テレビアンテナなしで地デジ放送を見る方法とは? 新築戸建てで取り付け工事なしのテレビ視聴を選べるコスパ最強の方法を紹介!
令和の現在でも、一般の戸建て住宅で地上デジタル放送(地デジ)や衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)をご視聴になる方法では、やはり地デジやBS/CSのテレビアンテナ設置が一番の人気と言えます。
テレビアンテナの魅力には、地デジやBS放送の無料チャンネルであれば視聴料金などが必要なく、日々の暮らしの中、無料で視聴し続けることができる点。また大きな災害などがない限り、10年以上の長期にわたって安定してテレビ放送を受信できる点などが挙げられます。
ただ一方で、地デジの受信環境が悪い、自然環境が厳しくアンテナトラブルが発生しやすいなどで、アンテナの設置に適さないエリアにお住まいの方。またデザイン性が高い住宅の外観性が気になる、新築住宅の壁面など外装を傷つけたくないなどの理由により、人によっては家の外へのテレビアンテナ設置を敬遠される方もおられます。
そこで当コラムでは、戸建て住宅にテレビアンテナの設置なしで、地デジや衛星放送の各チャンネルを視聴する方法と、テレビアンテナ設置も含めて、各視聴方法のメリット、デメリットを徹底比較。またテレビアンテナを使用する場合も、アンテナのタイプや設置場所の工夫で、住宅の見た目に大きく影響を与えない、住宅の外装を傷つけない方法などのポイントを解説してまいります。
さまざまな理由でテレビアンテナの設置に抵抗をお持ちの方にとっての、お役立ち記事になれれば幸いに存じます。
地デジ放送と地デジアンテナ(UHFアンテナ)の基礎知識
2023年(令和5年)現在の地上デジタル放送(地デジ放送)は、日本国内の各地に設置された、広範囲に地デジ電波を送信する大規模な送信所。また送信所からの地デジ電波が届きにくいエリアをカバーするため、要所に設置された大小の中継局など、数多くの「電波塔」から地デジ電波を送信する「地上波放送」です。
現在の地デジ電波には「UHF波(極超短波)」の中でも、470MHz(メガヘルツ)から710MHzの周波数帯が使用されており、日本各地の電波塔から、山地や過疎地域などの一部地域を除く、日本国内のほぼ全域に地デジ電波を送信しております。
このような仕組みから、地デジ放送は日本国内でも、一般の家屋などが見られるエリアではほぼ確実に受信できるものの、電波塔からの距離や地形などの影響によって、地域ごとに受信できる地デジ電波レベルに違いが出てまいります。
受信できる地デジ電波レベルで国内のエリアを分類したものを「電界地域」といい、一般的には、電波の強さを示す「㏈(デシベル)」単位を基準に、受信できる地デジ電波レベルがおおむね「80㏈以上」のエリアを「強電界地域」。「80㏈から60㏈」のエリアを「中電界地域」。「60㏈以下」のエリアを「弱電界地域」とすることが多くなります。
ただ地デジ電波レベルは常に一定ではなく、一年を通した気候の影響でも6㏈程度の変動が生じるほか、雨や雪など天候が悪い際にも㏈数は低下いたします。また電界地域とは別に、高層建築物の近隣など地デジ電波が遮られやすい現場では、局地的に受信できる地デジ電波レベルが大きく低下することもございます。
また電界地域そのものにも正式な定義はなく、場合によっては基準の㏈数が異なることや、強電界地域と弱電界地域に二分されることもございます。つまり電界地域とは、あくまで大まかな目安でしかございません。その点はどうかご注意ください。
そして地デジ電波を受信する地デジアンテナは、UHF波を受信するための「UHFアンテナ」になります。
現在の戸建住宅に設置される地デジアンテナの主なモデルとしては、屋根の上などの高所に設置されて受信性能が高くなる、魚の骨に似た古典的な「八木式アンテナ」。壁面やベランダの手すりなどに設置され、見栄えが良く風雨などにも強い「デザインアンテナ」。高所に設置されるポール状のアンテナで、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを兼ね備える「ユニコーンアンテナ」の3つの機種がございます。またこれらの機種でも、豊富なバリエーションがございます。
これら地デジアンテナの設置工事では、現場の電界地域など受信できる電波レベルや、周辺環境などの影響で使用できる機種の中から、受信性能や外観性など、お客様のご要望に適した機種を選択することになります。
なお地デジアンテナの基本的な設置場所は、電波塔からの地デジ電波が十分に届く方向へと、アンテナの正面側を設置する必要がございます。そのため障害物などに影響されにくい屋根の上などの高所が最適です。また現場の電波状態によっては壁面やベランダ、また屋内への設置も可能ですが、その場合、設置できる壁面などの方角が限られてまいります。
なお地デジ電波の基礎知識の特性、また地デジアンテナ各機種や設置位置について、詳しくは以下の各コラム記事をご参照ください。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)とBS/CSアンテナの基礎知識
・衛星放送の仕組みとその電波とは?
衛星放送とは、地上から約35,786キロ上空の宇宙空間で、地球の自転に合わせて赤道軌道上を周回しており、地上からは空の一ヵ所に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、テレビなどの電波を送信する放送の形式です。
衛星放送は、地デジなどの地上波放送に比べて、一基の人工衛星で、広範囲に大容量の情報を効率よく送信できる。また地上の建物や地形など障害物、災害などにも影響されず、安定して放送を継続できるなどのメリットがございます。
日本の衛星放送では、静止衛星よりマイクロ波の一種「SHF(センチメートル)波」のうち、12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯である「12GHz帯」の電波を送信しています。この電波の波長は25ミリ前後と非常に短く、周波数の高さ(波長の短さ)から性質が光に近くなり、直進性が高いため、長距離を送信される衛星放送の電波に適しているといえます。
日本の衛星放送ではこの静止衛星から、日本国内全体をスポットライトで照らし出すような形で、放送電波を送信しております。
現在の日本の衛星放送には「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」の二種類があり、それぞれBS放送、CS放送として知られております。また2018年(平成30年)12月1日には、BS放送、CS放送により高画質の映像となる4K、8K対応のチャンネルがいくつか追加される形で「新4K8K衛星放送」もスタートしております。
「BS放送」とは「Broadcast Satellite(放送衛星)」による衛星放送で、現在は東経110度に位置する放送衛星が使用されております。BS放送は地上波放送と同じく基幹的なテレビ放送で、日本国内ではBS/CSアンテナを設置すれば不特定多数の人が視聴できます。
BS放送のチャンネルには、地上波と同じNHK、広域民放をはじめとする無料チャンネル。また月額契約で視聴できる「wowow」「スターチャンネル」などの有料チャンネルがあり、2023年現在では計29チャンネルが放送されております。
「CS放送」とは「Communication Satellite(通信衛星)」による衛星放送です。元来は企業や事業者に向けた通信用の放送が想定されていましたが、1989年(平成元年)の放送法改正により、一般世帯に向けた放送事業が可能となりました。
現在のCS放送は、CS放送の事業者と契約を結んだ特定の視聴者を対象にする放送です。そのため放送されるチャンネルの大半が有料チャンネルで、BS放送よりも大幅な多チャンネルとなります。各チャンネルは、映画やテレビドラマ、海外ドラマ、またアニメやスポーツなど、さまざまなジャンルに特化した専門チャンネルになります。
2023年現在のCS放送サービスには。東経110度に位置する通信衛星を使用した110度CS放送「スカパー!」と、東経124度、128度の通信衛星を使用する124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の二種類です。
110度CS「スカパー!」は、一基のBS/110度CSアンテナでBS放送と合わせて受信できることから、現在の主なCS放送であり、80近いチャンネル数から、お好きなチャンネルを選択して契約、視聴できます。
124度/128度CS「スカパー!プレミアムサービス」は、約130チャンネルがすべてフルハイビジョン対応(4K対応の1チャンネルを除く)と、約100チャンネルのラジオ放送と、より多チャンネルで高い画質の映像が特徴になります。ただこちらのサービスには、多くの場合、別途に専用のアンテナやチューナーが必要となります。
このBS放送、CS放送の区分は、元来は放送法の規定によるもののため、現在では実質的な違いは少なくなっております。
また現在のテレビ、レコーダーなど受信機器の大半には、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」を除いた、BS放送、110度CS放送のチューナーが内蔵されているため、戸建て住宅ではBS/CSアンテナ設置と配線工事だけで、BS、CS双方の衛星放送をご視聴いただけます。
衛星放送やその電波についての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・衛星放送用BS/CSアンテナの仕組みと種類とは?
現在ではもっとも一般的な衛星放送用アンテナ、BS/110度CSアンテナは、大きな皿のようなディッシュ部と、受信した電波を集め、変換するコンバーター部。およびそれを支えるアームから成り立つパラボラアンテナです。
このアンテナをBS、110度CSの人工衛星が位置する東経110度へと正確に向けることで、衛星から送信される電波を受け止め、受信が可能になります。なおBS/CSアンテナでは受信した12GHz帯の電波を、コンバーター(変換器)によって、ケーブルで送信しやすいMHz帯の電波に変換しています。そのためコンバーター用の電源として、配線部のブースターやテレビ等のチューナー端子から給電する必要がございます。
このBS/CSアンテナは非常に指向性が鋭く、ミリ単位の角度のズレでも衛星放送をうまく受信できなくなるため、注意が必要です。
また衛星放送の12GHz帯の電波は光に近い性質で、直進性が非常に高い半面、障害物に遮断されやすくなります。そのためBS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、山地や建築物はもちろん、電柱や電線、樹木やその枝、洗濯物などささいな障害物があっても、映像が乱れるなどの受信障害が発生してまいりますので、この点もご注意ください。
他にも12GHz帯の波長の幅に近い豪雨や雪が降った場合には、衛星放送の電波が雨や雪で吸収され、乱反射が起こるなどして、やはり衛星放送の受信障害が発生する「降雨減衰」「降雪減衰」が生じることもございます。
なお現在の衛星放送用アンテナの種類には、基本的なモデルであるBS/110度CSアンテナの他に、どちらか一方の放送にのみ対応するBSアンテナ、CSアンテナ。また前述した124度/128度CS放送用のプレミアムサービス専用アンテナ。さらに110度BS、CSと124度、128度CSのすべてを受信できるマルチアンテナなどがございます。
BS/110度CSアンテナの主なバリエーションには、ディッシュサイズの違い(センチ数)により、一般住宅向けの45型。小規模集合住宅用の共同受信用である50型、60型、75型。同じくマンションなど大型集合住宅用の90型、120型がございます。
一般戸建て住宅向けのBS/CSアンテナでは、45型で十分な受信性能がございます。ただ降雨減衰、降雪減衰への対策や、日本国内でも北部や南端部、離島部など、人工衛星から距離が遠いため、電波レベルがやや弱いエリアでは、50型から75型とやや大型モデルが使用されることもございます。
BS/CSアンテナは、どのメーカーやモデルも基本的な構造、設計が同じになるため、ディッシュサイズが同じ機種では、受信性能に大きな違いは生じません。他にも、太陽光を反射するための基本色である白系統以外のカラーバリエーション。各部の強化やディッシュのパンチングホール仕様により、耐風性を高めた高耐風モデルなどもございます。
BS/CSアンテナの種類や各種の基礎知識については、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・新4K8K衛星放送対応のBS/CSアンテナとは?
前述した「新4K8K衛星放送」は、2018年以前に設置された2K対応のBS/CSアンテナでは、大半の4K8Kチャンネルが受信できない場合がございます。
これは新4K8K衛星放送以前の2K衛星放送では、右回りの螺旋を描く「右旋円偏波」という電波が使用されておりました。しかし新4K8K衛星放送の導入で、新しく4K、8Kチャンネルを追加するにあたり、右旋の電波では、使用できる空きの周波数帯が不足したためです。
そのため右旋の電波で使用できる周波数帯には、基幹的な放送であるBS放送のNHK、広域民放の無料4Kチャンネルを割り当て、その他の4K、8Kチャンネル用には、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」を新しく導入し、その周波数帯を割り当てたのです。
しかし新4K8K衛星放送が存在しなかった頃のBS/CSアンテナでは、右旋の電波にしか対応できないため、BSのNHK、広域民放の4Kチャンネル以外、左旋の電波で送信される4K8Kチャンネルには対応できないのです。
新4K8K衛星放送のチャンネルをすべて受信するためには、右旋と左旋、どちらの電波も受信できる2018年以降のモデル、2K4K8K対応型BS/CSアンテナを設置する必要がございます。
また前述したBS/CSアンテナのコンバーターで12GHz帯の電波をMHz帯へと変換する際に、右旋の電波は1032MHzから2072MHz。左旋の電波は2224MHzから3224MHzの周波数帯に変換されます。
そのため2018年以前に設置されたBS/CSアンテナのアンテナ配線やブースター、分配器などの機器では、左旋の電波が変換された高周波数帯に対応できないケースがあり、やはりこれら機器なども、2K4K対応(3442MHz対応)型や「SHマーク」「HSマーク」などの表示があるものへと交換する必要が出てまいります。
新4K8K衛星放送や必要な機材についての詳細は、次の各コラム記事に解説がございます。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
テレビアンテナ(地デジ・BS/CS)を設置するメリット
ここではまず、戸建て住宅などに地デジ、BS/CSのテレビアンテナを設置して、地デジ放送、衛星放送を視聴することのメリットを解説してまいります。
・設置すれば基本的に無料で地デジやBS放送の多くのチャンネルを視聴できる。
日本国内のテレビ放送は、誰でも無料で楽しめる、もっとも身近でコストが安い娯楽というイメージがございます。
これは地デジ放送がスタートする以前のアナログ放送時代より、基本的にテレビの地上波放送は、災害などの緊急時には重要な情報を広める役割を持つ基幹放送だったためです。そのため現在でも地デジ放送で視聴できるNHK、広域民放の各チャンネルは、NHK受信料を除けば、基本的にアンテナ設備などの受信設備とテレビなど受信機器があれば、地デジ受信が困難な一部エリアを除く日本国内のどこでも、不特定多数が無料で視聴できるテレビ放送になります。
また衛星放送のBS放送にもNHK、広域民放を中心とした無料放送チャンネルがあり、これらのチャンネルも地デジ放送と同じく基幹的な放送として、BS/CSアンテナを家に設置すれば無料で視聴できます。特に衛星放送は、宇宙空間の人工衛星から日本国内の全域へまんべんなく電波を送信しているため、一部地域でやや電波レベルが弱まる以外は、日本国内のどこでも受信できます。
このように基幹的な放送のチャンネルでは、ご自宅にテレビアンテナを設置することで、いつまでも無料で視聴でき、ランニングコストがほとんどかからない点が、テレビアンテナ設置の最大のメリットであり、人気の秘密とも言えます。
他にもBS放送の一部と、CS放送の大半のチャンネルは、個別契約で視聴できる有料チャンネルであり、お好みの1チャンネル単位から選択して、月額料金を支払うことで視聴できます。
契約は月単位で、ご視聴になりたい番組が放送される間だけ自由に契約できる他、複数のチャンネルがセットになり、料金がお得となるチャンネルバックなどもございます。他にもチャンネルによって一部番組の無料放送。またCS放送では月に一日程度、多くのチャンネルを無料で視聴できる無料開放デーなどもございますので、特に有料チャンネルを契約せずとも、ある程度はさまざまな番組をお楽しみいただけます。
・多くの場合、10年以上の長期にわたってテレビ放送を受信できる。
家屋に設置される現在の主なテレビアンテナの耐用年数は、一般的な設置方法では、地デジの八木式アンテナやBS/CSアンテナで10年強。地デジのデザインアンテナやユニコーンアンテナでは15年から20年程度と言われております。
この耐用年数はおおまかな目安にすぎず、台風や雪が多い、海沿いで潮風を受ける等、現場の自然環境の影響でアンテナの老朽化が進みやすくなり、エリアの環境によってはやや短くなることもございます。ただ近年ではデザインアンテナ、ユニコーンアンテナのような新機種に加え、アンテナ本体の素材や設計の改良も進み、塩害用や雪害用、高耐風モデルなど各種の自然環境に強いモデルも登場しております。
さらに設置現場の受信条件によっては、住宅の壁面やベランダ内外、または屋内空間など、天候や環境の影響を避けやすい位置にアンテナを設置できる工法も増えております。
そのため周辺環境やアンテナ機種、設置場所、適切なメンテナンスなどの条件によっては、耐用年数をすぎても安定した受信が可能なテレビアンテナも多く、設置から20年以上が過ぎても大きなトラブルもなく、テレビを視聴できている例も珍しくはございません。
設置する機種や位置、環境などの条件によって差は生じるものの、総じてひとたび設置すれば、大きな災害など想定外のトラブルでもない限り、まず10年以上は、メンテナンスなどの他に大きな維持費も必要なく、安定してテレビ放送を視聴できる点も、テレビアンテナ設置の大きなメリットになります。
各種テレビアンテナの寿命(耐用年数)については、次の各コラム記事で詳しく解説しております。
・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)
・いったん設置すれば、トラブルや追加工事などを除いて煩瑣な手続きなどの手間が必要ない。
これは視聴料金やランニングコストがほぼ不要という点にも重なりますが、テレビアンテナは基本的にアンテナで受信した電波を、配線部の各機器を経て各部屋のテレビ、レコーダーなど受信機器に送信するというシンプルな仕組みのため、有料チャンネルを除けば、毎月の料金支払いをはじめ、契約内容や領収書の確認など、煩瑣な手続きは必要なく、ただリモコンを操作するだけでテレビ放送を楽しむことができます。
またアンテナ本体をはじめ配線部や各種機器に関しても、耐用年数が近づいた場合のメンテナンスや、新規アンテナ、アンテナコンセントの追加などを行う場合を除いては、設置した状態のまま特に調整等を行う必要もなく、長期にわたって使用し続けることが可能です。
・住宅の大きさなどに応じて、多くの部屋へとテレビ電波を分配できる。
戸建て住宅のテレビアンテナから、各部屋にあるテレビコンセントまで電波を送るアンテナケーブル(同軸ケーブル)配線には、主な機器として、まずアンテナの付近に、テレビ電波レベルを必要な水準まで増幅する「ブースター(増幅器)」を設置。そして次に増幅された電波を等分のレベルで分配する「分配器」を設置することで、各部屋のアンテナコンセントへと伝送しています。この分配器には2分配器から8分配器(7分配器を除く)までが存在します。
テレビアンテナから何台のテレビなど受信機器に接続できるかは、現場の受信環境やブースターの設定などでも変化します。そして多くのテレビを設置する住宅では、機材やケーブルの長さが必要な分、アンテナ工事費用がやや割高になる場合もございますが、一般的には住宅に設置された地デジアンテナ、BS/CSアンテナそれぞれ一基につき、6,7台程度のテレビに接続が可能です。
もちろんテレビアンテナであれば、可能な限り何台のテレビに接続しても、工事の初期費用などを除いて、視聴時の費用などが発生、加算されることはございません。
一方、ケーブルテレビや光テレビなどのサービスでは、サービス会社やプランによっても異なりますが、2台から3台以上のテレビに接続する場合には、追加の1台ことに月額料金が加算されるケースが多くなります。
そのため特に設置するテレビの台数が多い住宅では、アンテナ設置のほうがリーズナブルで良いと言えます。
ブースターや分配器などの機器については、次の各コラム記事で詳細をご説明しております。
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】
・ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
・テレビアンテナの電波を各部屋に分岐する方法は? 分配器と分波器の違い・接続方法や選び方
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?
テレビアンテナ(地デジ・BS/CS)を設置するデメリット
逆に、ご自宅に地デジやBS/CSアンテナの取り付け工事を行う場合に考えられるデメリットには、主に以下のものがあげられます。
・機種によっては住宅の外観性が悪くなり、景観地区では使えないことや越境問題が生じることもある。
近年では一般の戸建て住宅にもデザイン性の高いものが多く見られます。しかしこのような住宅で、屋根の上に古典的な形状の八木式アンテナや、白色のディッシュが目立つBS/CSアンテナなどを、マスト(ポール、支柱)に立てる形で設置すると、せっかくの住宅の外観を乱すことがございます。
近年では外観性を気にされて、ご新居へのお引越しの際に、新規アンテナ設置を敬遠されるお客様もおられます。また景観地域などでは、景観条例により設置できるテレビアンテナの種類や、設置の高さが制限されることもあり、屋根の上に八木式アンテナを設置できない場合もございます。
また八木式アンテナ、BS/CSアンテナなど、屋根の上に立てられるアンテナでは、アンテナの一部が隣家の敷地にはみだす「越境問題」が生じることもございます。
これらの問題は、スタイリッシュな形状のデザインアンテナやユニコーンアンテナを利用する。壁面やベランダの内外、可能であれば屋内など設置位置を工夫する対策で解決できることもございます。ただこれらのアンテナ機種や設置方法は、現場の周辺環境や電波状態などの条件では、使用できないこともございますのでご注意ください。
・設置方法によっては住宅の外装などを傷つける場合もある。
地デジアンテナの設置による住宅の外観や景観への影響を防ぐ対策は、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどを使用する。壁面やベランダなどに設置するといった方法が有効です。また八木式アンテナ、BS/CSアンテナでも、サイドベースなどの設置具によって、壁面やベランダの手すりに設置できます。
しかしデザインアンテナその他アンテナの壁面設置では、まずアンテナの設置具を壁面にビスで固定することになります。そのため、住宅の壁面にビス穴を開ける必要がございます。
新築住宅などで住宅の外装を傷つけたくない場合は、ベランダの手すりなどへの設置を選ぶ方法がございます。しかし前述の通り、アンテナの設置方法は現場の電波状態や周辺環境によっても左右されるため、ご希望の位置に設置できないこともございますのでご注意ください。
なおデザインアンテナなどの壁面設置では、壁面のビス穴にシリコンを注入して雨水の浸水を防ぐなど、丁寧な施工により、壁面への悪影響を最小限に抑えることができる、施工技術が高いアンテナ工事の専門業者などに依頼されることがおすすめです。
・現場の自然環境によっては老朽化や故障などのトラブルが発生しやすくなる。
戸建て住宅のテレビアンテナは、基本的に屋根の上をはじめ、屋外へ設置されるものです。したがって風雨や積雪、海沿いの潮風などに影響されやすく、これらの自然環境が厳しいエリアでは、アンテナの耐用年数も短くなります。
特に豪雪地帯や台風銀座などの現場では、毎年のようにアンテナの補修や修理が必要な場合もあり、テレビアンテナではかえってコスパが悪くなることもございます。
このようなエリアでは、地デジ受信環境に問題がなければ、平面型のデザインアンテナをユニコーンアンテナの使用、また壁面やベランダ内外などへのアンテナ設置で、自然環境の影響を避けやすくなります。
また八木式アンテナやBS/CSアンテナには、本体の軽量化や各部の強化。素子を短くする。ディッシュ部をメッシュ仕様やパンチングホール仕様にする。表面加工や耐食性の高い素材の採用などの工夫により、各種の自然環境への耐性を高めた、塩害用、雪害用、高耐風モデルなどがございます。現場ごとの自然環境に適したモデルを使用することで、アンテナの劣化を抑えて耐用年数を伸ばすことが期待できます。
自然環境に強い各種アンテナ機種や対策としては、前述の他、次の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・アンテナ設置工事の台風対策。テレビが映らない、アンテナが倒れるなどの原因と対策、予想される風災トラブルへの対処方とは?
・降雪や積雪の影響で地デジ、BS/CSのテレビ放送が映らなくなるトラブル対策になるアンテナ工事の方法とは?
・地域や現場によっては地デジの受信環境が悪い、また受信できない場合もある。
すでにご説明した通り、地デジ放送では電波塔からの距離や周辺の地形、建築物などの影響から、日本国内でもエリア(電界地域)や現場によって、受信できる地デジ電波レベルに強弱が出てまいります。そのため設置できる地デジアンテナのタイプや位置も、この電界地域や周辺環境により限られてまいります。
強電界地域であれば多くの場合、屋内設置を含め、使用できるアンテナ機種や、設置できる位置の選択肢が広くなります。中電界地域でも多くの機種が使用できますが、住宅密集地などではデザインアンテナが使用できない。屋内設置が難しくなるなど、やや制限が出てまいります。そして弱電界地域では、エリアによって、屋根の上などの高い位置に高性能の八木式アンテナを設置する以外の選択肢がないというケースも出てまいります。
さらに日本国内では、一部地域ながら、地デジ電波がほとんど届かず、地デジ受信ができない「難視聴地域」も存在します。
衛星放送は日本国内の全域で受信できるものの、BS/CSアンテナの設置にも、東経110度へと正確に向けることができる。その方向に障害物がないなどの条件がございます。そのため住宅の形状や周辺環境によってBS/CSアンテナを設置できる位置が限られる場合もあり、やはり最適となるのは、周辺の障害物に影響されにくく、角度調整が行いやすい屋根の上になります。
このように地デジ、BS/CSとも、アンテナ設置にはさまざまな条件が関連するため、設置するアンテナ機種や取り付け位置を、必ずしも自由に選べるとは限らないことにも、注意が必要となります。
・受信環境や現場によって初期費用がやや高額になる場合もある。
地デジ、BS/CSのテレビアンテナ設置の工事費用は、まず各種テレビアンテナを設置し、一本のケーブル配線でテレビなど受信機器と接続する最低限の配線を行う「基本設置工事」の費用が、設置するアンテナ機種別に設定されております。さらに一般の戸建住宅ではほとんどの場合、前述したブースターや分配器の設置が必要となります。
ブースターにはUHF(地デジ)対応型や、UHF・BS/CS対応型で、地デジとBS/CSアンテナのケーブルを一本にまとめる「混合器」の役割も兼ねた混合ブースター。さらにその4K8K対応型。分配器も、分配数や4K8K対応型、BS/CSアンテナへの給電方法で使い分ける一端子通電型と全端子通電型などの違いがあり、それぞれ本体価格が変わります。
そして特に、新築住宅へのお引越しなどで、アンテナ本体と配線および機器などをすべて設置するアンテナ新規設置工事では、アンテナ本体と個々の機器の設置費用。その他、必要となる機材やオプション工事の費用の総額が、必要な工事費用になります。
一般的な戸建て住宅における、新規アンテナ設置工事の総額費用の相場は、担当する業者や工事の条件、必要な機材によっても変動しますが、地デジアンテナのみでは使用するアンテナ機種による違いを含め、40,000円から80,000円程度。地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットで設置する工事では、60,000円から150,000円強程度になってまいります。
この総額費用も、お客様のご要望の他、電波状態や受信環境が悪い現場などでは、対応できる機材や工事が必要になるため、総額費用が高額になってくる傾向がございます。
テレビアンテナ設置には多くのメリットもございますが、戸建て住宅にアンテナを設置する初期費用については、ある程度の金額が必要になることはご承知おきいただきたく存じます。
新築または既存住宅へのアンテナ設置に関しては、以下の各コラム記事で詳しく解説しております。
・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?
・地デジ、衛星放送の各種テレビアンテナ設置工事にかかる時間はどれぐらい? 各種アンテナ工事費用の相場と合わせて徹底解説!
・新築戸建て住宅への地デジ、衛星放送テレビアンテナ設置工事費用の相場とは? 可能な工事の種類についても徹底解説(前編)
・新築戸建て住宅に設置する地デジ、BS/CSテレビアンテナの性能や機種の選び方は? 工事の費用相場も業者別に解説(中編)
・新築戸建て住宅への地デジ、衛星放送用テレビアンテナ設置工事でアンテナ取り付けが可能な住宅の位置を全解説!(後編)
・長く住む予定のない住宅ではコストパフォーマンスが悪くなる。
上記の件とも関係しますが、地デジ、BS/CSなどテレビアンテナの設置は、設置後の10年以上、場合によっては20年、30年にもわたって安定してテレビ放送を視聴できる半面、設置工事にはある程度の初期費用が必要となります。そのため基本的には、10年以上の長年にわたって住み続ける住居に適したテレビの視聴方法だと申せます。
逆に借家や賃貸物件。また将来の引っ越しを想定しているなど、居住する期間が限られる住宅では、当初のアンテナ設置費用に比べて、使用できる期間が短くなるため、コスパが悪いと申せます。
現在の住宅に長期間、お住まいになる予定がない場合には、アンテナ設置の費用と、後述するケーブルテレビなどを利用して、想定される居住年数で必要となる費用を比較して、テレビのご視聴方法を検討されることがおすすめです。
・借家や賃貸住宅などではアンテナを設置できない場合もある。
前項でも少し触れましたが、借家、賃貸アパートやマンションなど持ち家でない住宅に、無断でテレビアンテナ設置工事を行うことは基本的にできません。賃貸物件では多くの場合、賃貸契約にて、住宅そのものを傷つける各種工事は禁止されており、もちろんテレビアンテナ設置も禁止される工事に含まれます。
住宅の壁などに穴を開けるなどの必要がない、ベランダや窓の手すりなどに固定具を取り付けてのアンテナ設置については、契約に反しない場合もございますが、設置の前には物件の家主や管理会社などに相談し、許可を得ることが必須になります。
いずれにせよ賃貸物件では、上記した居住予定年数も踏まえて、テレビの視聴方法をお選びになる必要がございます。
賃貸物件へのアンテナ設置については、詳しくは以下のコラム記事をご確認ください。。
テレビアンテナを使用しないテレビ放送の視聴方法とは?
近年ではテレビアンテナで地デジや衛星放送の電波を受信せずとも、地デジ、衛星放送の各チャンネルを視聴できる方法がございます。
主な方法では、ケーブルテレビ(CATV)と光テレビが知られていますが、近年ではインターネットのサイトで、いわゆる「見逃し配信」や専用の配信サイトなど、地デジ、衛星放送などのチャンネルや番組を視聴できるサービスも増えております。
以下の項では、主に、ケーブルテレビ、光テレビによる地デジ、衛星放送のチャンネル視聴方法についてポイントごとにご紹介いたします。
ケーブルテレビ、光テレビとは何か?
「ケーブルテレビ(CATV)」とは、日本各地のケーブルテレビ会社や、その営業所が設置したケーブルテレビ局にある地デジ、BS/CSの大型アンテナから、周辺の対応エリアで契約したご家庭まで同軸ケーブルを直接、敷設して、有線でテレビ放送の電波を送信するサービスです。
対応するエリアは、各ケーブルテレビ局(会社や営業所)別に、都道府県内でも近接する一部の市町村など、比較的、狭いエリアで、主に地デジの弱電界地域から難視聴地域など、地デジ放送が受信しにくいエリアに向けたサービスになります。
ただ地デジ受信に特に問題のない市街地、住宅地などでも、ケーブルテレビ用のケーブルを使ったインターネット接続。また固定電話や格安スマートフォン。電気、ガス、保険その他のサービスをセットにして提供するケーブルテレビ会社もございます。
ケーブルテレビで視聴できるチャンネルは、地デジ放送では、基本的にそのエリアで受信できるNHK、広域民放および独立放送局の地方チャンネルになります。場合によってはそのエリアでの受信が難しい、近隣都府県の地方チャンネルを視聴できることもございます。
また各種BS放送、CS放送のチャンネルも視聴でき、有料チャンネルについては各種バックで視聴したいチャンネルを選択できます。近年のケーブルテレビ局では、大半が新4K8K衛星放送のチャンネルにも対応しております。
他にもケーブルテレビ局によっては、放送エリア内の地域密着情報などを放送する、局独自制作のコミュニティチャンネルを放送していることもございます。さらにテレビ放送とインターネットの配信サービスをセットで視聴できるプランが提供されていることもございます。
「光テレビ」とは、主にインターネット通信に使用されるフレッツ光などの「光回線」を用いて、やはり有線で地デジやBS/CSの映像信号を送信し、ご自宅にて各種テレビのチャンネルを視聴できるサービスです。
主にフレッツなど光回線を敷設する通信キャリア会社や、インターネット接続を提供するプロバイダなどが提供するサービスで、各社と光テレビの契約を行い、光回線に専用のチューナーやアダプターなどを設置して、ご自宅のテレビと接続することで、地デジ、BS/CSの各チャンネルがご覧になれます。基本的には、すでに光回線でインターネットを利用されているご家庭向けの追加サービスと言えます。
視聴できる地デジのチャンネルは、そのエリアで放送されるNHK、広域民放および、放送エリアに当たる地方チャンネルです。BS放送、CS放送についても無料チャンネルが視聴できる他、ケーブルテレビと同じく、有料チャンネルは個別契約や各種バックで視聴するチャンネルを視聴できます。また光テレビのサービスでも、大半が新4K8K衛星放送のチャンネルに対応しております。
他にも番組表や放送時間が決まっている一般的なテレビ放送のチャンネルとは異なり、視聴者側で好きな番組や作品を選んで、好きなときに視聴できるオンデマンドサービスを行っている光テレビもございます。
なおケーブルテレビをご視聴になるためには、まずご自宅までケーブル敷設工事を行う必要があり、その初期費用および、プランごとの月額視聴料金が必要となります。
光テレビも、ご自宅に光回線を開設していない場合が、光回線を敷設する他、光回線から映像信号をテレビに送る端末装置など各種工事などの初期費用。そしてやはりプランに応じた月額視聴料金が必要です。
ケーブルテレビ、光テレビのメリット。
主にテレビアンテナと比較したケーブルテレビ、光テレビのメリットには、以下のものが挙げられます。
・テレビアンテナが不要で工事によって住宅の外観や外装を損ねない。
ケーブルテレビや光テレビは、申し込み後、契約した住宅にケーブルテレビ局からのケーブルや光回線を敷設し、住宅内に、ケーブルテレビではSTB(セットトップボックス)、光テレビではルーターから回線終末装置や専用チューナーに接続し、そこからテレビなど受信機器に接続することでご視聴いただけます。
その配線工事も、電柱などからご自宅へそれぞれのケーブルを引き込み、接続するという簡単なものになります。したがって当然ながら、ケーブルテレビや光テレビでは、屋根の上に目立つアンテナを立てる。壁に穴を開けて設置するなどの工事を行う必要がなく、住宅の見た目や景観、または外装を損ねるといった心配がございません。
そのためアンテナ設置に制限が出る景観地域でも安心してご利用いただける。アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出す越境問題も生じないなどのメリットもございます。
・風雨や気候による受信不良やアンテナ機器の劣化が生じない。
もうひとつ、アンテナ設置の大きなデメリットが、現場の自然環境や受信環境によっては、アンテナの経年劣化が進みやすく寿命が低下し、トラブルも起こりやすくなる。また受信できる電波状態が弱いため受信レベルが安定せず、特に悪天候の際には画面の乱れなどが生じやすいという点になります。
しかしケーブルテレビ、光テレビではアンテナの設置が必要ないため、必然的にこれらの問題からも解放され、どのような環境の現場でも、さまざまなテレビ放送を安定して視聴できます。特に台風や大雪などの自然環境が厳しくアンテナがダメージを受けやすい地域や、弱電界地域以下で地デジ電波を受信しにくい地域では、アンテナ修理の必要が生じない、ケーブルテレビや光テレビが適しているといえます。
・各種サービスとセットにすることで、総額の費用が割安になることもある。
テレビアンテナに比べたケーブルテレビ、光テレビのデメリットとしては、やはり月額料金が発生するというイメージが強くなります。
ただ前述のように、現在ではケーブルテレビ会社も、テレビだけでなく、ネット回線や格安スマホ、固定電話、電気や保険その他、生活に関連するサービスを数多く提供しており、テレビ以外のサービスにも加入することで、全体の料金が割引になるサービスもございます。
加入するサービスの数や種類によっては、各サービスを別会社で個別に利用するより、費用面では大幅な割安となり、ケーブルテレビの月額料金を含めても、総額ではお得になるケースも多くなります。さらに各サービスの提供元が同じになるため、月額料金のお支払いやサポート先なども一本化され、各種の手間が簡単になるメリットもございます。
光テレビもフレッツ光など会社によって異なりますが、インターネット回線の他、格安スマホやポケットWi-Fi、光電話。その他サポートサービスなど、各種サービスを用意しており、やはりセットで加入することで総額が割安になる場合もございます。
また初期加入時に必要な工事や機材などの費用も、複数のサービスに加入することで、大幅なキャッシュバックが受けられることもあり、初期費用がかなり抑えられる場合もございます。他にもケーブルテレビ、光テレビとも、二年または三年契約など、一定期間、契約を続けることを条件に、月々の利用料金が割引になるサービスを提供している会社もございます。
これらのサービスを利用することで、いったんアンテナを設置すれば10年以上にわたって無料で視聴できる半面、初期設置費用に一定の金額が必要になるアンテナ工事に比べても、長期的なランニングコストでは大きな差がないか、逆にお得となるケースもございます。
・多くの有料チャンネルを視聴できるパック料金では、アンテナ設置より視聴料金が低価格になることもある。
前述の通りBS放送やCS放送の有料チャンネルは、月額契約で1チャンネル単位から契約できる他、特にCS放送では、複数のチャンネルをまとめたパック契約で割安になるプランも用意されております。そしてケーブルテレビや光テレビでは、より多チャンネルを視聴できる大型のパックプランが割安で用意されていることもございます。
例えば家族で個々のお好みに合わせたさまざまなチャンネルを視聴したい。思いくままに多くのチャンネルを楽しみたい方には、ケーブルテレビや光テレビのプランがお得になるケースもございます。
詳しくはお住まいのエリアで利用できる各ケーブルテレビ、光テレビのチャンネル視聴プランをご確認ください。
・サービス会社によってはスマートフォンなどの端末でテレビが視聴できる。
前述のように、ケーブルテレビ、光テレビでは、Wi-Fiや格安スマホなどのサービスもセットで提供している会社が多くなります。そしてこれらのサービスをご利用になる場合、お手持ちのスマートフォンやタブレット、パソコンなどでも、アプリなどによって、テレビと同じように各種テレビ放送を視聴できるサービスを提供している会社もございます。
このようなサービスを利用すれば、ご自宅のどの場所でもタブレットなどでテレビ放送をご視聴になれるほか、スマホでは外出先でもご自宅と同じようにテレビ番組を視聴できる。また録画予約なども可能になり、テレビ番組の楽しみ方が大幅に広がります。
ケーブルテレビ、光テレビのデメリット。
逆にケーブルテレビ、光テレビのデメリットには、以下のような点が挙げられます。
・初期工事作業や費用の他、月額視聴料金が必要になる。
前述のように、ケーブルテレビ、光テレビの契約には、初期工事や機材の設置と、その費用、そして月額料金が必要となります。
工事そのものは電柱などからご自宅にケーブルを引く簡単なもので、さほど時間もかかりませんが、基本的な初期費用としては、ケーブルテレビの場合、テレビのご視聴だけで20,000円から40,000円程度。固定電話やインターネットなどもご利用になる場合には、追加工事費用も加算されてまいります。
光テレビの場合は、すでに光回線が開通している住宅では、光テレビ開通の初期費用は、視聴するテレビの台数などによっても変わりますが、20,000円弱から30,000円強程度です。また光回線を設置していない住宅では、まず光回線の開設、インターネット契約の工事や費用も必要となります。
ただいずれにせよ、戸建住宅に地デジとBS/CS双方のテレビアンテナを設置する工事費用に比べると、初期費用は安くなると言えます。
視聴料金については、ケーブルテレビの場合は会社によってさまざまで、地デジの無料チャンネルだけなら1,000円台。そこにBS放送の無料チャンネルを加えれば2,000円台。その他、さまざまな追加プランがあるほか、地デジ、BS放送、CS放送の多チャンネルがすべて視聴できて8,000円から9,000円台程度のコースのみというケースもございます。
光テレビはやや月額料金が低くなり、やはり会社によっても異なりますが、地デジとBS放送の無料チャンネルであれば1,000円以下。そこに有料チャンネルを1チャンネル単位から視聴できる。またさまざまなパックプランが用意されていることもございます。
もちろんメリットの項でご説明した通り、ケーブルテレビ、光テレビとも、各種サービスとセットでのご契約により、初期費用などが大幅に割安となるキャッシュバックサービス。また複数サービス利用による割引で、総額では月額費用もお得になるケースもございますので、総合的にはアンテナ設置よりお得になる場合も多くなります。
ただアンテナ設置を含めて、実際にどのテレビ視聴サービスを利用するのがもっともお得と言えるかは、各サービスのメリット、デメリットを踏まえて、アンテナによる受信に適した環境か。またサービスを利用し続ける想定年数、その他のサービスをどれだけ利用するかなど、個々の条件によって異なってまいります。
まずはご自宅の条件に合わせて、想定される視聴年数を視野に入れた費用で、どのサービスがもっともお得かの試算。ご自宅の条件や周辺環境。ご利用されるその他サービスなどを総合的に勘案し、もっともコスパが高い方法をお選びになる必要がございます。
・サービスによっては、複数台のテレビでの視聴に追加料金がかかる。
サービスを提供する会社にもよりますが、ケーブルテレビや光テレビをご利用の場合、ご自宅のテレビの台数が1台増えるごと、または一定台数以上になると、設置時の費用や月額料金に台数ごとの追加料金が加算されるケースもございます。
したがってご自宅に多数のテレビを設置される場合には、月額費用が割高になり、コスパが悪化することも考えられます。
ただ業者によっては台数ごとの追加料金が発生しない。または追加料品が発生しない台数の上限が多いなどで、実質的に問題にならない場合もございます。やはりご利用を想定されているケーブルテレビ、光テレビなどで、台数の条件や追加料金についても、あらかじめご確認されておくことがおすすめです。
・有料チャンネルを個別契約できないケースもある。
前述のように、特にケーブルテレビでは、サービス会社によっては、地デジやBSの無料チャンネルを除き、CSなどの有料チャンネルについては、チャンネルごとの個別契約ができず、数チャンネルから多数のチャンネルがセットになったパックでしか契約できないこともございます。
これらのパックは、BS/CSアンテナで同じ数の有料チャンネルを視聴する場合より安くなるケースが多くなりますが、特定の1チャンネルを一定期間だけ視聴したいなどの場合も、その他のチャンネルとセットで契約しなければならず、価格的には割高になってしまう場合もございます。
この点についても、もちろん光テレビやケーブルテレビのサービスによっては、有料チャンネルを1チャンネル単位で契約できることもございます。やはり各サービスにて、チャンネル契約のプランやパックをあらかじめご確認されることが重要となります。
・テレビ以外のサービスをセットで利用する場合、各サービスの選択肢が狭まる。
上記の通り、ケーブルテレビ、光テレビの月額料金、初期費用は、各サービス会社が提供するテレビ以外のサービスとセットで利用することで割引が受けられ、総額ではテレビの視聴料金を含めても、毎月のお支払いが割安になるケースもございます。
特にケーブルテレビに関しては、サービス会社によってテレビ以外にも、ネット回線や格安スマホ、固定電話、電気、ガス、ホームIoT、その他、健康や生活に関するご相談サービスなど、さまざまなサービスを提供している業者もございます。
ただ月額料金を割安にするには、これらのサービスの多くに加入される必要がございます。この点に関しては、サービス会社を一本化することによるメリットの半面、他社で同種の魅力的なサービスがあってもご利用できないデメリットも生じますので、注意が必要です。
・ケーブルテレビの場合、インターネットの接続速度が光回線より遅くなる。
いわゆる光回線とは、光ファイバーと呼ばれる通信回線(ケーブル)を使って、光信号でインターネット通信やテレビ信号などのデータを送受信する形式で、外部からの影響をほとんど受けず高速の通信が可能となり、長距離のケーブルでも通信速度が低下しにくいなどの特徴がございます。
一方、ケーブルテレビでは、現在でのアンテナケーブルなどにも使われる「同軸ケーブル」を使用し、電気信号によりテレビやネットなどの各種信号を送受信する形式が主流です。同軸ケーブルは光ケーブルに比べると、電磁波の影響を受けにくく、光ケーブルを利用できない場所や地域でも敷設できることがございます。一方で通信速度は光ケーブルに比べると遅くなります。
したがってケーブルテレビによるインターネット通信は、光回線に比べると、どうしても遅くなってまいります。
光回線、ケーブルテレビとも、実際の通信速度は利用環境などによっても異なりますが、理論値の最大通信速度で、光回線が1Gbpsから10Gbpsに対し、ケーブルテレビでは120Mbpsから1Gbpsとなり、およそ10倍近い差が出てまいります。
なお「Mbps」「Gbps」とは「メガビット/ギガビット毎秒」といい、1秒間に何ビットの情報を送信できるかを示す単位です、1Mbpsでは毎秒100万ビット(1メガビット)。1Gbpsでは毎秒10億ビット(1ギガビット)のデータを伝送できることになります。
ケーブルテレビの通信速度でも、一般的なインターネット利用であれば、大きな問題が出ることは少なくなります。ただオンラインゲームや大容量のデータを送受信する場合には、支障が出る場合もございますので、ご注意ください。
・解約時に違約金が発生する場合もある。
前述したケーブルテレビ、光テレビの二年契約、三年契約などのシステムは、一定期間、契約を続けることを条件に、月々の利用料金が割引になるサービスです。したがって契約期間の満了前に解約手続きを行うと、違約料の支払い義務が発生してまいります。
また契約期間後に解約をお考えの場合には、契約満了からお早めに手続きを行われないと、契約の自動延長が行われ、引き続き何年かの契約期間が発生することもございます。これらの点にもご注意が必要です。
インターネットやスマートフォンなどで各種テレビ放送を視聴できるか?
スマートフォンなどの携帯端末で地デジ放送を視聴する方法としては「ワンセグ・フルセグ」が現在でもよく知られております。
ワンセグ放送とは、かつての携帯電話、いわゆるガラケーなど小画面の携帯端末を対象にした、低解像度のテレビ放送です。対する一般的な画質の地デジ放送をフルセグと呼びます。なおワンセグ・フルセグとも地デジ放送であるため、インターネットへの接続は必要ございません。
しかし近年では、大画面で高画質の映像が視聴できるスマホや、インターネットの動画配信が発展したなどの要因から、スマホなどでもワンセグ・フルセグ機能を搭載するものは少なくなっております。現在のワンセグ対応機器はカーナビゲーションシステムやアウトドア用、防災用の携帯テレビ兼ラジオなどが中心になります。
そしてインターネットのテレビ番組配信サイトとしては、現在では各広域民放のテレビ局や、一部の独立放送局が参加する公式動画配信サービス「Tver」。また「スカパー!」のインターネット配信サービス「SPOOX」「スカパー!番組配信」などが登場しております。
他にも広域民放や独立放送局が独自に公式の番組動画配信用「YouTube」チャンネルをもつ。また専用のアプリや配信サイトで、主に自社制作のテレビ番組配信を行うなどの例が見られます。
またインターネット上で独自の番組表によって、ドラマ、アニメ、ニュース、バラエティ、スポーツ、格闘技など、ジャンルごとのチャンネルで独自の番組表によってさまざまな番組を放送する「ABEMA(アベマ)」などのサービス。「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「Hulu」など、月額料金制により、映画やオリジナル番組から、人気のテレビ番組まで、さまざまな映像コンテンツが視聴できる、映像サブスクリプション(サブスク)、ビデオ・オン・デマンド(VOD)のサービスなどが数多く存在します。
これらのサービスは、広域民放の番組であれば、放送中の番組の最新放送回について一定期間、無料で見逃し配信を行う。また有料サービスでは過去の回や、過去に放送されたさまざまなテレビ番組、映像作品を視聴できるというメリットがございます。
ただ、基本的には各サイトにおいて、配信されているコンテンツ(テレビ番組)を選択する形での視聴になります。配信される番組は、放送中のテレビドラマやバラエティ番組が中心で、再放送や映画放送枠、報道番組などは配信されません。またこのような配信サイトでは、地デジ、衛星放送のテレビ放送とは異なり、HDDやブルーレイなどへの録画はできなくなっております。
総じて、これらのサイトは、ご自分でお好みの番組を自由な時間に視聴できるなど、利用法によっては通常のテレビ放送とは異なる楽しみ方ができます。半面、地デジや衛星放送の各チャンネルと同じ番組表で、決まった時間に同じ番組を放送しているわけではございません。
インターネット上のテレビ番組配信サイトは、実際のテレビのチャンネルとは、やや性質が異なるものと理解される必要はございます。
住宅の外部から見えにくくなるテレビアンテナの設置方法とは?
ここまでの記事でも少し触れましたが、住宅にテレビアンテナを設置したくない理由が、家のデザイン性を崩したくない。外装を傷つけたくない。またアンテナが自然環境に影響されやすい、などの場合には、その対策となるアンテナ商品や設置方法もございます。
・デザインアンテナやユニコーンアンテナなどを利用する。
家の外観を崩さない地デジアンテナとしては、まずデザインアンテナが挙げられます。デザインアンテナは壁やベランダの手すりなどに貼り付ける形で設置される薄型のアンテナで、カラーバリエーションも豊富なため、住宅に設置しても目立たず、見た目に影響を与えにくい商品になります。またその形状から風雨や雪などにも影響を受けにくくなります。
強電界地域専用の機種では、通常のデザインアンテナより小型のコンパクトモデルもあり、このような商品では付属スタンドを使用して、屋内設置も可能です。
ただデザインアンテナは、本体の受信性能(主に20素子相当、26素子相当)に加え、設置位置が低くなることから、基本的には強電界地域、中電界地域向けの機種であり、また該当エリアでも高層建築物の近くや住宅密集地などでは十分な受信ができないこともございます。
そのような場合は、ポール状の外観でマストの先に立てるユニコーンアンテナが役立ちます。ユニコーンアンテナの設置位置は、八木式アンテナと同じ屋根の上や、サイドベースを使用して屋根の張り出し部、壁面の高所に設置する形になります。
本体の受信性能(20素子相当)はデザインアンテナと大差なく、やはり主に強電界地域、中電界地域向けの商品ですが、スタイリッシュな外観と、落ち着いた白と黒のカラーバリエーションでやはり住宅の外観を乱さず、風雨を受け流す形状で自然環境にも影響されにくくなります。
さらに設置位置を高く取れることから、周辺環境によりデザインアンテナでは地デジ受信が難しい現場でも、ユニコーンアンテナであれば、受信が可能となるケースが多くなります。
他にも、強電界地域専用の地デジアンテナで、受信性能は低い簡易的な商品になりますが、室内アンテナや、やや大型の屋内屋外兼用アンテナを使用すれば、工事不要で家の外観や外装に影響を与えず、風雨にも影響されにくくなります。
BS/CSアンテナであれば、住宅の色に合わせたカラーバリエーションの利用で、ある程度、目立たなくすることもできます。
上記の各種アンテナについては、前述、および以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・面倒な工事も不要!2,000円で地デジ放送を楽しめる「室内アンテナ」について!
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・対候性の高いアンテナを使用して設置位置を工夫する。
風雨や雪など天候、気候への強さを重視する場合には、前述の通り、八木式アンテナでも塩害、雪害用モデルを使用する。BS/CSアンテナでは高耐風モデルを使用する方法がございます。また設置位置の工夫も、住宅の外観性と対候性を向上させる上では有効です。
デザインアンテナに限らず、各種アンテナを設置具により壁面やベランダの内外に設置することで、外部から見えにくく、風雨などを避け屋くすることも可能です。また八木式アンテナであれば軒先やベランダの天井から吊り下げる設置法もございます。
ただこれらの設置法に関しては、地デジ、衛星放送の電波を十分に受信できる位置である必要がございます。
他にも、住宅の外観や外装に影響を与えず、アンテナへの天候などの影響も避けることができる方法として、デザインアンテナを天井裏や屋根裏空間に設置する。BS/CSアンテナを専用スタンドで室内の窓際に据え置き設置するなどの方法がございます。
ただこの方法は、デザイナアンテナに関しては、まず強電界地域で、建材や屋根材が地デジ電波を通しやすい素材である。屋根の上に電波を遮る太陽光パネルや冬場の積雪などがない。屋根裏空間への出入り口や設置可能なスペースがある、などの条件が必要となります。
BS/CSアンテナについても、東経110度を向いて、その先に障害物のない大きな窓がある。その窓ガラスが12GHz帯の電波を通しやすいシンプルな一枚板の透明ガラスである。窓際にBS/CSアンテナを設置できるスペースがあるなどの条件が必要です。さらにBS/CSアンテナを置くだけであるため、誤ってアンテナに触れることで角度がずれやすいなどのデメリットもございます。
これらのアンテナ設置方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
アンテナを使わないテレビ視聴方法・まとめ
本記事でご紹介したテレビアンテナ設置とケーブルテレビ、光テレビは、それぞれ一長一短があり、必ずしもどれが優れているといえる方法ではございません。したがって、テレビアンテナなしでのテレビご視聴をお望みのお客様については、まずその理由や必要な条件を明確になされた上で、最適と言えるテレビの視聴方法をお選びになることがおすすめです。
なおテレビアンテナとケーブルテレビ、光テレビの比較や、乗り換えの方法などは、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・徹底解説!ケーブルテレビ(CATV)・光テレビの基礎知識と解約してテレビアンテナに乗り換える工事の方法とは?
・ケーブルテレビや光テレビの解約後、テレビアンテナ工事へ乗り換える手順は? どちらがお得かコストや費用も徹底比較!
・テレビ放送の視聴方法3選・徹底比較!(テレビアンテナ・光テレビ・ケーブルテレビ(CATV)
・テレビを視聴する方法「テレビアンテナ」「光テレビ」「ケーブルテレビ」はどう違うの?
当あさひアンテナは、アンテナで住宅の外観を崩したくない、また電波状態や周辺環境などにより、安定した受信が難しいと思われる現場においても、綿密な電波調査によって可能な限り、外部からアンテナが見えない、安定した受信が実現できるなど、お客様のご要望に最適となるアンテナ工事の方法をご提案いたします。
そしてもし現場におけるアンテナ設置の条件が厳しく、ケーブルテレビや光テレビをご利用になる方が、お客様のご要望に適しておりお得だと思われる場合には、決してアンテナ工事にこだわることなく、それらの方法をおすすめいたします。
また弊社では、アンテナ工事前の電波調査、お見積もりも、出張費、キャンセル費なども不要の完全無料で実施しておりますので、お見積もりだけでもお気軽にご依頼いただけます。
地デジ、BS/CSの各種アンテナ工事も、国産有名メーカーの高性能アンテナ本体や基本部材、防水加工などをセットにして、業界最安に挑む低価格でご提供しております。さらに工事の完了後には、業界最長クラスである「10年保証」のご用意もございます。
これらのサービスも含めて、可能な限りケーブルテレビ、光テレビよりもメリットの多い、お客様のご要望に応じたアンテナ工事のご提案をいたします。
テレビアンテナ設置か、ケーブルテレビや光テレビのご利用かでお悩みのお客様は、まずはどの方法がもっともお得かをご判断されるためにも、当あさひアンテナまで、お気軽にご相談いただければ幸いです。