地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!

2023年10月30日

あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談
2023年(令和5年)現在、ほとんどのご家庭では、日常的に地デジ放送(地上デジタル放送)で、さまざまなテレビ番組をお楽しみになっていることでしょう。

現在では地デジ放送や衛星放送の各チャンネルをご覧になる方法には、ケーブルテレビ(CATV)や光テレビなどの方法もございますが、持ち家であるマイホームをお持ちの方にとっては、やはりいったん設置すれば、10年以上にわたって無料(NHK受信料を除く)で安定して地デジ放送を視聴できる、地デジアンテナ(UHFアンテナ)の設置が、コストパフォーマンスも高くお得と言えます。

ただ、地デジアンテナの設置に当たっては、やはり安定した地デジ電波の受信を実現できるアンテナ機種や設置位置を選択することが重要となります。
ご自宅に地デジアンテナの設置や、古くなったUHFアンテナの交換をお考えの方には、インターネットなどでテレビアンテナの各モデルを調べ、その受信性能をはじめ、外観性などの各種性能を比較、検討されている方も多いのではないでしょうか。

地デジアンテナの受信性能を左右するのは、やはり「素子数(相当)」など、アンテナ本体が備える基本的な受信性能になります。ただその他にも、ご自宅の受信環境に合わせた設置位置も、地デジ受信の安定性に大きく影響します。
そして地デジアンテナの素子数など、基本的な受信性能はカタログやスペック、また公式サイトに表示される情報などでチェックできます。

ただアンテナメーカーの公式サイトなどで、同メーカーの各種アンテナモデルを比較していると、一見、素子数など性能がまったく同じモデルでも「オールチャンネルアンテナ」「ローチャンネルアンテナ」などの違いがあることに気づかれることもあると存じます。
このオールチャンネルアンテナ、ローチャンネルアンテナは、基本的な構造には、ほとんど違いはございません。ただそれぞれには受信できるチャンネル帯が異なり、適したエリアで使用することにより、受信性能を高めることができるのです。

特に受信できる地デジ電波レベルが弱いエリアでは、オールチャンネルアンテナ、ローチャンネルアンテナの使い分けも、地デジ電波の受信感度を高め、受信感度の悪さを改善する可能性が高まる重要なポイントになってまいります。

当コラムでは、このオールチャンネルアンテナ、ローチャンネルアンテナなどのアンテナ機種の、それぞれの違いや特性、適した用途をはじめ、地デジアンテナの各機種、モデルについて、素子数(相当)などの基本スペック以外で、受信性能を判断するポイントをご説明してまいります。

当コラムをお読みいただければ、地デジアンテナ個々のモデルについて、素子数だけでない、個々のモデルの正確な受信性能を見極めるポイントをご理解いただけることでしょう。

地上デジタル放送と地デジ電波の性質について

現在の地デジ放送では、すべてのチャンネルを、比較的、周波数帯の高い電波であるUHF波(極超短波)のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯を使用しております。MHz(メガヘルツ)とは、波長を描きながら空間を伝わる電気的エネルギーである電波の、波長の数を示す単位であり、1MHzは1秒間に約100万回の波長を描くことを示しております。

そして電波は周波数帯が高い(一秒間に描かれる波長が多い)ほど、波長の幅が短くなり、地デジ電波の波長の長さは40センチから60センチ程度になっております。

地デジアンテナの受信性能をご理解いただくために、まずは以下の項目で地デジ放送および、地デジ電波の性質について、主に受信レベルに関係する点について解説しておきます。

地デジ電波の性質1:電界地域の存在。

日本の地デジ放送では、日本国内でも地デジ放送の内容が異なる広域圏ごとに、例えば関東広域圏では、東京都墨田区押上に位置する東京スカイツリーのように、広範なエリアに地デジ電波を送信する大型の電波塔、送信所(親局、基幹局)が設置されております。
さらに送信所の周辺で、送信所からの地デジ電波が直接的に届きにくいエリアに、衛星のようにいくつも設置されて、送信所や他の中継局から届く地デジ電波を受信して、電波塔内で増幅して周辺エリアに送信し直す、中継局(サテライト局)も要所に点在しております。

このように送信所を中心に、数多くの中継局を利用して、リレー形式で広域圏内の隅々まで地デジ電波を送信することにより、日本国内の全域で見ても、大半のエリアに地デジ電波を行きわたらせています。

地デジ放送は電波塔を用いて、地上の空間に電波を送信することから、地デジ放送、またそれ以前のアナログテレビ放送は「地上波放送(地上波テレビ放送)」と呼ばれます。この呼称は、宇宙空間の静止衛星を利用する衛星放送と対比したものです。

そして電波塔を用いる放送形式から、地デジ放送では、日本国内で地デジ電波が受信できるエリアでも、主に電波塔からの距離。また電波を遮ってしまう山地など地形の影響により、受信できる地デジ電波レベルが異なってまいります。
この日本国内で、電波塔からの距離や地形の影響により変化する、エリアごとのおおよその受信レベルにより、エリアを分類したものを「電界地域」と呼びます。

電界地域は学問的、法律的に正式に定義された分類ではないため、使われる場所により、分類や基準が異なる場合もございますが、主に電波強度を示す「㏈(デシベル)」の数値を基準に、「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の三種類に分類されます。

「強電界地域」とは、主に地デジ放送の電波塔を視認でき、電波を遮る山地などの障害物もほとんど存在しないエリアが該当し、受信できる地デジ電波レベルが80㏈以上のエリアを指します。
この強電界地域であれば、ほとんどのアンテナ機種や設置位置にも対応でき、現場の条件が整っていれば、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナの利用。また地デジアンテナの屋根裏空間などへの設置も可能となります。

「中電界地域」は、電波塔から見て主に強電界地域の周辺に当たり、受信できる地デジ電波レベルは80㏈から60㏈の範疇になるエリアを指します。
中電界地域も、安定した一定の地デジ電波レベルを受信できるため、主に屋外設置であれば、地デジアンテナ機種や設置の位置にも、ある程度の選択肢がございます。
ただ中電界地域になると、アンテナを設置する現場の周辺に立つ高層建築など、地デジ電波を遮りやすい周辺環境にも影響を受けやすくなりますので、注意が必要です。

「弱電界地域」は、中電界地域のさらに周辺エリアや、地形などの影響からやや地デジ電波が届きにくくなる地域に当たり、受信できる地デジ電波レベルが60㏈以下となるエリアを指します。
弱電界地域では、受信できる地デジ電波レベルが、地デジ放送を視聴するため必要最小限に近いレベルになり、電波を遮る周辺の障害物にもより影響を受けやすくなるため、受信性能の高い地デジアンテナ機種を、周辺の障害物などに影響されにくい、住宅の屋根の上など、できるだけ高い位置に設置する必要がございます。

また弱電界地域でも、受信できる地デジ電波レベルが50㏈から40㏈以下になり、通常の地デジアンテナでは、安定した受信が難しくなるエリアを「微弱電界地域」と呼ぶこともございます。
微弱電界地域と呼ばれるエリアは、基本的に該当する電波塔の受信範囲外にあたるため、安定した受信のためには、高性能素子を用いたパラスタックアンテナと呼ばれる、高性能型の地デジアンテナを高所に設置する必要が出てまいります。

これら各電界地域の他にも、日本国内には、山地や山間部、離島部などで、地デジ電波が遮断される。または電波塔からの距離が遠いなどで、地デジ電波がまったく受信できないエリアも存在します。
このようなエリアは、地デジ放送における「難視聴地域」と呼ばれ、基本的にはケーブルテレビ(CATV)を利用して地デジ放送を視聴する事になります。また微弱ながら地デジ電波が受信できる場合には、その地域で大型の共同受信用アンテナを設置し、各世帯に地デジ電波を送るケーブルを敷設する形で地デジ放送を視聴するというケースもございます。

日本各地に存在する送信所、中継局などすべての地デジ電波塔の位置、および各電波塔における電界地域を確認する方法には、インターネット上にて「A-PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイト内にある「地デジ放送エリアのめやす」ページにて調べるという方法がございます。
ただこの電界地域は、基本的に電波塔からの距離と、山地など大まかな地形の影響により、広範囲で受信できる電波レベルを割り出したものになります。

したがって後述する周辺の建築物などの影響。また気候、天候などの影響による地デジ電波レベルの変動も起こるため、場合によっては、各電界地域に含まれるエリアであっても、受信できる地デジ電波レベルが、上記した電界地域の基準を下回るケースもございます。
この電界地域は、あくまで電波塔の距離から見た、大まかな受信レベルのめやすと考えられるほうがよろしいでしょう。

地デジ電波の基本的な性質や、各電界地域については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

地デジ電波の性質2:周辺の建築物など遮蔽物に遮られやすい。

上記の通り地デジ電波は、電波塔から空間を伝わって各住宅などに設置された地デジアンテナに届くまでに、高層建築など電波を遮蔽する障害物に影響を受けやすいという性質がございます。
一定の波長の長さを持つ電波は、空間を伝わる際に、拡散、回折しやすい性質があり、地デジ電波も、高層ビルやマンションなど、地形に比べれば局地的で小規模な障害物にぶつかっても、その障害物を乗り越え、電波が広がるようにして障害物の向こう側に届く性質がございます。

ただこの性質も完全ではなく、特に現在の地デジ電波は波長の幅が40センチから60センチ程度とやや短いこともあり、高層ビルなどの障害物に地デジ電波が遮られた場合、その陰にあたる直近の一帯やビルの中心部などには電波が届きにくくなり、受信できる地デジ電波レベルが大きく低下します。

同じように、狭い間隔で戸建て住宅が数多く立ち並ぶ住宅密集地などでは、周辺に遮蔽物のない屋根の上では十分な地デジ電波レベルを受信できても、隣家との間が狭くなる壁面には地デジ電波が届きにくくなり、やはり受信できるレベルが大きく低下するため、特にデザインアンテナなど外壁に設置されるアンテナの利用が難しくなるケースもございます。

この遮蔽物の影響は、中電界地域から弱電界地域など、地デジ電波の受信レベルが低くなるエリアほど大きくなります。ただ強電界地域でも影響を受けないわけではなく、障害物のない位置に設置した地デジアンテナでは高い受信レベルを確保できるエリアでも、上記に該当する現場や位置では、安定した地デジ受信が難しいレベルにまで、地デジ電波レベルが低下してしまうこともございますので、なにとぞご注意ください。

地デジ電波の性質3:天候や気候にも電波レベルの影響を受ける。

電波、特に地デジ電波は地上の空間を伝わるものであるため、気候や天候にも影響を受けます。

一年を通した気候の変化では、冬場などで気温が低くなり、空気が収縮すると、地デジ電波をはじめとする電波が遠くまで届きやすくなります。この点は電波塔から遠いエリアでも地デジ電波の受信に有利となりますが、一方でノイズとなる無関係の電波も届きやすくなるという問題も出てまいりますので、注意が必要です。

逆に春から夏にかけて気温が上がると、空気が膨張するため電波が届く距離が短くなり、特に電波塔から遠くなるほど受信できる地デジ電波レベルが低くなってまいります。
このような一年を通した気候の影響により、各電界地域の同じ現場でも、受信できる地デジ電波のレベルには、年間で6㏈程度の変動が起こります。

さらに電波は水分に吸収されやすい性質があるため、降雨などの悪天候では、空間を伝わる地デジ電波が大きく減衰し、地デジアンテナで受信できる電波レベルが大きく低下いたします。

したがって受信環境がよい季節、天候の良い日に地デジアンテナを設置した時点では必要なレベルの地デジ電波レベルを確保できており、安定した受信が可能な場合でも、その後、季節、気候の変化や悪天候などの際に、受信できる地デジ電波レベルが低下し、地デジ放送の画面が乱れるといった不具合が生じるケースもございますので、どうかご注意ください。

地デジ電波の性質4:地デジ電波を受信しやすい地デジアンテナの設置位置とは?

上記した各電界地域でも特に受信できる電波レベルが弱いエリアや、周辺の建物など障害物の影響を受けやすい現場において、安定した地デジ受信を実現するためには、地デジアンテナ本体の受信性能はもちろんのこと、アンテナの設置場所も重要になります。

ちなみに一般的な戸建て住宅などでは、地デジアンテナによって受信した地デジ電波が、住宅内にあるテレビなど受信機器のチューナーに届いた時点で、34㏈以上から89㏈以下のレベルであれば、地デジ放送は問題なく映ります。

ただ上記の通り、地デジ電波レベルは気候や天候などの影響によっても変動するため、通常は屋内の受信機器に届く時点で、47㏈から81㏈、最低でも40㏈以上の地デジ電波レベルを確保できるよう調整されます。
この電波レベルの確保が弱いと、上記の天候などの影響で受信レベルが必要最低限を下回ってしまい、地デジ画面に乱れが生じるのです。

逆に強電界地域などで、受信機器に届いた時点の地デジ電波レベルが90㏈以上と、高すぎる場合もテレビ画面の乱れ、映らないなどのトラブルが発生することがございます。そのような場合には、受信できる地デジ電波レベルを調整するため、素子数の少ない地デジアンテナを設置する。配線部に電波レベルを適度に減衰させる「アッテネーター(減衰器)」を設置する。テレビなど受信機器がアッテネーター機能を持つ場合は、その機能を作動させるなどの対処が必要です。

基本的に戸建て住宅へと地デジアンテナを設置する場合、受信性能を重視する場合には、周辺の建築物など、地デジ電波の遮蔽物に影響を受けにくくなる、屋根の上などの高所が設置位置に選ばれます。
半面、屋根の上の設置では、特に機器部がむき出して受信性能が高くなりやすい八木式アンテナの場合、家の見た目や景観に悪影響を与えるケースもある他、風雨などの影響も受けやすく、アンテナの耐用年数(寿命)が低下し、トラブルが生じやすくなる問題もございます。

地デジアンテナは、デザインアンテナをはじめ、八木式アンテナでもサイドベースなどの設置具を使って住宅の壁面、ベランダの内外などに設置できることもございます。この方法では、地デジアンテナが目立たなくなり住宅の見た目や景観に影響しにくい。また風雨などの影響も避けやすく、アンテナの耐用年数(寿命)が長くなり、トラブルも生じにくくなるといったメリットが出てまいります。
半面、地デジアンテナの設置位置が低くなると、それだけ周辺の障害物や住宅などに影響されやすくなり、受信感度が下がりやすいというデメリットも出てまいりますのでご注意ください。

また強電界地域であれば、室内アンテナや屋外屋内兼用アンテナ、また主にデザインアンテナを屋根裏空間、天井裏空間に設置するといった方法で、地デジアンテナを屋内に設置することも可能になります。
特に屋根裏、天井裏への設置の場合には、住宅の外観や景観に影響しない。風雨などの影響もカットできてアンテナの経年劣化を大きく抑えられるため、耐用年数(寿命)が長くなるといったメリットもございます。

ただ地デジ電波は、住宅の屋根や壁面を透過して屋内に届く性質はあるものの、やはり電波を遮る周辺の建物などに影響を受けやすいほか、電波が建材を透過する際に、一定の電波レベルの減衰が生じる。また建材に金属素材などが使われている。ソーラーパネルや冬場の積雪など、住宅の奥内に電波が届きにくい環境の場合には、強電界地域でも屋内に地デジアンテナを設置できないケースがございますので、この点にもどうかご注意ください。

なお地デジアンテナを設置するにあたって、周辺環境の影響などを踏まえて現場に適した地デジアンテナ機種や設置位置の選択。また気候や天候などの影響による地デジ電波レベルの変動にも影響されず、安定した地デジ受信を実現するためには、事前の綿密な電波調査が重要となります。

当あさひアンテナでは、地デジ、BS/CSなど各種アンテナを設置する現場での電波調査とアンテナ工事のお見積もりを、出張費、工事の本契約に至らなかった場合のキャンセル費などの各種費用をすべて含めた「完全無料」でお引き受けしております。

電波調査においては、同じ住宅内でも、屋根の上や壁面をはじめ、お住まいの各位置や部屋ごとに綿密な電波調査を行い、お住まいにおいて最適となるアンテナ機種、設置位置の中から、お客様のご要望に最適となるご提案を、業界最安に挑むお見積もり価格でご提示いたしております。

なお地デジアンテナの主な設置位置や、アンテナ工事業者による電波調査、お見積もりについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

・地デジ用テレビアンテナ各種類の違いと選び方とは? 戸建て住宅への設置や交換する方法、工事費用はいくらかの相場も解説!

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説

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地デジ電波の性質5:その他、各種地デジ電波の性質。

上記した主な地デジ電波の性質の他にも、地デジ電波の受信について関係する、地デジ電波や送信形式の特性がいくつかございます。以下はそれらの特徴をワンポイント的に解説してゆきます。

電波塔の高い位置から周辺に送信される地デジ電波には、空間を伝わって地デジアンテナへと直接的に届く電波と、地面などに届いて反射し、また上方へと登る電波とで干渉が生じることにより、地面から高度が上がってゆくにつれて、受信できる地デジ電波レベルが、波のように強まったり弱まったりする「ハイトパターン」という性質がございます。

そのため、地デジアンテナの設置位置は、ただ高ければ受信性能が高まるというわけではなく、現場でアンテナを設置可能な環境などにもよりますが、おおよそ高さ7メートルから10メートル程度の範囲内で、ハイトパターンを考慮した適切な高度を選択する必要がございます。

他にも、日本各地に設置された地デジ電波塔(中継局)から送信される地デジ電波には、地面に対して水平の波長を描く「水平偏波」と、垂直の波長を描く「垂直偏波」の二種類が存在します。
この水平偏波と垂直偏波には、電波の強度や品質、放送内容などに違いはございません。そして日本国内の95パーセント以上、大半の中継局では水平偏波を送信していますが、残り5パーセント弱の、一部エリアの中継局では、垂直偏波を使用しております。

これは、中継局の付近に、地デジ電波と周波数帯の近い電波を送信する携帯電話やスマートフォンなどの基地局があると、互いの電波が干渉して入り混じる「混信」が発生して、地デジ電波の受信障害や、携帯端末の通信障害が発生する危険性があるためです。

この混信は、周波数帯が近くとも波長の角度が異なる電波同士では発生しにくくなるため、混信の恐れがある一部エリアの中継局では、垂直偏波を使用することで混信を避けているのです。
戸建て住宅などに設置する地デジアンテナについても、受信する電波が水平偏波か、垂直偏波かによって、設置角度を電波の波長に合わせる。また水平偏波、垂直偏波に対応できるモデルを使用するといった対処が必要となります。この対処法は、主にアンテナ機種によって異なります。

また地デジ電波の品質を示す基準には、送信される時点の地デジ電波の映像信号と、地デジ電波が各現場に届いた時点での、デジタル信号のエラーや変調の割合を示す「MER(Modulation Error Ratio/モジュレーションエラーレシオ)」「BER(Bit Error Rate/ビットエラーレート)」がございます。
受信できる地デジ電波レベルが高くとも、これらの数値が悪い場合には、地デジ放送の画面の乱れや映らないといったトラブルが出てまいります。

これらの数値に関しては、アンテナ工事の専門業者が電波調査を行う際に、アンテナレベルチェッカーを用いて、地デジ電波の強度だけでなく、品質も判断して、安定した地デジ受信が可能な施工の提案を行うめやすになります。

上記した各自の事柄については、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?
・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?
・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?

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地デジアンテナ(UHFアンテナ)の性質とは?

現在の地デジアンテナは、地デジ放送に使用される周波数帯のUHF波を受信することに特化した「UHFアンテナ」になります。主な機種は「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」になりますが、素子数(相当)など、スペック上の受信性能は同性能にあたる地デジアンテナでも、各機種やモデルによって、実際の受信性能は変わってまいります。

以下の項では、地デジアンテナのモデルごとの受信性能を決める性質や要素について、個別に解説してまいります。

地デジアンテナの受信性能の目安「素子数(相当)」と「動作利得」とは?

地デジアンテナの各機種やモデルごとの受信性能を示す目安としては、一般に「素子数(相当)」「動作利得(利得)」もしくは「ゲイン(gain)」がよく知られております。

素子数、または素子数相当は、例えば「20素子UHFアンテナ」など、各アンテナモデルの名称、もしくはスペック表などでも目立つ部分に記載されている、地デジアンテナの受信性能を示す一番の基準となるものです。

この「素子(エレメント)」とは、地デジアンテナに設置されている、地デジ電波を受信するパーツのことです。地デジアンテナの素子数は機種やモデルによって異なり、設置されている素子の数によって受信性能が変化します。
また地デジアンテナの各機種でも、外部から素子の数が見て取れる機種については、20素子などの「素子数」で示されるのに対し、外部から素子数が見て取れない形状の機種では、実際の受信性能を素子数に換算した数値で、20素子相当などの「素子数相当」で示されます。

一般的にこの素子数は、上記した電界地域ごとに、適した素子数(相当)のモデルが選ばれるめやすになります。具体的には、強電界地域では8素子(相当)以下から14素子(相当)。中電界地域では14素子(相当)から20素子(相当)。弱電界地域では20素子(相当)以上から、高性能素子を使用した高性能アンテナなどのモデルが適しております。

実際には20素子(相当)のモデルであれば、配線部などで受信できる電波レベルを調整することにより、地デジ受信レベルが極端に低い、または高いエリアを除いて、幅広いエリアで使用できます。

ただ、各電界地域に適した数値より、素子数(相当)が高すぎる地デジアンテナを使用すると、地デジ電波だけでなく、不要な電波によるノイズも受信しやすくなるため、かえって地デジ画面が乱れる原因にもなるため注意が必要です。

次に「動作利得」です。動作利得は単に「利得」。または英語で「ゲイン(gain)」とも呼ばれますが、素子数によって地デジアンテナが受信できる電波レベルに対し、アンテナから出力できる電波レベルの効率。またはアンテナの前方における受信性能を示す数値といえます。

少し難しくなりますが、地デジアンテナは、同じ素子数(相当)のモデルでも、後述するオールチャンネルアンテナやローチャンネルアンテナなど。また指向性などの違いにより、特に正面側を向けた場合の、実際の受信性能は違ってまいります。

動作利得とは、まったく指向性がなく、360度全方向に同じ受信性能を発揮する、実在しない理論上のアンテナ「アイソトロピックアンテナ」。またはもっとも単純な構造で、形状の影響を除きほとんど指向性のないアンテナ「ダイポールアンテナ」との受信性能の差を、常用対数で表したものであり、その単位は「㏈」になります。

動作利得の数値は、素子数(相当)に比例し、各電界地域において、適した動作利得の数値は、強電界地域では5dB以下。中電界地域では5㏈から10dB程度。弱電界地域では7㏈から14dB程度です。

この動作利得は、素子数だけでは判断できない、地デジアンテナ本体の指向性の高さや、オールチャンネルアンテナと比較したローチャンネル用アンテナなど、細かな受信性能の高さを判断するめやすになります。

基本的には、素子数が、各電界地域などに合わせる地デジアンテナモデルごとの大まかな受信性能。動作利得が、同素子数の地デジアンテナ同士で、細かな性能差による受信感度の違いを判断するためのめやすと考えておけば、大きな問題はございません。

なおこの地デジアンテナの素子数(相当)と動作利得については、以下の各コラム記事でも、詳しく解説しております。
・テレビアンテナの性能を決める「素子」とは何か? 地デジアンテナ工事で重要な「素子数」を徹底解説!

・地デジ用テレビアンテナ工事にて設置する電界地域に最適な受信性能は「何素子数」タイプか? アンテナ機器の選び方を徹底解説!

・地デジ放送用テレビアンテナ、UHFアンテナ機種による素子数の違いとは? 高性能モデルや現場ごとに必要な素子数の機種を解説

・地デジアンテナや無線通信用アンテナの性能を示す利得、動作利得とは何か? 素子数との違いなど地デジアンテナ基礎知識も解説

オールチャンネル用とローチャンネル用のUHFアンテナの違いとは?

さて、ここでは本コラムの主題である「オールチャンネルアンテナ」「ローチャンネルアンテナ」などの違いを解説してまいります。

一般的な地デジアンテナ各機種のカタログ一覧、スペック表などを見ると、多くのアンテナには「オールチャンネルアンテナ(オールチャンネル用)」の表記がございます。
また中には、一見オールチャンネル用とまったく同じアンテナ機種ながら「ローチャンネルアンテナ(ローチャンネル用)」と表記されたもの。他にも数は少ないものの、「ロー・ミドルチャンネル用アンテナ」「ハイチャンネル用アンテナ」などと表記されたモデルも存在します。

このオールチャンネル、ローチャンネルなどの表記は、地デジアンテナモデルごとに受信できる、地デジ電波の「チャンネル帯」を表したものになります。

一般的にチャンネルといえば、地デジなどのテレビ放送をご覧になる際、リモコンで各放送局に合わせるチャンネル番号を連想される方が大半だと思われます。

この「チャンネル」という言葉の由来ですが、前述の通り地デジ電波は、UHF波のうち470MHzから710MHzの周波数帯を使用しております。そしてこの周波数帯を6MHzずつ、現在は13chから52chの40チャンネルに分け、日本国内の各広域圏において、存在する地デジ放送の各テレビ局に、1チャンネルずつ割り当てられております。
ご家庭などのテレビで各テレビ局を視聴する際のチャンネル(ch)とは、この割り当てられた周波数帯を数字化したものをいい「物理チャンネル」とも呼ばれます。

なお地デジ放送の開始当初は、13chから62chまでの50チャンネルが使用されておりましたが、このうち53chから62chまでのチャンネルは、アナログ放送と並行されていたことによる周波数帯の逼迫から一時的に使用されていたものであり、アナログ放送が終了して地デジ放送へと完全に移行されたのち、53ch以上のチャンネルを使用していたテレビ局の周波数帯を変更して、現在では13chから52chまでの周波数へと移行されております。この移行は「チャンネル・リパック(再編)」と呼ばれます。

ここでいう地デジ放送の13chから52chまでのチャンネルは、英語の「チャンネル、チャネル(channel)」にあたります。「channel」は、元々は海や湖などを結ぶ細長い海峡や水路、航路などを意味する単語であり、そこから転じて、テレビ放送や無線通信など、情報を伝達する電波の周波数帯という意味も持つようになりました。
そこから現在では、いわゆるテレビ機器で、放送される各局に合わせる際の番号を示す「チャンネル」として使われるようになったのです。

他にも「チャンネル(channel)」には、経路、水路のニュアンスを元に、名詞では溝や堀、水道、または道路や道順などのルート。電子機器の回線や経路。流通や経済における流通や販売の経路。動詞では伝える、疎通する、運ぶ、輸送する、渡すなどの意味がございます。

ただ、実際に地デジ放送をご覧になっていればおわかりでしょうが、各地域で地デジアンテナによって受信できるチャンネル数は、複数の地方チャンネルを受信できるエリアでも10チャンネル前後、通常は10チャンネル以下であり、同じエリアで40チャンネル近くも使用されることはございません。

これは日本全国で、各電波塔に発信され、同じエリアに届く可能性のある地デジ電波で、別々の放送局で同じチャンネル(周波数帯)が使われることのないよう、日本国内で適切にチャンネルを配分するためです。

そして「オールチャンネルアンテナ(オールチャンネル用)」とは、この13chから52chまで、すべてのチャンネルが受信できる地デジアンテナ(UHFアンテナ)を指します。スペック表などでは「13ch~52ch」などの表記が入っていることが多くなります。

対して「ローチャンネルアンテナ(ローチャンネル用)」とは、受信できるチャンネル帯をやや低めに絞った地デジアンテナになります。実際に対応するチャンネル帯はメーカーや機種によっても異なりますが、おおむね13chから34chまで、または36chまでのモデルが多くなります。

つまり地デジ電波のチャンネル(周波数帯)のうち、中間より低めの周波数帯のみを受信できる地デジアンテナであることから「ロー(row:低い)チャンネルアンテナ」と呼ばれるのです。

他にも一部モデルながら、おおむね13chから44chまでの「ローチャンネル帯」「ミドルチャンネル帯」の周波数帯を受信できる「ロー・ミドルチャンネル用アンテナ」。おおむね45chから62chまでのハイチャンネル帯を受信できる「ハイチャンネル用アンテナ」などの地デジアンテナ機種も存在します。

なぜこのような、受信できるチャンネル帯を絞った地デジアンテナが存在するかと申しますと、すべてのチャンネル帯を受信できるオールチャンネルアンテナに比べて、ローチャンネルアンテナなど、受信できる周波数帯を絞ったアンテナモデルは、オールチャンネルアンテナに比べて、対応できる周波数帯においての受信感度が高くなる性質があるためです。

そして日本国内では、実際には地デジ放送にローチャンネル帯のチャンネル(周波数帯)のみを使用しているエリアが多いため、このようなエリア向けに、より受信性能が向上する商品として、ローチャンネルアンテナが販売されているのです。

ご参考までに、ある大手国産メーカーの八木式アンテナの、オールチャンネルアンテナとローチャンネルアンテナ(13chから34chまで対応)の動作利得を比較すると、オールチャンネルアンテナは14素子モデルで8.0㏈から12.5㏈。20素子モデルは8.5㏈から13.8㏈に対し、ローチャンネルアンテナは、14素子モデルで9.1㏈から12.5㏈。20素子モデルで10.1㏈から13.5㏈と、下限値が向上していることがわかります。

同じく別の国産大手メーカーの八木式アンテナで比べた場合、オールチャンネルアンテナは14素子モデルで8㏈から12.4㏈。20素子モデルで8.5㏈から13.7㏈になるのに対し、ローチャンネルアンテナ(13chから36chまで対応)では、14素子モデルで9㏈から12.5㏈。20素子モデルで10.1㏈から13.5㏈になります。

なおご自宅などのエリアで受信できるチャンネル帯がローチャンネル帯に該当するかどうかを調べるには、インターネット上で放送局やアンテナメーカーなどが掲載している一覧表を確認するか、またアンテナ工事の専門業者に確認するという方法がございます。

特に当あさひアンテナをはじめ、アンテナ工事の専門業者にご依頼いただければ、お客様のご要望に応じて、現場で受信できるチャンネル帯などの条件で、受信性能がもっとも高くなる地デジアンテナ機種をご案内いたしますので、どうかご安心ください。

アンテナの指向性は受信性能にも影響を与える?

もうひとつ、素子数や受信できるチャンネル帯の他に、個々の地デジアンテナモデルの受信性能に大きな影響を与える要素が、地デジアンテナ個々の「指向性」になります。
地デジアンテナやBS/CSアンテナなどテレビアンテナにおける指向性とは、アンテナ本体でも、正面側にあたる一方向でのみ、テレビ電波の受信性能が高くなる性質のことを言います。

そして地デジアンテナでは、アンテナの真正面にあたる方向ではもっとも受信性能が高くなる反面、アンテナの角度が真正面からずれてゆくほど受信性能が弱まり、正面側から見て真横や後部などでは、ほとんど受信性能を失うといった性質がございます。この性質には、アンテナの正面以外の方向から届く、ノイズの原因となる無関係な電波をカットする役割もございます。

そして地デジアンテナでは指向性が高い、すなわち受信性能が高まる正面側の角度(範囲)が狭い機種ほど、正面側における地デジ電波の受信感度が高くなる性質がございます。

動作利得の項でも少しご説明した通り、設計が単純で指向性の低いアンテナでは、アンテナからほぼ線方向に広がる形になる受信性能(指向性)を、設計によって一方向の狭い範囲へと集中することで、向上させているイメージだといえます。

このアンテナ機種やモデルごとの指向性を示す数値は、受信性能が最大になる真正面を基準点に、アンテナの角度を左右へと徐々にずらして、受信性能が最大レベルから、ちょうど半分のレベルになる角度を表した「半値幅」という数値で判断できます。

つまり同じ素子数(相当)の地デジアンテナモデルでも、指向性が高い、すなわちこの半値幅が狭いモデルほど、アンテナの正面側を地デジ電波が届く近隣の電波塔(場合によっては電波塔から発信された地デジ電波が建物などに反射した「反射波」が届く方向)の方向へと正確に向けることで、より受信感度が高まるのです。

ただ一方で、指向性の高い地デジアンテナは、アンテナ設置の角度がズレることで受信感度が低下しやすいという弱点もあるため、アンテナ設置工事においては、プロのアンテナ工事業者による、正確な角度調整と頑丈な設置による施工が重要と言えます。

また特に屋根の上に設置される八木式アンテナの場合は、風雨などを受けやすいため設置から年月が経過すると、老朽化により耐久力が低下してしまい、角度のズレが発生しやすくなります。
老朽化した地デジアンテナについては、アンテナのメンテナンスを行い、角度を再調整してきっちりと固定し直す。もしくはアンテナ本体を交換するなどの対処が必要となります。

なお当あさひアンテナでは、屋根の上に設置された八木式アンテナ、BS/CSアンテナの角度に狂いが生じた場合の角度調整、および再固定は8,000円(税込み)。また一部の素子やケーブル接続部の破損など、補修で復旧できるアンテナ修理については5,000円(税込み)でお引き受けしております。

地デジアンテナの指向性については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!

素子アンテナとそうでないアンテナの違いとは?

素子についての記事でも少し触れましたが、地デジアンテナには、八木式アンテナなど素子が露出してその数が見て取れる、受信性能が20素子などの表記で表される「素子アンテナ」と、デザインアンテナなど、外部から素子が見えず、20素子相当などの表記で表されるモデルがございます。

そして素子数(相当)で示される受信性能は一定のものではなく、ある程度の幅がございますが、素子アンテナとそうでないアンテナは、素子数(相当)の数値は同じであっても、素子アンテナの場合は、素子数の範疇でやや高めの受信性能。逆に素子アンテナでないモデルは、素子数の範囲内でやや低めの受信性能になってまいります。

地デジアンテナの受信性能を重視される場合には、この点についても注目されておくとよろしいでしょう。

アナログ放送時代のテレビアンテナで地デジ放送は受信できる?

この項目は、地デジアンテナの受信感度とは少し話が離れますが、アナログ放送時代のテレビアンテナと、現在の地デジアンテナとの違い。またアナログ放送時代のテレビアンテナで地デジ受信が可能なケースについてご説明いたします。

そもそも現在の地上デジタル放送とは、1953年(昭和28年)2月1日にスタートした日本で最初のテレビ放送、アナログテレビ放送からの転換を図り、2003年(平成15年)12月1日の午前11時より、アナログ放送と並行して、まったく同じ放送を行う形でスタートしたテレビ放送です。
その後、アナログ放送から地デジ放送への移行期間として、双方が並行して放送される期間が続きましたが、2011年(平成23年)7月24日正午の、アナログ放送の完全停波(終了)により、日本の地上波テレビ放送は、地デジ放送へと転換されたのです。

アナログ放送と地デジ放送(デジタル放送)の違いは、アナログ放送がテレビの映像信号を、電波の強弱に変換して送信していたのに対し、デジタル放送では、映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換して、この信号を電波の波長に変換して送信する形になります。

この地上波放送のデジタル化により、地デジ放送では、アナログ放送時代に比べて使用する電波の周波数帯を大きく圧縮しながら、約4.5倍という大容量の情報を送信することが可能になったのです。
これにより、地デジ放送ではアナログ放送時代に比べてハイビジョンの高画質化や高音質化。またデータ放送や番組表、双方向通信などのさまざまな新機能も導入されました。

当時、アナログ放送から地デジ放送に転換された大きな理由は、世界的なアナログ技術からデジタル技術への転換の趨勢。また携帯電話の爆発的な普及などにより、それまでアナログテレビ放送が多くを使用していた電波の周波数帯を、大きく削減する必要が出たことによります。

前述の通り、現在の地デジ電波として使用される電波は、UHF波(極超短波)のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯です。対してアナログテレビ放送の時代は、VHF波(超短波)とUHF波の二種類の電波が使用されておりました。

正確には、アナログ放送の時代には、、日本全国の各広域圏で放送されるNHK、広域民放のチャンネルには、VHF波のうち、90MHzから108MHzのローバンド帯。そして170MHzから222MHzのハイバンド帯が使われていました。

そして東京都の東京MXなど、日本の主要な都市圏に含まれる一部の都府県で、個別に存在し、その都府県域を放送エリアとする独立放送局の地方チャンネルでは、地デジ放送と同じUHF波のうち470MHzから770MHzの周波数帯が使われていたのです。

したがってアナログ放送の時代には、テレビアンテナとして、まず基本的にVHF波を受信するVHFアンテナを設置し、地方チャンネルが受信できるエリアでのみ、地方チャンネル用のUHFアンテナが設置されるという形が主になっていました。

アナログ放送から地デジ放送へと転換されるにあたり、テレビ受信機器も地デジ対応機器の他、テレビアンテナも地デジ放送用のUHFアンテナが必要になるため、多くの一般世帯などテレビ受信現場では、テレビ機器およびVHFアンテナからUHFアンテナへの交換が行われました。

ただアナログ放送時代に地方チャンネルを受信していた現場では、地方チャンネル用のUHFアンテナと、地デジ放送に使用されるUHF波の周波数帯がほぼ一致するため、地方チャンネル用のUHFアンテナを、そのまま地デジアンテナへと転用し、現在にいたるケースも多く見られます。

アナログ放送時代のVHFアンテナとUHFアンテナは、どちらも八木式アンテナに当たり、屋根の上に立てられたマストの先端に、今日の地デジアンテナと同じ形のUHFアンテナが設置され、そのやや下に、平べったい左右対称の骨組み状のVHFアンテナが設置されている形になります。なおアナログ放送時代のVHFアンテナは、現在ではFMラジオの受信以外に、特に使い道はございません。

ただ、2023年現在でも、アナログ放送時代のUHFアンテナで、地デジ放送をご覧になっている場合には、いくつかの問題が出てまいります。

ひとつは、アナログ放送時代のテレビアンテナは、現在では少なくとも設置から20年以上、一般的には30年から40年以上前のものになり、相当の老朽化が予想されるという点です。
そのため突然のアンテナ故障をはじめ、アンテナ本体やマスト部のサビの進行などにより、耐久性が低下し、マストが折れることによるアンテナの倒壊や屋根の上からの落下など、大きな事故の危険性も出てまいります。

さらにアナログ時代のUHFアンテナでは、現在の地デジ放送では使用されていない、UHF波のうち710MHzから770MHzの電波も受信してしまいます。
そして一部エリアでは、アナログ放送時代のUHFアンテナが、この周波数帯にあたる携帯電話、スマートフォンなどの電波を受信してしまい、さらにアンテナ付近に設置された「ブースター(増幅器)」が、その周波数帯の電波を増幅することで、大きな電波障害を引き起こす「700MHz電波障害」のリスクも起こり得ます。

このような問題から、現在でもアナログ放送時代のUHFアンテナを地デジアンテナとして使用している場合には、できるだけ早急に、最新の地デジアンテナへ交換されることをおすすめいたします。

なお当あさひアンテナでは、テレビアンテナの新規設置や交換などに伴う、古いテレビアンテナの撤去および処分の作業を、長さ1.8メートルまでのアンテナであれば、5,000円(税込み)で一貫してお引き受けしております。

また地デジ放送とアナログ放送や、使用されるテレビアンテナの違い。また「700MHz電波障害」についての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

・地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?

・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

・「700MHz電波障害」とは何か?

現在の地デジアンテナの主なモデルとは?

以下の項では、上記の地デジアンテナの受信性能に関する特性を中心に、現在の主な地デジアンテナモデルである上記の八木式アンテナ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナの三機種について、その特徴やメリット、デメリットを解説してまいります。
地デジアンテナの新規設置や交換などをお考えのお客様には、各機種の受信性能や特性から、機種選びの参考にしていただければ幸いです。

八木式アンテナ(八木アンテナ、八木・宇田アンテナ)

八木式アンテナとは、昭和のアナログ放送の時代からテレビアンテナとして使用されている、古典的な形状の地デジアンテナです。別名として、八木アンテナや、共同開発者の名前も入れた八木・宇田アンテナなどとも呼ばれます。
現在の地デジアンテナとしての八木式アンテナは、矢印状の骨組みに、短い横棒である素子がいくつもついた、よく魚の骨に例えられる形状をしています。

戸建て住宅などに置ける八木式アンテナの取り付け方法は、住宅の屋根の上に、屋根馬という設置具を配し、そこにマスト(支柱、ポール)を立てて、その先にアンテナ本体を固定。さらに屋根の四方からステンレスワイヤーなどの支線(ステー)でマストや屋根馬をしっかり固定する形になります。

他にも、屋根の上の壁状の部分や屋根の張り出し部(破風板)。または住宅の外壁やベランダの手すり部などに、横に突き出したアームでマストを支えるサイドベースという金具を固定して設置する。またベランダの内部設置。小型モデルを使用して、軒先から吊り下げるなどの方法もございます。

八木式アンテナのメリットは、地デジアンテナ各機種の中でもモデルによってさまざまな受信性能を持ち、強電界地域から弱電界地域まで、日本国内で地デジ電波を受信できるエリアであれば、適切なモデルを採用することで、ほとんどのエリアで使用できるという点です。

八木式アンテナの通常モデルには、素子数別に、主に8素子、14素子、20素子などのモデルが存在し、それぞれ適した電界地域で使用されます。

さらに八木式アンテナには、素子の設置部にⅩ字型などの固定具を配し、その上下に複数の素子パーツを並べた高性能素子を使用する、パラスタックアンテナと呼ばれる高性能モデルは、基本的な受信性能が通常の4倍近い高性能になる上、27素子、30素子などの多素子モデルも存在するため、微弱電界地域などでも安定した地デジ受信が可能になります。
またパラスタックアンテナは、5素子程度でも通常モデルの14素子程度の受信性能を発揮するため、アンテナ本体の小型化にも利用されます。

その他にも八木式アンテナは、オールチャンネルアンテナの他に、ローチャンネルアンテナなど受信できるチャンネル帯を絞ったモデルが存在する唯一の機種である。地デジアンテナの中では指向性が高い。素子アンテナである。
そしてなにより、基本的な設置位置が屋根の上などの高所で、周辺の障害物などに影響されにくいという点から、地デジアンテナ機種の中では、総合的にもっとも受信性能が高くなるアンテナ機種になります。

そのため受信性能を重視される方にはおすすめの地デジアンテナ機種であり、特に弱電界地域などの戸建て住宅では、受信性能が高い八木式アンテナを、屋根の上などの高所に設置する以外に、地デジアンテナ設置の選択肢が存在しないこともございます。

なお八木式アンテナでも、ある国産大手メーカーにおける、オールチャンネル対応、八木式アンテナおよびパラスタックアンテナの各素子数モデルの動作利得と半値幅の例は、以下の通りになります。

(八木式アンテナ)
・8素子:動作利得5.0から9.9㏈/半値幅42度から63度。
・14素子:動作利得8.0㏈から12.5㏈/半値幅34度から57度。
・20素子:動作利得8.5㏈から13.8㏈/半値幅28度から52度。

(パラスタックアンテナ)
・5素子:動作利得7.2㏈から10.5㏈/半値幅35度から56度。
・14素子:動作利得10.6㏈から13.5㏈/半値幅26度から43度。
・20素子:動作利得11.3㏈から14.5㏈/半値幅18度から35度。
・27素子:動作利得10.6㏈から16.4㏈/半値幅15度から40度。
・30素子:動作利得13.2㏈から16.1㏈/半値幅18度から29度。

両モデルとも素子数が多くなるほど動作利得が向上する半面、半値幅が狭くなる。また通常モデルに比べてパラスタックアンテナは、より動作利得が高く、半値幅が狭くなることがお分かりになると思います。

もうひとつ、八木式アンテナのメリットは、古くから使われる古典的アンテナであり、設計や施工法などが完成されているため、本体価格や設置工事費などが、地デジアンテナの中でも、もっとも低価格になるという点も挙げられます。
また前述した水平偏波、垂直偏波の違いについては、八木式アンテナであれば、同じモデルでもマストに設置する際、本体の角度を90度ずらすだけで、双方の電波に対応できます。

ただその一方、八木式アンテナには、昭和の昔から使用される、受信性能のみを重視した古典的機種であるため、現在の地デジアンテナとしては、外観性や対候性に対する配慮が少ないというデメリットが挙げられます。

八木式アンテナは通常モデルで高さ50センチ前後、横幅40センチ前後、長さは素子数によって変わりますが、60センチ程度から150センチ前後になります。またパラスタックアンテナの27素子、30素子などのモデルでは、横の長さは300センチ前後の大型になってまいります。

そのため外観性による具体的なデメリットとしては、戸建て住宅の屋根の上に設置する場合、屋根の上で非常に目立ってしまい、デザイン性の高い住宅の見た目や、周辺の景観を乱してしまうという点が挙げられます。
またそれに伴い、景観地域などでは景観条例により設置を制限されることがある。アンテナの一部が隣家の敷地にはみ出す越境問題が生じやすい。またソーラーパネルを設置している住宅では、パネルに影を落として発電に悪影響を及ぼしやすいなどの問題も出てまいります。

そして八木式アンテナの大きさと設置位置によるもうひとつの大きなデメリットが、風雨や積雪、また海沿いの潮風や、野鳥が止まることによる影響を受けやすいこと、すなわち対候性の低さです。
八木式アンテナは自然環境に影響されやすいことから経年劣化が進行しやすく、耐用年数(寿命)が短くなりがちです。一般的な八木式アンテナの耐用年数は10年程度と言われますが、自然環境の厳しさによっては10年以下で寿命を迎えることもございます。

特に八木式アンテナは指向性の高さから、正確な角度調整で受信感度が高まる反面、アンテナ角度のズレによる受信感度の低下が起こりやすいという弱点もございます。

ただ近年の八木式アンテナモデルには、ステンレス素材による軽量化や防水、防サビ加工などによる対候性の強化や、塩害用モデル、雪害用モデルなど、自然環境に最適化した対策を施したモデルなども存在するため、これらのモデルを使用することで、耐用年数が15年程度と長くなることも期待できます。

なお当あさひアンテナでは、八木式アンテナの基本設置工事には、DXアンテナ製、軽量で耐風性の強い20素子高性能モデル「UA20」を使用し、屋根馬やマスト、支線(ステー)などの設置具や同軸ケーブル、防水処理をセットにして、15,000円(税込み)よりの基本工事費用でご提供しております。

他にも各素子数モデルやパラスタックアンテナ。またステンレスモデルや雪害用、塩害用モデルなどもご用意しておりますので、地デジの受信レベルから自然環境まで、さまざまな条件の設置現場にご対応が可能です。

八木式アンテナの詳細については、以下の各コラム記事でも解説しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!
・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説

デザインアンテナ(平面アンテナ)

デザインアンテナとは、地デジ放送が開始された後である、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた、地デジアンテナの第二世代モデルです。

デザインアンテナは、地デジ化によりアナログ放送の時代よりテレビ電波の波長が短くなったことで誕生した、従来モデルより小型化が進んだ地デジアンテナの専用モデルです。
その外形の特徴は、長方形のパネルのような薄型で、一般的な屋外用モデルのサイズは、メーカーやモデル、受信性能(素子数相当)などによって異なりますが、縦幅60センチ前後、横幅20センチから25センチ程度。厚さは設置具の部分も含めて十数センチ程度の商品が多くを占めます。

なお「デザインアンテナ」の呼称は、広義には後述するユニコーンアンテナや、八木式アンテナにケースを設置したような形状の横型アンテナ。また形状に工夫のある屋外屋内兼用アンテナなど、デザイン性を重視したテレビアンテナの総称として使われることもございます。

ただ一般的な薄型のデザインアンテナは、その形状や設置位置から、平面アンテナ、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ボックスアンテナ、ケースアンテナなどの別名でも呼ばれます。

戸建て住宅におけるデザインアンテナの主な設置位置は、その別名通り、住宅の壁面やベランダの手すり部に専用の固定具を取り付け、アンテナ本体を固定するという方式になります。
他にも、八木式アンテナと同じように屋根の上で壁面状の位置や、マストに設置されるケースもございます。

また前述のアンテナ設置位置の項でご説明した通り、強電界地域で住宅の建材などの条件が整った現場では、地デジアンテナでも素子数の少ない屋外屋内兼用のコンパクトモデルを室内の窓際に据え置きする。また屋外用の通常モデルを屋根裏空間、天井裏空間に設置するといった方法も可能です。

デザインアンテナのメリットは、地デジアンテナの第二世代として、主に八木式アンテナのデメリットであった外観性、対候性をカバーするモデルであることです。

デザインアンテナはその形状や設置位置、さらに同モデルでもカラーバリエーションも豊富であるため、本体色を住宅の色合いに合わせることで、住宅の見た目や景観を乱さない点が大きなメリットです。
それに伴い、景観地域でも設置できる。越境問題もまず起こらない。太陽光パネルにも悪影響を与えないなどもメリットも出てまいります。

さらにその形状と設置位置から、八木式アンテナに比べて自然環境による経年劣化が進みにくく、耐用年数(寿命)が長くなり、角度のズレによる受信トラブルも生じにくいといった点も、大きなメリットになります。なおデザインアンテナの耐用年数(寿命)は、一般的な屋外設置で、15年から20年程度と考えられております。

このような八木式アンテナにないメリットの豊富さから、現在では地デジアンテナで一番人気のモデルとなっているデザインアンテナですが、一方で、受信性能では八木式アンテナに及ばないという点が、主なデメリットになります。

デザインアンテナの受信性能は、強電界地域向けで3素子程度や14素子相当などの屋外屋内兼用モデルを除く、屋外用の通常モデルでは、主に20素子相当、26素子相当と、そのブースター内蔵型になります。

さらにデザインアンテナは、オールチャンネルアンテナのモデルしか存在しない。指向性がやや広く、素子が露出していないなどの要因から、同素子数(相当)のモデルでも、八木式アンテナに比べると受信性能はやや低くなる傾向がございます。

特にデザインアンテナは基本の壁面やベランダなど、屋根の上より低い位置になるため、電波を遮蔽する周辺の建築物などに影響を受けやすいという点が、受信感度についての大きな弱点になります。
したがってデザインアンテナは、基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースも出てまいります。

また強電界地域などでも、前述した通り高層建築の近隣、また住宅密集地といった、特に壁面など低い位置に地デジ電波が届きにくい環境では、必要なレベルの地デジ電波を確保できないため、デザインアンテナ設置(またはその他の地デジアンテナ機種の壁面などへの設置)が不可能となるケースも出てまいります。

なお、ある国産大手メーカーのデザインアンテナで、その動作利得と半値幅を上げると、20素子相当モデルで、動作利得の標準値は7.8㏈から9.8㏈、規格値で7.5㏈から9.7㏈。半値幅は75度から86度。26素子相当モデルの動作利得は標準値、規格地とも8.4㏈から10.2㏈。半値幅は71度から82度となっております。

八木式アンテナに比べると、同素子数相当でも指向性(半値幅)が広い半面、動作利得はやや低いことがお分かりになるとと思います。

他にもデザインアンテナには、住宅の外壁に設置する場合、住宅の壁にビス穴を開ける必要がある。設置位置が、アンテナの設置場所が電波塔など、地デジ電波が届く方向へ向けることができる位置に限られる。八木式アンテナに比べると、本体価格や設置費用がやや高額であるなどのデメリットがございます。

また水平偏波、垂直偏波については、一部のコンパクトモデルでは、八木式アンテナと同様の対応も可能ですが、一般的な屋外設置用モデルでは、アンテナ設置の角度を90度変えてしまうと、メリットである外観性の悪化や、左右への角度調整が行いにくいという問題が出てくるため、各メーカーにおいて水平偏波専用モデルと、垂直偏波専用モデルを別個に販売していることが多くなります。

総じてデザインアンテナは、メリットが豊富で設置費用も手ごろな地デジアンテナ機種ではございますが、地デジの受信性能を重視される場合、設置現場であらかじめプロの業者に依頼して綿密な電波調査を行うなど、デザインアンテナで十分なレベルの地デジ電波を安定して受信できるか、確認されることが重要と言えます。

なお。当あさひアンテナでは、デザインアンテナの基本設置工事について、DXアンテナ製の20素子相当モデル「UAH201」。また強電界地域専用のコンパクトモデルとして、マスプロ電工製の業界最小モデル「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」をご用意しており、各カラーバリエーションのアンテナ本体と基本設置具、白黒2色の同軸ケーブルなどの費用を含めた基本設置工事費を、20,000円(税込み)からでご案内しております。
また現場の条件が許せば、デザインアンテナの屋根裏空間などへの設置も、追加工事費不要の基本設置工事費のみでお引き受けいたします。

他にもデザインアンテナ本体では、26素子相当モデルやブースター内蔵モデルなどもご用意しておりますので、受信レベルや周辺環境など、現場の条件が許す限り、デザインアンテナの設置にもご対応いたします。

デザインアンテナの詳しい特性や、設置の失敗例などについては、以下の各コラム記事でもご説明しておりますので、よろしければご確認ください。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説
・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説
・新築戸建て住宅で目立たない地デジ等テレビアンテナ形状の種類と選び方、設置工事の方法とは? デザインアンテナ失敗例も解説!
・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説

ユニコーンアンテナ(ポール状アンテナ)

ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に、日本三大アンテナメーカーに数えられる大手アンテナメーカー、マスプロ電工より発売された「U2CN」の、同社による登録商標です。このモデルは地デジアンテナ機種の第三世代であり、2023年現在の最新鋭機種でもあります。

ユニコーンアンテナの形状は、長さ約67センチ、直径約12センチから14センチの、ほぼ円柱型のアンテナ本体を、ポールの先に設置するという形になります。ポールの設置部はカバーで隠せる他、カラーバリエーションも落ち着いたマットな質感のウォームホワイト(WW)とブロンズブラック(BB)の二色になり、非常にスタイリッシュなアンテナといえます。

ユニコーンアンテナの主な設置位置は、八木式アンテナと同じく屋根馬などを用いて屋根の上のマストの先に固定する。また屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所にサイドベースを設置して固定するなど、基本的に、屋根の上とほぼ同等の高い位置に設置されます。

ユニコーンアンテナは、地デジアンテナの第三世代として、八木式アンテナの受信性能とデザインアンテナの外観性、対候性を、可能な限り兼ね備えることを目標とした機種になります。

したがってユニコーンアンテナのメリットは、まずはその装飾のようなデザイン性から、高所に設置しても住宅の見た目や景観を乱しにくいという点が挙げられます。それに伴い、景観地域にも設置しやすく、越境問題もほとんど生じない。またソーラーパネルにも悪影響を与えにくいというメリットも出てまいります。

またその形状や金属部がほとんど露出しない設計から、台風などの激しい風雨や雪を受け流せて、設置位置によっては潮風や屋根の上の積雪などにも影響を受けにくいため、経年劣化が進みにくく、耐用年数(寿命)が長くなる点も大きなメリットです。
ユニコーンアンテナの耐用年数は、新しい機種であるため正確なデータは少ないものの、屋外設置でデザインアンテナとほぼ同じ、15年から20年程度と考えられております。

そしてユニコーンアンテナの受信性能ですが、本体の受信性能は20素子相当ながら、設置位置を高くとれることにより、周辺の建築物などの障害物に影響を受けにくくなり、受信感度が高まるという八木式アンテナと同様のメリットが生じます。

ユニコーンアンテナの実際の受信性能は、同じく20素子相当のデザインアンテナを、周辺に障害物などのない壁面に設置した場合とほぼ同等になります。

ただデザインアンテナの項でご説明した通り、デザインアンテナの場合は、強電界地域であっても、電波塔から見て高層建築の陰に当たる直近部や、住宅密集地などの環境では、低い位置での地デジ電波レベルが極端に低下し、デザインアンテナを壁面やベランダに設置できないケースも出てまいります。
しかし同じ現場でも、ユニコーンアンテナであれば高所に設置できるため、安定した地デジ電波の受信を実現できるケースが多くなってまいります。

一方、ユニコーンアンテナのデメリットは、八木式アンテナの20素子モデル、またそれ以上の高性能モデルには、受信性能が及ばない点が挙げられます。
ユニコーンアンテナは八木式アンテナに比べると、デザインアンテナと同じくオールチャンネルアンテナしか存在しない。素子が露出していない。指向性が広いなどの要因から、同じ20素子モデルでも、総合的な受信性能はやや低くなってまいります。

ユニコーンアンテナ「U2CN」の半値幅は、83度から93度と地デジアンテナモデルの中ではもっとも広く、そのため動作利得は5.5㏈から6.2㏈と、20素子相当でもやや低い数値になっております。

したがってユニコーンアンテナも基本的に強電界地域から中電界地域向けの機種となり、弱電界地域では使用できないケースが出てまいります。

他にも主なデメリットとしては、現状の最新モデルであることから、アンテナ本体の価格や設置費用が、地デジアンテナ機種の中ではもっとも高価になる。純和風建築など住宅の様式によってはデザインがマッチせず、住宅の外観を乱すケースもあることなども挙げられます。

また現在、ユニコーンアンテナ「U2CN」は、水平偏波専用モデルのみとなり、垂直偏波を受信するエリアでは対応できません。

総じてユニコーンアンテナは、安定した受信性能と外観性、対候性を兼ね備える地デジアンテナをお求めの場合におすすめのモデルとなります。ただやはり八木式アンテナには受信性能が及ばない点や、設置費用が高価になる点には注意が必要です。

なお現在、当あさひアンテナでは、ユニコーンアンテナ本体と設置具、ケーブルなどの部材をセットにした基本設置工事を、業界最安に挑むキャンペーン価格でご案内しております。

その他、ユニコーンアンテナの特徴については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説
・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介

オールチャンネルアンテナとローチャンネルアンテナの違い・まとめ

本文でご説明した通り、地デジアンテナの受信性能を判断する、もっとも明確でわかりやすい基準は「素子数(相当)」になります。
ただ一方で、同素子数(相当)の地デジアンテナモデルであっても、オールチャンネルアンテナとローチャンネルアンテナの違い。またモデルごとの指向性(半値幅)の違いなどにより、受信性能(動作利得)が大きく変化することもお分かりいただけたことと存じます。

より受信性能の高い地デジアンテナ機種をお選びいただくためには、素子数(相当)だけではなく、これら細かい要素の注意点もよく判断された上で、購入される地デジアンテナモデルの選択が重要となります。

なお、もしご自宅で地デジ、衛星放送のテレビ画面が正しく映らない場合には、テレビ画面に表示される「エラーコード」が、その原因を特定する手掛かりになります。
エラーコードの基礎知識および、各エラーコードの意味については、以下のpコラム記事で詳しくご説明しております。

・アンテナ受信トラブルでテレビ画面に「E201」などエラーコードが表示されて映らない問題の原因と解決する対処の方法とは?

もしお客様の側で、現場の受信環境に適した地デジアンテナ機種の判断が難しい。また外観性や対候性なども重視した上で、もっとも受信性能の高いアンテナ設置をお求めなどの場合には、当あさひアンテナのフリーダイヤル。または公式サイトのメールフォームやLINEまで、どうかお気軽にお問い合わせください。

当あさひアンテナでは、本文でもご説明した通り、現場に出張しての電波調査と工事のお見積りを、出張料、キャンセル料など各種料金を含む完全無料でご案内しており、緻密な電波調査に基づき、安定した地デジ受信が可能で、お客様のさまざまなご要望にも最適となるアンテナ設置工事を、業界最安に挑むお見積り価格でご提案いたします。

またお見積もりにあたっては、他業者との相見積もりにもご対応しているほか、弊社のお見積もりにご納得いただければ、本契約からの即日工事にも対応できます。

実際の工事は弊社スタッフのアンテナ職人が担当し、豊富な専門知識と経験に基づく高い技術で、厳しい自然環境にも強い丈夫なアンテナの設置と、弊社モットー「見えないところもきれいに」に基いた、アンテナ本体から屋根裏などの配線まで、アンテナから配線にいたるまで、全体的に見栄えの整った丁寧な施工を実施しております。

そして工事の完了後には、アンテナ工事業界でも最長クラスとなる、アンテナ工事完了日からの「10年保証」もご用意しておりますので、お客様に末永くご安心していただけます。

地デジ電波の受信性能が高いことをはじめ、テレビアンテナ設置にさまざまなご要望をお持ちのお客様に置かれましては、可能な限りお客様のご要望に対応できるアンテナ工事を、アンテナ工事業界でもより低価格でご提案する当あさひアンテナまで、まずはお気軽にご相談をお寄せください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。