地デジ用で最強のテレビ室内アンテナを選ぶには? 平面アンテナやブースター内蔵型などおすすめ人気モデルのランキング発表!
2023年(令和5年)現在、一般の戸建住宅などのお住まいで、地上デジタル放送をご視聴になる方法として、もっともメジャーな方法は、やはり地デジアンテナの取り付けになります。
ただ、現在の主な地デジアンテナモデルである、八木式アンテナやデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなど、住宅の屋外に設置される地デジアンテナの工事には、ある程度の手間や費用がかかります。
地デジアンテナの設置費用は、八木式アンテナなど廉価な機種を設置し、アンテナテーブル(同軸ケーブル)を使用して、屋内の一か所の部屋と配線するだけの、もっともシンプルな基本設置工事であってもアンテナ本体の費用を含め、工事費に20,000円前後はかかってまいります。
さらに住宅内にテレビアンテナ配線がない新築住宅などでは、屋内への配線工事やブースター、分配器など周辺機器の設置費用もかかるため、アンテナ設置工事費用の総額は50,000円以上になることも珍しくはございません。
またすでに地デジアンテナが接続されているお住まいにて、アンテナ配線のない部屋、配線が届かないような場所でテレビ放送を見たい。現在のお住まいが、長く暮らす予定のない借家や賃貸物件であり、大掛かりなアンテナ設置工事が無駄になる。また物件オーナーの許可が必要になるため、実質的にテレビアンテナ工事が難しいといったご要望、ご都合もおありでしょう。
そのような方にとって、非常に魅力的な地デジアンテナモデルが「室内アンテナ」です。室内アンテナには「本体が低価格」「設置も簡単で業者に依頼する必要がない」などのメリットがあり、賃貸物件など長くお住まいにならない、大掛かりなアンテナ工事が難しい場合や、戸建て住宅のマイホームでも、アンテナ配線が届きにくい部屋や場所などで地デジ放送をご覧になりたい場合に重宝します。
ただ一方で、このようなテレビアンテナは、住宅に設置される一般的な地デジアンテナ機種に比べると受信性能が低く、設置できる条件が限られるといった弱点もございます。
いわゆる室内アンテナにも、室内設置専用のシンプルなモデルから、屋外と屋内の双方で使用できる、屋外屋内兼用モデルなどがございますが、当コラムでは、室内に設置できる各種アンテナの機種、性能の違い。地デジ放送や電波の性質に基づき、設置できる現場の条件などの基礎知識と、各メーカーの主要なオススメモデルをご紹介してまいります。
また記事の趣旨からはやや離れますが、屋外設置用の地デジアンテナを、屋根裏空間などの屋内空間に設置する施工例。基本的には屋外への設置が必要となるBS/CSアンテナを、室内空間に設置できる例などについてもご紹介いたします。
なお、戸建て住宅内で地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置できる各位置については、以下のコラム記事で一覧としてご説明しております。
・戸建て住宅のテレビアンテナ取り付け工事で、アンテナを設置できる場所とは? その費用からメリット・デメリットまで徹底解説!
各種の地デジアンテナを使用できる地デジ電波の条件とは?
ここでは室内アンテナに適した地デジの受信環境をご説明するため、まずは地デジ放送や地デジ電波の基礎知識についてご説明してまいります。
現在の主なテレビ放送である「地上デジタル放送(地デジ)」は、日本国内の各地に設置された電波塔から、周辺のエリアに地デジ電波を送信しております。このように地上の設備から、地上の空間を通じて地デジ電波を送ることから、地デジ放送は、主に衛星放送との対比として「地上波放送(地上波テレビ放送)」と呼ばれます。
より正確には、現在の地上デジタル放送は、日本国内の地方ごとに、複数の都道府県をまとめた「広域圏」と呼ばれるエリアに分け、その広域圏ごとに、地デジ放送の内容が異なっております。
そして各広域圏において、例えば関東広域圏では、東京都墨田区押上に位置し、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の多くのエリア、そして茨城県、栃木県、群馬県の一部まで地デジ電波を送信している東京スカイツリーなどの中核的な電波塔である送信所(基幹局、親局)。
そして送信所の周辺で必要な位置に、衛星のように多数、設置され、送信所や他の中継局からの地デジ電波を受信して、電波を増幅してから周辺エリアに送信する、中継局(サテライト局)と呼ばれる電波塔が設置されております。
これらの電波塔が、各広域圏において、送信所から離れた地域や、地形により地デジ電波が遮断されやすい地域などにも電波が届くよう計算して設置され、地デジ電波をリレー形式で送信していくことにより、現在では各広域圏、ひいては日本全国の大半のエリアにおいて、地デジアンテナの設置や、ワンセグ・フルセグ機器を使うことにより、地デジ電波を受信し、地デジ放送を視聴できるのです。
現在の地デジ放送は、地上デジタル放送の正式名称通り、テレビ放送の映像信号を、まず「0」「1」のデジタル信号へと変換し、このデジタルの信号を電波の波長へと変換して、電波塔から送信する「デジタル放送」にあたります。
ちなみに、1953年(昭和28年)2月1日に放送を開始して以来、2003年(平成15年)12月1日の地デジ放送スタートから数年の移行期間を経て、2011年(平成23年)7月24日の正午、完全停波によって地デジ放送へと転換される形で終了した、それまでの地上波テレビ放送、いわゆる「アナログ放送」では、映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信しておりました。
このアナログ放送からデジタル放送(地デジ放送)への転換により、映像信号の情報を大きく圧縮することが可能となり、アナログ放送に比べて使用する電波の周波数帯を大きく削減しながら、送信できる情報量は約4.5倍と大容量化しております。
これにより地デジ放送では、アナログ放送時代に比べて、ハイビジョン画像の高画質化や高音質化。さらに番組表やデータ放送。双方向通信。ワンセグ放送など、さまざまな新機能を実現しております。
現在の地デジ放送では、NHK、広域民放、独立放送局の地方チャンネルなど、すべてのチャンネルにおいて、電波の中でも比較的、周波数帯の高い「UHF波(極超短波)」のうち470MHzから770MHzまでの周波数帯を使用しております。
なお電波における周波数とは、波(波長)を描いて光の速さで空間を伝わる電気的エネルギーである電波で、1秒間に描かれる波長の数を示すものです。そしてMHz(メガヘルツ)とは周波数を示す単位であり、1MHzは、1秒間に100万回の波長が繰り返されることを示します。
この地デジ電波であるUHF波は、その波長の幅は40センチから60センチ程度となり、アナログ放送の時代、主に使用されていたVHF波(超短波)に比べると周波数が高くなり、そのぶん波長が短くなっております。
したがって現在の地デジアンテナも、屋外設置用、室内用や室内対応アンテナを問わず、どのモデルも基本的に、UHF波でも地デジ電波の周波数帯に特化した「UHFアンテナ」になります。また波長が短くなったことから、アンテナ本体の小型化も実現し、アナログ放送時代に比べてさまざまな形状、モデルの地デジアンテナ機種が登場しております。
ただその一方で、地デジ放送は、日本各地に設置された電波塔から、その周辺の一帯に地デジ電波を送信するという形式のため、地デジ電波塔からの距離、そして空間を伝わる地デジ電波を遮ってしまう山地など地形の影響によって、日本国内でも地域ごとに受信できる地デジ電波レベル(電波強度)が変動してまいります。
そして主に電波塔からの距離や地形などの影響により、受信できるおおよその地デジ電波レベルごとに、国内の各地域を分類した基準を「電界地域」と呼び、その地域で使用できる地デジアンテナ機種や設置位置などのめやすになります。
この電界地域とは、テレビ局やテレビアンテナメーカーなどが個別に使用する基準であり、学術的、法律的などで統一された定義ではないため、場合によっては分類や数値の基準が変動することもございますが、一般的には、電波レベルなどを示す単位「㏈(デシベル)」を基準に、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアを「強電界地域」。80㏈から60㏈の間であるエリアを「中電界地域」。60㏈以下のエリアを「弱電界地域」に分類することが多くなります。
他にも、弱電界地域の中でも、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下のエリアは、その電波を送信する電波塔の受信範囲外となり「微弱電界地域」に分類される場合もございます。
この微弱電界地域では、安定した地デジ電波受信のために、いわゆるパラスタックアンテナなど高性能の地デジアンテナや、高性能ブースターなどの設置などが必須となります。
さらに、日本国内でも、電波塔からの地デジ電波がほぼ遮断される山地や山間部。電波塔から大きく離れた離島などで、地デジ電波がほとんど受信できないエリアも一部に存在します。
このようなエリアは、地デジの「難視聴地域」と呼ばれ、その多くは人が住むに適さない非可住地や、人口の少ない過疎地域にあたります。
このようなエリアで地デジ放送などのテレビ放送を視聴する場合には、ケーブルテレビ(CATV)を利用する。または受信性能の高い共同受信用の大型アンテナを設置し、各世帯に同軸ケーブルを引いて電波を分配するなどの方法がとられます。
なお、日本各地に存在する送信所、中継局などの地デジ電波塔の位置と、各電波塔から送信される地デジ電波の電界地域については、インターネット上の「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内にある「地デジ放送エリアのめやす」ページを閲覧することで、地図上から確認できます。
ただ、この電界地域は電波塔からの距離と地形から判断できる、広範囲のおおまかな地デジ受信レベルでしかございません。実際に各戸建て住宅など個々の現場で受信できる地デジ電波レベルは、気候や天候、また現場の周辺環境にも大きな影響を受けます。
天候や気候については、まず夏場などで気温が上昇すると、空気が膨張して、空間を伝わる地デジ電波が到達できる距離が短くなり、特に電波塔から遠い場所での受信レベルが低下してまいります。
逆に冬場などで気温が低下し、空気が収縮すると、地デジ電波も遠距離まで届きやすくなりますが、反面、ノイズの原因となる無関係の電波も届きやすくなってまいります。
このように一年を通した気候の影響から、地デジアンテナが設置された同じ場所であっても、受信できる地デジ電波レベルは、年間で6㏈程度の変動が出てまいります。
他にも電波は水分に吸収されやすいため、降雨や積雪などの悪天候では、空間を伝わる地デジ電波の減衰(電波レベルの弱まり)が生じ、地デジアンテナで受信できる電波レベルが大きく低下いたします。
障害物に関しては、地デジの電波塔から送信され、空間を伝わる地デジ電波は、山地などのほか、電波を遮りやすい鉄筋やコンクリート製の高層ビルなどにぶつかると、その時点で遮られてしまいます。
ただ、ある程度の波長の幅がある電波には、ビルなどの障害物にぶつかっても、その向こう側に回り込んで広がるという、拡散や回折の性質があるため、ビルの向こう側に当たる現場であっても、地デジ電波の受信は可能です。
しかしそれも完全ではなく、ビルの陰に当たる直近の一帯、特に中央部には、ビルの横を通り抜けて広がる地デジ電波も届きにくく、このような位置では地デジ電波の受信レベルが大きく低下することもございます。
ただ地デジ電波の波長は、40センチから60センチ程度と比較的、短いこともあり、空間を伝わる地デジ電波が、高層ビルなどの遮蔽物にぶつかった場合、その反対側の陰にあたる直近の一帯や中心部などには、遮蔽物を乗り越えた地デジ電波も届きにくくなり、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下してまいります。
他にも、地デジ電波塔からの距離が近い強電界地域などでも、立ち並ぶ家屋の感覚が狭い住宅密集地などでは、周辺に障害物の少ない屋根の上では十分なレベルの地デジ電波レベルを受信できても、壁面などの低い位置では、近隣の住宅が遮蔽物となり、十分なレベルの地デジ電波が届きにくくなります。したがってこのような現場では、デザインアンテナの取り付けなど、地デジアンテナを外壁などへの位置へと設置する工事は難しくなるケースが多くなります。
弱電界地域などでその一帯に届く地デジ電波レベルが弱い。また周辺の障害物の影響などからから受信レベルが下がる現場で、安定した地デジ受信を実現するためには、素子数が多く受信性能の高い八木式アンテナ。またユニコーンアンテナなど、高所設置に適した地デジアンテナ機種を選び、障害物に影響されにくい高所に設置することがオススメとなります。
またその一方で、地デジ電波は、金属素材やコンクリートなど、電波を反射、吸収しやすい素材があまり使われていない一般的な戸建て住宅であれば、地デジ電波が屋根や壁、窓などを透過して、透過の際にある程度の減衰は生じるものの、屋内まで到達する性質もございます。
このため、強電界地域など地デジ電波が強い地域であれば、屋内に届く電波も十分な強さを確保できるため、室内アンテナの使用や室内への地デジアンテナ設置でも、地デジ受信が可能となるのです。
また、上にあげた気候や天候、周辺の建築物などの現場環境による地デジ電波レベルの変動は、電界地域の基準には反映されません。
したがって、実際の地デジアンテナ設置では、ただ各電界地域に適した地デジアンテナ機種、設置位置を選ぶだけでなく、現場における周辺の建築物などの影響も考慮する必要がございます。
具体的には、アンテナ工事の専門業者などに、現場における正式な電波調査を依頼して、現場で実際に受信できる地デジ電波のレベル、またその方向や品質などを確認して、最適となる地デジアンテナの機種と工法を選択することが重要と言えます。
その他、地デジ電波の特性や性質には、地デジ電波がスマートフォンなどの電波と入り混じる「混信」を避けるため、一部の地デジ電波塔で波長の角度が異なる電波を使用し、地デジアンテナ側も対応が必要となる「水平偏波/垂直偏波」の違い。また地面から高度が高まるにつれて、数メートルおきに電波レベルが強弱を繰り返す「ハイトパターン」などがございます。
これらの詳細も含め、地デジ放送や地デジ電波の性質、電界地域その他、地デジ受信の基礎知識については、以下の各コラム記事でも、それぞれご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!
・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!
・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
地デジアンテナの受信性能を示す「素子数」「動作利得」とは?
上記の通り、室内アンテナに限らず、ご自宅で使用、設置される地デジアンテナを購入される際には、現場で受信できる地デジ電波レベルに適した受診性能の機種を選ぶことが重要です。
そして、地デジアンテナの各機種において、スペック表などにも表記される、受信性能を示す主な基準が「素子数(素子数相当)」と「動作利得(利得、ゲイン)」の二種類です。
まず、「素子数(相当)」ですが「素子(エレメント)」とは、地デジアンテナの中でも、地デジ電波を受信するパーツのことです。設置されている素子数は地デジアンテナの各製品(モデル)によって異なり、この素子数が各モデルの受信性能に直結します。
また地デジアンテナでも八木式アンテナのように、この素子数が外観から見て取れるモデルと、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナのように、本体の機材部をケースに収めているため、外部から素子を確認できないモデルが存在します。
このように、外部から素子が見えない地デジアンテナ機種の場合は、その受信性能を素子数に換算した「素子数相当」で受信性能を表記します。
この素子数(相当)は、屋外設置用の地デジアンテナでは、例えば「八木式アンテナ14素子」「20素子相当デザインアンテナ」など、スペック表だけでなく機種名と共に併記されることが多く、各電界地域に適した受信性能を示すもっとも明確な基準となります。
ただ、例えば20素子(相当)など、同じ素子数(相当)の地デジアンテナであっても、実際の受信性能には一定の幅が存在し、機種によって受信性能がやや異なる場合もございます。特に、八木式アンテナのような素子が露出した「素子アンテナ」は、同じ素子数でもやや高めの受信性能。逆にデザインアンテナなど素子が見て取れないアンテナ機種は、同じ素子数相当でもやや低めの受信性能になる傾向がございます。
また屋外設置用の地デジアンテナには、アンテナの正面側にあたる一定角度の範囲のみに受信性能が集中して高くなる「指向性」という性質があり、同じ素子数(相当)の地デジアンテナでも、指向性が高い(正面側で受信性能が高まる範囲が狭い)モデルほど、範囲内での受信性能が高くなります。
他にも、一般的な地デジアンテナの多くは、地デジ電波に使用される周波数帯である470MHzから770MHz。各テレビ局に約6MHzずつ分配されるチャンネル(ch)では13chから52chのすべてを受信できるオールチャンネルアンテナになります。
ただ、実際に日本国内の多くの地域での地デジ放送に使用されている、13chから36ch程度の「ローチャンネル帯」のみを受信できる「ローチャンネル用アンテナ」なども存在し、このようなモデルも、同素子数(相当)でも、オールチャンネルアンテナに比べて受信性能が高まります。
もうひとつの「動作利得」とは、単に「利得」、または英語で「ゲイン(gain)」とも呼ばれるものです。
電気工学における利得(gain)とは「電気回路(増幅機など)における電流や電圧などの入力と出力の比」を指すものです。地デジアンテナの利得もこれとほぼ同じ意味で、素子の数に応じてアンテナ本体が受信できる電波レベルに対して、アンテナから出力できる電波レベルの効率を示す数値です。
また多くの場合、高い指向性をもつ地デジアンテナの場合は、アンテナの前方(受信性能を発揮する方向)の受信感度を示す数値とも言えます。
地デジアンテナの動作利得は、電波強度と同じく「dB」で表記されますが、注意点として、この数値は出力できる電波レベルではなく「基準となるアンテナ」との出力レベルの差を、常用対数の計算によって表した数値になります。
この基準となるアンテナとは、指向性がまったく存在せず、360度の全方向に同じ受信性能を発揮する、実在しない理論上のアンテナ「アイソトロピックアンテナ」。もしくは左右に同じ長さの銅線を伸ばしたもっともシンプルな構造で、指向性も低く、ほぼ全方向に受信性能を発揮する「ダイポールアンテナ」になります。
前述のように、地デジアンテナは多くの機種が高い指向性をもっております。これはいいかえれば、上記のような指向性のない(低い)アンテナで、ほぼ全方向に発揮される受信性能を、一方向に集中することで高めているとも言えます。
この利得の数値は、地デジアンテナ機種では多くの場合、スペック表などに明記されております。
利得の数値は素子数(相当)に比例するため、アンテナの受信性能を判断する上では、素子数のほうがわかりやすいともいえますが、上記のように指向性の違いや、オールチャンネルアンテナとローチャンネルアンテナなど、同素子数(相当)の地デジアンテナでも受信性能に差が出る場合の、受信性能の具体的な違いを判断するめやすになります。
なお地デジアンテナの素子数や動作利得、指向性などについては、それぞれ以下のコラム記事でもご説明しております。
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住宅の室内や屋内に設置できる地デジアンテナとは?
地デジアンテナ、衛星放送用のBS/CSアンテナとも、基本的には住宅の屋外に設置されるテレビアンテナになります。
ただ地デジ電波に関しては、上記の通り、条件が整っていれば戸建て住宅の屋内や室内にも届くため、住宅の屋内、室内に地デジアンテナを設置することで、地デジ受信が可能になるケースもございます。
そして屋内に設置できる地デジアンテナの種類には、モデルとしては室内設置を前提とした「室内アンテナ」と、室内と屋外の双方で使用できる「屋外屋内兼用アンテナ」。また一般的な屋外設置用の地デジアンテナを「屋根裏空間・天井裏空間」などに設置する工法もございます。
以下では、それぞれのモデル、工法の解説と、実際に市販されている、ランキングや口コミなどでも人気の商品をご紹介してまいります。
室内アンテナとは?
室内アンテナとは、文字通り室内への設置を前提とした地デジアンテナです。
室内に置くことが前提のため、屋外設置用に比べると、サイズは非常にコンパクトで、大きく「卓上型(据え置き型)」と「ペーパー型」の二種類に大別できます。
卓上型とは、その名の通り、テレビ台の上や窓際など、室内の適切な場所に置いて、テレビなど受信機器と接続するだけで使用できる機種です。コンパクトな形状ながら、さまざまなデザインがあり、置物のようにスタイリッシュな機種も多くなります。
ペーパー型とは、おおむね30センチ四方前後、厚さはミリ単位の、薄いプラスチック製のシート状、または板状のアンテナ本体を、地デジ電波が届く方向の窓や壁などに貼り付け、やはりテレビなど受信機器に接続して使用する地デジアンテナです。
本体は正確にはペーパー(紙)製ではありませんが、英語の「paper」には形容詞として「(紙のように)薄い、もろい」という意味があることから、ペーパーアンテナと呼ばれます。この機種も省スペースであり、壁や窓を透過する地デジ電波を無駄なく受信できる点が特徴です。
卓上型、ペーパー型とも、室内でも地デジ電波を受信しやすい位置に設置して、付属、または本体と一体型のケーブルを、テレビなど受信機器の地デジチューナー端子と接続するだけで設置できるため、業者に工事などを依頼する必要もなく、ご家庭で設置が可能です。
また室内アンテナを用いれば、住宅内でもアンテナコンセントがない、ケーブルが届きにくい部屋。ベランダや庭先などにテレビを設置しても、地デジ放送を視聴することが可能となります。
さらに室内アンテナはおおむねどの機種も低価格であり、地デジ受信機能だけのシンプルなモデルでは1,000円台のものもある他、ブースター内蔵などの高性能モデルでも10,000円前後の価格で購入できます。そのため地デジアンテナの屋外設置に比べると、非常に低価格で導入できる点が魅力と言えます。
半面、室内アンテナのデメリットは、屋外設置用の地デジアンテナに比べると、受信性能が非常に低いという点になります。
屋外設置用になる地デジアンテナの受信性能は、主に各電界地域に合わせて、8素子、14素子、20素子、26素子(相当)や、それ以上の高性能モデルになります。
対して室内アンテナは、素子数相当がないモデルも多く、対応エリアとして主に「強電界地域専用」の表記があるのみ。アンテナ本体の動作利得は、基準となるアンテナとさほど差のない1㏈前後。ブースター内蔵型で「ブースター利得(ブースターの増幅性能)」「総合利得(アンテナ本体とブースターを総合した利得)」表記があるといったケースが多くなります。
なお「強電界地域専用」については、メーカーによってその基準が「80㏈以上」から「65㏈以上」など、差があることもございますので、公式サイトの説明書などをご確認ください。
いずれにせよ室内アンテナは、上記した強電界地域でも、電波塔が視認できるエリアなど、受信できる地デジ電波が強い現場でないと使用できません。
強電界地域であっても周辺に地デジ電波を遮蔽する建物がある。住宅の建材や設備などが地デジ電波を遮断してしまう住宅では、室内アンテナを設置しても受信レベルが安定せず、地デジ画面が乱れる場合がございます。特にブースターを内蔵していないシンプルなモデルではまったく使用できないことも考えられますので、ご注意ください。
また室内アンテナは、一台のアンテナを一台のテレビなど受信機器に接続する形でしか設置できません。したがって複数台のテレビを視聴する場合には、台数分の室内アンテナが必要になります。
総合して室内アンテナは、強電界地域であっても、複数台のテレビ機器を設置する戸建て住宅における、主要な地デジアンテナにはあまり適しておりません。戸建て住宅の場合は、お住まいになる人が少なく、設置するテレビの台数も1台か2台程度の場合や、普段はテレビを置いていない場所でテレビを視聴する場合など。または借家やアパートなど、長期にわたってお住まいになる予定がない。契約によりテレビアンテナ設置工事が難しい現場などでの、簡易的な地デジアンテナに適しております。
なお室内アンテナ、また後述する屋外屋内兼用アンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
室内アンテナのおすすめ機種一覧
以下の項では、主に日本三大アンテナメーカーであるDXアンテナ社、マスプロ電工社、日本アンテナ社と、この三社に匹敵する大手メーカー、サン電子など、国産高品質モデルを中心に、室内アンテナのおすすめ商品を特長別にご紹介してまいります。
「コスパ最強!シンプル室内アンテナ」
ここでは、室内で地デジ電波を受信するだけのシンプルな室内アンテナをご紹介します。低価格で設置も簡単になるのが特徴ですが、強電界地域であっても現場の条件や天候などによって受信感度が左右されやすい弱点もございますので、ご注意ください。
・DXアンテナ「US10KB/US10WB」
正方形の角が欠けたようなアンテナ受信面(本体部)を円形の台座に立てたような、非常にスタイリッシュな形状の室内アンテナです。型番は本体色の違いで、「US10KB」がブラック、「US10WB」がホワイトです。
水平偏波/垂直偏波およびオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、本体の高さは122ミリ、横幅、奥行きとも100ミリと、サンドウイングマルチループ方式(独自名称)による小型化を実現。
台座に立てた状態でアンテナ本体部を0度から90度まで角度調整できる他、市販の木ネジを使えば壁面にも設置でき、室内でもっとも受信しやすい位置を確保できます。
また実売価格も2,000円以下と低価格なため、お試しとしても使用しやすいモデルになります。
(US10KB/US10WB・メーカー公式ページ)
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?id=2299&category=112&page=1
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?id=2300&category=112&page=1
・マスプロ電工「UTA2(S)/UTA2B(BK)」
スタンド部含めて、高さ20センチ程度、横幅10センチ強、奥行き7センチ程度の、長方形の平面型をしたアンテナ本体部、および縦置きのスタンド部からなるシンプルな室内アンテナです。
本体色はシルバー(S)とブラック(BK)で、色合いを含めパソコンや大型テレビの近くにもマッチする落ち着いたデザインになります。
地デジアンテナ出力レベルが65dBV以上の強電界地域向けで、オールチャンネル(13chから52ch)対応。またアンテナ本体部を横に固定することで、水平偏波、垂直偏波の双方に対応できます。
なお本モデルの実売価格は、3,000円から4,000円前後となります。
(UTA2(S)/UTA2B(BK)・メーカー公式ページ)
https://www.maspro.co.jp/prod/uta2(s/
https://www.maspro.co.jp/prod/uta2(bk/
・日本アンテナ製「ARL1(W)/ARL1(B)」
このモデルは、縦長の長方形で薄いアンテナ本体部と、据え置きスタンド部が一体化した、高さは約19センチ、横幅は10センチ強、奥行き7センチ弱。重さは265グラムのコンパクトかつスタイリッシュな室内アンテナです。ARL1(W)がホワイト、ARL1(B)がブラックのモデルになります。
受信レベルが80dBV以上の強電界地域向けで、オールチャンネル(13chから52ch)対応。本体も265グラムの軽量設計で、テレビチューナー付きのパソコンにも使用できます。
本体はブリスターパック入りで、箱などの不用品なども出ません。またお手持ちのブースターに接続して受信した電波を増幅することも可能です。実売価格はおおよそ3,000円台になります。
(ARL1(W)/ARL1(B)・メーカー公式ページ)
https://www.nichian.net/shop/g/g2013160/
https://www.nichian.net/shop/g/g2013162/
・日本アンテナ「CRA10」
ARL1と同じく日本アンテナ社製のこのモデルは、横幅は約19センチ、高さ10センチ弱、奥行き5センチ強で、横長の長方形、かつ中央がやや突出したアンテナ本体部を、スタンドと一体化した形状です。重量も170グラムと、ARL1より軽量型です。
このモデルも受信レベルが80dBV以上の強電界地域向けで、オールチャンネル(13chから52ch)対応。ブリスターパック入りで、テレビチューナー付きのパソコンにも使用可能。ご自宅のブースターにも接続できます。ホワイトのスタイリッシュなデザインで室内にもマッチします。
実売価格も、やはり3,000円台になります。
(CRA10・メーカー公式ページ)
https://www.nichian.net/shop/g/g2181266/
・サン電子「IDA-7Cシリーズ」
このモデルは、高さ約20センチ、横幅は約15センチ、奥行き9センチほどの、縦長の長方形の本体部と、それを立てるスタンドが一体化しております。本体の重さは370グラムです。
オールチャンネル(13chから52ch)対応の水平偏波用モデルで、動作利得は0.5㏈から2.0㏈になります。また本体と一体型のケーブル先端は、ストレートプッシュ形の金メッキプラグが採用されております。本体はPETBOX入りなので、空き箱などの不用品も出ません。
IDA-7Cシリーズの特徴は、カラーバリエーションが豊富な点です。「IDA-7C-IW」のように型番の末尾につく記号で、それぞれ「アイボリーホワイト(IW)」「ライトブルー(LB)」「ライトグリーン(LG)」「ライトイエロー(LY)」「ライトオレンジ(LO)」「ライトピンク(LM)」「ワインレッド(WR)」「セミグロスブラック(SK)」の8色のバリエーションがあり、お好みや室内のイメージに合わせたに合わせた本体色をお選びいただけます。
実売価格は3,000円台から4,000円前後ですが、本体色によって価格差が出ることもございます。
(IDA-7C-IW・メーカー公式ページ)
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=IDA-7C-IW
「受信性能最強!ブースター内蔵型室内アンテナ」
こちらは室内アンテナに、小型のブースターを内蔵したモデルです。シンプルなモデルに比べると価格はやや高額になりますが、室内アンテナでも電波レベルの安定を確保しやすいのが特徴です。強電界地域でも受信感度に不安がある場合は、このようなモデルをご利用になるとよろしいでしょう。
なお、ここでご紹介するモデルには、上記したシンプルモデルと形状などが同モデルの、ブースター内蔵型モデルも多くなります。またブースターには電源が必要となるため、各モデルにはACアダプタが付属し、コンセントに接続する必要が出るのでご注意ください。
・DXアンテナ製「US120A/US120AW」
このモデルは、高さは122ミリ、横幅、奥行きは100ミリの、全体的には丸みのある円筒形のシルエットののうち、上部の内部が空洞となり、持ち手の長い手桶のようなデザインになっております。
本体色は「US120A」がブラック、「US120AW」がホワイトです。水平偏波/垂直偏波およびオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、ブースター利得が15㏈から20㏈のローノイズブースターを内蔵しており、同社の従来品に比較して、受信性能が約1.6倍に向上しております。
本体と一体型となる1.5メートルの出力ケーブルでテレビなど受信機器と接続するため、受信しやすい設置位置も選びやすいのが特長です。
本モデルの実売価格は、実店舗、インターネットショップを含めて3,000円台から7,000円台と、やや幅が広くなっております。
(US10KB/US10WB・メーカー公式ページ)
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?id=2301&category=112&page=1
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?id=2302&category=112&page=1
・マスプロ電工「UDF2A」
このモデルは、高さ約17センチ、横は約25センチの、ブルーのプレート状のアンテナ本体を、背面のスタンドで立てかけるモデルです。背面スタンドを含む奥行きは9センチ程度です。
オールチャンネル(13chから52ch)対応型で、自立用スタンドを回転させて本体の角度を変えることで、垂直偏波、水平偏波の双方に対応できます。
本モデルは室内アンテナであるため、アンテナ出力レベル65dBV以上の強電界地域向けですが、マスプロ電工独自の回路技術によって、シンプルな「ダイポールアンテナ」を直接、増幅回路に接続することによる、損失の少ない高利得設定が特性になります。またブースター内蔵型であるため、総合利得は13㏈から20dBです。
また本体にはACアダプタと1.5メートルの接続ケーブルが付属します。実売価格は、5,000円台から9,000円程度になります。
(UTF2A・メーカー公式ページ)
https://www.maspro.co.jp/prod/udf2a/
・マスプロ電工「UTA2B(S)/UTA2B(BK)」
上記したマスプロ電工「UTA2」のブースター内蔵モデルであり、外見や基本性能、カラーバリエーションは同じです。ブースター利得は15㏈から20㏈程度になるため、受信感度が安定しやすく、複数台の地デジ受信機器に接続できることもございます。実売価格は4,000円から7,000円強です。
(UTA2B(S)/UTA2B(BK)・メーカー公式ページ)
https://www.maspro.co.jp/prod/uta2bs/
https://www.maspro.co.jp/prod/uta2bbk/
・日本アンテナ「ARBL1(W)/ARBL1(B)」
上記した日本アンテナ「ARL1」のブースター内蔵モデルで、やはり外観や基本性能、本体色などは同一になります。ブースター内蔵の分、ACアダプタが付属して、本体の重さは395グラムですが、十分に軽量と言えます。
ブースター利得は11㏈から17㏈。実売価格は4,000円前後から6,000円前後です。
(ARBL1(W)/ARBL1(B)・メーカー公式ページ)
https://www.nichian.net/shop/g/g2013161/
https://www.nichian.net/shop/g/g2013163/
・日本アンテナ「CRAB10」
日本アンテナ「CRA10」のブースター内蔵型であり、やはり外観や基本性能などは同じながら、重量は約200グラムで、ACアダプタが付属します。ブースター利得は11㏈から16㏈です。
実売価格は、おおむね4,000円台になります。
(CRAB10・メーカー公式ページ)
https://www.nichian.net/shop/g/g2181267/
・サン電子「IDA-7CBシリーズ」
サン電子「IDA-7C」シリーズのブースター内蔵モデルで、形状や基本性能、カラーバリエーションも同様です。ACアダプタも付属しますが、本体の重量は同じく370グラムです。
ブースター利得を含めた総合利得は13㏈から17㏈になります。実売価格は3,000円台から6,000円強で、本体色によって価格が異なる場合もございます。
(IDA-7CB-IW・メーカー公式ページ)
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=IDA-7CB-IW
屋外屋内兼用アンテナとは?
屋外屋内兼用アンテナも、その名の通り、室内への据え置き設置のほか、屋外のベランダや壁面などにも設置できる地デジアンテナになります。メーカーや機種によって「屋内外用」「室内屋外兼用」などさまざまな呼称がございますが、基本的には同じものになります。
その形状は、純粋な室内アンテナに比べるとやや大型になりますが、丸みを帯びたボックス上の本体を台座に設置可能なモデル。また専用スタンドで窓際などに据え置き設置できる小型のデザインアンテナ(平面アンテナ)など、さまざまな工夫を凝らしたスタイリッシュな製品がございます。
また屋外屋内兼用アンテナは、屋外への設置も考慮して、風雨などにも強い頑丈な作りになっている点も特徴です。
屋外屋内兼用アンテナは、室内設置の場合は、室内アンテナよりやや大型ながら、窓際などの場所に据え置きして、同軸ケーブル(アンテナケーブル)でテレビなど受信機器のチューナーと接続するだけで設置が完了し、ご自宅でも設置可能と、室内アンテナと同じメリットがございます。
価格面も、モデルや性能によってことなりますが、おおむね5,000円から10,000円台になります。
また受信性能も、おおむね3素子相当から5素子相当。屋内外で使用できるデザインアンテナ14素子相当の製品も存在するなど、室内アンテナに比べると高くなります。さらに室内での電波レベルが不足する場合は、ベランダへの据え置きや壁面への設置など、屋外への設置も可能であるため、室内アンテナより受信感度が安定しやすくなります。
一方、屋外屋内兼用アンテナのデメリットは、やはり屋外に設置される一般的な地デジアンテナに比べると受信性能が低いため、周辺の電波環境が安定した強電界地域でしか使用できない。接続できるのはテレビ一台、または少数の機材のみといった点になります。
屋外屋内兼用アンテナも、室内専用のアンテナに比べるとやや用途は広まりますが、基本的には一部の場所のみや短期間の使用などに適した、簡易的な地デジアンテナといえます。
屋外屋内兼用アンテナのおすすめ機種一覧
以下では、屋内屋外兼用アンテナを、その形状に分けてご紹介してまいります。なお屋外屋内兼用モデルには、同モデルの通常型とブースター内蔵型が存在することが多いため、それぞれ同じ項でご説明いたします。
「コンパクトさ最強!屋外屋内兼用アンテナ」
屋外屋内双方での設置しやすさを追求した、メーカーやモデルごとに独自の形状をもつ地デジアンテナです。屋外設置用の地デジアンテナに比べると全体的に素子数は低く、簡易的なアンテナになりますが、モデルによってはカラーバリエーションも豊富で、インテリアとしての楽しさもございます。
・DXアンテナ「US210-P」
このモデルは、横長で上下に薄い長方形のボックス状になったアンテナ本体を、専用スタンドに固定する形で使用する、屋外屋内兼用モデルです。本体部は高さ60センチ弱、横幅30センチ程度、奥行き13センチ程度。スタンドを設置すると高さは10センチ程度、奥行きは14センチ程度です。
本体部でも横長の一方向がやや尖るような形状で、その方向に黒い横長の受信面があり、そちらの地デジ電波塔の方向へ向けて設置します。
本モデルは水平偏波/垂直偏波およびオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、フラットスリーブ方式(独自名称)を採用することで、小型化と軽量化を実現。受信性能は4素子相当で、動作利得は3.0㏈から5.0㏈になります。
そのため強電界地域であれば、室内設置で安定した受信を実現できる他、屋外のベランダ、壁面などへの取り付けにも適しております。なお実売価格は、5,000円から8,000円前後です。
(US210-P・メーカー公式ページ)
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?id=2303&category=113&page=1
・サン電子「SDA-5-1/SDA-5-2」
横長でやや平たい長方形が丸みを帯びたアンテナ本体部を、付属のスタンドや金具に取付できる屋外屋内兼用アンテナです。本体部の高さは8センチ程度、横幅は28センチ程度、奥行きが13センチ程度。スタンドに設置した場合は高さが11センチ程度です。
SDA-5-1は通常モデルで、動作利得は4㏈から5㏈。SDA-5-2がブースター内蔵モデルで電源部が付属し、ブースター性能を含めた総合利得が19㏈から26㏈になります。
どちらも水平偏波/垂直偏波およびオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、基本的には強電界地域用のモデルながら、SDA-5-2は、屋外取付であれば中電界地域にも対応できます。
このモデルも室内設置をはじめ、屋内のベランダや、別売りの木ネジを使用することで、屋内外の壁に設置することも可能となります。
また上記した同じくサン電子の室内アンテナと同じくカラーバリエーションが豊富で、両モデル共にそれぞれ「アイボリーホワイト(IW)」「セミグロスブラック(SK)」「アップルグリーン(AG)」「ブライトブラウン(BB)」の4色の本体色があるため、お好みの色合いを選ぶことができます。
なおSDA-5-1の家電店などにおける、新品の実売価格は3,000円台から6,000円台。SDA-5-2の実売価格は5,000円弱から7,000円台になります。
(SDA-5-1/SDA-5-2・メーカー公式ページ)
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-5-1-IW
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-5-2-IW
「設置場所の選択肢が最強!屋外屋内兼用デザインアンテナ」
これは、一般的には住宅の屋外、壁面やベランダの手すり部などに設置される、長方形で薄型の形状をもった「デザインアンテナ(平面アンテナ)」でも、ややコンパクトなモデルや、室内の窓際でも設置可能なスタンドなどが付属したモデルです。
デザイン性の高さや風雨にも強い頑丈さはもちろん、室内設置が難しい場合でも、屋外の壁面などにも取り付けられるため、現場で使用できる可能性が高くなります。
また本体のサイズはやや大きくなるものの、屋外用の一般的なデザインアンテナと受信性能に差がないモデルも存在するため、安定した受信感度も期待できます。
・マスプロ電工「スカイウォーリーミニ・U2SWLC3/U2SWLC3B」
「スカイウォーリー(Skywalley)」とは、マスプロ電工が販売するデザインアンテナ(平面アンテナ)のブランド名です。この「スカイウォーリーミニ(Skywalley-mini)」は、2023年時点で、業界最小のデザインアンテナです。
このモデルには、本体色がウォームホワイトの通常モデル「U2SWLC3」と、ブースター内蔵型「U2SWLC3B」およびそれぞれの本体色がブラックの「U2SWLC3(BK)」「U2SWLC3B(BK)」が存在します。
本体サイズは、縦幅360ミリ、横幅150ミリ。奥行きは上部から中央部までの三分の二程度が55ミリ、その下が99ミリです。重量は「U2SWLC3」で約1キロ、「U2SWLC3B」は約1.1キロです。
水平偏波専用のオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、コンパクトモデルであることから、受信性能は3素子から4素子相当となり、アンテナ出力レベル65dBμV以上にあたる強電界地域向けの簡易的な地デジアンテナモデルになります。
「U2SWLC3」の動作利得は3.2㏈から4.3㏈。「U2SWLC3B」のブースター性能込み総合利得は20㏈から26㏈になります。
スカイウォーリーミニは通常の屋外設置の他、室内への設置用に、専用の据置スタンドが付属しているため、窓際に据え置きできる他、室内の壁面へ固定することもできます。
またブースター内蔵型はもちろん、通常型でも外付けブースターに接続できるため、強電界地域であれば受信感度が比較的、安定しやすくなります。
スカイウォーリーミニの実売価格は、「U2SWLC3」で5,000円から7,000円台、「U2SWLC3B」では9,000円から11,000円台になります。
なお当あさひアンテナでは、スカイウォーリーミニ「U2SWLC3」「U2SWLC3(BK)」および、通常の20素子デザインアンテナとして、DXアンテナ社製「UAH201」をご用意しており、アンテナ本体と白黒二色の同軸ケーブル、基本設置具などをセットにした、デザインアンテナ基本設置工事を「20,000円(税込み)」からでご案内しております。
(U2SWLC3/U2SWLC3B・メーカー公式ページ、参考コラム)
https://www.maspro.co.jp/prod/u2swlc3/
https://www.maspro.co.jp/prod/u2swlc3b/
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・日本アンテナ「F-PLUSTYLE・UDF85/UDF85B」
このモデルは、日本アンテナによるデザインアンテナのブランド「F-PLUSTYLE(エフ・プラスタイル)」のうち、屋内と屋外での設置および、強電界地域から中電界地域対応の14素子相当デザインアンテナモデルであり、「UDF85」は通常モデル。「UDF85B」はブースター内蔵モデルになります。
両モデルには据え置き用のスタンドと壁面などへ設置用のマルチ金具が付属し、本体部のサイズは、縦の長さが約44センチ、横幅は約27センチ、奥行きが約7センチ弱。スタンドに設置した際の高さは約47センチ、奥行きは16センチ程度です。
本体色は淡いホワイトで、オールチャンネル(13chから52ch)対応型。屋外設置の場合は設置角度を変えて水平偏波、垂直偏波の双方に対応できますが、スタンドで室内設置の場合は水平偏波のみの対応になります。
14素子相当と、室内設置が可能なモデルの中では受信性能が高く、「UDF85」の動作利得は6.5㏈から8.5㏈。「UDF85B」のブースター利得を含む総合利得は23㏈から28㏈になります。また前後比(アンテナ全面での受信感度と背面での受信感度の差)に優れるため、住宅の壁面に反射した地デジ電波による受信不良が生じにくくなっております。
店頭などでの実売価格は、「UDF85」が5,500円から8,000円程度、「UDF85B」が7,500円から8,500円程度になります。
(UDF85/UDF85B・メーカー公式ページ)
https://www.nichian.net/shop/g/g2181216/
https://www.nichian.net/shop/g/g2181134/
・サン電子「FLAT:LINE・SDA-20シリーズ」
このシリーズは、サン電子のデザインアンテナブランド「FLAT:LINE(フラットライン)」シリーズのうち、屋外用の設置具と、室内据え置き用のスタンドが付属するモデルです。
20素子相当と、屋外設置でも十分な性能を発揮するモデルで、本体色はセミグロスブラック。本体の縦幅は約60センチ、横幅は約22センチ、厚さ約6センチのサイズです。また据え置きの場合のスタンドの奥行きは約18センチになります。
本モデルはオールチャンネル(13chから52ch)対応型で、通常モデルとブースター内蔵モデルに、それぞれ水平偏波専用、垂直偏波専用のモデルが別個に存在しますます。
通常モデルでは「SDA-20-1S-K」が水平偏波用。「SDA-20-3S-K」が垂直偏波用。ブースター内蔵モデルでは「SDA-20-2SA-K」が水平偏波用。「SDA-20-4SA-K」が垂直偏波用です。
動作利得では「SDA-20-1S-K」が7.8㏈から9.8㏈。「SDA-20-3S-K」が6.9㏈から9.1㏈。「SDA-20-2SA-K」のブースター利得含む総合利得が26㏈から34㏈。「SDA-20-4SA-K」の総合利得が25㏈から33㏈になります。
このモデルは、室内設置対応のモデルにしてはやや大型であるのが難点ですが、その分、モデルによって水平偏波と垂直偏波の双方に対応できる他、受信性能も高いため、各部屋への地デジ電波の分配も可能になる点が特徴と言えます。
(SDA-20シリーズ・メーカー公式ページ)
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-20-1S-K
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-20-3S-K
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-20-2SA-K
https://sun-ele.co.jp/products/detail?p=SDA-20-4SA-K
屋外用地デジアンテナの主な種類とは?
ここでは、本コラムの趣旨からはやや外れますが、これまでにも名称を挙げた、一般的な屋外設置用地デジアンテナの機種「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」について、簡単に概要を解説いたします。
各機種の詳細は、それぞれの項でご説明するコラムなどもご確認ください。
・八木式アンテナ
矢印のような骨組みに、素子に当たる短い横棒がいくつもついた、アナログ放送時代から使われる古典的なテレビアンテナモデルです。
設置位置は主に屋根の上のマストですが、住宅の壁面やベランダの内外への設置。小型モデルを軒先などから吊り下げ設置することもございます。
八木式アンテナはモデルによって8素子、14素子、20素子など素子数が豊富で、一ヵ所に複数の素子パーツを固定した高性能素子で、27素子、30素子などのモデルも存在する高性能機種「パラスタックアンテナ」も存在するため、強電界地域から弱電界地域まで、幅広いエリアに対応できます。
他にも設置位置の高さや指向性などから、同素子数モデルでも他の機種に比べ、受信感度や動作利得が高まりやすく、地デジアンテナ機種ではもっとも受信性能の高いモデルになります。
一方で設計のシンプルな古典的モデルであるため、地デジアンテナ機種ではアンテナ本体価格や設置費用がもっとも低価格になります。
一方で、その設置位置や形状から、住宅の外観や周辺の景観に悪影響を与えやすい。風雨や積雪、海沿いの潮風などの影響を受けやすく、経年劣化が進みやすくなり耐用年数(寿命)が短くなるという弱点もございます。
当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事に、DXアンテナ製の20素子高性能モデル「UA20」をご用意し、基本設置具である屋根馬やマスト、支線(ステー)や同軸ケーブル、防水処理をセットにして「15,000円(税込み)」からの基本工事費用でご案内しております。
他にも設置現場の条件に応じて、各素子数のモデルやパラスタックアンテナ。対候性の高いステンレスモデルや雪害用、塩害用モデルなどもご用意しております。
八木式アンテナの詳細については、以下の各コラム記事でもご説明しております
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介
・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!
・デザインアンテナ(平面アンテナ)
デザインアンテナは、デザイン性の高いテレビアンテナの総称としても用いられることがございますが、一般的には、上記した長方形の薄型である、地デジの「平面アンテナ」を指します。
八木式アンテナに続いて、2009年(平成21年)頃に普及した地デジアンテナの第二世代であり、主な設置位置は住宅の壁面やベランダの手すり部。また機種や現場の条件によっては、住宅の室内や屋根裏空間などへの設置も可能になります。
一般的な屋外設置モデルの受信性能は、主に20素子相当と26素子相当で、同モデルでもカラーバリエーションが豊富になります。大きさは縦に60センチ前後、横幅は20センチから25センチ程度。厚さは設置具を含めて十数センチ程度のモデルが多くなります。
デザインアンテナの特徴は、その形状と設置位置から、住宅のデザインにマッチし、外観や景観に悪影響を与えない点。さらに自然環境にも影響を受けにくく、耐用年数(寿命)が長くなる点です。
一方で、指向性や構造などから、同素子数でも八木式アンテナに比べて本体の受信性能はやや低く、さらに設置位置の低さから、受信感度が下がりやすくなります。
そのため基本的には強電界地域から中電界地域向けのモデルになり、該当する電界地域でも、高層建築の付近や住宅密集地などの環境では、受信レベルが確保できず設置できないケースもございます。
前述の通り、当あさひアンテナではデザインアンテナの基本設置工事として、DXアンテナの20素子相当モデル「UAH201」。またマスプロ電工のコンパクトモデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」をご用意し、アンテナ本体や基本設置具、同軸ケーブルなどをセットに「20,000円(税込み)」からの基本工事費用でご案内しております。
他にも、26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意し、現場の条件で可能な限り、デザインアンテナの設置にご対応いたします。
デザインアンテナについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!
・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
・ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは2017年(平成29年)、マスプロ電工が発売した独自モデル「U2CN」で、地デジアンテナの第三世代であり、2023年時点での最新機種です。
アンテナ本体の形状は、長さ約67センチ、直径は約14センチのほぼ円筒形で、カバーに隠された下部のマスト接続部により、マストの先に立てて設置され、非常にスタイリッシュな外観となります。
設置位置は屋根の上のマストや、破風板(屋根の張り出し部)や壁面の高い位置など、基本的に屋根の上と同等の高所です。
ユニコーンアンテナは、旧来の地デジアンテナ機種の、メリットの融合を目指したモデルです。
その特徴は、スタイリッシュな形状で住宅の外観や景観に悪影響を与えにくい。雨風や雪などを受け流せる形状で、経年劣化が進みにくく耐用年数(寿命)が長くなる。
さらに受信性能は20素子相当で、基本的には強電界地域から中電界地域向けのモデルながら、設置位置が高いため、周辺の障害物などに影響を受けにくく、受信感度が高まりやすくなります。
そのため上記のように周辺環境からデザインアンテナの使用が難しい現場でも、ユニコーンアンテナであれば設置できるケースが多くなります。
一方、ユニコーンアンテナの弱点は、指向性や構造などから、20素子からそれ以上の八木式アンテナには及ばない点であり、弱電界地域では使用できないケースが出てまいります。
他にも現時点での最新モデルであるため、地デジアンテナ機種の中では、本体価格や設置費用がもっとも高額になります。
当あさひアンテナでは現在、アンテナ本体や設置具などの基本部材費を含めたユニコーンアンテナの基本設置工事を、業界最安に挑戦する「キャンペーン価格」でご案内しております。詳しくは弊社フリーダイヤルやメールフォーム、LINEまでお問い合わせください。
ユニコーンアンテナに関しては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
地デジアンテナの屋根裏・天井裏設置とは?
室内据え置きを前提とした室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナを使用する他に、屋外設置用の地デジアンテナを、屋内空間に設置する方法もございます。
具体的には、20素子や26素子のデザインアンテナ(平面アンテナ)を住宅の屋根裏空間や天井裏空間(上階と下階の間)に設置するという方法です。
この設置方法の特徴は、通常の屋外設置に比べて、住宅の外観、および外壁の加工など外装にもまったく影響を与えない。またアンテナ本体も風雨などに影響されなくなり、経年劣化を大きく軽減できて耐用年数(寿命)が伸びるという点がメリットになります。
一方でこの設置方法が可能となる条件は、やや厳しい面がございます。
屋根裏空間などに地デジアンテナを設置できる条件は、まず現場が屋根裏などの空間でも、屋根や壁を透過した地デジ電波で十分なレベルを確保できる強電界地域であること。
また住宅の建材や屋根材、断熱材などに、電波を反射しやすい金属素材などが使用されていない。また同じように屋根の上で電波を反射、吸収する太陽光パネルや、冬場の積雪などがないといった点も重要になります。
またデザインアンテナの設置作業に必要となる、屋根裏空間などの中に、約1メートル四方の空間がある点。そして作業を行う者が機材を持って屋根裏空間に出入りできる、屋根裏などへの点検口がある点も必須となります。
なお屋根裏空間などへ設置される地デジアンテナ機種は、コンパクトな形状で設置作業が行いやすく、指向性の広さから角度調整も行いやすい。また一般的な設置位置が住宅の外壁であるため、屋根裏空間であれば、より高さを確保できて受信感度が高まるケースもある、デザインアンテナが基本的に使用されます。
なお、デザインアンテナより受信感度が高い八木式アンテナの場合は、20素子相当モデルで、本体の奥行きが1メートル以上。縦幅は50センチ強、横幅も30センチ強と大型になり、搬入や設置スペースの確保が難しい。指向性が高いため屋根裏空間での角度調整も難しくなる。また設置具の費用も加算されるため、設置費用の総額がデザインアンテナと変わらなくなるなど、困難さに比べてメリットが少なくなります。
そのため、電波レベルなどから屋根裏へのデザインアンテナ設置が難しい現場で、八木式アンテナであれば受信感度を確保できて、取り付けできる条件も揃っているなど、さまざまな条件が整った現場でない限り、屋根裏空間への設置に八木式アンテナが採用されることは少なくなります。
また最新モデルであるユニコーンアンテナについては、高所への設置を前提として受信性能が高くなり、その形状から対候性や外観性が高くなる。また他の機種に比べて本体価格が高額。受信面積が狭いなどの点から、屋根裏空間へ設置するメリットが少なくなるため、屋内設置に使用されることはございません。
なお屋根裏空間、天井裏空間などへのデザインアンテナ設置工事を、アンテナ工事業者に依頼した場合、業者によってはデザインアンテナの基本設置工事費に、特殊作業費などの追加工事費が加算されるケースもございます。
しかし当あさひアンテナでは、屋根裏へのデザインアンテナ設置も、通常のデザインアンテナ設置の基本工事費用と同じ、DXアンテナ製の20素子相当デザインアンテナ「UAH201」本体と設置具、ケーブルなどの基本部材をセットにして「20,000円(税込み)」からの工事費用でご案内しております。
また地デジアンテナの屋根裏空間、天井裏空間などへの設置については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?
・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説
衛星放送用のBS/CSアンテナは室内に設置できるか?
ここでは地デジアンテナではなく、衛星放送を受信するためのBS/CSアンテナを室内に設置できるか、室内用の機種などは存在するか、といった点についてご説明してまいります。
まずは住宅の屋内で衛星放送の電波を受信できる可能性についてご理解いただくため、衛星放送、およびBS/CSアンテナの基礎知識を解説してまいります。
衛星放送の仕組みとその電波とは?
そもそも衛星放送とはその名の通り、地球の上空、赤道軌道上、約35,786キロにあたる宇宙空間で、地球の自転に合わせて周回しているため、地上から見れば、常に上空の一点に静止しているように見える人工衛星「静止衛星」から、地球上の広範囲にテレビなどの電波を送信する放送になります。
衛星放送の特徴は、一基の人工衛星から効率的に、地上の広範囲へと大容量の放送電波を送信できる点。そして地上の地形や障害物、災害などにほとんど影響を受けず、日本全国などの広い範囲に、ほぼ同レベルの電波を安定して送信できるという点です。
現在の日本では、衛星放送としてBS放送、CS放送の二種類がよく知られております。この二種類の放送の違いは、使用される静止衛星が、BS放送が衛星放送専用の「Broadcasting Satellite(放送衛星)」であるのに対し、CS放送は無線通信を目的とする「communications satellite(通信衛星)」になるという点です。
現在はBS放送の放送衛星、CS放送の主なサービスである110度CS放送(スカパー!)の通信衛星とも、同じく東経110度に位置する静止衛星を使用しているため、一基のBS/CSアンテナで双方とも受信可能になります。
このBS放送やCS放送の静止衛星から送信される電波は、地デジ電波よりも周波数帯が高い「マイクロ波」のうち「センチメートル波(SHF波)」が使用されております。
具体的にはSHF波の中でも12GHz(ギガヘルツ)前後の電波になるため、衛星放送の電波は「12GHz帯」とも呼ばれます。GHzはMHzと同じく周波数帯の単位で、1GHzは1秒間に10億回の波長を描くことを示します。
衛星放送の電波(12GHz帯)が、地デジ電波よりも非常に周波数帯が高いことはお分かりになると思います。12GHz帯の電波は、その波長の幅は25ミリ程度ですが、このように波長が短い(周波数帯が高い)電波は、性質が光に近くなり、直進性が非常に高くなって遠くまで届きやすくなります。
そのため、静止衛星からの長距離を送信される衛星放送の電波に適しており、衛星放送の12GHz帯の電波は、静止衛星から日本全域を照らし出すような形で、照射されていることになります。
このため衛星放送は、日本国内であれば、地デジ放送の電界地域のように地域による電波レベルの変動がほとんどなく、地上の障害物にも影響を受けにくくなり、BS/CSアンテナの設置により、国内のどこでも安定した受信が可能になるのです。
ただ衛星放送の電波も完全ではなく、いくつかの弱点もございます。
衛星放送では、静止衛星から直進して地上まで送信される12GHz帯の電波を、BS/CSアンテナを静止衛星が位置する東経110度の方向へと正確に向けることで、受信できることになります。
そして12GHz帯の電波は、光のように直進性が強い半面、光がものに当たると影ができるように、障害物にぶつかるとその時点で遮られやすくなり、波長の短さから地デジ電波に比べて、障害物を乗り越えて向こう側へと回り込む力が非常に弱くなります。
したがって、静止衛星から東経110度を向けたBS/CSアンテナまでを結ぶ、12GHz帯の電波の経路である直線状の空間に、山地や高層建築などはもちろん、樹木や枝葉、電柱や電線、また洗濯物など、ささいな障害物があるだけでも、電波が遮られてしまい、衛星放送の受信不良が生じてまいります。
そのためBS/CSアンテナを設置する際には、アンテナを向ける東経110度(南西)の方向に、12GHz帯の電波を遮る障害物がまったく存在しないということが、必須の条件となります。
他にも、12GHz帯の電波は波長が25ミリ前後と短いため、豪雨や降雪などで、雨や雪の粒が25ミリに近くなると、空間で12GHz帯の電波が遮られ、乱反射なども発生して、BS/CSアンテナで受信できる電波レベルが大きく低下して、衛星放送の受信障害が発生することもございます。
これは衛星放送の「降雨減衰」「降雪減衰」と呼ばれる現象で、受信性能の高い大型のBS/CSアンテナを使うことで抑えることもできますが、基本的には天候の回復を待つ以外の対処はございません。
また日本国内でも、衛星からの距離が遠くなる日本国内の北部や南端部、離島部などでは、12GHz帯の電波が距離によって減衰し、受信できる電波レベルがやや低下することもございます。そのためこのようなエリアでも、やはりやや大型のBS/CSアンテナが必要になるケースもございます、
なお衛星放送や、12GHz帯の電波の特性などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
BS/CSアンテナの特性と設置の方法とは?
上記した、衛星放送の静止衛星から送信される12GHz帯の電波は、地デジ電波とは周波数や方向などをはじめ、まったく性質が異なるため、受信するアンテナも地デジアンテナとは異なる、専用のBS/CSアンテナが必要となります。
そしてBS/CSアンテナは、アウトドア用や車載用などの特殊なモデルを除き、戸建て住宅などに設置されるモデルは、パラボラアンテナの一種類のみになります。
衛星放送用のパラボラアンテナは、静止衛星からの電波を受け止めて反射させる皿状の円盤「放物面反射器」または「ディッシュ」と、ディッシュに反射して集まった電波を受け止めて集める一次放射器と一体化して、受信した電波の周波数帯を変換する「コンバーター」。またそのコンバーターを支えるアームや、アンテナの取り付け部などから構成されます。
一時放射器に集まった12GHz帯の電波は周波数帯の高さから、そのままケーブルで送信すると減衰量が大きくなってしまうため、コンバーターにより、ケーブルでの送信に適したMHz帯の周波数帯に変換されてから、ケーブルへと送信されます。
その後、衛星放送の電波は、混合器や混合ブースターなどにより、地デジアンテナからの地デジ電波と一本のケーブルにまとめられ、アンテナ配線部にて、必要に応じてブースターによる電波レベルの増幅。分配器による複数のケーブルへの分配などを経て、住宅内の各部屋に設置されたテレビなど受信機器の地デジ、BS/CSチューナーに届いて、地デジ放送や衛星放送を視聴できることになります。
なおBS/CSアンテナは、どの機種であってもコンバーターを作動させるために、アンテナ配線部のブースター電源部や、テレビなど受信機器のチューナー端子から、電源の供給が必要となります。
衛星放送用パラボラアンテナの種類としては、前述の通り、静止衛星が東経110度に位置するBS放送、および110度CS放送を受信できて、新4K8K衛星放送にも対応できる2K4K8K対応BS/CSアンテナが主流になります。
他にも国内の衛星放送用アンテナには、CS放送のその他のサービスである124度/128度CS放送に対応できるプレミアムサービス専用アンテナ。BS放送と110度、124度、128度すべてのCS放送を受信できるマルチアンテナ。CS放送のみに対応するCSアンテナ。また新4K8K衛星放送がスタートする2018年(平成30年)以前に使用されていた、新4K8K衛星放送に対応しない2K対応BS/CSアンテナなどが存在します。
ここでは現在の主な機種である2K4K8K対応BS/CSアンテナを前提にお話ししますが、一般家庭用に使用されるBS/CSアンテナは、ディッシュ部の直径が約45センチである45型であり、本体色は太陽光に強い白色系が主流となります。
家庭用の45型BS/CSアンテナは、メーカーやモデルなどは違っても、パラボラアンテナとしての基本的な構造は同じであるため、どのモデルも受信性能に大きな違いは生じません。
ただディッシュのサイズには50型、65型、70型、90型、120型などのモデルもあり、ディッシュが大きいほど受け止められる電波の量が多くなり、受信性能が高まります。
ディッシュが大型のモデルは、基本的にはアパートやマンションなど、集合住宅の規模に応じた共同受信用に使用されますが、戸建て住宅でも、前述した降雨減衰、降雪減衰への対策や、12GHz帯の電波が弱まるエリアで、やや大型のモデルが使用されることもございます。
その他、太陽光に強い塗料を使用したカラーバリエーションや、パンチングホール仕様のディッシュや各接合部の強化で、耐風性能を高めた高耐風モデルのBS/CSアンテナなども存在します。
戸建て住宅などにおけるBS/CSアンテナ設置の方法としては、住宅の屋外でも、アンテナのディッシュを東経110度に向けることができ、その方向に電波を遮る障害物がない位置を選んで設置されます。
またBS/CSアンテナの場合、東経110度の方向へとミリ単位の正確さでディッシュを向ける必要があり、この角度調整がわずかでも狂うと、受信感度が大きく低下するため注意が必要です。
住宅内でのBS/CSアンテナの主な設置位置は、地デジアンテナと同じマストなどに設置でき、障害物の影響が受けにくく、角度調整が行いやすい屋根の上などの高所が選ばれることが多くなります。
ただ衛星放送の場合、地上における数メートル単位の高低差は、受信感度にほとんど影響しないため、角度調整や障害物がないといった条件が揃った位置であれば、住宅の壁面やベランダ内外など、さまざまな場所への設置が可能です。
ただ上記の通り、波長が短く光のような性質を持つ12GHz帯の電波は、障害物にぶつかると遮られてしまう性質があるため、地デジ電波と異なり、住宅の屋根や壁に遮られて、屋内に届くことはございません。したがって室内用のBS/CSアンテナというものも、基本的には存在しません。
ただ唯一の例外として、住宅の室内でも、透明性、透過性の高い窓ガラスであれば、光に近い性質をもつ12GHz帯の電波も、多少の減衰が生じるだけでほとんど通り抜けることができるため、住宅の室内でも、窓際にBS/CSアンテナを据え置き設置できるケースがございます。
なお衛星放送の各種類に対応できるBS/CSアンテナについては、以下の各コラム記事でも詳しく説明しております。
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
BS/CSアンテナを室内に設置する方法と条件とは?
ここでは、実際にBS/CSアンテナを室内に設置する方法と、可能となる条件について解説します。
前述の通り、静止衛星から送信される12GHz帯の電波は、性質が光に近く遮蔽物に弱いため、住宅などの屋内には届きません。しかし唯一、透明ガラスの窓であれば、ガラスを透過して屋内に電波が届くため、窓際にBS/CSアンテナを設置して衛星放送の受信が可能になるケースがございます。
この12GHz帯の電波が受信できる窓の条件は、BS/CSアンテナ設置の場合と同じく、窓が東経110度の方向を向いており、その方向に電波を遮断する障害物がないという点です。
該当する窓の目安としては、南西方向に向いた窓であり、午後2時から3時にかけての間、その窓から室内に直射日光が差し込む。より正確には、三月の春分の日、九月の秋分の日の午後2時に日の差し込む窓であれば、確実と言えます。
前述のように12GHz帯の電波は光に近い性質を持つため、この時間の日光が遮られることなく室内に差し込むということは、東経110度に位置する静止衛星からの電波も、障害物に遮られることなく、同じように差し込んでいることになります。
また窓の形状や、ガラスの素材も重要です。まず上記の時刻に差し込んだ日光が、窓際に置いた45型BS/CSアンテナのディッシュ部全面を照らす程度の、窓の大きさが必要となります。
ディッシュ全体が照らされるということは、全体に12GHz帯の電波が照射されるということになります。逆に窓枠などがあり、ディッシュに影が落ちる場合は、その分、受け止められる電波も少なくなり、十分な電波レベルが受信できないことも考えられますので、ご注意ください。
また窓の素材は、シンプルな透明で一枚板のフロートガラスである必要もございます。網などの金属素材が混ざっている。また色付きや表面の凹凸などの模様付き。複層ガラスなどの場合は、ガラスで12GHz帯の電波が遮断される。また屈折、散乱してBS/CSアンテナで受信できないといった問題が出るため、室内での受信は不可能になるか、受信の際には窓を開ける必要が出てまいります。
このような条件の整った窓がある部屋で、BS/CSアンテナの室内設置を行うために必要な機材は、まず45型のBS/CSアンテナ本体と、アンテナを立てて据え置きできる専用のアンテナスタンドになります。
なおこのふたつの品については、アンテナのマスト固定部と、アンテナスタンドのマスト径(マストの太さ)が対応するかを確認することが重要です。
あとは室内のテレビと接続するための同軸ケーブルや、作業に必要なスパナなどの工具類も必要ですが、これらはアンテナ本体に付属することもございます。
アンテナ本体は室内に設置されるため、基本的には高耐風モデルなどの製品は必要なく、通常の45型で十分です。またアンテナ本体とスタンドなどがセットになった据え置きキットなどもございます。
一方で室内設置の場合は、BS/CSアンテナと不必要な屋外用の設置具などがセットになった製品を購入しないよう注意する必要もございます。
設置の方法は、BS/CSアンテナをスタンドの先に固定する形で組み立て、12GHz帯の電波が届く窓際に据え置く。そして同軸ケーブルを、室内のテレビなど受信機器のBS/CSチューナーと接続します。
なお窓際にBS/CSアンテナを配置できる空間として、高さは1メートル程度、スタンド据え置き部として50センチ四方程度のスペースが必要となります。
そして受信機器側で設定画面から「BSアンテナ電源設置」などの画面を表示し、設定を「オン」にして、BS/CSアンテナのコンバーターに電源を供給します。
次にやはりテレビの設定画面で「BSアンテナレベル」など、BS放送の受信レベルを表示する画面を表示し、画面上のBS受信レベルを確認しつつ、設置されたBS/CSアンテナを正確に東経110度への角度に向け、受信レベルが最大になるよう、仰角(上下角)、方位角(左右角)とも、ミリ単位での正確な角度調整を行います。
なおこの際、アンテナの角度をわずかにずらした後、テレビのアンテナレベル画面側で、その受信レベルが反映されるまでに、数秒のタイムラグが生じますのでご注意ください。また1,000円台程度で、ケーブルに接続する形の簡易的な「アンテナレベルチェッカー」もあり、このような商品を使えば、角度調整による受信レベルの変化がすぐに反映されるため、ご利用になるのもよろしいでしょう。
受信レベルが最大になる角度を特定できれば、そのままアンテナを動かさないように据え置きして、BS/CSアンテナの室内設置は完了です。
BS/CSアンテナを室内に設置するメリットは、住宅の外観に影響を与えず、アンテナ本体も風雨などによる劣化を避けられる。またDIYでの設置も比較的、簡単で、業者に依頼する必要がなく、工事費用を抑えられるなどの点になります。
しかし反面、基本的にBS/CSアンテナを据え置きした部屋でしか衛星放送を視聴できず、ブースター、分配器などを用いて、住宅内の各部屋に衛星放送の電波を送るような工事は難しい。
またBS/CSアンテナが室内の空間を圧迫してしまう。アンテナを据え置きするだけなので、アンテナに触れることで角度が狂い、再調整が必要になるなどのデメリットもございます。
このようなデメリットが気になる場合には、アンテナ工事業者にご依頼の上、住宅の屋外など適切な場所にBS/CSアンテナ設置を行う工事をおすすめいたします。
なお当あさひアンテナでは、戸建て住宅におけるBS/CSアンテナ設置工事について、DXアンテナ製の45型、2K4K8K対応の高品質モデル「BC45AS」をご用意し、地デジアンテナ各機種とのセット設置であれば、BS/CSアンテナ本体と設置具、ケーブルなど基本部材の価格込み「15,000円(税込み)」からでお引き受けいたしております。
その他にも、同じくDXアンテナ社製、45型の2K4K8K対応モデルながら、各接合部の強化やパンチングホール仕様のディッシュにより、業界最強クラスの耐風性能を誇る高耐風モデル「BC453SG」もご用意しており、通常モデルと同じ設置工事を「特別価格」でお引き受けいたします。
またブラックのカラーバリエーションモデル。各ディッシュサイズのBS/CSアンテナも取り揃えており、お住まいの外観性の重視。降雨減衰や降雪減衰、衛星放送の電波がやや弱いエリア。マンションなど集合住宅向けのBS/CSアンテナ設置など、さまざまな現場にご対応が可能です。
なおBS/CSアンテナの屋内設置や、ベランダなどへDIY設置する方法などの、詳しい手順については、以下の各コラム記事にてご説明しておりますので、よろしければご参照ください。
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ取り付けを自分でDIY工事する方法とは? 設置の注意点、費用についても解説(基礎知識編)
・地デジや衛星放送(BS放送、CS放送)用テレビアンテナを自分で取り付ける方法とは? 設置工事を進めるポイントと注意点をすべて解説(実践編)
・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・地デジ放送、衛星放送用のテレビアンテナ室内設置工事に用いる地デジ、BS/CSアンテナ機種の選び方と、必要な費用とは?
アウトドア用のBS/CSアンテナを室内用アンテナに使用できる?
上記の通り、BS/CSアンテナはパラポラアンテナだけではなく、数は少ないながら、キャンプなどのアウトドア用で、ポータブルテレビと接続してその場に設置することで衛星放送を受信できる、ポータブル用のボックス型などの機種もございます。
このような機種を住宅用のBS/CSアンテナとして使用することも、不可能ではございません。ただ実際のご使用には、いくつかの難点もございます。
まずこのような機種は、本体価格が5万円前後と、通常のBS/CSアンテナ本体価格および、その設置工事費用に比べても高額になる点があげられます。
また完全な室内設置は難しく、庭先やベランダなどに置いて、ケーブルを屋内に引き込む形になりますが、設置する現場の環境などにより、確実に衛星放送の電波を受信できるとは限らない。やや古いモデルであるため、新4K8K衛星放送(4K8K)に対応していないなどのデメリットも存在します。
総じて、アウトドア用に購入された機種を、日常でも簡易的にお使いになる場合などを除き、ご家庭用のBS/CSアンテナとしてのご使用は。あまりおすすめできません。
室内設置に適したBS/CSアンテナの商品とは?
・DXアンテナ「BS/CSアンテナ展示用自立スタンド・MHF-500」
これは、直径35センチの円形の台座の中心に、高さ65センチ。マスト径38.1センチのマストが直立した、45形以下のBS/CSアンテナに対応する自立スタンドです。
全体は黒色の塗装で、展示用とありますが、もちろん室内設置にも対応できます。組み立てやBS/CSアンテナの設置も簡単で、室内設置にも適したモデルです。
インターネットショップなどの実売価格は5,000円から6,000円程度ですが、同社の高品質2K4K8K対応BS/CSアンテナで、MHF-500への取り付けにも対応する「BC45AS」や、加工済みですぐテレビなどに接続できるケーブルがセットになった商品も、18,000円から20,000円台程度で販売されていることもございますので、このような品をお選びになるのもよろしいでしょう。
(MHF-500・メーカー公式サイト)
https://dxantenna-product.dga.jp/detail.html?category=&page=1&id=2077
・INBYTE「フラット型ポータブル BS/110度CSアンテナセット・SELFSAT OUTDOOR J05TK」
「INBYTE(インバイト)」社は、東京都港区に本社を置き、車載用カメラやドライブレコーダーなど、主にカーエレクトロニクス製品を開発、販売する会社です。
同社が販売する、主に車載用の地デジ、BS/CSアンテナの製品が「SELFSAT」シリーズで、中でもポータブルBS/CSアンテナセットが、この「SELFSAT OUTDOOR J05TK」になります。
この機種は、横幅が約51センチ、高さが約28センチ、奥行きが約12センチのフラットアンテナ本体と専用ケース、同軸ケーブル、角度調整用コンパス、設置具などがセットになった製品です。
ヨーロッパで特許を取得した独自のフラットアンテナは、平面全体で12GHz帯の電波を受信するため、乱反射による損失が発生せず、従来のパラボラアンテナに比べて、約20パーセント受信効率が向上しております。
また本体背面には、0から99の範囲で受信レベルを表示するほか、受信可能な状態も指標灯で表示されるセグメントLEDがついているため、設置や角度調整も行いやすくなります。
デメリットとしては、実売価格が40,000円から50,000円強とやや高価であること。また少し古いモデルであるため、右旋円偏波(従来の2K衛星放送とBS放送でもNHK、広域民放の4Kチャンネル)に対応するのみで、左旋円偏波(その他の大半の4K8Kチャンネル)には対応していない点です。
そのため、やはり主な用途はアウトドア用となり、ご自宅用のBS/CSアンテナとしては、ベランダなどに設置しての簡易的な使用が適していると言えます。
「SELFSAT」シリーズには、他にも地デジとBS/CSアンテナのオールインワンタイプや、それぞれのテレビ電波の方向を追尾するオートサーチ機能付きなどの高性能モデルも存在しますが、このようなモデルは100,000円以上など高額な商品となるため、やはりキャンピングカーへの車載用などが主な用途になります。
(SELFSAT OUTDOOR J05TK・メーカー公式サイト)
https://www.inbyte.jp/j07s.php
室内設置できるテレビアンテナ・まとめ
室内アンテナをはじめ、室内で使用できる地デジTVアンテナ、また屋内空間への設置には、さまざまなメリットがございます。
ただその一方で、基本的に地デジ電波レベルが強いエリアでしか使用できず、室内アンテナによっては受信レベルが安定しないこともあるなどもデメリットもあり、場合によっては、せっかく購入した室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナなどが、現場で十分な地デジ電波を受信できず、使用できないといったケースも考えられます。
このような事態を避けるためには、あらかじめ現場の電界地域や、付近の地デジ電波塔の方向。また現場から電波塔が視認できるかなどの、地デジ電波環境、周辺環境を確認することが重要です。
もしご自宅で、各種地デジアンテナの室内設置をお考えで、現場で必要な地デジ受信レベルを確保できるかどうかわからない場合には、当あさひアンテナにご相談いただければ幸いです。
弊社では、高性能アンテナチェッカーを用いた現地での地デジ電波調査や、アンテナ工事のお見積りを、出張料やキャンセル料など各種料金もすべて無料の「完全無料」で実施しております。
なおアンテナ工事業者による電波調査、見積もりについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説
現場での電波調査にあたっては、お住まいの各位置、各部屋などの綿密な電波調査に基づいて、安定した地デジ受信が可能となる地デジアンテナ機種や設置の工法を割り出します。
もちろん室内アンテナ、屋外屋内兼用アンテナをご希望のお客様に対しても、現場の電波状態を確認の上、室内用のアンテナが使用可能であるか、適した機種などをご説明いたします。
また弊社でも、室内アンテナでは本文でご紹介したうち、DXアンテナ製の「US120A」「US120AW」や「US10KB」「US10WB」。屋外屋内兼用アンテナでは、やはりDXアンテナ製「US210-P」。マスプロ電工製のスカイウォーリーミニ「U2SWLC3」「U2SWLC3(BK)」など、室内設置が可能な高性能アンテナをご用意し、業者ならではの、メーカーからの直接大量買い付けによるスケールメリットを生かした低価格でご提供しております。
またBS/CSアンテナの室内設置についても、アンテナ本体ではDXアンテナ製の高性能45形2K4K8K対応モデル「BC453S」などのモデルに、上記の自立スタンド「MHF-500」もご用意しているため、現場の条件で可能な限りご対応できます。
もし現場の条件などから、室内での地デジ受信が難しい場合でも、現場の条件などから、上記した各種アンテナ機種の屋外設置、また屋外屋内兼用アンテナをベランダなど室外へと配置する、その他、お客様のご要望に可能な限り近い地デジアンテナ機種、設置工法をご提案いたします。
アンテナ工事に関しては、ご要望があれば、お見積もりからの即日工事も可能です。
施工に際しては、完全自社施工で、豊かな経験と専門の知識、技術を持つ弊社社員のアンテナ職人が、安定した受信性能や設置の頑丈さはもちろん、弊社モットー「見えないところも綺麗に」に基づき、アンテナ本体設置から、目につかない屋根裏空間などへの配線、機材の設置などに関しても、全般にわたって丁寧な施工を実施いたします。
さらに工事の完了後も、業界最長クラスのアフターフォロー体制、工事完了日から「10年間」の長期保証をご用意しており、末永くご安心いただけます。
室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの使用、各種テレビアンテナの屋内設置をはじめ、あらゆるアンテナ工事についてのご相談は、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル。またメールフォーム、LINEまで、どうかお気軽にお寄せくださいませ。