室内に衛星放送用のBS/CSアンテナを設置してBS放送、CS放送のテレビ番組を観る方法、5大チェックポイント解説!

2023年02月20日

BS/CSアンテナを住宅の室内に設置して衛星放送のBS放送、CS放送、新4K8K衛星放送などを視聴する上で、必要となる室内設置専用の商品や、業者に依頼する場合に比べて料金が無料でお得となる要素。またご自分による室内設置の作業で必要な機材や手順などを解説してゆく記事です。

2023年(令和5年)現在、日本におけるテレビ放送と言えば、地上デジタル放送(地デジ)衛星放送(BS放送、CS放送)になります。

どちらも専用の地デジアンテナ、BS/CSアンテナ(パラボラアンテナ)を設置することで視聴できるようになり、地デジは基本的に無料(NHK受信料を除く)、衛星放送もBS放送のNHK、広域民放のチャンネルであれば無料であり、地デジと同じ感覚で楽しめます。

どちらも視聴のためには、まずアンテナ工事が必要となり、現在では地デジアンテナには、昔ながらの形状で高い受信性能を誇る八木式アンテナの他、デザイン性や風雨への強さを誇る、薄型で壁面に設置できるデザインアンテナ、ポール状のユニコーンアンテナなども登場しております。

さらに地デジ電波が強い地域、いわゆる強電界地域であれば、室内に据え置きできる小型の室内アンテナでも地デジ放送を受信できることがございます。基本的に室内アンテナは受信性能が低い簡易的なアンテナになりますが、近年ではデザインアンテナの小型モデルに、室内室外兼用のモデルも登場しており、室内型でも一定の受信性能を確保できるようになっております。

また現場の電波状態をはじめ、建材や屋根材、断熱材などが電波を遮断しにくいといった条件が揃っている住宅では、室外用のデザインアンテナを屋根裏空間、天井裏空間に設置することで、十分な地デジ受信感度を確保しつつ、住宅の外観にまったく影響を与えず、アンテナも風雨などの気候に影響されなくなる、といった施工も可能です。

このように、現在では地デジアンテナの機種が多様化していることから、設置方法も室内を含めて多岐にわたります。

しかしBS/CSアンテナに関しては、基本的にパラボラアンテナの一種類のみになります。またアンテナを人工衛星の方向へ正確に向ける必要がある。障害物に弱いなど、BS/CSアンテナ特有の弱点もございます、

はたしてBS/CSアンテナを、地デジアンテナと同じように室内に設置することは可能なのか、疑問に思われる方も多いことでしょう。

結論から申し上げると、BS/CSアンテナを室内に設置することは、必ずしも不可能ではございません。

ただ衛星放送やその電波およびBS/CSアンテナの特性から、室内に設置する場合には、さまざまな制約が生じることに加え、設置した後にも多くの注意点が出てまいります。

 

当コラムでは、BS/CSアンテナの室内設置について「そのメリット、デメリット」「設置が可能となる部屋の条件」「設置に必要となる機材」「設置を行う手順」「うまく受信できない場合の対処」の5大チェックポイントについて、順を追ってご説明してゆきます。

またその前に、各チェックポイントを的確に理解するために必要な、衛星放送やBS/CSアンテナの基礎知識も解説しております。

BS/CSアンテナの室内設置をお考えの方は、当コラムをご参照の上、ご自宅での室内設置にメリットはあるか、ご自宅の室内環境での設置は可能か、また的確な設置作業や衛星放送の受信に必要なポイントについて、ご理解していただければ幸いです。

第1章・衛星放送、BS/CSアンテナの基礎知識

衛星放送(BS放送、CS放送)の基本的な仕組み

衛星放送については別コラムで詳しく解説しておりますので、ここではBS/CSアンテナでの受信に必要となる点のみを、かいつまんでご説明いたします

衛星放送とは地球の赤道軌道上、約36,000キロの上空を、地球の自転に合わせて周回しているため、地上から見れば天空の一点に静止しているように見える「静止衛星」から放送電波を送信する形式のテレビ放送です。

衛星放送では、一基の人工衛星から日本国全体などの広範囲に放送電波を送信でき、地上の建造物や地形、災害などに影響されず、効率的に大容量の情報を送信できるのが大きな特徴です。

2023年現在の日本の衛星放送は、主にBSデジタル放送とCSデジタル放送の二種類になります。

BS放送は「放送衛星」を用いた衛星放送であり、不特定多数の視聴を前提にした放送になります。視聴できるチャンネルは、前述のようにNHK、各広域民放などの無料放送チャンネル。そして「WOWOW」「J-sports」など月額契約制のチャンネルを含め、2023年現在で28チャンネルを視聴できます。

CS放送は「通信衛星」を用いた衛星放送であり、視聴契約を行った世帯を対象とした衛星放送になります。通信衛星は、当初は企業や事業者向けを想定したものでしたが、1989年(平成元年)の放送法の改正により、一般世帯向けの放送が可能になりました。

現在のCS放送は、BS放送と同じく東経110度に位置する通信衛星を用いた「スカパー!」が主なサービスです。CS放送は大半が有料チャンネルになりますが、細分化されたさまざまなジャンルの専門チャンネルが約80チャンネル存在し、視聴者の側では、お好みのチャンネルのみを月額契約してさまざまなコンテンツをお楽しみいただけます。

またCS放送には、東経124度、128度に位置する通信衛星を使用した「スカパー!プレミアムサービス」という放送サービスも存在し、こちらはすべてハイビジョン放送の約140チャンネルと、約100チャンネルのラジオ放送をお楽しみいただけます。

なお衛星放送用のアンテナであるパラボラアンテナは、人工衛星の方向へと正確に向ける必要があり、BS放送、110度CS放送(スカパー!)であれば、人工衛星の位置する角度が同じ東経110度であるため、一基のBS/110度CSアンテナにより双方の受信が可能になります。

そのため現在の主な衛星放送用のBS/CSアンテナは、BS/110度CSアンテナになっております。

ただ東経124度128度CS(スカパー!プレミアムサービス)の受信については、人工衛星の角度が違うことから、BS/110度CSアンテナとは別に、プレミアムサービス専用アンテナ、および専用のチューナーが必要となります。また一基でBS放送および110度、124度、128度のすべてのCS放送を受信できるマルチアンテナも存在します。

衛星放送の電波について

BS放送、CS放送とも、衛星放送の電波は約36,000キロという長距離を移動するため、「マイクロ波」の一種である「SHF(センチメートル波)」でも、12GHz(ギガヘルツ)前後の周波数帯のものを使用しています。

電波には周波数が高くなる(波長が短くなる)ほど直進性も強くなり、エネルギーを集中させやすくなる性質があるため、衛星放送には電波の中でも波長が短いSHF波が適しているのです。ちなみに12GHz帯のSHF波は、波長の長さがおよそ25ミリ前後です。

なお地デジ放送の電波は「UHF(極超短波)」のうち、470MHz(メガヘルツ)から710MHzまでの周波数帯になります。UHF波も電波の中では周波数帯が高い種類のものですが、地デジ放送に使われるUHF波の波長の長さは40センチから60センチ程度です。これと比べることで、人工衛星から送られる衛星放送の電波がどれだけ高周波数であるか、おわかりいただけることと存じます。

このように周波数の高い電波は、直進性が強くなる分だけ、障害物などにぶつかった場合は電波が反射してしまい、障害物の向こう側へと回り込む力が弱くなります。特にテレビ電波の中では高周波数帯となる衛星放送の電波は、現在の地デジ電波以上に障害物には弱く、衛星の方向へ向けたBS/CSアンテナの前に、建築物や山地などがある場合はもちろん、樹木やその枝葉、電柱、洗濯物などが位置するだけでも、電波が遮断されてしまい、受信が難しくなるケースもございます。

他にも波長の短い衛星放送の電波は、雨や雪の粒が波長の幅に近くなる豪雨や降雪では、電波が吸収されて乱反射なども生じ、衛星放送の電波状態が乱れて、BS/CSアンテナで安定して受信できなくなることがございます。この現象を「降雨減衰」「降雪減衰」といいます。

またBS放送、CS放送の人工衛星は、宇宙空間から日本全体をスポットライトで広く照らすような形で電波を送っています。そのため日本国内でも北部や南端部、離島部などでは、衛星からの距離が遠くなる分、やや受信できる電波のレベルが低くなってしまいます。

衛星放送の電波に関しては、以下のコラム記事にも詳細な解説がございます。

衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

 

新4K8K衛星放送とその電波、対応するアンテナ機器について

現在の日本における主要な衛星放送は、上記のBS放送、CS放送の二種類ですが、2018年(平成30年)には、新しく「新4K8K衛星放送」がスタートしています。新4K8K衛星放送とは、衛星放送における4K放送、8K放送のことですが、BS放送、CS放送とは別個のものではなく、それぞれに新しく4K、8K対応のチャンネルを追加する形で開始されています。

4K、8K放送とは、従来のデジタルテレビ放送である、2Kフルハイビジョン放送(FHD)の解像度に比べて、4Kは4倍、8Kは16倍(4Kのさらに4倍)となる高解像度の映像であり、さらに色彩、色調の表現も広まった他、動画のなめらかさや音声の品質も飛躍的に向上したテレビ放送です、

4K放送、8K放送を視聴するためには、それぞれ4K、8Kテレビ(4K8Kチューナー)が必要となりますが、従来のハイビジョン対応テレビよりさらに大画面を実現し、より鮮明でリアルな映像を楽しむことができます。

ただ、この新4K8K衛星放送を導入するにあたり、それまで衛星放送の電波として使用されてきた、右回りの螺旋を描いて送信される「右旋円偏波」では、4K8K放送として新しく追加されるチャンネルに割り当てられる周波数帯が不足しました。

そのため、BS放送のNHK、各広域民放の主要な4Kチャンネル(無料チャンネル)を除いて、新4K8K衛星放送の大半のチャンネルでは、新しく導入された、左回りの螺旋を描く「左旋円偏波」が使用されることになったのです。

また衛星放送の電波は、BS/CSアンテナで受信した後、アンテナのコンバーター部で、ケーブルで送信しやすい周波数帯に変換されます。

ただこの変換された電波も、従来の衛星放送とBSの一部4Kチャンネルである右旋円偏波は「1032MHzから2072MHz」に、それ以外の大半の4K8Kチャンネルである左旋円偏波は「2224MHzから3224MHz」の周波数帯へと変換されます。

そして新4K8K衛星放送がスタートする2018年以前に設置された、2K対応BS/CSアンテナでは、左旋円偏波を受信できません。新4K8K衛星放送のすべてのチャンネルを受信するためには、まず4K8K対応型のBS/CSアンテナを設置する必要がございます。

またアンテナからテレビ、レコーダーなど受信機器に電波を送信するアンテナケーブルの配線部で、電波を必要なレベルに増幅するブースター、ケーブルを通じて電波を各部屋に分配する分配器の機器も、4K8K放送がスタートする以前の機器では、左旋円偏波が変換された、2224MHzから3224MHzの周波数に対応できないことがございます。そのためこれらの機器も、4K8K(3442MHz)対応型へと交換する必要が出てまいります。

新4K8K衛星放送について、またご視聴に必要となる機器などの詳細は、以下の各コラム記事でもご説明しております。

「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?

「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

アンテナとテレビを結ぶアンテナケーブル、その種類と性能を徹底解説!

 

衛星放送用BS/110度CSアンテナについて

すでに少しご説明しましたが、現在のBS/CSアンテナは、主にBS放送と110度CS放送を受信するBS/110度CSアンテナになります。このアンテナは、いわゆる「パラボラアンテナ」として知られております。

パラボラアンテナとは、皿状の円盤型をした反射器(放物面反射器)の内側、放物曲線の面で電波を受け止めて反射させ、反射器の中央に設置された受信器の部分に電波を集中させて集める構造のアンテナです。なお「パラボラ(parabola)」とは「放物線」のことです。

パラボラアンテナは、現在の地デジ電波にあたる「UHF波(極超短波)」より周波数の高い電波、主にSHF波の受信、送信に利用されます。

そしてBS/CSアンテナは、やはり反射器が本体の大半を占めております。パラボラアンテナの別名には、反射器が皿の形に似ていることから「dish(英語で「皿」の意)」に由来する「ディッシュアンテナ」があり、BS/CSアンテナでも反射器のことを「ディッシュ」と呼ぶことが多くなります。

BS/CSアンテナでは、ディッシュの背面に取付金具が設置されており、その下部から「コンバーターアーム」と呼ばれる金属上の支柱が伸びて、ディッシュの下部から表側の中央へ伸び、その先端に電波を集める「一次放射器」と一体化した「コンバーター(変換器)」が設置されております。コンバーター部からはアンテナケーブル(同軸ケーブル)が伸び、屋内のアンテナ配線を経てテレビなどの機器へ、衛星放送の電波を送信します。

先ほども少しご説明しましたが、BS/CSアンテナは、人工衛星から送信される約12GHz帯の電波をディッシュで受け止めた後、コンバーターで右旋円偏波は1032MHzから2072MHz。左旋円偏波は2224MHzから3224MHzの周波数帯に変換してケーブルで送信します。

これは12GHz帯の高周波数の電波では、ケーブルで送信すると減衰(電波の弱まり)が非常に大きくなり、テレビ側での受信に支障が出る恐れがあるためです。

またBS/CSアンテナのコンバーターは、電子機器により電波の周波数を変換する装置であるため、電源が必要となります。戸建住宅などで屋外にBS/CSアンテナを設置する場合には、その電源は、やはり電源部を持つブースター。またはテレビ、レコーダーなどの受信機器のチューナー端子から、アンテナケーブルを逆流する形で送電しております。

なお現在のBS/110度CSアンテナは、ほぼすべてが4K8K対応型になっております。そして本体の構造はどのメーカー、モデルでも大きな差はないため、受信性能にも極端な差はございません。モデルごとの大きな特色としては、主にカラーバリエーションや高耐風モデルなどの付加機能になります。ただ受信性能に関しては、人工衛星からの電波を受け止めるディッシュ部の直径サイズで変わってまいります。

ディッシュサイズ別でのBS/CSアンテナのモデルには、ディッシュ直径をセンチ数で表した45型の他、50型、60型、75型、90型、120型などがございます。一般戸建て住宅向けのモデルは主に45型ですが、前述した、衛星放送の電波レベルが弱まる日本の北部、南端部、離島部などでは、50型から75型が使用されることもございます。大型BS/CSアンテナは降雨減衰、降雪減衰にも強くなる特性がございますが、その分、風雨などの影響も受けやすくなるため、注意が必要です。

それ以上の大型モデルは、マンションなど集合住宅向けの共同受信用として使用されます。

BS/CSアンテナやその性能の詳細、また給電方法などについては、以下の各コラム記事に解説がございます。

BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

衛星放送用BS/CSアンテナの種類と性能とは? 地デジテレビアンテナとの違い、設置工事の方法から機種の選び方まで徹底解説!

BS/CSアンテナには電源が必要? テレビから衛星放送用アンテナに電源設定を行う方法

BS/CSアンテナの設置について

パラボラアンテナであるBS/CSアンテナは、遠距離からの高周波数の電波を的確に受信できる半面、アンテナの指向性(一定の角度のみで受信性能が高まる性質)が高いという性質がございます。

そのためBS/CSアンテナは、受信する衛星放送の人工衛星が位置する角度、BS/110度CSアンテナであれば、東経110度の方向へと正確に角度調整を行う必要がございます。そしてこの角度がミリ単位で狂うだけでも、受信レベルが大きく下がってしまい、衛星放送が視聴できなくなってまいります。

そして前述のように衛星放送の電波は波長の幅が25ミリ程度と短いために、BS/CSアンテナと人工衛星との間に、建築物などはもちろん樹木や洗濯物などのささいな障害物が発生しただけでも、電波が遮断されて受信不良となるケースがございます。

そのためBS/CSアンテナの設置で、設置位置を決めるには、まず東経110度など人工衛星の方向へと正確に向けることができるのはもちろん、現状でアンテナを向ける人工衛星の方向に障害物がないだけではなく、設置した後にわたって、さまざまな形で障害物が発生する可能性がないかを考慮する必要がございます。

なお、BS/CSアンテナの設置位置については、以下のコラム記事にも解説がございます。

地デジ・衛星放送のテレビアンテナ設置で、受信性能や見栄えが最適の場所や位置は? 設置場所による工事の方法や費用も徹底解説

BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

第2章・BS/CSアンテナの室内設置における5大チェックポイント!

チェック1:BS/CSアンテナを室内に設置するメリット・デメリットとは?

上記の衛星放送、BS/CSアンテナに関する基礎知識を踏まえて、ここからはBS/CSアンテナの室内設置についてご説明してまいります。

まずはBS/CSアンテナを室内に設置することで得られるメリット、デメリットを解説いたします。こちらをご確認いただいた上で、ご自宅にてBS/CSアンテナの室内設置を行うことに、デメリットを凌ぐメリットがあるかをご判断ください。

BS/CSアンテナを室内に設置するメリット

設置が比較的、簡単で設置後の角度調整も容易

基本的にBS/CSアンテナを室内に設置する場合は、専用のスタンドの先にBS/CSアンテナを固定して、室内の窓際に立てて置き、ケーブルでテレビ機器などのチューナーと接続して、仰角(上下角)、方位角(左右角)のアンテナ角度を調整するだけになります。

正確な角度調整にやや手間がかかるという面はございますが、屋外設置のように、設置する場所にまず固定具を取り付けて固定し、そこにアンテナを設置してから角度調整を行い、固定するなどの作業が必用なく、アンテナ設置の作業は比較的、簡単なものとなります。

風雨などを避けることでアンテナ本体の劣化を抑えられる

室内にBS/CSアンテナを設置することで、風雨など自然環境の影響をほとんど受けなくなります。そのためアンテナの経年劣化が進みにくくなり、アンテナの耐用年数を伸ばして、故障などのリスクも大きく軽減できます。

アンテナ工事業者に依頼する必要がなく、設置費用も低価格になる

上記の点と少し重なりますが、BS/CSアンテナの室内設置で必要となる機材は、基本的にBS/CSアンテナ本体とアンテナを立てる専用スタンド。アンテナとテレビなどを接続するアンテナケーブル。そして設置作業に使用する工具などになります。

あとは専用のアプリでアンテナ角度を確認するためのスマートフォンやタブレットなど。また必須ではございませんが、アンテナが受信した電波レベルを直接、確認できるインジケーターがあれば作業が楽になります。

このように設置に必要となる機材が少なく、アンテナ工事の専門業者に依頼する必要もないため、設置の費用が軽減できます。

住宅を傷つける可能性がなく賃貸物件でも設置可能

BS/CSアンテナに限らず、アンテナを屋外に設置する場合には、設置工事が必要となります。

壁面に設置する場合は壁に固定具を取り付けるためのビス穴を開ける必要があり、またベランダの手すりなどに固定具を取り付ける場合も、手すり部に擦り傷やサビ跡などがついてしまうこともございます。

BS/CSアンテナの室内設置であれば、基本的にスタンドに立てたアンテナを室内に置き、ケーブルでテレビなどと接続するだけなので、事故などがない限り住宅を傷つける恐れはございません。

また賃貸物件、借家などの場合は、契約により住宅に傷をつけるような工事(アンテナ設置を含む)は禁止となっている場合が多くなります。そのような物件でも、BS/CSアンテナの室内設置であれば、基本的に室内にアンテナを置くだけなので工事には当たらず、設置が可能になります。

BS/CSアンテナを室内に設置するデメリット

アンテナ設置が可能となる条件が厳しい

この点に関して詳しくは後述いたしますが、BS/CSアンテナの室内設置には、その部屋の南西方向に窓があるという条件の他、窓の材質や形状、窓の外の障害物など、さまざまな条件が生じてまいります。

これらの条件をクリアできる部屋がない場合は、BS/CSアンテナの室内設置はできませんので、その点はご承知おきください。

窓ガラスを通すため衛星放送電波の受信感度が低くなるケースが多い

BS/CSアンテナの室内設置では、基本的に窓ガラスを通して衛星放送の電波を受信することになります。

前述のように衛星放送の電波は高周波数で波長が短いため、障害物に遮断されやすく、ガラスを通るだけでも減衰が生じます。そのためガラスの素材や窓の形式によっては衛星放送の電波が通過せず受信できない他、受信できる場合でもやや電波レベルは弱くなります。

そのため安定した受信のためには、衛星放送をご視聴になるときに、窓を開けなければならないケースもございます。

一基のBS/CSアンテナを一台のテレビなどの接続する簡単な配線しかできない

アンテナ工事業者に依頼して屋外にBS/CSアンテナを設置する場合は、BS/CSアンテナから送られた衛星放送の電波を必要なレベルまで増幅するブースター、電波を各部屋に分配する分配器などの設置を含め、住宅全体の条件を踏まえた適切な配線工事を行うため、すべての部屋のテレビで衛星放送を視聴することも可能になります。

しかしご自分でBS/CSアンテナの屋内設置を行う場合は、施工される方が知識や技術をお持ちの場合を除いて、このように複雑な配線工事を適切に行うことが難しくなります。BS/CSアンテナの室内設置では、基本的には室内に置いたBS/CSアンテナを、ケーブルで一台のテレビ、レコーダーと接続するような、簡単な設置しか行えません。

したがって衛星放送も、BS/CSアンテナを置いた部屋でしかご視聴いただけないことになります。

アンテナ本体が部屋の空間を圧迫し、角度のズレなどのトラブルが生じやすい

BS/CSアンテナの室内設置では、最小でも45センチの直径を持つBS/CSアンテナをスタンドに立て、窓際に据え置きし続けることになります。したがってその分、生活空間が圧迫され続けることになります。

また前述のようにBS/CSアンテナはミリ単位の角度のズレでも、受信に支障が生じます。そのためスタンドに立てて室内に置くだけで、固定されないBS/CSアンテナの室内設置では、室内で誤ってアンテナに触れてしまい、角度を狂わせてしまう可能性が高くなるため、注意が必要となります。

設置の失敗や受信できない場合についての保証がない

BS・CSアンテナの室内設置は、配線などがシンプルなため、配線などは比較的、簡単な作業になりますが、万が一、現場の条件が受信に適さないなどで、設置しても衛星放送が受信できないことになっても、すべて自己責任となり保障などはございません。

購入したBS/CSアンテナを流用して、アンテナ工事業者に設置を依頼することもできますが、その場合もアンテナスタンドなどの費用が無駄になる。また最初からアンテナ工事業者に、BS/CSアンテナ本体セットの設置工事を依頼する場合に比べて、設置費用が割高になるケースも考えられます。

BS/CSアンテナの室内設置に関しては、あらかじめ設置できる条件と、自宅の室内がその条件に該当するかをしっかりと確認して、室内への設置か可能かどうかを判断する必要がございます。少しでも不安がある場合は、アンテナ工事の専門業者に依頼し、現場の電波調査なども含めて、適切なBS/CSアンテナ設置をお任せになるほうがよろしいでしょう。

 

チェック2:BS/CSアンテナを室内に設置できる条件とは?

ここでは、実際にBS/CSアンテナの室内設置を行うことができる部屋の条件について解説いたします。

以下の3点の条件に該当する部屋がご自宅にない場合は、BS/CSアンテナの室内設置は難しくなりますので何卒ご注意ください。

1:東経110度(南西方向)に向いた窓がある

前述の通りBS/110度CSアンテナは、基本的に衛星放送用の人工衛星がある東経110度の方向へと正確に向ける必要がございます。

したがってBS/CSアンテナを設置する部屋の中に、スタンドに立てたBS/CSアンテナを窓際に置き、ガラス面のみを通して、アンテナを東経110度の方向に向けることができる窓があることが大前提となります。

該当する窓を見分ける目安は、特に3月の春分の日、9月の秋分の日の午後2時頃に、日光の当たる窓という点です。窓に日の光が当たるということは、人工衛星からの電波を遮断する障害物がないということでもあります。

2:その窓のガラスがペアガラス(複層ガラス)や網入りガラス、二重窓など電波を遮断するものではない

BS/CSアンテナを設置する窓の素材、形状も重要です。BS/CSアンテナを置く窓際の窓ガラスは、透明性が高い一般的なフロートガラスが望ましいといえます。フロートガラスであれば、衛星放送の電波を通しても減衰量が低く、受信に支障をきたさないことが多くなります。

逆にフロストガラス(乳白色のガラス)や透明性の低い模様入りガラス。また断熱性の高い複層ガラス。鋼入りや金属素材を交えたガラス。二重窓やアンテナにかぶさる窓枠がある場合などは、電波を通しにくくなるため、窓際にBS/CSアンテナを置くことは難しくなります。

基本的に電波とは、光を含む「電磁波」の一種であり、周波数の高い電波ほど光の性質に近くなります。そのため外部からの光をそのまま通しやすい窓であれば、衛星放送の電波も通しやすいといえます。

そして窓の素材や形状が電波を通しにくい場合は、BS/CSアンテナの室内設置について、視聴する際に窓を開ける必要が出てまいります。またガラスそのものは衛星放送の電波を通しやすいものでも、窓にカーテンやブラインドがかかっていると、やはり電波が遮断されてしまうため、衛星放送のご視聴の際にはカーテン、ブラインドなどを開く必要がございます。

3:窓の外の南西方向に樹木や建造物などの障害物がない

BS/CSアンテナを室内設置する部屋の窓そのものに、衛星放送の受信に関する問題はなくとも、窓の外に障害物などが存在することで、衛星放送の受信が難しくなることがございます。

これはBS/CSアンテナを室外に設置する場合もまったく同じ話になりますが、衛星放送の電波は波長が25ミリ程度と短いため、人工衛星から地上に設置されたBS/CSアンテナに届くまでの途中で、わずかでも障害物にぶつかると、電波が遮断されやすく、アンテナ側での受信ができなくなります。特に衛星放送の場合、この障害物は高層建築物や山地などに限らず、例えば樹木や生い茂った葉、電柱、また洗濯物などでも電波を妨げる要因になってしまいます。

そのためBS/CSアンテナの設置では、現状でアンテナを向ける方向に障害物がないだけでなく、将来にわたって障害物が発生する可能性が少ないかを考慮する必要が生じます。

なおBS/CSアンテナの前方にある障害物については、アンテナのある位置を起点とした障害物の高さに対し、BS/CSアンテナと障害物との間に1.5倍以上の距離があれば、影響は生じません。例えば東経110度の方向にアンテナより10メートル高い建物が存在しても、アンテナと建物との距離が15メートル以上、離れていれば、受信に関して影響を受けることはなくなります。

 

チェック3:BS/CSアンテナを室内に設置する場合の準備や用意する機材は?

ここでは、BS/CSアンテナの室内設置について、必須となる機材や、あればアンテナ設置が簡単になる機器についてご説明いたします。

以下の項目を参考に、ご自宅の条件に合わせた機材、機器などをあらかじめご用意ください。

BS/CSアンテナ本体

衛星放送を受信するBS/CSアンテナ本体です。基本的には45型のBS/110度CSアンテナになります。

現在、市販のBS/CSアンテナは、ほぼすべてが4K8K対応型であり、価格は45型で7,000円程度からになります。ただリサイクルショップ、ネットオークションなどで入手される場合は、旧式の2K対応型BS/CSアンテナである可能性もございますのでご注意ください。

なおBS/CSアンテナには、屋外用の設置具などとセットで割安の製品もございますが、室内設置の場合はこのような器具を使用せず、器具の価格分が無駄となりますので、アンテナ本体のみの製品をお選びください。

また50型などやや大型のモデルであれば受信性能も高くなりますが、その分、室内でスペースを取ってしまい、アンテナの大きさに対応できる窓が必要になる。さらには後述するアンテナスタンドに対応しない場合もございますので注意が必要です。

なお、東経124度128度CS放送の「スカパー!プレミアムサービス」をご視聴になる場合には、プレミアムサービス専用アンテナ。またはBS、110度CSも受信可能なマルチアンテナを選択することになりますが、受信する人工衛星の方向が多くなるほど、アンテナ角度の調整がシビアになるため、室内設置の場合は避けた方が無難といえます。

BS/CSアンテナスタンド

マストに設置したBS/CSアンテナを立てるための室内用スタンドです。こちらもさまざまな製品がございますが、設置するBS/CSアンテナに対応するマスト径や、設置する室内に適したサイズ(高さ)のものを選択する必要がございます。

またBS/CSアンテナ本体と適合するスタンド、ケーブルなどがセットになった「室内設置セット」と呼べる製品もございますので、そのような品を購入されるのもよろしいでしょう。

アンテナケーブル

BS/CSアンテナとテレビなどの機器を接続するアンテナケーブル(同軸ケーブル)です。

4K8K対応型のケーブルであれば、基本的にどのようなモデルのBS/CSアンテナにも対応できます。またケーブルの長さについては極端に長い場合、衛星放送の電波が減衰する原因になりますので、まずアンテナとテレビと間の配線を想定して距離を測り、適度な余裕ができる程度の長さをおすすめいたします。

工具(ドライバー、スパナ、レンチなど)

BS/CSアンテナとスタンドを接続する作業や、ケーブルの接続などに使用する工具です。

基本的にはご家庭にあるもので十分です。またアンテナ本体やスタンドなどの製品には必要な工具が明記されているものや、工具が付属しているものもございますので、まず製品説明などを確認しておくことがおすすめといえます。

BS放送の方向確認アプリをダウンロードしたスマートフォンなど

インターネット上には、国内の大手アンテナメーカーである「日本アンテナ」さんが提供するスマートフォンアプリ「BSコンパス」をはじめ、BS/CSアンテナを設置する際に、その現場ごとの人工衛星の正確な方向を確認できるアプリやサイトがございます。

お手持ちのスマートフォンなどの端末にこのようなアプリなどをダウンロードしておき、確認しながら作業を行うことで、BS/CSアンテナ設置がスムーズに行えます。

衛星放送用インジケーター(必須ではない)

設置したBS/CSアンテナの受信感度をより正確に確認する方法として、衛星放送用のインジケーターを使用する方法がございます。

BS/CSアンテナのケーブルに接続して目盛りを視認することで、一目で手早く受信感度を確認できるため、アンテナの角度調整時には、非常に便利な機器となります。

BS/CSアンテナの角度調整については、上記のアプリの利用や、テレビ側のアンテナレベル画面でも受信レベルを確認できるため、必須と言うほどの機器ではございません。ただBS/CSアンテナの室内設置では角度のズレが生じやすく、価格も1,000円台からになりますので、設置後の角度調整のためにも、購入しておいても損はない品といえます。

 

チェック4:BS/CSアンテナを室内に設置する手順は?

ここからは、実際にBS/CSアンテナの室内設置を行うにあたっての手順を、順を追ってご説明してゆきます。

・0:BS/CSアンテナが設置できる条件を確認して、天気の良い日を選んで作業を行う。

まず作業の前段階として、あらためて部屋の窓の位置や大きさ、ガラスの素材。またアンテナを向ける東経110度の方向に障害物がないかを確認しておいてください。

東経110度は、日本国内でもエリアによって微妙に角度が異なりますが、前述した「BSコンパス」のアプリを使用すれば、エリアごとの正確な角度を割り出すことができ、障害物の確認も簡単になります。BS/CSアンテナを置く場所や配線の流れなども、邪魔にならない場所をあらかじめ決めておき、作業の時点でその場所に配置することにより、無駄なく進めることができます。

また雨や雪などの日では、前述した降雨減衰、降雪減衰により、衛星放送の電波が弱まって十分に受信できないことが多くなり、BS/CSアンテナ角度の調整などが難しくなります。室内に限らずBS/CSアンテナの設置は、十分な衛星放送の受信が可能となる好天の日に行うことが基本です。

・1:アンテナスタンドとBS/CSアンテナを組み立てる。

まず用意したBS/CSアンテナ、およびアンテナスタンドを組み立てます。

BS/CSアンテナ本体は、モデルにもよりますが、最初にディッシュ部とアーム部、コンバーター部を組み立てて、ボルトなどで固定します、そしてコンバーター部にケーブルを接続し、防水キャップをかぶせることで完成します。

アンテナスタンドも、商品によっては土台と支柱を、ねじ込み式やネジによる固定などで組み立てる必要がございます。

アンテナ本体、スタンドのどちらも、まずは付属のマニュアルなどをよく読んで、正しい方法で組み立ててください。

・2:BS/CSアンテナとアンテナスタンドを仮固定する。

まずアンテナスタンドを、BS/CSアンテナを置く窓際の位置に立てます。そしてBS/CSアンテナをスタンドの先に仮固定します。

スタンドにBS/CSアンテナを設置する方法はさまざまですが、主にマストの先端に、アンテナ背面の固定具を締め込む形で設置することになります。特にアンテナ角度の仰角(上下の角度)については、ボルトをややゆるめに締めることで、微調整できるようにしておきます。

・3:仰角(上下角)を調整する。

まずはBS/CSアンテナの上下角(仰角)を調整します。ここでは前述した「BSコンパス」などのアプリを使用して、地域ごとの正確な角度を確認すると調整が簡単になります。またBS/CSアンテナのモデルによっては、上下角の調整部分に、エリアごとの角度を示した目盛りがついていることもございますので、それを参考に調整してもいいでしょう。

いずれにせよ後ほどまた微調整が必要となりますので、この時点でも角度を調整しやすい仮固定にとどめておいてください。

・4:BS/CSアンテナのケーブルとテレビを接続する。

BS/CSアンテナのコンバーターから延びるアンテナケーブルを、テレビ、レコーダーなどのBS/CSチューナー端子と接続します。

ケーブルの接続に関しては、アンテナ本体やテレビ機器などのマニュアルを確認して、正確かつ丁寧に行ってください。

またこの時点で、最終的なケーブルの配線や整理を考えた接続を行っておくと、のちのちの仕上げが楽になります。

・5:テレビ側でBS/CSアンテナの電源設定を行い、アンテナレベルの確認画面に合わせる。

BS/CSアンテナと接続したテレビ、レコーダーの電源を入れ、設定画面から、BS/CSアンテナへの電源供給を「ON」に設定します。これでテレビなどの機器からアンテナのコンバーターへと給電が行われ、衛星放送の電波が受信できるようになります。

次にやはりテレビ側の設定画面から、BS/CSの「アンテナレベル」表示画面を選択してください。メーカーによって表示は異なりますが、テレビ画面に、インジケーターや数値などで、BS/CSアンテナからテレビ側に届く衛星放送の電波レベルが表示されます。

この電源設定やアンテナレベル画面の表示方法。また表示の基準などは、テレビなど機器のメーカーやモデルによって異なります。本体付属のマニュアルやメーカーの公式サイトを確認して、正しい表示方法や読み取り方を確認しておいてください。

・6:テレビのアンテナレベル(またはインジケーター)を確認しつつBS/CSアンテナの左右角(方位角)を調整する。

やはり「BSコンパス」や、インターネットで確認できるエリアごとの東経110度の位置を確認して、BS/CSアンテナの左右の角度(方位角)を少しずつ調整して、テレビ側のアンテナレベルを確認し、もっとも高いレベルとなる角度を確認してください。

BS/CSアンテナの角度調整は非常にシビアで、ミリ単位のズレで、アンテナレベルが0近くになってしまうこともございます。

またテレビ側のアンテナレベル表示は、BS/CSアンテナの角度を1度ずらして、その角度のアンテナレベルが反映されるまでに5秒程度かかります。そのため、アンテナ角度をわずかに調整するたびに、数秒間待ってテレビ側のアンテナレベルを確認するといった、非常に根気のいる作業となる点をご理解しておいてください。

方位角でアンテナレベルがもっとも高くなる角度を特定できたら、次にあらためて仰角を微調整して、やはりアンテナレベルが最大になる角度を確認してください。こうして方位角、仰角ともに受信感度が最高となる角度を特定できたら、角度調整部のボルトをしっかり締め込んで、アンテナを完全に固定すれば作業は完了です。

また角度調整の際には、前述したインジケーターをアンテナとテレビなど機器の間のケーブルに接続しておくと、テレビ側のアンテナレベルよりも素早く受信レベルが反映されるため、作業が簡単になります。

ポータブルBS/CSアンテナは室内用アンテナにもなる?

基本的に住宅設置用のBS/CSアンテナはパラボラアンテナの一種類のみですが、アウトドア用として、やや小型でフラットな箱型のポータブルBS/CSアンテナも存在します。

このようなモデルを室内用BS/CSアンテナに用いることも不可能ではございません。ただアウトドア利用が前提の機器であるため、室内への設置で衛星放送を受信できる条件は、通常のBS/CSアンテナとまったく同じになります。

メリットは設置場所を取らない点ですが、一方、受信性能は通常のパラボラアンテナよりやや低くなり、右旋円偏波しか受信できない機器も多く、価格も40,000円から50,000円程度と高価になります。

総じてこのようなモデルを室内で使用しても、必ずしも安定して衛星放送を受信できるとは限りません。アウトドア用が主な用途として、ご自宅でも簡易的に使用する場合はともかく、住宅専用のアンテナとしてはおすすめいたしかねます。

 

チェック5:BS/CSアンテナを室内に設置しても衛星放送を受信できない場合のチェックポイント

もしBS/CSアンテナの室内設置を行っても、十分な衛星放送の受信レベルにいたらない場合は、まず上記した室内設置やその作業に必要となる条件「設置している際の天気は悪くないか」「BS/CSアンテナを向けた先に障害物はないか?」「窓の形状やガラスの種類は電波を通すものか?」といった点を、あらためて確認してください。

特に窓ガラスは一見、一般的な透明ガラスでも、電波を通しにくい素材が使用されている可能性もございます。天候や障害物などの問題がなければ、窓を開け放った状態で再度、受信状態を確認してください。

これらの環境に問題がなければ、アンテナケーブルの接続を確認し直す。あらためて角度調整を行うなどを試みてください。特にケーブルに関しては、衛星放送や4K8K放送に対応して一定の品質と太さを持つ、ケーブルに記された記号が「S-4C-FB」以上のものを選んでください。またケーブルの細さに対して長さが過剰であると、ケーブルの途中で電波が減衰することもございます。ケーブルは適切な品質のものを、適切な長さで配線する必要がございます。

これらの対処を行っても受信レベルが低いままの場合は、テレビなどの機器に挿入されたB-CASカードにトラブルが生じている。または、そもそもBS/CSアンテナに届く衛星放送の電波レベルが低いことが考えられます。

この場合には、B-CASカードの接触不良やカード自体の故障などがないかを確認する。また受信できる電波レベルが低い場合は、室内用ブースターを設置することで電波レベルを増幅できることもございます。

衛星放送、4K8K放送に対応するアンテナケーブルの見分け方や、B-CASカード、ブースターについては、以下の各コラム記事で詳しく解説しております。

テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!

「B-CASカード」の基礎知識とテレビ画面のトラブル

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?

 

まとめ

BS/CSアンテナの室内設置をお考えの場合、事前にご自宅で可能であるか、また設置するメリットはあるか。そして設置の準備と実際の作業。設置後の問題についてチェックすべき主なポイントは、以上の通りになります。

他にもBS/CSアンテナの室内設置、また設置に関する全般的な基礎知識については、以下の各コラム記事でもご説明しております。

BS/CSアンテナ(衛星放送用)を室内に設置する方法

衛星放送用BSアンテナ設置工事と基礎知識。自分で設置する方法とは? CS放送とは?

BS/110度CSアンテナで安定して衛星放送を受信できる設置の場所とアンテナの向きや角度を正確に調整する方法

 

もしご自宅の条件でBS/CSアンテナの室内設置が難しい、もしくは室内に設置できるか判断できない、ご自分で正確に作業を行う自信がない、などのことでお悩みの場合には、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)かメールフォームLINEアカウントまで、お気軽にお問い合わせください。

当あさひアンテナでは、現場に出張しての電波調査お見積もりを、出張料やキャンセル料などの各種費用を含めて、すべて「0円」の完全無料で実施しております。そしてBS/CSアンテナの室内設置も含めて、現場の条件が許す限り、お客様のご要望に沿ったアンテナ工事を、高品質な施工と業界最安に挑む工事価格でご提案いたします。

一例として、一般戸建て住宅にBS/CSアンテナを設置する基本工事であれば、国産有名メーカーの最新鋭2K4K8K対応型BS/CSアンテナ本体に設置具などの基本部材、防水加工をセットにして、15,000円(税込み)からの価格で施工いたしております。

さらにアンテナ本体も、BS/CSアンテナであれば集合住宅用の共同受信モデルを含む各種ディッシュサイズ。カラーバリエーションや高耐風モデル「BC453SG」など、多彩なモデルをご用意しております。

もちろん地デジアンテナ各モデルとセットのアンテナ設置をはじめ、アンテナ設置に必要な各種工事にもご対応、工事の完了後には、業界最長クラスである、工事完了日から「10年保証」もご用意しております。

BS/CSアンテナ設置をはじめ、各種テレビアンテナ工事のご相談は、まずは当あさひアンテナにお寄せいただければ幸いに存じます。

 

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。