地デジ、BS/CSテレビアンテナの落雷や積雪、鳥の糞害対策は? 映らない原因と修理費用の相場、予防、対策の設置工事を解説
現在の一般的な戸建住宅で、地上デジタル放送(地デジ)や衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)をご視聴になる方法としては、やはりテレビアンテナの設置が主流といえます。
住宅へのテレビアンテナの取り付けでは、月額視聴料が必要となるケーブルテレビ(CATV)、光テレビなどとは異なり、地デジやBS放送などの無料チャンネルであれば、アンテナが機能する限り無料で視聴し続けることができます。
そしてテレビアンテナはいったん設置すれば、機種や設置環境にもよりますが、およそ10年から20年近くにかけて、安定してテレビ放送を受信し続けることが可能です。定期的にメンテナンスを行なえば、20年、30年にわたって安定した受信が可能となるケースも現実にはございます。
ただ一方で、受信感度のため屋根の上などの高所に、吹きさらしで取り付けられることが多いテレビアンテナは、風雨などの自然環境などに影響を受けやすくなり、老朽化の進行は避けられません。そのため設置から年月が経つことにより、経年劣化による耐久力の低下で、思わぬ故障などトラブルのリスクが高まってまいります。特に台風や積雪が多い、海沿いで潮風に影響されるなど、自然環境が厳しい地域では経年劣化が早まります。
また周辺環境や季節の変化により、アンテナが徐々に受け続ける悪影響だけでなく、ときには落雷による突発的な被害も考えられます。いかに頑丈なアンテナであっても高電圧の落雷に耐えることは難しく、まず一瞬で故障してしまいます。
さらに意外な故障の理由では、アンテナに野鳥が止まることによる、アンテナ設置のズレ。さらには鳥の糞害によるアンテナ本体の腐食も、積み重ねによっては大きなダメージとなり、トラブルの要因になってまいります。
当コラムでは、突発的なアンテナトラブルや、アンテナの老朽化を進行させ故障の原因となる、雷や積雪、また鳥の糞害への対策となるアンテナ取り付け工事の方法や、状況を改善するアンテナ機種の選択、また各問題への対策用の製品などをご紹介してまいります。
自然災害によりアンテナトラブルに関して、総合的な情報については、以下のコラム記事に詳細がございます。また各災害別の解説を行うページへのリンクもございますので、よろしければご参照ください。
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落雷で起こりうるアンテナトラブルとは?
ここではまず、落雷、積雪、鳥害などが、各種テレビアンテナに与える被害の、具体的な内容を説明してまいります。
雷が落ちる原理とは?
いわゆる雷が、放電を起こす自然現象であることは、多くの人がご存じでしょう。電気とは、物質を構成する原子の一部一部「電子」が、原子から飛び出し、別の原子に移ることで生じます。
原子内では、原子核がプラスの電荷(電気の量)を帯びているのに対し、電子がマイナスの電荷を帯びることでバランスを取っております。そして電子が飛び出した原子は、電子が不足した分、プラスの電荷を帯び、外からの電子が入り込んで電子量が過剰になった原子は、マイナスの電荷を帯びます。
物質同士をこすり合わせるなどすると、この電子の移動が発生し、それぞれがプラスの電荷とマイナスの電荷を帯びます。そして同じ電荷を帯びた物質は反発し、プラスとマイナスの電荷をもったものでは引き寄せ合う性質がございます。この電荷は、いわゆる磁石などの磁力にも大きく関係しており、磁場とは電荷の動きによって生じる力になります。
またブラスの電荷を帯びた物質と、マイナスの電荷を帯びた物質では、マイナス側の電子がプラス側へと移ることで、バランスを取ろうとする性質もございます。このマイナスからプラスに移動する電子の流れが、いわゆる「電流」なのです。
マイナスの電荷を帯びた物質からは、普段は空気中の水分などに、徐々に電子が放出されております。しかし冬場などで空気が乾燥すると、電子の放出量が少なくなり、電子が一方に偏りやすくなるため、プラスとマイナスの電荷を帯びた物質の間で、急激な電子の移動が起こりやすくなります、これが、いわゆる「静電気(静止した電荷が引き起こす物理現象)」なのです。
冬場にセーターを脱いだ際や、金属のドアノブに触れた際に走る静電気も、摩擦などによりセーターやドアノブに偏った電子が、プラスの電荷を帯びた側に移動しようとする現象です。
また電気を通しやすい物質「導体」に電流が流れた際には、電子が導体の原子や分子と衝突し、電子エネルギーが熱エネルギーに変換される「ジュール熱」が発生します。この熱は照明や暖房、調理器具など、光や熱を発する電化製品に利用される一方、人が感電した際に負う火傷の原因にもなります。
そして、いわゆる雷の原理は現在でも正確にはわかっておらず、研究が続けられていますが、主流な説としては、雷も大掛かりな静電気ではないかと考えられております。
天空に浮かび、雷を発生させる雲は、地表で熱された大気が上昇気流となり、一定の高さで飽和水蒸気量を超えて、空気中に水滴である雲粒が発生することで生まれます。雲は湿度が高いほど低空から、気流の規模が大きくなるほど上空へと発達してゆきます。そして低空から上空まで数キロ、ときには十数キロの高さで伸びる高い雲を「積乱雲」、いわゆる入道雲といいます。
そして地上から上空に行くほど気温が下がるため、積乱雲を形作る水滴は、雲の上層部では氷晶(氷の結晶)になります。この氷晶は徐々に大きくなり、5ミリ程度の氷の塊「霰(あられ)」となり、一定の重さになると上昇気流では支えきれず、落下してゆきます。
積乱雲の中で上昇気流により上空へと昇る氷晶と、落下しておく霰がぶつかり、摩擦する、砕けるなどが繰り返されることで、雲の内部に静電気が蓄積されてゆくのです。結果、重い霰はマイナスの電荷を得て雲の下部に、軽い氷晶はプラスの電荷を得て雲の上部へと集まってゆき、積乱雲の上層にプラスの電荷、下層にはマイナスの電荷が蓄積されることになります。
これによって、雲の下層から上層に放電される「雷」や、ときには雲の下部から、プラスの電荷を帯びた地上への放電である「落雷」が発生するのです。
日本国内で雷の発生しやすい地域としては、冬場に雷を起こす積乱雲が発生しやすい石川県、福井県、新潟県、富山県など北陸地方の県。次いで、山地と平野の地形から夏場にやはり積乱雲が生じやすい、「雷都」として知られる宇都宮市がある栃木県をはじめ、群馬県などの北関東地域になります。
また前述の霰が5ミリ以上に成長したものを「雹(ひょう)」といい、これが大きく成長する、上昇気流が弱まるなどの要因から、地上へと降り注いで大きな被害をもたらすこともございます。降雹は積乱雲が発生しやすい夏のうち、降り注ぐ途中で雹が溶けにくい5月から6月にかけて多く発生します。また日本海側では、冬の積乱雲からも降雹が起こります。
落雷がテレビアンテナにもたらす被害とは?
雄大な積乱雲の電荷差が引き起こす落雷の電圧は、おおよそ200万ボルトから10億ボルト。電流は1000アンペアから20万アンペア、大きいものでは50万アンペアにも達します。この膨大な電力が、ときに大きな災害の要因にもなります。
なお雷の電力を有効活用する研究も行われておりますが、膨大な電力があまりにも一瞬に放たれるため、現在の技術では雷の電力を充電、また電源などに利用することは難しいのが実情です。
この落雷が住宅のテレビアンテナに被害を及ぼすパターンには「直撃雷」「誘導雷」の二通りがございます。
「直撃雷」とは、住宅に直接、雷が落ちることです。落雷が地面から突出したものに落ちやすいことは広く知られております。そのため屋外にいる際、雷が発生した場合には、傘など長さのあるものを高く掲げず、低い姿勢を取る。可能であれば鉄筋コンクリートやしっかりした木造建築、避雷針のある建物内、また乗り物の中などへと早急に避難してください。逆に木の下や木造建築の軒先などでは、それらに雷が落ちた場合に、電流が近くの人や物に飛ぶ「側撃雷」が起こりやすいため、雷雨などの際に避難することは避けるべきです。
そして戸建て住宅への落雷では、住宅内でもっとも高所に設置されるテレビアンテナに雷が落ちる可能性が高いように思えます。ただ現実には、住宅内などではアンテナよりも高い建物や鉄塔などが多く、電線も避雷針の代わりとなるため、住宅に雷が落ちる例は非常に珍しく、その確率は10,000,000分の1程度と考えられております。また住宅に雷が落ちた実例も、受信のため高いアンテナを立てた山の上の一軒家など、レアな条件が重なっていたケースが大半になります。
ただ万が一、住宅のアンテナに雷が落ちた場合が、アンテナ本体は爆発して吹き飛ばされ、マスト(ポール、支柱)も焼け焦げた状態になります。それだけでなく屋根材の破損や、伝わった電流による家電製品のダメージ。またジュール熱による火災のリスクもございます。
もし住宅に直撃雷が落ちた場合も、その電流は壁を伝わって地面へと流れているため、住宅内の人が感電するケースは滅多にございません。
しかし住宅内でも電源コード、電話線、アンテナケーブルなどは雷が流れるルートとなるため、これらと接続されている電化製品などから、人が感電する例がございます。他にも直撃雷を受けた瞬間に、水仕事や入浴などを行っていると、電気が水を伝わることで感電することがございます。
珍しいケースでは、壁を走った電流が、窓の部分で小さな雷を形作り、ガラスを割って屋内に飛び込むことで、近くにいた人を感電させる、またガラスの破片で負傷させるといったこともございます。
落雷で住宅に大きな被害を与えるのは、実際には大半が「誘導雷」になります。誘導雷とは、住宅の付近に落雷が起きた場合に、膨大な電力が電線などを伝わって、一瞬で周辺の住宅へと流れ込むものです。この現象を「雷サージ」と呼び、雷の膨大な電流が、電線からコンセントを伝わって、コンセントに接続された家電製品に届くことで、これらの製品を破壊してしまいます。
現在の家電製品には大半に電子部品が使われているため、雷サージによる電流は、コンセントに接続された家電製品を一瞬ですべて故障させてしまいます。また直撃雷と同じく、家電製品や水などから、人が感電するケースもございます。
この誘導雷(雷サージ)は、落雷地点の周辺で広範囲に発生する他、電線などだけでなく、大気を伝って発生することもあるため、被害を受ける可能性が高くなる点でも、恐ろしい災害だといえます。
降雪で起こりうるアンテナトラブルとは?
雪と言えば、美しい雪景色やウインタースポーツなどを楽しめる、冬の風物詩です。ただその一方、日本国内でも豪雪地帯といわれる地域には、北海道や東北地方をはじめ、長野県や山梨県などの甲信越地方。また新潟県や、石川県、富山県、福井県などの山陰地方などがあり、このような地域では、屋根の雪下ろしなど、豪雪に対するさまざまな対策を行う必要がございます。
また近畿地方では滋賀県や京都府、兵庫県。中国地方では広島県や鳥取県、島根県といった日本海沿岸にあたる府県では、北寄りの一部地域に豪雪地帯が存在します。
その他、東京都や大阪府など雪が少ない都府県でも、まれに大雪となることがあり、これらのエリアでは普段は雪対策がなされていないことから、交通網のマヒや住宅への被害が発生することもございます。
そして屋根の上に設置されることが多いテレビアンテナは、屋根の上への積雪でアンテナ本体が埋もれ、圧迫される。積もった雪の落雪に巻き込まれる。本体に雪がこびりつくなどの事態で、大きなダメージや受信への悪影響が生じることもございます。
まず水(氷)には、テレビ電波を吸収し、電波レベルを減衰(弱める)させる性質がございます。そのため豪雪地帯などでテレビアンテナが雪に埋もれる、表面に雪がこびりつくなどの事態により「アンテナの受信不良」が発生することがございます。
特に衛星放送の電波は、波長が40センチから60センチ程度の周波数帯を使用する地デジのUHF波(極超短波)に比べ、約25ミリと波長が短いため、水や氷に吸収されやすくなっております。またアンテナに届く以前でも、大粒の雨や雪により空中で電波の減衰や乱反射が起こり、アンテナ本体には問題がなくとも受信が難しくなる「降雨減衰」「降雪減衰」も発生します。
また雪を受けてアンテナ本体が凍結することも、電気機器であるコンバーター部を持つBS/CSアンテナ、ブースター内蔵型のデザインアンテナなどをはじめ、アンテナ各部の不調、故障の原因となり得ます。
他にも、雪にはかなりの重量があるため、積雪や落雪、アンテナ本体へのこびりつきで「アンテナ角度のズレ」が発生することもございます。地デジ、BS/CSアンテナとも、アンテナの特定方向のみで受信性能が高まる「指向性」があるため、電波塔や人工衛星などテレビ電波が送られてくる方向に、アンテナの正面側を正確に向ける必要がございます。
地デジアンテナの場合は、受信性能が高いほど指向性も鋭くなります、一般的な地デジアンテナでは、多少の角度のズレで大きな影響を受けることは少なくなりますが、積雪量が多い場合は、大きな角度のズレが生じることもございます。また高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)の場合は指向性も鋭くなるため、わずかな角度のズレでも受信性能が大きく低下することがございます。
BS/CSアンテナは、アンテナの方向を衛星の方向である東経110度などの方向へと正確に向ける必要があり、ミリ単位の角度のずれでも受信不能に陥ることがございますので、角度のズレには特に注意が必要となります。
特に雪の多い地域では、一度や二度の積雪ではアンテナに大きな影響はなくとも、わずかな角度のズレや重み、凍結によるダメージ。水分による各部のサビの進行などにより、徐々に劣化が進みやすくなります。
このような積雪によるダメージの蓄積により、アンテナ本体の角度のズレや故障だけでなく、アンテナケーブルの接続部が抜ける。接触不良を起こす。水分の浸食による腐食が起こる。またアンテナを固定するマストや屋根馬、それらを固定するステンレスワイヤーの支線なども耐久力が低下して、アンテナの大きな傾きや、ひいては倒壊などの原因になることも考えられます。
鳥害や糞害で考えられるアンテナトラブルとは?
特に屋根の上に立てられる八木式アンテナは、その形状もあり、鳥が留まることもございます。そしてトンビ(鳶)など大型の鳥が留まった場合には、徐々にアンテナ角度のズレが発生することもございます。
さらにアンテナに留まった鳥がフンをすることで、アンテナのサビ、腐食の原因となる「糞害」も起こり得ます。糞害もやはりアンテナや固定具の老朽化を進め、アンテナ角度のズレや傾き、倒壊などを引き起こす大きな要因となり得ます。
総じてアンテナに鳥が留まることでの鳥害、糞害などは、直接的なアンテナトラブルの原因になることは少ないため見逃されがちですが、徐々にアンテナ角度のズレやダメージを蓄積させてゆき、やがては大きなトラブルにつながることもあるため、対策が必要となります。
テレビアンテナの落雷対策:避雷針や避雷器の設置
すでにご説明した通り、落雷の電力は膨大であるため、その直撃に耐えうるテレビアンテナは存在しません。ただ実際には、設置されたアンテナの他、周辺に高いものがない一軒家など特殊な条件が揃わない限り、住宅を直撃雷が襲う可能性は非常に低いものです。
もし周辺に自宅のアンテナより高いものが少ないなど、わずかでも自宅への落雷の危険性が考えられる場合には、自宅のアンテナよりも高い場所に避雷針を設置する。また後述するデザインアンテナ、ユニコーンアンテナの利用などで、アンテナの設置位置を壁面やベランダなど、住宅の最上部よりやや低い位置にするといった対策もございます。
そして誘導雷による「雷サージ」が発生した場合、同軸ケーブルによるアンテナの配線部にも膨大な電流が走ることがございます。
アンテナの配線部には、アンテナから延びるケーブルを、まずブースターと呼ばれる、電源部を持つ装置に接続し、電波のレベル(強さ)を住宅内で必要な水準にまで増幅します。さらにその先で、電波を複数のケーブルに等分に分配して、住宅内の各室に送信する「分配器」が設置されており、各室のアンテナコンセントから、ケーブルでテレビ、レコーダーなど受信機器に接続されます。
このアンテナ配線部に、テレビなど機器側から雷サージが走ると、分配器、ブースターなどの機器部も故障することがございます。特に電子機器であるブースターは雷サージに弱く、まず確実に故障することになります。ただこれには、ブースターが故障することで、その先にあるアンテナへの通電を遮断し、故障を防ぐブレーカーの役割もございます。
そのため雷サージによって、アンテナ側からテレビなどに十分な電波が届かなくなった場合も、ブースターの交換により復旧できるケースが多くなります。
またアンテナだけでなく、住宅の家電製品全般を雷サージから守る方法としては、雷が発生した際に、テレビやパソコンその他、住宅内の家電製品の電源プラグをコンセントから外し、雷サージによるコンセントからの電流を届かなくすることが第一です。
なおプラグをコンセントに接続したまま、ただ機器本体の主電源を切るだけでは、雷サージには無意味ですのでご注意ください。また雷サージは電源プラグだけでなく、その他の配線からも起こり得ますので、電話回線やLANケーブルなどが接続されている機器も、ケーブルを外しておいた方がいいでしょう。
特にテレビなどアンテナ配線に通じる機器のコンセントを抜くことは、アンテナや配線部の機器を雷サージから守ることにもなります。
他にも、雷が収まるまで電気を使えなくなりますが、住宅内のメインブレーカー、またナイフスイッチをオフにしておくことは、雷対策として非常に有効です。
ただアンテナのブースターは、アンテナの真下や屋根裏などに設置されるため、ご自宅で電源を外すことは難しくなります。他にも住宅内には、冷蔵庫など、位置的、また機能的に電源を外しにくい家電製品も多く、安易にブレーカーを落とせない場合もございます。
そのような場合には、電源部に避雷器(サージプロテクター、サージアレクター、サージアブソーバー)を設置することで、高確率で雷サージを防止できます。これらの機器は、雷サージ対策性能を持つ電源タップや、電源コンセントと機器のプラグとの間に挟み込む形のもので、コンセントから雷サージの激しい電流が走った際には、完全ではないこともございますが、機器側に伝わる電流を大きく軽減して、ほとんどの場合、接続された家電製品の故障を避けることができます。
テレビアンテナにも、ケーブルに接続できるアンテナ配線用の避雷器がございますので、必要に応じてご利用になるといいでしょう。ただ避雷器は一度、雷サージを防止すると避雷性能を喪失してしまいますので、交換が必要となります。その点はご注意ください。
なお雷とアンテナトラブルの詳細については、以下のコラム記事でもご説明しております。
テレビアンテナに雷が落ちることはある? 落雷の対策となるアンテナ設置工事と対応できる会社を解説
テレビアンテナの降雪・鳥害対策:雪害対策モデルや防雪カバー、防雪加工、鳥よけグッズの設置を行う
目に見えず一瞬で衝撃を与える雷サージと異なり、雪害や鳥害には物理的な実体があるため、対策も比較的わかりやすくなります。
受信できる電波強度や周辺環境などから、どうしても屋根の上に地デジの八木式アンテナなど、各種アンテナを設置する必要がある場合、雪害対策としては、雪害用モデルを採用する方法がございます。
八木式アンテナの雪害用モデルとは、支柱を太くし各部を強化する。素子(エレメント)部を短くする。雪が付着しにくい表面加工などの工夫で防雪性能を高めた機種のことです。また融雪ヒーターを内蔵したアンテナもございますが、このような機種はやや高価になってまいります。
他にも、八木式アンテナ、BS/CSアンテナとも、専用の防雪カバーを設置する。防水、離雪スプレーを吹き付けておくなどの方法も、雪対策に大きな効果を得られます。
鳥害に対する鳥よけグッズには、無数の針状の突起がついたものや、アンテナ本体にワイヤー、結束バンドを巻き付けることで、鳥が留まりにくくする。また大型の鳥の姿をした模型で鳥を追い払う。鳥が嫌う匂いのスプレーや、超音波を発する装置もございます。
これらのグッズをアンテナや付近に設置することで、鳥を避けることができますが、アンテナの形状によっては設置しにくいことや、受信性能に悪影響を与えることもございます。またスプレーや超音波は、鳥が慣れてしまうことで効果が低下することもございますので、ご注意ください。
なお雪によるアンテナトラブルやその対策、アンテナの指向性については、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
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テレビアンテナの降雪・鳥害対策:デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどを使用する
地デジアンテナでは、屋根の上に設置される魚の骨に似た、従来の八木式アンテナの他にも、2009年(平成21年)頃より普及しはじめた、壁面やベランダの内外などに設置できる、平面状で薄型のデザインアンテナ。また2017年(平成29年)に登場した、長さ70センチ程度のほぼ円筒形をしたユニコーンアンテナなどが存在します。
両アンテナとも、その形状やカラーバリエーションから、住宅の見た目や景観を乱さないことに加え、風雨や積雪などに影響を受けにくく、経年劣化を抑えて耐用年数が伸びるという特性がございます、
デザインアンテナは平面型で積雪や鳥が留まることが少なくなり、雪害、鳥害対策にも高い効果が得られます。ただ受信性能は主に20素子相当、または26素子相当になり、同性能の八木式アンテナに比べるとわずかに受信性能が低い。また設置位置が低くなる分、電波を遮断する障害物などの周辺環境にも影響を受けやすい弱点もございます。
基本的にデザインアンテナは強電界地域、中電界地域向けのモデルであり、該当するエリアでも高層建築の近隣や住宅密集地など、周辺環境によっては設置できないこともあるのでご注意ください。
ユニコーンアンテナは、主に屋根の上のマスト。また屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所に専用の設置具を固定して取り付けます。受信性能は20素子相当で、やはり強・中電界地域向けの機種ですが、高所に設置できる分、周辺の障害物にも影響されにくく、デザインアンテナでは受信できない現場でも、ユニコーンアンテナであれば使用できるケースが多くなります。設置位置によっては鳥が留まることもございますが、形状的には鳥害、糞害なども受けにくくなります。
ただどちらのモデルも、弱電界地域では使用できないことが多くなります。
一方、八木式アンテナは素子数のバリエーションが多く、高性能素子を用いたパラスタックアンテナ(高性能アンテナ)も存在する他、高所に設置されるため周辺の障害物の影響も受けにくく、弱電界地域をはじめ、さまざまなエリアで安定した受信を実現できます。
どのアンテナモデルを使用できるかについては、まずは現場の電波レベルの確認が重要と言えます。
地デジ放送、および各種地デジアンテナの基礎知識については、以下の各コラム記事をご確認ください。
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テレビアンテナの降雪・鳥害対策:各種アンテナの設置位置を工夫する
アンテナ機種を選ぶ以外にも、アンテナの取り付け位置を工夫することで、雪や鳥を避けやすくなります。特にBS/CSアンテナは基本的にパラボラアンテナの一種類になるため、設置場所の工夫が有効です。
デザインアンテナだけでなく、八木式アンテナやBS/CSアンテナも、サイドベースという器具を用いた壁面への設置や、軒下の位置。またベランダの手すりやベランダ内部に設置することで、風雨や雪、鳥などの影響を避けやすくなります。
ただ前述の通り、地デジアンテナ、BS/CSアンテナとも、電波塔や人工衛星など電波の方向へ向ける必要があるため、設置する壁面やベランダなどが電波の方向を向いていることが必須条件となります。
また現場で受信できる電波レベルや、住宅の建材、屋根材などの条件によっては、デザインアンテナを屋根裏、天井裏空間に設置することも可能になります。BS/CSアンテナも、東経110度を向いた透明な窓ガラスの窓際であれば、室内設置が可能であるケースもございます。
これら屋内設置であれば、アンテナ本体が自然環境にまったく影響されなくなりますが、一方で設置可能な条件が限られることや、特にBS/CSアンテナではアンテナの角度をずらさないなどの注意も必要となってまいります。
衛星放送やBS/CSアンテナ、各アンテナの設置位置、室内設置などについては、以下の各コラム記事に詳しい解説がございます。
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テレビアンテナの降雪・鳥害対策:ケーブルテレビ(CATV)、光テレビを利用する
電波で受信できる地デジ電波レベルなどから、アンテナ機種や設置位置の選択が難しい現場であれば、ケーブルテレビ、光テレビの契約を行い、地デジやBS放送、CS放送のチャンネルを視聴するという選択肢もございます。
ケーブルテレビは、近隣のケーブルテレビ局からご自宅まで直接、ケーブルを敷設する工事を行い、テレビ放送の映像信号を送信するという方法です。また光テレビは、インターネットなどにも使用する光回線を使って、やはりテレビの映像信号を送信する方法になり、すでに光回線が開設されているご自宅では簡単にスタートできます。
これらの視聴方法であれば、テレビアンテナは必要ないため、アンテナ設置に伴う落雷や風雨、降雪、鳥害などのトラブルが発生することもなくなり、現場の電波状態などに関係なく、常に安定したテレビ放送の視聴が可能となります。
一方で、契約するチャンネル数に応じた月額視聴料金が必要になるといったデメリットもございますが、これらのサービス会社では、インターネット回線や固定電話、スマートフォン、また電気や保険などの各種サービスとセットで提供していることもあり、各種サービスの総額では割安になるケースもございます。ご自宅で必要なサービスによっては、ご検討になるのもよろしいでしょう。
アンテナ設置とケーブルテレビ、光テレビの比較については、以下の各コラム記事でも詳しく解説しております。
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徹底解説!ケーブルテレビ(CATV)・光テレビからテレビアンテナに乗り換える方法(前編)
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落雷や降雪によるアンテナトラブルでは火災保険で修理費用が保証される?
一般の戸建住宅で加入されている「火災保険」には、そのほとんどに「風災(雪災、落雷など)保障」が付帯しております。
これらの付帯保証は、火災だけでなく、台風などの風雨、落雷や大雪、雹や隕石など外部からの落下物、その他の自然災害によって、住宅やその付帯物、家財など被害が出た場合、修理費用が保証されるというものです。
この風災保障は、積雪や雪の影響による住宅や付帯物の破損。落雷による住宅の破損や、雷サージによる家電製品の故障などにも適用されます。そしてテレビアンテナも住宅の付帯物になるため、これらによる故障では修理費用の保証が受けられます。
この風災保証を受けるためには、保険会社に提出する必要書類などを整える必要もございますが、当あさひアンテナに、落雷や積雪その他、自然災害によるアンテナの故障で修理をご依頼いただく際、火災保険に関するご相談もいただければ、修理工事に並行して、保険会社に提出する修理報告書、見積書、施工前後の写真など、必要となる補償請求書類をすべてご用意し、保険会社との交渉も、専門スタッフが万全のサポートをいたします。
ただ保険会社との契約によっては、これら風災などの保証について、一部の災害が保証対象外になることがございますので、あらためて火災保険の契約内容をご確認ください。
また鳥害、糞害については、積み重ねにより徐々にアンテナにダメージを蓄積していく性質から、アンテナトラブルの直接的な引き金になることが少なく、トラブルの原因として立証することも難しいため、火災保険による保証を受けることは難しくなります。そのため、あらかじめ対策をとっておくことが重要といえます。
なお、自然災害によるアンテナトラブルで火災保険を適用する方法については、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
地震や台風によるテレビアンテナの故障は火災保険で修理費用が出るってホント?
テレビアンテナの災害対策・まとめ
地デジ、BS/CSのテレビアンテナ取り付けは、NHK受信料や有料チャンネルを除いて視聴料金などが発生せず、長きにわたって無料でテレビ放送を視聴し続けることができる、非常にリーズナブルかつ安定したテレビの視聴方法です。
一方、現場の自然環境などによっては、テレビアンテナに思わぬトラブルが発生することもございます。そのためアンテナ取り付け工事の際には、安定した受信性能はもちろん、現場の自然環境が引き起こすアンテナトラブルを想定して、その対策となる工事や作業を行っておくことも、安心できるテレビアンテナ設置のためには重要です。
なお、自然災害を含むアンテナトラブル、故障などの場合に、必要となる修理費用の目安や、修理に対応できる優良なアンテナ工事業者の選び方などについては、以下の各コラム記事に詳しい解説がございます。
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