台風や大雪、地震でテレビが映らなくなる原因は? アンテナの災害への対処法と、対策となる風などに強いアンテナ機種を紹介!
日本という国はよく「四季のある国」といわれます。実際には四季は世界中の多くの国に存在し、ただそれがはっきり感じやすいかどうかの問題なのですが、それでも日本は世界的にみても、明確な四季に恵まれた国であるといえるでしょう。
ただこの四季の豊かさは、地域によっては冬場の寒さなど厳しい気候に見舞われるといった面と表裏一体でもあります。日本には毎年のように台風が訪れ、ときに猛烈な強風や洪水などによる被害を巻き起こします。東北や日本海側には豪雪地帯も多く、冬場には雪害や通行止めなども頻発します。そして地震も頻繁に起こることから、日本は「災害大国」と呼ばれることもございます。
もちろん想定される大地震など、大規模な災害に対しては、国や自治体も考えうる限りの対策を取っています。ただ、豪雪地帯や台風銀座と呼ばれる地域にお住まいの方には、そこまで激しい自然災害ではなくとも、毎年の台風や大雪により、家屋のどこかに損害を受ける、またその対策に手間や費用がかかるなどで、苦心されている方も多いのではないでしょうか。
そしてお住まいでも、自然災害によるトラブルが生じやすい部分のひとつが、ほとんどの住宅に設置されているテレビアンテナになります。屋根の上に設置されることが多い地上デジタル放送(地デジ)や衛星放送(BS/CS放送)のアンテナには、わずかな角度のズレでも受信不良によるテレビ映りの不具合が生じやすいという性質がございます。
そのためテレビアンテナは、猛烈な台風。大雪による屋根の上への積雪。さらには大地震ではなくとも、ある程度の震度で衝撃を受けるなど、各種の災害に影響されやすく、また屋根の上にあることから、アンテナの角度がずれるなど軽度のトラブルでもご自宅での復旧は難しいものとなり、状況に応じてアンテナ工事のプロである専門の業者にアンテナ修理を依頼しなければならないなど、費用もかさんでまいります。
当コラムでは、2023年(令和5年)度の最新データに基づき、台風、大雪、地震などで起こりえるアンテナトラブルの一覧と、アンテナ機種から設置の工法まで、災害によるアンテナトラブルを避けるための工夫までをご説明してゆきます。
なお、自然災害、自然環境の影響によって起こり得るアンテナトラブルと、その対策についての総合的な情報は、以下のコラム記事で詳しくご紹介しております。
地震や強風でテレビの地デジアンテナが倒れるなどの問題に対処法や対策はある? 修理費用の相場や安い工事業者の選び方も解説!
また、自然環境、災害によるアンテナトラブルに関して、災害の種類別での詳しい解説は、以下の各コラム記事にお役立ちとなる情報がございます。
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テレビアンテナ機種による自然災害への対策
まずは、現在使われるテレビアンテナ機種について、台風、大雪や地震などの災害への強さ、弱さを解説してまいります。
アンテナの性能がご自宅やお住まいのエリアの条件、電波の強度に一致しており、アンテナ設置が可能な場合であれば、自然災害に強いアンテナ機種をご選択になることで、災害によるトラブルのリスクを大幅に軽減することができます。
自然災害に影響を受けやすいテレビアンテナ
八木式アンテナ(地デジアンテナ)
八木式アンテナは、魚の骨のような形状で主に屋根の上に設置される、昔ながらのテレビアンテナです。名称は開発者の一人である八木秀次博士に由来し、八木アンテナ、または共同研究者であった宇田新太郎博士の名前も含めて八木・宇田アンテナと呼ばれることもあります。
アナログテレビ放送の時代から使われ続ける古典的なテレビアンテナで、周辺の障害物による影響を受けにくい高所に設置できることや、魚の骨の横棒にあたる電波の受信部「素子(エレメント)」数の違いによるモデルが数多く、幅広い受信性能を持つことから、現在の地デジアンテナとしても、他のどの機種よりも高い受信感度を誇ります。そのため今日でも強電界地域から弱電界地域、さらには地デジ電波レベルが微弱になるエリアまで、幅広いエリアで利用されております。
またシンプルな設計で生産技術、アンテナ設置の施工技術なども確立されていることから、地デジアンテナの中では本体価格、アンテナ設置工事費ともに、もっとも低価格なアンテナ機種でもあります。
ただ一方で、やや大型で独特の形状や、主に屋根の上へと設置される点は、そのまま風雨や大雪などに影響されやすい弱点にもつながります。また長期間、風雨にさらされ続けることから老朽化も進みやすく、経年劣化により耐久性が低下した八木式アンテナは、さらに自然災害の影響を受けやすくなってまいります。屋根の上に設置されることから、トラブルの際の対処や点検がご家庭では難しく、アンテナ修理などをプロの業者に連絡して依頼しなければならないという問題もございます。
一般的に八木式アンテナの寿命は10年程度といわれており、その年数をすぎると交換を考える必要がございます。軽量化による耐風性や防水性能が向上した近年のモデル、また支線環境の厳しいエリアに対応できる雪害用、塩害用モデルなどでは、寿命が十数年ほどに伸びることもございますが、逆に気候が厳しい地域や、潮風を受ける海沿いなど環境が厳しいエリアであれば、老朽化の進行により、寿命が10年以下になってしまうこともございます。
八木式アンテナや地デジ放送の電波に関して、詳しくは下記の各コラム記事でも解説しております。
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BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)
衛星放送(BS/CS放送)用のアンテナは、電波を受け止める皿のような形をしたディッシュ部と、ディッシュの内側に反射して中央に集まった電波を受け止め、変換する一次放射器およびコンバーター部。そしてそれを支えるコンバーターアームから成り立っているパラボラアンテナです。
パラボラアンテナであるBS/CSアンテナは、基本的な構造、形状などは、どのメーカーもほぼ同じものになり、アンテナとしての性能も大きな違いはございません。ただ製造の精度や、そこからくる耐久性などは、有名メーカーの品の方が信頼できるといえます。
そしてBS/CSアンテナもやはりパラボラアンテナの形状から、強風や積雪などに影響されやすいという面がございます。特に衛星放送の受信は、ミリ単位の角度調整が必要となるため、気候の影響によるわずかな角度のズレでも、受信性能が大きく低下し、衛星放送のご視聴に支障が出ることがございます。また宇宙空間に浮遊する人工衛星から放送電波を送る衛星放送では、雨や雪など天候が悪い際、電波の減衰や乱反射が起こってテレビ画面の映りが悪くなること(降雨減衰、降雪減衰)もございます。
BS/CSアンテナの種類としては、一般家庭用のモデルではディッシュ部の直径が45センチ、50センチ、60センチのもの。さらにマンションなど集合住宅向けの共同受信用としてそれ以上のサイズのものもございます。
一般的な戸建の家への取付では、45センチ型で十分ですが、日本国内でも北端や南端に近い地域、また離島などでは、静止衛星からの距離が遠い分だけ衛星放送の電波がやや弱まるため、やや大型のモデルが必要となります。大型のBS/CSアンテナは受信感度が高くなる分、悪天候でも安定した衛星放送の受信が可能になる半面、その大きさから風雨などの影響を受けやすくなることもございます。
他にも、2018年(平成30年)12月にスタートした「新4K8K衛星放送」に対応する4K8K対応型と、旧式の2K対応型の違いがございます。現在のBS/CSアンテナは、2K対応型は製造終了になり、ほぼすべて4K8K対応型になっておりますが、新4K8K衛星放送のスタート以前に設置されたBS/CSアンテナは、2K対応型の可能性もあり、その場合は一部のチャンネルを除いて、新4K8K衛星放送に対応できなくなっております。
またBS/CSアンテナの基本色である太陽光に強い白色系の他、やはり太陽光に耐性の高い塗料を用いたカラーバリエーション。BS/CSアンテナの弱点である風雨などへの弱さを克服すべく、ディッシュ部をメッシュ仕様やパンチングホール仕様にすることで耐風性を高めたモデルもございます。これらのモデルについては後述いたします。
一般的なBS/CSアンテナや衛星放送の受信に関する詳細は、以下の各コラム記事をご参照ください。BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
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自然災害に影響を受けにくいテレビアンテナ
デザインアンテナ(地デジアンテナ)
デザインアンテナとは、主に住宅の壁面に設置される、薄型で軽量の地デジアンテナです。そのためフラットアンテナ、壁面アンテナ、平面アンテナなどの別名もございます。2009年(平成21年)頃より普及しはじめた地デジアンテナの第2世代で、壁面やベランダの手すり、ベランダ内部などに設置できる他、条件が整っていれば住宅の天井裏、屋根裏などへの設置も可能です。
デザインアンテナの特徴は、その形状とアンテナ設置位置、さらにカラーバリエーションも豊富なことから、設置しても目立たず、住宅の外観や近隣の景観を乱さないこと。そして雨風や積雪などの自然環境にも非常に強いことが挙げられます。
特に屋根裏、天井裏空間への設置では、現場の電波状態や屋根裏の形状、屋根材などの素材といった条件で、設置が難しくなることもございますが、可能であれば住宅の外観を変えない上、アンテナへの風雨などの影響もほぼ皆無となる施工が可能です。
他にも比較的、設置位置が低いため、メンテナンスやトラブル時のアンテナ修理が簡単などのメリットもございます。
一方、デメリットとしては、八木式アンテナに比べると、本体価格やアンテナ設置工費がやや高額になること。また設置位置が低くなることから受信感度もやや低下し、八木式アンテナの高性能モデルで地デジ受信が可能になるような弱電界地域では、使用できないケースもあることです。
デザインアンテナについて、詳しくは以下の各コラム記事をご参照ください。
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ユニコーンアンテナ(地デジアンテナ)
ユニコーンアンテナとは、2010年代後半に登場した最新鋭の地デジアンテナで、第3世代にあたるモデルです。その形状はポールの先にほぼ円柱状のアンテナ本体が設置されている非常にスタイリッシュなもので、ポール型アンテナとも呼ばれます。
主な設置場所は八木式アンテナと同じく屋根の上になりますが、その他、屋根の張り出し部(破風)や壁面などにも設置できます。
ユニコーンアンテナの特徴には、高所に設置することで高い地デジ受信性能を発揮できる。デザイン性が高いため住宅の外観や景観を乱さない。またその形状や設置位置から、屋根の上に太陽光パネルがある住宅にも邪魔にならず設置できるなどの点がございます。
中でも、風雨が通り抜けやすい形状から、台風など強風の際にも影響を受けにくく、経年劣化や気候によるトラブルが起こりにくいというのが、ユニコーンアンテナの大きなメリットです。総じて、高所に設置できる八木式アンテナと、スタイリッシュで外観性がよく、自然災害にも強いデザインアンテナの長所を兼ね備えた地デジアンテナといえます。
ユニコーンアンテナのデメリットとしては、地デジアンテナでは現在の最新機種であるため、他の2機種より本体価格や設置工費が高くなる点。また八木式アンテナの同素子数から高性能モデルに比べるとやや受信性能が低く、弱電界地域などでは使用できない場合もある点がございます。
ユニコーンアンテナの特徴や注意点など、関連する情報については、下記の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
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耐風仕様BS/CSアンテナ(衛星放送用)
BS/CS放送用のアンテナでは、前述のように風を受けやすいというパラボラアンテナの弱点を克服すべく、ディッシュ部をメッシュ仕様にするなど、さまざまな工夫を施したモデルがございます。
中でも日本3大アンテナメーカーのひとつである「DXアンテナ」社が開発した、45センチ型の4K8K対応BS/CSアンテナ「BC453SG」は、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sという業界最高クラスの耐風性能を誇るモデルです。
「BC453SG」の秘密は、ディッシュ面に無数の小さな穴が規則的に開いており、風が通り抜ける「パンチングメタル仕様」。アンテナをマストに固定するマウント部(マスト押さえ金具)をより強化し、対応するマストもより太いものに改良。一次放射器やコンバーターを固定するアーム部をボルト2か所留めにしている上、ディッシュの下部とアームを樹脂プラケットで固定する、といった工夫により、台風などの強風を受けてもアンテナ本体やアーム部分などのズレ、ブレを防止し、安定した受信性能を実現しております。
この「BC453SG」について、詳しくは以下のコラム記事のページをご参照ください。
台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
台風・豪雪・地震で生じやすいアンテナトラブル
ここでは台風、大雪、地震のそれぞれが発生した際に、テレビアンテナに発生しやすいトラブルを、実際の事例に基づき、各機種別、ポイント別ご説明いたします。
台風
台風にもさまざまな強さがあり、瓦などの屋根材が吹き飛ばされるなど、住宅に大きな被害をもたらすレベルでは、設置している屋根や壁などが根こそぎダメージを受けるため、どのようなテレビアンテナでも被害を受ける可能性はございます。
ただそこまで激しい台風ではない場合は、アンテナの種類によって被害の程度が大きく変わってまいります。
やはり台風で被害を受けやすいのは、八木式アンテナ、および通常のBS/CSアンテナです。八木式アンテナは激しい風雨により角度がずれてしまい、受信に問題が出る恐れもある他、老朽化が進んだアンテナであれば、アンテナそのものが倒壊し、屋根から落下して大変な事故を引き起こす危険性もございます。
BS/CSアンテナも、耐風性能のない通常のものでは、その形状から強風の影響を受けやすく、アンテナ角度のズレが生じることがございます。前述のようにBS/CSアンテナはわずかな角度のズレでも受信性能に大きく影響するため、台風一過の後もBS/CS放送の受信不良が続くこともございます。さらに強風を受けた場合は、アンテナ本体の歪みや、ディッシュ部が飛ばされるなどの被害も起こりえます。
対してデザインアンテナ、ユニコーンアンテナは、その形状や壁面などの設置位置から、台風による強風、豪雨などの影響は受けにくいアンテナであるといえます。ただ台風で飛来してきた物品がアンテナに衝突するケースもあり、この場合はアンテナ機種に関係なく、大きなダメージを受けてしまうことが考えられます。
積雪
豪雪地帯をはじめ、積雪の多い地域では、冬場には屋根に雪が積もり、テレビアンテナにダメージを与えることがございます。
この場合もやはり影響を受けやすいのは、屋根の上に設置された八木式アンテナやBS/CSアンテナになり、設置位置によってはユニコーンアンテナも影響を受けることがございます。
テレビアンテナを屋根の上に設置していると、大雪で屋根に雪が積もった際には、雪に埋もれるような状態になってしまいます。見た目には美しい積雪も、実際は水であるためかなりの重量となります。屋根への積雪は、落雪による事故の危険性もあるため、雪国では冬場になると雪下ろしをはじめとする落雪対策で苦労することになります。
特に屋根の上にテレビアンテナが設置されている状態で積雪があると、雪の重さによってアンテナに負担がかかり、雪下ろしなどで雪を除去しても、アンテナ方向のズレやアンテナ本体、ポールやケーブル部などの歪みやダメージが残ることがございます。また落雪が発生した際にアンテナが巻き込まれて大きな負担を受け、最悪の場合、アンテナが外れるなどして落下するケースもございます。
豪雪地帯では落雪対策として、落雪が起こらない構造の無落雪屋根や、雪が積もる前に電気などの熱で雪を溶かす屋根融雪システムを採用していることもございます。しかし大きく積もるほどの積雪ではなくとも、激しい吹雪などで雪がテレビアンテナにこびりつくと、やはりその重量やサビの発生などから、角度のズレ、経年劣化などの原因となってまいります。また水には電波を減衰させる性質があるため、アンテナが雪に埋もれる、表面に雪がこびりつくなどの状態になると、受信性能が大きく低下することもございます。
積雪対策として有効なテレビアンテナ機種は、やはりデザインアンテナや、ユニコーンアンテナを壁面、または屋根の上でも積雪や落雪に影響されにくい位置に設置するなどの工夫がございます。
またアンテナ本体に雪がこびりつく問題については、アンテナ表面に防水加工を施す、または防水性能の高い機種を採用することで、ある程度の対策が可能となります。なお当あさひアンテナでは八木式アンテナの標準アンテナ工事費に、国産一流メーカーの最新鋭アンテナ本体および基本設置具、そしてアンテナ表面への防水加工が含まれております。
総じて雪の多い地域では、八木式アンテナやBS/CSアンテナでも積雪や落雪の影響を想定して、屋根の上であれば最先端や、高い位置の縁、またはベランダや壁面。あるいは屋根や庭先に高いマスト(支柱)を設置して、その先端に設置するなどの工夫が有効な対策となります。
地震
地震についても、家屋が倒壊、または大きく損壊するレベルの大震災であれば、テレビアンテナも大きな被害を避けることはできません。
ただ震度3から4程度で、明らかな揺れは感じるものの、さほど大きな被害になることは少ない地震でも、テレビアンテナは影響を受けることがございます。
地震による影響を受けやすいのは、やはり屋根の上に設置された八木式アンテナ、BS/CSアンテナであり、振動によるアンテナ方向のズレや各部の破損。また老朽化したアンテナであれば、アンテナの屋根の上での倒壊。さらには屋根の上からの落下も考えられます。
地震に限らず、特に八木式アンテナが老朽化している場合は、台風、大雪などの影響であっても、倒壊の可能性が考えられます。倒壊の方向によっては、そのままの状態でも地デジ電波を受信できることもございますが、倒壊したアンテナを放置していると、屋根からの落下により物損事故や、重大な人身事故を招くリスクもあり、早急な撤去と新規アンテナの立て直しが必要と言えます。
また風雨などには強いデザインアンテナ、ユニコーンアンテナであっても、地震の振動はアンテナを含めた住宅全体に伝わるため、場合によっては角度のずれや設置部、接続部のダメージ、例えばけーぶるを接続する端子の部分が緩んで抜けてしまう。アンテナ各部を接続するビスなどのゆるみといった、部分的なトラブルが生じるケースもございますのでご注意ください。
なお、屋根の上などでマストに設置したアンテナが倒れることのあるケース。またアンテナが倒れた際の対処法や、防止する対策などについては、以下の各コラム記事に詳しい解説がございます。
屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(前編・原因と対処)
屋根の上でテレビアンテナが倒れたときのアンテナ修理工事(後編・修理と対策)
地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!
台風・豪雪・地震によるアンテナトラブルへの対策
上記したような、台風や豪雪、地震によって起こりえるアンテナトラブルを避けるための対策としては、以下のような方法がございます。
テレビアンテナを自然災害に強い機種へと交換する。
これはごく単純に、地デジの八木式アンテナであればデザインアンテナやユニコーンアンテナに、通常のBS/CSアンテナであればパンチングホール仕様などの高耐風モデルに交換するという方法です。
これにより各種テレビアンテナが台風や豪雪などに対し、かなりの抵抗力を得られます。ただし前述のようにBS/CSアンテナはともかく、地デジアンテナに関しては、地デジの電波状態が悪い弱電界地域などでは、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナが使用できず、高性能の八木式アンテナを設置する選択肢しかないケースもございます。
またデザインアンテナの一種に含まれるアンテナとして、八木式アンテナの表面に、幅の広い楔のような形をしたカバーをかぶせ、耐風性や積雪への耐性をもたせることで、高い位置への設置による受信性能と対候性を両立した「横型アンテナ」と呼ばれるモデルもございます。
当あさひアンテナでは、横型アンテナの設置工事にも対応しております。現場の地デジ電波状態と自然環境を考慮して、必要な受信性能と対候性の高い各種のアンテナを採用することで、気候などによるトラブルへの対策となります。
テレビアンテナの設置位置を工夫する。
テレビアンテナ機種のチョイス以外に、設置位置を工夫することも、自然災害によるトラブルへの対策になりえます。
前述のようにデザインアンテナは壁面の他、ベランダの内外、屋根裏・天井裏空間などにも設置できる、自然災害にも強いアンテナです。
ただ八木式アンテナ、ユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナも、専用の設置具を使用することで、壁面やベランダの内外に設置することが可能となります。
そのため風雨を避けやすい方向の壁面やベランダなどにアンテナ設置を行うことで自然災害への対策になる他、ベランダなど手が届きやすい場所であれば、積雪や位置のズレなどが生じた場合の調整やメンテナンスも、ご自宅で簡単に行えるようになります。
また屋根の上でも、たとえば雪が積もりにくい屋根の頂点部。または別の屋根が張り出している部分や、その影になる部分など、風雨や雪を避けやすい部分に設置するという方法がございます。
ただ地デジアンテナ、BS/CSアンテナともに、テレビ電波を送信する地デジ電波塔や人工衛星(静止衛星)の方向に向ける必要がございます。
特に地デジアンテナは設置する高さによっても受信感度が変化し、周辺の環境や電波状態によっては、壁面などの低い位置には設置できないケースもございます。またBS/CSアンテナはわずかな方向のズレで、受信感度が大きく低下するほか、ディッシュを向ける静止衛星の方角に、わずかな障害物があるだけでも受信感度が大きく低下します。そのため各種テレビアンテナの設置には、まず確実な受信感度を確保できるアンテナ設置位置を確認して、その中から風雨や雪などを避けやすい場所を選ぶ必要がございます。
なお前述した屋根裏、天井裏空間への地デジアンテナ設置については、八木式アンテナでも設置は不可能ではございませんが、アンテナ本体の大きさや重量から設置できる条件が厳しくなる。設置位置の低さと必要な設置具から、受信感度、設置工費がデザインアンテナと大差なくなるという点から、使用するメリットが少なく、デザインアンテナでは受信性能が不足し、屋根裏などに八木式アンテナを設置できる空間が確保できるというケースを除いて、使用されるケースはさほどございません。
またユニコーンアンテナでは受信面積の小ささから受信感度が下がる。BS/CSアンテナは障害物があると受信できない問題があり、基本的に屋根裏へのアンテナ設置に使用される地デジアンテナはデザインアンテナとなります。
なおデザインアンテナの屋根裏・天井裏設置をはじめ、各種アンテナの設置位置に関しては、以下の各コラム記事で詳細をご確認ください。
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ケーブルテレビ(CATV)、光テレビなどを利用する。
テレビアンテナを設置すると、どうしても風雨や雪によるダメージを受けてしまう。またお住まいの条件により、風雨などを避けられるアンテナ機種や設置位置を選びにくい場合は、ケーブルテレビ、光テレビなどを契約して、テレビ番組を視聴される方法もございます。
ケーブルテレビは、地域のケーブルテレビ局に設置された大型アンテナで受信した地デジ、BS/CS放送の電波を直接、契約したご家庭までケーブルを伸ばして接続し、テレビ電波を送信するサービスです。近年ではインターネットや格安スマートフォン。各種保険その他のサービスと一体化したプランを用意しているケーブルテレビ会社もございます。
光テレビはインターネットの光回線を利用して、やはり地デジ、BS/CS放送などの映像信号を送信するものです。すでに光回線をご利用の方であれば、比較的、低価格の追加費用でご利用いただけます。
これらのサービスを利用すれば、テレビアンテナとは関係なく、安定して多くの地デジ、BS/CSの各チャンネルをご視聴いただけます。
一方、そのデメリットとしては、テレビアンテナと違って、月額料金が必要となること。各サービスを提供する会社によっては、一部、対応していないチャンネルがあることなどが挙げられます。
豪雪地帯などで、アンテナ設置できる機種や場所などの条件が限られており、毎年のようにアンテナトラブルが予測され、アンテナ修理費がかさむ場合などには、ケーブルテレビ、光テレビをお考えになるのも選択肢のひとつです。
ケーブルテレビ、光テレビとテレビアンテナとの違い、比較などについては、以下の各コラム記事のページでも詳しく解説しております。
徹底解説!ケーブルテレビ(CATV)・光テレビからテレビアンテナに乗り換える方法(前編)
徹底解説!ケーブルテレビ(CATV)・光テレビからテレビアンテナに乗り換える方法(後編)
テレビ放送の視聴方法3選・徹底比較!(テレビアンテナ・光テレビ・ケーブルテレビ(CATV)
テレビを視聴する方法「テレビアンテナ」「光テレビ」「ケーブルテレビ」はどう違うの?
自然災害によるテレビアンテナのトラブルには火災保険が適用できる?
前述した自然災害のうち、台風などの風雨や雪、または雹、雷、隕石その他、外部からの落下物などによってアンテナが故障した場合は、火災保険の「風災保証」によって修理費が補償されることがございます。補償の内容は保険の契約内容などによっても異なりますが、一般的な火災保険であれば多くの場合、風災保障が含まれております。
なお地震によるアンテナトラブルについては、付帯する地震保険に加入されている場合などを除いて、基本的に火災保険の補償対象外となりますのでご注意ください。
なお急なアンテナトラブルで、当あさひアンテナにアンテナ修理をご依頼いただく際、火災保険についてもご相談いただければ、保険の請求に際して保険会社に提出する必要がある修理報告書、見積書、施工前後の写真など、補償請求書類をすべて弊社でご用意いたします。また保険会社との交渉も、弊社の専門スタッフが全力でサポートいたします。
自然災害でのアンテナトラブルに対する火災保険の適用については、以下の各コラム記事をご参照ください。
火災保険の適用範囲と天災時のアンテナ修理
台風・大雪・地震対策となるテレビアンテナ・まとめ
いつどこで発生するかわからない地震を除いて、台風や大雪によるアンテナトラブルへの対策は、どちらへの対策を主にするかでもその方法が変わってまいります。そのためお住まいの現場で起こりやすい災害にあわせた対策が必要となります。
特にどのようなテレビアンテナ機種でも、設置から歳月が経った古いものでは、各部の劣化により、自然災害の際のトラブルが発生する可能性が高くなります。
台風、積雪などが多いエリアにお住まいで、自然環境に強いテレビアンテナ設置をお求めのお客様は、災害対策を考慮したアンテナ工事に関しても熟知し、高い技術で施工を行う当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)へのお電話。またはメールフォーム、LINEアカウントまで、お気軽にご相談ください。
そして実際にアンテナトラブルが発生した場合、またアンテナトラブルを予防し、受信感度を改善するアンテナ設置工事は、当あさひアンテナにお任せください。
当あさひアンテナでは、弊社が担当したアンテナ工事を対象に、設置完了日からの「10年保証」もご用意しているため、災害などで万が一のアンテナトラブルが起きた場合も、修理費用のご心配もなく、末永くご安心していただけます。