぼすべて右旋と左旋、双方の電波を受信できる2K4K8K対応BS/CSアンテナになっております。ただ2018年以前のBS/CSアンテナは、右旋の電波のみしか受信できない2K対応アンテナであることが多く、左旋の電波で送信される大半の4K、8Kチャンネルを受信できないことになります。

またアンテナ配線部のケーブルや機器も、設置時期が古いものでは、左旋の電波が変換された、2224MHzから3224MHzの周波数帯に対応できないケースがございます。

したがって、BS/CSアンテナや配線部の機材が古く、左旋の電波やその周波数帯に対応できない場合、新4K8K衛星放送のすべての4K、8Kチャンネルを視聴するためには、BS/CSアンテナを最新の2K4K8K対応型に交換する。さらに配線部のケーブルやブースター、分配器などの機器も4K8K(3442MHz)対応型へと交換する必要が出てまいります。

新4K8K衛星放送の受信に必要となるBS/CSアンテナ本体や機器類については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!

・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!

・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について

・2K放送と4K、8K放送の違い

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ブースターによる受信レベル低下への対処・まとめ

お住まいに設置された地デジアンテナ、BS/CSアンテナで、地デジ放送や衛星放送の電波の受信レベルが低く、視聴に支障が出る場合の原因と対処法。特にブースターを使用した対処は、以上の通りになります。

なおテレビなど受信機器に届くテレビ電波レベルの低下、まったく届いていないなどでテレビ放送が正常に映らないトラブルの際には、テレビ画面に各種の「エラーコード」が表示されます。
このエラーコードは、テレビ画面が映らない原因の手掛かりになるものであり、その詳細は以下のコラム記事で詳しく解説しております。

・アンテナ受信トラブルでテレビ画面に「E201」などエラーコードが表示されて映らない問題の原因と解決する対処の方法とは?

現在では住宅内に設置されるテレビも、主要な室内やご家族一人に一台といったケースが多くなっております。したがってほとんどのご家庭では、ただ地デジアンテナ、BS/CSアンテナを設置するだけでは、必要な電波レベルが不足し、ブースターの設置が必須になります。

ブースターの設置も、ご自宅周辺のテレビ電波環境、また住宅内のアンテナ配線や設置されるテレビの台数などにより、必要となるブースター機種や調整のレベルが異なり、場合によっては屋外用ブースターだけでなく、要所に室内用ブースター、ラインブースターを設置して増幅量を補足する必要が出るケースもございます。

一般的な戸建て住宅におけるテレビアンテナの設置費用は、ご希望の地デジ、BS/CSアンテナの基本設置費用に、ブースター、分配器など必要な機器を設置するオプション工事費を加算した、すべての工事、機材費用の総額になってまいります。

当あさひアンテナでは、本文で申しあげた通り、地デジ、衛星放送のアンテナ設置に当たっては、まず綿密な現場の電波調査を行い、ご自宅の各位置での受信環境を元に判断して、安定したテレビ電波の受信が可能であることを大前提に、可能な限りお客様のご要望に沿ったアンテナ工事を、業界最安に挑むお見積り価格でご提案いたします。

ブースター設置に関しても、前述したUHF帯ブースター、UHF・BSCS混合ブースターの他、室内用ブースターやラインブースターを各種取り揃えており、現場の条件に応じて、安定した電波レベルを確保しつつ、必要最小限の設置で、工事費用の総額を抑えたお見積もりをご提案いたします。

実際のアンテナ工事にあたっては、完全自社施工で、弊社スタッフである、豊富な知識と経験に基づいた高い技術を誇るアンテナ職人が担当し、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に則って施工いたします。

弊社のアンテナ施工では、安定した受信性能はもちろん、自然環境の影響を抑えてアンテナの高寿命を望め、トラブルを避けることができる。さらに屋根裏空間など見えない部分も含めて、アンテナ設置部や配線部などがきれいに整った、見栄えのいいアンテナ工事をお約束いたします。

アンテナ取り付け作業が完了した後には、お住まいの各部屋にあるテレビの映り具合。またはアンテナコンセントにアンテナチェッカーを差し込む方法で、ご自宅のすべての部屋において、十分なテレビ電波を確保できているかを必ず確認した上で、工事の完了といたします。

工事費用のご精算は、各種カード、電子マネーなどにもご対応しております。そして工事後も万が一のトラブルに備え、業界最長クラスのアフターフォロー、工事完了日から「10年間」の長期保証もご用意しております。

保障に関しては、ご精算時に、担当したアンテナ職人の自筆サイン入り保証書をお渡しいたします。ただなにぶん長期保証であるため、保証書の紛失に備えて、弊社でも施工から十年以内のアンテナ工事に関しては、すべての工事をデータベース化して保存しております。

もし保証がご必要となった際に、弊社の保証書が見当たらない場合は、弊社のフリーダイヤルにご一報いただき、お客様のお名前や住所、当時の工事内容などをお分かりの範囲でお聞かせください。弊社データベースで確認が取れ次第、保証書をご提示いただいた場合と、まったく同じ保証対応をいたします。

もちろんテレビアンテナの設置工事だけでなく、ご自宅で既設のアンテナに問題が生じた。急に十分なテレビ電波が受信できなくなったなど、各種ご相談に関しても、アンテナ設置を担当したのが弊社、他業者を問わず、ご一報いただければ、可能な限り早急に現場へと駆け付け、夜間工事も含めて早期復旧を実現できるようご対応いたします。

ブースターなど配線部の機器を含めた、ご自宅での各種テレビアンテナの設置や交換から、テレビ画面が乱れる、映らないといったアンテナトラブルまで、テレビアンテナに関するご相談は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル。またはメールフォーム、LINEまで、どのようなことでもお気軽にお寄せいただければ幸いです。

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  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。