新築戸建て住宅にテレビアンテナを設置する時に必要な機器と工事とは? その種類と費用の相場をすべて解説します
2024年(令和6年)の今でも、新築戸建て住宅にて地デジ、衛星放送のテレビ放送を視聴する方法としては、いったん設置すれば加入料や毎月の費用などランニングコストもかからず、NHK受信料や衛星放送の有料チャンネルを除けば無料でお楽しみいただける、地デジ、衛星放送用テレビアンテナの設置が主流になっております。
最近では住宅の外に設置されるアンテナ機種にも、見た目がよい、災害に強いなどさまざまな新しいタイプが登場しており、お客様はご希望の機種を選ぶこともできます。
ただこれらの機種は、お住まいの環境によっては使用できない場合もあり、特にアンテナに対してこだわりをお持ちのお客様にとっては、ご自分でネットなどを利用してお調べになっても、お望みのアンテナで実際にテレビ放送が受信できるのか、新築物件のアンテナ取り付けにはどのような工事が必要なのか、準備に当たっての疑問やご不安も多いことと存じます。
そこで当コラムでは、新築の住宅を建てる際に必要となる主なアンテナ工事、周辺機器の設置など工事の種類と、参考となる関連の情報。それぞれの工事について、必要となるケースおよびその理由の概要。工事費用の金額はいくら程度かの相場など、お役立ち情報を一覧でご紹介いたします。
新築のお住まいで工事費用を抑えて、ご予算内でのベストといえる優れたアンテナ工事をお求めのお客様は、当コラムの情報を把握していただいた上で、最適といえる工事を選択いただければ幸いです。
新築物件のアンテナ工事1:地デジアンテナ(UHFアンテナ)設置
工事の必要性:必須の基本的なアンテナ工事。
現在のテレビ放送でもっとも一般的なものは、日本最初のテレビ放送であるアナログ放送を受け継いだ、現在の地上波テレビ放送、地上デジタル放送(地デジ放送)です。
地デジ放送は、日本国内であれば地デジアンテナの設置、またはフルセグ・ワンセグ視聴機器の利用で、国内の不特定多数の人が無料(NHK受信料を除く)で視聴でき、災害時などの緊急情報なども拡散する役目もある基幹的な放送のため、現在では日本国内の、ほぼすべての世帯に普及しています。
そのため新築住宅での新規テレビアンテナ設置では、一番の基本工事として、まず地デジ放送を受信するための地デジアンテナ(UHFアンテナ)を設置し、その後ご覧になりたいテレビ放送や現場の条件に合わせて、その他のアンテナや必要な周辺機器、オプション工事を追加していくことになります。
地デジ放送の仕組みは、日本国内の各地に設置された数多くの電波塔から、その周辺エリアに地デジ電波(UHF(極超短波)のうち470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯)を送信しています。
したがって地デジ電波は電波塔の周辺、山地などに遮られない一定範囲のみに届くことになり、電波塔から離れるほど、受信できる電波レベル(強度)が弱くなります。
そのため地デジ電波は、日本国内でも主に電波塔からの距離による地域ごとに受信できる電波レベルが異なります。地デジなどテレビ電波の強度は主に「㏈(デシベル)」で表されますが、日本国内でも地域ごとに受信できる電波レベルの目安として、実際の基準は異なるケースもありますが、一般的に「強電界地域(80㏈以上)」「中電界地域(80㏈から60㏈)」「弱電界地域(60㏈以下)」に分類されます。
ただしこの地デジ電波レベルは、一年を通した気候の変化で多少(6㏈程度)の変動もある他、水分は電波を吸収するため、雨や雪などの悪天候では電波レベルが大きく低下します。
そのため各電界地域で使用される地デジアンテナも、その受信性能を示す素子数(または素子数相当)で、強電界地域では8素子以下から14素子。中電界地域は14素子から20素子。弱電界地域では20素子から、より高い受信性能を持つ高性能モデルが必要となります。
なお、強電界地域で20素子モデルを使うなど、電界地域に比べて高性能すぎるモデルを設置すると、地デジ電波だけでなく、ノイズ(地デジ電波の品質を落とす無関係の電波)まで受信しやすくなり、かえって地デジ放送の画面が乱れやすくなるため、注意が必要です。
また地デジ電波は40センチから60センチ程度の波長の幅があり、音に近い性質も持つため、建物などの障害物をある程度、乗り越える力もありますが、それでも高層ビルの影に当たる直近の一帯や、住宅密集地で家と家の間の狭い空間などでは、電界地域に関係なく、受信できる電波レベルが大きく低下することもあります。
なお一般的に地デジ電波は、電波塔の先端など高い位置から、周辺の住宅で屋根の上にある地デジアンテナなどへ下る形で送信されるため、戸建て住宅などでは、障害物に影響されにくい高い位置に地デジアンテナを設置するほど、受信感度が安定しやすくなる傾向があります。
以下、新築戸建て住宅に設置できる主な地デジアンテナ機種である、八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナの3種類と、その特徴を簡単にご説明します。
なお、地デジ放送の基礎知識や、電波の性質については、以下の各コラム記事でも、それぞれ詳しい解説がございます。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
八木式アンテナ
これは魚の骨のような形をした、アナログ放送の頃から使われる古典的なテレビアンテナです。
基本的な設置位置は、安定した受信が実現できる屋根の上などの高所に、マスト(ポール、支柱)を立てて固定することになります。他にも設置位置が低い分、やや受信感度が下がる場合もありますが、サイドベースなどの固定具で、住宅の壁面やベランダの内外に設置されることもあります。
八木式アンテナのメリットは、地デジ電波を受信する「素子」が露出していくつも設置されたシンプルな構造。また設置位置の高さから、他機種に比べて受信性能がもっとも高く安定しやすい点です。
さらに受信性能を示す素子数別モデルも8素子、14素子、20素子や、高性能素子(一ヵ所に複数の素子を固定したもの)による高性能モデルなど幅広く、各電界地域や電波レベルの弱い地域など、日本国内でももっとも広範囲に対応できます。
さらにシンプルで古典的な構造から、地デジアンテナ機種では本体価格や設置費用がもっとも低価格になります。
デメリットは、古典的な形状から屋根の上で目立ち、家の見た目や景観に悪影響を与えやすいこと。また雨風や雪、潮風などの自然環境や災害に影響を受けやすく、耐用年数が10年程度と短くなり、老朽化によってトラブルが生じやすくなる点です。
このデメリットを抑える方法は、八木式アンテナでも塩害用、雪害用など対候性の高いモデルを利用すること。また受信感度を確保できる範囲で、壁面やベランダなど目立たず風雨を避けやすい位置に設置することが挙げられます。
なお八木式アンテナ設置を各種の業者に依頼する場合、アンテナ本体や設置具、同軸ケーブルなど最小限の設置具の料金を合わせた標準の工事で、20,000円から30,000円程度が相場になります。
当あさひアンテナでは、八木式アンテナでは、国産大手メーカーのDXアンテナ製・高品質20素子モデル「UA20」本体に屋根馬やマスト、支線(ステー)などの基本設置具、同軸ケーブル、防水処理をセットにした基本設置工事を「税込み15,000円」からでご提供いたします。
他にも八木式アンテナでは、各素子数モデルや高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)。抗耐候のステンレス製、塩害用モデル、雪害用モデルなどもご用意しており、電波状態や自然環境など、さまざまな現場にご対応が可能です。
なお八木式アンテナの各機種、設置方法に関しては、以下の各コラム記事でも解説しております。
・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
デザインアンテナ
デザインアンテナは地デジ放送の開始後、2009年(平成21年)頃より普及した地デジアンテナで、長方形で平面状のパネルのような外観のいい形状をもち、カラーバリエーションも豊富です。
主な設置位置は住宅の外壁やベランダの手すり部。また強電界地域で建材が地デジ電波を通しやすい。設置スペースが確保できる住宅であれば、屋根裏や天井裏の空間への設置もできます。
デザインアンテナの特徴は、設置しても住宅の見た目や景観を乱さない点。さらに風雨など自然環境の影響も受けにくく、寿命が15年から20年程度と長くなり、トラブルも生じにくい点です。
そのため現在では人気の高いアンテナ機種ですが、一方でデザインアンテナには、受信性能では20素子相当と26素子相当、また強電界地域向けのコンパクトモデルしか存在せず、本体の性能や設置位置の低さから、八木式アンテナに比べると受信性能が弱くなります。
そのため基本的には強・中電界地域用の機種であり、さらに対応できるエリアでも高層建築の近隣や住宅密集地の壁面など、電波が遮られやすい現場、位置では設置できないケースも出てきます。
またこれが他のテレビアンテナ機種を壁に設置する場合も同じですが、デザインアンテナの壁面設置では、住宅の壁にビス穴を開けて固定具を取り付ける必要が出る点もデメリットと言えます。
基本的にデザインアンテナを設置する際には、安定した受信レベルを確保できる、事前の綿密な電波調査が重要と言えます。
各種アンテナ工事業者に20素子の通常型デザインアンテナ設置を依頼する場合の費用は、やはりアンテナ本体と設置具、ケーブルをセットにした基本設置工事で、25,000円から35,000円強が相場になります。
当あさひアンテナでは、デザインアンテナに、DXアンテナの20素子相当高品質モデル「UAH201」。また強電界地域専用のコンパクトモデルに、マスプロ電工のスカイウォーリーミニ「U2SWLC3」の各カラーバリエーションをご用意し、アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルを含む基本設置工事を「税込み20,000円」からでご提供いたします。
弊社ではデザインアンテナをお住まいの壁面に設置する場合には、壁のビス穴に防水用のシリコンをしっかりと注入して、壁のひび割れや腐食を予防する丁寧な施工を実施しております。
またデザインアンテナの設置に際しては、事前の綿密な電波調査に加え、26素子相当モデルや、後述するブースターの設置にもご対応いたしますので、やや受信性能が悪い現場でも、可能な限りデザインアンテナ取り付けにご対応いたします。
その他、デザインアンテナ本体や設置方法、設置で注意すべきポイントなどについては、以下のコラム記事でもそれぞれ詳しく解説しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・業界最小デザインアンテナ!マスプロ電工「スカイウォーリーミニ」のメリット・デメリットとは? 失敗しない取り付け例も解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナは、2017年(平成30年)にマスプロ電工より発売されたモデル「U2CN」の商品名です。高さ約67センチ、ほぼ円筒形のスタイリッシュな本体で、マットな質感の、ホワイトとブラックのカラーバリエーションが存在します。
設置方法は、八木式アンテナと同じく屋根の上のマスト、または住宅の破風板(屋根の張り出し部)か壁面の高所にサイドベースで固定され、基本的にアンテナ本体が屋根の上に出るよう設置されます。
ユニコーンアンテナの特徴は、そのデザイン性から高所でも住宅の見た目や景観に悪影響を与えにくいこと。豪雨や強風を受け流せる形状で自然環境にも強く、寿命もデザインアンテナとほぼ同等になることです。
さらに本体の受信性能は20素子相当ながら、設置位置が高いためデザインアンテナより受信感度が安定しやすく、デザインアンテナが設置できない高層建築の近隣、住宅密集地でも設置できるケースが多くなります。
一方、そのデメリットは、八木式アンテナには受信性能が及ばないため、やはり主に強・中電界地域向けの機種になる。また最新機種であるため設置費用が他の機種に比べてやや高額になる点です。
一般的なアンテナ工事業者にユニコーンアンテナ設置を依頼する場合、アンテナ本体、基本部材やケーブルなどの費用を含め、33,000円から40,000円程度が価格の相場になります。
当あさひアンテナでは、各色のユニコーンアンテナと基本設置具、同軸ケーブルの価格を含む基本設置工事を、現在「キャンペーン価格」でご提供しております。詳しくは弊社までお気軽にお問合せください。
ユニコーンアンテナに関しては、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
実際に新築住宅のお住まいで、上記した三機種のうち、どの地デジアンテナ機種を設置できるかについては、お住まいがどの電界地域に当たるか、さらに周辺環境、電波状況などから、電波調査により、お住まいの中でも地デジ電波を受信しやすい設置場所を特定した上で、適切な地デジアンテナ機種や設置方法をお選びいただくことになります。
一般的には、弱電界地域では屋根の上に受信性能の高い八木式アンテナを設置する以外の選択肢が少なく、中・強電界地域と電波レベルが強くなるにつれ、使用できるアンテナ機種や設置位置の選択肢が多くなってまいります。
いずれにせよ、ご自宅の環境で使用できるアンテナ機種や、可能な設置位置を確認した上で、設置の費用や見た目、対候性など、お客様のご要望に応じたアンテナ工事をお選びいただくことが、重要なポイントとなります。
新築物件のアンテナ工事2:衛星放送用BS/CSアンテナの設置
工事の必要性:衛星放送を視聴する場合には必須。
衛星放送は、その名の通り、地球の赤道軌道上を周回しているため、地上からは上空に静止して見える人工衛星(静止衛星)から、地上の広範囲にテレビ電波を送信する放送の形式です。
そのため地デジ放送に比べて、一基の静止衛星から日本国内の全域など、地球の半球部にあたる広範囲に放送電波を送信できることが特長です。
衛星放送では、放送衛星を使う、地デジ放送と同じ不特定多数を対象とする(BS/CSアンテナを設置するだけで視聴できる)衛星放送で、NHK、広域民放などの無料チャンネルと月額契約制の有料チャンネルを放送するBS放送。
そして通信衛星を使い、CS放送事業者と有料で契約することにより視聴でき、多数の有料チャンネルからお好みのチャンネルを契約できるCS放送の二種類になります。
このBS放送と、CS放送の主なサービスである110度CS放送「スカパー!」は、静止衛星が同じ東経110度に位置するため、一基のBS/110度CSアンテナで受信できます。
また現在のテレビなど受信機器は、その多くがBS放送、110度CS放送のチューナーを内蔵しているため、BS/110度CSアンテナを設置するだけで各衛星放送を受信でき、このアンテナが現在の主な衛星放送用アンテナになります。
ただCS放送には、東経124度、128度の通信制性を用いた別の放送サービス「スカパー!プレミアムサービス」も存在し、その受信には対応チューナー、およびプレミアムサービス専用アンテナ。あるいはここでご説明したすべての衛星放送を受信できるマルチアンテナが必要です。
また2018年(平成30年)には衛星放送の4K、8K放送である新4K8K衛星放送もスタートして、ご自宅に4K、8Kテレビがあれば、衛星放送の4K、8Kチャンネルで、従来のフルハイビジョン(2K)より格段の高画質、高音質、鮮やかな色彩や動きを楽しむことができます。
この衛星放送では、波長の幅が25ミリ程度と短く、光に近い直進性から静止衛星からの送信に適した、マイクロ波のSHF(センチメートル波)でも、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)帯前後の電波を使っています。この光のような12GHz帯の電波は、静止衛星から日本全域を照らし出すように送信されています。
この12GHzの電波を受信するのが、一般住宅などに設置される、円盤状のディッシュ(dish:皿)をもつパラボラアンテナのBS/CSアンテナです。
BS/CSアンテナは、放物面反射器ともいわれるディッシュの内側で12GHz帯の電波を受け止め、前方の中央に集める形で反射させます。電波が集まる部分には、一次放射器とコンバーターを一体化した機器が固定されています。
一次放射器に集められた12GHz帯の電波は、そのままでは周波数帯が高すぎてケーブルでの送信に適さないため、アンテナのコンバーターでMHz帯の電波へと変換した後、ケーブル配線部を通じて屋内のテレビ機器などに送信されます。
一般的な戸建て住宅用のBS/110度CSアンテナは、ディッシュの有効直径(電波を受信できる部分の直径)をセンチで示す「45型」です。他にも、50型や60型、75型、また90型、120型など大型で受信性能が高いモデルもあり、主に集合住宅での共同受信用に使われます。
45型などサイズの同じBS/CSアンテナであれば、メーカーやモデルは違っても構造は同じため、受信性能にほとんど差はありません。ただ精度や耐久性などの品質を考慮すると、やはり国産大手メーカーの製品がオススメです。
BS/CSアンテナ設置の注意点は、12GHz帯の電波を正面から受け止めて一次放射器の中心に集めるため、ディッシュの仰角、方位角(上下・左右の角度)の向きを、東経110度へとミリ単位で正確に角度調整する必要があること。
そしてディッシュを向けた東経110度の方向に、山や建物から、樹木や電柱、電線、洗濯物など、12GHz帯の電波を遮るわずかな障害物も存在しないことも重要になります。
BS/CSアンテナの場合、この二点さえ満たしていれば特に設置位置は選びませんが、BS/CSアンテナは、上記した基本のアンテナである、現場に適した地デジアンテナを設置した後、衛星放送を視聴する場合に追加設置されるため、配線や施工の手間をまとめるべく、地デジアンテナの近くに設置されます。
具体的には、主に障害物が少なく角度調整も行いやすい屋根の上のマスト。また住宅の壁面やベランダの内外が選ばれます。
その他の注意点としては、12GHz帯の電波は、雨や雪の粒が12GHz帯の電波の波長の幅(25ミリ)に近くなる豪雨、豪雪では、空中で雨や雪に電波が遮られ、乱反射も生じてBS/CSアンテナで受信できなくなる降雨減衰、降雪減衰が生じる。
また日本国内でも北部や南端、一部の離島など、静止衛星からの距離が遠くなる地域では、距離による減衰から12GHz帯の電波レベルがやや弱まるという点です。
一般住宅でこれらの問題への対策は、降雨、降雪減衰は天候の回復を待つことが基本ですが、他にも50型から75型で受信感度が高い大型モデルを使うことも対策になります。
また上記した新4K8K衛星放送では、従来の2K衛星放送が右旋円偏波(右回りの螺旋を描く)を使用したのに対し、BS放送のNHK、広域民放4Kチャンネルを除く多くの4K、8Kチャンネルでは、周波数帯の不足から左旋円偏波(左回りの螺旋を描く)を採用しています。
現在のBS/CSアンテナはすべて右旋・左旋を受信できる2K4K8K対応型ですが、2018年以前のものは右旋しか受信できない2K対応型になります。
また12GHz帯の電波は上記の通りコンバーターで周波数帯を変換されますが、このとき従来の右旋の電波は1032MHzから2072MHzに対し、左旋の電波はやや高い2224MHzから3224MHzに変換されます。
電波は周波数帯が高いほど、ケーブルで送信する際の減衰や漏洩が生じやすくなります。
そのため新4K8K衛星放送を視聴するためには、4K、8Kテレビと2K4K8K対応BS/CSアンテナの他、アンテナ配線部のケーブルや、ブースターなどの配線部の周辺機器も、4K8K(3442MHz)対応の製品が必要になります。
もうひとつBS/CSアンテナは、設置するだけで地デジ電波を受信できる地デジアンテナとは違い、コンバーターを作動させるための電源が必要になります。
この電源は、配線部に設置されるブースターの電源部。またはテレビなど受信機器側でBS電源設定を行い、チューナー端子から給電する形になりますが、特にチューナーからの給電では、給電方式に対応する配線部の機器を採用することをはじめ、設置時の適切な電源設定が必要になります。
なお戸建住宅に、地デジアンテナに合わせてBS/CSアンテナを設置する場合の工事費用は、45型のアンテナ本体や設置具、ケーブルなどの費用を合わせて、15,000円から25,000円強が平均的な相場になります。
当あさひアンテナでは、地デジアンテナと同時のBS/CSアンテナ基本設置工事に、DXアンテナ製、2K4K8K対応45型の高品質モデル「BC45AS」と基本設置具、同軸ケーブルなどをセットにて「税込み15,000円」からでご提供いたしております。
さらに、同じ2K4K8K対応45型で、設計の工夫により業界最強クラスの耐風性能を実現した高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」の基本設置工事は「特別価格」でご提供いたします。
他にもBS/CSアンテナでは、各ディッシュサイズ、カラーバリエーションなどもご用意しておりますので、戸建て住宅の他、マンション、アパートなど、さまざまな現場でのBS/CSアンテナ設置にご対応いたします。
衛星放送の基礎知識から、BS/CSアンテナ本体や設置方法に関しては、以下の各コラム記事で、それぞれのポイント別に詳しくご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?!
・衛星放送用のBS/110度CSアンテナには電源が必要? BS/CSアンテナにテレビなどの設定で電源を供給する方法とは
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
新築物件のアンテナ工事3:地方局用地デジアンテナの設置
工事の必要性:地方局を受信できる地域で必要な現場のみ。
日本国内の大半の現場では、上でご説明した地デジアンテナ、BS/CSアンテナをそれぞれ1基ずつ設置することで、地デジ放送、衛星放送のすべてのチャンネルをご試聴になれます。
ただ例外として、前述したプレミアムサービス専用のCSアンテナの他、地デジアンテナについても、現場によっては追加設置が必要なケースもあります。
地デジ放送では、北海道を除く日本国内を、地デジ放送の内容に応じて複数の都府県別に区分けした広域圏が存在します。
例えば東京都・神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県の関東広域圏では、東京都墨田区押上に位置する日本一の電波塔、東京スカイツリーを送信所(基幹局、親局)として、各都県の多くの地域に地デジ電波を送信している他、この広域圏内の要所に数多く設置されて、スカイツリーや他の電波塔からの地デジ電波を受信し、増幅して周辺エリアに送信する中継局(サテライト局)が、リレー形式で地デジ電波を送信していくことにより、広域圏内のほとんどのエリアに、同じ放送内容の地デジ電波を送信しています。
同じような形式で日本国内は、大阪府や兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県の近畿広域圏。岐阜県、愛知県、三重県、富山県、石川県、福井県、静岡県の東海・北陸広域圏。青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の東北広域圏。
関東広域圏に新潟県、山梨県、長野県を加えた関東・甲信越広域圏。鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の中国・四国広域圏。佐賀県、大分県、宮崎県、熊本県、福岡県、長崎県、鹿児島県、沖縄県の九州・沖縄広域圏など、一部、重複する都県もありますが、各広域圏ごとに設置された送信所と中継局で、広域圏ごとに同内容の地デジ放送を送信しています。
そして地デジ放送のチャンネルには、全国で視聴できるNHK、全国ネットワークを構築する各広域民放の他に、三大都市圏の主な都府県に存在する別個の「独立放送局」が、その都府県内を放送エリアとする「地方チャンネル(地方局)」が存在します。
地方局の具体例は、東京都の東京MXや、神奈川県のテレビ神奈川(TVK)、兵庫県の地方局で大阪府でも広く受信できるサンテレビジョン(SUN-TV)などになります。
これら地方チャンネルも上記した地デジ電波の周波数帯で送信されるため、通常はNHK、広域民放と同じ地デジアンテナで問題なく受信できます。
ただ地デジアンテナには、アンテナの正面側でのみ受信性能を発揮する「指向性」という性質があります。この指向性の範囲(半値幅)は、受信性能が高い機種ほど狭くなる他、アンテナの設計(形状)にも影響を受け、同じ受信性能(素子数(相当))でも半値幅が狭いモデルほど、その範囲内での受信性能は高くなります。
そして地方チャンネルが存在する地域では、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔が別々になるケースもあります。
地デジアンテナを設置する現場から見て、NHK、広域民放の電波塔と、地方局の電波塔がほぼ同じ方向で、アンテナを向けてその半値幅の範囲に双方の電波塔が収まる場合であれば、双方の電波を問題なく受信できるケースが多くなります。
ただ、それぞれの電波塔の位置が、現場を基準にして90度以上、大きく離れている場合には、どの地デジアンテナ機種でも半値幅の範囲から外れてしまい、一基のアンテナで双方を受信することは難しくなります。
このような現場で地方チャンネルをご試聴になりたい場合には、NHKや広域民放を受信するための地デジアンテナとは別に、もう一基、地方局用の地デジアンテナを設置する必要が出てくるのです。
具体的な地方局用アンテナの設置方法としては、八木式アンテナの場合は、NHK、広域民放用のアンテナと同じマストに、もう一基、地方局用の八木式アンテナを固定し、角度調整やケーブルの接続を行う形になります。
特に各府県の主な送信所のほか、多くのエリアで京都府のKBS京都や兵庫県のサンテレビが受信できる京都府、大阪府、兵庫県の神戸市付近では、短いポールに二基の八木式アンテナを設置し、それぞれ送信所と地方局の、別々の電波塔の向きに角度調整できる他、アンテナ配線の接続なども完了している、京阪神用八木式アンテナと呼ばれる製品が販売されています。
なお当あさひアンテナでは、通常の地デジアンテナ設置にともなう地方局用アンテナ設置に関しては、アンテナ本体や必要な部材などの費用を含む工事費を「税込み15,000円」からでご案内しております。
なお地方チャンネルおよび、地方局用アンテナなど通常のアンテナ設置に加えて、テレビアンテナを増設する場合については、以下の各コラム記事で詳細を解説しております。
・屋根の上などのテレビアンテナを増設する取り付け方法とは? 工事の流れや費用、業者、部屋の端子のDIY設置方法もすべて解説
新築物件のアンテナ工事4:ブースター(増幅器)設置
工事の必要性:戸建て住宅ではほとんどの場合は必須。
上記のアンテナ機種は、お住まいでご覧になりたい放送やチャンネルと現場の受信状況に応じて、必要なアンテナを設置することになります。
そしてこのアンテナ本体を設置し、同軸ケーブル(アンテナケーブル)のみの配線を行うことを「基本設置工事」と呼び、各アンテナ機種の設置料金も、この工事を基準に設定されます。
ただ実際の戸建て住宅では、ご覧になる放送に必要なアンテナの他、安定した受信のためには、アンテナ配線部に、別途費用の追加工事として、周辺機器を設置する必要が出ることもあります。
中でも必要となるケースの多い機器が「ブースター(増幅器)」で、実際に設置されるものは、主に「屋外用ブースター」になります。
ブースターとは、地デジやBS/CSのアンテナで受信したテレビ電波を、その住宅で必要なレベルまで増幅する装置のことです。
前述の通り、地デジ電波は、電波塔からの距離や周辺の障害物などの影響で、地域によって受信できる電波レベルが大きく異なる他、気候や天候も電波レベルに影響を与えます。
そして住宅などのアンテナで受信された電波も、住宅のアンテナ配線や機器を接続する端子などを通過するごとに、徐々にレベルが減衰してゆきます。
特に後述する「分配器」で、アンテナからのテレビ電波を複数の部屋に送る際、例えば四部屋に分ける場合は、電波レベルを四分の一ずつ分割して送ることになります。
地デジ放送の場合、個々のテレビ機器で安定して地デジ放送を視聴するためには、チューナーに届く時点で、34dBから89dBの地デジ電波レベルが必要です。そして実際は気候や天候などで電波レベルが変動するため、チューナーに届く電波レベルは、47㏈から81㏈程度、最低でも40㏈以上に調整する必要があります。
衛星放送は、地デジ放送ほどアンテナで受信できる電波レベルに大きな違いが出ることはありませんが、やはり個々のテレビに届く時点で、47㏈から81dB程度のレベルが推奨されます。
なお㏈で表される電波の強さは、10を定数とした常用対数で表されるため、普通の足し算引き算ではなく、元の数値より10㏈上がることに、電波レベルが10倍になる計算になります。
いずれにせよ特に地デジ放送の場合、中・弱電界地域では、アンテナが受信できる地デジ電波レベルだけでは、その家で必要な電波レベルに満たないことがあるため、アンテナの近くにブースターを設置して、テレビ電波レベルを増幅する必要があるのです。
また強電界地域や衛星放送でも、住宅内の三部屋以上でテレビを見る(三部屋以上に電波を分配する)場合には、ブースターの設置が必要となります。
一般的に使用される屋外用ブースターには、地デジ電波のみ対応の「UHF帯ブースター」と、地デジ、衛星放送に対応し、双方の電波を一本のケーブルに混合する機能も持つ「UHF/BSCS混合ブースター」が存在します。
これら屋外用ブースターは、電波を増幅する本体部である「増幅部」と、増幅部に電波を供給する「電源部」に分かれます。
増幅部はテレビ電波を増幅しますが、同時に混入するノイズも増幅してしまうため、ノイズの混入を避けるよう、アンテナを設置するマストの下部やデザインアンテナの裏側、アンテナケーブルを屋内に引き込んだ地点など、アンテナの近くに設置されます。
電源部は屋根裏やマルチメディアボックス(弱電ボックス)など、ブースター用の電源コンセントがある場所に設置され、コンセントからアンテナケーブルを通じて、増幅部の側に電源を供給します。
ブースターの設置は、主に高所作業になることや、そのご家庭で必要な電波レベルに合わせて、利得(増幅レベル)の調整を必要なことから、アンテナ工事の専門業者にお任せになることがオススメです。
また電波レベルの増幅量がさほど大きくなくともよい場合や、アンテナから遠い一部の部屋で電波レベルの補強が必要な場合には、屋外用ブースターの他に、室内用ブースターや小型のラインブースターが使用されることもあります。
なお当あさひアンテナでは、各種テレビアンテナの設置に伴うブースターの設置に関して、UHF帯ブースターは「税込み20,000円」より。UHF/BSCS混合ブースターは「税込み25,000円」よりでご対応いたします。
もちろんブースター設置に伴い、お住まいの環境で最適な増幅レベルの調整。また場合によっては室内用ブースター、ラインブースターの設置なども行い、お住まいのすべてのお部屋において、安定したテレビ放送のご試聴を実現いたします。
なおブースターに関しての解説、設置方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・テレビアンテナに「ブースター」は必須の機器なのか? その種類と性能、必要なケースを解説【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビの映りが悪い時に使うアンテナブースターとは? 屋外用・屋内用ブースターの違いと症状別の選び方を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナの受信レベルが低くなる原因とは? ブースターによる対処法など受信レベルを改善する工事の方法を解説!
・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
新築物件のアンテナ工事5:分配器設置
工事の必要性:新築住宅に設置されていない場合のみ必要。
すでに少しご説明しておりますが、地デジ、BS/CSアンテナなどから送信され、ブースターを通じて一本のアンテナケーブルで送られるテレビの電波は「分配器」を通じて、複数のケーブルに枝分かれし、各ケーブルに電波レベルを等分に分配して、住宅内の各部屋(アンテナコンセント)に送られることになります。
分配器は、電波を送るケーブルを接続する入力端子が一個と、電波を等分に分配して複数のケーブルに送る複数の出力端子をもつ機器で、分配数は2分配から8分配のうち7分配を除く6種類になり、住宅に必要な分配数に、予備の1出力端子を足したものが使われます。
また前述の通り、現在の分配器はほとんど地デジと衛星放送に対応できる機器になりますが、新4K8K衛星放送の視聴には、分配器も4K8K(3442MHz)対応の製品が必要になります。
なお現在、ハウスメーカーにより建築される新築住宅では、ほとんどの場合、すでにこの分配器が設置され、各部屋のアンテナコンセントまでの配線は完成した状態でオーナー様に引き渡されます。
これは、ご自宅でテレビアンテナを設置する、またケーブルテレビ(CATV)や光テレビなど、どの視聴方法でも、それぞれの映像信号を、この分配器を通じて各部屋に送ることになるためです。
新築物件で分配器が設置されている場所は、主に浴室の天井にある点検口。同じく点検口近くの屋根裏空間。屋内のマルチメディアボックス。屋外ボックスなどになり、ハウスメーカーごとに設置位置はほぼ決まっています。
ただ地域の小規模な工務店が建てた新築物件では、分配器が設置されていない場合もあり、この場合は、テレビアンテナの設置に併せて、アンテナ取付を担当する業者に、分配器の設置工事も依頼する必要が出てきます。
また前述したBS/CSアンテナのコンバーター電源を、各部屋にあるテレビなどのチューナー端子から供給する場合、一台のテレビから常時、給電するか、各部屋のテレビから衛星放送を観る際のみ随時、給電するかによって、その電気が通過する分配器も、やや廉価な「一端子通電型(常時給電に使われる特定の1出力端子のみ通電する機種)」か「全端子通電型(随時給電に使われる全出力端子で通電する機種)」を使い分ける必要があります。
そのため新築住宅を建築する際には、あらかじめ工事を担当するハウスメーカーや工務店に、分配器が設置される位置やその分配数。また4K8K対応型か、一端子通電型か全端子通電型のどちらかを確認する。さらに新居で必要となるテレビ放送や電源の供給方式に合わせた機種の設置を依頼しておくことがおすすめとなります。
また、分配器と名称や機能は似ているものの、実際の用途はまったく異なる「分波器」「分岐器」などの機器も存在するため、混同しないよう注意が必要です。
なお、当あさひアンテナでは、分配器の設置が必要な現場では、国産大手メーカーによる高品質分配器の価格も含めて「税込み5,000円」からで設置工事を行います。ただ分配器の価格は分配数によって向上し、それに応じて工事費用も変動しますので、その点はご承知おきください。
なお分配器の詳細と、名前や形状が似た他の機器との違いなどについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・1基のアンテナから家にあるすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方、分波器などとの違いを徹底解説!
・アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
・テレビアンテナの電波を各部屋に分岐する方法は? 分配器と分波器の違い・接続方法や選び方
新築物件のアンテナ工事6:その他の周辺機器やオプション工事。
工事の必要性:アンテナ工事の各現場や条件で必要な場合のみ。
新築住宅への各種テレビアンテナ設置で、必要となる、または必要な場合もある基本的な工事は、主に上記の通りとなります。
ただお住まいでお選びになるアンテナ工事の内容に合わせて、その他、別途料金が必要な、さまざまな機器、オプション工事などが追加されるケースもあります。
主な例としては、お住まいに複数のアンテナを設置する場合に、それぞれのアンテナケーブル(送信される電波)を一本のケーブルにまとめる「混合器」が必要となります。
ケーブル配線をシンプルに一本化することで、以降の配線ケーブルを短くまとめ、工事のコストやトラブルの発生を抑えることができます。
前述のように地デジとBS/CSのアンテナを設置する場合は、ブースターと混合器を兼ねた「混合ブースター」を使用しますが、ブースターを使用しない現場や、地方局用アンテナを設置する場合には別途、混合器が必要となります。
当あさひアンテナでは、混合器が必要な場合には、大手メーカーの高品質機器の価格を含めて「税込み15,000円」からで設置をお引き受けいたします。
また混合器などで地デジ、衛星放送の電波を一本のケーブルにまとめた場合、テレビなど機器側の地デジ、BS/CSチューナーの前で、再度、地デジと衛星放送の電波を2本のケーブルに分け、対応するチューナーに接続する「分波器」が必要になります。
分波器は、2分配型の分配器、またはケーブルが一体化した形になり、価格的にも室内用アンテナケーブルと大きな差はありません。
アンテナ工事に使用するアンテナケーブル(同軸ケーブル)については、多くの場合、一定の長さであれば、各アンテナの基本設置工事費に含まれます。ただ規定より長いケーブルが必要な場合は、長さに応じた費用が発生します。
アンテナケーブルに関しても、現在のケーブルはほとんど地デジ、BS/CS対応ですが、特に新4K8K衛星放送をご試聴になる場合には、やはり対応するケーブルが必要になります。
他にもブースターとは逆に、テレビ電波を一定レベル、減衰させる「アッテネーター(減衰器)」という機器もあります。このアッテネーターは、アンテナ配線の途中に設置し、抵抗により電波を減衰させる、小型の筒状の機器になります。
主に地デジ放送で、NHK、広域民放と地方チャンネルなどの電波レベルが極端に違う場合も、受信不良につながるため、アッテネーターを設置して電波レベルの差を少なくする必要が出てきます。当あさひアンテナでは、アッテネーターの設置を、機器本体の価格を含めて「税込み5,000円」からでご提供いたします。
これら周辺機器や設置具などの他にも、特殊な工事に関しては、アンテナ工事業者によって、オプション工事費が発生することもあります。
オプション費用が必要になる主な工事としては、屋根の上へのアンテナ設置作業、特に三階建て以上に相当する高さで、三連梯子などが必要になる現場の「高所作業費」。
またデザインアンテナ等のアンテナを屋根裏、天井裏の空間に設置する場合などの「特殊作業費」。早急な工事が必要な場合の「夜間工事費」などになります。
この特殊作業費については、アンテナ工事の業者によって価格の体系が異なるため、業者に確認する必要があります。
ただ当あさひアンテナでは、例えばデザインアンテナの屋根裏、天井裏への設置については、追加工事費はご無用の、基本設置工事費(税込み20,000円)でご案内いたします。
その他、詳しいアンテナ工事費用の目安、お見積もりに関しては、当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお問い合わせや、メールフォームによるWEB見積などをご利用くださいませ。
なお、ここでご紹介した各機器、オプション工事、アンテナ配線部の全体像などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?
・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!
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・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
新築一戸建て住宅のアンテナ工事・まとめ
新築の一戸建て住宅で、各種テレビ放送の受信に必要となるテレビアンテナや機器の種類と、その他、必要な可能性があるオプション工事などの種類について、おわかりいただけたでしょうか?
ご新居へのお引っ越し後、すぐテレビでさまざまな番組、コンテンツをお楽しみいただくためには、アンテナ設置工事のタイミングも重要となります。
具体的には、ご新居のお引き渡しからご入居当日の前日までに、アンテナ工事のご依頼(申し込み)から、実際の工事までを迅速なスケジュールで行える業者にご依頼になることが重要です。
もちろん、安定した受信と施工の丁寧さなど、安定した施工技術や、高品質のアンテナ本体、機器や金具などを用いた基本工事費用が低価格であることも重要です。
一般住宅でのテレビアンテナ設置工事に対応できる業者には、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機などの家電量販店やホームセンター、ハウスメーカーなどがございますが、このような業者、店舗は工事の受付窓口にすぎず、実際の工事は近隣の電気店など、下請け業者が行うケースが大半になります。
このような下請け業者は、アンテナ工事の専門家ではなく、エアコン工事などの電気工事や家電製品の設置などを全般的に請け負う業者になるため、アンテナ設置に関しては専門知識に乏しく、施工の品質が安定しない場合もある。店舗への予約や申し込み当日からの即日工事が難しく、特に繁忙期には工事が大幅に遅れることもある。中間マージンの発生により工事費用が割高になるなどのデメリットもございます。
やはりアンテナ工事を頼む場合は、テレビアンテナに関する高い専門知識と施工技術を誇り、実績と経験が豊富なアンテナ工事のプロ、信頼できるアンテナ工事の専門会社にご依頼されることが一番のおすすめといえます。
当あさひアンテナでは、アンテナ工事に先んじて重要となる、現場での電波調査やお見積もりを、現地への出張料、キャンセル料なども含めた「完全無料」でご案内いたします。
弊社をはじめとするアンテナ工事業者の電波調査、お見積もりについては、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
当あさひアンテナの電波調査では、現場のさまざまな位置で綿密に電波レベルを確認し、場合によってはピンポイントで地デジ受信が可能になる場所も割り出して、それらの結果を元に、可能な限りお客様のご希望に沿ったアンテナ工事を、業界最安に挑むお見積もり価格でご提案いたします。
また弊社では他業者との相見積にもご対応している他、弊社のお見積もり結果にご満足いただければ、本契約からの即日工事にもご対応いたします。
実際の施工についても、弊社の社員スタッフである優良なアンテナ職人が担当者を務める完全自社施工により、シンプルなアンテナ設置であれば30分程度、複数のアンテナや機器設置などの複雑な施工でも2時間から長くとも3時間程度と、高品質かつスピードの速い丁寧な施工を、夜間工事にもご対応して、当初のお見積り通りの価格で当日中に完成いたします。
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