オシャレなデザインのテレビアンテナ工事で失敗しない選び方とは? 屋根裏などにアンテナを隠す設置と配線の方法も解説!

2023年07月06日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
令和の現在でも、新築、または既存の戸建て住宅にて、地上デジタル放送(地デジ)や衛星放送(BS放送、CS放送)のテレビ放送をご覧になる方法としては、地デジ、および衛星放送のテレビアンテナ設置がもっともメジャーな方法です。
ご自宅へのテレビアンテナ設置であれば、いったんアンテナを設置すれば、地デジおよびBS放送の無料チャンネルであれば、その後、永続的に無料で視聴できることになります。

さらに住宅があるエリアの自然環境や、設置するアンテナ機種、工法にもよりますが、テレビアンテナは、ひとたび設置すれば短くとも十年以上にわたって、故障などを除けば安定したテレビ放送の視聴が可能となります。したがって長く住み続けることを前提にした、マイホームでのテレビ視聴方法としては最適で、安心できる方法といえます。

ただ今では戸建て住宅にも注文建築のデザイナーズ住宅や、建売住宅でも工夫を凝らしたオシャレなイメージなど、デザイン性の高い住宅が増えております。そしてそのような住宅にお住まいの方には、テレビアンテナの設置により住宅の外観が変わってしまうこと。またテレビアンテナの取り付け工事で、住宅の外装を加工することを避けたいと思われる方も多くおられます。
一方で、2023年(令和5年)の最近では、独自のオシャレで目立たないデザインのテレビアンテナ機種。また住宅の外でも目立たない位置や、住宅の屋根裏空間をはじめとする屋内へのアンテナ設置などで、家の外見イメージや外装、景観にほとんど影響を与えないテレビアンテナの取り付け方法も多いことをご存知でしょうか?

そこで今回、当コラムでは、アンテナ設置による住宅の外観性や外装、また景観への影響が気になる方のために、設置しても住宅の形にマッチするおしゃれなテレビアンテナ。また住宅の外から見えない、テレビアンテナを隠す形の設置方法を解説してまいります。

地デジ放送の仕組みと受信の条件。

エリアや周辺環境がさまざまに異なる日本各地の戸建て住宅において、目立たないテレビアンテナ機種の採用や、アンテナを隠せる位置への設置で、安定したテレビ電波の受信を行う方法。またご自宅においてそれが可能であるか確認するためには、まずテレビ放送を受信するしくみをご理解いただく必要がございます。
ここでまず、地上デジタル放送(地デジ)の仕組みと、地デジアンテナによる地デジ受信の方法を解説してまいります。

現在の地デジ放送は、日本各地の要所に設置され、広範囲に地デジ電波を送信する大規模な送信所。また地形や距離などの問題から、送信所ではカバーできない細かなエリアを補足する、大小の中継局などの電波塔から、周辺一帯に地デジ電波を放送するテレビ放送の形式です。地デジ放送は、地上の電波塔から電波を送信しているため「地上波放送」と呼ばれ、日本国内でも、地デジ電波がほとんど届かない山間部や離島、過疎地域などの一部エリア(地デジ難視聴地域)を除く、大半の地域をカバーしております。

この地デジの電波塔から送信される地デジ電波は、UHF(極超短波)のうち470MHz(メガヘルツ)から710MHzの周波数帯にあたるもので、波長の長さは約40センチから60センチになります。そのため、地デジ放送を受信するための地デジアンテナは、すべて、UHF受信用の「UHFアンテナ」にあたります。
電波の性質としては、周波数帯が低く波長が長い電波ほど広がりやすく、高層建築などの障害物があっても向こう側に回り込める。また薄い壁(電波を遮断、吸収しやすい素材は除く)などは透過できるため、遠くに届きやすい。一方で電波に乗せることができる情報量は少なくなる、音に近い性質をもちます。
逆に周波数帯が高く、波長が短い電波ほど、直進性が強くなる一方で、障害物にぶつかると遮られやすくなり、その向こう側に回り込んで届きにくい。一方で電波に乗せることができる情報量は多くなる、光に似た性質になってまいります。

地デジ放送のUHF波は、比較的、周波数帯の高い電波ながら、障害物にぶつかっても、ある程度はその向こう側に回り込める。また電波を反射させる金属素材などを除く、一般的な戸建て住宅の壁であれば、減衰(電波レベルの弱まり)は生じるものの、透過して屋内にも届くなど、音に近い性質も持っています。
ただ、電波がビルなど大きな障害物にぶつかった場合には、電波が反射して遮られてしまい、向こう側に回りにくくなる。また反射によって電波の進む方向が変わりやすく、方向が変わった「反射波」が発生しやすい、といった性質もございます。
前述のように地デジ電波は、地上の電波塔から周辺の地域へと広がる形で送信されているため、日本国内でも、電波塔からの距離や、電波を遮断してしまう地形などの影響から、地域によって現場に届く地デジ電波のレベル(強度)に差が出てまいります。

この地域による地デジの電波レベル差で、日本国内の各エリアを分類したものが「電界地域」と呼ばれるものです。
この電界地域は、一般的には、そのエリアで受信できる電波レベルを「㏈(デシベル)」の単位で測定し、そのおおよその電波レベルによって分類したものです。エリアごとに、受信できる地デジ電波レベルが、80㏈以上のエリアは「強電界地域」。80㏈から60㏈のエリアは「中電界地域」。60㏈以下のエリアは「弱電界地域」に分類されます。
そして一般に販売される地デジアンテナのモデルも、本体の受信性能や前提とする設置位置を基準に「強電界地域用」「強・中電界地域用」「弱電界地域用」など、各電界地域に対応する各種モデルが存在します。
ただこの電界地域には、特に統一された定義はございません。そのため場合によっては、基準となるデジベルの数値が上記とはやや異なること。また60㏈程度を基準に、強電界地域と弱電界地域のみに分類されることもございます。

また同じ場所でも地デジ電波レベルは常に一定ではなく、一年を通して変化する季節や気候の影響などを受けて、およそ6㏈程度の変動がございます。他にも水分には電波を吸収する性質があるため、豪雨や積雪などの悪天候の際にも、地デジや衛星放送などの電波状態が悪化してまいります。
また強電界地域、中電界地域に含まれる場所であっても、高層建築の近隣や、住宅密集地など周辺の状況によっては、局地的に受信できる電波レベルが、各電界地域の基準を下回る弱いレベルになることもございます。特に住宅密集地などでは、まったく同じ地点で、屋根の上などの高い位置に地デジアンテナを設置した場合は、安定した地デジ受信が可能でも、住宅の壁面など、低い位置に設置した場合には、受信できる地デジ電波レベルが極端に弱いものになるケースもございます。
総じて電界地域とは、地域ごとの確実な地デジ電波レベルを保証するものではなく、おおよその目安にすぎないと考える必要がございます。

他にも、地デジ電波の特性には、地上から高度が上がるにつれ、数メートル単位で地デジ電波レベルが波のように強弱を繰り返す「ハイトパターン」。また現在の地デジ電波塔の大半から送信されるUHF波のタイプで、地面と水平の波長を描く「水平偏波」と、携帯電話やスマートフォンなどの電波との混信を防ぐため、一部地域の電波塔から送信される、地面と垂直に波長を描く「垂直偏波」の違いなどがございます。
水平偏波と垂直偏波については、受信する地デジアンテナの側でも、それぞれの電波に合わせて、設置の角度を90度変える。または各電波に対応するアンテナ機種を使用するなどの対処が必要となります。
これら地デジ放送やUHF波の詳細については、以下の各コラム記事の解説も参考になると存じます。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

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衛星放送の仕組みと受信の条件。

ここからは、同じく日本における衛星放送の概要、およびBS/CSアンテナによる受信の方法について解説してまいります。
衛星放送とは、地球上から約35,786キロの上空で、赤道の軌道上を地球の自転に合わせて周回しており、地上からは、常に上空の一ヵ所に止まっているように見える人工衛星「静止衛星」から、地上に向けてテレビやラジオの放送電波を送信する形の放送です。

より正確な仕組みとしては、まず地上にある衛星放送の送信局から、これらの静止衛星に向けて電波を送信(アップリンク)し、静止衛星ではこの電波を受け止め、電波を増幅して地上へと送り返す(ダウンリンク)という形になっています。
日本の衛星放送では、この静止衛星から、日本国内の全域をスポットライトにより照らすような形で電波をダウンリンクしているため、日本国内の全域において、BS/CSアンテナの設置により衛星放送を受信できるのです。
アップリンクされた電波は、静止衛星に届く頃には電波レベルが低下しますが、静止衛星で電波を増幅してダウンリンクを行うために、地球上の一般家庭などに設置される、直径45センチ程度の小さなパラボラアンテナでも、十分な受信感度を発揮します。
そして日本の衛星放送の電波には、ダウンリンク時には、マイクロ波の一種であるSHF(センチメートル波)でも、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後で、波長の長さは約25ミリ前後となる「12GHz帯」が使用されております。
12GHz帯の電波は、地デジ放送のUHF波に比べても周波数帯が非常に高いため、その性質は光に近くなり、非常に直進性が強くなっています。そのため静止衛星から地上までの長距離を送信される衛星放送に適しているのです。

地デジ放送(地上波放送)と比べて、衛星放送のメリットには、宇宙空間の静止衛星より地球上へと電波を送信するため、一基の人工衛星で日本国内の全域など、広い範囲へ効率的に大容量の情報を送信できる点。また地上の山地などの地形、高層建築物などの障害物。また地上で発生した災害などにも、ほとんど影響を受けず、安定した受信が可能になるという点です。

ただ衛星放送の弱点としては12GHz帯の電波は、その波長の短さから、地上で一定以上の豪雨や降雪が発生して、雨粒や雪が12GHz帯の波長の幅に近くなった場合、12GHz帯の電波が雨や雪に吸収され、電波の減衰(弱まり)や乱反射などで、BS/CSアンテナの側で受信障害などが生じて映りが悪くなる「降雨減衰」「降雪減衰」が起こり得る点が挙げられます。
他にも日本の衛星放送では、一基の静止衛星から日本全域に12GHz帯の電波を送信しているため、国内でも北部や南端部、離島部などでは、中央部に比べて静止衛星からの距離が長くなる分、距離による電波の減衰が生じ、電波レベルがやや弱まることもございます。

また12GHz帯の電波は、地デジ放送のUHF波とは違い、その波長の短さから性質が光に近く、戸建住宅などの建物では、屋根や壁などに遮断されてしまうため、屋内にはまったく届きません。ただシンプルな透明ガラスを設置した窓際などでは、窓から光が差し込むのと同じように、窓を通して一定の衛星放送の電波が屋内に届くこともございます。
これと同様に、静止衛星から直進的に送信される12GHz帯の電波が、地上のBS/CSアンテナに届くまでの直線状の経路に、山地や建築物などの障害物はもちろん、樹木やその枝葉、電柱や電線、洗濯物などのささいな遮蔽物が存在するだけでも、電波が遮断されてしまい、BS/CSアンテナの側で受信障害が起こることもございます。
衛星放送の仕組みや12GHz帯の電波については、以下のコラム記事にも詳しい解説がございますので、ご参考になさってください。
・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

衛星放送で視聴できる放送と対応するアンテナとは?

上記の衛星放送で視聴できるTV放送には、一般的にBS放送、CS放送が知られております。さらに近年では「新4K8K衛星放送」という、新しい衛星放送もスタートしています。ここでは、これら衛星放送の種類や概要にについて解説します。
まずBS放送とCS放送は、衛星放送でも、使用される静止衛星の違いによる区分になります。

BS放送は「放送衛星(Broadcast Satellite)」を使う衛星放送です。これは日本国内でも、一部に存在する難視聴地域など、地上波放送の受信格差を改善すべく開設された衛星放送です。そのため地デジ放送と同じく、日本国内の不特定多数を対象に放送を行っており、有料チャンネルを除けば、衛星放送用のアンテナを含む受信設備を設置することで、日本国内の誰でも視聴できます。
現在のBS放送用の放送衛星は東経110度に位置し、放送されるTVチャンネルは、地上波と同じ公共放送のNHK。また広域民放や放送大学など、各種の無料放送チャンネル。そして月額契約制で各チャンネルと契約することにより視聴できる、やはり複数の有料チャンネルで、約30チャンネル程度になります。

CS放送は「通信衛星(Communication Satellite)」を使う衛星放送です。通信衛星は、元来は企業や事業者による通信への使用を前提とした人工衛星でしたが、1989年(平成元年)に放送法が改正されたことで、一般世帯向けの放送用にも使用できるようになりました。
このような成り立ちから、CS放送は、CS放送のサービス事業者との契約を結んだ、特定の視聴者を対象にする放送であり、視聴者の側は、衛星放送の視聴設備および、各サービス事業者、また個々のチャンネルとの契約が必要になります。
現在のCS放送には、東経110度に位置する通信衛星を使用する放送で、約80のさまざまな専門チャンネルを放送する主要なCS放送、110度CS放送「スカパー!」。そして東経124度、128度に位置する通信衛星を用いた放送で、4K対応が1チャンネル、その他はすべてハイビジョン対応となる約130以上の専門チャンネル。また約100チャンネルのラジオ放送も存在する、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」の二種類がございます。
CS放送のTVチャンネルは、大半が有料チャンネルであり「スカパー!」または「スカパー!プレミアムサービス」それぞれとまず契約し、その放送チャンネルの中から選んで契約することで、お好みのチャンネルを視聴できます。

なお現在のBS放送、CS放送はどちらもデジタル化されており、正確には「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」になります。これら二種類の放送の違いは、本来は放送法の規定による、人工衛星の用途に基づくものでした。しかし現在では、どちらの放送にも実質的な違いは少なくなっております。
なおこれらの放送のうち、BS放送と110度CS放送「スカパー!」は、どちらも静止衛星が東経110度に位置するため、一基のBS/CSアンテナ(BS/110度CSアンテナ)で双方を受信できます。そのためこのBS/110度CSアンテナが、現在の主な衛星放送用アンテナになります。
ただ静止衛星の位置が異なる124/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」を受信するためには、BS/110度CSアンテナとは別にプレミアムサービス専用アンテナ。またBS放送、110/124/128度CS放送のすべてを受信できるマルチアンテナが必要です。

さらに2018年(平成30年)12月1日には「新4K8K衛星放送」の本放送がスタートしています。新4K8K衛星放送とは、従来のBS放送、CS放送に、従来の2Kフルハイビジョン(FHD)放送より格段の高画質となる、4K、8Kのチャンネルが追加されたものです。
そのため新4K8K衛星放送のご視聴に関しては、4K8Kに対応できるBS/CSアンテナなど衛星放送の受信設備、そして4K、8Kのテレビがあれば、有料チャンネルの契約を除いて、特別な手続きなどは不要で視聴できます。
ただ唯一の注意点として、2018年以前に設置されたBS/CSアンテナやアンテナ配線部では、新4K8K衛星放送の多くのチャンネルを視聴できないケースもございます。
これは、新4K8K衛星放送以前の、従来の2K衛星放送では、静止衛星から送信される12GHz帯の電波として、右回りの螺旋を描く「右旋円偏波」が使用されておりました。しかし新4K8K衛星放送で多くの4K8Kチャンネルを追加するにあたり、この右旋の電波では空きの周波数帯が不足したのです。
そのため右旋の電波で使用できる周波数帯には、BS放送の基幹放送と言えるチャンネル、NHK、広域民放の4Kチャンネルを割り当て、その他の4K8Kチャンネルには、新しく導入された、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」の周波数帯を割り当てました。

2023年現在、市販やアンテナ工事業者の設置工事に使用されるBS/CSアンテナ、およびアンテナ配線部の同軸ケーブルやブースター、分配器などの周辺機器は、すべてが右旋と左旋の双方に対応できる2K4K8K対応BS/CSアンテナや、4K8K(3442MHz)対応型の機材になります。
ただ2018年以前に設置された2K対応BS/CSアンテナや、同時期のケーブル、機器類では左旋の電波に対応できず、BSのNHK、広域民放の4Kチャンネルを除く新4K8K衛星放送のチャンネルを視聴できません。この場合、新4K8K衛星放送をすべて視聴するためには、上記した左旋の電波に対応できる2K4K8K対応BS/CSアンテナや配線部の機器へと交換する必要がございます。
なお新4K8K衛星放送および、その視聴に必要となるアンテナ部の機器については、以下の各コラム記事の詳しい解説をご覧ください。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について
・2K放送と4K、8K放送の違い

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戸建て住宅へのテレビアンテナ設置場所に屋根の上が選ばれる理由。

現在でも、戸建住宅に地デジや衛星放送のテレビアンテナを設置する場合には、主な設置場所として、住宅の屋根の上に設置されることが多くなります。一般的な設置方法としては、屋根の上に、屋根馬という四脚の設置具を置き、そこにアンテナ設置用のマスト(ポール、支柱)を立てて、その先端に、いわゆる八木式アンテナなどの地デジアンテナを固定。さらに地デジアンテナの下部に、皿のような形状のディッシュを持つBS/CSアンテナが設置される形になります。屋根の上のアンテナは、マストや屋根馬ごと、住宅の四方から張られたステンレスワイヤーなどの支線(ステー)にしっかりと固定されます。

地デジや衛星放送のテレビアンテナが屋根の上に設置される理由は、やはり受信感度を確保しやすいという点が第一となります。
地デジアンテナの場合、電波塔から送信される地デジのUHF波が、前述の通り現場の付近にある高層建築物や、住宅密集地などの環境によって遮断されやすいため、それら障害物の影響を受けにくい、屋根の上などの高所に設置することで受信感度が安定しやすくなります。
そして地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、住宅に設置されるテレビアンテナには「指向性」というものがございます。
地デジアンテナの指向性とは、アンテナ本体の一方向(正面)側のみで地デジ電波の受信性能が高まる性質をいいます。地デジアンテナに限らず、一般的なアンテナは指向性が高いほど、正面側での受信性能(または送信性能)が高くなる性質がございます。
特に地デジアンテナでは、アンテナの正面側以外から届く電波はほとんど受信できず、この点には、ノイズとなる余計な電波をカットできるというメリットもございます。

そのため地デジアンテナの設置については、アンテナの正面側を、現場に強い地デジ電波が届く方向、一般的には近隣の電波塔の方向、場合によっては反射波が届く方法へと正確に向ける必要がございます。屋根の上へ地デジアンテナを設置することで、このアンテナの角度調整を360度に向けて自由に行えるため、アンテナの正面を地デジ電波の方向へと確実に向けやすくなるのです。

BS/CSアンテナについては、静止衛星から送信される12GHz帯の電波を受信するため、地上レベルの多少の高さでは、受信感度にはほとんど影響を受けません。ただ主に東経110度に位置する静止衛星から、光のように直進的に送信される電波を受信しているため、BS/CSアンテナは、地デジアンテナ以上に指向性が高くなります。
パラボラアンテナであるBS/CSアンテナは、その性質上、静止衛星が位置する東経110度へとアンテナのディッシュ部を向けて、仰角(上下角)、方位角(左右角)とも、ミリ単位で正確に調整して設置する必要がございます。この角度調整にミリ単位の狂いが生じても、12GHz帯の電波に対する受信感度が大きく低下し、衛星方法の受信、視聴ができないことになってまいります。

さらに前述の通り、BS/CSアンテナを東経110度へと正確に向けることはできても、その方向に建物や山地などはもちろん、樹木や鉄塔などのわずかな障害物が存在しても、12GHz帯の電波は遮断されてしまい、BS/CSアンテナの設置方法には、別にどこも悪くなくとも、やはり受信不良が生じてまいります。
つまりBS/CSアンテナの設置には、東経110度に向けた正確な角度調整が可能。そしてアンテナを向けた方向に障害物が存在せず、設置後も将来にわたって障害物が発生しないとみられる位置を選ぶことが必須条件になります。これらの条件を満たしやすい場所として、やはり高い位置で周辺の障害物に影響されにくく、360度と上下に向けた角度調整が行いやすい、屋根の上のマストが選ばれるのです。

また地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットで同じマストに設置することで、混合器または混合ブースターの設置など、アンテナ配線をまとめやすくなるメリットも生じます。そのため屋根の上の設置でなくとも、戸建て住宅に地デジアンテナとBS/CSアンテナの双方を設置する場合には、できるだけ近い位置を選ぶことが基本となります。

屋根の上にテレビアンテナを設置した場合に考えられるデメリット。

上記の通り、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、屋根の上など高所への設置はメリットが多いため、戸建住宅の場合は、基本的な設置位置として、屋根の上が選ばれます。しかし一方で、屋根の上へのアンテナ設置には、いくつかのデメリットも存在します。
デメリットとして第一にあげられる点は、当コラムのテーマでもある、住宅の外観性や景観を乱しやすい点になります。
屋根の上に立てられたマストに、地デジアンテナの八木式アンテナや、BS/CSアンテナを設置する方法では、住宅の高所でテレビアンテナが非常に目立ってしまうことになります。そのため近年のおしゃれなデザインをもつ住宅では、屋根の上に立てられた奇妙な角のようなアンテナが、住宅の外観性を台無しにしてしまうことにもなりかねません。
また日本国内でも景観地域などでは、戸建住宅の屋根の上に立てられたアンテナが景観を乱すこともあるため、地域によっては条例などでで、屋根の上へ八木式アンテナなどを設置することが規制されている場合もございます。

他にも、屋根の上へのテレビアンテナ設置で考えられるデメリットとしては、アンテナの一部が隣の家の敷地へと侵入してしまう「越境問題」が生じるリスクもある。また太陽光発電システムを採用している住宅では、屋根の上の太陽光パネルにテレビアンテナが影を落とし、発電効率を低下させるなどの問題も考えられます。
そして屋根の上のマストへとテレビアンテナを設置する場合に考えられる、もうひとつの大きなデメリットが、自然環境の影響による経年劣化の進行がございます。屋根の上の吹きさらしに立てられたテレビアンテナは、角度の調整を行いやすく、受信感度も高まりやすい半面、台風などの激しい風雨。豪雪地帯などの積雪。また海沿いの潮風など、現場の自然環境の影響を如実に受けやすくなります。
そのため風圧や雪の重さによるアンテナへのダメージ。また水分や塩分による各部のサビなどが積み重なりやすくなり、アンテナの経年劣化が進行しやすくなります。その結果、アンテナの寿命が短くなりやすい他、テレビアンテナにとっての大敵である角度のずれ。また耐久性の低下によりアンテナがマストごと傾く、倒壊するなどのトラブルも考えられます。

優秀なプロのアンテナ工事業者が設置したアンテナであれば、たとえ屋根の上に設置されたアンテナでも、そう簡単にトラブルが発生するものではございません。ただ、やはり長年の自然環境の影響による老朽化は避けがたく、屋根の上に設置された一般的な地デジ、BS/CSテレビアンテナの寿命は10年程度となり、それを越えるとトラブル発生のリスクが高まってまいります。また特に自然環境が厳しいエリアであれば、アンテナの寿命はさらに短くなることもございます。
住宅で、見た目にもおしゃれなタイプのテレビアンテナを設置すること。またアンテナを隠す形で設置することは、住宅の外観性を乱さないだけでなく、アンテナの老朽化によるトラブルを含め、さまざまな問題を避けることにもつながるのです。
以下の項では、現在の戸建住宅に設置される、主な地デジ、BS/CSアンテナ機種の一覧、およびその外観性。そしてアンテナを目立たない位置に隠すことができる設置方法について解説してまいります。

地デジアンテナ:八木式アンテナ

八木式アンテナとは、金属の骨組みに、短い横棒がいくつも設置された形状から、よく魚の骨に例えられる地デジアンテナです。
アナログ放送の時代からテレビアンテナとして使用されてきた古典的なアンテナであり、現在でもテレビアンテナと言えば、このイメージが強い機種と言えます。また上記のような形で、戸建て住宅の屋根の上に設置される地デジアンテナの代表格とも言えます。
現在の地デジアンテナとしての八木式アンテナは、矢印型の支柱に短い横棒がいくつもついた形で、矢印の反対側がアンテナの正面に当たります。この短い横棒が、地デジ電波を受信するパーツである「素子(エレメント)」にあたります。

八木式アンテナの特性は、この素子が露出することにより、同じ素子数でも受信感度が高めになる「素子アンテナ」であること。さらにモデルによってさまざまな素子数(受信性能)の商品があり、設置する現場の受信環境や電界地域に合わせたモデルを選択できるため、強電界地域から弱電界地域まで、幅広いエリアに対応できる点です。
一般的な八木式アンテナの素子数には、主に8素子、14素子、20素子の機種があり、それぞれの受信性能に適した現場で選ばれます。他にも同じ八木式アンテナの構造ながら、Ⅹ字型の部品の上下などに、複数の素子パーツが設置された「高性能素子」を使用する高性能アンテナ「パラスタックアンテナ」が存在します。

パラスタックアンテナは、基本の受信性能が通常モデルの3倍から4倍程度とされている上、素子数も27素子、30素子などのモデルが存在するため、弱電界地域でも特に電波レベルが微弱なエリアでも使用できます。また5素子程度でも通常モデルと遜色のない受信性能を確保できるため、アンテナ本体を小型化するためにも利用されます。
そして何より、八木式アンテナは基本的な設置位置が、住宅の屋根の上になるため、周辺の障害物などに影響されにくいことにより、受信感度が安定して高くなる地デジアンテナになります。
これらの特性の総合により、八木式アンテナは古典的な機種ながら、現在でも地デジアンテナ機種の中では、地デジの受信性能がもっとも高い地デジアンテナになります。さらに古典的な機種で製造や設置の技術も完成されているため、本体の実売価格や、アンテナ工事業者に依頼する場合の、アンテナ本体やケーブル、設置具などの基本部材をセットにした設置工事費が、もっとも安い価格になる地デジアンテナ機種でもあります。

一方で、八木式アンテナは主に屋根の上のマストに設置されること、さらにその独特の形状から、前の項でご説明した、屋根の上で目立って住宅のデザイン性や景観を乱す。景観地域では設置を制限されることもある。越境問題や太陽光パネルへの悪影響が生じることもある。さらに風雨など自然環境の影響も受けやすく、経年劣化が進みやすく寿命が短くなるなど、すべてのデメリットが生じてまいります、
総じて八木式アンテナは、屋根の上に設置されるテレビアンテナの主流機種であり、そのメリットとデメリットを体現する機種と言えます。
したがって八木式アンテナは、おしゃれなアンテナ機種。またアンテナを隠せる設置をお求めの方には、あまりおすすめできないアンテナ機種と申せます。
ただ八木式アンテナでも、アンテナ本体を外部の視界から隠すことができる設置法としては、まず「サイドベース」と呼ばれる、水平に伸ばしたアームの先に、マストを立てることができる設置具を使用し、住宅の壁やベランダの手すり部に設置する。ベランダの内側空間に設置する。また軒下やベランダに吊り下げる形で設置するなどの方法がございます。
壁面やベランダへの設置、また軒下への吊り下げ設置は、主に風雨や雪などの影響を避けるための取り付け方法ですが、建物の陰に当たる部分など設置位置を選ぶことで、八木式アンテナを外部から目につきにくくすることもできます。

またベランダ内部への設置では、ベランダ空間を部分的に消費してしまうことや、アンテナに誤って触れることでトラブルの原因になるといった難点もございますが、一方で外部からアンテナがほとんど見えない上、風雨や雪なども避けやすくなる。さらにアンテナのメンテナンスも行いやすいといったメリットも出てまいります。
ただいずれにせよ、これらの設置方法は、アンテナを電波塔の方向など、地デジ電波が届く方向へと向けることができる場所を選ぶ必要がございます。また屋根の上に比べると設置位置がやや低くなる分だけ、受信感度もやや低くなる可能性もあり、周辺環境などによっては受信感度が不足して、設置できないケースもございますのでご注意ください。

なおアンテナの対候性を重視される場合には、八木式アンテナのモデルでも、軽量でさびにくく風雨に強いステンレスモデルや防水加工モデル。またさまざまな工夫や加工を施した塩害用、雪害用などのモデルをご検討されることで、ある程度、自然環境による経年劣化を抑えることができます。
その他、八木式アンテナ本体や設置方法については、以下の各コラム記事にも詳しい情報がございます。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
・地デジ放送用テレビアンテナ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

地デジアンテナ:デザインアンテナ

デザインアンテナは、かつてのアナログテレビ放送から地デジ放送へと転換される移行期間の後半、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた、地デジアンテナの第2世代にあたる機種です。
主に長方形で薄型のボックス(ケース)に、アンテナ機器部を収めたシンプルな形状で、戸建て住宅の壁面やベランダなどに設置することを前提としております。そのため別名に、平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、スマートアンテナなどと呼ばれることもございます。
また「デザインアンテナ」の名称は、広義には文字通りデザイン性を重視したアンテナの総称として使われることもあり、後述するユニコーンアンテナや、屋根の上に設置される八木式アンテナにカバーを取り付けたモデル。独自のデザインをもつ屋外屋内兼用アンテナなどもデザインアンテナのカテゴリに含まれることがございます。

戸建て住宅にデザイン宛名を設置する場合の、主な設置方法と位置は、まず住宅の壁やベランダの手すり部に、専用の固定具を設置して、そこにアンテナ本体を上からはめ込む形になります。また受信感度を重視するのであれば、八木式アンテナと同じく、屋根の上のマストに取り付ける施工も可能ですが、その場合、後述するデザインアンテナのメリットが薄れるという難点も出てまいります。
他にも条件が許せば、屋根裏空間、天井裏空間を中心にした設置も可能です。この点については別の項で詳しくご説明します。
デザインアンテナのメリットは、シンプルな形状と壁面などの設置位置に加え、同メーカーの同モデルでもカラーバリエーションが豊富という特徴があるため、住宅の壁面などと色合いを合わせて設置することで、住宅の壁面に設置しても目立たず、家屋の外観性や景観を損ねない点が第一といえます。したがって景観地域でも条例などに触れず設置でき、越境問題や太陽光パネルへの悪影響もまず生じません。
さらに設置具が壁面へと設置されるため、風雨や雪などの自然環境に影響されにくく、経年劣化を抑えられるため寿命が長くなり、アンテナ角度のズレや傾きなどのトラブルも発生しにくくなります。

またデザインアンテナの中には、受信性能は3素子相当であるため、強電界地域専用の機種になるものの、高さ360ミリ、横幅150ミリ程度と、通常モデルに比べても非常にコンパクトな「マスプロ電工」製の「スカイウォーリーミニ」というモデルもございます。このモデルでは付属のスタンドを使って、室内の窓際などへの屋内設置も可能です。
このようなメリットの豊富さから、デザインアンテナは、現在の地デジアンテナでは人気ナンバーワンの機種になっております。

ただデザインアンテナには、受信性能の面でいくつかのデメリットがございます。デザインアンテナは外部から素子が見えない、素子アンテナに当たらないアンテナであるため、受信性能は八木式アンテナに換算した「素子数相当」で表されます。
そしてコンパクトモデルなどを除く、通常モデルのデザインアンテナは、受信性能では20素子相当、26素子相当の二種類のみになります。さらに素子アンテナである八木式アンテナに比べると、同素子数相当のモデルでも、受信感度が微妙に低くなります。そして基本的な設置場所が住宅の外壁やベランダなど、屋根の上よりは低い位置になる分だけ、障害物などの周辺環境に影響されやすくなり、受信感度が低くなる傾向がございます。
デザインアンテナでは低くなりがちな受信性能を補足するため、電波を増幅するブースター内蔵のモデルも存在しますが、基本的には強電界地域から中電界地域に適した地デジアンテナ機種になります。

壁面やベランダへの設置に関しても、前述の通り基本的には、地デジ電波塔の方角など、現場に地デジ電波が届く側の向きにしか設置できません。また強電界地域から中電界地域など、地デジの電波レベルは十分なエリアでも、設置する現場が高層マンションなどの付近、また住宅密集地などであれば、壁面など低い位置では地デジ電波が遮断されてしまうこともあるため、デザインアンテナの設置ができないというケースもございます。
また壁面設置の場合には、壁に設置具を取り付けるためのビス穴を開けることになるのもデメリットといえます。ただこの点は、サイドベースなどによって、他のアンテナ機種を壁面に設置する場合も同じことになります。アンテナの本体価格や、業者に依頼した場合の設置費用の相場も、八木式アンテナに比べると、やや割高になってまいります。

総じてデザインアンテナは、おしゃれなアンテナ機種や、アンテナを隠せる設置というご要望には最適の機種であるものの、受信性能はやや低くなり、現場の電波状態や周辺環境などの条件によっては設置できないこともあるという、八木式アンテナの対極に位置する地デジアンテナと言えます。
したがってデザインアンテナの受信性能を把握せず、安易にご自宅でDIY設置を行う。また電波調査や設置技術が粗雑なアンテナ工事業者が設置を担当した場合には、電波レベルが低下するや悪天候の際には、地デジ映像が乱れるなどの失敗例も考えられます。特にデザインアンテナの設置は、まずは高い技術と実績を持つ、優良なアンテナ工事業者にきちんとご相談された上で、お任せになると良いでしょう。
なおデザインアンテナやその設置方法、失敗例や注意点については、下記の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナとは、日本三大アンテナメーカーの一社といわれる大手アンテナメーカー「マスプロ電工」社より、2017年(平成29年)に発売された、地デジアンテナ機種の第三世代に当たる、2025年現在では最新モデルです。
ユニコーンアンテナの本体は、高さ672ミリ、横幅は143ミリから123ミリと、ほぼ円筒形のアンテナ本体を立てる形でマストの先に取り付ける、スタイリッシュな形状の地デジアンテナです。その名称は、ギリシャ神話に登場する伝説上の生物で、角が生えた馬のような一角獣「ユニコーン」の角に由来し、マスプロ電工社の登録商標になっています。またアンテナの本体色には、ツヤのない落ち着いたウォームホワイトとブラックブロンズの二色のカラーバリエーションがございます。
その形状は正確には、円筒形より左右が微妙に長く、アンテナの裏面のみ、側面を切り落としたように平べったいという、切り分ける前のロールケーキにも似たものです。アンテナの正面は裏面の反対側に当たり、こちらを電波塔などの方向に向けて設置します。またアンテナ本体とマストの接続部は、本体と一体化したカバーで隠せるため、設置された形も、棒状のアイスキャンディーのようにおしゃれな外観になります。

戸建て住宅にユニコーンアンテナが設置される位置は、八木式アンテナと同じ屋根の上のマスト。またはサイドベースを使用し、屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所など、屋根の上と差のない高さに取り付けられます。
ユニコーンアンテナは、八木式アンテナ、デザインアンテナの後継として登場した地デジアンテナであることから、双方の特性をアウフヘーベン(止揚)し、両方のメリットを兼ね備えた仕様のモデルになっております。

ユニコーンアンテナの第一のメリットは、その独特のデザイン性にあります。装飾物のような形から、家屋の屋根の上や壁の高い位置などに設置しても、住宅の見た目にマッチして目立たず、住宅のデザイン性や景観を乱さないことになります。
それに伴い景観地域でも使用できるケースが多く、越境問題も生じにくい。屋根の上に敷設された太陽光パネルへの悪影響も起こりにくい。またユニコーンアンテナを高所に設置したのと同じマストの下部にBS/CSアンテナをセットで設置でき、アンテナの角度調整が行いやすいなどのメリットがございます。
またその円筒形の形状は、高所に設置されても風雨や雪などを受け流せて、鳥も止まりにくいなどの特徴があるため、風害や雪害、鳥害などによる経年劣化を抑えられて寿命が長くなり、トラブルが起こりにくい点も大きなメリットです、

そしてユニコーンアンテナの受信性能は、本体の受信性能は20素子相当のみになります。また素子が露出していないため、同素子数の八木式アンテナに比べると受信性能は微妙に低くなります。ただ設置位置が高くなるため、地デジ電波を遮る周辺の障害物などに影響されにくく、同じ素子数でも受信感度が高くなります。ユニコーンアンテナの受信性能は、20素子相当のデザインアンテナを、地デジ受信に適した住宅の壁に設置した場合と同等とされています。
ただデザインアンテナの場合、前述のように、設置できる壁面が地デジ電波の届く方法に限られる。また電波塔に近く地デジ電波レベルの強いエリアであっても、現場が高層建築物の近隣や住宅密集地などであると、障害物に地デジ電波が遮られるため、壁面などの位置では地デジ電波レベルが低くなり、十分な地デジ受信ができず設置できない場合もございます。
しかしそのような現場であっても、ユニコーンアンテナであれば、破風板や壁面への設置でも、アンテナ本体は屋根の上に突き出す形になるため、特に住宅密集地などでも十分な地デジ電波を受信でき、設置可能になるケースが多くなるのです。

総じてユニコーンアンテナは、アンテナを隠す設置には適さないものの、おしゃれなアンテナ機種という条件には、デザインアンテナと並んでピッタリの機種になります。しかもデザインアンテナの弱点である、設置位置の低さによる受信感度の弱さも克服しているため、おしゃれな地デジアンテナをお求めながら、デザインアンテナの設置に問題が生じるエリアでの設置や、外観性と受信性能を両立なさりたいお客様には最適の地デジアンテナと言えます。

ただユニコーンアンテナのデメリットとしては、最新モデルであるため、家電量販店やネットショップなどでのアンテナ本体価格。またアンテナ工事業者に依頼した場合の、アンテナ本体や基本部材をセットにした設置工事費用が、地デジアンテナの中ではもっとも高額になるという点が挙げられます。
また受信性能に関しても、本体の性能は、八木式アンテナの同素子数から高性能機種には及ばず、基本的には中電界地域から強電界地域に適したアンテナ機種になります。そのため弱電界地域では使用できないケースもある。またそのデザイン性も、純和風建築など住宅の様式によっては、デザインがミスマッチとなり、住宅の外観性を乱す場合もあるといったデメリットもございます。
なおユニコーンアンテナについては、以下のコラム記事でも詳しくご紹介しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

衛星放送用アンテナ:BS/CSアンテナ

衛星放送用のBS/110度CSアンテナは、静止衛星より送信される12GHz帯の電波を受信するためのパラボラアンテナです。
パラボラアンテナは、12GHz帯の電波を受信する丸い円盤型の「反射器(放物面反射器)」または「ディッシュ(dish:皿)」を持つアンテナです。このディッシュに反射して、その中央部に集まった12GHz帯の電波を、アームで固定された「コンバーター(変換器)」の一次放射器に集めます。
12GHz帯の電波は周波数が高すぎるため、そのままケーブルで送信すると減衰量が大きくなり、正しく送信できません、そのためコンバーターによってちょうどよいMHz帯の電波へと変換し、その電波がケーブル配線部や各種機器を経て、屋内のテレビなど受信機器のBS/CSチューナーに送ることで、衛星放送を視聴できるのです。
このコンバーターで周波数を変換する際、前述した右旋円偏波は1032MHzから2072MHz。左旋円偏波は2224MHzから3224MHzに変換されます。なおコンバーターは電子機器であるため、ケーブル配線部に設置されるブースターの電源、またはテレビなどのチューナー端子から同軸ケーブルを通じて給電する形で、電源が必要です。

前述の通りBS/CSアンテナの設置には、アンテナのディッシュ部を東経110度(南西)の方向へ、仰角、方位角ともミリ単位の狂いもなく正確に向ける。またアンテナを向けた方向に12GHz帯の電波を遮断する高層建築や山地はもちろん、樹木や電柱、電線、洗濯物など、わずかが障害物も存在しないという条件が必要になります。
ただその条件さえ満たしていれば、戸建て住宅でどの位置にBS/CSアンテナを設置しても、12GHz帯の電波の受信感度に大きな違いは生じません。BS/CSアンテナの主な設置位置としては、屋根の上などで、八木式アンテナやユニコーンアンテナと同じマストの下部に設置する。サイドベースで住宅の壁面やベランダの窓枠に設置する。またベランダの内部に設置するなどの方法がございます。
他にも、住宅の室内に、12GHz帯の電波を十分に透過する窓があれば、BS/CSアンテナを室内の窓際に設置することも可能です。

なおBS/CSアンテナは、前述した2K対応型と2K4K8K対応型。124度/148度CS対応型。また車載用やアウトドア用など一部の特殊なモデルを除いては、基本的にパラボラアンテナの一種類のみです、したがってアンテナ本体の大きさが同じサイズであれば、どのメーカー、モデルの機種でも、コンバーターの性能に微妙な差が出る程度で、どれも大きな受信性能の差はございません。
BS/CSアンテナの主なバリエーションとしては、まずこのディッシュサイズの違いが挙げられます。ディッシュは12GHz帯の電波を受け止める部分であるため、この直径が大きいほど受信性能も高くなります。
BS/CSアンテナのサイズは、ディッシュの有効直径(電波を受け止められる部分の直径)のセンチ数で表され、一般的な戸建て住宅向けのBS/CSアンテナは45型(45センチ型)になります。その他には、アパートやマンションなど集合住宅で、各棟のすべての居室に電波を送信するための共同アンテナで、建物の規模に合わせたものが使用される50型、60型、75型、90型、120型などが存在します。

戸建て住宅用のBS/CSアンテナでは、45型でも十分な受信性能がございますが、前述した降雨減衰、降雪減衰への対策や、静止衛星との距離から電波レベルが弱くなるエリアでは、50型、60型、75型など、受信性能が高いやや大型のBS/CSアンテナが使われることもございます。半面、大型のBS/CSアンテナは、ディッシュが風雨を受けやすくなる。本体の重量が増すなどの要因により、角度のズレなどのトラブルが生じやすくなるので注意が必要です。また大型のBS/CSアンテナは、45型に比べると価格も割高となります。

その他のバリエーションには、まずBS/CSアンテナの本体色は、太陽光や熱による本体の歪み、劣化を抑えるため、光を反射する白色系が基本となります。ただ現在では太陽光に影響されにくい塗料を用いた、ブラックその他のカラーバリエーション製品も存在します。
また風雨などに影響されやすいBS/CSアンテナの弱点を抑えるべく、ディッシュ部に無数の小さな穴が開いたパンチングホール仕様。設置部やアーム固定部の強化などにより、激しい台風レベルの風雨にも耐性を発揮する高耐風モデルも存在します、
基本的にBS/CSアンテナはデザインを選ぶことができないため、形状が特におしゃれといえる機種は存在しません。そのため、住宅の外観性を重視するためには、住宅の色合いにマッチするカラーバリエーションのご利用や、アンテナ本体を隠せる、目立たない位置への設置が重要となります。
BS/CSアンテナ本体の特性や設置方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説

・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法

・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説

戸建て住宅でテレビアンテナを目立たないよう隠せる設置方法とは?

戸建て住宅への地デジアンテナ設置では、上記のように、おしゃれな外観を持つ機種を選択することにより、住宅の形状にもマッチしてデザイン性を乱さないアンテナ設置が可能となります。
ただ上記のように各地デジアンテナ機種は、現場の電波状態や環境によっては、ご希望の機種や設置位置を選択できない場合もございます。またBS/CSアンテナに関しては、カラーバリエーションを除き、基本的にパラボラアンテナの一択となります。
そのため各種の条件などから、ご自宅に設置する各種アンテナの機種を選べない場合には、アンテナの設置位置を工夫することで、住宅の外観的にアンテナ本体を見えにくくする工夫が必要となってまいります。またこれらの設置方法により、風雨など自然環境の影響を避け、アンテナの経年劣化を抑えて寿命を延ばすことにも役立ちます。
以下の内容では、戸建て住宅でのテレビアンテナ設置で、アンテナ本体をできるだけ隠すことのできる設置方法を解説してまいります。

アンテナを隠す設置方法1:デザインアンテナの屋根裏設置。

すでにご説明した通り、地デジのUHF波は一定の条件が整っていれば、一般住宅の屋根や壁を透過して屋内にも届きます。そのため今では地デジアンテナ、主にデザインアンテナを、住宅の屋根裏空間、また上階の外科医の間にあたる天井裏空間などの屋内に設置することも可能となります。
デザインアンテナの屋根裏設置、天井裏設置を行うメリットは、まずアンテナが風雨や積雪、潮風など自然環境の影響を受けなくなるため、経年劣化を大幅に軽減できて寿命が大きく伸び、トラブルも発生しにくくなる。また地デジアンテナ配線も屋根裏から屋内で完結するため、住宅の外観や景観、また壁面などの外装にもまったく影響を与えないという点です。
デザインアンテナを屋根裏などの空間に設置できる条件としては、第一に、アンテナを設置する空間に、十分なレベルの地デジ電波が届くという点になります。
そのため、まず設置する現場が強電界地域に当たり、屋根や壁などを透過して減衰した地デジ電波でも十分な電波レベルを維持している。さらに住宅の建材や屋根材、断熱材などの素材が地デジ電波を通しやすい、逆に言えば、地デジ電波を遮断してしまう金属などの素材が使われていないという点が重要になります。
特に屋根裏設置の場合なら、地デジ電波はほとんどが屋根を通り抜けて屋根裏空間に届くこととなります。そのため屋根の上に電波を反射する太陽光パネルが設置されていない。また水分も電波を吸収してしまうため、冬場には屋根の上への積雪がほとんど生じないといった条件も必要となってまいります。
そして屋根裏などへのアンテナ設置作業を行うために、屋根裏、天井裏などへアンテナを設置できる、最低でも1メートル四方のスペースがあること。また設置する空間にアンテナ機材や工事担当者が入り込める点検口などが設置されていることになります。
また屋根裏空間へのアンテナ設置でも、基本的な条件は屋根の上などの場合と変わらず、設置位置はできるだけ高所で、電波塔など電波が届く方向へとアンテナ正面を向ける角度調整の必要がございます。
さらに屋根裏設置の場合は、空間内でも地デジ電波の流れ込みが安定する位置を探す必要がございます。屋外とは異なり、外壁や屋根を通って屋内に届く電波には、屋根や壁の厚さ、形状などの影響を受けて、位置によって電波強度のムラなどが生じるのです。そのため屋根裏空間でも、電波の品質や強度が安定した場所を特定して、アンテナを設置する必要が生じます。
なお屋根裏空間への設置に選ばれるアンテナ機種は、基本的にスペースを取らないデザインアンテナとなります。八木式アンテナの設置も技術的には可能ですが、その形状から、屋根裏では高所や電波塔の方向、また電波の品質が安定する位置に設置することが難しくなります。
また八木式アンテナの屋根裏設置では専用の設置具などが必要なため、設置費用の総額もデザインアンテナの場合と差がなくなり、特に八木式アンテナを選ぶメリットがございません。そのため屋根裏への設置に八木式アンテナが使用されることは少なくなります。
そしてユニコーンアンテナでは、受信面積の狭さから屋根裏などへの設置には不向きなため、やはり採用されることはございません。
いずれにせよご自宅の屋根裏空間などへデザインアンテナを設置できるかどうかは、プロのアンテナ工事専門業者が、現場の電波状態や周辺環境、ご自宅の条件などを確認しない限り、判断できません。そのため屋根裏空間などへのアンテナ設置をご希望される方は、まずはアンテナ工事の専門業者に、アンテナ設置位置のご要望と共に、電波調査やお見積もりをご依頼されることが確実な方法と申せます。
デザインアンテナを屋内設置する方法。また業者による電波調査やお見積りの詳細は、以下の各コラム記事で解説しております。
・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

アンテナを隠す設置方法2:壁面やベランダ内外への設置。

デザインアンテナをはじめ、上記した地デジ、BS/CSアンテナすべての機種は、受信の条件が許せば、住宅の壁面やベランダの手すり。またベランダの内部などに設置することも可能です。
これらの設置方法は、壁面への設置であれば、建物の陰やくぼみになる位置など、周囲から見えにくい位置を選ぶことで、アンテナを周囲の視界から隠して目立たない設置も可能となります。この設置方法では、風雨などの影響を避けやすくなり、経年劣化を抑えられる場合もございます。ただ壁面設置の場合は、設置具を取り付けるため、壁面にビス穴を開ける必要が生じます。
また八木式アンテナやBS/CSアンテナのベランダ内部への設置では、ベランダの空間を部分的に占有してしまいますが、アンテナが外部から見えなくなり、しっかりと隠せて風雨などの影響も避けることができます。さらにメンテナンスやトラブル時の修理も簡単になるのもメリットですが、アンテナの前に人が立つ、物を置くなどで電波を遮断する場合がある。また誤ってアンテナに触れることで角度のズレなどトラブルの原因となることに注意する必要もございます。
他にも八木式アンテナを軒先から吊り下げ設置する。軒先用モデルを使用する方法は、主に雪を避けるための設置法になりますが、アンテナが目立たず隠せる設置としても利用できます。
なおユニコーンアンテナに関しては、元よりおしゃれで対候性も高い上、高所に設置することで受信感度を確保できるアンテナ機種になります。そのため上記のような設置方法ではメリットが失われるだけになり、採用されることはございません。
いずれにせよ、これらの設置法は位置が低くなる分、地デジ電波の受信感度をはじめ、電波塔や静止衛星(東経110度)の方向など、安定した地デジ、衛星放送の受信が可能な位置を選択することが大前提となりますのでご注意ください。
これらの位置へ各種アンテナを設置する方法やポイントについては、以下の各コラム記事でも関連の情報を詳しく解説しております。
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説

アンテナを隠す設置方法3:室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの使用。

地デジアンテナでは、上記した屋外設置用の三機種の他にも、室内への設置を前提とした室内アンテナや、屋外と屋内の双方に設置できる屋内屋外兼用アンテナが存在します。
室内アンテナには、卓上や窓際などに設置できる、コンパクトなインテリアにも似た卓上型アンテナと、0.5ミリほどのプラスチック製のシート(アンテナ本体)を、窓や壁などに貼り付けるペーパーアンテナがございます。
どちらもアンテナ本体を設置後、テレビなどの受信機器とケーブルで接続するだけで地デジの受信が可能になり、業者などに依頼せずとも設置が非常に簡単。本体価格も1,000円台から、ブースター内蔵などの高性能モデルでも10,000円強など、コストが非常に安くなるなどのメリットがございます。
また屋外屋内兼用のアンテナは、室内アンテナに比べるとやや大きくなりますが、前述したコンパクトなデザインアンテナ「スカイウォーリーミニ」など、屋外と屋内の窓際など、双方に設置できる地デジアンテナ機種です。このような機種なら、取り付け工事が不要で設置に時間がかからず簡単な他、室内アンテナに比べるとやや受信性能が高くなります。
どちらのアンテナも、室内や屋外でもベランダなどに設置できるため、外部の目からアンテナを隠すことができて、風雨などにも影響されにくくなります。
一方でこれら室内用アンテナのデメリットには、屋外設置されるアンテナに比べると、受信性能が非常に低くなる点がございます。室内アンテナの多くは、素子数表記ができないレベルの受信性能。屋外屋内兼用アンテナも3素子相当から5素子相当の程度になります。
そのためこれらのアンテナは、強電界地域の専用モデルとなり、設置する部屋の高さや周辺の障害物。また住宅の屋根や壁、窓ガラスなど素材の条件などにも、影響を受けやすく、地デジ受信感度が安定しない場合がございます。また基本的にアンテナ一台を、一台のテレビなど受信機器に接続する設置しかできません。
基本的にこれら室内向けアンテナは、普段はテレビを設置しない部屋などで一時的にテレビを視聴する場合。またアパートなど短期間の生活空間でテレビを視聴する場合などに適した、簡易的な地デジアンテナと考えるほうがよろしいでしょう。
室内向け地デジアンテナ関連の詳細については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・面倒な工事も不要!2,000円で地デジ放送を楽しめる「室内アンテナ」について!
・室内アンテナの機種選びと設置の方法

アンテナを隠す設置方法4:BS/CSアンテナの室内窓際への設置。

上記のように地デジアンテナには、条件はあるものの、アンテナ機種、設置位置の選択肢がさまざまになります。しかしBS/CSアンテナに関しては、前述のようにパラボラアンテナ一種類になり、目立たない機種の選択肢はカラーバリエーション程度しかございません。
また衛星放送の12GHz帯の電波は家の壁や屋根を透過しないため、BS/CSアンテナは、基本的に住宅の屋外で、アンテナを東経110度の方向へ正確に向けることができ、その先に電波を遮断する障害物がない場所に限られます。
ただ唯一の例外として、住宅の部屋に東経110度を向いた窓があり、その方向に障害物がないため、窓ガラスから12GHz帯の電波が十分に差し込む部屋があれば、BS/CSアンテナの室内設置も可能となります。

該当する窓の確認は、その窓から日中の午後2時から3時の間。より厳密には、3月の春分の日、9月の秋分の日の午後2時に室内へ直射日光が差し込むようであれば、東経110度の静止衛星からの12GHz帯の電波も届いていると判断できます。
またその窓ガラスが、45型BS/CSアンテナのサイズより大きく窓枠などもない、透明のフロートガラス(一枚板のガラス)である必要がございます。12GHz帯の電波は性質が光に近いため、そのような条件が整っていれば、多少の減衰は生じるものの、ガラスを透過して室内に電波が届きます。ただ複層ガラス(ペアガラス)や金網、金属素材の入ったガラス。色ガラスや模様ガラス、すりガラスなどでは、衛星放送の電波は遮られてしまい、その場合は衛星放送を受信する際に窓を開ける必要がございます。

条件が整った室内にBS/CSアンテナを設置する方法は、土台の上に50センチほどのマストが立つ自立用アンテナスタンドを使用し、その先端に45型のBS/CSアンテナを取り付けて、窓際に置きます。そして同軸ケーブルで室内のテレビなど受信機器と接続し、テレビ側で設定画面からBS/CSアンテナの電源設定を行った後、BSアンテナレベルの画面を表示します。
その後、窓際に設置したBS/CSアンテナの仰角、方位角を正確に東経110度へと向くように調整し、テレビ側でBS/CS放送の安定した受信レベルを確保できれば、設置は完了となります。

BS/CSアンテナを室内の窓際に設置するメリットも、やはり第一に、アンテナ本体を外部の目から隠せて住宅の外観、外装などに影響しない。アンテナ本体も風雨などの影響を受けた経年劣化が進みにくいという点が挙げられます。
他にも、比較的、設置が簡単でDIYでの作業も可能になるため、設置費用を抑えられる。また住宅の工事が必要ないため、賃貸物件や借家でも設置できるなどのメリットもございます。

一方で、室内設置の場合は、基本的にBS/CSアンテナを一台のテレビなど受信機器と接続するだけになり、一ヵ所の部屋でしか衛星放送を視聴できない。窓を通す分だけ衛星放送の受信状態が安定しない場合もある。アンテナ本体が部屋の空間を圧迫して、誤ってアンテナに触れることによる、アンテナ角度のズレなどのトラブルが生じやすいなどのデメリットもございます。
その他、BS/CSアンテナ室内設置の手順、必要な機材や注意点などは、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

ケーブルテレビや光テレビはアンテナに比べてお得か?

以上、さまざまなテレビアンテナ機種やモデル、設置方法をご説明してまいりましたが、どれも実際の設置に当たっては、主に現場の受信環境をはじめとする、設置が可能となる条件が生じてまいります。特に弱電界地域など、地デジの受信環境が悪いエリアでは、屋根の上などの高所に、高性能の八木式アンテナを設置する以外の選択肢がなく、それ以外のおしゃれな形状のアンテナや、アンテナを隠せる設置位置が使用できないケースもございます。
そのような条件の現場では、そもそもアンテナを使用せず地デジ、衛星放送の各チャンネルを視聴する方法として、ケーブルテレビ(CATV)や光テレビを利用する選択肢もございます。

ケーブルテレビとは、日本各地のケーブルテレビ会社、営業所のケーブルテレビ局に設置された、大型の地デジ、BS/CSアンテナから、契約した世帯まで同軸ケーブルを敷設して、テレビ電波を直接、有線で送信するサービスです。主に地デジの弱電界地域や難視聴地域など、地デジ放送の受信に困難が生じるエリア向けのサービスになります。
光テレビは、インターネット回線などに使われる光回線から、地デジ放送やBS/CS放送の映像信号を送信することで、ご自宅で各チャンネルを視聴できるサービスです。主に光回線でインターネットを利用する世帯向けの追加サービスになります。

どちらもテレビアンテナを設置せずに、地デジ、衛星放送のチャンネルを視聴できるため、そもそもテレビアンテナを設置する必要がなくなり、その初期費用や、住宅を加工する工事が必要ございません。そのため当然ながらアンテナにより住宅の外観や景観に影響を受けることがなく、自然環境によるアンテナの老朽化やトラブルなども生じません。また現場の地デジ電波レベルや、障害物の有無など周辺環境に関係なく、テレビを安定して視聴できるなどのメリットがございます。

一方でこれらのサービスを利用する場合、BS、CSの有料チャンネルはもちろん、地デジ放送やBSの無料チャンネルのみをご視聴になる場合でも、月額の視聴料金が発生します。また視聴契約を行う際には、工事や機材の設置などの初期費用が必要となりますが、この費用はおおむねアンテナ設置費用に比べると低価格で、またキャッシュバックやキャンペーンにより大幅な低価格になるケースもございます。
更に月額視聴料に関しても、ケーブルテレビ会社では、テレビ放送の他に、インターネット回線、格安スマートフォン、固定電話、電気や保険など。光テレビもインターネット回線や光テレビの他に、格安スマートフォン、ポケットWi-Fi、光電話などの各種サービスを用意している業者が多く、各種サービスをセットで利用することにより、個々のサービスを別々に利用するよりも、料金の総額では大幅な割安となる場合もございます。

他にも会社によっては、ネット回線や格安スマホとセットの利用で、スマホ、タブレットなどの端末でもテレビが視聴でき、外出先での視聴や録画予約などの操作も可能になるなどのサービスもございます。
一方で、その他のデメリットとしては、会社によっては、試聴するテレビの台数が増えるごとに、追加料金が加算される場合もある。一部有料チャンネルに対応していない。または複数チャンネルパックでの契約しかできない場合もある。ケーブルテレビでは同軸ケーブルによる回線となるため、インターネットの接続速度が光回線より遅くなる。割引サービスの条件として、一定年数の契約が必要となり、その期間外で解約すると違約金が発生する場合がある、などの点が挙げられます。
なおテレビアンテナとケーブルテレビ、光テレビの違いや比較などの詳細は、以下の各コラム記事でもご紹介しております。
・徹底解説!ケーブルテレビ(CATV)・光テレビの基礎知識と解約してテレビアンテナに乗り換える工事の方法とは?
・ケーブルテレビや光テレビの解約後、テレビアンテナ工事へ乗り換える手順は? どちらがお得かコストや費用も徹底比較!

・テレビ放送の視聴方法3選・徹底比較!(テレビアンテナ・光テレビ・ケーブルテレビ(CATV)

・テレビを視聴する方法「テレビアンテナ」「光テレビ」「ケーブルテレビ」はどう違うの?

おしゃれな形状や隠せるテレビアンテナ・まとめ

現在ではマイホームなど住宅のデザインや景観にマッチするおしゃれなテレビアンテナのタイプ。またアンテナを隠すことができる設置方法にも、さまざまなものがございます。ただこれらの機種や設置位置を採用するには、電波状態や周辺環境などの条件も関連するため、どのような現場でも利用できるわけではない点については、ご理解いただきたく存じます。
なお戸建て住宅に設置できるアンテナ機種や設置方法については、以下のコラム記事ページでも詳しくご紹介しております。
・ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法

・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説

・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?

・テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)

当あさひアンテナでは、地デジ、BS/CSの各種アンテナ設置工事にあたっては、まずは出張費、キャンセル費なども含めて完全無料の電波調査、お見積もりを実施し、現場の条件で可能な限り、お客様のご要望にお応えできるアンテナ工事をご提案いたします。
また各種アンテナ本体やアンテナ周辺機器の設置工事については、国産有名メーカー製の高品質機器をセットにして、業界最安に挑む工事価格でご提供いたしております。
実際のアンテナ工事では、経験豊かで高い技術を誇る弊社の職人スタッフが丁寧な施工を実施し、工事の完了後には、業界最長クラスとなる「10年間」の長期保証もご用意しております。
お住まいにおしゃれなテレビアンテナ機種の取り付けや、アンテナ本体を隠せる設置をご希望のお客様は、当あさひアンテナのフリーダイヤルやホームページのメールフォーム、LINEなどまでお気軽にお問い合わせください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。