地デジ放送のテレビアンテナを地図で正しい電波の向きに調整する方法とは? 自分でアンテナの方向を調整できる設置の位置も解説

2024年06月09日

2024年(令和6年)、21世紀もはや四分の一を消化しつつある現在も、戸建て住宅のお住まいでは、地デジや衛星放送のテレビアンテナを使って、テレビ放送を視聴することが一般的です。

インターネットなどによる動画配信やテレビ放送の見逃し配信などが一般化した現在でも、地上波やBSのテレビ放送は、NHK受信料や有料チャンネルを除けば、テレビアンテナを設置するだけで。いつまでも無料で視聴できるのが大きなメリットです。

毎週、時間や曜日ごとに放送されるテレビ番組は、皆様の日常のリズムを作る上でも、重要な役割を果たしているとも言えます。

またBS放送やCS放送の有料チャンネルであれば、洋画や邦画、アニメや時代劇、ドキュメンタリー、音楽やお笑いなど、お好きなジャンルの専門チャンネルを選んで視聴できることはもちろん、インターネットの配信とは違って、お好きな番組をブルーレイなどのメディアに録画して保存できるのも非常に魅力です。

このような理由から、現在でもお住まいにて、地デジ、衛星放送のさまざまなチャンネル、番組を楽しんでいる方もまだまだ多くいらっしゃるでしょう。

ただ、特にテレビアンテナが、設置から十年前後、あるいはそれ以上の年月が過ぎているお住まいで、台風などの激しい風雨や、軽い地震などにあった場合に、それ以降、お住まいの地デジ、衛星放送の画面が乱れる、あるいは映らなくなった、という事態に見舞われたことはないでしょうか?

もちろんテレビアンテナを設置しているお住まいで地デジ、衛星放送が正しく映らなくなる原因には、電波障害などによる現場に届く現場の乱れや、テレビアンテナの故障をはじめ、アンテナ配線部のケーブルや機器の不具合。ケーブルなどの接触不良やテレビ本体など受信機器のトラブルまで、さまざまな原因が考えられます。

ただ、特にテレビアンテナ本体が倒れているなど、大きな問題も見られず、お住まいにあるすべてのテレビで画面の乱れなどの問題が生じている場合は、アンテナ角度の狂い(アンテナのずれ)が問題である可能性が高くなります。

お住まいに設置されるテレビアンテナは、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、電波が届く方向へと正確に角度を調整する必要があり、その角度が狂ってしまうと、受信できる電波レベルが大きく低下してしまうのです。

このようなトラブルは、特に設置からある程度の年月が経って、耐久性がやや低下したテレビアンテナが、激しい雨風や雪、地震などの自然災害による力を受けた場合に起こりやすくなります。

角度のズレにより受信感度が低下したテレビアンテナは、あらためて正しい方向へと角度を調整して、同様のトラブルが再発しないよう、耐久性の回復を含めて、しっかりと固定し直す作業が必要です。

この角度の再調整は、お住まいのアンテナが屋根の上などにあって、作業に危険が伴う場合は、専門のアンテナ工事業者にご依頼になることをおすすめします。ただ屋上フロアやベランダなど、作業の安全を確保できる位置であれば、ご自宅で角度調整を行うことも不可能ではありません。

また取り付けから十数年以上で老朽化が進み、トラブルが起こりやすくなっているアンテナでは、既設アンテナを撤去し、新しいアンテナを設置する方が、コストパフォーマンスではお得になることも考えられます。

当コラムでは、お住まいにてテレビアンテナの角度がズレた、またはご自宅にてDIYでテレビアンテナを設置する場合などに、ご自宅で地デジアンテナを向けるべき正しい方向を確認する方法と、地デジアンテナ機種ごとの角度調整の方法を、一覧で解説いたします。

また同様に、衛星放送用のBS/CSアンテナを設置、角度調整する場合に必要な、アンテナを向ける方向の確認方法。また角度調整の手順についても概要をご説明します。

地デジ放送の仕組みと電波の方向とは?

現在の地上波放送(地上波テレビ放送)は、テレビ放送の映像信号を、まず「0」「1」のデジタル信号に変換して、その信号を電波の波長に乗せて送信する「デジタル放送」になっています。いわゆる地デジ放送の正式名称「地上デジタル放送」も、地上波によるデジタル放送という意味です。

このデジタル化により、映像信号から無駄な部分をカットして大幅に圧縮することが可能になり、かつての地上アナログ放送の時代に比べて、放送に使う電波の周波数帯は大きく削減しながら、約4.5倍の情報を送信できるようになりました。

この大容量化によって、地デジ放送では映像のハイビジョン(2K)化や高音質化。また番組表やデータ放送、双方向通信、ワンセグ放送など、さまざまな新機能が実現したのです。

この地上波放送というのは、日本国内でもテレビ放送を視聴する人が多く住まうエリアなど、主な位置に電波塔を設置し、周辺のエリアにテレビ電波を送ることで、日本国内のほとんどのエリアをカバーするテレビ放送の仕組みであり、この仕組みは現在の地デジ放送も、かつてのアナログ放送も、大きな違いはありません。

現在の地上波デジタル放送で視聴できるチャンネルは、日本全国で視聴できるNHKと、系列テレビ局による全国ネットワーク体制で、やはりほぼ全国で視聴できる広域民放の各局。そして日本国内でも三大都市圏の一部都府県で別々に存在する、東京都の東京MX、神奈川県のテレビ神奈川(TVK)、兵庫県のサンテレビジョン(SUN-TV、おっサンテレビ)などの独立放送局が、その都府県内や近隣を放送エリアとして放送している、地方チャンネル(地方局)になります。

また地デジ放送は、災害時などの緊急情報を送信する役割も果たす基幹放送であるため、日本国内の不特定多数を放送対象としており、日本国内であれば、地デジアンテナを設置する、ワンセグ・フルセグ機器を利用するなどにより、NHK受信料を除けば、誰でも基本的に無料で視聴できます。

現在の地上波放送(地デジ放送)では、日本国内を、北海道を除く複数の都府県をまとめて分けた「広域圏」ごとに存在するテレビ局が、広域圏内のテレビ放送を担っています。

例えば、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県を合わせたエリアは関東広域圏になります。

同じように宮城県、秋田県、山形県、福島県、青森県、岩手県などの東北広域圏。岐阜県、愛知県、三重県の中京広域圏。京都府、大阪府、兵庫県や和歌山県など近畿一帯の近畿広域圏。鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県の中国地方と、徳島県、香川県などの四国地方を合わせた中国・四国広域圏、福岡県、熊本県、鹿児島県などの九州一帯と沖縄県の九州・沖縄広域圏などが存在します。

この各広域圏では、例えば関東広域圏では、東京都墨田区に存在し、東京都の多くと、広域圏内に含まれる各県の一部まで、広範囲に地デジ電波を送信する日本一の電波塔、東京スカイツリー。

また他にも千葉県の千葉局。埼玉県の浦和局。神奈川県の横浜局など、各都府県や主な地域の広範囲に地デジ電波を送信する主要な電波塔である「送信所(親局、基幹局)」が存在します。

ただこの送信所だけでは、距離や地形による遮蔽などの問題から、各都府県のすべてのエリアに電波を送信することは難しくなります。

そのため各送信局の周りで、地デジ電波が届きにくくなる場所に「中継局(サテライト局)」と呼ばれる電波塔がいくつも設置されています。この中継局は、送信所や他の中継局から送られる地デジ電波を受信して、電波塔内で増幅した後に、周辺の一帯に地デジ電波を送信し直す役割を果たしています。

送信所から送られた地デジ電波は、数多くの中継局を介したリレー形式により、各都府県や広域圏、ひいては日本の全域を地デジ放送のエリアとしてカバーしているのです。

この送信所から送られ、中継局を介して届けられる地デジ電波は、電波の中でもやや周波数帯が高いUHF(極超短波:300MHz(メガヘルツ)から3GHz(ギガヘルツ)まで)のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯が使われています。したがって地デジ放送用の地デジアンテナは、すべてこの周波数帯に特化した「UHFアンテナ」になります。

地デジ電波に使われるUHFの波長の幅は、おおよそ40センチから60センチ程度で、その性質はやや音に近く、空間を伝わる際に広がりやすい性質があります。一方でUHFの電波は、地上の空間を伝わるほど減衰(電波が弱まること)していく性質もあるため、上記のような多数の中継局を用いたリレー方式での送信が必要となるのです。

なお地デジ電波のレベル(強度)は、一般的には「㏈(デシベル)」の単位で表されます。地デジ電波などテレビ電波の場合は、おおむね0㏈から100㏈までの数値で表されますが、ただ注意点として、㏈の数値は10を定数とした常用対数で表されるものになります。

おおよその目安としては、元の㏈数より10㏈上がることに、その電波のレベルが10倍になると考えるといいでしょう。

つまり10㏈に10㏈を足せば20㏈、さらに20㏈を足せば40㏈といった単純な計算ではなく、10㏈の電波レベルを基準とした場合、20㏈はその10倍、30㏈は100倍、40㏈は1,000倍といった計算になります。

そして地デジ電波の㏈数は、電波塔から送信されたときが最大値として、そこから距離が離れるほど、㏈数が低くなってゆきます。ある電波塔から送信された地デジ電波が、距離や地形に遮られるなどの影響を受けて、周辺で受信できるおおよその㏈数を基準に、電波塔周辺のエリアを分類したものを「電界地域」と呼びます。

この電界地域とは、テレビ局やアンテナメーカーなどが、受信の目安としてそれぞれの基準で使っているものになるため、統一された定義はありません。

ただ一般的には、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルのが、おおむね80㏈以上であれば強電界地域。80㏈から60㏈なら中電界地域。60㏈以下なら弱電界地域に分類されます。

また弱電界地域よりさらに遠いエリアで、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下になると、通常の地デジアンテナでは、地デジ放送の視聴に必要な電波レベルの確保が難しくなります。このようなエリアは「微弱電界地域」と分類される場合もあります。

その他、日本国内には、地デジ電波が遮られる山間部や、近隣に地デジ電波がない原野や離島部などで、地デジ電波がほとんど届かないエリアもあり、そのようなエリアは「難視聴地域」と呼ばれます。

また地デジ電波は上記の通り、電波塔の先から音が広がるようにして周辺エリアに送られるため、空間を伝わる途中で、山地などの隆起した地形にぶつかると、遮られてその向こう側には届きにくくなります。このような地形による影響を避けるためにも、山の周辺などに中継局が設置されるのです。

同じように、地デジ電波塔から近い都市部にある高層マンションなどの高層建築物にも、地デジ電波は遮られます。

地デジ電波は音のような性質をもつことから、高層ビルで電波が遮られても、その横を通った電波が向こう側で広がることにより、完全に遮断されることはありません。しかしビルの影に当たる一帯、特に中央部には乗り越えて広がる地デジ電波も届きにくく、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下することもあります。

同じ理由から、電波塔から近いエリアでも住宅密集地などでは、屋根の上などの広い空間では十分なレベルの地デジ電波が受信できても、家と家の間の狭い空間には、地デジ電波が届きにくくなることもあります。

そのため、戸建て住宅に地デジアンテナを設置する場合は、屋根の上でマスト(ポール、支柱)の先にアンテナを固定するなど、地上から10メートル程度でできるだけ高い位置に取り付けるほど、周りの障害物や距離による減衰の影響を受けにくく、安定した受信が可能になります。

特に中電界地域から弱電界地域など、届く電波レベルが弱まるエリアでは、地デジ電波が障害物などの影響を受けやすくなるため、できるだけ高い位置に、高性能な地デジアンテナを設置する必要性が高くなってきます。

一方で、地デジ電波は、金属などの電波を反射する素材や、ウレタンなど電波を吸収する断熱材。その他、電波を通しにくい素材が使われていない住宅であれば、ある程度の減衰は生じるものの、屋根や壁、窓などを透過して、屋内まで届くことが多くなります。

そのため強電界地域で住宅が地デジ電波を通しやすく、屋内に設置スペースが確保できるなどの条件が整った現場であれば、室内アンテナの利用や、屋根裏、天井裏空間へ地デジアンテナを設置することが可能となるケースもあります。

もうひとつ、空間を伝わる地デジ電波に影響を与える要素として、一年を通した気候や雨、雪などの天候が挙げられます。

例えば気温が下がり、空気が収縮する冬場などは、地デジ電波が遠くまで届きやすくなります。その一方でノイズとなる地デジ電波以外の余計な電波も届きやすくなることから、地デジ電波の品質が下がる場合もあります。

また逆に、気温が上がり空気が膨張する夏場などは、地デジ電波が遠くに届きにくくなるため、特に中・弱電界地域では電波レベルが下がりやすくなります。

このような季節の気候が空間にあたえる影響から、地デジ電波レベルは同じ場所でも一年の間に6㏈程度の変化が生じます。また電波は水に吸収される性質があるため、雨や雪など天候が悪い際には、空間を伝わる際に地デジ電波レベルが大きく減衰し、アンテナによる受信レベルにも影響を与えます。

上記のような地デジ電波の性質から、戸建て住宅に地デジアンテナを設置する場合には、気候などによる変動も計算に入れて、余裕のある地デジ電波レベルを確保できるよう、まず現場の電界地域や現場の受信環境に合わせた性能の地デジアンテナ機種と、十分な電波が届く設置の場所を選ぶこと。

そしてアンテナ本体の正面側を、もっとも強い地デジ電波が送られてくる方向、主に現場にもっとも近い電波塔の方向で、なおかつ電波を遮る障害物のない方向に向けて設置することが基本になります。

なお、ここでご説明した以外の事項を含む、地デジ電波の仕組みや性質、また地上波テレビ放送の歴史などについては、以下の各コラム記事でも詳細をご説明しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?

・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

地デジアンテナの性質と角度調整に必要な「指向性」とは?

次に、お住まいにアンテナを設置する際に必要となる、受信性能や角度調整の条件を、地デジアンテナ本体の性質、主に「指向性」からご説明していきます。

地デジアンテナの受信性能は、主に素子数(素子数相当)を基準に表記されます。

素子とは、地デジアンテナでも八木式アンテナと呼ばれる機種に設置された、短い横棒のような部品で、地デジ電波を受信するパーツ「素子(エレメント)」のことです。このように素子が外部から見えるアンテナは「素子アンテナ」とも呼ばれます。

八木式アンテナではモデルによって8素子、14素子、20素子など素子の数が違い、素子の数がそのまま受信性能を示します。素子による受信性能は、現場で受信できる電波レベルに対応し、おおむね8素子が強電界地域用。14素子が強・中電界地域用。20素子が中・弱電界地域用になります。

また地デジアンテナにはデザインアンテナ、ユニコーンアンテナ等、外部から素子が見えないモデルもあり、このようなモデルは、その受信性能を素子数に換算した「20素子相当」などの「素子数相当」で受信性能を表記します。

ただ注意点として、同じ素子数(相当)でもその受信性能には一定の幅があり、八木式アンテナのような、素子数で表記される素子アンテナは、素子数の範囲内で受信性能が高くなりやすく、逆に素子が見えず素子数相当で表されるアンテナは、素子数相当の範囲で受信性能がやや低くなる傾向があります。

また素子数(相当)より細かな受信性能を判断する目安としては「動作利得(利得、ゲイン)」と呼ばれるものがあります。

電気工学で言う一般的な意味での「利得」とは、電気回路における入力と出力の比のことをいい、地デジアンテナの動作利得では、アンテナが受信できる電波レベルに対し、出力できる電波レベルの効率を示す数値になります。具体的には、地デジアンテナの正面側での受信性能を示す数値ともいえます。

この動作利得は、やはり㏈の数値で表され、一般的な地デジアンテナの動作利得は、おおむね0㏈から16㏈程度になります。ただこの数値は、基準となるアンテナ(後述する「指向性」をもたない理論上のアンテナ、またはもっともシンプルで指向性が低いアンテナ)との動作利得の差を、常用対数で表したものになります。

つまり電波レベルの計算方法と同じく、1㏈ずつ上がるごとに、基準となるアンテナに比べて動作利得が倍、さらにその倍になると考えればよろしいでしょう。

この動作利得は、同じ素子数(相当)のアンテナでも、指向性による受信性能の差や、オールチャンネル用アンテナとローチャンネル用アンテナ(詳しくは後述)の受信性能の差を判断する目安になります。

そして指向性とは、地デジアンテナでも、アンテナ本体の真正面側で最大の受信性能を発揮し、正面から角度が離れるほど、受信性能が低下していく性質を言います。

実際の地デジアンテナでは、アンテナの正面側、真正面を中心にした一定の範囲のみで受信性能を発揮し、アンテナの真横や後方などでは、ほとんど電波を受信できなくなります。

この指向性の範囲を示す数値は「半値幅」になります。半値幅とは、地デジアンテナでももっとも受信性能が高まる真正面を基準に、そこからアンテナ角度を左右にずらして、受信性能が真正面の半分になる角度を示した数値です。

なお、この半値幅は、素子数(相当)が高く、受信性能の高くなるアンテナほど狭くなる傾向があるほか、アンテナの形状などにも大きく左右されます。また同じ素子数(相当)のアンテナでも、半値幅が狭いアンテナほど、その範囲内での受信性能が高まる傾向があります。

したがって地デジアンテナは、もっとも受信性能が高まるアンテナの正面側で、電波を送る電波塔の方向を狙い撃つように角度を合わせて設置することで、より強い地デジ電波を受信できる上、余計なノイズも受信しにくくなり、もっとも受信性能が高くなるのです。

なお地デジアンテナの特殊なモデルには「無指向性アンテナ」と呼ばれるものもあります。

これは、やや太い支柱上の先端にドームのようなアンテナ本体部がついた地デジアンテナになり、実際にはドーム状の部分全体で、全方向からの電波を同じ受信性能で受信できるというものになります。

したがって角度調整の必要がなく、後述するNHK、広域民放と地方チャンネルなど、別々の方向にある電波塔から送信される地デジ電波を一基で受信できるなどのメリットがあります。

ただその一方で、受信性能が低くなる、ノイズも受信しやすくなるなどのメリットもあるため、受信できる地デジ電波レベルが他の電波よりも強い、強電界地域向けのモデルになります。

なおここでご説明した素子数(相当)や動作利得、アンテナの指向性については、以下のコラム記事でもそれぞれ詳しく解説しております。

・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!

・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説

・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

現場に近い地デジ電波塔の方向を調べる方法とは?

地デジ電波の性質および、地デジアンテナが持つ「指向性」から、安定した地デジ受信のためには、地デジアンテナの真正面側を、近隣の電波塔の方向へと、正確に向ける必要があることは、おわかりいただけたでしょう。

ここでは、以上の前提と、さらに電波を遮る周辺の障害物などの条件も踏まえて、近隣の電波塔の方向など、さまざまな現場において、地デジアンテナの角度を調整すべき正確な方向を確認する方法、および具体的な地デジアンテナの角度調整について解説してゆきます。

お住まいのエリア(都道府県など)にある地デジの電波塔(送信所、中継局)の一覧や、その位置(住所)などは、インターネット上では総務省のサイトをはじめ、放送局やアンテナメーカーなどのホームページなどでも確認できます。

電波塔の位置を確認できれば、現在ではGoogleMapなどの地図アプリから、その電波塔が、お住まいから見てどの方向にあるかを確認することは難しくありません。

ただ注意すべき点は、お住まいから距離的にもっとも近い電波塔が、お住まいにもっとも強い地デジ電波を送信しているとは限らないという点です。

前述のように送信所と中継局ではカバーしている範囲や規模が違うため、お住まいの近くにある中継局より、やや遠い送信所の方がお住まいに強い電波を送っているケースも考えられます。

また電波塔は、地デジ電波が届きにくい特定の方向のみに電波を送信している場合や、送信される電波が山地などに遮られることもあるため、お住まいのお近くの送信所でも、お住まいの方向には地デジ電波を送信していないケースもあり得ます。

インターネット上で日本国内の地デジ電波塔の位置、およびその電波塔が地デジ電波を送信する方向や範囲を簡単に把握する方法としては、一般社団法人放送サービス高度化推進協会「A-PAB」のホームページから、サイト内の「地デジ放送エリアのめやす」ページを確認することが一番わかりやすくなります。

このサイトでは、お住まいの住所や郵便番号、都道府県別の電波塔(送信所・中継局)一覧、また個別の電波塔の名前から、地図上でその電波塔の位置が確認できます。

また地図上の電波塔をクリックすることで、地図上に色付きの範囲として、その電波塔からの地デジ電波が、一定の強度(強・中電界地域相当)で届くエリアを確認することができます。

地図上には、その範囲内の他の電波塔も表示され、各電波塔の電波が届く範囲も、色違いの範囲で、最大5カ所まで表示されるため、お住まいの周辺で最適の電波塔も判断しやすくなります。

他にも、もしご自宅で地デジアンテナの角度を調整する必要が出た場合には、受信する電波塔を特定できれば、スマートフォンの「テレビアンテナ」などのアプリを利用することで、ご自宅から受信したい電波塔の方向を、スマホ画面上のコンパスで確認することもできます。

ただこのようなアプリでは、お住まいの周辺にある障害物などにより地デジ電波が遮られるなど、周辺環境による問題までは確認できないため、ご注意ください。

なお上記の通り、設置する地デジアンテナの素子数(相当)や設置位置は、現場の電界地域、および周辺の障害物などの受信環境に左右されます。

お住まいなどの現場から判断できる強電界地域の目安は、お住まいから電波塔が視認でき、電波を遮る障害物などが存在しないという点です。

強電界地域ではアンテナ機種、設置位置とも選択肢が広くなりますが、ただ電波塔から距離が近い現場でも、電波塔の方向が建物などに遮断されている現場や位置では、受信できる地デジ電波レベルが低くなることもありますので、ご注意ください。

また中電界地域、弱電界地域の目安は、上記した「地デジ放送エリアのめやす」で、電波塔から色付きで表示される範囲内のうち、強電界地域に該当しないエリア。弱電界地域は色付きの範囲の周辺に当たる一帯になります。

ただ、中電界地域から弱電界地域になるほど、電波レベルが障害物や気候などの周辺環境に影響を受けやすくなる傾向もありますので、お住まいで実際にどの程度の地デジ電波レベルを確保できるか。また設置位置の違いによる受信レベルの変動などの判断が難しくなります。

ご自宅やその周辺で受信できる電波レベルを確認する方法には、お住まいの周辺の住宅などに設置されている地デジアンテナの種類や設置位置から判断する。ワンセグ受信機器があれば、地デジと同じ電波塔から送信されるワンセグの受信状況を確認する。近隣でアンテナ工事を依頼できる家電量販店やホームセンター、町の電気店などに問い合わせるといった方法があります。

ただ以上の方法はどれも、お住まいの一帯で受信できる電波レベルの、おおまかな目安を判断するだけのものになります。

現場でもっとも強く品質の高い地デジ電波が受信できる位置や電波の方向、アンテナの設置に適した位置などを確認するためには、テレビアンテナ工事の専門業者に電波調査をご依頼になることがおすすめです。

特に周辺に高層建築などの障害物が多い環境では、電波塔から直接、送信される地デジ電波は受信しにくく、周辺の高層ビルなどに反射して方向が変わった地デジ電波(反射波)を受信する方が、安定した地デジ受信を実現できる場合もありますが、この反射波の存在や方向、レベルなどを確認するためには、プロのアンテナ工事業者による電波調査が必須となります。

多くのアンテナ工事の専門業者では、アンテナ工事を前提とした現場の電波調査とアンテナ工事のお見積もりであれば、依頼により実施してくれることが多くなります。

当あさひアンテナの場合は、ご依頼いただければ、現地への出張料、アンテナ工事の本契約に至らなかった場合のキャンセル料などの諸費用を含めた「完全無料」で電波調査、お見積りをお引き受けいたします。

アンテナ工事の専門業者以外の、例えばホームセンターや家電量販店、ハウスメーカーなどのアンテナ工事では、設置するアンテナ機種が決まっていて、電波調査も、その機種に適した設置位置で、必要な電波レベルを確保できるかどうかを確認するだけになります。

またこのような業者の場合、工事を行うのはその店舗や会社ではなく、提携した近隣の電気店などの下請け業者であることが大半になります。またこのような下請け業者は、アンテナ工事の専門家ではなく、エアコン工事など、一般住宅における家電製品の設置、電気工事などを全般的に請け負う業者になります。

そのため、アンテナ工事に関しては基本的な知識しかなく、担当する業者によって施工の技術や品質に差が出ることもあります。例えば、地デジ電波レベルの変動に対する考えが甘く、アンテナ機種によっては、気候や天候で電波レベルが弱い状態なった場合に、地デジ放送の画面が乱れる等のケースも考えられます。

対して、当あさひアンテナ等、アンテナ工事の専門業者による電波調査であれば、まずお住まいのさまざまな位置で綿密な電波調査を行い、気候や天候の変化なども十分に踏まえて、お住まいの中でも安定した強度で地デジ受信を実現できる、さまざまな位置を割り出します。

そしてその結果に基づき、現場で可能となる限り、お客様のご要望に最適なアンテナ機種や取り付けの位置をご提案いたします。

弊社の施工の一例としては、周辺の建築物などの関係から、壁面で十分な地デジ電波が受信できないと思われるお住まいでも、丁寧な電波調査により、壁面で十分な地デジ電波を確保できるスポットを見出して、ご希望通りデザインアンテナの設置を実現した例もございます。

他にも、通常は屋根の頂点部にしか設置できない、屋根の上で屋根馬にマストを固定しての各種アンテナの設置を、水平器という機器を用いて屋根馬の脚を加工することで、片流れ屋根など屋根の斜面部分に設置する工法もご用意しております。またお住まいで条件的に可能であれば、デザインアンテナや八木式アンテナの屋根裏、天井裏空間への設置もご対応いたします。

さらに工事の費用面でも、下請け業者が施工を担当する店舗や会社では、仲介手数料などの中間マージンが発生することで、工事費用が全般的に割高となる傾向があります。

一方、当あさひアンテナをはじめとする、優良なアンテナ工事の専門業者では、完全自社施工による中間マージンのカットをはじめ、アンテナ本体や使用する機材を、メーカーから直接大量購入することで、スケールメリットを生かした大幅値引きを実現

その他、さまざまなコストカットの工夫により、高品質アンテナアンテナ本体や必要な機材の価格をセットにした基本設置工事の費用を、たいへんな低価格でご提供しております。

アンテナ工事で使用する機種や設置位置、施工品質にこだわりをお持ちの方。またアンテナの設置費用を抑えたい方は、優れたアンテナ工事の専門業者にご依頼になることがおすすめと申せます。

アンテナ工事業者が行う電波調査とお見積もり、また各種アンテナ業者によるアンテナ工事の特徴、それぞれの比較については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

・新築などの家屋でテレビアンテナ工事を頼む際のおすすめ業者はどこ? 依頼の流れから費用の相場まで、業者の選び方を徹底解説!

・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説

・業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事

・アンテナ工事の料金はいくら? 業者ごとの相場、必要な工事の選び方
・地デジ用テレビアンテナの本体価格と業者に依頼した場合の工事料金の相場とは? 適切な地デジアンテナ選びと費用の相場を解説!

・テレビアンテナ工事は即日で設置できる? 依頼可能な業者と方法・費用

・新築のお宅でテレビアンテナ工事の費用はいくら? 料金の相場からアンテナ工事を無料で頼める業者の選び方までお得な情報を解説

・テレビアンテナ工事の専門業者は他の業者とどう違う? 技術から費用の相場まで比較しておすすめ業者の選び方を徹底解説!

地方局用地デジアンテナとは?

上記の取り、現在の地デジ放送では、UHF波の特定の周波数帯を使ってすべてのチャンネルを送信しているため、一般の戸建住宅ではほとんどの場合、地デジアンテナを一基、設置するだけで、そのエリアで受信できるすべての地デジ放送のチャンネルを視聴できます。

ただ、上記した東京MXなどの地方チャンネルを視聴できる都府県で、お住まいの条件によっては、NHK、広域民放を受信する主な地デジアンテナの他に、もう一基、地方局(地方チャンネル)用の地デジアンテナが必要となるケースもあります。

これは地方チャンネルを視聴できる都府県、またその都府県に隣接する都府県でも境界に近いエリアなどでは、NHK、広域民放を送信する電波塔と、地方チャンネルを送信する電波塔が別個である場合があるためです。

地デジアンテナには、アンテナの真正面を中心とした一定の範囲でしか地デジ電波を受信できない「指向性」があることは、上でご説明した通りです。そのため、現場から見てNHK、広域民放の電波塔と、地方チャンネルの電波塔が大きく異なる場合、NHK、広域民放に合わせた地デジアンテナでは、地方チャンネルの電波の方向が、半値幅から大きく外れてしまい、受信できなくなるのです。

したがってこのような現場の場合は、、NHK、広域民放用の地デジアンテナとは別に、もう一基、地方局用のアンテナを設置する必要性が出てきます。

地方局用のアンテナは、八木式アンテナであれば、一本のマストにもう一基、地方局用アンテナを設置する形になります。また一部のアンテナメーカーでは、主にNHK、広域民放と、兵庫県のサンテレビ、京都府のKBS京都を受信できる、大阪を含めた京阪神用のアンテナとして、一本のマストに二基の八木式アンテナが固定され、配線なども完了したアンテナ製品を販売している例もあります。

当あさひアンテナでは、電波塔の位置から、一基の地デジアンテナで地方チャンネルとそれ以外のチャンネルを受信することが難しい現場でも、上記した「反射波」を利用するなどして、できるだけ一基のアンテナで受信できるよう施工に最善を尽くします。

そして、地方チャンネルを受信するために、どうしても別個のアンテナが必要になる場合のみ、地方局用アンテナの増設を、アンテナ本体や必要な機材などの費用を含めて、税込み15,000円からでご案内いたします。

なお地方チャンネルや、地方局用を含むアンテナの増設については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?

・屋根の上などのテレビアンテナを増設する取り付け方法とは? 工事の流れや費用、業者、部屋の端子のDIY設置方法もすべて解説

地デジアンテナ機種別の角度の調整方法は?

ここまででも少しご説明した通り、現在、戸建て住宅への取り付けに使われる主な地デジアンテナは「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の三機種になります。

各機種はそれぞれ形状や性能、適した設置位置、そして指向性(半値幅)などに大きな違いがあり、それに応じて設置時の角度調整で注意すべきポイントも変わってまいります。

ここでは、各地デジアンテナ機種の簡単な特徴(メリット、デメリット)と、各機種における角度調整の方法や注意点についてご説明してゆきます。

八木式アンテナの角度調整

八木式アンテナとは、皆さまもご覧になったことはおありでしょう。戸建住宅の屋根の上などで、マスト(支柱、ポール)の先に固定されている、アナログ放送の時代から利用される、魚の骨のような形をした昔ながらのテレビアンテナです。

現在の地デジアンテナ(UHFアンテナ)としての八木式アンテナは、矢印のような支柱に、短い横棒がいくつもついた形になります。ただアンテナの真正面(受信方向)は、矢印の形とは反対側の先端になります。

戸建て住宅における八木式アンテナの設置は、地デジ電波を確保しやすい住宅の屋根の上でマストの先に取り付け、固定部を軸にして、電波塔の方向に角度を調整した上で固定することが主になります。

他にも、壁面などへの固定部から、真横にマストを固定するアームやL字型のマストが設置された「サイドベース」という器具を用いて、住宅の外壁やベランダの手すり部などに取り付ける。

他にもベランダ内部空間への固定や、強電界地域であれば素子数が少ない小型モデルを、軒先から吊り下げるなどの方法もあります。

上記でもご説明した通り、八木式アンテナはその先端から地デジ電波を導く、素子がいくつもついた横の支柱部分(導波器・ディレクター)の素子の数に加え、その奥で給電部と一体化して電波を集める部分(放射器、輻射器・ラジエーター)と、矢印の頭部分で、放射器を通り過ぎる地デジ電波を放射器の方向へ、外部から届くノイズを外側へと反射する部分(反射器・リフレクター)をそれぞれ1素子と数えた素子数で受信性能が表されます。

八木式アンテナの特徴は、素子数別の機種が多いことに加え、基本的な設置位置が屋根の上など高所になる。古典的な設計の素子アンテナである。指向性が高い(半値幅が狭い)などの要因から、同じ素子数でも受信感度が高くなります。

さらに八木式アンテナのバリエーションには、導波器の一ヵ所、上下左右に複数の素子パーツを固定した高性能素子を使い、27素子や30素子の多素子モデルもあることから、通常の地デジアンテナ約4基分の受信性能を発揮し、微弱電界地域でも十分な受信感度を実現する高性能型アンテナ(パラスタックアンテナ)。

また地デジ電波のすべての周波数帯に対応できるオールチャンネル用アンテナに対し、多くのエリアで実際に使用されるやや低い周波数帯にしか対応できない分、受信感度が高くなるローチャンネル用アンテナなども存在します。

これらの特性やモデルのバリエーションから、八木式アンテナは現在でも地デジアンテナ機種の中では一番の優れた受信性能を誇り、日本国内でももっとも幅広いエリアに対応できます。

さらに構造のシンプルな古典的アンテナであることから、現在では他の地デジアンテナ機種に比べて、本体価格、設置費用がもっとも低価格になります。

ただこのようなメリットの一方で、八木式アンテナには、昔ながらの形状で屋根の上に設置されることから、住宅の見た目や景観に悪影響を与えやすい。また風雨や雪、海沿いの潮風、野鳥などに影響を受けやすく、寿命が短くなりトラブルが生じやすいというデメリットもあります。

また八木式アンテナの指向性を示す半値幅は、素子数(受信性能)が高いほど狭くなります。

ちなみに一例として、ある国内大手メーカーにおける八木式アンテナ(オールチャンネル用)の素子数別の半値幅を上げていくと、8素子モデルは42度から63度。14素子モデルは34度から57度。20素子モデルは28度から52度になります。

八木式アンテナは地デジアンテナ各機種の中では、もっとも指向性が高い(半値幅が狭い)ため、屋根の上などの高い位置で、周辺の電波塔の方向に、正確に正面を向けることで、ノイズも避けやすく、他の地デジアンテナよりも受信感度が高くなる特性があります。

ただその反面、半値幅の狭さから、アンテナの設置角度がずれてしまうと受信性能が低下しやすいという弱点もあります。八木式アンテナには、その形状と設置位置から風雨などに影響を受けやすいという弱点もありますので、八木式アンテナでは特に、正確な角度調整としっかりした固定が重要になります。

角度調整については、屋根の上では360度の方向に角度調整が行いやすく、障害物にも影響されにくいというメリットがあります。ただ壁面やベランダ内外への設置では、壁やベランダの方角が、電波塔を見渡せる(アンテナの先端を角度調整できる)側を向いている必要がある他、周辺環境にも影響されやすく、受信感度が低下するケースもあるため注意が必要です。

なお、八木式アンテナでできるだけ自然環境の影響を避け、老朽化や角度のズレなどの問題を抑えるためには、設置位置を工夫するほか、ステンレスモデルや雪害用、塩害用モデルなど、設計や素材、加工などによって対候性を高めたモデルを採用する方法があります。

当あさひアンテナでは八木式アンテナの基本設置工事に、日本三大アンテナメーカーの一社、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」に、屋根馬やマスト、同軸ケーブルなど必要な部材、アンテナの防水処理などの価格をセットにして、税込み15,000円からでご案内しております。

もちろん精密な電波調査により、現場でもっとも強く安定した地デジ電波が届く方向や、適切な設置位置などを割り出し、最適な角度調整と、風雨などにも強い丈夫な設置をお約束します。

他にも弊社では、さまざまな受信環境や自然環境の現場に対応すべく、八木式アンテナでは各素子数のモデルやパラスタックアンテナ。ステンレス製、塩害用、雪害用などのモデルもご用意し、お客様のご要望や現場に最適に設置工事をご提供しております。

また八木式アンテナについては、以下の各コラム記事でも各モデルや設置位置、注意点などを詳しくご紹介しております。

・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!

デザインアンテナの角度調整

デザインアンテナとは、地デジ放送がスタートした後の2009年(平成21年)頃に登場した新式のテレビアンテナです。

それまで建物に設置される地上波放送用のテレビアンテナと言えば、八木式アンテナのほぼ一種類のみでしたが、地デジ化により、使用されるテレビ電波の波長が、アナログ放送時代のVHF(超短波)より短くなったことで実現した、地デジアンテナの第二世代モデルになります。

一般的なデザインアンテナとは「平面アンテナ」のことを指し、主に縦長の長方形で、薄型のテレビアンテナになります。そしてデザインアンテナが受信性能を発揮する真正面の側は、平面状の表側、ほぼ全面になります。

その形状から住宅への設置位置は、壁面やベランダの手すりなどに、モデルごとに専用の設置具を固定して取り付けるという形になります。

また八木式アンテナと同様、屋根の上のマストに固定されることもあるほか、そのコンパクトさから、強電界地域で住宅の建材が電波を通しやすいなど、屋根裏、天井裏へ地デジアンテナを設置できる条件が整った現場であれば、基本的にデザインアンテナが採用されます。

デザインアンテナの主な種類には、受信性能別で20素子相当、26素子相当のモデルがあり、同じモデルでもカラーバリエーションが豊富という特徴もあります。また本体は3素子相当などで受信性能は低く、強電界地域専用になりますが、付属の据え置きスタンドなどで窓際に設置する室内アンテナとしても使えるコンパクトモデルも存在します。

デザインアンテナは従来の八木式アンテナのデメリットをカバーするために登場したアンテナであり、その特徴は、取り付けの見た目が住宅に溶け込み、家の外見や景観に悪影響を与えないこと。また風雨などに影響を受けにくく老朽化が進みにくくなるため、耐用年数が伸び、角度のズレなどのトラブルも生じにくいという点です。

一方でデザインアンテナには、素子アンテナではない点や、指向性の低さによる本体の受信感度に加え、なにより設置位置が低くなることから、周辺の障害物などに影響を受けやすく、八木式アンテナに比べて受信性能が低くなるという弱点があります。

そのためデザインアンテナは基本的に強・中電界地域向けの機種になります。さらに該当するエリアであっても、高層マンションなどのすぐ近く、また住宅密集地の壁面など、地デジ電波が遮られやすい現場では、デザインアンテナでは十分な電波レベルが確保できないため、設置できないケースも出てきます。

このようにデザインアンテナはメリットが豊富な半面、受信感度については、使用できるエリアが限られる上、周辺の環境にも左右されやすいため、設置に当たっては慎重な電波調査により、余裕のある地デジ受信レベルを確保できる位置を確かめることが重要です。

なお、デザインアンテナの半値幅は、正面側の面積が広い分だけ、八木式アンテナよりも広くなります。

やはりある国産の大手メーカー製デザインアンテナで半値幅の例を挙げると、20素子相当モデルで半値幅は75度から86度。26素子相当モデルで71度から82度になります。

この指向性の低さから、同じ素子数(相当)でも八木式アンテナに比べると受信性能が低くなりやすい半面、角度調整は比較的、簡単になる。また多少の角度のズレでは受信性能が低下しにくいというメリットも出てきます。

デザインアンテナの角度調整方法は、メーカーやモデルによっても異なりますが、基本的に背面の設置具の部分を利用して、中心部をマストで固定している場合は、マストを軸に、本体の正面部を左右にずらす形。また左右の固定部により設置される場合が、左右どちらかの固定部を軸に、扉を開くような形で、アンテナ本体部の角度調整を行う形になります。

いずれにせよ、デザインアンテナの場合は、アンテナの正面側を、おおよそ電波塔(電波が届く方向)へと向けるだけで、そこまで正確な角度調整は必要ありません。

ただ設置位置が壁面やベランダになるため、やはり設置する場所としては、アンテナを電波塔や電波の方向に向けられる側の壁面を選ぶことも必要です。

当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事を、DXアンテナ社の高品質20素子相当モデル「UAH201」。または強電界地域でご要望があれば、同じく日本三大アンテナメーカーであるマスプロ電工社製の、業界最小を誇るコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションと基本の設置具。白黒2色の同軸ケーブルの費用も含めて、税込み20,000円からでご案内しております。

デザインアンテナの場合は、現場の受信レベルや受信環境により設置できる条件が厳しくなりますが、当あさひアンテナでは前述の通り、綿密な電波調査によって可能な限り、デザインアンテナでも安定した受信レベルが確保できる位置を特定して、全力で設置にご対応できるよう最善を尽くします。

またデザインアンテナの屋根裏、天井裏空間への設置についても、現場の条件で可能であれば、追加工事費は加算されない、税込み20,000円からの基本設置工事費のみでお引き受けいたします。

他にもデザインアンテナでは、26素子相当のモデルもご用意しているため、どのような現場であっても、できる限りデザインアンテナの取り付けにご対応いたします。

なおデザインアンテナの種類や設置方法、屋内設置や、デザインアンテナ設置の失敗例とそれを避ける方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・業界最小デザインアンテナ!マスプロ電工「スカイウォーリーミニ」のメリット・デメリットとは? 失敗しない取り付け例も解説!

・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説

・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説

・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説

・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説

ユニコーンアンテナの角度調整

ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、上記のDXアンテナ社より発売された地デジアンテナの新機種「U2CN」を指す商品名になります。この機種は従来の八木式アンテナ、デザインアンテナとも異なる特徴を持ち、地デジアンテナの第三世代モデルに当たります。

ユニコーンアンテナの形状は、高さ約67センチのほぼ円筒形になります。本体色はマットな質感の「ブロンズブラック(BB)」「ウォームホワイト(WW)」の二色です。本体の下部に会社名や機種、型番名の入ったロゴが記されている側が、アンテナの正面である受信側に当たり、その反対側(裏側)は切り落としたような平面上になっています。

このロゴがある正面下部は、カバーが開く形になっており、その内部にマストへの固定部や、アンテナケーブル(同軸ケーブル)の接続端子があります。

ユニコーンアンテナの設置方法は、八木式アンテナと同じく、屋根の上に固定されたマスト、また住宅の破風板(屋根の張り出し部)や壁面の高い位置に設置されたサイドベースへの取り付けになります。

注意点としては、基本的にユニコーンアンテナ本体が、屋根の上に突き出すような形で設置することが前提となります。

ユニコーンアンテナの特性は、第三世代モデルとして、デザインアンテナのメリットを保持しつつ、受信感度も向上させた点になります。

具体的には、そのスタイリッシュな形状から、高所に設置されても住宅の見た目や景観などに悪影響を与えにくい点。また風雨などを受け流せる形状から、自然環境にも影響を受けにくく、経年劣化を抑えて耐用年数が長くなる点が、ユニコーンアンテナのメリットになります。

これらの点はデザインアンテナとほぼ同等ですが、ユニコーンアンテナは、デザインアンテナよりも設置位置が高くなるため、周辺の障害物などに影響を受けにくくなり、受信感度が高くなるという性質があります。

前述のように、デザインアンテナは設置位置の関係から周辺の障害物に影響を受けやすく、特に高層建築の近くや住宅密集地では使用できない場合もあります。ただそのような現場であっても、ユニコーンアンテナは障害物に影響されにくい高い位置に設置できるため、問題なく使用できるケースが多くなるのです。

一方、ユニコーンアンテナのデメリットは、設置位置は高くとも、素子が露出していない。指向性が低いなどの点から、同じ条件で設置された八木式アンテナに比べると、やはり受信性能がやや低くなる点になります。

特にユニコーンアンテナは形状の影響もあり、その半値幅は83度から93度と、デザインアンテナよりも広くなり、この点が同じ20素子相当の範囲でも、受信感度がやや低くなりやすい要因になります。

そのためユニコーンアンテナも、基本的には強・中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースが出てきます。

また対応エリアでは幅広い現場で使用でき、メリットも多いユニコーンアンテナですが、最新モデルであるため、従来の2機種に比べると、本体価格や設置費用が割高になる点もデメリットと言えます。

なお、ユニコーンアンテナの角度調整は、取り付けるマストの先端を軸に、アンテナの正面(ロゴ)側を、電波塔や電波の届く方向へと向けた上で、固定部のボルトを締めてしっかりと固定する形になります。ただユニコーンアンテナもデザインアンテナ以上に半値幅が広いため、そこまで厳密な角度調整は必要なく、多少の角度のズレで受信感度に影響を受けることも少なくなります。

なお当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナの基本設置工事を、アンテナ本体や設置具、同軸ケーブルなどの費用も含めた「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEアカウントまでお気軽にお問い合わせください。

またユニコーンアンテナについての詳しい解説は、以下の各コラム記事にもございます。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介

・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

衛星放送用BS/CSアンテナの角度調整とは?

以上では地デジアンテナの受信の仕組み、および地デジアンテナの角度調整についてご説明してまいりました。

しかし、いわゆるBS放送、CS放送などの衛星放送については、放送の仕組みや電波の性質、アンテナの構造などがまったく異なるため、アンテナの角度調整の方法やポイントもまったく異なってきます。

衛星放送や、衛星放送を受信するBS/CSアンテナの仕組みについて詳しく解説すると非常に長くなるため、ここではBS/CSアンテナの角度調整と関係するポイントのみ、簡単にご説明してゆきます。

衛星放送とは、地球の赤道軌道上を周回しているため、地上からは常に空の同じ場所に静止しているように見える「静止衛星」から、地球上でも半球側の広範囲に電波を送信する放送になります。

この衛星放送に利用される電波は、地デジ電波のUHFより格段に周波数帯の高いマイクロ波のうち、センチメートル波(SHF)と呼ばれるもので、中でも周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後の電波を使っているため、衛星放送の電波は「12GHz帯」とも呼ばれます。

なお、BS放送、CS放送の違いは、BS放送が「放送衛星」を使った衛星放送で、地デジ放送と同じく不特定多数を対象とする放送。CS放送は「通信衛星」による衛星放送で、CS放送事業者と契約を結んだ視聴者を対象にする、主に有料放送という点です。

双方に使用される12GHz帯の電波は、波長の幅が25ミリ程度で、その性質は光に近く、非常に直進性が強いものになります。日本の衛星放送では、BS放送の放送衛星、CS放送の通信衛星、それぞれから日本全域を照らし出すような形で、12GHz帯の電波を送信していることになります。

12GHz帯の電波は光に近い直進性の強さからエネルギーを集中させやすく、宇宙空間から長距離を送信される衛星放送の電波に適しています。ただその反面、太陽光がものに当たると遮られて影ができるように、わずかな障害物にも遮られやすく、ひとたび遮られると、地デジ電波のように周囲の電波が広がって届くこともほとんどないといった性質もあります。

そして地上で衛星放送を受信するために設置されるテレビアンテナ(BS/CSアンテナ)は、パラボラアンテナという名称でも知られています。

パラボラアンテナとは、大きな皿状の円盤である「放物面反射器」または「ディッシュ(dish:皿)」をもつアンテナです。BS/CSアンテナでは、このディッシュ内部の放物面(放物線を描く曲面)で、12GHz帯の電波を受け止め、ディッシュの正面中央に集中させる形で反射させます。

反射した12GHz帯の電波が集まる部分には、金属製のアームで「コンバーター(変換器)」という機器が設置されています。12GHz帯の電波は、コンバーターと一体化している一次放射器に集められた後、コンバーターにて、MHz帯の周波数帯へと変換されます。

これは12GHz帯の電波は周波数帯の高さから、そのままアンテナケーブルで送信すると減衰量が非常に大きくなり、正常に送信できないことから、ケーブルでの送信に適した周波数帯に変換するためです。

こうして変換された12GHz帯の電波を、ケーブル配線部を通じてテレビなどのBS/CSチューナーへ送ることで、衛星放送を視聴できるのです。なおコンバーターを作動させるために、BS/CSアンテナには、ブースターの電源部や、テレビやレコーダーなど受信機器側からの電源設定が必要となります。

現在、もっとも一般的な衛星放送用のBS/CSアンテナは、正確にはBS/110度CSアンテナとも呼ばれ、同じく東経110度に静止衛星が位置するBS放送、110度CS放送(スカパー!)の双方の電波を、一基で受信することが可能です。

戸建て住宅に設置されるBS/CSアンテナは、ディッシュの有効直径(12GHz帯の電波を受け止める部分の直径)が45センチの45型になります。他にも集合住宅向けの共同受信用として、さまざまなディッシュサイズで受信性能が高い大型BS/CSアンテナも存在し、12GHz帯の電波がやや弱まる地域などでは、戸建て住宅でも50型、60型、75型などやや大型のBS/CSアンテナを使用することがあります。

なおBS/CSアンテナはメーカー、モデルは違っても基本的な構造は同じパラボラアンテナであるため、ディッシュ直径が同じであれば受信性能にほとんど違いは生じません。

なお一般住宅用の45型BS/CSアンテナのバリエーションには、太陽光に強い塗装を施したカラーバリエーション。設計の工夫により耐風性能を高めた高耐風モデルなどが存在します。

これらBS/CSアンテナを設置する場合に必要となる条件としては、まず、衛星から直進して送信される12GHz帯の電波を、アンテナのディッシュ正面で受け止めて正確に反射させるため、BS/CSアンテナのディッシュを、南西方向の上空に当たる東経110度へ向けることができる位置に設置すること。

そしてディッシュの仰角(上下の角度)、方位角(左右の角度)とも、東経110度を指す角度へと正確に調整する必要があるという点です。

この角度調整がミリ単位でもずれてしまうと、ディッシュ内側に反射した12GHz帯の電波がコンバーターへと十分に集まらなくなるため、衛星放送の受信感度が大きく低下してしまうのです。BS/CSアンテナは、各種の地デジアンテナよりも指向性が高いアンテナということもできます。

そしてもうひとつ、BS/CSアンテナの角度を調整するにあたり、ディッシュを向ける東経110度の方向に、12GHz帯の電波を遮ってしまう、山や建物などはもちろん、樹木やその枝葉、電柱、電線、洗濯物など、わずかな障害物も存在しない位置を選ぶ、という点も重要になります。

逆に言えばこれらの条件さえ満たしていれば、BS/CSアンテナは、住宅のどこに設置しても、安定して衛星放送を受信できることになります。もっとも実際的には、屋根の上などできるだけ高い位置に設置する方が、周辺の障害物にも影響されにくく、角度調整も行いやすくなるため、受信に有利となるケースが多くなります。

また一般的な戸建て住宅においては、BS/CSアンテナは、まず地デジアンテナを設置した後、必要に応じて追加設置され、双方の配線がひとつにまとめられることが多いため、基本的に地デジアンテナとほぼ同じ位置に設置されることになります。

具体的には、地デジ、衛星放送の受信の条件を満たしている位置で、八木式アンテナやユニコーンアンテナとのセット設置であれば、同じマストの下部。デザインアンテナの場合は、やはり近い位置の壁面や屋根の上などになります。

また地デジアンテナとBS/CSアンテナの配線が別系統で、衛星放送は一部の部屋でのみ視聴する場合には、条件さえ整っていれば、地デジアンテナに合わせて設置場所を選ぶ必要はなくなります。

BS/CSアンテナの角度調整について、より詳しく説明しますと、アンテナのディッシュを向ける方向は、上記の通り、南西から南南西の上空に当たる東経110度の位置ですが、日本列島は東西に長いため、国内でも地域によって、BS/CSアンテナを向ける東経110度の仰角、方位角は、微妙に異なってきます。

この地域ごとの東経110度を確認する方法としては、スマートフォンの「BSコンパス」などのアプリを利用することがもっとも簡単です。「BSコンパス」ではお住まいのエリアを設定すれば、そのエリアにおける東経110度の仰角、方位角を画面上のコンパスで示してくれるため、ご自宅でBS/CSアンテナの角度調整を行う場合も、アンテナにスマホを当てがって作業を行うことで、比較的、簡単になります。

他にも、インターネット上には、日本国内の各エリアにおける、東経110度の正確な仰角、方位角の一覧を掲載しているサイト。またBS/CSアンテナの製品には、仰角、方位角の調整部の目盛りに、国内の主要エリアにおける東経110度の角度を表記しているものなども存在します。

これらを利用することで、BS/CSアンテナの角度調整は行いやすくなりますが、実際の角度調整においては、ただ示された角度に合わせるだけでなく、現場ごとに受信レベルがもっとも高くなるよう、仰角、方位角の正確な微調整も必要になります。

このBS/CSアンテナの微調整については、アンテナ工事の専門業者であれば、専門知識と専用の機器を利用して、屋根の上など作業が危険な位置でも、手早く的確に行うことができます。

ただご自宅で角度調整を行う場合には、まず仮固定したBS/CSアンテナと屋内のテレビなどを接続し、テレビ側でコンバーターの電源設定を行うなどして、テレビ側に衛星放送(BS放送)の電波が届く状態にします。

その上で、テレビ側でリモコンを使い、設定画面から「BSアンテナレベル画面」を表示して、テレビ側に届いているBS放送の電波レベルを、数値やインジケーターで確認できる状態にします。

次に、BS/CSアンテナの仰角、方位角を調整します。具体的な手順は、まずそのエリアの東経110度の方向に合わせて、仰角を調整します。

そしてテレビ側のBSアンテナレベルを確認しながら方位角を調整し、アンテナレベルが最大になる位置を特定して方位角を固定。さらに仰角も同じ手順で微調整した後、やはりアンテナレベルが最大の角度でしっかり固定すれば完成です。

ただ、この方法では、アンテナ角度をわずかに調整してから、その受信レベルがテレビ側に反映されるまでに数秒程度の時間差が生じるため、正確な角度調整には大変な手間がかかります。またBS/CSアンテナとテレビの位置が離れている場合には、アンテナ角度の調整役とテレビ側の確認役、最低でも二人で作業を行う必要も生じます。

ただBS/CSアンテナには、アンテナケーブルの間に接続することで、ケーブルを伝わる電波レベルを即座に確認できる、簡易的なインジケーター(レベルチェッカー)も市販されています。

このような機器を利用すれば、BS/CSアンテナの角度調整の手間を格段に軽減できます。価格が1,000円台程度のため、ご自宅で角度調整を行われる場合には、購入されるのもひとつの方法です。

当あさひアンテナでは、地デジアンテナとセットでBS/CSアンテナを取り付ける場合の基本設置工事では、DXアンテナ社製、2K4K8K対応の45型高品質モデル「BC45AS」本体と基本の設置具、ケーブルの価格も含めて、税込み15,000円からでご案内いたします。

また同じくDXアンテナ製、2K4K8K対応45型で業界最強レベルの耐風性能を誇る高耐風モデルBS/CSアンテナ「BC453SG」もご用意しており、同モデルの基本設置工事は「特別価格」でご案内いたします。

他にもBS/CSアンテナでは、各ディッシュサイズや黒のカラーバリエーションもご用意しておりますので、戸建て住宅だけでなく集合住宅を含めた、さまざまな条件のBS/CSアンテナ取り付け工事にご対応いたします。

なお、ここでご説明したのは、最初に申しあげた通り、BS/CSアンテナの角度調整のポイントのみになります。その他の衛星放送、BS/CSアンテナの特性や種類。詳しい受信や設置の注意点などについては、以下の各コラム記事で、それぞれ詳しく解説しております。

・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~

・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説

・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点

・衛星放送用のBS/110度CSアンテナには電源が必要? BS/CSアンテナにテレビなどの設定で電源を供給する方法とは

・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

テレビアンテナを向けるべき角度と調整の方法・まとめ

以上の通り、地デジアンテナの場合は現場ごとに最適となる電波塔や電波の方向、設置位置の確認。BS/CSアンテナの場合は東経110度の方向を向けた精密な角度調整と、それぞれアンテナの角度調整について、難しくなる部分が違ってきます。

各アンテナの角度調整については、以下の各コラム記事の情報も参考になると思われます。

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!

・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説

・地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!

・地デジ、衛星放送用テレビアンテナを正しい向きに自分で調整する方法とは? アンテナ角度の調整に必要となる工事の手順も解説

ご自宅にて地デジアンテナを向けるべき正確な方向や、適したアンテナ機種、設置位置の確認。またBS/CSアンテナの的確な角度調整については、やはりアンテナ工事のプロである専門業者にお任せになることが良いと言えます。

当あさひアンテナでは、本文でご説明した通り、完全無料で緻密な電波調査とお見積もりを実施しており、弊社のお見積もりにご納得いただければ、即日工事にもご対応が可能です。

またもちろん他業者との相見積にも対応しており、お客様のご要望に最適となる高品質な工事を、業界最安に挑む価格でお見積もりいたします。

各種アンテナの基本設置工事も本文でご紹介した通りの低価格で、またブースターの設置など各種オプション工事も、使用する機材のメーカー、型番や各工事の費用もホームページ内に明記して、わかりやすく低価格の体系でご案内しております。

実際の工事に関しても、弊社の社員スタッフである優秀なアンテナ職人による完全自社施工で、本文でご説明した内容をはじめ、アンテナ工事のプロとして、アンテナ設置から配線まで、丈夫で安定した受信性能はもちろん、屋根裏空間の配線など「見えない部分もきれいに」の弊社モットーに基づき、全般的に丁寧で見栄えもいい施工をお約束いたします。

施工の完了後には、各お部屋のテレビやアンテナコンセントで、十分な受信レベルを確保できているとチェックできた時点で、工事の完了といたします。

工事料金のお支払いについては、現金だけでなく各種クレジットカードや電子マネーにもご対応しております。

また施工後のアフターフォローについても、施工完了日からの「10年保証」サービスをご用意しております。これは弊社が施工技術に自信を持つゆえの、業界最長クラスの保証体制であり、お客様には設置から長きにわたってご安心いただけます。

さらに現在、当あさひアンテナでは、弊社でのアンテナ工事と、弊社を介して超高速の光光線を同時にお申込みいただくことで、光回線の会社から75,000円、弊社から10,000円で、合計最大85,000円のキャッシュバックを実施するキャンペーン中です。そのため特にご新居への新規アンテナ設置では、実質「0円」の費用で各種テレビアンテナを設置していただけます。

各種テレビアンテナ機種の、ご自宅への最適な設置をはじめ、テレビアンテナに関するさまざまな工事のご相談は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルへお電話での連絡、またメールフォーム、LINEアカウントまで、どのようなことでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

 

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。