衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

2022年12月27日

令和現在の日本では、テレビ放送として地デジ(地上デジタル放送)の他、衛星放送であるBS放送、CS放送も広く普及しております。

2023年(令和5年)現在、地デジ放送は、一般的な世帯のほとんどでご視聴いただけますが、衛星放送に関してもその普及率はおよそ7割にいたっているといわれています。

現在でもテレビアンテナ設置工事の際には、まず地デジアンテナの設置を基本として、ご要望に応じてBS/CS放送用のパラボラアンテナを設置することになります。ただご自宅にBS/CSアンテナを設置されていても、現在はBS放送の無料チャンネルしかご視聴しておらず、その他のチャンネルについてはよくわからない。またこれから衛星放送用のBS/CSアンテナを設置したいが、そもそも衛星放送というものが、どういうものかよくわからない、という方もおられるかと存じます。

さらに近年「新4K8K衛星放送」がスタートしたことにより、衛星放送での4K8K放送に興味をお持ちの方も多くなっていると存じます。

 

そこで当コラムでは、そもそも衛星放送とはどういうものであるか。BS放送、CS放送それぞれの違いや、CS放送内の各サービス、また「新4K8K衛星放送」などの違い。それぞれの放送をご視聴になるため必要となるアンテナ機器などを、2023年の最新データに基づいて徹底解説いたします。

当コラムにて、衛星放送と使用される電波。また各電波を受信するためのBS/CSアンテナの種類などの基礎知識をご理解いただくことで、衛星放送をより深くお楽しみいただければ幸いに存じます。

 

【衛星放送とはどういうものか?】

衛星放送とは、文字通り宇宙空間に浮遊する人工衛星から、地上に向けてテレビ電波を送信しているテレビ放送であることは、多くの人が理解しておられることと存じます。

もう少し詳しくご説明すると、衛星放送とは、赤道上空およそ35,786キロの宇宙空間に位置し、その静止軌道上を周回している「静止衛星」を使って、地球上にテレビ、ラジオなどの電波を送信する放送サービスのことです。

衛星放送の静止衛星は、正確には宇宙の一点にとどまり続けているわけではなく、実際は地球の自転周期に合わせて円軌道で公転し続けています。ただ地球上から見れば、自転周期と同じ速度、方向で地球の周りを回転しているため、朝夕を問わず24時間、常に空の一点に静止しているように見えます。そのため静止衛星と呼ばれ、その公転軌道を「静止軌道」と呼びます。

衛星放送は、宇宙空間に打ち上げる放送用の静止衛星に中継器(トランスポンダ)を設置して、地球上から送信(アップリンク)したテレビ電波を静止衛星でいったん受信した後、衛星内で異なる周波数に変換して、地球上の広い範囲へと再送信(ダウンリンク)し、その電波を地上の各住宅、施設などに設置された衛星放送用のパラボラアンテナにより受信することで、テレビなどの受像機にテレビ電波(放送信号)を送信し、テレビ放送を視聴するという仕組みの放送になります。

地上から人工衛星にテレビ電波を送信するアップリンクの際には、電波は約36,000キロの距離を移動するため、衛星に届く頃には弱まってしまいます。しかし衛星内部で電波を増幅して地上へとダウンリンクするので、一般のご家庭に設置される、直径45センチほどの、小型のパラボラアンテナでも衛星から送られてきた電波を受信することができます。

衛星放送の特性は、一機の静止衛星で、地上の地形などに左右されず、広範囲へと大量の情報を送信できることです。

例えば日本国内向けの衛星放送から見れば、常に地球のほぼ半球が、日本列島を中心にした一定の方向で見え続けることになります。そのため、日本国内の地上に無数の中継局(電波塔)を設置して、周辺の一帯にテレビ電波を送信している地デジ放送と違い、一機の静止衛星で、ほぼ日本全国へと効率的にテレビ電波を送信することができるのです。

また宇宙空間から電波を送信するため、地上の山地や高層建築物などの地形(障害物)、また地上で発生した災害などにも影響されることなく、安定してテレビ放送を送信できるというメリットもございます。

日本の衛星放送は、使用する人工衛星によって大きく「BS放送」と「CS放送」の2種類に区分されています。ただCS放送の中でも、使用する人工衛星によって種類がある他、近年ではBS/CS放送の双方で「新4K8K衛星放送」がスタートしています。

それらの違いについては、以下の項目でご説明いたします。

 

【日本における衛星放送(BS/CS放送)の種類】

前述のように、日本の衛星放送は、大きく「BS放送」「CS放送」に分けられます。ただその中でも、近年になって追加された「新4K8K衛星放送」のチャンネルなど、いくつかの種類がございます。以下、衛星放送の種類についてご説明いたします。

 

(BS放送)

衛星放送の大きな分類である「BS放送」とは、衛星放送専用に設計、製作された人工衛星である「Broadcasting Satellite(放送衛星)」を用いた衛星放送のことです。名称も人工衛星の頭文字に由来し、この人工衛星は「直接放送衛星(Direct Broadcast Satellite)」とも呼ばれます。現在の放送衛星は、東経110度に打ち上げられたものが使用されています。

BS放送は、一般家庭での視聴を目的とした衛星放送です。BS放送の電波は、国際的には「放送衛星業務」に優先的に割り当てられている周波数を用いており、世界すべての国が一定数の物理チャンネルを使えるよう「国際電気通信連合(ITU)」にて、衛星の軌道位置と周波数の割当が、国際プランとして設定されています。

そのため衛星を打ち上げるにあたって、関係諸国と軌道位置や周波数の調整を行う必要は基本的にありませんが、その一方、周波数などの割当数を増やすことは、国際プランを変更する必要があるため容易ではありません。

2023年現在、日本のBS放送で放送されているチャンネルには、無料放送として、公共放送の「NHK BS1」「NHK BSプレミアム」をはじめ「BS日テレ」「BS朝日」「BS-TBS」「BSテレ東」「BSフジ」「BS11」「TwellV(トゥエルビ)」「放送大学」「BS松竹東急」「BSJapanext」「BSよしもと」がございます。また月額契約で視聴できる有料チャンネルには「WOWOW」「スターチャンネル」「J SPORTS」など、多数ございます。

 

(CS放送)

衛星放送のもうひとつの分類である「CS放送」は、放送ではなく無線通信を目的とする人工衛星「communications satellite(通信衛星)」を用いた衛星放送であり、名称もやはりその頭文字に由来します。

テレビ放送も通信の一形態といえますが、日本では現在の総務省の前身である郵政省が、不特定多数向けの「放送」と、企業など認可団体の限定者向けの「通信」を厳格に区別し、人工衛星もそれぞれ専用のものを使用していました。そのためCSでのテレビ番組送信は、当初は企業や事業者、一般的にはケーブルテレビ(CATV)や集合住宅などでの利用を想定していました。しかし1989年(平成元年)10月1日に放送法が改正されたことにより、通信衛星を用いた不特定多数への直接放送(CS放送)が可能となりました。

CS放送では、BS放送の項で記した「国際的に『放送衛星業務』へ優先的に割り当てられる周波数」以外の周波数を用いるもので、基本的には先着順で、衛星の軌道位置と周波数の割当が受けられます。そのため衛星の打ち上げには、関係諸国との軌道位置、周波数の調整が必要となり、その結果、使用できる周波数や出力に制限を受けることもあります。半面、周波数などの割当を増やすことは、BS放送に比べて容易となっています。

現在のCS放送におけるテレビ放送は、さまざまな局の統廃合などを得て、ほぼ「スカパー!」に一本化されています。CS放送のチャンネルは、その大半が月額制の有料チャンネルになりますが、例えば映画やテレビドラマであれば、洋画、邦画、過去の名作、ミステリー、時代劇など細分化された専門チャンネルがあり、他にもアニメ、スポーツ、音楽、海外ドラマ、ドキュメンタリー、お笑い、教養など、さまざまなジャンルの専門チャンネルが、BS放送よりも数多く存在します。ご利用になる方は、お好みの1チャンネルのみから、数チャンネルパックで割安のセットまで、お好みに応じでさまざまなチャンネルをご視聴いただけます。

なお、2023年現在のCS放送(スカパー!)のサービスは、以下の二種類になります。

 

・110度CS放送(スカパー!)

これはBS放送と同じく、東経110度に打ち上げられたCS放送用の人工衛星から送信される電波を受信するCS放送で、現在では「BS/110度CS用パラボラアンテナ」を設置することで、一台のアンテナによってBS放送と一緒に受信できます。

「スカパー!」は、前述のように多岐にわたる有料チャンネルをお好みで月額契約により視聴でき、2023年現在ではハイビジョン59チャンネル、標準画質12チャンネル、4K放送9チャンネル、データ放送3チャンネルの計83チャンネルが存在します。

 

・東経124度・128度CSデジタル放送(スカパー!プレミアムサービス)

こちらの「スカパー!プレミアムサービス」は、サービス的には「スカパー!」とほぼ同様ながら、より多チャンネルで、その多くがハイビジョン対応になっているものです。ただBS、110度CSの東経110度とは異なり、その名称通り東経124度、128度に位置する放送衛星からテレビ電波を送信しているため、ご視聴のためには、BS/CSアンテナとは別に、専用のアンテナおよびチューナーが必要となります。アンテナ機器について詳しくは後述します。

「スカパー!プレミアムサービス」では、2023年現在、4K放送1チャンネルを含めた140のハイビジョン放送チャンネルと、100チャンネルのラジオ放送が存在します。

 

(新4K8K衛星放送)

「新4K8K衛星放送」は、2018年(平成30年)12月より放送開始した、衛星放送における4K8K放送のことです。これは上記の「BS放送」「CS放送」とは別個ではなく、BS放送およびCS放送に、それぞれ4K、8K対応のチャンネルが追加されたものです。

これらのチャンネルでは、現在、家電店などでテレビ機器の主流として販売されている「4Kテレビ」「8Kテレビ」でご視聴になることにより、従来の2Kフルハイビジョン(FHD)の放送よりも、格段に高精細、高画質、高音質のテレビ放送をお楽しみいただけます。

具体的には2Kの画質が約200万画素であるのに対し、4Kはその4倍である「800万画素」。8Kは4Kのさらに4倍、2Kの16倍になる「3,300万画素」の超高画質になります。また画像の表示速度も2Kが秒間30コマに対し、4K8Kとも秒間120コマまで高速化されております。

他にもおよそ10億色の色彩を表現できる広色域化に加え、きめ細かい色彩やグラデーションを表現するビット深度。映像の明るさを表現する輝度なども強化されています。そのため2K映像に見られた、日光が輝く夏の空の映像などで、全体が白っぽくなってしまう「白飛び」なども解消され、より鮮明で精細、実物に近い映像を実現しております。

音声に関しても、圧縮方式が「MPEG-2」から「MPEG-4」へと進化して、22.2チャンネルのサラウンド放送が可能となったことで、より臨場感のあるサウンドが楽しめるようになっております。

ただ、この新4K8K衛星放送のチャンネルに関しては、使用される電波の違いにより、BSの一部4Kチャンネル(無料放送)は、4Kテレビさえ設置すれば、従来のBS/110度CSパラボラアンテナでご視聴いただけますが、それ以外の4K8K対応チャンネルをご視聴いただくためには、BS/CSアンテナやブースター、分配器などの機器を、4K8K対応のものへと交換する必要がございます。

この点については、詳しくは次の項でご説明いたします。

 

【衛星放送の電波「右旋円偏波」「左旋円偏波」とは?】

現在のBS、CSの衛星放送では「右旋円偏波」「左旋円偏波」という二種類の電波が使用されており、双方を受信するためには、対応するアンテナの設置が必要となります。ここではまず、テレビ放送に使われる「電波」「周波数」についての基礎知識をご説明いたします。

電波とは「電磁波」の一種です。正確な説明は難しくなりますが、電界(電場、電気的な力が働く空間)と、磁界(磁場、磁気の力が働く空間)が相互に影響することにより、光と同じ速さで空間を伝わる波(波動)のことです。より簡単に言うと、波を描きながら光の速さで空間を伝わるエネルギーの流れ、といえます。

電磁波(電波)が描く波動の周期的な長さが「波長」であり、単位時間ごとに、この波動が繰り返される回数を「周波数」といいます。

電磁波の周波数を表す単位は「Hz(ヘルツ)」です。例えば波長が1秒間に1,000回、繰り返される電波は「1,000Hz」になり「1KHz(キロヘルツ)」にあたります。同様に1KHzの1,000倍は「1MHz(メガヘルツ)」。同様に以下、1,000倍ごとに「GHz(ギガヘルツ)」「THz(テラヘルツ)」と表記されます。

この電磁波の中でも、周波数が比較的、低い(波長が長い)波長の総称が「電波」です。電波はおおよそ周波数「300GHz」から「3THz」までの電磁波のことであり、日本の電波法では「3THz」以下の電磁波を「電波」と定義しています。ちなみに電波より周波数が高い電磁波では、まず赤外線、可視光線、紫外線の「光」が挙げられます。さらに高周波数なものは、放射線でもある「X線」「ガンマ線」になります。

電波も光と同じく電磁波の一種であるため、光のような散乱や屈折、反射などの現象が起こり得ます。また光やX線などは、人体が多量に浴びると健康被害を与える場合もございますが、電波は周波数の低さから、人体への影響はほとんどないとされており、そのためテレビ放送や携帯電話など、社会でさまざまな用途に利用されています。

 

さて、従来の日本の衛星放送では、BS放送、CS放送とも、衛星から右回りの螺旋状に波長を描いて送信される電波である「右旋円偏波」が使用されてきました。この電波を使用する放送は「右旋放送」ともいわれ、従来のBS/CSアンテナも、右旋の電波を受信できるものが使用されてきました。

しかし前述した「新4K8K衛星放送」のスタートで、BS、CS放送に4K8Kチャンネルを追加するにあたって、従来の右旋の電波では、チャンネルに割り当てられる周波数帯が不足したのです。そのため衛星放送にて、新しく左回りの螺旋の波長を描く「左旋円偏波」の電波が使用されるようになり、多くの4K8Kチャンネルがこの電波で送信されることになりました。

さらにこの左旋円偏波は、BS/CSアンテナで受信した後、従来の右旋の電波よりも高い周波数である2.2GHzから3.2GHzの信号となって伝達され、アンテナケーブルからブースター分配器などの機器を経てテレビ機器に届けられます。

したがって、新4K8K衛星放送で追加された4K8Kチャンネルのうち、NHKおよび広域民放のチャンネルである「NHK BS4K」「BS日テレ4K」「BS朝日4K」「BS-TBS4K」「BSテレ東4K」「BSフジ4K」のチャンネルは、右旋の電波で送信されているため、従来のBS/CSアンテナおよびアンテナ機器に、4Kテレビを接続するだけでご覧いただけます。

しかしそれ以外の、左旋の電波で送信される4K8Kチャンネルをご視聴いただくためには、左旋電波に対応できる4K8K対応BS/CSアンテナアンテナの設置が必要となります。またブースター、分配器などの機器も、左旋の電波が変換された周波数に対応できる3224MHz対応型でない場合は、対応できる機器に交換する必要がございます。

「新4K8K衛星放送」の詳細や、ご視聴のため必要な設備などについては、以下のコラムもご参照ください。

「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

2K放送と4K、8K放送の違い

超高画質!4K・8K放送の魅力と工事について

用途・目的別、4Kテレビ、8Kテレビをおすすめできる方

 

【衛星放送(BS/CS放送)を受信するためのテレビアンテナは?】

衛星放送であるBS/CS放送を受信するためのアンテナは、基本的に衛星の方向に向けて電波を受け止める、皿状の円盤である「ディッシュ」と、ディッシュ内部に反射して中央部の一点に集まった電波を受け止める部分、およびそれを支える支柱となる「コンバーター」「アーム」からなる「パラボラアンテナ」になります。

日本では1989年6月にBS放送の本放送がはじまった後、同年10月の放送法改正施行により、通信衛星による直接放送(CS放送)が許可されました。その後、実際にCS放送が開始されたのは1992年(平成4年)以降で、その後、さまざまなCS放送局が開局しては、放送終了や統合などを経て、ほぼ「スカパー!」サービスにまとまった現状にいたっています。

そのためBS放送がスタートした初期のパラボラアンテナには、BS放送専用のものが存在する他、CS放送の開始によりBS/CS兼用のアンテナが登場した後も、CS放送のやや弱い電波を受信するため大型のパラボラアンテナが使われていました。

しかし現在ではBS/CSアンテナも技術の進歩により、小型化が進んでおります。またBS/CSアンテナはパラボラアンテナであるため、基本的な構造はどれもほぼ同じになります。

 

BS/CSアンテナの特性としては、まずパラボラアンテナを人工衛星の方向、例えばBS放送、110度CS放送(スカパー!)用のBS/CSアンテナであれば、東経110度の方向へと正確に向ける必要がございます。ミリ単位の角度のズレでも受信感度が大幅に低下することがございますので、風雨などに影響されにくい設置位置を含め、設置には注意が必要となります。

またBS/CSアンテナと天空の衛星との間が、高層建築や樹木などで遮断されると、衛星の電波が受信できなくなります。そのためBS/CSアンテナの設置時には、現状だけでなく、今後の建造物の建築や、樹木の成長なども考慮した、障害物に影響されない設置が必要です。

他にも雨天や積雪、特に雨滴が10ミリ程度になる大雨の場合には、BS/CSの電波が雨や雪に当たることで減衰し、BS/CS放送の映像が乱れる、映らなくなるといったことも起こり得ます。BS放送の一部チャンネルでは、画質は大きく低下するもののノイズに強い電波を送信することで、雨天でも番組内容を確認できる「降雨対応放送」を行うこともございます。

2023年現在のBS/CSアンテナには、受信できる放送の違い、またその他の性能によって、主に以下のようなモデルがございます。

 

(受信できるチャンネル別)

・2K対応BS/110度CSアンテナ

前述した「新4K8K衛星放送」がスタートする前に使われていた、一般的なBS/CSアンテナです。

現在、BS放送、CS「スカパー!」とも、それぞれ東経110度の同じ位置にある人工衛星から電波を送信しているため、一台のパラボラアンテナで双方の電波を受信することが可能です。

ただ新4K8K衛星放送以前のBS/CSアンテナでは、左旋の電波を受信することができません。したがって現在でもこのアンテナでBS/CS放送の大半のチャンネルを受信可能ですが、4K8K放送に関しては、前述したBSのNHK、広域民放にあたる一部4Kチャンネルしか受信できません。新4K8K衛星放送をすべてお楽しみいただくためには、4K8K対応アンテナへの交換が必要になります。

 

・スカパー!プレミアムサービス専用アンテナ/BS/CSマルチアンテナ

これは前述した、東経124度・128度CSデジタル放送「スカパー!プレミアムサービス」を受信するためのアンテナです。

「スカパー!プレミアムサービス」の電波は、BSおよび110度CS(スカパー!)の衛星ではなく、東経124度と128度に位置する別の人工衛星から送信しているため、その方向に向けた別個のパラボラアンテナが必要となるのです。

プレミアムサービス専用アンテナは、その名の通り「スカパー!プレミアムサービス」の放送しか受信できない半面、後述するマルチアンテナより利得が高くなるというメリットがございます。

またBS/CSマルチアンテナは、一台で4K8K放送を含む、BS放送、CS110度「スカパー!」と、124度・128度CS「スカパー!プレミアムサービス」のすべてを受信できるアンテナになります。ただ専用アンテナに比べると「プレミアムサービス」の利得が低くなる点と、アンテナの方向を3カ所の角度へ正確に合わせなければならないため、角度調整が難しくなるというデメリットもございます。

 

4K8K対応BS/110度CSアンテナ

これは「新4K8K衛星放送」のスタートに際して登場した、左旋の電波に対応できるBS/CSアンテナです。

2023年現在のBS/CSアンテナは、基本的にどれもこのモデルとなっております。また左旋の電波を受信できる以外、基本的な構造や設置方法は旧式の2Kアンテナとまったく同じため、旧式のアンテナを設置している現場であれば、現在のBS/CSアンテナを、設置位置、角度などは同じまま、4K8K対応型に交換するだけで対応できます。

ただし前述のように、アンテナからテレビ機器までの間に設置される混合器・分波器や、ブースター分配器などが3224MHz(4K8K)に対応していない場合は、これらの機器も対応型に交換する必要がございます。さらにアンテナケーブルも配線時期が古く細いものの場合は、3224MHzの電波に対応できないことがあるため、交換が必要なケースも出てまいります。

 

(その他の性能別)

・大きさ

主にご家庭用のBS/CSアンテナは、ディッシュ部の直径が45センチ型のものが中心になります。ただ他にもご家庭用のBS/CSアンテナには、50センチ型、60センチ型、75センチ型のモデルもございます。パラボラアンテナはディッシュ部が大型であるほど、電波の受信感度が高くなります。

日本のBS/CS放送は日本全国で受信可能ですが、日本列島でも赤道から遠い北寄りや、南端部、離島部などではやや電波が弱くなるため、このようなエリアでは通常より大型のBS/CSアンテナが使用されます。他にも大型のBS/CSアンテナを使うことで、受信性能が安定し、前述した大雨などの際にも映像が乱れにくくなります。

ただ一方で、ディッシュ部が大型になるほど、アンテナが風雨などの影響を受けやすくなり、アンテナ角度のズレなどのトラブルも生じやすくなりますので、注意が必要です。

 

・本体カラー

基本的に屋外に設置されるBS/CSアンテナは、その多くが白色になっています。

これは太陽光による熱や紫外線の影響を避けて、アンテナ本体の歪みや各部の劣化などのトラブルを抑えるためです。ただ現在では太陽光の影響を受けにくい塗装による、黒などのカラーバリエーションも登場しております。

これらカラーモデルのBS/CSアンテナは、主に住宅の外観性にこだわる方に利用されております。

 

高耐風アンテナ

BS/CSアンテナは、その形状から風雨に影響されやすいアンテナですが、その弱点を抑えるべく、ディッシュ部をメッシュ状にした機種なども存在します。特にDXアンテナ社製の「BC453SG」は、ディッシュ部に風を通す無数のパンチングホールの設置。太いマスト(支柱)および強力なマスト抑え金具、ディッシュ下部とコンバーターアームをプラケットで固定する構造の採用などにより、従来機種よりも耐風性能を格段に高めたモデルになっております。台風などが多い地域では、おすすめのBS/CSアンテナであるといえます。

「BC453SG」の詳細については、以下のコラムもご参照ください。

台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

・アウトドア用BS/CSアンテナ

ここまでに記したパラボラアンテナとは別に、BS/CSアンテナには、数は少ないながら、アウトドアや車載用に使える、ドーム型、フラット型などの機種もございます。このようなモデルは、室内用BS/CSアンテナとして使えることもございます。

ただこのようなBS/CSアンテナでは受信が安定しないケースもある他、価格が数万円から、人工衛星の自動追尾機能がついた車載型では、10万円以上と高額になるといった難点もございます。

 

【まとめ】

以上で、衛星放送の仕組みや使用される電波。またBS放送、CS放送、新4K8K衛星放送などの違いと、各放送をご視聴になるためのアンテナ機器などについては、一通り、ご理解いただけたことと存じます。

他にも、具体的なBS/CSアンテナの設置に関しては、以下のコラムが参考になることと存じます。

BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)

テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)

BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)

地デジ・BS/CSテレビアンテナ設置工事の手順

 

今後、新しく衛星放送用BS/CSアンテナの設置。またご自宅にあるBS/CSアンテナを4K8K対応型やBS/CSマルチアンテナ、さらには大型モデルや高耐風モデルなどに交換なさりたいとのご相談については、風雨などに影響されにくく安定した受信を実現できる、ご自宅の条件に最適の設置方法をリーズナブルな価格でご提案する、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)。またはメールフォームLINEアカウントまで、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。