工事業者がおすすめする戸建て住宅テレビアンテナ取り付け位置の比較と選び方・適したアンテナ機種や事業者による費用も紹介!
戸建て住宅の一軒家に地デジ用、衛星放送用などのテレビアンテナを取り付ける場合に、皆様が真っ先に連想される取り付け位置はどこでしょうか?
21世紀になって四半世紀、令和の現在でも、やはり多くの方が、テレビアンテナと言えば屋根の上に設置するもの、というイメージをお持ちではないでしょうか。
現在では地デジ放送、衛星放送のチャンネルを視聴する方法にも、ケーブルテレビ(CATV)、インターネットの光回線を利用する光テレビなどがございますが、テレビアンテナの設置は、有料チャンネルなどを除けば、基本的にいつまでも無料で視聴できるため、戸建て住宅ではお得な方法です。
そしてお住まいに設置されるテレビアンテナでは、屋根の上に立てられた金属製の支柱(マスト、ポール)の先に固定されるテレビアンテナと言えば、地デジアンテナでは昔ながらの魚の骨のような形をした八木式アンテナ、また衛星放送用のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナを連想される方が全国でも多いことかと思われます。
ただその一方で、地デジ放送時代の最近では、薄型のパネル状でお住まいの壁に取り付けることができるデザインアンテナが人気を集め、広く知られています。
また近年では、屋根の上など高い位置に設置することで、八木式アンテナとデザインアンテナの長所を兼ね備えた、ユニコーンアンテナと呼ばれる地デジアンテナの新モデルも登場しております。
他にもアンテナの取り付け位置では、現在ではお住まいのベランダの内部空間。さらには屋内の空間などにテレビアンテナを設置できるケースもございます。
これらのアンテナ取り付け場所は、高い場所では安定した受信を実現しやすい一方で、お住まいの壁やベランダなどやや低い位置では、アンテナが目立たず住宅の見た目が良くなる。風雨などを避けることができてアンテナの寿命が長くなる。また万が一の故障や不具合でも修理しやすくなるなど、それぞれの位置に応じたメリット、デメリットが存在します。
また主に地デジアンテナの各機種も、それぞれ最適の設置場所に取り付けることで、アンテナ本体や設置場所のメリットを最大に生かすことができるのです。
そこで今回の当コラムでは、2024年(令和6年)の現在、一般的な戸建て住宅に新規でテレビアンテナを設置できる主な位置について、具体的な取り付け方法や、その場所に適したアンテナ機種。またアンテナ取り付けにその場所を選ぶメリット、デメリットや注意点について、口コミやよくある質問、疑問、実際の施工例なども参考にして、一覧で詳しくご説明してまいります。
また各設置場所や施工方法について、安心して取り付けを頼むことができるアンテナ工事業者、事業者の種類や、工事費用の相場、サービス内容など関連の情報から、本当におすすめできるプロのアンテナ工事業者も解説いたします。
テレビアンテナ設置方法その1:屋根の上に屋根馬で固定したマストに取りつける。
現在の住宅でも、地デジ放送や衛星放送(BS放送、CS放送)を視聴するためのテレビアンテナを設置する場合には、その設置位置として、屋根の上にマスト(支柱、ポール)を立ててアンテナを取り付ける方法を選ばれることが多くなります。
これは、アナログ放送自体からの主なテレビアンテナの設置方法であり、現在でも高い電波塔の先端や、宇宙空間の衛星放送用人工衛星(静止衛星)など、高い位置から送信されるテレビ電波を安定して受信するためには、テレビアンテナを住宅でも高い位置に設置することが最適になるためです。
現代ではハウスメーカーによっては、住宅の設備として、屋根の上に家屋と一体化した丈夫なアンテナ用マストが用意されており、アンテナからのケーブル配線も、マストの内部を通して屋内に引き込むことができる構造になっている設備が用意されていることもございます。
ただ大半の戸建て住宅では、建てられてオーナー様に引き渡される時点では、アンテナ関係の設備として、屋外に設置されたケーブルを引き込む「引き込み口」または「引き込み線」。そしてケーブルが引き込まれた屋内の屋根裏、天井裏やマルチメディアボックス、情報分電盤などに設置された「分配器」と、そこから各部屋のアンテナコンセントに伸びる同軸ケーブル(アンテナケーブル)になります。
戸建て住宅へのテレビアンテナ設置では、住宅に必要なテレビアンテナを設置し、アンテナから延びてブースターなどの機器を経由した同軸ケーブルの配線を、分配器の入力端子に接続することで、お住まいの各部屋に必要なテレビ電波が送信されることになります。
そして、アンテナを直接、設置する設備などが用意されていない、一般的な戸建て住宅で、屋根の上にマストを立てて各種アンテナを取り付ける工法としては「屋根馬(やねうま)」と「ステー(支線)」を用いて、マストを固定する方法が主になります。
屋根馬とは、四脚の中央にマストを通す筒状の金具が設置された、金属製のマスト固定具のことです。四脚の形状が動物の馬に似ていることからそう呼ばれます。
この屋根馬を、お住まいの屋根の上でも、面と面が合わさる頂点の部分に、簡単に動いたりしないよう、バランスよく設置します。そして屋根馬の中心部に、対応する太さ、必要な長さのマスト(支柱、ポールを)を立て、固定具を使ってしっかりと固定します。
次に、屋根馬やマストを中心とした屋根の四方に「ステーアンカー」と呼ばれる釘状のステー止め金具を設置する。また住宅を加工したくない場合は、既存の雨樋の金具などを利用して、そこに結び付けたステンレスワイヤーなどの支線(ステー)を、マストに取り付けたステー金具まで伸ばして接続します。
屋根の四方からマストのステー金具まで伸びる四本のステーの間には、実際には「ターンバックル」と呼ばれる細長い金具を設置します。
このターンバックルでステーの張りを調整できるため、四本のステーのうち、向かい合うステーが屋根の四方からの対角線上になるよう、ステーを貼ります。
そして四本のステーを、特定のステーのみの張りが強い、弱いなどの状態にならないよう、ほぼ同等の力でバランスよく緊張するよう、適切に四本のステーの張りを調整することで、屋根馬と一体化したマストがしっかりと固定されるのです。
こうして固定されたマストに地デジアンテナ、BS/CSアンテナなど必要なアンテナを設置し、受信感度が最大になるよう、近隣の電波塔や静止衛星など、電波の送信方向へと正確に向けて、適切な角度調整を行って固定します。
あとは、ブースターや混合器など、必要な機材の設置も含めたアンテナからの配線を設置し、引き込み口からケーブルを通して、分配器に接続すれば、アンテナ配線も完了になります。
屋根馬とマストによる屋根の上へのテレビアンテナ設置のメリットとは?
お住まいに設置するテレビアンテナを、屋根馬とステーを用いて、屋根の上のマストに固定する方法は、地上波テレビ用アンテナが八木式アンテナのほぼ一種類だったアナログ放送の時代から使われてきた、古典的な方法です。
この方法が広く使われてきた理由は、そもそも八木式アンテナが、高所のマストに設置することを前提にした構造、性能になっているという点も大きくなりますが、それ以外にも、屋根の上のマストは、地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置する位置として、現代でも多くのメリットが存在します。
屋根馬を用いたマストを立ててアンテナを設置するメリットとしては、まず屋根の上に置いた屋根馬とマストを四方からのステーで固定するため、現在でも、住宅の屋根をはじめ、建物そのものをほとんど加工することなく、現在でも簡単な工法で信頼できる強度を確保して、大半の住宅の屋根に対応できるという点です。
そして現在でも、屋根の上にあたる高所にアンテナを設置する最大の理由とメリットは、地デジ放送、衛星放送とも、戸建住宅においては、屋根の上など高い位置に設置することで、受信感度がとても高まり、快適な受信を実現しやすくなるためです。
地デジ電波は、近隣にある電波塔の先端から、周辺一帯に向けて、上方から音が広がるような形で送信されています。地デジ電波は遠くまで届くほど電波レベル(電波の強さ)が低下しやすいことをはじめ、ビルなどの障害物にぶつかってもある程度、乗り越えて広がる性質もあります。
しかしそれでも、電波を遮る高層ビルなどの真後ろに当たる位置や、住宅密集地で家と家の間の狭い空間には地デジ電波が届きにくくなることもあります。
その点、屋根の上に立てたマストに地デジアンテナを取り付ける方法であれば、高い位置で四方も開けていることが多いため、障害物の影響を受けにくく、結果、お住まいの中ではもっとも受信感度が高く、地デジ受信に不安のない位置を確保しやすくなるのです。
また地デジアンテナには、機種に違いはあれ、アンテナの真正面を中心とした一定の範囲でのみ受信感度が高まる「指向性」という性質があり、アンテナの真正面側を、近隣の電波塔に向ける形で設置することが大切になります。
現場によっては、例えば関東の首都圏でも千葉県、埼玉県、神奈川県と、東京都に隣接する県の多くのエリアでは、この一都三県の多くのエリアにNHK、広域民放を送信する東京都墨田区の東京スカイツリーと、各県内にてそれぞれの地方チャンネル(千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川)を送信している、千葉県船橋市の千葉局、埼玉県さいたま市桜区の浦和局、神奈川県横浜市鶴見区の横浜局など、位置の異なる二か所の電波塔から地デジ電波を受信しているエリアが多くなります。
このような現場で双方の電波を受信するためには、一基の地デジアンテナで双方の電波を受信できるようバランスよく角度調整を行う。もしくはスカイツリーに向けたメインの地デジアンテナとは別に、地方局の電波塔に向けた地方局用のアンテナを設置する必要もございます。
屋根の上に立てたマストに地デジアンテナを設置する方法であれば、一基のアンテナで二か所の電波塔から受信する場合も、主な地デジアンテナとは別に地方局用アンテナを設置する場合も、それぞれの電波塔に向けた適切な角度調整が行いやすくなります。
一方、衛星放送は、地上からおよそ36,000キロ上空、宇宙空間の赤道軌道上で地球の自転と同期して周回しているため、日本の地上からは日本の地上からは東経110度(南西方向)の上空に静止して見える、BS放送の放送衛星、CS放送の通信衛星の静止衛星から、日本全域に電波を送信しています。
この静止衛星から送られる放送電波は、非常に波長の短い(周波数帯が高い)マイクロ波の中の、センチメートル波(SHF)と呼ばれる電波でも、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後のものが使われており「12GHz帯」とも呼ばれます。
この12GHz帯の電波は、周波数帯の高さから光のように直進性が高い性質があり、エネルギーを集中させやすく、静止衛星から日本各地まで、スポットライトのようにまっすぐ届くため、静止衛星の電波に適しているのです。
そのため衛星放送の12GHz帯の電波は、日本の全域においてほぼ同一の安定したレベルで受信できますが、一方で光に近い性質から、山地や建物だけでなく、樹木や枝葉、電柱や電線、洗濯物など、わずかな障害物にも遮られやすい弱点もあります。
したがってBS/CSアンテナを設置する上で必要な条件は、アンテナで12GHz帯の電波を受け止める円盤状の部分「ディッシュ(放物面反射器)」を仰角、方位角(上下、左右の角度)とも、東経110度の方向へとミリ単位で正確に向けること。そしてディッシュを向けた東経110度の方向に、樹木や電線、洗濯物なども含めた、わずかな障害物も存在しないことです。
そして屋根の上のマストへの設置であれば、BS/CSアンテナについても、周辺の障害物を避けた適切な角度調整が行いやすくなると言えます。
さらに受信感度、角度調整で有利となる一本のマストに地デジアンテナ、BS/CSアンテナ、地方局用アンテナなど、必要なアンテナをすべてまとめて設置できるため、アンテナ本体の施工はもちろん、ブースターなど機器の設置も含めた配線の整理も行いやすくなる点もメリットと言えます。
総じて屋根の上で屋根馬とマスト、ステーを用いてアンテナを設置する方法のメリットは、まず高い位置で周辺に障害物が少ないことから受信感度を確保しやすく、受信レベルが高まりやすいこと。
またさまざまな住宅の屋根に対応でき、複数のアンテナや配線部、機器などをまとめやすく、配線を含めたアンテナ機器の整理や、施工性が高まるという点になります。
このようにアンテナの性能を十分に発揮でき、施工しやすいというメリットから、現在でも、特に地デジの受信感度がやや弱まりやすいエリアを中心に、多くの現場で、屋根の上のマストにアンテナを固定する工法が選ばれるのです。
地デジ放送、衛星放送の電波や受信の基礎知識については、下記の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・東京MX、テレビ埼玉など地方チャンネルが映らない原因は?ローカル局を受信するアンテナ工事の方法や費用、業者の選び方を解説
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!
・教えて!BS、CSやスカパーとは? 視聴料金からアンテナの選び方、業者による設置工事の費用相場、サポートの方法まで全解説
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
屋根馬とマストで屋根の上へテレビアンテナを設置するデメリットとは?
逆に、屋根の上で屋根馬とステー、マストによりテレビアンテナを設置するデメリットとして、近年では、住宅の屋根の形によっては対応できないケースもある、という点が挙げられます。
これは上記のメリットでご説明したことと矛盾するようですが、昭和から平成前期、テレビ放送が地上波、衛星放送ともアナログ放送だった時代は、住宅の屋根の形にバラエティが少なく、ほとんどの屋根には頂点部があるため、屋根馬を安定して設置することができました。
しかし21世紀になってデジタル放送の時代になり、住宅の形状もデザイン性が重要とされるようになって、屋根の形も、一方側に傾斜する片流れ屋根、屋根の面と面が合わさる部分に段差がある段違い屋根など、多様な形が登場しました。
そして上記のように安定した頂点部のない屋根の形では、屋根馬を安定しておくことができないため、ほとんどのアンテナ工事業者では、屋根馬やステーによるマスト設置が難しくなります。
ただ当あさひアンテナでは「水平器」という機器を使用し、屋根の傾斜に合わせて屋根馬の脚を加工することで、屋根の斜面にもバランスよく屋根馬を置き、水平に立てたマストにアンテナを固定する技術を備えております。屋根馬の脚が屋根に触れる部分には、シリコンなどで保護を行い、屋根の傷やサビによる腐食などが進まない、丁寧な施工を実施いたします。
また現在では、後述する「サイドベース」という機器を、破風板や壁の高い位置に設置することで、実質的に屋根の上と同等の位置にマストを立てる工法も存在します。詳しくは後述しますが、屋根馬を用いた工法が難しい場合は、こちらの工法を選択するケースも多くなっています。
次に、やはりデザイン性の高い現在の住宅で生じやすい問題として、住宅の外観や周辺の景観への悪影響も挙げられます。
特に屋根の上に設置されるテレビアンテナは、地デジアンテナでは昔ながらの形状を持つ八木式アンテナ。またディッシュをもつBS/CSアンテナであることが多く、このようなアンテナをデザイン性の高い住宅で屋根の上のマストに立てた場合、悪目立ちしてしまい、住宅のデザイン性を低下させてしまうというご意見も聞かれます。
また美観地区などの景観地域では、屋根の上のアンテナは周辺の景観にも悪影響を与えるため、上記のようなアンテナを屋根の上のマストに設置することは、地域の景観条例によって制限されている場合もございます。
他にも、上記の問題に伴い、八木式アンテナ、BS/CSアンテナなどでは、アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出してしまう「越境問題」が起こることもある。また屋根の上に太陽光パネルを敷設している住宅では、アンテナがパネルに影を落とし、発電を阻害するなど、昭和の昔からのアンテナ設置方法に対して、現代ならではの問題も多くなっております。
そして、屋根の上で屋根馬、ステーを使ってマストごとアンテナを固定する方法で、もっとも問題になりやすいのが、アンテナの老朽化が進みやすいこと、それに伴う各種のトラブルです。
基本的に、プロのアンテナ工事業者が高い技術を用いて、上記の通り、屋根馬とステーで固定したマストとアンテナは、十分な強度をもち、多少の台風などでは、そう簡単に傾いたり倒れたりすることはございません。
また近年のアンテナ本体やマスト、屋根馬、ステーなどの設置部材は、デザインアンテナやユニコーンアンテナなど対候性の高い新モデルをはじめ、八木式アンテナ、BS/CSアンテナなども、設計や素材、表面加工の進歩などで、軽量化や耐水性、防サビ性が向上しており、風雨や潮風などの自然環境にも強くなっております。
ただそれでも、屋根の上に設置されたテレビアンテナやマストなど固定具は、長い年月、風雨や基本の変化、地域によっては積雪や海沿いの潮風など、厳しい環境にさらされ続けると、わずかなサビや金属疲労が積み重なってゆき、徐々に耐久性が低下してゆきます。
特に大型で風雨などに影響されやすい八木式アンテナや、ディッシュが風を受けやすいBS/CSアンテナを屋根の上でマストに固定した場合の耐用年数は約10年になります。ただ近年の対候性の高いモデルでは、実質的に十数年は耐久力が持つとされています。
この寿命を迎えたアンテナもすぐ壊れるわけではなく、現場によっては20年以上にわたって安定して使用できることもございますが、やはり各部の老朽化により故障のリスクは高まります。逆に台風や大雪など自然環境が厳しいエリアでは、アンテナの寿命が10年を切る場合もございます。
またアンテナを設置する部材も、老朽化によりステーが緩む、一部が切れるなどすると、風雨などにより屋根馬の固定がずれ、マストごとアンテナが傾く、倒れるなどのトラブルも想定されます。
このような状態では、アンテナ角度のズレ、アンテナ本体やケーブルの破損などによりテレビ放送が映らなくなることはもちろん、屋根材の破損やサビによる腐食、ひいては屋根からアンテナが落下して重大な人身事故、物損事故を起こすリスクも想定されます。
したがって、屋根馬とステーで屋根の上にマストやアンテナを固定しているお住まいでは、できるだけ風雨などに影響されにくいアンテナ機種、モデルを用いる。またある程度の年数を経たアンテナは定期的にメンテナンスを行い、老朽化したアンテナや部材は早めに撤去や交換を行うという対処が重要と言えます。
ただ屋根の上に固定されたアンテナでは、専門的な技術や知識、機材を持たない一般の方がご自身でメンテナンスや修理、交換などを行うには非常な危険が伴います。そのため決してご自分では作業を行われず、プロのアンテナ工事業者にお任せになることが必須です。そしてその工事費用が必要になることも、デメリットのひとつといえます。
屋根の上へのアンテナ設置や、各種アンテナの寿命については、以下のコラム記事にも詳しい解説がございます。
・なぜテレビアンテナは屋根の上に設置される? 新築戸建て各位置に取り付けるアンテナ種類や工事の流れ、費用の相場について解説
・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!
・BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!
・ご自宅に設置されているテレビアンテナを交換する時とは? 工事にかかる費用の相場はいくらか、また工事を進める方法を解説!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
屋根馬とマストによる屋根上へのアンテナ設置に適したアンテナ機種、モデルとは?
屋根馬とステーにより固定したマストで、屋根の上に各種アンテナを設置する方法には、現在の大半のアンテナ機種が対応しています。
主な機種としては、八木式アンテナでは基本的に、屋根の上など高い位置への設置でその受信性能を万全に発揮する八木式アンテナ、ユニコーンアンテナが、この方法で設置されることが多くなります。
長方形のパネル状の薄型地デジアンテナで、主に住宅の壁面へ貼り付けるように設置されるデザインアンテナも、同じ方法で高所のマストに設置されるケースもございます。
そしてこの方法で各種の地デジアンテナを屋根の上のマストに設置する際に、追加でBS/CSアンテナも取り付ける場合には、同じマストにまとめて設置することが大半になります。
ここではまず、地デジの八木式アンテナと、BS/CSアンテナについて簡単に解説いたします。
八木式アンテナ(八木アンテナ)は、矢印のような骨組みに、電波を受信する短い横棒「素子(エレメント)」が等間隔にたくさん並ぶ魚の骨のような形で、上記の通り、アナログ放送の時代から、ここで御説明した取り付け方法により使われている古典的なテレビアンテナです。
八木式アンテナの特徴は、本体に設置された素子数により8素子、14素子、20素子などモデルが多く、いわゆる強電界地域(80㏈以上)、中電界地域(80㏈以下から60㏈以上)、弱電界地域(60㏈以下)と、主に地デジ電波塔からの距離と、電波を遮る山地など地形の影響により、受信できる電波レベルのおおよその強度で、電波塔の周辺エリアを㏈(デシベル)の単位を目安にして区分けした「電界地域」ごとに素子数モデルを使い分けることで、広範なエリアに対応できます。
他にも高性能素子を使用することで、実質的に素子数で数十から百数十程度の受信性能を発揮し、上記の各電界地域よりより遠距離で、電波塔の受信範囲外に当たる微弱電界地域(55㏈から40㏈程度)でも受信を実現できる高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)や、受信できる周波数帯を、国内の多くで実際に使用される13chから36ch程度の物理チャンネル(周波数帯にして470MHzから600MHz程度)に絞ることで、受信感度を高めたローチャンネル帯などのモデルも存在します。
このような受信性能別モデルの豊富さに加え、八木式アンテナはシンプルな構造で指向性が高いため、受信性能が狭い半値幅の範囲に集中し、アンテナの正面を電波塔の方向へ正確に向けることでノイズも受信しにくくなります。
総じて八木式アンテナは、主に受信環境のよい屋根の上に設置されることもあって、現在でも地デジ受信性能では、同素子数(相当)の他の機種と比べても、もっとも優れた受信性能を発揮する機種になり、特に電波塔から遠い、障害物が多いなど、受信環境が悪い現場で優良なアンテナと重宝されています。
また、八木式アンテナは非常に古典的なモデルであるため、現在ではアンテナ本体価格や設置費用も、他の地デジアンテナ機種より安くなり、とにかく受信性能が必要な現場や、アンテナ工事のコストを抑えたい現場にはおすすめのモデルとなります。
一方で八木式アンテナは、素子数が多いモデルほど中央の支柱が長くなり、20素子モデルで1メートル強と、現在の地デジアンテナとしては、やや大型で重量も重くなります。
また金属の機器部が露出した魚の骨のような形は、受信感度が高まる一方で、現代の感覚ではデザイン性が劣ると思われることもございます。
このような本体の特徴から、八木式アンテナは上記でご説明した、住宅の外観や景観を乱しやすい。風雨などの自然環境により経年劣化が進みやすいといった、屋根の上のマストに設置するデメリットが、もっとも生じやすいアンテナ機種でもあります。
これら八木式アンテナのデメリットを抑える方法では、経年劣化に対しては、素材や表面加工などの改良により、軽量化や防水、防サビ性能を高めた現在の最新モデルや、海沿いや雪の多い地域など、現場の環境に特化した耐久性を追及した、塩害用、雪害用、ステンレス製などのモデルを使用するという対策がございます。
また八木式アンテナも、以下の項目でご紹介する設置方法を選ぶことで、設置した際の外観性や対候性などのデメリットを、ある程度、抑えることもできます。
衛星放送用のBS/CSアンテナは、すでに少しご説明した通り、12GHz帯の電波を受け止める大きな皿のようなディッシュ(放物面反射器)と、金属製のアームによってディッシュの前方に固定されたコンバーター(変換器)によって構成されるパラボラアンテナです。
このディッシュの内側で光のような12GHz帯の電波を受け止めて反射し、前方のコンバーターと一体化した一時放射器に電波を集中させて、コンバーター内で、電波の周波数帯を同軸ケーブルで送信しやすいMHz帯の周波数帯に変換して、コンバーターに接続された同軸ケーブルへと送ります。
なおBS/CSアンテナは、コンバーターを作動させるために、配線部のブースター(アンテナが受信した電波を現場で必要なレベルに増幅する装置)電源部。また衛星放送を視聴するテレビなど受信機器から、電源設定を行って同軸ケーブルを通じ、BS/CSアンテナのコンバーター側に電源を供給する必要がございます。
現在の一般戸建て住宅で使用されるBS/CSアンテナは、ディッシュの有効直径(電波を受信できる部分の直径)が45センチの45型です。ただ、他にも主にマンション、アパートなど集合住宅で共同受信用に使われる、50型、60型、75型、90型、120型などのモデルもございます。
そして日本の北部、南端部、離島部など、静止衛星からの距離により12GHz帯の電波レベルがやや弱くなるエリアや、降雨、降雪による12GHz帯の電波の減衰に対する対策として、一般の住宅でも50型から75型の、やや大型のモデルが使われることがございます。
他にも現在、市販されるBS/CSアンテナはすべて、従来の2K衛星放送に使われる電波「右旋円偏波」と、2018年(平成30年)にスタートした、衛星放送の4K8K放送「新4K8K衛星放送」の多くのチャンネルに使われる電波「左旋円偏波」に対応する2K4K8K(右旋・左旋)対応モデルになります。
ただ2018年以前に設置された旧式の2K(右旋)対応モデルの場合は、一部チャンネルを除く新4K8K衛星放送の多くのチャンネルが受信できません。そのため、すでに2K対応BS/CSアンテナを設置しているお住まいで新4K8K衛星放送をご覧になるためには、BS/CSアンテナを2K4K8K対応型に交換するほか、場合によってはアンテナの配線部にあるブースター、分配器などの機器、同軸ケーブルそのものも、4K8K(3442MHz)対応型に交換する必要もございますので、ご注意くださいませ。
BS/CSアンテナを設置できる条件は上記の通り、ディッシュを上下、左右の角度とも静止衛星の方向へ正確に向けること。その方向に少しの障害物もないことで、この条件が満たされていれば、受信感度に大きな影響はございません。
ただBS/CSアンテナは主に地デジアンテナの設置後に追加設置されるため、双方の配線をまとめるべく近い位置に設置されます。そして地デジ、BS/CSアンテナの電波を送るケーブルは、アンテナの近くで、送信される電波とケーブルを一本にまとめて配線をシンプルにするため「混合器」という機器、もしくは地デジ、衛星放送の電波に対応するブースターと混合器を一体化した「UHF・BSCS混合ブースター」に接続されます。
戸建て住宅で使用されるBS/CSアンテナは、パラボラアンテナの一種類のみですが、バリエーションとして、主な本体色である、太陽光を反射して影響を避けるホワイト系の他、太陽光に強い塗料を用いたブラックなどのカラーバリエーション。
また形状から風の影響を受けやすく、わずかな角度のズレにも弱いBS/CSアンテナの性質をカバーすべく、風を通す構造のディッシュや各部の強化により耐風性能を格段に高めた高耐風モデルが存在します。
当あさひアンテナでは、八木式アンテナ設置工事について、日本三大アンテナメーカーの一社であるDXアンテナ製、軽量で耐風性、耐水性、防サビ性も高い高品質20素子モデル「UA20」本体と、屋根馬やマスト、ステーなどの基本的な設置具、同軸ケーブルなど部品の料金や、防水処理も含めた基本設置工事を、22,000円(税込み24,200円)からの価格で承っております。
またBS/CSアンテナについては、各地デジアンテナ機種の設置と同時に、BS/CSアンテナも取り付ける場合では、やはりDXアンテナ社製、45型2K4K8K対応45型の高品質モデル「BC45AS」本体と基本的な設置金具、同軸ケーブル、防水処理をセットにした基本設置工事を18,000円(税込み19,800円)からで承ります。
さらに同じくDXアンテナ社の45型2K4K8K対応BS/CSアンテナであり、パンチングメタル仕様のディッシュや各接合部の強化で、激しい台風でも破損や受信性能の喪失を抑えられる、業界最強レベルの耐風性能を実現した高耐風モデル「BC453SG」を用いた、同様の基本設置工事は「特別価格」でご案内いたしております。
他にも弊社では、八木式アンテナについては、各素子数モデルをはじめ、高性能型のパラスタックアンテナやローチャンネル用モデル。ステンレス製や雪害用、塩害用モデルなどもご用意しておりますので、さまざまな受信環境、自然環境の現場やお客様のご要望に対応できる工事をご提案いたします。
BS/CSアンテナについても、各ディッシュサイズや本体色がブラックのモデルもご用意しておりますので、戸建て住宅の他、集合住宅の共同受信用も含めて、さまざまな現場のBS/CSアンテナ設置工事にご対応いたします。
また弊社では、屋根馬とステーを用いたアンテナ設置では、技術面でも、屋根の四方とマストを結ぶ四本のステーを張った後、それぞれのステーの途中から、屋根馬の脚に向けてもう四本のステーを張り、計8本のステーで全体をバランスよく緊張させることにより、より丈夫で風雨などにも強いマスト(アンテナ)の固定を実践しております。
八木式アンテナ、BS/CSアンテナについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!
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・衛星放送用のBS/110度CSアンテナには電源が必要? BS/CSアンテナにテレビなどの設定で電源を供給する方法とは
テレビアンテナ設置方法その2:サイドベースで住宅の壁面やベランダにアンテナを取りつける。
屋根馬やステーでマストを立てる方法の他に、近年、戸建て住宅のアンテナ設置方法として多くなっている工法が「サイドベース」という機材を用いてお住まいの壁面などにマストとアンテナを固定する方法です。
サイドベースとは主に金属製で、板状の固定部から水平にマストを支えるアーム部。またはL字型のマストが突き出していて、壁と並行になるようまっすぐ固定したマストに、アンテナを設置するための設置具になります。
このサイドベースを固定する位置は、主に住宅の外壁、またはベランダの手すり部になりますが、その特性は、設置する位置や、壁面の高さによっても異なってまいります。
牡蛎の項目では、サイドベースでアンテナを設置する位置別に、そのメリットや特性などの概要を解説してまいります。
サイドベースでテレビアンテナを設置できる位置とそのメリットとは?
・破風板や壁の高所への設置。
まずサイドベースを住宅の破風板(屋根の張り出し部)や壁面でも最上部などに設置すると、サイドベースに立てたマストが屋根から突き出し、屋根の上にテレビアンテナを立てる場合と、高度ではほとんど違いがなくなります。
したがって、地デジ放送、衛星放送とも、周辺の障害物の影響を避けて受信感度を確保しやすく、アンテナの角度調整も行いやすい。また一本のマストに必要なアンテナをすべて設置でき、配線部もまとめやすいなど、屋根馬やステーを用いて屋根の上のマストにアンテナを固定する場合と、ほぼ同様のメリットを得ることができます。
この場合、サイドベースの固定方法は、壁面にビス穴を開けて、固定部をビスで破風板や壁にしっかり設置する形になります。
これにより屋根馬に立てられたマストをステーで固定する方法に比べて、面による丈夫な設置を実現でき、マストの傾きや倒れるといったトラブルが生じにくくなる。
また設置部が住宅のサイドに当たるため、風雨などを避けやすく、固定部の老朽化が抑えやすい。屋根の上に立てたアンテナに比べるとやや目立ちにくく、住宅の見た目や景観に与える影響が低くなるといったメリットも挙げられます。
・ベランダの手すり部や壁面のやや低い位置。
サイドベースを住宅の壁面でも、屋根の高さよりやや低い、二階の住空間に当たる程度の高さに固定して、各種アンテナを取り付ける方法もございます。
他にも、お住まいのベランダ部の手すりに対応する構造のサイドベースを用いて、手すりを前後から取り付け部で挟むようにして、サイドベースを設置するという手法もございます。
この場合、アンテナ本体が住宅でも屋根の上よりやや低い位置に固定され、屋根の上にはアンテナ本体がほぼ見えない形になります。
この場合のメリットは、アンテナが住宅の屋根の上に見えなくなるため、設置場所によっては住宅の見た目や景観に影響を与えにくくなること。また風雨など自然環境の影響も、ある程度は避けやすくなり、アンテナの経年劣化を多少は軽減できることです。
他にも、お住まいの窓に近い壁や窓、ベランダの手すり部など、手の届きやすい位置にアンテナを設置している場合は、お住まいでアンテナのメンテナンスや、不具合の対処などが行いやすくなる。
また屋根の上に太陽光パネルを敷設している住宅で、八木式アンテナ、BS/CSアンテナのようなやや大型のアンテナを設置しても、太陽光パネルに影を落とす恐れがなくなるなどのメリットも考えられます。
サイドベースの使用に限らず、テレビアンテナを住宅の壁面やベランダに設置する方法については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
・壁面に設置できる地デジ用テレビアンテナとは? デザインアンテナなど壁に取り付けられる全アンテナと工事費用、失敗例など解説
・地デジ、BS/CSテレビアンテナを住宅の壁面に設置する方法とメリットや注意点とは? 壁面取付に適したアンテナ機種も解説!
サイドベースでテレビアンテナを設置するデメリットと注意点は?
このように従来の屋根馬とステーによるアンテナ設置に比べ、サイドベースによる設置は、設置できる位置に幅が出てメリットが多くなりますが、一方でデメリットもございます。
まずお住まいの外壁や破風板にサイドベースを設置する場合は、壁の中に下地がある場所を選んで、壁にビス穴を開け、ビスによってサイドベースを固定する形になります。
そのため新築のお住まいなどで、住宅の外装などへの加工を避けたい方には、後述するデザインアンテナの壁面設置とともに、ご注意が必要といえます。なおベランダの手すり部への設置では、前後の固定パーツなどで手すりを挟み込む形になるため、お住まいの外装を加工する必要はございませんが、手すりの形に対応するサイドベースを使用する必要がございます。
そして特にサイドベースを用いて、テレビアンテナが屋根より低い位置に来る形で、やや低い壁やベランダなどに設置する場合には、電波の受信についての注意が必要となります。
上記の通り、サイドベース、または屋根馬で固定したマストを使い、アンテナが屋根の上にあたる高い位置に設置する方法では、受信環境、角度調整とも、一般的な戸建て住宅ではほぼ最高と言える環境を確保できます。
対して、アンテナが屋根の高さより下にくる壁面の低い位置、ベランダの手すりでは、周辺の障害物などの影響を受けて、壁面で受信できる電波レベルがやや低下することもございます。
また地デジアンテナは先端を近隣の電波塔の方向に向ける。BS/CSアンテナは、ディッシュを東経110度に向けて、その方向にわずかな障害物もない位置に設置することが必須になるため、サイドベースを取り付ける壁やベランダは、取り付けたアンテナを電波塔や静止衛星に向けることができる方角を向いていることが必須の条件になります。
そしてお住まいでも屋根より低い位置にアンテナを設置すると、やはり周辺の建物など電波を遮る障害物に影響を受けやすくなります。
したがって地デジ放送では、いわゆる強・中電界地域など、電波塔に近く一帯に十分なレベルの電波が届くエリアであっても、電波塔の方向を遮る高層マンションなどがある場所の、すぐ近くの一帯。また住宅密集地で、アンテナを設置したい壁の目前に隣家がある、家と家の間の狭い空間などには地デジ電波が届きにくく、壁面などへの地デジアンテナ設置ができないケースもございます。
他にもアンテナの後方、家の壁に当たる方向からの地デジ電波なども遮られるため、上記の通り、東京都周辺の三県など、スカイツリーと各県の基幹局、二か所以上の電波塔から電波を受信している現場では、位置によっては一方の電波塔からの電波が遮られることもございます。
八木式アンテナでは構造上、アンテナ前方からの電波だけでなく、後方からの電波もある程度、受信できる性質があるため、二か所の電波塔から地デジ電波を受信する現場では重宝するケースもございますが、サイドベースで壁などの低い位置に設置する場合は、その特性も生かせなくなります。
BS/CSアンテナの場合は、設置の条件を満たしていれば設置位置の高さは受信感度に大きな影響はございませんが、やはり戸建て住宅で屋根より設置位置が低くなると、周辺の障害物に影響を受ける可能性が高くなり、例えば近隣に新しい建物が建設される。樹木が伸びる。洗濯物が干されるなどのことでも、衛星放送の受信に悪影響が生じることもございますので、注意が必要です。
他にも、お住まいの壁面からアンテナが突き出すような形で設置されることになるため、取り付けに当たっては越境問題が生じないよう注意が必要となります。
地方チャンネルを的確に受信する方法については、下記のコラム記事で詳しく解説しております。
・東京MX、テレビ埼玉など地方チャンネルが映らない原因は?ローカル局を受信するアンテナ工事の方法や費用、業者の選び方を解説
サイドベースでの設置に適したテレビアンテナ機種、モデルとは?
サイドベースを用いたテレビアンテナ設置で使用されるアンテナ機種は、地デジアンテナでは主に八木式アンテナ、ユニコーンアンテナなど、主に屋根の上などの高所に設置することを前提としたモデル、およびBS/CSアンテナになります。
デザインアンテナについては後述いたしますが、基本的に専用の設置具を使ってお住まいの壁やベランダなどに設置するモデルになるため、設置の高さを確保する場合を除けば、サイドベースを用いて設置されるケースは少なくなります。
八木式アンテナやBS/CSアンテナについては、上記でご説明済みですので、ここでは地デジアンテナの最新モデル、ユニコーンアンテナについてご紹介いたします。
ユニコーンアンテナとは、やはり日本三大アンテナメーカーの一社、マスプロ電工より2017年(平成29年)に発売された「U2CN」という地デジアンテナ機種です。
ユニコーンアンテナの本体は、長さおよそ67センチ程度、直径は12センチから14センチ程度の、ほぼ円筒形の地デジアンテナです。本体の受信性能は20素子相当。カラーバリエーションは、ツヤのないマットな質感の「ウォームホワイト(WW)」「ブロンズブラック(BB)」の二種類になります。
ユニコーンアンテナは、マスプロ電工社では、後述するデザインアンテナの一モデルとして分類されていますが、八木式アンテナ、デザインアンテナとの形状の違いや、双方のメリットを融合した特性から、この二機種に続く、地デジアンテナの第三世代モデルとされることもございます。
ユニコーンアンテナの設置方法は、屋根馬とステーで立てた屋根の上のマスト。あるいは住宅の破風板や壁面の高所に取り付けたサイドベースのマストで、基本的にアンテナ本体が屋根の上から突き出すようにして設置されます。
ユニコーンアンテナはこのように高所に設置されることで、その受信性能を発揮する機種になるため、これ以外の位置、方法で設置されることはまずございません。
ユニコーンアンテナのメリットは、第一に、八木式アンテナと同様、マストで屋根の上の高い位置に取り付けられても、そのスタイリッシュでシンプルな形状や、マスト、同軸ケーブルの接続部を、本体下部のカバー内に隠せることから、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与えにくいこと。さらに高所でも雨風や雪などを受け流せるため、経年劣化を抑えることができて、寿命が推定で15年から20年以上と長くなることです。
それによりアンテナ高所設置のデメリットとして他に挙げられる、景観地域で条例によるアンテナ設置制限。越境問題の発生。太陽光パネルへの悪影響なども避けることができます。
これらのメリットは、後述するデザインアンテナとほぼ同等ですが、ユニコーンアンテナの場合は、より高い位置へ設置できるため、主に壁面に設置されるデザインアンテナに比べて、周辺の障害物に影響を受けにくくなり、地デジ電波の受信感度が高くなる点です。
詳しくはデザインアンテナの項でご説明いたしますが、壁面に設置される薄型のデザインアンテナは設置の見た目や対候性で、ユニコーンアンテナと同様のメリットを持つ一方、本体の受信性能と設置位置の低さから、基本的に強・中電界地域でしか使用できず、さらに周辺環境にも影響されやすくなり、高層建築の近隣や住宅密集地などでは地デジ電波が遮られるため、電界地域を問わずデザインアンテナが設置できないケースも多くなるのです。
しかしそのような現場でも、ユニコーンアンテナであれば、設置位置の高度から受信感度を確保できるため、特に問題なく設置できるケースが多くなるのです。
またユニコーンアンテナは八木式アンテナ、デザインアンテナに比べても指向性が低く、正面側の半値幅が広いため、屋根の上に設置することで、方向が異なる複数の電波塔からの電波も一基で受信しやすくなります。
反面、ユニコーンアンテナのデメリットには、外部から素子が見えない、指向性が低く本体の受信面も狭いなどの要因から、同じ20素子の八木式アンテナに比べると受信性能が及ばず、基本的に強・中電界地域向けの機種になる点。現状の地デジアンテナ最新モデルであるため、他の機種に比べて本体価格や設置費用が割高になる。また純和風など住宅の建築様式によっては、アンテナのデザインが似合わず、家の外観性に悪影響を与える場合もある、といった点が挙げられます。
なお、当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナの基本設置工事について、2色どちらかの本体色のアンテナ本体、基本の設置具、同軸ケーブルなど必要な機材の料金も含めて、業界最安値に挑戦する「キャンペーン価格」で承っております。
ユニコーンアンテナについての概要や詳細は、以下の各コラム記事に解説がございます。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
テレビアンテナ設置方法その3:デザインアンテナを家の壁やベランダの手すりに取りつける。
ここまででも少しご説明してきた通り、現在の地デジアンテナ機種でもっとも人気の高いモデルは、主に壁面などに設置される薄型のデザインアンテナになります。
アナログ放送から地デジ放送への転換が進んでいた2009年(平成21年)頃に普及しはじめたデザインアンテナは、地デジアンテナの第二世代モデルに当たり、それまでほぼ唯一の地デジアンテナであった八木式アンテナのデメリットを解消すべく登場した機種になります。
デザインアンテナの名称は、上記のユニコーンアンテナなどを含むデザイン性の高いアンテナの総称とされることもございますが、一般的には、高さ60センチ前後、横幅は20センチから25センチ前後、厚さは十数センチ程度の、長方形のパネル状のケースに機器部を収めた「平面アンテナ」を指すことが多くなります。そのためメーカーによっては、薄型アンテナ、壁面アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどの別称もございます。
また同じメーカーの同モデルでも、表面のカバー部分に4色前後のカラーバリエーションが存在するのもデザインアンテナの特徴です。
デザインアンテナの主なモデルは、受信性能別でメインモデルとなる20素子相当モデル。そしてやや大型で地デジ電波レベルが弱いエリア向けの26素子相当モデルです。
他にも受信性能は3素子相当程度などで低いため、強電界地域専用の機種になりますが、上記したサイズの半分程度と非常に小型となり、屋外設置のほか、付属の据え置きスタンドで室内の窓際などにも置くだけで設置できる、屋外屋内兼用のコンパクトモデルもございます。
デザインアンテナの基本的な設置方法は、各モデル専用の設置具を住宅の壁面やベランダの手すりなどに設置し、アンテナ本体を背後の設置部にはめ込む形で取り付けます。
そして接続部を軸に、アンテナの正面側(受信部)を左右に角度調整して、もっとも受信感度が高まる電波の方向に向けて、アンテナ本体をしっかりと固定する形になります。
住宅の壁面やベランダにデザインアンテナを設置する工法のメリット・デメリットは、上記のサイドベースを用いた設置とほぼ同様ですが、特にデザインアンテナは、本体色を住宅の色合いに合わせたパネル状のアンテナを、壁面などに貼り付けるように設置することで、家の外観に溶け込んで目立たなくなり、住宅の外観や景観に与える影響が非常に低く、外観を重視するアンテナ設置に最適です。
次にアンテナ全体にカバーが施された構造と、壁面などにビスで固定した設置具により、アンテナ本体を面で固定することにより、強風や雨雪、潮風などの影響にもかなり強く、経年劣化が進みにくくなり。耐用年数も屋外への設置で15年から20年程度と長くなり、トラブルも生じにくくなります。
これらのメリットにより、景観地域でも問題なく設置でき、越境問題もまず起こらない。屋根の上の太陽光パネルにも影響しないなど、屋根の上のマストで八木式アンテナなどを設置した場合の問題点が、ほとんど解消されます。
一方で、デザインアンテナの弱点としては、素子が外部から見えない構造や指向性の低さから、同素子数(相当)モデルでも八木式アンテナに比べると、本体の受信性能がやや低くなるため、基本的に強・中電界地域用のモデルになる点が挙げられます。
そしてユニコーンアンテナの項でもご説明した通り、設置位置が屋根の上より低いため、まず住宅の壁面やベランダでも、アンテナ正面を近隣の電波塔に向けることができる方向にしか設置できません。
さらに設置位置の低さと本体の受信性能から、現場が強・中電界地域であっても、タワーマンションなど高層建築の近隣、住宅密集地などでは、壁面などお住まいの低い位置に地デジ電波が届きにくくなり、デザインアンテナを設置できないケースが出てまいります。
またデザインアンテナを設置した時点での受信レベルに問題はなくとも、必要最低限のレベルしか確保できていないため、年間を通した気候の変化や悪天候から地デジ電波レベルが低下することにより、必要な受信レベルを下回り、地デジ放送の映像が乱れる場合もございます。
他にも、デザインアンテナを屋根の上にあたるマストに設置するケースもあり、この場合は壁面などに比べて受信感度を確保しやすくなりますが、一方で見た目や自然環境への強さなどのメリットはやや薄れるほか、同じ設置位置でも八木式アンテナに比べると受信感度はやや弱くなります。
他にも、デザインアンテナを室内への据え置きや、屋根裏、天井裏空間などの屋内空間に設置する施工法もございます。この点については以下の項で詳述いたします。
総じて、壁面などへのデザインアンテナの設置では、地デジ受信に不利となる要素もあるため、まず綿密な電波調査により、気候、天候による電波レベルの変化も踏まえて、常に安定した地デジ受信を実現できる位置を特定することが重要となります。
当あさひアンテナでは、デザインアンテナに限らず、各種アンテナ工事を行う前の電波調査と、工費費用のお見積りに関して、現地への出張費、工事のキャンセル料、その他あらゆる費用を含めて「完全無料」で実施いたしております。
弊社の電波調査は、アンテナを設置する位置で十分な電波レベルが届いているかを確認するだけの簡易的なものではなく、お住まいのさまざまな位置で、弊社社員スタッフの優秀なアンテナ職人が、プロ仕様のレベルチェッカーを用いて精密に電波のレベルや品質、方向をチェックし、お住まいの電波状況から可能となるアンテナ工事のうち、お客様のご要望に最適なものをご提案いたします。
例えばデザインアンテナの設置をご希望のお住まいで、壁面では十分な地デジ電波が確保できず、難しいと思われた現場でも、綿密な電波チェックから、壁面でも十分なレベルの電波が届く特定のスポットを割り出して、デザインアンテナ工事を実現できた施工例もございます。
また壁面へのデザインアンテナ設置や、サイドベースによるアンテナ設置で、壁にビス穴を開ける場合には、下地のある位置を的確に確認して、極細ビスを使用し、お住まいの壁面には最小限のビス穴を開ける施工にとどめます。
また壁のビス穴にはすべて、防水用の変性シリコンを丁寧に注入し、ビス穴から雨水がしみ込み、壁の腐食やひび割れなどが生じることを防止する繊細な処理を実施しております。実際にはビス穴から水がしみ込むことはめったにございませんが、アンテナ設置から年数が経つと、経年劣化でビス穴に隙間ができるケースも考えられるため、万が一に備えた予防としての施工になります。
現在、当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事に、現状の最新モデルとして、大手アンテナメーカー、サン電子製の高品質20素子相当モデルで、カラーバリエーションも5色と豊富な「WG-20」と背面スッキリカバー「BC1」。そして設置具や部材、白と黒の同軸ケーブル。防水処理もセットにした基本設置工事を、28,000円(税込み30,800円)からで承っております。
この「WG-20」は、背面にブースター、混合器など必要な機器を収めるスペースがあり、背面カバーで背面の機器やケーブルを隠すことができるため、従来のデザインアンテナよりもさらに背面がスッキリして外観性が高まり、ケーブル接続部や背面の機器を風雨などから守ることもできます。
別売りの背面カバーもセットにした価格のため、通常モデルよりやや割高ですが、より高い外観性、対候性をお求めの方にはオススメのモデルでございます。
また通常モデルのデザインアンテナでは、20素子相当モデルとしてはコンパクトで高利得な、DXアンテナ製「UAH201」を4色のカラーバリエーションで。強電界地域用コンパクトモデルでは、マスプロ電工製の業界最小級モデルで、室内据え置き設置も可能なスカイウォーリーミニ「U2SWLC3」を2色のカラーバリエーションでご用意し、上記と同じくアンテナ本体や必要な部材をセットにした基本設置工事を、25,000円(税込み27,500円)からで承っております。
他にも弊社では、デザインアンテナの26素子相当モデル、垂直偏波対応モデルもご用意しており、現場の条件で可能な限り、デザインアンテナの取り付けにご対応いたします。
デザインアンテナの機種や取り付け方法、設置の失敗例や問題を避けるポイントなどについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・業界最小デザインアンテナ!マスプロ電工「スカイウォーリーミニ」のメリット・デメリットとは? 失敗しない取り付け例も解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・人気のデザインアンテナおすすめ製品をすべて紹介&性能も解説!デザインアンテナ工事の費用やそのメリット・デメリットとは?
・デザインアンテナ取り付けにおすすめの現場とは? メリットとデメリット、失敗しない工事業者の選び方と費用、料金の相場も紹介
・新築戸建てで人気のテレビ用デザインアンテナのメリット・デメリットは? 種類や工事費用の相場、失敗しない注意点まで全解説!
・デザインアンテナでテレビが映らない、受信レベル強度が低い原因と工事の対処法は? 費用相場の安いおすすめ業者の選び方も紹介
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
テレビアンテナ設置方法その4:ベランダの内部空間に取りつける。
これもデザインアンテナやサイドベースにより、アンテナをベランダの手すりに取り付ける方法に近くなりますが、アンテナそのものを、お住まいのベランダの内部空間に取り付ける工法もございます。
具体的には、八木式アンテナやBS/CSアンテナを、専用の設置具などを用いて、ベランダの手すりの内側など、内部空間に取り付ける方法です。
この方法のメリットは、屋根の上などへの設置では住宅の外観や景観を乱しやすく、風雨などの自然の影響による劣化やトラブルも起こりやすい八木式アンテナ、BS/CSアンテナについて、家の外部から見えなくなることで、家の見た目や景観にほとんど影響を与えないこと。
さらに風雨など自然環境の影響を避けやすくなる上、日常的にメンテナンスも行いやすくなり、アンテナの経年劣化を抑えられ、寿命が延びてトラブルも起こりにくくなることです。
一方でデメリットとしては、ベランダの内部でアンテナの方向を、近隣の電波塔や静止衛星のある東経110度へと向けなければならないため、その方向を向いていないベランダには設置できない点。
また、やはり設置位置が低くなるため、周辺の高層建築その他の障害物に影響を受けやすく、ベランダの付近に、地デジや12GHz帯の電波を遮る障害物がある場合は、やはり設置が難しくなる点です。
他にも設置位置特有のデメリットとしては、地デジ電波に関しては、受信する電波塔の方向とは反対側の、壁(住宅)側に別の電波塔がある場合、そちらからの電波が受信しにくくなることに加え、やや大型の八木式アンテナ、BS/CSアンテナをベランダ内に常時設置するため、実際に使用できるベランダのスペースが狭くなってしまう。アンテナ前方に人が立つ、ものが置かれる、洗濯物が干されるなどすると電波が遮られて受信不良が起こるリスクもある。誤ってアンテナに触れてしまうことで、アンテナ角度のズレや破損などのトラブルを招いてしまう、などのケースも考えられるため、ご注意ください。
もうひとつ、ベランダが近隣の電波塔の方向を向いており、電波塔が視認できるような強電界地域であれば、8素子で吊り下げ設置に対応できる、強電界地域向けで小型の八木式アンテナを、専用の固定具でベランダの軒先から吊り下げて設置するという方法もございます。
8素子の八木式アンテナは、支柱部に並ぶ素子数が少ない分、長さも60センチ程度で、上下幅を決める反射器(リフレクター)も小さくなり、6センチ程度の幅と、非常にコンパクトとなります。
したがって軒先から吊り下げるように設置しても、ベランダ空間の邪魔にならず、住宅の外観性や景観への影響もなくなり、風雨の影響も避けやすくなる。そしてメンテナンスや交換も行いやすくなるなどのメリットが生じます。
デメリットとしては、やはり電波塔の方向とは逆、住宅方向からの地デジ電波塔については受信が難しくなる点がございます。
ベランダその他、戸建て住宅でアンテナを設置できる位置については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説
・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!
・一戸建て住宅へのテレビアンテナ設置工事で、アンテナ取り付けができる場所とは? 工事の費用や流れ、適した工事業者を解説!
・戸建てのテレビアンテナ工事におすすめの場所は? 特徴の比較やアンテナの選び方を解説。業者に依頼する費用、料金の相場も紹介
テレビアンテナ設置方法その5:室内や屋内空間に取りつける。
電波塔から送信される地デジ電波は、一般の戸建て住宅であれば一部の建材を除いて、ある程度の減衰は生じるものの、住宅の屋根や壁、窓ガラスなどを透過し、屋内まで届く性質もございます。
そのため現場の条件が整っていれば、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナを利用する。または屋外用の地デジアンテナ、BS/CSアンテナを室内や屋内空間に設置する方法もございます。
具体的には「屋内対応地デジアンテナの利用」「屋外用の地デジアンテナを屋根裏、天井裏に設置」「BS/CSアンテナを据え置きスタンドで窓際に設置」の三通りになります。
以下、それぞれの施工法別に、具体的な設置の流れ、設置できる現場の条件や、そのメリット、デメリットについてご説明してまいります。
・地デジの室内アンテナ/屋外屋内兼用アンテナの利用。
室内アンテナとは、さまざまな形状で、コンパクトな置物のような形をした据え置き型。また三十センチ四方程度の、薄いシート状のアンテナを壁や窓に貼り付けるペーパー型など、室内に設置することを前提とした小型の地デジアンテナです。
屋外屋内兼用アンテナは、メーカーによっては屋内外対応などその他の呼び方もございますが、室内アンテナに比べるとやや大型で風雨にも強い構造を持ち、専用の設置具で屋外の壁やベランダに設置するほか、室内などに据え置きで設置することもできるモデルです。前述したコンパクトモデルのデザインアンテナも含まれます。
これらのアンテナは、室内で地デジ電波を受信しやすい場所に置くなどして配置し、室内アンテナの場合は本体と一体化していることも多い、付属の同軸ケーブルで、テレビなど受信機器の地デジ端子に接続するだけと、取り付けも非常に簡単です。
そのため設置の手間や業者に依頼する費用も不要で、また本体の実売価格も、室内アンテナでは1,000円台から、ブースター内蔵の高性能モデルでも10,000円前後。屋外屋内兼用アンテナでは4,000円台から購入できるなど、非常に低価格です。
一方で、これらのアンテナ機種は、受信性能に関しては、室内アンテナは素子数表記がないほど低い。屋外屋内兼用アンテナも3素子相当から5素子相当程度と、屋外設置用モデルに比べると、性能が非常に低くなります。メーカーによっては20素子相当や16素子相当のデザインアンテナで、屋外設置のほか、付属のスタンドで室内据え置きに対応していることもございますが、その分、本体は大型になります。
そのため室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナは、基本的に現場から電波塔が見渡せる強電界地域でしか使用できません。特に室内アンテナの場合は、強電界地域でも周辺環境などに影響を受けやすく、設置しても安定した地デジ受信ができないケースもございます。
総じてこのような室内用、屋外屋内兼用アンテナは、普段はテレビを視聴せず、アンテナコンセントがないお部屋や、短期的にお住まいになる住宅などで、一時的に地デジ放送をご試聴になる場合におすすめの簡易的な地デジアンテナとなります。
したがって戸建てのお住まいなどで、長年にわたってご使用になる地デジアンテナとしては、これらの地デジアンテナ機種はあまりおすすめできませんので、ご注意くださいませ。
室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
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・地デジアンテナの屋根裏、天井裏空間への設置。
上記の通り、地デジ電波は、一部の素材を除けば、屋根や壁を透過して屋内まで届くため、屋外用の地デジアンテナを、住宅の屋根裏空間、また上階と下階の間に当たる天井裏空間に設置できることもございます。
この工法に使用される地デジアンテナ機種は、主にコンパクトで屋内空間にも設置しやすい、20素子相当などのデザインアンテナが選ばれます。
八木式アンテナを屋根裏に使用できるケースもございますが、デザインアンテナよりサイズが大きく、スペースを確保しにくい。設置具などの追加で工事費用の総額がデザインアンテナと差がなくなることから、設置可能な現場で、デザインアンテナより明らかに受信に有利である場合などを除いて、億な右空間に設置される事例は少なくなります。
またユニコーンアンテナは、高所設置を前提としたモデルで、本体の受信面積が狭いなどの点から屋内設置には適さず、屋根裏や天井裏に使用されることはございません。
屋根裏、天井裏へのデザインアンテナ設置では、屋外への取り付けに対して、住宅の外観や外装に影響が皆無となる。アンテナ本体も雨風や雪、潮風などをほぼ避けることができ、経年劣化が大きく軽減されるため、メンテナンスフリーで耐用年数も大幅に伸びる点がメリットです。
また屋根裏への設置では、屋外の壁面に設置する場合よりも、アンテナの高さを確保できることから、場合によっては屋外設置より受信レベルが向上することもございます。
その一方で、デザインアンテナの屋内設置には、可能となる現場の条件が厳しいというデメリットもございます。
具体的な条件としては、まず設置する現場が、地デジ電波が屋根や壁を透過する際に減衰しても、地デジ視聴に十分なレベルを確保できる、電波塔に近い強電界地域であることが必要です。
また電波塔に近くとも、周辺に高層ビルなどの地デジ電波を遮る障害物があるような環境ではないこと。そして住宅の建材や屋根材、断熱材に、電波を遮断してしまう素材、設備がないことも重要です。
電波を通さない素材の具体例は、電波を反射する鉄骨やアルミ箔などの金属素材。密度が高く電波を吸収するコンクリートや土壁、ウレタン断熱材などです。他にも屋根の上の太陽光パネルや、冬場の積雪などにも、地デジ電波は遮られてしまいます。
さらに施工する上での条件としては、アンテナを取り付ける屋根裏、天井裏などの空間に、施工作業が可能な、最低限でも一メートル四方のスペースがあること。また作業を行う人がアンテナなどの機材をもって出入りできる、屋根裏や天井裏への点検口が存在することです。
なお屋根裏、天井裏の空間にデザインアンテナを設置する際には、屋根や壁を通過した電波に、減衰だけでなく方向の変化や強弱のムラなども出るため、屋内設置にも対応するアンテナ工事の専門業者に、屋内の電波調査も含めてご依頼されるのが良いでしょう。
なお、デザインアンテナをはじめ、地デジアンテナの屋根裏や天井裏への設置を剛事業者にご依頼される場合、業者によっては各アンテナ機種の基本設置費用に加え、屋内設置についての特殊工事費が加算され、工事費の総額が割増しになるケースもございます。
しかし当あさひアンテナでは、デザインアンテナの屋根裏・天井裏への設置も、前述した通り、アンテナ本体や必要な部材を含めた基本設置費用のみで承っております。
地デジアンテナの屋内設置に関しては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
・オシャレなデザインのテレビアンテナ工事で失敗しない選び方とは? 屋根裏などにアンテナを隠す設置と配線の方法も解説!
・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?
・BS/CSアンテナの室内据え置き設置。
上記の通り、地デジアンテナを屋内設置できるのは、地デジ電波の波長には、およそ40センチから60センチ程度の幅があり、一部の素材を除けば、一般的な住宅の屋根や壁、窓などを透過する性質があるためです。
しかし衛星放送の12GHz帯の電波は、波長の幅が25ミリ程度と短く、住宅の屋根や壁を透過することができないため、基本的にBS/CSアンテナを屋内に設置することはできません。
ただ唯一の例外として、東経110度の方向を向いた透明なガラス窓であれば、窓から12GHz帯の電波が差し込むことで、窓際にBS/CSアンテナを据え置き設置できるケースもございます。
BS/CSアンテナを室内の窓際に設置するメリットとしては、デザインアンテナの場合と同様、住宅の外装や外観、景観に影響を与えず、アンテナを風雨など屋外の自然環境から守ることもできるため、経年劣化を軽減できること。
また設置作業が比較的、簡単で、業者に依頼する必要がないため、必要な費用はアンテナなど機材の代金のみで、設置費用を抑えてお得になる。さらに住宅を加工する工事ではないため、賃貸のお住まいでも、家主に許可を取らずとも設置できるといった点になります。
一方で、そのデメリットは、まず設置できる条件が厳しいことが挙げられます。
まず設置するお住まいに、東経110度(南西方向)を向いて、ガラスから12GHz帯の電波が差し込む窓があることが必須になります。
該当する窓を見分けるポイントは、天気のいい日の午後2時頃、目安は、特に3月の春分の日、9月の秋分の日の午後2時に、窓から日光が差し込む窓である点です。窓から十分な日光が差しこむということは、窓から見て東経110度、静止衛星の方向に12GHz帯の電波を遮る障害物がないことも意味します。
また光が差し込む窓ガラスが、BS/CSアンテナのディッシュ全体に、午後2時頃の光(12GHz帯の電波)が当たる十分な大きさで、光(電波)を遮る桟などがない。そしてガラスそのものが12GHz帯の電波を通すシンプルな透明の一枚板フロートガラスで、色付きや曇りガラス、凹凸や模様入り、複層構造の断熱ガラスなどではないことも重要です。
このような窓があれば、その前に専用の据え置きスタンドに立てたBS/CSアンテナを置き、同軸ケーブルで室内のテレビと接続。テレビの電源を入れて、設定画面から「BSアンテナレベル」など、衛星放送の受信レベルを示す画面を映し出し、アンテナレベルを確認しつつ、BS/CSアンテナ側のディッシュの、上下、左右の角度を調整、アンテナレベルが最大になる角度で固定すれば作業は完了です。
そのため、窓の高さがスタンドに立てたBS/CSアンテナと一致すること。窓の前にBS/CSアンテナを据え置きできるスペースがあることも重要になります。
ただ、この方法のデメリットは他にも、透明ガラスを透過する際に12GHz帯の電波の減衰が起こり、受信レベルが低下しやすい。衛星放送を視聴する際にはカーテンやブラインドなどを開ける必要がある。BS/CSアンテナを室内にある一台のテレビなど受信機器に接続するだけの配線しかできず、アンテナを置く部屋でしか衛星放送を視聴できない。据え置きされたBS/CSアンテナが室内空間を圧迫する。BS/CSアンテナが固定されていないため、誤って手を触れるなどで角度が狂い、再調整するまで受信できなくなる問題が起こりやすい、などの点が挙げられます。
結論として、室内へのBS/CSアンテナの据え置き設置も、やはり簡易的な衛星放送の視聴方法といえ、受信レベルが安定しない点などから、あまりおすすめできる方法ではございません。
BS/CSアンテナ室内設置の詳細や詳しい手順の流れ、必要な機材などについては、以下の各コラム記事でもご紹介しております。
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・地デジや衛星放送のアンテナレベルとは? テレビでの受信レベル確認や低下する原因、工事で改善する方法を解説!
戸建て住宅におけるテレビアンテナの設置位置・まとめ
一般的な戸建てのお住まいでテレビアンテナを設置できる主な位置、方法やその条件は、おおむね以上の通りです。お客様のお住まいで、実際にアンテナを設置したいと思われる位置はございましたでしょうか?
当あさひアンテナでは、本文で申し上げた通り、国産一流メーカー製、各種アンテナの基本設置工事。またブースター、分配器などの周辺機器設置、オプション工事も、本サイトで価格体系、使用するメーカー、型番ともすべて明確に記載しており、リーズナブルな価格でご提供しております。
もちろん本文でご紹介した各アンテナの設置位置、方法についても、完全無料による事前の電波調査、見積により、現場の条件で可能な限りご対応し、業界最安に挑むお見積もり金額をご提示いたします。
お見積もりは、他業者との相見積りにもご対応いたします。またお客様のご都合やスケジュールによっては、お見積もり当日のスムーズな即日工事、夜間工事や、急なトラブル時への迅速な対応も承っております。
アンテナ取り付けにかかる時間は、各機種アンテナ一基の取り付けと、ブースターの設置などを含めた配線で1時間程度。その他、複数台のアンテナ設置やオプション工事などを加算しても2時間程度のスピード施工を実践しております。
実際の施工は、経験と実績が豊富な弊社スタッフのアンテナ職人が担当する完全自社施工で、中間マージンをカット、コストや費用を押さえながら、作業部の丁寧な養生から、受信感度が高く丈夫で見栄えのいいアンテナ本体の設置。さらに外壁から屋根裏などに引き込むケーブル配線や機器設置まで、弊社のモットー「見えない部分もきれいに」に則った、高い技術力による丁寧な施工を必ずお約束いたします。
すべての作業が完了した後には、施工した部分をきちんと清掃し、各お部屋にあるテレビ、もしくはアンテナコンセントで受信状態をしっかり確認した上で、工事の終了といたします。
工事料金のお支払いについても、お客様のお手間を省くため、現金でのご決済だけでなく、各種クレジットカード等のカード、PAYPAYなど電子マネーでのご精算にも対応いたしております。
アフターサービスについても、業界最長クラスである、施工日から「10年保証」の長期アフターサービスをご用意しており、万が一のトラブルには、保障範囲の対象であれば、基本的に完全無料でご対応いたします。
お住まいでのテレビアンテナ設置方法や取り付け位置について、ご要望がおありのお客様は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルへお電話、また当ホームページからのメールフォーム、弊社LINEアカウントまで、お気軽にお問い合わせ、ご相談いただければ幸いでございます。