地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説

2023年03月18日

地デジ電波のレベルがもっとも弱まる弱電界地域に該当するエリアの調べ方や受信できる電波レベル。強電界地域、中電界地域との受信環境の違い。また弱電界地域に適した地デジテレビアンテナの機種、設置位置などアンテナ取り付け工事の方法など、弱電界地域で安定して地デジ電波を受信する方法について詳しく解説する記事です。

2023年(令和5年)現在、もっとも一般的なテレビ放送といえば、地上波デジタル放送(地デジ)です。地デジ放送は日本国内のほぼ全域で、要所に設置された電波塔から地デジ電波を送信しております。
そのため日本国内でも大半の地域では、地デジアンテナを設置するだけで、NHK、広域民放。また地域によっては地方チャンネルが、基本的に無料(NHK受信料を除く)で視聴できます。

ただ地デジ放送には、電波塔から地デジ電波を送信するという性質上、日本国内でもエリアによって受信できる地デジ電波の強度(レベル)に違いが生じるという特性もございます。この電波レベルの違いは、国内でもエリアによって「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の三種類で区分され、電界地域ごとに、適した地デジアンテナの機種、モデルや設置工法などが異なってまいります。

当コラムでは、受信できる地デジ電波がもっとも弱くなり、地デジ受信のためにはさまざまな条件が生じる「弱電界地域」の地デジ電波特性。またエリア内に適した地デジアンテナの機種、設置位置などの工法。また弱電界地域でも安定した地デジ受信を実現する工夫や、各電界地域にあたるエリアを確認する方法などについて、2023年現在の最新情報を元に解説してまいります。

なお、同じく強電界地域、中電界地域それぞれに適した地デジアンテナの機種や工事、電波の特性などについては、当コラムの姉妹記事である、以下の各コラム記事でご説明しております。

地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

地デジ放送と「電界地域」について

地上波デジタル放送、いわゆる地デジに関してもう少し詳しく解説すると、地デジ放送は日本国内でも、東京都墨田区に位置する東京スカイツリーなど、日本国内でも各地域の中心と言える場所に設置された大型の送信所。またその送信所を補足するため周辺地域の要所に設置された大小の中継局など、数多くの電波塔から、周辺エリアに地デジ電波を送信する、地上波放送のテレビ放送になります。
現在の地デジ放送は、平成初期までの地上波テレビ放送であった「地上アナログ放送」と並行する形で、2003年(平成15年)12月1日に放送をスタートしました。そして数年の移行期間ののち、2011年(平成23年)7月24日のアナログ放送終了(停波)によって、日本で唯一の地上波テレビ放送となりました。
地デジ放送では、放送信号がデジタル化されたため、映像のフルハイビジョン(2K、FHD)化や高音質化をはじめ、番組表やマルチ編成。データ放送や双方向サービスなど、アナログ放送には存在しなかった数多くの機能が追加されています。
これは映像信号をそのまま電波の強度に変換していたアナログ放送に対し、デジタル放送(地デジ)では、映像信号を「0」「1」のデジタル信号化し、情報量を圧縮して電波の波長に変換することで、アナログ放送時代よりもはるかに少ない周波数帯を使用しながら、大量の情報送信を実現したことによるものです。
なおアナログ放送では、日本のほぼ全域で放送されていたNHK、広域民放は「VHF(超短波)」。一部の都府県で個別に存在し、その都府県内を放送エリアとする独立放送局の地方チャンネルは「UHF(極超短波)」の電波を使用していました。しかし地デジ放送ではUHF波のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯しか使用していません。
結果、電波の波長の長さも40センチから60センチ程度と、アナログ放送時代のVHF波より短くなったため、アンテナの小型化も実現しております。地デジアンテナ時代のテレビアンテナは、ほとんどがやや大型の「八木式アンテナ」のみでしたが、地デジの現在は八木式アンテナも小型化している他、新しく「デザインアンテナ「ユニコーンアンテナ」などの機種が登場しております。
一方、地デジ放送ではテレビ、レコーダーなどの受信機器で、デジタル信号を映像に変換する必要があるため、テレビをつけたときや、チャンネルを変えたときなどに、デジタル信号を変換して映像が映し出されるまで、1秒程度の時間が必要となっています。

電界地域とは?

前述のように地デジ放送は、日本各地に設置された電波塔から地デジ電波を発信することによって国内ほぼ全域をカバーしており、一部エリアを除く国内のほとんどの場所では、地デジアンテナの設置によって、NHK受信料を除いて基本的に無料で地デジ放送を視聴できます。
ただテレビ放送に使用される電波は比較的、波長が短く、発信元である電波塔から距離が離れるほど電波レベルが弱まります。また前述した通り、地デジのUHF波はアナログ時代のVHF波よりも波長が短くなっているため、建物や山地などの障害物に突き当たると、その向こう側へと回り込む力が弱くなり、やはり電波レベルが低下します。
したがって日本国内でも、電波塔からの距離や地形などの影響により、地域によって受信できる地デジ電波レベルに強弱が生じてまいります。この電波レベルごとに日本国内のエリアを区分したものが、強・中・弱の「電界地域」なのです。
ただ電界地域とは、法律や学術的に定義されたものではなく、地デジ放送に関係する団体や企業が便宜的に使っている基準になります。そのため企業などにより基準が異なる場合もありますが、一般的には電波強度を示す「㏈(デシベル)」単位で、受信できる電波レベルが、
80㏈以上であれば「強電界地域」。
80㏈から60㏈であれば「中電界地域」。
60㏈以下であれば「弱電界地域」。
とされています。
ただ前述のように、場合によっては75㏈以上を強電界地域、それ以下で55㏈以上を中電界地域とすることや、60㏈以上が強電界地域、それ以下を弱電界地域に二分するケースなどもございます。
また同じ地点で受信できる地デジ電波のレベルは常に一定ではなく、一年の間でも気候の変化などにより、6㏈前後の変動が生じます。また電波は水に吸収されやすく、降雨、降雪の際には、地デジの電波レベルも低下します。そのため各電界地域の境界は曖昧ともいえ、電界地域とはあくまで大まかな目安となります。
なお地デジ電波、各電界地域についての詳細は、以下の各コラム記事でも解説しております。
地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

地デジ「弱電界地域」の特性とは?

ここでは当コラムのテーマである、弱電界地域についてご説明いたします。
弱電界地域とは、受信できる地デジ電波レベルが60㏈以下と、地デジ受信の環境には恵まれないエリアとなります。具体的には電波塔からの距離が遠い、山地などの地形により地デジ電波が遮られやすいなどのエリアが該当します。
またエリア的には強電界地域、中電界地域に含まれていても、高層建築物などによって地デジ電波が遮られ、局地的に地デジ電波レベルが弱電界地域に近い水準になることもございます。
基本的に地デジ電波は、テレビ、レコーダーなどに届いた時点での電波レベルが34㏈以上、89㏈以下ならば、正常な画面で視聴できますが、これ以下、以上になると画面の乱れが生じてまいります。実際的には、気候や天候などによる電波レベルの変動を踏まえ、受信機器に届く時点での電波レベルは46㏈以上、81㏈以下が適切とされ、最低でも40㏈以上が必要となります。
そのため弱電界地域では、安定した地デジ電波を受信するため、高性能の地デジアンテナを用いて、地デジ電波を受信しやすい位置に設置し、性能の高いブースターを設置するなどの工夫が必要となってまいります。
ブースターとはアンテナブースターともいい、アンテナが受信したテレビ電波レベルを増幅する「増幅器」であり、弱電界地域から中電界地域では必須ともいえる装置になります。また強電界地域でも、三台以上のテレビを設置する場合には、アンテナのみでは電波レベルが不足するため設置が必要となり、実質的にはほとんどの現場で使用される機器となっております。
また弱電界地域にも、地デジ電波レベルが60㏈近くと中電界地域に近いエリアもある一方、受信に最小限必要な電波レベルしか受信できないエリアもあり、現場ごとに対応できるアンテナ機種や工法の選択が必要となります。
また山地や山間部、離島部、過疎地帯など電波塔から遠い、山間部などの要因で、高性能アンテナやブースターを使用しても十分な受信レベルを得られないエリアは、地デジの「難視聴地域」といわれます。このようなエリアでは、主にケーブルテレビ(CATV)などを利用して、地デジをはじめとするテレビ放送を視聴しています。
なおブースターについては、以下の各コラム記事でも詳細をご説明しております。
テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?

弱電界地域で使用できる地デジアンテナ機種とその設置位置は?

弱電界地域における地デジアンテナの一般的な傾向としては、エリア内でも受信できる地デジ電波レベルが60㏈近いエリアであれば、使用する機種や設置位置などについて、中電界地域に近い選択肢がございます。ただ電波レベルが低下するにつれ、採用できるアンテナや設置位置は限られてまいります。ここではそれらの点も含め、弱電界地域に適した地デジアンテナ機種についてご説明いたします。

八木式アンテナ/高性能八木式アンテナ(パラスタックアンテナ)

八木式アンテナは、戸建住宅の屋根の上によく見られる、魚の骨に似た古典的な地デジアンテナです。
矢印型の骨組みに「素子(エレメント)」という短い横棒がいくつも設置された形状で、この素子により電波を受信します。この素子が露出していることから「素子アンテナ」に含まれ、そうでないアンテナより受信性能が高くなります。
八木式アンテナは屋根の上など高所に設置される。素子アンテナである。モデルによって素子数が多い。高性能素子のモデルも存在するなどの要因から、現在の地デジアンテナではもっとも受信性能が高い機種になります。
通常モデルの八木式アンテナには、8素子、14素子、20素子などの素子数モデルがあり、20素子モデルであれば、弱電界地域でも比較的、受信レベルが高いエリアで使用可能です。
また八木式アンテナの高性能モデルは「パラスタックアンテナ」と呼ばれます。このモデルは個々の素子が、X字型の器具に複数の素子を設置した高性能素子になっている他、27素子、30素子などのモデルがあり、このような機種であれば、弱電界地域であっても安定した地デジ受信を実現できることが多くなります。
基本的に弱電界地域では、20素子の八木式アンテナ、またはパラスタックアンテナを使用して、周辺の障害物に影響されないよう、屋根の上などに高いマスト(支柱、ポール)を使用してできるだけ高所に設置する工法が中心となります。
ただ八木式アンテナには、受信性能が高い半面、その形状や設置位置から住宅の外観や景観を乱してしまう。風雨や降雪など自然環境の影響を受けやすくなり、経年劣化が進みやすくなることから、寿命の低下やトラブルが発生しやすくなる弱点もございます。
特にパラスタックアンテナは素子数の多さから本体が大型化する他、受信性能が高い分だけ指向性(アンテナの特定の方向のみで受信性能が高まる性質)も鋭くなるため、角度のズレによる受信トラブルが生じやすく、注意が必要です。
特に八木式アンテナ、パラスタックアンテナを屋根の上に設置する以外の選択肢に乏しい弱電界地域では、暴風性能、防雪性能の高いモデルを選択する。また高所でも風雨などを避けやすい設置位置などを工夫するといった、気候への対策も必要と言えます。
八木式アンテナ、パラスタックアンテナや、地デジアンテナの受信性能については、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
高利得、高性能な地デジ用パラスタックアンテナ徹底解説
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デザインアンテナ、ユニコーンアンテナは弱電界地域でも設置できるか?

前述のように、地上波テレビ放送の地デジ化で登場したテレビアンテナ機種に、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナがございます。
デザインアンテナとは、2009年(平成21年)頃に普及しはじめた、主に長方形で薄型の箱状で、カラーバリエーションも豊富であり、住宅の壁面やベランダなどへの設置を可能とした地デジアンテナです。
デザインアンテナはその形状と設置位置から、住宅の外観性を乱さない他、風雨などに影響されにくく、経年劣化を抑えて寿命が長くなり、トラブルのリスクを軽減できるなどの豊富なメリットから、2023年現在、もっとも人気の高い地デジアンテナです。
ユニコーンアンテナは、日本三大アンテナメーカーのひとつである「マスプロ電工」社が2017年(平成29年)に発売した、地デジアンテナの第三世代で、現在の最新鋭機種です。ほぼ円筒形で白と黒のカラーバリエーションをもつアンテナ本体を、マストの先に設置する形式の地デジアンテナです。設置位置は屋根の上。または屋根の張り出し板(破風板)、壁面の高所などになります。
ユニコーンアンテナもその外観性から住宅のデザインや景観を崩さない。また形状から風雨を受け流しやすく、経年劣化が進みにくく、トラブルを避けられ寿命が長いなど、デザインアンテナと同じメリットがございます。
受信性能については、デザインアンテナは強電界地域向けの屋外屋内兼用コンパクトモデルなどを除けば、20素子相当、26素子相当モデルのみ。ユニコーンアンテナは20素子相当モデルのみになります、両機種とも外観からは素子が見えず、素子アンテナではないため、受信性能は「素子数相当」で表され、同素子数の八木式アンテナに比べると、受信性能は微妙に低くなります。
またデザインアンテナは主に壁面などやや低い位置に設置されるため、やや受信感度が低下し、特に高層建築物の近隣や住宅密集地などでは、地デジ電波状態がよい地域であっても、電波が遮断されるため設置できないこともございます。
それに対し、ユニコーンアンテナは高所に設置できることから、デザインアンテナが設置できない現場でも設置できるケースが多くなり、デザインアンテナと八木式アンテナのメリットも兼ね備えた機種と言われます。
ただいずれにせよ、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナとも、基本的には強電界地域から中電界地域向けの機種になります。
そのため弱電界地域については、地域内でも基本的に60㏈近くと比較的、電波状態のいい現場で、周辺に障害物っ見られない。またデザインアンテナであれば26素子相当モデルを用いる。できるだけ高所に設置するなどの工夫により、設置できる可能性もございます。
なおデザインアンテナを受信状態がよくなる屋根の上のマストに設置することも可能ですが、その場合、デザインアンテナのメリットがやや失われるといったデメリットも生じます。
いずれにせよ、弱電界地域でデザインアンテナ、ユニコーンアンテナを使用したい場合には、事前に業者による綿密な電波状態の調査を行い、これらのアンテナで安定した地デジ電波の受信は可能か、しっかりと確認しておく必要がございます。
なおデザインアンテナ、ユニコーンアンテナについては、以下の各コラム記事で詳しくご説明しております。
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弱電界地域に該当するエリアの確認方法は?

上記の通り弱電界地域は、受信できる地デジ電波レベルが低く、使用できる地デジアンテナ機種や設置位置が限られるエリアになります。
ただ、実際にご自宅周辺のエリアが弱電界地域に該当するか。また受信できる地デジ電波の具体的なレベル、電波の方向などを確認することは、周辺の地形や障害物、また電波の反射などの影響により、一般の方にとっては難しくなります。
ご自宅などで受信できる正確な電波レベルなどを確認するには、アンテナ工事の専門業者に電波調査を依頼することがもっとも確実な方法です。アンテナ工事の専門業者は「レベルチェッカー(電波測定器)」を用いて、住宅内でもさまざまな場所における地デジ電波の強度や方向を的確に確認して、地デジアンテナの設置に適した位置や方向から、最適なアンテナ機種を選択します。
このレベルチェッカーは個人で購入もできますが、やや高価であり、また数値などを読み取って正確な電波状態を理解するには専門知識も必要となるため、一般の方が行うには正確性に欠け、コストパフォーマンスも悪い方法になります。
またアンテナ工事の専門業者が行う電波調査は、調査そのものは無料のこともありますが、基本的には見積もりとあわせて、その後のアンテナ工事を前提としています。そのため業者に電波調査を依頼するのは、本当にアンテナ工事を考えている場合で、調査後に工事をキャンセルできるか。出張料やキャンセル料などが発生しないかを確認されることをおすすめいたします。
業者による本格的な調査ではなく、個人でご自宅などの電界地域を確認する場合には、主に以下の方法がございます。ただどの方法も、おおまかな目安でしかなく、ピンポイントの正確な電波レベルや電波の方向などを確認することは難しくなります。
なお業者による電波調査などに関しては、以下のコラム記事で詳細をご説明しております。
地デジ放送、衛星放送(BS/CS)テレビアンテナ工事の現場で必要な「電波調査」の方法とは?
地デジ・衛星放送テレビアンテナ工事の費用がいくらかわかる「見積もり」の方法は? 会社ごとのアンテナ工事相場と優良業者の選び方を徹底解説!

・周辺の住宅に設置されている地デジアンテナ機種を確認する。

前述のように、強、中、弱の電界地域によって、使用できる地デジアンテナの機種は異なるため、周辺の住宅などに設置されている地デジアンテナの種類を確認することも、おおまかな電界地域の目安になります。
特に弱電界地域では、20素子の八木式アンテナやパラスタックアンテナを、屋根の上で高いマストの先に設置することが多いため、弱電界地域を判定することは、比較的わかりやすいともいえます。ただ弱電界地域でも場合によってはデザインアンテナ、ユニコーンアンテナを使用できることもあり、この判定方法はやはりおおよその目安でしかないといえます。

・近隣の家電量販店やホームセンターなどに問い合わせる。

ご自宅の近辺エリアでテレビアンテナを販売する家電量販店やホームセンター、町の電器店などでは、アンテナ本体を販売すると同時に、アンテナ工事を行うことも多いため、周辺地域の地デジ電波状況に関する知識があることも多くなります。
このような店のスタッフ、店主などに問い合わせると、地域の地デジ電波状態について知ることもできます。
ただ特に家電店、ホームセンターなどでは、実際の工事は下請け業者が行うため、店舗のスタッフは、インターネットで確認したなどの簡単な知識しかない場合もございます。これもあくまで参考的な意見と考えられることをおすすめします。

・ワンセグ放送を受信する。

ワンセグ放送とは、地デジ放送と同じ電波塔から、各チャンネルに割り当てられた周波数帯。13セグメント(区分)のうち、通常の地デジ放送では使用しない1セグメントを利用して、かつての携帯電話(ガラケー)などにあわせた小画面向け低解像度のテレビ放送を行っているものです。
現在ではスマートフォンなどでフルセグ(通常の地デジ放送)受信が可能になっているため、ワンセグ対応の機器は少なくなっておりますが、通常の地デジより受信しやすいことから、災害時などの小型機器に適した予備放送として、現在も放送されております。
このワンセグ放送は、地デジ電波の一部を利用しているため、ワンセグの受信しやすさは、地デジ電波に比例します。
そのためワンセグを受信できる機器をお持ちであれば、住宅内でも屋根に近い位置やベランダ、各部屋など、ワンセグ放送を受信して、その受信状態の良しあしから、地デジの電波状態もある程度、判断できます。
この方法では、住宅内の各部屋など、細かい場所での受信状態を確認できるというメリットもございます。弱電界地域の場合は、全体的に受信状態が悪いことが考えられます。ただワンセグ放送は、地デジに比べると弱い電波でも受信できる反面、地デジ電波状態を確認したい場合には、やや不正確となりますのでご注意ください、。

・インターネット上の専門サイトなどで調べる。

インターネット上のサイトでは「A=PAB 一般社団法人放送サービス高度化推進協会」公式サイトにある「地デジ放送エリアのめやす」ページで、日本国内に存在するすべての地デジ電波塔と、各電波塔が送信する地デジ電波が届くエリアを確認できます。
使い方は、最初のページで、現場の都道府県や市町村、住所、また電波塔の名称などを入力することで、エリア周辺の地図と、その場所に位置する電波塔が、マークとして表示されます。さらに画面上の電波塔から、放送する電波の種類(NHK、広域民放、地方チャンネル)を選んでクリックすることで、その電波の届くエリアが、電波塔の周辺に色を重ねる形で表示されます。
画面上に色で表示されるエリアは、その電波塔からの地デジ電波レベルが約60㏈以上で受信できる、一般的には中電界地域以上に当たる範囲です。したがって色の範囲より一回り大きい程度の周辺エリアで、山地など地形による電波の遮断が起こらない一帯が、その電波塔の弱電界地域になると考えられます。
また画面上では最大、電波塔を5つまで選択できるので、調べたい地域の周辺にある電波塔をクリックし、どの電波塔の色の範囲にも入らなければ、弱電界地域に該当すると判断できます。ただ電波塔には、東京スカイツリーのように複数の都道府県にまたがる広範囲をカバーする大型の送信所から、送信所からの電波が届かない地域をフォローする形で、一部の市町村などをカバーする中小の電波塔までが存在するため、お調べのエリアをカバーする電波塔を見落としていないか、注意が必要となります。
ただこのサイトで確認できる電界地域の範囲もおおよその目安でしかなく、建物や地形などの影響により地デジ電波状態が悪くなる、詳細なエリアまでは確認できません。特に弱電界地域は色で示される外になるため、範囲の判断はやや難しくなります。

まとめ

弱電界地域は、地デジ受信は不可能ではございませんが、受信状態ではやや不利なため、安定した受信を実現するためには、アンテナ機種や設置位置、機材などの選択に、的確な判断が必要となってまいります。
なお強電界地域、中電界地域の地デジアンテナ設置その他の事項については、冒頭でも申しあげた通り、以下の姉妹記事にて同様にご説明いたしております。

地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説

中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説

当あさひアンテナでは、弱電界地域においても、安定した地デジ受信を実現する地デジアンテナ工事をご提供しております。
弱電界地域向けの地デジアンテナとしては、主に八木式アンテナ、高性能型のパラスタックアンテナになりますが、塩害用、雪害用など、気候への対策も含めた各種モデルをご用意しております。電波調査やお見積もりも、出張料、キャンセル料なども含めた完全無料で実施しており、現場の電波状態や自然環境に合わせた、最適のアンテナ工事を、業界最安に挑む工事価格でご提案いたします。
デザインアンテナ、ユニコーンアンテナを設置したいとのご要望については、なにぶん受信できる地デジ電波レベルが低いため、確実にご対応できるとは申し上げられません。ただ綿密な電波調査により施工の工夫により、これらのアンテナ機種でも安定した受信が可能な場合には、可能な限りご対応いたします。
また弊社では、自社の工事技術に対する高い自信から、業界最長クラスとなる、アンテナ工事の完了日からの「10年保証」もご用意しております。工事後に万が一、アンテナトラブルが発生した場合も、弊社へご一報いただければ、弊社の職人が即座に現場へと駆け付け、早急に復旧いたしますので、長期にわたってご安心していただけます。

弱電界地域でも安定して受信できる地デジアンテナの取り付けをはじめ、各種テレビアンテナ工事に関するご相談は、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)。またはメールフォームLINEアカウントまで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。