新築戸建てで人気のテレビ用デザインアンテナのメリット・デメリットは? 種類や工事費用の相場、失敗しない注意点まで全解説!

2024年08月02日
あさひアンテナ アンテナ工事 無料相談

2024年(令和6年)現在、テレビ番組の視聴方法として新築戸建て住宅に設置される地デジアンテナの機種として、最近もっとも人気の高いものが「デザインアンテナ」と呼ばれる機種です。

デザインアンテナの人気の秘密は、それ以前、ほぼ唯一の地上波用TVアンテナ機種であった八木式アンテナに比べて、設置した見た目や、風雨などに強く寿命が長くなる可能性が高い点だと言えます。

その一方で、旧来の八木式アンテナも、受信性能の高さによる対応エリアの広さから、地デジアンテナ全体のシェアでは、現在でもトップに位置しております。

また近年では、デザインアンテナと八木式アンテナ、双方のメリットを融合した、ユニコーンアンテナと呼ばれるタイプの新製品も登場しています。

そこで今回のコラムでは、このデザインアンテナについて、その製品の特徴や設置位置、使用の可否を決める条件などから、購入の金額や設置費用、そのメリットとデメリットや関連の情報を徹底解説。さらにデザインアンテナ設置に適したサービスを行う優良なアンテナ工事業者についてもご紹介します。

また比較対象として、八木式アンテナやユニコーンアンテナの概要とメリット・デメリット、使用できる条件、設置費用の目安なども一覧でご説明いたします。

新築のお住まいなどで、設置する地デジアンテナの機種についてご思案されている方には、本コラムの内容をご確認、ご検討いただき、最適の機種をお選びになる参考にしていただければ幸いです。

デザインアンテナの誕生と特徴とは?

日本の戸建て住宅で使用されるテレビアンテナと言えば、現在でも、屋根の上に直立する金属の支柱(マスト、ポール)の先に立てられる、魚の骨のようなテレビアンテナのイメージが強いと思われます。

この形のアンテナは、八木式アンテナ(八木・宇田アンテナ)と呼ばれ、大正時代に発明された、非常にシンプルな構造のアンテナで、それだけに受信性能も高いことが特長です。

八木式アンテナは現在の地デジ放送以前、昭和のアナログ放送の時代から、令和の現在までテレビアンテナとして使用されており、特にアナログ放送の時代はほぼ唯一のテレビアンテナだったことから、現在でもテレビアンテナといえば八木式アンテナのイメージが根強く残っているのです。

他にも現在では衛星放送(BS放送、CS放送)も普及しておりますが、この衛星放送を受信するアンテナは、多少のバリエーションもございますが、基本的に皿のような円盤(ディッシュ)をもつパラボラアンテナ、BS/110度CSアンテナの一種類のみになります。

現在の日本のテレビ放送は、日本各地に設置された電波塔から、空間を通じて周辺の一帯に電波を送信することで日本のほぼ全域をカバーしており、NHK、広域民放、一部都府県の地方チャンネルを基本的に誰でも無料で視聴できる基幹的なテレビ放送の地上派テレビ放送、すなわち現在の地デジ放送。

そして宇宙空間の赤道軌道上を周回しているため、地上からは空の同じ位置に静止して見える人工衛星「静止衛星」から、日本の全域に電波を送る「衛星放送」の二種類になります。ちなみに衛星放送のBS放送、CS放送とは、使用される静止衛星が「放送衛星」か「通信衛星」かの違いです。

そして日本の地上波テレビ放送は、1953年(昭和28年)、日本で最初にスタートしたテレビ放送で、映像信号をそのまま電波の強弱に変換して送信する「アナログ放送」より、21世紀初頭の2003年(平成15年)から2011年(平成23年)にかけて、映像信号を「0」「1」のデジタル信号に変換して送信する、現在の「地上波デジタル放送(地デジ)」へと転換されました。

アナログ放送の時代は、主要なテレビ電波として全国放送であるNHK、広域民放ではVHF(超短波)と、地方チャンネル用としてUHF(極超短波)が使用されていました。

対して現在の地デジ放送では、UHFのうち470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯を使用しています。デジタル放送では映像信号をデジタル化で圧縮できるため、使用する電波の周波数帯は大きく減らしながら、アナログ放送に比べて約4.5倍の大容量の情報を送信できるようになったのです。

そしてアナログ放送時代の主な電波、VHFは、波長の幅は1.4メートルから3.3メートル程度でした。

テレビアンテナに限らず、電波を受信、送信するアンテナは、その電波の波長の幅に合わせたサイズが必要となります。

そのため、アナログ放送のVHFの電波を受信するテレビアンテナには、八木式アンテナでもVHF波に対応できる、現在よりやや大型の「VHFアンテナ」が必要でした。これがアナログ放送の時代、八木式アンテナ以外のテレビアンテナがなかった大きな理由です。

しかし現在の地デジ電波であるUHFは、波長の幅が40センチから60センチ程度と格段に短くなっています。そのため八木式アンテナでもアナログ放送時代より小型の「UHFアンテナ」が利用されている他、さまざまな形状の地デジ用UHFアンテナが実現できるようになったのです。

そして地デジ対応の新しいテレビアンテナとして、2009年(平成21年)頃より普及しはじめたのが、八木式アンテナに続く地デジアンテナの第二世代モデル「デザインアンテナ」です。

デザインアンテナは、地上波テレビ放送の地デジ化によって実現できた、従来のテレビアンテナ(八木式アンテナ)の弱点をカバーすべく開発された、まったく新しい地デジアンテナ機種になります。

以下の項では、デザインアンテナの特徴と主な種類、そのメリットとデメリット、そして従来のアンテナである八木式アンテナとの比較についてご説明してまいります。

なお、各種地デジアンテナの受信について理解するための、地デジ放送や電波の基礎知識については、以下の各コラム記事でそれぞれ詳しく解説しております。

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

・徹底解説!強・中・弱の地デジ電界地域に適したテレビアンテナ工事の選び方、調べ方は?

・地デジ電波の強さと品質を示す「dB」「MER」「BER」とは何か?

・地デジアンテナを設置する高さの設定で重要となるハイトパターンとは? 地デジ電波を受信するために適切なアンテナの高さとは?

・UHFアンテナとは地デジテレビアンテナのこと? VHFアンテナとの違いや設置方法、古いアンテナや端子の交換方法も解説!

・VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

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デザインアンテナの種類と特徴とは?

いわゆる「デザインアンテナ」の名称は、広義には地デジアンテナの最新モデルであるユニコーンアンテナや、横型アンテナと呼ばれるモデルなど、八木式アンテナに比べて外観性を重んじたアンテナの総称として使われることもあります。

ただ一般的にデザインアンテナと言えば、アンテナの機器部を縦長の長方形で、薄型のパネルのようなケースに収めた、いわゆる「平面アンテナ」のことを指します。

そのサイズは、メーカーや、受信性能の違いを含めたモデルによっても異なりますが、一般的な屋外設置用モデルでは、高さ約60センチ前後、横幅は20センチ程度から25センチ前後。厚みは設置具も含めて十数センチ程度になり、八木式アンテナに比べると大幅な小型化を実現しています。

他にも、やはり機種によっても異なりますが、上記より半分程度かそれ以下のサイズで受信性能は低くなり、主に強電界地域用となりますが、付属の据え置きスタンドを使用して室内の窓際などにおいて使うこともできる、屋外屋内兼用のコンパクトモデルも存在します。

詳しくは後述する各項でご説明いたしますが、デザインアンテナはその形状から、主に住宅の壁面やベランダの手すり部などに、専用の設置具を固定して、アンテナ本体の正面側を電波の方向へと左右に角度調整して固定する形になります。

そのため、デザインアンテナには平面アンテナの他、形状や設置位置から、壁面アンテナ、薄型アンテナ、フラットアンテナ、ケースアンテナ、ボックスアンテナなどの名で呼ばれることもございます。

他にも、デザインアンテナも、住宅の屋根の上のマストや壁面状の部分に設置されることもあるほか、条件が許せば屋根裏や天井裏などの屋内空間に設置できることもございます。

その構造は、メーカーによってさまざまな工夫が考えられますが、基本的には、金属板の中央に縦の細長い切れ目(スロット)が入り、金属板で受け止めた地デジ電波がスロットの部分に集まり、設置されたコンデンサーやコイルで電波を集めて伝える「スロットアンテナ」に、カバーを施したものと考えられます。

このスロットアンテナは、受信する電波の波長と受信感度によって金属板のサイズが変わってくるため、各メーカーのモデルでも、受信性能ごとの大きさにさほどの違いは生じません。

またアナログ放送時代のVHF波に対応するスロットアンテナ(デザインアンテナ)は、たいへん大型となり実用が難しいため、地デジ化によって実現したモデルといえます。

デザインアンテナの受信性能は、コンパクトモデルを除けば、主に20素子相当、26素子相当の二種類になり、現場に届く電波レベルによって使い分けられます。

この「素子(数)相当」とはデザインアンテナの受信性能を、後述する八木式アンテナ(素子アンテナ)に設置された素子(エレメント:地デジ電波を受信する部品)の数で、受信性能に比例する「素子数」に換算したものです。

デザインアンテナの具体的なメリット・デメリットについては、以下の項で個別にご説明してまいりますが、総じてデザインアンテナは、従来モデルである八木式アンテナの弱点をカバーしている一方、性能的には及ばない点もある、対照的な地デジアンテナ機種といえます。

なおデザインアンテナの設置をアンテナ工事業者に依頼した場合の費用の相場は、20素子相当のアンテナ本体、設置具やケーブルなど基本的な部材の価格をセットにした基本設置工事で、20,000円から30,000円程度になります。

当あさひアンテナのデザインアンテナ基本設置工事では、DXアンテナ製の20素子相当モデル「UAH201」。または強電界地域用コンパクトモデルとして、マスプロ電工製の「U2SWLC3(スカイウォーリーミニ)」を各カラーバリエーションでご用意し、アンテナ本体と基本設置具。白黒2色の同軸ケーブルなどの費用も含め、税込み20,000円からでお引き受けしております。

他にも地デジ受信環境が悪いエリア向けに、26素子相当のモデルもご用意しております。

デザインアンテナについての詳細は、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!

・業界最小デザインアンテナ!マスプロ電工「スカイウォーリーミニ」のメリット・デメリットとは? 失敗しない取り付け例も解説!

・新築戸建てテレビアンテナ設置におすすめのデザインアンテナとは? アンテナ種類の比較と選び方、業者の工事費用の相場まで解説

・地デジ放送テレビ用・デザインアンテナおすすめ機種の選び方は? 人気ランキングから業者の工事費用、価格の相場まで徹底解説!

テレビアンテナの古典モデル・八木式アンテナとは?

八木式アンテナ(八木アンテナ、八木・宇田アンテナ)とは、前述の通り、現在から約100年前の1920年代、八木秀次博士、宇田新太郎博士の共同研究により発明された古典的なアンテナで、アナログ放送時代はほぼ唯一のテレビアンテナでした。

現在の地デジ用UHFアンテナである八木式アンテナは、矢印型の骨組みに、電波を受信する部品である短い横棒「素子」が多数ついた、魚の骨のような形になります。

八木式アンテナの主な設置位置は、住宅の屋根の上に固定されたマスト(支柱、ポール)の先ですが、他にも住宅の壁面やベランダの手すり部にサイドベースという器具を設置して取り付ける。またベランダ内部空間へ設置する。小型モデルを軒先などから吊り下げるなどの方法もございます。

八木式アンテナの特徴は、8素子、14素子、20素子など素子数(受信性能)別のモデルが豊富で、強・中・弱の各電界地域など、国内の幅広いエリアで使用できること。

そして素子を使用したシンプルな素子アンテナの構造や、設置位置が高く周辺の障害物に影響されにくいこと。指向性が高いこと。また一ヵ所に複数の素子部品を固定する高性能素子を用いた、高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)。地デジ電波でも対応する周波数帯を限った分、受信性能が向上するローチャンネル用アンテナなども存在するため、同じ素子数(相当)のデザインアンテナなど他機種と比べても、受信感度が高くなるのが特長です。

現在でも八木式アンテナは、受信性能では地デジアンテナ機種の中で最強といえ、弱電界地域など、地デジ電波レベルが弱い地域でも安定した受信性能を発揮する機種になります。

さらに古典的モデルのため、本体の価格、設置工事の費用も他の機種より低価格になり、現在でも地デジアンテナとして、他の機種と並んで広く利用されています。

一方で八木式アンテナは、一般的な20素子モデルで、横の長さが140センチ弱、高さ50センチ強。横幅35センチ程度と、デザインアンテナに比べるとやや大きい商品になります。

この大きさ、特に横の長さは素子数の多さに合わせて変動しますが、八木式アンテナは主にマストに設置されることもあり、全体的にはかなり大型のアンテナといえます。

そして金属製の構造が露出したシンプルな設計や、アンテナ自体が高い位置に設置されることから、住宅の見た目や周囲の景観の中で目立ってしまい、家や風景の見た目を悪化させるデメリットが挙げられます。

同じくアンテナ本体が風雨や雪、海沿いの潮風、野鳥の影響などを受けやすくなり、経年劣化が進みやすいため、耐用年数(寿命)が10年程度と短くなり、角度の狂いなどトラブルが生じやすくなる点もデメリットと言えます。

なお八木式アンテナにも、現場の自然環境に対応できるよう設計や素材などを工夫した塩害用、雪害用、ステンレス製などのモデルも存在し、現場の環境に合わせたモデルを利用することで、自然環境の影響による劣化をある程度、抑えることもできます。

またやや受信感度が低くなるリスクも生じますが、住宅の壁面やベランダなど、外部から見えにくく、風雨なども避けやすい設置場所を選ぶことでも、ある程度はデメリットを軽減できます。

なお、当あさひアンテナでは、DXアンテナ製の軽量で耐風性や防水性も高い高品質の20素子八木式アンテナ「UA20」。および屋根馬やマストなど基本の設置具。同軸ケーブル、防水処理の料金も含めた基本設置工事を、税込み15,000円からでお引き受けしております。

他にも八木式アンテナでは、各素子数モデル。パラスタックアンテナやローチャンネル用。雪害用、塩害用、ステンレスモデルなどもご用意しておりますので、設置の位置を含めて、さまざまな受信環境や自然環境に対応した八木式アンテナ設置をご案内いたします。

八木式アンテナについての詳しい解説は、下記の各コラム記事にもございます。

・地デジテレビアンテナ界の最長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?特長や設置位置、メリット・デメリットまで解説!

・地デジ「八木式アンテナ」に適した住宅の条件とは? アンテナ設置工事の特徴や種類を徹底解説!

・屋外用地デジアンテナは八木式アンテナが最強? 人気のデザインアンテナ、ユニコーンアンテナと特徴比較&おすすめの選び方紹介

・新築戸建てのテレビアンテナ工事費用を安くできて高性能の八木式アンテナとは? アンテナ種類の選び方や業者の料金相場を解説

・高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説

・地デジUHFアンテナのオールチャンネル対応とローチャンネル用とは? テレビが映らない原因と受信レベルを上げる対処を解説!

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デザインアンテナのメリットとは?

以下の項では、現在、デザインアンテナが地デジアンテナの中で一番の人気を誇る理由として、お客様のご要望に応えられるそのメリットを、6つのポイントからご説明いたします。

デザインアンテナのメリット1:設置の見た目が整う。

デザインアンテナの魅力は、その名称通り、本体がシンプルでスタイリッシュなデザインであり、主な取り付け方法も、住宅の壁面やベランダの手すり部に固定具を取り付け、面で貼り付けるようにして固定されるため、設置しても住宅の見た目に溶け込み、目立たず外観性に影響を与えない点です。

さらにデザインアンテナは、各メーカーの同モデルでも、カラーバリエーションが豊富という特徴もございます。

例えば日本三大アンテナメーカーのひとつ、DXアンテナ社のデザインアンテナ「UAH201/UAH261」シリーズ(それぞれ20/26素子相当)には、それぞれ「W(オフホワイト)」「L(ライトブラウン)」「C(ブラックブラウン)」「B(ブラック)」の4色のモデルがあり、どれも落ち着いた色合いで、さまざまな住宅の壁面にマッチするよう考慮されたものになっております。

他にも、各メーカーのデザインアンテナが、戸建て住宅の外観に調和することを大前提として、さまざまなデザインアンテナモデルのカラーバリエーションを用意しています。

そのためデザインアンテナでは、お住まいの色合いに近いカラーバリエーションのモデルをお選びになることで、まるでアンテナ本体が住宅の一部のように溶け込み、家の見た目にもほとんど影響を与えることがなくなります。

特に近年のデザイン性の高い住宅では、屋根の上に昔ながらの八木式アンテナをマストで立てると、デザイン性が台無しになってしまうと思われる方もおられ、お住まいの外観性にこだわりをお持ちのご家庭を中心に、おしゃれなデザインアンテナの人気が高まっているのです。

デザインセンスをお持ちのお客様には、あえて住宅全体や壁の色合いと微妙に、またはまったく異なる本体色のデザインアンテナを設置することで、住宅の見た目のアクセントとしてご利用になる方もおられます。

また特に日本国内で、歴史ある街並みや自然環境などから、景観法に基づいて景観計画区域、景観地域などに指定される地域では、景観法や条例に基づき、一般の住宅でも、八木式アンテナなど一部アンテナ機種や、一定の高さ以上へのアンテナなどの取り付けが制限されるケースもあります。

しかしデザインアンテナであれば、設置しても目立たず、住宅の見た目、ひいては周辺の景観にも影響を与えることがないため、景観地域などでも問題なく設置できるのです。

デザインアンテナのメリット2:風雨などに強いため寿命が長くなる。

デザインアンテナの形と取り付け位置によって実現できる、見栄えの良さと並ぶもうひとつの大きなメリットが、風雨や雪などの自然環境に強く、屋外への設置でも耐用年数が長くなることです。

通常モデルの八木式アンテナやBS/CSアンテナを屋根の上でマストに固定して設置した場合、機器がむき出しの構造やディッシュが風を受けやすく、また角度の狂いに弱いなどの要因から、雨風や雪をはじめ、海沿いでは潮風による塩害。また野鳥が留まり、酸性のフンによる腐食などの鳥害を受けやすくなるため、その耐用年数(寿命)は10年程度になります。

対して、デザインアンテナの場合が、アンテナ本体が、機器部を外装でほぼ完全にカバーしている形状に加えて、設置場所が壁やベランダの手すりなどになるため、風雨などを受けにくい。外壁などに固定具を用いて、面でしっかり設置されるため、風圧など外部からの力にも強くなります

したがって上記したアンテナ機種に比べると自然環境に強くなり、経年劣化も抑えることができるため、耐用年数(寿命)が格段に延びます。デザインアンテナの具体的な寿命は、通常の壁やベランダなどへの設置で、15年から20年程度と考えられております。

またデザインアンテナは、自然環境に対して強いことに加え、八木式アンテナに比べて指向性が低い(半値幅が広い)ため、角度の狂いによる受信不良も起こりにくくなります。

デザインアンテナはこのようなアンテナ本体の寿命の長さ、トラブルへの強さに加え、設置した後、ある程度の年数を過ぎた際にメンテナンスを行うことで、何十年もの長期にわたって使用できることも考えられます。

なお地デジアンテナの寿命については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・テレビアンテナの寿命と交換時期は? 地デジ・衛星放送別に必要な工事を徹底解説!

・BS/CS衛星放送や地デジ用アンテナの寿命と交換時期は何年? 取り付けから約10年でテレビが映らない時の対処法を解説!

デザインアンテナのメリット3:メンテナンスが行いやすくなる。

上の項でも少し申し上げましたが、各種のテレビアンテナには耐用年数(寿命)があり、寿命が近づいたアンテナは、経年劣化の進行により自然環境への耐久力などが低下し、配線部や部分的な故障、角度のズレなどが生じやすくなります。

ただ寿命が近づいたアンテナはメンテナンスを行い、角度の再調整や、設置具を含めて経年劣化が進んだ部分の補修、交換などを行うことで、受信性能や耐久性が回復して、そこからまた新設のアンテナに近い寿命を回復できます。

そして屋根の上に設置された八木式アンテナやユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナの場合は、メンテナンスも屋根の上に登る必要があるため、大変な危険が伴い、必ずプロのアンテナ工事業者に依頼することが必要になります。

ただデザインアンテナがベランダの手すりをはじめ、お家の壁面でもベランダや窓の近くなど、手の届きやすい位置に設置されている場合は、ご自身でのメンテナンスも行いやすくなります。

上記のような位置に設置されたデザインアンテナであれば、日ごろからその状態に注意して、手入れを行うことで、設置から20年以上が過ぎても、安定した受信性能と耐久性を期待できます。

ただデザインアンテナであっても、設置位置が高い、窓などからやや遠いなど、メンテナンス作業に少しでも危険が伴う場合は、メンテナンスはアンテナ工事の専門業者へお任せになることをおすすめいたします。

デザインアンテナのメリット4:屋内空間への設置が可能なケースもある。

上記の通り地デジアンテナは、住宅の室内や屋内空間に設置できるケースもあります。

これは、地デジ電波はある程度、波長の幅をもって空間を伝わる性質から、一般の住宅でも、窓などのガラスをはじめ、金属素材や土壁、ウレタンなど、電波を反射、吸収する素材でなければ、家の窓や壁、屋根などを通り抜けて、屋内まで到達するためです。

したがって上でご説明したように、デザインアンテナのコンパクトモデルを含む、屋外屋内兼用アンテナや、室内アンテナを窓際に設置することでも、地デジ放送を受信できる場合があります。

また通常は屋外に設置される20素子相当や26素子相当のデザインアンテナを、住宅の屋根裏空間や、上階と下階の間に当たる天井裏空間に設置できる場合もあります。

このような屋内空間への設置であれば、住宅の外見に影響しないことはもちろん、外装などを加工する必要もなくなります。さらにアンテナ本体も風雨などの自然環境からほぼ完全に守られるため、メンテナンスの必要もなくなり、屋外設置に比べて格段に寿命が長期化します。

ただ一方で、屋内空間でデザインアンテナを使用できる現場には、いくつか条件が整っている必要がございます。

まず屋根裏などへの設置や、屋内兼用のコンパクトモデルの利用を含めて、現場が強電界地域など、高いレベルの地デジ電波が受信できるエリアであること。また周辺環境が地デジ電波を遮らず、十分な強さの地デジ電波が屋内まで届くことが重要です。

これは、家の屋根や壁が地デジ電波を通しやすい素材であっても、通り抜ける際にはある程度の減衰が発生するため、元の電波が強力である必要がある。また電波を通しやすい窓際などに設置されるコンパクトモデルの場合も、本体が小型になる分、3素子相当程度から、やや大型のモデルでも16素子相当程度など、本体の受信性能が低くなるためです。

また上記の通り、建物の建材が電波を遮断しにくい素材であることが重要です。電波を反射する鉄骨や遮熱用のアルミなどの金属素材。また電波を吸収しやすいコンクリートや土壁など密度の高い素材。ウレタンなど電波を吸収する断熱材が使われている住宅では、デザインアンテナの屋内設置は難しくなります。

同じ理由から、屋根の上に太陽光パネルが敷き詰められている住宅。冬場に屋根の上に積雪(電波を吸収しやすい水分)がある地域などでは、やはり地デジ電波が遮られやすいため、地デジアンテナの屋内設置は難しくなります。

他に屋根裏や天井裏などにデザインアンテナを設置できる条件としては、その空間に、設置作業を行える、最低でも一メートル四方の空間があること。また屋根裏などの空間に通じる、作業の担当者が機材を持って出入りできる、やはり一メートル四方程度の点検口があることになります。

なお、屋根裏空間などへの地デジアンテナ設置では、基本的にコンパクトで屋根裏などにも設置しやすいデザインアンテナが採用されます。特に屋根裏空間への設置では、屋外の壁面より設置の高さを確保できるため、場合によってはかえって受信感度が高まるケースもございます。

デザインアンテナより受信感度の高い八木式アンテナを、屋根裏などに設置することも不可能ではございませんが、ただ本体の大きさから、設置空間や出入口の条件が、デザインアンテナの場合より厳しくなる。また八木式アンテナの設置では、屋根裏空間などに固定するための特殊な設置具が必要になるため、設置の費用もデザインアンテナとほとんど差がなくなるため、特に八木式アンテナを使用するメリットはございません。

そのため屋根裏などへの設置にあたって、デザインアンテナでは本体の受信性能が不足し、八木式アンテナを設置できるスペースや出入り口などの条件が整っている現場などのケースを除いて、デザインアンテナ以外の機種が使用されることは少なくなります。

当あさひアンテナでも、屋根裏などへの地デジアンテナ設置に、八木式アンテナや横型アンテナを採用した施工例は複数ございますが、デザインアンテナに比べると、その例はさほど多くはございません。

またユニコーンアンテナに関しては、基本的に屋根の上に当たる高所に設置されることで受信性能を発揮するモデルで、最新モデルであるため本体や設置の費用が他の機種より高額になること。また本体の受信面の狭さから屋内空間への設置に適さないため、屋根裏空間などへの設置に使用されることはございません。

なお、デザインアンテナを屋根裏、天井裏などに設置する場合、業者によっては基本設置費用の他に、追加工事費が発生することもございます。

ただ当あさひアンテナでは、デザインアンテナの屋根裏・天井裏への設置工事も、追加工費はご無用の基本設置工事費用と必要な機材、工事の費用のみでご案内しております。

デザインアンテナ等の屋内設置については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。

・徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?

・徹底解説・地デジテレビアンテナを屋根裏設置する工事のメリットとデメリット、施工費用、取り付け可能な条件と対応業者は?

・室内設置におすすめ地デジテレビアンテナの選び方とは? 人気デザインアンテナ屋根裏取り付けで失敗しない工事方法、費用を解説

デザインアンテナのメリット5:住宅の敷地内に収まり太陽光パネルにも影響がない。

八木式アンテナやBS/CSアンテナなど、やや大型のアンテナを屋根の上のマストに立てると生じやすい問題が「越境問題」と、太陽光パネルへの影響です。

越境問題とは、お住まいや建物の一部、その他、お住まいに属するものが、隣家の敷地に侵入してしまう問題です。一般的には、庭木の枝などが隣家の敷地まで伸びて、日照や住宅、設備などに触れることでさまざまな悪影響を与えるといった問題が多くなります。

そして大型のアンテナを設置した場合、アンテナの一部が隣家の敷地に割り込んでしまうことで、この越境問題が生じるケースも考えられます。

また太陽光発電システムがあるお住まいで、屋根の上に八木式アンテナやBS/CSアンテナを立てる形で設置すると、アンテナの影が太陽光パネルに落ちて、発電効率が低下するケースもございます。

これらの不具合も、薄型で壁面やベランダなどに設置できるデザインアンテナを採用することで、ほぼ解消できます。

なお越境問題については、下記のコラム記事でもご説明しております。

・テレビアンテナの隣家への「越境問題」対策

デザインアンテナのメリット6:設置費用がお手頃でDIY設置が可能な場合もある。

上記の通り、現在、戸建て住宅に地デジアンテナを設置する場合、もっとも低価格で設置できる機種は、古典的な機種である八木式アンテナです。

ただデザインアンテナについても、近年では各メーカーからのモデルの普及や、施工数の増加により設置費用が安定してきており、八木式アンテナに比べると5,000円から10,000円弱を加算した費用で設置できる業者が多くなっております。

ここまででもご説明した通り、デザインアンテナは、安定した受信レベルが確保できる現場であれば、八木式アンテナに比べて外観性もよく、寿命も長くなりトラブルも生じにくいなどメリットが豊富で、初期費用がやや割高になる点を考慮しても、コストパフォーマンスは非常に高いと申せます。

またベランダの手すり部など、作業の安全が確保できる位置へのデザインアンテナ設置であれば、業者に依頼せず、DIYでの設置が可能になるのもメリットのひとつと言えます。

ただDIYでの地デジアンテナ設置では、設置する場所で地デジ電波レベルが確保できるかどうかの判断や、住宅の各部屋に電波を送る配線が難しい。また工事の失敗などに保証がないというデメリットについてもご注意いただく必要がございます。

前述の通り、当あさひアンテナでは、20素子(相当)の標準機種と必要な部材の費用を含めた基本設置工事について、前述の通り八木式アンテナは税込み15,000円から、デザインアンテナは税込み20,000円からでご案内しております。

またアンテナ工事に伴う、事前の電波調査、お見積りも、現場への出張費、キャンセル費なども含めて完全無料で実施しており、デザインアンテナ設置にあたっては、もちろん現場の電波状態にもよりますが、壁面などのピンポイントレベルで受信レベルの高い位置を割り出し、可能な限り受信レベルの安定したデザインアンテナ工事を実現できるよう最善を尽くします。

さらにアンテナ工事の完了後も、弊社では業界最長クラスの長期アフターサービス「10年保証」をご用意しております。もちろん実績豊富で高い技術力を誇るプロのアンテナ職人による施工品質の高さも含め、DIYでの設置に比べても、コストパフォーマンスではひけをとらない施工をご提供いたします。

お客様満足を大切に あさひアンテナ

デザインアンテナのデメリットと注意点とは?

上記のようにメリットの豊富なデザインアンテナですが、一方で他のアンテナ機種に比較した場合の弱点、デメリットもいくつかございます。その弱点を正確に把握しないままデザインアンテナを設置すると、思わぬ失敗に見舞われるケースも考えられます。

以下、デザインアンテナの弱点と、考えられる設置の失敗例。そしてその失敗を避けるポイントについて解説してゆきます。

特にデザインアンテナの設置をお考えのお客様は、以下の弱点やデメリットも把握された上で、デザインアンテナがご自宅の環境やご希望に適しているかをご考慮くださいませ。

デザインアンテナのデメリット1:八木式アンテナに比べて受信性能がやや低い。

現在でもデザインアンテナの弱点として第一に挙げられるのは、八木式アンテナに比べると受信性能が低くなる点です。

上記のようにシンプルな設計の素子アンテナで、受信性能の高さを誇る八木式アンテナに比べて、デザインアンテナは、同じ素子数(相当)のモデルでも、やや受信性能が低くなります。

これは素子アンテナとそうでないアンテナの構造上の問題に加え、指向性や主な設置位置の違いも大きく関係します。

地デジアンテナには、アンテナの真正面を中心とした一定の角度内でのみ受信性能が高まる「指向性」という性質があり、この指向性は、もっとも高いアンテナ真正面の受信感度を基準に、アンテナを左右にずらして受信性能が最大の半分になる角度を示す「半値幅」という数値で表されます。

この地デジアンテナの指向性(半値幅)には、素子数(相当)が多く受信性能が高いアンテナほど狭くなる。また同素子数(相当)のアンテナであっても、半値幅が狭いアンテナは、その範囲内の受信性能が高まるという性質があります。

そして20素子の八木式アンテナは、メーカーやモデルにもよりますが、半値幅は28度から52度程度で範囲が狭い分、受信感度が高まり、アンテナの真正面(矢印型とは反対の先端)を電波塔の方向へ正確に向けることで、ノイズ(地デジ電波の品質を落とす余計な電波)も受信しにくくなり、受信感度が高くなるのです。その反面、わずかな角度の狂いで受信性能が低下しやすい弱点もございます。

一方、20素子相当のデザインアンテナは、半値幅が75度から86度とやや広い分、同じ素子数相当でも、範囲内の受信感度はやや低くなります。一方、多少の角度のズレには強いため角度調整は簡単になり、範囲内であれば複数の方向からの地デジ電波も受信しやすくなるというメリットもございます。

さらに八木式アンテナの場合、基本的な設置位置が屋根の上などの高所で、位置的にも、送信される地デジ電波が周辺のビルなどの障害物によって遮られる影響を受けにくく、地デジ電波を安定して受信しやすくなります。

対して壁面など低い位置に設置されるデザインアンテナは、地デジ電波が設置位置に届くまでに障害物などの影響を受けやすく、特に高層ビルの近隣や、住宅密集地などでは壁面への地デジ電波が遮られるケースも多いため、強・中電界地域であっても設置が難しくなることもございます。

デザインアンテナの受信性能に関する弱点は、屋根の上のマストなど高い位置に設置することである程度、解消できますが、やはり八木式アンテナに比べると受信感度はやや弱くなります。

総じてデザインアンテナは、通常の屋外用モデルでも、基本的に強・中電界地域向けのモデルになり、弱電界地域などでは使用できない場合もある他、強・中電界地域でも周辺環境によっては壁面やベランダへの設置ができないケースも出てまいります。

特に地デジ電波は、まったく同じポイントでも、一年の気候の影響でやや電波レベルが変動し、特に雨や雪などの悪天候ではレベルが大きく低下します。

そのためデザインアンテナの設置時に、電波レベルの確保が不十分だと、普段の受信に問題はなくとも、特定の季節や悪天候の際のみ、地デジ画面の表示が乱れる問題なども考えられます。

かつてはデザインアンテナにも、受信性能の弱さをカバーすべく、電波を増幅するブースター内蔵型のモデルが存在しましたが、ブースターが故障した場合の交換の難しさから、現在では少なくなっております。ただ現在でも背面にブースター設置用の空間を備えた機種も存在し、別途のブースター設置は行いやすくなっています。

総じて、特にデザインアンテナの設置に当たっては、設置現場で事前に綿密な電波調査を行い、デザインアンテナでも十分な地デジ電波を受信できる位置を特定することが重要になります。

当あさひアンテナでは、地デジアンテナ各モデルなどテレビアンテナの設置にあたり、現場での電波調査と工事のお見積もりを、現場への出張費、キャンセル費など各種費用を含めて「完全無料」で実施いたします。

電波調査では、お住まいの各お部屋やさまざまな位置で綿密な測定とチェックを行い、現場の状況に適したアンテナ機種や施工方法をご提案いたします。デザインアンテナの場合は、お住まいの壁面などでも細かなポイントごとに電波を測定し、ピンポイントで受信レベルが高い位置を見つけ出すなどして、現場の受信状況で可能な限り、デザインアンテナの設置にご対応いたします。

なお地デジアンテナ設置時の電波調査とお見積り、またデザインアンテナの設置で起こりやすい失敗例などについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ工事費用がいくらかわかる「見積もり」とは? 業者、会社ごとの設置費用の相場や選び方を解説

・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説

・地デジ用テレビアンテナ「デザインアンテナ」の失敗しない取り付け工事とは? 価格や工事費用、料金の相場や業者選びも徹底解説

・デザインアンテナ取り付けでテレビ視聴の失敗例とは? 工事の費用やメリット・デメリット、失敗しない設置方法の選び方まで解説

・人気地デジアンテナ、デザインアンテナのメリットとデメリットとは? その失敗例から、適切な取り付け工事の選び方と費用を解説

デザインアンテナのデメリット2:設置できる壁面の方角が限られる。

ここまででもご説明した通り、地デジ放送では日本各地に設置された電波塔から地デジ電波を送信しており、地デジアンテナの設置現場から見れば、電波塔の方向から電波が届くことになります。

ただ実際には、電波塔から送信された地デジ電波は、建物などの障害物に遮られる他、高層ビルに反射して方向が変わる「反射波」なども発生するため、現場の各ポイントに届く地デジ電波の強度や方向はやや複雑になります。

そして地デジアンテナには指向性があるため、この電波の方向に、アンテナの正面側が向くよう角度調整を行うことが大切になります。

デザインアンテナの設置は、まず壁面やベランダなどに固定具を設置し、アンテナ本体を固定する形になります。角度調整の方法は機種によって異なりますが、背後の中央で固定されるマストを軸に左右に動かす。また左右の固定部からドアを開くようにして本体を調整する流れになります。

いずれにせよ電波塔などから届く地デジ電波は、デザインアンテナを設置する住宅そのものに遮られてしまうため、デザインアンテナを設置できる壁やベランダは、現場に電波を送信する電波塔の方角で、デザインアンテナを角度調整して電波塔の方向に正面を向けることができる位置に限られます。

逆に、電波塔の方向とは正反対の壁には設置が難しくなることをはじめ、地デジ電波が届く方向の壁でも、周辺の障害物なども影響も受けやすくなります。

総じてデザインアンテナは主に壁面に設置されるアンテナとはいえ、必ずしも壁面のどの位置にでも設置できるものではないことは、ご注意いただきたく存じます。

なお地デジアンテナの角度調整については、以下の各コラム記事にも詳しい解説がございます。

・地デジ用テレビアンテナ設置の工事で向きや角度を調整すべき方向と「指向性」の関係とは? 自分で方角を調整する方法も解説!

・地デジテレビアンテナをさまざまな場所に設置する工事と、アンテナの向きや方向を自分で調整する方法とは? 費用の相場も解説!

・住宅に設置された地デジ用テレビアンテナの向き、角度を調整する方向と費用は? 業者に工事を依頼する料金相場と選び方も解説!

デザインアンテナのデメリット3:水平偏波と垂直偏波で別モデルが必要。

地デジ放送は上記の通り、日本各地に設置された地デジの電波塔から、周辺のエリアに地デジ電波を送信するテレビ放送です。

そして日本国内の9割以上の電波塔からは、地上に対して水平の波長を描く「水平偏波」が送信されています。ただ残り1割以下の電波塔からは、波長が地面に対して垂直の「垂直偏波」が送信されているのです。

これは、波長(周波数)の近い別々の電波が同じ空間を伝わると、複数の電波が干渉して入り混じる「混信」が起こるためです。例えば別々の地デジ電波や、周波数帯の近い携帯電話の電波などが同じ空間を伝わると、混信によって電波障害、通信障害の原因になります。

ただ周波数帯が近くとも、波長の角度が異なる電波は混信を起こしにくくなるため、携帯電話の基地局の付近など、混信の恐れがある地域では、地デジ電波を垂直偏波にすることで、混信のリスクを避けているのです。

そして地デジアンテナの設置も、この垂直偏波、水平偏波に合わせる必要があります。基本的にはアンテナの設置角度を、この波長の角度に合わせて90度、変更することで対応でき、八木式アンテナ設置ではその方法が使用されます。

ただデザインアンテナは、一部のコンパクトモデルでは同じ方法で対応できるものの、設置角度を90度、変更すると、アンテナの見た目や左右への角度調整に問題が出るため、水平偏波対応と垂直偏波対応の機種に分かれており、現場で受信できる地デジ電波の種類に合わせる必要がございます。

ちなみに後述するユニコーンアンテナは、水平偏波専用モデルのみになります。

また水平偏波、垂直偏波については、以下のコラム記事でも詳しく解説しております。

・地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

デザインアンテナのデメリット4:壁面設置では住宅の壁にビス穴を開ける必要がある。

デザインアンテナは主に住宅の壁に専用の固定金具を設置し、そこにアンテナ本体を取り付けて、角度調整の上で固定する機種であることは、上の項でもご説明した通りです。

そして壁面に固定具を設置する場合は、まず壁面にビス穴を開け、ビスで固定することになります。

そのため、特に新築物件で壁面などの外装を傷つけたくない方。また借家などで住宅を加工できない場合は、デザインアンテナの設置に注意が必要です。

なおこの点は、サイドベースという固定具を用いて、八木式アンテナやユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナなどを壁面に設置する場合も同様です。

いずれにせよ、壁面にビス穴を開けてアンテナを取り付ける作業を行う場合には、施工技術が確かで、壁面の腐食などを防止し、必要以上の傷などをつけない業者に依頼することも重要です。

なお当あさひアンテナでは、上記の通り綿密な電波調査で、デザインアンテナの壁面設置でも安定した受信を実現できる位置を特定することはもちろん、壁に設置具を設置する際も、極細のビスを用いて、壁面のビス穴は最小限にとどめ、ビス穴に防水用の変性シリコンを丁寧に充填することで、壁穴から雨水などの浸み込みによる腐食やひび割れなどを防止する、丁寧な施工を実施しております。

テレビアンテナの壁面設置については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。

・地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説

・壁面に設置できる地デジ用テレビアンテナとは? デザインアンテナなど壁に取り付けられる全アンテナと工事費用、失敗例など解説

地デジアンテナの最新モデル「ユニコーンアンテナ」とは?

ここまでのご説明でご理解いただけると思いますが、旧来の八木式アンテナは、受信性能の高さを重視した機種。対して新しいデザインアンテナは、受信性能をやや犠牲にして、八木式アンテナの弱点である、設置の見た目や自然環境への強さを重視した機種と言えます。

双方とも一長一短と言える面があり、特にデザインアンテナをご希望でも、電波を遮る障害物が多いなど現場の環境によっては、壁面やベランダへの設置工事が叶わないケースも少なくはございません。

そんな中、2017年(平成29年)に登場したマスプロ電工社の「U2CN」ことユニコーンアンテナは、双方のアンテナの長所をできるだけ融合した、第三世代の地デジアンテナといえます。

このユニコーンアンテナは、受信性能は20素子相当。長さは約67センチ、直径は12センチから14センチ程度の、ほぼ円筒形の地デジアンテナです。カラーバリエーションは、マットな色合いの「ウォームホワイト(WW)」「ブロンズブラック(BB)」の二色になります。

設置方法は、アンテナ下部でカバーに隠された固定部により、マストの先にアンテナを立てる形になり、八木式アンテナと同様、屋根の上のマストや、破風板(屋根の張り出し部)、壁面の高所に固定されたサイドベースを用いて、アンテナ本体が屋根の上に出るように固定されます。

ユニコーンアンテナのメリットは、そのスタイリッシュが外観で、設置しても、住宅の見た目や景観に悪影響を与えない点。そして雨風や雪などが通り抜ける形状から、経年劣化が進みにくく耐用年数もデザインアンテナと同程度に長期化する点です。

それに伴い、景観地域への設置にも問題はない。越境問題も起こりにくい。太陽光パネルにも悪影響を及ぼしにくいなどの長所も、デザインアンテナと同等です。

そしてユニコーンアンテナ最大の特性は、設置位置の高さから、周辺の障害物に影響されにくくデザインアンテナより受信感度が高くなる点です。

上記のようにデザインアンテナの場合、強・中電界地域でも、周辺環境の影響で地デジ電波が遮られやすい、特に高層ビルの近隣や住宅密集地などでは、設置できないケースが多くなります。

しかしそのような現場でもユニコーンアンテナであれば、高所設置で周辺環境の影響を避けられるため、設置が可能になるケースが多くなるのです。

他にも、同じマストの下部に、BS/CSアンテナもセットで設置できるメリットもございます。

一方でユニコーンアンテナは、デザインアンテナよりさらに半値幅が広い(83度から93度)他、デザインアンテナと同様の理由から、同じ20素子の八木式アンテナに比べると受信性能は及ばず、基本的には強・中電界地域向けの機種になります。

その他、現在の最新機種になるため、地デジアンテナ機種の中では、本体価格や設置にかかる費用がもっとも高価格になる。純和風建築など住宅のデザインによっては、モダンなデザインが調和せず外観を乱す場合もある、といったデメリットも考えられます。

なお、ユニコーンアンテナ設置をアンテナ工事業者に依頼する場合、アンテナの本体価格や設置具などの費用を含めて、30,000円から40,000円程度が工事費用の相場になります。

そして当あさひアンテナでは現在、ユニコーンアンテナの基本設置工事を、アンテナ本体や設置具など必要な機材の費用も含め、業界最安に挑む「キャンペーン価格」でご案内しております。

総じてユニコーンアンテナは、設置費用はやや割高ながら、デザインアンテナのメリットをお求めながら、現場の条件でデザインアンテナが設置できない、また受信感度に不安が残る場合にオススメの機種と申せます。このユニコーンアンテナの詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。

・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!

・外見、寿命、性能すべて優れるテレビアンテナ・ユニコーンアンテナとは? 特徴とメリットデメリットから設置工事の料金まで紹介

・ユニコーンアンテナの特徴と評判、設置工事の費用とは? 地デジ用アンテナ各機種のデザインとメリット、失敗を避ける方法を解説

デザインアンテナの基礎知識・まとめ

本文でご説明した通り、デザインアンテナは、設置費用もお手頃ながら、設置の美観もスッキリ整い、台風などの強風や大雨などにも強いという、とても優れた魅力を持つアンテナです。

一方で受信性能がやや弱く、受信レベルが周辺環境にも左右されやすいため、設置にあたっては、余裕のある受信レベルを確保できる位置を特定することが必須です。

したがって特にデザインアンテナの設置では、当あさひアンテナのような、テレビ電波やアンテナの性能について熟知する、信頼できるプロのアンテナ工事業者にご依頼になることが重要と申せます。

弊社では本文でご説明した通り、現地の電波調査、お見積もりを完全無料で実施しており、現場で可能な限り、デザインアンテナで安定した受信が可能になる設置工事を、業界最安に挑む費用でご提案いたします。またお見積もり当日の即日工事にも対応しております。

実際の施工は豊富な経験と実績、専門知識と技術力を誇る弊社の社員スタッフが担当する、下請け業者を使わない完全自社施工で、壁面へのアンテナ設置や配線はもちろん、屋根裏空間の配線や機器の設置など、見えない部分もきれいで丁寧な施工を徹底しております。

工事が終了してからのアフターフォローも、施工技術への自信から、業界最長の「10年保証」をご用意しており、万が一のトラブルからメンテナンスまで、末永いご安心とご満足をお約束いたします。

さらに今、当あさひアンテナでは「大感謝祭」として、弊社へのアンテナ工事と、超高速の光インターネット回線を同時にお申込みいただくことで、光回線の会社から75,000円、弊社から10,000円で、最大85,000円のキャッシュバック・キャンペーンを実施しております。

このキャンペーンの適用により、地デジ、BS/CSアンテナを含む各種アンテナ工事の費用が、実質で最大「0円」となりますので、ぜひご利用いただければ幸いです。

デザインアンテナ含む各種テレビアンテナ設置工事を、高品質かつ低価格でお求めのお客様。また上記のキャンペーンについては、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話、公式サイトのメールフォームや弊社LINEアカウントまで、お気軽にご相談、お問い合わせくださいませ。

 

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。