戸建て住宅で地デジテレビアンテナを取り付ける工事に必要な配線とは? 設置にかかる費用の相場、料金や業者選びの方法も解説!
新築の戸建て住宅に、地上デジタル放送(地デジ)用、衛星放送(BS放送、CS放送)用のテレビアンテナを新規に取り付ける工事では、必要となる金額は、それぞれのアンテナ取り付け作業を施工する費用だけではございません。
アンテナ工事を請け負う会社では、各種アンテナの設置費用を「基本設置工事費」「標準工事費」などで表記していることが多くなります。ただこの場合の設置費用は、アンテナを取り付け、一本の配線で、住宅内の一か所に接続するだけの最小限の工事のみになります。
実際に戸建て住宅のいくつもの部屋で、十分な電波レベルにてテレビ番組を視聴するためには、アンテナ+ブースター、分配器など、必要な周辺機器の設置工事を行う必要もございます。
またすでにアンテナを設置している住宅で、新たなテレビ放送に対応するための、アンテナの増設や旧式アンテナの更新。またアンテナの故障による交換などの場合には、既存のアンテナを取り外し、撤去、処分を行う費用なども発生してまいります。また変更、新設したアンテナに合わせて、アンテナ配線部の機器を交換する必要があるケースもございます。
新設、増設、交換など含め、戸建て物件でのアンテナ工事で必要となる額は、アンテナ本体の設置費用に加え、各種作業、機材の設置を含めたオプション工事費用の総額となります。
ただご自宅で各種アンテナ工事を行うにあたり、アンテナ本体以外に必要な配線部、周辺機器の種類がわからないのでは、必要な工事費用の目安に見当がつかず、不安に思われるお客様もおられることでしょう。また残念ながら、アンテナ工事を行う業者の中には、お客様の知識不足に付け込み、当初の見積にない不要な工事、機材や部材を加算して、不当な高額料金を請求する悪質な業者も存在します。
そこで今回のコラムでは、戸建て住宅へのテレビアンテナ工事で、使用される主なアンテナ機種他、配線部で必要となる周辺機器について、その機能や種類の一覧。また必要となるケースなどのポイント。さらには各機器の設置費用の相場や、工事を依頼できる業者、店舗などについても徹底解説いたします。
信頼できる優れたプロのアンテナ工事業者をご選択の上、適正な価格でアンテナ工事を行いたいお客様には、ぜひ当記事をお読みの上で、アンテナ設置に必要な工事についてご理解いただきたく存じます。
地デジ、衛星放送の基礎知識と対応する各種アンテナ機種とは?
戸建て住宅に地デジアンテナを設置する場合だけでなく、衛星放送用のパラボラアンテナ、特に近年の4K8K対応BS/CSアンテナを設置する場合には、アンテナ配線部のケーブルや機器も、その電波の種類に対応できるものが必要となります。
そこでまず、地デジ放送や衛星放送の基礎知識と電波の種類。またそれぞれの主なアンテナ機種についてご紹介いたします。
地デジ放送とは?
現在の地デジ放送、すなわち地上デジタル放送は、各テレビ放送局から送信されるテレビ放送の映像信号を、「0」「1」のデジタル信号に変換し、この信号を電波の波長に変換して送信する形のテレビ放送になります。
現在の地デジ放送で使用される電波は、「UHF波(極超短波)」のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯で、その波長の長さは、およそ40センチから60センチ程度になります。
地デジ放送の電波は、例えば東京都墨田区押上に位置する、今や東京都のランドマークであり、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県といった首都圏の多くのエリア。さらには群馬県、栃木県、茨木県の一部といった広範囲に地デジ電波を送信する東京スカイツリーをはじめ、日本国内の要所に数多く設置された、広範囲に地デジ電波を送信する大規模な「送信所」と呼ばれる電波塔。
および距離や地形などの要因により、送信所からの地デジ電波が届きにくいエリアへは、送信所や別の中継局からの電波を受信して、増幅し、その周辺エリアへと送信しなおす「中継局」と呼ばれる大小の電波塔を使用することで、日本国内のほぼ全域へと地デジ電波を送信しております。このように地上に設置された設備から放送電波を送信する形式であるため、地デジ放送は「地上波放送(地上波テレビ放送)」とも呼ばれます。
ちなみに日本におけるテレビ放送は、1953年(昭和28年)2月1日にスタートした「アナログテレビ放送」が最初のテレビ放送になります。このアナログ放送も、東京都港区に位置する東京タワーなど、日本国内に設置された多くの電波塔からテレビ電波を放送する「地上波放送」の一種でした。
ただ「アナログ放送」という呼称は、のちに地上波デジタル放送である地デジ放送が登場してから、区別のためにつけられた名称、いわゆるレトロニムであり、アナログ放送が唯一のテレビ放送であった時代は、単に「テレビ放送」。のちに衛星放送が登場した頃より、やはり区別のために、地上波放送と呼ばれるようになりました。
このアナログテレビ放送では、映像信号をまず電気信号に変換し、その信号をそのまま電波の強弱に変換して送信しておりました。
アナログ放送用のテレビ電波としては、NHK、広域民放では、「VHF波(超短波)」のうち90MHzから108MHzのローバンドの周波数帯。および170MHzから222MHzのハイバンドの周波数帯が使われていました。また東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビジョンなど、主要な都市圏の一部都府県に、それぞれ独立して存在し、その都府県域と周辺のみを放送エリアとする独立放送局の地方チャンネルでは、地デジと同じUHF波のうち、470MHzから770MHzの周波数帯が使われていました。
従来のアナログ放送に対して、地デジ放送は、2003年(平成15年)12月1日、午前11時より放送がスタートしました。その後、移行期間としてしばらく地デジ放送とアナログ放送の双方が送信され続ける期間が続き、2011年(平成23年)7月24日の正午、一部エリアを除いてアナログ放送が終了(停波)したことで、日本の地上波テレビ放送は地デジ放送に一本化されたのです。
このアナログ放送から地デジ放送への転換は、世界的なアナログ技術からデジタル技術への転換の趨勢に合わせること。また携帯電話の急激な普及により、それまでテレビ放送が大半を使用していた電波の周波数帯を大きく空ける必要が出たためです。
デジタル放送では、映像信号をデジタル化することにより、従来のアナログ放送に比べて、使用する電波の周波数帯を大きく削減しながら、従来よりも格段に大容量の情報を送信できるようになりました。これによりテレビ映像のフルハイビジョン(FHD、2K)化をはじめ、データ放送や番組表、双方向通信など、アナログ放送時代には考えられなかった、さまざまな新機能を実現しております。
なお地デジ放送は地上波放送であるため、設置された電波塔からの距離、また電波を遮りやすい地形などの影響によって、日本国内の各地でも、受信できる地デジ電波レベル(強度)に違いが生じます。
日本の各地域で受信できる、おおよその地デジ電波レベルによって、日本国内のエリアを分けたものを「電界地域」といいます。
ただ地デジ電波は、一年を通した季節や気候の変化により、電波強度を示す「㏈(デシベル)」の単位にして、6㏈程度の変動が生じます。また電波は水分に影響されやすいため、雨や雪などの悪天候時には、やはり地デジ電波レベルが低下してまいります。
他にも高層建築物、住宅密集地など地デジ電波を遮りやすい障害物のある場所では、その場所でのみ地デジ電波レベルが大きく下がることもあるため、電界地域とは、あくまで大まかな目安となります。
この電界地域も、正式な定義があるわけではないため、場合によっては分類の基準や種類が異なることもございます。ただもっとも一般的な電界地域の区分としては、電波レベルが強い順に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」に分ける形式になります。
強電界地域とは、一般的に受信できる地デジ電波のレベルが非常に強い地域を指します。地デジ電波の送信所や中継局が近く、電波を遮る障害物も少なく、地デジ電波を見渡せるようなエリアで、地デジアンテナによる受信感度が良好になるのが強電界地域です。
弱電界地域は、強電界地域とは正反対の地域を意味します。つまり地デジ電波塔から距離が遠い。もしくは、地形などによって地デジ電波が遮蔽されやすく、一体に届く地デジ電波レベルが弱いため、放送波の受信が比較的、難しくなる地域です。
そして中電界地域は、強電界地域と弱電界地域の間に挟まれ、受信できる地デジ電波レベルもその中間にあたる地域を指します。
一般的な基準では、前述の㏈の単位で、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上であれば強電界地域。80㏈から60㏈であれば中電界地域。60㏈以下であれば弱電界地域と呼ばれます。また山間部や離島部、過疎地帯など、地形の影響や電波塔からはるかに遠い地域などで、地デジ電波がほとんど受信できないエリアも一部に存在し、このエリアは、地デジの「難視聴地域」と呼ばれます。
このような難視聴地域では、地デジアンテナの使用ではなく、主にケーブルテレビ(CATV)などを利用してテレビ放送を視聴することになります。
ご自宅がどの電界地域に属するか、またご自宅の各場所で受信できる正確な地デジ電波レベルや電波の方向を確認するためには、アンテナ工事の専門業者などに電波調査を依頼し、専用の「アンテナレベルチェッカー」などと呼ばれる測定器によって、正確に測定することが確実といえます。
アンテナレベルチェッカーは一般の個人でも購入できますが、比較的、高価であり、使用頻度を考えるとコストパフォーマンスが悪い上、電波に関する知識がない一般の方では、チェッカーの表示の意味を判読できないことも考えられます。そのため一般の方がアンテナレベルチェッカーを入手して電波レベルを測定されることは、おすすめできることではございません。
おおまかな目安レベルになりますが、一般の方が、ご自宅がどの電界地域に属するかを判断される方法としては、
・周辺の住宅に設置されている地デジアンテナの機種を目視で確認し、どの電界地域向けのモデルであるかから判断する。
・地デジアンテナを販売している最寄りの家電量販店やホームセンター、町の電気店などへ問い合わせる。
・地デジ電波の一部周波数帯(1セグメント)を利用しているワンセグ放送を対応機器で受信し、その受信感度から判断する。
・「A=PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」の公式サイト内にある「放送エリアのめやす」をはじめとするインターネットの専門情報サイトで調べてみる。
といった方法がございます。
地デジ放送や地デジ電波の性質については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
現在の主な地デジアンテナ機種とは?
上記した地デジ放送を受信するテレビアンテナは、どれもUHF波を受信するための「UHFアンテナ」になります。そして主に戸建て住宅の屋外に設置されるモデルは「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の3種類になります。
他にも強電界地域で使用できる室内アンテナ等もございますが、下記では、この三機種について簡単にご説明いたします。
まず「八木式アンテナ」とは、いまから約100年前、大正時代にあたる1920年代、東北帝国大学(現在の東北大学)のm、宇田新太郎博士と八木秀次博士の研究によって開発された古典的なアンテナ機種です。現在では特許を取得した八木博士の名前が残っておりますが、実質的に研究を主導した宇田博士の名前も付け、正式名称を八木・宇田アンテナと呼ばれることもございます。
テレビアンテナとしての八木式アンテナの形状は、よく魚の骨の形に例えられます。現在の地デジアンテナ(UHFアンテナ)としての八木式アンテナは、矢印のような骨組みに、短い横棒がいくつもついた形状になります。
魚の頭、または矢印の先に当たる部分は「反射器」。魚の身の部分にあたるのが「輻射器」。矢印の反対側である「導波器」はアンテナの前方にあたり、こちらを電波塔など、電波の方向に向けて設置することになります。また短い横棒は「素子(エレメント)」といい、地デジ電波を受信するパーツに当たります。
八木式アンテナが設置される場所は、主に住宅の屋根の上に、屋根馬という固定具を使用して立てられたマスト(ポール、支柱)の先端になります。また壁面やベランダの手すり部などにサイドベースという器具を固定して設置する。ベランダ内部に設置する。軒先用の機種を軒先などから吊り下げるなどの方法もございます。
八木式アンテナのメリットは、モデルによって素子数の異なるモデルが多く、受信性能の高い高性能機種も存在して、地デジ電波が弱いエリアを含め、幅広い電界地域で使用できる。また素子数に加えて、素子が露出する素子アンテナである。さらに基本的な設置位置が高所のため、地デジ電波を遮りやすい周辺の高層建築などに影響されにくく、受信性能が高くなるという点です。
八木式アンテナの主なモデルには、素子数が8素子、14素子、20素子などがある他、一か所の固定部に複数の素子パーツを並べた高性能素子を使用し、27素子、30素子などのモデルも存在する高性能機種「パラスタックアンテナ」なども存在します。
総じて八木式アンテナは、現在の地デジアンテナ機種ではもっとも受信性能が高い機種になります。一方でシンプルな設計で製法などが確立された古典的モデルであるため、本体価格、設置工事費は、地デジアンテナ機種の中ではもっとも低価格になります。
ただ一方で、その形状と設置位置から、住宅の屋根の上などで目立ってしまい、家の見た目や景観を乱しやすい。強風や風雪、海沿いの潮風、鳥が留まりフンをする鳥害など、自然環境によるダメージを受けやすく、経年劣化が進みやすい。そのため老朽化により、耐用年数(寿命)が短くなり、トラブルが生じやすい。またご自宅でのメンテナンスが難しく、業者に依頼する必要がある点などが挙げられます。
そして「デザインアンテナ」とは、アンテナの機器を長方形の薄型ケースに収め、壁面などへの設置を前提としたモデルで、2009年(平成21年)頃に普及した、地デジアンテナの第二世代機種になります。
主な設置場所としては、住宅の壁面やベランダの手すり部などに専用の固定具を取り付け、デザインアンテナ本体をはめ込む形で固定すれば完了です。他にも、八木式アンテナと同じように屋根の上のマストに設置される場合もあります。
また現場の地デジ電波状態や住宅の建材などの条件によっては、コンパクトモデルを室内の窓際に置く。通常モデルを屋根裏空間、天井裏空間に設置するといった、屋内設置も可能となります。
このような形状、設置位置の特徴から、デザインアンテナは別名を平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどとも呼ばれます。
デザインアンテナのメリットは、その設置位置やスタイリッシュな形状に加え、同機種でもカラーバリエーションが豊富なため、さまざまな住宅の外壁やサッシの色合いに調和しやすく、目立たないため、住宅の見た目や景観を乱さないという点です。
それに加え、強風や雨、雪、鳥害などの影響を受けにくく、経年劣化が進みにくいため、耐用年数(寿命)が延びて、トラブルも生じにくいという点も大きなメリットであり、現在では一番の人気を誇る地デジアンテナ機種になります。
ただ一方でデメリットとしては、アンテナ本体の性能が、強電界地域向けのコンパクトモデルなどを除き、主なモデルは20素子相当、26素子相当のみになります。
素子数相当とは、素子が露出しない地デジアンテナ機種の受信性能を、八木式アンテナの受信性能に換算したものになります。ただ同じ素子数(相当)のモデルでも、素子が露出した八木式アンテナに比べると、デザインアンテナなど素子が露出しないモデルは、やや受信感度が低めになります。さらにデザインアンテナは基本的な設置位置が壁面やベランダなど、屋根の上より低い位置になるため、周辺の障害物などに影響されやすく、その点も受信感度に大きく影響します。
そのためデザインアンテナは基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種になりますが、強電界地域などでも、高層建築の近隣や住宅密集地などで、特に壁面など低い位置で地デジ電波が遮断されやすい現場では、デザインアンテナでは十分な受信ができず、設置できないこともございます。
他にも壁面への設置では住宅の壁にビス穴を開ける必要がある。八木式アンテナに比べると、本体価格や設置費用がやや高額になる点などもデメリットと言えます。
最後の「ユニコーンアンテナ」は、日本の大手アンテナメーカー「マスプロ電工」社が2017年(平成29年)に発売した、地デジアンテナ機種の第三世代にして、2023年現在における最新機種です。
ユニコーンアンテナは、別名をポール型アンテナともいうように、長さ約67センチ、直径約14センチの、ほぼ円柱型で非常にスタイリッシュなアンテナ本体を、ポールの先に設置する地デジアンテナモデルです。
主な設置場所は八木式アンテナと同じく屋根の上のマストに固定する他、屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所にサイドベースを設置し、屋根とほぼ同じ高度に設置する形になります。
ユニコーンアンテナのメリットは、デザインアンテナと同じく、その独特の形状から、住宅の高所に設置しても装飾のように見えて目立たず、住宅の見た目や景観を乱さない。また風雨を受け流しやすいため経年劣化が進みにくくなり、耐用年数(寿命)が長くなるというメリットがございます。
さらにユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当ながら、設置位置が高いため周辺の高層建築などの障害物などに影響を受けにくく、受信感度が高まるという、八木式アンテナと同じメリットも備えております。高層建築の付近や住宅密集地などで、壁面やベランダへのデザインアンテナ設置が難しい現場でも、高所を選べるユニコーンアンテナであれば問題なく設置でき、また住宅密集地でも越境問題が生じる恐れがございません。
一方でデメリットとしては、八木式アンテナの同素子数から高性能機種に比べると受信性能が弱くなり、弱電界地域などでは使用できないケースもあること。最新機種であるため本体価格、設置費用が地デジアンテナではもっとも高価であること。また純和風建築など、住宅の様式によってはそのデザインがミスマッチになるケースもあることなどが挙げられます。
当あさひアンテナでは、地デジアンテナの設置に関しては、高品質の国産大手メーカー製アンテナ本体と、設置具、ケーブルなどの基本部材、また防水加工などをセットにした基本設置工事を、標準機種の20素子(相当)モデルを使用して、八木式アンテナは税込み15,000円。デザインアンテナは各種カラーバリエーションもご用意し、税込み20,000円からでお引き受けしております。
また最新機種のユニコーンアンテナはキャンペーン価格でご案内している他、高性能アンテナやデザインアンテナのコンパクトモデルなどさまざまな状況、ご希望の現場に対応できる各種モデルもご用意しております。
各種地デジアンテナ取付に関しては、弊社までお電話、メールフォームなどでお気軽にお問合わせ、ご相談いただければ幸いです。
なお以上の各地デジアンテナ機種や、共通する性能、特性などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
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衛星放送とは?
衛星放送とはその名称通り、地球上から約35,786キロ上空の赤道軌道上に位置する宇宙空間で、地球の自転に同期して周回するため、地上からは空の一ヵ所に静止して見える人工衛星(静止衛星)から、テレビなどの放送電波を送信している形式の放送です。
この静止衛星からは、日本国内を放送対象とする静止衛星であれば、日本国内の全域をスポットライトで照射するようにして、放送電波を送信しております。そのため衛星放送では、地デジなど放送の地上波放送と異なり、一基の人工衛星で、日本全域などの広域へと効率的に大容量の情報を送信できる。また地球上の建物や地形などの障害物、災害などに影響されず、安定して放送を送信できるという点がメリットになります。
なお日本の衛星放送にはBS放送、CS放送の分類があり、それぞれ静止衛星は別々になります。この静止衛星から送信される衛星放送の電波は、マイクロ波の一種「SHF(センチメートル)波」のうち、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後の電波になります。
この衛星放送の電波は12GHz帯と呼ばれ、波長の長さは25ミリ前後と非常に短くなります。電波は周波数が高い(波長が短い)ほど、性質が光に近くなり、直進性が強くなるため、衛星放送の電波には適しているのです。
なおBS放送とは、放送衛星(Broadcast Satellite)を使う衛星放送のことです。東経110度に位置する放送衛星を使用しており、地デジ放送と同じく、BS/CSアンテナの設置により日本国内であれば不特定多数の方々が視聴できる放送です。
現在のBS放送の放送チャンネルには、地デジと同じNHK、各広域民放のBSチャンネル(放送内容は地デジ放送とは異なる)とその他の無料チャンネル。そして月額契約料金を支払うことで視聴できる「wowow」などの有料チャンネルがございます。
CS放送は、元来は企業や事業者向けの通信を想定した、通信衛星(Communication Satellite)を用いる衛星放送です。1989年(平成元年)の放送法改正により、この通信衛星でも、一般世帯に向けた放送事業ができるようになりました。
現在のCS放送は、CS放送事業者と契約を結んだ視聴者を対象とする放送であり、放送チャンネルの大半が有料チャンネルです。またBS放送よりはるかに多数のチャンネルがある点も特徴になります
2023年現在、CS放送のサービスには。東経110度に位置する通信衛星を使用した110度CS放送「スカパー!」。東経124度、128度の通信衛星を使用する124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の二種類になります。
また最近の2018年(平成30年)には、このBS放送、CS放送にそれぞれ4K、8K放送のチャンネルが追加される形で「新4K8K衛星放送」もスタートしております。
前述した衛星放送の電波、12GHz波は、周波数の高さから性質が光に近く、送信される人工衛星から、日本の全域へとまっすぐに送信されております。半面、波長が25ミリ程度と短いため、電波が障害物にぶつかった場合、ほとんどその向こう側に回り込むことができず、電波が遮断されやすいという弱点もございます。
他にも電波、特にマイクロ波は水分に吸収されやすいため、地球上で12GHz帯の波長の幅と同程度の、大粒の雨や雪が降った場合、電波が雨や雪に吸収され、乱反射も発生することで電波状態が悪化し、地上のBS/CSアンテナで十分に受信できなくなることがあります。この現象を「降雨減衰」「降雪減衰」と呼びます。
また宇宙空間の人工衛星から、日本の全域を照らし出すようにして電波を送信しているため、衛星からの距離が遠くなる国内の北部や南端部、離島部などでは、距離による減衰(電波レベルの弱まり)から、衛星放送の電波レベルがやや弱くなる性質もございます。
地デジ放送の仕組みや電波の性質などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
衛星放送用のテレビアンテナとは?
現在、衛星放送を受信するために設置される、衛星放送用のテレビアンテナ(BS/CSアンテナ)は「パラボラアンテナ」になります。
パラボラアンテナとは、内側が放物曲面を描く皿のような円盤「反射器(放物面反射器)」を中心の機材とするアンテナです。この反射器は皿に似ていることから、多くの場合は、英語で「皿」を意味する「ディッシュ(dish)」とも呼ばれます。またパラボラアンテナの「パラボラ(parabola)」とは、ディッシュの曲線である「放物線」の意味になります。
衛星放送用のBS/CSアンテナでは、ディッシュの背後から前方、ディッシュの中央部に伸びる金属製のアームの先に「コンバーター(変換器)」という機器を設置しております。またディッシュの背後面には、アンテナを固定する金具部も存在します。
衛星放送用のBS/CSアンテナでは、人工衛星から送られる12GHz帯の電波を正面から受け止め、放物曲面で反射させて、コンバーターの一次放射器に集めます。人工衛星から送信される12GHz帯の電波は、周波数帯が高すぎてケーブルでの送信に適さないため、まずコンバーターで適切なMHz帯の電波に変換して、ケーブルでテレビ機器側へと送信するのです。
なおコンバーターは、電波の周波数を変換する電子機器であるため、アンテナ配線側のブースターや、チューナーの端子から、アンテナケーブルを通じて送電する形で、電源が必要となります。
現在の主な衛星放送用アンテナは、BS放送および110度CS放送(スカパー)の双方を一基で受信できる「BS/110度CSアンテナ」になります。この二種類の衛星放送は、どちらも東経110度に位置する静止衛星から電波を送信しているため、一基のパラボラアンテナで受信可能になります。
ただCS放送でも、その名称通り、東経124度、128度の通信衛星を使う124度/128度CS放送(スカパー!プレミアムサービス)は、静止衛星の位置の違いから、上記のBS/110度CSアンテナでは受信できません。124度/128度CS放送を受信するためには、プレミアムサービス専用アンテナか、BS放送、110度CS放送を含むすべての衛星放送を受信できるマルチアンテナが必要となります。
またBS/CSアンテナは、東経110度に位置する静止衛星から送信される、直進的な12GHz帯の電波を正面から受け止める必要があるため、アンテナのディッシュを東経110度の方向へと、仰角(上下角)、方位角(左右閣)ともにミリ単位で正確に向ける必要がございます。
BS/CSアンテナは地デジアンテナ以上に指向性が高いといえ、この角度調整がミリ単位でも狂うと、衛星放送の受信感度が極端に下がり、正常に受信できなくなることがございます。
またBS/CSアンテナの角度と並んで重要になるのが、ディッシュを東経110度に向けた先に、電波を遮ってしまう障害物が存在しないという点になります。前述のように衛星放送の12GHz帯の電波は、波長が25ミリ前後と短く、直進性が高い半面、わずかな障害物に影響されやすくなります。したがってディッシュを向けた方向に建築物や山地などはもちろん、電柱や歩道橋、樹木やその枝葉。洗濯物などが存在しても、12GHz帯の電波が遮断されてしまい、受信障害が発生してまいります。
総じて、BS/CSアンテナを戸建て住宅に設置する場合には、BS/CSアンテナを東経110度へと正確に向けることができる。そしてアンテナを向けた方向に障害物がないという条件が重要になります。
逆に言えばその条件さえ整っていれば、BS/CSアンテナの設置位置に制限はございません。戸建て住宅における主な設置位置は、角度調整が行いやすく、周辺の障害物に影響されにくい屋根の上にマスト。特に八木式アンテナ等とセットで設置されることが多くなります。
他にも12GHz帯の電波受信に問題がなければ、風雨などを避けやすく住宅の外観にも影響しにくい、住宅の壁面やベランダの内外などに設置されることもあります。また12GHz帯の電波は住宅の壁や屋根を通ることはできませんが、シンプルで透明な窓ガラスであれば減衰は生じるものの透過できるため、条件が整った室内の窓際に、スタンドに立てたBS/CSアンテナを設置できることもあります。
このBS/CSアンテナは、どのメーカーやモデルも基本的な設計は同じになるため、受信性能の違いは生じにくくなります。ただモデルの違いとしては、詳しくは後述する「2K対応型」と「2K4K8K対応型」の違いの他、ディッシュ直径の違い、カラーバリエーション、高耐風モデルなどが存在します。
ディッシュの大きさは、その直径をセンチ数で表した、45型、50型、60型、75型、90型、120型などがございます。このディッシュサイズが大きいほど、衛星放送の受信性能も高くなります。
基本的には戸建て住宅向けは45型になり、それ以上のモデルは、集合住宅の規模に合わせた共同受信用になります。ただ前述のように、日本国内でも電波レベルがやや弱まるエリア。また降雨減衰や降雪減衰への対策として、戸建て住宅でもやや大型のBS/CSアンテナが選ばれることもございます。
BS/CSアンテナの本体色は、太陽光の影響を受けにくい白色系が主ですが、近年では太陽光に強い塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。またディッシュの形状的に風雨に弱くなるBS/CSアンテナの弱点を抑えるべく、風を通すパンチングホール仕様やメッシュ仕様のディッシュを採用した他、各部の強化など耐風性を高めた高耐風モデルなども存在します。
当あさひアンテナでは、戸建住宅へのBS/CSアンテナ設置では、標準機種として、2K4K8K対応45型、DXアンテナ製の最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナに加えた追加設置を、やはりアンテナ本体や基本設置具の価格を含め、税込み15,000円からでお引き受けしております。さらに同社製の2K4K8K対応45型モデルで、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sという業界最強クラスの耐風性能を誇る高耐風モデル「BC453SG」も、特別価格でご案内しております。
なおBS/CSアンテナの機種や性能などの詳細については、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
「新4K8K衛星放送」に対応できるBS/CSアンテナやアンテナ機器とは?
前述のように2018年にスタートした、衛星放送の4K、8K放送「新4K8K衛星放送」は、それ以前に設置された2K対応のBS/CSアンテナでは、4K8Kチャンネルの多くを視聴できないことがございます。新4K8K衛星放送のチャンネルをすべてご視聴になるためには、2018年以降の2K4K8K対応のBS/CSアンテナ、および4K8K放送に対応できるアンテナ配線部の機器が必要です。
これは、従来の2K衛星放送で使用される電波「右旋円偏波」と、新4K8K衛星放送の多くのチャンネルで使用される「左旋円偏波」の違いによるものです。
日本の衛星放送がスタートした当初の電波(12GHz帯)には、右回りの螺旋を描いて送信される右旋の電波が使われていました。ただ新4K8K衛星放送のスタートで、BS放送、CS放送にそれぞれ4K、8Kのチャンネルを追加する際に、この右旋の電波では割り当てられる周波数帯に不足が生じたのです。
そこで基幹的な放送チャンネルとなる、BS放送のNHK、広域民放の4Kチャンネルに右旋の残り周波数帯を割り当てた以外、大半の4K、8Kチャンネルには、新しく導入された、左回りの螺旋を描く左遷円偏波が導入されたのです。
ただ、2018年以前のBS/CSアンテナは、右旋の電波にしか対応できない2K対応型BS/CSアンテナになります。そのため、左旋の電波で送信される4K8Kチャンネルを受信するためには、右旋、左旋の双方に対応できる、2018年以降の2K4K8K対応型BS/CSアンテナが必要になるのです。
さらに右旋、左旋とも、BS/CSアンテナのコンバーターでMHz帯の周波数帯に変換されますが、このとき右旋円偏波は1032MHzから2072MHzに、左旋円偏波は2224MHzから3224MHzになります。このため、アンテナ配線部で従来の2K衛星放送の電波に対応するブースターや分配器、同軸ケーブルなどを使用している場合、それらの機器を、3224MHz帯までに対応できる4K8K用(3442MHz対応)の機器に交換する必要がございます。
これら4K8K放送に対応できるBS/CSアンテナやアンテナ機器については、それぞれ対応する放送に合わせて「BS4K」「110°CS 4K」「BS8K」のロゴマーク。また「JEITA(ジェイタ:電子情報技術産業協会)」の審査、登録により、4K8K放送の受信に関して全般的な性能を備えることを示す「SH JEITA」の「SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)」。電波の遮蔽性能で4K8K放送に対応できる「HS JEITA」の「HSマーク(ハイシールドマーク)」が本体やパッケージなどに付与されております。
このような機器をご使用いただければ、新4K8K衛星放送の受信について、特にご心配はございません。
当あさひアンテナでも、BS/CSアンテナ設置工事に使用するアンテナ本体、および使用する配線部の機器については、すべて4K8K対応の機器をご用意しております。新4K8K衛星放送をご覧になるためのBS/CSアンテナの設置。また古いBS/CSアンテナ本体および配線部を、4K8K対応の者に交換されたいお客様は、当あさひアンテナまでお気軽にお問い合わせください。
また新4K8K衛星放送および、対応できる機器については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
アンテナ配線部とアンテナコンセント
戸建て住宅に設置される地デジ、衛星放送のテレビアンテナと、そのアンテナで受信して、住宅などのケーブル配線部を経由して、テレビなど受信機器まで送信される各種テレビ電波についての概要は、以上の通りです。
これらテレビ電波に変換されたテレビの映像信号を、テレビ機器などに内蔵される、地デジ、衛星放送(BS/CS)のチューナーで再度、映像へと変換して、画面に映し出すことで、地デジ、衛星放送のテレビ放送が視聴できるのです。
そしてこの配線部も、ただケーブルを通すだけでなく、地デジや衛星放送などのアンテナに合わせて、さまざまな機器の接続が必要となるのです。
そこで本項目では、まずテレビアンテナ本体から、外壁や屋根裏、壁の中などを経由して、各部屋に電波を送信するアンテナケーブル(同軸ケーブル)および、室内に設置されるアンテナコンセント。加えて室内でアンテナコンセントとテレビ、レコーダーなどの受信機器を結ぶケーブルを含め、解説してゆきます。
アンテナコンセント
昭和期などの古い住宅で、アンテナ部から直接、各部屋の天井からアンテナケーブルが伸びている「アンテナケーブル直結」の形式を除けば、現在の戸建て住宅では、テレビを設置する主要な部屋に、壁の内部でアンテナからの配線と接続され、各部屋のテレビなど受信機器と室内用のケーブルで接続される、アンテナコンセントが存在します。
近年ではアンテナコンセントと電源のコンセントが一体型のもの。また電話回線の端子やLAN端子なども一カ所に集まったマルチメディアコンセントなどもございますが、これらにはアンテナケーブルと接続する差込口にあたるアンテナ端子が設置されています。
現在の住宅で多く見られるアンテナ端子のタイプは、短い円筒状の端子部の周囲にネジ切りがつき、円筒の中央には小さな穴がある「F型端子」と、それよりやや古いタイプで、ほぼ同型ながら表面にねじきりのない「プッシュ端子」になります。どちらの端子も、アンテナコンセントでは壁から飛び出して邪魔にならないよう、一回り大きな円形のくぼみの中に設置されております。
これより古いアナログ放送時代、平成初期から昭和のアンテナ端子になると、同軸ケーブルの先端を加工し、1センチほどむき出しにした芯線を、端子側の差込口や設置されたネジに挟み込み、金属のパネルで固定する直付端子。また同軸ケーブル以前の、細い日本のケーブルを二本並べて接着したフィーダ線(メガネ線)を使用し、ネジ式の接続部が横にふたつ並んだ端子に、先端を二本に割いて芯線をむき出しにした、またはそれぞれの先端にU字型の金具を取り付けたフィーダ線を接続する、フィーダ端子が存在します。
ただこれらの端子はかなり古いものであり、特に電波の周波数帯が高い衛星放送や新4K8K衛星放送をご視聴になる場合には、端子部から電波の漏洩や混入が起こるリスクが高くなりますので、お早めの交換がおすすめとなります。
なおアンテナコンセントについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・アンテナコンセントとは?その種類や耐用年数、交換法などを徹底解説!
・テレビ端子(アンテナコンセント)がない部屋でのテレビ番組ご視聴方法
アンテナケーブル(同軸ケーブル)
アンテナ端子とテレビなどを接続する室内用アンテナケーブル。またアンテナ本体から複数の機器を経由してアンテナコンセントまでを接続するアンテナ線は、基本的に同じ構造の「同軸ケーブル」になります。ただ同軸ケーブルにも太さや素材などにより、適した用途や対応できるテレビ電波の種類などに違いがございます。
また、特に室内のアンテナコンセントと、テレビなど機器を接続する室内用アンテナケーブルでは、部屋の広さや適した配線など、使用環境に合ったプラグの形、また適度な長さや太さを持つ製品を選ぶことが重要です。
アンテナケーブルとして使われる同軸ケーブルは、断面が同心円をいくつも重ねたような多重構造になっていることからそう呼ばれます。
その構造は、中心には電波や電気を通す銅製の芯線である内部導体、中心導体。そして芯線を包む、電波や電気を通さない発泡ポリエチレンなどでできた絶縁体。絶縁体の表面を覆って、電波の漏洩や外部からの混入を防ぐ、銅製の編組線や、絶縁体を覆うアルミ箔テープなどからなる外部導体。表面はケーブルそのものの表皮となるビニールの被覆となっております。
アンテナケーブルの太さは「2C」「3C」「4C」「5C」などの数値で表されます。数字が大きいほど太くなり、電波の減衰量が少なくなります。
アンテナケーブルも長くなるほど、ケーブルで送信される電波に減衰(弱まり)が生じてきますが、太いケーブルを使うことで、この減衰量が少なくなります。一方で、太いケーブルはそのぶん曲がりにくくなるため、室内などでは扱いづらいというデメリットがあります。
逆に短いケーブルは取り扱いやすくなる半面、電波の減衰量が大きくなり、ケーブルの上に物を置くなどのことで、断線その他のトラブルも起こりやすいため注意が必要です。
これらのケーブルは、太さによって適した長さがございます。詳しくご説明すると、2Cの直径は4ミリで、私用に適した長さは最大3メートル程度となります。同じように3Cは直径5.4ミリで、最大5メートル程度。4Cは直径6ミリで、最大10メートル程度。5Cは直径7.7ミリで10メートル以上となり、主にアンテナ本体からアンテナコンセントまでの配線部に使用されます。
またこれ以上の太さをもつ同軸ケーブルも存在しますが、戸建て住宅のアンテナ配線で使用されることはまずございません。
一般的な戸建て住宅で、太さによってアンテナケーブルを選ぶ際の目安としては、テレビとレコーダーなど機器間を接続するような短め、1メートルから5メートルの長さでは、太さ2Cまたは3Cのもの。アンテナコンセントからからテレビやレコーダーの間などメインの室内配線、長さ5メートルから15メートル程度では、4Cのものがおすすめとなります。
アンテナケーブルの長さは、必要な長さより適度な余裕があった方が扱いやすくなります。ただ前述のように、ケーブルは長くなるほど電波の減衰量が大きくなり、また細いケーブルほど減衰しやすくなります。そのためアンテナ端子とテレビとの距離は、必要な長さより数十センチの余裕を持つ程度で、必要以上に長いものを使用することはおすすめできません。
ケーブルを購入する前に必要な長さを測っておき、機器をつなぐ距離に応じて使い分けるとよいでしょう。
なおアンテナケーブル(同軸ケーブル)は、テレビの電波送信用の外にも、無線通信機やネットワーク機器用などがございます。
これらの違いは「インピーダンス」と呼ばれるものの違いになります。詳しく解説すると複雑になりますが、簡単に言えば、ケーブルの「電流の流れにくさ」を示すもので「Ω」の単位で表されます。そのため購入する際は、パッケージなどを確認して「75Ω」「テレビ用」と記載されている商品を選ぶといいでしょう。ちなみに無線通信用などの機器は「50Ω」になります。
他にもアンテナケーブルには、地デジ放送や衛星放送、新4K8K衛星放送、それぞれに電波に対応できるかどうかの違いもあります。対応していないケーブルを使用すると、テレビ放送が正常に映らなくなるリスクもありますので、ご自宅で視聴するテレビ放送に対応するケーブルを選ぶ必要がございます。
この各放送に対応できるケーブルの見分け方としては、パッケージの表記などの他に、ケーブルそのものに印字されている「S-5C-FB」などの記号を確認する方法もございます。
この記号の意味を解説すると、最初の「S」は、衛星放送(右旋円偏波)に対応するかどうかになります。なお近年のアンテナケーブルは大半が対応型になります。
次の「5C」などのうち、数値は前述したケーブルの太さを示すものです。また「C」はインピーダンスを示すもので、「C」が75Ωでアンテナケーブル向きのもの。「D」は50Ωでアンテナケーブルには適さないものになります。
最後の「FB」などのうち、「F」は絶縁体の素材を表しており、末尾の記号のうち、前段は、ケーブル内の絶縁体の素材を表しています。発泡ポリエチレン製であれば「F」になります。他にもより高性能の高発泡ポリエチレン製の「HF」。通常のポリエチレン製である「2」などがございます。
後段の「B」は、絶縁体を覆う外部導体の種類を表すもので、銅の編組線にスズメッキを施し、アルミ箔で覆った二重シールドの、アルミ箔テープ付銅編組が「B」になります。この記号で示されるケーブルも十分な高性能ですが、さらにスズメッキ銅編組の内外にアルミ箔を施した、三重シールドの「BL」などもございます。
新4K8K衛星放送に対応するアンテナや機器については、前の項でもご説明しておりますが、この記号で言えば、太さは6ミリ以上。絶縁体は発泡ポリエチレン以上。外部導体は二重シールド以上の「S-4C-FB」以上の品質であれば対応できます。
なおアンテナ工事業者の工事では、アンテナケーブルの価格は、一定の長さまでなら、アンテナ設置費用に含まれることが多くなります。ただ既定の長さを越えると別途に費用が発生してまいりますのでご注意ください。
アンテナケーブル(同軸ケーブル)については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
・テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!
・アンテナとテレビを結ぶアンテナケーブル、その種類と性能を徹底解説!
・室内のテレビアンテナケーブルを延長する方法とは? アンテナ線なしのワイヤレスで地デジ、衛星放送を見る方法も解説!
室内用アンテナケーブルのプラグの種類とは?
室内用アンテナケーブルの先端には、アンテナ端子、チューナー端子と接続するためのプラグがついております。
このプラグの形状には、S型プラグ(ストレート)、L字型プラグ、F型接栓などがございます。どれもケーブルとしての性能に違いはなく、基本的にF型端子、また一部を除いてプッシュ端子でも使用できますが、使用する場所などの条件で向き不向きもございます。
まず「S型プラグ(ストレートプラグ)」は、ケーブルに対してまっすぐに接続されたプラグです。壁側のアンテナ端子やテレビ端子にそのまま差し込んで使用します。一般の家庭でもよく使われている汎用性の高いタイプで、テレビなどの端子が下向きになっている。また端子のある機器背面の空間に一定の余裕がある場合に使うのがオススメです。
「L字型プラグ」は、プラグの先端が、ケーブルに対してL字型に曲がっているプラグです。接続方法はS型と同じですが、先端がL字型であるため、壁やテレビの背面などに沿った配線ができ、ケーブルを曲げる必要がなくなります。そのためテレビなどの背面が狭い場合に適しております。
「F型接栓」はねじ込み式のF型プラグ(ねじ込み式)ともいわれ、プラグ内部に細かい溝があり、ネジ式になっています。またプラグ本体にナット状の部分があり、軽く回して端子に固定できるため、抜けにくくなり、ケーブルが緩んでテレビの映りが悪くなりにくい他、電波の漏洩が混入が起こりにくくなります。ノイズ対策、特に新4K8K衛星放送に適したプラグになります。またF型プラグにも先端の形がストレートとL字型のものがあるので、ご自宅の環境に合ったものをお選びになるとよいでしょう。
また、一本のケーブルの両端のプラグが、片方がストレート、もう片方がL字型など、違うタイプになっているものは「複合型プラグ」と呼ばれます。こちらもプラグの形状にはさまざまな組み合わせがございます。こちらもご自宅で設置される際の条件に適した組み合わせのものをお選びになることがオススメです。
アンテナ配線部:ブースター(増幅器)とは?
ここからは、戸建て住宅に設置されたアンテナ本体から、アンテナコンセントまでをつなぐアンテナ配線部で、同軸ケーブルの間に設置される機器について解説してまいります。
まず多くの場合、テレビアンテナから延びるケーブルの先に、最初に設置される機器は、ブースター(増幅器)、またはアンテナブースター、テレビブースターと呼ばれる装置になります。ブースターとは、アンテナが受信したテレビ電波のレベルを増幅する装置です。
地デジの弱電界地域など、主に地デジ電波レベルが弱いエリアで使用されますが、家の中で複数台のテレビを設置する場合にも、台数分の電波レベルが必要となるため、強電界地域でも三台以上のテレビを設置する場合には、ブースターが必要となります。そのため、現在では実質的に設置が必須となっている機器です。
ブースターにはアンテナの近くに設置され、電波の増幅性能が高い屋外用ブースター。増幅性能はやや低いものの、室内での設置が簡単な室内用ブースター。またこれらの機器を補足し、アンテナからテレビまでのケーブルが長くなる部屋などで使用されるラインブースターがございます。
また対応できるテレビ電波の種類としては、地デジ電波のみに対応するUHF帯ブースター。地デジと衛星放送に対応でき、後述する混合器の機能も備えるUHF/BSCS混合ブースター。さらにその4K8K対応型などがございます。
アンテナ配線部を含む工事の際に設置されるブースターは、性能の高い屋外用ブースターになります。ブースターは電波を増幅する半面、電波に混入するノイズも増幅してしまう性質があるため、基本的にノイズに影響されにくいアンテナの真下や、屋根裏の引き込み口近くなど、アンテナの付近に設置されます。またブースターは電波を電気的に増幅する電子機器のため、電源部の設置も必要となります。
なおブースターの寿命は、設置から10年程度とされております。一般的なブースターの設置工費は、屋外型ブースターで、対応できるテレビ放送によっても異なりますが、20,000円から40,000円程度になります。
ちなみに当あさひアンテナでは、アンテナ工事やブースター交換時などの、ブースター設置工事を、高性能のブースター本体込みで、UHF帯ブースターで税込み20000円、UHF/BSCS混合ブースターは税込み25,000円からでお引き受けしております。
ブースターについての詳細は、以下の各コラム記事でも解説しております。
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
・テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
アンテナ配線部:混合器、分配器、分波器などの配線機器とは?
アンテナ配線部に使用される機器で、特に混同されやすいのが、混合器、分波器、分配器です。これらの機器は名称だけでなく形状もよく似ているため、注意が必要です。
各機器の違いを説明しますと、まず混合器は、地デジとBS/CSなど、戸建て住宅に二基以上のアンテナを設置する場合に、それぞれのアンテナから延びるケーブルを接続し、各電波を一本のケーブルに混ぜ合わせて送信するための装置です。この機器を通すことで、その先のアンテナ配線や機器をシンプルにまとめられ、総合的なコストおよびトラブルが生じるリスクを軽減できます。
混合器を設置する場合には、ブースターより先に設置されることになりますが、現在では前述のように混合器の役割も兼ねたUHF/BSCS混合ブースターも存在するため、混合器を単体で設置する例は少なくなります。
また混合器で電波が混合されたケーブルをそのままチューナーに接続すると、レベルがもっとも強いテレビ放送の電波しか受信できなくなるため、アンテナコンセントの内部か、その先で分波器と呼ばれる機器を接続し、地デジとBS/CSの電波をふたたび2本のケーブルへと分け、テレビなどのそれぞれのチューナー端子へと接続します。この分波器は、地デジと衛星放送の電波を分けることから「BSセパレーター」などの名称でも呼ばれます。
混合器、分波器は、接続する方向が逆であるだけで、機器としての構造はほぼ同じになります。性能的には、地デジ電波の周波数と、衛星放送の電波の周波数を、混合、分離する役割になります。そのため電波が混合器、分波器を通る際には、電波の減衰はほとんど生じません。またこれらの機器は、不要な電波をカットする仕組みにもなっているため、ノイズや混信などを防ぐ役割も果たしております。
これに対し分配器とは、入力された電波を、分配数に応じて等分のレベルの電波に分配して、複数のケーブルに枝分かれさせる装置になります。この分配器により、アンテナ側から送られる一本のケーブルを、複数の部屋のアンテナコンセントに分配できるのです。分配器を経由した電波は、地デジ電波、衛星放送の電波、共に等分に分配されることになります。なお分配器については長くなるため、次の項で詳しくご説明いたします。
また他に名称や形状が似た装置として「分岐器」というものも存在します。これも分配器と同じく、一本のケーブルから送られる電波を、複数のケーブルへと分ける装置ですが、分岐器の場合は電波を等分に分けるのではなく、例えば7:1:1:1など、分配する電波レベルに差をつけることができます。
分岐器は高層マンションなどで使用され、最上階から一階まですべてのフロアにテレビ電波を送る共用アンテナからの電波を、各フロアで必要なレベルに合わせ、減衰なども計算して無駄なく効率的に分配するためのもので、戸建て住宅で使われることはまずございません。
なお戸建て住宅において単独で混合器を設置する場合、当あさひアンテナでは、混合器本体の費用を含め、税込み15,000円からで設置工事をお引き受けしております。
また混合器、分波器については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?
アンテナ配線部:分配器とは?
分配器とは前述の通り、アンテナからの電波を複数のケーブルで、等分の電波レベルとして住宅内の各アンテナコンセントに送る装置です。
分配器の種類としては、まず電波を分配できる数で、2分配器から8分配器まで、7分配を除く6種類が存在します。
分配器では電波を等分に分配するため、例えば200㏈の電波を4分配した場合、4つの分配先の個々の電波レベルは50㏈になります。ただ実際には、分配器を通すことで、わずかな電波レベルの減衰が生じます。
他にも、前述したBS/CSアンテナへの給電を、テレビなどのチューナー端子から行う場合に、給電方式によって使い分ける「1端子電流通過(通電)型」と「全端子電流通過(通電)型」の違いがあります。1端子電流通過型は、複数の出力端子のうち1端子のみ通電するもの。全端子電流通過型は、すべての出力端子が通電するものです。
これらはBS/CSアンテナへの給電方式で使い分けられ、近年では各テレビで衛星放送を視聴する際のみに給電できる全端子電流通過型が使用されることが多くなります。ただ1端子電流通過型のほうが安価であるため、給電方法や地デジアンテナのみ設置する現場では、こちらが使用されることが多くなります。
分配数による分配器の選び方は、住宅内で設置されるアンテナコンセントの数などに合わせた、必要最小限にする必要がございます
各部屋に電波(ケーブル)分配する大本の分配器の分配数は、アンテナコンセントの数に、予備の1端子を加えたものを選ぶことがおすすめです。
また室内に部屋にテレビ、レコーダーなど複数の受信機器が設置されている場合は、アンテナコンセントの先に、2分配など分配数の少ない分配器を設置して各機器へと電波を分配する方法の他、まずレコーダーのチューナー端子にアンテナコンセントからのケーブルを接続し、そのレコーダーのアンテナ出力端子から、短い同軸ケーブルでテレビのチューナー端子に接続する、もしくはその逆を行うといった方法もございます。
ただこの接続方法でも、機器を経由することで電波レベルが低下してしまい、末端の機器ではテレビ画面が乱れるなどの場合もございます。そのため現場の条件に応じて、最適となる方法をお選びください。
また分配器の端子のうち、使用しない予備の出力端子を露出したままにしておくと、そこからテレビ電波が漏れる、外部の電波が混入するなどの事態が起こり、テレビ映像が乱れる、またご自宅のWi-Fi機器などに電波障害が生じるなどの悪影響も考えられます。そのためを使用しない出力端子は「ダミー抵抗器」によってフタをすることで、分配器を通過する電波が安定し、テレビ画面の映りもよくなります。
特に新4K8K衛星放送の電波は、スマートフォンやWi-Fiなどの電波と周波数帯が近く競合しやすいため、ダミー抵抗器がない状態では、トラブルが発生するリスクが高まります。特に「3224MHz(4K8K)対応」の分配器には、予備端子に必ずダミー抵抗器を設置してください。
なお分配器の先にいくつも分配器を接続することを「カスケード接続」といいます。「カスケード(cascade)」とは、英語で「連なった小さな滝」を意味し、そこから連続したもの、数珠つなぎのものを指す言葉としても使われます。分配器の接続の場合は、いわゆる「タコ足配線」のような接続法になりますが、この接続法は、決しておすすめできません。
その理由は、分配器では電波を等分に分配するため、カスケード接続では先に行くほどどんどん電波レベルが減少すること。さらに分配器を通すことで生じるわずかな減衰も積み重なることになるためです。したがって分配器のカスケード接続を行うと、その先でテレビなど受信機器に届く頃には、電波レベルが極端に低くなり、テレビ放送が映らない、また画面が乱れるなどトラブルの原因にもなります。
アンテナコンセントの先で分配器を使用する場合には、2分配など最小限の分配数を選ぶ。また減衰を抑えられるケーブル一体型や、小型のブースターを内蔵したものを使用するといった対処が必要です。
有名メーカーによる分配器の寿命は、10年程度が目安です。設置から年月を得た分配器の不調でテレビ画面の乱れなど、テレビのご視聴に問題が生じる場合には、交換をおすすめいたします。
当あさひアンテナでは、アンテナ工事に伴う分配器の設置や交換などを、国産大手メーカー製機器の本体価格込みで、税込み5,000円からでお受けしております。ただこの費用については、使用する分配器の分配数。また1端子電流通過型、全端子電流通過型の違いによっても変動してまいりますので、その点はご承知おきください。
また分配器についての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
・アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
・テレビアンテナの電波を各部屋に分岐する方法は? 分配器と分波器の違い・接続方法や選び方
スター配線と送り配線について
上記のように、分配器を使用したアンテナケーブルの分配方法は「スター配線(分配配線)」と呼ばれます。これは分配器より複数のケーブルが伸びる形が、星が輝くような形であることに由来します。ただ、分配器を使用しないテレビ電波の分配方式として「送り配線方式(直列配線)」と呼ばれる方法もございます。
送り配線方式は、アンテナからブースターを経由して延びる一本のケーブルを、直近の部屋のアンテナコンセントに接続し、必要な電波を供給した後、そのアンテナコンセントから近隣の部屋のアンテナコンセントまでケーブルを伸ばして、またテレビ電波を送る形を、屋内にあるすべてのアンテナコンセントまで順番に繰り返すという方式です。
このためアンテナコンセント部に使用される端子ユニットも、スター配線の場合は入力端子のみをもつテレビ端子と呼ばれるもの。スター配線では、入力端子と出力端子があり分岐器が内蔵された直列ユニットと呼ばれるものが使用されます。なお直列ユニットには、配線の途中で使用する中間用と、出力端子のダミーが内蔵された末端に使用する端末用があります。
この方式では、全体で気に受信レベルが低くなり、各部屋での受信レベルにバラツキが出る。さらにケーブルの先に行くほど電波レベルが弱まる。ケーブルの一部でトラブルが生じるとその先のアンテナコンセントに電波が届かなくなるなどの問題も多く、特に新4K8K衛星放送には適さないため、近年では使用されることは少なくなっております。
ただ分配器を使用しない、ケーブルの長さも短くなるなどで、工事のコストも抑えられるため、地デジ放送しか視聴せず、電波を分配する部屋数が少ない住宅などの場合は、現在でも使用されることがございます。
分配器とブースターとの併用について
前述の通りブースターは、受信できるテレビ電波レベルが住宅で必要な量より不足する場合に、電波を電気的に増強する回路が入った機器になります。一方、分配器は、送信された電波レベルを分配数に合わせて等分に分配するもので、電気回路などは使用せず、内部の抵抗によって電波を分配しています。
ただ分配器を通すことで、分配先での電波レベルは分配によって弱くなってしまいます。この分配による電波レベルの損失値を「分配損失」と呼びます。そして分配数が多い場合や、もともとの電波レベルが低い場合は、分配損失によって、電波レベルがテレビ放送を視聴できる正常値を下回ってしまうこともございます。一方で、テレビに届いた電波レベルが90㏈以上と、強力すぎる場合にも、テレビ画面の乱れや映らないなど、トラブルの原因になってまいります。
この場合には、ブースターによって、電波レベルを増幅、調整することが役立ちます。
またアンテナからテレビ機器に至るまで、アンテナケーブルの長さが10メートル以上になると、その範囲内で一定の電波損失(減衰)が発生してまいります。この電波損失(ケーブル損失)を補うのもブースターの役割です。
ブースターは、分配器の先で分配された電波を増幅することもできます。そして大本のブースターで受信レベルの低い部屋に合わせて電波レベルを増幅すると、別の部屋では電波レベルが強くなりすぎてトラブルが生じるリスクも出てまいります。
そこで、ケーブル損失が生じる部屋や、複数の分配器を接続している場合などは、必要に応じて、大本の屋外用ブースターの他に、ブースター内蔵の分配器を含む、室内用ブースター、ラインブースターなどを併用することで、各部屋のテレビなど受信機器に、十分なレベルの供給することが可能になります。
ただこの、複数のブースターや分配器を用いて電波レベルを調整することは、各住宅での条件によっても、調整の方法が異なり、一般の方には難しくなってまいります。
住宅の各部屋までバランスよく十分な電波を送るための、無駄のない電波の分配、およびブースターの設置に関しては、知識と経験、実績の豊富な、当あさひアンテナまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ~アンテナ配線部の工事に適したアンテナ工事業者は?~
以上が、アンテナ工事の際に必要となる主要な配線部の機器になります。
そして各種アンテナ工事を依頼できる業者には、アンテナ本体を販売する家電量販店やホームセンター。新築住宅を建築したハウスメーカー。町の電気店。当あさひアンテナをはじめとするアンテナ工事の専門業者になります。
結論から申し上げると、配線部の工事を含むアンテナ工事に関しては、プロのアンテナ工事業者に任せるのがベストと言えます。
上記の業者のうち、家電量販店やホームセンター、ハウスメーカーの場合、実際のアンテナ工事は下請け業者が行います。また町の電気店は、その下請け業者を務めることが多くなります。
そのため、下請け業者を使う店舗などでは、中間マージンが発生して工事料金が割高になる。即日工事が難しい。工事をキャンセルしても現地への見積り出張費が発生する。難しい施工には対応できない。電波調査や施工の丁寧さが欠ける。特にエアコン工事の予約が多い時期などでは、工事までに日数がかかるなどのデメリットが多くなります。
一方、アンテナ工事の専門業者であれば、当あさひアンテナを例に挙げると、まず電波調査やお見積もりが、出張費、キャンセル費などを含めて完全無料。相見積もりにもご対応可能。見積もり当日の即日工事も可能。工事は完全自社施工。また現場の電波状態をくまなく確認する丁寧な調査で、現場の条件で可能な限り、お客様のご要望に応じるアンテナ工事を、業界最安値に挑む価格でご提案いたします。
そしてご契約の暁には、技術力に信頼のおける優秀な自社スタッフが工事を担当し、見えない部分の見た目や配線にも丁寧さにこだわり、なおかつしっかりとした施工も重視し、トラブルのリスクを抑え、長寿命をお約束できるアンテナ取り付けを実践いたします。
工事の完了後には、施工した後をきちんと掃除した上で、最終チェックとしてきちんとテレビで受信の確認を行い、受信に問題がないことを確認いたします。工事費のお支払いは、現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーにもご対応。さらに万が一のトラブルに備え、弊社では業界最長クラスとなる、工事完了日から「10年保証」のアフターフォロー体制をご用意しております。
その他、アンテナ工事を依頼できる業者の違いや選び方については、以下の各コラム記事が詳しい参考になると思われます。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
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