地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

2023年08月23日

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2023年(令和5年)現在では、一般の戸建て住宅などの建物で地デジ放送(地上デジタル放送)を受信、視聴するための地デジアンテナ(UHFアンテナ)にも、さまざまな機種やモデルが登場しています。

そしてそれら主な地デジアンテナ機種の中でも、トップの人気を誇る機種といえば、長方形で平面状の形状から、住宅の外壁やベランダの手すり部などに設置できる「デザインアンテナ」です。

他にも、地デジ電波を受信するパーツである「素子」が多いモデルもあり、高所に設置できることなどから受信性能が高い古典的モデルの八木式アンテナ。八木式アンテナとデザインアンテナの特性を融合した最新モデル、ユニコーンアンテナが、主な地デジアンテナの機種になり、それぞれの特性や、適した用途、現場などがございます。

戸建て住宅でテレビ放送を見るためのテレビアンテナ設置では、まず上記の地デジアンテナモデルから、現場の条件で取り付け可能なものから、お客様のご要望に適した機種と設置場所を選んで設置することになります。

そして衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)もご視聴になる場合には、できるだけ地デジアンテナと近い位置に、BS/110度CSアンテナを追加で設置することになります。

現在ではテレビアンテナの設置以外にも、ケーブルテレビ(CATV)や光テレビ(ひかりTV)などでテレビ放送をご覧になる方法もございますが、デザインアンテナの人気の秘密は、その形状から一般的な戸建ての家に設置しても目立たず、住宅の見た目や景観に影響しない。さらに風雨など自然環境に影響されにくいことから、アンテナの寿命が長くなる。そしてアンテナ本体の価格や設置費用も手ごろであるなど、メリットの豊富さにございます。

そのため新築のマイホームを建築されて、新しく地デジアンテナを設置したい。また既存の八木式アンテナが老朽化して地デジアンテナを交換する必要が出た場合など、デザインアンテナをお求めになるお客様も、最近では非常に多くなっております。

ただ地デジアンテナの取り付けに関しては、設置するエリアに届く地デジ電波の強さや、現場の周辺環境、設置の箇所などによって、使用できる地デジアンテナ機種が異なってまいります。したがって現場によっては、デザインアンテナで地デジ電波を受信できる条件が整っていないため、デザインアンテナを設置できないケースもございます。

そこで今回の当コラムでは、デザインアンテナをお求めのお客様にとって、お悩みになることが多いポイントである、

「デザインアンテナの設置で、どのような機種を選んでいいかわからない」

「自宅のどこにデザインアンテナを設置すればいいのか?」

「自宅の受信環境で本当にデザインアンテナが使えるか心配」

「本体価格や設置工事の費用はどれぐらい?」

「デザインアンテナの設置を依頼できる業者は?」

など、デザインアンテナを設置するにあたっての疑問を、すべて解説してゆきます。

当コラム記事をお読みいただければ、デザインアンテナの主な種類の一覧やその特徴、設置できる位置などの基礎知識から、デザインアンテナで地デジ電波を受信できる環境。デザインアンテナ本体や工事に必要となる費用。そして低価格で施工技術の高いデザインアンテナ設置工事を依頼できる業者まで、デザインアンテナの取り付けに当たって、チェックしておくべき必要な知識を一通りご理解いただけることと存じます。

なお、デザインアンテナと、その他の地デジアンテナ機種。また衛星放送用BS/CSアンテナとの特徴、工事費用などの比較については、以下のコラム記事に解説がございますので、比較検討の参考にしていただければ幸いです。

・地デジ用と衛星放送用テレビアンテナの種類と設置工事の方法とは? ご要望に適した機種の選び方を徹底解説!

デザインアンテナで受信できる「地デジ放送」とは?

まえがきでもご説明しましたが、デザインアンテナとは、かつてのアナログテレビ放送から地デジ放送へと転換される時期に登場した、地デジアンテナの第二世代とされるモデルです。

デザインアンテナの形状や性能は、デザインアンテナ以前の、戸建て住宅などに設置されるテレビアンテナとしては、ほぼ唯一のモデルであった「八木式アンテナ」の弱点をカバーする形で設計されております。

以下、デザインアンテナをはじめとする各種地デジアンテナの特徴と性能の違い、それぞれのメリット、デメリットをご理解いただくため、まずは地デジアンテナで受信する「地上デジタル放送(地デジ放送)」の仕組みや電波の性質についてご説明してまいります。

地デジ放送の仕組みとは?

現在の地上デジタル放送は、日本国内の全国各地に設置された送信所、中継局などの地デジ電波塔から、その周辺の地域に地デジ電波を送信することで、日本国内のほぼ全域をカバーしているテレビ放送です。

電波塔のうち、送信所とは、親局、基幹局ともいわれ、例えば首都圏であれば、東京都墨田区押上に位置する、高さ634メートル、日本最大の電波塔にして現在の東京のランドマークでもあり、東京都をはじめ、千葉県、埼玉県、神奈川県の多くから、群馬県、栃木県、茨城県の一部にまで地デジ電波を送信する東京スカイツリーなど、複数の都府県など広範囲に地デジ電波を送信する、大型の電波塔をことを言います。

他にも近畿地方では、大阪府東大阪市と奈良県生駒市の中間、生駒山の山頂に位置し、大阪府のほぼ全域と、山地が多くを占める奈良県でも市街地が集まる平野の奈良市とその周辺。同じく山地が多い京都府の中心市街地であり、京都市などが位置する京都盆地の一帯。また淡路島を含む兵庫県でも大阪府よりの沿岸部。和歌山県でも大阪府に接する一部のエリアに地デジ電波を送信する大阪局。中部地方では、愛知県瀬戸市に位置し、名古屋市を中心とした愛知県の中心部から、徳川家康の生誕地としても知られる岡崎市や、人気漫画「ゆるキャン△」のキャラクター名の由来としても知られる犬山市、岐阜県の各務原市、大垣市。三重県の志摩市や鳥羽市など、隣接する県の一部にまで地デジ電波を送る名古屋局(瀬戸デジタルタワー)といった送信所が、国内の要所に存在します。

ただ地デジ電波は、電波塔からの距離や地形などの影響によって届きにくくなるため、これら送信所の他にも中継局と呼ばれる、送信所より規模は小さいものの大小の電波塔が、日本国内のより細かいエリアに設置されております。

中継局は、送信所からの電波が直接、届きにくいエリアに設置される電波塔で、送信所や他の中継局から送信された地デジ電波を受信して、増幅し、あらためて周辺エリアへと送信し直す役割を果たしております。

このような送信所、中継局といった多くの電波塔が、日本国内の全域にまんべんなく配置されることで、日本国内では、山間部や過疎地、離島部といった一部地域を除いて、ほぼ全域で地デジアンテナやワンセグ、フルセグ受信機器を使用することにより、地デジ放送を受信し、見ることができるのです。

このように現在の地デジ放送は、地上に設置された電波塔により放送を行っていることから、主に衛星放送と対比する意味で「地上波放送(地上波テレビ放送)」とも呼ばれます。

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地デジ放送の「デジタル放送」とは?

地デジ放送とは、いうまでもなく「地上波デジタル放送」の略称であり、愛称のことです。

地上派とは、上でご説明した通り、地上の施設(電波塔)から送信される電波のことですが、それでは「デジタル放送」とは何のことでしょうか?

これは、放送電波にテレビ番組の映像信号を乗せる方式のことで、それ以前のテレビ放送の方式であった「アナログ放送」との対比になる形式になります。

デジタル放送とは、テレビ番組の映像信号を、いったん「0」「1」のデジタル信号に変換して、この信号を電波の波長に変換し、送信する形式のテレビ放送です。

このデジタル映像信号を乗せた地デジ電波を、各住宅やマンションなどに設置された地デジアンテナ、またはフルセグ、ワンセグ受信機器などで受信し、地デジチューナーによって電波のデジタル映像信号を映像に変換することで、テレビ画面などに地デジ放送の映像、音声が再生され、試聴できるという仕組みです。

地デジ放送以前、日本で最初にスタートしたテレビ放送は、1953年(昭和28年)2月1日にNHKの本放送として開始された、アナログテレビ放送(地上アナログ放送)になります。

アナログテレビ放送は、現在の地デジ放送と同じく、東京都港区の東京タワーをはじめとする電波塔からテレビ電波を送信する、地上波テレビ放送でした。

アナログ放送と地デジ放送(デジタル放送)との違いは、テレビの映像信号をそのまま電波の強弱に変換する、アナログの方式で放送されていた点です。

デジタル放送は地デジ放送だけでなく、衛星放送のBS放送、CS放送も、地上波放送の地デジ化より前、2000年頃にはすでにデジタル化されており、BSデジタル放送、CSデジタル放送になっていました。

ただ「地上アナログ放送」という呼称は、地デジ放送が実現した後、放送形式を区別するために後になってつけられた名称、いわゆる「レトロニム」であり、それ以前は単にテレビ放送、また衛星放送の実現後は地上波放送という呼び方が一般的でした。

かつての地上アナログ放送から、地上デジタル放送(地デジ)への転換が行われた大きな理由は、まず1990年代より、テレビ放送を含めた旧来のアナログ技術から、デジタル技術への転換が世界的に進んでいたことが、まず挙げられます。

さらにアナログ放送の時代は、電波の用途と言えば、テレビ、ラジオの放送を除けば、特定の場所、地域での無線通信ぐらいしかありませんでした。

そのためアナログテレビ放送が、通信に適した電波の周波数帯の多くを利用しても問題はなかったのですが、やはり1990年代から2000年代にかけて、携帯電話が急激に普及しました。

これにより携帯電話などの通信用に、日本社会の全体で多くの周波数帯が必要になったため、アナログ放送に比べて、使用する周波数帯を大きく削減できるデジタル放送への転換が必要となり、政府の主導で地上波テレビ放送のデジタル化が推進されたのです。

日本での地上デジタル放送は、2003年(平成15年)12月1日の午前11時より、まず東京、大阪、名古屋の都市圏からスタートし、徐々に放送エリアを広めてゆきました。

ただ一般世帯でアナログ放送から地デジ放送へと乗り換えるためには、一部のエリアを除き、テレビアンテナをアナログ放送用のものから、地デジアンテナへと交換する必要があったのに加え、テレビなどの受信機器も、地デジ対応のものに交換するか、また旧来のテレビに地デジチューナーを接続する必要がありました。

そのため、地デジ放送の設備を整えることと、一般世帯などが地デジ放送の視聴環境を整えるための移行期間として、しばらくは旧来のアナログ放送を継続したまま、地デジ放送も行われるという移行期間が続きました。

そして地デジ放送の開始から約7年半後、2011年(平成23年)7月24日の正午、東日本大震災の影響を受けた一部地域を除き、アナログ放送が完全停波(終了)したことで、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと一本化されたのです。

その他、地デジ放送や地デジ電波についての詳細は、以下の各コラム記事でもご紹介しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

地デジ放送とアナログ放送の違いとは?

上記の通り、現在の地デジ放送とかつてのアナログ放送の違いは、映像信号をテレビ電波に乗せる際にデジタル化するか、そのままアナログ信号として送信するかの違いになります。

そしてデジタル放送では、同じ映像信号でも、電波に乗せる際に「0」「1」のデジタル信号に変換することで、映像信号のうち無駄な部分を大きくカットできるため、アナログ放送に比べると、使用する電波の周波数帯は大きく削減しながら、より大容量の情報を送信することが可能になったのです。

現在の地デジ放送では、電波塔から送信される地デジ電波として、すべてのチャンネルで「UHF(極超短波)」といわれる周波数帯の電波のうち、MHz(メガヘルツ)の単位で、470MHzから710MHzの帯域のものを使用しております。

対して、かつてのアナログ放送では、放送されるチャンネルのうち、日本全国で放送される主要なテレビチャンネルであったNHK、広域民放では、UHF波よりやや周波数帯が低い「VHF(超短波)」でも、90MHzから108MHzのローバンド。および170MHzから222MHzのハイバンドの電波を使っていました。

他にも東京都の東京MX、千葉県の千葉テレビ、兵庫県のサンテレビジョンなど、日本でも主要な都市圏にあたる一部の都府県で個々に存在し、その都府県内と近隣の一帯でのみ受信できる独立放送局の地方チャンネルでは、地デジ放送と同じUHF波のうち、470MHzから770MHzまでを使っていました。

現在の地デジ放送が、かつてのアナログ放送に比べると、メインの放送電波であったVHF帯をまったく使用しなくなり、ローカル放送用であったUHF帯をメインの電波としている上、使用する周波数帯もやや少なくなっていることが、おわかりいただけると存じます。

このアナログ放送から地デジ放送への転換により、ご家庭で視聴できるテレビ放送そのものの形や機能も大きく転換されました。

かつてのアナログ放送では、テレビ機器本体と言えば、大型の真空管「ブラウン管」もしくは「陰極線管(cathode-ray tube:CRT)」にテレビ放送を映し出すものが大半でした。

そのため昭和の時代には「ブラウン管」と言えば、テレビで放送されるドラマなど架空の世界や、華やかな芸能界などの代名詞でもありました。

そしてアナログ放送時代のテレビ放送と言えば、テレビ局から電波によって放送されるテレビ番組を、各ご家庭などで一方的に視聴するだけという形のものでした。

またブラウン管テレビによるアナログ放送の画面の解像度(画面の細やかさ)は、画面に水平、垂直の白黒の縞模様を何本、表示できるかで表される「水平解像度」「垂直解像度」が基準となっておりました。

アナログ放送時代のブラウン管テレビの主な水平解像度は330本から350本、垂直解像度は480本程度でした。またブラウン管の構造上、ブラウン管テレビの画面サイズは、37インチ程度が限界でした。

このアナログ放送の画質を現在の画素数に換算すると、およそ640×480ピクセルで、約31万画素になります。現在ではこの画質および、この画質によるテレビ放送を、標準画質(SD画質)、標準放送(SD放送)と呼びます。ちなみに今日でも使用される映像メディアでは、DVDの画質がこのSD画質になります。

対して地デジ放送では、デジタル化により少ない周波数でより大容量の情報を送信できるようになったことから、テレビ映像のハイビジョン(HD)化が実現されました。

テレビ放送における「フルハイビジョン(FHD、2K)」とは、1,920×1,080ピクセル約207万画素の画質のことで、デジタルテレビ、ハイビジョン規格における最大の解像度を示します。これ以上の解像度は、2023年現在に衛星放送で普及している4K放送、8K放送になってまいります。

ただ現在の地デジ放送の多くでは、地デジ放送がスタートした頃の技術的な問題などから、1,440×1,080ピクセルの約155万画素による放送を採用していることが多く、フルハイビジョンにはあたりません。

したがってご自宅にあるテレビ機器が、1,920×1,080画素を表示できるフルハイビジョンテレビであっても、地デジ放送の場合は、左右をやや引き延ばした映像になり、正式なフルハイビジョン映像に比べると、画質はやや劣ることになります。

フルハイビジョンの解像度に対応するテレビ放送は、主に衛星放送のBS放送になりますが、現在では地デジ放送でも一部の放送局では、フルハイビジョン画質での放送を行っている例がございます。

ただいずれにせよ、アナログ放送時代のSD画質に比べると、地デジ放送では格段の高画質化が実現したことになります。

ちなみにフルハイビジョンに対応するテレビ機器の場合、画面サイズは60インチ程度までの大きさであれば、一定の画質を維持できます。ただ2023年現在では、市販される40インチ以上のテレビは大半が4K対応型(3,840×2,160ピクセルで2Kフルハイビジョンの4倍の解像度)の製品になっております。

なおかつてのSD画質の映像は、スマートフォンや小型テレビなどの比較的、小さな画面で視聴する場合には、さほどの問題はございませんが、大画面のフルハイビジョンテレビで試聴した場合、解像度の低さから画面がぼやけて見えることが多くなります。

そのため現在、昭和から平成前半、SD画質で製作された当時の名作ドラマやアニメなどを、地デジ放送や衛星放送で再放送する場合などは、フルハイビジョン以上のテレビ画面でも違和感が出ないよう映像をリマスタリングした、HDリマスター、デジタルリマスターなどと呼ばれる原版が使用されます。

また地デジ放送では音声に関しても、CD並みのクリアな音質で、2.0chステレオでの二か国語放送や副音声機能。5.1chサラウンドなどの高音質化などを実現しています。

その他、情報送信量の多さを活かして、SD画質の放送であれば、同時間帯にひとつのチャンネルで最大3つの番組を放送できるマルチ編成。テレビ番組以外にも、約一週間分を確認できて、録画予約なども簡単になる番組表や、さまざまな情報を確認できるデータ放送。テレビのリモコンから、テレビ番組内のクイズやアンケート、抽選などに参加できる双方向サービスといった、さまざまな機能が実現しております。

他にも、アナログ放送の時代は、ノイズの混入などによるテレビ電波の乱れで、画面のちらつきや映像が重なって見えるゴーストといった、テレビ映りの乱れがよく発生しました。

しかし地デジ放送では、受信した電波がチューナーに届いた時点で、一定レベルのノイズであれば修復が可能なため、安定した地デジ受信が可能なエリアであれば、どこでもクリアな画質、音質でのテレビ放送が視聴できます。

ただ一方で、アナログ放送の時代は、テレビ電波が微弱なエリアでも、映像の乱れは大きくなるものの受信は可能でした。しかし地デジ放送の場合は、ノイズが修復可能なレベルを越えると、ブロックノイズと呼ばれるモザイク状の画面の乱れが生じ、地デジ電波レベル(電波強度)が一定以下になると、地デジ放送をまったく視聴できなくなります。

また電波の強弱がそのまま映像信号になっていたため、チャンネルを変えるとすぐテレビ映像が映し出されたアナログ放送に比べると、地デジ放送では、地デジチューナーでデジタル信号を映像に変換する時間がかかるため、テレビをオンにした際や、チャンネルを変えた際など、映像が映るまでに1秒程度のタイムラグが生じるようになっております。

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そもそも地デジ放送に使用される「電波」とは?

ここでは、デザインアンテナをはじめとする地デジアンテナで受信する、テレビの「電波」について、その性質をご説明いたします。

上記の通り、現在の地デジ電波は、UHF帯のうち、周波数帯は470MHzから710MHzのものになります。そもそも電波とは、電界と磁界の影響から、空間を光の速さで伝わる波動(波)である「電磁波」の一種です。

電波を含む電磁波は、一定の周期で波を描きつつ空間を進みます。そしてこの波長(波の幅)が短いほど、一定時間に繰り返す波の数が多くなります。周波数とは、電磁波(電波)が単位時間(1秒間)に繰り返す波の数を示す数値のことです。

そのため1秒間に繰り返す波の数が多い、すなわち周波数が高い電磁波(電波)ほど、その波長の幅は短くなるのです。

周波数の単位はHz(ヘルツ)で表され、例えば1秒間に100回の波動を描く電磁波であれば、100Hzになります。

そして電波とは、電磁波のうち比較的、周波数帯が低いものを指します。日本の電波法における定義をはじめ、一般的な電波の定義としては、周波数が3THz(テラヘルツ)までの電磁波を指すものになります。なおTHzは兆を示す単位のため、1秒間に繰り返す波長が3兆回以下の電磁波であれば、電波ということになります。

周波数帯が3THzを越えた電磁波は、赤外線、可視光線、紫外線といった光。それ以上の周波数ではⅩ線、ガンマ線などの放射線となります。

電磁波は周波数帯が高くなるほどエネルギーが強くなり、赤外線はテレビのリモコンや暖房機器などにも使われます。可視光線はいわゆる一般的な意味での光として、人間の視力に必要なものである反面、強い光は視力に悪影響を与えます。紫外線や放射線は人体への有害性でも知られています。

ただ電波は電磁波の中でも周波数帯が低いため、人体への影響はほとんどないと考えられております。

なお日本の電波法では、電波の分類を周波数の低い順に、以下のように定義しております。

・VLF(超長波):周波数3kHzから30kHz。波長の長さ100キロから10キロ。

・LF(長波):周波数30kHzから300kHz。波長の長さ10キロから1キロ。

・MF(中波):周波数300kHzから3MHz。波長の長さ1キロから100メートル。

・HF(短波):周波数3MHzから30MHz。波長の長さ100メートルから10メートル。

・VHF(超短波):周波数30MHzから300MHz。波長の長さ10メートルから1メートル

・UHF(極超短波):周波数300MHzから3GHz。波長の長さ1メートルから10センチ。

・SHF(マイクロ波)周波数3GHzから30GHz。波長の長さ10センチから1センチ。

なおマイクロ波については、周波数帯が30GHz(ギガヘルツ)から300GHzで、波長の長さが1ミリから10ミリのミリ波(EHF)。周波数帯が3THzから300GHzと電波の上限に近く、波長の長さは0.1ミリから1ミリのサブミリ波(デシミリメートル波)に細分化されることもある他、1THzから3THzまでの電波を、テラヘルツ波と呼ぶこともございます。

現在の地デジ電波に使われるUHF波や、アナログ放送で使用されたVHF波は、比較的、周波数帯が高い電波であることがお分かりいただけると思います。

ちなみに人工衛星(静止衛星)から地上に送信される衛星放送の電波は、SHF波(マイクロ波)のうち周波数帯が12GHz前後の「12GHz帯」と呼ばれる電波が使用されております。

ちなみに上記の単位のうち、kHz(キロヘルツ)は千、MHzは100万、GHzは10億にあたります。したがって地デジ電波の周波数帯では、1秒間に約4億7千回から7億1千回の波長を繰り返していることになります。

そして最初にご説明した通り、電波とは電磁波のうち、光より周波数帯の低いものを指します。そもそも電磁波は「波」と「粒子」の性質を兼ね備えており、散乱や屈折、反射、また回折や干渉などの性質を示します。中でも周波数帯の低い電磁波である電波は、その周波数帯が低いほど性質が音に近くなり、逆に周波数帯が高くなるほど性質が光に近くなります。

周波数帯の低い電波は、その波長の長さから音のように広がりやすく、高層ビルなどの障害物にぶつかっても、その向こう側に回り込みやすく、遠くに届きやすい。また電波を遮断させる素材ではない、住宅などの薄い壁であれば、一定の減衰(電波レベルの弱まり)は生じるものの、通り抜けることができるなどの特徴があります。

一方で、電波に乗せることができる情報量は、主に波長の数によって決まるため、周波数の低い電波で送信できる情報量は少なくなります。

逆に周波数が高い電波であれば、光のように直進性が強まる反面、障害物にぶつかると、その多くが反射してしまい、向こう側に回り込みにくくなる性質がございます。また波長が多い分だけ、電波に乗せられる情報量も多くなります。

地デジ放送やアナログ放送の電波であるUHF波やVHF波は、一定の周波数の高さと、ある程度は障害物を乗り越えられ、壁などを通り抜けやすい性質を持っていることから、地上で利用されるテレビ放送や携帯電話、スマートフォンの電波に適しているのです。

なおマイクロ波になると、性質がより光に近くなり、直進性が強く、わずかな障害物でも遮断されやすくなるため、宇宙空間から地上まで、長距離を送信される衛星放送の電波には適していますが、地上の電波塔などから送信される地上波放送の電波には不向きとなります。

ご参考までに、衛星放送で使用される12GHz帯の電波や、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナの仕組みについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

地デジ電波の性質と「電界地域」とは?

上記の通り、現在の地デジ放送に使用されるUHF波は、電波の中でも比較的、周波数帯が高いもので、その波長の長さは40センチから60センチ程度になります。

現在の地デジ電波であるUHF波は、送信所や中継局から送信された後、距離が遠くなるほど、そのエネルギー(電波レベル)が弱くなる他、山地などの障害物にぶつかった場合も、反射、散乱や吸収などにより、遮断されてしまいます。

ただ上記のように一定の波長の長さも備えているため、高層ビルなどの障害物にぶつかった場合には、反射して方向が変わった「反射波」が発生する一方で、ある程度はその向こう側へと回り込むこともできます。

また電波を反射する金属素材や太陽光パネル、電波を減衰させやすいコンクリート素材などが使用されていない、戸建て住宅の屋根や壁などであれば、多少の電波レベルの減衰は生じるものの、屋根や壁、窓などを通り抜けて屋内にも地デジ電波が到達します。

しかしアナログ放送で使用されていたVHF波は、その波長の幅は1.4メートルから3.3メートル程度と、現在の地デジ電波に比べると、波長の長さは倍から数倍にあたるものでした。

したがって現在の地デジ電波は、アナログ放送時代に比べると、高層ビルなどにぶつかった際には、反射して方向が変わりやすく、反対側に回り込みにくくなっております。

そのため電波を遮断しやすい高層建築のすぐ近隣に当たる現場や、住宅密集地などで、隣家との距離が近い壁面などの場合は、電波塔から近い場所であっても地デジ電波が届きにくいという性質があり、場合によっては地デジアンテナを設置しても、十分なレベルの地デジ電波が受信できないケースもございます。

他にも電波のレベルは、伝わる空間の気温や湿度などにも影響を受けます。

空間の気温が低くなると空気が収縮するため、より遠くまで電波が届きやすくなります。この点は地デジ受信にプラスの要因になる反面、ノイズとなる無関係の電波が干渉しやすくなるという問題が生じます。逆に気温が高くなると空気が膨張するため、空間を伝わる電波レベルがやや弱くなってまいります。

また電波は水分に弱く、湿度の影響を受けやすい他、特に降雨や降雪の際には、電波レベルが大きく低下します。

地デジ電波のレベルは、多くの場合「㏈(デシベル)」という単位で表されますが、同じ現場であっても、これら季節や気候の影響によって、同じ現場でも受信できる地デジ電波レベルに、およそ6㏈程度の変動が生じてまいります。

そして主に地デジ電波塔からの距離と、山地など地形の影響によって、日本国内でも地域によって、受信できる地デジ電波レベルに強弱の差が出てまいります。

この受信できる地デジ電波のおおまかなレベルを基準に、日本国内でも地デジ電波が受信できるエリアを区分したものを「電界地域」と呼びます。この電界地域は、一般的には主に「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の3種類に分類されます。

強電界地域は、主に電波塔からの距離が近く、電波を遮る地形などの影響も少ないため、地デジの電波塔を視認できるエリアが該当します。具体的な基準としては、地デジアンテナで受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上であれば、強電界地域に当たります。

このエリアであれば、使用できる地デジアンテナの機種、設置位置なども、屋内への設置を含め、非常に自由度が高くなります。ただ地デジ電波は、テレビなど受信機器に届いた時点でのレベルが90㏈以上でも、画面の乱れや映らないといったトラブルの原因になるため、現場の条件によっては、受信性能(素子数)を抑えたアンテナ機種を使用する。または電波を適度に減衰させるアッテネーターという機器の使用や、テレビなどにアッテネーター機能が内蔵されている場合は機能をオンにするといった対処が必要になります。

中電界地域は、強電界地域に比べると、電波塔からやや離れたエリアになり、受信できる地デジ電波レベルの基準では、60㏈から80dBになります。

中電界地域でも、強電界地域ほどではないものの、地デジアンテナ機種、設置位置などの選択肢は広くなりますが、周辺の障害物などの環境に影響を受けやすくなる面もありますので、注意が必要です。

弱電界地域は、中電界地域よりさらに電波塔から遠く、受信できる地デジ電波レベルは60dB以下の地域にあたります。

このエリアになると、受信できる地デジ電波レベルが低く、障害物などにも影響を受けやすくなるため、地デジアンテナの設置では、基本的住宅の屋根の上など、障害物に影響されにくい高い位置に、受信性能の高いアンテナ機種を設置する必要が出てまいります。

ただこの電界地域の注意点としては、あくまで受信できるおおよその電波レベルを判定するための、おおまかな目安に過ぎないという点です。

前述のように地デジ電波レベルは、気候や天候によっても変動する他、周辺環境にも影響を受けやすいため、同じ電界地域でも受信できる電波レベルは一定ではなく、境界は曖昧になります。

また強電界地域など電波レベルが良好なはずのエリアでも、高層ビルの近辺や住宅密集地などの周辺環境によっては、局地的に地デジ電波状態が悪化することもございます。

さらに電界地域は地デジ放送や地デジアンテナの世界で、各企業や団体などが便宜的に使用するものであり、統一された正式な定義は存在しません。

電波レベルの変動により厳密な分類が難しいこともあり、各電界地域の基準は、使用する団体などによって、基準となる㏈の数値が異なる場合や、強電界地域と弱電界地域のみの分類になる場合もございます。

総じて電界地域とは、あくまで広い範囲のおおまかな受信レベルを判断するための指標であり、各現場の確実な受信レベルを保証するものではございません。

アンテナ本体の「強電界地域用」の表記などの、電界地域の判断については、その表記における電界地域の基準がどのようなものかを確認する必要があります。

また実際に地デジアンテナを設置する現場や位置の正確な電波状態は、プロのアンテナ工事業者が、アンテナレベルチェッカーなど専用の機器による電波調査を行わなければ的確な判断はできませんので注意が必要です。

なお日本国内の各地域がどの電界地域にあたるかは、インターネット上の「A=PAB・一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内の「地デジ放送エリアのめやす」ページなどでも確認できます。

他にも、注意すべき地デジ電波の性質としては「ハイトパターン」「水平偏波」「垂直偏波」の違いがございます。

ハイトパターンとは、電波塔から空中を伝わって地デジアンテナに届く地デジ電波と、地面に反射して届く地デジ電波が干渉し合うことにより、地面から高くなるにつれて数メートル程度のスパンで、受信できる地デジ電波の強弱が波のように変化する性質のことです。

アナログ放送時代のVHF波ではその波長の長さから、ハイトパターンの波が数十メートル単位になったため、実際的な影響はなかったのですが、地デジ放送のUHF波は波長の短さから、ハイトパターンの幅も短くなったのです。また実際の各現場におけるハイトパターンは、電波塔からの距離その他、環境の影響によって異なります。

そのため、基本的に地デジアンテナは高い位置に設置することで、周辺の障害物に影響されにくくなり、地デジ受信に有利となりますが、場合によってハイトパターンの影響も踏まえて、適切な高さを調節する必要も出てまいります。

また地デジ電波の中継局から送信される電波の種類には、波長が地面に対して水平に波を描く水平偏波と、地面に対して垂直に波を描く垂直偏波の違いがございます。

これらの電波は波長の角度が異なるだけで、電波の強度や質、テレビ放送の内容などに違いはございません。

この二種類の電波は、地デジ放送の中継局によって使い分けられますが、実際には日本全国の中継局のうち、95パーセント近くが水平偏波を送信しており、垂直偏波を送信する中継局は全体の5パーセント程度にすぎません。

水平偏波と垂直偏波は、その地域の条件によって「混信」を避けるために使い分けられております。混信とは、周波数帯の近い二種類以上の電波が入り混じることです。

地デジ放送のUHF波は、携帯電話、スマートフォンなどの電波と周波数帯が近いため、携帯電話の基地局などが近いエリアでは、双方の電波による混信が発生して、地デジ電波の画面の乱れや、スマートフォンの通信障害など電波障害の要因にもなり得ます。

ただ垂直偏波と水平偏波のように、波長の角度が違う電波であれば、周波数帯は近くとも混信しにくくなる性質がございます。そこで携帯電話の基地局などが近い、また複数の中継局からの電波が入り混じるようなエリアでは、一部の電波塔から送信される電波に、垂直偏波を使用することで、混信を避けているのです。

なお地デジアンテナで水平偏波、または垂直偏波を受信する場合、設置の角度を90度ずらすことで、それぞれの電波に対応できます。八木式アンテナであれば、この方法により、同じモデルを水平偏波と垂直偏波、それぞれのエリアで使用できます。

ただデザインアンテナの場合は、本体を横向きに設置することになり、そのメリットである外観性がやや損なわれる、また設置や左右の角度調整が難しくなるといった問題も出るため、水平偏波専用と垂直偏波専用で別個のモデルが存在します。

ユニコーンアンテナに関しては、2023年現在、水平偏波用のモデルのみになります。

なお、ご自宅のエリアに地デジ電波を送信する中継局が、水平偏波と垂直偏波をどちらを送信しているかについては、総務省の、日本各地で別々に存在する「総合通信局・総合通信事務所」のホームページ。各テレビ局の公式サイトなどから確認できます。

ただ中には、条件の変化によって、各中継局から送信される電波の種類が切り替わることや、水平偏波、垂直偏波の双方を送信する中継局もございますので、ご注意ください。

これら地デジ電波の個々の特性については、以下の各コラム記事でもそれぞれ詳しくご説明しておりますので、よろしければご確認ください。

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?

・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

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地デジアンテナ(UHFアンテナ)の特性とは?

現在、戸建て住宅の屋外に設置される主な地デジアンテナの種類は、前述の通り、当コラムのテーマであるデザインアンテナと、八木式アンテナ、ユニコーンアンテナの三機種になります。

これら地デジアンテナは、地デジのUHF波を受信するため、すべて「UHFアンテナ」に当たります。アナログ放送時代のテレビアンテナは、VHF用、UHF用とも、八木式アンテナのみでしたが、地デジ化により電波の波長が短くなったため、さまざまな形状のテレビアンテナを開発することが可能になったのです。

またアナログ放送時代のテレビアンテナで、地方チャンネルを受信するためのUHFアンテナを設置していた現場では、当時のUHFアンテナを、地デジアンテナに流用できたため、現在でも当時のUHFアンテナを地デジアンテナとして使い続けているケースもございます。

ただこのようなアンテナは、2023年現在では相当の老朽化が予想され、故障などをはじめ、最悪では大きな台風や地震などの影響で、アンテナの倒壊、落下といった事故も考えられます。さらに「700MHz電波障害」といったトラブルが発生する場合もあるため、できるだけ早急に、最新の地デジアンテナへと交換されることをおすすめいたします。

また各現場に地デジアンテナを設置するにあたっては、現場の地デジ電波レベルをはじめとする条件に適した受信性能をもつ地デジアンテナ機種、モデルを選ぶ必要がございます。

地デジアンテナ各モデルの受信性能は「素子数(相当)」「動作利得(ゲイン)」といった基準で表されます。また地デジアンテナを向ける方向は「指向性」というもので決まり、この指向性も受信性能に大きく影響いたします。

以下、地デジアンテナ全般に関係する、これらの要素についてご説明いたします。

地デジアンテナの受信性能を示す「素子数」「動作利得」とは?

地デジアンテナでも個々のモデルの受信性能を示す基礎的な基準は、「素子数」もしくは「素子数相当」の数値になります。

「素子」とは「エレメント」とも呼ばれ、地デジアンテナにおいて、地デジ電波を受信するパーツにあたります。

古典的なテレビアンテナであり、現在の地デジアンテナでは設計がもっともシンプルな八木式アンテナでは、本体の骨組みに、いくつも並んで設置されている短い横棒が、この素子に当たります。

八木式アンテナでは、モデルごとにこの素子の数が視認でき、素子が多いほど受信性能が高くなります。そのためモデルによって、例えば「8素子」「14素子」「20素子」など素子数が明記されており、この素子数がそのまま受信性能を示す数値になります。

また八木式アンテナのような、素子が露出して見えるアンテナは「素子アンテナ」と呼ばれ、同素子数モデルでも、素子が見えない機種に比べると、素子数の範囲でやや高い受信性能を発揮するという特性がございます。

デザインアンテナやユニコーンアンテナのように、外部から素子が見えない地デジアンテナ機種では、素子数による性能表記ができないため、その受信性能を素子数に換算して、例えば「20素子相当」などの呼び方で、受信性能を表します。

他にも、地デジアンテナの受信性能を表す基準には「動作利得(利得)」または「ゲイン(gain)」がございます。

動作利得(ゲイン)は、地デジアンテナの各モデルが受信できる電波レベルに対して、アンテナから出力できる電波レベルを示すもので、「㏈」の単位で表されます。

簡単に言えば、動作利得とは、アンテナが地デジ電波を出力する効率を表しており、アンテナ本体の正面側における受信感度を示しているともいえます。

この動作利得の数値は、素子数(相当)が多いアンテナほど高くなり、地デジアンテナの場合では、60dB以上の数値が必要となります。

前述した各電界地域では、主に素子数(相当)を基準に、現場の電波状態に適した受信性能の地デジアンテナモデルを選択することになります。

素子数や動作利得については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!

・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

地デジアンテナの「指向性」とは?

地デジアンテナの各機種には、一部の特殊なモデルを除いて、どれも「指向性」と呼ばれる性質が存在します。

指向性とは、テレビアンテナだけでなく、電波を受信、または送信する各種のアンテナや、マイク、スピーカーなど音声を発信、受信する音響機器などが有する性質のことであり、各機器が電波や音波を発信、受信する強度、感度などが、機器の方向によって異なってくる性質をいいます。

そして地デジアンテナの指向性とは、アンテナ本体の正面側に当たる一方向でのみ、受信性能が高くなる性質のこと指します。逆に地デジアンテナは正面以外の方向では受信性能が弱まり、正面から大きく外れた方向では、地デジ電波をほとんど受信できなくなります。

したがって地デジアンテナは、指向性が働き、受信性能が高くなる正面側を、地デジ電波の方向である電波塔の方向(場合によっては反射波の方向)へと正確に向ける必要があり、この角度が狂ってしまうと、受信性能が高い地デジアンテナでも、受信レベルが大きく低下してまいります。

この指向性には、正面側以外の方向から届く、ノイズの原因となる地デジ電波以外の余計な電波をカットするという役割もございます。

また地デジアンテナは機種および各モデルによっても、指向性の強さが違ってまいります。

そして指向性が鋭い(電波を受信できる範囲が狭い)地デジアンテナのモデルほど、正面側を電波の方向に向けた場合の受信性能が高くなる性質がございます。

この指向性の強弱については、アンテナモデルごとの「半値幅」という数値で表されます。半値幅とは、地デジアンテナの受信性能がもっとも高くなる真正面を基準として、アンテナの角度を左右にずらしてゆき、受信性能が最大のレベルからちょうど半分になる角度を示す数値です。

したがって、例えば同じ20素子(相当)の地デジアンテナモデルであっても、半値幅が狭く指向性が高いモデルであれば受信性能が高くなる反面、角度のズレにより受信感度が低くなりやすい。逆に半値幅が広い(指向性が低い)モデルは、正面側の受信性能がやや低くなる半面、設置時の角度調整が行いやすく、多少の角度のズレにも強くなるという特性が出てまいります。

地デジアンテナの指向性は、アンテナを設置する場合の設置位置や角度調整はもちろん、受信性能にも影響する要素ですので、設置に当たってはやはり注意が必要です。

なお地デジアンテナの指向性や角度調整の方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!

アンテナ設置

現在の地デジアンテナの種類とは?

前述の通り、現在、住宅の外に設置される主な地デジアンテナは、平面型のデザインアンテナおよび、従来の機種である八木式アンテナ、最新モデルであるユニコーンアンテナの三機種になります。

ここでは、本コラムのテーマであるデザインアンテナと、他の二機種である八木式アンテナ、ユニコーンアンテナそれぞれの特徴や、違いについて解説してまいります。

デザインアンテナとは?

すでに少し説明しておりますが、デザインアンテナとは、アンテナの機器部を、長方形で薄型のケースに収めた形状をした地デジアンテナの機種です。

日本における地上波テレビ放送が地デジ化され、電波の波長が短くなったことから、地デジアンテナの小型化が実現したことにより開発された、地デジアンテナの第二世代にあたる機種です。デザインアンテナが大きく普及したのは、2009年(平成21年)から2010年(平成22年)と、アナログ放送が終了する少し前の時期になります。

デザインアンテナは、それ以前の主要なテレビアンテナ機種である八木式アンテナのデメリットをカバーする狙いで、設計された地デジアンテナであり、八木アンテナに比べると、そのメリット、デメリットは対照的なものになります。

戸建て住宅におけるデザインアンテナの一般的な設置位置は、住宅の壁やベランダの手すり部に専用の固定具を取り付け、本体を固定するという形になります。他にも、屋根の上のマスト。また対応できるモデルや条件が整った現場であれば、室内の窓際や屋根裏空間など、屋内に設置することも可能です。

このような形状や設置位置から、デザインアンテナには、平面アンテナ、薄型アンテナ、壁面アンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナ、フラットアンテナなどの別名もあります。

デザインアンテナのメリットは、主に八木式アンテナと比較した場合になりますが、スタイリッシュでシンプルな形状に、同モデルでもカラーバリエーションが豊富であることや、壁面などの設置位置から、住宅の見た目や周辺の景観を乱しにくいという点。

また風雨や雪などの自然環境にも影響されにくく、経年劣化が進みにくいため、アンテナのトラブルが生じにくく寿命も長くなる点です。

一方でデメリットとしては、形状や設置の低さから、八木式アンテナに比べると地デジの受信性能がやや低めになる傾向があり、設置できるエリアや現場の条件が限られてくる点がございます。

これらデザインアンテナの特性については、以下の記事にて詳しく説明してまいります。

八木式アンテナとは?

八木式アンテナ(八木アンテナ)とは、大正時代である1920年代、東北帝国大学(現在の東北大学)の八木秀次博士、宇田新太郎博士の共同研究により開発された、古典的なアンテナ機種です。特許を取得したのは八木博士ですが、現在では研究を主導した宇田博士の名前も入れて、八木・宇田アンテナと呼ばれることもございます。

八木式アンテナは、金属の骨組みに、短い横棒がいくつもついた形状で、アナログ放送の時代からテレビ用のVHFアンテナ、UHFアンテナとして使用されてきたアンテナです。そのため現在でもテレビアンテナと言えば、この形状をイメージする人が多いと思われます。

主な設置方法は、住宅の屋根の上などに、屋根馬と呼ばれる四脚の器具を置き、そこに立てたマスト(ポール、支柱)の先にアンテナ本体を設置。屋根の四方からステンレスワイヤーなどのステー(支線)を張って、屋根馬やマストを固定するという形です。

他にも住宅の壁面やベランダの手すりに、横に伸びたアームにマストを固定できるサイドベースという器具を設置して取り付ける。ベランダの内部に設置する。専用のモデルを使用して軒先などから吊り下げるといった方法がございます。

八木式アンテナの特徴は、第一にその受信性能の高さが挙げられます。

前述のように八木式アンテナの横棒は、電波を受信する「素子(エレメント)」と呼ばれるパーツであり、八木式アンテナではこの素子数の異なるモデル、すなわち受信性能の異なるモデルが豊富で、さまざまな電界地域のエリアで使用できます。

特に、八木式アンテナの高性能モデルとしては、骨組みにⅩ字型の器具を設置し、その上下に素子パーツを並べた高性能素子を使用する上、高性能素子の数も27素子、30素子などのモデルが存在する「パラスタックアンテナ」があり、このようなモデルでは、弱電界地域の特に地デジ電波レベルが微弱なエリアでも使用が可能です。

またパラスタックアンテナでは、5素子程度でも、通常の八木式アンテナと同等の受信性能を確保できるため、アンテナ本体の小型化にも利用されます。

それに加え、周辺の障害物などの環境に影響されにくい高所に設置される。素子が露出した素子アンテナである。指向性の半値幅が比較的、狭いなどの特徴から、総合的に現在の地デジアンテナでは、受信性能において一番の高性能を誇るモデルになります。

したがって弱電界地域などでは、その他の地デジアンテナモデルは使用できず、八木式アンテナを高い位置に設置する以外、地デジアンテナ設置の選択肢がないこともございます。

また八木式アンテナは、古典的なアンテナ機種であり、設計や製造、設置の技術が完成されているため、アンテナ本体価格や設置費用が地デジアンテナではもっとも低価格になる点も特徴といえます。他にもBS/CSアンテナとセットで設置する場合、同じマストに取り付けて角度調整が行いやすい点もメリットになります。

八木式アンテナの本体価格は、一般的な20素子相当のモデルであれば、3,000円台から8,000円程度になります。ただパラスタックアンテナや、後述する対候性を高めたモデルでは、10,000円前後からそれ以上と、やや高額になってまいります。

八木式アンテナのデメリットは、その形状と設置位置から、屋根の上で目立ちやすく、デザイン性の高い住宅や周辺の景観を乱しやすいこと。それに伴い、景観地域などでは条例により設置できないケースもある。アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出す越境問題が生じることがある。太陽光パネルに影を落として発電に悪影響を及ぼしやすい、などの点も挙げられます。

また風雨や積雪、海沿いの潮風による塩害。アンテナに鳥が留まり、フンをする鳥害など、自然環境に影響を受けやすく、老朽化が進みやすい。そのためトラブルも生じやすくなるのもデメリットと言えます。

八木式アンテナの寿命は一般的に10年程度とされておりますが、自然環境の厳しいエリアでは、10年を下回ることもございます。また故障やアンテナ角度のズレなどのトラブルが生じた場合、設置位置の高さから、修理や角度の調整をアンテナ工事の専門業者に依頼する必要が出てまいります。

ただ、近年では八木式アンテナも素材の改良による軽量化や、表面加工による防サビ性能の向上。また自然環境に合わせた設計や加工を施した雪害用、塩害用モデルなどが登場しており、現場の環境に適したモデルを使用することで、自然環境への耐久性と寿命の長期化を期待できます。

アンテナ工事業者による八木式アンテナの設置工事では、20素子の八木式アンテナ本体と基本的な設置具、一定の長さのケーブルなどをセットにした標準工事で、15,000円から25,000円程度が工事費用の相場になります。

当あさひアンテナでは、日本三大アンテナメーカーに数えられる大手アンテナメーカー「DXアンテナ」製の軽量で耐風性、防水性も高い高品質20素子モデル八木式アンテナ「UA20」に、屋根馬やマストなど基本設置具、同軸ケーブル、防水処理をセットにした設置工事を、税込み15,000円からで実施しております。

その他、各素子数モデルやパラスタックアンテナ。雪害用、塩害用モデルもご用意しておりますので、さまざまな現場に対応できます。。

八木式アンテナ本体や設置方法などについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!


アンテナ工事

ユニコーンアンテナとは?

これまで外観性と対候性のデザインアンテナ、受信性能の八木式アンテナという、主に二種類の選択肢であった地デジアンテナの世界に、2017年(平成29年)新しく登場した第三世代のモデルがユニコーンアンテナです。

ユニコーンアンテナは、やはり日本三大アンテナメーカーに数えられる「マスプロ電工」が開発した、同社独自のモデルです。

その形状は長さ約67センチ、直径14センチ程度の円筒形で、マストの先に立てる形で固定されます。カラーバリエーションは落ち着いたウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二種類で、マストとの設置部分もカバーで隠せるため、非常にスタイリッシュな外観になります。

主な設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根の上に固定されたマスト。または住宅の破風板(屋根の張り出し部)や壁面の高所にサイドベースを取り付けて設置するという形で、基本的に屋根の上と同様の高所に設置されます。

その名称の由来は、ギリシャ神話に登場する伝説上の一角獣「ユニコーン」の角に似ていることであり、名称は同社の登録商標でもあります。また住宅などに設置した場合も含むそのデザイン性から、ユニコーンアンテナは2018年(平成30年)度の「グッドデザイン賞」も受賞しております。

ユニコーンアンテナのメリットは、デザインアンテナにも劣らないデザイン性で、高所に設置しても住宅のデザイン性や景観に悪影響を与えない点。そして雨や風、雪などを受け流せる形状から、高い対候性を誇り、経年劣化が進みにくくアンテナ寿命が長くなる点も、デザインアンテナとほぼ同様です。

またユニコーンアンテナ本体の受信性能は20素子相当ですが、屋根の上などの高所に設置できるため、周辺の障害物に影響されにくく、受信性能が高くなる、八木式アンテナと同様のメリットもございます。

ユニコーンアンテナの受信性能は、同じ20素子相当のデザインアンテナを、周辺環境の良い壁面に設置した場合と同等とされます。

ただデザインアンテナの場合、壁面やベランダなど低い位置への取り付けでは、周辺の高層建築や住宅密集地などの環境に影響されやすく、強電界地域など受信環境の良いエリアであっても設置できないケースがございます。

しかし同じ現場でもユニコーンアンテナであれば、高さを確保できるため十分な受信性能を発揮し、設置が可能となることが多くなります。

他にも、景観地域でも使用でき、越境問題も発生しにくい。太陽光パネルがある住宅でも使いやすい。同じマストにBS/CSアンテナを設置できる。本体の素材などが有害物質使用規制「RpHS指令」に適合しており、環境にも優しいなどのメリットがございます。

逆にユニコーンアンテナのデメリットでは、20素子相当モデルしか存在せず、素子が露出していない。指向性(半値幅)が広めであるなどの要素から、高所に設置してもその受信性能は、20素子からそれ以上の八木式アンテナには及ばない点が挙げられます。

そのためユニコーンアンテナは基本的に、強電界地域から中電界地域向けの機種であり、弱電界地域には使用できないケースもございます。

他にも、最新モデルであるため、現時点では、地デジアンテナの中で本体価格、設置費用がもっとも高額になる。純和風建築など住宅の形状によっては、アンテナのデザインがマッチしない。水平偏波専用モデルしか存在せず、垂直偏波は受信できないなどのデメリットが挙げられます。

現在のユニコーンアンテナの実売価格は、店舗によって差があり、10,000円弱から20,000円程度となります。またアンテナ工事の専門業者に依頼した場合は、本体価格や設置具などを含めて、30,000円から40,000円程度が設置工費の相場となります。

なお当あさひアンテナでは、本体価格や設置具、機材費を含めたユニコーンアンテナの設置工事を、業界最安に挑むキャンペーン価格でご案内しております。

その他、ユニコーンアンテナの特徴や、デザインアンテナとの比較については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

デザインアンテナのメリット・デメリット

以下では、デザインアンテナのメリット、デメリットをより詳細に解説してまいります。

デザインアンテナをご検討の方は、ご自宅の条件と、メリット、デメリットをそれぞれご勘案の上、ご判断していただければ幸いです。

デザインアンテナのメリット1:外観性に優れて種類も豊富。

前述のように、デザインアンテナは基本的に壁面やベランダなどへ設置する薄型の地デジアンテナです。

各メーカーのモデルごとに、オフホワイトやブラック、ブラウンやベージュなど、カラーバリエーションも豊富で、住宅の色合いと合わせることで、さまざまな住宅の形へと溶け込むようにマッチするため、住宅の見た目や景観を乱しません。

そのため景観地域などの条例にも抵触せず設置できることが多い。アンテナの一部が隣家にはみ出す可能性が少なく、越境問題が生じにくい。屋根の上にソーラーパネルを設置している住宅でも、アンテナがパネルに影を落とすことがないなどのメリットがございます。

また受信性能がおよそ3素子相当になるため、強電界地域専用のモデルになりますが、マスプロ電工の「スカイウォーリーミニ(Sky-walley mini)」は、高さ360ミリ、横幅150ミリ、厚さは55ミリ、下部の3分の1ほどが99ミリと、一般的なデザインアンテナの半分以下というコンパクトサイズになります。このモデルであれば、屋外設置の他、付属の専用スタンドを用いて屋内の窓際などへの設置も可能となります。

このスカイウォーリーミニには、本体色はホワイトで通常モデルの「U2SWLC3」と、ブースター内蔵型の「U2SWLC3」。またそれぞれのブラックである「BK」モデルも存在します。

また通常のデザインアンテナであれば、受信性能は主に20素子相当、26素子相当の二種類のモデルになり、20素子相当のモデルであれば、そのサイズは高さ58センチ前後、横幅22センチ前後、厚さ11センチ程度が一般的な大きさになります。

26素子相当モデルはやや大型になり、高さは62センチ前後、横幅は25センチ前後、厚さは12センチ前後になります。

またそれぞれの素子数のモデルの多くにもブースター内蔵型が存在する他、前述した水平偏波対応、垂直偏波対応の機種もあるため、外観だけでなく、性能も現場に適したモデルを選ぶ必要がございます。

デザインアンテナの各機種については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。

・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)

デザインアンテナのメリット2:風雨など自然環境に強く、寿命が長くなる。

デザインアンテナは、基本的に壁面やベランダの手すりなどに貼り付ける形で設置するため、正面から風を受けても風力の影響を受けにくい他、雨や雪などの影響も避けやすく、鳥も留まりにくいなどの特性があり、対候性が高くなります。

そのため八木式アンテナに比べると経年劣化が進みにくく、アンテナトラブルのリスクを軽減できて、アンテナ本体の寿命も長くなります。一般的にデザインアンテナの壁面、ベランダなどへの設置では、アンテナ寿命は15年から20年ほどになると言われております。

ただこれはあくまで壁面などへの設置の場合になります。屋根の上へのマストへの設置であれば、受信環境は良くなる半面、風雨などには影響されやすくなるため注意が必要です。

デザインアンテナのメリット3:屋内の屋根裏空間などにも設置可能。

前述のように、デザインアンテナはコンパクトモデルであれば室内の設置も可能である他、通常モデルでも条件が揃っていれば、屋内の屋根裏空間、天井裏空間に設置することも可能です。このような場所に設置すれば、屋外の工事は必要なくなるため、住宅の外観や外装にはまったく影響がなくなります。さらに雨風などの自然環境の影響もほぼ完全に避けることができるため、アンテナ本体の寿命も大幅に伸びることになります。

ただデザインアンテナを屋根裏空間などに設置するためには、いくつかの条件が存在します。まず屋根裏空間などに、十分なレベルの地デジ電波が届くことが必須となります。

そのため現場は主に強電界地域であり、住宅の建材や屋根材、断熱材などに、電波を遮断、吸収しやすい金属などの素材が使われていないこと。屋根の上に太陽光パネルや、冬場の積雪など、電波を遮ってしまう条件がないこと。

また作業のため屋根裏空間に入ることができる点検口などがあること。また空間内に、設置作業に必要となる最低限で一平方メートル四方ほどのスペースがあることなどが、屋根裏などへのデザインアンテナ設置に必要な条件です。

なお、八木式アンテナを屋根裏空間に設置することも可能ですが、本体の大きさにより設置できる条件がより厳しくなる上、専用の設置具などが必要となり、設置コストもデザインアンテナと変わらなくなるため、実際に設置される例は少なくなります。

またユニコーンアンテナは受信部が小さいため、屋根裏空間への設置には向きません

また、衛星放送用のBS/CSのアンテナは、人工衛星からの12GHz帯の電波を受信するアンテナであり、光に近い性質の12GHz帯の電波は、透明でシンプルな一枚板の窓ガラスを除き、住宅の壁や屋根などで遮断されてしまうため、基本的にBS/CSアンテナは、条件の揃った窓際に自立スタンドで立てて設置する以外に、屋内への設置はできません。

したがってデザインアンテナを屋根裏空間に設置した場合も、BS/CSアンテナは基本的に屋外へと設置する必要があるため、注意が必要です。

デザインアンテナの屋内設置に関しては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説

デザインアンテナのデメリット1:受信性能がやや低くなる。

現在でも、地デジアンテナ機種についてある程度の知識がある方の中では、デザインアンテナは受信性能が低いというイメージが根強くございます。

これは、デザインアンテナが発売された当初は、20素子相当より以下の受信性能であったためです。そのため当時から20素子モデルが主流で、パラスタックアンテナも存在した八木式アンテナに比べると、受信性能では劣るといわれてきました。

しかし今では前述のように、デザインアンテナの受信性能は、コンパクトモデルを除けば、20素子相当、26素子相当と、それぞれのブースター内蔵型になります。

26素子相当のデザインアンテナでは。当然ながら20素子相当の八木式アンテナよりやや高い受信性能になり、現在では両モデルの間に大きな受信性能の差はなくなっております。

ただ、デザインアンテナは前述のように、素子が露出していないことから、八木式アンテナに比べて同素子数(相当)でも受信性能はわずかに低めとなります。

またデザインアンテナはその設置場所や形状から、指向性がやや広めにとられております。

あるメーカーのデザインアンテナモデルで半値幅の一例をあげると、20素子相当で75度から86度程度。26素子相当では71度から82度です。

八木式アンテナの場合の半値幅は、20素子で28度から52度。パラスタックアンテナの30素子モデルでは半値幅18度から29度と、指向性が鋭くなっております。

ちなみにユニコーンアンテナでは、半値幅は83度から93度と、デザインアンテナよりも広くなっています。

このような指向性の広さから、デザインアンテナは壁面などにも設置しやすく、角度のズレなどには強い半面、同素子数(相当)のモデルでも、八木式アンテナに比べると受信性能はやや低くなるのです。

そしてデザインアンテナの受信性能が低くなりやすい最大の要因は、設置位置が壁面やベランダなど、八木式アンテナに比べると低くなる点です。これは設置場所が低い分だけ、地デジ電波を遮断する周辺環境に影響されやすくなるためです。

デザインアンテナを壁面やベランダなどに設置する場合も、設置場所はまったくの自由ではなく、基本的にアンテナの正面を電波塔の方向に向けられる側の壁面に設置する必要がございます。

したがって強電界地域から中電界地域でも、高層マンションの近隣や住宅密集地など現場の条件によっては、地デジ電波が遮断されて十分な受信が不可能となるため、デザインアンテナの設置ができないケースも出てまいります。

逆にユニコーンアンテナでは、本体の受信性能が20素子相当でも高さを確保できるため、周辺環境の影響からデザインアンテナを設置できない現場でも、十分な受信が可能になるケースが多くなるのです。

これらの条件から、デザインアンテナが使用できるエリアは基本的に強電界地域から中電界地域になります。また26素子相当やブースター内蔵型を使用することで、弱電界地域でも比較的、受信環境が良いエリアであれば設置できる場合もございます。

デザインアンテナはじめ、各種地デジアンテナの設置位置に関しては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法

・地デジ用テレビアンテナ各種類の違いと選び方とは? 戸建て住宅への設置や交換する方法、工事費用はいくらかの相場も解説!

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

デザインアンテナのデメリット2:設置費用がやや割高

デザインアンテナは、登場からまだ十数年程度と比較的、新しい地デジアンテナモデルです。

そのため、今も設計などの改良やニューモデルの開発が続けられていることもあり、特に最新モデルでは、どうしても古典的な八木式アンテナに比べると、本体価格は高くなります。

また設置工事に関しても、前述した屋根裏設置など特殊な施工では、業者によっては追加工事費が発生する場合もございます。

そのため同素子数モデルの八木式アンテナ設置に比べると、設置工事の費用は5,000円から10,000円程度、割高になってまいります。

ただ前述のように、デザインアンテナは八木式アンテナに比べて、デザイン性がよい上、対候性が高く長持ちするため、設置費用のコストパフォーマンスは高いとも言えます。

デザインアンテナのデメリット3:壁面設置では壁にビス穴を開ける必要がある。

デザインアンテナの設置場所は、多くの場合、住宅の壁面になります。

その場合、まず壁に角度調整が可能となる設置用の金具を固定し、そこにアンテナ本体を設置する形になります。そのためまずは壁に設置具を装着すべく、壁面にビス穴を開ける必要が出てまいります。

しかし新築物件にお住まいの方では、アンテナ設置のため、壁面にビス穴を開けることに抵抗を覚える方もおられるでしょう。デザインアンテナの壁面設置では、壁に穴を開けた部分から雨水などが染みこんで、壁の腐食やカビの発生などが起こらないよう丁寧な施工が必要です。

当あさひアンテナでは、デザインアンテナなどの壁面設置では、ビス穴を防水用の変性シリコンによるコーキング剤でふさいで、壁の腐食などを防止する丁寧な施工を実施しております。このような施工で、アンテナの壁面設置におけるカビ防止やひび割れ対策をしている業者をお選びになることがおすすめです。

なお、ベランダの手すり部への設置であれば、手すりの形状に合わせて挟み込む形の設置具を使用するため、壁に穴を開けるなどの必要はなくなります。

またデザインアンテナ以外のアンテナ機種であっても、サイドベースなどを用いて壁面に設置する場合には、やはりビス穴を開ける必要が出てまいりますのでご注意ください。

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デザインアンテナ各種モデルの選び方

デザインアンテナは、設置した際の外観性や対候性で八木式アンテナに優れることから、現在では人気ナンバーワンの地デジアンテナ機種になります。

ただその反面、受信性能がやや低くなるため、設置できる現場の条件が限られるという問題も出てまいります。

したがってデザインアンテナの設置をご検討になる場合には、まず現場の地デジ受信環境を確認して、デザインアンテナの設置か可能であるか、また現場に適した性能をもつデザインアンテナのモデルをお選びになる必要がございます。

この項では、デザインアンテナを中心に、ご自宅に地デジアンテナを設置する場合に、現場の条件に適した機種を選ぶポイントをご説明してまいります。

1:ご自宅の地デジ電波状態や電波の方向を調べる。

すでにご説明した通り、地デジ電波はエリアによって受信できる電波レベルが異なり、受信できる電波レベルは、電界地域によっておおまかに区分されております。

また地デジアンテナはその指向性から、主に近隣の電波塔など、現場に地デジ電波が届く方向へと、正面を向ける必要があり、それが可能な位置に設置する必要がございます。

そのため、まずはご自宅の電界地域や電波塔の位置を確認して、適したアンテナモデルや設置場所を確認する必要がございます。

電界地域や電波塔の位置を調べる方法としては、前述した「地デジ放送エリアのめやす」ページを確認することが確実です。

ただこのページで確認できる電界地域はあくまで目安にすぎず、周辺環境の影響などを含めた現場の電波状態や電波の方向を確認するためには、専用の機器を用いた正確な電波調査が必要となります。

地デジ電波状態を確認する機器は「デジタルレベルチェッカー(電波計測器)」と呼ばれ、個人でも購入は可能ですが、機器によって数千円から数万円の価格になるため、コストパフォーマンスが悪くなります。また地デジ電波に関する専門知識がない方では、測定された数値の意味を理解することも難しくなります。

したがって正確な電波調査は、アンテナ工事の専門業者にご依頼になることが確実です。

当あさひアンテナでは、各現場での電波調査、およびアンテナ工事のお見積もりを、出張料、キャンセル料なども含む完全無料で実施しております。

電波調査に関しては、当あさひアンテナをはじめ、無料の電波調査を実施しているアンテナ工事業者へとご相談になることがおすすめです。

業者による電波調査およびお見積りに関しては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

2:現場の電界地域に合ったアンテナを選ぶ。

これも先に述べた通り、地デジアンテナは、主に表記される「素子数」「素子数相当」および「動作利得(利得、ゲイン)」の数値でその受信性能が判断できます。

八木式アンテナであれば本体の短い横棒である素子の数から、そのまま素子数を見て取ることができます。ただデザインアンテナやユニコーンアンテナ、また動作利得はスペック表などを確認する必要がございます。

また同素子数(相当)の地デジアンテナでも素子が露出しているか否か、指向性の狭さなども受信性能に影響を与え、これらの要素は動作利得の数値に影響を与えます。

以下、各電界地域に適した素子数(相当)や動作利得の地デジアンテナモデルをご説明してゆきます。

強電界地域では、素子記載のない室内アンテナや、屋外屋内兼用アンテナ。また八木式アンテナであれば8素子から14素子のモデルが適しております。動作利得は5㏈以下の機種でも使用可能になります。

中電界地域では14素子から、デザインアンテナやユニコーンアンテナを含め、20素子(相当)のモデルが必要になります。動作利得は5㏈から10㏈程度であれば使用できます。

弱電界地域になると、実際の電波レベルにもよりますが、八木式アンテナの20素子相当から、26素子相当のデザインアンテナ。特に受信状態が悪いエリアでは、パラスタックアンテナなどが必要になります。動作利得は7㏈から14㏈ほどが必要です。

なお、20素子の八木式アンテナであれば、素子数に加えて、指向性の鋭さや高所に設置されることなどから、強電界地域から弱電界地域のうち、比較的、受信が安定する現場まで、幅広いエリアで使用できます。

各電界地域に適したアンテナ機種については、以下の各コラム記事で解説しております。

・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

3:ブースター内蔵タイプを選ぶ。

これもすでにご説明しておりますが、デザインアンテナには、同じ会社の同モデルにも、ブースター内蔵型が存在する場合がございます。

「ブースター(増幅器)」とは、テレビアンテナが受信したテレビ電波を、電波的に増幅する装置のことで、主に地デジ電波レベルが弱いエリアや、住宅内に複数のテレビなど受信機器を設置する場合に、アンテナ配線部に設置される機器のことです。

デザインアンテナにはこのブースターが本体に内蔵されているモデルもあり、中電界地域から弱電界地域。また周辺環境の影響などで、アンテナ本体だけでは受信性能が不足する場合には、ブースター内蔵モデルが適していると言えます。

ただ、同モデルのデザインアンテナでも、ブースターなしモデルに比べ、ブースター内蔵モデルは、約5,000円程度、高額になってまいります。

またブースターには電源が必要になる他、基本的にデザインアンテナのブースター内蔵型は、アンテナ本体の受信感度の弱さを補完するためのものになります。そのため場合によっては、デザインアンテナの内蔵ブースターとは別に、配線部に別個のブースターを設置する必要が出ることもございますので、注意が必要です。

一般的なブースターの詳細については、以下の各コラム記事でも解説しております。

・テレビアンテナの「ブースター」は必ず必要なのか? 【地デジ設置・あさひアンテナ】

・テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?

デザインアンテナの一般的な設置位置とは?

ここでは、戸建て住宅でデザインアンテナを設置可能な場所について、それぞれの特徴やメリット、デメリットをご説明してまいります。

デザインアンテナの設置位置1:壁面。

デザインアンテナの基本的な取り付け位置のひとつが、住宅の壁面です。前述の通り、壁にビス穴を開けて設置具を固定し、その設置具にアンテナ本体をはめ込む形で取り付けることが多くなります。

また背面をマストに固定するタイプのデザインアンテナもあり、この場合もやはり壁面にサイドベースなどの固定具を取り付け、そこに立てたマストにデザインアンテナを固定する方法になります。

いずれの設置方法でも、デザインアンテナ本体の正面を、電波塔など、現場に地デジ電波が届く方向へと向ける必要が出ます。

またアンテナを設置する場所の近隣が高層マンションや住宅密集地などの場合は、電波が遮られて地デジ受信ができないため、デザインアンテナが設置できなくなるケースもございます。この場合は、別のアンテナ機種や設置位置を検討される必要がございます。

デザインアンテナの設置位置2:ベランダの柵や手すり部。

自宅のベランダの柵や手すりに専用の固定具を取り付け、デザインアンテナを設置する方法もございます。

この場合のメリットは、設置具が手すり部を挟んで固定する形になるため、壁面にビス穴を開ける必要がなくなる点です。また、設置作業が比較的、簡単かつ安全に行えるため、業者に依頼せずご自分によるDIYでの設置も可能となります。

デメリットは壁面の場合と同じく、設置の方向が限られ、また周辺の障害物に影響されやすく、環境によっては設置できないケースもある。壁面の高所に比べると設置位置が低くなる点などが挙げられます。

デザインアンテナの設置位置3:屋根の上。

八木式アンテナの設置方法と同じく、屋根の上に立てたマストに、デザインアンテナを固定する方法もございます。

屋根の上の設置では、周辺の障害物などに影響されにくくなり受信感度が安定する上、360度の方向へと角度調整も行いやすくなります。半面、デザインアンテナの特性である外観性や、雨風に影響されにくいといったメリットがやや損なわれてしまう難点も出ます。

また差し掛け屋根、越屋根など、屋根の上に壁面がある形の住宅であれば、屋根の上の壁面にデザインアンテナを設置できる場合もあり、この方法ではデザインアンテナのメリットは、さほど損なわれません。

デザインアンテナの設置位置4;屋根裏や天井裏の空間。

前述のように、電波状態がよいエリアであれば、屋外屋内兼用のコンパクトモデルを室内の窓際に設置する。また屋根裏空間や上階と下階の間の天井裏空間にデザインアンテナを設置するといった方法も可能です。

詳しい方法についてはすでにご説明しているため、ここでは略しますが、このような設置方法は、可能となる条件が限られるものの、住宅の見た目や外装、景観などに影響を与えず、アンテナ本体も自然環境の影響を避けて、トラブルのリスクを抑えられて寿命が長くなる設置が可能となります。

デザインアンテナの本体価格とは?

デザインアンテナをはじめ、各種のテレビアンテナは、家電量販店やホームセンターの実店舗。またはインターネットショップなどで購入できます。

その場合の実売価格は、メーカーやモデルにもよりますが、おおむね7,000円台から18,000円程度になります。

この価格差については、店舗ごとの値引き率などの他、主に「受信性能」「ブースター内蔵」「付属品・付加性能」の三点の要素によって決まってまいります。

受信性能では、前述の通り、デザインアンテナは主に20素子相当と26素子相当のモデルに分かれます。価格的には、20素子相当では7,000円から10,000円強。26素子相当では9,000円から18,000円程度となります。

また同じメーカーの同素子数モデルでも、ブースターなしとブースター内蔵型のモデルに分かれていることがあり、ブースター内蔵型は、上記の価格帯でも、高額の部類になってまいります。

ご自宅の電波状況や設置位置に適した性能、またお気に入りのカラーがあるモデルの中から、リーズナブルな機種をお選びになるとよいでしょう。

またデザインアンテナに限らず、アンテナ本体以外の付属品や付加性能も、アンテナの販売価格に影響を与えます。

付属品としては、アンテナの設置に必要となる設置具やケーブル、ケーブル端子などの各種部品がセットになっている製品が多くなります。

付属品が多い製品は、その分、価格に転嫁されることになりますが、付属品を別途に購入する場合よりは割安になることが多く、総額では費用を抑えることができます。

ただ、ご自宅への設置場所などに不要な付属品がある場合は、付属品の分の価格が無駄になってしまいます。そのためご購入の際には、付属する品がご自宅での設置に必要なものかをご確認の上で購入されるとよろしいでしょう。

他にも各メーカーから販売されているアンテナモデルには、他の機種にはないメーカー独自の仕様や性能が備わっていることもあり、これらの点も価格に影響を与えます。

そのため、ただ廉価なモデルをお選びになるだけではなく、カタログなどをご参照の上、魅力的な性能を備えたモデルであれば、コストパフォーマンスを踏まえて判断されるのもよいといえます。

デザインアンテナの設置工事費用とは?

アンテナ工事業者などに依頼する場合の、デザインアンテナの設置工事費用は、アンテナ本体や設置具などを含めた基本設置工事の費用と、その他、必要な追加工事費を合わせた総額になります。

デザインアンテナ本体のみの基本設置工事の費用相場は、20素子相当のデザインアンテナや部材込みで、おおよそ20,000円から30,000円程度です。また26素子相当やブースター内蔵型など高性能のアンテナ本体を使用する場合は、その分だけ工事費用に上乗せされます。

ただこの基本設置工事は、デザインアンテナに限らず、アンテナ本体を設置して、屋内の一ヵ所のみと配線を行う、必要最小限の工事になります。

その他、BS/CSアンテナを追加設置する。配線を各部屋に分配する分配器。必要なレベルに電波を増幅するブースター。地デジと衛星放送の電波を一本のケーブルにまとめる混合器などの機材を設置する場合には、それぞれ、機器の本体価格を含めた個別の設置費用が必要となり、したがってアンテナ設置の工事費用はそれらの総額となります。

また、デザインアンテナの屋根裏設置など、特殊な工事については、基本工事費とは別途に、追加工事費が発生することもございます。

一般的に、戸建て住宅で既存の地デジアンテナを、デザインアンテナに交換する場合の工事費用の総額は40,000円から60,000円程度が一般的になります。

アンテナ交換の場合は、基本的に既存の配線部などを流用できるため、デザインアンテナの基本工事費に、必要な工事費をプラスしたものになります。

既設のアンテナが同じデザインアンテナであれば、現在のアンテナを取り外して、新しいアンテナに交換するだけで済む場合もあり、工事費用は抑えられます。

しかし八木式アンテナからデザインアンテナに交換する場合は、古い八木式アンテナを撤去し、一からデザインアンテナを設置する形になります。

そのため、古い八木式アンテナの撤去と処分を一括で行う費用として、5,000円から10,000円程度が必要となります。その他、配線や機材の追加設置や、設置場所によっては、高所作業費など追加工事費が加算されるケースもございます。

また新築住宅にデザインアンテナを設置する場合の工事費用の総額は、おおよそ50,000円から80,000円程度となります。

新築の住宅には、アンテナ配線部や機器などが設置されておらず、それらをすべて一から設置することになるため、交換の場合よりも、費用はやや高くなります。

必要となる工事費は、アンテナ本体の基本設置費用に加え、ブースター、分配器などの配線部の機材設置費用、その他必要な追加工事費の総額です。


デザインアンテナの設置工事を依頼できる業者とは?

デザインアンテナをはじめ、ご自宅へのテレビアンテナ設置工事を依頼できる業者には、家電量販店やホームセンター。街の電気店。また当あさひアンテナのような、アンテナ工事の専門業者がございます。

以下の項では、それぞれの特徴。および依頼する際の、優良業者の見極め方をご説明してまいります。

1:近隣の家電量販店やホームセンター店舗。

家電量販店やホームセンターでは、各種テレビアンテナを購入すると同時に、アンテナ工事を申し込むことができます。

この場合のメリットは、店舗のスタッフに、アンテナや受信状態についてスタッフに直接、質問ができる。特に自宅近辺の店舗のスタッフは、周辺エリアの電波状態に詳しいケースが多い。また工事業者を手配する手間が省けるといった点が挙げられます。

ただ注意点として、これらの店舗へ依頼した場合、実際の工事を担当するのは店舗ではなく、店舗と提携した町の電気店などの下請け業者になります。

そのため、仲介手数料などの中間マージンが発生して、工事費用が割高になります。また担当する下請け業者はアンテナ工事に特化したプロではなく、エアコン工事などを含めた電気工事や家電製品の設置を全般的に引き受ける業者になります。

したがってアンテナの設置は可能なものの、担当する下請け業者によっては、アンテナの施工技術に差が出て、難しい設置位置などには対応できないことがある。設置や配線などの施工が粗雑。悪天候時には受信が安定しないこともあるなどのトラブルが生じるケースもございます。

他にも、電波調査や見積もりと工事が別日程になり、アンテナ購入から工事までに日数が空く。工事をキャンセルした場合も出張費などが発生することがある。エアコン工事の繁忙期にはアンテナ工事が後回しになることが多い。保証期間もないか短いことが多いなどのデメリットが挙げられます。

2:近隣の商店街などにある個人経営の電気店。

地元の商店街などにある、個人経営の電気店にアンテナ工事を依頼する方法です。

このような店舗は、地元密着型でエリアの電波状態や環境に詳しく、工事後も相談が持ち掛けやすい点がメリットといえます。

ただ、このような店舗は、近年のアンテナ工事の技術や費用相場にうとく、地元の人脈による紹介で工事費用が割安になることもある反面、通常より割高になるケースもございます。

またアンテナ工事の知識や使用する機材などが古く、最新の工事技術には対応できないケースも考えられます。

さらにこのような店舗は地域の商店街の衰退や、店主の高齢化などにより年々、数が減ってきており、店舗の閉店、廃業などにより、相談先がなくなる可能性もございます。

3:アンテナ工事の専門業者。

当あさひアンテナをはじめとする、インターネット上などに公式サイトを掲載するアンテナ工事の専門業者に、アンテナ設置工事を依頼する場合です。

アンテナ工事に特化したプロの専門業者であるだけに、メリットは豊富になります。

具体的なメリットとしては、

・アンテナ工事のプロであるため、施工の技術や品質が高く、設置位置をはじめさまざまな工事に対応できる。

・完全自社施工の業者であれば中間マージンが発生せず、機材の一括大量購入によるスケールメリットなどにより工事費用が低価格。

・電波調査と見積もりが、出張費、キャンセル費など各種費用含めた完全無料である業者が多い。

・お住まいの各場所での丁寧な電波調査により、可能な限りお客様のご要望に対応する工事が可能となる。

・工事後も5年以上の長期保証が用意されているところが多い

などになります。

ただアンテナ工事には上記に該当する優れた業者もいる一方で、質の低い業者も存在します。

そのためアンテナ工事業者に依頼する場合には、不必要な機材や工事を加算するなどの手口で、見積りにない高額な金額を請求するなどの悪質な業者を依頼してしまわないよう、業者の質を見極めることが重要です。

アンテナ工事の優良業者を見極める方法としては、まず公式サイトなどのサイト、ホームページで、使用するアンテナ機材のメーカーや型番、また各工事やオプション工事の価格体系がわかりやすく明記されており、工事に必要な総額が想定しやすいという点が重要です。

アンテナ本体や機材のメーカーは、日本三大アンテナメーカーであるマスプロ電工、DXアンテナ、日本アンテナやサン電子など、国内の大手メーカー製であれば信頼が置けます。

また無料で電波調査、見積もりを出してくれる業者をいくつか選んで、相見積もりを行い、それぞれの見積もり価格を比較して、適切な価格相場を判断することも有効です。施工品質や価格に自信のある業者であれば、相見積もりにも対応してくれるはずです。

また電波調査、見積もりの際のスタッフの対応が丁寧で、お客様からの質問にも明確にわかりやすく回答できる。さらに強引に契約を求めるセールスなどがないといった点も、業者の質を見極める上で、重要なポイントとなります。

なお、各業者にアンテナ工事を依頼する場合の価格や施工技術の比較。おすすめ業者の選び方などは、以下の各コラム記事でもご説明しております。

・アンテナ工事会社のおすすめの選び方!業者別の特徴や費用相場を比較&解説

・業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事

・アンテナ工事の料金はいくら? 業者ごとの相場、必要な工事の選び方

・新築、既存住宅のテレビアンテナ工事はどこの業者に頼むか? おすすめ会社の選び方を、費用から依頼の流れまで徹底比較&解説!

・新築物件、中古物件、修理など各種テレビアンテナ工事を頼むおすすめ業者はどこ? 依頼できる業者選びの比較ポイント徹底解説!

・テレビアンテナ工事の専門業者は他の業者とどう違う? 技術から費用の相場まで比較しておすすめ業者の選び方を徹底解説!

デザインアンテナの機種選びと設置費用・まとめ

デザインアンテナは魅力が豊富な地デジアンテナモデルですが、設置をご検討される場合には、外観性や対候性などのメリットだけでなく、デメリットもしっかり把握されておく必要がございます。

たとえば壁面への設置では壁に穴を開ける必要が出ること。また設置現場の周辺環境によっては地デジ受信が難しく設置できないケースもあることから、あらかじめ綿密な電波調査を行う必要がある点なども考慮しなくてはなりません。

アンテナ工事の専門業者による電波調査であれば、住宅の屋根の上やベランダ、壁面など各位置での緻密な調査を行い、天候などに影響されない、安定したアンテナの設置位置や、適したモデルを提案してもらえます。

デザインアンテナの設置で生じることが多い失敗例と、それらを防止する対策については、以下の各コラム記事でもご説明しておりますので、参考にしていただければ幸いです。

・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説

・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説

また地デジアンテナ各機種や、BS/CSアンテナの、各設置位置ごとの特徴やメリット・デメリットについては、以下のコラムで詳しく解説しております。

・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!

当あさひアンテナでは、デザインアンテナ設置工事の標準機種として、DXアンテナ社の20素子相当モデル「UAH201」。またマスプロ電工のコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」の各カラーバリエーション。および基本設置具。白黒2色の同軸ケーブル。防水加工などをセットにして、税込み20,000円からの基本工事費用でご提供しております。

他にも26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもございますので、現場の条件が許す限り、デザインアンテナの設置にご対応できます。

事前の電波調査、お見積りも、出張費、キャンセル料など含む完全無料でお引き受けしており、他社との相見積もりや、お見積もり当日の即日工事にもご対応いたします。

そして綿密な電波調査に基づき、現場の条件で可能な限り、デザインアンテナの設置をはじめ、お客様のご要望に対応できるアンテナ工事をご提案いたします。

実際の施工も、専門知識と経験、実績が豊富で高い技術を持つ弊社のアンテナ職人が、安定した受信性能はもちろん、トラブルが生じにくい頑丈な設置、そしてアンテナの見た目から見えない部分の配線なども丁寧な施工を、業界最安に挑む価格で実施いたします。

工事後の保障についても、業界最長レベルの「10年保証」をご用意しており、万が一のトラブルにも、万全のアフターフォロー、アフターサービスにより、ご安心いただけます。

デザインアンテナをはじめ、各種テレビアンテナの新規取付、交換をお求めのお客様は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルやメールフォーム、LINEまで、お気軽にご質問、お問い合わせいただければ幸いに存じます。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。