地デジや衛星放送用BS/CSテレビアンテナのベランダ設置や壁面取付の方法は? デザインアンテナ失敗例や必要な端子も解説
戸建て住宅にて各種地デジ用、衛星放送用テレビアンテナを壁面やベランダに設置する場合の、壁への設置に適したランキング上位の人気商品、デザインアンテナを中心に、取付工事の方法、メリット、デメリットの解説、部屋の中でも受信できてお得なアンテナ本体の選び方や設置例の紹介など、アンテナの設置を検討中の方におすすめの記事です。
令和の現在でも、地デジ(地上デジタル放送)や衛星放送(BS放送、CS放送、新4K8K衛星放送)のテレビアンテナといえば、屋根の上に設置するものというイメージがございます。確かにテレビアンテナを屋根の上に取り付けることには、さまざまなメリットがあるため、現在でも主流の設置方法となっております。
ただ現在では、戸建住宅の場合、屋根の上に限らず、壁面やベランダ、場合によっては屋内に設置することも可能となっております。
これらの設置位置には、屋根の上への設置にはない、さまざまな独自のメリットもございますが、一方で安定したテレビ電波の受信のためには、設置に関して多くの制約や、安定した受信のために必要となる条件も生じてまいります。
当コラムでは、壁面設置を前提とした地デジアンテナ、デザインアンテナを中心に、各種地デジアンテナ、BS/CSアンテナの壁面、ベランダへの設置について、そのメリットやデメリット、設置が可能となる条件。また各機種について、室内や屋内空間へのアンテナ設置も可能であるかなども含め、解説してまいります。
戸建て住宅に設置されるテレビアンテナの種類は?
21世紀、令和の現在、日本におけるテレビ放送としては、地上デジタル放送(地デジ)と、BS放送、CS放送の衛星放送の二種類がよく知られております。
そして一般住宅に設置されるテレビアンテナも、地デジアンテナ、衛星放送用BS/CSアンテナの二種類になります。通常のテレビアンテナ取り付け工事では、まず地デジアンテナ取り付けが基本工事となり、その後、衛星放送を視聴する住宅でのみ、BS/CSアンテナの追加で設置するという形になります。
テレビアンテナの種類が地デジと衛星放送で別々になるのは、それぞれの放送形式や電波の特徴によるものです。
現在の地デジ放送では、東京スカイツリーをはじめとする、広範囲に地デジ電波を送信する大型の送信所。そして地形や距離などから送信所ではカバーできないエリアを補足する、大小の中継局といった電波塔が日本各地に数多く設置されることで、日本国内のほとんどのエリアで地デジ電波が受信可能となっております。地デジ放送が地上波放送と呼ばれるのも、電波塔によって地上から放送電波を発信することに由来します。
この地デジ放送では、UHF波(極超短波)と呼ばれる比較的、周波数が高い電波の中でも、470MHz(メガヘルツ)から710MHzの周波数帯が使用されており、その波長の長さは40センチから60センチ程度になります。
やや長い波長であることから、障害物などにぶつかっても、ある程度は向こう側に回りこむことができる他、電波塔の付近など電波レベルが強いエリアでは、住宅の屋根や壁などを通り抜けて屋内まで電波が届くこともございます。
ただ山地や高層建築の裏側すぐ近くの場所などでは地デジ電波が遮られてしまうこともあり、日本国内でも電波塔からの距離や、電波を遮断する地形などの環境により、地域ごとに受信できる地デジ電波レベルが変わってまいります。
この受信できる電波レベルで日本国内の地域を分類したものを「電界地域」といいます。これは正式な定義ではないため、場合によっては基準が異なることもございますが、一般的には、電波レベルを示す㏈(デシベル)を基準に「強電界地域(80㏈以上)」「中電界地域(80㏈から60㏈)」「弱電界地域(60㏈以下)」に分類されることが多くなります。
一方、衛星放送とは、文字通り、地上から約35,786キロ上空の宇宙空間において、地球の自転と同じ速度で赤道軌道上を周回しているため、地上から見れば常に空の同じ位置に静止して見える人工衛星の「静止衛星」より、日本国内の全域へと電波を送信しているテレビ放送です。
現在の日本の衛星放送には、放送衛星を使用し、NHK、広域民放など地デジと同じ無料チャンネルと「wowow」などの有料チャンネルがあるBSデジタル放送。通信衛星を使用する「スカパー!」のサービス名で知られ、有料チャンネルを中心に80チャンネル以上の多チャンネルから契約するチャンネルを選択できるCSデジタル放送の2種類がございます。
BS放送、CS放送の違いは、もともとは日本の放送法による区分によるものですが、現在では実質的な違いは少なくなっております。
これら衛星放送(BS/CS放送)では、人工衛星から地上までの長距離を、レーザー光線のように直進的に送信される、周波数帯の高い電波が使用されております。具体的には、マイクロ波の一種「SHF(センチメートル波)」のうち、周波数が12GHz(ギガヘルツ)前後であることから、12GHz帯と呼ばれる電波になります。この12GHz帯では、波長の長さは25ミリ前後になります。
衛星放送の電波は、人工衛星から日本全体を照射するように送信されているため、地上の地形や建築物、また災害などに影響されず、日本国内であればほぼ全域で受信することができます。一方で衛星放送の12GHz帯の電波は、その波長の短さから、障害物にぶつかった場合、ほとんど向こう側に回り込めないため、遮断されやすいという性質がございます。
基本的に、電波は周波数が低いほど音の性質に、高いほど光の性質に近くなります。したがって性質的には、地デジ電波は音に近く、衛星放送の電波は光に近いということもできます。
このように、地デジ放送と衛星放送では、同じテレビ放送であっても、電波を発信する場所、および電波の性質がまったく異なるため、それぞれを受信するためには、地デジ用と衛星放送用に適した、別個のテレビアンテナが必要となるのです。
また余談ですが、地デジ放送には、ほぼ日本全国で受信できるNHK、広域民放と、日本国内でも一部の都府県にそれぞれ独立して存在し、その都府県を放送エリアとする独立放送局の地方チャンネルがございます。
どれも同じ地デジ放送のチャンネルであるため、基本的には一台の地デジアンテナですべてを受信できます。ただ地域によっては、NHK、広域民放と地方チャンネルが別々の電波塔から発信されており、その方向が大きく異なることもございます。
この場合は、指向性(特定の方向でのみ受信感度が高まる性質)の強い地デジアンテナでは、一台ですべてのチャンネルを受信することが難しくなります。そのためNHK、広域民放を基本として、地方チャンネルを受信したい場合は、別個にもう一基、地方チャンネル専用の地デジアンテナを設置する必要が出てまいります。
これら地デジ、衛星放送の電波についての詳しいご説明は、以下の各コラム記事にもございます。
・地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
・地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
地デジ、BS/CSアンテナはなぜ屋根の上に設置される?
地上波テレビ放送が地デジ化される昭和から平成初期、アナログテレビ放送の時代は、テレビアンテナといえば屋根の上に設置される骨組みのような形をした八木式アンテナが基本でした。
そして地デジ放送や衛星放送が定着し、地デジアンテナのバリエーションが増えた現在でも、テレビアンテナといえば、衛星放送用のBS/CSアンテナを含め、その多くが屋根の上に設置されております。地域によっては、住宅街で見られるほとんどの家の屋根の上に、テレビアンテナが設置されていることもございます。
これは、決してただ昔からの慣習を踏襲しているわけではございません。現在でも地デジ、衛星放送のテレビアンテナを設置する場所としては、屋根の上を選ぶことが、さまざまな点で有利になるためです。
まず地デジ放送の場合は、前述した通り、地上の電波塔から発信された電波が、建物や地形などの障害物に遮られることがあるため、できるだけ高い位置にアンテナを設置した方が、受信には有利になります。
基本的には強電界地域、中電界地域、弱電界地域の中でも電波が強いエリアでは、戸建て住宅内でのアンテナの設置位置や、使用できるアンテナ機種の選択肢も増えるのに対し、電波が弱いエリアになるほどその選択肢が少なくなります。弱電界地域では、屋根の上に高いマスト(ポール、支柱)を設置し、その先に高性能の地デジアンテナを設置する以外の選択肢がないこともございます。
また強電界地域であっても、電波塔から見て高層建築物の陰にあたる現場や、隣家との間が狭い住宅密集地で、壁面など低い位置に地デジアンテナを設置する場合などでは、十分な地デジ電波の受信ができないこともございます。この場合もやはり、屋根の上など高所に地デジアンテナを設置し、受信感度を確保することが必要となります。
衛星放送の場合は、人工衛星から地上へと高周波数帯の電波を送信しているため、十数メートル程度の高さの違いでは、受信できる電波レベルにほとんど影響はございません。
ただ前述のように、衛星放送の12GHz帯の電波は障害物に弱く、人工衛星と地上のBS/CSアンテナを結ぶ直線的な電波の通り道に、建物や山地などはもちろん、電柱や電線、樹木やその枝葉、さらには洗濯物など、ささいな障害物が割って入っただけでも受信できる電波レベルが大きく低下し、受信不良が生じてまいります。そのため、このような障害物を避けることができ、また想定外の障害物が発生する可能性も低い位置として、屋根の上などの高所が適しているのです。
他にもアンテナ本体の「指向性」の問題もございます。指向性とは先ほどもご説明した通り、アンテナの特定方向(正面側)でのみ、アンテナの受信性能が高まる性質のことです。テレビアンテナに限らず、電波を送信する機器も含めたアンテナ全般は、この指向性が強いほど、受信(送信)性能も高まるという性質がございます。
地デジアンテナには、どの機種にも本体の正面にあたる方向があり、正面以外の方向では電波の受信感度が非常に低くなるため、正面側を電波塔(電波が届く側)の方向に向けて設置されます。地デジ、BS/CSアンテナとも、指向性の高さには、アンテナ正面から届くテレビ電波以外の、ノイズとなる余計な電波をカットするというメリットもございます。
パラボラアンテナであるBS/CSアンテナは、指向性が地デジアンテナより鋭く、アンテナ本体の多くを占める、皿のような形の部分である放物面反射器(ディッシュ)を、BS放送および110度CS放送の人工衛星が位置する、南西方向、東経110度へと正確に向けて設置する必要がございます。
BS/CSアンテナの角度調整は非常に厳しく、ミリ単位の狂いでも受信感度が大きく低下する他、地デジアンテナが方位角(左右角)の調整だけで済むのに対し、仰角(上下角)の調整も必要となります。また前述のように、衛星放送の電波は障害物に弱いため、BS/CSアンテナも角度調整だけでなく、アンテナを向ける方向に障害物がない設置位置を選ぶ必要がございます。
このように電波の受信感度、また障害物を避けて360度、および上下に最適な角度調整ができるという条件を備えた位置として、屋根の上に立てたマストなど高い位置が、アンテナ設置の場所として最適になるのです。
他にも、地デジとBS/CSアンテナをセットで設置する場合には、まずアンテナの近くに、双方のアンテナから電波を送信する二本のケーブルを一本のケーブルにまとめる「混合器」。または、受信した地デジ電波を必要なレベルまで増幅する「ブースター」と混合器が一体化した「UHF/BSCS混合ブースター」を設置して、地デジと衛星放送の電波を一本のケーブルに混合します。
これによりアンテナ配線をシンプル化し、総合的な工事のコストやトラブルのリスクを軽減するのですが、そのためには地デジとBS/CSアンテナをできるだけ近い場所に設置する必要があるため、どちらのアンテナも屋根の上で、一本のマストにまとめるなどして設置するケースが多くなります。
ただ一方で、屋根の上へとアンテナ設置は、住宅のデザイン性や景観性を乱す。また風雨や雪など自然環境の影響でアンテナがダメージを受けやすく、経年劣化が進みやすいというデメリットもございます。
そのため、現場の受信環境と、外観性、対候性などを総合的に考慮して、可能な場合であれば、壁面やベランダなどその他の位置にアンテナを設置するケースも、近年では多くなっているのです。
地デジ、BS/CSアンテナの指向性、角度調整などについての詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。
・地デジのテレビアンテナで受信できる方向は指向性で決まる? アプリでアンテナの方向調整に最適な角度を調べる方法も徹底解説!
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
地デジアンテナ:八木式アンテナ
ここからは現在、戸建て住宅のアンテナ設置に用いられる主な地デジ、BS/CSアンテナ機種とその特徴、そして各機種の主な設置位置についてご説明いたします。
八木式アンテナとは、アナログテレビ放送時代から使われる、主に屋根の上に設置される骨組みのような形状を持つ、もっとも古典的なテレビアンテナ機種です。
現在の地デジアンテナとしての八木式アンテナは、矢印状の骨組みに、短い横棒がいくつもついた、魚の骨を思わせる形状です。ちなみにアナログ放送時代の主なテレビ電波で、波長の長さが1メートル前後であったVHF波(超短波)を受信するための八木式アンテナは、現在よりやや大型で、地面に並行の平べったい形をしていました。
現在の地デジアンテナとしての八木式アンテナを、戸建て住宅に取り付ける場合の主な設置位置は、以下の通りです。
八木式アンテナの設置位置:屋根の上
八木式アンテナは、基本的にアナログ放送時代と同じく住宅の屋根の上で「屋根馬」と呼ばれる四脚の固定具の中央に立てたマストの先端に、アンテナ本体を取り付け、四方よりステンレスワイヤーなどの支線を張って固定するという形になります。
八木式アンテナの設置位置:壁面やベランダの内外、軒下
屋根の形状などから屋根の上への設置が難しい。またお客様のご要望によっては、壁面やベランダなどに、横に伸びたアームにマストを立てる「サイドベース」と呼ばれる固定具を取り付けて設置する他、ベランダの内部に短いマストなどで固定する。屋根の軒下などから吊り下げるなどの方法もございます。
八木式アンテナの特徴は、その受信性能の高さにあります。八木式アンテナに見られる短い横棒は「素子(エレメント)」と呼ばれ、地デジ電波を受信するパーツにあたります。八木式アンテナは素子が露出する「素子アンテナ」と呼ばれるシンプルな設計のアンテナで、同じ素子数でも素子が露出していないアンテナより、やや受信性能が高くなります。
さらに、同じ八木式アンテナでもモデルによって素子数に違いがあり、素子数が多い高性能モデルも存在する。主な設置位置が屋根の上で、周辺の障害物などに影響を受けることが少ないこともあって、現在の地デジアンテナではもっとも高い受信性能を誇ります。
八木式アンテナのモデルには、各電界地域に合わせた素子数の違いとして、8素子、14素子、20素子の各モデルの他に、Ⅹ字型の器具に複数の素子パーツを取り付けた高性能素子を使用し、27素子、30素子などの多素子モデルがある高性能アンテナ(パラスタックアンテナ)も存在し、強電界地域から弱電界地域の、特に電波が微弱なエリアでも使用できます。
また台風や積雪、海沿いの潮風など厳しい環境に耐えるべく、素材の改良や表面加工、設計の工夫などを行った高耐風モデルや塩害用、雪害用モデルなども存在します。
他にも昔ながらのモデルで、設計や製造、設置の技法が確立しているため、地デジアンテナの中では本体価格、取り付け工事費用ともに、もっとも低価格となります。
一方で、主な設置位置が屋根の上であり、その形状もあって、住宅のデザインや景観を乱すことがある。また風雨などに影響されやすく、特に環境の厳しい地域では老朽化が進みやすいというデメリットもございます。
八木氏にアンテナやその高性能モデルについては、以下の各コラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
地デジアンテナ:デザインアンテナ
デザインアンテナは、2003年(平成15年)の地デジ放送スタートの後、2011年(平成23年)にアナログテレビ放送が停波(終了)して、日本の地上波テレビ放送が地デジに一本化される直前、アナログ時代のVHFアンテナから地デジアンテナへの交換需要が高まった、2009年(平成21年)頃より急激に普及しはじめた、地デジアンテナの第2世代にあたるモデルです。
その外観は、壁面などへの設置を前提とした、主に長方形で薄型のシンプルなデザインで、カラーバリエーションも豊富です。その設置位置や形状から、平面アンテナ、フラットアンテナ、壁面アンテナなどの別名もございます。
デザインアンテナを戸建て住宅に取り付ける際の主な設置位置は、以下の通りになります。
デザインアンテナの設置位置:壁面やベランダ
デザインアンテナの基本的な設置位置は、その形状から、住宅の壁面や、ベランダの手すり部などに専用の設置具を固定し、アンテナ本体をはめ込んで設置する形になります。アンテナ本体のカラーバリエーションを壁の家に合わせることで、目立たず住宅のデザインを乱さない上、風雨などにも影響されにくいアンテナ設置が可能となります。
デザインアンテナの設置位置:屋根の上
デザインアンテナを、八木式アンテナと同じく屋根の上に取り付けられたマストに固定することも可能です。この場合、設置位置の高さから受信感度が高まり、八木式アンテナに比べると風雨などにもやや強くなるのがメリットです。
一方で、デザインアンテナ特有のメリットである、目立たないデザイン性の高さが損なわれるデメリットもございます。
デザインアンテナの設置位置:屋内空間
デザインアンテナは、強電界地域で屋内でも十分な地デジ電波が受信できる環境であれば、屋内空間への設置も可能です。
デザインアンテナを屋内に設置する場合の主な取り付け場所は、屋根裏や天井裏の空間への設置も可能です。屋根裏空間への設置は、屋根材や建材に電波を遮断する素材が使用されていない、また屋根の上に太陽光パネルが設置されていない。冬場の屋根への積雪がないなど、屋根裏空間に十分な地デジ電波が届き、出入口や設置スペースが確保されている条件が整っていれば可能となります。
またデザインアンテナには、屋外屋内兼用のコンパクトモデルもある他、平面型に限らずスタイリッシュな形状の屋外屋内兼用アンテナを、総合的にデザインアンテナと呼ぶこともございます。このようなモデルは、受信性能が4、5素子相当と低くなるため強電界地域でしか使用できませんが、屋内の窓際などに設置することも可能です。
これら屋内設置のメリットは、住宅の外装や外観にまったく影響を与えない。またアンテナ本体も風雨などを完全に避けられるため、経年劣化を抑えて寿命が延びるという点です。
デザインアンテナの特徴は、すでにご説明した通り、壁面や屋内への設置で目立たず、住宅の見た目や景観を崩さない。また風雨などにも影響されにくいため、トラブルが起こりにくく寿命も長くなるという点です。このようなメリットの多さから、現在では人気ナンバーワンの地デジアンテナ機種になります。
ただ受信性能に関しては、外見からは素子が見えないため「素子数相当」で表され、受信性能の低い屋外屋内兼用モデルを除いた主なモデルで、20素子相当と26素子相当の二種類のみになります。そして同じ素子数相当でも、八木式アンテナに比べると、受信性能は微妙に低くなります。その受信性能を補完するために、デザインアンテナにはブースター内蔵モデルも多く存在します。
そして主な設置位置が壁面やベランダなど低い位置になる点も、周辺の障害物などの影響を受けやすく、受信性能が低くなる要因となります。したがってデザインアンテナは基本的に強電界地域から中電界地域向けの地デジアンテナになりますが、該当するエリアでも、高層建築物の近隣や住宅密集地など、周辺環境によっては設置できないケースもございます。
なおデザインアンテナの詳細は、以下の各コラム記事でもご紹介しております。
・地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
・台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・この最小デザインアンテナがすごい!スカイウォーリーミニ(マスプロ電工)
地デジアンテナ:ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)、日本三大アンテナメーカーの一社と評される「マスプロ電工」社が発売したオリジナルのモデルで、高さ70センチ弱のほぼ円筒形の本体を持つ、地デジアンテナの第3世代モデルです。名称も同社の登録商標であり、カラーバリエーションには、落ち着いたブラックとホワイトの二種類がございます。
ユニコーンアンテナの戸建住宅における主な設置位置は、以下の通りです。
ユニコーンアンテナの設置位置:屋根の上
ユニコーンアンテナは、マストの先に円筒形の本体を固定する仕組みで、底部にマストと設置金具が、カバーに隠される形で設置されており、ボルト二本で簡単に設置できる仕組みです。そのため主に、八木式アンテナと同じ形式で屋根の上に設置されます。
ユニコーンアンテナの設置位置:屋根の張り出し部(破風板)や壁面の高所
屋根の形状やその他の理由で屋根の上に設置しない場合には、やはりサイドベースを用いて、破風板と呼ばれる屋根の張り出し部分や、壁面でも屋根に近い高所へマストを固定し、その先にユニコーンアンテナを設置します。
ユニコーンアンテナの特徴は、そのスタイリッシュな外観から、住宅のデザインや景観に悪影響を与えない上、形状から風雨を受け流せるため経年劣化を抑えられ、寿命が長くなるなど、デザインアンテナと共通するメリットがある点です。
受信性能は20素子相当のみであるため、基本的には強電界地域から中電界地域用のモデルとなります。ただ設置位置を高く取れるため受信感度が高まり、高層建築物の近隣や住宅密集地などのためデザインアンテナの設置が難しい現場でも、ユニコーンアンテナであれば受信可能となり、設置できることも多くなります。
総じてデザインアンテナと八木式アンテナの長所を兼ね備えた地デジアンテナと言えますが、デメリットとしては、同素子数から高性能もモデルの八木式アンテナには受信性能が及ばず、弱電界地域では使用できないことが多い。純和風建築など住宅のデザインによってはマッチしないこともある。最新モデルであるため、現在の地デジアンテナでは本体価格、設置費用とも、もっとも高価格になる点です。
ユニコーンアンテナについては、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
・地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
衛星放送用アンテナ:BS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)
衛星放送用のBS/CSアンテナは、前述のように、ディッシュと呼ばれる放物面反射器を持つパラボラアンテナです。このディッシュで、人工衛星から直進的に送られる衛星放送の12GHz波を正面から受け止め、ディッシュ中央部に集中して反射させ、アームによって中央に固定されたコンバーターへと集めます。
コンバーターでは、そのままケーブルで送信すると減衰が激しくなる12GHz帯の電波を、送信に適したMHz帯の電波に変換して、屋内のテレビやレコーダーなど受信機器へと送信します。そのためBS/CSアンテナでは、ケーブル配線部で同じく電源を必要とするブースターか、テレビ、レコーダーなどのチューナー端子から、アンテナ側に対しての給電が必要となります。
BS/CSアンテナの設置については、前述のように、BS放送、CS放送の人工衛星が位置する東経110度にディッシュ部を正確に向ける必要がある上、その方向にわずかな障害物でも存在すると、電波が遮断されて受信が困難になります。そのため設置位置としては、アンテナに東経110度に向けることができ、その方向に障害物がない、将来の発生も予想されない場所を慎重に選ぶ必要がございます。
戸建て住宅でBS/CSアンテナを設置できる位置は、主に以下の場所となります。
BS/CSアンテナの設置位置:屋根の上
屋根の上に八木式アンテナ、ユニコーンアンテナなどの地デジアンテナを設置する場合は、同じマストで、地デジアンテナの下にBS/CSアンテナを設置することが多くなります。
前述のように、このような設置方法では、障害物の影響を受けにくく、BS/CSアンテナの角度調整が行いやすい。また地デジアンテナとの配線をまとめやすいというメリットがございます。
BS/CSアンテナの設置位置:壁面やベランダ内外
BS/CSアンテナも、障害物のない南西方向へ向けることができるという条件が整っていれば、八木式アンテナなどと同じように、サイドベースや手すり設置用の固定具を用いて、住宅の壁面やベランダの手すりなどに設置することが可能です。またベランダの内部に固定する方法もございます。
BS/CSアンテナの設置位置:室内の窓際
条件はやや厳しくなりますが、BS/CSアンテナを室内に設置することも可能です。
可能な条件としては、障害物のない東経110度の方向を向いた、透明のシンプルかつ大きな一枚ガラスで、衛星放送の電波を通しやすい窓であるという点です。この窓の前に、自立スタンドに立てたBS/CSアンテナを設置できるスペースがあれば、室内設置が可能である可能性が高くなります。
なお現在の主なBS/CSアンテナは、一基で同じく東経110度に人工衛星が位置する、BS放送および、110度CS放送(スカパー!)を受信できます。ただCS放送には、東経124度、128度の通信衛星を利用した、124度128度CS「スカパー!プレミアムサービス」が存在し、こちらを受信するためには別個にプレミアムサービス専用アンテナ、またBS放送、110度、124度、128度すべてのCS放送を受信できるマルチアンテナが必要となります。
家庭用の一般的なBS/CSアンテナは、ディッシュ直径が45センチの45型になり、基本的な構造、設計はどのメーカー、モデルも同じになるため、受信性能に大きな差は生じません。ただ集合住宅向けのモデルとして、ディッシュの大きさから受信性能が高い50型、60型、75型、90型、120型などのものもある他、カラーバリエーションや設計に工夫を凝らした高耐風モデルなども存在します。
また2018年(平成30年)12月よりスタートした、BS放送、CS放送にそれぞれ4K8Kチャンネルが追加された「新4K8K衛星放送」では、従来の衛星放送の電波であった右旋円偏波では周波数帯が不足し、多くのチャンネルで新しく左旋円偏波を導入したため、すべての4K8Kチャンネルを受信するためには、2018年以降の2K4K8K対応BS/CSアンテナになります。
現在のBS/CSアンテナは、ほぼすべてが2K4K8K対応型ですが、2018年以前の2K対応BS/CSアンテナ、および4K8K非対応のブースターや分配器などでは、左旋円偏波を受信、送信できないため、すべての4K8K放送をご覧になるためには、アンテナや機器を4K8K対応型に交換する必要がございます。
その他、BS/CSアンテナの基礎知識や設置の注意点、機器のバリエーションについては、以下の各コラム記事をご確認ください。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
・台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS放送、CS放送を視聴する衛星放送用テレビアンテナを室内に設置する方法とその条件、おすすめの設置用製品とは?
・室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
壁面やベランダへ設置に適したテレビアンテナとは?
上記の通り、現在のテレビアンテナであれば、地デジアンテナの主要機種、BS/CSアンテナともに、受信条件さえ整っていれば、住宅の壁面やベランダに設置することは可能です。
ただ地デジアンテナの場合は、やはり壁面への設置を前提としたデザインアンテナが、壁面、ベランダの設置に最適の機種になります。
八木式アンテナ、ユニコーンアンテナも、壁面への設置は可能ではありますが、その場合、受信感度の高さなどアンテナ本体が持つメリットが薄れてしまう。また通常の設置とは異なる設置具が必要なため、取り付け費用が割高になってくるケースもございます。
以下の項では、主にデザインアンテナの使用を前提に、テレビアンテナの壁面設置、ベランダ設置のメリット、デメリットをご説明してまいります。
テレビアンテナを壁面に設置するメリット
住宅の外観や景観に影響を与えなくなる
すでにご説明した通り、特に平面型のデザインアンテナを、本体色も合わせて壁面に設置した場合は、住宅の外観に溶け込んでマッチし、住宅全体の見た目もスッキリいたします。
また景観地域などの条例で、設置できるアンテナの機種、高さに制限がある場合も、デザインアンテナではまず問題は起こりません。さらにアンテナの一部が隣家の敷地にはみだす「越境問題」も生じにくくなります。
八木式アンテナやユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナも、デザインアンテナほどではないものの、壁面の目立たない位置に設置することで、外観性に与える影響を抑えることができます。
風雨などに影響されにくくなり寿命が延びる
壁面へと貼り付けように固定するデザインアンテナは、激しい風雨などを受けてもアンテナに大きなダメージを受けることがなく、また雪も積もりにくいため、経年劣化が進みにくく、寿命が長くなるのも大きなメリットです。
テレビアンテナの寿命に関しては、周辺環境などにも影響されますが、一般的な八木式アンテナ、BS/CSアンテナを屋根の上に設置した場合、その寿命は約10年程度であるのに対して、デザインアンテナの壁面設置では、15年から20年程度になります。
また八木式アンテナやBS/CSアンテナも、壁面の風雨や雪などを避けやすい位置を選択すれば、ある程度は経年劣化の軽減と寿命の長期化につながります。
テレビアンテナを壁面に設置するデメリット
電波の受信性能が低くなり、十分な受信ができず設置できないこともある
前述の通り、地デジ電波は、建築物などの障害物によって遮られやすい性質がございます。そのため、マンションなど高層建築物の直近や、住宅密集地などにおいて、壁面など住宅の低い位置にデザインアンテナを設置しても、十分な受信感度を得られず、地デジ放送が受信できないことがございます。
実際に壁面などにデザインアンテナを設置した場合の不具合で多いケースが、やはり十分な受信感度を得られず、画面が乱れることが多いというケースです。特に地デジ電波は季節や天候によっても電波レベルが変動するため、設置時には正常に視聴できる状態でも、電波状態の悪化により画面が乱れてくることもございます。
受信レベルの低さについては、高性能な26素子相当でブースター内蔵型のデザインアンテナを設置する、またブースターを追加設置するなどの方法で抑えることもできますが、確実とは言えず、また費用もかさんでまいります。
また壁面に八木式アンテナを設置する場合も、周辺環境により受信感度が低下する条件は同じになります。素子数の多い高性能の八木式アンテナを使用する方法もございますが、そのような機種は大型で重量も増えるため、壁面への設置が難しくなります。
BS/CSアンテナに関しては、設置位置による受信感度への影響は少なくなりますが、障害物のない東経110度に向けるという必須条件があるため、壁面設置の場合は、南側が西側の壁面でアンテナを向ける方向に障害物がないなど、設置に適した環境であるかを、きちんと確認する必要がございます。
壁面に穴を開ける必要がある
デザインアンテナに限らず、各種アンテナを壁面に設置する場合には、まず壁面にビスで設置具を固定し、そこにアンテナを取り付ける形になります。そのためまず壁面にビス穴を開ける必要がございます。しかし施工技術が低い工事業者では、壁面のビス穴から雨水の侵入などにより、腐食が起こってくることもございます。そのためビス穴にきちんと防水用のシリコンを注入するなど、丁寧な施工を行う業者を選択する必要がございます
設置費用がやや割高になる
前述のように古典的な機種であるため低価格な八木式アンテナに比べると、新しい機種になるデザインアンテナは、本体価格などがやや高額になります。そのためデザインアンテナ設置をアンテナ工事の専門業者に依頼する場合、アンテナ本体や基本部材をセットにした設置工事費用で、八木式アンテナを屋根の上に設置する基本工事に比べて、5,000円から10,000円程度は割高になります。
また八木式アンテナやユニコーンアンテナ、BS/CSアンテナを壁面に設置する場合も、基本設置工事では使用しないサイドベースなどの設置具が追加される他、設置の高度や業者によっては高所作業費用が追加される場合もあり、基本工事に比べて工事費用がやや割高になることがございます。
テレビアンテナをベランダに設置するメリット
住宅の外観、景観に影響を与えない
デザインアンテナだけでなく、その他の各種アンテナも、ベランダの手すり部に専用の設置部を固定して取り付けることができます。
このような設置であれば、デザインアンテナでは壁面設置と同じく住宅の外観に影響を与えない他、八木式アンテナやBS/CSアンテナでも屋根の上に設置するより目立たなくなります。
また八木式アンテナ、BS/CSアンテナでは、条件が整っていれば、ベランダ内部の空間に設置する工事も可能です。この場合は、アンテナ本体の大きさに関係なく、住宅の外部からほとんど見えなくなる設置も可能です。
風雨などに影響されにくいため寿命が延びる
デザインアンテナその他をベランダに取り付ける場合、風雨に影響されにくく、寿命が延びるという点も、壁面設置と同様になります。
また八木式アンテナ、BS/CSアンテナをベランダ内部に設置する場合であれば、やはり本体の大きさなどに関係なく、風雨や雪などを避けやすくなり、アンテナの経年劣化やトラブルのリスクを軽減できます。
壁に傷をつけないですむ
テレビアンテナをベランダの手すりに取り付ける際には、多くの場合、手すりを前後から挟み込む形で取り付ける固定具を使用します。そのためベランダの手すりや壁面などにビス穴を開ける必要がなく、住宅の外装にほとんど影響はございません。
メンテナンスが行いやすい
ベランダ内外へのアンテナ設置では、設置後も安全にアンテナへと近づくことができます。そのため設置後のこまめなメンテナンスなども行いやすく、この点もアンテナの寿命を延ばすことにつながります。
賃貸物件でも設置できる可能性がある
賃貸マンションや借家などの賃貸物件では、オーナーや管理会社に無断でアンテナ工事を含む各種の工事を行うことは契約上、不可となっております。しかしベランダに各種アンテナを設置する工事については、契約で可とされている場合もございます。
またBS/CSアンテナについては、自立スタンドに立てて、ベランダ外部に置くという設置も可能です。この場合はアンテナを置くだけなので工事にあたらず、問題のないケースが多くなります。ただいずれの場合も、念のため物件の管理会社やオーナーに前もって相談しておくことをおすすめいたします。
なお賃貸物件への各種アンテナ設置については、以下のコラム記事でも詳しくご説明しております。
DIYでの設置も可能になる
ベランダであれば一般の方でも安全に作業が行えるため、デザインアンテナやBS/CSアンテナをご自宅でDIY設置することも可能です。
基本的な作業は、ベランダの手すりに固定具を取り付けた後、アンテナ本体を仮設置。室内のテレビなど受信機器と配線を行った後、アンテナ本体の角度調整を行って最適な角度でしっかり固定という手順になります。
BS/CSアンテナの場合は角度調整にやや手数はかかりますが、基本的には一般の方でも可能な作業になります。
ただDIY設置の場合、作業のミスで機材や住宅側を破損してしまう。また設置しても受信できない場合なども保証はなく、すべて自己責任となりますのでなにとぞご注意ください。
BS/CSアンテナのDIY設置や、角度調整の方法については、以下の各コラム記事でも詳細を解説しております。
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
テレビアンテナをベランダに設置するデメリット
受信感度に問題が出て設置できないこともある
各種アンテナをベランダに設置する場合も、やはり周辺の地デジ電波レベルが低く、障害物の影響により十分に受信できない。BS/CSアンテナの場合は障害物のない東経110度の方向に向けることができないなどの問題により、ベランダに設置しても十分なテレビ電波の受信ができず、画面が乱れる、受信不良が起こるなどのケースが考えられます。
特にDIYでデザインアンテナ、BS/CSアンテナのベランダ設置を行った場合には、前もっての電波状態の確認が難しく、設置はうまくいっても十分なテレビ電波が受信できないケースも多くなります。DIYでの設置に不安がおありの際は、アンテナ工事の専門業者に依頼されることをおすすめいたします。
ベランダ内でアンテナに触れてしまうことがある
ベランダ内外への各種アンテナの設置は、手が届きやすくメンテナンスなどが簡単になるメリットの反面、日常の家事などで手が触れてしまいアンテナトラブルにつながることもあるデメリットがございます。特にBS/CSアンテナをベランダ内部に設置している場合には、誤って手などを触れてしまうことでの角度のズレや、アンテナの前に洗濯物を干すなどにより、受信不良にいたることも考えられますので、なにとぞご注意ください。
通常の設置より設置費用がやや割高になることがある
この点も壁面設置と同じく、デザインアンテナ以外の各種アンテナをベランダに設置する場合には、手すり固定用の器具など、通常の屋根の上への設置では使用しない機材などの費用が加算されるため、工事費用がやや割高となることがございます。
まとめ
壁面やベランダへの各種アンテナ設置には、さまざまなメリットがある反面、現場の電波状態などを的確に判断して、条件に合わせた設置を行わない限り、地デジ、衛生放送とも、安定した受信ができなくなるケースもございますので、注意が必要です。
各電界地域に合わせた地デジアンテナの設置法、デザインアンテナ設置の注意点。また地デジ、BS/CSアンテナのさまざまな設置方法については、以下の各コラム記事での解説も参考になると思われます。
・地デジ強電界地域の調べ方とは? 強電界地域用テレビアンテナ機種の選び方、適したアンテナ取り付け工事の進め方も徹底解説
・中電界地域と強電界、弱電界地域の電波レベルの違いとは? 該当する地域の調べ方、適した地デジテレビアンテナの選び方も解説
・地デジの弱電界地域に最適なテレビアンテナの種類と取り付け工事の選び方とは? 強・中・弱の電界地域の調べ方も徹底解説
・デザインアンテナ工事の失敗例とは? メリット、デメリットから取り付け費用まで解説
・デザインアンテナ設置にデメリット? 工事の失敗例、費用や特徴、選び方、ユニコーンアンテナとの比較を解説
・地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説
・テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)
当あさひアンテナでは、各種地デジ、BS/CSアンテナの設置に当たって、無料での現地の電波調査、お見積もりにご対応しております。
ご依頼いただければ、現地での綿密な電波調査を実施し、壁面やベランダへのアンテナ設置を含め、ご自宅の条件で可能となるさまざまなアンテナ工事をご提案し、国産一流メーカー製の最新高性能アンテナ本体や基本設置部材、耐水加工などをセットにした、業界最安に挑む工事費用でお見積もりいたします。
もちろんお見積もり内容にご満足いただけない場合には、キャンセルしていただいても、出張料、キャンセル料その他の費用はいっさい必要ございません。そのため相見積もりをお考えのお客様にも、ぜひ弊社をお加えいただければ幸いです。
実際のアンテナ工事にあたっては、確かな知識と高い技術を誇るプロの職人が、配線部なども含めて見栄えもよく、壁面加工なども含めて丁寧で、風雨などにも強い頑丈なアンテナ取り付けを実施いたします。そして工事完了後も、業界最長クラスとなる「10年間」の長期保証もご用意しているため、アンテナ設置後も、長期にわたってのご安心をお約束いたします。
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