電波障害? テレビが映らない原因はアンテナトラブル? 確認と対処法

2022年12月18日

2023年(令和5年)の今日も、一般のご家庭で地上デジタル放送(地デジ)、衛星放送(BS/CS)などのテレビ放送は、テレビアンテナの設置による視聴方法が主流です。地デジ、BS/CSアンテナの設置によるテレビ放送のご視聴は、月額契約制の有料チャンネルを除き、基本的に無料でご視聴になれるのが最大のメリットです。

 

ただアンテナによるテレビ放送のご視聴では、ある日突然、e201・e202・e203のエラーメッセージが現れたり、テレビ画面が乱れる、映らなくなるなどのトラブルが生じることもございます。その原因は、アンテナ本体やアンテナケーブル(同軸ケーブル)、ブースター、分配器など機器の寿命やトラブル。またテレビ、レコーダーなど受信機器側のトラブルの他に「電波障害(受信障害)」の可能性も考えられます。

 

電波障害、受信障害とは、アンテナで受信できるテレビ電波のレベルや質に問題が生じて、テレビ放送の画面に問題が出る現象です。

電波障害によるテレビ画面の不具合は、ご自宅のアンテナやテレビなどの機器には問題はなくとも生じるため、復旧・改善するためには、電波障害に適した対処が必要となります。

そこで当コラムでは、テレビ電波の電波障害に関する基礎知識から、その原因と対処方法について、2023年度の最新データに基づいて解説してまいります。リアルタイムで電波障害と思しきテレビ画面のトラブルが発生した方には、当コラムをご参照いただくことで、解決の一助になれれば幸いに存じます。

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テレビ電波の「電波障害」とはどういうもので、どのような症状が発生するのか?

テレビ放送における「電波障害」とは、地デジ、BS/CSのアンテナでテレビ電波を受信している住宅などで、住宅周辺の障害物や、テレビ電波以外の電波の影響などにより、正常なテレビ電波の受信ができなくなる現象のことです。そのため「受信障害」とも呼ばれます。

ご自宅で電波障害が発生すると、テレビなどの受信機器側で、テレビ放送の画面がモザイク状に乱れる「ブロックノイズ」や、静止して動かなくなる「フリーズ」。また画面が真っ黒になってエラーコード(エラーメッセージ)が表示される「ブラックアウト」などの症状が発生します。ただしこのような症状の原因が、必ず「電波障害」であるとは限りません。

上記の症状の原因には、主に以下の三通りが考えられます。

 

・1:ご自宅のアンテナ機器が受信しているテレビ電波レベルが低い、余計な電波が混入しているなどの、いわゆる「電波障害」。

・2:ご自宅のテレビアンテナ機器、もしくはアンテナからテレビなど受信機器までのアンテナ配線、ブースターや分配器などのトラブルにより、アンテナが正しく電波を受信できていないか、受信した電波がテレビ機器まで的確に届いていない。

・3:テレビ、レコーダーなど受信機器側の不調や設定の不手際、B-CASカードの不調などで、テレビ電波を受信できていないか、受信したテレビ電波をテレビ放送として映し出すことができない。

 

これらの症状のうち、2の場合は、アンテナ本体や配線、機器の確認。3の場合は、テレビなど受信機器のリセットやチャンネルスキャンを行う。各種設定やB-CASカードの状態などを確認する、といった対処方法がございます。

またご自宅のアンテナ、テレビ機器の不具合と、電波障害による受信不良を見分けるポイントは「ご自宅の近辺でも同じ障害が発生しているか」という点になります。

電波障害の場合は、その一帯において、テレビアンテナで受信できる電波そのものに問題が生じているため、アンテナや配線、テレビなど受信機器には何の問題もなくとも、十分または正常なテレビ電波が受信できず、テレビ放送も正常にご視聴いただけなくなります。

もしご自宅のテレビ画面が上記のような形で乱れて、ご自宅のアンテナ、テレビ機器などにトラブルがないかの確認、対処を行い、それでも回復しない場合は、ご近所の方に、同じような症状が発生していないかをご確認ください。

近隣の住宅でも同じような症状が発生している場合は、電波障害が発生している可能性が高くなります。

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テレビ放送の種類と考えられるテレビ電波の受信障害の原因

現在の主なテレビ放送および、アンテナによってテレビ電波を受信する視聴方法、すなわち電波障害が生じる可能性のある方法は、以下の三種類になります。

地上デジタル放送

現在の、いわゆる「地デジ」放送は、日本でも主要地域の各地に設置される中継局(電波塔)から、その周辺エリアに地デジ電波を送信する形式のテレビ放送です。戸建て住宅では、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」などの地デジアンテナを設置して地デジ電波を受信することで、テレビなどの受信機器によって地デジ放送を視聴できます。

またマンションなどの共同住宅では、ケーブルテレビなどの場合を除いて、各棟の屋上に大型の共同受信用地デジアンテナ、ブースターを設置して、各居室に地デジ電波を送信しています。

地デジ電波は、日本国内でも人口の多い主要地域のほとんどに中継局が設置されているため、ほぼ日本全国で受信が可能です。ただ電波の届きにくい山間部や過疎地域などの一部地域には、周辺に地デジ中継局がないため、地デジ電波の受信が難しくなる「難視聴地域」も存在します。

また地デジ放送の電波については、中継局の距離や、周辺の地形などの要因により、地域ごとに地デジ電波の強度が異なってまいります。

テレビ電波の強度は「㏈(デシベル)」の数値で表されますが、一般的には、受信できる地デジ電波のレベルが「80dB」以上のエリアを「強電界地域」。「80dB」から「60dB」のエリアを「中電界地域」。「60㏈」以下のエリアを「弱電界地域」と呼びます。ただこの電界地域は大まかな目安にすぎず、例えば強電界地域でも周辺の障害物などの影響で、局地的に地デジ電波レベルが低下することもございます。

地デジ放送は、かつてのアナログテレビ放送に比べると、電波の強さや技術の向上から、電波障害は格段に起こりにくくなっています。

しかし衛星放送などに比べると、地上の中継局からテレビ電波を送信しているため、地上の建物などの障害物や、携帯電話、無線LANなどの電波にも影響されやすく、電波障害がやや生じやすいテレビ放送です。特に電波状態が弱い弱電界地域などでは、電波障害が起こる可能性も高くなってまいります。

地デジアンテナや電界地域などについて、詳しくは以下のコラム記事の情報もご参照ください。

地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法

地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

 

衛星放送(BS/CS放送)

衛星放送は、宇宙空間の静止軌道上に位置する人工衛星から、地球上に向けてテレビ電波を送信するテレビ放送です。

現在の日本では、「放送衛星」を用いて、NHKや各広域民放などの無料チャンネルの他、「WOWOW」などの有料チャンネルを放送するBS放送。「通信衛星」を用いた、いわゆる「スカパー!」として知られる、チャンネル単位の契約料金で視聴できる多数の専門チャンネルが存在するCS放送の二種類が主になっています。

BS放送、CS放送とも、人工衛星は東経110度の赤道軌道上に位置し、常に日本全域を捕捉しているため、日本国内ではBS放送、CS放送とも、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナを設置するだけでご視聴いただけます。またマンションなどでは、地デジアンテナと同じく、大型の共同受信用BS/CSアンテナが設置されていることもございます。

衛星放送の電波は、宇宙空間の人工衛星から、日本全域にテレビ電波を送信しているため、地上の障害物や災害などに影響されにくく、安定して広範囲に送信できるという特徴がございます。

一方で、BS放送、CS放送は、日本国内でも赤道から離れる北端部や、中心部から遠い九州、沖縄などの南端部、離島部などではやや電波が弱くなるため、通常よりやや大型のBS/CSアンテナが必要になることもございます。

他にも、BS/CSアンテナは衛星が位置する東経110度(南南西方向)へと正確に向ける必要があり、ミリ単位のズレでも受信感度が大きく低下する。また衛星とアンテナの間に障害物が発生すると受信が困難になる。豪雨や降雪の際には、衛星からの電波が乱れるため受信障害が発生する、などのケースがございます。

BS/CSの衛星放送、およびBS/CSアンテナに関しては、以下のコラムの情報もご参照ください。

BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

 

ケーブルテレビ(CATV)

これはテレビ放送の種類ではなく、テレビ視聴方法のひとつです。ケーブルテレビとは、日本国内の各エリアにあるケーブルテレビ会社と契約することで、ケーブルテレビ局に設置された大型の地デジ、BS/CSのアンテナから直接、契約世帯へとケーブルを敷設し、テレビ電波を送信するという形式のサービスです。

初期工事費用および月額視聴料は必要ですが、契約するプランによって地デジ、BS/CSの多くのチャンネルの他、ケーブルテレビ局オリジナルのコミュニティチャンネルなども視聴できます。主に地デジ電波が受信しにくい難視聴地域などで利用される他、インターネット、スマートフォン、固定電話、電気、保険などの各種サービスとパックになったプランなども存在します。

ただケーブルテレビも規模は大きいものの、基本的にはアンテナで受信したテレビ電波を、各家庭のテレビ機器に送信しているため、ケーブルテレビ局の周辺で地デジ電波の環境が変化した場合などには、その影響による電波障害が起こることもございます。

ケーブルテレビの詳細や、他のテレビ視聴方法との比較などの情報は、以下のコラム記事をご確認ください。

テレビ放送の視聴方法3選・徹底比較!(テレビアンテナ・光テレビ・ケーブルテレビ(CATV)

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地デジ、衛星放送で起こりうる主要な電波障害の要因とは?

受信できる地デジ、BS/CSの電波そのものに問題が生じる「電波障害(受信障害)」の主な原因には、以下のものが挙げられます。

 

気候や天候

地デジ電波の場合は、前述の通り中継局との距離などから、受信できる地デジ電波レベルの強度により、強電界地域、中電界地域、弱電界地域のエリアに分けられます。しかし各エリアでも、受信できる地デジ電波レベルは一定ではございません。

ある地域の地デジ電波レベルは、周辺環境などに変化はなくとも、一年を通した天候や季節などの変化により、およそ「6dB」前後の変動がみられます。他にも雨や雪など悪天候の時には、地デジ電波レベルが悪化します。

例えば大型台風の後、しばらく地デジ放送の画面の映りが悪くなる。雨の日には地デジ画面にノイズが生ずるなどの場合は、天候による電波レベルの変化で、電波障害が発生していると考えられます。

衛星放送であるBS/CSのテレビ電波には、直進性の強い高周波の電波が使用されています。ただ高周波の電波には減衰しやすい(弱まりやすい)性質がございます。特に水は電波を吸収するため、衛星電波の波長に近い大粒の雨や雪が降った場合は、雨や雪に電波が吸収される、乱反射するなどの「降雨減衰」が生じて、衛星放送のテレビ画面が乱れる、映らなくなるなどの事態にいたることがございます。

 

テレビアンテナ周辺の障害物

前述のように地デジ放送は、アナログ放送に比べると電波障害に強くなっております。ただ中継局からテレビアンテナまでの間に建築物や山林などの障害物が存在することで、アンテナに届く地デジ電波が弱まってしまう現象は起こりえます。これを「遮蔽障害(しゃへいしょうがい)」と呼びます。

遮蔽障害の原因は、主に山地やビルなどの建造物であり、5階建てビル程度の高さの建造物でも発生してまいります。他にも高さのある木が植樹される。工事などのためクレーン車などが設置されるなども、遮蔽障害の要因になります。

また地デジ電波では、遮蔽障害によって受信しにくい現場の場合、他の大きな建物に反射して方向が変わった「反射波」を受信するという方法もございますが、この反射波を送る建物が解体されるなどで電波環境が変化し、電波障害にいたるケースも考えられます。

BS/CSの衛星放送では、特に人工衛星から地上のBS/CSアンテナまでの間を遮断する障害物に影響されやすく、アンテナの前に建物や山地があるだけでなく、アンテナが人工衛星に向けられた方向に洗濯物などがかけられる、樹木の葉が茂るなどでも、受信障害が生じることもございます。

他にもアナログ放送時代によく見られた電波障害に、建物などにテレビ電波が反射して、一基のテレビアンテナで電波を何重にも受信することで、映像も何重に重なって見える「ゴースト」などの原因となる「反射障害」がよく発生しました。

しかし地デジ化以降は、この反射障害はほとんど起こらなくなりました。ただ現在でも空港や航空基地の付近など、飛行機がよく発着する付近では、ときに航空機などによる地デジの反射障害が発生する場合もございます。

 

地デジ電波レベルが高すぎる

これは電波障害の原因として、さほど大きなものではございませんが、大型の地デジ中継局に直近のエリアで、しばしば発生する現象です。地デジ電波はテレビなど受信機器に届く時点でのレベルが「90㏈」以上の強さでも電波障害の症状を呈することがございます。

またご自宅に複数台のテレビを設置している場合は、アンテナからの距離が近く配線が短いなど、電波レベルが強くなる一部のテレビのみで電波障害が生じるケースもございます。

この場合は、ご自宅に設置されている地デジアンテナを、素子数が少ない強電界地域向けのモデルにする。電波レベルを増幅するブースターのレベルをやや低めに調整して、住宅内のすべてのテレビに適切なレベルの電波が届くようにする。電波レベルが高くなるテレビの前に、電波レベルを適度に減衰させる機器「アッテネーター」を設置するなどの対応がございます。

近年のテレビ、レコーダーなどには、この「アッテネーター機能」を内蔵するものも多くなっております。機器に届く地デジ電波が強すぎる場合は、この機能をオンにすることで、電波レベルを適切に調整できます。ただ地デジ電波レベルがさほど強くない場合にアッテネーター機能をオンにすると、電波レベルの低下による受信障害が生じる場合もございますので、ご注意ください。

 

テレビ電波以外の電波が影響する混信

混信とは、アンテナが受信するテレビ電波に、周波数帯が同じか近い別の電波が混じりこむことで、テレビ画面に乱れが生じる現象をいいます。アナログ放送の時代は、テレビ電波以外の電波利用が少なかったため、混信は珍しい現象でしたが、現在では携帯端末や無線LANなどの普及により、混信が起こりやすくなっております。

混信の原因となる電波には、主に「携帯電話やその基地局」「無線LAN機器(Wi-Fi)」「Bluetooth」「アマチュア無線」「自動車や列車、飛行機やヘリコプターなどの乗り物」「屋外にある鉄塔や照明機器」「周辺の住宅などの古いブースターが、混入したノイズを増幅することで発生するブースター共振」「送電線が故障した際の放電」「家電製品のモーターなどから生じる電波」などがございます。

混信による電波障害が考えられるケースでは、ご自宅内や近辺にこのような設備や施設がないかを確認する必要がございます。

また衛星放送、特に2018年(平成30年)にスタートした「新4K8K衛星放送」では、高周波の電波を使用しているため、ケーブル接続部などからの電波の漏れ、混入が起こりやすく、電波障害の原因となることがございます。そのため衛星放送や特に「新4K8K衛星放送」をご視聴のご家庭では、アンテナケーブルの接続部を、電波の漏れや混入が起こりにくい「F型接栓」などを使用する他、分配器で使用しない出力端子には、電波の流出や混入を防ぐ「ダミー抵抗器」を設置する必要がございます。

新4K8K衛星放送や分配器に関する詳細は、以下のコラム情報をご確認ください。

「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?

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700MHz電波障害

かつて日本の地上波テレビ放送、アナログテレビ放送は、2003年(平成15年)12月にスタートした地デジ放送との移行期間を経て、2011年(平成23年)7月に完全停波し、地デジ放送へと移行しました。この移行が行われた主な理由は、携帯電話の急激な普及によって、社会的に必要となるテレビ電波の周波数帯が不足したことです。

そのため従来のテレビ放送をデジタル化することで、放送データを大きく圧縮。使用する周波数帯を削減しながらも、より大量のデータ送信が可能となったことで、地デジ放送のハイビジョン放送やデータ放送などが実現しました。

テレビ電波に関しては、アナログ放送時代の「VHF(超短波)」と「UHF(極超短波)」から、地デジ放送ではUHFに一本化された上、UHFでも「700MHz帯」の周波数帯をほとんど使わなくなるなど、大幅な周波数帯の削減が実現しています。

ただ、これにより発生する可能性が出たのが「700MHz電波障害」です。これは、ご自宅のテレビアンテナ機器が古いものである場合、現在では主にスマートフォン用の周波数帯として使われる700MHz(メガヘルツ)帯の電波が、地デジ受信に悪影響を与えてしまう「混信」の一種にあたる現象です。

 

700MHz電波障害が起こりうるのは、アナログ放送時代のUHFアンテナを、地デジ用のアンテナに転用している現場です。

アナログ放送時代は、NHKや広域民放ではVHFの電波を、東京都の東京MX、神奈川県のテレビ神奈川(tvk)など一部の都府県に存在し、その周辺のみを放送エリアとする独立放送局(地方チャンネル)はUHFの電波を使用していました。そのため双方を受信するためには、VHF用、UHF用のテレビアンテナを個別に設置する必要がございました。

その後、地デジ化によりテレビ電波がUHF帯に一本化されたため、アナログ時代にUHFアンテナを設置していた住宅では、そのアンテナを地デジ用に転用することが可能となりました。

しかしアナログ時代のUHFアンテナやアンテナ機器では、当時はテレビ電波であり、現在ではスマートフォン用に使われる700MHz帯の電波も受信してしまいます。そのため700MHz帯を利用する携帯端末の基地局の付近で、アナログ放送時代のUHFアンテナを使用する住宅があると、テレビアンテナがスマートフォンの電波を受信してしまい、さらにブースターがその電波を増幅させることで、電波障害を引き起こしてしまうのです。

 

この700MHz電波障害を防止するためには、700MHz帯の電波を増幅する旧式のブースターを、地デジ電波の周波数帯のみに対応する「DHマーク710(デジタルハイビジョン受信マーク710)」のある新しい機器に交換する。テレビアンテナに地デジ電波以外の電波をカットする装置「フィルター」を設置するなどの対策がございます。

なお700MHz電波障害に関しては、非営利団体「700MHz利用推進協会」がパンフレットの配布、対策員の訪問などの活動を行っております。

この協会は、現在の主要な携帯キャリア会社が合同で設立した団体です。同協会では民法709条「原因者負担の原則」に基づき、スマートフォン基地局の周辺で700MHz電波障害が発生した場合に、協会がすべての費用を負担して現場のブースター交換工事など、電波障害を解消する活動を行っております。したがって同協会による工事は完全無料であり、ご自宅の側では一円も負担する必要はございません。

同協会のパンフレットが届いたエリアで700MHz電波障害が発生した場合は、年中無休、フリーダイヤルで9:00から21:00まで受付のコールセンター(0120-700-012)までご相談ください。

ただ同協会とは無関係の団体が、協会を名乗ってご自宅を訪問し、機器などを売りつけるといった詐欺が行われた例もございます。700MHz電波障害に関して料金を請求されるケースは、まず確実に詐欺であると断定できます。くれぐれもご注意ください。

また700MHz電波障害については、以下のコラムの情報もご参照ください。

「700MHz電波障害」とは何か?

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原因別、電波障害が発生した場合の対策とは?

ご自宅でテレビ画面が乱れる、映らないなどのケースでは、前述の通り、まずご自宅のテレビ、アンテナの設備に問題はないか確認する必要がございます。その場合、テレビ側の設定画面から「アンテナレベル」を確認することで、機器に届いているテレビ電波のレベルが低下しているなど、受信トラブルの原因をある程度、把握することが可能となります。

ご自宅の機器などには特に問題が見られず、ご近所の方に確認して、周辺の住宅でご自宅と同じ症状が発生している場合には、一帯に電波障害が発生していると考えられます。

上記した電波障害の原因の項でも、一部の要因については対処法を解説しておりますが、以降、主要な原因別に、電波障害への対処方を詳しくご説明してまいります。

 

気候や天候による電波障害への対策

地デジ放送の場合、特に弱電界地域など電波レベルが低いエリアでは、気候の変化や悪天候による電波状態の悪化により電波障害が発生することがございます。ツイッター速報(「X」に改名)やYahoo!災害ニュースなどもチェックしましょう。

その場合は、受信できる地デジ電波レベルが低下しているため、高性能の地デジアンテナに交換する、またブースターを設置するなどの対処が考えられます。ブースターがすでに設置されている場合は、ブースターの電波増幅レベルを高めに調整する。ブースターの性能を補完するラインブースターを設置するなどの方法がございます。

また衛星放送(BS/CS放送)の場合は前述の通り、豪雨や降雪によって電波が雨や雪に吸収される、乱反射が起こるなどで受信障害が発生することがございます。この場合は一過性のものであるため、天候の回復を待つ他、一般的な45センチ型のアンテナではなく、50センチ型、60センチ型などやや大型のアンテナを使用するという対処がございます。

この数値はバラボラアンテナのディッシュ部の直径を示しており、大型であるほど衛星電波の受信感度が高まります。そのため悪天候の際や、衛星電波がやや弱いエリアでも安定したBS/CS放送の受信が可能になります。ただ反面、大型のBS/CSアンテナは、風雨などによるアンテナ角度のズレなどの影響を受けやすくなりますので、ご注意ください。

またアンテナブースターに関しての詳細情報は、以下のコラム記事をご確認ください。

テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

 

障害物による遮蔽障害での電波障害

ご自宅の周辺に建築物などの障害物ができたことで、地デジ、BS/CSの電波が遮断されてしまう「遮蔽障害」が生じた場合は、テレビアンテナの角度調整や設置位置の変更により解決できるケースもございます。

地デジアンテナでは、地デジ電波がもっとも強くなる角度や位置にアンテナを調整する。BS/CSアンテナでは、現在だけではなく将来にわたって、人工衛星の向きに障害物が発生しないと考えられる位置にアンテナを設置し直すという方法になります。

 

住宅内の機器からの混信による電波障害

例えば住宅内のアンテナケーブルの近くに電子レンジが設置されていると、電子レンジを使用している間だけ、電子レンジから生じる電磁波がケーブルに影響を与え、テレビ画面が乱れるケースがございます。このように電波障害の原因が、住宅内の家電製品、無線LAN(Wi-Fi)などからの混信である場合は、機器の使用や配置、ケーブルの配線などを工夫することで、トラブルを解消できます。

例えば電波障害の原因となる機器を、アンテナケーブルやテレビ機器から離して設置する。アンテナケーブルを外部の電波に干渉されにくい、太く高品質なものに交換する。ケーブル接続部も電波の漏洩や混入が起こりにくい「F型接栓」などを使用する。分配器で使用していない出力端子に「ダミー抵抗器」を設置するなどの対策がございます。使用するケーブルは、ケーブル表面の記号の末尾が「FB」のものがおすすめです。

このような対策により、混信による電波障害はもちろん、テレビ電波の漏洩による無線LAN(Wi-Fi)などのトラブルも防止できます。ただし混信の原因が、外部の無線や施設などの電波である場合は、ご自宅での対策は難しくなります、

アンテナケーブルに関する詳細は、以下のコラム情報もご確認ください。

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ご自宅では対処が困難な電波障害の相談窓口

電波障害は上記のように、ご自宅での対処で解決できることもございます。ただご自宅の周辺に建築物が建てられた、テレビ電波以外の電波が発信されているなど外的な要因では、ご自宅での対処のみでの解決は難しい場合も考えられます。

特に外的な要因では、原因となる建物や電波の発信元などの特定が困難なケースも多くなります。また外的な要因で電波障害が発生し、対策のために工事や機材交換の費用を負担しなくてはならないことを、理不尽に思われる方もおられるでしょう。

そのような場合には、各種の相談窓口に相談することで、場合によっては原因である建物などの施工主に、費用の一部負担などを求めることもできます。以下、電波障害の原因別に、相談窓口をご紹介してゆきます。

 

1:建築物などによる「遮蔽障害」では、お住まいの自治体(市町村)の「建物指導担当課」などへご相談を

お住まいの周辺に建てられた建築物によって、テレビ電波が遮られる「遮蔽障害」と思われる場合は、お住まいの市町村(自治体)の公式サイトなどで、建物指導担当課やそれに類する部署を確認して、窓口にご相談ください。

自治体の部署が現地調査などを行い、特定の建築物によって電波障害が生じていると判断された場合は、自治体からその建物の建築主などに指導がゆきます。この場合、前述した民法709条「原因者負担の原則」に基づき、建物の建築主が主な費用を負担して、問題を解消する義務が生じます。

実際には自治体の担当課を通じて、電波障害が生じている住宅の住民と、原因である建築主との間で、対策や費用の負担などに関して相談することになります。ただ建物の撤去などは建築主側にも過大な負担となるため、具体的には建築主側が一定の費用を負担し、電波障害が生じている住宅で、正常にテレビ放送を視聴できるよう対策を取ることが多くなります。

その場合の主な対応は「共同アンテナの設置」か「ケーブルテレビ(CATV)」の利用」になります。

共同アンテナの設置とは、遮蔽障害の原因となった建物の屋上に大型の共同テレビアンテナを設置し、そこから電波障害が生じている住宅にアンテナケーブルを敷設して、テレビ電波を供給する対策です。この場合、一般的にアンテナ設置工事の費用は、建築主とご利用になる各ご家庭の折半。設置以降のアンテナ修理やメンテナンスなどの費用は、各ご家庭が負担する形になります。この共同アンテナでさらに電波障害などが生じた場合には、あらためて建築主と相談の上で対策を取ります。

ケーブルテレビの利用は、電波障害が生じているご家庭で、アンテナの代わりにケーブルテレビで各種テレビ放送を視聴するという方法です。この場合は、ケーブルテレビ設置の初期費用は建築主が負担し、月額視聴料に関しては、各ご家庭が個別にプランを契約して支払う形が多くなります。またケーブルテレビに電波障害が生じたなどの問題は、ケーブルテレビ局が対応します。

 

2:住宅外部からの電波による「混信」では、NHKや各地域の総合通信局などへご相談を

お住まいの周辺で、アマチュア無線や街灯などの設備、また古いブースターがブースター発信を起こしているなどによって電波の「混信」が発生している場合は、個人で原因を突き止めることは難しくなります。

その場合は、NHK(日本放送協会)の相談窓口、また総務省の管轄である、関東や近畿など日本国内の各エリアの総合通信局にご相談ください。調査の結果、混信の電波元を確認できれば、NHKや通信局の局員が、使用者と話し合って交渉するなどの対処をとります。

具体的な相談先は、NHKであれば「NHK受信相談係ナビダイヤル(0570-00-3434)」。地域ごとの各総合通信局の窓口は「各総合通信局等の連絡先」から、お住まいのエリアの窓口をご利用ください。

 

3:集合住宅における電波障害は、物件の保守管理会社や施設管理者へご相談を

マンション、アパートなどの集合住宅にお住まいで、電波障害と思しきトラブルが生じた場合は、その住宅におけるテレビ視聴方法や、管理の担当によって相談先が異なります。集合住宅に共同アンテナを設置してテレビ電波を受信している場合は、アンテナ施設の管理会社など。その他、賃貸契約書に記されている物件の保守管理会社を確認して、その問い合わせ窓口にご相談ください。

 

4:ケーブルテレビなどで電波障害が発生した場合は、契約会社にご連絡を

ケーブルテレビや光テレビなどをご利用のご家庭で、電波障害と思われるトラブルが発生した場合は、アンテナ設備がケーブルテレビ局にあるため、ご自宅での対処は難しくなります。ご契約中のケーブルテレビ局の契約書やパンフレット、公式サイトなどをご確認の上、問い合わせ窓口やメールフォームなどへとご連絡ください。

 

5:電波障害の原因が特定できない場合は、アンテナ工事の専門業者にご相談を

実際にご自宅でテレビ画面の乱れなどが生じた際には、原因が電波障害か、またはご自宅の機器のトラブルか、判断の難しいケースが多くなります。その場合、まずは当あさひアンテナなど、専門のアンテナ工事業者に調査を依頼されることをおすすめいたします。

専門のアンテナ業者であれば、豊富な知識と経験により、現地調査によって早急にトラブルの原因を特定できます。原因がアンテナ機器などの問題であれば、そのまま修理を依頼して、早急な復旧も可能です。

また近隣に建築された建物や、発信される電波などで電波障害が起きている場合は、その調査結果を元に、適切な窓口へと問い合わせるという対処法がございます。

【まとめ】
ご自宅で起こりうる電波障害の症状や原因、対策については以上の通りです。

ただご自宅でテレビの画面が乱れた、映らないなどの症状が起きた場合、その原因がご自宅の機器の不調なのか電波障害なのか。電波障害の場合は原因が何か、特定するのが難しいケースもございます。

テレビ画面トラブルの原因が、ご自宅の機器などの不調ではないかを確認する方法としては、以下のコラム情報もご参照ください。

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一部屋だけテレビが映らない不具合の原因と対処法

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ご自宅で急なテレビ画面の乱れなどが発生したり、新築のマイホームにアンテナが建てられない原因が電波障害なのか特定が難しい場合には、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)かメールフォーム、LINEアカウントまで、お気軽にご相談ください。弊社の職人が現地調べにより早急に原因を特定し、ご自宅の機器などに問題がある場合には的確な修理で、外的な要因による電波障害には適切なアドバイスでご対応いたします。

※ドコモ、ソフトバンク、auに関する電波障害は、それぞれのキャリアのホームページで確認するかお問合せ窓口にお電話してくださいませ。

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    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。