デザインアンテナでテレビが映らない、受信レベル強度が低い原因と工事の対処法は? 費用相場の安いおすすめ業者の選び方も紹介
マイホームとして新築住宅を建てられて新規アンテナ取り付けを考えておられる方。また今のお住まいのテレビアンテナが故障、老朽化するなどして、既設アンテナの撤去と交換を考えておられる方には「デザインアンテナ」の存在をご存知の方も多いかと思われます。
デザインアンテナが普及しはじめたのは、2000年代、従来のアナログ放送から地デジ放送への切り替えが進んでいた時期です。
それまでの古典的なアンテナ機種だった八木式アンテナに対し、従来よりテレビ電波の波長が短いUHFに統一されたことで実現したデザインアンテナ(平面アンテナ、薄型アンテナ)は、薄型で壁面に貼り付けるように設置することから、従来のアンテナにはない、デザイン性の高い見た目の良さと、強風など自然環境への強さを実現した地デジアンテナ(UHFアンテナ)になります。
デザインアンテナが発売された当初は、従来のアンテナに比べると受信性能が弱いといわれていましたが、登場からおよそ15年、デザインアンテナも進化し、本体の受信性能は他の機種と比べても、大きくひけをとることはなくなっています。
そして旧式の八木式アンテナに比べて、見た目や耐久性その他メリットの多さから、現在ではデザインアンテナは、地デジアンテナの中でも人気ナンバーワンの機種となっています。
しかしその一方で、現在でもデザインアンテナは、地デジ放送の形式や電波の性質、主な設置位置などの条件から、安定した地デジ受信を実現するためには、設置位置の受信レベルなどの慎重に確認する必要があり、十分なチェックを怠ると、設置した後に、地デジのテレビ映像が乱れ、映りが悪くなるなどのトラブルが生じるリスクもございます。
そこで今回、当コラムの内容では、2024年現在のデザインアンテナの基礎知識と、地デジ受信の概要。参考としてその他の主な地デジアンテナ機種との比較。またデザインアンテナ設置を決定するにあたって、失敗を避けるため注意すべきポイントについて、事例に基づき一覧で解説します。
さらにそれらのポイントをしっかりと守り、安定した受信を実現できる優良なアンテナ工事業者の選び方。そしてデザインアンテナ設置工事に必要な費用の相場などの情報もご紹介いたします。
地デジで一番人気のデザインアンテナ、特徴とおすすめポイントとは?
デザインアンテナとは、地上波テレビ放送が、アナログ放送だった時代から、地上デジタル放送(地デジ放送)への転換が進んでいた2000年代初期まで、ほぼ唯一の地上波放送用テレビアンテナだった「八木式アンテナ」に続き、2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、地デジ放送専用のアンテナ機種にして、地デジアンテナの第二世代といえる機種です。
地デジ放送以前の、テレビの映像信号をそのまま電波の強弱に変換するアナログ放送では、テレビ電波として日本全国のNHK、広域民放ではVHF(超短波)と、一部都府県のみに存在する地方チャンネルではUHF(極超短波)が使われていました。
対して、デジタル放送(映像信号を0と1のデジタル信号に変換し、その信号を電波の波長に乗せて送信する)である地デジ放送では、使用される電波が周波数帯の高い(波長の幅が短い)UHFに統一されたため、それに合わせて、地デジ受信用のアンテナはすべてUHFアンテナとなり、アンテナ本体の小型化も実現されました。
それにより最初に登場した地デジ専用UHFアンテナの新機種が、デザインアンテナ(平面アンテナ、薄型アンテナ)といえます。
デザインアンテナとは一般的に、薄型のパネルのような形状を持つ地デジアンテナを指します。
デザインアンテナの主な機種である、受信性能が20素子相当のモデルは、メーカーやモデルによってやや違いはありますが、おおむね縦の高さが60センチからやや短い程度、横幅が20センチ強。厚さは設置用の金具を含めて十数センチになります。具体的には、ご家庭で使われるまな板に近いサイズと申せます。
また受信できる地デジ電波レベルが弱いエリア向けに、やや受信性能が高い26素子相当モデルも存在し、このモデルは縦の高さが60センチ強、横幅も25センチ前後とやや大型になります。
他にも、受信性能は3素子相当や16素子相当など低くなるため、強電界地域など地デジ電波レベルが強いエリア専用の機種になりますが、20素子相当モデルに比べてもサイズが約半分前後になり、屋外に取り付けるだけでなく、付属のスタンドなどで室内の窓際に据え置き設置もできるコンパクトモデルのデザインアンテナも存在します。
なお、このような平面型のデザインアンテナは、主なメーカーによってもシリーズ、ブランドの呼称が異なります。「UHFデザインアンテナ」の名称は、日本三大アンテナメーカーのひとつ、マスプロ電工が用いる名称ですが、同社ではデザインアンテナの名称を、後述するユニコーンアンテナ等、外観性や風雨への耐性に工夫を凝らしたアンテナ機種の総称として使用しています。
他にも同様のアンテナを、同じく日本三大アンテナメーカーのDXアンテナ、および三大メーカーに並ぶ規模のサン電子(「いっき」などのゲームコンテンツで知られるメーカーとは別会社)では「UHF平面アンテナ」。三大メーカーのもう一社で、アンテナ本体より関連の周辺機器に強い日本アンテナでは「薄型UHFアンテナ」の名称で販売しております。
他にも、その形状や設置方法からフラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナ、壁面アンテナんなどの名称もございますが、アンテナの基本的な構造に違いはございません。
デザインアンテナは、基本的には金属版の中央に縦長のスロット(切り込み)を入れた構造で、金属板で受け止めた電波がスロット部に集まり、そこに設置されたコンデンサーなどの回路で同軸ケーブルに電波を送信する仕組みの「スロットアンテナ」にカバーを施したものと言えます。
スロットアンテナの金属板のサイズは、大きさによって受信性能は異なりますが、受信する電波の波長の幅によって決まるため、どのメーカーのモデルも同素子数相当であれば、サイズに大きな違いはございません。
デザインアンテナのメリットは、その別名からもわかるとおり、主に住宅の壁面やベランダの手すり部に固定具を設置し、そこにアンテナ本体を固定する形が基本になります。
他にも、八木式アンテナと同じく屋根の上に立てられたマストに設置する。また現場に届く電波レベルが強い。住宅の建材や電波を通しやすいなどの条件がそろっていれば、屋根裏、天井裏などの屋内空間に設置できるケースもございます。
デザインアンテナのメリットは、その設置位置に加え、同じメーカーの同モデルでも、カラーバリエーションが豊富で、家の色合いに近い機種を使うことで、住宅の外観にマッチし、家の見栄えや景観に悪影響を与えないこと。
そして機器部にカバーが施された平面上で、壁面などに面で固定されて、アンテナ配線、ケーブル端子の接続部なども背面に隠せることから、風雨や雪、潮風などの影響を受けにくく、経年での劣化が進みにくい。そのためアンテナの破損や機能の不具合が生じにくく、寿命も15年から20年程度と長くなることです。
他にも、設置位置によってはメンテナンスが行いやすく、室内やベランダの手すりなどへの設置ではDIYでの取り付けも可能な場合がある。景観地域などで条例により設置できるアンテナが制限できる地域でも取り付けが可能。アンテナの一部が隣家の敷地に割り込む越境問題も生じにくい。屋根の上に太陽光パネルを設置している住宅でも、発電に悪影響を与えないなどのメリットが挙げられます。
業者にデザインアンテナ設置を依頼する場合の費用の相場も、20素子相当のアンテナ本体や設置具、同軸ケーブルなどの値段も含めて、20,000円台から30,000円強程度になります。
それ以前の機種である八木式アンテナに比べると、設置費用の相場にして5,000円から数千円強ほど割高になりますが、極端な高価格ではなく、寿命の長さやトラブルの少なさなど、アンテナ本体のもつメリットが豊富なため、コストパフォーマンスは非常に高くなります。
そのため現在ではデザインアンテナは、地デジアンテナ機種の中ではもっとも人気が高く、特にアンテナで住宅の見た目を崩したくない方や、自然環境が厳しい地域などで長持ちするアンテナをお求めの方をはじめ、地デジアンテナ新設工事では選ばれる割合が高くなっております。
一方、デザインアンテナも完璧な地デジアンテナではなく、他のアンテナ機種に比べて、デメリットとなる弱点も存在します。その最大のデメリットとは、他の地デジアンテナ機種よりも、受信性能が低くなる傾向がある点です。
詳しくは後述しますが、デザインアンテナは、それ以前の古典的なテレビアンテナ機種で、本体に設置された多数の受信パーツ「素子(エレメント)」で電波を受信する素子アンテナの一種「八木式アンテナ」に比べると、構造的に受信性能がやや低くなるのです。
そもそもデザインアンテナの受信性能を示す「素子数相当」は、素子を使用しないアンテナの受信性能を、素子アンテナの「素子数」に換算したものです。そして素子アンテナの素子数別の受信感度にもある程度の幅があり、素子アンテナはその幅の中で高い性能を発揮しやすいのに対し、素子を使わないアンテナは、幅の中でもやや低めの受信感度になる傾向がございます。
そしてデザインアンテナの受信感度が低くなる、もうひとつの大きな要因が、住宅の壁面やベランダなど、主な設置位置の低さです。
地デジ放送は上記の通り、高さ634メートルの東京スカイツリーをはじめとする電波塔の先端など、高い位置から周辺の一帯、住宅に設置された地デジアンテナに、上空から地面の側へと広がるようにして送信されます。これは高所から電波を送信するほど、広範囲に電波を送ることができるためです。
ただ電波塔から送信された地デジ電波は、金属素材にぶつかると反射する。また土や土壁など密度の高い素材にぶつかると吸収される性質があるため、具体的には山地や高層ビルなどの障害物にぶつかると、電波が遮られてしまいます。
ただ地デジ電波であるUHFの周波数帯は、40センチから60センチ程度の波長の幅をもち、音に近い性質があるため、高層ビルなど比較的、規模の小さい障害物にぶつかっても、ある程度は乗り越えて向こう側で広がる「回折」という性質があります。
そのため高層ビルなどで遮られた向こう側のエリアにも地デジ電波は届くのですが、回折する力も完璧ではありません。例えば高層ビルを乗り越えた電波は、ビルの角より狭い角度で広がります。したがってビルの影に当たる直近の一帯、特に中央部には、十分な地デジ電波が届かなくなり、地デジ受信が難しくなります。
同じ理由から、住宅密集地など狭い間隔で建物が立ち並ぶ現場では、電波塔に近いエリアでも、家と家の間などの狭い空間には地デジ電波が入り込みにくくなり、地デジアンテナを設置しても、十分なレベルの地デジ電波が受信できないことも考えられます。
さらに空間を伝わる地デジ電波は、一年を通した気候の変化や悪天候にも影響を受けて、空間を伝わる際の減衰(電波の弱まり)のレベルに変動が生じます。
したがって同じ位置に設置した地デジアンテナでも、受信できる地デジ電波レベルは、一年を通して6㏈程度の変動が生じる他、雨や雪などの悪天候では、空間を伝わる電波が雨や雪に吸収され、大幅な減衰が生じます。
そのため地デジアンテナの設置に当たっては、気候や悪天候による電波レベルの変動も踏まえて、あらかじめ余裕のある受信レベルを確保しておくことも必要がございます。
以上の条件から、特に受信性能がやや弱いデザインアンテナを、受信に不利となりやすい壁面など低い位置に設置する場合には、十分な地デジ受信レベルを確保できない、電波レベルの変動に影響されやすいことから、テレビやレコーダーなど受信機器のチューナーに入力される電波レベルが不足し、地デジ画面が乱れる、映らないなどのトラブルが生じやすいのです。
このような現場でも、デザインアンテナを屋根の上のマストなど、受信感度が向上する高い位置に設置することで、ある程度、受信の不利をカバーできますが、その場合、デザインアンテナのメリットである外観性や風雨などへの強さがやや損なわれるほか、設置位置は同じでも、やはり受信性能では八木式アンテナには及ばないという面もございます。
総じてデザインアンテナの壁面などへの設置では、地デジ放送や電波、アンテナに関する専門知識が豊富で、事前にお住まいで緻密な電波調査を行って、受信できる電波レベルが高く、気候や天候による電波レベルの変動を踏まえても、デザインアンテナで正常な受信を実現できる位置が存在するかを確認し、位置を正確に特定できる。また完全自社施工でコストを抑えて高品質な施工を行う、アンテナ工事のプロである専門業者にご依頼になることが重要です。
逆に家電量販店やホームセンター、住宅を建築したハウスメーカーによるアンテナ工事は、実際の施工は近隣の電気店などの下請け業者が担当するため、仲介手数料など中間マージンの発生により工事費用が相場でも割高になるというデメリットが生じます。
さらにこれら業者の下請け業者は、アンテナ工事の専門家ではなく、エアコン取り付けや大型家電の設置など、一般住宅での電気工事などを全般的に引き受ける業者になります。
そのため、業者によってはアンテナ工事に特化した専門の知識や技術が少ない場合もあり、受信感度が安定しやすい屋根の上など高い位置に、受信性能の高い八木式アンテナを設置する工事であれば特に問題はなくとも、デザインアンテナの壁面設置では、十分な電波レベルの確保などが甘く、設置後に一部のチャンネルや悪天候の際などに、受信感度が低下して画面が乱れるなどのトラブルが生じる、その他、全体的な施工の丁寧さに欠けるケースもございます。
以下の項では、地デジアンテナ他機種の概要。またデザインアンテナを設置するにあたって、受信不良やその他のトラブルの原因になりやすい各種の注意点と、その問題を回避するポイントについて、一覧でご説明してゆきます。
なお当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事について、DXアンテナ製の高品質20素子相当モデル「UAH201」。もしくはマスプロ電工製、強電界地域専用コンパクトモデルに、業界最小級のスカイウォーリーミニ「U2SWLC3」を、各カラーバリエーションも含めてご用意しております。
そして各アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルの代金もセットにした基本設置工事費用を、税込み20,000円からでご案内いたしております。
また業者によっては別途、特殊工事費用が発生することもあるデザインアンテナの屋根裏、天井裏への設置も、弊社では、現場の条件で可能であれば、基本設置工事費のみでお引き受けいたします。
他にも受信レベルがやや低いエリア向けに、26素子相当デザインアンテナもご用意しておりますので、綿密な電波調査に基づいて、現場の条件で安定した受信が実現できる限り、デザインアンテナの取り付けにご対応いたします。
デザインアンテナの種類や特徴、またUHFアンテナ設置に必要な地デジ受信の基礎知識と、デザインアンテナ設置に適した工事業者の選び方、料金相場などについては、以下の各コラム記事にもそれぞれ詳しくご説明しております。
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地デジアンテナ:八木式アンテナの選び方
八木式アンテナとは、デザインアンテナより一世代前のアンテナであり、アナログ放送時代から使用されている、古典的なテレビアンテナです。
現在の地デジ用UHFアンテナとしての八木式アンテナの形状は、矢印状の骨組みに、電波を受信するパーツの短い横棒(素子、エレメント)が等間隔でいくつもついた、魚の骨のような形状です。
八木式アンテナは、アナログ放送時代から知られる通り、基本的には戸建て住宅の屋根の上に、マスト(ポール、支柱)を立て、その先に固定されるアンテナです。
その他、設置位置が低くなる分、デザインアンテナと同様、受信感度に影響を受けることもございますが、サイドベースという固定具を用いて、住宅の壁面やベランダの手すり部に設置される。またベランダ内部空間や、素子数の少ない小型モデルを軒先から吊り下げる設置方法もございます。
八木式アンテナの第一のメリットは、前述の通りシンプルな素子アンテナの構造と、設置位置が高くなることから、他の地デジアンテナ機種に比べて受信性能が高い点です。
また8素子、14素子、20素子など受信性能別のモデルが多く、日本国内でも強・中・弱電界地域など、もっとも幅広いエリアに対応できます。
さらに、一ヵ所の上下左右に複数の素子パーツを並べ、27素子や30素子のモデルも存在することで、通常モデル約4台分の受信性能を持ち、微弱電界地域でも使用できる高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)。地デジ電波でも対応できる物理チャンネル(周波数帯)を絞ることで受信性能を高めたローチャンネル用などのモデルが存在します。
そのため八木式アンテナは、現在でも受信性能については、もっとも優れた地デジアンテナ機種と言えます。その一方で、古くから使われる古典的な機種であることから、現在では地デジアンテナ機種の中でも、もっとも低価格で設置できる機種になります。
一方で八木式アンテナのデメリットは、古典的な形状で屋根の上に立てられることから、家の外観や景観に悪影響を与えやすい点。また雨風や雪、潮風など自然環境に影響を受けやすく、耐用年数が10年程度と短くなり、老朽化が進むと角度の狂いや故障などのトラブルが生じやすくなる点です。
総じて八木式アンテナは、受信性能一点張りで、外観性や耐久性がやや低くなる、デザインアンテナとは正反対との特性を持ちます。裏返せば、八木式アンテナの弱点をカバーするために誕生したのがデザインアンテナということです。
八木式アンテナでデメリットを抑える方法としては、外観については、外部からの死角や目立たない位置に設置する。自然環境に対しては、設置位置の工夫の他、塩害用、雪害用、ステンレス製など対候性の高いモデルを利用する対策が挙げられます。
八木式アンテナの基本設置工事を業者に依頼する場合、20素子のアンテナ本体や設置具、同軸ケーブルなど部材の費用を含めて、20,000円弱から30,000円ほどが相場になります。
そして当あさひアンテナでは、八木式アンテナ基本設置工事に、DXアンテナ製の20素子高品質モデル「UA20」本体と、屋根馬やマスト、支線(ステー)などの設置金具、同軸ケーブル、本体の防水処理もセットにした基本設置工事を、税込み15,000円からでご提供いたしております。
他にも八木式アンテナの各素子数モデル、高性能アンテナ。また対候性の高いステンレス、塩害用、雪害用などのモデルなどもご用意しておりますので、現場の受信環境から自然環境まで、さまざまな現場で安定した受信と、可能な限り、外観や耐久性を高めた八木式アンテナ設置工事を実施いたします。
なお八木式アンテナの機種や設置工事については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
地デジアンテナ:ユニコーンアンテナの選び方
ユニコーンアンテナとは、マスプロ電工より2017年(平成30年)に発売された、地デジアンテナの第三世代に当たる新機種「U2CN」の商品名です。
この機種は高さ約67センチのほぼ円筒形をしたスタイリッシュな形状で、本体色には、艶を消したウォームホワイトとブロンズブラックの二色が存在します。
なお平面アンテナに「デザインアンテナ」の名称を用いるマスプロ電工では、ユニコーンアンテナもデザインアンテナのバリエーションとして扱っております。
ユニコーンアンテナの設置は、基本的に屋根の上のマストか、住宅の破風板(屋根の張り出し部)か壁面の高所にサイドベースで固定され、アンテナ本体が屋根の上に突き出すように設置されます。
ユニコーンアンテナの特性は、モダンが外観から住宅の見た目や景観に悪影響を与えにくい点。そして風雨を受け流せる形で経年劣化に強い点で、その寿命も含め、デザインアンテナとほぼ同等のメリットを持ちます。
デザインアンテナとの違いは、さらに本体の受信性能は20素子相当ながら、設置位置を高く取れるため、デザインアンテナよりも受信状況が改善し、安定しやすくなる点です。
そのため高層建築の近隣、住宅密集地をはじめ、壁面などの位置で地デジ電波が遮られ、デザインアンテナを設置できない現場でも、ユニコーンアンテナ設置であれば同様のメリットを保ちつつ設置できる可能性が高くなるため、デザインアンテナが使用できないデメリットを解決できるケースが多くなるのです。
逆にユニコーンアンテナのデメリットは、同じ位置に設置されても、20素子の八木式アンテナにはやや受信性能が及ばないため、デザインアンテナと同様、基本的に強・中電界地域向けの機種になる点。そして最新機種のため、設置の費用が他の機種に比べて高額になる点です。
アンテナ工事業者にユニコーンアンテナの基本設置工事を依頼する際の費用は、アンテナ本体や必要な部材の費用を含めて、33,000円から40,000円程度が相場になります。
なお当あさひアンテナでは、各色のユニコーンアンテナ本体と基本設置具、同軸ケーブルの費用をセットにした基本設置工事を、今なら「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社フリーダイヤルなどにお問い合わせくださいませ。
またユニコーンアンテナの詳細については、下記の各コラム記事もご確認ください。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
デザインアンテナ取り付けで注意すべきポイントと対処法とは?
ここからの項目では、戸建て住宅の壁面やベランダなど、住宅内でも低い位置にデザインアンテナを設置する場合に、十分な電波レベルを確保できないためテレビ画面が乱れるなど、想定される各種の問題点やその要因。
そしてデザインアンテナを設置する際に、それらの問題を避けて、安定した受信を確立できる方法を総合して解説してまいります。
デザインアンテナ設置の注意点1:受信レベルによって使用できるエリアが限られる。
すでにご説明した通り、電波塔から届く地デジ電波は、空間を伝わって遠くまで伝送されるほど、電波レベルが減衰してゆきます。
電波塔の先端から送信される地デジ電波塔が到達するエリアは、電波塔の周辺、または特定方向に送信された地デジ電波が、空間で減衰してゆきエネルギーを失うまでの距離か、山地などに遮られてその先に届かなくなるまでの範囲です、
そして電波塔からの電波が届く範囲内であっても、到達する電波レベルは、電波塔から離れてゆくほど弱まってゆくため、住宅などに設置する地デジアンテナの機種、モデルも、各エリアで受信できる電波レベルに対応した製品を用いることが必要です。
この、受信範囲内の各現場で使用すべき受信性能の地デジアンテナ機種の目安として、表記されるのが「電界地域」と呼ばれる基準です。
この電界地域は、放送局や各アンテナメーカーが独自の基準で定義しているため、分類や細かな基準は異なる場合もございますが、主に電波塔から近く、受信できる電波レベルが高い地域から、距離が離れて電波レベルが弱まるエリア順に、強・中・弱の電界地域に分けられます。
この電界地域の基準を示す数値は、地デジ電波の強さを基準となる値の常用対数で表す「㏈(デシベル)」になります。地デジ電波のレベルは主に0㏈から100㏈で表されますが、この数値は通常の四則演算ではなく、元の数値から10㏈高くなるごとに、電波の強さは元の数値のおおよそ10倍になる目安になります。
そして一般的に20素子相当のデザインアンテナは、本体の受信性能がやや低いことに加え、設置位置の低さも受信に不利であることから、基本的に電波塔に近いエリアの強電界地域(受信できる地デジ電波レベルが80㏈(デシベル)以上)か、中電界地域(受信できる地デジ電波レベルが80㏈から60㏈程度)のエリアでしか使用できません。
強・中電界地域より電波塔から遠い弱電界地域(受信できる地デジ電波レベルが60㏈未満)など、地デジ電波レベルが低くなるエリアでは、26素子相当のデザインアンテナを使うことで、一定レベルの地デジ電波を受信できることもございますが、どのような現場でも必ずしも対応できるとは申せません。
以前は、デザインアンテナ本体の受信性能の弱さをカバーするため、各メーカーにてアンテナ本体に電波を増幅するブースターを内蔵し、電源の機器も付属するモデルも存在しましたが、内蔵ブースターが故障した時に交換が難しくなることから、近年では取扱が少なくなっており、代わりに本体の背面部に専用のブースターを設置できるスペースを用意したモデルなどが登場しています。
ちなみに受信性能が高い八木式アンテナは、各エリアで適切な素子数モデルを使用し、受信環境のいい屋根の上など高所に設置することで、強・中・弱すべての電界地域に対応できます。
さらに弱点界地域よりさらに遠く、通常の地デジアンテナでは安定した受信が難しくなるため、受信範囲外になる微弱電界地域でも、高性能アンテナであれば受信できます。
また高所に設置されることでデザインアンテナより受信感度が向上するユニコーンアンテナも、本体の受信性能は八木式アンテナに及ばないため、やはり強・中電界地域向けの機種になります。
ご自宅のエリアがどの電界地域になるかについては、インターネットの検索で「A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)」公式サイト内のページから「地デジ放送エリアのめやす」を確認することで、ご自宅の周辺にある電波塔の位置、およびその電波塔から見た各電界地域を、地図上の色彩によって調べることができます。
なお、電界地域や地デジ電波の性質については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説
・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説
・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
デザインアンテナ設置の注意点2:住宅の壁面では地デジ電波レベルが下がってしまう。
デザインアンテナをはじめ、地デジアンテナには、アンテナの正面側でのみ受信性能を発揮する「指向性」という性質がございます。
そのため、デザインアンテナを壁面やベランダなどに設置する場合には、アンテナの正面側を、電波を受信する電波塔の方向に向けて、正確に角度調整できる側の壁面に設置することが基本となります。
逆に電波塔から見て死角になる側の壁などには、地デジ電波が届かないためデザインアンテナは設置できません。
そして上記の通り、同じ戸建て住宅でも、四方が開けて周辺に障害物などがなく、電波塔からの電波が届きやすい屋根の上などの高い位置に比べて、位置が低い壁面やベランダなどでは、周辺の障害物などに影響を受けやすく、電波の状況が悪くなるため、地デジ電波が遮られやすくなります。
したがって、デザインアンテナで対応できる強・中電界地域であっても、前述した高層ビルなどの近隣や、住宅密集地などの周辺環境が悪い場合は、デザインアンテナを購入しても、壁面やベランダへの設置ができないケースも出てまいります。
また実際には各電波塔の先端、高所から送信される地デジ電波は、空間を伝わって直接、地デジアンテナまで届く電波だけでなく、高層ビルなどにぶつかって反射する「反射波」や、やはりビルなどの障害物を乗り越えて広がる「回折波」など、方向が変化する電波も発生します。
そのため住宅の壁面に届く地デジ電波は、周辺の障害物に遮られる一方で、意外な方向から特定のポイントのみに十分なレベルが届くケースも考えられます。
このように実際の現場で受信できる地デジ電波状態は、複雑な条件によって入り組んでおります。
だからこそ、ご自宅の壁やベランダにデザインアンテナ設置をお考えの際には、強・中電界地域であっても、まずはアンテナ工事の専門業者へと電波調査をご依頼になり、プロの技術により壁面でもさまざまな位置で精密に電波レベルを確認して、場合によってはピンポイントでデザインアンテナ設置に適した位置を割り出すことが大切になるのです。
なお当あさひアンテナでは、地デジアンテナ等を設置するにあたり、事前の電波調査とお見積もりを、現地への出張費、キャンセル料など、必要な各種費用をすべて含めた「完全無料」で実施いたします。
弊社の電波調査では、社員スタッフの優れたアンテナ職人が、プロ仕様の高性能アンテナレベルチェッカーによって、お住まいの各部屋や各位置で、綿密に電波のレベルや方向、品質をチェックいたします。そのためデザインアンテナについても、全体的に受信レベルが低く、設置が難しいと思われた壁面で、ピンポイントのレベルで受信レベルが高くなる位置を割り出し、設置を実現できた施工例もございます。
その他、弊社ではどのような現場であっても、細心の電波調査に基づいて、可能な限りお客様のご希望に沿える地デジアンテナ工事を、業界最安に挑むお見積の価格でご提案いたします。
本項でご説明したアンテナ工事業者による電波調査とお見積り、また地デジアンテナの指向性については、以下の各コラム記事でそれぞれ詳しくご説明しております。
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
デザインアンテナ設置の注意点3:壁面設置では壁にビス穴を開ける必要がある。
デザインアンテナの一般的な設置方法は、住宅の壁面、またはベランダの手すり部に専用の設置具を取り付けて、その設置具にデザインアンテナ本体を固定。電波の届く方向へとアンテナの正面部を左右に角度調整して、受信レベルがもっとも高くなる角度で固定します。
固定金具へのアンテナ取り付け方法や角度の調整方法は、メーカーやモデルによって異なり、主に本体の中央でマスト状の部分に固定して左右に傾ける。または本体の左右の端でマスト状の部分に取り付け、左右開きの扉のように角度調整する形が多くなります。
いずれにせよデザインアンテナの設置は、室内などへの据え置きを除けば、まず専用の固定具を適切な場所に取り付ける必要がございます。
そしてベランダの手すりなどに取り付ける場合であれば、手すりを金具で前後から挟み込んでボルトなどで固定する形になり、住宅や家の設備そのものを加工する必要はございません。
ただ、手すり部分への設置では、アンテナを設置できる範囲が限られるため、ベランダの手すりの位置が電波塔の方向に向いており、距離が近く障害物もないなど、手すり部で受信に適した条件が整っていること。そして手すりの形状に適合する設置具を使用する必要があること。ゴムなどの緩衝材を使用しない限り、金具に触れる部分に擦り傷などが生じる危険性があることについては、ご注意ください。
そして外壁に設置する場合は、住宅の全方向や壁面の高さから、地デジ受信に最適の設置位置を選びやすくなりますが、一方で壁に設置具を固定するため、壁にビス穴を開ける必要が出てまいります。
当然ながら、いったん壁にデザインアンテナを設置したあとで、設置の位置から受信感度が不足するなどの問題が出ても、一度、壁に開けたビス穴を修復することはできません。
そのためデザインアンテナの壁面設置では、まずデザインアンテナを設置する位置で、すべてのチャンネルの電波が安定して受信できるか、綿密な電波調査が必要になります。
この点からも、デザインアンテナの設置に当たっては、テレビ放送や電波に関する知識が豊富で、現場で電波レベルはもちろん、厳密な電波調査により壁面のデザインアンテナでもすべてのチャンネルで安定した受信を実現できる位置を特定できる、アンテナ工事のプロと言える専門業者に依頼することが重要と言えます。
当あさひアンテナが壁面にデザインアンテナを取り付ける際には、あらかじめ精密な電波調整を行い、全チャンネルで安定した受信を実現できる位置を特定することはもちろん、壁面への設置工事については、経験豊富なプロの職人が、まずお客様のご要望などを伺い、しっかりと確認いたします。
その上でご要望に基づきつつ、壁面でもビスによりアンテナをしっかり固定できる、壁の中に柱が通る位置を見極め、精密な電気ドリルで、最小限かつ的確なビス穴を開けます。
もちろん各ビス穴にはすべて変性シリコンなどのコーキング剤を丁寧に充填し、壁面のビビ割れや、雨水などの浸み込みによる腐食などを防止する施工を実施しております。
使用するビスは、アンテナ設置部を固定する主なビスは、長さ65ミリ、直径4.2ミリの極細ビス。また用途に応じて補助的に使用する長さ40ミリと25ミリのビスもあり、その直径は3.8ミリになります。
一般的な20素子相当デザインアンテナ本体の重量は、設置金具の重さを含めて2キロ前後になるため、65ミリのビスを用いて、6カ所のビス穴を外壁に開けることになります。
このように丁寧な電波調査と施工により、当あさひアンテナでは、壁面へのデザインアンテナ設置についても、壁面の加工を必要最小限に抑え、安定した受信、長持ちするアンテナの取付をお約束しております。
デザインアンテナの注意点4:ハイトパターンの影響にも対応する必要がある。
現在の地デジ電波には「ハイトパターン」という性質があります。この性質を簡単にご説明すると、地デジ電波を受信できるエリアでも、地面から高さが上がるにつれ、おおよそ数メートル程度のペースで、受信できる地デジ電波の強度が、波打つように強弱を繰り返すという性質です。
これは、同じく電波塔から送信される地デジ電波でも、空間を伝わって、そのまま住宅の屋根の上や壁面など、地デジアンテナが設置される位置に直接、届く電波。そしていったん地面まで届いた後、地面に反射して上昇するような方向に送られる地デジ電波が干渉しあって発生する現象になります。
そのためハイトパターンは、地デジ電波が受信できるエリアでは、必ずと言っていいほど発生する現象です。
このハイトパターンのひとつの山もしくは谷の最大部分、つまり受信できる電波の最大(もしくは最小)から次の最大(最小)までの幅のことを「ハイトパターンピッチ」といい、地デジ電波のUHFではおおよそ数メートル範囲になります。
このハイトパターンピッチは、数式は少し複雑になりますが、電波の周波数帯と、電波の送信元(電波塔)の高さ、送信元から受信する地デジアンテナまでの距離を元に算出できます。
ちなみにUHFよりも波長の幅が長い(周波数帯が低い)VHFが主なテレビ電波として使われていたアナログ放送の時代にもハイトパターンピは存在しました。ただ周波数帯の低さからハイトパターンピッチが数十メートルになったため、アンテナの設置に実質的な影響はありませんでした。
そして特にデザインアンテナの設置でもっとも注意すべきポイントは、同じ地デジ電波塔から送信される地デジ電波でも、チャンネルによってハイトパターンビッチに違いが生じるという点です。
と申しますのも、上記の通り、地デジ電波の周波数帯は、UHFのうち470MHzから710MHzまでであり、その周波数帯を6MHzずつ、13ch.から52ch.の40の物理チャンネルに分けて、電波塔ごとに、放送されるテレビ局の各チャンネルに、ひとつの物理チャンネルを割り当てて放送しているのです。
この物理チャンネルは、全国の地デジ電波塔において支障がない範囲で、できるだけ周波数帯の低い物理チャンネルが使われる傾向がございます。そしてひとつの電波塔から送信される、各チャンネルに割り当てられた物理チャンネルは、地域や電波塔によっても異なりますが、多い場合は10チャンネル程度になります。
そのため、同じ電波塔から送信される各チャンネル(放送局)でも、使われる周波数帯(物理チャンネル)には微妙な違いがあり、同じ電波塔から送信される物理チャンネルでも、特に周波数帯が離れたチャンネルでは、ハイトパターンピッチに大きな差が出るのです。
屋根の上に八木式アンテナなどの機種を設置する場合でも、このハイトパターンピッチを考慮して、アンテナ本体を設置する位置を、上下に微調整することもございます。
ただ比較的、電波塔に近く、そして設置場所が高い地デジアンテナの設置であれば、アンテナまで届くテレビ電波レベルがどのチャンネルも全体的に強いため、ハイトパターンや、各チャンネルのピッチの差などが、あまり問題にならないケースも多くなります。
ただ電波塔からやや離れた場所や、特に壁面へのデザインアンテナ設置などでは、受信できる地デジ電波レベルが全体的に低くなります。そのため、例えば特定の放送局のチャンネル(物理チャンネル)を基準に、受信レベルが高くなる位置を決めてしまうと、そのチャンネルとハイトパターンピッチに大きな差が出る他のチャンネルにおいて、ハイトパターンで電波レベルが低くなる位置に当たってしまい電波レベルが弱まることで、特定のチャンネルだけテレビ画面が乱れるなどの問題が生じることも考えられるのです。
そして前の項でご説明した通り、デザインアンテナの壁面設置は壁にビス穴を開けることになるため、特に壁面など低い位置へのデザインアンテナの設置では、受信できる地デジ電波について、ハイトパターンの影響も考慮して、すべてのチャンネルの受信レベルがバランスよく安定した位置を特定することが重要になります。
この点も、デザインアンテナの設置は、アンテナ工事のプロである専門の事業者にお任せになった方がいい理由のひとつと言えます。
またハイトパターンについては、下記のコラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
デザインアンテナ設置の注意点5:現場で水平偏波と垂直偏波を確認する必要がある。
日本国内の各電波塔は、90パーセント以上で、地面に対して水平の波長を描く「水平偏波」を送信していますが、残り10パーセント以下の一部地域では、地面に垂直の波長を描く「垂直偏波」を送信しています。
これは、携帯電話の基地局などが近いエリアで、周波数帯が近い地デジ電波と携帯電話の電波が同じ空間を走ると、双方の電波が入り混じってひとつの電波となり、受信や通信の障害が発生する「混信」が起こるリスクが生じるためです。
ただ周波数帯が近い電波でも、波長の方向が異なれば混信が起こりにくくなるため、混信のリスクが予想されるエリアでは、電波塔からの電波を垂直偏波にすることで、ノイズによる混信を避けているのです。
そして地デジアンテナも、例えば八木式アンテナでは、水平、垂直の偏波に合わせて、アンテナの角度を90度、変更して設置する必要がございます。
ただデザインアンテナの場合、一部のコンパクトモデルを除き、同じ方法で垂直、水平の偏波に合わせると、メリットであるアンテナの外観や、左右の角度調整に問題が生じます。
そのため大半のデザインアンテナは「水平偏波専用」のモデルになり、水平偏波を受信するためには「垂直偏波専用」と表示されたモデルを使用する必要がありますのでご注意ください。
ちなみにユニコーンアンテナは、最新モデルであることから、現状では水平偏波専用の機種のみで、垂直偏波には対応できません。
なお、お近くの電波塔から送信される地デジ電波が、水平偏波か垂直偏波かを確認するには、総務省や各テレビ局、アンテナメーカーなどの公式サイトで、電波塔の一覧から調べる方法がございます。
当あさひアンテナでは、各エリアごとに受信できる電波が、水平偏波か垂直偏波かを熟知していることはもちろん、工事に用いるデザインアンテナ本体にも垂直偏波専用モデルをご用意しているため、どちらの電波を使用する現場でも、デザインアンテナ設置工事にご対応できます。
水平偏波と垂直偏波については、以下のコラム記事でも詳しくご紹介しております。
デザインアンテナの適切な壁面設置の方法・まとめ
デザインアンテナを設置をご検討されるにあたっては、本文でご説明したポイントにも注意される必要があり、現場の条件によっては設置できないケースもございます。
デザインアンテナの設置で想定される主な失敗例とその原因、失敗を避ける対処法。また現場の条件で可能であればメリットの多いデザインアンテナの屋根裏、天井裏など屋内への設置に関しては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
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