住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!

2023年08月16日

2023年(令和5年)の今でも、戸建て住宅のマイホームにお住まいのご世帯では、ご自宅に地デジ放送(地上デジタル放送)用の地デジアンテナ、そして必要に応じて、衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)用のBS/CSアンテナを設置して、テレビ放送やさまざまな番組をご覧になっていることが多いのではないでしょうか?

現在では地デジやBS放送、CS放送の各チャンネルをご覧になる方法にも、テレビアンテナの設置だけではなく、例えばケーブルテレビ(CATV)、また光回線を利用した光テレビ(ひかりTV)などにご加入される方法もございます。
ただプランによってさまざまな月額料金が必要となるこれらの方法に比べると、テレビアンテナの設置は、NHK受信料や有料チャンネルの月額視聴料を除き、地デジやBS放送の無料チャンネルであれば、いったんテレビアンテナを設置すれば、多くの場合、アンテナが正常に機能し続ける10年以上の期間にわたって、安定して永続的に視聴できるという大きなメリットがございます。
したがって特に長年にわたってお住まいになるマイホームでは、長期的に見れば、テレビアンテナ設置の方がリーズナブルであることが多くなります。

もちろん一方で、テレビアンテナの取り付けには特有のデメリットも存在します。
テレビアンテナは基本的に屋外に設置されるものであるため、特に地デジ放送に関しては、地デジ電波を送る電波塔からの距離や周辺環境などによっては、受信できる地デジ電波レベル(電波強度)が弱い、それによりテレビを見るために必要なレベルの受信が困難な場合もある。
さらに風雨や積雪など自然環境の厳しいエリアでは、アンテナのトラブルや老朽化が起こりやすく、アンテナの寿命が短くなる。また想定外のトラブルでテレビ放送が受信できなくなり、修理などの対応が必要になるといった可能性も出てまいります。

現在では、テレビアンテナ設置にあたって、テレビ電波の弱いエリアでも十分な受信レベルを確保できる。また自然環境の厳しいエリアでもトラブルが起こりにくい、さまざまな地デジ、BS/CSアンテナのタイプ、モデルや、アンテナ設置の工法が登場しております。
ただ現場の条件によっては、テレビアンテナ設置ではトラブルが予想される。また現場の条件からお好みのアンテナ機種や工法を選ぶことが難しくなる。さらにはケーブルテレビなどのサービスでも、業者が提供する複数のサービスをセットで利用することにより、総額の料金が割安になるケースもあることなどから、ご自宅でのテレビのご視聴方法に、ケーブルテレビや光テレビをお選びになるお客様もおられます。

中でも地デジ、BS/CSアンテナとも、どのような現場の環境でも発生しうるトラブルとして、住宅に設置されたアンテナの角度、向きのズレがございます。
地デジ、衛星放送のテレビアンテナは基本的に、現場に届く電波の方向。具体的には地デジ電波の電波塔や、衛星放送の人工衛星の方向へと、アンテナの正面側を正確に向けて設置する必要がございます。そしてこの角度が大きくずれてしまうと、地デジや衛星放送の電波を十分に受信できなくなり、テレビ画面の映りが悪くなる、まったく映らないといったトラブルにいたることもございます。

優秀なプロのアンテナ工事業者が設置したアンテナであれば、多少の強風や雨、雪などでアンテナの向きが狂うことは、まずございません。
ただアンテナが専門ではないため、アンテナ工事の技術力や知識にやや難のある業者が設置を担当した場合や、DIYで設置されたアンテナでは、施工の甘さからアンテナの位置、方向のズレが生じやすくなります。
さらにどのようなアンテナでも、設置から長い年月が過ぎると、長年の風雨などで老朽化が進んで耐久力が低下し、大きな台風などの際には、やはり角度のズレが生じやすくなります。

当コラムでは、すでにアンテナ設置を行った住宅で、これからのトラブルのご不安を解消し、安定してテレビ放送が映る快適な視聴環境を維持して頂けるよう、このようなアンテナの向き、方向のズレが生じた場合に、あらためてアンテナの向きを正しい方法へと調整して、しっかりと設置し直す方法。
そしてアンテナの角度調整をアンテナ工事の業者に依頼する場合に、信頼できる優秀なアンテナ工事業者を選ぶポイントなどについて、実際の事例を参考に、一覧で解説してまいります。

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地デジ放送・衛星放送の基礎知識

地デジアンテナの各機種、または衛星放送用のBS/CSアンテナを設置する現場ごとの、正しい方向にアンテナを向ける方法をご理解いただくためには、まず地デジ放送、衛星放送の仕組みや電波の性質、そして現場に電波が届く方向を把握する方法を把握して頂く必要がございます。
そこでまずは地デジ放送、衛星放送および、それぞれの電波についてご説明いたします。

地デジ放送の仕組みとは?

現在の地上デジタル放送、すなわち地デジ放送は、日本国内の各地に多数、設置された大小の地デジ放送の電波塔から、その周辺の地域に地デジ電波を送信することで、日本国内の大半のエリアをカバーしているテレビ放送です。
地デジ放送は、地上に設置された電波塔という施設によって放送を実施していることから、特に衛星放送と対比する意味で「地上波放送(地上波テレビ放送)」とも呼ばれています。

今日の地デジ放送である「デジタル放送」とは、テレビ放送の映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換して、このデジタル信号を電波の波長に変換し、送信する形式のテレビ放送のことです。
それ以前の地上波テレビ放送であり、映像信号をそのまま電波の強弱に変換して放送する形式であった「アナログ放送」に比べて、少ない周波数帯で大容量の情報を送信できるというメリットがあり、そのために、アナログ放送に比べて、映像のハイビジョン化や高音質化、データ放送など、高画質、高音質、充実した多機能化を実現しております。

この地デジ放送は、いまからちょうど20年の昔、2003年(平成15年)12月1日、午前11時より、アナログ放送と並行する形でスタートしました。
その後、一般世帯などでの、アナログ放送から地デジ放送への移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日の正午、アナログ放送が一部地域を除き、完全停波(終了)したことで、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されたのです。
したがって地デジ放送もアナログ放送も、電波塔から周辺地域に電波を送信している点で、その仕組みに大きな違いはございません。

そして現在の地デジ電波を送信する電波塔の種類には、大きく「送信所」「中継局」の二種類がございます。
「送信所」とは、主に大都市エリアなど、人口が集中するため地デジ放送の視聴者も多いエリアに設置され、出力の大きな地デジ電波を放送することができる、大型の地デジ電波塔です。この送信所は基幹局、親局などともいわれ、送信される地デジ電波は、地域によっては複数の都府県にもまたがる広範囲をカバーすることが可能です。
送信所の具体的な例で言えば、東京都墨田区押上に位置する、高さ634メートルで、東京都と神奈川県、千葉県、埼玉県の多くのエリアから、群馬県、栃木県、茨城県の一部エリアまでに電波を届ける、日本一の電波塔である東京スカイツリー

また近畿地方には、大阪府東大阪市と奈良県生駒市の境界、生駒山の頂上に位置し、大阪府のほぼ全域。および京都府の京都市までの一帯、奈良県の奈良市とその周辺。淡路島を含む兵庫県でも大阪湾沿いの沿岸部(淡路島を含む)。和歌山県の一部などに地デジ電波を送信する大阪局(生駒山テレビ・FM送信所)。愛知県には、瀬戸市に位置し、名古屋市を中心とした愛知県の中心部から、アニメ化、テレビドラマ化も好評の人気漫画「ゆるキャン△」のキャラクター名の由来としても知られる県内の犬山市や、各務原市、大垣市など岐阜県の一部。志摩市や鳥羽市など三重県の沿岸部の一部まで地デジ電波を送る名古屋局(瀬戸デジタルタワー)など、国内の要所に設置されております。
ちなみにかつての東京のランドマークであった東京タワーや、名古屋の名所として知られる名古屋テレビ塔は、アナログ放送時代の基幹局でした。現在、これらの電波塔は、電波塔としては使用されておりませんが、現在の送信所にトラブルが生じた場合などの予備送信所や観光名所として、現在でも活用されています。

ちなみに名古屋テレビ塔は、1954年(昭和29年)に開業した、日本で最初に完成した集約電波塔であることから、2022年(令和4年)にはテレビ塔としては初の、国の重要文化財に指定されています。また怪獣映画では、1964年(昭和39年)公開の「モスラ対ゴジラ」。1992年(平成4年)の「ゴジラvsモスラ」。1998年(平成10年)の「モスラ3 キングギドラ来襲」と、モスラが登場する作品の劇中で、いずれも怪獣に破壊されております。
そして「中継局」とは、送信所から距離が遠い、また山間部などの地形によって電波が遮断されるなどの要因から、送信所からの電波が直接、届きにくいエリアに設置され、送信所や他の中継局からの電波を受信して、それを増幅し、周辺のエリアへと送信する、大小の電波塔になります。
これら日本の主要地域における送信所。そしてそれを補足する中継局という電波塔が、日本国内にくまなく設置されることで、山間部や離島部など電波が届きにくい一部地域を除いて、日本国内のほぼ全域で、地デジアンテナや受信機器を使って地デジ電波を受信し、地デジ放送が視聴できるのです。

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地デジ放送の電波とは?

上記の送信所、中継局から送信される地デジ放送の電波は、電波の中でも「UHF(Ultra High Frequency:極超短波)帯」と呼ばれる周波数帯の電波を使用しています。具体的な周波数帯としては、MHz(メガヘルツ)で470MHzから710MHzの帯域になります。
そもそも電波とは、空間において電界(電場)と磁界(磁場)の影響を受け、光の速さで波(波長)を描いて伝わるエネルギー波「電磁波」の一種です。
そして電磁波や電波の周波数とは、1秒間に電波の波長が繰り返す回数の単位を指します。

電波とは電磁波のうち、この周波数帯が比較的、低いものを指し、日本の電波法をはじめ、一般的には3THz(3テラヘルツ:1秒間に3兆回の波長を繰り返す)までの電磁波を、電波と呼んでおります。
ちなみに3THzを越えた電磁波は、赤外線、可視光線、紫外線などの光。そしてⅩ線やガンマ線などの放射線になり、周波数が高くなるほどエネルギーも強くなる性質があります。

また電波や電磁波は、周波数が高い(1秒間に繰り返される波長が多い)ほど、波長の幅は短くなります。地デジ電波の波長の回数は、1秒間に4億7千万回から、7億1千万回にあたり、その波長の幅は、およそ40センチから60センチとなります。
電波とは光よりも周波数帯が低い電磁波であるため、電波の中でも周波数帯が低いものは、その性質が音に近く、周波数帯が高くなるほど、性質が光に近くなります。

周波数帯が低い電波は、波長が長いため、音が空間の広範囲で聞こえるように広がりやすく、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合も、その向こう側に回り込む力が強くなります。
さらに一般的な住宅の壁や屋根なども、電波を反射しやすい金属素材などが使用されていない限り、減衰(電波レベルの低下)は生じるものの、屋外の音のように、屋根や壁を透過して屋内にまで到達します。
一方で、電波に乗せられる情報は波長の数によって決まるため、周波数の低い電波では、伝えられる情報量が少なくなります。

そして周波数帯が高くなるにつれて、電波は光のように直進性が高くなる反面、波長の短さから障害物にぶつかった場合、反射して遮られやすくなります。建物や家の壁などが日光を遮断するように、周波数帯の高い電波は、建物などの障害物に遮られやすく、また壁や屋根を透過できないため、建物の内部に届きにくくなります。
半面、周波数の高い電波は波長が多い分、伝達できる情報量は多くなります。

現在の地デジ電波に用いられるUHF波は比較的、周波数帯の高い電波になりますが、一定の波長の幅を持つため、ある程度は高層ビルなど建築物にぶつかっても、その向こう側へと回り込める。また電波を反射、吸収する素材でない限り、一般的な住宅の屋根や壁などを透過できるといった性質もございます。

ただ、アナログ放送時代のテレビ電波は、日本全国で放送されるNHK、広域民放のチャンネルでは、UHF波より周波数帯が低い「VHF波(Very High Frequency:超短波)」から、90MHzから108MHzのローバンド。および170MHzから222MHzのハイバンドを使用していました。
また東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビジョンなど、日本でも主要な都市圏に含まれる都府県で別個に存在し、その都府県内が放送エリアになる独立放送局の地方チャンネルでは、地デジ放送と同じUHF波でも、470MHzから770MHzまでを使っていました。

アナログ放送時代のVHF波は、波長の幅は1.4メートルから3.3メートル程度でした。つまり現在の地デジ電波は、アナログ放送時代に比べると、波長の幅は数分の一から半分以下になります。
したがってアナログ放送時代のVHF波に比べると、現在の地デジ電波は、ビルなどの障害物にぶつかった場合、反射しやすく、向こう側に回り込む力や、住宅の壁などを通り抜ける力がやや弱まっているのも事実です。

そのため現在の地デジ電波は、地理的には比較的、電波塔から近いエリアでも、例えば電波塔の方向を遮る高層ビルの陰にあたる直近の場所や、住宅密集地で、近隣の住宅とさほどスペースのない壁面などの位置には、電波が届きにくくなり、アンテナを設置しても十分な地デジ電波の受信が難しいケースがあるため、注意が必要となります。
なお地デジ放送の仕組みや、かつてのアナログ放送との比較については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

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地デジ放送の電界地域とは?

前項でご説明した通り、地デジ電波に限らず、電波とは空間を伝わるエネルギーの波になります。したがって電波塔から発信された電波は、地形や建物などの障害物に遮られることはなくとも、長距離を伝達されることで、ちょうど音源から離れるほど音が弱まる、光源から離れるほど暗くなるのと同じく、その強度も弱まってゆきます。

さらに電波の強度は、空気中の気温や水分、天候などにも大きく影響を受けます。地デジ電波のレベルは、主に「㏈(デシベル)」の単位で表されますが、電波塔からの電波が届くまったく同じ場所であっても、一年を通じた気候の変動で、空気の膨張、収縮や湿度の影響などによって、地デジ電波レベルには6㏈程度の変動が生じます。
また電波は水分に影響されて弱まる性質があるため、雨の日をはじめとする悪天候でも地デジ電波レベルは大きく低下します。

気候や天候の影響は別にしても、日本国内で受信できる地デジ電波のレベルは、送信所、中継局など電波塔からの距離や、電波を遮る地形などの影響により、地域によって強弱が大きく変わってまいります。
この電波塔からの距離や地形の影響により、地デジ電波の受信状態で日本国内の各地を区域分けした指標が「電界地域」と呼ばれるものです。
電界地域は一般的に、地形などに影響されにくいエリアで、電波塔から近い順に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」に分けられることが多くなります。

強電界地域は、現場から電波塔が視認できる程度に近く、電波の遮断する山地などの地形なども存在しないエリアにあたります。一般的には、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上であるエリアとされ、地デジ受信環境が優れたエリアになります。
そのため地デジアンテナであれば、ほとんどのモデルが使用でき、壁面や室内空間などを含めた、アンテナの設置位置の自由度も高くなります。
また住宅内に設置されるテレビなど受信機器が2台以下であれば、アンテナ配線部に、地デジ電波レベルを増幅する機器「ブースター(増幅器)」を設置しなくても、問題なく地デジ放送を視聴できることが多くなります。

一方で地デジ電波は、テレビなど受信機器に届いた時点でのレベルが90㏈以上と強すぎても、画面が乱れる、映らないなどトラブルが生じ得るため、その場合は、地デジ電波レベルを適度に減衰させる機器「アッテネーター(減衰器)」を設置する、テレビなど受信機器のアッテネーター機能をオンにするといった対処も必要になります。

中電界地域は、強電界地域の周囲で、電波塔からの距離はやや遠いものの、山地など地形に電波が遮られないエリアにあたります。受信できる地デジ電波レベルの基準は、80㏈から60㏈になります。
中電界地域でも一定レベルの地デジ電波を受信できるため、強電界地域向けの室内用アンテナや小型アンテナなどを除けば、主な地デジアンテナ機種を使用できることが多くなります。
ただ強電界地域に比べると、周辺の建築物など障害物に影響されやすくなるため、現場によっては設置できる地デジアンテナ機種や設置位置に制約が出ることもございます。

弱電界地域は、中電界地域のさらに周辺で、より電波塔から離れたエリアにあたります。受信できる地デジ電波レベルは60㏈以下であることが基準になります。
このエリアでは、現場にもよりますが、基本的には高性能の地デジアンテナを、屋根の上などできるだけ障害物に影響されにくい、高い位置に設置することや、高性能のブースターの設置が必要となり、それ以外の方法での地デジ受信は難しいケースが多くなります。
また弱電界地域でも、特に地デジ電波レベルが弱まり、電波塔が想定する受信エリアから外れるエリアになると、微弱電界地域とも呼ばれ、このエリアでは高性能素子を用いた八木式アンテナ(パラスタックアンテナ)を高所に設置する以外に、地デジ電波の受信が難しくなります。

以上が各電界地域の概要ですが、電界地域について正しく理解する上では、いくつかの注意点もございます。
まずこの電界地域とは、テレビ放送やアンテナメーカーなどの世界で慣習的に用いられる基準であり、法律や学問上で統一された定義は存在しないという点に注意が必要です。
そのため、上記の三通りの分類は、もっとも一般的な基準になりますが、使用する団体、企業によっては、各電界地域の基準となる数値が異なる、また強電界地域と弱電界地域に二分するのみなど、電界地域の定義が異なる場合もございます。
したがって放送局やアンテナメーカーなどが「電界地域」の表記を使用している場合には、まずその電界地域の基準がどのような定義であるかを確認することが大切です。

もうひとつは、前述のように、同じ現場や距離的には近いエリアでも、気候や天候の影響。また各現場の周辺環境によって、受信できる地デジ電波レベルは異なってくる点です。
気候や天候の影響でも受信できる地デジ電波レベルは変動するため、強や中の電界地域でも条件が悪い日などは、実際に受信できる地デジ電波レベルが、電界地域の基準を下回ることもございます。
また電界地域の境界も、実際には電波レベルの変動があるため曖昧となります。電界地域の基準の違いも、電波レベルが変動することを踏まえたものである場合が多くなります。

そして前述のように地デジ電波は障害物などの影響を受けやすい電波であるため、例えば強電界地域に含まれるエリアであっても、高層建築の直近にあたる一帯や、住宅密集地の壁面など、地デジ電波が遮られやすい場所では、地デジ電波状態が弱電界地域以下のレベルまで悪化する場合もございます。

総合して、電界地域とは、地デジ電波塔の距離と地形などから判断した、地デジ電波環境のおおまかな目安にすぎません。どの電界地域に当たる現場でも、実際に受信できる電波レベルは、周辺環境などの要因にも大きく左右されるため、現場で正式な地デジの電波調査を行わない限り、実際の受信レベルは判断できないという点には注意の必要がございます。
電界地域やそれぞれの地域に適した地デジアンテナモデルについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

その他の地デジ電波の特性について

戸建て住宅などに地デジ電波を設置する際に、注意すべき地デジ放送や地デジ電波の特性については、他にも「ハイトパターン」「水平偏波」「垂直偏波」の違いが存在します。

ハイトパターンとは、電波塔から送信されて空間を伝わる地デジ電波と、地面にぶつかって反射した地デジ電波の干渉によって、地面から高度が高くなるにつれ、数メートルほどのペースで、受信できる地デジ電波の強弱が波のように変化する性質をいいます。
アナログ放送時代の波長が長いVHF波では、このハイトパターンの波も数十メートル単位と幅が広かったため、アンテナの設置に実質的な影響はありませんでした。

しかし地デジ放送のUHF波になって、電波の波長が短くなったことで、ハイトパターンも短くなったのです。
ハイトパターンの実際の幅は、現場の電波レベルや環境によっても変動してまいります。したがって地デジアンテナの設置は、ただ高い位置に設置すれば有利というものでもなく、現場におけるハイトパターンを確認して、適切な設置の高さを判断する必要がございます。

そして「水平偏波」「垂直偏波」とは、日本国内に設置された多くの中継局で、送信される地デジ電波の種類の違いになります。
水平偏波とは、電波の波長が地面に対して水平の波を描く電波。垂直偏波とは、同じく地面に対して垂直の波を描く電波です。
日本国内に存在する中継局では、9割以上の中継局が水平偏波を送信しております。ただ1割以下にあたる、一部の中継局では垂直偏波を使用しています。

ただ垂直偏波を送信する中継局は日本の全国各地に分布しており、また各中継局からの送信される電波の種類が変更されることや、双方の電波を送信していることもございます。
なおこの二種類の電波は、波長の角度が異なるのみで、電波の強度や種類、また地デジ放送の内容に違いはございません。

電波塔ごとに、波長の角度だけが違う2種類の電波を使い分ける理由は、地デジ電波とそれ以外の電波の「混信」を防ぐためです。混信とは、同じ地域で周波数帯が近い複数の電波が送信されると、それらの電波が入り混じることで、電波障害の原因になることを言います。
例えば、地デジ中継局の付近にスマートフォンや携帯電話の基地局がある。また複数の中継局の電波が入り混じるような環境下では、混信が発生して受信障害が発生する。またスマートフォンの通信障害なども想定されます。

しかし波長の角度が異なる電波は混信を起こしにくいため、混信のリスクが考えられるエリアでは、一部の中継局が垂直偏波を送信することで、混信を防いでいるのです。
なお地デジアンテナ側では、水平偏波と垂直偏波への対応として、アンテナを設置角度を波長に合わせて90度ずらすことで対応できます。
ただアンテナの形状によっては、角度をずらした設置が難しい場合もあるため、地デジアンテナ機種によっては、垂直偏波用、水平偏波用のモデルが別個に存在するものもございます。

これら地デジ電波に関する各種の特性については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

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衛星放送の仕組みとは?

衛星放送とは、その名の通り、地球の地上から約35,786キロ上空の位置に当たる宇宙空間、赤道軌道上を、地球の自転に同期して周回するため、地上から見れば常に空の一点に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、テレビ、ラジオなどの電波を送信する放送です。
より正確には、まず地上にある衛星放送の送信局から、赤道軌道上の静止衛星まで電波を送信(アップリンク)し、静止衛星の側で受け止めた電波を増幅して、地上の広範囲へ電波を送り返す(ダウンリンク)方式になっております。

衛星放送の特徴は、地上にいくつもの電波塔などの送信施設を設置する必要がある地デジ放送などの地上波放送とは異なり、一基の静止衛星から、日本全域など地球上の広範なエリアへと、大容量の情報を効率的に送信できる点。また地上の山地などの地形、また高層建築物その他の障害物や、地上で発生した災害などにもほとんど影響を受けず、安定して放送を行える点になります。
当コラムを読んでおられる方もご存じのことでしょうが、現在の日本の衛星放送は、大きく「BS放送」「CS放送」の二種類に分けられます。また近年では、BS放送、CS放送にそれぞれ4K、8Kのチャンネルが追加される形で「新4K8K衛星放送」もスタートしています。
以下、それぞれの放送の違いを説明いたします。

BS放送とは、放送用に使用される放送衛星(Broadcast Satellite)による衛星放送で、地デジ放送と同じく、BSアンテナを使用することで、日本国内の不特定多数が視聴できる衛星放送です。現在では東経110度に位置する放送衛星が使用されております。
主なチャンネルは、NHK、各広域民放その他の、BS放送受信の設備を整えるだけで視聴できる無料チャンネル。そして「wowow」「j-sports」など、各チャンネルと契約を結んで月額視聴料金を支払うことで視聴できる有料チャンネルになります。

CS放送とは、もともとは企業や事業者の通信用を想定していた、通信衛星(Communication Satellite)を使用する衛星放送です。「スカパー」などの名称で知られる放送事業者と契約を行った世帯を対象とする衛星放送で、業者との基本契約料が必要な他、放送されるチャンネルの大半が有料チャンネルになります。

CS放送は、BS放送に比べて格段の多チャンネルが特徴で、洋画や邦画、テレビドラマ、アニメ、時代劇、ミステリー、ドキュメンタリー、お笑いなど、細分化されたさまざまなジャンルのチャンネルから、視聴者の好みに合わせて、1チャンネルから契約して視聴できる点がメリットになります。
なお現在のCS放送には、BS放送と同じ東経110度の通信衛星を利用する110度CS放送(スカパー!)と、東経124度/128度の通信衛星を使用する124度/128度CS放送(スカパー!プレミアムサービス)の二種類のサービスが存在します。

この二種類の放送は、もともとは日本の放送法に基づいた、使用される人工衛星の用途による分類でしたが、現在では実質的な違いは少なくなっております。また現在はBS放送、CS放送ともデジタル化され「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」になっております。

戸建て住宅などでのBS放送とCS放送の受信には、衛星放送用のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナを設置して、衛星からの電波を受信する必要がございます。
なお衛星放送のうち、静止衛星が同じ角度(東経110度)に位置するBS放送、110度CS放送については、一基のBS/CSアンテナでどちらも受信することが可能です。
ただ124度/128度CS放送の受信には、別個にプレミアムサービス専用アンテナを設置するか、BS放送、110度CS放送、124度/128度CS放送のすべてを一基で受信できるマルチアンテナの設置が必要となります。

また新4K8K衛星放送とは、2018年(平成30年)にスタートした、衛星放送における4K放送、8K放送のことです。この新4K8K衛星放送は、BS放送、CS放送にそれぞれ4K、8Kチャンネルが追加される形で開始されたため、有料チャンネルの契約を除いては、ご試聴に特別な手続きは必要ございません。
ただ新4K8K衛星放送を該当の画質で視聴するためには、4K、8Kのテレビ(4K8Kチューナー)はもちろん、BS/CSアンテナや配線部を交換する必要が出ることもございます。

これは、従来の2K衛星放送では、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」という電波が使用されていたのに対し、新4K8K衛星放送では、右旋で使用できる周波数帯が不足したため、BS放送のNHK、広域民放の4Kチャンネルを除く大半のチャンネルで、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」を採用したためです。
現在のBS/110度CSアンテナは、右旋と左旋の双方の電波に対応できる2K4K8K対応型であり、アンテナ配線部に設置されるブースターや分配器、同軸ケーブルなども、左旋の電波を送信できる4K8K(3442MHz)対応型が必要となります。

そのため、BS/CSアンテナが2018年以前に設置されたもので、アンテナ本体や配線部の機器が左旋円偏波に対応できない場合には、新4K8K衛星放送の大半のチャンネルを視聴できず、アンテナや周辺機器の交換が必要になる場合もありますので、どうかご注意ください。

衛星放送の電波や新4K8K衛星放送については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

衛星放送の電波とは?

上記のBS放送、CS放送の衛星放送で、それぞれの人工衛星から地上へと送信される電波には、マイクロ波の一種である「SHF(センチメートル波)」のうち、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後である電波「12GHz帯」が使用されております。

12GHz帯の電波は、1秒間に約12億回の波長を描く、地デジ放送のUHF波よりも格段に高周波数帯の電波になり、その波長の幅は25ミリ程度になります。
したがってその電波の性質は、UHF波よりもさらに光に近く、非常に直進性が高いため、人工衛星から地上までほぼまっすぐに送信されます。静止衛星からは、この12GHz帯の電波が、日本列島全体を照らすスポットライトのような形で送信されています。

人工衛星から地上までの長距離を送信される衛星放送の電波としては、このような光に近い性質を持ち、地上まで直進して送られる高周波数帯の電波が適しているのです。
一方で12GHz帯の電波は、その光に近い性質から、地デジのUHF波よりも障害物にはさらに弱く、その向こう側にほとんど回り込めないという弱点もございます。

したがって人工衛星から地上に設置されたBS/CSアンテナまでの間に、山地などの地形やビルなどの建築物はもちろん、樹木や枝葉、電柱や電線、また洗濯物などのわずかな障害物があるだけでも、12GHz帯の電波が遮られてしまい、アンテナ側で受信できなくなるという問題も出てまいります。

また12GHz帯の電波はその波長の短さから、雨や雪の粒がその波長の幅に近くなる豪雨や降雪の際には、空中で雨や雪に吸収される他、乱反射などが生じて、アンテナに届く電波レベルの弱まりや乱れによって受信障害が生じる「降雨減衰」「降雪減衰」が発生することもございます。

これらの電波の特性による受信上の問題を除けば、BS放送、CS放送の電波は、日本国内であればくまなく全域で、試聴に十分なレベルの電波が受信できます。
ただ地上から見て南西方向に位置する静止衛星からの距離がやや遠くなる日本国内の北部や南端部、離島部などの地域では、12GHz帯の電波が距離によってやや減衰する傾向があり、一般的な戸建て住宅向けモデルよりも、受信性能の高い大型のBS/CSアンテナが必要になることもございます。

地デジ用・衛星放送用テレビアンテナの「指向性」とは?

上記の通り、地デジ放送では地デジ電波のUHF波は現場の周辺にある電波塔から、衛星放送の12GHz帯の電波は空の一点に静止して見える静止衛星から送信されていることになります。
現在の地デジアンテナは、機種による形状の違いはさまざまですが、どれもUHF波を受信することから、すべて「UHFアンテナ」にあたります。

またBS/CSアンテナは、車載用やアウトドア用などの特殊なモデルを除き、静止衛星から直進的に送信される12GHz帯の電波を受け止めるのに適した、皿状の大きな放物面反射器、もしくはディッシュ部(dish:皿)をもつ「パラボラアンテナ」一種類になります。

そして戸建て住宅に設置される主な地デジアンテナの機種には、屋根の上に設置される魚の骨に似た古典的モデルで、受信性能が高い半面、デザイン性が低く風雨などに影響されやすい弱点を持つ「八木式アンテナ」。壁面やベランダなどに設置できる平面状の薄型アンテナで、受信性能はやや低いものの、デザイン性や風雨への抵抗力に優れる「デザインアンテナ」。高所に設置できる円筒形のスタイリッシュなアンテナで、受信性能とデザイン性、風雨への強さを兼ね備える「ユニコーンアンテナ」の三種類になります。

これら地デジアンテナ各機種、BS/CSアンテナともに、設置に当たっては、地デジ電波塔や静止衛星など、電波が送られる方向へと正確に向けて設置する必要がございます。
というのも、地デジ、BS/CSともテレビアンテナには、高い「指向性」があるためです。

指向性とは、テレビアンテナに限らず、電波を送受信する各種のアンテナや、マイク、スピーカーなどの音響機器などが有する性質のことで、電波や音波を発信する強さ、受信する感度などが、機器の方向によって異なる性質を指します。
地デジ、衛星放送のテレビアンテナの場合は、アンテナの一方向でのみ、受信性能が高くなる性質を指向性と呼びます。

地デジアンテナの場合は、機種によって指向性の強さが違い、指向性が鋭い(受信できる範囲が狭い)アンテナほど、正面側における受信性能が高くなるという性質があります。
逆に正面以外の側では受信性能が弱まり、正面から大きく外れると電波はほとんど受信できなくなります。この指向性には、正面側での受信性能を高める他に、正面以外の方向から届く、ノイズの原因となる余計な電波をカットする役割もございます。

地デジアンテナ本体の受信性能は、どの機種も、主に地デジ電波を受信するパーツ「素子(エレメント)」の数である「素子数」。または外部から素子の数が確認できないモデルでは、受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で表されます。
ただ指向性については、アンテナの形状や設置位置などによって違いがあり、例えば同じ「20素子(相当)」の地デジアンテナでも、機種による指向性の鋭さによって、正面を向けた場合の受信性能には違いが出てまいります。

個々の地デジアンテナ機種、モデルにおける指向性の違いは「半値幅」という数値で表されます。この半値幅とは、地デジアンテナの受信性能が最大レベルとなる真正面の位置を基準として、そこから角度を左右にずらして、受信性能が最大の値よりちょうど半分になる角度を示す数値のことです。

いずれにせよ地デジアンテナについては、設置の際に、受信性能が最大となる正面側を、主に現場へと電波を送信する電波塔の方向へと正確に向ける必要があります。現場の条件によっては、電波塔から送信された電波が、高層ビルなどの建築物に反射して方向が変わった「反射波」の方向に向けることもございますが、どちらの場合も地デジ電波の方向に真正面を向けたはずのアンテナが、左右に角度がずれてしまい、アンテナの正面側が半値幅かそれ以上の角度に向いてしまうと、地デジ電波の受信感度が大きく低下することになります。

BS/CSアンテナは、静止衛星から光のように直進して送られる12GHz帯の電波を、ディッシュ部で正確に正面から受け止め、ディッシュの中央部に集める形で反射させます。
ディッシュの中央には、アームで固定された「コンバーター(変換器)」という機器が設置されており、反射した電波の焦点が、コンバーターの一次放射器に集中することになります。

周波数帯の高すぎる12GHz帯の電波は、そのままケーブルで送信すると減衰が大きくなりすぎるため、まずコンバーターで、ケーブルでの送信に適したMHz帯の電波に変換してから、屋内のテレビなど受信機器に送信することになります。ちなみにコンバーターを作動させるために、BS/CSアンテナにはケーブルから給電する形での電源が必要となります。

このような形式であるため、BS/CSアンテナは、静止衛星が位置する東経110度の方向へと、仰角(上下角)、方位角(左右角)とも正確にアンテナのディッシュ部を向ける必要がございます。
この角度調整がミリ単位でも狂ってしまうと、ディッシュに反射した12GHz帯の電波の焦点が、コンバーターの一次放射器からズレてしまうため、受信できる電波レベルが大きく低下し、安定した衛星放送の視聴が難しくなります。

これらの要因から、BS/CSアンテナは、地デジアンテナよりもさらに指向性が鋭く、角度調整に厳密さが求められるアンテナであると言えます。
他にも前述の通り、12GHz帯の電波は、わずかな障害物にも遮断されやすいため、BS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、山地や建物などはもちろん、樹木その他のわずかな障害物も存在しないことが必須の条件になります。

総じて、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、その指向性に応じて、電波塔や静止衛星など、テレビ電波が届く方向へ、正面側を正確に向けることができる設置位置を選ぶことが必須になります。
地デジ、BS/CSアンテナの指向性や角度調整の方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

地デジ、BS/CSアンテナを向ける方向の確認方法

ここでは、地デジアンテナやBS/CSアンテナが持つ指向性に基づき、戸建て住宅などアンテナ設置を行う各現場において、それぞれのアンテナの正面側を向けるべき方向を正確に確認する方法について解説いたします。

地デジアンテナを向けるべき方向とは?

地デジアンテナは、その指向性から、基本的には現場に地デジ電波を届ける電波塔の方向を確認して、その方向へと向ける必要がございます。なお地デジアンテナの角度調整については、基本的に電波が届く方向へと、方位角(左右の角度)を調整するのみになります。

強電界地域であれば多くの場合、アンテナを設置する現場から、電波を送信する電波塔が視認できることが多く、地デジアンテナを向ける方向を確認することは、比較的、簡単になります。
ただ中電界地域から弱電界地域で、現場に電波を送る電波塔の位置が視認できない場合は、まず現場に届く電波の方向を確認することが必要になります。

日本各地に存在する送信所、中継局など電波塔の位置、およびその電波塔からの地デジ電波が届くエリアについては、一般社団法人 放送サービス高度化推進協会「A-PAB」の公式サイト内「地デジ放送のエリアのめやす」ページにて、エリアや現場の住所などから地図上で確認することができます。
他にも電波の方向を確認する目安としては、周辺の住宅に設置されている地デジアンテナが向けられている方向を確認するという方法がございます。

ただいずれにせよ、これらの方法は目安にすぎず、地デジ電波塔を視認できない限り、現場に届く地デジ電波の正確な方向を見極めることは難しくなります。さらに電波塔から遠距離になるほど、電波塔からの電波が障害物などに影響を受けやすくなります。
そのため現場によってはもっとも近い電波塔から直接、送信される地デジ電波ではなく、高層ビルなどにぶつかって反射し、方向が変わった電波である「反射波」を受信する方が、安定した受信が可能になるケースもございます。

地デジアンテナも、例えば屋上フロアのある住宅や、ベランダにデザインアンテナを設置するなど、作業の安全が確保できる現場であれば、アンテナ工事業者に依頼せず、ご自分でのDIYによる設置が可能なケースもございます。
ただDIYによる設置では、まずアンテナを設置する位置が電波の届く方向であるか。電波の正確な方向や、受信に十分なレベルの電波であるかを確認することが必須です。
特にベランダに地デジアンテナを設置する場合には、まずベランダに設置したアンテナを地デジ電波塔の方向に向けることができるか。また設置場所で建築物などの影響を受けず十分な地デジ電波が届くかをきちんと確認する必要がございます。

もしアンテナを設置する場所で、受信できる地デジ電波の方向や強度がわからない場合は、無理にDIY作業を行おうとせず、まずアンテナ工事業者に電波調査を依頼して、設置場所に十分な地デジ電波が届いているかの点や、正確な地デジ電波の方向を測定した上、設置の場などをどこにされるか、現場の条件に適したアンテナ設置をご検討の上で、決められることがおすすめと言えます。

なお地デジアンテナの設置場所や角度調整について詳しくは、以下の各コラム記事が参考になることと存じます。
・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!
・地デジ用テレビアンテナ各種類の違いと選び方とは? 戸建て住宅への設置や交換する方法、工事費用はいくらかの相場も解説!
・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説
・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説
地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

BS/CSアンテナを向ける方向とは?

上記のように、戸建て住宅などにBS/CSアンテナを設置する場合、必要な条件としては、まず「アンテナのディッシュを東経110度の方向へと正確に向ける」「ディッシュを向けた東経110度の方向に地形や建造物、樹木その他、電波を遮断するわずかな障害物も存在しない」という点が必須になります。

なおここで挙げるBS/CSアンテナとは、BS放送と110度CS放送を受信するための、一般的なBS/110度CSアンテナになりますが、124度/128度CS(スカパー!プレミアムサービス)専用アンテナや、これらすべての衛星放送を受信するためのマルチアンテナでは、対応する複数の静止衛星の方向へと向けなければならないため、角度調整はより厳しくなります。

またBS/CSアンテナを向けた東経110度の方向に建物などの障害物がある場合、BS/CSアンテナの位置から計った障害物の高さより、アンテナと障害物の間に1.5倍の距離があれば、衛星放送の受信に悪影響はございません。
例えばBS/CSアンテナを向けた側に、アンテナより8メートル高い建物があった場合、アンテナと建物の距離が、12メートル以上離れていれば問題はないことになります。

BS/CSアンテナは地デジアンテナ以上に指向性が高く、仰角、方位角とも、東経110度の方向へ向けなければならない。そしてミリ単位の角度の狂いでも受信不良が生じることは、すでにご説明いたしました。
ただアンテナを向ける方向自体は、どの現場でも一定であり、受信できる電波レベルにも極端な差はないため、作業の安全を確保できる点を含め、ご自宅でベランダなどにBS/CSアンテナを設置できる条件が整っていれば、角度調整にやや手間はかかるものの、DIYで設置することも難しくはございません。

BS/CSアンテナを向ける方向である東経110度は、日本から見て南西の方向ですが、実際にアンテナを向ける方向としては、各地域や現場によって微妙な違いが出てまいります。
そのためBS/CSアンテナの設置に当たっては、まずアンテナをおおよそ東経110度の方向に向けた後、微調整して衛星放送の受信レベルが最大になる角度を見極め、決定する作業が必要となります。

BS/CSアンテナを向けるべき角度である東経110度を確認する方法としては、日本三大アンテナメーカーのひとつ「日本アンテナ」が提供するスマートフォンアプリ「BSコンパス」をご利用になることが便利です。
「BSコンパス」はandroid用、iPhone用にそれぞれ無料で提供されており、インストールしたスマホで、お住まいのエリアを設定した後、コンパスを表示するアプリをBS/CSアンテナにあてがって角度調整することで、東経110度へと簡単に合わせることが出来ます。

他にもインターネットの検索で、日本各地における東経110度の角度を表で紹介しているページが確認できる他、アンテナ本体の角度調整部に、日本の各エリアにおける的確な角度を示す目盛りがついている商品も存在するので、これらを利用することも有効です。

またBS/CSアンテナはただ東経110度に向ければいいわけではなく、その位置で、もっとも受信レベルが高くなるよう微調整を行う必要もございます。
この微調整の確認は、BS/CSアンテナと接続したテレビで、設定画面からBS放送の「アンテナレベル」画面を表示し、アンテナ角度を微調整しながら、アンテナレベルがもっとも高まる角度を見出すという作業になります。

ただ角度を微調整した後、テレビのアンテナレベルに反映されるまで数秒かかるため、非常に根気のいる作業となります。ただケーブルに接続してBS放送の受信感度を確認できる小型のインジケーターがあれば、アンテナレベルの確認は非常に楽となります。
インジケーター自体は1,000円台で購入できる他、インジケーターが同梱されたアンテナ製品も存在しますので、設置の際にご利用されるのもひとつの方法です。

いずれにせよ、BS/CSアンテナを設置できる位置が屋根の上などでDIY作業が難しい。また角度調整などに自信が持てない場合には、アンテナ工事の専門業者へとお任せになることをおすすめいたします。
BS/CSアンテナの設置方法や角度調整については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法

テレビアンテナの設置位置と角度調整について

ここでは、戸建て住宅において、実際に地デジアンテナ、BS/CSアンテナが設置されることが多い位置ごとに、アンテナの角度にズレが生じた場合の、アンテナ角度調整の方法についてご説明してまいります。

アンテナ設置位置:住宅の屋根の上などの高所。

地デジ、BS/CSとも、戸建て住宅にテレビアンテナを設置する場合、設置位置に選ばれることが多い場所は、やはり屋根の上をはじめとする高所にマスト(ポール、支柱)を立ててアンテナを固定する形になります。
屋根の上の他にも、屋根の張り出し部である破風板、また壁面でも屋根のすぐ下などの高所に、サイドベースと呼ばれる設置具などを固定し、ほぼ屋根と同じ高度に各種アンテナを設置する方法もございます。

地デジアンテナは屋根の上などの高所に設置することで、周辺の障害物に影響を受けにくくなり、また360度に角度調整できるため。電波塔など地デジ電波が届く方向へと正確に向けやすくなります。特に八木式アンテナ、ユニコーンアンテナは、主に屋根の上をはじめ、高所へと設置されることを前提とした地デジアンテナ機種になります。
BS/CSアンテナに関しても、屋根の上など高所であれば電波を遮断する障害物などに影響されにくく、東経110度の方向へと正確に向けやすいというメリットがございます。
他にも、地デジアンテナとBS/CSアンテナを同じマストに設置できるため、アンテナ配線をまとめやすいといったメリットも出てまいります。

一方で、屋根の上へのアンテナ設置に関しては、住宅の高い位置で目立つため、住宅の外観や景観を乱しやすい。また風雨などの影響を受けやすいため、アンテナの老朽化が進みやすく、特に雨や風、雪などが多いエリアでは、アンテナ角度のズレが生じやすくなるといったデメリットも考えられます。
また屋上フロアがある住宅などを除き、屋根の上など高所へのアンテナ設置では、角度のズレが生じた場合に、ご自宅での角度の調整は危険な作業になるため難しく、アンテナ工事業者に作業を依頼する必要が出てまいります。
3階建ての住宅など、アンテナ設置位置が通常よりも高くなる場合には、アンテナの設置工事費とは別途に、高所作業費が必要になるケースも出てまいります。

総じて、テレビアンテナを屋根の上などに設置する場合には、自然環境によるアンテナ角度のズレなどをできるだけ予防すべく、適切なモデルを採用し、技術の優れたアンテナ工事の専門業者にご依頼になることが肝要です。
高所をはじめ地デジ、BS/CSアンテナを住宅の各位置に設置する方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法
・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)
・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説

アンテナ設置位置:壁面やベランダなど。

最近ではアンテナの設置位置として、屋根の上と同様、選ばれることが多いのが、壁面やベランダなど、住宅の側面に当たる位置になります。

地デジアンテナの場合、壁面やベランダはデザインアンテナの主な設置位置であり、また八木式アンテナも、サイドベースを用いた壁やベランダ手すりへの設置や、ベランダ内部、軒先からの吊り下げ設置などが可能です。
同様にBS/CSアンテナも、設置位置の高度は受信感度にほとんど影響しないため、受信の条件さえ整っていれば、壁面やベランダの内外にも設置が可能となります。

テレビアンテナを壁面やベランダに設置することで、機種にもよりますが目立たなくなるため、住宅の外観や景観を損ねにくい。さらに風雨なども避けやすくなるため、アンテナ角度のズレをはじめとするトラブルが起こりにくいといったメリットが得られます。
また特にベランダまわりにアンテナを設置した場合には、万が一、角度のズレによる受信不良が生じても、ご自宅で角度の再調整が安全に行いやすくなります。

一方で、地デジアンテナについては、アンテナを電波塔など地デジ電波の方向に向ける必要がある。低い位置ほど周辺の建築物などに電波が遮断されやすいといった要因から、設置できる壁面の方向が限られる。また現場の電波状態や周辺環境によっては、十分な地デジ電波が受信できないため、設置できないというケースもございます。
BS/CSアンテナに関しても、設置位置が低くなると、人工衛星からの電波を遮断する周辺の障害物などに影響を受けやすくなるため、やはり注意が必要となります。

地デジ、BS/CSの各種アンテナを、壁面やベランダなど比較的、低い位置に設置する方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説

アンテナ設置位置:屋内空間。

テレビアンテナは条件が適合すれば、住宅の屋内や部屋の中に設置することも可能です。
地デジアンテナの場合は、強電界地域であれば、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナを室内に据え置き設置することもできます。これらのアンテナでは、さほど正確な角度調整は必要ございません。
またやはり強電界地域で、住宅の建材が電波を通しやすく、太陽光パネルや屋根への積雪など、電波を遮断する要素がないなどの条件が揃っていれば、デザインアンテナを屋根裏空間、天井裏空間などに設置することも可能です。

BS/CSアンテナは少し条件が厳しくなりますが、透明な窓ガラス越しに、アンテナを障害物のない東経110度の方向に向けることができる条件が整っていれば、BS/CSアンテナを自立スタンドに立て、窓際に据え置く形での、ご自身でのDIY設置も可能となります。

これらの設置方法では、そもそも住宅の外部にアンテナを設置する必要がなく、住宅の外観や外装に影響を与えない。またアンテナ本体も風雨などに影響されないため、自然環境によるアンテナの老朽化が進みにくく、アンテナ角度のズレなどのトラブルも非常に起こりにくいというメリットがございます。
ただこれらの方法は設置できる条件が限られ、特に室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナは受信性能が低いため、強電界地域でも受信感度が安定しないこともございます。したがってあくまで簡易的なアンテナとしての使用が推奨されます。

BS/CSアンテナの室内設置も、風雨などによる角度のズレは発生しにくい半面、室内に据え置くため、誤って手を触れるなどの事態で角度のズレが生じることもございます。
室内であるため、角度の再調整はさほど難しくはありませんが、やはり一定の手間がかかるため、注意が必要と言えます。

室内用の地デジアンテナや、各種アンテナを室内に設置する方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・面倒な工事も不要!2,000円で地デジ放送を楽しめる「室内アンテナ」について!
・室内アンテナの機種選びと設置の方法
・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

アンテナ機種別アンテナ角度調整の方法

ここでは、住宅の外に設置される地デジアンテナの各モデルおよび、BS/CSアンテナの特徴と、その角度調整の方法について解説してまいります。

地デジアンテナ:八木式アンテナ(パラスタックアンテナ)

八木式アンテナとは、矢印のような骨組みに、電波を受信する短い横棒のパーツ「素子」が並べられた、アナログ放送の初期から使われる古典的なテレビアンテナです。
戸建て住宅への設置位置は、基本的に住宅の屋根の上に立てられたマストへの取り付けになりますが、他にも専用の固定具で、壁面やベランダの手すり部に設置する。ベランダの内部に固定する。軒先などに吊り下げて取り付けるなどの方法もございます。

八木式アンテナの特徴は、モデルによって設置されている素子の数が違い、受信性能の種類が幅広いため、さまざまな受信環境のエリアに対応できるという点です。
通常モデルでは8素子、14素子、20素子などがある他、Ⅹ字型の固定具の上下などに素子パーツを並べて、通常モデルより高性能化した「パラスタックアンテナ」には、27素子、30素子などの多素子モデルも存在します。

したがって強電界地域から弱電界地域の、特に電波レベルが微弱なエリアまで、適した素子数のモデルを利用することで、安定した受信に対応できます。
なお八木式アンテナで指向性を発揮する正面側は、矢印の先端に当たる「反射器(リフレクター)」の反対側であり、こちらを電波塔などの方向に向けます。
またその指向性については、ある大手メーカーの製品の一例をあげると、通常型の20素子モデルで半値幅28度から52度。パラスタックアンテナの30素子モデルでは半値幅18度から29度と、地デジアンテナの中でも指向性が鋭いモデルになります。

この指向性の高さと、素子が露出した素子アンテナの構造。そして通常は屋根の上に設置されることから、地デジアンテナの中では一番の受信性能を誇る機種になります。
また垂直偏波、水平偏波に対しても、八木式アンテナであれば、設置の角度を90度ずらすだけで対応できます。
もうひとつの八木式アンテナのメリットが、さらに設計が完成された古典的な機種であるため、アンテナ本体の価格や設置工事費が、地デジアンテナではもっとも安価になるという点です。

一方でデメリットとしては、その形状と設置位置から、屋根の上で目立って住宅の外観や景観を崩してしまう。そして風雨などの影響を受けて経年劣化が進みやすく、平均的な寿命は10年程度とやや短くなり、特に寿命を過ぎたアンテナでは、故障やアンテナ角度のズレといったトラブルが生じやすくなる点です。

設置位置を壁面やベランダなど低い位置にすることで、これらのデメリットをある程度、抑えることもできますが、その場合、逆に受信感度が低下し、設置位置の条件が厳しくなる。場合によっては設置できないなどの問題も考えられますので、ご注意ください。

また八木式アンテナでも近年のモデルでは、アンテナ本体の軽量化や素材の改良などで耐風性や防サビ性能が高まっており、また自然環境への対策として、設計や加工に工夫を凝らした雪害用モデル、塩害用モデルなども存在します。
そのため現場の条件に合わせて適切なモデルを使用することで、経年劣化の進行や、アンテナ角度のズレをはじめとするトラブルへの対策に、一定の効果が得られます。

八木式アンテナの角度調整に関しては、指向性が高い機種になるため、設置の時点で電波塔などの方向へと正確に調整する必要がある他、高い技術を持つプロのアンテナ工事業者によるしっかりした設置がおすすめとなります。
また万が一、設置後に角度のズレが生じた場合には、設置位置の高さから、アンテナ工事業者に角度調整を依頼する必要がございます。アンテナ角度のズレをはじめ、八木式アンテナのトラブルを予防するためには、定期的なメンテナンスを行うことがおすすめといえます。

なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナの設置に当たっては、標準工事として、DXアンテナ製の高品質20素子モデル「UA20」と設置具、同軸ケーブル、防水処理を込みにした代金として、税込み15,000円からでご案内しております。

他にも、パラスタックアンテナを含めた各素子数モデルや、自然環境への対策用モデルもご用意しておりますので、さまざまな現場に対応が可能です。
八木式アンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

地デジアンテナ:デザインアンテナ

デザインアンテナとは、2009年(平成21年)頃から普及しはじめた、八木式アンテナに続く第二世代の地デジアンテナで、八木式アンテナのデメリットをカバーすべく設計されたモデルになります。
その形状は、アンテナ機器部を薄い長方形のケースに収めたシンプルなもので、同モデルのカラーバリエーションも豊富なため、人気の高いモデルです。

基本的な設置位置は、住宅の外壁やベランダの手すり部に、専用の固定具を取り付けて設置する形になります。他にも、八木式アンテナと同じく屋根の上のマストに設置されることもある他、前述のように条件が整った現場であれば、屋根裏空間などへの設置も可能です。

デザインアンテナのメリットは、その形状と設置位置、本体カラーを選べる事などから、設置しても家の外観性や景観にほとんど影響しない点。さらに風雨や積雪の影響も抑えられ、経年劣化が進みにくいため、耐用年数が長くなってトラブルが生じにくい点が挙げられます。デザインアンテナの耐用年数は、一般的な屋外設置で、15年から20年程度とされています。

このように外観性、対候性で八木式アンテナより優れ、見た目を重視されるお客様には大人気となっているデザインアンテナですが、一方で受信性能では八木式アンテナに及ばないのがデメリットです。
デザインアンテナ本体の受信性能は、強電界地域専用のコンパクトモデルなどを別にすれば、20素子相当、26素子相当および、それぞれのブースター内蔵型のみになります。

デザインアンテナの指向性が生じるのは、もちろんその前面側で、指向性を示す半値幅も、20素子相当モデルで75度から86度程度26素子相当モデルで71度から82度と、八木式アンテナよりやや広めになります。
この指向性の広さから、正面での受信性能がやや下がることに加え、素子が露出していない点。なにより設置位置が低くなり周辺の建築物などに影響を受けやすい点から、八木式アンテナに比べると、デザインアンテナの全体的な受信性能はやや低くなります。

そのためデザインアンテナは基本的に強電界地域から中電界地域用のモデルとなり、弱電界地域では使用できないケースもございます。さらに強電界地域から中電界地域でも、高層建築物の近隣、住宅密集地など、障害物に影響される現場では、特に壁面など低い位置での設置が難しくなる場合もございます。
水平偏波、垂直偏波に関しても、デザインアンテナでは設置の角度を変えると、その特性である外観性や、左右への角度調整に難が出るため、垂直偏波用、水平偏波用のモデルが別個に存在します。

他にも八木式アンテナに比べると、本体費用、設置価格がやや割高になる。壁面への設置では設置具を固定するため、壁にビスを打ち込むための穴あけが必要にある点などもデメリットとなります。
なおデザインアンテナの角度調整を行う方法は、モデルによっても異なりますが、まず電波塔の方向を向けることができる壁面、ベランダなどの設置位置を選び、十分な地デジ電波が受信できるか、電波調査によって確認した上で、アンテナの設置具ごと、デザインアンテナ本体を左右に向け、最適な角度で固定する形になります。

前述のようにデザインアンテナは指向性の広さに加え、風雨などに影響されにくいこともあり、設置角度のズレなどのトラブルは起こりにくい地デジアンテナ機種といえます。

当あさひアンテナでは、デザインアンテナの標準機種として、DXアンテナ社の20素子相当モデル「UAH201」。またはマスプロ電工社の強電界地域向けコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーションと、基本設置具。白黒2色の同軸ケーブル。防水加工などを合わせて、税込み20,000円からの基本工事費用でご提供しております。
他にも26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、現場の条件が許す限り、デザインアンテナの設置にご対応できます。

デザインアンテナの参考としては、以下の各コラム記事でも詳細を記載しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
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・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、大手アンテナメーカー「マスプロ電工」が開発、発売した、八木式アンテナ、デザインアンテナのメリットを兼ね備える、地デジアンテナの第三世代になります。

その形状は、長さ約67センチ、直径ほぼ14センチ程度の円筒形のアンテナ本体を、ポールの先に設置するスマートなイメージになります。本体のカラーも落ちついたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色がございます。

戸建て住宅における設置位置は、主に八木式アンテナと同じく屋根の上、また屋根の張り出し部(破風板)、また壁面の高所に設置具を固定して立てるなど、住宅でも高い位置が選ばれます。
ユニコーンアンテナのメリットは、そのスタイリッシュな形状から住宅のデザインや景観を乱さない。さらに風雨などを受け流せる形状により、老朽化やトラブルの発生も抑えることができるという、デザインアンテナと同様の点になります。

加えて設置位置の高さから、周辺の障害物などに影響されにくいため、受信性能が高まるという、八木式アンテナのメリットも備えています。
ユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当ですが、周辺の建築物や住宅密集地などの要因で、壁面にデザインアンテナが設置できない現場でも、ユニコーンアンテナであれば設置できるケースが多くなります。

ユニコーンアンテナの受信性能は、20素子相当のデザインアンテナを、受信環境のいい壁面に設置した場合とほぼ同等になります。
なおユニコーンアンテナにも、指向性やアンテナの正面は存在します。円筒形の一面を切り落としたように平たい側がアンテナの裏面にあたり、その反対側が指向性の働く正面になります。その半値幅は83度から93度と、デザインアンテナよりも広くなります。

逆にユニコーンアンテナのデメリットとしては、素子が隠れている、半値幅が広いなどの点から、八木式アンテナの同素子数から高性能アンテナに比べると受信性能は低く、基本的に強電界地域から中電界地域用の機種になる。そのため弱電界地域では使用できないこともある点があげられます。
さらに最新モデルのため、本体価格や設置費用も、地デジアンテナのモデルではもっとも高額になります。

ユニコーンアンテナの角度調整については、高所に設置されるものの、半値幅が広い上、その形状から風雨による角度のズレが生じにくく、設置後に角度調整が必要なケースは非常に少なくなります。

現在、当あさひアンテナでは、各カラーバリエーションのユニコーンアンテナ本体、および設置用部材、金具や同軸ケーブルをセットにした基本設置工事を、キャンペーン価格でご案内しております。詳しくは当社までお問合せください。
ユニコーンアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

衛星放送用:BS/CSアンテナ

前述の通り、戸建て住宅に設置されるBS/CSアンテナは基本的に、ディッシュとコンバーターから成りたつパラボラアンテナになります。
アンテナの種類としては、BS/110度CSアンテナでは、前述の通り、現在の新4K8K衛星放送にも対応できる2K4K8K対応型と、4K8K放送は一部しか受信できない旧式の2K対応型。またプレミアムサービス専用アンテナやマルチアンテナ、CS放送のみを受信するCSアンテナ等も存在します。

BS/110度CSアンテナであれば、基本的な設計はどれも同じため、メーカーやモデルによる大きな受信性能の違いはございません。ただディッシュサイズの違いの他、メーカーによってカラーバリエーション、高耐風モデルなども存在します。
一般の戸建て住宅向けのBS/CSアンテナは45型(ディッシュ有効直径が45センチ)になりますが、他にも50型、60型、75型、90型、120型などのモデルもあり、ディッシュが大きいほど受け止められる12GHz帯の電波が多くなるため、受信性能が高まります。

それより大型のBS/CSアンテナは、基本的にアパート、マンションなど集合住宅向けの共同受信用で、建物の規模に応じたサイズのものが使用されます。
ただ戸建て住宅でも、前述のように静止衛星からの距離が遠く、12GHz帯の電波レベルがやや弱まるエリアや、降雨減衰、降雪減衰への対策として、50型、60型など、やや大型のモデルが使用されることもございます。

BS/CSアンテナの本体色は、太陽光を反射してその影響を避ける白色系が中心ですが、現在では紫外線に強い塗料を使用したブラックなどのモデルも存在します。

BS/CSアンテナを設置できる位置は、前述の通り、アンテナを東経110度に向けることができ、その方向に障害物がない場所になります。ただその条件さえ整っていれば、設置位置に制限はなく、住宅の屋根の上などの高所から、壁面やベランダ内外、また室内の窓際などにも設置可能です。
また設置角度は、東経110度の方向に向けて、仰角、方位角とも正確に設置する必要があり、ミリ単位の狂いでも受信性能が下がってまいります。

さらにディッシュが風を受けやすい構造から、台風などの際や、老朽化が進んだアンテナでは角度のズレが生じやすいという弱点もございます。BS/CSアンテナはベランダなどであればDIYでの設置も可能ですが、できればアンテナ工事の専門業者にご依頼の上、角度のズレが生じにくい、しっかりとしたアンテナ設置を行うことがおすすめになります。

なおBS/CSアンテナには、ディッシュ部が風を通すパンチングホールやメッシュ仕様、その他、各部の強化などで、高い耐風性を持たせたモデルも存在します。
このようなモデルの使用は、アンテナ角度のズレへの対策にもなるため、特に台風などが多いエリアではオススメです。

当あさひアンテナでは、BS/CSアンテナの設置については、やはり国産の大手メーカーであるDXアンテナ社の45型2K4K8K対応最新モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナとセット設置の場合は、アンテナ本体や設置具、ケーブルをセットにして、税込み15,000円からの設置費用でご案内しております。
他にも受信性能を高めたい場合や、集合住宅向けの大型BS/CSアンテナの他、高耐風モデルでは、やはり45型2K4K8K対応モデルながら、ディッシュ部のパンチングホール仕様や各固定部の強化により、受信可能風速は50m/s(秒速50メートル、耐破壊風速では70m/sと、業界最強の耐風性能を誇るDXアンテナ社製「BC453SG」をご用意し、アンテナ本体と必要な部材をセットにして、特別価格でご案内しております。
BS/CSアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説

テレビアンテナの角度調整を依頼できる業者とは?

一般的に、地デジ、BS/CSの各種アンテナ工事を依頼できる業者には、各種アンテナを購入できる家電量販店やホームセンター。新築戸建て住宅の建設を担当したハウスメーカー。町の家電店。そして当あさひアンテナのようなアンテナ工事の専門業者がございます。
ただ、すでにご自宅に設置されているアンテナの角度調整や修理などの対処については、対応できる業者は限られてまいります。

家電量販店やホームセンター、またハウスメーカーの場合は、アンテナ設置工事は、あくまで店舗でアンテナ本体をご購入、また住宅を新築されたお客様のためのオプションサービスとなります。
したがって、各店舗やハウスメーカーに設置を依頼したアンテナであれば、その後のトラブルなどについてサポートを受けられることもございますが、テレビアンテナの角度調整、修理のみの依頼は受け付けていない場合もございます。

またこれらの店舗、会社のアンテナ工事は、実際に施工を担当するのは、各会社と提携した、町の電気店などの下請け業者となります。
したがってこのような店舗などへの依頼では、下請け業者への仲介手数料など、中間マージンの金額が発生して工事費が割高になることございます。またこのような下請け業者は、アンテナ工事に特化した業者ではなく、エアコン工事や各種家電製品の設置などを全般的に担当しているため、アンテナ工事の専門知識には疎いケースもございます。
そのため特にアンテナ設置の時点では、当初の電波調査などが甘く、設置できる位置や対応できる工事が限られる。設置後の電波レベルの変動などで、テレビ画面の乱れが生じやすいなどの場合もございますので、注意が必要です。

基本的に、アンテナ角度調整や修理などを依頼する場合には、アンテナ工事の専門業者へのご依頼が良いと申せます。アンテナ工事の専門業者であれば、アンテナ工事に特化した専門知識や技術が豊富で、質の高い工事を期待できることはもちろん、アンテナの修理、角度調整なども比較的、額として安い料金にて単体で引き受けてもらえることが多くなります。

また実際にアンテナ角度のズレが原因と思われるテレビ放送の受信不良が発生した場合も、実際の原因は必ずしもアンテナ角度のズレとは限りません。アンテナや配線部、関連する機器のトラブル。また周辺の電波環境の変化など、さまざまなパターンの原因が想定されます。
アンテナ工事の専門業者であれば、アンテナトラブルと思われる突発的なテレビ画面の乱れなどに際しても、その症状やアンテナ本体の状態などから、正確な原因を特定し、最適の対処法が可能となります。

アンテナ工事業者にアンテナ設置工事を依頼した場合、自社施工や機材の大量仕入れによるスケールメリットなどで、余計なコストを抑えて工事費用の低価格を実現している他、多くの業者では、5年以上の長期保証をご用意しており、その期間中に発生したアンテナトラブルであれば、無料で修理対応を受けられることが多くなります。

この保証期間は、アンテナ工事業者の施工技術に対する自信の表れでもあり、保障期間が長い業者は、それだけ長期にわたって、滅多にトラブルが発生しない施工技術を確立している証とも言えます。
そのため、アンテナ角度調整などを行う以前の、アンテナ設置の時点で、保証期間の長い優良なアンテナ工事の専門業者へとご依頼になることが、アンテナ角度のズレを予防する最良の策であるとも申せます。

ただアンテナ工事業者にも、業者の質の違いは存在します。そのためアンテナ工事や修理などをご依頼になる際には、現地に出張しての電波調査や見積もりが完全無料。公式サイト(ホームページ)などでの価格体系や施工の実例などが明確。保証期間が長い。お問い合わせ時の対応が丁寧で説明がわかりやすいなどの点から、優良な業者をお選びになる必要がございます。

なお当あさひアンテナでは、高所に設置されたアンテナの角度調整は、税込み8,000円から。部分的な破損など、アンテナ交換の必要がない故障へのアンテナ修理は、税込み5,000円からの料金でお引き受けしております。
トラブル時のご相談も、フリーダイヤル、公式サイトのメールフォーム、LINEなどの窓口をご用意しておりますので、お気軽にご相談いただけます。

また弊社の電話スタッフも、数か月に渡りアンテナ工事の作業に同行するなどして、アンテナ工事の実践的な専門知識を身につけております。
そのためご自宅でのアンテナトラブルの際、弊社フリーダイヤルへのご相談にて、スタッフがご案内した対処法だけでトラブルが解決するケースも珍しくはございません。もちろんその場合、料金は一切いただきませんのでご安心ください。

さらに弊社が設置を担当したテレビアンテナであれば、業界最長クラス、施工日からの「10年保証」をご用意しておりますので、万が一、保証期間中にトラブルが発生した時には、ご一報いただければ弊社スタッフが即座に駆け付け、完全無料で責任をもって復旧までご対応いたします。

その他、アンテナ工事業者の選び方については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しておりますので、よろしければご参照ください。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説
・業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事
・アンテナ工事の料金はいくら? 業者ごとの相場、必要な工事の選び方

テレビアンテナの角度調整・まとめ

テレビアンテナの向き、角度調整は、アンテナ設置に際して、重要な要素のひとつです。
現場の状況に適した、的確で高性能なアンテナ機種を使用し、適切な位置にアンテナを設置したとしても、アンテナ角度のズレが発生してしまえば、受信感度は大きく低下してしまいます。
そしてアンテナ角度がズレる問題は、アンテナ設置後、年数を経ての劣化による老朽化や、想定外の激しい台風などでも発生しうるトラブルになります。

そのためどのような場合でも、アンテナ角度のズレを100パーセント防止することは大変に難しいといえますが、当初のアンテナ設置工事を、専門知識が豊富で技術も確かなアンテナ工事の専門業者に依頼することで、適切なアンテナ機種や設置位置の選択も含めて、アンテナ角度のズレが起こるリスクを大きく軽減することは可能です。

なお、戸建て住宅における各種アンテナ設置位置の詳細と工事費用など。また風雨や積雪その他、自然環境や災害で起こり得るテレビアンテナの故障やトラブルと、その対策。突発的なアンテナトラブルなどへの対処法については、以下の各コラム記事で詳しくご紹介しております。

・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!

・アンテナが倒れたときの対策

・地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!

・テレビアンテナ修理の依頼前に簡単に自分で調整できること

・地域別・アンテナ修理事例を徹底解説!

・地デジ、BS/CSテレビアンテナの落雷や積雪、鳥の糞害対策は? 映らなくなる原因と防止法、対策となる設置工事

・台風や大雪、地震により起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策

・雷で起こりえるテレビアンテナのトラブルとその対策

・テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用

・火災保険の適用範囲と天災時のアンテナ修理

当あさひアンテナでは、コラム本文でもご案内した通り、ご自宅のアンテナで角度のズレなどのトラブルが発生した場合の、角度調整、修理などのご対応も、もちろんお引き受けしております。
また各種アンテナ取り付け工事についても、まず事前の電波調査、お見積りを、出張費、キャンセル料など含む完全無料でお引き受けいたします。また他社との相見積もりにもご対応しており、必ず最安値でお客様にご満足いただけるお見積をご提示いたします。

そして電波調査の結果に基づき、専門知識と経験、実績が豊富で高い技術を誇る弊社のアンテナ職人が、現場の条件で可能な限り、安定した受信性能や角度のズレなどのトラブルが生じにくいことはもちろん、アンテナ機種から住宅の外観性や対候性など、お客様のご希望にご対応できる工事を、業界最安に挑む価格でご提案いたします。
ご依頼や電波調査、お見積の当日に、即日の工事も可能である他、工事後の保障についても、前述の通り業界最長の10年保証をご用意しているため、万が一のトラブルに対しても、万全のアフターフォロー、アフターサービスで安心感をお持ちいただけます。
工事が完了した後のお支払いについても、現金だけでなく各種クレジットカード、電子マネーにもご対応しております。

各種テレビアンテナのトラブルに対する角度調整、修理から、古くなった既存アンテナの取り外し、撤去・処分と新規アンテナへの交換。ご新居の建築やお引っ越しの際の、各種アンテナ設備の取り付け工事まで、アンテナに関するご相談はどのようなことでも、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルやメールフォーム、LINEまで、どうぞお気軽にご連絡、ご質問、お問い合わせいただければ幸いに存じます。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。