台風でアンテナが倒れる、テレビが映らない原因と対策、対処法は? 修理の費用相場はいくら、自分での対処や業者の選び方も解説
いま私たちが暮らしているこの日本は、海に囲まれた島国で、自然の豊かさも大きな魅力です。
ただ自然は人に多大な恵みをもたらしてくれる半面、ときに大変な災害を引き起こすこともございます。中でも、7月から9月にかけて、毎年のように日本を訪れる自然災害が「台風」です。
2024年(令和6年)8月現在も、日本列島に「台風10号」が接近中とのニュースが流れており、国内でも各地で、台風に対する備えが求められています。
台風の規模や考えられる被害はさまざまで、激しい風雨が収まるのを待つだけのこともあれば、猛烈な台風により、戸建て住宅では屋根材や外壁などの破損をはじめ、洪水や交通ダイヤの乱れ、インフラ設備への被害による停電や断水など、社会全体に大きなダメージを与えるケースもございます。
そして一般のお住まいでも、台風によるトラブルが生じやすい設備のひとつが、屋根の上に設置されることが多い、地デジ(地上デジタル放送)、衛星放送(BS放送、CS放送)用のテレビアンテナです。
特にアンテナが屋根の上でマスト(支柱、ポール)に設置されている場合は、設置されているアンテナの種類や、経年劣化の度合いによっては、さほど激しい台風ではなくとも、突然アンテナが傾く、倒れるなどをはじめ、さまざまな不具合が発生するリスクもございます。
ただその一方、台風は、到来する時期や強さなどがある程度、予測できるため、事前の対策で、アンテナへのダメージを含め、起こりうる被害を最小限にとどめることも可能です。
また、もし台風によってアンテナに故障や不具合が生じた際には、できるだけ早急かつ、あまり費用をかけずに復旧されたいのも、皆様の率直なお考えではないかと存じます。
そこで今回の本コラムの内容では、台風によって倒れる、折れるなどのトラブルが生じやすいテレビアンテナの機種や設置方法の一覧。また台風によってアンテナトラブルが生じる要因と、トラブルを避けやすいアンテナ機種や設置方法の概要を解説。
そして、もしもご自宅のアンテナが折れる、倒れるなどした場合に、早急に的確なアンテナ修理を行える業者の種類と、修理費用の相場。さらには、アンテナの修理費用を火災保険で賄えるケースや、保険適用に対応できるアンテナ修理業者など関連の情報もご紹介いたします。
これから台風の接近が多くなる時期、本コラムの情報を参考に、お住まいのテレビアンテナでの台風対策、およびもし台風による被害が生じた場合には、早急で費用も掛からない復旧を行っていただければ幸いに存じます。
屋根の上にテレビアンテナを立てる主な方法とその理由は?
現在でも、戸建て住宅に地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置する際、多くの現場で選ばれるのが「屋根馬とステーを使って屋根の上にマストを立てる」方法です。
具体的にご説明すると、まず「屋根馬」とは、屋根の上に置き、マストを固定する四脚の金属製の器具です。中央にマストを通して建てる短い筒のような部分があり、その四方からバランスよく四本の脚が伸びる形です。多くの商品は強度を増すため、脚と脚の間にも横の支柱のような金属棒が渡されており、名前は見た目が動物の馬を思わせることに由来します。
メーカーや製品の型番は異なっても、屋根馬の形状に大きな違いはありません。ただ屋根の種類や形状、BS/CSアンテナにも対応する大きさなどの違いや、目立たずサビも防止するよう、塗装や特殊なメッキが施された商品もございます。
実際のアンテナ取り付け工事では、この屋根馬の中央に、適切な長さ、太さの「マスト(支柱、ポール)」を差し込んで固定し、一体化した器具として扱います。
このマストを固定した屋根馬を、住宅の屋根でも面と面が合わさる頂点部に、マストが垂直になるようバランスよく置きます。屋根馬の脚の先にはカバーが施されているため、屋根材を傷つけることはございません。
マストの途中には、後述するステーを通す「ステーリング(ステー留め)」と呼ばれる金具も設置されます。ステーリングとは、マストに通して固定できる輪のような金具で、ステーを留める穴がいくつも開いています。マストにステーリングを固定する高さも、マストの長さや現場の条件によって最適の位置が変わってまいります。
このマストのに地デジアンテナ各機種やBS/CSアンテナ、ブースターなどの機器を設置することになりますが、もちろんアンテナを取り付けたマストや屋根馬をただ屋根の上に置くだけでは、強い風や軽い地震でも倒れやすくなります。
そこで屋根の四方から「ステー(支線)」と呼ばれる、ステンレスワイヤーなどの丈夫なワイヤーを伸ばしてマストのステーリングまで張り、アンテナごとマストをしっかり固定するのです。
ステーを張るためには、まず屋根の四方に「ステーアンカー(ステー留め)」と呼ばれる、ステーを通せる釘状の金具や、壁にビス止めできる金具を設置しますが、現場の状況によっては、お住まいを傷つけないよう、雨樋などの金具を利用してステーを固定することもあります。
このステーは、屋根の四方から四本ずつ、反対側のステーと対角線状になる形で、バランスよく張られます。またステーアンカーからのステーは、そのままマストのステーリングに結ぶのではなく、途中に「ターンバックル」と呼ばれる金具を通して接続します。このターンバックルを調整することで、四本のステーをほぼ同じ強さで緊張させ、屋根馬やマストをバランスよく丈夫に設置できるのです。
この屋根馬とステーを使ってマストとテレビアンテナを固定する方法は、アナログ放送の昔から行われていた、典型的なアンテナ設置方法になります。
ただ現在では、住宅によっては、最初から住宅の一部として、家屋と一体化したアンテナ用のマストが設置されており、マストの内部にアンテナケーブルを通せる仕組みになっている場合もございます。
また平面上の固定部から水平にマストを支えるアームや、L字型のアームなどが固定されている「サイドベース」という固定具を住宅の外壁などに固定することで、家の壁面などにアンテナを設置することもできます。
この場合は、壁の最上部や破風板(屋根の張り出し部)にサイドベースを固定することで、マストの先のアンテナが屋根の上から突き出し、屋根馬とステーを用いた設置法とほぼ同等の効果を得ることができます。
そして現在でも、このように昔ながらのアンテナ取り付け方法が多く選ばれる理由としては、現在でも、地デジ放送、衛星放送のテレビ電波を十分に受信するためには、アンテナ本体をなるべく高い位置に設置することが適しているためです。
アナログ放送の時代は、地上波用のテレビアンテナといえば、ほとんど魚の骨のような古典的モデル、八木式アンテナのみでした。1990年前後には衛星放送用のパラボラアンテナも登場しますが、やはり同じ方法で、八木式アンテナと同じマストに固定されることが多くなりました。
基本的に現在の地上デジタル放送(地デジ放送)、またそれ以前の前のアナログ放送とも、東京スカイツリーやアナログ放送時代の東京タワーなど、非常に高い、または山頂などに設置された電波塔の先端から、周辺に電波を広げるような形で、テレビ電波を送信しています。
現在の地デジ電波、UHF(極超短波)のうち470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯は、その波長の幅は約40センチから60センチ程度で、音に近い性質を持っています。
このUHFの地デジ電波を、電波塔の周辺にある住宅などに設置された、地デジのUHF周波数帯に対応する地デジアンテナ(UHFアンテナ)で受信するのですが、この地デジ電波は、電波塔から空間を伝わる距離が遠くなるほど電波レベル(強度)が弱まります。
また地デジ電波は高層ビルなどの障害物にぶつかって遮られても、その向こう側である程度、広がる性質もありますが、ビルの影に当たる直近の部分や、住宅密集地の家と家の間の狭い空間などには、十分な電波が届きにくくなります。
したがって現在の地デジアンテナも、上空から音のように広がる地デジ電波を受信するためには、住宅の屋根の上などできるだけ高く、周辺のビルなど障害物に影響を受けにくい位置に設置するほど、受信に有利となるのです。
また地デジアンテナには、アンテナの真正面側でもっとも受信感度が高くなり、角度がズレるほど受信性能が低下する「指向性」があり、アンテナの真正面を正確に電波塔の方向に向けるほど受信感度が高まるため、360度に角度調整を行いやすい、屋根の上のマストに設置されるという理由もございます。
衛星放送では、地上からは東経110度(南西方向)の上空に静止して見える人工衛星(静止衛星)から、マイクロ波(波長が非常に短く周波数の高い電波)でも、センチメートル波(波長の幅が1センチから10センチ)のうち、12GHz(ギガヘルツ)前後の電波を使用しています。
この衛星放送の電波は12GHz帯とも呼ばれ、波長の幅は25ミリ前後になります。電波は波長が短いほど周波数帯が高くなり、直進性が高く送信できる情報量も多い、光に近い性質をもちます。
12GHz帯の電波は、静止衛星から光で日本列島全域を照らし出すように送信されています。周波数帯の高い12GHz帯の電波は、長距離を送信される衛星放送の電波には適していますが、一方で太陽光がものに遮られると影ができるように、わずかな障害物にも遮られてしまい、その向こう側に届きにくくなる性質もございます。
そして地上にパラボラアンテナであるBS/CSアンテナを設置する際には、円盤状の部分(ディッシュ、放物面反射器)で光のような12GHz帯の電波を正面から受け止め、前方へと正確に反射させて、ディッシュの前方にアームで固定された、コンバーターの一次放射器に集める必要がございます。
そのためBS/CSアンテナの設置も、ディッシュの仰角と方位角(上下、左右の角度)を、東経110度の方向へとミリ単位で正確に調整する必要があり、この角度調整がわずかに狂っても、衛星放送の受信感度が大きく低下するのです。
また12GHz帯の電波は上記の通り障害物に弱く、ディッシュを向けた東経110度の方向に、建物や山などはもちろん、電柱や電線、樹木や洗濯物などわずかな障害物が存在しても受信不良が発生するため、南西方向に障害物のない設置位置を選ぶことも重要です。
したがってBS/CSアンテナも、東経110度に角度を調整しやすく、障害物も少なくなる屋根の上など高い位置のマストに設置することで、受信に有利となるのです。
そして現在でも地デジ、衛星放送用テレビアンテナの設置に、屋根馬を用いた工法が用いられるのは、第一にはもちろん、きちんとした施工技術によりバランスよく固定されたマストであれば、固定の強度が高く、多少の風雨などではそう簡単には倒れず、丈夫で長持ちするためです。
また瓦葺の屋根が多くを占めていた昭和の時代から、屋根などを加工せずとも直接、屋根の上にマストを固定でき、一部を除いてほとんどの住宅の屋根に対応できるのも、この方法の利点です。
地デジ放送では、特に周辺に高層ビルなどの障害物が多いエリアや、受信できる地デジ電波レベルが60㏈(デシベル)以下と低くなる、弱電界地域と呼ばれるエリアなどでは、十分な地デジ電波を確保するためには、屋根の上などの高い位置に高性能の地デジアンテナを設置する以外に、選択肢がないケースもございます。
BS/CSアンテナも、受信に有利なことはもちろん、基本的に地デジアンテナを設置した上で、必要に応じて追加で設置されるアンテナのため、双方のアンテナケーブルや混合器、ブースターなどの機器をまとめて設置しやすいよう、屋根の上では同じマストなど、できるだけ地デジアンテナと近い位置に設置されるのです。
なお、この屋根馬とステーでアンテナを固定する工法の弱点として、例えば屋根が合わさる面に段差がある段違い屋根。一面の屋根が片方にのみ傾く片流れ屋根など、屋根馬を水平に設置できる頂点部がない屋根には、設置できないという点がございます。
しかし当あさひアンテナでは、上記のような屋根でも「水平器」という機材を用いて屋根の角度に合わせ、屋根馬の脚を適切に加工することで、屋根の傾斜部分にも屋根馬を置き、ステーを用いてアンテナを固定する技術をもっております。
この工法を用いることで、どのような屋根にも対応できることはもちろん、屋根の上へのアンテナ設置でも外部から目立たず、住宅の見た目や景観に影響しにくい施工も実現できます。
また弊社では、マストを固定するステーに関しても、屋根の四方からステーでマストを固定した後、ステーの途中からもう一本のステーを伸ばし、屋根馬の各足を固定する方法で、よりしっかりと丈夫なアンテナの固定を実現する施工を実践しております。
なお屋根の上など高い位置にアンテナを設置する方法や、地デジ、衛星放送の受信の仕組みについては、以下の各コラム記事でもそれぞれ詳しく解説しております。
・なぜテレビアンテナは屋根の上に設置される? 新築戸建て各位置に取り付けるアンテナ種類や工事の流れ、費用の相場について解説
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・教えて!BS、CSやスカパーとは? 視聴料金からアンテナの選び方、業者による設置工事の費用相場、サポートの方法まで全解説
テレビアンテナが屋根の上で倒れる時の主な原因とは?
上記のように屋根馬とステーを用いて、マストを屋根の上に立てる工法は、現在でも地デジ、衛星放送の受信レベルを確保しやすく、多くの住宅の屋根の対応でき、簡便な工事で十分な強度を確保できることから、テレビアンテナの設置では選ばれることの多い方法になります。
ただ上記の通り、この工法はマストそのものが屋根に固定されているわけではなく、四方からのステーによって固定されているため、マストと屋根裏そのものは、屋根の上に置かれただけの形です。
それゆえ、ときには屋根の上でアンテナがマストごと大きく傾く、ついには倒れるなどのトラブルが生じることもございます。
このトラブルの原因としては、大きく分けて以下の三点が挙げられます。
1:アンテナ耐久力の限界を越えた自然災害。
優れた技術力を持つアンテナ職人が、屋根の上に屋根馬で正しく固定したテレビアンテナは、そう簡単に倒れるものではありません。
ただ皆様もお分かりとは存じますが、どんなに頑丈な機材や設備も、強度の限界を越えた負担がかかれば、壊れることになります。
例えば、瓦など屋根材を吹き飛ばすほどの猛烈な台風。また家屋に大きな被害を与える強い地震の場合は、住宅の設備であるアンテナもとても無事とはゆかず、設置から真新しいアンテナであっても、ステーが千切れる、固定したステーアンカーごと抜ける、またはマストそのものが風圧で折れる。飛来物がアンテナにぶつかるなどの事態が生じて、アンテナが倒れる、大破することも考えられます。
また屋根の上に積雪が多い地域では、冬場には屋根の上に雪が積もることになります。
アンテナに雪がこびりつくと、重量によるアンテナ本体やマストへの負担をはじめ。機材やケーブル接続部などが凍結、または水がしみ込んでの故障や腐食、サビなどの原因になります。
また大雪ではアンテナが雪に埋もれて圧迫される。ひいては落雪に巻き込まれてダメージを受けるなどで、倒壊の原因にもなり得ます。
特に台風や雪が多い現場では、高所にアンテナを設置する場合も、設置方法の工夫や、耐風や防雪性能の高い機種を用いて、台風や雪へのダメージをできるだけ抑えることが重要なポイントとなります。これらの点については、後の項で詳しく解説します。
また台風などの強い雨風や雪で考えられるアンテナトラブルや、その対策については、以下の各コラムでも詳しく解説しております。
・アンテナ設置工事の台風対策。テレビが映らない、アンテナが倒れるなどの原因と対策、予想される風災トラブルへの対処方とは?
・台風や大雪、地震でテレビが映らなくなる原因は? アンテナの災害への対処法と、対策となる風などに強いアンテナ機種を紹介
・テレビアンテナが台風などの風で揺れてテレビが映らない対策の工事とは? アンテナが倒れる原因や対処法、修理の費用も解説!
・降雪や積雪の影響で地デジ、BS/CSのテレビ放送が映らなくなるトラブル対策になるアンテナ工事の方法とは?
2:アンテナ本体やマストなど設置具の老朽化。
もうひとつ、マストに立てたアンテナが倒れる大きな要因が、アンテナ等そのものの老朽化です。
家の外、屋根の上でマストに固定されたアンテナは、設置された当初は、多少の雨風などには大丈夫でも、長年にわたって風雨や雪、ときには軽度の地震、竜巻の影響。また現場によっては海沿いの潮風や、アンテナに野鳥が留まり、酸性のフンを受けるなどの影響を受け続けます。
現在ではアンテナ本体やマストなどの素材も、ステンレス鋼や腐食防止のメッキ、塗装が施されたものが大半になり、サビなどの腐食に強くなっております。
ただ文字通り「錆びない(金属)」という意味の「ステンレス(stainless)」も、実際には通常の金属に比べてサビに強いだけで、まったく錆びないわけではございません。
ステンレスとは、実際には多くの種類があり、それぞれ錆びに対する耐性や特性も異なりますが、主に鉄にクロムを含有させ、炭素の含有量を落とした合金を指します。このクロムにより合金の表面に、極めて薄い皮膜(不働態皮膜)が形成され、サビなどの腐食を防ぐのです。
この皮膜は傷ついても一般的な自然環境ではすぐに回復するため、ステンレス鋼の耐腐食性は長期にわたって保持されます。とはいえステンレスも万能ではなく、汚れの付着などにより、一点のみで被膜が薄れ、穴のように深い錆が生じる「孔食」。接続部の隙間など、長い間、水分がたまる部分でサビが進行する「すきま腐食」。金属の形状や溶接から応力が生じた部分に腐食が進み、ひび割れが生じる「応力腐食割れ」などの腐食が生じることもあります。またステンレスも、塩化物イオン環境、具体的には海沿いの潮風などには影響を受けやすくなります。
同じように耐食用のメッキや塗装を施したアンテナ機材も、長年の使用では経年劣化によって保護被膜が薄れる箇所も出て、金属部に腐食が進みやすくなります。
さらに長年、固定された金属は、アンテナや機材そのものの重量、また固定部の緊張による力によって金属疲労も進み、当初は十分な強度を備えていたアンテナやマストも、年月によって徐々に強度が低下してゆきます。
耐久性が低下したアンテナやマストは、当初は十分に耐えられた風雨などの自然環境にも、徐々にダメージを受けやすくなり、ついには傾く、倒れるなどのトラブルが生じることになります。
主に屋根の上のマストに固定されるアンテナのうち、魚の骨に似た形で受信性能が高い半面、大型で重量もある地デジ「八木式アンテナ」。またディッシュ部が重量を持ち、風の影響も受けやすい衛星放送用パラボラアンテナ「BS/CSアンテナ」の寿命(耐用年数)は、設置から10年程度とされています。
実際には近年のテレビアンテナやマストなどの機材は、設計や素材の工夫により、対候性の向上や軽量化も進んでいるため、実際の寿命は短くとも十数年程度になり、環境の穏やかな現場では、アンテナ設置から20年以上にわたって安定して使用できている例もございます。
一方、台風や雪が多い、海沿いで潮風を受けるなど、環境の厳しい現場では、設置から10年未満でも、耐久力の低下によるアンテナトラブルが生じる場合もございます。
いずれにせよどのようなアンテナも、設置から長年が過ぎると、アンテナ本体やケーブル接続部、マストなど固定具とも、確実に老朽化、耐久力の低下が進んでゆきます。
特に屋根の上のマストに設置されているアンテナでは、特にトラブルはなくとも、設置から十年程度の時点で点検、メンテナンスを行い、状況によってはアンテナ本体や設置具など部材の交換により、老朽化などの問題を解消することがオススメです。
なお、地デジ、衛星放送などテレビアンテナの耐用年数(寿命)とその見分け方、老朽化したアンテナへの対処などは、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!
・BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!
・ご自宅に設置されているテレビアンテナを交換する時とは? 工事にかかる費用の相場はいくらか、また工事を進める方法を解説!
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
3:工事を担当した業者の施工技術が低い。
上記の通り、屋根の上でアンテナを固定するマストが十分な強度、耐久性を発揮するのは、豊富な専門知識と経験をもつ優良なアンテナ職人が、適切な判断で屋根馬、マストの使用や固定を行い、バランスよくステーを張る、質の高い工事を行ったことが大前提になります。
ただ例えば大手の家電量販店やホームセンターの店舗、ハウスメーカーなどにアンテナ工事を依頼した場合、実際の工事の担当者は、エアコンの取り付けをはじめ、家電製品の設置工事、配線工事など、戸建て住宅の電気工事を総合的に引き受ける下請け業者であることが多くなります。
このような下請け業者は基本的に、アンテナ工事に特化した専門家ではありません。もちろん下請け業者が、必ずしもアンテナの施工技術が低いとは限りませんが、中にはアンテナ工事はあまり得意ではなく、基本的な施工に問題はなくとも、配線など整理の丁寧さや、ケーブルに防水用のテープを巻く付ける技術、マストの強度を確保する設置法など、施工全体の品質を高める細かなコツともいえる技術が、ややおろそかであるケースもございます。
例えば屋根馬を置く位置のバランスが悪いと、それだけでマストと屋根馬が倒れやすい原因になります。ステーについても、四方に張ったステーがきちんと対角線上に張られていない。またすべてのステーを緊張させるバランスが悪く、特定のステーのみの張りが強い、弱いなどの問題があると、ステーの一部に負担がかかり、老朽化により反対側のステーが緩む、また限界の来たステーが切れるなどして、マストの固定が外れ、倒れる原因にもなりえます。
そしてマストの長さも、現場の受信感度に応じた高さで設置する必要がございますが、一方でマストの長さや設置するアンテナの種類、また地デジとBS/CSアンテナの両方を設置する場合の、マストにかかる負担(重量)に応じた太さのマストを用いることも必須となります。
このマストの選択が適切でないと、たとえステーによるマストの固定は十分でも、風圧によって、マストがぽっきりと折れてしまうケースもございます。
また受付窓口である社からの仲介手数料など中間マージンが発生する分、工事費用の相場や総額がやや割高になるデメリットもございます。
結論として、屋根の上のマストでも倒れにくく長持ちする丈夫なアンテナ設置はもちろん、その他のアンテナ設置方法や、配線部の丁寧さなど、全体的に品質の高いアンテナ工事をお求めになるには、やはりアンテナ工事に特化し、正確な専門知識による判断で、現地に最適なアンテナの設置、頑丈な固定を実現できる、当あさひアンテナ等、アンテナ工事のプロである専門業者へとご依頼になることが最適と申せます。
アンテナ工事を依頼できる業者の種類。特に施工技術が高く、屋根の上でも倒壊などを抑えやすいアンテナ工事を任せられる業者については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。
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アンテナが倒れる、傾くなどで起こり得る症状とは? テレビが映らなくなる?
上記のように台風や地震など大きな災害や、アンテナの老朽化などにより、アンテナがマストごと倒れる。またはマストが折れる、全体的に傾くなどの他、外観上の問題はなくとも、全体的な経年劣化が進行すると、さまざまなアンテナトラブルの原因となります。
第一に挙げられるのが、地デジ、衛星放送の受信不良です。上記の通り地デジアンテナは、その指向性から、基本的にアンテナ正面側を電波塔の方向など、強い地デジ電波が送られる方向に向ける必要がございます。
特に地デジアンテナは、アンテナの形状、機種によっても指向性の高さが異なる上、受信性能が高いほどアンテナの指向性も高くなります。
そして多くの場合、屋根の上に設置される八木式アンテナは、受信性能が高い半面、指向性も高くなるため、わずかに角度がずれただけでも受信感度が低下しやすくなります。
BS/CSアンテナも、上記の通りディッシュの上下、左右を、静止衛星の位置する東経110度へと正確に向ける必要がある、より指向性の高いアンテナで、ミリ単位の角度の狂いでも、受信性能が大きく低下いたします。
したがってアンテナのマストが倒れる、折れるなどした場合はもちろん、少し傾いただけでも、地デジや衛星放送の受信感度が大きく低下し、ブロックノイズなどで画面が乱れ、番組が視聴できなくなることもございます。
またアンテナの外観には変化がないようでも、アンテナやマスト固定部の老朽化により、アンテナの角度が微妙にずれるケースもあり、この場合も受信レベルの低下につながります。
もうひとつ、アンテナが屋根の上で老朽化している際に注意すべきポイントが、アンテナが屋根の上から落ちるなど事態の悪化により、お住まいの破損や大変な事故が起こってしまうことです。
例えばアンテナが全体的に老朽化し、ステーの一部が切れてアンテナが傾いている、マストが折れているなどの場合は、アンテナが固定されず、屋根馬で屋根の上に乗っているだけの状態であるため、強い雨風や軽微な地震などでも、いつアンテナが屋根の上で倒壊するかわかりません。
屋根の上で老朽化したアンテナがマストごと倒れると、アンテナの先などがお住まいの屋根材を破損させ、雨漏りなどの原因にもなる場合がございます。
またアンテナやマストが屋根に接触し、サビなどが雨で流れて付着すると、屋根の上の美観を損なうことはもちろん、屋根材によっては、サビの部分から腐食が進むこともございます。
そして老朽化で倒れる恐れがある、また倒れたアンテナでもっとも注意すべき問題が、アンテナが屋根の上から落下する危険性です。
いうまでもなく重量のある八木式アンテナやBS/CSアンテナ、そしてマストや屋根馬、ブースターなどは、まとめて数キロはある金属の集合体になります。それが屋根から落ちると、家財や家屋の設備などを直撃しての大きな物損事故。ひいては人に当たっての大変な人身事故を招く危険性も考えられます。
特にお住まいとは無関係の隣家や、通りがかりの人などに被害が出た場合は、民事による損害賠償や、刑事罰の対象になる恐れもございます。
したがってお住まいのテレビアンテナが、屋根の上で屋根馬とステーによって固定されており、取り付けから10年程度の寿命を大きく過ぎている場合や、やや強い地震や台風など、住宅設備にも影響を及ぼす災害が発生した場合には、お住まいのテレビアンテナの状態を確認することが重要なのです。
台風その他、自然災害の影響でアンテナが倒れた、傾いたなど各種トラブルへの対処法は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地震や強風でテレビの地デジアンテナが倒れるなどの問題に対処法や対策はある? 修理費用の相場や安い工事業者の選び方も解説!
・地デジや衛星放送のテレビアンテナが折れた、倒れたといったトラブルが起こる原因と早急な修理を行うための工事方法を徹底解説!
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・強風、台風などでアンテナが倒れた修理の対処は? 対策となるアンテナ工事法。火災保険で相場より費用を安くする対処法も解説
・屋根の上の地デジテレビアンテナが強風などで倒れる原因と対処。修理や対策の取り付け工事と費用を相場より安くする方法は?
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・テレビアンテナが台風などの風で揺れてテレビが映らない対策の工事とは? アンテナが倒れる原因や対処法、修理の費用も解説!
アンテナが倒れた、または倒れそうな場合の確認方法と対応のポイントとは?
ここでは、お住まいのアンテナが屋根馬とステーにより屋根の上へと設置されており、老朽化や自然災害による倒壊の不安がある場合に、アンテナが倒れる可能性が高い状態、および倒れていないか確認すべき状況についてご説明いたします。
上記の通り屋根の上のテレビアンテナは、経年劣化により耐久力が低下し、倒れるなどのトラブルが生じやすくなります。特に風雨や雪が多い、海沿いで潮風を受けるなど厳しい環境では、老朽化が進みやすくなります。
そのため、設置から10年に近い古いアンテナ、特に自然環境が厳しい現場では、できるだけ定期的に、特に台風や地震などをはじめ、豪雨や強雨、大雪などが生じた後は必ず、お早めにアンテナの状態をご確認ください。
特に設置から10数年、20年以上などの古いアンテナの場合は、いつ倒れてもおかしくない場合もあるため、屋根の上へのアンテナに影響があると思われる気候の際などには、細かなチェックが重要となります。
屋根の上のアンテナで注意すべき目安のポイントとしては、例えば、アンテナやマストが倒れるまでゆかずとも、やや傾きが見られる。全体的にサビつきが激しい。ステーが緩んでいる、一部が切れているなどの劣化。また素子部などの破損が見られる場合には、老朽化により悪天候などに対する耐久力も低下している可能性が高いため、アンテナ本体の修理や交換などの対処が必要です。
またお住まいでテレビ放送の画面がノイズで乱れる、またはブラックアウト画面に「E201」などのエラーコードが映る状態で、原因が一時的とは言えないアンテナの故障や不調、角度のズレと思われる場合も、老朽化が進んでいるサインと言え、やはりアンテナの交換が必要となります。
もちろんアンテナを確認して本当に倒れていた場合には、早急な対処が必須です。
なおアンテナが屋根の上で倒れると、アンテナの向きが大きく狂うため、地デジ放送や衛星放送が受信できなくなる可能性が高くなります。ただ地デジ電波に関しては、電波塔に近く電波の強い現場では、倒れたアンテナでも十分なレベルの電波を受信できてしまい、アンテナの倒壊に気づかれないケースもあり得ます。
その点でも、古くて倒壊などの恐れがあるテレビアンテナでは、目視によるこまめな確認が有用となるのです。
テレビアンテナの修理に必要な費用や、対応できる工事業者の詳細は、以下の各コラム記事をご確認ください。
・テレビアンテナ故障で修理にいくらかかる? 工事の方法と業者の選び方、費用相場と火災保険の適用で0円にする方法について解説
・テレビアンテナが故障したときの修理に対応できる工事業者を比較しておすすめ業者をご紹介! 業者別、修理費用の相場も解説!
屋根の上でアンテナが倒れた時の修理、交換など対処法と工事の流れ、費用の相場は?
上記のように屋根の上のアンテナが実際に倒れている場合はもちろん、全体的な老朽化により倒壊が予想される。またアンテナの劣化によりテレビの映り、映像に問題が出ている場合などは、即座に当あさひアンテナのような、お近くのアンテナ専門の工事業者まで修理をご依頼ください。
なお、現在ではDIYによるテレビアンテナの設置など、ご自宅でアンテナなど各種工事を行うことも流行しております。
ただ屋根の上のアンテナ設置、交換などの作業には、大変な危険が伴います。弊社のようなアンテナ工事の専門業者でも、アンテナ工事の知識だけでなく、安全な作業に対する専門知識も豊富な弊社スタッフのアンテナ職人が、法令に基づいてヘルメットや命綱、安全帯などの装備を万全に整え、最低でも2人体制で、万全の安全を確保する工事を実践しております。
安全に関する装備、知識とも十分でない一般の方による屋根の上での作業は、大変な危険が伴いますので、決して行わないようお願いいたします。またここまでの項目でもご説明した通り、アンテナの耐久性を確保する施工技術に関しても、専門業者へとご依頼になることが確実といえます。
当あさひアンテナでは、東京都や埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県、栃木県、茨城県などの首都圏および、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県など近畿地方の対応エリアであれば、お住まいの急なアンテナトラブルでも、弊社フリーダイヤルにご一報いただければ、最短でご連絡の当日、夜間工事にもご対応して迅速にご対応いたします。
ただ台風などで広範囲にアンテナトラブルが多発し、弊社への依頼が殺到している場合には、ご対応が遅れることもございますので、その点はご容赦くださいませ。
上記のような、アンテナが倒れている、または老朽化が激しいアンテナの場合は、まず既設アンテナの撤去を行い、新しくアンテナを設置することになります。
倒れた、老朽化したアンテナの立て直しも可能ではありますが、その場合は再設置後も、倒壊のダメージや経年劣化で故障が頻発することが多いため、新規アンテナ設置を検討される方が、コストパフォーマンスではお得と申せます。
なおアンテナトラブルの原因が、飛来物の衝突や施工技術の低さなどによる、部分的な不具合や破損。またはアンテナの設置角度がズレたことによる受信不良で、アンテナそのものはさほど劣化していない場合は、アンテナの角度を再調整する、またアンテナ部品や設置具の交換による簡単な修理で対応でき、工事のコストを抑えられるケースもございます。
なおアンテナを交換する場合に生じる主な工事費用は、倒れた、老朽化した既設のアンテナの撤去費用と、設置する新規アンテナ、場合によってはブースターなど周辺機器の基本設置工事費用になります。
アンテナの撤去工事費用とは文字通り、古いアンテナの固定部や配線などを取り外して屋根の上から撤去する作業費の他、業者がご不要のアンテナを持ち帰り、処分する費用も含まれます。
お客様が取り外したアンテナを処分される場合、お住まいの自治体の基準による粗大ごみなどの処分費用や、アンテナを運ぶ手間などが発生しますが、業者に依頼すれば、撤去から処分までをノンストップですべておまかせにできます。
当あさひアンテナでは、長さ1.8メートルまでのアンテナでは、その処分を含むアンテナの撤去工事、また軽微な故障に対する修理であれば、5,000円(税込み5,500円)でご案内しております。
また角度のズレたアンテナの方向調整を行い、しっかり固定し直す工事については、8,000円(税込み8,800円)からでお引き受けしております。
なお、トラブルが生じたアンテナを撤去した後の新設に当たっては、現場の電波状態などの条件によっては、風雨などへと対候性が強いアンテナ機種、設置方法を採用することで、台風などによる老朽化やトラブルへの優れた対策となり得ます。
弊社でご案内している新設アンテナ機種、設置位置や工事費用などについては次項で詳しくご紹介いたしますが、弊社ではアンテナ設置に際して必要となる現場での電波調査、工事費用のお見積もりを、出張費やキャンセル費なども含む「完全無料」でご案内いたしております。
電波調査では、アンテナの種類や設置場所ありきで、特定の位置でのみチェックするのではなく、お住まいのさまざまな位置で綿密な調査を行い、十分な受信レベルの確保を大前提に、お住まいにおいてアンテナ設置が可能な場所をすべて割り出し、その中から自然環境への耐性や住宅の外観性など、お客様のご要望に最適となるアンテナ工事を、業界最安に挑む価格でご案内いたします。
なお、アンテナの角度調整や修理。またアンテナ工事業者による電波調査やお見積もりについては、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
・地デジ、衛星放送でテレビアンテナの向きに適した方向とは? アンテナ機種別の設置位置や自分で角度調整を行う方法も解説!
・地デジ、衛星放送用テレビアンテナを正しい向きに自分で調整する方法とは? アンテナ角度の調整に必要となる工事の手順も解説
・地デジ、衛星放送のテレビアンテナ故障例、テレビ放送が映らなくなった場合に考えられる原因とその対処法は? 必要な工事を解説
交換で台風対策となる人気アンテナ機種とおすすめ設置の方法とは
ここでは、アンテナの設置や交換時に使用できる各アンテナ機種について、主に台風などの影響を避けやすい機種や設置方法を中心にご説明してゆきます。
地デジ:八木式アンテナ
八木式アンテナとは上記の通り、魚の骨のような形をした昔ながらのテレビアンテナです。
その特徴は、古典的な素子アンテナの構造と、高い位置に設置されることなどから、地デジアンテナ機種で受信感度がもっとも高くなる点。また8素子、14素子、20素子や高性能素子アンテナ等、受信性能別のモデルが豊富で、各電界地域やより電波が弱いエリアなど、幅広い地域に対応できる点です。
そして昔ながらの機種であるため、他の地デジアンテナ機種に比べ、設置費用が低価格になる点もメリットです。
以上の通り八木式アンテナは受信性能を重視した、現在でも優れたアンテナですが、設置の方法も多くの場合、屋根馬やマスト、ステーを用いて屋根の上に固定される古典的な方法になるため、台風をはじめ風雨や雪、海沿いの潮風、野鳥の影響など、自然環境などによるダメージを受けやすくなります。
そのため設置時期が古い八木式アンテナは、台風などの影響でアンテナが倒れることをはじめ、本コラムでご説明した老朽化による問題が生じやすくなります。
もう一点、昔ながらのアンテナを屋根の上に立てるため、今日の住宅のデザイン性や周辺の景観に悪影響を与えやすい点もデメリットと申せます。
八木式アンテナはその受信性能から、現在でも地デジアンテナでは高いシェアを誇りますが、半面、その形状や設置位置から「屋根の上で倒れる恐れがあるアンテナ」の代表格ともいえます。
ただ電波状態などから、屋根の上に八木式アンテナを設置する以外、地デジアンテナの選択肢がない現場でも、できるだけ倒壊や老朽化によるトラブルを抑える方法もございます。
ひとつめは、八木式アンテナにも軽量化で耐風性を高めたモデルや、サビに強いステンレス、高耐食モデル。海沿い向けの塩害用、雪の多い地域向けの雪害用など、現場の自然環境に合わせたモデルが存在します。現場の状況に応じたモデルを使うことで、ある程度は経年劣化やトラブルのリスクを軽減できます。
もうひとつは、設置の場所や工法の工夫です。例えば上記のように屋根の破風板や壁の高所にサイドベースをビスで固定し、八木式アンテナを設置する方法がございます。
住宅の壁でも固定に適した位置や、アンテナに応じた適切な強度の設置具を選ぶことができる技術の高い業者であれば、屋根の上とほぼ同じ高さ(受信感度)を確保しながら、設置具を壁面にがっちり固定することで、屋根馬とステーによる設置より強度を確保しやすくなります。
他にも地デジ受信レベルに問題がなければ、壁面のやや低い位置やベランダの手すり、内部空間などに設置することで、風雨などの影響を避けてメンテナンスも行いやすくなり、老朽化を大きく抑えることができます。
なお当あさひアンテナでは、DXアンテナ製、軽量で耐風性、防水性も高い高品質20素子八木式アンテナ「UA20」および、屋根馬やマストなど基本設置具、同軸ケーブル、防水処理をセットにした基本設置工事を、22,000円(税込み24,200円)からの料金でご提供しております。
またサイドベースを用いたアンテナ設置や、後述するデザインアンテナなど、壁面にビス穴を開ける必要がある施工では、極細のビスを用い、ビス穴には防水用の変性シリコンを充填して、ビス穴からのひび割れや雨水の浸透などを防ぐ、丁寧な施工を実施しております。
他にも八木式アンテナでは、各素子数モデル、高性能アンテナ、雪害用、塩害用モデルなどもご用意しており、受信環境から自然環境まで、さまざまな現場に最適の工事をご案内いたします。
八木式アンテナに関しては、以下の各コラム記事にも詳しく解説がございます。
・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
地デジ:デザインアンテナ
デザインアンテナは、地デジ化により使用される電波がUHF(極超短波)になったことで実現し、2009年(平成21年)頃より普及した、高さ60センチ前後、横幅20センチから25センチ程度、厚さは設置部含め十数センチと、薄型のパネル状タイプのアンテナです。
このデザインアンテナは、従来の八木式アンテナの弱点をカバーできる地デジアンテナの第二世代で、主な設置方法は住宅の壁面やベランダの手すり部に固定具を設置し、アンテナ本体を取り付けて左右に角度調整する形になります。
他にも八木式アンテナと同じく、屋根の上など高い位置のマストへ設置されることもある他、強電界地域で住宅の建材が地デジ電波を通しやすいなどの条件が揃っていれば、屋内の屋根裏、天井裏空間への設置も可能になります。
デザインアンテナのメリットは、その形状と設置位置、同モデルでもカラーバリエーションが豊富なことにより、住宅に設置しても見た目の感じが調和し、家の外観性や景観を乱さない点。
そして風雨などへの耐久性も高いため、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が長くなり、アンテナトラブルも起こりにくい点です。デザインアンテナの寿命は、一般的な屋外設置で15年から20年程度とされています。
つまりデザインアンテナは、壁面などへの設置では、そもそも「アンテナが倒れる」事態が起り得ない。また屋根の上でマストに固定される場合も、倒れるリスクを大きく軽減できる機種なのです。
一方で、デザインアンテナは八木式アンテナに比べると、本体の構造や設置位置の低さから、受信感度がやや低くなる弱点もございます。
地デジアンテナの受信性能は、八木式アンテナ(素子アンテナ)が「素子数(設置された素子の数)」で表されるのに対し、デザインアンテナその他の機種は、受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で表記されます。ただ素子アンテナの素子数に比べると、素子数相当の機種は、同じ数値でも受信感度がやや低い傾向がございます。
また同じ住宅でも、四方が開けた屋根の上に比べ、住宅の壁面やベランダなど低い位置では、周辺の建物など電波を遮る障害物に影響されやすくなり、受信感度が低くなる可能性が高まります。
したがってデザインアンテナは、基本的に強・中電界地域向けである他、該当するエリアでも、高層建築の近隣や住宅密集地などでは設置が難しい場合もございます。
デザインアンテナの設置に当たっては、現場で余裕のある十分な電波レベルが確保できるか、綿密な電波調査が必要となるためご注意ください。
なお当あさひアンテナでは、DXアンテナの高品質20素子相当モデル「UAH201」。また強電界地域ながら業界最小級コンパクトモデル、マスプロ電工のスカイウォーリーミニ「U2SWLC3」を各本体色でご用意し、アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルなども含めたデザインアンテナ基本設置工事を、25,000円(税込み25,000円)からの料金でご案内しております。
弊社ではデザインアンテナの設置においては、綿密な電波調査により、現場で可能な限り十分な受信レベルを確保できる位置を特定しており、屋根裏、天井裏空間への設置についても、条件が整った現場であれば、追加工事費用などが発生しない、基本設置工事費でご対応いたします。
デザインアンテナについては、以下の各コラムでも詳細を解説しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・業界最小デザインアンテナ!マスプロ電工「スカイウォーリーミニ」のメリット・デメリットとは? 失敗しない取り付け例も解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・新築戸建てで人気のテレビ用デザインアンテナのメリット・デメリットは? 種類や工事費用の相場、失敗しない注意点まで全解説!
地デジ:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)にマスプロ電工より発売された地デジアンテナの第三世代「U2CN」のことです。その形状は、高さ約67センチ、直径12センチから14センチ程度の円筒形です。本体色はマットな質感の白と黒の二種類になります。
ユニコーンアンテナの設置方法は、八木式アンテナと同様、屋根の上で屋根馬とステーにより固定されたマストの先に設置される。または壁面の高所に破風板にサイドベースを取り付け、アンテナ本体が屋根の上から突き出るように固定されます。
ユニコーンアンテナの特徴は、そのスタイリッシュな形で、高所に設置されても住宅の見た目や景観を乱さない。さらに風雨を受け流せる形状から、屋根の上でも経年劣化が進みにくく、耐用年数(寿命)がデザインアンテナと同等に長くなり、アンテナトラブルも起こりにくいという、デザインアンテナとほぼ同じメリットをもつことです。
それに加え、受信性能は20素子相当ながら設置の高さにより、デザインアンテナに比べて受信感度を確保しやすく、高層ビルの近隣や住宅密集地など、デザインアンテナが使用できない現場でも設置できる可能性が高くなる点です。
ユニコーンアンテナは、デザインアンテナのメリットを保持しつつ、より広い現場に対応できる機種であり、屋根の上で屋根馬やステーを用いた設置であっても、台風などによる倒壊やトラブルの危険性を大きく抑えることができる機種ともいえます。
ただ台風による飛来物がアンテナに激突した場合などには、倒れる可能性も皆無とは申せませんが、確率的には非常に低いものといえます。
他にもユニコーンアンテナのデメリットには、20素子の八木式アンテナに比べるとやや受信感度が低く、強・中電界地域向け機種になる。最新モデルであるため設置費用がやや高価になるなどの点が挙げられます。
なお当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナ本体とマストなど基本的な設置具、同軸ケーブルなどの料金も含めた基本設置工事を、現在「キャンペーン価格」でご案内しております。
ユニコーンアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳細をご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
衛星放送:BS/CSアンテナ
上記の通り、衛星放送用のBS/CSアンテナとは、大きな皿のようなディッシュを持つパラボラアンテナであり、ディッシュの正面を東経110度の方向へと正確に向け、さらにその方向に、電波を遮るわずかな障害物もない位置へと設置する必要がございます。
以上の条件が満たされていれば、BS/CSアンテナは設置位置を選びませんが、基本的には配線をまとめやすいよう、地デジアンテナのすぐ近くに設置されます。
具体的には、屋根の上のマストではその中ほどの部分。またサイドベースを用いて住宅の壁面やベランダの手すり部、ベランダ内部空間などが主な設置位置になります。
したがって、屋根の上で屋根馬とステーにより立てたマストに、地デジアンテナ、特に八木式アンテナとBS/CSアンテナを設置する場合には、全体的に重量が増して台風などにも影響も受けやすくなるため、より太いマストを使用した頑丈な設置が重要となります。
またBS/CSアンテナも、その形状から風の影響を受けやすく、電子機器であるコンバーターも設置されていること。さらにミリ単位の角度のズレでも受信感度が低下しやすいことから、経年劣化によるトラブルが生じやすくなります。
BS/CSアンテナの台風対策としては、やはり風雨を避けやすく、メンテナンスを行いやすい設置位置を選ぶ他、高耐風モデルを採用する方法もございます。
BS/CSアンテナの高耐風モデルとしては、ディッシュに無数の細かな穴を開け、軽量化で風圧への耐性も高めたパンチングメタル仕様。また設置部やコンバーターアームなど固定部の強化により、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sと、業界最強級の高耐風性能を実現したDXアンテナ製、2K4K8K対応45型モデル「BC453SG」が存在します。
このような高耐風モデルの採用により、八木式アンテナ、BS/CSアンテナを屋根の上のマストに設置しても、台風をはじめ自然環境の影響による老朽化と、倒壊などのトラブルのリスクを軽減できます。
なお当あさひアンテナでは、各種地デジアンテナとセットのBS/CSアンテナ設置であれば、DXアンテナ製、通常型の高品質45型2K4K8K対応モデル「BC45AS」本体と設置具、ケーブルなどの料金も含む基本設置工事を、18,000円(税込み19,800円)でご案内いたしております。
また上記の高耐風モデル「BC453SG」による基本設置工事は「特別価格」でご案内いたします。
BS/CSアンテナでは他にも、本体色が黒のモデルや、集合住宅向けを含む各ディッシュサイズの機種もご用意しており、さまざまな現場や、お客様のご要望に対応できるBS/CSアンテナ設置工事をご提供しております。
BS/CSアンテナについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
台風などで倒れたアンテナ修理の依頼に火災保険を適用できる?
お住まいのテレビアンテナが、台風で倒れた、故障した場合をはじめ、自然災害や、近隣の爆発事故などにより損壊した際には、ご加入されている火災保険により修理費用が保証されることがございます。
これは、詳細は火災保険の商品や契約内容でも異なりますが、多くの火災保険では、テレビアンテナを含む家屋の設備も補償対象で、地震を除く火災以外の災害や事故での損害に対する「風災保証」などが付帯されているためです。
なお当あさひアンテナでは、火災保険が適用される可能性のある災害、事故によってお住まいのアンテナが破損、故障した際には、その修理、交換などの工事と同時に、修理費用に火災保険を適用するために必要な各種の作業もお手伝いいたします。
具体的には、修理を進めると同時に、施工前後のアンテナや現場などの画像。修理の調査報告書や見積書、補償請求に必要な書類を、すべてご用意いたします。
ただ保険会社に対する請求書類の作成や交渉は、契約内容や法的な規定から、お客様ご自身で行っていただく必要がございます。ただそれらのお手続きについても、弊社で保険の専門知識をもつスタッフが万全のサポートをいたします。
もし台風による倒壊をはじめ、災害や事故でお住まいのアンテナが故障、損壊した場合には、修理と火災保険に関するご相談を合わせて、まずは当あさひアンテナまでお問い合わせ、ご相談いただければ幸いです。
なお、アンテナ修理に火災保険を適応する詳しい方法などについては、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・台風などで壊れたテレビアンテナの修理に火災保険の申請を使える場合と、工事費用の目安を紹介。
・地震や台風によるテレビアンテナの故障は火災保険で修理費用が出るってホント?
・テレビアンテナ故障で修理にいくらかかる? 工事の方法と業者の選び方、費用相場と火災保険の適用で0円にする方法について解説
テレビアンテナの台風対策・まとめ
戸建てのお住まいに立てられているテレビアンテナが、台風などで倒れる仕組みや、倒れやすいアンテナの設置方法、倒壊や破損を招く要因などは、以上の通りです。
これから台風が多くなる時期でございます。もしお住まいのテレビアンテナが、設置方法や老朽化などで台風により倒れるなどトラブルが想定される場合や、実際に被害が生じた場合は、早急に当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話、または本サイトのメールフォーム、LINEアカウントまでご一報くださいませ。
本文でもご説明した通り弊社では、早急なご対応をお求めの場合は、ご連絡いただいてからの即日工事、夜間工事にもご対応して、可能な限り早い復旧を実現いたします。
また電波調査とお見積もりは完全無料のサービスで、他業者との相見積りにも対応しております。
アンテナ修理に際して新規アンテナへ交換する場合には、綿密な電波調査に基づいて、受信感度が安定する位置を特定し、台風などにも耐性の高いアンテナ機種や設置方法をはじめ、お客様のご希望に適したアンテナ設置工事を、業界最安に挑む価格でご提案いたします。
実際の施工を担当するのは、豊富な経験と実績に基づき、高い技術と専門知識を誇る弊社スタッフの優れたアンテナ職人で、完全自社施工により中間マージンなどは一切かからず、丈夫なアンテナ設置はもちろん、配線部や屋根裏空間の機器取り付けなど、見えない部分も丁寧な施工を実施いたします。
設置の終了後は各お部屋で受信レベルを確認し、問題がなければ工事の完了といたします。工事料金のお支払いは現金だけでなく、クレジットカードなど各種カード、電子マネーにも対応しております。
また工事後のアフターフォローは業界最長クラス、工事完了日からの「10年長期保証」をご用意しておりますので、施工後もお客様には末永くご安心いただけます。
台風によるトラブルの解決や防止をはじめ、各種のアンテナ設置その他の工事に関するご質問、ご相談は、当あさひアンテナまでお気軽にお寄せくださいませ。