壁面に設置できる地デジ用テレビアンテナとは? デザインアンテナなど壁に取り付けられる全アンテナと工事費用、失敗例など解説
21世紀に入ってからすでに20年以上となる、2023年(令和5年)の現在。
今日でも、一般の戸建て住宅にテレビアンテナを設置するにあたっては、地上デジタル放送用の地デジアンテナ(UHFアンテナ)、衛星放送用のBS/CSアンテナ(パラボアアンテナ)とも、住宅の屋根の上に設置されるもの、というイメージが根強くございます。
これは、現在の地デジ放送がスタートする以前、1953年(昭和28年)2月1日に放送を開始して以降、昭和から21世紀初頭、平成前半までの長い間、日本の地上波テレビ放送として、主要なテレビ放送の役割を担ってきた、いわゆるアナログテレビ放送の時代、テレビアンテナと言えば、屋根の上に設置される八木式アンテナ(VHFアンテナおよびUHFアンテナ)の一種類のみだったことが大きいでしょう。
また日本の衛星放送としてBS放送がスタートしたのは、1989年(平成元年)のことですが、当時はまだ地上波アナログ放送の時代であったこともあり、利便性や、アンテナの施工技術が発展していなかったために、衛星放送用のパラボラアンテナも、アナログ放送用のアンテナとセットで屋根の上に設置されるケースが大半でした。
ただ、現在でも戸建て住宅に地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置する場合には、屋根の上が選ばれるケースが多くなっております。これは従来の慣習というだけでなく、地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置するにあたり、屋根の上などの高所を選ぶ場合のメリットが大きいからです。
しかし地デジ放送がスタートして以降、地デジのデザインアンテナをはじめ、主に戸建て住宅の壁面などに設置できるテレビアンテナや、専用の設置具、工法も多くなっております。
住宅と壁面と屋根の上、またその他の位置など、地デジアンテナを設置する位置には、それぞれ一長一短があり、単純にどの位置に設置すれば最高と決めることはできません。
当コラムでは、主に住宅の壁面、または壁面に近い位置となるベランダの内外への地デジアンテナ設置。また軒先から吊り下げるといった、アンテナ設置工法について、屋根の上をはじめ他の位置に設置する場合と比較した、メリットとデメリットを解説してまいります。
他にも、地デジ放送の仕組みに基づき、エリアごとに受信できる地デジ電波レベルの違いや、地デジ電波を受信できる条件。さらに戸建て住宅の各位置に設置することに適した、地デジアンテナの各モデルについてもご説明いたします。
当コラムをお読みいただければ、住宅の壁面をはじめ、戸建て住宅において、現場の地デジ受信レベルやお客様のお好みに最適となる、地デジアンテナの設置位置をお選びいただけることと存じます。
なお、戸建て住宅において、地デジ・衛星放送のテレビアンテナを設置することに適した各位置については、以下のコラム記事で一覧としてご紹介しております。
・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!
地上デジタル放送(地デジ放送)の概要とは?
戸建て住宅を壁面をはじめ、住宅のさまざまな位置における地デジアンテナ設置で、それぞれの設置方法の特性を把握するためには、まずは地デジアンテナで受信する地上デジタル放送(地デジ放送)の仕組みや、地デジ電波の性質についての理解を深める必要がございます。
そのため、以下では現在の地デジ放送や地デジ電波について、基本的な概要をご説明してまいります。
地上デジタル放送は、2023年(令和5年)現在の日本における、唯一の「地上波テレビ放送」です。
地デジ放送は、それ以前の地上波テレビ放送であり、日本で最初にスタートしたテレビ放送でもある、いわゆる「アナログ放送(アナログテレビ放送)」からの転換を目的に、2003年(平成15年)12月1日午前11時に、従来のアナログ放送を継続しながら、放送を開始しました。
その後、2011年(平成23年)7月24日正午、特例による一部地域を除いて日本国内にてアナログ放送が終了(完全停波)したことにより、日本の地上波テレビ放送は、アナログ放送から地デジ放送へと完全に転換されたのです。
地デジ放送(デジタル放送)では、テレビ放送の映像信号を、電波レベルの強弱に変換して送信していたアナログ放送に対し、まず映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換し、その信号を電波の波長に変換して送信しているのが特徴です。
このデジタル信号を乗せた電波を、戸建て住宅などに設置された地デジアンテナ、またはワンセグ、フルセグの受信機器で受信します。そして地デジアンテナなどで受信した電波のデジタル信号を、テレビなど受信機器に内蔵された地デジチューナーにより、テレビ放送の映像と音声に変換することで、地デジ放送を視聴できるのです。
このデジタル化により、映像信号の情報から無駄な部分を大幅にカットできるようになったため、地デジ放送はアナログ放送の時代に比べて、使用する電波の周波数帯を大きくカットしながら、約4.5倍の大容量の情報を送信することが可能になったのです。
これにより地デジ放送では、アナログ放送の時代に比べて、テレビ放送のハイビジョン化や高音質化。またマルチ編成やデータ放送、双方向サービスなど、さまざまな新機能も実現しております。
そもそも地デジ電波などに使用される電波は、波長を描いて空間を光の速さで伝わる電気的なエネルギー波のことであり、一秒間に描かれる波長の数を「周波数」と呼びます。そして周波数が高い(1秒間に描かれる波長の数が多い)電波ほど、波長の幅は短くなります。
現在の地デジ放送では、NHK、広域民放、地方チャンネルなどすべてのチャンネルで、比較的、高周波数帯の電波であるUHF波(極超短波)のうち470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用しております。その電波の波長の幅は、40センチから60センチ程度になります。
したがって、現在の地デジ用テレビアンテナはすべて、UHF波の中でも、地デジ放送で使われる周波数帯を受信することに特化した「UHFアンテナ」になります。
このUHF波の地デジ電波を、日本国内で地デジ放送の放送内容ごとに地域分けした各「広域圏」にて、例えば関東広域圏において、東京都墨田区押上に位置し、東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県の多くのエリアから、茨城県、栃木県、群馬県の一部にまで地デジ電波を送信する東京都の東京スカイツリーのように、エリアの中心となり広範囲に地デジ電波を送信する大規模な電波塔「送信所(親局、基幹局)」。
そして送信所の周辺の要所に衛星のように設置され、送信所や他の電波塔から地デジ電波を受信して、電波塔内で増幅して周辺に送信し直す電波塔「中継局(サテライト局)」といった、多くの地デジ電波塔が設置され、送信所を中心として、中継局によって地デジ電波をリレー形式で送信していくことにより、各広域圏、ひいては日本全国の大半のエリアに、地デジ電波を送信しているのです。
また地デジ放送は、災害時などの緊急時に、緊急情報などを拡散する役割も持つ「基幹放送」であるため、日本国内であれば、地デジアンテナやフルセグ・ワンセグ機器の使用により、不特定多数が基本的に無料(NHK受信料を除く)で視聴できるテレビ放送になります。
ただ電波塔から送信された地デジ電波は、長距離の空間を移動するほど、その電波レベル(電波強度)は弱まります。また電波が山地などの大きな障害物にぶつかると、その時点で遮られてしまいます。
この電波塔からの距離や、地形などの影響で、日本国内の各広域圏でも、受信できる地デジ電波レベルには変化が生じます。そして日本国内でも、地域ごとに受信できる地デジ電波レベルの目安として、日本国内の地域を区分したものを「電界地域」と呼びます。
電界地域は、地デジ電波レベルを示す「㏈(デシベル)」の数値を元に、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアを「強電界地域」。80㏈から60㏈のエリアを「中電界地域」。60㏈以下のエリアを「弱電界地域」の三通りに分類することが多くなります。
ただ電界地域には、学問上、法律上などの統一的な定義はないため、使用される場所によっては、㏈数の基準がやや異なる場合や、強電界地域と弱電界地域の二通りの分類になる場合もございますので、電界地域の表記を確認する際にはご注意ください。
強電界地域は、主に地デジの電波塔と距離が近く、山地などの障害物もないため、電波塔を視認できるエリアに当たります。したがって当然、地デジの電波状態が非常に良好で、基本的にさまざまな地デジアンテナ機種や住宅内の設置位置を実現できます。
特に強電界地域では、一般的な戸建て住宅などでも、住宅の壁や屋根を透過する地デジ電波レベルが、透過時の減衰を考慮しても十分な強度を保つため、小型で受信感度が低い室内アンテナ(素子数表記なし)や、屋外屋内兼用アンテナ(3素子相当から5素子相当程度)の使用。また地デジアンテナを屋根裏空間、天井裏空間に設置するなどの方法でも十分な地デジ電波を受信できるケースが多く、地デジ放送の受信には恵まれたエリアと言えます。
ただ一方、強電界地域など、地デジ電波レベルが強いエリアで、受信性能の高すぎる地デジアンテナを使用すると、地デジ電波以外の余計な電波(ノイズ)も受信してしまい、地デジ放送の画面が乱れる原因になります。また受信した地デジ電波レベルが、テレビなど受信機器のチューナーに届いた時点で、90㏈以上と強すぎる場合も、地デジ画面の乱れや映らないというトラブルの原因になります。
そのため強電界地域では、あまり受信性能が高すぎない地デジアンテナ、具体的には、現場の受信環境にもよりますが、8素子(相当)から14素子(相当)の性能を持つモデルが適しております。
なお、地デジアンテナなどのテレビアンテナで受信したテレビ電波を増幅する装置「ブースター(増幅器)」については、強電界地域でも三台以上のテレビなど受信機器を設置する住宅では、必要となる地デジ電波レベルが高くなるため、設置が必要となります。
中電界地域は、エリア的には電波塔から見て強電界地域の周辺に当たることが多く、ある程度の地デジ電波レベルを確保できるため、地デジアンテナ機種や設置位置の選択肢は広くなりますが、地デジ電波を遮る建物などの周辺環境にやや影響されやすくなることもあり、室内用アンテナや屋根裏空間への設置など、一部の設置方法が難しくなることもございます。
また中電界地域に適した地デジアンテナの受信性能は、おおむね14素子(相当)から20素子(相当)になります。
弱電界地域になると、受信できる地デジ電波レベルはやや弱くなるため、地デジアンテナ機種の中でも比較的、受信性能の高い八木式アンテナを主に使用して、20素子(相当)以上の高い受信性能をもつ地デジアンテナモデルを、周辺の障害物などに影響されにくい、屋根の上などの高所に設置する工法が中心になります。
また弱電界地域の中でも、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下で、一般的な地デジアンテナ設備の設置では、安定した地デジ受信が難しくなるエリアを「微弱電界地域」と分類することもございます。
微弱電界地域は、該当する地デジ電波塔の受信範囲外にあたり、このような現場で安定して地デジ電波を受信するためには、後述する超高性能型の地デジアンテナモデル「パラスタックアンテナ」の設置が必要となってまいります。
他にも日本国内には、電波塔からの地デジ電波がほとんど遮断されてしまう山地や山間部。電波塔から極端に遠く離れた原野や離島などで、地デジ電波がほとんど受信できないエリアも存在します。
このようなエリアは、地デジの「難視聴地域」と呼ばれます。該当する地域において、地デジ放送をはじめとするテレビ放送を視聴する方法としては、ケーブルテレビ(CATV)の利用が中心になります。
または近隣で、ある程度の地デジ電波が受信できる地点があれば、地域で共同受信用の大型アンテナを設置し、各世帯に同軸ケーブルを引いて電波を分配するという方法も取られます。
この電界地域は、広範囲において、受信できるおおよその地デジ電波レベルと、使用できる地デジアンテナ機種や受信性能、地デジアンテナ設置などの場所を決める基準になります。
ただ電界地域は、電波塔からの距離と地形を元に判断した、大まかな受信レベルの目安にすぎず、必ずしも各電界地域で基準通りの地デジ電波レベルが確保できるとは限りません。
各現場で受信できる地デジ電波レベルは、年間を通した気候や天候、そして現場の周辺に地デジ電波を遮る建築物などの障害物が存在するかどうかでも、大きく変動するからです。
気候や天候の影響では、冬場などで気温が下がって空気が収縮すると、地デジ電波が遠くまで届きやすくなる半面、ノイズとなる余計な電波も届きやすくなる。逆に夏場など暑い時期で空気が膨張すると、電波が遠くまで届きにくくなります。
このような一年を通した気候の変化により、同じ場所でも受信できる地デジ電波レベルには、およそ6㏈程度の変動が起こります。さらに電波は水分に吸収されやすいため、雨や雪などの悪天候では、空間を伝わる地デジ電波のレベルは大きく低下いたします。
さらに地デジ電波塔から伝わる地デジ電波は、高層ビルなどの建築物にぶつかった場合、障害物を乗り越えて向こう側に届く力はあるものの、ビルの陰にあたる直近や中心部の一帯では、受信できる地デジ電波が大きく低下します。
同じように、狭い間隔で住宅が立ち並ぶ住宅密集地などでは、屋根の上など周辺に障害物がなく、受信環境に恵まれたエリアでも、隣家との距離が近い壁面などには地デジ電波が届きにくく、やはり地デジ電波の受信レベルが格段に低下するため、壁面への地デジアンテナ設置が難しくなることもございます。
電界地域の受信レベルの基準には、これら気候や天候による電波レベルの変動、また周辺の障害物の影響などは考慮されていないため、各電界地域に含まれる現場であっても、気候や天候、そして周辺環境の影響などによって、受信できる地デジ電波レベルが、電界地域の基準を大きく下回ってしまい、安定した受信が難しくなるケースもございます。
なお日本各地に存在する送信所、中継局などすべての地デジ電波塔の位置と、各電波塔から送信される地デジ電波の電界地域については、インターネット上の「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内の「地デジ放送エリアのめやす」のページにて確認できます。
その他、地デジアンテナの設置位置や、取り付けの工法に関係する要素としては、各地デジ電波の中継局から送信される電波の種類の違い「水平偏波」「水平偏波」や、地面からの高度によって、地デジ電波の強弱のレベルが波を描くように変化する「ハイトパターン」などの性質がございます。
これら地デジアンテナ設置に関連する、地デジアンテナや地デジ電波の基礎知識、各種情報についての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しておりますので、よろしければご参照ください。
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説
・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説
・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
地デジアンテナを住宅の壁面に設置するメリット・デメリットとは?
前書きでもご説明した通り、一般的に、地デジアンテナをはじめとするテレビアンテナは、屋根の上にマスト(支柱、ポール)を立てて設置する工法が、現在でも一般的になっております。
これは八木式アンテナしか存在しなかったアナログ放送時代からの工法ですが、必ずしも慣習や施工技術の問題だけではなく、特に地デジアンテナは多くの場合、戸建て住宅においては屋根の上など、高所に設置することで受信感度が高まりやすい性質があるためです。
ただ地上波テレビ放送の地デジ化により、アナログ放送時代の主なテレビ電波であり、波長の長さが1.4メートルから3.3メートル程度であったVHF波に比べると、地デジ放送のUHF波は、前述のように波長が大幅に短くなりました。
それによりアンテナ本体も大幅な小型化が可能となり、従来の八木式アンテナではなく、主に住宅の壁面への設置を前提とした、薄型でコンパクトな「デザインアンテナ」が登場したのです。
それ以前にも現場の条件などにより、テレビアンテナを住宅の壁面などに設置する工法は存在しましたが、デザインアンテナの登場後、壁面にアンテナ取り付けが行われるケースも多くなりました。
基本的に地デジアンテナを、壁面や壁に近い位置に設置する方法のメリット・デメリットは、それまでの主な工法であった、屋根の上に設置する方法とは対照的なものになります。
そして住宅の壁へのテレビアンテナ設置というと、一般的には、専用の器具を用いて、各種の地デジアンテナを直接、壁面に固定するというイメージかと思われます。ただ実際には、ベランダの手すり部やその内部空間に地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置する。また軒先やベランダに、小型の八木式アンテナを吊るすような形で設置する工法もございます。
これらの設置方法は、壁面にほぼ等しい位置にあたり、メリット、デメリットも壁面への設置とほとんど共通するため、ここではひとまとめに「壁面へのテレビアンテナ設置」として、以下でメリット、デメリットやチェックすべきポイントなどをご説明してまいります。
テレビアンテナ壁面設置のメリット
壁面やベランダの手すり部などにテレビアンテナを設置する場合の、第一のメリットは、吹きさらしの屋根の上に比べて、風雨や積雪といった自然環境や天候の影響を避けやすくなるため、地デジアンテナの経年劣化が進みにくくなり、耐用年数(寿命)が長くなる点が挙げられます。
これは形状的に風雨などを避けやすいデザインアンテナの場合だけでなく、やや大型で自然環境に影響されやすい八木式アンテナ、BS/CSアンテナでも、設置位置を低く、風雨を避けやすい方向の壁面に設置できる。また背面を壁にすることで、雨風などの影響を大きく抑えることができるのです。
特にこれらのアンテナをベランダの内部に設置することで、より風雨を避けやすくなる上、アンテナに手が届きやすいことからメンテナンスも簡単になります。
もうひとつは、住宅の外観性や周辺の景観に関する問題です。特に独自の形状を持つ八木式アンテナ、BS/CSアンテナを屋根の上のマストに固定する場合、住宅の屋根の上で非常に目立つ存在になり、デザイン性の高い住宅では家の見栄えを乱すほか、景観にも悪影響を与えます。
そのため景観地域などでは、景観条例により、八木式アンテナをはじめ、アンテナの一部モデルや、一定以上の高さへの設置が制限されていることもございます。
ただこの問題に関しても、見た目がスッキリしたデザインアンテナの壁面、ベランダへの設置はもちろん、八木式アンテナやBS/CSアンテナなども、壁面など屋根より低い位置の、目につきにくい場所に設置することで、住宅の外観や景観への悪影響を避けることができます。
このように住宅の壁面や、それに類するやや低い位置へのテレビアンテナ設置は、主に住宅の外観性や、自然環境などに対する対候性、またメンテナンス性の点で、屋根の上などへの設置に比べて有利となる点が総合的なメリットと言えます。
他にも、ベランダの手すりに地デジ、BS/CSアンテナを設置する場合には、しっかりした足場があって設置作業の安全を確保できるため、アンテナ工事業者に依頼せずとも、ご自宅におけるDIYでの設置が比較的、簡単になるという点もメリットになります。
テレビアンテナ壁面設置のデメリット
地デジアンテナをはじめとする、テレビアンテナの壁面などへの設置は、上記のようにメリットが多い半面、デメリットも出てまいります。
壁面や類する位置へテレビアンテナを設置する場合の一番の問題点は、屋根の上に比べると、地デジ、衛星放送とも、受信レベルが下がりやすい。また必要なレベルのテレビ電波が受信できないため、設置できないケースも出てくることです。
すでにご説明した通り、地デジ電波は、高層ビルなどの建築物に遮られやすいため、各電界地域を問わず、周辺環境によっては受信レベルが大きく低下することもございます。
このような周辺環境の影響は、屋根の上などの高位置に高性能の地デジアンテナを設置することで、ある程度は抑えることができます。
ただ、壁面や同等の低い位置に地デジアンテナを設置する場合には、逆に周辺環境の影響を受けやすくなります。そのため強電界地域であっても、近隣に電波塔の方向を遮る形で高層マンションなどが建っている。また住宅密集地で、壁面のすぐ目の前に隣家の壁が広がるような環境では、壁面には十分なレベルの地デジ電波が届かなくなり、機種を問わず地デジアンテナの設置が難しくなるケースも多くございます。
また地デジアンテナの各機種には、基本的に指向性(アンテナの正面側のみで高い受信性能を発揮する性質)があるため、アンテナの正面側を、そのエリアに地デジ電波を送信する電波塔の方角(場合によっては、地デジ電波がビルなどに反射して方向の変わった「反射波」が届く方向)へと正確に向ける必要がございます。
したがって地デジアンテナを壁面やベランダなどに設置する場合も、設置位置を自由に選べるわけではなく、アンテナの正面側を電波塔の方向へと向けることができる方角の壁面、その他の位置に取り付ける必要がありますので、その点には注意が必要です。
また衛星放送用のBS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)に関しては、地上における十数メートル程度の高さの違いであれば、衛星放送の受信レベルにはほとんど影響いたしません。
ただBS/CSアンテナは、地上から見て東経110度の方向に位置し、周波数が高く光のように直進性が高い衛星放送の「12GHz(ギガヘルツ)帯」の電波を受け止めるため、BS/CSアンテナのディッシュ部を、ミリ単位の正確さで東経110度の方向へと向ける必要がある。また静止衛星の方向とパラボラアンテナを結ぶ直線状に、電線や電柱、木々やその枝葉など、ささいな障害物が存在しても電波が遮られてしまい、受信不良が生じるため、障害物がまったく存在しない位置に設置しなければならないという条件が出てまいります。
したがってテレビアンテナの壁面などへの設置では、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、その位置で安定したテレビ電波の受信が可能かをあらかじめ確認することが、もっとも重要と言えます。
特に地デジ電波の場合、中電界地域から弱電界地域と、受信できる電波レベルが弱いエリアになるほど、周辺の障害物などの環境だけでなく、気候、天候などによる電波レベルの変動にも影響を受けやすくなるため、特にそれらに影響を受けやすい壁面などへの設置では、気候などの影響も計算に入れて、余裕のある地デジ電波の受信レベルを確保することが重要となります。
他にも、ベランダの手すり部などではなく、何もない壁面にテレビアンテナを設置する場合には、どのアンテナモデルであっても、まず壁面にビスを使って設置具を取り付けるため、壁にビス穴を開ける必要が出る点もデメリットと言えます。
新築住宅などでは壁に傷をつける工法を避けたいとおっしゃる方も多く、また賃貸物件では住宅に傷を残す工事は、物件の所有者の許可を得る必要があり、実質的には難しくなります。
特に施工技術の低い業者にアンテナの壁面設置を依頼した場合は、壁面のビス穴から雨水などがしみ込み、腐食などが起きるといったトラブルの実例もございます。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの壁面設置をはじめ、壁にビス穴を開けるアンテナ設置工事の場合は、正確な施工で適切な位置に最小限のビス穴を開けるのみの施工はもちろん、ビス穴に防水用の変性シリコンを注入することで、雨水の侵入などによる壁面の腐食に対しても、万全の防止策をとっております。
またベランダの手すり部にテレビアンテナを設置する場合は、主に手すり部を挟み込む形の設置具を使用するため、壁などにビス穴を開ける必要はございません。
地デジアンテナを屋根の上などに設置するメリット・デメリットとは?
ここでは壁面などへの設置と比較する意味で、地デジアンテナをはじめとするテレビアンテナを、戸建て住宅の屋根の上など、高所に設置する場合のメリット、デメリットについて解説してまいります。
基本的に、屋根の上へのテレビアンテナ設置では、屋根の頂点の部分に、四脚の「屋根馬」という設置具をバランスよく置き、その中央にアンテナ設置用のマスト(ポール、支柱)を垂直に立てます。
そのマストに地デジやBS/CSアンテナなど、必要なアンテナを設置して、屋根の四隅よりステンレスワイヤーなどの支線(ステー)を、屋根馬やマストに張って固定するという形式になります。
そのため一般的には、屋根馬を使用したアンテナ設置は、屋根馬をバランスよく置くことができない、差し掛け屋根などの形状の屋根には設置できない場合もございます。
ただ当あさひアンテナでは、屋根の斜面などバランスの悪い場所でも、水平器という機器を使用して、マストが垂直になるよう屋根馬の脚をバランスよく切断することで、どのような屋根にもしっかりと屋根馬を固定し、垂直に立てたマストの先に、各種アンテナを固定する施工が可能です。
他にも屋根の破風板(張り出し部)や、壁面でも最上部に近い位置に、水平に突き出したアームの先にマストを固定する「サイドベース」という器具を取り付けることで、マストの先のアンテナ本体が屋根の上から突き出す位置、すなわち実質的には屋根の上に各種アンテナを設置する工法。
また差し掛け屋根など、屋根の上でも壁状になった部分に、デザインアンテナを貼り付け設置や、サイドベースを使って各種テレビアンテナを設置するという工法もございます。
これら、高い位置にテレビアンテナを設置する場合のメリットは、何よりもテレビ電波の受信感度が安定しやすいという点です。
地デジ放送の場合も、高層ビルなどの地デジ電波を遮る障害物に影響されにくくなる上、地デジアンテナの正面側を、電波塔の方向へと正確に向けたアンテナの角度調整が行いやすくなります。特に弱電界地域などでは、高い位置に高性能の八木式アンテナを設置する以外に、地デジアンテナ設置の選択肢がほとんど存在しないケースもございます。
またBS/CSアンテナの場合も、設置場所を高くとることで、東経110度の方向に障害物が存在しない設置位置を確保しやすく、また東経110度に向けた仰角(上下角)、方位角(左右角)の調整が行いやすくなります。
このようにアンテナ角度の調整も行いやすく、テレビ電波の受信レベルや受信環境が安定しやすいことから、アナログ放送時代の古くから現在にいたるまで、多くの現場で、テレビアンテナといえば屋根の上に設置されてきたのです。
ただその当時から、屋根の上に設置する場合のデメリットとしては、屋根の上のマストにアンテナ本体が設置されることで、住宅の外観や景観を乱してしまう点。
また風雨や降雪。特に屋根の上の積雪。また海沿いの潮風や、アンテナに鳥が留まり、フンをする鳥害などで、アンテナ角度のズレ、アンテナ本体の腐食など、経年劣化が進行しやすく、アンテナの耐用年数(寿命)が短くなり、トラブルも生じやすいという点が挙げられておりました。
テレビアンテナと言えばほとんどが屋根の上に設置されていた20世紀の時代はともかく、近年ではデザイン性の高い住宅も多く、特に屋根の上で目立つ八木式アンテナ、BS/CSアンテナの設置を避けたいと思われるお客様も多くなっております。
また屋根の上へのアンテナ設置では、上記の通り、景観地域の景観条例などに抵触する場合もある。また屋根の上にソーラーパネルを設置している住宅では、アンテナがパネルに影を落として発電の邪魔になるといった問題点も出てまいります。
また気候など自然環境の影響も、台風銀座や豪雪地帯など、特に気候が厳しい地域では、屋根の上のアンテナを強風や豪雨が直撃する。冬場の屋根への積雪でアンテナが埋もれ、落雪に巻き込まれるなどで、大きなダメージを受けて、故障などのトラブルが頻発するといったケースもございます。
これらの問題に関しては、同じ屋根の上への設置でも、外観性や対候性に優れた地デジアンテナ機種やモデルを採用するといった対処法で、ある程度は軽減することが可能です。
以下の項では、現在の主な地デジアンテナ機種、モデルについて、それぞれの特徴と、戸建て住宅における、適した設置位置などオススメのポイントについて解説してまいります。
地デジアンテナ(UHFアンテナ)各機種の概要
地デジ放送を受信するため、戸建て住宅の屋外に設置される地デジアンテナには、古くからのアンテナモデル「八木式アンテナ」の他、現在では「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」などの新世代モデルも登場しております。
基本的には後続機種ほど、それ以前のモデルの弱点やデメリットをカバーする性能を備えていることが多くなりますが、この三機種が現役で使われる理由としては、それぞれの機種に、他の機種にはない特有の優れたメリットが存在するためです。
したがって、地デジアンテナを設置する現場の電波レベルや受信環境、また戸建て住宅内の設置位置や、お客様のご要望によって、最適と言えるアンテナ機種は異なってまいります。
以下では、お客様のお住まいの条件やご要望にとって最適のアンテナ機種をご判断いただけるよう、各アンテナ機種別に、それぞれの特徴やメリット・デメリットを一覧で解説してまいります。
地デジアンテナ:八木式アンテナ
八木式アンテナは、大正時代に当たる1920年代に開発され、現在では100年近い歴史を持つ古典的なアンテナ機種です。テレビアンテナとしてもアナログ放送の開始時から使用されているモデルであり、主に屋根の上のマストに設置される、魚の骨に似た形状が特徴です。
戸建て住宅への主な設置位置は、上の項でもご説明した通り、屋根馬やサイドベースを使用して、アンテナ本体が屋根の上、住宅内でもほぼ最上部に位置するよう取り付けられます。
ただ他にも、住宅の壁面部、やや低い位置に当たる、壁に設置したサイドベース、ベランダの内外。また素子数の少ない小型モデルを、軒先やベランダの屋根から吊り下げる形で設置することもございます。
現在の地デジアンテナとしての八木式アンテナは、受信性能(素子数)にもよりますが、横幅が1メートル弱から1.5メートル前後の矢印状の骨組みに、短い横棒の「素子(エレメント)」がいくつも設置された形状になります。
この素子とは地デジ電波を受信するパーツであり、その数が多いほど受信性能が高くなり、地デジアンテナの受信性能も「素子数」の数値で表されます。そして八木式アンテナはモデル別に、8素子、14素子、20素子などの多彩な素子数モデルがあり、幅広い電界地域に対応できるのが特徴です。
さらに八木式アンテナには、Ⅹ型の設置具の上下に複数の素子パーツを並べた高性能素子を使用する「パラスダックアンテナ」と呼ばれるモデルもあり、このモデルは5素子程度でも通常モデルに匹敵する受信性能を発揮するため、アンテナ本体の小型化に利用されるほか、27素子、30素子などの超高性能モデルも存在し、微弱電界地域でも地デジ電波の受信が可能となります。
他にも八木式アンテナは、素子が露出しているため受信感度が高まる「素子アンテナ」である。指向性が高い、つまりアンテナの正面側で受信性能が高まる角度が狭い分、その範囲での受信性能が高くなる。また地デジ放送の全チャンネル帯(13chから52ch)を受信できる「オールチャンネルアンテナ」に対し、実際の各エリアでの地デジ放送に使用されることが多い13chから36ch程度のチャンネル帯に、受信できるチャンネル帯を絞ることによって受信感度を高めた「ローチャンネルアンテナ」が存在するなどの要因から、他の地デジアンテナ機種と比べても、総合的にアンテナ本体の受信性能がもっとも高い地デジアンテナ機種になります。
何より八木式アンテナは、基本的な設置位置が屋根の上などの高所にあたることで、アンテナ本体の高い受信性能を万全に発揮することができます。したがって電界地域や周辺環境などの関係から、現場で受信できる地デジ電波レベルが弱く、受信性能を重視する場合には最適の地デジアンテナ機種になります。
また八木式アンテナは、設計がシンプルな上に、テレビアンテナとしてもっとも長く使われ続けていることから、製造や施工の技術も完成されているため、アンテナ本体価格や設置費用が地デジアンテナの中ではもっとも低価格になるという点も、大きなメリットになります。
一般的な八木式アンテナの販売価格としては、14素子モデルで約3,000円程度からになります。そして幅広い電界地域で使用できる、もっとも一般的なモデルの20素子モデルでも、約4,000円から7,000円程度で購入できます。
一方、八木式アンテナのデメリットとしては、機器部がむき出しの古典的な形状で、サイズも現在の地デジアンテナとしてはやや大きくなることから、屋根の上に設置する場合の主なデメリットである、住宅の外観や景観に悪影響を与える。風雨などに影響されやすく耐用年数が短くなり、トラブルも生じやすくなるという点が大きくなります。
特に八木式アンテナは指向性の高さから、アンテナを電波塔の方向へと正確に向けることで受信性能が高まる反面、わずかな角度の狂いでも受信感度が低下しやすくなる面がございます。特に素子数が多く、受信性能が高いモデルほど指向性も高くなるので注意が必要です。
また八木式アンテナは、その形状とサイズから、アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出す「越境問題」が起こりやすいため、設置時の確認が重要となります。
八木式アンテナの一般的な耐用年数は10年程度とされておりますが、台風銀座や豪雪地帯など、自然環境が厳しいエリアでは、寿命がより短くなることもございます。
そして設置場所が高所になることから、アンテナの設置工事や故障時の修理、角度調整などの作業は自宅では行いにくく、業者に依頼する必要が出る点もデメリットと言えます。
なおこれらのデメリットへの対策としては、壁面やベランダなどのやや低い位置を設置場所に選ぶという方法もございますが、その場合、八木式アンテナでも受信感度がやや低くなってしまうという問題も出てまいります。
他にも自然環境への対策として、八木式アンテナでも近年のモデルでは、ステンレス製など素材や表面加工、設計を改良して、軽量化による耐風性、また耐水性や防サビ性を高めたモデルが登場しております。さらによりサビにくい素材や加工。素子を短くして雪が積もりにくくするなど、エリアごとの気候に適した雪害用モデル、塩害用モデルなども存在します。
現場の自然環境に合わせたこれらのモデルを使用することで、自然環境による経年劣化をある程度、抑えることが可能となります。
ちなみに当あさひアンテナでは、八木式アンテナ本体の、ご希望の位置への取り付け。そしてケーブルのみを使用した屋内の一ヵ所との配線にあたる「基本設置工事」では、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」本体と基本的な設置具や金具、同軸ケーブル、防水処理をセットにして「15,000円(税込み)」からの基本設置工事費でご案内しております。
他にも八木式アンテナでは、8素子から20素子まで各素子数のモデル。パラスタックアンテナやローチャンネル、ロー・ミドルチャンネル対応型。また自然環境に強いステンレスモデルや塩害用、雪害用モデルなどもご用意しておりますので、さまざまな受信環境、自然環境の現場にご対応できます。
八木式アンテナについての詳細をはじめ、素子数や動作利得、指向性など、地デジアンテナの性能についての基礎知識などは、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
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・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!
・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説
地デジアンテナ:デザインアンテナ
デザインアンテナとは、すでに少しご説明した通り、アナログ放送から地デジ放送への転換期である、2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、地デジアンテナの第2世代機種です。
「デザインアンテナ」の名称は、広義には後述するユニコーンアンテナや横型アンテナ、形状に工夫のある屋外屋内兼用アンテナなど、デザイン性の高いアンテナの総称として使われることもございますが、ここでいうデザインアンテナとは、主に住宅の壁面などに設置される「平面アンテナ」とも呼ばれるモデルになります。
デザインアンテナ(平面アンテナ)は、屋外屋内兼用のコンパクトモデルを除く一般的な屋外用のモデルでは、縦に60センチ前後、横は20センチから25センチ強。厚さは設置具を含めて十数センチ程度の、長方形のパネル状の形状になります。なお受信性能の高いモデルほど、サイズも大きくなります。
また同メーカーの同モデルであっても、カラーバリエーションが豊富で、住宅の外観に合わせた色を選ぶことができるのも特長です。
デザインアンテナの設置位置は、上記で説明した中でも、壁面やベランダの手すり部への設置が中心となります。ただ屋根の上のマストや、屋根の上の壁面部に設置されるケースもある他、強電界地域で住宅の建材が地デジ電波を通しやすく、屋内にも十分なレベルの地デジ電波が届き、設置スペースや出入口を確保できる住宅では、屋根裏空間、天井裏空間などにも設置できます。
平面アンテナとしてのデザインアンテナは、設置位置や形状から、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどとも呼ばれます。
デザインアンテナは、地デジ受信の専用モデルとして、従来の八木式アンテナのデメリットをカバーすることを眼目に置いたアンテナ機種と言えます。
したがってそのメリットは、その形状とカラーバリエーション、設置位置から、上記の壁面などに設置するメリットの中でも、特に住宅の外観や景観にマッチして乱しにくい。アンテナの機器部が長方形の薄型ケースにほぼ覆われていることもあり、風雨などの影響も受けにくく、耐用年数が伸びてトラブルも起こりにくいという点に該当します。
そのため、景観地域でも設置できて越境問題も生じにくく、屋根の上にソーラーパネルのある住宅でも発電に悪影響を与えないなどのメリットも出てまいります。またデザインアンテナの耐用年数は、一般的な外壁などへの設置で、おおよそ15年から20年程度になります。
ただ一方で、デザインアンテナでは、壁面設置に特有となるデメリットも生じてまいります。
デザインアンテナ本体は外部から素子が見えないため、受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で表記され、屋外屋内兼用コンパクトモデルを除く屋外用のモデルでは、20素子相当と26素子相当、そしてそれぞれのブースター内蔵型が主になります。
またデザインアンテナは八木式アンテナに比べ、素子が露出していない。指向性がやや広い。オールチャンネルアンテナしか存在しないなどの要因から、同素子数(相当)でも、アンテナ本体の受信性能はやや低くなります。
そのためデザインアンテナは基本的に、強電界地域から中電界地域向けの地デジアンテナ機種となり、弱電界地域では受信性能の不足から使用できないケースも出てまいります。
さらにデザインアンテナは、設置位置の低さから、設置現場の周辺に高層建築物が建っている、住宅密集地であるなどの周辺環境にも影響を受けやすく、強電界地域でもこのような現場環境であれば、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下し、壁面などへの設置ができないケースもございますので、注意が必要となります。
デザインアンテナを特に壁面などの位置に設置する場合には、電界地域に関係なく、まず現場の綿密な電波調査を行い、デザインアンテナの設置が可能かどうかを判断することが肝要です。
その他、壁面設置では壁にビス穴を開ける必要が出る。八木式アンテナに比べると本体価格や設置費用がやや高額になるなどの点もデメリットと言えます。
なおデザインアンテナの一般的な販売価格は、20素子モデルが7,000円から10,000円程度。26素子モデルが9,000円から15,000円程度です。各素子数のブースター内蔵モデルは、この価格からさらに数千円程度、加算されます。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事に、DXアンテナ製の20素子相当、高品質モデル「UAH201」。また3素子相当程度の強電界地域専用になりますが、マスプロ電工製の業界最小モデルであり、屋外屋内の双方に設置可能なコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の、各カラーバリエーションを御用意し、アンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどの費用も含めた基本設置工事費を「20,000円(税込み)」からでご案内しております。
またデザインアンテナの各モデルも、他に26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、現場の周辺環境、受信環境などから可能な限り、デザインアンテナの取り付けにご対応いたします。
またデザインアンテナの特徴や、屋根裏空間などへの設置、また実際の設置の失敗例と、失敗を避けるポイントなどについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
・フィルム型アンテナとは何か? 地デジテレビ用でおすすめ、最強の室内アンテナの選び方。ランキングで人気の高性能商品も紹介!
・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?
地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは比較的、近年の2017年(平成29年)に、DXアンテナ、日本アンテナと並んで日本三大アンテナメーカーに数えられる国内大手アンテナメーカー、マスプロ電工が発売した独自のアンテナモデル「U2CN」のことです。
このユニコーンアンテナは、地デジアンテナの第三世代モデルであり、現状で最新鋭の地デジアンテナ機種になります。その形状は、長さ約67センチ、直径約12センチから14センチ程度の、ほぼ円柱型になります。正確にはアンテナの裏面側が平面状で、左右にやや広く、受信方向である正面側(裏面の反対側)の下部に「UNICORN U2CN」と「MASPRO」のロゴが入っております。
カラーバリエーションは、落ち着いたマットな質感の「ウォームホワイト(WW)」と「ブロンズブラック(BB)」の二色になります。
ユニコーンアンテナの名称は、ギリシャ神話などに登場する、馬の頭に一本の角が生えた姿を持つ伝説上の一角獣「ユニコーン」の角に由来しており、マスプロ電工社の登録商標になっております。
ユニコーンアンテナの戸建て住宅への設置位置は、基本的に屋根の上にあたる高所が選ばれ、屋根馬を使って屋根の上に設置されるほか、サイドベースによって屋根の張り出し部(破風板)や住宅の壁面でも最上部などに設置されます。
アンテナ本体の下部のカバーが扉のように開いて、マスト先端への設置部、アンテナケーブルの接続部が露出する形になっており、どの設置方法でも、アンテナ本体はほぼ屋根の上に位置するように設置されます。
このユニコーンアンテナは、地デジアンテナの第三世代として、八木式アンテナとデザインアンテナ、双方のメリットを、高いレベルで融合することを目指した地デジアンテナ機種になります。
ユニコーンアンテナの設置位置そのものは屋根の上にあたる高所ながら、マストへの設置部をカバーで隠すことができ、住宅の装飾物のようにスタイリッシュなデザインになるため、住宅の外観や景観への悪影響はほとんどございません。したがって景観地域でも使用可能で、越境問題も生じにくい。ソーラーパネルにも影響しないなどのメリットも出てまいります。
同様に、アンテナ本体が円筒形のカバーに覆われた形状で、マストやケーブルの接続部をカバー内に隠せるほか、高所でもその形状から風雨などを受け流せるため、気候などの影響を受けにくく、経年劣化を抑えられて、耐用年数が伸びる点も大きなメリットとなります。
ユニコーンアンテナの耐用年数は、新しいモデルであるため正確なデータは不明ですが、おおよそデザインアンテナと同程度の、15年から20年程度と考えられております。
このようにデザインアンテナとほぼ同様のメリットを持ちながら、設置位置が高所に当たるため、受信性能も安定しやすいのも、ユニコーンアンテナのメリットです。
ユニコーンアンテナ本体の受信性能は、八木式アンテナの一般的モデルと同じ20素子相当です。そして設置位置が高くなるため、周辺の障害物などに影響を受けにくく、安定した受信感度を確保しやすくなります。
実際のユニコーンアンテナの受信性能は、同じ20素子相当のデザインアンテナを、周辺環境のいい壁面に設置した場合とほぼ同等です。ただデザインアンテナの場合、上記した通り、電波塔に近いエリアでも、高層建築の付近や住宅密集地など、周辺環境で電波が遮られやすい現場では、受信できる地デジ電波レベルが低くなり、壁面などへの設置ができない場合もございます。
しかしユニコーンアンテナであれば、同様の現場でも屋根の上に設置できるため、安定した受信を実現できるケースが多くなるのです。
つまりユニコーンアンテナは、屋根の上に設置されるモデルながら、その場合のデメリットを抑え、デザインアンテナとほぼ同じメリットをもちながら、デザインアンテナよりも多くの現場で使用できる地デジアンテナということになります。
ただユニコーンアンテナの受信性能も万全というわけではなく、同じ20素子の八木式アンテナに比べると、本体の受信性能はやや低くなる傾向がございます。これはデザインアンテナと同様、素子が露出していない。オールチャンネルアンテナしか存在しない。デザインアンテナより指向性がやや広いといった要因によるものです。
そのため、ユニコーンアンテナも基本的には強電界地域から中電界地域向けの地デジアンテナモデルになり、弱電界地域では使用できないケースもございます。
他にも、ユニコーンアンテナのデメリットには、最新モデルであることから、本体価格や設置費用が地デジアンテナの中では、もっとも高額になること。また純和風邸宅など、住宅のスタイルによっては、デザインがマッチしないケースもあることなどが挙げられます。
ユニコーンアンテナの一般的な販売価格は、家電量販店やネットショップなどの店舗により差がございますが、おおむね8,000円から15,000円程度が相場になります。
なお当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナの基本設置工事について、各カラーのアンテナ本体と設置具、ケーブルなどの基本部材をセットにした基本設置工事費を、業界最安に挑む「キャンペーン価格」でご提供しております。
その他、ユニコーンアンテナについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
地デジアンテナをDIYで壁面に設置する方法とは?
前述の通り、地デジアンテナをベランダの手すり部や、ベランダの内部空間などに設置する場合は、足場が確保されてアンテナ設置の作業が安全になるため、アンテナ工事の専門業者にご依頼にならず、ご自宅におけるDIYでのアンテナ設置を行うことも可能です。
基本的に地デジアンテナのDIY設置に関しては、デザインアンテナを使用し、ベランダの手すり部に固定具を取り付けて、アンテナ本体をはめ込む形が、もっとも簡単で一般的となります。
ただ八木式アンテナでは、アンテナ本体がやや大型になるため、取り回しは少し面倒になるものの、手すり部にサイドベース型の設置具を取り付けることで、ほぼ同様のDIY設置が可能です。
また強電界地域であれば、8素子程度の小型モデルで、吊り下げ設置に対応できる八木式アンテナを、ベランダの屋根部分などから吊り下げる形での設置も可能となります。
なおユニコーンアンテナは、屋根の上に当たる高所に設置することが前提の地デジアンテナ機種であるため、DIY設置にはあまり向きません。ただ屋上フロアのある住宅や、三階建てのベランダなど、高さおよび作業の安全が確保できる現場であれば、DIY設置が可能なケースもございます。
以下では、デザインアンテナをベランダの手すり部に設置する場合を中心に、各アンテナモデルをDIY設置する作業についてご説明してまいります。
DIYでの地デジアンテナ設置にあたっては、まずアンテナを設置するベランダなどの位置において、十分な地デジ電波の受信が可能であるかを確認する必要がございます。
いわゆる強電界地域で、ベランダから見て建築物などの障害物がなく、電波塔が視認できるような現場であれば、地デジアンテナの設置に大きな問題はございません。
ただベランダの方向が電波塔の位置から大きく外れており、地デジアンテナを電波塔の方向へ向けることができない。電波塔の方向を高層ビルや隣家の壁などの建築物がふさいでいる。中電界地域から弱電界地域で電波塔が視認できない位置などの場合は、そのベランダへの地デジアンテナ設置が難しい。また適した受信性能をもつ地デジアンテナ機種の確認が必要となるなどの場合がございますので、あらかじめ設置現場で受信できる地デジ電波レベルを確かめておく必要がございます。
実際の作業で必要となる機器、工具などは、まず現場に適した性能の地デジアンテナ本体。設置する手すり部に適合するアンテナの固定具。室内のテレビなど受信機器に接続するため必要な長さのアンテナケーブル(同軸ケーブル)や、ケーブルの先のプラグ類。
また作業に必要なドライバーやスパナなどの工具。室内へのケーブル引き込みに必要となる器具、例えばエアコンのダクト口などを使用する場合は、ダクト口に穴を開けてケーブルを通すための工具や、あらためて穴を埋めるコーキング剤など。窓のサッシを通す場合は、窓の隙間を通せるフラットケーブルや細型のケーブルなども必要となります。
具体的な設置の手順としては、まず前述した「地デジ放送エリアのめやす」サイトにて、現場付近の地デジ電波塔の位置を確認し、その方向に地デジアンテナを向けることができて、地デジアンテナを設置してもその後の生活に支障のない位置を、設置の場所に選びます。
決定した設置位置に、使用する地デジアンテナ機種に合わせた、デザインアンテナの取り付け具やサイドベースなどの固定具を設置します。ベランダへの設置具は手すりを挟み込むような形で、比較的、簡単に固定できるものが多くなりますが、手すりの形状によって適合する設置具も異なってくるため、その点はご注意ください。
ベランダの手すり部に、多少の力では揺るがないよう、設置具をしっかりと固定できたら、地デジアンテナ本体を設置具に仮固定します。
デザインアンテナの場合は、多くのモデルは専用の設置具に上からはめ込む形で固定できますが、中には背面をマストに固定するタイプのモデルなども存在します。八木式アンテナやユニコーンアンテナは、サイドベースに固定されたマストの先に、アンテナの設置部を取り付け、アンテナ本体の方位角(左右角)を調整できるよう、ややゆるめにボルトを締めます。
なおメーカーやモデルの違いによって、同じ地デジアンテナ機種でも、設置時に適合するマスト径(マストの太さ)が異なる場合もございますので、その点にもご注意ください。
なおこの時点では、仮固定の作業中に、地デジアンテナをベランダから落としてしまうような事故が起こらないよう、丈夫なロープなどをアンテナ本体に結び、もう一方を手すりなど十分な強度をもつ位置に結んでおき、アンテナの命綱にしておくとよろしいでしょう。
アンテナ本体の仮止めがすんだ後は、ベランダ内側の室内に設置されたテレビなど受信機器と、地デジアンテナ本体とのケーブル配線を行います。地デジアンテナのケーブル端子に接続したアンテナケーブルを、ダクト口の経由やフラットケーブルの使用など、現場に応じた引き込み方法で室内に引き込み、室内のテレビ機器などの地デジチューナーに接続します。
使用するケーブルは、4Cサイズなど適度な太さと品質を持つものを使用してください。またケーブルが必要以上に長すぎる場合も、ケーブル内で電波が減衰する原因となるため、地デジアンテナとテレビとの距離を計算して、多少の余裕が出る程度の、適切な長さのケーブルを選ぶ必要がございます。
地デジアンテナとテレビなど受信機器の接続が完了したら、テレビ側の設定画面などから、地デジの「アンテナレベル画面」などを表示してください。これらの操作法や画面の名称は、テレビのメーカーやモデルによっても異なりますので、付属のマニュアルやメーカーの公式サイトでご確認ください。
アンテナレベル画面では、数値やインジケーターなどで、地デジアンテナから届いている地デジ電波レベルと、必要な電波レベルの基準となるラインが表示されます。
このアンテナレベル画面を確認しながら、仮固定した地デジアンテナの正面側を地デジ電波塔の方向に向けて、その方位角を少しずつ左右に調整してゆき、テレビ側のアンテナレベルが最大になる角度を見出します。
デザインアンテナの角度調整は、設置具からデザインアンテナ本体を左右に開くような形で調整する、また設置具が可動式のものや、背後のマストを軸に調整するものもございます。また八木式アンテナ、ユニコーンアンテナは、マストの設置部を軸にして、左右へと角度調整します。
なお八木式アンテナの正面側は、矢印状の骨組みの反対側、魚の骨で言えば尻尾の側にあたります。デザインアンテナは平面側の表面。ユニコーンアンテナは前述の通り、平たい裏面の正反対、下部にロゴが入った側になります。
また前述のように地デジアンテナは、指向性が高い順から、八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナになります。そして指向性の高いアンテナは、正確に角度調整を行った場合に受信感度が高まりますが、一方で受信感度を発揮する範囲が狭くなるため、より正確な角度調整も必要となります。
さらに地デジアンテナの方位角を調整した後、その角度がテレビ側のアンテナレベルに反映されるまでに、数秒程度のタイムラグも発生しますので、その点もご注意ください。
このように角度調整を進めて、アンテナレベルで受信レベルが最大になる地デジアンテナ角度を特定できたら、その角度で固定部分のボルトをしっかり締め込むなどして、地デジアンテナ本体を完全に固定すれば、DIYによる地デジアンテナ設置は完了です。
DIYで地デジアンテナを設置する場合の最大のメリットは、必要なアンテナ設置費用が、アンテナ本体や設置具。その他の細かな機材の費用のみで、アンテナ工事の専門業者に依頼する場合に比べて、工事の費用を安く抑えられるという点です。
ただ一方で、地デジアンテナのDIY設置には、アンテナの性能や機種が現場の設置条件や受信できる電波レベルに適合しない。また施工作業の失敗で地デジ放送が受信できない、さらにはアンテナ本体や住宅、家財を破損してしまうなどのトラブルに対する保証がまったくなく、すべて自己責任になるといったデメリットがございます。
特に前述のように、ベランダなど地デジアンテナの設置を想定する位置で、確実に地デジ電波を受信できるかどうか判断できない場所では、プロの業者による事前の正確な電波調査を行わない限り、安定した地デジアンテナの受信が可能かどうかはわかりません。
そして一般の方にとって可能となるのは、前述した「地デジ放送エリアのめやす」による確認や、周辺の住宅で使用されている地デジアンテナ機種や方向の確認など、大まかな地デジ受信の目安を判断することのみで、お住まいの細かな位置において、正確な地デジ電波の受信レベルを判断することは難しくなります。
他にもDIYでの地デジアンテナ設置では、ブースターや分配器などを使って、住宅の多くの部屋まで必要なレベルの地デジ電波を配分するといった、複雑なアンテナ配線工事が難しくなり、アンテナ工事業者における基本設置工事と同様、一基の地デジアンテナと一台のテレビなど受信機器を接続するだけの工事が中心になることもデメリットと言えます。
総じて、地デジアンテナのDIY設置は、強電界地域でベランダから電波塔が見える環境への新規アンテナ設置や、既設の地デジアンテナを新しいものに交換する作業など、十分な地デジ受信レベルを確保できることが確実な位置で、アンテナケーブルを一台のテレビなど受信機器に接続するだけの、シンプルな工事の場合のみに可能と言えます。
なお当あさひアンテナでは、戸建て住宅において、お住まいの各部屋や位置での正確な電波調査。およびアンテナ工事のお見積もりを、現地への出張料、アンテナ工事をキャンセルされた際のキャンセル料など、作業に伴う各種料金をすべて含む「完全無料」のサービスでお引き受けしております。
そして現場での精密な電波調査に基づき、安定した地デジ電波が確保できる位置を確認した上で、お客様のご要望に応じた最適のアンテナ機種や設置位置などの工法を、業界最安に挑むお見積もり価格でご提案いたします。
弊社では各地デジアンテナ機種の項目でご紹介した通り、地デジアンテナ設置工事に使用する各種アンテナ本体、および各種の部材、さらにブースター、分配器などの周辺機器も、すべて国内一流メーカーの高品質機器をご用意し、設置工事費用を含めた低価格でご案内しております。
この低価格の秘密は、メーカーからのアンテナ本体や機材の直接大量仕入れを前提とする大幅値引きという、一般の方では難しい機材費用のコストカットにあります。その他、業務の工夫による広告費のカットや、現場の職人が効率的に行動することによる人件費の軽減により、高品質のアンテナ機材と施工技術をセットにして、格安の料金による各種アンテナ設置工事をご案内しております。
さらに弊社では、自社の施工技術に対する自信の証として、アンテナ工事の施工日から「10年」の長期保証をご用意しており、もし保証期間中にアンテナトラブルが発生した場合には、弊社フリーダイヤルにご一報いただければ、完全無料で早急な復旧工事にご対応いたします。
またBS/CSアンテナについても、上記した地デジアンテナの場合とほぼ同じ手順で、ベランダなどへのDIY設置が可能になります。
BS/CSアンテナの場合は、アンテナのディッシュを衛星放送用の静止衛星が位置する東経110度へと正確に向けることができ、その方向に電波を遮る障害物がない環境であれば、どのような位置にもアンテナ設置が可能になります。
ただその反面、BS/CSアンテナは、アンテナのコンバーターに給電する電源設定が必要になる他、地デジアンテナに比べるとより指向性が高く、仰角(上下各)、方位角(左右角)の双方とも、精密な角度調整の作業が必要となります。それらの点についてはご注意ください。
当あさひアンテナではBS/CSアンテナに関しましても、DXアンテナ製の2K4K8K対応45型最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナとのセット設置では、アンテナ本体や基本設置具などの費用を合わせた基本設置工事を「15,000円(税込み)」からでご提供しております。
さらに同じDXアンテナ社製の2K4K8K対応45型モデルであり、パンチングホール仕様のディッシュ部や各接合部の強化により、激しい台風などでも角度のズレや破損などのリスクを抑えられる業界最強クラスの高耐風モデル「BC453SG」もご用意し、基本設置工事を「特別価格」でご提供いたします。
他にもBS/CSアンテナでは、本体色がブラックのカラーバリエーション。またディッシュが50型、60型、75型、90型、120型のモデルの用意もございます。したがって、衛星放送の電波レベルがやや弱まるエリアや、集合住宅のオーナー様なども含め、さまざまな現場に対応するBS/CSアンテナ設置工事をご提供できます。
なお、アンテナ工事業者による電波調査、お見積もりの詳細。また地デジアンテナやBS/CSアンテナのDIY設置工事の詳しい手順、適したケーブルの種類、その他の関連する参考情報などについては、以下の各コラム記事でご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・地デジや衛星放送のアンテナレベルとは? テレビでの受信レベル確認や低下する原因、工事で改善する方法を解説!
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ取り付けを自分でDIY工事する方法とは? 設置の注意点、費用についても解説(基礎知識編)
・地デジや衛星放送(BS放送、CS放送)用テレビアンテナを自分で取り付ける方法とは? 設置工事を進めるポイントと注意点をすべて解説(実践編)
・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?
・テレビアンテナの配線を自分でDIY設置できる? 取り付け工事に必要な作業と費用を徹底解説!
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
・テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!
・アンテナとテレビを結ぶアンテナケーブル、その種類と性能を徹底解説!
・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!
戸建て住宅の壁面への地デジアンテナ設置・まとめ
地デジアンテナを住宅の壁面や、それに類するベランダなどの位置に設置する工法は、地デジアンテナ、特にデザインアンテナが普及しはじめた以降に広まった、比較的、新しいアンテナ設置の工法と申せます。
そしてそのメリットは、屋根の上への設置に比べると、住宅の見た目に悪影響を与えない。またアンテナの経年劣化やトラブルを避けやすいという点になります。
半面、壁面設置のデメリットとしては、地デジ電波の受信感度が下がりやすく、受信レベルが周辺の環境にも左右されやすいため、設置できる環境が限られる。また設置の前に、正確な地デジ電波調査によって、安定した地デジ受信が可能であるか確認する必要があるなどの点になります。
ただ現在では、屋根の上に設置しても、壁面設置とほぼ同等のメリットを備えるユニコーンアンテナや、可能な現場であればさらにメリットが高くなる屋根裏空間へのデザインアンテナ設置などの工法も登場しているため、もっともメリットが大きいと言える地デジアンテナ機種や設置工法は、現場の条件やお客様のご要望によってもさまざまに変わってくると申せます。
なお、戸建て住宅における地デジ、BS/CSアンテナの設置位置については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)
本文の各項目で申しあげたことのまとめになりますが、当あさひアンテナでは、地デジアンテナ、BS/CSアンテナの各モデル、またブースターや分配器などの周辺機器の設置、その他のオプション工事について、国産大手メーカーの高品質な各種モデルをご用意し、明確な各種工事の価格体系と、各種基本部材と設置工事をセットにした、低価格の設置工事費用でご案内しております。
また電波調査、お見積もりも、出張費やキャンセル費など各種費用を含む、完全無料で実施しており、綿密な電波調査に基づき、現場のお住まいにおいて、安定した地デジ受信が可能となることを大前提に、各種オプション工事も含めて、お客様のご要望に最適となる総合的なアンテナ設置工事を、業界最安に挑むお見積もり価格でご提案いたします。
お見積もりについては、他業者との相見積もりにもご対応しております。そしてもし他の業者様が、弊社と同品質のアンテナ工事を、弊社より低い金額でお見積りした場合には、そのお見積書をお見せいただければ、さらに低価格での再お見積もりをご提示いたします。
また弊社のお見積もりにご納得いただければ、本契約からの即日工事にもご対応が可能です。
実際のテレビアンテナ工事は、弊社スタッフのアンテナ職人が、豊富な専門知識と経験に基づく、高い施工技術を駆使して、安定したテレビ電波の受信感度や、頑丈なアンテナ設置はもちろん、アンテナ設置の見栄えから、普段は目につかない配線部まで「見えないところもきれいに」の弊社モットーに基づき、見た目の整った施工をお約束いたします。
そしてアンテナ工事の完了後には、業界最長クラスとなるアフターフォロー体制「10年保証」がございますので、各種テレビアンテナの設置後も、末永くご安心いただけます。
地デジ、衛星放送のテレビアンテナ工事について、特に設置位置やアンテナ機種、優先なさりたい条件などのご要望をお持ちのお客様は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル。または弊社公式サイトのメールフォーム、LINEまで、どうかお気軽にご相談をお寄せくださいませ。