テレビアンテナに雷が落ちることはある? 落雷の対策となるアンテナ設置工事と対応できる会社を解説

2022年11月06日

日本では古来より「地震、雷、火事、親父」という言葉があり、これは世の中で怖いものを順番に並べたものだといわれます。最後に「親父」がくるのは、かつて父親に家長としての威厳があった名残とも思われますが、最後にあえてスケールの小さなものをもってくる、話の「オチ」的な扱いとも、またかつての台風の呼び名「大山嵐(おおやまじ)」がなまったという説もございます。

この言葉は江戸時代から存在したともいわれますが、確かに「親父」が「台風」だとすれば、納得のいく順序ともいえます。
住宅のほとんどが木造で、消火技術も未発達だった江戸時代は「火事と喧嘩は江戸の華」と呼ばれるほど火事が多く、江戸時代初期の1657年(明暦3年)に発生し、江戸の大半を焼き尽くした明暦の大火(振袖火事)をはじめ、何度も江戸の多くを焼き払う大火災に襲われています。

ただそこまでの大火事にならない限りは、火災は人間の力によって防火、鎮火することもできます。また台風も上陸する時期がある他、悪天候から徐々に風雨が厳しくなるため、被害の多い地域では前もっての対策も可能です。
ただ地震については、いつどこで起きるか予想できず、大規模な震災に対しては21世紀の現代ですら完全な対策は難しいのが現実です。特に日本においては現在でも、地震はもっとも恐ろしい自然災害といえます。

そして同じように、完全に回避することは難しい災害が「雷」です。雷は積乱雲の発生や雷鳴、稲光などである程度は危険が予測できる上、人が落雷を受ける確率は100万分の1程度といわれており、被害を受ける可能性は非常に低いものの、直撃はもちろん、付近に雷が落ちた側撃の場合も死亡率は高く、発生すればどこに落ちるかわからないという恐ろしさもございます。
現代でこそ避雷針などの設備や、外にいて雷が発生したときは、屋内や電柱などから少し離れた位置に避難すべき、といった知識が広まっており、人がリスクを避けるのは比較的、簡単になっております。
ただその一方で、現在では、その多くが住宅の屋根の上など、高所に建てられるテレビアンテナが雷の直撃を受ける可能性がございます。それだけではありません。たとえ直撃でなくとも、お住まいの近くに落雷があった際には、「雷サージ」と呼ばれる現象で、住宅内に多大な被害を受ける危険性があることはご存じでしょうか?

本コラムでは、2023年(令和5年)の最新データに基づき、自然災害の中でも、テレビアンテナ機器をはじめお住まいに多大な被害を与える危険性がある「雷」について、人が感電する事故をはじめ、ご自宅の地デジアンテナ、BS/CSアンテナや、お住まいへの被害を避ける方法。トラブル対策となる工事や機器をご紹介いたします。
なお、雷以外の台風、大雪、地震などの自然災害で起こりうるアンテナトラブルへの総合的な対策については、以下のコラム記事をご確認ください。

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そもそも雷とは何なのか?

雷とは、雲と雲、または雲と地面との間に発生する放電現象のことを指します。雷が「電気」であることはいうまでもございませんが、その電気が何であるかを簡単に説明すると、物質を構成する「原子」の一部である「電子」の流れのことです。

原子の中における電子はマイナスの性質を持っており、普段は「中性子」と共に「原子核」を構成し、プラスの性質をもつ「陽子」の周囲を回っていることで、原子内のバランスを保っています。しかし中には、原子を飛び出して活動する「自由電子」も存在します。
原子内から電子が飛び出すことで、その原子はプラスの電荷(粒子や物体が帯びる電気の量)を帯びることになります。一方、自由電子が飛び込んで電子量が過剰になった原子はマイナスの電荷を帯びます。

この電子の移動は、物体同士をこすり合わせた際などに起こりやすく、プラスの電荷とマイナスの電荷をもった物質は、同じ電荷同士では反発し、プラスとマイナスでは引き寄せ合う性質がございます。またマイナス側に蓄積した電子が、プラス側に移ることでバランスを取ろうとします。この電子の流れが、電流の正体です。
皆様もご経験がおありでしょう、プラスチックの下敷きを服にこすりつけた後、頭にかざすことで髪の毛をひきつける実験。また冬場にセーターを脱いだときや、ドアノブなどに触れた際にビリっと電気が走るのも、この電子の移動です。

電子が偏ってマイナスの電荷を帯びた物質からは、通常は空気中の水分などに少しずつ電子が放出されます。ただ空気が乾燥する冬場などは放出量が少なくなるため電子が一方に偏りやすく、この「静電気」が発生しやすくなります。なお静電気とは、静止した電荷によって起こされる物理現象の総称です。
また「導体(電気を流しやすい物質)」に電流が走ると、電子が導体を構成する原子や分子と衝突して、電子エネルギーが熱エネルギーに変換され、導体に熱が生じます。この熱を「ジュール熱」といい、白熱電球やトースター、こたつなど、光や熱を利用する電化製品の原理となっています。一方で人が強い電力で感電した際に大火傷を負うのも、このジュール熱によるものです。

そして雷の原理は、現在でも研究が続いており、正確には解明されておりません。たた現在、主流の説は以下の通りです。
「雲」とは、地表で暖められた大気が上昇気流となり、一定の高さで飽和水蒸気量を超えて水滴(雲粒)が発生して形成されるものです。雲は湿度が高いほど低い層から、気流の規模が大きいほど高い空にかけて発達します。特に縦方向に数キロから十数キロにわたって伸びる雲のことを積乱雲(入道雲)と呼びます。
この積乱雲を形成する水滴は上空にいくほど低温になるため、氷の粒子「氷晶」になります。氷晶は成長することで「霰(あられ)」となり、一定の重さになると上昇気流では支えきれず、落下してゆきます。これら上昇する氷晶や落下する霰が互いにぶつかり、摩擦し、砕けるなどを繰り返すことで、静電気が蓄積されてゆきます。

さて、雲の中で電荷が分かれる細かいメカニズムは複雑なので略しますが、大きくなり重くなった霰はマイナスの電荷を得て雲の下部に、軽い氷晶はプラスの電荷を得て雲の上部に持ち上げられることで、雲の上層にはプラスの電荷が、下層にはマイナスの電荷が蓄積されます。
これにより雲の上層と下層、そして時には雲と地上の間で電荷の移動である放電、すなわち「雷」が発生するのです。

つまり雷の定義とは、電位差が発生した雲、または大地などの間に発生する光と音を伴う放電現象であり、巨大な静電気ともいえます。特に雲と地面との間での放電は「落雷」と呼ばれ、一般的な災害である雷はこちらになります。

余談ですが、雲の中の霰や雹が大きく成長する、また上昇気流が弱まるなどの理由で、気流が支えきれなくなって地上に降ることを「降雹(こうひょう)」といい、ときに大きな被害をもたらすことがあります。この2022年6月には、東京都や埼玉県、千葉県などでゴルフボール大の雹が降り、住宅や自動車、農作物などに大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいと存じます。

なお雹は積乱雲が発生しやすい夏場に多くなりますが、真夏の場合が降る途中で溶けて雨になるため、降雹は5月から6月に発生しやすくなります。また日本海側では後述する理由で冬にも積乱雲が発生するため、冬場にもときに降雹が起こります。

日本における雷の語源は、古代、神が鳴らすものと考えられたことから「神鳴り」に由来します。また「稲妻(いなづま、いなずま)」とも呼ばれます。これは古代、稲穂は雷の光を受けて実ると信じられたことから、稲の「つま(古語で男女問わず配偶者の意)」という意味に由来すると考えられています。
雷は恐ろしい災害である反面、その力強さや美しさから、古来より神の力とも考えられていました。ギリシャ神話のゼウス。ローマ神話のユピテル(ジュピター)。バラモン教のインドラなどは、それぞれ天空の雷神であり最高神とされています。

映画化もされたマーベル・コミック「マイティ・ソー」の主人公でもある北欧神話の雷神、トールも、オージンが最高神となる以前の古代は最高神とされていました。ちなみに映画版の「ソー」とは「トール(Thor)」の英語読みになります。

日本では雷神といえば、古くは数々の「風神雷神図」に描かれたことから、太鼓を叩いて雷を起こす、虎の毛皮をまとった鬼神のイメージが定着しており、かつて「ザ・ドリフターズ」のバラエティ番組「ドリフ大爆笑」にて、いかりや長介さん、仲本工事さん、高木ブーさんが雷神を演じた「雷様コント」などでも広く親しまれています。
またネイティブ・アメリカンの間では、巨大な鳥「サンダーバード」が、その羽ばたきで雷鳴や稲妻を起こすと信じられていました。このサンダーバードは、大阪と石川県金沢市を結ぶ特急列車の由来でもある他、関連性は不明ですが、イギリスで製作された、近未来を舞台にスーパーメカを駆使して人命を救助する「国際救助隊」の活躍を描く、人形劇による特撮テレビドラマ「サンダーバード(Thunderbirds)」。および劇中に登場する数々のメカの名前としても知られています。

また雷は、漫画やアニメ、ゲームなどでは、キャラクターが操る能力のひとつとして「雷属性」と呼ばれることもあります。
高橋留美子さんの人気漫画で、1980年代にテレビアニメ化されて一世を風靡した「うる星やつら」が、2022年現在、再アニメ化されて話題になっております。この作品のヒロイン「ラムちゃん」といえば、日本の伝説における鬼、または雷神をモチーフに、虎縞模様のビキニをまとい、ロングヘアの頭に2本の小さな角が生えたキュートな鬼娘で、まさに雷神のような飛行能力と、電撃を放つ能力があることも知られています。余談ですが、ラムちゃんの特徴のひとつ、語尾に「だっちゃ」などがつく口調は、東北地方の方言と思われていますが、実際にはさまざまな地域の方言を組み合わせた独自の口調だそうです。

雷が起こす災害と回避の方法

このように雷は、ときに災害にもなる一方、その力強さは文化にも大きな影響を与え、親しまれている存在でもあります。
ただ現実の雷は、その電圧はおよそ200万ボルトから10億ボルト、電流は1000アンペアから20万アンペア、時に50万アンペアにもいたり、この膨大な電流と電圧が、さまざまな災害の要因となります。ちなみに雷は莫大な電力ですが、その電力は一瞬に集中するため、現在の技術では充電池などに蓄電することはできず、電力としての利用もできなくなっております。
また地球上では毎秒に約100回、毎日では約860万回の落雷が発生していると推定されます。把握されている範囲では、日本では年平均およそ20人、世界では約1000人が直接の落雷被害に遭い、世界の平均では被害者の約30パーセントが死亡しております。

なお日本で雷が起こりやすいエリアとしては、栃木県宇都宮市が「雷都」の別名で知られています。これは北側に日光連山、那須岳などの山地が連なり、南側は平野になることから南寄りの風が入りやすく、温まった空気が山の斜面に沿って上昇し、積乱雲が発生しやすいことが要因です。そのため宇都宮市に限らず、栃木県、群馬県などの北関東では夏場の雷が多くなります。

ただ日本の都道府県における雷の発生率では石川県、福井県、新潟県、富山県など北陸の県が上位を占め、宇都宮市の栃木県は10位前後になっております。
石川県など北陸地方の雷は、冬場に多いのが特徴です。前述の通り雷は、縦に長い積乱雲の上部にプラスの電荷が、下部にマイナスの電荷が集まることで発生するため、高い積乱雲が発達しやすい夏場に多くなります。

しかし日本海側では、冬場、日本海を流れる対馬海流の比較的、暖かい海面に、シベリアからの冷たい空気が流れ込むことで、多量の水蒸気が発生して作り上げられた雲が、季節風によって発達しつつ運ばれて、冬の積乱雲となります。

そして冬は上空の風が強くなり、夏に比べると高度が低い冬の積乱雲は、雲の底と地上との距離が短く、さらに風によって横倒しになり、雲の上部に位置するプラスの電荷が地面に近くなります。そのため地面に発生したマイナスの電荷から、上空の雲にめがけて放電するという形の雷が発生するという特徴がございます。

北陸における冬の雷は、落雷数は少ないものの、発生する時間帯はさまざまで、日本海側に大きく広がる多くの積乱雲から、音もなく突然、落雷が起こる形になります。さらに雲と地面との間が短いため、夏の雷に比べて約100倍もの強いエネルギーを持った雷になるのです。

人間が受けやすい雷の被害

ここではまず、人が直接、雷の被害を受けるケースについてご説明いたします。
人間が直接、雷の被害を受けるケースは、以下の2パターンになります。

・直撃雷

これは文字通り、雷の主電流が直接、人やものに落ちる場合です。大電流を直接、受けるため、人が直撃雷を受けた場合は、80パーセント近くの確率で死にいたります。また落雷の電流が地面に到達するまでに大気中で分岐し、複数の地点に落ちる「分岐放電」が発生することもあり、この場合は一度に複数の死傷者を出すケースもございます。

・側撃雷

これが直撃雷を受けたものから、その周辺にある人やものに電流が飛ぶことをいいます。人が側撃雷を受ける例では「木から人」「人から人」などが多く、特に雷雨で木の下に雨宿りしている最中、その木に落雷して側撃雷を受けることは、落雷による死亡事故の原因でも、直撃に次いで2番目に多く、死亡する危険性が極めて高い雷撃になります。

人が雷の被害を避ける方法

外出中に雷雨が発生するなど、落雷のリスクが生じた場合は、まず頭の上にものを高く掲げないことが重要です。これは雷が、電気の通しやすさとは関係なく、地面から突出したものに落ちる性質があるためです。例えば雷雨の中で傘や釣り竿、ゴルフクラブなどを高く掲げていると、落雷を招く可能性が高まります。実際の落雷事故でも、これらのものに直撃雷が落ちた事例が多数、存在します。そのため雷に見舞われた際は、傘はささず、荷物もその場に置くか低く持つなどして、早急に安全な場所へと避難することがお勧めです。

また避難する先にも注意が必要です。避難先として避けるべき場所は「木の下」「木造建築の軒先」になります。
同じ高さの物体であれば、金属も木材も、落雷を招く効果は同じです。ただ鉄塔などの金属は導体であるため、雷の電流をそのまま地面へと流すのに対し、木は電流を通しにくいため、木のそばに人がいた場合、より電気を通しやすい人体への側撃雷が非常に発生しやすくなります。この場合の側撃雷は、直撃の電流とほとんど変わらず、死亡する可能性が高くなります。
また同様に、雨の際の避難先に選ばれやすい建物の軒下も、木造建築物の軒下では、その建物に落雷した場合、側撃を受ける危険性が高くなります。基本的には雷の際、枝や葉も含めた木の近くに近寄ることは危険なため、離れることをお勧めいたします。

屋外にて落雷の危険性が生じた際、もっとも適切な避難行動は、安全な場所への避難です。
落雷に対して安全性が高い場所は「鉄筋コンクリート製の建物」「自動車や電車、飛行機などの乗り物」「避雷設備の施された建物」「本格的な木造建築物」のそれぞれ内部になります。
金属やカーボンなどの導体で囲まれた建物や乗り物、避雷のための小屋などは、落雷を受けても内部は安全となります。またしっかりした木造建築物の内部も、屋外よりは格段に安全といえます。
逆に避雷施設のない、屋根と柱だけの「四阿(あずまや)」や掘っ立て小屋、テント。またオープンカーやカートなど、外部から保護されていない乗り物は、落雷を受ける危険性が高くなりますのでご注意ください。

上記の場所に避難できない場合は、次善の策として、比較的、安全な場所で適切な姿勢を保つ方法がございます。
まず電線(配電線、送電線)は避雷針に似た役割を果たすため、その下は落雷時、屋外でも安全性が高い場所といえます。鉄塔や電柱は木製のものを除き、主に金属製のためその付近も安全性は高まりますが、念のため2メートル以内に接近することは避けてください。
他にも前述した木を除く、5メートル以上の高さを持つ塔などの物体の付近も、人より高い物体に雷が引き寄せられるため、比較的、安全性が高くなります。この場合は側撃を避けるため、物体から4メートル程度の距離を保ってください。なお高い物体が金属などの導体であれば、2メートル程度の距離でも大丈夫です。

また屋外で電線の下や高いものの近くに避難する場合、そのような場所が見当たらない場合とも、雷を避ける確率を高めるため、できるだけ低い姿勢をとる必要がございます。推奨できるのは、頭をできるだけ低くしてしゃがみ、両手で耳をふさぎ、両足を閉じてひざは地面につけない姿勢です。この姿勢は直撃雷を回避する他、付近に落雷した場合も影響を最小限に抑えることができます。
ただ腹ばいの姿勢は、付近に落雷した場合、心臓に通電する危険性が高まるため避けてください。

ちなみにかつては「腕時計などの金属製品を身に着けると落雷に遭いやすい」「合羽や長靴などのゴム製品を身に着ければ雷の電気を避けられる」という説がありましたが、現在では金属製品を身に着けると、多少ながら人体を流れる電流を減らす「ジッパー効果」があると考えられています。ただやはり傘やゴルフクラブなどを頭上に掲げることは、落雷のリスクを高めるため避けてください。
一方、ゴム製品については、雷の高電圧の前には何の効果もないと判明しております。

住宅のテレビアンテナなどが雷で受ける被害

もちろん雷の被害は、人が直接、落雷を受けるケースだけではございません。物品に落雷すれば物損事故となり、特に住宅に落ちた場合は、家屋をはじめ、屋内の家電製品などにも大きな被害が発生し、最悪の場合は火災にいたることもございます。

特にテレビアンテナは、屋根の上にマストで立てられる、魚の骨に似た地デジの八木式アンテナなどであれば、屋根の上などの高い位置に設置されるため、雷の直撃を受けやすいと思われるかもしれません。ただ実際には、テレビアンテナに直接、雷が落ちるケースは非常に珍しいものです。これは一般的な住宅街などでは、周辺に住宅のアンテナより高いものが多く、前述のように電線が避雷針の役割を果たすことも多いためです。

雷が住宅に落ちる確率は、およそ1000万分の1といわれるほど非常にレアなケースで、実際に落ちた例も、山の上の一軒家でアンテナを高く掲げていたなど、珍しい条件が重なっていた場合がほとんどです。
実際に、住宅が雷の被害を受けるケースには、以下の2通りがございます。

・直撃雷

これは人への被害でご説明したものと同じく、住宅に直接、雷が落ちることです。前述のように発生の確率は非常に低いものですが、もしテレビアンテナに直撃雷が落ちた場合は、アンテナ本体は爆発四散し、残されたポールも黒焦げになります。また瓦などの屋根材、屋内の家電製品などにも多大な被害が生じる他、落雷時の熱によって火災にいたる危険性もございます。

万が一、住宅に直撃雷を受けた場合も、その電流は壁を伝わり地面へと流れるため、屋内にいる人が感電するリスクは低くなります。ただ電源コードや電話線、アンテナケーブル(同軸ケーブルなどは雷の侵入ルートとなり、これらにつながる電化製品などから屋内の人が感電した例もございます。また落雷を受けた瞬間、入浴や水仕事などを行っていると、水を伝わった電気で感電するリスクが高まります。

他にもレアケースながら、壁を伝った電流が窓で小さな雷となり、ガラスを割って屋内に入り込み、窓際にいた人が感電やガラスの破片などで負傷した例もございます。

・誘導雷

現実に住宅が雷の被害を受けるケースは、ほとんどがこの「誘導雷」にあたります。
誘導雷とは、雷が住宅の周辺に落ちた場合、その膨大な電力が電線などを伝わり、瞬時に周辺の住宅へと流れ込むものです。電線を伝わった膨大な電流と電圧は、コンセントを伝わって家電製品にも届き、一瞬で住宅内のほとんどの家電製品が壊れてしまいます。

他にも直撃雷の場合と同じく、家電製品や水を伝わった感電や、電気の配線がショートすることによる停電も発生する危険性もございます。
誘導雷は電線だけではなく大気を伝って発生するケースもあり、落雷した場所の周辺、広範囲に発生するため、被害を受ける可能性が高いという点で、恐ろしいものといえます。

住宅への落雷で「雷サージ」などの被害を避ける方法

落雷の際に在宅していた、また屋内に避難された場合には、念のため感電対策に、各種ケーブルにつながる電気機器や、壁や窓、柱などから1メートル以上、離れておくことをお勧めします。

前述のように、住宅のテレビアンテナに直撃雷が落ちる可能性は非常に低いものです。ただ雷の強烈な電撃に耐えるテレビアンテナは残念ながら存在しません。そのため、もし周辺に自宅のアンテナより高いものが少ないなど、落雷のリスクが考えられる場合には、アンテナよりも高い避雷針を設置する。また壁面やベランダの内外など比較的、低い位置にアンテナを設置するといった対策がございます。この場合は可能であれば、地デジアンテナにデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどを採用することがお勧めといえます。

そして側撃雷を含め、落雷により電線から各種ケーブルを伝って、住宅内に膨大な電流、電圧が流れることを「雷サージ」と呼びます。
この雷サージが発生すると、電源や各種ケーブルに接続されているパソコンなどの電子機器、その他の家電製品に、瞬間的に異常な高電力が送られるため、すべての機器が一瞬でショートして破壊されてしまいます。特にパソコンやスマートフォンなどでは内部のデータもすべて破壊されるため、深刻な被害にもなり得ます。またご家庭でオール電化システムをご利用の場合は、調理器具の使用や、給湯などもできなくなります。

この雷サージによって、テレビアンテナ機器にもトラブルが生じ、テレビ放送が映らなくなることもございます。
側撃雷によってアンテナ本体がダメージを受けるケースは少ないのですが、住宅のテレビアンテナと、各部屋のアンテナコンセントとの間には、受信したテレビ電波を増幅する装置で、電源が必要なブースターや、アンテナからのテレビ電波を、ケーブルを通して各部屋へと等分に分配する分配器などの機器が接続されております。
これらの機器が雷サージにより故障することで、アンテナからの電波が各部屋のテレビに届かなくなることが、多くの場合、雷によるアンテナトラブルの原因です。特にブースターは雷の電流に弱くなっています。これはアンテナケーブルに雷の電流が走った場合、ブースターが壊れることでその先に電気を通さないという、ブレーカーのような役割があるためです。
このような場合には、アンテナ修理の専門業者に修理を依頼して、ブースターをはじめ、トラブルが起きた部分を確認し、交換することで、復旧できます。

テレビアンテナ機器を含め、雷サージによる家電製品の被害を予防する方法としては、まずは雷が発生した際に、パソコンや通信機器、テレビやレコーダーなどの電源をはじめ、各種ケーブルを外しておく。充電中のスマートフォンやタブレットなどもケーブルから外すという方法がございます。

他にも、雷が発生している間は電気を使えなくなる問題はございますが、住宅の主幹ブレーカーを落とすことで、住宅内のすべての電化製品を、雷サージから守ることができます。主幹ブレーカーの近くにナイフスイッチがある場合は、そちらも切っておくことで、より高い雷対策の効果が得られます。
ただ住宅内でも、主にアンテナの真下などに設置されるブースターの電源を切ることは難しくなります。他にも位置的に電源を外しにくい。また通電しておきたい家電製品があり、ブレーカーを落としたくない場合には、雷対策機器を設置するという方法もございます。

雷サージによる高圧電流を防止する装置は「避雷器」と呼ばれ、商品名は「サージプロテクター」「サージアレクター」「サージアブソーバー」などになります。このような避雷器には、雷サージ対策つきの電源タップや、電源コンセントと機器のプラグとの間に挟み込む形式のものなどがございます。
これらの機器は万が一の直撃雷など、強烈な雷サージを完全に防ぎきることはできませんが、誘導雷の場合は高確率で防止できます。ただこれらの機器は一度、雷サージを防止すると、それ以降は避雷性能が失われるため、交換が必要になります。
またアンテナ機器には、アンテナケーブルの途中などに接続する専用の避雷器がございますので、特に雷が多いエリアでは設置をお勧めいたします。

なお一般の住宅に設置できる地デジアンテナ、新4K8K衛星放送も視聴できるBS/CSアンテナの種類、一覧については、以下の各コラム記事をご参照ください。

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落雷によるアンテナその他のトラブルには火災保険を適用できる?

一般住宅で加入される「火災保険」には、その大半に「風災保障」が付帯しております。
詳細は保険の契約内容によって異なりますが、これは文字通り、風雨をはじめ、雷や大雪、雹、また隕石や外部からの落下物など、自然災害によってテレビアンテナなど、住宅およびその付帯物に被害が生じた場合、その修理費用が補償されるものです。

この風災保障は、落雷の場合、直撃雷による住宅の破損や、雷サージによる大規模な電化製品の故障などに適用されます。また落雷により火災が発生した場合は、通常の火災への補償が適用されます。

なお当あさひアンテナでは、雷その他の自然災害によるアンテナトラブルでアンテナ修理をお引き受けする際、火災保険(風災保証)に関するご相談も受け付けております。具体的なご対応としては、保険会社に提出する修理報告書、見積書、施工前後の写真など、補償請求書類をすべて弊社でご用意し、保険会社との交渉に関しても、弊社の専門スタッフが万全のサポートを行います。
自然災害によるアンテナトラブルと風災保証の適用について、詳しくは以下のコラムをご参照ください。
火災保険の適用範囲と天災時のアンテナ修理

「アンテナが倒れた場合の対処法!火災保険で無料修理」

テレビアンテナの雷対策・まとめ

戸建ての家に設置されたテレビアンテナへの落雷は、現実にはよほどの条件がそろわない限り、滅多に発生しない事態といえます。
ただご自宅の付近に落雷が起きた場合は、かなりの確率で雷サージが発生し、アンテナをはじめご自宅の電化製品に大きな被害をもたらすことになるため、各種避雷器の取り付けをはじめとした、十分な対策が必要となります。

当あさひアンテナでは、雷によってテレビ放送が受信できなくなったトラブルから、アンテナ機器に専用の避雷機器を設置するなど、雷によるアンテナトラブルや、その対策についてのご相談も受け付けております。弊社へのご連絡は、通話料無料の弊社フリーダイヤル(0120-540-527)へのお電話。またはメールフォームLINEアカウントをご利用の上、お気軽にお問い合わせください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。