4K8Kアンテナは自分で費用を抑えてDIYできる? 衛星放送BS/CSアンテナ設置方法と業者の設置費用、料金の相場を解説

2024年07月11日
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21世紀に入って以降、テレビ放送はさまざまな進化を遂げています。

いわゆる地上波テレビ放送では、20世紀までのアナログ放送から、2003年(平成15年)より現在の地上デジタル放送(地デジ放送)がスタートし、2011年(平成23年)にアナログ放送が完全停波(終了)したことで、地上波放送は地デジへと完全移行されました。

ちなみにデジタル放送とは、それまでのアナログ放送が、テレビの映像信号を電波の強弱に変換して送信する放送だったのに対して、映像信号をいったん「0」「1」のデジタル信号に変換した後、電波の波長に変換して送信する放送です。

デジタル放送では送信する映像情報を大幅に圧縮できるため、アナログ放送よりも使用する電波の周波数帯を抑えながら、より大容量の情報を送信することが可能になります。

今ではすっかり定着した地デジ放送も、転換の当時を経験された方であれば、従来のアナログ放送用のアンテナやテレビから、地デジ対応の製品への買い替え。また従来のアナログ放送から地デジに切り替わった時の、ハイビジョン放送の高画質や、高画質化による大画面テレビへの対応。さらに番組表、データ放送、双方向通信など、追加されたさまざまな新機能に驚いたことを覚えておられる方も多いことでしょう。

一方、衛星放送は、当時の地上波放送(アナログ放送)に続く新たなテレビ放送として90年代初頭にスタートし、地デジ放送よりいち早く、BS放送は2000年代の初頭にデジタル化を実施しています。

衛星放送の魅力と言えば、NHK、広域民放など無料放送のチャンネルでも、地上波放送では観られないさまざまな番組が放送されることに加え、日本国内の全域で、同じ内容の放送を安定して試聴できる。また特にCS放送では有料チャンネルも豊富で、映画やアニメ、時代劇、スポーツ、ドキュメンタリー、お笑いなど、さまざまなジャンルの専門チャンネルをお好みで視聴できるという点などが挙げられ、現在では衛星放送の普及率も、全世帯の7割を超えています。

この衛星放送のチャンネルをご覧になるためには、衛星放送用のアンテナである、いわゆるパラボラアンテナをお住まいに設置して、人工衛星からのテレビ電波を受信するほか、現在ではケーブルテレビ(CATV)、インターネットの光回線を利用した光テレビでも、現在ではBS放送、CS放送の多くのチャンネルを視聴できます。

ただ戸建て住宅などであれば、お住まいにパラボラアンテナであるBS/CSアンテナを設置することにより、BS放送の無料チャンネルはもちろん、CS放送の無料デーなど無料放送であれば、ご視聴に料金はかかりません。

そして近年、注目されているのが4K、8Kテレビです。従来の地デジ放送やBS、CSデジタル放送のハイビジョンは、解像度から「2K放送」と呼ばれるのに対し、4Kの解像度は2Kの4倍、8Kは16倍になります。

そのため4K、8Kテレビは、従来の2Kテレビに比べても、画質を維持したままより大画面を実現できることに加え、色彩表現の幅や鮮やかさ、動画表現のなめらかさなども、2K放送に比べて格段に向上しており、よりリアルで臨場感の高い映像を実現しています。

そして2024年(令和6年)現在、この4K、8K映像を視聴できるテレビ放送は、2018年(平成30年)にスタートした衛星放送の「新4K8K衛星放送」のみになります。

当コラムでは、主にこの新4K8K衛星放送の4K、8K映像をご家庭でお楽しみいただくため、衛星放送や4K、8Kの一般的な基礎知識の一覧から、衛星放送の4K、8Kチャンネルの種類と視聴方法の概要。

また新4K8K衛星放送に対応する衛星放送用のアンテナや、その他、必要になる機材。業者にDIY設置を依頼する場合の設置費用がいくらかかるか等の相場や目安。どこの業者に依頼すれば工事費用が安いか。また4K8Kに対応するBS/CSアンテナをDIYで設置する方法など関連の情報も、実際の事例に基づいてページ内でご紹介します。

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解説:BS/CS放送を観るために必要な衛星放送の基礎知識

前書きで申しあげた通り、現在の日本の衛星放送とは、1953年(昭和23年)、日本で最初にスタートしたテレビ放送である、地上波テレビ放送(アナログ放送)に続き、90年代に開始された新たなテレビ放送の形式です。

地上波テレビ放送とは、現在の地デジ放送、それ以前のアナログ放送とも、日本各地に設置された電波塔から、周辺地域にテレビ電波を送信する形式のテレビ放送です。電波塔から地上の空間へと電波を送信していることから「地上波放送」と言われますが、この名称は衛星放送が登場して以降、区別のために使われるようになった、いわゆるレトロニムになります。

現在の日本における地上波テレビ放送(地デジ放送)は、災害時などには緊急情報を送信する役割もある基幹的な放送であり、日本国内の不特定多数を対象にした放送です。つまり日本国内であれば、地デジアンテナやワンセグ・フルセグ受信機器を使うことで、誰でも無料(NHK受信料を除く)で視聴できる放送になります。

ただ地上波放送はその形式から、地デジ、アナログ放送とも、地上に数多くの電波塔を設置する必要があるほか、電波塔から離れるほど受信できる電波レベル(電波強度)が弱くなる。また山地や建物など障害物で電波が遮られる場所や、電波塔が設置されていない場所ではテレビ電波が受信できなくなる。地上の災害に影響を受けやすいなどの弱点が存在します。

この中でも、特に日本国内でテレビ電波が届かない(テレビが視聴できない)地域である、アナログ放送当時の「難視聴地域」解消のため、衛星放送の導入が企画されました。ただその後、衛星放送の主な目的は、地上波放送では難しい専門的な番組の放送など、視聴できるチャンネルを増やすことに転換されています。

衛星放送とは、その名の通り、人工衛星を使用したテレビをはじめとする各種放送です。

具体的には、地球の赤道軌道上、およそ36,000キロ上空にあたる宇宙空間を、地球の自転と同じ速さで周回しているため、地上からは常に空の同じ位置にあるように見える「静止衛星」を利用しています。

この静止衛星めがけて、地上の放送局より、テレビ電波を送信(アップリンク)します。静止衛星ではこの電波を受信し、内部で増幅、周波数を変換して、地球上の日本全域に電波を送信(ダウンリンク)することで、日本国内のすべてをカバーする放送を実現しています。

衛星放送のメリットは、一基の静止衛星から、日本の全域など地球でも半球側の広いエリアに、大容量の情報を効率的に送信できること。また放送範囲での電波の受信レベルの差が少なく、障害物や地上の災害にも影響を受けにくいため、安定した放送を実現できることです。

この静止衛星から地上まで送られる放送電波は、日本ではマイクロ波でもセンチメートル波(SHF)と呼ばれる電波のうち、周波数帯が12GHz(ギガヘルツ)前後の12GHz帯と呼ばれるものです。

12GHz帯の電波は、地デジ電波であるUHF(極超短波)の、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯(波長の幅は約40センチから60センチほど)に比べると、波長の幅も25ミリ程度と格段に周波数帯が高く、その性質は光に近くなり、直進性が高くなります。

そのため電波のエネルギーを集中させやすく、長距離を送信される衛星放送の電波に適しているのです。

衛星放送ではこの12GHz帯の電波を、宇宙空間の静止衛星から、日本の全域へと、スポットライトを当てるようにして送信していると考えるとわかりやすいでしょうか。

このように地上波放送に比べると効率的でメリットの多い衛星放送ですが、12GHz帯の電波の性質から、いくつかのデメリットも存在します。

ひとつは、12GHz帯の電波は光に近い性質から、太陽光がものに遮られると影ができるように、障害物に遮られやすく、遮られた向こう側に回り込む力が弱いという点です。

もうひとつ、12GHz帯の電波は多少の雨などには影響を受けませんが、強い雨や雪で、その粒が12GHz帯の電波の波長と同じ25ミリに近くなると、空中で12GHz帯の電波が吸収され、乱反射なども生じて電波障害(受信不良)にいたる「降雨減衰」「降雪減衰」が起こってきます。

他にも日本の衛星放送では、大阪府や京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県などの近畿地方から、東は三重県、岐阜県、愛知県、静岡県や東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、群馬県、栃木県、茨城県など中部、関東地方。西は岡山県、広島県、山口県の中国地方など日本の中心に近いエリアに比べて、静止衛星から見て地上までの距離が離れる、宮城県など東北に当たる北部一帯。また宮崎県、佐賀県、福岡県、大分県、熊本県、長崎県、鹿児島県など九州より先の南端部、離島部などの周辺エリアでは、距離による電波の減衰(弱まり)が起こり、受信できる電波レベルがやや弱くなる性質もあります。

これら衛星放送の性質がもたらす、受信の際の問題や注意点については、後の項で詳しく解説してゆきます。

またここでご説明した衛星放送の仕組みや電波、また参考として地デジ放送の基礎知識については、下記の各コラムにもそれぞれ詳しい解説がございます。

・衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?

・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

・現在の地上波テレビ放送で地上デジタル放送が開始されたのはいつ? デジタル放送とか何か、その仕組みや特徴も全解説!

衛星放送のBS放送、CS放送とは?

衛星放送ではよく「BS放送」「CS放送」という名前を聞きます。現在では、衛星放送をご試聴になれる環境では、どちらの放送、チャンネルも視聴できることになります。

ここでは、これら衛星放送の放送種類の違いについてご説明します。

BS放送とは?

BS放送とは、使用される静止衛星が「放送衛星(Broadcasting Satellites)」である衛星放送です。放送の名称もその頭文字からきています。

BS放送は国際的な合意により「放送衛星業務」へと優先的に割り当てられた周波数の電波を用いた衛星放送であり、すべての国が一定の数の物理チャンネル(1チャンネルを割り当てることができる周波数)を利用できるよう「国際電気通信連合(ITU)」にて、衛星の軌道位置や周波数が、国際プランとして定められています。

日本のBS放送では、国際プランとして12GHz帯の電波では11.7GHzから12.2GHzが割り当てられ、静止衛星は東経110度に位置するもののうち、12の物理チャンネルが割り当てられています。

そのため日本国内でのBS放送については、放送衛星の軌道位置や、使用する周波数の調整は必要ありませんが、周波数帯の割当数を増やすことは国際プランを変更する必要があるため、難しくなります。

簡単に申し上げると、日本のBS放送では、日本の地上からみて東経110度(南西方向)の上空に位置する放送衛星から、電波を送信しています。

BS放送は試験放送を経て、1989年(平成元年)6月1日に放送を開始。当初は地上波と同じアナログ放送でしたが、2000年(平成12年)にデジタル放送をスタート。その後、BSアナログ放送は、地上波アナログ放送と同じく2011年7月24日に終了し、現在はBSデジタル放送のみになっています。

このBS放送は地デジ放送と同じく、日本国内の不特定多数を対象とする基幹的な放送であり、BS/CSアンテナとチューナー内蔵のテレビなど受信機器を利用することで、無料チャンネルであればNHK受信料を除き、日本国内の誰もが無料で視聴できます。

2024年現在、BS放送で視聴できるチャンネルは、アンテナを設置するだけで視聴できる無料放送に、公共放送の「NHK BS」と「BS日テレ」「BS朝日」「BS-TBS」「BSテレ東」「BSフジ」などの各広域民放。他にも「BS11」「TwellV(トゥエルビ)」「BS松竹東急」「BSよしもと」「BSジャパネット」「放送大学(ラジオ1チャンネル含む3チャンネル)」の計14チャンネルが存在します。

また各チャンネルと個別に契約することで視聴できる有料チャンネルには「WOWOW(プライム・ライブ・シネマ・プラス)」「スターチャンネル」「グリーンチャンネル」「BSアニマックス」「J-SPORTS(1~4)」「日本映画専門チャンネル」「BS釣りビジョン」「ディズニーチャンネル」のやはり14チャンネルがあり、計28チャンネルがBS放送のチャンネルになります。

CS放送とは?

CS放送とは、BS放送の放送衛星とは異なる「通信衛星(Communications Satellite)」を使用する衛星放送のことです。

衛星放送がスタートする当初、放送衛星(BS)が広い一般視聴者向けの「放送」を想定していたのに対し、通信衛星(CS)は特定の受信者、具体的にはケーブルテレビ(CATV)や集合住宅の事業者など、企業や業者を対象にした「通信」を想定していました。

そして1989年に放送法が改正されて、通信衛星でも個人の住宅に向けた放送が行えるようになり、1992年(平成4年)から、CSを用いた個人、一般世帯向けの「CS放送」がスタートしました。

この個人向けCS放送は、現在では「スカパー!」などのサービス名で知られる、CS放送事業者と契約した世帯だけで視聴できる有料放送になります。

通信衛星によるCSは、上記した国際的な「放送衛星業務」で優先的に割り当てられる周波数帯以外の周波数を用いるため、基本的に、先着順で衛星の軌道位置と周波数を割り当てられます。

したがってCS通信衛星を打ち上げるには、関係する諸国との人工衛星の軌道位置、および使用する周波数の調整が必要となり、結果、軌道位置や電波の周波数、出力に制約が生じることもあります。一方でBS放送に比べると、周波数帯の割当を増やすことは容易です。

現在、日本のCS放送では、東経110度、および東経124度、128度に位置する通信衛星が使われています。またCS放送で使われる12GHz帯の周波数帯は12.2GHzから12.75GHzになります。

CS放送も開始の当初はアナログ放送でしたが、2002年(平成14年)より、CS放送もデジタル化により、CSデジタル放送になっています。

このCS放送が日本でスタートした当初は、多くの放送事業者が存在して独自の放送サービスを提供し、視聴者は各事業者と契約することによって、それぞれの放送サービスを視聴できました。

ただその後、CS事業者の統合、再編が進み、現在ではCS放送の有料放送サービスは、スカパーJSAT株式会社が提供する、110度CS放送「スカパー!(以下:スカパー)」および東経124/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」になっています。

110度CS「スカパー!(以下、スカパー)」は、BS放送と同じく東経110度に位置する通信衛星を利用しているため、BS放送とアンテナの共用が可能で、現在のCS放送の主な放送サービスになります。

スカパーをはじめとするCS放送のサービスは、一部を除く大半が有料チャンネルであり、例えばスカパーの場合は現在、70チャンネル以上の多チャンネルであることが特長です。

ちなみにもうひとつの放送サービス、124度/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス(以下、プレミアムサービス)」は、その名称通り、東経124度および128度の通信衛星を用いたCS放送です。

プレミアムサービスの特徴は、2024年現在、134チャンネルと、スカパー以上の多チャンネルと、その全チャンネルがハイビジョンに対応している点です。

これらCS放送の放送サービスを利用するには、「スカパー!」および「スカパー!プレミアムサービス」で別個のアンテナ設置など受信環境を整え、各サービスの受信契約を結びます。

その後、各サービスに含まれる多数の有料チャンネルから、1チャンネル単位で月額契約を行うことで、月単位で各チャンネルを視聴できます。

そのためお好みの番組が放送される期間だけ、チャンネルを契約するといった利用方法もある他、複数のチャンネルがセットで料金が割安になるパックプラン。一部のチャンネルで、1番組(コンテンツ)や一日、シリーズ番組の単位で視聴権を購入できるPPV(ペイパービュー)、PPD(ペイパーデイ)、PPS(ペイパーシリーズ)などの視聴方法も存在します。

BS放送とCS放送の視聴方法とその違いとは?

これらBS放送、CS放送の違いは、日本においては、放送法に基づく静止衛星の用途の違いから分類されるものですが、現在の放送法では、BSデジタル放送と東経110度CSデジタル放送(スカパー)が、まとめて「衛星基幹放送」と規定されており、実質的な違いは少なくなっています。

上記のBS放送、CS放送のうち110度CS「スカパー!」については、それぞれの放送衛星、通信衛星が同じ東経110度に位置するため、一基のBS/110度CSアンテナでどちらも受信できます。

すでにご説明した通り、現在のテレビなど受信機器の大半には、BS放送、110度CS放送(スカパー)のチューナーが内蔵されているため、BS放送の無料チャンネルであれば、BS/CSアンテナを設置して衛星放送の受信環境を整えるだけで視聴できます。

BSの有料チャンネルはチャンネルとの個別契約。110度CS放送、スカパーに関しては、基本契約と各チャンネルとの個別契約が必要になります。

ただスカパーの各チャンネルでも、一部チャンネルの特定番組のみ無料放送を行うことや、毎月1日、全チャンネルが無料で視聴できる日がある他、新規加入者は加入から2週間、全チャンネルの無料視聴期間。長期加入者では、年に一度、16日間だけ全チャンネルを無料で視聴できるサービスなども存在します。

ただ、124/128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」については、スカパーとは別個のサービスであることに加え、通信衛星の方向も異なることから、BS/CSアンテナとは別途に専用アンテナと、プレミアムサービス専用チューナー。そしてプレミアムサービスとの契約が必要となります。

これら各放送サービスに対応する衛星放送用アンテナの種類については、以下に続く衛星放送用アンテナの項で詳しく解説します。

いずれにせよ、一般の戸建て住宅などで使用される衛星放送用アンテナは、基本的にパラボラアンテナであるBS/CSアンテナになります。

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4K8K放送と衛星放送の新4K8K衛星放送とは?

本コラムの主題である4K、8K(放送)とは、前書きでもご説明した通り、現在の主なデジタル放送の画質である、ハイビジョン(2K)より、格段に高画質を実現したテレビ放送、およびその高画質に対応するテレビ放送のことです。

現在の地デジ、衛星放送の2Kフルハイビジョン(FHD)は、画素(画像を表示する最小単位)の数が、横1920×縦1080の約200万画素で、横の画素数が約2,000であることから、千の位を表す「K」で2Kとも表記します。

なお2Kの画素数で実用的なテレビのサイズは32インチで、これより多少、テレビ画面が大きくとも問題はありませんが、極端に大きくなると映像の乱れやアラが目につくようになります。

対して4Kは、横3840×縦2160の約800万画素で、名称はやはり横の画素数が約4,000であることに由来します。同じく8Kは横7680×縦4320の約3,300万画素で、横の画素数は約8,000になります。

つまり4Kテレビは、同じテレビ画面に従来の2Kテレビ4台分。8Kではその4Kテレビ4台分。2Kに換算すると16台分の画素数をもつテレビになります。

そのため4K、8Kの映像は「スーパーハイビジョン」とも呼ばれ、4Kテレビの実用的サイズは50インチ。8Kテレビでは85インチになります。

この高画質化により、4K、8Kでは、例えば画面に映る人物の髪の毛の一本一本、樹木の葉の一枚一枚まではっきり見えるようになっています。

他にも、従来の2K放送に比べると、高色域化で表現できる色合いが圧倒的に増加。色調の変化も、現在のおよそ1,600万階調から、約10億階調へ拡大。ハイダイナミックレンジ(HDR)による明暗のコントラストの表現力も向上し、2K映像でみられた、光が強い部分や影の部分が白や黒でつぶれる「白飛び」「黒飛び」もなくなり、陰影や色合いの変化なども、よりリアルな映像を実現しています。

動画に関しても、現在の2K映像では、1秒間に30コマの画像を表示する動画になりますが、4K、8Kでは最大で1秒間に120コマまで高速化が可能です。これによりアクション映画やスポーツなどの激しい動きもぼやけることなく、一瞬一瞬を精細な画像として表示することを実現しています。

音声に関しても、特に8K放送では22.2chを実現するなど、より臨場感を増しています。

ただし、この4K、8K映像の実力を存分に発揮するためには、映像そのものが4K、8Kに対応している必要があります。もっとも4K、8Kテレビの多くは、それぞれ独自の映像、動画の補完機能を備えており、従来の2K放送やそれ以前のアナログ画質、DVD画質なども、高画質に補完されて表示されます。

そして現在、テレビ放送で4K、8Kに対応する放送は、衛星放送の「新4K8K衛星放送」だけになります。地デジ放送の4K放送については現在、仕様の策定などが進んでおり、実現に向けて動いてはいますが、具体的な放送開始などは未定になっています。

なお、お住まいの4K、8Kテレビで4K8K映像を観るその他の方法としては、4K映像を収録できる4KultraHDの映像ソフトを、対応の再生機器で視聴する。またインターネットの動画配信サイトなどにある4K、8Kの動画をテレビで再生するなどの方法があります。

この「新4K8K衛星放送」とは、2018年12月1日にスタートしたもので、従来のBS放送、CS放送に新しく4K、8Kのチャンネルが複数、追加されたものになります。そのため有料チャンネルやNHK受信料を除けば、4K、8K放送を視聴するための特別な料金は必要ありません。

ちなみに2024年7月現在で視聴できる新4K8K衛星放送のチャンネルは、BS放送の4K放送「NHK BS4K」「BS日テレ4K」「BS朝日4K」「BS-TBS4K」「BSフジ4K」「BSテレ東4K」「ショップチャンネル4K」「4KQVC」「WOWOW4K(有料チャンネル)」と、8K放送「NHK BS8K」になります。

ただ、この新4K8K衛星放送の4K、8K画質でご覧いただくためには、もちろん4K、8Kテレビが必要なほか、BS/CSアンテナやアンテナの配線部が4K8Kに対応していない場合には、一部の4K、8Kチャンネルが視聴できないこともあります。

この新4K8K衛星放送をすべて視聴するために必要なアンテナなど機材と、その理由や詳細については、次の項でご説明します。

なお、新4K8K衛星放送をはじめとする4K、8K放送や、対応するテレビなどについては、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について

・2K放送と4K、8K放送の違い

・用途・目的別、4Kテレビ、8Kテレビをおすすめできる方

衛星放送および新4K8K衛星放送の視聴に必要な機材とは?

ここまででご説明した衛星放送を、一般的な戸建て住宅で視聴するためのテレビアンテナは、少し言及した通り、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナになります。

パラボラアンテナとは、円盤上の「放物面反射器」。またはその丸い皿のような形から「ディッシュ(dish:皿)」と呼ばれる部分で、12GHz帯など主に周波数帯の高い電波を受信するアンテナです。

BS/CSアンテナは、ディッシュをBS放送、110度CS放送の静止衛星が位置する、東経110度の方向へと正確に向けることで、静止衛星から直進して送信される12GHz帯の電波を、ディッシュの表、内側の「放物面」でキャッチして反射させ、ディッシュ前方の中心近くに集中させます。「パラボラ(parabola)」も、この「放物線」という意味になります。

12GHz帯の電波が集中する地点には、ディッシュの裏面から延びる金属製のアームにより「コンバーター(変換器)」が固定されており、その一次放射器に電波が集められます。

12GHz帯の電波は周波数帯が非常に高いため、そのままアンテナケーブルで送信することが難しくなります。そのため、コンバーターで送信しやすいMHz帯の電波に変換した後、住宅の配線部を通して、屋内のテレビなど受信機器に送信されるのです。

そのため、静止衛星の方向が異なる124/128度CS放送(プレミアムサービス)用には、この静止衛星に対応するプレミアムサービス専用アンテナ。もしくは東経110/124/128度、すべての静止衛星に対応できるマルチアンテナが必要となるのです。

一般住宅向けのBS/CSアンテナは、ディッシュの有効直径(電波を受信できる部分の直径)が45センチの「45型」になり、同じディッシュ直径であれば設計や構造も同じため、メーカーやモデルによる受信性能の差はほとんどありません。

他にも、主に集合住宅の共同受信用として、50型、60型、75型、90型、120型などのBS/CSアンテナがあり、大型になるほど受信性能が向上します。そのため戸建て住宅でも、静止衛星との距離から電波がやや弱まるエリアや、降雨、降雪減衰の対策としてやや大型モデルが使われることもあります。

そして2024年現在のBS/CSアンテナはすべて、従来の2K衛星放送と、新4K8K衛星放送の全チャンネルを完全に受信できる「2K4K8K対応型」になっております。

これは、従来の2K衛星放送に用いられていた12GHz帯の電波は、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」だったのに対し、新4K8K衛星放送の導入で4K、8Kチャンネルを追加する際、右旋の電波では追加チャンネルに配分できる未使用の周波数帯が不足したことによります。

そのため新4K8K衛星放送では、BS放送でも基幹的な放送となるNHKと各広域民放の4Kチャンネル(無料放送)には従来の右旋の電波で使用できる周波数帯を割り当て、それ以外の4K、8Kチャンネルには、左回りの螺旋で送信される「左旋円偏波」を新しく導入し、その周波数帯を割り当てたのです。

そしてBS/CSアンテナの側は、現在の2K4K8K対応型が右旋と左旋、両方の電波を受信できるのに対し、新4K8K衛星放送が開始される2018年以前に設置された2K対応型(現在は生産終了)は、左旋の受信を想定していなかったため、右旋の電波しか受信できません。

したがって住宅などに既設のBS/CSアンテナが、設置時期が2018年より古い2K(右旋)対応モデルである場合は、新4K8K衛星放送のうち、右旋の電波で送信される、BS放送のNHK、各広域民放の4Kチャンネルしか受信できないことになります。

さらにこの右旋、左旋の電波は、BS/CSアンテナのコンバーターで変換される際、従来の右旋の電波は1032MHzから2072MHzに変換されますが、新しく追加された左旋の電波は、2224MHzから3224MHzと、やや高い周波数帯に変換されます。

住宅などに設置されたテレビアンテナは、受信したテレビ電波をアンテナケーブル(同軸ケーブル)によって、屋内のテレビなど受信機器に伝送しています。

このケーブル配線部にも、ケーブルだけでなく、電波レベル(強度)を住宅で必要なレベルに増幅するブースター。その電波をテレビのある各部屋へと等分のレベルに分配する分配器など、現場の条件で必要な機器が設置されています。

そしてケーブルなどを伝送されるテレビ電波も、周波数帯が高いほど伝送の際の減衰量が大きくなり、漏洩やノイズの混入なども起こりやすくなります。

現在のアンテナ配線部で使用される同軸ケーブルや周辺機器は、その多くが地デジ電波(UHF(極超短波)のうち470MHzから710MHz)と、右旋の電波が変換された周波数帯に対応できるものが多くなっています。

ただこの配線部のケーブルや機器も、特に2018年以前のものは、ある程度の余裕はありますが、2K衛星放送より高い周波数帯への対応を想定していないため、BS/CSアンテナを2K対応から2K4K8K対応の機種へと交換する際には、配線部の機器やケーブルなども、3224MHzまでに対応できてシールド性能の高い「4K8K(3442MHz)対応型」の機器に交換する必要があります。

なお現在、視聴できる衛星放送の4K、8Kチャンネルのうち、右旋の電波で送信され、従来の2K対応BS/CSアンテナや2K衛星放送のみ対応の配線部でも受信、視聴できるチャンネルは、前述のようにBS放送のNHKと、日テレ、朝日、TBS、フジ、テレ東の各広域民放の4Kチャンネルになります。

逆に左旋の電波で送信されており、受信と視聴に2K4K8K対応のBS/CSアンテナや配線部の機器が必要になるチャンネルは、やはりBS放送の8Kチャンネルである「NHK BS8K」および「ショップチャンネル4K」「4KQVC」「WOWOW4K(有料チャンネル)」の各4Kチャンネルになります。

なおCS放送に関しては、新4K8K衛星放送を開始した当初は一部チャンネルが左旋の電波による4K放送に対応していました。

ただその後、一般世帯における左旋チャンネル対応設備の伸び悩みや、4K対応コンテンツの不足などから、2024年3月31日に、CS放送では4K放送を終了しています。(ケーブルテレビなどのCSチャンネルでは4K放送を継続)

したがって現状では、ご覧になる4Kチャンネルが、BS放送のNHK、各広域民放チャンネルのみであれば、古い2K対応BS/CSアンテナをご使用のお住まいでも、特にアンテナや配線部を交換する必要はなく、4Kテレビにより4K放送をご視聴いただけます。

ただ今後、BS/CSアンテナを設置される新築のお住まいなどでは、現行のBS/CSアンテナは2K4K8K対応型のみであることに加え、今後、BS放送やCS放送にまた左旋の4K、8K対応チャンネルが追加される可能性もあることから、アンテナ配線部も左旋対応の機器を設置することが推奨されます。

なお、BS/CSアンテナや配線部の機器など、新4K8K衛星放送(左旋)を受信するための機器については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。

・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!

・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

・「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?!

・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!

新4K8K衛星放送に対応できるBS/CSアンテナの設置工事とは?

上記の通り、従来の2K衛星放送(右旋)も、左旋による4K8K衛星放送も、使用される電波が右旋か左旋かの違いのみで、基本的な放送や受信の仕組みなどは同じになります。

そしてBS/CSアンテナの2K4K8K対応と2K対応のモデルも、受信できる電波が右旋・左旋と右旋のみの違いで、外観や構造などにほとんど違いはなく、設置の方法もまったく同じになります。

ここでは、現在のBS/CSアンテナである2K4K8K対応モデルを前提に、BS/CSアンテナの設置工事や、費用の相場などについて解説してまいります。

まず衛星放送のBS/CSアンテナを戸建て住宅に設置する場合ですが、住宅に設置される基本的なテレビアンテナは、国内の不特定多数に向けた無料放送(NHK受信料を除く)で、基幹的なテレビ放送である地デジアンテナになります。

BS/CSアンテナは、現場に設置する適切な地デジアンテナ機種、設置位置を決めた後、衛星放送をご試聴になる場合に追加設置工事を行うことになります。

また新築住宅で、テレビアンテナ取付に加えて、ケーブル配線部を新設する場合、現在の新築住宅ではほとんどの場合、各部屋に電波を分配する分配器から、各部屋のアンテナケーブルまでの配線は設置されていることが多く、必要な施工は、アンテナから分配器までのケーブル配線と、その間に設置される、アンテナが受信した電波を増幅する前述のブースターになります。

現在では4K8K対応のケーブルなども、価格面ではさほどの違いはありません。ただ地デジアンテナのみを設置する工事に比べて、BS/CSアンテナもセットで設置する場合には、ブースターについては、地デジ電波のみを増幅する「UHF帯ブースター」に対して、価格はやや割高ながら衛星放送の周波数帯も増幅できる上、地デジと衛星放送の電波を一本のケーブルに混合する「混合器」の役割も果たす「UHF/BSCS混合ブースター」が必要です。

また価格的には同軸ケーブルと大差ありませんが、地デジ、衛星放送の電波を1本のケーブルに混合した場合、各テレビなどの前に、それぞれの電波を再度、2本のケーブルに分離して各チューナーに接続するための「分波器」も必要となるため、工事の総額はやや増加します。

なお、新築住宅で地デジアンテナに合わせて、現在の通常モデル、45型2K4K8K対応のBS/CSアンテナの設置を、アンテナ工事業者に依頼した場合の基本設置工事(アンテナ本体と同軸ケーブルのみの施工)費用は、アンテナ本体や設置具、一定の長さのケーブルなど基本部材の費用を含めて、20,000円から30,000円程度が相場になります。

また既設住宅で、すでに地デジアンテナがある住宅にBS/CSアンテナの増設を行う。また旧式のBS/CSアンテナを最新モデルに交換する場合の工事費用は、やや変動してまいります。

特に屋根の上など高所にあるアンテナ交換の場合、まず既設アンテナの撤去工事費も発生します。この工事は、古いアンテナをただ取り外すだけでなく、業者がアンテナを持ち帰って処分する費用も込みであり、お客様にとっては、処分の手間や回収の費用などを省いていただけます。

費用面に関しては、地デジアンテナのみの既設住宅にBS/CSアンテナを単体で追加設置する場合は、上記の基本設置工事がやや割高になるケースが出てきます。またそれに加えて、配線部の機器などを、現在の4K8Kの製品に交換する必要が出る場合もあります。

交換設置の場合は、BS/CSアンテナの基本設置工事費用に加えて、アンテナの撤去費用。そしてやはり必要に応じて、配線部の機器などの交換費用も加算されます。

なお、ご家庭向けの45型・2K4K8K対応BS/CSアンテナには、基本色である太陽光に強い白色系の通常モデルの他、太陽光に強い塗装を施したブラックなどのカラーバリエーション。またディッシュに多数の細かな穴を開けたパンチングメタル仕様や各部の強化で、軽量化と風圧への強さを実現した高耐風モデルなども存在し、ご要望や必要に応じてお選びいただけます。

当あさひアンテナでは、新築のお住まいなどで、地デジアンテナ取り付けと同時に、BS/CSアンテナを設置する基本設置工事に、DXアンテナ社製、45型2K4K8K対応の高品質モデル「BC45AS」本体と基本的な設置の金具、ケーブルの費用をセットにして「税込み15,000円」からでご案内しております。

また同じくDXアンテナ製の2K4K8K対応45型BS/CSアンテナで、パンチングメタル仕様や全体の強度から業界最強レベルの耐風性能を備えた高耐風モデル「BC453SG」もご用意しており、このモデルによる同等の基本設置工事は「特別価格」でご案内いたします。

他にも各ディッシュサイズや黒のカラーバリエーションなどのBS/CSアンテナもご用意しておりますので、戸建て住宅に限らず、集合住宅の共同受信用も含めた、さまざまなBS/CSアンテナ取り付け工事にご対応が可能です。

また地デジアンテナ、BS/CSアンテナを問わず、アンテナ交換工事に伴う既設アンテナの撤去の作業は、1.8メートルまでのアンテナであれば、取り外したアンテナの処分も併せて「税込み5,000円」で実施いたします。

テレビアンテナの新設や追加などで必須となるブースターの設置工事も、大手メーカー製高品質ブースター本体の価格や、適切な増幅レベルの調整を含めて、UHF帯ブースターは「税込み20,000円」から。UHF/BSCS混合ブースターは「税込み25,000円」からでご提供しております。

なお、ここでご説明したBS/CSアンテナの基礎知識や高耐風モデル、ブースターや分波器については、以下の各コラム記事でも詳しくご紹介しております。

・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~

・台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」

・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説

・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!

・テレビアンテナに「ブースター」は必須の機器なのか? その種類と性能、必要なケースを解説【地デジ設置・あさひアンテナ】

・戸建て住宅のテレビアンテナ工事に必要な配線と分波器の役割とは? 地デジ、BS/CS放送に適した機器の選び方も解説!

・地デジ用と衛星放送用、両方のテレビアンテナ設置で工事コスト軽減のため必要な機器、混合器、分波器とは何なのか?

DIY設置も可能? 2K4K8K対応BS/CSアンテナの設置方法とは?

ここでは、実際にBS/CSアンテナの設置する具体的な方法や、業者に依頼せず、ご自宅でのDIY設置が可能かなどのポイントについてご説明してまいります。

まず、BS/CSアンテナを設置する上で必須となるポイントは、まず「ディッシュの仰角と方位角(上下、左右の角度)を、東経110度の方向へ正確に向ける」「ディッシュを向けた東経110度の方向に、わずかな障害物も存在しない」点になります。

またBS/CSアンテナの設置にあたっては、コンバーターに電源を供給する「電源設定」も重要となります。

ディッシュの角度調整については、上記でも少しご説明しましたが、東経110度に位置する静止衛星から、光のような直進性で送信される12GHz帯の電波をディッシュ内面で受け止めて反射させ、一次放射器の中心へと性格に集めるため、仰角、方位角とも、ミリ単位で正確に調整することが重要となります。

この角度調整がミリ単位でも狂うと、一次放射器に電波が集中しなくなり、BS/CSアンテナの受信レベルが大きく低下します。そのため正確な角度調整と、多少の風雨ではアンテナ本体の角度のズレ、ブレが起こらない頑丈な位置への、しっかりした設置を行う必要があります。

また12GHz帯の電波は光のような性質から、ディッシュを向ける東経110度の方向に、山や建物をはじめ、樹木、その枝葉、電柱や電線、洗濯物などわずかな障害物があっても、ディッシュ側に影を落とす形になり、十分な受信レベルを確保できず、衛星放送の受信不良、映りの乱れが発生することがあります。

そのためBS/CSアンテナの設置場所は、東経110度の方向にわずかな障害物もないこと。また樹木が伸びる、建物が建つなど、設置後に障害物ができる可能性も低い位置を選ぶ必要もあります。

したがってアンテナの前、東経110度の方向に山地や高層建築などがある状況の現場では、BS/CSアンテナの設置が難しくなる場合もあります。

なお、BS/CSアンテナを向ける東経110度の方向に、建物などがある場合、アンテナの位置から計った建物の高さに比べて、建物とアンテナの距離が1.5倍であれば、衛星放送の受信に影響はありません。例えばBS/CSアンテナを向ける方向に、アンテナより10メートル高い障害物があっても、アンテナと障害物の間に15メートル以上の距離があれば、特に問題は生じないことになります。

そして上記した、12GHz帯の電波をMHz帯に変換するコンバーターは、電子機器であるため電源が必要となります。

この電源設定は、アンテナ配線部に設置されたブースターの電源部からの給電。また屋内のテレビ、レコーダーなど受信機器で「BS電源設定」を行うことにより、チューナー端子からアンテナ配線部の同軸ケーブルを通じて、BS/CSアンテナ側に給電されることになります。

ただ、テレビなどからBS/CSアンテナに給電する場合、一台の特定のテレビから常に給電する「常時給電」か、各テレビで衛星放送を視聴するときのみに給電する「随時給電」を、テレビなどの設定によって選ぶことになります。

この給電方法を誤ると、常時給電している特定のテレビの電源を切ると、他のテレビで衛星放送が視聴できなくなる。逆に複数のテレビからの過給電によるショートなどが発生するケースも出てきますので注意が必要です。

他にもこの給電方式に合わせて、ケーブル配線部に設置する「分配器」「一端子給電型」「全端子給電型」を選択する必要が出てきます。

実際に戸建住宅へBS/CSアンテナを設置する際の設置場所は、上記の条件を満たしていれば屋根の上や壁など、特に位置は選びませんが、基本的にはアンテナ配線部をまとめやすいよう、地デジアンテナとほぼ同じ位置に設置する。特に障害物などに影響を受けにくく、角度調整も行いやすくなる、屋根の上のマストに固定されることが多くなります。

またBS/CSアンテナは、その形状から風雨に影響を受けやすく、比較的、経年劣化が進みやすい他、その受信の仕組みから角度の狂いによるトラブルが起こりやすくなるため、条件が許す限り、できるだけ風雨の影響を避けやすい位置に設置することがオススメとなります。

そしてBS/CSアンテナは、特定の一部屋でのみ衛星放送を視聴する場合であれば、業者に依頼せず、ご自宅にてご自身によるDIY工事で設置することも比較的、簡単なアンテナ機種になります。

BS/CSアンテナのDIY設置を検討できる条件は、お住まいのベランダなど、設置の安全を確保できる位置で、12GHz帯の電波を確実に受信できる条件が整っていることが必須になります。

逆に屋根の上に立てられたマスト(ポール、支柱)へのアンテナ取り付けなど、作業に危険が伴い、転落などの事故のリスクがある場合は、決してDIY設置は行わないで、必ず専門のアンテナ工事業者にお任せください。

具体的な作業の流れは、BS/CSアンテナをベランダの手すり部などに固定し、ケーブル配線を室内のテレビに接続。そしてテレビ側の設定画面から、チューナーに届く衛星放送の電波レベルを示す「BSアンテナレベル画面」などを表示します。

BSアンテナレベル画面では、数値やインジケーターなどで、実際に届いている衛星放送の電波レベルが表示されるため、この画面を確認しながら、そのエリアにおける東経110度の方向に、ディッシュの仰角と方位角を調整し、さらに微調整を行って、BSアンテナレベルが最大になるよう調整します。

調整後に角度調整部のボルトをしっかりと締め込み、アンテナを固定すれば工事は完了です。

ただDIY設置では、角度を動かしてからテレビのアンテナレベルに反映されるまで数秒の差が出るため、角度調整の作業に根気がいるという問題も生じます。

おおまかな角度調整としては、スマートフォンの「BSコンパス」など、その地域の東経110度を画面上のコンパスで示してくれるアプリが便利ですが、そこからの微調整も重要となります。

またケーブルの途中に設置できる1,000円台程度の、BS/CSアンテナ用のインジケーターを利用すれば、届いている電波レベルがすぐに反映されるため、角度調整や微調整の作業が格段に簡単となります。

BS/CSアンテナの設置は、必要な金額がBS/CSアンテナ本体や機材、工具などの代金のみで、業者への工事代金が不要となり、コストを抑えることができるのが最大のメリットです。

ただ一方で、アンテナに近い部屋でしか衛星放送を視聴できず、複雑な配線工事などは難しい。そしてやはりプロのアンテナ工事業者に比べると施工の品質が低くなり、工事の失敗や設置後のトラブル、事故などが発生しても保証がないなどのデメリットもありますので、DIYが難しいと思われる場合や、比較したメリットが低い場合などは、アンテナ工事業者にお任せになることをお勧めいたします。

ここでご説明したBS/CSアンテナの設置や角度調整の方法、特により正確なDIY設置の手順などについては、以下の各コラム記事にも、それぞれ詳しい解説がございますので、よろしければご確認ください。

・BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点

・衛星放送用のBS/110度CSアンテナには電源が必要? BS/CSアンテナにテレビなどの設定で電源を供給する方法とは

・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?

・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!

・BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

・住宅でBS/CSテレビアンテナを屋外の見えない位置に設置する方法は? ベランダ内などに隠して設置できる会社や注意点を解説

・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!

・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説

・地デジや衛星放送のテレビアンテナ取り付けを自分でDIY工事する方法とは? 設置の注意点、費用についても解説(基礎知識編)

・地デジや衛星放送(BS放送、CS放送)用テレビアンテナを自分で取り付ける方法とは? 設置工事を進めるポイントと注意点をすべて解説(実践編)

・自分でテレビアンテナ設置工事を行う際の方法と費用の相場は?

・テレビアンテナの配線を自分でDIY設置できる? 取り付け工事に必要な作業と費用を徹底解説!

・1基のアンテナから家にあるすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方、分波器などとの違いを徹底解説!

お客様満足を大切に あさひアンテナ

4K8K対応の衛星放送用アンテナと設置方法・まとめ

衛星放送の4K、8K放送(新4K8K衛星放送)については、一部のチャンネルで使用される電波(左旋)が、従来の衛星放送(右旋)と異なるため、従来のBS/CSアンテナや配線部を使っている場合は、アンテナや機材の交換が必要になることもあります。

ただ、BS放送におけるNHK、広域民放の4Kチャンネル(右旋)をご試聴になるだけであれば、従来のアンテナや機材でも問題はありません。また現在の新築住宅へのBS/CSアンテナ設置をはじめ、2018年以降に設置されたBS/CSアンテナの多くは、2K4K8Kに対応しております。

もしご自宅に設置されているBS/CSアンテナや配線部の機器が、4K8K放送(左旋)に対応しているかわからない。または地デジアンテナのみのお住まいでBS/CSアンテナの増設や、2K対応型BS/CSアンテナから2K4K8K対応型への交換などをお求めの場合は、当あさひアンテナにご相談いただければ幸いです。

弊社では本文でもご紹介した通り、新築のお住まいにて、地デジアンテナとセットでのBS/CSアンテナ設置。また既設のお住まいへのBS/CSアンテナ追加取り付けや、アンテナの撤去・処分を含めた古いアンテナとの交換などの工事を、国産大手メーカー製、高品質BS/CSアンテナや必要な基本部材をセットにした、低価格の工事料金でご案内しております。

もちろん必要やご要望に応じて、配線部のブースター、ケーブルなどの機材についても、4K8K対応型の設置や交換などにご対応します。

弊社では、アンテナ設置の事前に必要となる現地での電波調査や、アンテナ工事のお見積りを、出張料、キャンセル料などの各種料金を含む「完全無料」でご案内しております。

衛星放送の場合、地デジアンテナに比べると受信レベルの確保は難しくありませんが、当あさひアンテナでは、設置後に障害物の影響を受けにくいことも含め、長期にわたる安定した受信を実現でき、屋根の上や外壁など、地デジアンテナとの配線をまとめやすいBS/CSアンテナ取付工事をご提案します。

その他にもお客様のご要望があれば、カラーバリエーションや高耐風モデル、ディッシュが大型モデルの使用。また安定した受信が可能であれば、住宅の壁面やベランダの手すり、内部空間など、風雨を避けやすく、角度調整が行いやすい位置へのBS/CSアンテナ設置もご提案いたします。

またアンテナ工事の相見積りにもご対応している他、弊社のご提案やお見積もりにご満足いただければ、お見積り当日の即日工事にも対応できます。そのため、特に新築物件のアンテナ工事では、迅速なアンテナ設置のほか、費用を抑え、最適な工事業者をお選びいただくこともできます。

実際の施工では、弊社の社員スタッフである、優れたアンテナ職人による完全自社施工で、費用を抑えながら、安定した受信性能や設置されたアンテナの丈夫さは勿論、配線部や目につかない屋根裏空間なども含め、丁寧で見た目も整った施工を行います。

施工後のアフターフォローも、弊社では施工技術への自信から、業界最長クラスの保証制度、施工完了日からの「10年保証」サービスをご用意しておりますので、お客様には長きにわたってご安心いただけます。

さらに弊社では現在「大感謝祭」として、弊社による各種アンテナ工事と、超高速光回線の開設を同時にお申し込みいただけた場合には、光回線の会社と弊社より、合わせて最大「85,000円」のキャッシュバックを実施しております。このキャンペーンをご利用いただければ、アンテナ取付工事の費用から光回線の乗り換え費用なども、最大で実質「0円」での工事が可能になります。

BS/CSアンテナの設置や交換、故障の際の修理などを含めた各種アンテナ工事のご希望については、まずは豊富な経験と実績を誇り、高品質な工事をより安くご提供することを追及する当あさひアンテナのフリーダイヤルへのお電話、またメールフォーム、LINEアカウントまでのご連絡で、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。