地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない工事の選び方とは? 業者の料金、費用の相場はいくらなのかも解説!

2023年08月12日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
21世紀の現在でも、一般のご家庭において、地上デジタル放送や衛星放送のテレビ放送は、ニュースなどの情報を得る他、日常の娯楽としても重要な役割を果たしております。
地デジやBS放送の主なチャンネルは、地デジ、BS/CSのアンテナを設置することにより、基本的に無料で視聴できます。
またBS放送やCS放送の有料チャンネルは、さまざまなジャンルに細分化されたチャンネルが数多く存在し、月額料金でお好みのジャンルのチャンネルを楽しんでおられる方も多いことと思われます。

ただ日常的にテレビ放送を楽しんでおられる方でも、普段、天気のいい日などは、地デジや衛星放送の映像がキレイに映っているのに、雨など悪天候の日には、テレビ画面にブロックノイズが生じるなど映りが悪くなる。また季節が夏になった、近隣に高層マンションが建築されるなどした後、特定のチャンネルが映らないようになったなど、テレビ画面の乱れや映らないなどのトラブルにお悩みのことはないでしょうか?

地デジ放送でそのような問題が起きている場合、一般的に考えられる理由としては、ご自宅の地デジアンテナが近隣の電波塔から受信している電波強度が弱い(受信レベルが低い)場合がほとんどになります。

また「テレビで特定のチャンネルが視聴できない」「時間帯によってテレビ放送が視聴できなくなる」「季節や天気によってテレビ画面にノイズが走る」「ブラックアウトしたテレビ画面の中央に『現在放送を受信できません』とのメッセージとエラーコードが表示される」などの場合には、さまざまな原因が推測できます。

例えば八木式アンテナを設置しているご自宅では、台風が通り過ぎた後であれば、アンテナが折れる、傾く、部分的に破損しているなどの問題が生じている。日頃からアンテナにカラスなどの鳥が留まっているようであれば、その影響でアンテナの向きが大きくずれている。また雪の多い地域では、冬場の屋根の上への積雪で、アンテナが圧迫や凍結などの悪影響を受けている。海沿いでは潮風の影響からアンテナのサビが進行し、各部の破損やアンテナの傾きなどの問題が生じていることも考えられます。
テレビアンテナは地デジ、BS/CSとも、テレビ電波を受信する機器であるため、屋外に設置されるケースが大半になりますが、それだけに、このような自然環境や周辺環境の影響を大きく受けてしまうのが、テレビアンテナの宿命ともいえます。

いずれにせよ、テレビアンテナの破損や自然の影響を受けた老朽化や角度のズレなどが原因であれば、問題点が視認して理解できるため、比較的、適切な対処が可能です。
しかし、アンテナ本体や機材などに外見的なトラブルが見て取れない。ご自宅で可能な限り考えられる対処を施してもトラブルが改善されない場合は、そもそもアンテナで受信できている電波の受信レベルが不足しているケースが考えられます。

この電波の受信レベルを上げるためには、アンテナ本体を高性能なものに交換する。またより受信しやすい位置に設置し直すなどの方法もございますが、もっとも有効な方法としては、アンテナに近い配線部に「ブースター(アンテナブースター)」という機器を設置することです。ブースターは日本語では「増幅器」と呼ばれる通り、アンテナが受信した電波のレベルを増幅する装置であり、このブースターによって不足している電波レベルを増幅することにより、これらの画面が乱れる問題を改善できることが多くなります。

このブースターは、インターネットショップや家電量販店などで購入できますが、ブースターの種類にも、地デジ放送や衛星放送、4K8K放送の対応型や、屋外用と屋内用。増幅できる電波レベル。各周波数帯域における増幅など、用途に応じたさまざまなモデルが存在するため、アンテナ工事の専門業者など、専門知識がない限り、ご自宅のアンテナ環境に適切な機器を選ぶことは難しくなります。

また、テレビ画面が乱れる要因には電波の弱さの他にもさまざまなものがあり、その原因を正確に判断して、原因に応じた適切な対処を取ることが重要でもあります。そのためただ安易にブースターを設置しても、症状が改善しないというケースもございます。
この原因の特定は、一般の方には難しいこともあり、プロである専門のアンテナ工事業者にトラブルの調査を依頼する必要が出るケースもございます。

そこで今回の当コラムでは、地デジ、BS/CSのテレビアンテナで、受信レベルの低さから画面の乱れなどのトラブルが生じる場合に、主にブースターを使用して問題を改善する方法について、その基礎知識から、対策や使用するブースターを選ぶ際に気を付けるべきポイントなどについて、一覧の形で詳しく解説してまいります。

地デジ・衛星放送の仕組みと電波とは?

地上デジタル放送、衛星放送とも、急に電波レベルが低下してテレビ放送が正しく映らなくなった場合に、その問題を改善して、正しく映る状態へと復旧するためには、それぞれのテレビ放送や電波の仕組みを理解し、どこに問題が生じれば受信レベルが悪化するのか、正しく受信できているとはどのような状態であるのかをご理解いただく必要がございます。
そこでまず、地デジ放送、衛星放送それぞれについて、放送の仕組みから、電波の種類や性質についてまでをご説明してまいります。

地上デジタル放送(地デジ放送)の基礎知識

2023年(令和5年)、21世紀現在の日本においてもっとも幅広く視聴されている、主なテレビ放送であるのが、地上デジタル放送、いわゆる地デジ放送です。
地上デジタル放送とは、日本国内の要所に多数、設置された送信所、中継局など、地デジ放送の電波塔から、その周辺の一帯に地デジ電波を送信することで、日本国内のほぼ全域をカバーしているテレビ放送です。

送信所とは、その代表的な存在が、東京都墨田区押上に位置し、東京都だけでなく、千葉県、埼玉県、神奈川県の多くの地域から、群馬県、栃木県、茨城県の一部。すなわち「関東広域圏」の多くに地デジ電波を送信している、高さ634メートルの、日本一の電波塔、東京スカイツリーです。
このように送信所とは、日本国内で、基幹放送の放送エリアとして区分される、関東広域圏、中京広域圏、近畿広域圏、東北広域圏、関東・甲信越広域圏、東海・北陸広域圏、中国・四国広域圏、九州・沖縄広域圏などに設置され、複数の都府県など、各放送圏の広範囲に地デジ電波を送信する大規模な電波塔のことで、親局、基幹局ともいわれます。

ただ送信所だけでは、各放送圏内において、電波塔からの距離や地形なの要因で地デジ電波が届かないエリアもでるため、各送信所を取り巻く形で、中継局と呼ばれる、送信所よりやや規模は小さい大小の電波塔が、必要な場所にいくつも設置されています。
この中継局はサテライト局ともいわれ、主に送信所や他の中継局が発信する地デジ電波を受信して、電波塔内で増幅した後、あらためてその周辺の一帯へと地デジ電波を送信するという形式で、地デジ電波を送信しています。

これら送信所、中継局といった地デジ電波塔が、日本国内の全域、必要なエリアにまんべんなく配置されているため、電波の届きにくい山間部や過疎地、離島部といった一部地域を除く、日本国内のほぼ全域で、地デジアンテナの設置、またはワンセグ、フルセグ受信機器によって地デジ電波を受信して、地デジ放送を視聴できるのです。

日本で最初にスタートしたテレビ放送は、1953年(昭和28年)2月1日に放送が開始された、NHKの本放送でした。この放送は、現在の地デジ放送と同じく、東京都港区の東京タワーをはじめ、日本各地に設置された電波塔から送信されていました。

現在の地デジ放送、およびそれ以前のテレビ放送(衛星放送を除く)も、地上に設置された施設である電波塔から、地上を走る電波で放送を行うため「地上波放送」「地上波テレビ放送」と呼ばれます。
ただ現在の地デジ放送と、それ以前の地上波テレビ放送との違いは、現在の地デジ放送が、その名の通り「デジタル放送」という形式でテレビの映像信号を送信しているのに対し、昭和期からスタートした地上波テレビ放送は、2000年代、21世紀の初頭にいたるまで「アナログ放送」という形式で放送が行われておりました。現在では、旧来の地上波テレビ放送は、現在の地デジ放送と区別するために「アナログ放送(アナログテレビ放送)」とも呼ばれます。

デジタル放送とは、電波で送信する際に、まず映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換して、さらにこの信号を電波の波長へと変換し、電波塔から送信する形のテレビ放送です。
それ以前のアナログ放送では、同じ映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信していました。

日本の地上デジタル放送は、旧来のアナログ放送からの転換を目的に、アナログ放送を継続した状態で、2003年(平成15年)12月1日、午前11時より、東京、大阪、名古屋の主要な都市圏から放送をはじめ、徐々に放送エリアを広めてゆきました。
地デジ放送を受信する一般世帯などでは、旧来のアナログ放送から地デジ放送に乗り換えるために、テレビアンテナやテレビ本体を、アナログ放送用ものから、地デジアンテナ(UHFアンテナ)や地デジ対応のテレビ、または従来のテレビに地デジチューナーを接続するなどの対応が必要でした。
そのため移行期間として、地デジ放送のスタートからしばらくは、放送内容が同じアナログ放送も並行して放送されていました。
しかし2011年(平成23年)7月24日の正午、同年の3月11日に発生した東日本大震災の被災地である一部地域を除き、アナログ放送が完全停波(終了)して、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されたのです。

このアナログ放送からデジタル放送への転換は、1990年代より、世界的なデジタル技術の進歩により、従来のアナログ技術からデジタルへの転換が進んでいたこと。さらに携帯電話の普及などにより、それまではテレビ放送が多くを使っていた電波の周波数帯に需要が高まり、テレビが使用する周波数帯を削減する必要が出たことにより、推進されたものです。
デジタル放送では、映像信号をデジタル信号に変換して電波に乗せるため、無駄な情報を大きく削減できるのです。そのためアナログ放送に比べて、必要な周波数帯を大きく削減しながら、送信できる情報の大容量化を実現しております。

アナログ放送時代のテレビ放送は、各ご家庭のテレビで、テレビ放送を一方的に視聴できるだけのものでした。テレビ本体もブラウン管テレビが主流で、現在の画面解像度でいえば約640×480ピクセル、およそ31万画素でした。
このレベルの画質や放送を、現在では「標準画質(SD画質)」「標準放送(SD放送)」と呼び、具体的にはDVDの画質に相当します。

しかし地デジ放送では、放送の情報量が格段に増えたことから、テレビ映像のハイビジョン(HD)化や。音声の高音質化で、CD並みの音声と、2.0chステレオによる二か国語放送や副音声。5.1chサラウンドなどを実現しています。
他にもマルチ編成。番組表や字幕放送、データ放送。双方向サービスなど、多くの機能が追加され、より便利で家庭に欠かせない放送サービスとして認知されております。

地デジ放送やアナログ放送の歴史、使用されるアンテナの違いなどについては、以下の各コラムでも詳しくご説明しております。

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

テレビ放送に使用される「電波」とは?

そもそも、地デジ、衛星放送など、テレビ放送に使用される「電波」とは「電磁波」の一種であり、比較的、その「周波数」が低いもののことをいいます。

電磁波とは、電気の力が働く空間である電界(電場)と、磁気の力が働く空間である磁界(磁場)が、互いに影響しあって振動することで、空間を光と同じ速さで伝わる波(波動)のことです。
また周波数とは、電磁波や電波が単位時間(1秒間)に繰り返す波の数を示す数値のことです。電波の範囲を超えた周波数の電磁波は、赤外線、可視光線、紫外線などの光となり、それ以上に高い周波数帯ではⅩ線、ガンマ線などの放射線となります。

電磁波や電波は、一定の周期で波長を描いて空間を進みますが、一定時間に繰り返される波の回数が多いほど、この波長の長さ(波の幅)は短くなります。
電波や電磁波の周波数は「Hz(ヘルツ)」の単位で表され、例えば1秒間に1回の波を描く電波は、1Hzの周波数になります。

そして電波とは、電磁波のうち周波数帯が一定以下のものになります。多くの場合は、周波数が3THz(テラヘルツ)までの電磁波が電波に当たり、日本の電波法でもそのように定義されております。
ちなみに電波で使われるHzの単位には、100万を表すMHz(メガヘルツ)。10億を表すGHz(ギガヘルツ)。兆を表すTHzがあります。これらメガ、ギガ、テラは、パソコンやスマートフォンのメモリ、通信量などの単位としてもよく使われます。

また日本の電波法では周波数帯別で、電波の種類を以下のように定義しております。
・超長波(VLF):周波数帯3kHzから30kHz。波長の長さ100キロから10キロ。
・長波(LF):周波数帯30kHzから300kHz。波長の長さ10キロから1キロ。
・中波(MF):周波数帯300kHzから3MHz。波長の長さ1キロから100メートル。
・短波(HF):周波数帯3MHzから30MHz。波長の長さ100メートルから10メートル。
・超短波(VHF):周波数帯30MHzから300MHzで、波長の長さ10メートルから1メートル。
・極超短波(UHF):周波数帯300MHzから3GHz。波長の長さ1メートルから10センチ。
・マイクロ波(SHF):周波数帯3GHzから30GHz。波長の長さ10センチから1センチ。

他にもマイクロ波のうち、周波数帯が30GHzから300GHz。波長の長さが1ミリから10ミリの電波をミリ波(EHF)。3THzから300GHz。波長の長さは0.1ミリから1ミリと、電波の上限に近いものをサブミリ波(デシミリメートル波)と呼ぶ場合や、1THzから3THzまで周波数帯の電波をテラヘルツ波と呼ぶ場合もございます。

上記の通り、電波は電磁波のうち、光より周波数帯の低いものを指します。
そのため電波の範囲でも、周波数帯の低いほど、その性質が、空気の振動であり同じく周波数をもつ「音」に近くなり、逆に周波数帯が高くなるほど性質が「光」に近くなります。

具体的には、周波数帯の低い電波は、波長がキロから数重メートル単位と長くなるため、音のように広がりやすくなります。また高層ビルなどの障害物にぶつかっても、波長の長さにより向こう側へと回り込みやすくなり、遠くに届きやすい。
また電波を反射しやすい金属や、吸収しやすいコンクリートなどの素材でない限り、住宅などの壁であれば、通り抜ける際に多少の電波レベルをは生じるものの、壁を通って屋内に届くといった性質があります。

逆に周波数帯が高い電波は、光のように直進性が強くなる反面、波長の短さから障害物にぶつかると、その多くが反射してしまい、向こう側へと回り込みにくくなる。ちょうど光に物が当たると反対側に影ができるように、障害物に遮断されやすくなる性質がございます。
一方で、電波に乗せて伝達できる情報量は、波長の数によって決まるため、周波数の低い(波長の少ない)電波では送信できる情報量は少なく、周波数帯が高くなるほど送信できる情報量は多くなります。

地デジ放送の電波「UHF波」について

上記の通り、地デジ放送の新機能として付加された各種のサービスは、放送の映像信号をいわばデジタル信号に変換(変調)すること実現されております。
このデジタル化の技術は、正式にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と言い、直訳では「直交周波数分割多重」と呼ばれる変調方式になります。これは多くのデータを効率的に送信できる変調方式といわれております。
このOFDMによる変調方式は、現在では地デジ放送だけでなく、Wi-Fiやスマートフォンなどでも採用されており、今日の社会や一般の生活において、中心的な通信方式といっても過言ではございません。

現在の地デジ放送では、映像信号を送る電波にノイズが混ざった場合も、一定レベルであれば映像信号を修復することが可能です。そのため、一定レベルの強度の地デジ電波を受信できるエリアであれば、どこでもクリアなテレビ映像を視聴することができます。

アナログ放送の時代は、電波塔から距離が通い場所では、別種の電波によるノイズが混入しやすく、画面のちらつきや揺れ、歪みなどが発生することもありました。また高層建築などにアナログ放送の電波が反射した場合には、さまざまな方向からの電波が、時間差でアンテナへと何重にも届くマルチパス(多重路伝搬)により、テレビ画面が何重にも重なって見える「ゴースト」と呼ばれる現象も起こりました。しかし地デジ放送では、このような映像の乱れの心配はなくなっております。

一方で、現在の地デジ放送では、地デジ電波が弱いエリアなどでノイズが修復できないレベルになると、ブロックノイズと呼ばれるモザイク状の画面の乱れが発生する他、受信できる電波レベルが一定レベル以下になると、地デジ放送の画面がまったく映らなくなります。

現在の地デジ放送の電波としては、すべてのチャンネルで、デジタル放送用の電波として、UHF波(極超短波)のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯が使用されており、その波長の長さは40センチから60センチ程度になります。したがって、現在の地デジ受信用のアンテナは、どれもUHF波を受信する「UHFアンテナ」にあたります。

対して、地上アナログ放送の時代では、日本全国各地で放送されていたNHK、広域民放では、VHF(超短波)のうち、90MHzから108MHzのローバンド。および170MHzから222MHzのハイバンドの周波数帯が使われていました。
また東京都の東京MX、神奈川県のテレビ神奈川など、主に主要な都市圏の、一部の都府県で個別に存在し、その都府県内を放送エリアとする、独立放送局の地方チャンネルでは、地デジ放送と同じUHF波のうち、470MHzから770MHzまでの周波数帯を使っていました。
そのため、アナログ放送時代のテレビアンテナは、日本全国でVHF波を受信するために使用される「VHFアンテナ」と、地方チャンネルが受信できるエリアのみで設置された、現在の地デジアンテナと同じ「UHFアンテナ」になります。

なおアナログ放送時代のUHFアンテナを、地デジアンテナとして流用することも可能で、現在でも当時のUHFアンテナを地デジアンテナとして使用し続けているお住まいも多く見られます。ただこのようなUHFアンテナは、2023年現在ではかなりの老朽化が予想され、突然の故障やアンテナの倒壊、落下などの危険性も考えられますので、早急に最新型の地デジアンテナへと交換されることがおすすめといえます。
アナログ放送時代に比べると、地デジ放送では、VHFの周波数帯をまったく使用しなくなり、使用するUHF帯の周波数帯もやや狭くなっていることがご理解いただけるでしょう。

この地デジ電波が各電波塔から送信される際の方式としては、地面に対して水平に波長を描く水平偏波と、垂直に波長を描く垂直偏波の二種類がございます。
この二種類の電波は、主に中継局によって使い分けられております。実際には日本各地の中継局のうち、約95パーセントが水平偏波を送信しており、残りの5パーセント程度が垂直偏波を送信しています。また双方の電波を送信する電波塔や、状況の変化などによって送信される電波の種類が切り替わることもございます。

水平偏波、垂直偏波は、送信する電波の品質や強さ、また送信されるテレビ放送の内容に違いはなく、ただ「混信」を避けるために、電波塔の地域によって使い分けられるのです。
混信とは、地デジ電波と周波数帯の近い携帯電話、スマートフォンなどの基地局の付近。また別の電波塔からの電波が入り混じることで、地デジ放送の映りが乱れる。またスマートフォンの通信障害が起こることを言います。

しかしこの混信は、周波数帯は近くとも、波長の角度が違っていれば起こりにくくなります。そのため携帯電話の基地局など、混信が起こり得る地域では、垂直偏波を使用することで、混信の発生を避けているのです。
なお地デジアンテナで水平偏波と垂直偏波のそれぞれに対応する場合には、電波の波長に合わせて、アンテナ設置の角度を90度、変更することで対応できます。
ただ地デジアンテナの機種によっては、設置角度をずらすことが難しいものもあるため、水平偏波専用と垂直偏波専用のモデルが分かれている場合もございます。

他にも地デジ電波には「ハイトパターン」という特性がございます。
ハイトパターンとは、電波塔から空中を伝わる地デジ電波と、地面に反射して上昇する地デジ電波の干渉によって生じるもので、地面から高くなるにつれ、受信できる地デジ電波レベルが、数メートル程度のペースで、波のような強弱を繰り返す性質をいいます。
このハイトパターンのペースをハイトパターンピッチと呼びますが、このピッチの幅は、電波の強度や電波塔からの距離、地形など、現場の条件によって異なってきます。

地デジアンテナの設置は基本的に高所を選ぶことで、周辺の建物などの障害物に影響されにくく、角度調整も行いやすくなります。ただその場合も、高度を確保すればよいというものではなく、現場のハイトパターンも確認した上で、適切な高さに調節する必要も出てまいります。
なおアナログ放送時代は、VHF波は波長が長いことから、ハイトパターンピッチも数十メートルの幅になったため、アンテナの設置位置について実質的な影響はありませんでした。

これら地デジ電波の基礎知識や、特有の性質については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

アンテナの材料一通り持参 アンテナ工事

地デジ放送の「電界地域」について

地デジ電波など、テレビ電波の強度は、主に「㏈(デシベル)」の数値で表記されますが、戸建て住宅などに地デジアンテナを設置して地デジ放送を受信する場合、画面の乱れなどがない安定した受信、試聴のためには、個々のテレビ機器などの地デジチューナーに届く時点で、34dBから89dBの地デジ電波レベルが必要です。
ただ地デジ電波レベルは、季節や天候などの影響でも変動するほか、アンテナからチューナーに届くまでの配線部の長さに応じても、ある程度の減衰が生じるため、実際にはチューナーに届く時点で最低でも40㏈以上。一般的には47dBから81dBの電波レベルが適切とされております。

また地デジ電波をはじめ、電波塔などから送信される各種の電波は、基本的に電波塔から離れれば離れるほど、減衰して電波レベル(電波の強度)が弱くなります。
そのため、日本国内の地デジ電波が受信できる地域でも、地域ごとに受信できる地デジ電波レベルの強弱は変わってまいります。

この日本国内の地域を受信できる地デジ電波レベルの強弱で分類したものを「電界地域」といい、それぞれ「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域(微弱電界地域)」と区分けされております。
この電界地域は、法律や学術上などで正式に定義されたものではないため、その定義は使用する団体や企業などによって異なる場合もございますが、一般的には以下の基準で分類されることが多くなります。

強電界地域とは、一般的に受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアで、一帯に地デジ電波を送信する地デジ電波塔が視認でき、電波を遮断する障害物なども少ないエリアになります。この強電界地域であれば、地デジ電波状態のよさから、住宅で使用できる地デジアンテナ機種、設置できる場所とも、非常に選択肢が多くなります。
ただ一方で、地デジ電波は、テレビなどの受信機器に届く時点での電波レベルが90㏈以上になっても、テレビ画面が乱れる、映らないなどのトラブルの原因になるため、高性能すぎる地デジアンテナは適さないこともあります。
現場によっては、電波の強度に応じて、受信性能が地デジアンテナモデルを使用する。また配線部に地デジ電波を適度に減衰させる機器「アッテネーター」を設置する。アッテネーター機能が内蔵されているテレビなど受信機器の場合は、その機能をオンにするといった対処が必要です。

中電界地域は、受信できる地デジ電波レベルが80㏈から60㏈程度の地域であり、電波塔から見て、強電界地域の周辺にあたるエリアです。このエリアでも一定の強さの地デジ電波を受信できるため、使用できる地デジアンテナの機種や設置の位置については、強電界地域ほどではないものの、ある程度は自由に選ぶことができます。
ただ中電界地域では、地デジ電波を遮りやすい周辺の地形や建築物などにも影響されやすくなるため、注意が必要です。

弱電界地域は、受信できる地デジ電波レベルが60㏈以下になる地域です。このエリアでは受信できる地デジ電波レベルが弱く、電波を遮る障害物などにも影響を受けやすくなるため、地デジアンテナの設置に当たっては、高性能な地デジアンテナモデルを、住宅の屋根の上など、障害物に影響されにくい高所に取り付ける必要がございます。
また弱電界地域でも、受信できる地デジ電波が50㏈から40㏈以下と、そのままでは地デジ受信することが難しいエリアは、微弱電界地域と呼ばれることがあり、基本的に電波塔からの地デジ電波の受信範囲外とされます。このようなエリアで、該当する電波塔からの地デジ電波を受信するためには、パラスタックアンテナと呼ばれる超高性能型の地デジアンテナが必要となってまいります。

また日本国内には、地形などの影響で電波塔からの地デジ電波が遮断される山間部や、付近に中継局が存在しない過疎地域、離島部など、地デジ電波がまったく届かないエリアも一部ながら存在し、このようなエリアは地デジの「難視聴地域」と呼ばれます。
このような難視聴地域では、主にケーブルテレビ(CATV)などを利用して地デジなどのテレビ放送を視聴することになります。

ただ前述のように、各電界地域には統一された定義はないため、場合によっては基準である㏈数が異なることや、強電界地域と弱電界地域の二種類のみに分類されることもございますので、電界地域の表記を確認する際にはご注意ください。
また地デジ電波は、地形や建築物などの障害物に遮られやすい性質がある他、天候や気候などの影響でもレベルが変動してまいります。

現在の地デジ電波に使用されるUHF波は、一定の波長の長さを持つため、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合も、ある程度は乗り越えて向こう側に回り込むことができます。
ただ、アナログ放送時代のVHF波に比べると、その波長の長さは半分から数分の一程度になっているため、VHF波に比べると障害物を乗り越える力がやや弱いのも事実です。
したがって地デジ電波では、電波を遮りやすい高層建築の付近でも、電波塔から見てに死角に当たる方向、直近のエリアや、住宅密集地などで隣家の壁との距離が近い壁面などの位置では、強電界地域に当たるエリアであっても、到達する地デジ電波レベルが非常に弱くなるため、地デジアンテナの設置に大きな制約が出るケースもございます。

また一年を通した気候の変化でも、気温が低い場合は空気が収縮し、遠くまで電波が届きやすくなる反面、周囲からの無関係の電波も届きやすいため、干渉によりノイズが発生しやすくなります。逆に気温が高いと空気の膨張により、空間を伝わる電波レベルがやや弱くなってまいります。
このような季節や気候の変化によって、一年を通した四季などでも、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルに、およそ6㏈程度の変動が生じます。

他にも電波は水分に弱く、湿度が高い日をはじめ、降雨や降雪など悪天候の際には、電波レベルが大きく低下します。
このような影響もあるため、電界地域はあくまでエリアごとに受信できる地デジ電波レベルを判断する大まかな目安にすぎず、個々の現場で受信できる地デジ電波レベルは、必ずしも電界地域の基準に当てはまらないケースもございますので、ご注意ください。

日本国内における送信所、中継局など地デジ電波塔の位置と、各電波塔における電界地域の確認には、インターネット上の「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイトにある「地デジ放送エリアのめやす」ページにて、地図上で閲覧することが可能です。

また実際のお住まいなどの現場で、受信できる正確な地デジ電波レベルは、同じ住宅でも例えば屋根の上と壁面では大きな違いがある場合もございます。そのためアンテナ工事の専門業者に電波調査を依頼して「アンテナレベルチェッカー」など専用の機器を使用しない限り、正確な電波状態は割り出せませんので、この点もご注意ください。

いずれにせよ地デジアンテナの設置にあたっては、現場の電界地域を基準に、実際の電波状態も確認した上で、条件に見合った地デジアンテナ機種や設置位置を選択する必要がございます。

さらに現在では、多くの場合、地デジアンテナと同時に、アンテナが受信した電波レベルを必要なレベルに増幅する「ブースター(増幅器)」と呼ばれる機器を、やはり現場の電波状態に適した製品を選んで、設置する必要が出てまいります。

また電界地域については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

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地デジ電波の受信が弱まる原因とは?

前述のように、一般のご家庭で安定して地デジ放送を視聴するためには、住宅の屋内に設置された個々のテレビなど受信機器に、気候や天候などによる電波レベルの変動を視野に入れて、最低でも47㏈程度の地デジ電波が届いている必要がございます。
テレビなど機器に届いている地デジ電波レベルが34㏈以下になると、画面にブロックノイズや、音声の途切れなどの不調が生じ、満足に視聴することができなくなります。

そして場合によっては、普段は地デジ放送を正常に視聴できているテレビで、ときに画面の乱れが生じる。またそれまでは地デジ放送が問題なく映っていたテレビで、急に画面の状態が悪くなるといったケースも生じます。
これらの問題の原因にはさまざまな原因が考えられますが、主な原因としては、アンテナで受信できる電波のレベルが低下したことにより、テレビなどの受信機器に届いている電波レベルが34㏈前後まで低くなっているケースが多くなります。

この地デジ電波レベルが弱まる原因にも、さまざまなものがございますが、主な要因としては、以下の4点が考えられます。

1つ目は、前述のように、雨や雪などの悪天候による、地デジ電波レベルの悪化です。水は電波を減衰させる性質があるため、例えば屋内にアクアリウムなどで大きな水槽を置いている部屋では、水槽の水によって屋内に届く地デジ電波やWi-Fiの電波が大きく減衰するといったことが起こり得ます。
同じように、降り注ぐ雨や雪の粒が、空間を伝わる地デジ電波を吸収することで、現場に届く地デジ電波レベルが大きく低下するのです。

このような現象を「降雨減衰」「降雪減衰」と言います。この場合によく見られる症状としては、晴れの日はご自宅のテレビで問題なく地デジ放送を視聴できるのに、雨や雪の際にブロックノイズなどが発生するというものです。
この場合は、青天の際にテレビなどに届いている地デジ電波がやや低いため、悪天候の際に、電波レベルが34㏈以下に低下してしまうと考えられます。

2つ目は、地デジアンテナの適切な設置がなされているかどうかです。
地デジアンテナには、ほとんどの機種で「指向性」という性質が存在します。テレビアンテナにおける指向性とは、アンテナ本体でも特定の一方向(正面側)でのみ、テレビ電波の受信性能が高くなる性質のことをいいます。
地デジアンテナでは、正面側で受信性能が高くなる反面、正面以外の方向では、受信性能が弱まってゆき、真横や後部などでは、受信性能はほとんどなくなります。
地デジアンテナの指向性はアンテナ機種によっても異なり、指向性が鋭い、つまり受信性能を発揮する角度が狭い地デジアンテナほど、正面側における受信性能は高くなる性質がございます。また指向性には、正面以外の方向から届く、ノイズの原因となる無関係な電波をカットする役割もございます。

個々の地デジアンテナごとの指向性は、受信性能がもっとも高い真正面を基準として、そこからアンテナの角度を徐々に左右へとずらしてゆき、受信性能が最大から、ちょうど半分のレベルになる角度を示す数値「半値幅」で表されます。
通常、地デジアンテナを設置する際には、この指向性や半値幅に基づき、アンテナの受信性能が高まる正面側を、現場に地デジ電波を送る電波塔の方向(場合によっては地デジ電波が建物などに反射した「反射波」の方向)に、正確に角度調整して設置する必要があります。
この設置時の角度調整が甘い。またはアンテナの老朽化や、強風や大雪、鳥が留まるなど自然環境の影響により、電波の方向に半値幅を合わせたアンテナの角度が狂ってしまうと、アンテナで受信できる電波レベルが大きく低下してしまうのです。

3つ目は地デジアンテナ本体の劣化によるものです。アンテナのモデルや設置位置にもよりますが、地デジアンテナも設置から十年以上を過ぎると、経年劣化により耐久力が低下し、各部分にトラブルが生じることもございます。
特に屋根の上に設置される八木式アンテナでは、屋根の上への積雪による圧力などの雪害や、海沿いの潮風を受けることによるサビの進行などの塩害で、老朽化や故障などが生じやすくなります。地デジ電波を受信するパーツである「素子(エレメント)」が折れる。ケーブル接続部が腐食するなどすると、電波の受信感度や送信できる電波レベルが低下します。
また老朽化したアンテナは、角度のズレが生じやすくなり、上記の通り指向性の範囲から外れることによる受信レベルの低下が起こりやすくなります。

4つ目は、ご自宅の地デジアンテナの周辺に、地デジ電波の障害物となる建築物が建造されたなどのケースです。
前述のように、住宅の近隣、地デジ電波が届く地デジ電波塔、または反射波の方向に、マンションなどの高層建築物が建築された。またデザインアンテナを壁面などの低い位置に設置しているお住まいで、アンテナのある壁の方向に新築住宅が建てられたなどの場合には、アンテナに届く地デジ電波が遮られてしまい、それ以前に比べて、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下してしまいます。
このような場合は、安定した受信が可能となる位置に、アンテナの設置場所を変更することで対応できます。他にも現在、設置されている地デジアンテナを交換する際、機種を変更するなどして設置位置を変える場合にも、新しい設置位置の周辺環境を確認して、周囲に高層建築物はないか、今後、建設される予定はないか、などを考慮される必要がございます。

上記の外にも、電波レベルの低さで、テレビ画面が正常に映らない要因には、アンテナ配線部の問題。例えばケーブルやブースターなど機器の接続部の接触不良。ブースターの不調や増幅量の不足。またアンテナからテレビが置かれた部屋までの距離が長く、配線部の長さから、他の部屋よりも、電波の減衰量が大きくなっているなどが考えられます。

またテレビ本体の基盤の劣化によるトラブル。アナログ放送時代に設置されたUHFアンテナを地デジアンテナに流用している住宅では「700MHz電波障害」などの原因でも、画面の乱れや電波障害が起こることも考えられます。
ただ地デジ画面のみでブロックノイズや、受信レベルの低下により映らないといった症状の場合は、前述の4点のどれかが原因であるケースが大半を占めるといっても問題はございません。

なお上記の要因、またそれ以外の原因による電波障害や地デジ放送の画面の乱れ。それらを復旧する方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

・一時的にテレビ画面が乱れる場合の原因と対策・徹底解説!

・電波障害? テレビが映らない原因はアンテナトラブル? 確認と対処法

・地デジやBS/CSアンテナで受信感度が落ち突然テレビが映らなくなる原因、受信レベルを上げ映るよう解決する対処法の工事は?

・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法

・一部屋だけテレビが映らない不具合の原因と対処法

・BS/CS衛星放送は映るのに地デジ放送が映らない場合の対処法

・「700MHz電波障害」とは何か?

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用

テレビアンテナ修理工事

フリーダイヤルバナー

フリーダイヤルバナー

衛星放送(BS放送、CS放送)の基礎知識

衛星放送とは、文字通り、宇宙空間に位置する人工衛星から、地上に向けて放送電波を送信している放送の形式になります。
より正確には、赤道軌道上、約36,000キロ上空にて、地球の周回軌道上を回っているため、地上からは常に上空の一点に静止しているように見える「静止衛星」を使用し、まず地球上に設置された衛星放送の送信局から静止衛星へと、テレビ放送の電波を送信(アップリンク)します。電波を受け止めた静止衛星では、その電波の周波数を変換し、増幅した後、地球上の広範囲へとテレビ、ラジオなどの放送電波を送り返す(ダウンリンク)という仕組みです。

この静止衛星から再送信される電波を、地上において、戸建て住宅やマンションなどの建築物に、静止衛星の方向へと向けて設置した、皿状のディッシュ部をもつパラボラアンテナにて受信し、アンテナ配線を通じて、BS/CSチューナーを持つテレビなど受信機器に、電波の映像信号を送信することで、衛星放送が視聴できます。

地デジ放送などの地上波放送は、地上に設置された電波塔などの送信塔から、建物に世知された地デジアンテナへと電波を送信しています、
一方、衛星放送は地上の送信局から電波を静止衛星へと送信し、その静止衛星から広範囲に電波を送信しているので、比較するとやや手間がかかっているようなイメージはございます。

しかし、地デジなどの地上波放送では日本国内のほぼ全域に電波塔を設置する必要があり、それでも地形などの影響から、一部には届く電波の弱いエリアや、まったく受信できないエリアも発生するのに対し、衛星放送では、一基の静止衛星で、地形や建築物などの影響をほとんど受けず、日本国内の全域をほぼまんべんなくカバーできるため、広域へとより効率的に、大容量の情報を送信することが可能となります。

したがって衛星放送では、地デジ放送で問題になる「難視聴地域」が発生せず、基幹放送の受信格差を解消できる放送の形式として活用されております。他にも、地上の災害などに左右されず受信できるという点も特徴と言えます。

現在の日本の衛星放送には「BS放送」「CS放送」の二種類があり、現在ではどちらもデジタル化され「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」となっております。

BS放送は「放送衛星(Broadcast Satellite)」を用いた衛星放送です。
現在のBS放送は、東経110度に位置する放送衛星を使用するもので、放送されるチャンネルは、NHK、広域民放の基幹放送をはじめとする無料チャンネル。および月額契約制の有料チャンネルになります。
BS放送は、有料チャンネルを除けば地デジ放送と同じく、日本国内であれば衛星放送のアンテナを設置することにより誰でも視聴できる、不特定多数を対象とした放送になります。

CS放送は、もともとは企業や事業者などを対象にした「通信衛星(Communication Satellite)」を使用する放送です。1989年(平成元年)の放送法改正により、通信衛星を用いても、一般世帯を対象にしたテレビなどの放送事業が可能となりました。
現在のCS放送は、CS放送の事業者と契約を結んだ、特定の視聴者を対象とするテレビ放送であり、チャンネルの大半が有料チャンネルです。

CS放送の特徴は、BS放送よりもはるかに多チャンネルで、さまざまなジャンルに特化した専門チャンネルから、お好みのチャンネルを選んで視聴できる点です。
2023年現在、CS放送のサービスとしては、東経110度の通信衛星を使い、80近いチャンネル数をもつ、110度CS放送「スカパー!」。東経124度、128度の通信衛星を使い、130以上のチャンネルのうち、4Kチャンネルひとつを除き、すべてハイビジョン(2K、FHD)チャンネルである他、多くのラジオ放送も行う124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の二種類がございます。

これらBS放送、CS放送の区分は、もともとは放送法の規定による、静止衛星の用途に基づいた区分でしたが、現在では双方の放送内容に実質的な違いは少なくなっております。
さらに2018年(平成30年)12月1日には、BS放送、CS放送それぞれに複数の4K、8Kチャンネルが追加される形で、衛星放送の4K8K放送「新4K8K衛星放送」もスタートしており、4K、8Kテレビを用いることにより、従来の2K放送より格段の高画質、高音質の放送を視聴できるようにもなっております。

衛星放送の電波「12GHz波」について。

上記した衛星放送において、BS放送の放送衛星、CS放送の通信衛星から送信される電波は、
マイクロ波(SHF波)の中でも「12GHz帯」と呼ばれるものです。
衛星放送の電波は、静止衛星かららせん状のバネのような軌道で送信される「円偏波」と呼ばれる電波を使用しております。ただCS放送のうち、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」では、地デジ放送と同じく垂直/水平の直線偏波が使用されております。

なおBS放送では、SHF波のうち、BS放送では11.7GHzから12.2GHz。CS放送では12.2GHzから12.75GHzが使用されております。どれもおおよそ12GHz前後であることから、12GHz帯と呼ばれるのです。

この12GHz帯の電波は、周波数帯の高さから、その波長の長さは25ミリ程度と短く、性質は光に近くなり、直進性が非常に強くなります。日本の衛星放送では、静止衛星から、日本の全域をスポットライトで照らすようにして、12GHz帯の電波を送信しています。

また現在の新4K8K衛星放送を含む衛星放送では、円偏波のうち、衛星から見て時計周り(右回り)に回転する「右旋円偏波」と、反時計周り(左回り)に回転する「左旋円偏波」の2種が使用されております。

偏波を右旋、左旋の二種類に分けることで、同じ周波数帯の電波でも、2倍の情報を送信できることになります。
この円偏波のうち、新4K8K衛星放送以前の2K衛星放送(通常のBS放送、CS放送)では、右旋円偏波のみが使用されていました。
ただ新4K8K衛星放送でBS放送、CS放送に4K、8Kのチャンネルを追加する際に、従来の右旋円偏波では、追加チャンネルに割り当てることができる周波数帯が不足したのです。

そこで右旋円偏波の残り周波数帯には、基幹的な放送チャンネルであるBS放送の無料チャンネル、NHK、広域民放の4Kチャンネルを割り当て、それ以外の4K8Kチャンネル用には、新しく「左旋円偏波」を導入して、その周波数帯を割り当てたのです。

また右旋、左旋とも12GHz帯の電波は、BS/CSアンテナで受信した後、そのままケーブルで送信すると周波数帯が高すぎるため、減衰量が大きくなりすぎ、十分なレベルの電波が、テレビなどのチューナーまで届かなくなります。

そのため、BS/CSアンテナには、受信した12GHz帯の電波の周波数帯を変換する「コンバーター(変換器)」という機器で周波数帯を、ケーブルでの送信に適したMHz帯へと変換してから、屋内のテレビ機器へと送信します。
このとき、BS右旋の電波は1032MHzから1489MHz110度CS右旋の電波は1595MHzから2071MHzBS左旋および110度CS左旋の電波は2224MHzから3224MHzの周波数帯へと変換され、右旋より左旋が高周波数帯となります。
したがって、BS/CSアンテナや配線部の機器なども、右旋、左旋およびこれらの周波数帯に対応できるアンテナや機器が必要となりますが、この点について詳しくはBS/CSアンテナの項で後述いたします。

衛星放送の電波については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

衛星放送の12GHz波が弱まる原因について

前述のように、衛星放送では静止衛星から日本全域に12GHz帯の電波を送信しているため、基本的に、日本国内でも地域によって極端な電波レベルの差が出ることもなく、また地形や建物などの障害物についても、アンテナを向ける東経110度などの方向を遮るもの以外に影響を受けることはございません。
衛星放送の12GHz帯の電波レベルが弱まる主な原因は2つ、地デジ電波と同じく「雨や雪」などの悪天候と、BS/CSアンテナを向ける「仰角と方位角」および、アンテナを向けた方向に存在する「障害物」になります。

1つ目の「雨や雪」についてですが、衛星放送の電波は、大粒の雨や雪が降った場合には、地デジアンテナに比べてより顕著に影響を受けやすくなります。

地デジ放送では、元の地デジ受信レベルが高い、またブースターで十分な電波レベルの増幅を行っている場合には、悪天候でも地デジ放送の映像が乱れることはございません。
ただ衛星放送は、使用される電波の波長が25ミリ程度と短いため、小雨や細かい雪では大きな影響を受けることはございませんが、豪雨などで雨や雪の粒が25ミリに近くなると、衛星放送の電波が雨や雪に吸収され、乱反射が生じてしまい、BS/CSアンテナで受信できる電波レベルが極端に低下してしまうのです。

そのため一定以上の豪雨や降雪では、衛星放送の画面が乱れるだけでなく、テレビ画面がブラックアウトし「受信できません アンテナの設定や調整を確認してください(E202)」というエラーコードとメッセージが表示されることが多くなります。この現象を、地デジ放送の場合と同じく「降雨減衰」「降雪減衰」と言い、一般的には衛星放送のほうでよく使われる現象になります。

この降雨、降雪減衰については、一般の戸建住宅向けに使用されるBS/CSアンテナのサイズ(ディッシュの直径センチ)45型より、やや大型で受信性能が高いモデルを使用することで、改善されることもございます。ただ大型のアンテナはアンテナ本体や設置具の費用が割高となり、また風雨などに影響されやすくもなるので注意が必要です。

2つ目の「仰角と方位角」とは、BS/CSアンテナを向ける角度のことで、仰角は上下の角度、方位角は左右の角度のことです。

衛星放送用のBS/CSアンテナは、静止衛星からの直進的な電波を受信するため、ディッシュの角度を衛星の位置する東経110度(放送によっては東経124度、128度)の方向へと正確に向ける必要がございます。
日本から見て東経110度は、おおよそ南西から南南西の方角ですが、日本国内においても、東経110度にBS/CSアンテナを向ける仰角は、それぞれ北海道旭川市が30度。札幌市が31度。青森県が33度。宮城県の仙台が35度。東京都が38度。愛知県の名古屋が40度。大阪府が41度。福岡県が45度。鹿児島県が47度。沖縄県の那覇が54度、その他、各地域によって異なってまいります。

方位角については、日本各地でも大きな違いはなく、おおむね220度から212度程度の間になります。
このBS/CSアンテナの角度調整は、地デジアンテナ以上に厳密となり、ミリ単位の角度のズレでも受信感度に大きな影響が出ます。例えば仰角が3度ずれていた場合には、BS/CSアンテナで受信できるアンテナレベルの値は「0」になります。そのため設置するエリアにおける、正確な東経110度の仰角、方位角を確認し、精密な方角へと設置する必要がございます。

また角度調整が完了した場合には、BS/CSアンテナの角度調整ネジをしっかりと締めておくことも重要です。BS/CSアンテナはディッシュ部が風を受けやすい形状から、ネジの締め込みが甘いと、風の強い日にはアンテナ角度のズレが生じて受信不良が起こりやすくなります。最悪のケースでは、アンテナ本体が外れてしまい、落下する危険性もありますので何卒ご注意ください。

もうひとつの注意点は、BS/CSアンテナを正確に東経110度の方向へと向けた場合の「障害物」についてです。
BS/CSアンテナの角度調整を正確に行ったとしても、静止衛星からBS/CSアンテナを結ぶ直線状に、山地や建物などはもちろん、電柱や電線、樹木や枝葉、水分を含んだ洗濯物などの障害物がある場合は、12GHz帯の電波が遮断されてしまいます。

前述の通り周波数帯が高い12GHz帯の電波は、静止衛星から、光のように直進して送信されることになります。したがって静止衛星からBS/CSアンテナの間に前述のようなささいが障害物が存在しても、BS/CSアンテナに影を落とすような形になり、受信できる電波レベルが低下して、受信トラブルが発生してまいります。

したがってBS/CSアンテナの設置する場所としては、現在、東経110度の方向に障害物が存在しないことはもちろん、設置後も将来にわたって建物などの障害物が発生する可能性が低い場所を選ぶ必要がございます。

なおBS/CSアンテナを東経110度に向ける方向に、障害となりそうな建築物などがある場合、アンテナを設置する位置から計った建築物の高さに比べて、アンテナと建築物との距離が1.5倍以上、離れていれば、衛星放送の受信に問題は生じません。
例として、BS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、アンテナより10メートル高いビルがある場合、アンテナと障害物との間に15メートル以上の距離があれば、衛星放送の受信について特に悪影響はございません。

また上記の要因以外でも、日本国内でも北部や南西部、離島部など、中央部に比べて静止衛星からの距離が遠くなる地域では、12GHz帯の電波が地上に届くまでに、距離による減衰が生じて、やや電波レベルが低下することがございます。
そのためこのようなエリアでも、一般的な45型のBS/CSアンテナより、やや受信性能が高くなる大型のBS/CSアンテナを使用することがございます。

逆に言えば、上記の点さえ踏まえていれば、衛星放送の電波には、地デジ電波の電界地域のような大きな電波レベルの変動はなく、基本的には日本国内のどこでも、一般的なBS/CSアンテナによって受信できるため、地デジアンテナのような機種の選択や、受信感度による設置位置の選択を行う必要はございません。

なお衛星放送で受信障害が生じる原因や、BS/CSアンテナの角度調整については、以下の各コラム記事でも詳しい解説がございます。
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

・BS・CS放送がテレビで正しく映らない原因と対処法・アンテナの受信から工事を解説

・地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法

・衛星放送用BS/CSアンテナの受信レベルが急に低くなりテレビ放送が映らない原因とその対処方法、アンテナレベル確認を解説!

・BS放送、CS放送の衛星放送が映らないアンテナトラブルの原因とその対処法について、ご自宅でも可能な方法をFAQで徹底解説

アンテナ工事

地デジアンテナとBS・CSアンテナについて

以下の項では、現在、戸建て住宅に取り付けられる主なテレビアンテナ機種である、地デジアンテナの機種「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の3モデル。およびBS/CSアンテナについて解説してまいります。

地デジアンテナ:八木式アンテナ

八木式アンテナ、もしくは八木アンテナとは、矢印型のような骨組みに短い横棒がいくつもついた魚の骨を思わせる形状で知られる、アナログ放送の時代から使われている古典的なテレビアンテナです。
名称の由来は、大正時代にあたる1920年代、八木式アンテナを研究し、特許を取得した東北帝国大学(現・東北大学)の八木秀次博士です。また現在では、共同研究者であり、研究を主導した宇田新太郎博士の名前も入れ、八木・宇田アンテナの正式名称が使われることもございます。
シンプルな構造で高い受信性能を誇る点や、アナログ放送の時代から使い続けられることによるノウハウの蓄積などから、21世紀の現在でも、主に地デジ電波の弱いエリアを中心に、地デジアンテナとして八木式アンテナが幅広く採用されております。

八木式アンテナの構造は、魚の背骨にあたる導波器(ディレクター)。魚の頭、もしくは矢印の先端にあたる反射器(リフレクター)。反射器の少し前に位置している給電部(ダイポール)に分類されます。
そして前述の通り、八木式アンテナにいくつもついている短い横棒に当たる部分は「素子(エレメント)」と呼ばれ、地デジ電波を受信するパーツに当たります。地デジアンテナは基本的にこの素子数でアンテナの性能、すなわち電波を受信する性能が表されます。

八木式アンテナは主に住宅の屋根の上などで「屋根馬」という器具に立てられたマスト(ポール、支柱)の先端になります。
他にも屋根の破風板や壁面の高所など、基本的には屋根の高さに近い高所に、サイドベースという器具を固定し、そこに立てたマストに取り付けることもございます。他にもベランダの内外。専用の機種を軒先などから吊り下げるといった設置方法もございます。

八木式アンテナは外部から素子の数が見て取れ、8素子、14素子、20素子など、素子数(受信性能)によってさまざまなモデルがあり、現場の受信性能に適したモデルを使用できるため、強電界地域から弱電界地域まで、幅広いエリアに対応できます。
さらに素子が露出して受信感度が高まる「素子アンテナ」であること。設置位置が基本的に高所となるため、地デジ電波を遮る周辺の建築物などに影響されにくい。また他の機種に比べて指向性が高いなどの要因から、地デジアンテナの中でも、八木式アンテナは受信性能がもっとも高いモデルになります。

他にも八木式アンテナには、地デジアンテナの帯域(チャンネル)のうち、13chから62chまで全帯域を受信できるオールチャンネル用アンテナ。13chから36chまでを受信できるローチャンネル用アンテナ。13chから44chまでを受信できるロー・ミドルチャンネル用アンテナ。45chから62chまでを受信できるハイチャンネル用アンテナが存在します。
そして受信できる帯域が限られる八木式アンテナは、オールチャンネル用に比べて、対応する帯域の受信性能が高くなるため、そのエリアの地デジ放送の帯域に合わせた地デジアンテナ機種を使用すれば、より受信性能が高くなります。

また八木式アンテナの高性能機種としては、Ⅹ字型などのパーツの上下に複数の素子パーツを設置した高性能素子を使用する、パラスタックアンテナと呼ばれるものもございます。
パラスタックアンテナでは高性能素子を1素子として数え、基本的な受信性能が通常モデルの約4倍程度になるほか、27素子、30素子などの高性能モデルも存在するため、微弱電界地域などでも地デジ電波の受信が可能となります。
またパラスタックアンテナは、素子数が少なくとも通常モデルと同様の受信性能を維持できるため、八木式アンテナ本体の小型化のためにも利用されます。
ただパラスタックアンテナには、高性能な分だけ指向性が鋭くなる。また多素子モデルは本体が大型化するため、設置や角度調整が難しくなるというデメリットも生じます。

さらに八木式アンテナは、シンプルな構造で製造や設置のノウハウが完成されたモデルであるため、本体価格や設置工事の費用が、地デジアンテナ機種ではもっとも低価格になる点も大きなメリットです。
他にも同じマストにBS/CSアンテナをセットで設置しやすい。水平偏波と垂直偏波に関しても、八木式アンテナでは同じ機種でも、設置の際の角度を90度、変更するだけで対応できるといったメリットもございます。

一方で八木式アンテナには、その古典的な形状と高い設置場所から、主に二点のデメリットもございます。
ひとつは住宅の屋根の上などで目立ちやすく、家の見た目や景観を乱しやすい点です。そのため景観地域などでは条例で設置が規制されることもあり。アンテナの一部が隣家の敷地にはみだす「越境問題」が起こりやすい。太陽光パネルが設置された住宅では発電に悪影響を与えるなどの問題も出てまいります。

もうひとつは風雨や雪、海沿いの潮風による塩害、鳥が留まる鳥害などの自然環境に影響されやすく、経年劣化が進みやすい。したがって耐用年数(寿命)が短くなり、老朽化することで角度のズレなどの問題が生じやすくなります。
八木式アンテナの寿命は10年程度といわれます。環境に恵まれた現場では10年以上にわたって使用できるケースもある反面、自然環境が厳しい場合には寿命が10年以下となる場合もございます。

ただ現在の八木式アンテナは、素材の改良や加工による軽量化、防水性能の向上で、サビへの強さや耐風性が進化している他、自然環境に対応した塩害用、雪害用などのモデルもございます。現場の環境に適したモデルを使用することで、八木式アンテナでも寿命が十数年以上と長くなるケースもございます。

総じて、八木式アンテナは、デメリットもあるものの、低価格で受信性能が高く、さまざまなエリアに対応できることから、地デジ電波レベルの弱いエリアをはじめ、現在でももっとも普及している地デジアンテナになります。

なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナの標準設置工事に、国内大手メーカー、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」に、設置具、同軸ケーブル、防水処理など基本部材をセットにして、税込み15,000円からでお引き受けしております。
他にも8素子、14素子、16素子、20素子やパラスタックアンテナ。ローチャンネル、ロー・ミドルチャンネル対応型、また自然環境への抵抗力が高いステンレスモデル、塩害用モデル、雪害用モデルなどもご用意しており、さまざまな現場に対応が可能です。

八木式アンテナの本体や設置位置などについての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

地デジアンテナ:デザインアンテナ

デザインアンテナとは、2009年(平成21年)頃より普及した、第二世代の地デジアンテナ機種です。形状はアンテナ機器部を長方形、薄型のケースに収めたもので、同モデルのカラーバリエーションも豊富です。
デザインアンテナは基本的に、住宅の壁やベランダの手すり部などに、専用の固定具を取り付けて設置することを前提としております。
他にも八木式アンテナと同じく屋根の上などマストに設置される場合もある他、地デジ電波強度や住宅の素材などの条件が整った現場であれば、コンパクトモデルの室内据え置き。通常モデルの屋根裏空間、天井裏空間への設置も可能です。

これらの形状、設置位置から、平面状のデザインアンテナは、平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどと呼ばれることもございます。
なお「デザインアンテナ」の名称は、広義にはデザイン性に配慮したアンテナの総称としても使われることがあり、八木式アンテナにカバーを取り付けたような横型アンテナ。独自のデザインを持つ屋外屋内兼用アンテナなども、デザインアンテナに含まれるケースもございます。

薄型のデザインアンテナは、従来の八木式アンテナの弱点をカバーする新モデルとして開発されたものです。
したがってそのメリットは、本体の形状と設置場所、カラーバリエーションなどから、住宅の外観や景観にほとんど影響しない点が第一になります。また景観地域や太陽光パネルのある住宅でも設置でき、越境問題もまず発生しません。
そして風雨や積雪にも影響されにくく、鳥も留まりにくい点から、経年劣化が進みにくくアンテナトラブルを抑えられ、耐用年数が長くなる点も大きなメリットです。

デザインアンテナの耐用年数(寿命)は、一般的な屋外設置で、15年から20年ほどと考えられております。
このようにメリットが多いことから、デザインアンテナは現在、地デジアンテナ機種でももっとも人気の高い機種になります。

一方でデザインアンテナのデメリットとしては、受信性能では八木式アンテナに及ばない点になります。
デザインアンテナの受信性能は、強電界地域専用のコンパクトモデルなどを除き、基本的に20素子相当、26素子相当の二種類と、それぞれのブースター内蔵型になります。
デザインアンテナの受信性能は、素子が視認できないため、素子数に換算した「素子数相当」で表されますが、素子が露出していないことや、形状から指向性がやや広くなることから、同素子数の性能でも、八木式アンテナよりやや受信感度が低くなります。

そして何より、基本的な設置位置が屋根の上より低くなるため、電波を遮る周辺の建築物などに影響を受けやすい点が、受信性能を低くする大きな要因です。
これらの要因から、デザインアンテナは基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないこともございます。
また強電界地域から中電界地域であっても、壁面など低い位置への設置では周辺環境の影響を受けやすく、高層建築物の近隣や住宅密集地などでは、デザインアンテナが使用できないというケースも出てまいります。

他にもデザインアンテナは、八木式アンテナに比べると本体費用や設置工費がやや割高になる。壁面への設置では設置具を取り付ける際、住宅の壁にビス穴を開ける必要が出る点などもデメリットになります。
水平偏波、垂直偏波については、デザインアンテナは設置の角度を変えると、外観性や左右への角度調整に問題が出るため、垂直偏波用、水平偏波用のモデルが別個に存在します。

なお、当あさひアンテナのデザインアンテナ設置では、標準設置工事として、DXアンテナ社の20素子相当モデル「UAH201」。または強電界地域専用モデルですが、室内の窓際にも設置できるマスプロ電工社のコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションをご用意し、基本設置具や白黒2色の同軸ケーブルなどをセットにして、税込み20,000円からの工事費用でお引き受けしております。
他にも、ブースター内蔵モデル、26素子相当モデル、垂直偏波用モデルもカラーバリエーションを含めてご用意しており、現場の条件が許す限り、お住まいのデザインや色合いも含め、どのような現場のデザインアンテナ設置にもご対応できます。

なおデザインアンテナの特性や主な設置方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

アンテナ設置

地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナは、2017年(平成29年)に、マスプロ電工より発売された同社の独自機種であり、第三世代の地デジアンテナです。
外観は長さ約67センチ、直径14センチ程度の円筒形のアンテナ本体を、マストの先に固定する形で設置されます。設置部はカバーで隠せるほか、カラーバリエーションはつやがなく落ち着いたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色になり、非常にスタイリッシュな見た目です。その名称はギリシャ神話に登場する伝説上の一角獣「ユニコーン」の角に似た形状からきており、マスプロ電工の登録商標にもなっております。

設置される位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上のマスト。または屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所にサイドベースを取り付けての固定など、屋根の上とほぼ同等の高さに設置されます。

ユニコーンアンテナは、第三世代モデルとして、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットの融合を目指したモデルになります。

具体的なメリットは、洗練されたデザインから、高所に設置しても住宅の見た目や景観に悪影響を与えない点。そのため景観地域でも設置できることが多く、太陽光パネルにも影響しにくく、越境問題も起こりにくい。
また同じマストにBS/CSアンテナも設置できる。有害物質使用規制「RpHS指令」適合のモデルであるため、環境にも優しいなどの点となります。

他にも、形状から風雨や雪などを受け流せるため自然環境に影響されにくく、経年劣化が進みにくい。したがってトラブルが生じにくく耐用年数(寿命)も長くなります。
ユニコーンアンテナの耐用年数は、まだ実際のデータは少ないものの、デザインアンテナとほぼ同じの15年から20年程度とみられております。

このようにユニコーンアンテナは、住宅に設置された際も含め、そのデザイン性の高さから、2018年度には「グッドデザイン賞」を受賞しております。

受信性能に関しても、ユニコーンアンテナ本体は20素子相当モデルのみですが、屋根の上と同様の高所に設置されるため、周辺の建物など障害物に影響されにくく、受信感度が向上するというメリットがございます。
ユニコーンアンテナの受信性能は、同じ20素子相当のデザインアンテナを、環境の良い壁面に設置した場合と同等になります。

ただ前述の通りデザインアンテナは、強電界地域など電波状態のよいエリアでも、高層建築物の付近や住宅密集地などの周辺環境によっては、設置できない場合がございます。
しかしユニコーンアンテナでは設置の高度を確保できるため、同様の現場でも周辺の環境に影響されず、設置できるケースが多くなります。

一方でユニコーンアンテナのデメリットは、20素子相当モデルのみで、素子が露出していない。地デジアンテナ機種では指向性がもっとも広いなどの点から、受信性能では、20素子やそれ以上の八木式アンテナには及ばないという点がございます。
ユニコーンアンテナも、主に強電界地域から中電界地域用の機種であり、弱電界地域では使用できないケースが出てまいります。

他にも、最新モデルであるため、現状では地デジアンテナでも本体価格や設置費用がもっとも高価格となる。純和風建築など住宅の形状によっては、アンテナのデザインとマッチしない場合もある。本体が水平偏波専用モデルで、垂直偏波は受信できないなどのデメリットもございます。
現状のユニコーンアンテナは、新しいモデルであり、設置費用も割高になることから、さほど広く普及はしておりませんが、やや電波状態が悪いエリアで、デザイン性や対候性に優れたアンテナをお求めの方を中心に、新築住宅などで選ばれる傾向の高くなっております。

当あさひアンテナでは現在、アンテナ本体と設置の基本部材などセットにしたユニコーンアンテナの標準設置工事を、業界最安に挑むキャンペーン価格でお引きうけしております。

ユニコーンアンテナの特徴やデザインアンテナとの比較については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

衛星放送用:BS/CSアンテナ

衛星放送用のBS/CSアンテナは、前述の通りパラボラアンテナであり、皿のような形状の「放物面反射器(ディッシュ)」と、その中央部にアームで固定された「コンバーター」となります。
BS/CSアンテナで受信する仕組みとしては、静止衛星から直進的に送信される12GHz帯の電波をディッシュ部で受け止め、中央にあるコンバーターの突起部「一次放射器」に集中させます。
そして集めた電波をコンバーターで、ケーブルで送信しやすいMHz帯の電波に変換してケーブルから屋内のテレビなどのBS/CSチューナーに送る形になります。なおコンバーターを作動させるためBS/CSアンテナには、ケーブル配線部のブースターやチューナー端子から給電する形での電源が必要となります。

BS/CSアンテナの種類としては、静止衛星が同じ東経110度に位置するBS放送と110度CS放送を一基で受信できる、もっとも一般的なBS/110度CSアンテナ
また124度/128度CS放送に対応するプレミアムサービスアンテナ専用アンテナ。すべての方向の静止衛星からの電波を受信できるマルチアンテナ。他にも用途に応じて、BS放送、CS放送の一方のみに対応するBSアンテナ、CSアンテナ等がございます。

BS/110度CSアンテナの種類では、現在では右旋と左旋の双方の電波、すなわち新4K8K衛星放送のチャンネルをすべて受信できる2K4K8K対応アンテナがほぼすべてになりますが、2018年以前のモデルでは、右旋の電波にしか対応できず、新4K8K衛星放送のチャンネルの多くを受信できない2K対応アンテナになります。

そのため、2018年以前にBS/CSアンテナを設置した現場で、新4K8K衛星放送のチャンネルをすべてご視聴いただくためには、BS/CSアンテナを2K4K8K対応型に交換する必要が出るほか、アンテナの配線部やブースターなどの機器も4K8K(3442MHz)対応型に交換する必要が出てまいりますのでご注意ください。

他にもバリエーションとして、受信性能が異なるディッシュサイズの差。太陽光に強い白系統の他のカラーバリエーション。またディッシュが風を通すパンチングホール仕様や、各部の強化で耐風性を高めた高耐風モデルなどがございます。

BS/CSアンテナは、どのメーカーやモデルでも基本的な構造は同じパラボラアンテナになるため、ディッシュサイズが同じであれば、受信性能にほとんど違いは生じません。

戸建て住宅向けのモデルは、前述のようにディッシュ直径のセンチ数を表す45型になりますが、他にも50型、60型、75型、90型、120型などがございます。
大型モデルは基本的に、アパートやマンションなど、集合住宅の規模に合わせた共同受信用になりますが、戸建て住宅でも降雨減衰への対策や衛星放送の電波レベルがやや弱くなるエリアでは、やや大型のモデルが使われることもございます。

当あさひアンテナでは、BS/CSアンテナの標準設置工事では、DXアンテナ製の45型2K4K8K対応最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ各モデルとのセット設置の場合、BS/CSアンテナ本体や設置具、ケーブルなど部材をセットにして、税込み15,000円からでお引き受けしております。

他にも高耐風モデルとして、45型の2K4K8K対応モデルながら、各部の強化とパンチングホール使用のディッシュにより、受信可能風速50m/s(秒速50メートル)、耐破壊風速では70m/sと、業界最強レベルの耐風性能を誇るDXアンテナ社製「BC453SG」をご用意し、標準設置工事を特別価格でご案内しております。
他にも、黒のカラーバリエーションや各ディッシュサイズのBS/CSアンテナもございますので、マンションなど集合住宅をはじめ、BS/CSアンテナ設置のさまざまなご要望にも対応できます。

なおBS/CSアンテナ本体や設置方法、新4K8K衛星放送のご視聴に必要な機器などの詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!

・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!

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テレビアンテナの受信レベルが低くなる要因について

ここでは地デジ、BS/CSアンテナの双方について、新規に設置した、または既設のアンテナで特定のチャンネルが映らない。画面にノイズが発生する。時間帯によって一部のチャンネルが視聴できないなどの症状が出ている場合に、考えられる原因を解説いたします。

1:アンテナ本体の性能不足

地デジアンテナの場合、例えば弱電界地域に、強電界・中電界地域向けのアンテナモデルを設置しているなど、電波状態に対して地デジアンテナの性能が低いと、電波の受信レベルが低下してしまい、テレビ放送の映りに問題が出てまいります。
また逆に強電界地域に受信性能が高すぎる高性能アンテナを設置しても、受信できる電波レベルが強くなりすぎることでテレビ画面の映りにトラブルが生じる可能性があるため、注意が必要です。

地デジ電波の項でご説明した通り、地デジ電波レベルは季節や気候、天候によっても変動が生じます。
そのため地デジアンテナの設置に当たっては、各電界地域の目安だけでなく、実際にアンテナを設置する現場での電波調査を行い、各位置での受信レベルを確認した上で、その受信レベルから多少の低下が起きても、十分な受信レベルを維持できる地デジアンテナ機種を選定することが重要となります。

BS/CSアンテナに関しては、一般的な戸建て住宅向けの45型アンテナであれば、受信性能はどのモデルもほとんど変わりません。ただ衛星放送の電波の項でご説明した通り、日本の北部や南端、離島部などではやや電波レベルが低下するため、45型のアンテナでは受信性能が不足し、衛星放送のテレビ画面の乱れなどが生じることがございます。

2:周辺環境の変化

地デジ電波の場合は、高層マンションなどがすぐ近くにある。また住宅密集地で壁面など低い位置に地デジアンテナが設置されている場合は地デジ電波が遮断されやすい。
また衛星放送の場合は、BS/CSアンテナを向けた東経110度の方向に、山地や建物などはもちろん、鉄塔や電柱、電線、樹木や枝葉、洗濯物などのわずかな障害物があっても、直進性の強い12GHz帯の電波が遮断されてしまうことは、すでにご説明いたしました。

したがって、それまで安定して地デジ放送、衛星放送を受信できていたアンテナでも、近隣に高層建築や新築住宅などが建てられると、電波が遮断されて受信レベルが大きく低下してまいります。
また地デジアンテナの場合、電波が届く方向に何本もの樹木がある環境では、葉が落ちる冬から春にかけては受信に問題はなくとも、葉が生い茂る夏場には電波が遮断されてしまい、アンテナに十分な電波が到達しなくなります。また雨が降った後は、樹木が水浸しになることで、その水分が地デジ電波を減衰させ、やはり受信レベルが低下することもございます。

より障害物に影響されやすい衛星放送の12GHz帯の電波では、BS/CSアンテナを向けた方向で樹木が伸びる、葉が生い茂るなどの他、洗濯物が干される、工事のクレーン車などが停車するなど一時的な変化でも、受信レベルに大きな影響を受けることがございます。

その他、さまざまな想定外の障害物により、ご自宅のテレビアンテナに届く地デジ、衛星放送の電波が遮断されることがございます。ご自宅に届くテレビ電波レベルが急に低下し、原因が特定できない場合は、アンテナ工事の専門業者にご相談になることがもっとも適切な方法だと申せます。

3:テレビアンテナや周辺機器の破損

テレビアンテナ本体はもちろん、アンテナからテレビなど受信機器までの配線部や、その間の機器類に、一ヵ所でもトラブルが起きた場合も、テレビなど機器に届く電波レベルが著しく低下します。
例えば、ご自宅の周辺で落雷があった場合、その電力は電線や地面を伝って分散され、ご自宅にも届くことがございます。これを「誘導雷」といい、電線などから誘導雷がご自宅に伝わった場合には、接続された家電製品の多くがショートして故障してしまいます。

また室内のアンテナコンセントから、テレビなどのチューナーまでを結ぶ同軸ケーブル(アンテナケーブル)が細いものの場合、取り回しやすい半面、減衰が起こりやすく、またケーブルを強く曲げる、上に物を置くなどのことでも、断線が起こって電波が届かなくなるケースが生じます。
他にテレビなど受信機器本体も、10年以上、使い続けると徐々に基盤が劣化し、各所にトラブルが生じることもございます。この場合は買い替えがおすすめとなります。

戸建て住宅の場合、テレビアンテナからテレビまでを接続する配線部には、主に混合器、ブースター、分配器、分波器などの機器が接続されております。これらの機器については後の項で詳しくご説明いたしますが、この中の一部の機器にトラブルが生じた場合も、テレビなどに届く電波レベルが低くなりますので、注意が必要です。

自然環境の影響で考えられるアンテナや各種機器のトラブル、故障については、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
・地デジ、BS/CSテレビアンテナの落雷や積雪、鳥の糞害対策は? 映らなくなる原因と防止法、対策となる設置工事
・台風や大雪、地震により起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策
・雷で起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策
・テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用
・地域別・アンテナ修理事例を徹底解説!
・火災保険の適用範囲と天災時のアンテナ修理

4:その他の事例

ここではレアケースをひとつご紹介いたします。経験のある方は少ないと思われますが「朝方はテレビ映りが悪いものの、夕方になると映りが良くなる」地域もございます。

その地域に電波を送る電波塔を、仮にA電波塔と呼びますが、当然、地域内では地デジアンテナをA電波塔の方向に向けて設置しています。ただ、その地域には別の位置にあるB電波塔の電波も届きました。
そして、その地域内でも海沿いの沿岸部では、夕方から早朝にかけて海の反射により、B電波塔の電波がA電波塔より強く受信できるという状況でした。

その地域では、テレビチャンネルの設定をA電波塔の電波に合わせているため問題がないようにも思われますが、テレビ機器には、夜中のうちに自動的に、より電波レベルの強い電波塔の電波にチャンネルを切り替える「補正機能」がある機種も存在します。

もともとはA電波塔のチャンネルに設定を合わせていたテレビが、夜中のうちに補正機能でB電波塔のチャンネルに設定を切り替えていたため、朝には電波が届かなくなるB電波塔のチャンネルが映らなくなっていたのです。
この補正機能があるテレビ機器は現在でも販売されております。非常にレアなケースではございますが、ご参考までに記しておきます。

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低くなったテレビアンテナの受信レベルを改善する方法

上記したような要因やその他の原因で、低下してしまったテレビアンテナの受信レベルを改善する方法は、主に以下の通りです。

1:周辺環境の改善

近隣の高層建築や樹木などが、テレビアンテナに届く電波を妨げている場合は、障害物の影響を受けない位置にアンテナの設置場所を変更するか、木の場合であれば、切ってしまうことが、電波状態の改善につながります。
ご自宅の木ではなく、隣家などの木である場合は、隣人などの所有者に事情を説明し、伐採の許可を得る必要がございます。ご自宅の木でも伐採できない場合には、アンテナにかかる枝先を切り落とす、葉を落とすだけでも電波状態の大きな改善につながります。
また近隣に高層ビルなどが建築された影響で、周辺の一帯に電波障害が発生した場合には、民法709条「原因者負担の原則」に基づき、自治体の担当部署などを通じて、そのビルの建築主やオーナーなどが費用を負担する形で、受信障害を解決すべく対応を求めることができます。

2:高性能アンテナへの交換

ご自宅の地デジアンテナが、デザインアンテナや素子数の少ない八木式アンテナである場合は、素子数(相当)の多いモデル。より高性能な八木式アンテナへと交換するのもひとつの方法です。弱電界地域などであれぱ、高性能モデルであるパラスタックアンテナに交換するのも選択肢になります。
BS/CSアンテナの場合も、戸建て住宅で現場の受信環境が悪い場合は、50型、60型など、やや大型のモデルを使用するのも対策となります。

3:ブースターの設置

前述のように、テレビアンテナで受信できる電波レベルが弱い場合は、アンテナ配線部に、受信した電波レベルを増幅するブースターを設置します。
現在では戸建て住宅に複数台のテレビの他、同じく受信機器であるレコーダーなども設置することが一般化し、台数分の電波レベルが必要になることもあり、ほとんどの場合、戸建て住宅にブースターの設置は必須となっております。
ブースターについては、これ以降の項目で、詳しくご説明してまいります。
またテレビアンテナからテレビなど受信機器までの距離が長く、減衰が生じる場合には、配線に使用する同軸ケーブルを、直径が太く、絶縁体や外部導体の品質が高い高品質ケーブルに交換することで、減衰による損失を抑えることができます。

アンテナ配線部の構造と周辺機器について

ここではテレビアンテナからテレビなど受信機器までの配線部に設置されるアンテナ周辺機器について、戸建て住宅で一般的に使用されるものをご説明してゆきます。

上記した当あさひアンテナをはじめ、業者による各種アンテナの「標準設置工事費」とは、基本的にアンテナ本体を設置し、一本のケーブルで住宅内の一ヵ所と接続するだけの基本的な工事になります。
したがってこの工事のみでは、住宅内でテレビを視聴できるのは一ヵ所のみになる上、各種アンテナが受信したテレビ電波レベルがダイレクトに送信されるため、現場によってはテレビなど機器に届く電波レベルが弱すぎる、もしくは強すぎるといったケースも起こりえます。

現在の一般的な戸建て住宅では、各部屋に複数のテレビを設置することが普通になっているため、アンテナ配線を枝分かれさせる必要がある他、地デジ電波レベルを増幅する必要も出てまいります。
以下、一般的な戸建て住宅で必要となる、配線部の機器について解説いたします。

まず、戸建て住宅に地デジアンテナとBS/CSアンテナなど、二基以上のアンテナを設置する場合には、それぞれのアンテナからのケーブルを一本にまとめる「混合器」という機器を世知します。
ケーブルを一本化することで、使用するケーブルの長さや機器の数を抑え、配線をシンプル化することで、工事のコストやトラブルのリスクを軽減することができます。

この混合器は、当然ながら地デジアンテナ一基のみを設置する場合には必要がございません。また現在では、後述するブースターと混合器を一体化する機器も多いため、単独で設置する例は少なくなっております。
また混合器などで地デジと衛星放送の電波を一本のケーブルにまとめた場合には、テレビなど機器のチューナー端子付近で、ふたたびそれぞれの電波を二本のケーブルに分ける「分波器」を設置して、テレビ側の地デジ、BS/CSチューナー端子に接続します。

そして、一本化したケーブルを、複数のケーブルで各部屋のアンテナコンセントへと分けるには「分配器」という機器を設置します。
分配器は一個の入力端子と、複数の出力端子からなる機器で、分配数が2分配から8分配(7分配を除く)の6種類です。この入力端子にアンテナ側からのケーブルを接続し、各出力端子からのケーブルを各部屋のアンテナコンセントに接続することで、複数の部屋へとテレビ電波を送ることができます。
分配器の注意点としては、例えばアンテナから届く200㏈の電波を4分配した場合、個々の分配先の電波レベルは50㏈になる(実際には機器を通る際の減衰によってやや減少する)というように、分配数に応じて電波レベルが等分に分配されるという点です。

そのため、現在ではアンテナの付近、混合器の次か、または混合器と一体化して、アンテナが受信した電波レベルを増幅する「ブースター(アンテナブースター)」という機器を設置し、アンテナが受信したテレビ電波を、住宅に必要となるレベルまで増幅する必要がございます。

戸建て住宅に地デジ、BS/CSなど各種アンテナを設置する費用は、各アンテナの標準設置費用に加え、これら必要な機器の本体価格を含む設置費用の総額になってまいりますので、ご注意ください。

ブースターについては、以下の項で詳しくご説明してまいりますが、それ以外の各機器については、下記の各コラムにて解説しておりますので、よろしければご参照ください。
・ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
・アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
・テレビアンテナの分配器の設置・接続、交換方法と注意点
・テレビアンテナの電波を各部屋に分岐する方法は? 分配器と分波器の違い・接続方法や選び方
・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!
・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
・テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!

アンテナブースターについて

上記のようにブースターとは、テレビアンテナの配線部で、受信したテレビ電波を増幅するために設置される機器になります。
設置されるケースとしては、中電界地域から弱電界地域で、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルが低い場合に使用されます。
また他にも、住宅内に多数のテレビなど受信機器を設置する場合には、前述した分配器で電波レベルを等分に分配するため、台数分に応じた電波レベルが必要となります。

そのため現在では、強電界地域であっても、屋内に三台以上のテレビなど受信機器を設置する場合には、ブースターの設置が必要となり、実質的には戸建て住宅へのアンテナ設置では必須の機器となっております。
なおブースターの特性としては、エネルギーの波長である電波を増幅する装置であるため、電源が必要になるという点が挙げられます。

このブースターにもさまざまな種類があり、現場で受信するテレビ放送の種類や電波状態、また使用の目的に適した機種を選択する必要がございます。
以下の項目では、ブースターの種類ごとに解説してまいります。

屋外用ブースターについて

一般的に、アンテナ工事の際、配線部に設置されるブースターは「屋外用ブースター」になります。
屋外用ブースターは、文字通り、屋外に設置されたアンテナのポールの真下や、デザインアンテナの裏側、または屋外の引き込み線からすぐ近くの屋根裏など、できるだけアンテナの付近に設置されるブースターで、他のモデルに比べ、電波の増幅性能が高く、また風雨などに耐えうるよう頑丈な構造になっております。
ブースターには、テレビ電波だけでなく、混入したノイズも増幅してしまう性質があるため、屋外用ではできるだけノイズを避けるべく、アンテナの近くに設置されるのです。

屋外用ブースターは、主に住宅全体の、すべての部屋に送られるテレビ電波のレベルを強くしたい場合に使用されます。
また屋外用ブースターにも、対応するテレビ電波に応じて、地デジ用の「UHF帯ブースター」。地デジと衛星放送に対応し、前述した混合器の機能も兼ね備える「UHF/BSCS混合ブースター」とその4K8K対応型などがございます。

ブースターには電源部が必要ですが、屋外型ブースターの場合、風雨などによる故障のリスクを避けるため、増幅部(ブースター本体)と電源部が別個になっているモデルが大半になります。
ブースターの寿命は約10年程度ですが、屋外用ブースターの場合、トラブルが生じた場合に、電源部、本体部のどちらか一方の交換のみで済む場合もございます。

屋外用ブースターの設置が必要なケースとしては、素子数が多い高性能の地デジアンテナを適切な位置に設置しても、周辺の電波状態の悪さからテレビ画面にブロックノイズが入る場合や、住宅内に設置されるテレビの台数が多く、電波レベルが不足する場合になります。

屋外用ブースターの設置方法

屋外用ブースター設置作業の手順は、以下の通りとなります。
ただ高所作業などで危険が伴うことも多いため、後述のレベル調整も含めて、基本的にはアンテナ工事の専門業者など、プロの業者にご依頼になることをおすすめいたします。

1:テレビアンテナのすぐ近くにブースター本体(増幅部)を設置し、アンテナから伸びる同軸ケーブルをブースターの入力部に接続する。屋外用であるため、このときには防水キャップを忘れずに取り付ける必要がございます。

2:増幅部の出力端子に、屋内へと通じる既設の同軸ケーブルを接続する。この際も忘れず防水キャップを取り付けます。新築物件などで同軸ケーブルも一から設置する場合は、ケーブル自体もしっかりモールなどで固定し、位置がずれないよう、またブースターから外れないように配線してください。

3:ブースターの増幅部から屋内に伸びるケーブルと、屋根裏などに設置したブースター電源部の入力端子を接続し、電源部の電源プラグをコンセントに接続する。これにより電源部から同軸ケーブルを通じて、増幅部に電気が供給されます。

4:最後に室内のアンテナコンセントからのケーブルを、屋根裏などに設置したブースター電源部の出力端子と接続します。

基本的な設置作業は以上の流れとなりますが、注意点として、電源部を含むブースターは、信号の劣化を防ぐため、八木式アンテナの場合は、その先端からは1メートル以上、離れた場所に設置する必要があります。
またブースターを分配器やケーブルの近くに設置すると、電波の干渉や、ノイズが発生する恐れがございますので、できるだけ離して設置してください。

屋外用ブースターの調整方法

ブースターの調整方法については、メーカーによりさまざまですが、まずは地デジ、衛星放送のアンテナからブースターに届く電波レベルを確認し、増幅できる基準を満たしているか確認する必要がございます。
この電波レベルが55㏈以上であれば、どのメーカーの製品でもほとんどの場合、増幅は可能と考えられますが、詳しくはブースターのマニュアルなどをご確認ください。

アンテナから届く電波レベルの確認方法としては、専門のアンテナ工事業者に、レベルチェッカーなどの機器で計測を依頼するのが最適です。ただ、テレビの設定画面などから、テレビに届く電波レベルが十分なレベルであるかを表示する「アンテナレベル画面」に合わせることでも、おおよその電波レベルが確認できるため、一般のご家庭ではこの方法が適しております。

アンテナの受信レベルが判明した後は、増幅するレベルの調整です。ブースターで増幅するレベルが強すぎても、ノイズの混入その他の問題が生じるため、現場で受信できる電波レベルや、設置されるテレビの台数などに応じた出力レベルに合わせる必要がございます。
ブースター増幅レベルの調整は最初はMAXからはじめて、徐々にレベルのボリュームを下げていき、適正なボリュームまで絞るという方法がよいといえます。
これにより、降雨などで地デジ電波のレベルが低下した際にも対応できる、ゆとりのある受信レベルを確保し、安定した画質でテレビを視聴することができるようになります。

ブースターによっては、現場で受信できる地デジ電波レベルが弱く、増幅量を高めたい。また適切な増幅量で電波の品質を安定させたいなど、用途に応じて増幅量の範囲を調整できる、利得切り替えスイッチなどの機能もございます。
基本的にブースターの調整方法はマニュアルの通りとなりますが、そのパターンは限られてまいりますので、何通りかの組み合わせを試して、最適の方法を模索されるのがよいといえます。

屋内用ブースター

屋内用ブースターは、住宅内の各部屋に設置されたテレビのうち、特定の部屋でのみテレビが映らない場合などに使用します。
この場合に多いケースとしては、レコーダーを買い替えたら画面にノイズが出るようになった。テレビの設置台数を増やしたら、特定の部屋のテレビだけ映らなくなった。部屋の模様替えなどで、室内用の同軸ケーブルをより長いものに交換したところ、やはりノイズが発生するようになったなどのケースです。
つまりは、アンテナからテレビにいたるまでの配線が長くなったことで、ケーブルで減衰する電波レベルが多くなった。テレビやレコーダーなどを追加、交換したことで、個々の機器に届く電波レベルが減少したなどの例になります。
屋外用ブースターは、住宅全体に送る電波レベルを上げる際に使用されますが、屋内用は主に、特定の部屋の電波レベルを増強したい場合などに使用されます。
屋内用ブースターにも、対応するテレビ放送に合わせて「地デジ・BS/CS用」「地デジ用」「BS/CS用」の3種類に分かれますが、一般のご家庭では配線の関係から「地デジ用・BS/CS用」が使われる場合が多くなります。

屋内用ブースターの設置手順

1:室内のアンテナコンセントからブースターの入力端子へとケーブルで接続する。

2:ブースターの出力端子からテレビ・レコーダーなどのチューナー端子に接続する

3:ブースターの電源ケーブルが電源コンセントに接続されていることを確認して、ブースターの電源をオンにする。

屋内用ブースターは、基本的に増幅部と電源部が一体型になっており、屋内での作業になるため、一般の方でも簡単に設置できます。

屋内用ブースターの調整方法

屋内用ブースターの調整も、基本的には屋外ブースターと同じ方法になりますが、一部屋のみの電波レベルを増幅することが多いため、複雑な調整を行う操作部などはございません。
屋内用ブースターでは、基本的に地デジ、BS/CSそれぞれの増幅レベルを調整するつまみ部分と、前述した地デジ、BS/CSの電波を分ける分波器の機能を兼ねている機種では、そのまま双方の電波を一本のケーブルから出力するか、別々の出力端子に分けて出力するかを切り替えるスイッチなどがあるのみになります。
調整方法も機種によりますが、屋内用ブースターでは、基本は最小レベルからゆっくりとレベルを上げていく形になります。テレビのノイズがどのように変わっていくかで、適正なボリュームポイントが確定できますので、その段階で調整を止めてください。

ラインブースターについて

ラインブースターは前置ブースターとも言い、アンテナケーブルの間に接続する形の、両端に入力端子、出力端子がある手のひら大の筒状や箱状をした小型のブースターです。
屋外用、屋内用ブースターのように、大幅に電波レベルを増幅する機器ではなく、それらの補助的に電波を増幅したい際に使用します。
屋外用、屋内用ブースターではやや増幅レベルが不足する場合や、アンテナ配線が長くなる特定の部屋のみで、多少の電波レベルの増幅が必要となる場合に、ケーブルの間に接続する形で使用されます。
そのためラインブースターは、電波を増幅できるレベル、10㏈から20㏈強とやや低くなります。電波を増幅できるレベルは機器によって決まっているため、レベル調整などの必要もございません。また価格もモデルや性能によって異なるものの、千円台から高くても数千円台と低価格になります。

ラインブースターの設置手順

ラインブースターの設置は、屋外の場合は、アンテナからの配線部で適切な部分に、室内であればアンテナコンセントとテレビなど受信機器のケーブルの中間に接続する形で設置するのみです。
ラインブースターの電源には、ACアダプタなどの電源部を持つタイプと、ケーブルから給電するため電源部がないモデルがございます。
電源部があるモデルでは、きちんと電源部をコンセントに接続し、本体と接続する。ないモデルでは、テレビなど接続する機器で、チューナー端子から給電する電源設定を行う必要がございます。

おすすめのブースター機器について

上記した各種ブースターも、現在ではさまざまなメーカーから発売されております。
ただやはり信頼性の高い製品となると、日本三大アンテナメーカーと呼ばれるDXアンテナ、マスプロ電工、日本アンテナ。またこの三社に並ぶ国内大手メーカーであるサン電子などの製品がオススメといえます。
中でも戸建て住宅向けのモデルについて、いくつか人気の高い製品をご紹介いたします。

屋外用ブースターでは、DXアンテナの型番「GCU433D1S」は、屋外用のCS/BS-IF・UHFブースター(33dB/43dB共用形)デュアルブースターであり、地デジ放送のUHF帯と、新4K8K衛星放送を含むBS/CS放送に対応できます。
電波の増幅量をスイッチひとつで「33dB形」と「43dB形」を切り替えることができるため、強電界地域から弱電界地域まで対応可能。またWi-Fiや携帯電話などの電波にも影響を受けにくく与えにくい、高シールド構造になっております。
またほぼ同様の性能で、地デジのみ対応のUHFブースター(33dB/43dB共用形)デュアルブースターには型番「BU433D1」。BS/CS対応で利得が35㏈のCS/BS-IFブースター(35dB形)には型番「GC35S」がございます。

屋内用の卓上ブースターには、やはりDXアンテナ製で、地デジ、BS/CS、新4K8K衛星放送に対応でき、利得は15㏈。高シールド構造のCS/BS-IF・UHFブースター(15dB形)。型番「TCU15L1B」
また同様の地デジ(UHF帯)対応のモデル、UHFブースター(15dB形)。型番「TU15L1B」などがございます。

屋外屋内兼用のラインブースター(前置ブースター)では、DXアンテナ製の製品として、地デジと2K衛星放送に対応でき、チューナー端子からの電源で作動するCS/BS-IF帯ブースター(28dB形)。型番「CS-314-B2」。また20㏈型のUHFブースター(地デジ対応)では、電源が別のモデルの型番「U20L2CB」と、チューナー端子からの電源で作動するコンパクトな型番 「U20L3C」がございます。

これらさまざまな高品質ブースターは、当あさひアンテナでもご用意しており、設置工事については上記の本体価格込みで、UHF帯ブースターでは税込み20,000円。UHF・BS/CS混合ブースターは税込み25,000円でご案内いたしております。
各種ブースターについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?

テレビアンテナ修理工事

テレビ電波レベル低下の原因と改善法・まとめ

地デジ、BS/CSアンテナの受信レベルが低下する要因にはさまざまなものが考えられ、周辺に障害物があるなど外的な要因の場合は、ご自宅のアンテナ機器や配線部に問題はなくとも発生することがございます。
ただ電波レベルが下がる要因の多くは、まず現場の電波状態を正確に確認して、適切な性能のテレビアンテナ機種と、設置位置を選択することで予防することができます。

当あさひアンテナでは、お住まいなどアンテナを設置する電波調査、お見積りを、出張料やキャンセル料などを含む完全無料で実施しております。
電波調査に当たっては、住宅の各位置や部屋で綿密な電波調査を行い、悪天候などによる電波状態の悪化や、将来にわたる周辺環境の変化の可能性なども計算に入れ、将来にわたって、電波レベルの低下が起こる可能性の低いアンテナ設置方法の中から、お客様のご要望に最適となるものをご提案いたします。
なお、アンテナ工事業者による電波調査、お見積もりと、戸建て住宅における主なテレビアンテナの設置位置、そしてそれぞれの特徴や工事費用については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!

実際のアンテナ工事は完全自社施工で、弊社スタッフのアンテナ職人が、豊富な知識と経験に基づく高い技術で、弊社モットー「見えないところもきれいに」に則って施工を行います。
施工にあたっては、安定したアンテナの受信性能をはじめ、自然環境への強さなど想定される受信トラブルも可能な限り抑えることを重視しつつ、アンテナ本体や配線部など、見えない部分も含めて、丁寧に整ったアンテナ工事を実施いたします。

アンテナ取り付けの完了後には、お住まいの各部屋のテレビやアンテナコンセントで、十分な受信レベルが確保できているかを確認した上で、工事の完了といたします。
そして工事後も万が一のトラブルに備えて、業界最長クラスのアフターフォロー、工事完了日から「10年」の長期保証もご用意しております。

地デジ、BS/CS各種アンテナの新規設置や交換はもちろん、ブースターをはじめとするアンテナ周辺機器の設置や交換、またテレビ画面が乱れる、映らないなどのトラブルまで、テレビアンテナに関するご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤルまでのお電話。またメールフォーム、LINEなどへ、どうかお気軽にお寄せください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。