地デジ、BS/CSテレビアンテナを住宅の壁面に設置する方法とメリットや注意点とは? 壁面取付に適したアンテナ機種も解説!
地デジ放送(地上デジタル放送)や衛星放送(BS放送、CS放送)のテレビアンテナを戸建て住宅に設置する場合、多くの人は、やはり屋根の上に取り付けると考えるのではないでしょうか?
地デジ放送がスタートする21世紀初頭より以前、昭和から平成前期にかけてのアナログテレビ放送の時代は、テレビアンテナといえば、ほぼすべてが屋根の上に立てたマスト(ポール、支柱)の先に固定する骨組み状のアンテナ。そして20世紀後半に登場した衛星放送用のパラボラアンテナというイメージでした。
そして2024年(令和6年)の現在でも、そのようなアンテナは住宅街などに数多く見られます。
しかし近年では、個人のお住まいでも、非常にデザイン性の高い住宅も増えております。ただそのような住宅の屋根の上に、角のような支柱が立ち、独特の形状を持つテレビアンテナが設置されていると、せっかくのお住まいのデザイン性を乱すことにもつながります。
さらに、屋根の上のテレビアンテナでは、台風や雪が多い地域などでは、雨風や雪などの影響でアンテナがダメージを受けやすく、アンテナの故障などが生じやすいというデメリットも考えられます。
そのようなご不満やご不安をお抱えの方のために、現在ではテレビアンテナを、屋根の上以外のさまざまな位置に設置する工法や、屋根以外の位置に設置することを前提に工夫を凝らしたテレビアンテナが登場しております。
当コラムでは、屋根以外へのテレビアンテナの設置方法として、近年、施工例が多くなっている「住宅の壁面」へのテレビアンテナ取り付けについてご紹介してまいります。
具体的には、地デジ放送や衛星放送の電波、各アンテナの基礎知識に基づいて、住宅の外壁にテレビアンテナを設置して安定した受信を可能にする条件やその方法。また他の位置と比較して、壁面に設置するメリット、デメリット。壁面への設置に適したアンテナモデルなどをご紹介いたします。
テレビアンテナの設置や交換。特に住宅の見た目にマッチした、または風雨や雪などに影響されにくいテレビアンテナ取付をお求めのお客様には、本コラムの情報を参考にしていただければ幸いです。
なお、戸建て住宅に地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置するのに適した位置については、以下のコラム記事で一覧としてご紹介しております。
・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!
地デジ放送と地デジアンテナの基礎知識
地デジアンテナの壁面設置を的確に行うためには、地デジ放送やその電波、また地デジアンテナの特性を把握しておく必要がございます。そこでまず地デジ放送、地デジアンテナの、設置に関係する特性について解説してまいります。
地デジ放送の仕組みとは?
地上デジタル放送(地デジ放送)は、現在の日本でも主なテレビ放送にあたります。
地デジ放送の放送内容別に日本国内をエリア分けした「広域圏」ごとに、例えば関東広域圏の東京スカイツリーのように、広範囲に地デジ電波を送る大規模な電波塔「送信所(中継局、親局)」と、その周辺の要所に設置され、リレー形式で地デジ電波を伝え、増幅して周辺エリアに送る「中継局(サテライト局)」など、日本国内に数多く設置された地デジの電波塔から、その周辺の一帯に地デジ電波を送信することで、日本国内の大半のエリアをカバーしているテレビ放送です。
地上の電波塔から地上の空間を通じて放送電波を送信する形式のため、地デジ放送は、衛星放送との比較の意味で「地上波放送(地上波テレビ放送)」にあたります。
地デジ放送で送信されるチャンネルは、日本全国で視聴できるNHK、広域民放と、一部の主要な都府県で別個に存在し、その都府県内を放送範囲とする独立放送局の地方チャンネル(東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビなど)になります。
地デジ放送は、災害時などの緊急情報を送信する役割も持つ「基幹放送」であるため、不特定多数を対象にしたテレビ放送であり、日本国内であればNHK受信料を除き、住宅などに地デジアンテナを設置する、またはフルセグ、ワンセグ機器を使用することにより、誰でも無料で受信、視聴が可能になっております。
なお現在の地デジ放送とは、1953年(昭和28年)にスタートした日本初のテレビ放送、アナログ放送(テレビの映像信号を電波の強弱に変換して送信する形式)に対し、映像信号を「0」「1」のデジタル信号へと変換し、その信号を電波の波長に乗せて送信する方式のテレビ放送です。
地デジ電波として送信されるデジタル信号を、住宅などに設置された各種の地デジアンテナで受信し、アンテナケーブル(同軸ケーブル)を通して、テレビなどの地デジ受信機器に内蔵された地デジチューナーで、デジタル信号を再度、テレビの映像、音声へと変換することで、日本各地において地デジのテレビ放送を視聴できるのです。
地デジ放送は、旧来のアナログ放送から転換する形でスタートしたテレビ放送であり、この映像信号の形式以外、放送の形式やチャンネルなどに大きな違いはありません。ただデジタル化により、地デジ放送はアナログ放送に比べ、使用する電波の周波数帯は大きくカットしながら、約4.5倍の大容量の情報を送信することが可能になりました。
これにより、アナログ放送時代には存在しなかった、ハイビジョン画質や高音質をはじめ、マルチ編成、データ放送、双方向サービス、ワンセグ放送などの新たな機能を実現しています。
なお日本で地デジ放送がスタートしたのは、2003年(平成15年)12月1日のことです。当初は移行期間としてアナログ放送を継続しつつ、地デジ放送は徐々に放送エリアを拡大。その後、2011年(平成23年)7月24日の正午にアナログ放送が完全停波により終了したことで、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されました。
なお現在の地デジ放送は、地デジ電波として、UHF波(極超短波)のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯を使用しております。そしてその波長の長さは、40センチから60センチ程度になります。
なお地デジ電波の基礎知識、および地上波テレビ放送の歴史などについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
地デジアンテナの特性とは?
上記の地デジ電波を受信するためのテレビアンテナが、いわゆる「地デジアンテナ」になります。地デジアンテナは地デジ電波であるUHF波の周波数帯を受信することに特化しているため、基本的にどれも「UHFアンテナ」になります。
戸建て住宅に設置される地デジアンテナは、現在ではいくつかの機種がございますが、基本的な受信性能の基準は「素子数」「素子数相当」になります。
素子(エレメント)とは、地デジアンテナでも電波を受信するパーツのことで、外観から見える素子の数が、そのまま受信性能に直結します。また地デジアンテナには、外観のカバーなどで素子数がわからないモデルもあるため、そのようなモデルは、受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で表記されます。
具体的には、地デジアンテナモデルごとに「20素子」「26素子相当」などの形で、アンテナの名称とともに表記されます。ただ、例えば「20素子」「20素子相当」など数値上の性能は同じでも、実際の受信性能にはやや幅があり、素子が見える(素子数表記)のモデルは受信性能がやや高め。素子が見えない(素子相当表記)のモデルは逆にやや低めになります。
また素子数の他にも、地デジの受信性能を判断する目安に「動作利得(利得)」または「ゲイン(gain)」があります。これは地デジアンテナ本体で受信できる電波レベルに対して、アンテナから出力可能な電波レベルの効率。もしくはアンテナ前方の受信性能を示す数値になります。
そして地デジアンテナの重要な特性に「指向性」というものがあります。地デジアンテナの「指向性」とは、アンテナ本体の正面にあたる方向でのみ、地デジ電波の受信性能が高くなる性質のことです。
逆にアンテナ正面の一定角度から外れるほど受信感度は低下し、アンテナの真横や後方などでは、ほとんど地デジ電波を受信できなくなります。
地デジアンテナの指向性は、機種やモデルによって異なり「半値幅」という数値で表されます。半値幅とは、地デジアンテナの受信性能が最大になる、真正面の方向を「0(基準点)」として、アンテナの角度を左右にずらし、受信性能が基準点から半分になる角度を表したものです。
この指向性の高さ(半値幅の狭さ)については、受信性能が高い地デジアンテナほど指向性が高くなる性質がございます。また同素子数(相当)の地デジアンテナ機種でも、指向性が高く、受信性能を発揮する範囲が狭い機種ほど、その範囲での受信性能が高くなる性質もございます。
またこの指向性には、正面以外の方向から届く余計な電波(ノイズ)をカットし、受信する電波の品質を保つという役割もございます。
なお、同素子数(相当)の地デジアンテナモデルで、指向性の違いによる受信性能の違いを判断する目安としては、上記の「動作利得」が役立ちます。
ここでご説明した地デジアンテナの基本的な性能を示す要素「素子数(相当)」「動作利得」「指向性」などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
地デジアンテナによる地デジ電波受信の注意点とは?
ここでは上記した地デジ放送、地デジアンテナの基礎知識に基づいて、実際に地デジアンテナを戸建て住宅などに設置する場合に、安定した受信を実現するための注意点についてご説明してまいります。
地デジ受信の注意点1:地域により受信できる電波レベルが異なる。
地デジ放送の地デジ電波とは、空間を光の速さで伝わる電気的エネルギーの波長になります。
したがって発信元である、地デジ電波塔の先端から距離が離れるほど、地デジ電波レベル(電波の強度)が低下していくほか、山地など地デジ電波を遮る、高さのある遮蔽物にぶつかると、地デジ電波はその向こう側には届かなくなります。
この電波塔からの距離、および地形による遮蔽物の影響によって、受信できる地デジ電波レベルの違いで日本国内の地域を分類したものを「電界地域」といいます。
この電界地域の分類には、統一された定義はないため、場合によっては分類の基準や種類が異なる場合もございますが、主に、電波レベルを表す「㏈(デシベル)」を基準に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の3種類に分類されます。
強電界地域は、地デジ電波塔を中心にしたその周辺で、山地などの障害物もなく、電波塔を視認で見渡せるエリアにあたります。受信できる地デジ電波の基準は80㏈以上で、電波状態が非常に良いため、ほとんどの種類の地デジアンテナを使用でき、設置位置の自由度も高くなります。例えば受信感度が低い地デジの室内アンテナや、地デジアンテナの屋内(屋根裏空間など)への設置も可能なケースが多くなります。また、アンテナで受信したテレビ電波を増幅する「ブースター」という装置についても、強電界地域で、設置するテレビの台数は2台以下である場合は、設置せずとも問題なくテレビ視聴ができるケースが多くなります。
中電界地域は、受信できる地デジ電波が80㏈から60㏈のエリアで、地理的には強電界地域よりやや遠い周辺地域にあたります。中電界地域でもほとんどの地デジアンテナ機種で地デジ放送を受信できますが、現場の環境によっては一部の機種や設置位置には取り付けできない場合もございます。
弱電界地域は、電波塔から見て中電界地域よりさらに遠く、受信できる地デジ電波レベルが60㏈以下の地域に当たります。このような地域では、受信レベルが弱くなるため、素子数の多い八木式アンテナなど、高性能な地デジアンテナをできるだけ高い位置に設置しないと、安定した地デジ受信が難しくなる場合もございます。また、ブースターも電波の増幅性能が高い屋外用の設置が必須になるなど、地デジアンテナ設置に関しては多くの条件が出てくるエリアになります。
また弱電界地域でも、地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下になるエリアを「微弱電界地域」と呼ぶこともございます。このエリアでは、電波を送信する電波塔の受信範囲外にあたり、通常の地デジアンテナでは、安定した受信が難しくなってまいります。
また日本国内には、山地や山間部、離島部など、地デジ電波が遮られる。電波塔からの距離が非常に遠いなどの要因で、地デジ電波がほとんど受信できないエリアも存在し、このようなエリアを、地デジ放送の「難視聴地域」と呼びます。
地デジアンテナの受信性能についても、この電界地域に対応する素子数(相当)のモデルを使用する必要がございます。具体的には、強電界地域では8素子以下から14素子。中電界地域では14素子から20素子。弱電界地域では20素子以上や高性能アンテナになります。
ただ各電界地域内でも受信レベルの違いが存在するため、実際にはアンテナ工事現場において電波調査を行い、現地で受信できる電波レベルに適した受診性能の地デジアンテナや設置位置を割り出すことになります。また電界地域に対して受信性能が高すぎる地デジアンテナを使用すると、ノイズまで受信してしまい、地デジ受信にかえって支障が出るためご注意ください。
なお、日本国内に設置されている地デジ電波塔の位置。また各電波塔における電界地域は、インターネット上で「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内の「地デジ放送エリアのめやす」ページにて地図上で確認できます。
なお電界地域については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
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地デジ受信の注意点2:建物などの遮蔽物で地デジ電波が遮られることもある。
地デジ電波は山地などのほか、タワーマンションなどの高層建築などにも遮断されることがございます。
ただ地デジ電波には一定の波長の幅があるため、電波塔から送信された地デジ電波が高層ビルなどに伝わっても、その横や頂上を通り抜けた電波が向こう側で広がり、届くことになります。
ただこの障害物を乗り越える力も完全ではなく、高層建築の裏側、直近部や中央部などには、地デジ電波が届きにくくなります。
同じように住宅密集地などでは、遮蔽物のない屋根の上では十分な地デジ電波が受信できても、家と家の間の狭い空間には地デジ電波が届きにくくなり、電波レベルが低くなることがございます。
この建物などによる地デジ電波の遮蔽は、電界地域に関係なく起こるため、強電界地域でも上記のような場所では、受信できる地デジ電波レベルが極端に低くなる場合もございます。
一方で、一般的な戸建て住宅であれば、建材や屋根材、断熱材などに地デジ電波を反射、遮断する素材が使われていない限り、屋根や壁、窓を透過して屋内まで地デジ電波が届きます。
地デジ電波が屋根や壁を透過する際には、一定の減衰(電波レベルの弱まり)が生じますが、このため強電界地域であれば、室内アンテナの使用や、屋根裏空間などへの地デジアンテナ設置が可能になるケースもございます。
地デジ受信の注意点3:地デジ電波レベルは天候や気候によっても変動する。
空間を伝わる地デジ電波は、空間の気候や天候にも影響を受けます。
例えば季節により気温が高くなると、空気の膨張によって、地デジ電波の届く距離が短くなります。
逆に気温が低い季節で空気が収縮すると、地デジ電波が遠くまで届きやすくなりますが、一方で地デジアンテナが、ノイズとなる無関係な電波も受信しやすくなる難点も生じます。
このような一年における気候の変化により、まったく同じ現場でも、受信できる地デジ電波レベルには、およそ6㏈程度の変動が生じます。
また電波は水分に吸収されやすいため、降雨、降雪などの悪天候では、青天の日に比べて、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルが大きく低下します。
そのため地デジアンテナの設置に当たっては、気候、天候による地デジ電波レベルの変動を踏まえて、余裕のある地デジ電波レベルを確保できるアンテナ工事(機種、設置位置の選択)を行うことが重要と言えます。
地デジ受信の注意点4:地デジアンテナは電波塔の方向に向ける必要がある。
前述したとおり、地デジアンテナ各機種には「指向性」がございます。また地デジ電波は、地デジ電波塔の先端から周辺の地域に送られるため、各現場では、地デジアンテナの正面側を、現場にもっとも強い地デジ電波を送信する電波塔の方向へと向ける必要がございます。
この地デジアンテナの角度調整は、基本的に方位角(左右の角度)のみで、ミリ単位など極端な正確さは必要ございませんが、特に指向性の高いアンテナでは、角度のずれによる受信性能の低下が生じやすいため、できるだけ受信感度が高まるよう、電波の方向へと正面側を合わせます。
場合によっては、電波塔から送信された地デジ電波が高層ビルなどにぶつかって反射し、方向が変わった「反射波」の方向へ、地デジアンテナの正面側を向けることもございます。
また地デジアンテナを向ける電波塔の方向に、建物や樹木、また自宅の越屋根などの障害物がある場合も地デジ電波が遮られる場合もあるため、電波塔の方向に障害物がある位置に、地デジアンテナを取り付けることは避ける必要もございます。
地デジ受信の注意点5:高い位置のアンテナほど地デジ受信が安定しやすい。
地デジの電波塔は、多くの場合、一般の戸建て住宅などより高い位置に当たる、地デジ電波塔の先端から、周辺エリアへと地デジ電波を送信しております。
そのため、各戸建住宅に設置される地デジアンテナは、基本的に屋根の上など、高い位置に設置する方が、建物など遮蔽物の影響も受けにくく、さらに角度調整も行いやすいため、地デジ受信には有利となります。
特に中電界地域から弱電界地域など、地デジ電波レベルが弱まるエリアでは、より遮蔽物の影響も受けやすくなるため、アンテナを高い位置に設置する必要性が高くなり、特に弱電界地域では、受信性能の高い機種を屋根の上に設置する以外、地デジアンテナ設置の選択肢がないケースも出てまいります。
地デジ受信の注意点6:その他、地デジ放送の特性について。
他にも、地デジアンテナ設置に影響する地デジ電波の性質には「ハイトパターン」と「水平偏波」「垂直偏波」の違いがございます。
ハイトパターンとは、電波塔から発信されて空間を伝わる地デジ電波と、地面にぶつかって反射し、上空に登る地デジ電波が干渉することで、地面から高度が上がるにつれ、地デジ電波レベルが波のように強弱を繰り返す性質のことです。
このハイトパターンの強弱の間隔(ハイトパターンピッチ)は、現場の条件によって変化します。
上記の通り、地デジアンテナの設置位置は高いほど受信に有利となりますが、このハイトパターンも考慮し、高さ7メートルから10メートルほどの範囲内で、適切な高さを選ぶ必要も出てまいります。
水平偏波と垂直偏波とは、各地デジ電波塔から送信される地デジ電波の、波長の角度の違いです。
水平偏波は、地面に対して波長が水平に、垂直偏波は地面に対して波長が垂直に送信されるUHF波です。両者の電波は、波長の角度が異なるだけで、送信される地デジ放送の内容や画質、音質などに違いはございません。
この二種類の電波が使い分けられる理由は、同じ空間に周波数帯が近い複数の電波が伝わると、電波が干渉して入り混じってしまう「混信」が発生するため、それを避けるためです。例えば地デジ電波と携帯電話の電波が混信を起こすと、受信障害や通信障害の原因となります。
ただ周波数帯の近い電波でも、波長の角度が異なると、混信は生じにくくなります。
そのため、実際には日本各地に設置された中継局の9割以上では水平偏波を使用していますが、近隣に複数の中継局や、携帯電話の基地局などが存在する一部エリアに存在する、1割以下の中継局では、垂直偏波を送信することで、混信のリスクを避けているのです。
そして地デジアンテナの側では、機種によって、この水平偏波、垂直偏波に合わせて、アンテナを設置する角度を変える。また水平偏波専用、垂直偏波専用の機種を使用する必要がございますので、どうかご注意ください。
これらハイトパターンや垂直偏波、水平偏波。また地デジ電波の品質を示す単位などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
衛星放送の基礎知識とBS/CSアンテナについて
引き続きこの項では、衛星放送および、衛星放送用アンテナの、設置に関する特性についてご説明してゆきます。
衛星放送とは、地上から約36,000キロ上空、赤道軌道上の宇宙空間において、地球の自転と共に周回しているため、地上からは常に上空の同じ位置に見える「静止衛星」を用いた放送です。
衛星放送では、まず地上の放送局より、放送電波を静止衛星に送信(アップリンク)します。静止衛星で電波の周波数帯を変換、増幅し、地上の広範囲へと送り返す(ダウンリンク)ことで、日本国内の全域など、地球の半球上の広範囲へ、効率的に大容量の情報を送信することが可能なのです。
また地上の地形や建築物などの障害物、災害などにも影響を受けにくく、常に安定した放送を実現できる点などが、衛星放送のメリットといえます。
日本の衛星放送は、東経110度に位置する放送衛星(Broadcast Satellite)による放送で、地デジ放送と同じく不特定多数の視聴者を対象として、NHK、広域民放などの無料チャンネルと。月額契約制の有料チャンネルがあるBS放送。(BSデジタル放送)
また東経110度および東経124度、128度に位置する通信衛星(Communication Satellite)」による放送で、CS放送事業者と契約した世帯を対象にした有料放送で、大半がが有料チャンネルながらBS放送以上の多チャンネルが特長のCS放送(CSデジタル放送)がございます。
なおCS放送には、東経110度の通信衛星による、110度CS放送「スカパー!」。東経124度、128度の通信衛星による、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」。二種類の放送サービスがあり、それぞれ別個の契約と、専用アンテナが必要となります。
これら衛星放送には、地デジ電波よりも周波数帯が高い「マイクロ波(SHF波)」でも12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯である「12GHz帯」と呼ばれる電波が使用されており、その波長の幅は25ミリ前後になります。
この12GHz帯の電波は、波長の短さから性質は光に近く、直進性が非常に高いため、エネルギーを集中させやすく、静止衛星から長距離を送信される衛星放送の電波に適しているのです。
日本の衛星放送では、静止衛星から送信される12GHz帯の電波により、日本列島全体をスポットライトで照らし出しているようなイメージになります。
そして地上に設置され、この12GHz帯の電波を受信するBS/CSアンテナは、皿のような円盤状のディッシュ部をもつパラボラアンテナです。
BS/CSアンテナは、この「ディッシュ(dish:皿)」または「放物面反射器」で、直進的に届く12GHz帯の電波を受け止め、ディッシュの内側(放物面)に反射させ、電波をディッシュの中心近くに集めます。
この12GHz帯の電波が集まる焦点には、ディッシュの裏面から下部を通って伸びる金属製のアームに支えられる「コンバーター」の一次放射器があり、集中した12GHz帯の電波は、まずコンバーターによりMHz帯の電波に変換されます。
これは12GHz帯の電波をそのままケーブルで送信すると、周波数帯の高さから減衰量が多くなり、正常に送信できないためです。またコンバーターは周波数帯を変換する電子機器であるため、作動させるためには、アンテナ配線に設置されたブースターの電源部、またはテレビなどBS/CSチューナー端子からの給電による電源が必要です。
なお戸建て住宅に設置される衛星放送用のアンテナは、一基で同じ東経110度に位置するBS放送、110度CS放送を受信できるBS/110度CSアンテナがもっとも一般的な機種になります。
また静止衛星の方向が異なる124/128度CS放送を受信するためには、この静止衛星に対応するプレミアムサービス専用アンテナ。または110/124/128度すべての静止衛星からの電波を受信できるマルチアンテナが必要となります。
以下の本コラムでは、衛星放送に関しては基本的に、BS/110度CSアンテナを前提にご説明してまいります。また衛星放送やBS/CSアンテナの基礎知識については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
BS/CSアンテナによる衛星放送受信の注意点とは?
ここでは地デジアンテナと同じように、戸建て住宅にBS/CSアンテナを設置する際に、安定した衛星放送の受信を実現するためのポイントをご説明してまいります。
衛星放送受信の注意点1:アンテナを向ける東経110度の方向に障害物がない。
上記でご説明した衛星放送の電波の性質から、衛星放送では、静止衛星から地上に設置されたBS/CSアンテナまで、一直線の空間を通って光のような性質を持つ12GHz帯の電波が届くことになります。
一方で12GHz帯の電波には、その性質から、光と同様の弱点も存在します。そのひとつが、地デジ電波に比べて障害物を乗り越えて広がる力が弱いため、電波を遮る障害物に影響されやすい点です。
太陽光が樹木や電柱などの障害物に当たると、その形の影ができるように、静止衛星から地上のBS/CSアンテナまでの電波の経路に、山地や高層建築などはもちろん、樹木、枝葉、電柱、電線、また洗濯物などのささいな障害物が存在しても、12GHz帯の電波が遮られてアンテナ側に影を落とすような形となり、受信レベルが低下して衛星放送の受信不良が生じるのです。
そのためBS/CSアンテナを設置する際には、アンテナのディッシ正面を、静止衛星が位置する東経110度(南西方向)へ正確に向けることができて、さらに東経110度を向いた空間に、12GHz帯の電波を遮る障害物が存在しない位置、さらには将来にわたって障害物が発生する可能性が低い位置を選ぶことが重要となります。
なおBS/CSアンテナの設置位置から見て、東経110度の方向に建物など障害物になり得るものがある場合、BS/CSアンテナの位置を起点とした障害物の高さに比べ、アンテナと障害物との間の距離が1.5倍以上であれば、衛星放送の受信に問題はありません。
例えばBS/CSアンテナを向けた方向に、アンテナの設置位置より5メートル高い建物や樹木などがある場合、その障害物とアンテナとの距離が7.5メートル以上であれば、特に問題はございません。
なおBS/CSアンテナの設置位置や、後述する角度調整については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
衛星放送受信の注意点2:アンテナのディッシュを東経110度へと正確に向ける。
すでにご説明した通り、衛星放送では、静止衛星から直進的に送信される12GHz帯の電波を、BS/CSアンテナのディッシュ内側で受け止めて反射させ、中央部のコンバーターへ集めて受信します。
そのため12GHz帯の電波をディッシュの正面で受け止められるよう、ディッシュの正面角度を東経110度へと、方位角だけでなく仰角(上下の角度)とも、正確に向ける必要があります。
このディッシュ角度がミリ単位でも狂ってしまうと、コンバーターに十分な電波が集まらなくなり、受信感度が極端に低下してしまうのです。つまりBS/CSアンテナは、地デジアンテナ以上に指向性が高いアンテナとも言えます。
東経110度は日本国内でも地域により角度が微妙に異なりますが、おおむね南西方向になります。そのためBS/CSアンテナを設置する際には、ディッシュの角度を東経110度に合わせて、仰角、方位角とも正確に調整し、多少の風雨でも角度のズレが生じないよう、しっかり固定することが重要です。
なお、東経110度の正確な角度を確認するためには、スマートフォンのアプリ「BSコンパス」などを利用する。またインターネットのサイトで、日本各地における東経110度の仰角、方位角を確認するといった方法がございます。
なおBS/CSアンテナの角度調整や指向性については、前項のコラムの他、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
衛星放送受信の注意点3:電源設定が必要となる。
以下の項目は、BS/CSアンテナの設置位置とはさほど関係はございませんが、前述の通り、BS/CSアンテナには、コンバーターを作動させるための電源が必要となります。この電源がないと、12GHz帯の電波がMHz帯の電波に変換されないため、BS/CSチューナー側で受信できなくなります。
この電源の設定方法は、屋外用ブースターを設置する場合に、アンテナ配線部にあるブースターの電源部から供給する。またはテレビ、レコーダーなどのBS電源設定を行うことで、BS/CSチューナー端子からアンテナ側へと給電する形になります。
ただテレビなどのチューナー端子からBS/CSアンテナに給電する場合には、特定の一台のテレビから常時給電する方法と、複数のテレビから衛星放送を視聴する際のみ給電する方法があり、この給電方法に応じて、配線部に設置する「分配器(アンテナから送られるテレビ電波を各部屋へ等分に分配する装置)」も「一端子通電型」「全端子通電型」を使い分ける必要がございますので、ご注意ください。
BS/CSアンテナへの給電と、分配器の種類については、以下の各コラム記事でも詳細をご説明しております。
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
衛星放送受信の注意点4:悪天候や一部地域では受信不良や電波レベル低下が生じる。
衛星放送の12GHz帯の電波は、直進的なエネルギーを集中して送信されるため、通常の雨や雪にはさほど影響を受けません。
ただ波長の幅が25ミリ前後と短いため、強い雨や雪で、雨粒や雪の大きさが25ミリに近くなると、空中で12GHz帯の電波が雨や雪に吸収される。また電波の乱反射が生じることで、BS/CSアンテナに十分なレベルの電波が届かず、画面の乱れや映らないなど、受信不良が生じます。
これを衛星放送の「降雨減衰」「降雪減衰」と呼びます。
また衛星放送は日本国内の全域で安定して受信できますが、国内でも北部や南端部、離島部などでは、静止衛星から地上までの距離がやや遠くなる分、電波の減衰が生じて、地上に届く12GHz帯の電波レベルがやや弱まります。
これらの問題は、降雨減衰、降雪減衰では、天候の回復を待つことが基本的な対策になりますが、他にも、一般住宅向けのディッシュ直径であるBS/CSアンテナ(45型)ではなく、ディッシュがやや大型で受信性能が高いBS/CSアンテナ(50型、60型、75型など)を採用することも、有効な対策になり得ます。
なお衛星放送の降雨減衰、降雪減衰については、以下のコラム記事にも詳しい解説がございます。
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
衛星放送受信の注意点5:新4K8K衛星放送の受信には4K8K対応の機材が必要。
2019年(平成30年)12月1日には、従来のBS放送、CS放送に、多数の4K、8Kチャンネルが追加される形で、従来の2K(ハイビジョン)放送より格段に高画質となる「新4K8K衛星放送」がスタートしています。
基本的に4K8K放送は、ご自宅に4K、8Kテレビがあれば、放送のままの画質で視聴できます。ただ住宅に設置されているBS/CSアンテナやアンテナの配線部が、2018年より以前に設置されたものである場合、新4K8K衛星放送の受信に問題が出るケースもございます。
これは、新4K8K衛星放送の開始時、多くの4K、8Kチャンネルを追加するにあたり、従来の2K衛星放送で使用されていた、右回りの螺旋を描く12GHz帯の電波「右旋円偏波」では、追加チャンネルに割り当てることのできる、未使用の周波数帯が不足したことによります。
そのため、使用できる右旋の周波数帯には、BS放送の基幹的チャンネル、NHK、広域民放の4Kチャンネルを割り当て、それ以外の4K、8Kチャンネルには、新たに左回りの螺旋を描く12GHz帯の電波「左旋円偏波」を導入して、その周波数帯を割り当てたのです。
さらにこの右旋、左旋の電波は、BS/CSアンテナのコンバーターで変換される際、右旋の電波は1032MHzから2072MHzに、左旋の電波は2224MHzから3224MHzに変換されます。
2024年現在のBS/110度CSアンテナは、すべて右旋と左旋の双方の電波を受信できる「2K4K8K対応型」になります。しかし2018年以前に製造、設置されたBS/CSアンテナは、右旋の電波しか受信できない「2K対応型(現在は生産終了)」であるケースも考えられ、その場合、左旋の電波で送信される多くの4K8K放送のチャンネルを受信できなくなります。
さらにアンテナ配線部のケーブル、ブースター、分配器などの機器も、新4K8K衛星放送の電波をテレビ機器まで送信するためには、3224MHzまでの周波数帯に対応できる「4K8K(3442MHz)対応型」である必要がございます。
したがって、ご自宅に既設のBS/CSアンテナやアンテナ配線部が古いもので、4K8Kに対応していない場合、新4K8K衛星放送をご試聴になるためには、4K8K対応型の製品に交換する必要がございますので、その点はご注意ください。
なお新4K8K衛星放送に関する基礎知識や、対応する機器などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
地デジアンテナ各機種の概要とは?
ここでは現在、戸建て住宅への地デジアンテナ設置に用いられる主なモデル「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の概要をご説明してゆきます。
それぞれ特性やメリット、デメリットがあり、取り付けに適した現場の条件や、住宅の位置が異なってまいりますので、各機種の特徴をご理解の上で、最適の機種を選ばれる必要がございます。
地デジアンテナ:八木式アンテナ
八木式アンテナとは、住宅の屋根の上などで、よくマストの先に設置されている、魚の骨のような形状が特徴の地デジアンテナです。現在からおよそ100年前、大正時代に当たる1920年代に開発された歴史の古いアンテナで、テレビアンテナとしてはアナログ放送の時代から使用され続けているため、現在でもテレビアンテナといえばこの形状のイメージが強くなります。
基本的な設置位置は屋根の上などの高所で、素子数の異なるモデルの種類が多いため、モデルによる受信性能が幅広く、強電界地域から弱電界地域まで、さまざまなエリアで使用可能です。
素子数別の主なモデルは、8素子、14素子、20素子ですが、Ⅹ字型のパーツの上下左右などに、複数の素子を固定した高性能素子を使用し、微弱電界地域でも地デジ受信が可能となるより高性能型のモデル「パラスダックアンテナ」も存在します。
他にも八木式アンテナには、指向性が高い、受信する周波数帯を絞ることで受信感度が高まるローチャンネル用アンテナも存在するなどの要因から、地デジアンテナの中ではもっとも受信性能が高くなります。
さらに設計がシンプルな古典的アンテナであるため、アンテナ本体価格や設置費用は、地デジアンテナ各機種の中でももっとも低価格になります。
実売価格では、価格としては、14素子モデルで3,000円程度から、もっとも一般的なモデルである20素子モデルでも4,000円から7,000円程度になります。
半面、八木式アンテナのデメリットとしては、やや大型で機器部がむき出しの形状、主に屋根の上に設置されることから、風雨や積雪、海沿いの潮風。鳥が留まり、フンをする鳥害など、自然環境の影響を受けやすいため、経年劣化が進みやすい点。同じ理由から、住宅の外観や周辺の景観を乱してしまう点が挙げられます。
通常の屋外設置では、八木式アンテナの耐用年数(寿命)は10年程度ですが、自然環境の厳しい現場では、10年未満で老朽化によるトラブルが発生するケースもございます。そして設置位置の高さから、設置やトラブル時の修理、角度調整などの作業はご自宅で行うことが難しく、業者に依頼する必要が出てまいります。
ただ現在の八木式アンテナには、素材や設計の改良、表面加工により、軽量化による耐風性や耐水性、防錆性を向上させたモデル。また海沿いや豪雪地帯などの環境に適応する雪害用モデル、塩害用モデルなどが存在するため、適切な機器を設置することで、環境による経年劣化をある程度、抑えることが可能となっております。
なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナ本体と、屋根馬やマスト、支線(ステー)などの基本設置具、同軸ケーブルを使用し、防水処理もセットにした基本設置工事について、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」を使用して、税込み15,000円からでご対応いたします。
他にも各素子数モデルやパラスタックアンテナ。ステンレスモデル、塩害用モデル、雪害用モデルなどもご用意しているため、さまざまな電波環境、周辺環境の現場にご対応できます。
なお八木式アンテナ本体や、設置の基礎知識など詳しくは、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
地デジアンテナ:デザインアンテナ
デザインアンテナ」は、地デジ放送のスタート後である、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた第2世代の地デジアンテナです。
縦長の長方形、薄型のシンプルなデザインが特徴で、その形状から住宅の壁面やベランダの手すりなどに設置されることを前提としています。
他にも強電界地域で、住宅の建材が地デジ電波を通しやすい、設置スペースを確保できるなどの条件が整っていれば、住宅の屋根裏空間、天井裏空間への設置も可能です。
デザインアンテナのメリットは、その形状や設置位置、またカラーバリエーションの豊富さにより、色合いなどを住宅のデザインに合わせ、住宅の外観や景観を乱さない点。さらに風雨や積雪などの自然環境の影響を受けにくく、アンテナの経年劣化が進みにくい。そのため耐用年数(寿命)が、一般的な外壁への設置で15年から20年以上と長くなる点が挙げられます。
一方、デザインアンテナの主なデメリットは、設置位置が屋根の上より低くなる。指向性がやや低いなどの点から、八木式アンテナに比べてやや受信性能が低くなる点が挙げられます。またアンテナ本体価格や設置費用も、八木式アンテナに比較するとやや高価になります。
デザインアンテナ本体の受信性能は、主に20素子相当、26素子相当の他、これらのモデルのブースター内蔵型。また強電界地域向けでやや受信性能が低くなる、屋外屋内兼用コンパクトモデルなどが存在します。
デザインアンテナはその受信性能から、通常モデルでも強電界地域や中電界地域向けモデルになる他、該当するエリアでも、地デジ電波が遮られる高層建築物の近隣、住宅密集地の壁面などでは、受信感度が確保できず、設置できないケースも出てまいります。そのためデザインアンテナを壁面など住宅の低い位置に設置する場合は、あらかじめ周辺環境や受信環境などの確認が必要となります。
一般的なデザインアンテナの実売価格は、20素子モデルが7,000円から10,000円程度。26素子モデルが9,000円から13,000円程度です。ブースター内蔵モデルでは、この価格に3,000円から5,000円程度、加算されます。
当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事では、DXアンテナの高性能20素子相当モデル「UAH201」。また強電界地域ではマスプロ電工のコンパクトモデル、スカイウォーリーミニ「U2SWLC3」をご用意しており、各カラーバリエーションのアンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルなどを含む工事費用として、税込み20,000円からでお引き受けいたします。
また業者によっては追加工事費が発生することもある屋根裏空間、天井裏空間へのデザインアンテナ設置も、追加工事費なしの基本設置工事費のみでご対応しております。デザインアンテナのモデルでは、他に26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、さまざまな現場の地デジ受信環境で、可能な限りデザインアンテナ取り付けが可能となるようご対応いたします。
その他、デザインアンテナの詳細については、以下の各コラム記事にも解説がございます。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナは、2017年(平成29年)に、DXアンテナ、日本アンテナと並ぶ日本三大アンテナメーカーのひとつ、マスプロ電工が発売した、2024年度時点で最新モデルの、第三世代に当たる地デジアンテナです。
アンテナ本体は67センチ程度のほぼ円筒形で、マストの先に固定されます。本体色はツヤのない落ち着いた白と黒の二種類になります。主な設置場所は、屋根の上に立てたマスト。また屋根の張り出し部である破風板や、壁面の高所などで、基本的にアンテナ本体が屋根の上に来るよう設置されます。
ユニコーンアンテナのメリットは、スタイリッシュなデザインで高所に設置しても住宅の外観や景観を乱さない点。また風雨を受け流せる形状から雨や風の影響を受けにくく、経年劣化を軽減できて耐用年数(寿命)が長くなる点です。
さらにユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当ですが、屋根の上に当たる高所に設置できるため、受信感度では有利となります。
高所に設置されたユニコーンアンテナと、受信環境のいい壁面に設置された20素子デザインアンテナは、ほぼ同等の受信性能です。ただ前述の通り、デザインアンテナは高層建築の近くや住宅密集地では使用できないケースも出るのに対し、ユニコーンアンテナであれば高度を確保できるため、同じ現場でも使用できるケースが多くなります。
他にも、屋根の上に太陽光パネルが設置されている住宅でも、ユニコーンアンテナであれば、パネルに影を落とすことを避けつつ、受信感度を確保できる高い位置に設置できます。
ユニコーンアンテナのデメリットは、素子が露出せず、デザインアンテナよりさらに指向性が低いため、同じ高さに設置できるモデルでも、20素子の八木式アンテナに比べると受信性能が低くなる点です。
そのため基本的には強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースもございます。また地デジアンテナでは最新機種にあたるため、現状のアンテナ本体価格や設置費用がもっとも高額になってまいります。
なおユニコーンアンテナの実売価格は、インターネット上などの店舗によって差がございますが、おおむね8,000円から15,000円程度となります。
当あさひアンテナでは現在、各カラーのアンテナ本体と基本設置部材、同軸ケーブルなどをセットにしたユニコーンアンテナ基本設置工事を「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社サイトのメールフォーム、フリーダイヤル、またはLINEまで、お気軽にお問い合わせください。
その他、ユニコーンアンテナの特徴については、以下の各コラム記事でも詳しい解説がございます。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
BS/110度CSアンテナの種類とは?
現在の主な衛星放送用アンテナであるBS/110度CSアンテナでも、一般住宅向けのモデルは、基本的にディッシュ部の有効直径が45センチの「45型」です。基本設計がすべて同じBS/CSアンテナは、同じ大きさであれば、メーカーやモデルが別でも、受信性能にはほとんど差が生じません。
他にもディッシュ直径の違いとして、50型、60型、75型、90型、120型が存在し、基本的にマンション、アパートなど集合住宅の規模に合わせた共同受信用に使用されます。ただ一般住宅でも、雨や雪による受信不良や、電波レベルがやや低い一部エリア用の対策として、45型よりやや大型のモデルが使用されることもございます。
またBS/CSアンテナは、東経110度を向いた障害物のない場所、すなわち日光を受けやすい位置に設置されるため、基本の本体色は、太陽光を反射して影響されにくい白系統になります。ただ近年では、同じく太陽光に影響を受けにくい塗料を用いた、黒などのカラーバリエーションも存在し、住宅の外観性にこだわる現場で使用されます。
そして形状的に風雨の影響を受けやすいBS/CSアンテナには、設計の工夫で強風に対する耐風性を向上させ、台風などが多い地域でもトラブルを起こりにくくできる高耐風モデルも存在します。
中でもDXアンテナの45型2K4K8K対応モデル「BC453SG」は、ディッシュ部に風を通す無数のパンチングホールを配したパンチングメタル仕様に加え、各固定部の強化により上下左右やコンバーターアームの揺れを抑える設計の工夫により、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sの、業界最高と言える高耐風性能を実現しております。
当あさひアンテナでは、一般住宅向けのBS/CSアンテナに、DXアンテナ製の2K4K8K対応45型最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ設置に伴う追加設置では、アンテナ本体や基本設置具などの費用も含めた基本設置工事を、税込み15,000円からでご案内しております。
さらに上記の高耐風モデル「BC453SG」によるBS/CSアンテナ基本設置工事であれば「特別価格」にてお引き受けいたします。詳しくは、弊社のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEまでお問い合わせください。
またBS/CSアンテナの各モデルについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
テレビアンテナを壁面に設置する方法とは?
テレビアンテナを住宅の壁面に設置する場合、地デジアンテナの各機種、およびBS/CSアンテナのアンテナ別で、設置方法は異なっていきます。
まず八木式アンテナ、ユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナなど、マストへの設置を前提としたアンテナモデルでは、サイドベースを使用して壁面に設置することが基本となります。
サイドベースとは、壁に貼り付ける板状の部分から、真横(水平)にL字型の支柱、またはマストを支えるアームが突き出した形状のアンテナ設置具です。正確には、横に突き出す部分の支柱は、マストの安定や強度を確保するため二本以上になっている製品が多くなります。
このサイドベースにより、壁と平行に立てたマストの先に、各種アンテナを固定することになります。サイドベースの固定部は、壁にビス穴を開けてビスで固定することになります。
サイドベースを用いた壁面設置では、壁面でも屋根の真下に近い高い位置、または破風板(屋根の張り出し部)などに設置することで、マストが屋根の上に突き出す形になり、実質的に屋根の上へのアンテナ設置とほぼ同等の高さを確保できる場合もございます。
デザインアンテナの場合は、背面でマストに固定するモデルも存在しますが、基本的には、アンテナ本体と同様の、各モデルに対応する平面状の設置具を、やはりビスで壁面に固定することになります。
その後、デザインアンテナ本体を固定具にはめ込み、機種によってはボルトなどで固定具に固定すれば設置完了です。
デザインアンテナを壁面設置する場合は、屋根の最上部、場合によっては破風板が高さの限界になります。越屋根など屋根の上に壁面状の部分があれば、屋根の上と同等の位置に設置できる場合も出てまいります。
テレビアンテナを壁面に設置するメリットとは?
上記のような方法で、テレビアンテナを住宅の壁面に設置するメリットは、主に風雨や積雪などの影響を避けやすくなり、経年劣化が進みにくく、アンテナ寿命が長くなる点。そして屋根の上に比べると目立たなくなり、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与えにくくなる点が挙げられます。
屋根の上では風雨などによる影響を受けやすい八木式アンテナ、BS/CSアンテナも、壁面で風雨を避けやすい方向や、やや低い位置に設置することで、劣化を避けやすくなります。
また雪の多い地域で、屋根の上に雪が積もってアンテナに悪影響を与える地域でも、サイドベースを使って八木式アンテナを破風板や壁の高所に設置することで、積雪の影響を避けやすくなります。
さらにアンテナが太陽光パネルへ影を落とす悪影響も、壁面への設置であれば、避けることができるケースが多くなります。
ユニコーンアンテナは上記の通り、基本的にアンテナ本体を屋根の上の高さに固定することで受信感度を確保する地デジアンテナですが、破風板や壁面の高所に設置することで、屋根の上より目立たなくなる。また積雪の影響や太陽光パネルへの悪影響を避けやすくなるメリットが生じます。
またデザインアンテナは、基本的に住宅の壁面やベランダの手すりなどに設置することを前提としたテレビアンテナであり、そのメリットである外観性や、風雨などへの強さも、設置位置が低いことで実現できている部分が多くなります。
また日本国内の、いわゆる景観地域などでは、景観を守るための「景観条例」などにより、特に屋根の上への八木式アンテナ、BS/CSアンテナの設置が制限されるケースもございます。
景観条例などがある地域でのテレビアンテナ設置については、以下のコラム記事で詳しくご説明しております。
・「景観地区」「美観地区」などでテレビアンテナは設置できる?
そのようなエリアでも、デザインアンテナをはじめ、やや低い壁面への各種テレビアンテナ設置であれば、問題なく設置できるケースが多くなります。
さらにアンテナの設置位置が住宅のベランダや窓に近い場所であれば、ご自宅でもメンテナンスを行いやすいというメリットも生じます。
テレビアンテナを壁面に設置するデメリットとは?
テレビアンテナの壁面設置については、メリットも豊富な半面、デメリットも存在します。
まず上記の通り、地デジ電波は高い位置ほど受信しやすく、逆に住宅の壁面など、位置が低くなるほど周辺の障害物などの影響を受けやすくなり、受信感度が低くなって受信に支障が出る可能性が高くなります。
特に前述の通り、付近に高層建築物が建っている、住宅密集地にあたる現場では、壁面に地デジ電波が届きにくくなるため、強電界地域であっても設置できないケースが出てまいります。
このような条件では、八木式アンテナでも低い位置の壁面で受信レベルを確保することは難しく、破風板や屋根に近い壁面などで、アンテナ本体が屋根の上にくる形にして、八木式アンテナ、ユニコーンアンテナを設置する、実質的に屋根の上と同様の設置方法しか選べない場合もございます。
特に受信できる地デジ電波レベルが弱まってゆく中電界地域から弱電界地域にかけては、電波レベルの弱さから障害物などの影響も受けやすくなり、住宅の壁面に地デジアンテナを設置することは難しいケースが増えてまいります。弱電界地域では基本的に屋根の上へと高性能の八木式アンテナを設置する工法が主となり、壁面への設置はほとんどできない場合が多くなりますのでご注意ください。
また八木式アンテナの場合は本体のサイズが大きいため、壁面に設置した場合、アンテナの一部が隣家の敷地内にはみ出してしまう「越境問題」が生じやすいという面もございます。
テレビアンテナの越境問題については、詳しくは以下のコラム記事に解説がございます。
・テレビアンテナの隣家への「越境問題」対策
地デジの受信に関しては他にも、前述の通り地デジアンテナには指向性があり、アンテナ正面を近隣の電波塔の方向へと向ける必要がございます。そのためアンテナを壁面のやや低い位置に設置する場合も、アンテナ正面を電波塔の方向へ向けられる側の壁面に設置しなければなりません。
例えば設置現場から見て、地デジ電波塔が北の方向にある場合は、北側を向いた壁、または東西でも、北東か北西寄りの壁に地デジアンテナを設置する必要が出てまいります。逆に南側や、南西、南東を向いた壁には、アンテナ本体が壁の上部や両端から突き出す形でない限り、壁面設置は難しくなってまいります。
また壁面への設置で地デジアンテナの角度を調整する方法としては、八木式アンテナやユニコーンアンテナの場合は、マストの先で方位角を調整する形になります。デザインアンテナの場合は、アンテナ本体や固定具を左右の固定部から扉のように開く形で、方位角の調整を行います。
またBS/CSアンテナの場合も、ディッシュを東経110度(南西方向)に向けて、仰角、方位角とも精密に調整する必要があるため、正反対である北東寄りを向いた方角の壁に設置することは難しくなります。
BS/CSアンテナの場合、戸建て住宅レベルであれば、設置位置の高さ(低さ)が受信感度に影響することはほとんどございませんが、やはり設置位置が低くなるほど、12GHz帯の電波が障害物に遮られて、アンテナでの受信が難しくなる可能性が高くなってきますので、その点も注意が必要です。
もうひとつ、戸建て住宅の壁面にテレビアンテナを設置する場合には、基本的にまずサイドベースやデザインアンテナ設置用の金具を壁面にビスで固定するため、住宅の壁に電動ドリルなどを用いてビス穴を開ける必要が生じます。
そのためご新居などで外装を傷つけたくない場合はもちろん、設置する場合も、ビス穴から壁に雨水などがしみ込み、腐食やカビが発生するといったトラブルを避けるため、丁寧な施工を行うことが重要となり、そのような施工が可能となる優良な業者をお選びになる必要がございます。
また借家などの賃貸物件などでは、住宅にアンテナなどの設備を設置する工事を行う場合には、オーナーや大矢などの許可を得る必要がございます。そして特に壁面へビス穴を開けるアンテナ設置など、住宅の外装を加工するような工事は、契約などで実質的に禁じられているケースが大半となりますので、ご注意ください。
賃貸物件へのテレビアンテナ取り付けで考えられる問題については、以下のコラム記事にて詳しくご説明しております。
・賃貸物件へのテレビアンテナ設置について
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナやその他のアンテナを壁面に設置する際には、各種の固定具の設置には極細のビスを使い、精密なドリル機器を使って、お住まいの壁に必要以上の穴を開けないことはもちろん、ひとつひとつビス穴に防水性の変性シリコンを注入して、6カ所のビスで設置具をしっかりと固定する、丁寧な施工を実施しております。
そのため住宅外装の加工は最小限に抑えて、壁面に雨水などがしみ込むことを防止しながら、アンテナ本体はしっかりと安定した壁面設置を実現いたします。
壁面以外の主なテレビアンテナ設置位置
ここでは、壁面以外で主にテレビアンテナを設置できる位置について、主に壁面との比較で、そのメリット、デメリットや関連の情報を簡単に説明してまいります。
屋根の上
ここまでの記事内容でもすでに説明しておりますが、屋根の上に地デジアンテナ、BS/CSアンテナを設置する最大のメリットは、地デジ放送の受信感度が向上すること。また地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、360度の方向への角度調整が行いやすいことになります。
したがってすべての電界地域で受信に適した設置方法になる他、同じマストに双方のアンテナを設置して、配線をまとめることなども簡単になり、現在でも戸建て住宅でアンテナの設置位置として選ばれるのは、屋根の上がもっとも多くなります。
一方でデメリットは、やはり屋根の上で目立つため、住宅の外観や景観を乱しやすいこと。そして風雨などの影響を受けて、アンテナの経年劣化が進みやすいことになります。
基本的に屋根の上への設置は、壁面への設置とメリット・デメリットが正反対になると言えます。
屋根の上へのアンテナ設置で、住宅の外観性にさほど影響を与えない方法としては、ユニコーンアンテナやデザインアンテナ、BS/CSアンテナのカラーバリエーションを使用する。また設置位置を見えにくい位置にするなどが考えられますが、その効果は限られてまいります。
また風雨や積雪などの影響を抑える方法では、やはりユニコーンアンテナやデザインアンテナの他、BS/CSアンテナの高耐風モデル、対抗性能を高めた八木式アンテナを使用するといった方法がございます。
ただ屋根の上への地デジアンテナ設置についても、各電界地域や現場の受信環境に適した機種や受信性能のモデルを使用する必要がございますので、その点にも注意が必要と言えます。
ベランダの内外部
ベランダへのテレビアンテナ設置は、主にベランダの手すりに、専用の設置具でデザインアンテナを固定する。また手すり用のサイドベースで八木式アンテナ、BS/CSアンテナを設置する方法になります。
ただ屋根より高い位置への設置が基本となるユニコーンアンテナは、基本的に採用されることはございません。
他にもベランダの内部空間に八木式アンテナ、BS/CSアンテナを固定する設置方法もございます。
ベランダの手すり部にテレビアンテナを設置するメリットは、壁面への設置と同様、目につきにくいため住宅の外観性や景観に悪影響を与えない。また風雨などを避けやすく、経年劣化を抑えられるという点になります。
さらに手が届きやすい位置であるため、DIYでの設置も可能になる。メンテナンスも行いやすい。また固定具は手すり部を挟み込む形で設置されるため、壁面設置に比べても、外壁はもちろん住宅の外装にほとんど影響を与えない点もメリットになります。
特にベランダ内部への設置では、アンテナが屋外からほとんど見えなくなる他、風雨などの影響もより避けやすくなります。
一方で、ベランダ部への設置の場合も、地デジ電波の受信感度が低くなる。地デジ電波塔や東経110度の静止衛星に向けた角度調整が難しくなり、障害物がある場合などは設置できないといったデメリットが出てまいります。
特にベランダ部への設置では、壁面よりも設置できる範囲が狭くなるため、ベランダの位置が電波塔や東経110度を向いていない場合は、各種アンテナの設置がまず不可能になります。
他にもベランダ内部への設置では、空間を少し占有してしまう。またアンテナの前に人やものが来る。アンテナに誤って触れるなどで、受信不良やアンテナ角度の狂いなどの問題も生じやすくなります。
住宅の屋内空間
屋内空間へのテレビアンテナ設置方法では、主にデザインアンテナなど屋外用の地デジアンテナを屋根裏空間、天井裏空間に設置する工法が存在します。また地デジ用の室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナを使用する方法もございます。
BS/CSアンテナについても、住宅内に東経110度を向き、その方向に障害物などがなく、12GHz帯の電波が差し込むシンプルな透明の窓ガラスがあれば、その窓際にBS/CSアンテナを据え置き設置できるケースもございます。
これらの設置方法では、まず屋根裏空間などへの地デジアンテナ設置であれば、住宅の外観や外装にまったく影響を与えない。またアンテナ本体も風雨や雪などをほぼ完全に避けることができ、経年劣化を大幅に抑えて耐用年数が非常に長くなるという点がメリットになります。
室内アンテナなどの利用も、上記のメリットに加え、アンテナ本体価格が低価格であり、設置も簡単なため、ご家庭でも設置できるという点が挙げられます。
またBS/CSアンテナの室内設置も、住宅の外観や外装に影響を与えず、アンテナも風雨などの自然環境から守られる上、DIY設置も比較的、簡単になります。
一方で、これらのアンテナ設置法に関しては、地デジアンテナの場合、屋内空間で十分な地デジ電波レベルを確保するため、強電界地域で、住宅の建材や設備などが地デジ電波を遮りにくいという条件が整っている現場でないと使用できません。
特に屋根裏や天井裏への地デジアンテナ設置は、アンテナ設置のスペースや、空間への出入り口を確保できるという条件も重要になります。
また屋根裏空間へ設置される地デジアンテナ機種は、本体のサイズから設置スペースを確保しやすく、設置が壁面より高い位置で受信感度を確保しやすいデザインアンテナが使用されます。
八木式アンテナは本体サイズから屋内での設置スペースを確保しにくい上、対応する設置具なども必要となるため、設置費用もデザインアンテナと大差なくなるなど選択するメリットが少なくなります。
そのためデザインアンテナでは屋根裏での受信感度が不足し、八木式アンテナを設置できる条件が整っている現場などの場合を除いて、使用されることはあまりございません。またユニコーンアンテナは受信面の狭さから、屋根裏空間などへの設置には適しません。
室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナは、屋外用の地デジアンテナに比べると受信性能が非常に低く、一台のテレビなど受信機器にしか接続できない上、強電界地域でも、現場の条件によっては地デジ受信レベルが安定しないこともございます。そのため基本的には、簡易的な地デジアンテナとしての使用が推奨されます。
BS/CSアンテナの室内設置に関しても、基本的な設置条件が厳しい上、窓ガラスを通す分、12GHz帯の電波レベルが弱まる。設置した部屋でしか衛星放送を視聴できない。据え置き設置のため、誤ってアンテナに触れることで角度の狂いが生じやすいなどのデメリットが多く、さほど推奨できる設置方法ではございません。
テレビアンテナを屋内に設置する方法や、対応するアンテナ機種については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
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テレビアンテナの壁面設置・まとめ
住宅の壁面へのテレビアンテナ取り付けは、従来の主要な設置方法であった屋根の上への設置に対して、住宅の外観性や対候性を高める工法として、デザインアンテナなど新機種の登場とともに発展し、近年では施工例も増えてきた方法になります。
しかしその反面、屋根の上への設置に比べると受信感度が安定しにくくなるというデメリットも存在するため、設置に当たっては、現場の受信環境、周辺環境などの慎重な確認が必須となります。
テレビアンテナの壁面設置で特に重要となる、現場の電波調査と、アンテナ工事のお見積もり。またさまざまな位置にアンテナを設置する工法については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
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当あさひアンテナでは、コラム本文でご紹介した通り、国内一流メーカー製の地デジアンテナ、BS/CSアンテナの各機種やモデルをご用意し、住宅のさまざまな位置へのアンテナ取り付け工事を、業界最安に挑戦する価格でご提供しております。
また電波調査、お見積もりも、出張料やキャンセル料などの各種費用を含めた「完全無料」で実施しております。他業者との相見積もりにもご対応している他、弊社のお見積もりにご納得いただければ、見積りからの即日工事にもご対応可能です。
電波調査では、お住まいのさまざまな位置にて綿密な調査を実施し、屋根の上だけでなく、住宅の壁面やベランダ、屋内空間など、さまざまな位置で安定した受信が可能な位置を割り出し、現場で可能な限り、お客様のご要望に最適なアンテナ設置工事をご提案いたします。
さらに実際の施工では、弊社社員スタッフの優れたアンテナ職人による完全自社施工で、安定した受信と自然環境などにも強い丈夫なアンテナ設置はもちろん、弊社モットー「見えないところもきれいに」に基づいて、アンテナ設置部や屋外配線をはじめ、屋根裏空間など見えない部分の配線、ブースターなど機器の設置も、見栄えがよくトラブルも起こりにくい丁寧な施工を実施いたします。
アンテナ工事完了後のアフターフォローでは、業界最長クラスとなる、アンテナ工事の施工日からの「10年保証」をご用意しており、お客様には末永くご安心していただけます。
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