デザインアンテナ取り付けにおすすめの現場とは? メリットとデメリット、失敗しない工事業者の選び方と費用、料金の相場も紹介
2024年(令和6年)現在、戸建のお住まいなどに設置される主なテレビアンテナの種類は、まず日本国内であればほぼ全国において、さまざまなチャンネルや番組を無料で視聴できる地上デジタル放送(地デジ放送)用の地デジアンテナ(UHFアンテナ)。
そして地デジ放送と同じくアンテナを設置するだけで視聴できる無料チャンネルと、契約により視聴できる有料チャンネルが存在するBS放送、CS放送の衛星放送を受信するためのパラボラアンテナである、BS/110度CSアンテナになります。
一般的に日本の新築戸建て住宅などでは、まず基本のアンテナとして地デジアンテナを設置し、次にそのお住まいで衛星放送をご覧になる場合は、BS/CSアンテナを追加で設置することになります。
また地デジ放送と衛星放送、特に2018年(平成30年)にスタートした「新4K8K衛星放送(衛星放送の4K、8Kチャンネル)」は、アンテナで受信された後、アンテナケーブルやブースター、分配器などの機器を経由して、テレビなど受信機器まで届く電波の周波数帯が異なります。
そのため、住宅に設置するテレビアンテナが、地デジアンテナのみか、BS/CSアンテナも合わせて設置するかで、配線部の同軸ケーブル(アンテナケーブル)や周辺機器も、送信される電波の周波数帯に応じた製品が必要となります。
さて、地上波テレビ放送が、かつてのアナログ放送から、21世紀初頭に地デジ放送へと転換されて以降、地デジアンテナの機種は、アナログ放送時代から地デジ放送初期まで、地上波テレビ放送を視聴するためのアンテナとしては、ほぼ唯一の機種であった古典的モデル、八木式アンテナの他にも、新たな形状と特徴を持つモデルが次々と登場しております。
中でも現在、従来の八木式アンテナに比べても引けを取らないシェアを誇り、地デジアンテナ機種の中では人気ナンバーワンのモデルとして注目されているのが「デザインアンテナ」と呼ばれるモデルです。
デザインアンテナは、その平面型の箱のような形状や、家の壁などに貼り付けるような形の設置方法など、それまでの地上波放送用の八木式アンテナ、衛星放送用のBS/CSアンテナを含めて、従来のテレビアンテナの常識を破ったともいえる斬新なモデルであり、設置の見た目が良く、雨風などにも強く寿命が長くなるなど、従来のアンテナにはないさまざまなメリットを実現したことで、主に電波レベルの安定した都市部でトップクラスの人気を集めているアンテナ機種です。
一方で、デザインアンテナには、従来の八木式アンテナに比べると、受信できる地デジ電波レベルや周辺環境により、設置できるエリアや現場が限られるという弱点もございます。
そのため、デザインアンテナの設置に当たっては、アンテナ工事のプロである専門のアンテナ工事業者に、まず電波調査や周辺環境の確認を依頼し、アンテナ工事にかかる費用の見積りや、お住まいの中で適切な設置場所を選ぶこと。また現場の条件によっては、デザインアンテナで受信した電波を増幅したブースターの設置なども検討することが重要となります。
デザインアンテナ工事を依頼する専門業者についても、アンテナ本体や周辺機器、部材の価格も含めた適切な工事の費用や、どのような施工に対応できるか、施工の品質などの技術力。工事後の保証内容などの項目を踏まえた、綿密な比較や検討も欠かせません。
そこで当コラムでは、新規にデザインアンテナの設置をお考えのお客様のために、その設置に適した現場やエリア、また逆に設置には向かないエリアや現場をご理解いただくため、その理由となるデザインアンテナの概要や機種、モデルの違い。従来のテレビアンテナと比較した性能的な特徴から、設置の設定、メリット、デメリットをご説明いたします。
その上で、さまざまな条件から、デザインアンテナをオススメできる現場。またあまりオススメできない現場の状況で、問題を解消してデザインアンテナを設置する方法、もしくはデザインアンテナと同等のメリットを得られる代替のアンテナモデル、設置方法など関連の情報もご紹介いたします。
さらには口コミの情報も参考に、デザインアンテナを検討する際のポイント、費用の相場や必要な金額、信頼できる業者の選び方から、工事についてご要望を伝える際の注意点や設置の流れ、無料、もしくは有料のオプションサービスなど、業者によるアフターサービスの内容まで徹底解説いたします。
今回のコラムでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県などの関東圏、また大阪府、京都府、兵庫県などの関西圏を中心に、対応できるデザインアンテナの設置ポイントや事例をお伝えします。
主に関東の首都圏、近畿地方の中心部などで、業者にデザインアンテナの設置をお願いしたいとお考えの方には、新築物件でのアンテナ新設、また既設のお住まいで古くなったアンテナの交換や修理を含めて、ご予算に合わせた設置費用の目安、格安かつ丁寧な工事で信頼のおける大手業者の事例なども掲載しておりますので、お役に立てる内容となっております。
当コラムの情報が、デザインアンテナの設置により、快適な地デジ放送のご視聴環境を整えるための一助、ご参考となれば幸いに存じます。
地デジ用「デザインアンテナ」の誕生とその概要や特徴とは?
アナログ放送時代のテレビアンテナ「八木式アンテナ」
日本各地の地上に設置された電波塔から、周辺の一帯にテレビ電波を送信している現在でも主要な日本のテレビ放送、いわゆる地上波テレビ放送は、かつては1953年(昭和28年)に本放送を開始し、昭和から平成中期、21世紀初頭まで放送されていた、アナログ放送でした。
しかし、2003年(平成15年)に同じ地上波放送である地上デジタル放送(地デジ放送)がスタートし、アナログ放送と並行する約七年半の移行期間を経て、2011年(平成23年)に、アナログ放送の完全停波(終了)によって、地デジ放送が唯一の地上波テレビ放送になったことで、ご家庭で使用されるテレビアンテナを含む、テレビ放送の視聴環境にも大きな変革が起こりました。
アナログ放送とは、テレビ放送の映像信号を、そのまま電気的信号の強弱へと変換し、それを電波の強弱として送信する形式のテレビ放送です。
そして日本のアナログテレビ放送では、日本全国で放送されるNHK、広域民放のチャンネルには、VHF(超短波)のうち、90MHzから108MHzのローバンド帯、および170MHzから222MHzのハイバンド帯の周波数帯が使用されておりました。このアナログ放送時代のVHFの波長の幅は、約1.4メートルから3.3メートル程度でした。
そしてアナログ放送でも、東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビ(チバテレ)、埼玉県のテレビ埼玉など、日本国内の主要な都府県で個別に存在し、その都府県内を放送エリアとする独立放送局の地方チャンネルでは、UHF(極超短波)のうち470MHzから770MHzまでの周波数帯を使っていました。
そのため、アナログ放送時代に使われていたテレビアンテナは、現在でも古典的なアンテナとして知られ、地デジアンテナとしても身近に見られる、八木式アンテナ(八木・宇田アンテナ)になります。
八木式アンテナは、金属製の支柱に短い横棒がいくつも並ぶように付いた、魚の骨のようなアンテナで、短い横棒が「素子(エレメント)」と呼ばれる、電波を受信するパーツです。
この八木式アンテナは、古典的でシンプルな設計から指向性が高く、基本的な受信性能が高い。設置された素子数によって受信性能が変動し、各素子数モデルによってさまざまな電波レベルのエリアに対応できる。
さらに基本的な設置位置が、住宅の屋根の上に立てたマスト(支柱、ポール)の先など、高い位置であるため、電波塔の先から送信される電波の受信環境が良くなるなどの要因から、現在でもテレビアンテナとしては、受信性能がもっとも高いアンテナ機種として利用されています。
ちなみに八木式アンテナの大きさは、横長の支柱である導波器(ディレクター)に設置される素子のうち、支柱の片方から延びる素子の長さが、受信する電波の波長の約4分の1。また素子と素子の間隔も波長の4分の1になるという性質がございます。
そのためアナログ放送時代は、テレビアンテナ(八木式アンテナ)としてVHF(NHK、広域民放)用のやや大型のVHFアンテナの他、地方チャンネルが受信できる地域では、やや小型になるUHF(地方チャンネル)用のUHFアンテナも、同じマストに設置されることがありました。他にも、双方のアンテナを一体化した、VHF・UHFアンテナ等も存在しました。
一方で八木式アンテナには、機器がむき出して大型の形状や設置方法から、住宅に設置されると屋根の上で目立ち、デザイン性の高い住宅の外観性や、周辺の景観を乱すことがある。
また風雨や雪、海沿いの潮風など、環境の影響を受けた経年劣化も進みやすく、耐用年数が平均で10年程度と短くなるといったデメリットもございます。
そして老朽化した八木式アンテナでは、角度の狂いや部分的な破損をはじめ、マストごと傾く、台風や地震などの影響により突然、屋根の上で倒れる。ひいては倒れたアンテナが屋根から落ちて大変な事故を巻き起こすなどのトラブルも考えられます。
他にも八木式アンテナは、アンテナの一部が隣家の敷地内にはみだす越境問題が起こることもある他、特に現在では、景観地域などでは景観条例により設置を制限されることもある。屋根の上に太陽光パネルがある住宅では、アンテナの影により発電に悪影響を与えやすくなる、などのデメリットも挙げられます。
ただ、アナログ放送時代の地上波テレビ用アンテナは、八木式アンテナほぼ一種類のみで他に選択肢がなかったこと。また昭和から平成前期の当時は、住宅の外観性や生活の設備、環境も、現代とは大きく異なっていたことなどから、受信性能に特化した八木式アンテナが使われ続けて、そのデメリットが特に問題となることは、ほとんどありませんでした。
なお、アナログ放送から地デジ放送に至る、地上波テレビ放送の歴史。また八木式アンテナの概要やモデルなどの基礎知識については、下記の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
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地デジ放送の実現と共に誕生した「デザインアンテナ」の特徴
アナログ放送の時代は、90年代に衛星放送がスタートして、パラボラアンテナも普及したことを除けば、テレビアンテナと言えば屋根の上に設置される八木式アンテナであることが常識でした。
しかし二十一世紀に入って、地上デジタル放送がスタートしたことで、それまでのテレビ放送の常識は大きく転換されました。
地デジ放送(デジタル放送)とは、従来のアナログ放送に対し、映像信号をまず「0」「1」のデジタル信号に変換した後、この信号を電波の波長に変換して送信する方式のテレビ放送です。
デジタル放送はアナログ放送に比べて、映像信号の大幅な圧縮が可能になります。そのため地デジ放送では、アナログ放送時代に比べて使用する電波の周波数帯を大きくカットしながら、約4.5倍の大容量の情報を送信することを実現しました。
これにより地デジ放送では、アナログ放送時代に比べて、ハイビジョン(2K)の高画質化、高音質化が実現したことに加え、マルチ編成、データ放送、双方向サービス、ワンセグ放送など、さまざまな新機能が実現しました。
またデジタル放送では、アナログ放送時代では映像信号(映像や音声)が乱れる要因となった、テレビ電波のノイズ(雑音、余計な電波)が混入しても、ある程度であれば、受信した機器の側でデジタル信号を修復できるため、一定以上の受信感度であれば、常にクリアな画質や音質で視聴できます。
現在の地デジ放送の電波は、アナログ放送時代の地方チャンネルとほぼ重なる、UHFでも470MHzから710MHzまでの周波数帯が使われており、その波長の幅は、約40センチから60センチ程度になります。
そのため、現在の地デジアンテナ機種は、すべて地デジ電波の周波数帯に対応する「UHFアンテナ」になっています。
また上記したアナログ放送時代の八木式アンテナでも、地方チャンネル用のUHFアンテナを設置していた住宅では、このUHFアンテナを地デジアンテナに転用しているケースもございます。
そして使用される電波の変化により、当初より地デジアンテナとして設計されたUHFアンテナも、従来の八木式アンテナでは小型軽量化が実現されたほか、これまでのテレビアンテナの常識を破り、新しい形状や特徴、メリットを持つ、さまざまな機種が登場する流れになりました。
その新たな地デジアンテナの草分けであり、現在では八木式アンテナと共に、地デジアンテナの代表的な機種となっているのが、ここでご紹介する「デザインアンテナ」です。
デザインアンテナとは、平面状のアンテナの機器部を、電波の受信にはほとんど影響がなく、耐水性、防食性などが強い素材で、機器部を保護する薄い長方形のボックス状のケースに収めたUHFアンテナになります。
デザインアンテナの内部構造は、スロットアンテナと呼ばれる、金属板や金属箔、金属製の網を用いたアンテナになります。この金属板は、高さは波長の2分の1、幅は4分の3程度の金属板の中央に、幅は波長の2分の1、高さは波長の0.01倍程度のスロット(切り込み)を入れた構造で、スロットの縦長の中央部の二点かその付近に、金属板で受け止めた電波が集まる構造になっています。
このスロットアンテナをケースに収めたものがデザインアンテナで、そのサイズはメーカーや受信性能別などのモデルによって異なりますが、縦の高さは60センチ前後、横幅は20センチから25センチ強。厚さは設置用の金具も含めて十数センチ程度の、縦長の長方形になります。
その構造からメーカーによってはデザインアンテナの他、平面アンテナ、薄型アンテナ、壁面アンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどの機種名が使われることもございます。ケース部分の色合いも、さまざまな住宅に対応できるよう、メーカーやモデル別に、おおむね四色前後のカラーバリエーションが存在する点も特長です。
スロットアンテナは主にVHFより周波数帯の高い電波の受信に使用されますが、アナログ放送時代のVHFに合わせたスロットアンテナを制作すると、現在のデザインアンテナより縦、横とも倍以上のサイズになるため、一般住宅では実用性に欠けることになります。そのため、やはりデザインアンテナは地上波テレビ放送の地デジ化により実現したモデルと言えます。
地デジ放送がスタートした後、各住宅のテレビアンテナでも、アナログ放送時代のUHFアンテナを地デジアンテナに転用できる世帯を除けば、従来のアナログ放送用VHFアンテナを、地デジアンテナへと交換する必要が出ました。
その需要に対して、アンテナメーカーなどでの市場は、従来の八木式アンテナだけでなく、その弱点をカバーできる新たな地デジアンテナとしてデザインアンテナを開発し、2009年(平成21年)頃より、全国で急速に普及が進んだのです。
デザインアンテナの種類と設置方法、メリットとは?
地デジ放送のスタートによって実現したデザインアンテナは、当初はやや受信性能が弱いというイメージもありましたが、現在では受信性能も向上し、より広いエリアや現場での使用が可能になっております。
2024年現在の、主なデザインアンテナの機種は、まず受信性能で「20素子相当」と「26素子相当」のモデルが挙げられます。この素子相当とは、地デジアンテナの受信性能を示す主な基準です。
前述した八木式アンテナは、電波を受信する素子というパーツを並べた「素子アンテナ」の構造であり、本体に設置された素子の数が「素子数」として、そのまま受信性能の目安になります。
ちなみに八木式アンテナの主な素子数には、現場の電波レベルに合わせた8素子、14素子、20素子の主なモデルの他、一ヵ所に複数の素子を並べる「高性能素子」を使用することで、実質的に数十から百以上の素子数に該当する高性能モデル(パラスタックアンテナ)も存在し、高い受信性能と、地デジ電波が微弱なエリアでの受信も実現しています。
対して、外部から素子数を判断できないデザインアンテナなどの機種では、受信性能を素子アンテナの素子数に換算した「素子数相当」で表記されます。
20素子相当デザインアンテナは、一般的なモデルであり、大きさはメーカー、モデルによって多少の差はございますが、おおむね高さ60センチ弱、横幅は20センチ強になります。
対して26素子相当モデルは、おおむね高さ60センチ強、横幅25センチ前後とやや大型の分、受信性能が高く、20素子相当ではやや受信性能が不足する現場で使用されます。
他にも受信性能は3素子相当程度のため、電波塔に近く地デジ電波レベルが非常に強い「強電界地域」専用のモデルになりますが、大きさは設置方法にもよりますが、設置具など含めて高さ38センチ前後、横幅およそ15センチで、据え置きスタンドにより窓際に置く形での使用もできるコンパクトモデルも存在します。
他にも、デザインアンテナには、地デジ電波の受信レベルを補完するために、本体内にブースター(増幅器)を内蔵するモデルも存在しますが、このようなモデルは、ブースターが故障した場合に交換が難しくなるため、最近では少なくなっております。
デザインアンテナには、ブースターを内蔵しないモデルにも、アンテナの裏側にブースターを設置するくぼみがあるモデルも存在するため、ブースターを使用する場合には、このようなモデルをご使用になることをおすすめいたします。
デザインアンテナの主な設置位置は、住宅の壁面、またはベランダの手すり部などです。
デザインアンテナの受信面である正面側の一面を、近隣の電波塔の方向(現場に地デジ電波が届く方向)に調整できる方向の壁やベランダに、デザインアンテナの設置具を固定します。
さらに固定具にデザインアンテナ本体をはめ込むような形で取り付け、背面のマストなど角度の調整部で、正面の角度を電波塔の方向に向けて、地デジ電波の受信レベルがもっとも高まる角度へと調整し、適切な角度で、アンテナ本体をしっかりと固定すれば完了です。
他にも、現場の条件などによっては、デザインアンテナを屋根の上に立てたマストの先に固定するケースもございます。
またどの現場でも必ず可能とは申せませんが、現場の地デジ受信レベルや、住宅の建材が地デジ電波を通しやすいなどの条件によっては、デザインアンテナを屋根裏、天井裏の空間に設置できるケースもございます。この方法について、詳しくは後述いたします。
デザインアンテナは前述の通り、従来の八木式アンテナとはまったく異なる形状と設置方法により、八木式アンテナのデメリットを解消することを眼目に開発されたアンテナです。
したがってデザインアンテナ第一のメリットは、ご自宅の色合いに合わせたカラーバリエーションモデルを壁面などに設置することで、家の見た目にもとても自然に溶け込んで目立たず、独特の形状で屋根の上に立てられる八木式アンテナに比べて、現在のデザイン性を重視したご新居の美観や、周辺の景観を損なわない点になります。
それに伴って、景観地域におけるアンテナ設置の制約についても問題のないケースが多い。越境問題もまず起こりえない。また屋根の上の太陽光パネルにも悪影響を与えないなど、21世紀、令和現在の住宅で八木式アンテナを使用した場合に想定される、さまざまなトラブルも解消できます。
そしてデザインアンテナの、第二の大きなメリットは、機器部をケースに収めた平面状のアンテナを、壁などに面で取り付け、配線ケーブルの端子やブースターなどの機器も、アンテナ本体の裏側に隠すように配置することが可能なため、屋外のアンテナ機器、設置部、配線部など全体が、風雨や雪、気候の寒冷や湿度、金属部を腐食する海沿いの潮風など、アンテナ機器にダメージを与える自然環境、周辺環境や災害などにも影響を受けにくくなる点です。
そのため屋外に設置されたデザインアンテナは経年劣化が進みにくく、一般的な耐用年数は15年から20年以上と寿命が長くなります。そして経年劣化が進みにくいことで、部分的な故障や、アンテナ角度の狂いなどのトラブルも起こりにくくなり、長期にわたって地デジの受信感度に、安心感を持って確保しやすくなります。
デザインアンテナの概要や、各機種、モデルごとの違い。また地デジアンテナの受信性能を示す素子数については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
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従来の地デジアンテナに比べたデザインアンテナのデメリットとは?
このように、従来のアンテナにはなかった優れた特徴やメリットから、施工例も多数になっているデザインアンテナですが、一方で現在でも旧式の八木式アンテナが、現役の地デジアンテナ機種として販売され、多くの現場で利用され続けています。
これはデザインアンテナにも、八木式アンテナに及ばない弱点と言える部分も存在するためです。
デザインアンテナの最大のデメリットを端的に申し上げれば「受信性能では八木式アンテナに及ばない」という点になります。
前述の通り、八木式アンテナの受信性能別のモデルが、8素子、14素子、20素子および高性能モデル(パラスタックアンテナ)であるのに対し、デザインアンテナは20素子相当、26素子相当になります。
基本的に八木式アンテナの場合、20素子モデルであれば、アンテナの角度調整や配線部の機器(ブースター、アッテネーターなど)で受信レベルを調整することにより、いわゆる強・中・弱の各電界地域に、幅広く対応できます。
デザインアンテナの20素子相当モデルも、基本的な受信性能は、八木式アンテナの20素子と大きな差はございません。ただ実際には各素子数(相当)の範囲でも、ある程度の受信レベルの範囲があり、八木式アンテナのような素子アンテナが、素子数の範囲で高い受信レベルを発揮しやすいのに対し、デザインアンテナのような素子がないアンテナは、逆に素子数(相当)の範囲で、受信レベルがやや低くなりやすい性質があるのです。
また地デジアンテナ各機種には「指向性」という性質があります。
指向性とは、アンテナの真正面に当たる方向で受信性能がもっとも向上し、角度が左右にずれるほど、徐々に受信性能が低くなる性質です。
実際の地デジアンテナが受信性能を発揮するのは、アンテナの正面側を中心にした一定角度の範囲で、この範囲は、アンテナの受信性能がもっとも高まる真正面から、アンテナ角度を左右にずらして、受信性能が正面のおよそ半分になる角度を示す「半値幅」という角度で表されます。
この指向性は、同じ地デジアンテナ機種でも、素子数(相当)が高いアンテナほど高くなる(半値幅が狭くなる)という性質がございます。
また指向性は地デジアンテナの機種、形状にも大きく左右され、同じ素子数(相当)のアンテナでも、指向性が低い(半値幅が狭い)モデルほど、狭い範囲に受信性能が集中し、またアンテナの半値幅の範囲を、電波塔の方向へと正確に向けて設置することでノイズも受信しにくくなり、より受信性能も高くなるのです。
そして同じ20素子(相当)のモデルで比較した場合、八木式アンテナの真正面は、矢印型とは反対の先端に当たり、狭い範囲であるため、半値幅はおよそ28度から52度程度になります。
一方、平面パネル状のデザインアンテナは、表側のほぼ一面が真正面に当たるため、その半値幅はおよそ75度から86度程度と、やや指向性は低くなります。
この指向性の低さは、一方で広い範囲から届く地デジ電波を受信しやすく、角度のズレにも強いというメリットにもつながりますが、受信感度についてはやや不利に働きます。
また八木式アンテナについては、素子の長さや配置の幅で受信できる周波数帯を調整できることから「ローチャンネル用」というモデルも存在します。
ローチャンネルとは、地デジ放送に使われるUHFの470MHzから710MHzの周波数帯(この周波数帯を6MHzごとに分けて各放送局に分配する物理チャンネルでは13chから52ch)のうち、実際には大半の電波塔で使用されている600MHz前後までの周波数帯、物理チャンネルでいえば34chから36ch程度までのチャンネルを指します。
このローチャンネル帯の受信感度が高まるよう調整した八木式アンテナをローチャンネル用といい、実際にはローチャンネル帯の周波数帯のみが使われる日本国内の多くのエリアで採用され、より高い受信性能を発揮しています。
一方、デザインアンテナは設計上、このような特定のチャンネル帯で受信感度が向上するアンテナは存在しないため、八木式アンテナに比べると、相対的に受信性能が低いことになってしまいます。
そしてデザインアンテナと八木式アンテナの受信性能に差が出る、もっとも大きな要因は、その設置位置にあります。
地デジ放送は、上記の通り日本各地に設置された地デジ電波塔の先端から、周辺一帯に音のような性質で広がるUHFの電波を送信しています。
電波塔から送信されたUHFの電波は、電波塔からより遠くに届くほど、徐々に電波レベル(電波強度)が低下する他、山地などの障害物に遮られると、その向こう側には届きにくくなります。
電波塔から送信された地デジ電波レベルは「㏈(デシベル)」の単位で表記されますが、一般的には、周辺から地デジ電波塔が見渡せる範囲で、電波を遮る山地などもなく、おおむね80㏈以上の高レベルで地デジ電波が到達するエリアを「強電界地域」と呼び、地デジアンテナで適した受信性能は、8素子から14素子(相当)になります。
そして強電界地域の周辺で山地など障害物がない一帯に当たり、おおよそ80㏈から60㏈と、十分なレベルの地デジ電波が届くエリアを「中電界地域」といい、地デジアンテナで適した受信性能は、14素子から20素子(相当)になります。
この電界地域の基準は、統一された定義ではないため、使用される場所によって定義がやや異なる場合もございますが、おおむねこの60㏈以上のレベルが確保できるエリアであれば、対応できるアンテナ機種や設置方法にやや違いは出るものの、おおむね一般的な地デジアンテナ設置で対応できます。
そして中電界地域より電波塔からさらに遠い一帯や、山地などの付近で地デジ電波が遮られやすいなどにより、到達する地デジ電波レベルが60㏈以下とやや弱いエリアは「弱電界地域」にあたります。
この弱電界地域でも地デジ放送の受信は不可能ではございませんが、強・中電界地域に比べると、設置するアンテナ機種や設置できる位置、工事の内容などに制約が大きくなります。
また弱電界地域でも到達する電波レベルが55㏈から40㏈以下になるエリアは「微弱電界地域」とされることもあり、基本的に地デジ電波を送信している電波塔の受信範囲外とされ、安定した地デジ受信のためには高性能型の地デジアンテナが必要となります。
なお、地デジ電波レベルを示す㏈の数値は常用対数で表され、元の㏈数から10㏈上がることに、その電波レベルは元の数値の約10倍になります。例えば40㏈を基準にすると、50㏈であれば40㏈の10倍のレベル。60㏈になれば100倍、70㏈では1,000倍のレベルになります。
また地デジ電波のUHFには、高層ビルなどの障害物にぶつかっても、乗り越えた向こう側で音のように広がる「回折」という性質もあります。ただこの性質も完全ではなく、ビルの裏側でも直近の一帯、特に中心部では、電界地域に関係なく、広がった地デジ電波も届きにくくなり、受信レベルが大きく低下します。
同じ原理から、住宅密集地などで、屋根の上の開けた空間では十分なレベルの地デジ電波が届く一帯でも、家と家の間の狭い隙間には、地デジ電波が届きにくくなることもございます。
他にも、地デジ電波は伝わる空間の気候、天候にも左右され、一年の気候の変化によって、同じ場所でもおよそ6㏈程度の変動が生じる。また雨や雪などの悪天候では電波が吸収され、電波レベルの大幅な低下が生じることもございます。
このような地デジ電波の性質から、主に屋根の上に設置される八木式アンテナであれば、基本的に障害物を避けやすく受信環境のいい屋根の上などの高い位置に設置されることをはじめ、各素子数モデルやローチャンネル用アンテナの存在で、全体的に高い受信感度を確保しやすくなります。
対してデザインアンテナは、八木式アンテナに比べると、上記の要因から本体の受信感度がやや弱くなることに加え、設置位置も住宅の壁面などで、屋根の上に比べると周辺の建物や障害物などの影響を受けやすくなるため、全体的な受信性能はやや低くなりがちになります。
そのためデザインアンテナは、基本的には60㏈以上の地デジ電波レベルを確保できる、強・中電界地域向けのモデルとなり、弱電界地域では使用できないケースもございます。電波レベルの弱い、また受信環境の悪いエリアでは、26素子相当モデルを使うことでややカバーできることもありますが、完全とは申せません。
またデザインアンテナは、アンテナの正面を、地デジ電波が届く方向(主に近隣の電波塔の方向)に向けることができる位置の壁などにしか設置できませんが、エリア的には強・中電界地域であっても、上記のように高層マンションなどに地デジ電波が遮られる。あるいは住宅密集地で隣家との間が狭い壁面に地デジ電波が届きにくい現場などでは、壁面での地デジ電波レベルが確保できず、デザインアンテナを使用できないケースも出てまいります。
このような現場では、主に屋根の上のマストなど、高い位置にデザインアンテナを設置することで対応できることもございますが、この場合、設置の見た目や対候性など、デザインアンテナのメリットがやや減少することも考えられますので、ご注意くださいませ。
他にも、デザインアンテナ設置の注意点として、住宅の外壁に設置する場合には、壁面に設置具を取り付けるためのビス穴を開ける必要がございますので、特に新築物件などで、お住まいの外装に手を入れたくない場合にはご注意くださいませ。
なおベランダの手すり部への設置では、手すりを前後から挟み込んで固定する形の固定具を使用するため、お住まいを加工する必要はございませんが、お住まいの手すりの形状に対応する設置具を選択する必要がございますので、この点にもご注意が必要です。
また設置費用に関しても、設計がシンプルな昔からのモデルである八木式アンテナは、現在では本体価格、設置具なども廉価でリーズナブルになっているのに比べて、新しいモデルに当たるデザインアンテナは、本体価格を含めた設置費用の総額が、やや割高になってまいります。
ちなみに当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事(アンテナ本体の取り付けと同軸ケーブルのみの配線を行う最小限の工事)について、日本三大アンテナメーカーの一社、DXアンテナ製で、軽量で耐水性、防風、防錆性能も高い高品質20素子モデル「UA20」と、屋根馬やマスト、支線(ステー)などの設置具や同軸ケーブルの価格、防水処理もセットにして、22,000円(税込み24,200円)からの料金でご案内しております。
そしてデザインアンテナでは、DXアンテナ製の20素子相当高品質モデル「UAH201」。または強電界地域専用のコンパクトモデルとして、同じく日本三大アンテナメーカーの一社、マスプロ電工製の業界最小モデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」を各カラーバリエーションを含めて用意しており、やはりデザインアンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどの料金を含めた基本設置工事の費用を、25,000円(税込み27,500円)からでご案内しております。
さらに、日本三大アンテナメーカーに匹敵する奥さん大手メーカー「サン電子」による、2024年現在のデザインアンテナ最新モデルで、独自の「背面スッキリカバー」を採用することにより、従来のデザインアンテナでは、わずかに見えることもあったアンテナ背後の配線部をスッキリと隠して、ブースターや混合器なども背面に設置することで、より美しく、幅広い角度に設置できる。さらに壁面への施工を最小限にすることで、お住まいへの負荷も最小限にとどめることができる、より高品質な20素子相当モデル「WG20」も新しく導入いたしました。
「WG20」の外観は、マット加工でよりお住まいに調和しやすいホワイト、ベージュ、グレージュ、ブラウン、ブラックの5色のカラーバリエーションとなり、本モデルや必要な部材をセットにした基本設置工事は、28,000円(税込み30,800円)からでご案内しております。
上記モデルの他にも、八木式アンテナでは、各素子数モデルや高性能パラスタックアンテナ。また対候性の高い雪害用、塩害用などのモデル。デザインアンテナでは26素子相当や、電波塔から送信される波長の角度が異なるエリアにも対応できる垂直偏波専用モデルなどもご用意しておりますので、お住まいでのアンテナ設置場所も含めて、現場の条件で可能な限り、お客様のご要望にご対応できるアンテナ工事をご提案いたします。
デザインアンテナのデメリットや設置の失敗例。それを避ける対策や対処法。また最適の設置法を判断するために必要な電界地域、アンテナの指向性などについての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説
・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説
・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説
・デザインアンテナでテレビが映らない、受信レベル強度が低い原因と工事の対処法は? 費用相場の安いおすすめ業者の選び方も紹介
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
デザインアンテナの設置をオススメできるエリアや現場とは?
ここまででご説明した通り、デザインアンテナは、十分な地デジ受信レベルを確保できる現場でさえあれば、八木式アンテナに比べても非常にメリットが豊富で、設置費用についても極端な差はなく、戸建住宅への設置におすすめできる地デジアンテナになります。
この項では、地デジアンテナ機種の選択にデザインアンテナをおすすめできるエリアや現場について、具体例を挙げて詳しく解説してまいります。
1:電波塔に近い強・中電界地域に当たる都市部の住宅地。
例えば東京都を中心とした関東の首都圏であれば、東京都墨田区押上に位置する東京スカイツリーからのNHK、広域民放の電波は、東京都では23区をはじめ、西側では八王子市やあきる野市、日の出町など、西端の山地を除く都内大半のエリア。
千葉県では千葉市、船橋市、成田市、市川市、木更津市など主要都市を含めた、北東の端を除く北側の大半のエリア。神奈川県では横浜市や川崎市、相模原市、鎌倉市や厚木市、藤沢市、また横須賀市など三浦半島一帯を含む東部の大半のエリア。埼玉県ではさいたま市や草加市、春日部市、川越市、東松山市、深谷市など、東部の平野部にあたる大半のエリアで、中電界地域までの電波レベルで受信できます。
さらにスカイツリーから送信される東京都の地方局、東京MX。千葉県船橋市に位置し、千葉県の地方局、千葉テレビ(チバテレ、CTC)を送信する千葉局。埼玉県さいたま市桜区に位置し、埼玉県の地方局、テレビ埼玉(テレ玉、TVS)を送信する浦和局。神奈川県横浜市鶴見区に位置し、神奈川県の地方局、テレビ神奈川(TVK)を送信する横浜局の電波も、各都県内でほぼ同等のエリアに、強から中電界地域のレベルで届いております。
上記の各電波塔は、各都県の中心となり、複数の都県や各都県内の広範なエリアに電波を送信する送信所(親局、基幹局)と呼ばれる電波塔です。
しかし各都県には他にも、送信所からの電波が届きにくくなるエリアの要所に、中継局(サテライト局)という電波塔が設置されています。
この中継局は、送信所や他の中継局からの電波を受信し、電波塔内で増幅して、あらためて周辺の広いエリアに送信し直すことで、例えば関東山地に当たる東京都や埼玉県西部の山間部の市町村。同じく山間部を含む神奈川県の西部。やはり房総山地を含む千葉県の房総半島南部などの主な市町村に、スカイツリーや各地方局の地デジ電波を、リレー形式で届けております。
このような仕組みにより、日本国内では各都道府県の主要都市や地方都市、住宅地など人口の多いエリアは、ほとんどが強、中電界地域に含まれるよう、地デジ電波塔が整備されているのです。
このような日本国内でも主な都市部、住宅地のエリアであれば、高層ビルの付近や隣家が密接しているなど、周辺環境に特に問題がない限り、デザインアンテナの設置に問題は生じません。
特に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県などの主な都市部は、住宅の機能性、デザイン性も高くなっており、設置の見た目がよく、対候性も高く、寿命が長くなるデザインアンテナは、街並みの雰囲気にも溶け込み、コストパフォーマン的にもお得なモデルといえます。
2:台風や積雪、潮風などでテレビアンテナへの環境が厳しい地域。
上記の首都圏では「海なし県」として知られる埼玉県を除けば、東京都では23区の多く、また神奈川県の南側や、千葉県では房総半島の周辺を含めた多くのエリアが、臨海部に当たります。
このような海沿いのエリアでは、潮風の影響を受け続けて金属製品がさびやすくなるほか、ときに台風の影響を受けることもございます。
また埼玉県や、東京都、神奈川県の内陸部で山に近い地域。また千葉県でも北西部や房総半島の内陸部では、冬場には雪が降ることもあり、ときには積雪となることもございます。
他にも首都圏で埼玉県や東京都、千葉県の北部など、北関東に近いエリアではときに降雹も見られ、大粒の雹により家屋や自動車などが大きな被害を受けたケースもございます。
このような自然環境は、お住まいのテレビアンテナ、特に屋根の上のマストに設置された八木式アンテナやBS/CSアンテナの経年劣化を進行させる要因となり、特に激しい台風や大雪、大粒の降雹などは、アンテナの故障、マストを含めた倒壊などを招く直接的な要因となることもございます。
しかし、上記のように壁面に取り付けた設置具に固定されるデザインアンテナであれば、このような自然環境にも強く、経年劣化を大きく抑えることができます。そのため耐用年数が長くなり、トラブルも生じにくくなる上、設置方法からアンテナが倒壊する心配もなくなります。
首都圏に限らず、テレビアンテナに負担が大きい環境のエリアでは、受信環境にさえ問題がなければ、デザインアンテナがおすすめといえます。
3:景観地域、太陽光パネルのあるお住まい、隣家の敷地が近い住宅など。
すでに上記でもご説明いたしましたが、八木式アンテナの弱点は、設置した場合の見た目や、自然環境に弱い点のほか、景観地域では景観条例により設置できないことがある。屋根の上に太陽光パネルがある住宅ではパネルに影を落とすこともある。越境問題が発生することもある、などのデメリットが挙げられます。
しかし住宅の壁面などに設置される平面型のデザインアンテナであれば、これらの問題も解消されます。
デザインアンテナは、現代の多様化した住宅事情にも、柔軟に対応しやすいテレビアンテナであると言えます。
4:やや方向の離れた複数の電波塔から地デジ電波を受信する現場。
上記のように首都圏では、東京スカイツリーからのNHK、広域民放の電波が、東京都内だけでなく、千葉県、埼玉県、神奈川県の広範なエリアに届いています。
それだけでなく、千葉県の千葉局、埼玉県の浦和局、神奈川県の横浜局から送信される、各県内の地方チャンネルも、それぞれの県内の広範囲で受信できます。
また、例えば東京スカイツリーの東京MXであれば、都内だけでなく、埼玉県のさいたま市や越谷市、川口市、草加市、所沢市など。千葉県では、松戸市や市川市、船橋市、千葉市の一部など。神奈川県では川崎市から横浜市や相模原市の一部など、それぞれの地方チャンネルの放送エリア外でも、隣接する都県の境界に近いエリアでは、電波が受信できるケースもございます。
したがって首都圏の各都県で受信できる地デジ放送のチャンネルは、NHK、広域民放、各都県の地方チャンネルに加え、エリアによっては隣接する都県の地方チャンネルも受信できる場合もございます。
ただ、ここで問題となるのは、各地デジ放送のチャンネルを送信する電波塔の位置の違いです。
特に千葉県、埼玉県、神奈川県の多くのエリアでは、東京スカイツリーと各県の地方チャンネルを送信する基幹局の、二か所の電波塔からの電波を受信することになります。
また東京都でも足立区や葛飾区の一部など北東部。埼玉県でも春日部市、越谷市、草加市から東寄りの東部。千葉県でも野田市、流山市、松戸市や柏市の一部など、北西部では、東京スカイツリーのNHK、広域民放に加え、東京MX。浦和局のテレビ埼玉。千葉局の千葉テレビと、最大で三エリアの地方チャンネルを受信できますが、この場合、三カ所の位置が異なる電波塔からの電波を受信することになります。
そして上記の通り、地デジアンテナにはアンテナの正面側でのみ受信性能が向上する「指向性」があるため、半値幅の範疇に、各電波塔からの電波を収める必要がございます。
したがって場合によっては、一基の地デジアンテナですべての地デジ電波を受信することが難しい場合もございます。ただデザインアンテナであれば上記の通り、20素子相当モデルで半値幅が75度から86度程度と、比較的、指向性が低いため、複数の方向からの地デジ電波も受信しやすくなります。
複数の地デジ電波塔の方向が、一基の地デジアンテナの半値幅の範囲に収まらない場合の対処については、後の項目で詳しくご説明いたします。
5:デザインアンテナを屋根裏、天井裏空間に設置できる条件が整ったお住まい。
前述のように、一定の条件が整ったお住まいであれば、住宅でも屋根裏空間や、一階と二階(上階と下階)の間の天井裏空間に、デザインアンテナを設置することもできます。
これは一部の素材を除き、一般的な戸建て住宅の建材や屋根材、断熱材であれば、地デジ電波が透過して屋内まで届く性質があるためです。
この設置方法のメリットは、地デジアンテナの設置や配線が屋内に収まるため、住宅の外観にまったく影響を与えず、外装を加工する必要もない点。さらに風雨や積雪、潮風など自然環境の影響をほぼ完全にカットできて経年劣化が進みにくくなるため、アンテナ本体がメンテナンスフリーで、耐用年数が大幅に伸びてトラブルも発生しにくくなる点です。
また強電界地域でも周辺の建築物などの影響から、壁面へのデザインアンテナ設置が難しい現場でも、屋根裏空間であれば高さが確保できる分だけ受信感度が高くなり、デザインアンテナ設置が可能となるケースもございます。
この屋内設置が可能になる現場や住宅の条件としては、まず強電界地域で周辺に障害物などがなく、お住まいに届く地デジ電波レベルが強い者であることが挙げられます。これは、地デジ電波は住宅の屋根や壁を透過する際に、一定の減衰(電波レベルの弱まり)が生じるためです。
次に住宅の建材や設備に、地デジ電波を遮る素材や要素が存在しないことです。具体的には、地デジ電波を遮る鉄骨やアルミ箔などの金属素材。電波を吸収しやすいウレタンやコンクリートなどの素材が使用されていない点です。
また屋根の上に設置された太陽光パネル。冬場の屋根の上への積雪なども、地デジ電波を遮る要因となりますので注意が必要です。
そして屋根裏、天井裏などの空間で、十分な地デジ電波レベルが確保できる場合にも、空間でアンテナ工事を行う職人や機材が出入りできる、空間に通じる一定以上の大きさの点検口があること。また空間そのものに、アンテナ設置の作業を行うことができる、最低限でも1立方メートル程度の空間が存在するという条件が必要です。
なお、屋根裏、天井裏空間に設置する地デジアンテナは、基本的にコンパクトで屋内空間にも設置しやすいデザインアンテナが選ばれます。
八木式アンテナの屋内空間への設置も不可能ではございませんが、本体のサイズの大きさから設置の条件が厳しくなる上、専用の設置具を使用することで、費用的にもデザインアンテナの設置と大きな差はなくなり、特に八木式アンテナを使用するメリットは薄くなります。
そのため、屋根裏空間に八木式アンテナを設置するケースは、設置できる条件が整っている現場で、デザインアンテナでは受信感度が不足するなど、条件が揃った場合のみで、実際の施工例は少なくなります。
また後述するデザインアンテナの進化系、ユニコーンアンテナについては、屋根の上の高所に設置することで受信感度を確保するモデルであることや、受信面の狭さなどから、屋内空間への設置には適さず、基本的に使用されることはございません。
そしてアンテナ工事業者にデザインアンテナの屋根裏、天井裏への設置工事を依頼する場合には、基本設置工事費用の他に、特殊工事費用が加算されるケースもございます。
ただ当あさひアンテナでは、デザインアンテナの屋根裏設置も、外壁などへの設置と同じく、追加工費はご不要の、上記した基本設置工事での取り付けをお引き受けしております。
デザインアンテナ等の屋内設置に関しては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
デザインアンテナの設置で注意が必要な現場の実例とは?
これもすでにご説明した通り、デザインアンテナには豊富なメリットの半面、本体の性能や設置位置などから、主に受信感度がやや弱いというデメリットもございます。
ここでは上の項目とは反対に、デザインアンテナの設置でいくつか問題が考えられる現場の実例と、その場合の対策、対処法についてご説明してまいります。
1:弱電界地域、あるいは一部のチャンネルのみ電波レベルが低い現場。
上記の通り、デザインアンテナは、八木式アンテナに比べると本体の指向性や受信感度の低さ。さらに設置位置の低さから、周辺で電波を遮る障害物や環境などに影響を受けやすい点から、特に受信できる電波レベルが60㏈以下になる弱電界地域では、設置しても十分な地デジ受信レベルが確保できず、設置が難しくなるケースが多くなります。
と申しますのも、住宅内に設置されたテレビなど地デジ放送の受信機器で、安定して地デジ放送を視聴できる電波レベルは、地デジチューナーに届く時点で34dBから89dBの範囲が必要です。これ以下の場合はもちろん、強すぎる場合も、地デジ画面が乱れる、映らないなどの問題が生じます。
また地デジアンテナで受信された地デジ電波は、テレビなど受信機器に至る前に、アンテナ配線部の同軸ケーブル(アンテナケーブル)や各種機器を伝送される際にも徐々に減衰が生じ、特にアンテナ本体から遠く、配線部が長くなる部屋では減衰量が大きくなります。
さらに、住宅内でテレビなどを設置する複数の部屋に、アンテナケーブル(テレビ電波)を分配するために、配線部に「分配器」という機器が設置されます。この分配器を通過して、地デジ電波が各部屋に向けた複数のケーブルに分配される際には、その電波レベル(㏈)も、例えば4分配であれば4分の1ずつのレベルに、等分に分配されます。
したがって、実際に地デジアンテナを設置する場合には、家の中の各部屋に届く地デジ電波レベルは、おおむね47㏈から81㏈程度、最低でも40㏈以上になるよう調整する必要がございます。
また空間を伝わってくる地デジ電波のレベルは、気候や天候などにも影響を受けるため、例えば弱電界地域の上限、60㏈程度の電波が受信できる現場でも、季節によっては55㏈以下に下がることや、雨や雪の日には受信レベルが大きく低下することもございます。
そのため弱電界地域や、強・中電界地域でも周辺環境などにより、低い位置での地デジ電波レベルが弱まる現場で、やや受信性能の弱いデザインアンテナを設置した場合、配線部の分配数やケーブルの長さ、また気候、天候の変化によっては、各部屋のテレビなど機器に届いた時点で、必要な地デジ電波レベルを下回ってしまい、地デジ画面が乱れることも考えられるのです。
地デジ電波レベルが弱まる現場でデザインアンテナを設置する場合の対処法としては、屋外用ブースターや、補助として室内用ブースター、ラインブースターなどの追加を含めて、アンテナが受信したテレビ電波を増幅するブースターの設置。
また26素子相当など高性能モデルの使用。屋根の上のマストや、屋根に近い破風板や壁面の最上部。差し掛け屋根や越屋根などの壁面部、屋根裏空間など、受信感度のよくなる設置位置を選ぶなどの対処法が考えられますが、どれも完全な対策になるとは限りません。
そのため弱電界地域では、デザインアンテナの設置そのものを見送る必要が出るケースもございます。
他にも上記のように、首都圏で東京スカイツリーからのNHK、広域民放と、千葉県、埼玉県、神奈川県の地方チャンネルの基幹局など、二か所以上の電波塔からの地デジ電波を受信する現場では、各電波塔からの電波レベルに強弱の差が生じることもございます。
もっとも、首都圏の各都県で受信できるスカイツリーからのNHK、広域民放および、各都県内の地方チャンネルについては、各県内で必要なエリアに中継局が設置されていることもあり、それぞれの都県内ごとに大半のエリアで、十分な地デジ電波レベルが受信できます。
ただ、例えば東京スカイツリーからの東京MXを、千葉県や埼玉県、神奈川県でも東京都に近接するエリアで受信するなど、隣接する他都県の地方チャンネルを、受信エリア外で受信する場合には、他のチャンネルの電波に比べて現場に到達する電波レベルが低くなるため、他のチャンネルの受信には問題のない場合でも、特にデザインアンテナでは電波レベルの弱いチャンネルのみ、十分に受信できないケースも考えられます。
このように他のチャンネルに比べて電波レベルの低いチャンネルや、電波塔の方向が極端に異なる電波を一基の地デジアンテナで受信する場合の対処については、次の項で詳しく解説いたします。
当あさひアンテナでは、各種アンテナの基本設置工事に加えて、さまざまな現場で必要となるブースター、分配器などの周辺機器の設置にも、もちろんご対応いたしております。
ブースター設置に関しては、メインの屋外用ブースターも、国産大手メーカー製の高品質機材をセットにして、地デジアンテナのみ対応の「UHF帯ブースター」設置は、20,000円(税込み22,000円)。地デジアンテナ、BS/CSアンテナに対応し、双方の電波を一本のケーブルにまとめる混合器の役割も果たす「UHF/BSCS混合ブースター」については、25,000円(税込み27,500円)でご案内しております。
また他にも現場の条件に対応できるよう、室内用ブースター、ラインブースターなども各種、取り揃えております。
分配器は、新築物件にはすでにお住まいでテレビをご覧になる部屋数に応じたモデルが設置されているケースが大半になります。ただ、設置されていないケースや、機器の交換などの分配器設置工事については、弊社ではやはり各種の電波に対応する、国産大手メーカー製の高品質機器をご用意しており、価格は分配数などでも変動しますが、5,000円(税込み5,500円)からでご対応いたします。
一般のお住まいでのアンテナ配線の構造や、ブースター、分配器に関する詳細は、以下の各コラム記事でも解説しております。
・戸建ての家へのテレビアンテナ設置と配線、周辺機器の取り付け工事を行う費用の相場とは? 料金の安い業者の選び方も解説
・戸建て住宅で地デジテレビアンテナを取り付ける工事に必要な配線とは? 設置にかかる費用の相場、料金や業者選びの方法も解説!
・新築戸建て住宅にテレビアンテナを設置する時に必要な機器と工事とは? その種類と費用の相場をすべて解説します
・テレビアンテナに「ブースター」は必須の機器なのか? その種類と性能、必要なケースを解説【地デジ設置・あさひアンテナ】
・テレビの映りが悪い時に使うアンテナブースターとは? 屋外用・屋内用ブースターの違いと症状別の選び方を徹底解説!
・1基のアンテナから家にあるすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方、分波器などとの違いを徹底解説!
・テレビアンテナへの分配器の設置で、現場の電波レベルや条件に適した選び方と注意点を徹底解説。分波器や分岐器との違いとは?
2:複数の電波塔から地デジ電波を受信しており、現場から見て各電波塔の方向が極端に異なる場合。
これは特にデザインアンテナに限られる事例ではございませんが、上記のように首都圏の各都県で、東京スカイツリーと、千葉、埼玉、神奈川の各県の地方チャンネルを送信する基幹局など、一ヵ所のお住まいで方向の異なる複数の電波塔からの電波を受信する場合、現場から見た電波塔の位置がほぼ正反対など、各電波塔の方向が地デジアンテナの半値幅に収まらない場合には、すべての電波を一基のアンテナで受信することは難しくなります。
また隣接する都府県にある電波塔から送信される、他都府県の地方チャンネルを受信する場合には、電波塔の方向が異なる上に、距離の遠さから電波レベルも弱くなるため、より受信が難しくなることもございます。
このようなケースで、現場に届くすべての地デジ電波のチャンネルを受信するためには、さまざまな対処法がございます。まず挙げられるのが「反射波」「回折波」などを受信する方法です。
地デジ電波は、各電波塔の先端から直接、空間を伝わって現場まで届く電波の他に、電波が高層ビルなどに反射した反射波。マンションなど高層ビルを乗り越えて広がった回折波など、電波塔から方向が変わる電波も存在します。
実際の地デジ受信現場では、電波塔の方向からの地デジ電波だけでなく、これらさまざまな方向からの電波も届くことがあり、場合によっては反射波、回折波で、十分な受信レベルを確保できることもございます。
そのため、現場から見て複数の電波塔の方向が大きく離れており、地デジアンテナの半値幅に収まらない場合も、これら適切な反射波、回折波を探り当てることで、一基の地デジアンテナによってすべての電波(チャンネル)が受信できるケースもございます。
ただこれら反射波、回折波の方向や強度は、周辺の環境に左右されるため、必ずしもすべての現場で適切な反射波、回折波が受信できるとは限りません。
現場の条件や、受信レベルの弱い他都府県の地方チャンネルを受信したい場合など、すべてのチャンネルの地デジ電波を、どうしても一基の地デジアンテナの半値幅に収めることが難しい場合には、メインであるNHK、広域民放用の地デジアンテナとは別に、地方チャンネル用の地デジアンテナを別途に設置することが、一番の確実な方法になります。
当あさひアンテナでは、地方チャンネル用の地デジアンテナ追加設置に関しても、現場の電波条件に応じた最適のモデルと、的確な角度調整でご案内いたします。
設置費用は、使用するアンテナ機種によっても変動いたしますが、国産高品質アンテナ本体や部材などの費用も含めて、22,000円(税込み24,200円)からでご案内いたしております。
地デジアンテナの角度調整や地方チャンネル用のアンテナ追加設置、地方チャンネルについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・地デジ放送のテレビアンテナを地図で正しい電波の向きに調整する方法とは? 自分でアンテナの方向を調整できる設置の位置も解説
・住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!
・神奈川県のローカル局「テレビ神奈川(tvk)」とはどんなテレビ局か?
・埼玉県のローカル局「テレビ埼玉(TVS)」とはどんなテレビ局か?
・千葉県のローカル局「千葉テレビ(ちばテレ、CTC)」とはどんなテレビ局か?
・東京MX、テレビ埼玉など地方チャンネルが映らない原因は?ローカル局を受信するアンテナ工事の方法や費用、業者の選び方を解説
デザインアンテナでは対応が難しい現場に適した最新モデル「ユニコーンアンテナ」とは?
ここまででご説明した通り、デザインアンテナはメリットが豊富な半面、現場の受信環境によっては、設置が難しくなるケースもございます。
26素子相当のモデルや設置位置の工夫など、どのような対処を行っても、デザインアンテナの設置が難しい場合には、他の地デジアンテナ機種を選択することになります。
その場合、受信性能に特化した旧来の八木式アンテナを採用する他にも、現在ではデザインアンテナのメリットは備えたまま、受信性能に関する弱点を抑え、より幅広い現場での設置を実現した地デジアンテナモデルも登場しております。
そのモデルが、ここでご紹介する地デジアンテナの最新鋭モデル「ユニコーンアンテナ」です。
ユニコーンアンテナとは、前述したマスプロ電工社の製品で、デザインアンテナの新たなバリエーションともいえる、地デジアンテナ第三世代モデル「U2CN」の商品名になります。
このユニコーンアンテナは、長方形の薄型になるデザインアンテナとは異なり、全体をほぼ円筒形のカバーに覆われた、高さは67センチ程度、直径12センチから14センチ程度の地デジアンテナです。
受信性能は20素子相当モデルのみで、本体のカラーバリエーションには、ウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色がございます。
戸建て住宅への取付方法は八木式アンテナと同様、屋根の上に立てたマストの先か、住宅の壁面でも屋根に近い位置。もしくは屋根の破風板(屋根の張り出し部)などにサイドベースという固定具を設置し、そこに立てたマストの先になります。
ユニコーンアンテナの場合、どのような設置方法でも、基本的にマストの先でアンテナ本体が、住宅の屋根の上に突き出すような形で、受信感度のいい場所を確保するようにして設置されます。それ以外の低い位置などに設置されることはございません。
ユニコーンアンテナは、発売元のマスプロ電工社では、ユニコーンアンテナのカテゴリとして扱っています。実際には新しい形状により、ユニコーンアンテナのメリットを確保しつつ、そのデメリットを抑えたアンテナとなっております。
ユニコーンアンテナの具体的なメリットは。マストの先に立てるモダンでスタイリッシュな外観から、目立つ屋根の上に設置しても、住宅の装飾のように見えて外観や景観をほとんど乱さない点。
そして雨風や雪なども受け流しやすい形状。さらにマストの固定部分やケーブルの接続部なども、本体下部のカバー内に隠せる構造で、見た目も整う上、ケーブル端子部なども含め、経年劣化が進みにくくなり、屋外設置の場合の耐用年数も平面型のデザインアンテナとほぼ同等になるという点です。
さらにユニコーンアンテナは、アンテナ本体が高い位置に設置されることで、障害物などに影響されにくい、良好な受信環境を確保できます。それによりデザインアンテナのメリットは保持しながら、その弱点である受信感度の弱さと、設置できる現場の制約を軽減できる点が、ユニコーンアンテナの最大の特徴となります。
そのためユニコーンアンテナは、壁面など低い位置への地デジ電波が遮られることで、デザインアンテナの設置が難しくなる高層建築の近隣や住宅密集地などでも、設置位置の高さから地デジ電波が遮られることがなくなり、問題なく設置できるケースが多くなります。
ユニコーンアンテナを屋根の上に設置した場合の受信性能は、同じくマスプロ電工製の20素子相当デザインアンテナを、受信環境のいい壁面に設置した場合とほぼ同等になります。
またユニコーンアンテナの指向性が、半値幅が83度から93度とデザインアンテナより低くなるため、首都圏のスカイツリーと周辺各県の送信所など、二か所以上の電波塔から地デジ電波を受信する現場であっても、すべてのチャンネルの電波を問題なく受信できる可能性が高くなります。
このようにデザインアンテナのメリットを保持したまま、より対応できる現場が多くなったモデルがユニコーンアンテナです。しかしユニコーンアンテナもやはり素子が見えないアンテナであり、その指向性の低さもあって、同じ20素子(相当)のモデルで受信性能を比較した場合は、八木式アンテナに比べるとやや受信感度が低くなります。
そのためユニコーンアンテナもデザインアンテナと同様、基本的には強・中電界地域向けモデルになり、弱電界地域では十分な受信レベルが確保できない。特に首都圏では、NHK、広域民放や各都県内の地方チャンネルは問題なく受信できても、隣接する都県の地方チャンネルは、電波が届くエリアであっても十分に受信できないというケースも考えられます。
その他にも、ユニコーンアンテナは最新機種であるため、他の地デジアンテナ機種に比べると、設置費用の総額が、アンテナ本体や設置具などの費用を含めて平均35,000円程度と、やや割高になる。
また純和風建築などお住まいの様式によっては、モダンな外観のアンテナとマッチせず、やや外観性を乱してしまうこともあるデメリットも挙げられます。
当あさひアンテナでは、現在、ユニコーンアンテナ本体と設置具、ケーブルなどをセットにした基本設置工事を「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEアカウントまでどうかお気軽にお問い合わせください。
ユニコーンアンテナの概要や詳細は、以下の各コラム記事でも一覧で詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
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・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
デザインアンテナ施工の注意点と工事を依頼すべき業者とは?
ここまででもご説明した通り、特に本体の受信性能、周辺環境などの影響から、地デジ電波の受信感度が低下しやすい傾向のある壁面など、住宅の低い位置で、デザインアンテナを用いて安定した受信を実現するためには、気候や天候などによる地デジ電波レベルの変動も踏まえて、工事を行う前段階で、デザインアンテナでも十分な余裕のある地デジ電波レベルを確保できる取り付け位置を確認することが重要となります。
他にも、安定した受信性能やアンテナの長持ちを実現する全体的なアンテナ工事の品質としては、配線部の取り付けや防水加工などの丁寧さ。また特にお住まいの壁面を加工するデザインアンテナ設置では、お住まいに不必要な破損などを与えない丁寧な施工技術も必要です。
結論としては、お住まいに最適で品質の高い地デジアンテナ工事を行うためには、現場における綿密な電波調査を含め、全体的に高い施工技術を誇る、優良なアンテナ工事の専門業者にご依頼になることがオススメとなります。
デザインアンテナをはじめとする地デジアンテナの設置を依頼できる業者には、他にも、各種アンテナ機種を購入できる家電量販店やホームセンターなどの店。新築物件であれば住宅を建てたハウスメーカーなどの業者が挙げられます。
しかしこのような業者への依頼では、実際工事は、近隣の電器店など、個人の住宅での電気工事を全般的に請け負う、下請け業者が担当することになります。
このような下請け業者は、アンテナ工事に特化したプロではないため、担当する業者によってアンテナ工事の施工技術に差が出やすく、電波調査についても、デザインアンテナや八木式アンテナなど、設置するアンテナに合わせた設置位置で、施工の当日に十分な電波レベルが確保できているかを確認するだけの、簡易的なチェックで終わることが多くなります。
そのため特にデザインアンテナの場合は、壁面の一ヵ所で十分な電波レベルが確保できなければ、設置が不可能と判断される。また設置後も気候の変化や天候などによる電波レベルの低下で、地デジ放送の画面が乱れるなどの問題が生じることもございます。
またこのような業者では、下請け業者を使用する分、仲介手数料などの中間マージンが発生して工事費用が割高になる。電波調査や見積もりなどの作業にも、下請け業者の利益を確保するため、出張費や、工事をキャンセルした場合のキャンセル費などが発生することが多くなります。
当あさひアンテナでは、地デジアンテナ設置に当たって、事前の電波調査、お見積もりを、出張費、キャンセル費などの各種費用をすべて含めた「完全無料」で実施しております。
現地での電波調査も、まず現場で最適なアンテナ工事をご提案することを目的に、お住まいのさまざまな位置、お部屋などで、綿密な調査を行い、気候や天候による電波状態の変動も計算して、電波レベル、品質ともに高い電波を安定して受信できる位置をピンポイントのレベルで、すべて割り出していきます。
そしてその結果に基づき、お客様のご要望に最適となるアンテナ工事を、業界最安を目指し続けるお見積もり金額でご提案いたします。
弊社では上記の通り、国産大手メーカーの高品質アンテナ本体を含むアンテナ設置工事を、低価格でご案内しております。地デジアンテナの設置に加えて、BS/CSアンテナや地方局用アンテナの追加設置や、必要な周辺機器の設置にも、もちろんご対応いたします。
デザインアンテナをご希望になるお住まいの事例では、お住まいの壁面で全体的に地デジ受信レベルが悪く、デザインアンテナ設置が難しいと思われた現場でも、電波レベルが安定する特定のポイントを割り出し、デザインアンテナ取り付けを実現できたケースもございます。
弊社では、テレビアンテナ工事のお見積もりについて、他業者との相見積りにもご対応しております。また弊社のお見積もりにご納得いただければ、その場での本契約から、お忙しいお客様のスケジュールに応じて迅速な即日工事、夜間工事にもご対応いたしております。
実際の施工では、アンテナ工事のプロならではの技術として、まずお住まいに余計な傷や汚れをつけないよう、施工部分を中心とした養生を行い、電波の受信感度や、見栄えが良く頑丈なアンテナの設置はもちろんのこと、屋根裏空間など見えない部分も含めて、配線や細かな作業なども丁寧で、お住まいへの加工を最小限にとどめる、可能な限りシンプルな施工を、責任をもって実施いたします。
例えばデザインアンテナの壁面への設置に関しては、弊社では極細ビスを使用し、壁面へのビス穴は最小限にとどめ、すべてのビス穴に変性シリコンを丁寧に注入することで、ビス穴からの湿気や雨水などの浸み込みやひび割れを防止する、丁寧な加工を実施しております。
施工にかかる時間は、デザインアンテナなどアンテナ一基のみのシンプルな設置工事であれば、1時間程度のスピード施工。複数基のアンテナや配線部の機材などを設置する複雑な工事も、平均おおよそ2時間程度で完了いたします。
工事の完了後は、施工部の清掃と、お住まいのすべてのテレビやアンテナコンセントで、十分なレベルの電波が届いているかを確認した上で、工事の終了といたします。
料金のお支払いについても、現金だけでなくクレジットカードなどの各種カード、paypayなど電子マネーにもご対応しておりますので、お客様には余計なお手間をおかけしません。
工事後のアフターフォローについても、弊社では施工技術への自信から、業界最長クラスの保証期間、工事完了日から「10年保証」をご用意しており、万が一の不具合やトラブルにも、保証範囲内の問題であれば、完全無料でご対応いたしますので、末永いご安心をお約束します。
高品質のアンテナ本体と施工技術がセットになったデザインアンテナ工事をお求めのお客様。またその他の各種アンテナ工事のご相談は、まずは当あさひアンテナまで、どうかお気軽にお問い合わせくださいませ。
なお主に新築のお住まいでのアンテナ工事や、アンテナ工事を依頼できる会社、事業者の比較については、以下の各コラム記事でも一覧でご紹介しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
・新築戸建てテレビアンテナ設置工事を頼むべきおすすめ業者はどこか? 依頼できる業者の種類と違いを徹底解説。費用の相場も紹介
・新築でテレビアンテナ工事を依頼すべき業者はどこ? サービスから費用の相場、工事を無料で頼める業者まで、選び方を徹底解説!
・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説
・新築物件、中古物件、修理など各種テレビアンテナ工事を頼むおすすめ業者はどこ? 依頼できる業者選びの比較ポイント徹底解説!
・テレビアンテナ工事の専門業者は他の業者とどう違う? 技術から費用の相場まで比較しておすすめ業者の選び方を徹底解説!
デザインアンテナ取り付けで注意すべきポイント・まとめ
地デジアンテナとしてのデザインアンテナは、さまざまな機種が出そろった令和の現在でも、アンテナ取り付けの美観、風雨など自然環境への強さ、寿命の長さでは最高クラスといえる機種で、設置費用も手ごろなことから、今やもっとも人気が高いおすすめのアンテナ機種となっております。
ただその反面、受信感度の確保に緻密な判断が必要となる他、場合によってはお住まいの壁面を加工することにもなるため、お住まいでの設置に当たっては、事前の電波調査を含めて、施工技術の高いプロのアンテナ工事業者にご依頼になることが適切と申せます。
当あさひアンテナでは、国内の大手アンテナメーカーからアンテナ機材などを直接、大量に仕入れるスケールメリットによる大幅値引きや、弊社スタッフである経験、実績とも豊富で優秀なアンテナ職人の担当者による、中間マージンをカットした完全自社施工など、さまざまな企業努力により、本文で御説明した通りの高品質な機材と技術、アフターフォロー含む各種サービスも豊富なアンテナ工事を、業界最安に挑む価格でご案内しております。
デザインアンテナの取り付けをはじめ、各種アンテナ工事のご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話、またはメールフォーム、LINEアカウントまで、どうかお気軽にお問い合わせくださいませ。