新築戸建て住宅にテレビアンテナを設置できる場所とは? 工事に使えるアンテナの種類と選び方、費用の相場も解説!
新築住宅など、一戸建て住宅のお住まいに、地デジ(地上デジタル放送)や衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)などのテレビアンテナ工事を行う際にも、今日ではさまざまな選択肢がございます。
最近では、地デジ、衛星放送のテレビ番組の視聴方法にも、ケーブルテレビの他、インターネットの光回線による光テレビ(ひかりTV)などのサービスをご利用する方法がございますが、一戸建て住宅においては、テレビアンテナの設置がもっとも安心で、余計な月額の視聴費用なども掛からず数々のテレビ番組やコンテンツをお楽しみいただける、コストパフォーマンスの高い方法であると言えます。
地デジアンテナには多くのアンテナ機種が存在する他、アンテナ工事技術の進歩により、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、屋根の上だけでなく、住宅の壁面やベランダの柵、さらには屋根裏空間など、さまざまな場所へのアンテナ取り付けも可能になっております。
またお客様の側でも、新築住宅へのテレビアンテナ工事に関して、安定した受信性能はもちろん、現場の条件や環境によって「風雨などに影響されにくい頑丈なアンテナ工事を」「アンテナ設置で住宅の見た目を変えたくない」など、さまざまなご要望がございます。
当コラムでは今回、戸建て住宅における「テレビアンテナは戸建て住宅のどこに設置できるか」をメインテーマとして、現時点の最新データに基づき、ご新居などのお家で、アンテナ設置を設置できる、住宅の屋根や壁などの位置や状況ごとに、そのメリットとデメリット、またその位置への設置に適したアンテナ機種、安定した受信ができる条件やプロのアンテナ工事業者などの詳細を一覧でご説明してゆきます。
当コラムの内容や情報をご検討の参考に、お客様のお住まいとご要望に最適となるBS/CSアンテナ、地デジアンテナ取り付けの場所を見出していただければ幸いに存じます。
テレビアンテナの種類と重要なポイント
ここではまず、戸建住宅に設置される地デジ、BS/CSアンテナ等、主なテレビアンテナ主要機種の種類や概要と、アンテナ機種やアンテナ工事の設置位置を選ぶ上で、重要となる要素をご説明いたします。
地デジアンテナ:八木式アンテナ
これはアナログテレビ放送時代から使われている、矢印のような骨組みに短い横棒がいくつもついて、魚の骨のような形に見える、昔ながらの地デジ用テレビアンテナです。
八木式アンテナは、指向性が高い、素子が露出したシンプルな設計の素子アンテナであることなどから、アンテナ本体の基本的な受信性能が高く、さらに基本的な設置位置が屋根の上などの高所であるため、周辺の障害物などの影響を受けにくくなり、他の地デジアンテナ機種に比べても、より高い地デジ受信感度を確保できます。
八木式アンテナ本体の各種モデルでは、本体に設置された地デジ電波を受信するパーツであり、その数がそのまま受信性能を示す「素子数」別で、8素子、14素子、20素子などが幅広いモデルがございます。
さらに一ヵ所に複数の素子部品を設置した高性能素子を使用し、28素子、30素子の多素子モデルも存在することから、通常モデルの数倍の受信性能を誇る超高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)と呼ばれるモデルも存在します。
総じて八木式アンテナは、地デジアンテナとしてはもっとも高い受信性能を誇り、日本国内でももっとも幅広いエリアで使用できます。また古くから使用される古典的でシンプルな構造から、アンテナ本体価格や設置費用も、地デジアンテナではもっとも低価格になります。
ただデメリットとしては、機器部がむき出しの古典的な形状で高所に設置される分、風雨や雪、潮風などの自然環境に影響されやすく、経年劣化が進みやすい。そのため寿命が10年程度と短くなり、指向性の狭さからアンテナ角度のズレなどトラブルも生じやすい。
また屋根の上で独自の形状が目立つため住宅の外観や周辺の景観を乱すこともあり、景観地域では設置を制限される場合がある。お住まいの方にも手が届きにくく、メンテナンスなどに専門業者を依頼する手間や費用がかかるなどの難点もございます。
なお風雨や雪などの影響については、八木式アンテナでも設計や素材の工夫で対候性を高めたステンレスモデル、塩害用モデル、雪害用モデルなどを採用することで、ある程度の対策になり得ます。
なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナ取り付けについては、DXアンテナ製、20素子モデル高品質アンテナ「UA20」本体と屋根馬、マストなどの基本設置具、同軸ケーブル、防水処理をセットにした基本工事料金「15,000円(税込み)」からでご案内しております。
他にも八木式アンテナでは、各素子数モデル、パラスタックアンテナから、ローチャンネル用、ロー・ミドルチャンネル対応モデル。ステンレスモデルや塩害用、雪害用モデルなど取り揃えており、地デジ受信環境から自然環境まで、さまざまな現場での八木式アンテナ取り付けにご対応いたします。
八木式アンテナについては、以下のコラム記事についても詳しい解説がございますので、よろしければご確認ください。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
地デジアンテナ:デザインアンテナ
デザインアンテナとは、地デジアンテナの一種を指します。一般的には壁面などに設置する長方形のパネル型をした、平面アンテナ、壁面アンテナ、フラットアンテナなどと呼ばれる、薄型軽量のアンテナを指します。
薄型アンテナとしてのデザインアンテナは、八木式アンテナに続いて、2009年(平成21年)ごろに普及しはじめた、地デジアンテナの第二世代になります。
デザインアンテナは、主に家の外壁やベランダの枠などに設置でき、同じモデルでもカラーバリエーションも豊富なため、目立たず住宅の外観性や周辺の景観を崩さない。風雨や雪などに影響されにくく、老朽化や故障のリスクも低減でき、寿命も15年から20年程度と長くなるといったメリットがございます。
一方でデザインアンテナは、素子が露出していない、指向性が広いなどの要因で本体の受信性能がやや低くなるほか、多くの場合、屋根の上に比べると低い位置に設置されるため、受信感度では八木式アンテナに及びません。
デザインアンテナの受信性能は、外部から素子が見えないことから「素子数相当」で表記されます。そして屋外に設置される主なデザインアンテナの基本モデルで、20素子相当、26素子相当の二種類と、それぞれのブースター内蔵モデルになります。
他に、3素子相当や16素子相当など受信性能が低く、強電界地域向けの機種になる分、サイズが小さく、屋外と屋内の双方に設置できるコンパクトモデルなども存在します。
そのため後述する弱電界地域など、受信できる地デジ電波が弱いエリア。また近隣に高層建築がある、住宅密集地など障害物が多い現場では、十分な地デジ電波が受信できず、壁面などには設置できないこともございます。また本体価格、設置工費も八木式アンテナよりやや割高になります。
なおデザインアンテナという名称は、広義にはアンテナ本体部分をカバーなどに収め、デザイン性を考慮しつつ、風雨などへの抵抗力を高めた地デジアンテナを指し、後述のユニコーンアンテナや、八木式アンテナの本体部に樹脂カバーを装着したような形状の、横型アンテナと呼ばれるモデルなどが含まれることもございます。
当あさひアンテナでは、デザインアンテナに関して、DXアンテナ製、高品質20素子相当モデル「UAH201」。もしくは強電界地域専用のコンパクトモデルであるマスプロ電工製、屋外屋内兼用モデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」を、各カラーバリエーション込みでご用意しており、アンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどをセットにしたの基本設置工事を「20,000円(税込み)」からでご提供いたしております。
またデザインアンテナについても、基本モデルの他に、26素子相当モデル、ブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、現場の条件で取り付け可能な限り、デザインアンテナ設置にご対応いたします。
デザインアンテナの各機種や設置位置、また受信性能に関係する失敗を避けるポイントなどは、以下の各コラム記事にて詳しくご説明しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
・ブースター内蔵の屋外用地デジアンテナとは?テレビ受信レベルが低くなる原因と対処法、低い受信レベルを上げる方法や製品を解説
地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、マスプロ電工社が発売した、最新鋭の地デジアンテナ「U2CN」というモデルの名称(登録商標)であり、ポールの先に円筒形に近いアンテナ本体が装着された、スタイリッシュなモデルとなっております。
ユニコーンアンテナは、マストの先に本体を立てて固定できる構造になっており、屋根の上、屋根の張り出し部である破風板や壁面の高所など、基本的にアンテナ本体が屋根の上に位置するよう設置されます。
そのメリットは設置位置が高くなるため、デザインアンテナに比べて、地デジの受信感度を確保しやすい。見栄えのよさから、住宅の外見や景観の邪魔にならない。形状から風雨などに影響されにくく、老朽化やアンテナトラブルなども低減でき、寿命が15年から20年程度と長くなるなどの長所がございます。
このようにユニコーンアンテナは、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを融合したモデルになりますが、一方でそのデメリットとしては、本体の受信性能は20素子相当のみながら、アンテナの本体部分の面積が小さいため、同じ設置条件では八木式アンテナに比べて受信感度で及ばないこと。
また現状の最新モデルにあたるため地デジアンテナでは本体価格、設置工費がもっとも高価となる点などがございます。
なお当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナ本体と設置具、ケーブルなど基本部材をセットにした基本設置工事を、現在、業界最安に挑む「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEアカウントまで、お気軽にお問合わせください。
その他、ユニコーンアンテナ本体や設置のポイントなどについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
衛星放送用アンテナ:BS/CSアンテナ
これは地デジアンテナではなく、衛星放送であるBS放送、CS放送を受信するためのテレビアンテナです。
BS/CSアンテナは、日本国内の地上から見て、常に上空の同じ位置に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、光のように直進して送信される衛星放送のテレビ電波(12GHz波)を受信するため、基本的には電波を受け止め、中央に集中する形で反射させて、一次放射器で受け止め、受信する皿のような円盤状の「ディッシュ(放物面反射器)」をもつパラボラアンテナになります。
一戸建て住宅において、BS/CSアンテナは、主に地デジアンテナを設置した後、お客様のご要望によって追加設置されるアンテナになります。また衛星放送の電波は、宇宙空間から地上までの長距離を送信されるため、前述のように12GHz帯と呼ばれる、非常に周波数帯が高い電波が使用されます。
ただ12GHz帯の電波はそのままアンテナケーブル(同軸ケーブル)で送信すると減衰量が大きくなるため、BS/CSアンテナで一次放射器を一体化した「コンバーター(変換器)」でMHz帯の電波に変換されてから送信されます。
そしてこの周波数帯の変換のため、BS/CSアンテナには、配線部のブースター電源部や、テレビなど受信機器のBS/CSチューナーから給電する形で電源が必要となります。
2024年(令和6年)時点の今、販売されるBS/CSアンテナのモデルはすべて、2018年(平成30年)よりスタートした「新4K8K衛星放送」に対応できる、2K4K8K対応型になります。
BS/CSアンテナのの本体色は、ほとんどが太陽光の影響を避ける白色系ですが、中には太陽光に影響されにくい塗料を用いた黒色(ブラック)などのカラーバリエーションモデルもございます。
またパラボラアンテナはディッシュ部の大きさにより、受信性能(受け止めることができる電波の量)が変わり、BS/CSアンテナでは一般住宅向けの45型(ディッシュの有効直径が45センチ)の他、50型、60型、75型、90型、120型など、主にアパート、マンションなど集合住宅での共同受信用などに使われるモデルが存在します
他にもディッシュ部をメッシュやパンチングホール仕様にすること、接合部の強化などで、耐風性などを向上させた高耐風モデルも存在します。
ここに記したBS/CSアンテナの基礎知識や各モデル、設置方法、新4K8K衛星放送への対応などについては、以下の各コラム記事に詳しい解説がございます。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
戸建て住宅にテレビアンテナを取り付ける位置で重要なポイントとは?
地デジ、BS/CSの各種テレビアンテナ設置位置を決める上で重要となるのは、主に「受信性能」「対候性」「外観性」「メンテナンス性」の4点です。
ただこれらの要素は、ひとつを重視すると他の要素が弱まることもあり、総合的に優れたテレビアンテナ工事のためには、現場の条件を踏まえて、現場ごとに優先する要素を決め、最適となるアンテナ設置位置、およびテレビアンテナの機種を選択する必要がございます。
以下、この4つの要素についてご説明いたします。
受信感度、受信性能
これは地デジ、衛星放送とも、その場所にテレビアンテナを設置して、安定したTV電波の受信が可能になるかどうかという点です。
地デジ放送の仕組みは、日本国内の要所に数多く設置された地デジ電波塔から、その周辺の一帯に、ある程度、広がりやすく障害物を乗り越えることができる。また建材に問題がなければ住宅の屋根や壁を通り抜ける性質もある、UHF波(極超短波)のうち、40センチから60センチ程度の波長の幅を持つ、470MHzから710MHzまでの周波数帯の電波を送信しております。
そのため地デジ電波は、電波塔からの距離と、電波を遮る山地など地形の影響で、日本国内でも、エリアごとに受信できる電波レベルの強さが変動します。
この受信できる電波レベルでエリアを区分けしたものが強電界地域、中電界地域、弱電界地域の、いわゆる電界地域であり、この電界地域ごとに、適した地デジアンテナ機種や受信性能、設置できる位置などが限られてまいりますのでご注意ください。他にも、また強電界地域など地デジ電波レベルは強いエリアでも、現場の周辺に高層建築物など、地デジ電波を妨げる障害物がある場合も、電波状態が悪くなってまいります。
衛星放送の仕組みは前述の通り、地球の赤道軌道上、約36,000キロの上空で、地球の自転に同期して宇宙空間を周回しているため、地上からは上空の一点に静止しているようにみえる人工衛星「静止衛星」から、放送電波を送信しております。
静止衛星から地上へと送信される電波は、UHF波よりもはるかに周波数帯が高い、マイクロ波のうちセンチメートル波(SHF波)と呼ばれる電波です。衛星放送ではその中でも12GHz前後、波長の幅が25ミリ前後の周波数帯が使湧得れるため「12GHz帯」の電波とも呼ばれ、この電波は直進性など光に近い性質を持つのが特徴です。
このような形式から、衛星放送の12GHz帯の電波を受信するためには、BS/CSアンテナを、静止衛星の位置する東経110度(南西方向)へとディッシュの正面を向け、仰角(上下)、方位角(左右)ともミリ単位で正確に調整する必要がございます。
また正確にディッシュの角度調整を行っても、BS/CSアンテナと静止衛星との間に山林や建築物をはじめ、樹木や枝葉、洗濯物などわずかな障害物がある場合も、12GHz帯の電波が遮られてしまい、衛星放送が受信できなくなります。
TVアンテナ本体の性能では、前述の通り、地デジアンテナには、各素子数(相当)の機種があり、強電界地域では8素子から14素子、中電界地域では14素子から20素子、弱電界地域では20素子以上のモデルが適しております。
また地デジアンテナには、アンテナの正面側、一定の角度(半値角)の範囲でのみ受信性能が高まる「指向性」という性質があるため、アンテナの正面側を近隣の電波塔に向けられる、また周辺の障害物にも影響されない場所に設置する必要がございます。
BS/CSアンテナでは、前述の通り一般住宅用では45型モデルが主になりますが。ディッシュ部がより大型となる50型、60型などのモデルもあり、衛星放送の受信環境が悪いエリアや、12GHz帯の電波が乱れる大雨、大雪の際でも安定した受信を実現できます。
そして地デジ、BS/CSとも、テレビアンテナ設置の位置で受信感度を高めるためには、戸建住宅であれば屋根の上など、高所へのアンテナ工事が基本となります。
屋根の上など高所へのアンテナ設置では周辺の障害物などの影響を受けにくくなる他、アンテナの角度調整も全方向へと行いやすくなるため、地デジであれば中電界地域から弱電界地域でも、安定した地デジ受信を見込めます。
ただ一方で高所へのテレビアンテナ設置は、雨や雪、強風など天候や災害による被害や影響を受けやすい。住宅の高所で目立ってしまう。アンテナに手が届きにくいなどのデメリットも生じるため「対候性」「外観性」「メンテナンス性」で難が出てまいります。
ここでご説明した地デジ放送や衛星放送の性質、また指向性などテレビアンテナの性質については、以下の各コラム記事でも項目ごとに詳しくご説明しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
対候性
基本的にテレビアンテナは、地デジ、BS/CSアンテナとも主に屋外に設置されるため、長年にわたって自然の雨風や雪などを受けることになります。また海沿いのエリアでは、潮風の影響によりサビが進行しやすくなる「塩害」も生じます。
このような環境下では徐々にアンテナの老朽化が進行する上、アンテナの老朽化に、激しい台風や積雪などの影響が重なると、しばしばアンテナ位置のズレや各部の故障などが生じて、アンテナ修理が必要となることもございます。
台風や積雪が多い、また海沿いなど自然環境が厳しいエリアでは、テレビアンテナ設置の位置やアンテナ本体の性能により、気候などの影響を抑える「対候性」を重視する必要がございます。
対候性が高い地デジアンテナには、壁面などに設置する平面型のデザインアンテナ。ポール状のユニコーンアンテナ。また八木式アンテナに樹脂カバーを設置したタイプや、素材、設計で対候性を高めた雪害用、塩害用のモデルなどがございます。
BS/CSアンテナでは、ディッシュに無数のパンチングホールを開ける。太いマストや強力なマスト押さえ金具の採用。コンバーターアームとディッシュ下部を固定するなどの工夫により、耐風性能を高めた機種もございます。
そしてアンテナ設置の位置で対候性を高めるアンテナ工事としては、アンテナ機種を問わず壁面にアンテナ取り付けを行う。またベランダの内外、屋根裏空間など、風雨を避けやすい位置へアンテナを設置する方法がございます。
しかしこれらのアンテナ設置は、屋根の上に比べて位置が低くなる分だけ、障害物などの影響も受けやすくなり、受信感度もやや低くなります。また角度調整の問題から、壁面などでも設置できる方角が限られてまいります。
そのため周辺の地デジ電波レベルが中電界から弱電界地域でやや弱い。現場の周辺に山林や高層建築などの障害物が存在する。地デジや衛星放送の電波が現場に届く方向などの条件によって、このような設置が難しくなる。また設置できる位置が限られるなどの制約も生じてまいります。
BS/CSアンテナの高耐風モデルやアンテナの寿命に関しては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
・BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
・ご自宅に設置されているテレビアンテナを交換する時とは? 工事にかかる費用の相場はいくらか、また工事を進める方法を解説!
外観性
八木式アンテナやBS/CSアンテナを屋根の上に設置する場合は、安定した受信感度を確保できる半面、テレビアンテナが目立ってしまう「外観性」の問題も出てまいります。
近年のデザイン性が高い戸建住宅では、屋根の上へのアンテナ取り付けで、せっかくの住宅デザインを崩してしまうこともございます。また周辺の景観にも影響を与えるため、日本各地に存在する「景観地区」などでは、景観条例により、戸建て住宅への八木式アンテナ設置や、一定以上の高さへのテレビアンテナ取り付けが規制されているケースもございます。
また八木式アンテナ、BS/CSアンテナでは、テレビアンテナの一部が隣家の敷地にはみだしてしまい、隣家の生活の支障となるなどの問題を起こす「越境問題」が生じることもございます。
外観性を重視したテレビアンテナの機種には、地デジでは壁面用のデザインアンテナやユニコーンアンテナ。BS/CSアンテナでは黒など目立ちにくい色合いのモデルがございます。
アンテナ設置位置で外観性を高めるアンテナ工事では、対候性の重視と同じく、壁面やベランダの内外などに、壁面の色と合わせた各種アンテナを設置する。またデザインアンテナを屋根裏空間に設置するなどの方法がございます。
ただ対候性を重視する場合とアンテナ取り付け位置が同じということは、現場の電波状態や周辺環境などで設置位置か限られる、設置できないケースもあるなど、同じ問題が生じるということでもあります。
なお越境問題や景観地域へのテレビアンテナ設置については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・「景観地区」「美観地区」などでテレビアンテナは設置できる?
メンテナンス性
これはテレビアンテナ性能の維持や、トラブル防止のための定期的なメンテナンス。また万が一、受信不良などのトラブルが発生した場合の、アンテナ修理、調整の行いやすさのことです。
基本的にアンテナ取り付けの位置が手に届きやすい場所であるほど、メンテナンス性が高いといえます。そのため屋根の上へのアンテナ設置は、高い受信感度を確保できる半面、テレビアンテナ修理やメンテナンスでは専門のアンテナ工事業者を頼まねばならず費用がかさむなど、メンテナンス性は低くなります。
メンテナンス性の高いアンテナ設置位置は、テレビアンテナの種類を問わず、壁面など比較的、アンテナ取り付け位置が低く、手の届きやすい位置になります。特にベランダ内などではご自宅でも安全にアンテナ調整が可能になるため、アンテナ位置のズレなど軽度のトラブルであれば、専門業者に依頼せずとも、ご自宅での復旧も可能となります。また屋根裏空間など屋内へのアンテナ設置も、メンテナンス性が非常に高いといえます。
半面、メンテナンス性を重視したテレビアンテナ取り付けも、設置位置が対候性、外観性を重視する場合とほぼ同じため、アンテナ設置できる条件や位置が限られるという、同じ問題も生じてまいります。
なお、当あさひアンテナでは、屋根の上などご自宅でのメンテナンス、調整が行いにくい位置にてアンテナのトラブルが発生した場合には、軽度の故障に対する修理作業は「5,000円(税込み)」より。角度がズレたアンテナの角度調整は「8,000円(税込み)」よりでお引き受けいたします。
また既設アンテナから新規アンテナへの交換に当たっては、既設アンテナを取り外して地面に降ろし、そのまま処分するアンテナ撤去作業を、全長1.8メートルまでのアンテナであれば「5,000円(税込み)」よりでお引き受けしております。
テレビアンテナの角度調整や交換については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・地デジ、衛星放送用テレビアンテナを正しい向きに自分で調整する方法とは? アンテナ角度の調整に必要となる工事の手順も解説
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)
・テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)
アンテナ設置位置別、そのメリットとデメリット
ここでは一般の戸建て住宅を前提として、各種テレビアンテナを設置できる場所別に、そのメリットとデメリット。適したアンテナ機種。電波状態や周辺環境などの条件について解説いたします。
お客様のご希望に適したテレビアンテナ設置位置、またご自宅でご希望の設置位置へのアンテナ工事が可能であるかのご参考にしていただければ幸いです。
屋根の上
地上アナログ放送の時代、テレビアンテナといえば八木式アンテナのみで、屋根の上に設置することが一般的でした。現在でも一般の戸建住宅では、各種テレビアンテナを屋根の上に設置するケースが多くなっております。
屋根の上にテレビアンテナを設置する最大のメリットは、アンテナ位置の高さを確保することで、周辺の建築物や山林など障害物に影響されず、高い受信感度による安定した受信が実現できることです。
地デジ放送では弱電界地域などでも、大型の八木式アンテナを高位置に設置することで、受信レベルの安定を望めます。BS/CSアンテナも、屋根の上であれば周辺の建築物などを避け、人工衛星が位置する東経110度に向けやすくなるため、安定した衛星電波の受信が可能となります。
屋根の上への地デジアンテナ取り付けに適した機種では、やはり高所に設置される前提で、素子の多い大型の高性能モデルもある「八木式アンテナ」が挙げられます。
屋根の上に八木式アンテナを設置する場合は、基本的にアンテナ設置用のポール(マスト、支柱)と、ポールを固定する足が四方についた「屋根馬(やねうま)」と呼ばれる台座を屋根の上に置き、ステンレス製の強力なワイヤー「ステー(支線)」で屋根馬やポールを四方から支えて固定する形になります。
さらに「BS/CSアンテナ」も、八木式アンテナと同じポールに設置することで、地デジと衛星放送のアンテナを一カ所にまとめたテレビアンテナ設置も可能となります。
またハウスメーカーによっては住宅設備として、屋根の上にテレビアンテナ専用のポール(スッキリポール)を設置していることもございます。このようなポールには直接アンテナを設置できるだけでなく、ポール内にアンテナの配線を通し、そのまま屋内に送ることも可能になっております。
他にも高所への設置とデザイン性、対候性を兼ね備えた地デジアンテナ取り付けには「ユニコーンアンテナ」がおすすめできます。ユニコーンアンテナでは、ポール部分にBS/CSアンテナとセットの設置も含め、八木式アンテナとほぼ同様の設置が可能です。さらにユニコーンアンテナは建物の外観性も乱さず、形状から風雨なども通り抜けやすいという特性もございます。
ただユニコーンアンテナは、同じ現場に同条件で設置する場合、高性能モデルもある八木式アンテナに比べると、受信感度はやや低くなります。そのため周辺の電波レベルが低い現場では、八木式アンテナは設置できても、ユニコーンアンテナでは十分な受信感度が得られず、設置できないケースもございます。
また通常は壁面に設置するデザインアンテナを、屋根の上のポールに設置することも可能ですが、その場合、壁面への設置で得られるデザイン性の高さや対候性など、デザインアンテナのメリットが失われることもございます。
他にも八木式アンテナの本体部分に、雪が積もりにくい形状の樹脂カバーを設置したモデル(横型アンテナ)もございますので、受信感度と対候性の兼ね合いからこの機種を選択するのもひとつの方法です。
一方で屋根の上にアンテナ設置を行うデメリットには、風雨などの影響でアンテナの老朽化が進みやすくなる点が挙げられます。特に八木式アンテナ、BS/CSアンテナはその形状から、特に台風や豪雪などの際には、アンテナ角度のズレなどが生じやすくなります。
さらにトラブル時のテレビアンテナ修理も、屋根の上での作業には大変な危険を伴うため、専門業者にアンテナ修理を依頼する必要がございます。そのため台風や積雪が多いエリアでは、角度の修正などを含むアンテナ修理が多くなり、長期的な費用がかさむこともございます。基本的に屋根の上へのアンテナ設置は、自然環境が厳しいエリアでは、テレビアンテナの機種を含め、慎重なご選択が必要といえます。
他にも形状的に目立つ八木式アンテナ、BS/CSアンテナは、屋根の上への設置で住宅の外観性や周辺の景観を乱すことがある他、アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出してしまう「越境問題」の危険性もあり、この点でもご注意が必要です。
これらの点はユニコーンアンテナの採用で、ある程度は解消できますが、BS/CSアンテナをセットで設置する場合は、ほぼ同じ問題が生じます。またユニコーンアンテナも、純和風住宅などにはデザインが調和しない場合もございます。
総じて屋根の上にテレビアンテナを設置する工事では、地デジ、BS/CSアンテナとも、周辺の障害物に影響されにくい安定した受信を期待できるのが最大のメリットです。特に中電界から弱電界地域など、地デジ電波のレベルが弱いエリアにお勧めできます。
ただ一方で、テレビアンテナが風雨などの影響を受けやすくなり、故障などのトラブルも生じやすくなる。建物の外観性や周囲の景観が悪くなる。隣家への配慮が必要などの問題もあり、それらに対する対策が必要です。
なお、屋根の上をはじめ、住宅の各位置にテレビアンテナを設置する方法やメリット、デメリットについては以下の各コラム記事でもくわしくご説明しております。
・なぜテレビアンテナは屋根の上に設置される? 新築戸建て各位置に取り付けるアンテナ種類や工事の流れ、費用の相場について解説
・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!
・一戸建て住宅へのテレビアンテナ設置工事で、アンテナ取り付けができる場所とは? 工事の費用や流れ、適した工事業者を解説!
壁面
テレビアンテナを壁面に設置する工法もございます。地デジアンテナ取り付けでは主に平面型の「デザインアンテナ」や軽量でスタイリッシュな「ユニコーンアンテナ」に適した工法ですが、八木式アンテナやBS/CSアンテナも専用の設置具を装着することで、壁面への設置が可能となります。
アンテナを壁面に設置するメリットは、元から壁面への設置を想定しているデザインアンテナ、ユニコーンアンテナだけでなく、八木式アンテナやBS/CSアンテナでも、風雨を受けにくい方向や位置に設置することで対候性を高め、老朽化やアンテナ修理の必要性を大きく軽減できるという点です。また壁面へのアンテナ設置はアンテナが目立たなくなるため、住宅や景観などを乱さない外観性や、アンテナ修理が行いやすいメンテナンス性についても高い効果が得られます。
ただ壁面へのテレビアンテナ設置は、必然的に設置位置が低くなる分、受信感度も低下いたします。特に地デジアンテナ取り付けでは、中電界から弱電界地域や、周辺に山林や高層建築物がある、住宅が密集しているなどの現場では、安定した地デジ受信ができず、壁面へのアンテナ設置が難しくなることもございます。
他にも八木式アンテナ、BS/CSアンテナの場合は、一般的な屋根の上への設置とは異なる設置具などが必要となるため、アンテナ設置の基本工事費用よりやや加算されるケースがございます。
また地デジアンテナ取り付けでは、どの機種も基本的に、現場に地デジ電波を送信する放送局(電波塔)の方向に向ける必要がございます。BS/CSアンテナも、やはり人工衛星の方向である東経110度に向ける必要があるため、その方向に山地や建築物などの障害物がある場合は、衛星電波が受信できず、設置できなくなります。
総じて、壁面へテレビアンテナを設置するアンテナ工事では、住宅の外観性を乱さず、一定の対候性を備えたテレビアンテナ設置を期待できます。ただ基本的に壁面への設置を想定した構造ではない八木式アンテナ、BS/CSアンテナなどでは、工事費用が基本設置工費よりやや割高になることもございます。
また地デジ、BS/CSアンテナとも、現場の電波状態や電波の方向、周辺環境などにより、設置できる壁面の方向や位置が限られてしまい、外観性や対候性にさほどの効果を得られない。また壁面の設置そのものが叶わないといったケースもございます。その点はあらかじめ想定しておく必要がございます。
住宅の壁面へのアンテナ設置、その他のテレビアンテナ設置位置については、以下のコラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ、BS/CSテレビアンテナを住宅の壁面に設置する方法とメリットや注意点とは? 壁面取付に適したアンテナ機種も解説!
・壁面に設置できる地デジ用テレビアンテナとは? デザインアンテナなど壁に取り付けられる全アンテナと工事費用、失敗例など解説
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・屋根の形状、素材に適したテレビアンテナの種類(前編・屋根編)
・屋根の形状、素材に適したテレビアンテナの種類(後編・アンテナ編)
ベランダ
これは、ご自宅にある二階ベランダの手すり部分、またはベランダの内部や壁面に専用の取付具を設置し、各種の地デジアンテナ取り付けや、BS/CSアンテナ設置を行う工法です。
主なメリット、デメリットは壁面への設置とほぼ同じで、風雨などが避けやすくなる対候性。トラブル時のアンテナ修理や定期点検にほとんど危険がないメンテナンス性。高い外観性などのメリットの一方、ご自宅のベランダの方向と、現場の電波状態や電波が届く方向、周辺環境などによっては、思い通りに設置できないことがある、という点になります。
またベランダへのアンテナ設置であれば作業の足場が確保できるため、デザインアンテナやBS/CSアンテナの設置であれば、ご自宅でのDIY設置も可能となるのも、メリットのひとつといえます。
基本的にベランダへの地デジアンテナ取り付けは、平面型で手すりや壁などにも設置しやすい「デザインアンテナ」が適しております。特に強電界地域など、地デジの電波環境が良好なエリアでは、小型で設置や取り扱いが手軽となる、2022年現在の業界最小デザインアンテナ、マスプロ電工さんの「スカイウォーリーmini」もお勧めできます。
八木式アンテナやBS/CSアンテナでは、ベランダ内の空間をやや使用いたしますが、専用の自立スタンドなどを用いて、ベランダ内にアンテナを建てる設置も可能です。この場合、ベランダに出るだけでアンテナのズレなどをご自宅で調整できるため、メンテナンスも非常に簡単で安全になります。
ただ、特にベランダや壁面など、やや低い位置へBS/CSアンテナを設置する場合は、設置した時点で衛星からの電波が届く方向に障害物がないかだけでなく、将来的に建築物が建てられる、樹木が伸びるなどの可能性。また樹木が生い茂る、洗濯物が干されるなどで、季節的、一時的に障害物は発生する可能性まで考慮する必要がございます。
総じてベランダ内外へのアンテナ設置は、対候性が外観性の確保など、壁面へのアンテナ設置とほぼ同じメリットが得られる上、メンテナンス性に関してはより簡単になるという特徴がございます。
一方で、ご自宅のベランダの位置と、現場の電波状態や周辺環境などにより、ベランダへのアンテナ設置が可能かどうかの条件が、壁面への設置より厳しくなるという難点もございます。
ベランダへのアンテナ設置や、アンテナのDIY設置、その他の設置位置などについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ取り付けを自分でDIY工事する方法とは? 設置の注意点、費用についても解説(基礎知識編)
・地デジや衛星放送(BS放送、CS放送)用テレビアンテナを自分で取り付ける方法とは? 設置工事を進めるポイントと注意点をすべて解説(実践編)
・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?
・テレビアンテナの配線を自分でDIY設置できる? 取り付け工事に必要な作業と費用を徹底解説!
・地デジテレビアンテナを自分でDIY設置工事する手順とは? 的確な位置や方向への取り付け方と向き調整の方法、その費用も解説
屋内・屋根裏空間
前述のように、地デジ電波は、金属素材など電波を反射しやすい素材が使われていない限り、一般的な戸建て住宅の屋根や壁を透過して、屋内にも届くため、いわゆる室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナの使用や、地デジアンテナを屋根裏空間など屋内に設置する事での地デジ受信も可能になります。
地デジアンテナの屋内設置は、ほぼ「デザインアンテナ」に限られる工法ですが、ご自宅の屋根裏(天井裏)空間への設置も可能です。
屋根裏空間へのデザインアンテナ設置は、地デジのテレビアンテナ本体を屋根裏という屋内に設置するため、その他の機材や配線もすべて屋内設置となり、住宅の外観にまったく影響を与えず、風雨などの影響もほとんど皆無となる施工が可能です。
そのため屋外に設置するどの工法と比べても、外観性に影響を与えず、高い対候性を維持できる。またアンテナ関係の機器やケーブルなど部分的なトラブルが生じた際も、アンテナ修理や機材交換なども簡単となりメンテナンス性も高い。またデザインアンテナの場合、屋外の壁面より、天井裏空間の方が高さが確保できる分、受信感度が高まるケースもあるなど、極めてメリットが多い工法です。
当あさひアンテナでは、屋根裏空間へのデザインアンテナ設置も、通常のデザインアンテナ設置と同じ基本工事費用「20,000円(税込み)」からでご案内しております。
ただ屋根裏空間への地デジアンテナ取り付けは、基本的にデザインアンテナ限定の施工法です。
八木式アンテナを屋根裏へ設置することも不可能ではございませんが、屋根の上より設置位置が低くなるため、受信感度ではデザインアンテナと大差なくなる。本体の大きさや重量から設置できる条件がデザインアンテナより厳しくなる。別途に設置器具などが必要なため工事費用もデザインアンテナと大差なくなるなど、八木式アンテナを使うメリットがなくなります。
そのため、屋根裏空間への八木式アンテナ設置は、デザインアンテナでは受信感度が不足し、なおかつ八木式アンテナを設置できるスペースが確保できるなど、限られた条件の現場以外では、採用されるケースが少なくなります。
ユニコーンアンテナも、アンテナ本体面積の小ささから屋根裏空間では受信感度が低下するため、通常、これらの地デジアンテナは屋根裏への設置に使用されません。
他にも屋根裏設置のデメリットとして、衛星放送用のBS/CSアンテナは、壁面によりBS/CSの電波が遮断されてしまうため、屋根裏への設置はできません。そのため衛星放送もご視聴になりたい場合は、BS/CSアンテナのみを屋外に設置し、配線を屋内に引き込む必要がございます。つまりBS/CSアンテナに関しては、外観性や対候性などのメリットは得られなくなります。
基本的に、BS/CSアンテナの屋内設置は難しくなりますが、唯一、お住まいに、東経110度の方向を向いて、日光と共に12GHz帯の電波が室内に差し込む、シンプルな透明の一枚板ガラスの窓をもつ部屋があれば、その窓際に、専用スタンドに立てたBS/CSアンテナを据え置きする室内設置が可能となるケースもございます。
また屋根裏空間にデザインアンテナを設置できるかどうかは、屋根裏内でも十分な地デジの受信感度を確保できるかという点が重要になります。地デジ電波が屋根や壁を通る際の減衰(強度レベルの弱まり)を含めても十分な強度の電波が届く、強電界地域であることが必須の大前提として、現場周辺の電波状態をはじめ、屋根材や断熱材の素材、現場の気候などの条件にも左右されます。
例えば金属には電波を反射させる性質がある他、密度の高い土壁やコンクリート、木材なども電波を減衰させてしまいます。そのためご自宅の屋根材や壁、断熱材などに金属や高密度の素材が用いられている、屋根の上に太陽光パネルが設置されているなどのご自宅では、屋根裏空間に地デジ電波が届きにくくなり、屋根裏へのデザインアンテナの設置はできないことが多くなります。
また水も電波を通しにくい性質があるため、冬場、屋根の上に積雪がある地域では、雪により屋根裏内に届く地デジ電波が大きく減衰してしまいます。そのため屋根裏へのデザインアンテナ設置には向かないことになります。
総じて、屋根裏空間へのデザインアンテナ設置は、設置が可能かどうかの条件はやや難しくなりますが、可能あれば対候性、外観性、メンテナンス性など、非常に安定した地デジアンテナ取り付けを実現できる、オススメの工法と言えます。
地デジ、BS/CSアンテナの屋内設置や、室内アンテナ等については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
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・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
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破風板
これは主に「ユニコーンアンテナ」に使用される他、八木式アンテナやBS/CSアンテナに採用される場合もあるアンテナ取り付け工法ですが、ユニコーンアンテナはポール状の形状から、専用の設置具を使用することで、屋根の上だけでなく屋根の張り出し部分である破風板や壁面へ「サイドベース」という器具を使用しての設置も簡単となります。
ユニコーンアンテナの破風板への設置は、基本的に本体が屋根の上に来るよう設置されるため、安定した地デジの受信感度を確保できる他、アンテナ本体の形状から対候性も高く、住宅の外観性も保持できます。
またご自宅の屋根の上に太陽光パネルを設置しており、屋根に八木式アンテナなどを設置すると太陽光パネルに影が落ちて発電の妨げになるような現場でも、アンテナの形状と屋根の縁など設置位置の工夫により、高度を維持しながら太陽光パネルの邪魔にならない地デジアンテナ取り付けも可能となります。
他にもユニコーンアンテナや八木式アンテナのポール部分にBS/CSアンテナを設置することで、地デジと衛星放送のアンテナをセットにしたアンテナ設置も可能となります。
このようにメリットの多いユニコーンアンテナですが、アンテナ本体の受信感度は八木式アンテナにやや及ばないため、弱電界地域などでは、八木式アンテナによる地デジ受信は可能な現場でも、ユニコーンアンテナでは安定した受信ができず、設置できないこともございます。
その他、テレビアンテナのさまざまな位置への設置方法については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
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・新築戸建て住宅への地デジ、衛星放送用テレビアンテナ設置工事でアンテナ取り付けが可能な住宅の位置を全解説!(後編)
テレビアンテナの設置位置・まとめ
戸建て住宅などの物件において、テレビアンテナを設置できる主な場所と、各位置に適したアンテナ機種。位置ごとのメリット、デメリットなどは以上の通りです。
当あさひアンテナでは、ここでご紹介した各種アンテナと、各場所へのアンテナ設置に必要となる各種の部材からオプション工事まで、すべてご用意しており、現場環境など実際の条件が許す限り、上記したすべての位置へのアンテナ設置工事にご対応いたします。
弊社では各種アンテナ設置工事について、日本三大アンテナメーカーに数えられる「DXアンテナ」社や「マスプロ電工」社をはじめ、国産一流メーカーの最新高性能アンテナをご用意し、アンテナ本体価格込みの基本設置工事費でご案内しております。
各アンテナの基本設置工費は、八木式アンテナ、BS/CSアンテナ(2K4K8K対応)では「15,000円(税込み)」から。デザインアンテナでは通常モデルおよび、前述の業界最小モデル「スカイウォーリーmini」の各カラーバリエーションをご用意し「20,000円(税込み)」でご案内しております。
また弊社では、ご依頼いただければ弊社の職人が事前にご自宅へと出張し、現地での電波調査およびお見積もりを完全無料「0円」で実施しております。もちろんご希望のアンテナ設置位置、アンテナ機種などについてお申し出いただければ、ご家庭にてご希望のアンテナ設置が可能であるかをしっかり確認し、その結果から、業界最安に挑む見積もり費用で最適のアンテナ設置方法などもご提案いたします。
もし弊社のご提案にご満足いただけず、アンテナ工事の本契約に至らなかった場合も、弊社では出張料、キャンセル料などの料金は一円たりともいただいておりませんので、お気軽に出張のご依頼をいただければと存じます。
弊社では他業者との相見積もりにもご対応しており、高品質な施工でお見積り金額をもっともお安くすることに挑戦いたしております。また弊社のお見積もりにご納得いただければ、当日に本契約しての即日工事にもご対応いたします。
実際のアンテナ工事では、豊かな経験と実績を誇る、弊社スタッフのアンテナ職人により完全自社施工を実施。家電量販店やホームセンターの店舗、工務店のように下請け業者を使わないことで、工事のコストを押さえつつ、受信性能、対候性、外観性はもちろん、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に基づいて、アンテナ本体や配線はもちろん、屋根裏空間などの配線も、見やすくメンテナンス性も高い、現場の条件でベストと言える丁寧な施工を実施いたします。
アンテナ工事が完了した後は、当社では工事を担当した職人の自筆入り保証書をお渡ししており、業界最長クラスのアフターフォロー体制、施工完了日からの「10年保証」をご用意しております。万が一のトラブルに対しても、末長いご安心をお約束いたします。
アンテナ設置の位置や機種など、アンテナ工事に関する各種ご相談。お問合せは、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)へのお電話、またはメールフォーム、LINEアカウントまでのご連絡で、お気軽にお寄せください。