台風対策に最適のBS/CSアンテナ設置方法とは? 究極の高耐風BS/110度CSアンテナ・DXアンテナ「BC453SG」
今日、一般のご家庭に設置されるテレビアンテナといえば、地上デジタル放送を受信するための「地デジアンテナ」と、衛星放送を受信するための「BS/CSアンテナ」になります。
現在の地デジアンテナには、主に屋根の上などに見られる、魚の骨に似た昔ながらの機種「八木式アンテナ」の他に、平面薄型で壁面などに設置できる「デザインアンテナ」。 円筒形で風雨を受け流すことができる最新鋭機種「ユニコーンアンテナ」などが存在します。
テレビアンテナといえば、屋外に設置されるため、台風や大雪などでダメージを受けやすいというイメージもございますが、地デジアンテナの場合は、後者のふたつの機種であれば自然環境にも強く、風雨などによるトラブルのリスクを軽減でき、長寿命も期待できます。
ただBS/CSアンテナに関しては、宇宙空間に浮遊する人工衛星から送られる放送電波の性質上、どうしても円盤を上に向けたような形の、いわゆる「パラボラアンテナ」を使用する必要がございます。 そのため構造上、風雨や雪などの影響を受けやすく、地デジアンテナに比べて、自然環境の影響を避けることが難しくなります。
特にパラボラアンテナは形状的にも、円盤の部分が風を受けやすく、激しい台風などの際にはアンテナのずれによる受信不良をはじめ、ときにはアンテナを支えるポール(マスト、支柱)が曲がる、アンテナ本体が吹き飛んでしまうなどの大きなトラブルが生じるケースもございます。
ご自宅に長年、BS/CSアンテナを設置されている方は、いままで一度や二度は台風などでアンテナのずれが生じ、受信が困難になるなどのトラブルを経験されているのではないでしょうか?しかしアンテナメーカーも、このようなBS/CSアンテナの弱点を克服すべく、日々、研究を続けております。
そして誕生したのが、日本三大アンテナメーカーのひとつと呼ばれる「DXアンテナ」さんによって開発された、一般家庭用の高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」です。
このBC453SGは2K4K8K対応と、BS/CSアンテナとしての基本性能が高い他、本体の設計に含まれる、従来のBS/CSアンテナにはなかった、主に3点の工夫により、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sという、従来のBS/CSアンテナにはない強風への強さを実現しました。
もちろん自然災害のすさまじさには、人間の創造を絶するものがございます。そのためどれだけ高い耐風性を備えるアンテナでも、猛烈な台風などの場合には、その影響によるトラブルをゼロにすることは難しくなります。
ただ、毎年のように激しい台風が通過する、いわゆる台風銀座と呼ばれる地域などでも、この機種を用いることで、かなりの強風下でも安定したBS、CSの受信を望めます。また通常のアンテナでは設置位置のずれや破損などのトラブルが生じる激しい台風でも、破損の可能性をかなり低減できる他、アンテナのずれなどによる受信不良なども、 台風が過ぎた後の調整などで受信性能を回復できる可能性が高まります。
当コラムでは、2022年(令和4年)現在の機種では最高峰といえる、非常に優れた耐風性能を誇る最先端のBS/CSアンテナ「BC453SG」について、その耐風性能を実現するための工夫から、具体的な耐風能力。 従来のBS/CSアンテナ商品との比較など、その性能など重要な情報をわかりやすく徹底解説いたします。 台風の多い地域で安定したBS/CS受信を望まれる方にとっては、必見の内容といえます。
BS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)の基礎知識
高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」についてご説明する前に、まずは一般的な衛星放送用のアンテナ、BS/CSアンテナについての基礎知識をおさらいいたします。
ご自宅に設置されている、されていないを問わず、一般のご家庭に設置されるBS/CSアンテナの形状は多くの方がご存じだと思います。
通常のBS/CSアンテナは、いわゆる白いお皿のような、やや縦長の楕円形の円盤の形をした「パラボラアンテナ」です。 そして円盤の下から、円盤の中心部よりやや下を向く形で、コンバーターアームと呼ばれる支柱が延びており、その先に一次放射器およびコンバーターと呼ばれる器具がついています。
BS放送、CS放送は「衛星放送」とも呼ばれる通り、赤道上空、約36,000キロの宇宙空間に位置して、地球の周回軌道を回り続け、地球の半球、同じ方向を補足し続ける人工衛星から放送電波を送信しているテレビ放送です。 この人工衛星からの電波を、地上に設置したBS/CSのパラボラアンテナで受信することにより、BS、CS放送が視聴できます。
BS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)の円盤の部分は、英語でお皿を意味する「dish(ディッシュ)」と呼ばれます。 人工衛星から送信されるBS、CSの電波は、楕円形のディッシュ部分で受け止められ、その内側で反射して、ディッシュの中心よりやや下、アームの先についている一次放射器で受け止められ、コンバーターの部分に集まります。
ディッシュの内側は、衛星電波を反射させることから「反射鏡」とも、内面の曲線が放物線による放物面で構成されていることから「放物面反射器」呼ばれます。
パラボラアンテナの「パラボラ」とは「放物線」の意味で、ディッシュの部分が放物線を描いていることからそう名付けられました。
アンテナの「コンバーター(周波数変換器)」実質的なアンテナの本体であり、集めたBS、CSの電波をテレビ放送用の周波数に変換し、同軸ケーブルを通じてテレビ本体などのBS/CSチューナーに送信することで、BS、CSそれぞれの放送が視聴できる仕組みになっています。
パラボラアンテナは、地デジ放送に用いられる「極超短波(UHF)」よりも波長が短い電波、主に「センチメートル波(SHF)」を受信するために利用されるアンテナで、衛星放送の他には、多重無線通信や衛星通信、電波天文などに使われます。
衛星放送の電波「12GHz波」とBS/CSアンテナの設置方法とは?
地上からは上空の一点に静止して見える、衛星放送用の静止衛星から送信される電波は、SHF波のうち、12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯である「12GHz帯」と呼ばれる電波になります。
この12GHzの電波は、波長が25ミリ前後と非常に短く、性質が光に近く、直進性が強くなります。
この光のような性質を持つ12GHzの電波を、宇宙空間の静止衛星から、日本全体を照らし出すような形で、送信しているのが衛星放送の仕組みです。
このため衛星放送では、日本各地に設置された電波塔から地デジ電波を送信している、地上波放送の地デジ放送とは異なり、日本国内の全域で極端な電波レベルの差がなく、また地上の地形や災害などにも影響を受けにくいため、国内のどこでも安定して受信することが可能です。
12GHzの電波は光のような直進性から、静止衛星から地上までの長距離を送信される電波には適しています。ただその反面、日光が障害物に遮られると影ができるように、12GHzの電波も障害物に遮断されやすくなります。
そのためBS/CSアンテナの設置にあたっては、衛星放送の静止衛星が位置する東経110度(日本の地上から見て南西方向)に、ディッシュの仰角(上下角)、方位角(左右角)とも、ミリ単位の正確さで角度の調整を行って固定する必要がございます。
さらに静止衛星とBS/CSアンテナのディッシュを結ぶ、12GHz帯の電波の通り道である直線状の空間に、山地や建築物、樹木やその枝葉、洗濯物など、わずかな障害物が発生しても、12GHzの電波が遮断されて受信不良が生じてまいりますので、このような障害物のない位置にBS/CSアンテナを設置する必要もございます。
また12GHzの電波の性質として、その波長の短さから、雨や雪の粒が25ミリに近い豪雨や大雪では、空中で雨や雪により12GHz帯の電波が吸収され、乱反射が生じるなどして、電波レベルの低下や乱れが生じて、BS/CSアンテナで十分に受信できなくなる「降雨減衰」「降雪減衰」がございます。
この降雨減衰、降雪減衰については、基本的に天候の回復を待つことが対策になりますが、他にも、やや大型で受信性能の高いBS/CSアンテナを設置することも有効な対策になります。
他にも静止衛星から日本全域に送信される12GHz帯の電波は、日本全域でほぼ安定したレベルで受信できますが、ただ国内でも中央部に比べて、静止衛星からの距離がやや遠くなる、日本国内の北部、南端部、離島部などでは、距離による電波の減衰が生じて、地上で受信できる12GHz帯の電波のレベルが、やや低下してまいります。
このようなエリアでも、通常のモデルよりやや大型のBS/CSアンテナが必要となってまいりますので、ご注意ください。
なお、BS/CSアンテナの設置方法や12GHzの電波の性質については、以下のコラム記事ページにも詳しい解説がございます。
・BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識 ~全解説・種類や価格相場、地デジ用テレビアンテナ工事との違いとは?~
・衛星放送用バラボラアンテナ・BS/CSアンテナの種類と選び方とは? 地デジテレビアンテナとの違い、家屋への設置工事を解説
・衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで解説!
・BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法
・自分でDIY取り付けも可能? 衛星放送用BS/CSテレビアンテナのさまざまな設置方法と工事を行う際の注意点
・BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法
・BS/CSアンテナの角度調整に重要な「指向性」とは? 人工衛星の方向を確認できるスマホアプリ「BSコンパス」も徹底解説!
・雨や雪が降るとBS、CSの衛星放送が映らなくなる原因と衛星放送用テレビアンテナを調整して映るようにする対処方法とは?
・衛星放送用BS/CSテレビアンテナの寿命は何年? 取り付けから約10年後の交換工事の時期や映らなくなった時の対処法を解説
BS放送、CS放送とは?
ここでは、現在の日本で、主な衛星放送の種類としてよく名前が挙げられる「BS放送」「CS放送」の違いについてご説明いたします。
BS放送とは「Broadcasting Satellites放送」の意味で「放送衛星」を用いた衛星放送のことです。これは地デジ放送と同じく、日本国内の不特定多数を対象にしたテレビ放送に当たり、日本国内であればBS/CSアンテナの設置により、誰でも受信でき、無料チャンネルであれば自由に視聴できます。
BS放送では、現在は東経110度に打ち上げられた放送衛星が運用されています。
このBS放送には、無料放送として「NHK-BS1」「NHK-BSプレミアム」や「BS日テレ」「BS朝日」など、NHKや各広域民放と同じチャンネルが存在し、高品質なオリジナルのドラマ、ドキュメンタリーや、各局の旧作テレビ番組などを放送しています。他にもチャンネルごとに契約を結んで、月額料金を支払うことで視聴できる「WOWOW」「BSスカパー!」などの有料チャンネルもございます。
CS放送は「Communication Satellites放送」の意味で、BSの放送衛星とは別個の「通信衛星」による衛星放送です。
元来はケーブルテレビやマンションなど集合住宅の事業者、企業などの利用を想定して開設されたものですが、1989年(平成元年)の放送法改正により、一般家庭でも視聴できるようになりました。
CS放送は、CS放送事業者と契約を結んだ世帯、個人に向けた、有料放送サービスになります。
このCS放送には、BS放送と同じく東経110度の通信衛星を利用した110度CS放送と、東経124度、128度の通信衛星を利用する124・128度CS放送の二種類がございます。
110度CS放送は、いわゆる「スカパー!」として知られています。「スカパー!」は、映画、テレビドラマ、アニメ、スポーツ、お笑い、教養、ドキュメンタリーなどのさまざまなジャンルや、その中でも邦画、時代劇、ミステリーなど細分化したさまざまなチャンネルが存在する、多チャンネルの有料放送サービスです。
視聴者は「スカパー!」受信契約および、各チャンネルとの月額契約を結ぶことで、お好みのチャンネルを視聴できます。
124・128度CS放送は「スカパー!プレミアムサービス」という別個の放送サービスになります。
「スカパー!」とほぼ同様のサービスながら、4Kチャンネルを除く全チャンネルがハイビジョン放送対応。またラジオチャンネルも多数存在するサービスです。
なお、プレミアムサービスのご試聴には「スカパー!」とは別個の契約および専用アンテナが必要となります。
BS/CSパラボラアンテナの特徴と種類とは?
衛星放送を受信するためのテレビアンテナは、車載用やアウトドア用の特殊なモデルを除けば、どれも同じパラボラアンテナになります。
そして特にBS/CSアンテナは、メーカーやモデルは違っても、基本的な構造や設計は同じになるため、同じ大きさのモデルであれば、受信性能にほとんど違いは生じません。
ただ同じBS/CSアンテナにも、構造や受信性能以外で、さまざまな特徴を持つモデルも存在します。
この項では、衛星放送用パラボラアンテナの、主なモデル、バリエーションについてご紹介してまいります。
BS/CSアンテナで受信できる衛星放送
上記のように、BS放送と110度CS放送は、同じ東経110度に静止衛星が位置するため、パラボラアンテナの角度調整もまったく同じ角度になります。
したがって、現在の主な衛星放送用パラボラアンテナであるBS/CSアンテナ(BS/110度CSアンテナ)を用いることで、一基でBS放送と110度CS放送の双方を受信することができます。
ただCS放送には上記のように、124・128度CS放送「スカパー!プレミアムサービス」も存在します。
静止衛星の角度が異なるこの放送サービスを受信するためには、東経124度、128度の通信衛星から受信できる「プレミアムサービス専用アンテナ」。または東経110度、124度、128度すべての静止衛星からの電波を受信できる「マルチアンテナ」が必要となりますので、ご注意ください。
BS/CSアンテナの本体色
一般的なBS/CSアンテナは、ほとんどが白色系のパラボラアンテナになります。これはBS/CSアンテナの設置位置から太陽光を受けやすくなるため、影響を避けるための工夫です。
太陽の熱には電波を妨害する性質がある他、夏場の直射日光を受けると金属の膨張などにより、アンテナにゆがみが生じてやはり受信に問題が生じる、故障の原因となるなどの問題が発生することがございます。また太陽光の紫外線も、アンテナの各部を劣化させる原因となります。
そのためBS/CSアンテナには、基本的に太陽光の影響を受けにくい白色が用いられるのです。
しかし近年では、住宅の外観性などに配慮するため、太陽光の影響を受けにくい塗料を用いた、ブラックなどBS/CSアンテナのカラーバリエーションも多くなっており、お客様のお好みで選ばれております。
・BS/CSアンテナの大きさ。
BS/CSアンテナの大きさについては、ディッシュ部分の有効直径(電波を受け止められる部分の直径)が45センチ、50センチ、60センチ、75センチ、90センチ、120センチのものが存在します。それぞれ「45型」「50型」などの呼び名で呼ばれることが多くなります。
一般的な戸建て住宅であれば、有効直径が45センチの「45型」BS/CSアンテナで十分な受信性能を確保できます。50型以上のBS/CSアンテナは、基本的にアパート、マンションなどの規模に合わせた、集合住宅向けの共同受信用モデルになります。
ただ前述のようにBS/CSアンテナは、ディッシュ部で人工衛星からのテレビ電波を受け止めているため、ディッシュの有効直径が大きいほど受信感度が高まり、悪天候で電波が乱れている際にも、安定した受信を望めます。つまりやや大型のBS/CSアンテナは、降雨減衰、降雪減衰への対策にもなるのです。
また前述した通り、衛星放送用の静止衛星は赤道軌道上に位置するため、日本国内では、北に行くほど電波がやや弱くなってゆきます。そのため日本国内でも北部地方や南端部、離島部などでは、ディッシュ有効直径が50センチ、60センチ、75センチのBS/CSアンテナを用いるケースもございます。
しかし一方でディッシュ部が大型になるほど、風の影響も大きくなり、特に台風などの際には、アンテナの方向の狂いや破損のリスクが高まります。そのため基本的に一般家庭でのBS/CSアンテナ設置では、45センチの機種が適しているといえます。
受信できる「2K」「4K」「8K」放送の違い
現在、BS、CSの衛星放送では「新4K8K衛星放送」を視聴することができます。これは従来の地デジ、BS、CSなどの2K(フルハイビジョン)映像に対して、4倍の解像度を持つ「4K」と、さらにその4倍、2Kに比べれば16倍の解像度を誇る「8K」放送に対応する放送のことです。
この新4K8K衛星放送は2018年(平成30年)に、従来のBS放送、CS放送に多数の4K、8Kチャンネルが追加される形でスタートしたものです。
この新4K8K衛星放送を視聴するためには、4Kまたは8Kのテレビ本体と、4K8K(3442MHz)対応のチューナーやHDMIケーブル。ブースターや分配器など配線部の機器、ケーブル。そして4K8K対応のBS/CSアンテナが必要となります。
BS/CSアンテナに関しては、BSのNHK、広域民放など一部の無料4K放送については、2018年以前のBS/CSアンテナ(2K対応BS/CSアンテナ)でも受信可能ですが、それ以外の4K8Kチャンネルを視聴することはできません。
これは新しく4K、8Kのチャンネルを追加するにあたり、従来のBS、CS放送に使われていた12GHz帯の電波「右旋円偏波(右旋)」という電波では周波数が足りなくなり、4K8Kチャンネルの大半には、新しく導入された「左旋円偏波(左旋)」という電波を割り当てたため、BS/CSアンテナの側でも左旋の電波を受信できるものが必要となったことによります。
現在、製造、市販されるBS/CSアンテナは、すべてが2K4K8K対応型のBS/CSアンテナですが、ご自宅にBS/CSアンテナを設置された時期が2018年以前と古く、いまだに2K対応型BS/CSアンテナ(現在は生産終了)を使用されている場合、新4K8K衛星放送のすべてのチャンネルをご覧になるためには、BS/CSアンテナを交換される必要がございます。
また12GHz帯の電波は、周波数帯が高すぎることから、そのままでは、アンテナケーブル(同軸ケーブル)で正常に送信できません。そのためBS/CSアンテナのコンバーターで、送信しやすいMHz帯の周波数帯に変換されます。
そしてコンバーターで12GHz帯の周波数を変換される際、右旋の電波は1032MHzから2072MHzの周波数帯。左旋の電波はやや周波数帯が高い2224MHzから3224MHzに変換されます。
そのため、BS/CSアンテナからテレビなど受信機器まで電波を送信するアンテナケーブル(同軸ケーブル)や、配線部のブースター、分配器などの機器も、設置された時期が古い場合、左旋の電波が変換された周波数帯に対応できない場合がございます。
この場合もやはり、配線部の各機材を、左旋から変換された周波数帯に対応できる「4K8K(3442MHz)対応型」の機器へと交換する必要がございます。
「新4K8K衛星放送」と対応できる機器について、詳しくは以下の各コラム記事をご参照ください。
・新4K8K衛星放送とは? 4K、8Kテレビの購入後に必要なアンテナ工事と費用の相場、おすすめ業者の選び方まで徹底解説!
・「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!
・「新4K8K衛星放送」のご視聴に必要な機器・完全チェック!
・テレビ放送(地デジ、衛星放送BS/CS、4K8K)に合わせたテレビアンテナケーブルの種類と選び方、徹底解説!
BS/CSアンテナの設置方法
前述のようにBS/CSアンテナは、赤道軌道上、東経110度の地点に位置する静止衛星から送信される電波を受信しています。
そのため住宅に設置されるBS/CSアンテナは、正確に東経110度の方向(南西方向)へとディッシュを向け、仰角(上下角)、方位角(左右閣)を調整する必要がございます。この角度がほんの数度、ずれるだけでも、衛星放送の受信が困難になる他、その方向に高層建築や山などの障害物がある場合も受信が難しくなります。
また豪雨や大雪などの際には、人工衛星からの電波が空中で乱反射を起こすために、受信不良が生じることがございます。これは前述した、ディッシュが大型のアンテナを使うことにより、ある程度は抑えることができますが、一方でそれだけ風に弱くなるという難点も出てまいります。
戸建て住宅のお住まいへの主なBS/CSアンテナ取付位置は、屋根の上に立てられたマストの他、サイドベースを用いての壁面や、ベランダの手すり部。またベランダの内部などが選ばれます。
総じてBS/CSアンテナは、形状から風などの影響を受けやすく、またディッシュ角度のズレや障害物に弱いアンテナであると言えます。
DXアンテナ社の高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」の驚異の耐風性能とは?
さて、ここからは本題の高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」について解説いたします。
BC453SGの基本性能は、大きさは45型で、4K8K放送にも対応できる、現在のBS/CSアンテナとしては必要十分の性能を備えた機種になります。その点では通常のBS/CSアンテナと変わりませんが、BC453SGの真価は、その耐風性能にあります。
BC453SGは、主に以下の3点の工夫により、従来のBS/CSアンテナでは考えられない、耐風をはじめとする激しい風に対する、抜群の強さを実現しているのです。
BC453SGの工夫その1:ディッシュに開けられた無数のパンチングホール
BC453SGは、やや離れてみると、通常の白いBS/CSアンテナと同じものに見えます。しかし近づいてみると、その違いがわかるでしょう。
BC453SGの反射鏡(ディッシュ)面には、ちょうど穴あけパンチ器で紙に穴を開けたような細かな穴が、金具で固定している中央部を除いて、縦横に規則的な形で開いています。そのため近くで見るとディッシュ全体がメッシュ状のようにも見えます。
これはDXアンテナさん独自の「パンチングメタル仕様」という工夫です。このパンチングメタル仕様により、ディッシュが正面からの風を受けても、無数の穴から背後に抜けてゆくため、ディッシュが受ける風圧が大きく軽減されます。
もちろん個々の穴は小さいものであり、このパンチングメタル仕様には受信効率が落ちない特殊な設計が施されているため、ディッシュで受け止める電波の受信性能にはほとんど影響がございません。このパンチングメタル使用のディッシュを採用することにより、BC453SGは、風速70m/sの風を正面から受けても、変形や破壊が起こりにくい設計となっております。
BC453SGの工夫その2:マスト押さえ金具(マウント部)をより強力なものに改良し、対応マストもより太いものに
BC453SGに限らず、一般的なBS/CSアンテナは、縦に設置したマスト(ポール、支柱)と呼ばれる鉄パイプに固定する形で設置されます。マストへの設置は、ディッシュの後部に設置された「マウント部」と呼ばれるマスト押さえ金具をマストに通し、マストを挟み込んだ金具のねじを締めて固定する形になります。
そのため従来のBS/CSアンテナでは、ディッシュが強風を受けると、アンテナ本体がマストを支点に左右へとずれてしまい、受信不良が発生することがございます。さらに激しい台風などでは、正面からディッシュに風力を受けることで大きな力がかかり、マストそのものが折れ曲がってしまうケースもありました。
そのような事態を防ぐため、BC453SGでは、マウント部の金具をより強力なものに改良しております。金具そのものを従来品よりも分厚いものにしている他、固定部の「歯形」と呼ばれる、野獣の牙のようなギザギザ部分も2段から3段に増やすことで、マストに固定する力をより強くしています。
このマスト押さえ金具に対応する形で、適合するマストの太さも、従来の同タイプアンテナに用いられていた直径25ミリから49ミリのものから、32ミリから49ミリまでのものに変更されています。より太いマストを採用することで、風によるアンテナの左右へのズレ、およびマストの折れ曲がりにも強くなっております。
これらの部分の改良により、BC453SGは、受信可能風速が風速50m/sと、従来のBS/CSアンテナより格段にアップしております。
BC453SGの工夫その3:コンバーターアームを改良し、受信レベルを安定させて耐風速を強化
従来のBS/CSアンテナは、ディッシュの裏側から下に向かってコンバーターアームが延び、ディッシュの下部で上へと曲がり、ディッシュの中央部よりやや下にあたるその先端に、一次放射器やコンバーターを固定しています。
前述のようにBS/CSアンテナは、ディッシュ部で受けたBS、CSの電波が、ディッシュの内側、反射鏡面から反射することで、アームの先にある一次放射器に全集中する形で集まり、コンバーターで電波の周波数を変換することにより、衛星放送を受信しています。
そしてアンテナ全体としては、ディッシュとは別にアームが延びている形になっているため、アンテナが強風などを受けると、ディッシュやアームが揺れることにより、反射した電波が集中する焦点の部分と、一次放射器の位置がずれてしまい、受信不良が発生するリスクがありました。
そこでBC453SGでは、アームをボルト2か所留めにすることでアームそのものの揺れを軽減した他、ディッシュの下部と、アームがディッシュの下を通る部分を樹脂プラケットで固定するという設計を採用しました。
この工夫により、強風を受けた場合の、ディッシュとアーム、双方の揺れを大きく軽減。激しい風が吹く中でも、電波の焦点と一次放射器のブレを起こらなくすることにより、安定した受信性能を実現しています。
BC453SGの具体的な耐風性能および従来機との比較
ここまではBC453SGの性能について、受信可能風速50m/s、復元可能風速60m/s、破壊風速70m/sという数値で説明いたしました。これらの数値は実験室において、BC453SGに正面から風圧のみを与えた場合の性能です。そのため、豪雨や飛来物なども生じる現実の台風、強風とは条件が大きく異なってまいります。
したがってBC453SGを設置した現場で、現実に同じ風速の台風、強風が発生した場合、必ずしも同じ性能を発揮するものではございません。しかし具体的な風力をイメージしていただくため、それぞれの言葉の意味、およびその風速の具体的な強さについてご説明いたします。
まず「m/s」とは「メートル毎秒」と読み、1秒間に風がどれだけの距離を進むかを表す単位になります。
そして、まずはBC453SGの「受信可能風速50m/s」ですが、これはこの風圧を受けている間に、電気的性能の劣化が許容範囲内であること、つまりBS、CSの受信について天候や障害物など、それ以外の障害となる要因がなければ受信が可能になるという意味です。
「風速50m/s」は、台風でいえば「非常に強い台風」にあたるものです。
具体的な風の強さとしては、風の力で電話ボックスや自動販売機が倒れる、移動するなどの他、電柱や街灯が倒れ、ブロック壁が倒壊するなどの事態が起こり、屋外での人の行動が危険とされるレベルです。
また住宅では屋根の瓦、葺材および野地板や下地板が飛散し、小屋組が露出する。外壁では外装材が広範囲にわたり飛散して下地材が露出しはじめる。また老朽化した木造住宅では倒壊することもある他、木造小屋の屋根が骨組みごと飛散しはじめる。金属屋根の葺材が広い範囲で剥がれてしまう。固定していない雨戸や窓シャッターが風により外れはじめる。堅牢な作りのパイプハウスが倒壊してゆくなどのなどの事態も発生してきます。
このように説明すれば、どのように激しい風かはお分かりいただけると思います。
そして「復元可能風速60m/s」は、アンテナにこの風圧がかかった後、アンテナの再調整を行うことにより電気的性能を満たす。つまりアンテナのずれなどで衛星放送が受信不能になる場合はあるものの、アンテナの再調整によって受信性能を回復できる最大風圧という意味です。
この「風速60m/s」は、台風でいえば「猛烈な耐風」にあたり、具体的な風の強さとしては、普通自動車やワンボックスカー、大型自動車などが横転する。鉄筋コンクリート製の電柱が折れて倒れる。カーポートの骨組が折れ曲がり、倒壊にいたる。コンクリートブロック塀のほとんどが倒壊し、多くの樹木も倒れる。墓石の棹石(中心の石)がずれたり、転倒したりする。鉄骨造の倉庫で屋根ふき材が浮き上がったり、飛び散ったりするというレベルです。
破壊風速70m/sとは、アンテナにこの風圧を与えている間、本体の一部、または全部が吹き飛ばされるなどの破損が生じない、最大の風圧を意味しています。
しかし「風速70m/s」といえば、時速に換算すればおよそ252キロで、新幹線に匹敵する速度になります。台風であれば人間が飛ばされ、一部の住宅では倒壊が発生するほどの猛烈なものとなり、もはやスーパー台風と呼ばれるレベルです。
このレベルの台風は、日本では百年に一度といわれるクラスのもので、台風が多い地域ですらめったに発生しない、日本国内のほとんどの地域では、起こりうる可能性は極めて低いといえるものです。
もちろん現実の台風でこれらの風速が発生するレベルになると、アンテナ本体にさまざまな方向からの風圧がかかる他、豪雨や飛来物などの影響も生じます。
例えば大きくて重いものが飛来してアンテナに激突する。アンテナを固定している屋根や壁面などが根こそぎ吹き飛ばされるといった事態も十分起こりうるため、BC453SGでも絶対に被害が生じないとは申せません。ただ従来のBS/CSアンテナ機種に比べると、激しい台風などにも耐えうる、耐風性能が格段に向上しているのは確かです。
耐風性能について、同じくDXアンテナさんの従来機種「BC453S」と比較してみましょう。
このBC453Sも、耐風設計が施されていない以外は、BC453SGと同じく45型で4K8K放送にも対応できる、強風などの少ないエリアであれば、BS/CSアンテナとして十分な高性能を発揮する機種です。
ただ耐風性能に関しては、受信可能風速が20m/s、復元可能風速は50m/s、破壊風速60m/sであり、受信可能風速ではBC453SGの半分以下、復元可能風速、破壊風速も一段低いものになっています。
ちなみに風速20m/sとは、「非常に強い風」と呼ばれるレベルで、具体的な強さとしては、大人が何かにつかまっていないと立っていることができない。風で飛ばされてきたものによって負傷するおそれがある。細い木の幹が折れ、根の張っていない木が倒れはじめる。看板が落下、飛散して、道路標識なども傾く。自動車は通常の速度で運転することが難しくなる。屋根瓦や葺材が飛散することがあるなど、一般的な感覚では十分に強い風といえるものです。
つまりBC453SGは、通常のBS/CSアンテナであれば、BS、CS受信はまず不可能になるレベルの強風でも、風以外に受信を妨げる要因がない限り、ある程度の受信性能を維持できる他、風圧によるアンテナ調整が必要となるリスクや、さらにはアンテナ本体に破損が生じるリスクにも、より強いアンテナになっているといえます。
DXアンテナ製・高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」まとめ
日本は台風が多い国です。そのため地デジ、BS/CSなどのテレビアンテナも台風対策が重要となります。
特に衛星放送用のパラボラアンテナであるBS/CSアンテナは、位置のずれや障害物に弱い面があるため、地域によっては毎年、台風のたびトラブルによる修理や調整が必要となり、長期的な費用がかさむという話もよく聞かれます。
そこで高耐風BS/CSアンテナ「BC453SG」を設置することは、特に台風などが多い地域にて、強風によるアンテナ修理、調整の費用を大きく軽減できる初期投資になります。もちろん自然の猛威はときとして人間の想定を大きく超えることもあり、さまざまな想定外の要因が発生してくることもございます。
そのため、どのような台風、強風でも絶対にトラブルを回避できるとまでは申せませんが、BS/CSアンテナを設置して以降、強風でのトラブルを複数回、経験されているお宅では、十分に設置する価値のある機種だと言えます。
現在のBS/CSアンテナが老朽化している、またトラブルで修理の必要が出た際などには、思い切ってBC453SGに交換されるのも、長期的にはお得な選択となるでしょう。