テレビの映りが悪い時に使うアンテナブースターとは? 屋外用・屋内用ブースターの違いと症状別の選び方を徹底解説!
戸建て住宅に地デジ放送(地上デジタル放送)や衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)用のテレビアンテナを設置するにあたって、アンテナ本体の他に、重要な役割を果たす機器が「ブースター(アンテナブースター、テレビブースター、受信ブースター)」と呼ばれるものです。
ブースターが、テレビアンテナで受信したテレビ電波の強さを増幅して、安定したテレビ放送の受信を実現する装置であることは、ご存知の方も多いでしょう。
地デジ放送だけでなく衛星放送も普及し、戸建て住宅内に複数台のテレビ、レコーダーなど受信機器を設置することも一般的になった現在では、アンテナ設置に際して、ブースターも設置することは、ほとんど必須事項となっています。
ただブースターにも、設置する場所から対応できるテレビ放送、また電波を増幅できる性能まで、さまざまな機種が存在します。
そのため、ブースターも使用する機器や設置、調整を間違えてしまうと、必要な増幅を行えず、かえってテレビ映像が乱れる原因になる。さらには、ブースターのトラブルで大変な受信障害が発生してしまうこともあります。
そこで当コラムは、戸建て住宅などで使用されるテレビアンテナ用ブースター製品のタイプ。アンテナ配線部における設置位置やその機能、調整方法。またブースターが必要となる場合や、注意すべきトラブルについてなど、ブースターを使用するための基礎知識をご紹介いたします。
なお、テレビアンテナから屋内のテレビなど機器までを接続するアンテナ配線部の構造、ブースターをはじめとする必要な機器については、以下のコラム記事に詳しい解説がございます、
・戸建ての家へのテレビアンテナ設置と配線、周辺機器の取り付け工事を行う費用の相場とは? 料金の安い業者の選び方も解説
アンテナ用の「ブースター」とはそもそも何のこと?
ここでご説明するのは、テレビアンテナの周辺機器としての「ブースター」です。アンテナ関連機器としては「アンテナブースター」「テレビブースター」「受信ブースター」という呼び方もあります。
ただ今日では「ブースター」という言葉も、さまざまな場所で聞かれるようになっています。
そもそも「ブースター(booster)」とは、何かを強化、促進する。増加、上昇させる。持ち上げる、引き上げるなどの意味を持つ英単語「ブースト(boost)」が元になっています。
ブーストと言えば、現在では一般的にも、それまでより力を出す、全力を出す。力や速さをより高める。気合を入れるといった意味で、日本語としても使われます。
そしてブースターと言えば、ブーストの末尾に「~する人、もの」を意味する接尾語「-er」がついたもので、ブーストする人、ものという意味になります。
日本語では、もともとの力や勢いをより高めてくれるもの、といったニュアンスになり、例えば仕事や試合などの助っ人や応援。仕事で頑張りたいときなどに飲むエナジードリンクなどをブースターと呼ぶこともあります。
テレビゲームやアニメで絶大な人気を誇る「ポケットモンスター(ポケモン)」シリーズには、ピカチュウと並ぶ人気ポケモン、イーブイの進化系として「ブースター」というポケモンが登場します。またトレーディングカードゲームの拡張パックのことを「ブースターパック」ともいいます。
さらにお化粧の前に、化粧水などを肌になじみやすくする導入化粧品もブースターと呼ばれるほか、コロナウィルスに対するワクチンの追加接種を、免疫力をさらに増強するという意味で「ブースター接種」とも呼ぶなど、いまやブースター(ブースト)という言葉は、日本語としてほとんど定着していると言ってもいいでしょう。
同じように、一般住宅などのアンテナ機器として使用される「ブースター」は、テレビアンテナが受信した地デジ放送、衛星放送のテレビ電波強度(レベル)を増幅する装置のことです。
住宅などに設置されたアンテナで受信できるテレビ電波のレベルは、主に「㏈(デシベル)」の単位で計測されますが、地デジ電波の場合、屋内のテレビなど、個々の受信機器の地デジチューナーに届いた時点での電波レベルが、34dBから89dBの間であれば、正常に地デジ放送を視聴できます。
受信機器に届く地デジ電波レベルがこれより低い、また逆に強すぎる場合も、地デジ放送の画面が乱れる。エラーコードが表示されて映らなくなるといったトラブルの原因になります。
ただ現実的には、地デジ放送は、日本各地の要所に数多く設置された送信所、中継局などの地デジ電波塔から、周辺の一帯に電波を送信するという形式のため、電波塔からの距離や地形、周辺で電波を遮る建築物などの影響によって、地域や現場ごとに受信できる地デジ電波レベルが変動してきます。
現在の地デジ放送では、地デジ電波としてUHF波(極超短波)のうち、波長の幅がおよそ40センチから60センチ程度になる、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯を使用しています。
そして地デジ電波塔からの距離や地形などの影響により、日本国内の各地域を受信できる地デジ電波レベルごとに分類したものを「電界地域」と呼びます。
この電界地域の基準は統一されたものでないため、場合によって異なるケースもありますが、一般的には、その地域に設置された地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上の地域を「強電界地域」。80㏈から60㏈の地域を「中電界地域」。60㏈以下の地域を「弱電界地域」に分類することが多くなります。
さらに地デジ電波は、同じ現場でも一年を通した気候の変化で6㏈程度の変動があるほか、大雨などの悪天候でも電波レベルが大きく低下します。
そのため地デジ放送では、これらの電波レベルの変動も踏まえて、テレビなどの地デジチューナーに届く時点で、最低ラインで40㏈以上。一般的には47dBから81dBの間が適切な水準とされます。
衛星放送は宇宙空間、赤道の周回軌道上に位置し、地上からは天空の一点に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、日本の全域に放送電波を送信する形の放送です。
日本の衛星放送では、地デジのUHF波よりも格段に周波数帯が高いため、性質が光に近くなる「SHF波(マイクロ波)」の一種、センチメートル波でも、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後になる電波、いわゆる「12GHz帯」を使用しています。
この12GHz帯の電波は、光のように直進的に送信され、障害物にぶつかった際に回り込む力が弱いという性質上、パラポラアンテナであるBS/CSアンテナを向ける静止衛星の方向(主に東経110度の南西上空方向)にわずかでも障害物があると電波が遮られやすい。また一定以上の強い雨や雪では降雨減衰、降雪減衰による受信不良が発生するといった弱点はありますが、地域による極端な受信レベルの差などはさほど生じず、日本全域でほぼ安定した電波レベルの受信が可能になります。
ただ、日本国内でも北部や南端部、離島部などでは、静止衛星との距離がやや遠くなる分、電波の減衰が生じて、通常よりやや大型で受信性能の高いBS/CSアンテナが必要となるケースもあります。
そして衛星放送であるBS放送、CS放送の場合、テレビなど受信機器に届く時点で必要な電波レベルでは、下限で48㏈、適正な範囲は50dBから81㏈程度の間とされています。
また詳しくは後述しますが、住宅内などで、複数の部屋にテレビなど受信機器を設置する場合、テレビアンテナで受信された電波レベルは、例えば三部屋にテレビがある住宅では、電波レベルを三等分して各部屋に送るため、その分、個々の部屋に送信される電波レベル(㏈)は低くなります。
さらに、アンテナが受信したテレビ電波は、アンテナケーブル(同軸ケーブル)やその間の機材、端子などを伝わる際にも、徐々に減衰(電波レベルの弱まり)が生じます。
このようにさまざまな条件からレベルが低下しやすいテレビの電波を、各部屋にあるテレビなど受信機器まで、必要十分なレベルで届けるために、テレビアンテナの配線部に設置される装置が、アンテナ用の「ブースター」なのです。
なおブースターとは、電気的エネルギーである電波を増幅する装置であるため、使用するためには電源が必要となります。
ブースターの種類や詳しい設置位置、特性などについては、以下の項でご説明してまいります。
また地デジ放送、衛星放送の基礎知識や、電波の性質については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
アンテナ用ブースターの種類とは?
一般の家庭向けに市販されるTVアンテナ用のブースターには、さまざまなモデルが存在しますが、機種を大きく分類すると「対応できるテレビ電波別」のモデルと「設置位置や増幅性能別」のモデルに分けることができます。
以下、それぞれのモデルについて詳細を一覧でご説明します。
各種テレビ放送の電波に対応できるブースターモデルとは?
これは、対応するテレビ電波別によるブースターの分類です。
まず、地デジ電波のみを増幅するブースターが「UHF帯ブースター」です。
現在の地デジ電波には、前述の通りUHF波のうち470MHzから710MHzまでの周波数帯が使用されており、このUHF波の周波数帯のみを増幅するブースターになります。
したがって、主に地デジアンテナのみを設置している住宅や、受信できる地デジ電波レベルのみが弱く、増幅する必要がある場合に、このブースターが使用されます。
衛星放送(BS放送、CS放送)に対応するブースターは「BS/CSブースター」と「UHF・BSCSブースター」の二種類です。
名称でおわかりとは存じますが、「BS/CSブースター」は、衛星放送(BS放送、CS放送)の電波のみを増幅するモデル。「UHF・BSCSブースター」は、一台で地デジ、BS放送、CS放送のすべての電波を増幅するモデルになります。
これらの機器は、BS/CSアンテナを使用して衛星放送を受信する現場で、受信できる電波レベルや設置されるアンテナモデル、テレビの設置台数などの環境に合わせて使用されます。
ただ戸建て住宅の場合、まず基本的に地デジアンテナを設置し、次に必要に応じてBS/CSアンテナを追加設置するかを決めるため、多くの場合、アンテナ取り付け工事と同時に、UHF・BSCSブースターを設置することになります。
特に地デジとBS/CS双方のアンテナを設置する場合には、ほとんどの場合、まずアンテナの付近に、双方の同軸ケーブル(送信される電波)を、一本のケーブルにまとめる「混合器」という機器を設置します。
これは、地デジと衛星放送のケーブルを一本にまとめることで、ケーブルの長さや使用する機器などの数を抑え、総合的に工事の手間や費用などのコストを抑えて、シンプルな配線でトラブルも起こりにくくするためです。
そしてUHF・BSCSブースターには、この混合器の機能も兼ね備える「UHF・BSCS混合ブースター」が存在するため、現在ではこの機器が使用されることが多くなります。
また2018年(平成30年)には、BS放送、CS放送にそれぞれ多くの4K、8Kチャンネルが追加される形で「新4K8K衛星放送」がスタートしております。
そしてこの4K8Kチャンネルの電波を増幅するためには、BS/CSブースターやUHF・BSCSブースターでも「4K8K(3442MHz)対応」のモデルが必要になります。
そもそも衛星放送で、宇宙空間の人工衛星(静止衛星)から送信される電波は、地デジ電波より格段に周波数帯の高いSHF波(マイクロ波)のセンチメートル波でも、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後になる「12GHz帯」と呼ばれる電波です。
そして従来の2K衛星放送では、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」という電波が使われていました。
しかし新4K8K衛星放送で、多数の4K、8Kチャンネルを追加する際、右旋円電波では追加されるチャンネルに割り当てることができる、未使用の周波数帯が不足しました。
そこでBS放送の主要な無料チャンネルである、NHK、広域民放の4Kチャンネルに右旋円電波を割り当て、それ以外の4K、8Kチャンネルには、新しく右回りの螺旋を描きながら送信される「左旋円偏波」を導入して、その周波数帯を割り当てたのです。
12GHz帯の電波は、周波数帯が高すぎるため、そのまま同軸ケーブルで送信すると減衰量が多くなりすぎ、正常に送信できません。
そのためBS/CSアンテナでは、この12GHz帯の電波を受信した後、コンバーターによってケーブルで送信しやすいMHz帯の電波へと変換し、配線部を通じて屋内のテレビなど受信機器に送信しています。
そしてこの変換で、従来の右旋円偏波は1032MHzから2072MHzの周波数帯になるのに対し、左旋円偏波は2224MHzから3224MHzと、より高い周波数帯に変換されるのです。
そのため、新4K8K衛星放送がスタートする以前にアンテナ取り付けやアンテナ配線などの工事を行った戸建て住宅などでは、4K、8Kテレビで新4K8K衛星放送のチャンネルを視聴するためには、ブースターをはじめとするアンテナ配線部の機器や、場合によってはケーブルを左旋円偏波が変換された2224MHzから3224MHzまでの周波数帯に対応できる、4K8K(3442MHz)対応型の機器に交換する必要が出てきます。
またアンテナ本体も2018年以前の、右旋の電波しか受信できない2K対応型の場合は、右旋と左旋の双方に対応できる、現在の2K4K8K対応BS/CSアンテナに交換しなければならないので、ご注意ください。
他にも、ケーブルテレビ(CATV)を視聴する世帯で使用される「CATVブースター」と呼ばれる機器も存在します。
総合すると、テレビアンテナを使用する場合に必要となるブースターは、
・地デジ放送のみ視聴する場合:UHF帯ブースター。
・衛星放送も視聴する場合:BSCSブースター、UHF帯・BSCS(混合)ブースター。
・新4K8K衛星放送も視聴する場合:BSCS対応ブースターの4K8K(3442MHz)対応型。
ということになります。
これら商品の実売価格では、機能や性能にもよりますが、屋外用では、UHF帯ブースターで5,000円台から15,000円台程度。BSCSブースターやUHF・BSCS混合ブースター(4K8K対応型)で、10,000円前後から20,000円強になります。
なお、新4K8K衛星放送に対応できるBS/CSアンテナや受信機器については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しており、参考になることと存じます。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
テレビ電波の増幅性能や設置位置別のブースターモデルとは?
ブースターの種類には、増幅できるテレビ電波の種類の他に、主な設置位置と増幅性能による分類もあり、こちらは増幅性能の高い「屋外用ブースター」と、増幅性能はやや低いものの設置しやすい「屋内用ブースター」に分けられます。
この二種類のブースターは、主に自宅内で必要となる、電波の増幅レベルによって使い分けられることになります。
「屋外用ブースター」とは、文字通り、屋外でテレビアンテナの付近に設置されるブースターです。地デジアンテナの八木式アンテナやBS/CSアンテナを、戸建て住宅の屋根の上に設置する場合は、同じマストの下部に設置されます。
またデザインアンテナを壁面に設置するなど、アンテナ設置位置が住宅の引き込み口と近い場合は、引き込み口付近の天井裏などに設置するケースもあります。
これは、ブースターはその機構上、テレビ電波だけでなく、電波に混入するノイズも増幅してしまうため、できるだけノイズの混入を抑えるべく、アンテナの付近に設置されるのです。同じ理由で、屋根裏空間などの屋内に設置する場合は、分配器ともできるだけ離して設置されます。
屋外用ブースターの特徴は、基本的に電波を増幅する本体に当たる「増幅部」と、電源を供給する「電源部」が別々になっている点。そして特に増幅部は、風雨などにも耐えられるよう頑丈な作りになっていること。電波の増幅性能が高いことが挙げられます。
屋外用ブースターの設置では、まず増幅部を上記のようにアンテナの付近に設置します。同軸ケーブルの配線は、アンテナからのケーブルをブースターの入力端子に接続し、ブースターの出力端子から、屋内側へ延びるケーブルへと接続し、レベルを増幅されたテレビ電波を送り出すことになります。
さらに屋根裏空間などにて、同じようにケーブルの間に接続する形で、ブースターの電源部を設置します。電源部はコンセントにも接続されており、出力端子に接続されたケーブルから、ブースターの増幅部へと給電します。
屋外用ブースターは、電波を受信する大本であるアンテナの付近に設置されることから、屋内に送信するテレビ電波全体を大きく底上げしたい場合に使用されます。
そのため増幅性能も高く、ブースターが増幅できる電波レベルを示す「ブースター利得」は、主に30㏈から40㏈以上のモデルが多くなります。
また増幅する性能が高いブースターは、増幅された電波の品質を含め、さまざまなトラブルが生じやすくなります。そのため屋外用ブースターには「入力ATT」「ゲインコントロール」「利得切替スイッチ」など、増幅レベルその他を調整するさまざまな機能が付属します。
屋外用ブースターは、基本的に地デジの電波塔から遠い地域(中電界地域から弱電界地域)などで、受信できる地デジ電波レベルが低く、そのままアンテナを設置した場合には十分な地デジ電波を受信できず、地デジ放送が映らないエリアなどで使用されます。
またアンテナで受信できる地デジ電波レベルが90㏈以上など、十分なレベルが確保できる現場(強電界地域)であっても、住宅内でテレビなどの受信機器を設置する部屋が多い場合は、電波レベルが分配されるため、個々の部屋に届く電波レベルが低くなり、映像に乱れなどが生じる場合もあります。
そのため現在では、アンテナで受信できる電波レベルに関係なく、住宅内でテレビを設置する部屋が三部屋以上になる場合には、屋外用ブースターの設置が必須となります。
また設置の場所が屋根の上や天井裏などで作業に危険が伴う他、増幅レベルやその他の調整も、住宅全体の増幅レベルや、その他の設置機器などのバランスを考慮した調整が必要となるため、設置についてはアンテナ工事のプロである専門業者にご依頼になるのがおすすめといえます。
「屋内用ブースター」は、やはりその名の通り、住宅の屋内に設置されるブースターモデルであり、主に「室内用ブースター(卓上型ブースター)」と「ラインブースター(前置ブースター)」に分けられます。(実際の呼称はメーカーや販売店で異なる場合もあります)
「室内用ブースター」は、屋外用に比べると、増幅部と電源部が一体化したコンパクトな形状で、設置位置は住宅内に引き込まれたアンテナケーブル。またはテレビを設置する各部屋のケーブルに接続されます。
卓上に置いて使用できることから、卓上型ブースターの名称でも知られ、高所や屋根裏での作業が必要になる屋外用ブースターに比べると、一般の方でも簡単に設置できるという点も特長になります。
室内用ブースターのブースター利得は、20㏈から30㏈強と、屋外用ブースターに比べるとやや低くなります。そのため、アンテナで受信できる電波レベルがやや低い程度で、多少のレベル増幅で用が足りる場合や、住宅内でも一部の部屋などでのみ電波レベルが不足する場合に使用されます。
そのため室内用ブースターは機能もシンプルになり、モデルにもよりますが、昨日の調整などは、主にUHF(地デジ)やBSCS(衛星放送)の利得レベル(増幅レベル)を調整するダイヤルのみの機種が多くなります。
他にも、地デジとBSCSの双方のアンテナを設置して、前述した混合器や混合ブースターで双方の電波を一本のケーブルにまとめた場合、テレビなどの受信機器の前で、それぞれの電波をあらためて二本のケーブルに分離する「分波器」を設置して、それぞれのケーブルを受信機器の地デジ、BS/CSのチューナー端子に接続することになります。
そして室内用ブースターには、この「分波器」の機能をもつモデルもあり、該当する機種では、双方の電波を一本のケーブルにまとめたまま出力するか、別々に出力端子からのケーブルに分波して出力するかの切り替えスイッチがついたものも存在します。
なお室内用ブースターの電源は、主に室内での使用となるため、屋内のコンセントから、付属のACアダプターなどを使用して給電することになります。
「ラインブースター(前置ブースター)」とは、室内用のブースターでも、手のひらに乗るような小型の筒状や長方形の、もっともシンプルなブースターです。
ブースター利得も10㏈から20㏈強と低くなり、また利得その他の調整機能もなく、ただテレビなど受信機器の前で同軸ケーブルに接続するだけのモデルになります。
ラインブースターのブースター利得はモデルによって異なるため、必要な増幅レベルに合わせた機器を選んで使用します。
ラインブースターは設置も非常に簡単ですが、増幅できる電波レベルも低いため、上記の屋外用、室内用ブースターを設置しても一部の部屋に届く電波レベルが不足する場合など、メインとなるブースターの補助として使用されることが多くなります。
なおラインブースターの電源は、室内用ブースターと同じく、ACアダプターなどで室内の電源コンセントと接続するモデル。またテレビなど受信機器の設定画面で「電源設定」をオンにし、チューナー端子からブースターへと給電するモデルが存在します。
これら屋外用、屋内用ブースターそれぞれに、上記したUHF帯用、BSCS用、UHF・BSCS用など、対応するテレビ電波別のモデルが存在します。
ただ傾向としては、屋外用ブースターは、住宅全体の基礎となるブースターであるため、設置するアンテナに合わせて、UHF帯ブースターかUHF・BSCS混合ブースターが多くなります。
室内用ブースターも、モデルによってやはりUHF用、BSCS用、UHF・BSCS用に分かれますが、設置位置から混合器の性能を持つものは見られません。
またラインブースターは小型であるため、UHF用、BSCS用の二種類に分かれており、UHF・BSCS用のものは見られません。
なお室内用ブースターの商品としての一般的な実売価格は、対応できるテレビ電波や機能、増幅性能によっても異なりますが、おおむね7,000円程度から17,000円程度になります。
ラインブースターも、やはり対応のテレビ電波や増幅性能別で、1,000円台から5,000円台程度の実売価格が一般的です。
その他、ブースターについての基礎知識は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
・地デジ用テレビアンテナの受信レベルが低くなる原因とは? ブースターによる対処法など受信レベルを改善する工事の方法を解説!
なお、当あさひアンテナでは、上記した屋外用ブースターのUHF帯ブースターやUHF・BSCS混合ブースター。また室内用ブースターやラインブースターなども、国内大手メーカーの高品質機器を中心に、ブースター本体価格を含む低価格の工事費用でご案内しております。
実際のブースター本体価格込み工事費用は、UHF帯ブースターで「20,000円(税込み)」。UHF・BSCS混合ブースターで「25,000円(税込み)」になります。
戸建て住宅のアンテナ配線とブースターの設置位置は?
ここでは、戸建て住宅に設置されるテレビアンテナ配線部の一般的な構造や、設置されるアンテナ周辺機器の種類、設置場所を解説します。
同時に、上記したブースター各モデルの設置場所や、必要となるケースなどもご説明してまいります。
まず戸建て住宅でのアンテナ工事では、まず基本のアンテナとして、地デジ放送を受信するための地デジアンテナ(UHFアンテナ)が設置されます。
屋外設置される主な地デジアンテナの種類は、主に屋根の上に設置される、魚の骨に似た古典的なアンテナで、受信性能がもっとも高い半面、外観性が低く風雨などの自然環境にも影響されやすい「八木式アンテナ」。
住宅の壁面やベランダの手すり部などに設置され、外観性に優れ自然環境にも強い半面、受信感度はやや低くなる「デザインアンテナ」。
そして2023年現在の最新モデルであり、屋根の上に設置されるポール状のアンテナで、八木式アンテナほどではないものの高い受信性能と、優れた外観性、自然環境への強さを兼ね備える「ユニコーンアンテナ」の三種類になります。
これらアンテナモデルの中から、現場の条件やお客様のご要望に適したモデルを選んだ上で、やはりお客様のご要望によって必要な場合は、衛星放送用のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナも追加設置します。
また地デジ放送には、主なチャンネル(放送局)であるNHK、各広域民放の他に、主要都市圏の一部都府県で、その都府県内の一帯を放送エリアとする、独立放送局の地方チャンネル(地方局)が存在します。
例えば東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビ、兵庫県のサンテレビジョンなどがこの地方チャンネルにあたります。
基本的にはこれら地方チャンネルも、NHKや広域民放と同じ地デジアンテナで受信できます。ただ現場によってNHK、広域民放の電波塔と、地方チャンネルの電波塔の位置(地デジアンテナから見れば電波が届く方向)が異なる場合もあります。
さらに地デジアンテナには「指向性(アンテナの前方のみで受信性能が高まる性質)」があるため、現場によっては、一基の地デジアンテナではNHK、広域民放と、地方チャンネルのすべてを受信できず、メインの地デジアンテナとは別に、地方チャンネル用のアンテナを別途に追加設置する必要が出ることもございます。
いずれにせよ、必要に応じて複数基のテレビアンテナを設置した場合は、前述の通り、まずアンテナの付近に混合器、または屋外用ブースターである混合ブースターを設置、各アンテナからテレビ電波を送信する同軸ケーブル(アンテナケーブル)を接続して、それぞれのケーブルを一本にまとめます。
アンテナケーブルは住宅の引き込み口から、屋内の屋根裏空間などに引き込み、この引き込み口の付近に屋外用ブースターを設置することもあります。
いずれにせよこのブースター増幅器の段階で、その先に送られるテレビ電波レベルを必要な強さにまで増幅するのです。
また屋根裏空間に設置されているブースター用電源の付近に、前述した屋外用ブースターの電源部を設置して、ブースター増幅部に電源を供給できるようにします。
混合器や屋外用ブースターを経たアンテナケーブル(テレビ電波)は、その先の、点検口近くの屋根裏空間や、住宅に設置されたマルチメディアボックス(弱電盤、弱電ボックス、情報分電盤)の中で「分配器」に設置します。
分配器とは、アンテナ側からのアンテナケーブルを入力端子に接続し、複数ある出力端子に接続したケーブルから、テレビ電波を分配して送り出す装置です。
分配器の分配数には、2分配から8分配まで、7分配を除く6種類があり、その住宅で必要な分配数に、予備の1端子を加えた分配数のものが使用されます。
また分配器で分配する電波レベルは、例えば4分配器に180㏈の電波が入力された場合、電波レベルは等分に分配されるため、4本に分配された個々のケーブルの電波レベルは、それぞれ約45㏈(実際には端子や機器を通る際の減衰が生じるためやや低め)になります。
この分配された電波を送信する各ケーブルが、住宅の各室内に設置されたアンテナコンセントまで接続されます。
そして分配器で分配されることにより、個々の分配先の電波レベルも分配されるため、まず大本の屋外用ブースターで、分配された電波も十分なレベルを保てるよう計算して、必要なレベルの増幅を行うのです。
また上記のマルチメディアボックスとは、住宅内で使用されるアンテナ配線の他、インターネットのルーターや電話回線など、さまざまな情報用の機器、ケーブルをまとめるため、住宅の二階などの目立たない場所に設置されるケースになります。
この位置に分配器を設置する場合、ボックスの中や付近に室内用ブースターを設置し、増幅された電波を分配器に送るというケースもあります。
その後、分配器で分配されたテレビ電波は、各部屋のアンテナコンセントまで送られて、アンテナコンセントから室内のテレビ、レコーダーなど受信機器のチューナーまでを、室内用のアンテナケーブルで接続することにより、受信機器側にテレビ電波が届き、各テレビ放送を視聴できることになります。
なお、地デジ、衛星放送の電波を一本のケーブルに混合している場合は、ケーブルの間、またはケーブルと一体化した「分波器」を接続して、地デジ、衛星放送の電波をそれぞれ別のケーブルに分け、受信機器側の地デジ、BS/CSのチューナーへと接続します。
一般的な戸建て住宅の、主なアンテナ配線部の流れは以上の通りですが、このケーブル配線部を通る間にも、テレビ電波は徐々に減衰してゆきます。
そのため、屋外用ブースターを使用してもやや電波レベルが低い。また特にアンテナからの配線が長くなる一部の部屋でテレビ放送の映りが悪くなる、といった場合には、その部屋でアンテナケーブルの間に室内用ブースターやラインブースターを設置して、テレビ電波レベルを補足することになります。
なお、当あさひアンテナでは、上記の各種アンテナ機種や分配器その他のアンテナ機器の設置費用も、DXアンテナ、マスプロ電工、日本アンテナなど国内大手メーカー製の高品質機器をご用意し、機材費用を含むテレビアンテナや各種アンテナ機材の設置費用を、業界最安に挑む低価格の明確な価格体系でご案内しております。
一例をあげると、地デジアンテナの八木式アンテナ基本設置工事、および地デジアンテナ設置に伴うBS/CSアンテナの追加設置は15,000円(税込み)から。デザインアンテナ基本設置工事では20,000円(税込み)からでお引き受けいたします。
また各アンテナ機種にも高性能モデルや対候性の高いモデルなど、多彩なモデルをご用意しており、さまざまな条件の現場に対応が可能です。
他にも分配器の設置では、分配数によってもやや変動しますが、分配器本体の価格を含め、5,000円からの設置費用でご案内しております。
詳しい工事費用や実際のお見積もりなどについては、当あさひアンテナのフリーダイヤル、また公式サイトのメールフォーム、LINEまでお気軽にお問い合わせください。
ここでご説明したテレビアンテナの周辺機器。また地デジ、BS/CSの各テレビアンテナや、基本的な設置位置などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
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戸建て住宅内に複数台のブースターを設置できるか?
ここまでのご説明で、お客様の中には、アンテナ配線部に何台もブースターを設置すれば、どれだけ電波レベルが弱くとも、理論上は無限にテレビ電波レベルを増幅できるのではないか、と思われた方もおられるのではないでしょうか?
しかし実際には、ブースターを設置できる数には限度がございます。と申しますのも、前述の通り、ブースターはテレビ電波そのものだけでなく、電波に混じるノイズも増幅してしまう上、何台ものブースターを経由することで、電波に生じるひずみも徐々に大きくなります。
そのため、設置されるブースターの台数が多すぎると、電波レベルは向上しても電波の品質が非常に劣化してしまい、テレビ放送を正常に視聴できない結果になるのです。
基本的に、推奨されるブースターの数は、アンテナ付近の屋外用ブースターが一台と、それで電波レベルがやや不足する場合は、分配器を経由した各部屋のアンテナコンセントの先に、必要に応じて室内用ブースターやラインブースターを設置することになります。
したがって設置台数は、屋外用ブースター1台と、必要な部屋数分の室内用ブースター、ラインブースターになります。
ただテレビアンテナからテレビなど受信機器をつなぐ、一本の配線の間に設置するブースターは、屋外用ブースターと室内用ブースターの2台に抑えることが適切です。
また地デジアンテナでも、特にデザインアンテナには、ブースター内蔵型のモデルも多く存在します。
デザインアンテナは、上記のように壁などに固定する長方形の薄型アンテナで、そのデザイン性の高さと気候などに強く、長持ちするという点から、現在では一番人気の地デジアンテナ機種になっています。
ただその反面、本体の受信性能や設置位置から、屋根の上などに設置できる地デジアンテナに比べると、受信性能が低くなります。特に周辺に電波を遮蔽する高層建築などが多い現場や、悪天候などで地デジ電波レベルが低下した場合には、デザインアンテナでは受信レベルの低さから、テレビ画面の乱れが生じることも多くなります。
そのため、デザインアンテナには本体にブースターを内蔵するモデルが存在するのです。ただしデザインアンテナに内蔵されるブースターは、あくまで本体の受信性能の弱さを補完するものであり、そのブースター利得は、室内用ブースターと同程度になります。
したがってブースター内蔵デザインアンテナに加え、さらに別途、屋外用ブースターや室内用ブースター、ラインブースターを設置するケースもあり、この場合、アンテナ本体から各テレビ機器までを結ぶ一本の配線に設置されるブースターは、最大で三台になります。
ただ、ブースターを設置する数が多いと、電波の品質を安定させるため、後述する定格出力に合わせるなど、各ブースターにさまざまな調整を行う必要も出てきます。
戸建て住宅で、アンテナ本体からテレビなど受信機器の間に設置できるブースターの台数は、最大で、アンテナ内蔵ブースター、屋外用ブースター、室内用ブースター(ラインブースター)の三台までと考えるのが適切と言えます。
ブースター機器を選ぶ際の機能と注意点とは?
ここでは、ブースターが持つ増幅レベル調整などの機能や、性能を示す基準から、各現場の条件に適した優良なブースター機器の選び方をご説明してまいります。
なお、上記の各ブースター種類でご説明した通り、ここでご紹介する、特にブースターの調整機能については、主に屋外用ブースターのものになります。室内用ブースターはゲインコントロールなど、シンプルな機能を備えたのみのモデルが多くなりますので、ご注意ください。
「ブースター利得」
これはすでにご説明した通り、ブースターで増幅できる電波レベルを、㏈数で示したものです。前述の通り、増幅性能は高い順で屋外用ブースター、屋内用ブースター、ラインブースターになりますが、実際のブースター利得は機器によっても異なります。
基本的にはどのブースター機種でも、余裕を持った電波レベルを確保できるよう、ブースター利得が高い機種を選ぶことをオススメいたします。
ただ地デジにおける強・中・弱の各電界地域(現場でアンテナが受信できる電波レベル)や、後述する定格出力の兼ね合いにより、例えば受信できる電波レベルが強い地域で利得が高いブースターを使用すると、定格出力を超えやすいなどの問題も生じます。
そのため、現場の地デジ電波レベルも踏まえた性能のブースターを選ぶ必要があります。
「定格出力(適正出力)」
定格出力、または適正出力とは、ブースター機器から出力される増幅されたテレビ電波の、適切な出力レベルのことで、機器ごとに「㏈」数で標記されます。
この定格出力は、入力された電波信号の内容はそのままで、電波を増幅できる限度を示すものです。したがって増幅された電波レベルが定格出力の㏈数を超えてしまうと、電波の品質が低下してしまい、電波レベルは高くともテレビ画面が乱れるという結果になります。
たとえば定格出力が100㏈で、ブースター利得が30㏈から40㏈のブースターに、テレビアンテナから65㏈の電波が入力される場合、利得を40㏈に調整していると、出力される電波は105㏈で定格出力を越えてしまい、電波の質が低下してしまいます。
そのため、このような場合はブースターの利得を35㏈以下に調整して、出力される電波レベルが100㏈を超えないようにする必要があるのです。
また上記のように、屋外用、屋内用ブースターなど、ひとつの配線に二台以上のブースターを接続する場合は、すべてのブースターで定格出力の最大値に出力レベルを調整すると、やはり電波のひずみが生じて電波の質が低下し、映像の乱れなどにつながります。
そのため、複数台のブースターを設置する場合は、二台の場合は、それぞれの定格出力より3㏈程度低く、三台の場合は5㏈程度低く調整する必要があります。
この定格出力も、ブースターで増幅できる電波レベルの実質的な上限を示すものになるため、できるだけ数値の大きいブースター機種をお選びになるといいでしょう。
「入力ATT(アッテネーター)」
アッテネーターとは「減衰器」ともいい、ブースターとは逆に、テレビなどの電波レベルを減衰させる機器のことです。
アッテネーターは独立したアンテナ機器としても存在し、強電界地域などで地デジ電波レベルが強すぎてトラブルが生じる現場や、地デジのNHK、広域民放と地方チャンネルの電波レベルが大きい場合の調整などに、ケーブルの間に接続する形で使用されます。
また近年ではテレビなどの受信機器にもアッテネーター機能を備えたものがあり、チューナー端子に入力される電波レベルが90㏈以上で、強すぎて問題が出る場合に、電波レベルを適度に減衰させて入力する機能になります。
そしてブースターの入力ATTとは、上記した定格出力を超えないよう、ブースターに入力される電波レベルを適度に減衰させる機能のことです。
実際のブースターでは、入力ATTはスイッチ形式になっているものが多く「0㏈」と「-10㏈」などの切り替えになっており、この場合はスイッチを入れることで、アンテナ側からブースターに入力される電波レベルが10㏈低くなるため、ブースターの定格出力を超えることが少なくなります。
「ゲインコントロール」
ゲイン(gain)とは、英語でいう「利得」のことで、ここではブースター利得を指します。つまりブースター利得のレベルをコントロールする機能のことで、ブースター本体にある、目盛りのついたダイヤルなどで、ブースターの電波増幅量を調整できるのです。
例えば増幅レベルが30㏈から40㏈のブースターであれば、10段階の目盛りがついたダイヤルで、実際の増幅レベルを調整できます。
前述の入力ATTとゲインコントロールの利用により、合わせて20㏈程度の調整が可能になるため、ほとんどのエリアでは、定格出力を超えないブースターの利用が可能になります。
「利得切替スイッチ」
これはすべてのブースターが備える機能ではありませんが、ブースター機器の中には、ブースター利得を、例えば27㏈と32㏈、42㏈の三段階。または33dBと43dBの二段階などに切り替える機能を持ったものも存在します。
この機能のスイッチが、利得切替スイッチと呼ばれるものです。
利得切替スイッチは、ゲインコントロールとほぼ同様の機能に見えますが、電波増幅レベルの微調整よりも、主に地デジの各電界地域に合わせたブースター利得の切り替えに使用されます。特に屋外用ブースターは、前述の通り、増幅性能が定格出力を越えてしまわないように、各電界地域の受信レベルに合わせたブースター利得の機器が選ばれます。
しかし利得切替スイッチを持つモデルであれば、同じモデルでも利得切替によって、幅広い電界地域での使用が可能になるのです。
「雑音指数(NF)」
雑音指数とは、ブースターで発生するノイズ(雑音)の影響を示す数値です。
アンテナで受信できるテレビ電波にも余計な電波であるノイズが混入するほか、ブースターやテレビ本体などの電子機器も、作動させることで本体から一定のノイズである電磁波などが発生します。
ブースターの雑音指数とは、ブースターから発生するノイズが、電波に与える影響のことであり、数値が低いほど影響が低くなります。
一般的には、雑音指数の数値が1に近い、できれば1以下のブースターを使用することがオススメです。なお雑音指数が問題になるのは、テレビアンテナの近くに設置され、増幅性能が高い屋外用ブースターが中心であり、室内用ブースターやラインブースターには、さほどの影響はありません。
「VSWR/インピーダンス」
インピーダンスとは、本来は交流回路における電気抵抗の値(電流の流れにくさ)を表す数値であり、単位はΩ(オーム)になります。
またVSWRとは「Voltage Standing Wave Ratio」の略で「電圧定在波比」と訳されます。これは少し複雑になりますが、交流回路の伝送線路における、進行波と反射波の関係を示す数値であり、やはりどれだけ効率よく電力を伝送できるかを示す数値になります。特に電圧の比を表す場合に「VSWR」と呼ばれます。
いずれにせよブースターの場合は、この数値が1に近いほど抵抗が少なく、効率的に電波を伝送できることになるため、そのようなブースター機器を選ぶことがおすすめです。
「TILT(チルト)」
英単語の「TILT」とは、動詞で「傾く、傾ける」あるいは「突撃する。槍などで突く」。名詞では「傾きや傾斜、斜面、偏向」または「討論、論争、攻撃」などの意味を持ちます。
地デジ、衛星放送とも、テレビ電波は、上記の通り一定の電波の周波数帯を、地デジ放送では6㏈ずつなど、各テレビ局に配分しています。
テレビ放送を見る際に、各テレビ局に合わせる番号の「チャンネル」とは、もともとこの割り当てられた周波数帯を示す言葉と数字になります。
ただ電波には、周波数帯が高いほど、伝送時の減衰が生じやすいという性質があります。
例えば地デジ放送であれば、同じエリアの放送でも、470MHzに近い周波数帯を使うチャンネルより、770MHzに近い周波数帯のチャンネルのほうが電波レベルに弱まりが起こりやすくなります。実際には地デジ放送では、他の電波との混信などが生じないよう調整しつつ、できるだけ低い周波数帯から各地域のテレビ局にチャンネルを割り当てています。
一方、衛星放送では、静止衛星から送られる12GHz帯の電波では、周波数帯が高すぎて通常の同軸ケーブルでは送信できないため、パラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)で受信した後、コンバーターによってMHz帯の電波に変換します。
この際、前述の通り、従来の2K衛星放送の右旋円偏波は1032MHzから2072MHzまで、新4K8K衛星放送の大半のチャンネルに使用される左旋円偏波は、2224MHzから3224MHzまでの周波数帯に変換されます。
したがって衛星放送の電波は、ケーブルの送信時に地デジ電波よりも周波数帯が高くなるため、チャンネルごとの周波数帯の違いによる減衰量もより大きくなります。
そして地デジ放送、衛星放送とも、受信できるチャンネル間の電波レベル(信号レベル)の差が大きいと、受信状態が悪化することがあります。
そのため、周波数帯の高いチャンネルと低いチャンネルで電波レベルが大きくなる場合には、ブースターのTILTスイッチを入れて、電波レベル差を抑えるのです。
このTILT機能は、基準となる周波数(高い周波数帯のチャンネル)に対し、それより低い周波数帯の電波を、基準の周波数と同程度に減衰させることで、チャンネル間の電波レベルの差を解消する機能となります。
「equalizer(イコライザー)」
英単語の「equalize(イコライズ)」とは「等しくする(なる)、同じにする、均質化する、一様にする」などの意味を持つ動詞であり、イコライザーは接尾語の「~er」がついて「等しくするもの、均一化するもの、平衡装置、等化器」などの意味になります。
余談ですが、デンゼル・ワシントンさん主演のハリウッド映画「イコライザー」は、かつて海兵隊員にして国防情報局(DIA)の特殊工作員であった凄腕の主人公が、社会的弱者を救うため巨悪を抹殺するというストーリーになっています。
この映画タイトルの由来は、悪を葬ることで社会に平等や均衡をもたらす者。またイコライザーの俗語である、個人の戦力差をなくす銃器などの強力な武器、という意味のダブルミーニングかと思われます。
そしてアンテナのブースターにおけるイコライザーとは、やはり上記したテレビ放送のチャンネル間で、周波数帯による電波レベルの差が大きいときに、レベル差を解消するために使用する機能です。
ただイコライザーとは、チルトとは逆に、特定の周波数帯で、減衰した電波レベルを補足することで、レベル差を補う機能になります。
戸建て住宅でブースターが必要な状況と適切な機器とは?
ここでは、戸建て住宅を前提に、ブースターの設置や交換が必要になるさまざまな状況と、状況ごとに適したブースターの種類や設置、調整方法についてご説明してまいります。
新築物件でテレビのアンテナ設置に合わせてブースターを設置する場合。
戸建て住宅の新築物件では、ほとんどの場合、建築された時点ではテレビアンテナや配線などの機材は設置されていません。住宅のお引き渡し後、お住まいの方が、アンテナ工事の専門業者などに依頼して、アンテナ取り付け工事を行うことになります。
当あさひアンテナをはじめ、アンテナ工事の専門業者であれば、まず現場の綿密な電波調査を行い、現場の電波環境とお客様のご要望に適したアンテナ工事をご提案いたします。
それと同時に、ブースターや分配器の設置をはじめとする配線工事なども、ご要望とお住まいのアンテナに最適の形でお引き受けいたします。
一般的に、地デジ、BS/CSアンテナ設置と同時に設置されるブースターは、住宅全体へ十分なレベルの電波を供給するための屋外用ブースターになります。
またご自宅一帯の電波状態や、アンテナからの距離が離れた部屋でテレビをご覧になる場合などは、適宜、各部屋にラインブースターを追加することもあります。
基本的に屋外用ブースターは、地デジの電波レベルが弱い中から弱電界地域で使用される機器になります。ただ前述のように分配器でテレビ電波を、電波レベルを含めて分配する場合には、各部屋へ十分な電波レベルを送信するため、受信できる地デジ電波レベルが強い現場であっても、やはり屋外用ブースターで電波レベルを向上させることが必要になります。
戸建て住宅内に三台以上のテレビを設置する場合には、電界地域に関係なく、屋外用ブースターの設置が必要となります。
設置するブースターは、ここまででご説明した通り、住宅に設置するテレビアンテナに合わせたUHF帯ブースター、UHF・CSBS混合ブースターなどの他、現場の地デジ電波状態に合わせて、定格出力を超えない適切な増幅性能や、利得切替機能を持つ機器が必要となります。
一般的な目安としては、地デジ電波の場合、強電界地域では、利得切替スイッチを30dB以上に合わせ、ゲインコントロールで実際の利得は25dB程度に設定します。
中電界地域では、やはり利得切替スイッチを30dB以上に合わせ、実際の利得は35dB程度に調整します。弱電界地域では、利得切替スイッチを40dB以上に合わせ、実際の利得は45dB程度に調整します。
衛星放送に関しては、電波状態ではなく、その住宅の配線状態と、その影響による12GHz帯の電波の減衰レベルによってブースターを調整します。
まずケーブル部の分配数が少ない。またケーブルによる電波の伝送距離が短いなどで、減衰量が少ない場合は、BS/CSの入力ATT調整スイッチを「−10㏈」にして、BS/CSの電波のブースター利得を25dB程度に設定します。
逆に分配数が多い、ケーブルの距離が長いなどで、BS/CSの電波の減衰量が多い場合は、入寮ATT調整スイッチを「0dB」にして、ブースター利得を35dB程度に設定します。
また、各部屋まで電波を送信するケーブルが長いなどで、ケーブル送信中の減衰により、周波数帯の高いチャンネルのみ減衰量が大きくなる場合には、TILTスイッチを入れてチルトを8dB程度に調整します。
ただこのような調整は、あくまで目安にすぎず、実際にはテレビアンテナを設置する現場の電波状態から、分配数やケーブルの長さなど配線の条件によっても調整方法や、ラインブースター追加の必要性など、条件はさまざまに変わってまいります。
そのため、アンテナ設置工事とそれに伴うブースターの設置、調整については、アンテナチェッカーなどを使用した精密な電波状態の確認で、最適なブースター機器や調整を実現できる、当あさひアンテナなどのアンテナ工事専門業者へとお任せになることが適切です。
既設のテレビアンテナでテレビ放送がほとんど映らなくなった場合。
すでにご自宅に設置されているテレビアンテナから、テレビなどに届く電波レベルが急激に低下した場合、ご自宅のすべてのテレビで「E201」「E202」などのエラーコードが表示されて、テレビ放送は正常に映らなくなります。
「E201」はアンテナから届く電波レベルが低下している。「E202」は、アンテナから電波がまったく届いていないことを示すコードになります。
なお、テレビ電波の受信トラブルなどの際に表示される、各種エラーコードの種類や詳細については、以下のコラム記事に詳しい解説がございます。
・アンテナ受信トラブルでテレビ画面に「E201」などエラーコードが表示されて映らない問題の原因と解決する対処の方法とは?
この場合、原因はさまざまに考えられます。たとえば風雨の影響やアンテナの老朽化などにより、アンテナ本体の角度が大きくズレている。アンテナ本体や配線部の機器、ケーブル接続部の劣化、故障などでアンテナからの電波が途絶えている。テレビなど受信機器側のトラブル。
また放送局が放送を休止している。悪天候などにより電波状態が大きく悪化している。電波塔や放送衛星と、自宅のテレビアンテナの間に、建築物などの遮蔽物か作られて、テレビ電波が遮られているなどの要因も考えられます。
ブースターのトラブルで考えられる要因としては、受信できる地デジ電波レベルが弱い地域や、テレビの設置台数が多い住宅などで、屋外用ブースター本体の故障やトラブルにより増幅性能が低下している。また周辺の電波状態が変化し、従来のブースター設定では適切な増幅レベルに対応できなくなっているなどが挙げられます。
ブースター本体も、電源を必要とする電子機器であるため、長年の使用により本体の劣化などが起こり得ます。ブースターの寿命は約10年とされ、その年数を過ぎると故障などのトラブルが発生する可能性も高くなります。
ブースターのトラブルである場合は、ブースターの交換や再調整が必要となってまいりますが、このような症状では、ブースター以外にもさまざまな要因が考えられ、ご自宅で原因を特定することは難しいケースもあります。
また特に屋外用ブースターの設置、調整などは、設置位置が屋根の上などの高所であることもあり、交換や調整の作業には大変な危険が伴います。
住宅のすべてのテレビに電波が届かなくなるという、大きなトラブルの場合は、当あさひアンテナなどアンテナ工事の専門業者に、原因の特定と修理をご依頼になることが、最適の対応と言えます。
なお、ブースターの交換やテレビが映らなくなるトラブル、電波障害の原因や対処法などについては、以下の各コラム記事に詳しい解説がございます。
・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
・地デジ、衛星放送のテレビアンテナ故障例、テレビ放送が映らなくなった場合に考えられる原因とその対処法は? 必要な工事を解説
・電波障害? テレビが映らない原因はアンテナトラブル? 確認と対処法
・テレビ側で地上デジタル放送(地デジ)のチャンネルスキャンができないときの受信、設定の対処方法
・地デジやBS/CSアンテナで受信感度が落ち突然テレビが映らなくなる原因、受信レベルを上げ映るよう解決する対処法の工事は?
・BS・CS放送がテレビで正しく映らない原因と対処法・アンテナの受信から工事を解説
・地デジ、衛星放送で起こりえる電波障害の種類とその対処法
既設のテレビアンテナでテレビ映像が乱れる場合。
ご自宅に設置されているテレビで、全体的にテレビ画面にブロックノイズが入るなどの乱れが生じている場合は、アンテナが受信するテレビ電波のレベルやブースターの増幅レベルが低下している。またテレビ電波にノイズが混入しているなどが考えられます。
この原因も、テレビが映らない場合と同じように、アンテナ本体の角度のズレ、故障や、ブースターを含むアンテナ配線部やテレビ本体などのトラブル。受信環境の変化など、さまざまな要因のうち比較的、軽微なものであることが考えらえます。
他にも、雨や雪の日などの悪天候や、一定の季節のみ映像の乱れが生じる場合には、気候、天候などの影響で、周辺の電波レベルが低下している場合も考えらえます。
通常、アンテナ工事の専門業者であれば、テレビアンテナ設置やブースターの調整時に、綿密な電波調査と気候、天候の影響による電波レベルの変動を踏まえて、余裕を持った性能の選択や設定がなされます。
ただ技術の低い業者や、家電量販店、ホームセンターの下請け業者などアンテナ工事の専門家でない場合には、電波レベルの変動に対する認識が甘く、アンテナ設置時には十分な電波レベルを受信できているように見えても、悪天候などで電波レベルが低下した場合に、十分な電波の受信や増幅ができなくなり、テレビ画面の乱れが発生します。
この場合は、主に適切な増幅レベルへのブースターの再調整や、室内用ブースター(ラインブースター)などの追加で対応できますが、地デジアンテナそのものを、より受信感度が高まる位置やモデルへ再設置する必要が出るケースもあります。
また衛星放送の場合、ある程度の強い雨や雪の場合には、波長が25ミリ前後と短い12GHz帯の電波が、雨や雪に遮られ、乱反射なども生じてBS/CSアンテナで受信できなくなる「降雨減衰」「降雪減衰」が発生することもあります。
この衛星放送の降雨減衰、降雪減衰への対処は、基本的に天候の回復を待つこと。またはやや大型で受信性能の高いBS/CSアンテナを使用すること以外にありません。
他にも、ご自宅の分配器の予備端子と、新しく設置したテレビ機器を接続した場合には、個々の出力端子の電波レベルが等分に分配されるため、各部屋に送られる電波レベルが均一に低下して、映像の乱れなどにつながることもあります。
この場合も、全体の電波レベルを底上げするために、やはりブースターの再調整や追加が必要になってまいります。
その他、テレビ画面の映像が乱れる主な原因と対処法については、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジ・BS/CS放送のテレビ画面が乱れる原因とその対策
・一時的にテレビ画面が乱れる場合の原因と対策・徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
住宅内の一部の部屋でのみテレビ映像が乱れる、映らない場合。
上記した、テレビ放送が映らずエラーコードが表示される。ブロックノイズが混じって画面が乱れるといった症状が、住宅内の一部屋や、一部の部屋のみのテレビで起こる場合は、アンテナ配線部でも分配器以降のケーブルや機器、テレビなど受信機器本体のトラブルである可能性が考えられます。
さらに問題の起こる部屋が、アンテナの位置から遠く、ケーブル配線が長くなることで、電波の減衰が大きくなっているケースも多く見られます。この場合もやはり、悪天候や一部の季節のみで画面の乱れが生じることもあります。
この場合には、大本の屋外用ブースターのレベル調整も有効ですが、問題のない部屋での電波レベルが強くなりすぎることもあるため、画面が乱れる部屋に室内用ブースター、ラインブースターを設置するという方法が適切です。
このような症状の原因と対処法については、以下の各コラム記事に詳しい解説があります。
・一部屋だけテレビが映らない不具合の原因と対処法
・地デジ放送は映るのにBS/CS衛星放送が映らない場合の対処法
・BS/CS衛星放送は映るのに地デジ放送が映らない場合の対処法
ブースターの異常発振にご注意!
ブースターの大きなトラブルとして「異常発振」が挙げられます。
例えばマイクとアンプ、スピーカーなどを使用して拡声を行うときに「ブーン」「ピー」などの雑音が響くことがあります。
これは、マイクで収音した音がスピーカーで拡大されて出力される際、そのマイクがスピーカーの音を拾ってしまい、その音を拡大して出力することが繰り返され、特定の帯域の音が増幅されることで生じるもので「ハウリング(鳴音)」と呼ばれる現象です。
そしてテレビアンテナのブースターも、増幅されて出力されたテレビ電波が、入力側に混入することでハウリングと同じ原理により、異常な電波が際限なく増幅されて発信されてしまう現象が「異常発振」です。
この現象は、例えばシールド性能が低く、電波の漏洩、混入が起こりやすい同軸ケーブルを使用して、ブースターに入力する側と出力する側のケーブルを束ねて設置する。ケーブルのねじれや接続の不良。また地デジアンテナとブースターを極端に近く設置する。ブースター本体の劣化、故障や利得の調整ミスといった原因で起こり得ます。
この異常発振が発生すると、増幅を繰り返された異常な電波が妨害電波となって周辺一帯に発信され、テレビ電波に混入することで、自宅だけではなく広範なエリアで、テレビ放送が映らない、画面が乱れる。さらには携帯電話、スマートフォンなどの電波にも悪影響を与えるといった、大規模な電波障害が発生することもあります。
異常発振を防止するには、シールド性能の高い高品質な同軸ケーブルを使用し、入力側と出力側のケーブルを接近させない、ブースター本体と地デジアンテナを1メートル以上、離す。また分配器とブースターも近づけない。ブースターの適切なレベル調整を行うなどの対処が必要になります。
特に新4K8K衛星放送では使用する周波数帯が高いため、異常発振では特に大きな電波障害が発生するリスクもありますので、注意が必要となります。
この異常発振を防ぐための最適の対処も、やはりアンテナ工事の専門業者に、最適なブースターの設置および調整を依頼することだと言えます。
テレビのアンテナに必要なブースター・まとめ
戸建て住宅でテレビのアンテナ用に使用されるブースターの主な種類は、以上の通りです。
ほとんどの場合は、各種テレビアンテナの設置時に、まずテレビアンテナに適した屋外用ブースターを設置し、その後、必要に応じて卓上型ブースター、ラインブースターなどを追加設置する形になります。
テレビ電波レベルを増幅して受信状況を安定させることが、ブースターの役割です。そして一部の部屋でテレビ放送の映像が乱れるなど、軽微な受信トラブルの場合は、ご自宅でラインブースターを設置するなど、簡単な対処も可能となります。
ただ屋外用ブースターの設置や、複数台のブースター設置が必要となる現場では、現場の綿密な電波調査や、配置する配線に合わせて、適切なブースターの調整が必要となり、一般の方では難しい部分も出てまいります。
当あさひアンテナでは、本文でご説明した通り、各種テレビアンテナおよび、UHF帯ブースター、UHF・BSCS混合ブースターをはじめとするブースターなど、アンテナ周辺機器の設置を、明確な価格体系でご案内しております。
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なおアンテナ工事に際する電波調査とお見積もりについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
実際のアンテナ工事も、知識と経験豊富で高い技術を誇る弊社スタッフのアンテナ職人による完全自社施工で、中間マージンなどの費用を抑えつつも、弊社のモットー「見えないところもきれいに」に則って、屋外のアンテナ本体はもちろん、屋根裏空間の機材や配線などもキレイに整った、見栄えが良くトラブルも起こりにくい施工を実施いたします。
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