地デジやBSのアンテナレベル低下の原因とは? テレビでの受信レベル確認や工事で改善する方法を解説

2023年01月24日

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フリーダイヤルに連絡きたら日程を伝えてください。地デジやBS放送、CS放送のテレビアンテナが受信する電波の強度を示すアンテナレベルとは? メーカー別のアンテナレベル確認方法から、アンテナレベルが下がる原因の説明。テレビ画面にエラーが出て視聴できない場合に、ブースターを設置してアンテナレベルを上げる対処法など、ご自分でもできる方法を紹介する記事です。

2023年(令和5年)現在でも、地上波デジタル放送(地デジ)や、BS、CSの衛星放送を視聴する方法としては、テレビアンテナの設置により、地デジ、BS/CSの電波を受信することが主流となっております。アンテナ設置であれば地デジ放送、BS放送の広域民放チャンネルが無料でご視聴になれる他、衛星放送ではさまざまな種類の有料チャンネルをお好みでご選択いただけます。

ただ、アンテナによるテレビ放送のご視聴では、さまざまな要因で、テレビ電波の受信不良が発生することもございます。
このとき受信状態を確認する重要な指標が、テレビ、レコーダーなど機器側の「アンテナレベル」になります。
当コラムでは、この「アンテナレベル」とはそもそもどういうものか。地デジ、衛星放送それぞれの確認方法から、アンテナレベルが低下する要因と、その対処法についてご説明してまいります。

テレビ電波(地デジ、衛星放送)の基礎知識

テレビ放送のアンテナレベルについてご理解いただくためには、まずは各戸建て住宅に設置された地デジ、衛星放送のテレビアンテナが、どのようにテレビ放送の電波を受信し、住宅内のテレビなど受信機器に届いているかの知識が必要となります。
そのため、まずは地デジ放送(地上デジタル放送)および、衛星放送(BS放送、CS放送)のテレビ電波の仕組みについて解説いたします。

地デジ放送の電波の仕組み

地デジ放送では、東京都墨田区にそびえ立つ東京スカイツリーをはじめ、日本各地の要所に設置された中継局(電波塔)から、UHF(極超短波)帯のうち470MHz(メガヘルツ)から710MHzの周波数にあたる地デジ電波を周辺の一帯に送信しております。

受信エリア内の戸建て住宅など建築物に地デジアンテナを設置し、この地デジ電波を受信することで、住宅内のテレビなど受信機器にて地デジ放送が視聴できます。

日本国内においては、地デジ電波はほとんどの地域で視聴できます。ただ日本国内の各地域において、中継局からの距離や地形の影響などにより、受信できる地デジ電波のレベルは違ってまいります。
この受信できる地デジ電波のレベルごとに、地域を分類したものが「電界地域」であり「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」に分類されます。また中継局からの距離がかなり遠い。電波が届きにくい山間部などで、地デジ電波が障害物の関係で伝送されず、ほとんど受信できない地域もあり、このような地域は「難視聴地域」と呼ばれます。地デジアンテナレベルが基準値に達しないエリアです。
電界地域には特に正式な定義はございません。ただ一般的には、電波レベルを示す「㏈(デシベル)」の単位で、受信できる地デジの電波レベルが「80㏈」のエリアが強電界地域。「80㏈から60㏈」のエリアが中電界地域。「60㏈」以下のエリアが弱電界地域といわれます。
なお地デジの電波レベルは、電界地域とは別に、一年を通した気候の近いなどよより「6㏈」程度の変動が出る他、悪天候時にはやや低下することもございます。

強電界地域ではおおむね地デジ電波が受信しやすく、どのような地デジアンテナ機種、設置方法でも安定して地デジ放送を視聴できます。ただ徐々に地デジ電波が弱まる中電界地域、弱電界地域にいたるほど、、地デジアンテナの機種や設置位置に制約が多くなり、地デジ放送の映りが悪くなるなど、受信状態が不安定になりがちです。
弱電界地域などで地デジのテレビ放送を安定して視聴できない場合は、テレビアンテナが受信した電波を増幅する装置「ブースター」を設置することで、受信状態を安定させることが可能です。
また電界地域とは大まかな目安にすぎず、個々の現場レベルでは、例えば強電界地域であっても、周辺に高層建築物がある、また地形の影響などで局地的に地デジの電波状態が悪化することもございますので、注意が必要となります。

地デジ電波の概要や電界地域については、以下のコラム記事にも詳細がございます。
地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは

衛星放送の電波の仕組み

衛星放送とは、地球上からの上空およそ36,000キロの周回軌道上に位置し、地球の自転に合わせて周回するため、地球上からは空の一点に静止して見える人工衛星(静止衛星)から地上に向けて放送電波を送信する形式のテレビ放送です。
衛星放送は、人工衛星からテレビ電波を送信するため、地上の建築物や地形、災害などに影響を受けず、広範囲にむけて効率的に電波を送信できるという特徴がございます。
日本の衛星放送には、BS放送とCS放送の2種類があり、これらをまとめてBS/CS放送と呼ぶのが一般的です。
基本的に日本国内であれば、BS放送、CS放送とも、どの地域でもBS/CSアンテナの設置により受信できます。ただ日本国内でも衛星からの距離が遠くなる北部や南端部、離島部などでは、やや電波レベルが弱くなるため、受信性能が高い大型のBS/CSアンテナが必要となるケースもございます。

BS放送は東経110度に位置する「放送衛星」を用いた衛星放送です。元よりテレビなど放送のために使用される人工衛星であり、NHKや地上波の民放局によるBSチャンネルなどが無料で(NHK受信料を除いて)視聴できる他、月額料金で視聴できる「WOWOW」「スターチャンネル:などの有料チャンネルも存在します。
CS放送「通信衛星」を使用した衛星放送です。通信衛星は元来、一般の世帯向けではなく、企業や事業者を対象に利用される通信用の人工衛星でしたが、放送法の改正により、一般住宅でもアンテナの設置により受信できるようになりました。
日本のCS放送では、BS放送と同じく、東経110度に位置する人工衛星が使われておりますが、他に東経124度、128度に位置する人工衛星を使ったサービスも存在します。CS放送のチャンネルは大半が有料チャンネルであり、細分化されたさまざまな専門的チャンネルを、お好みにより選択して契約することで視聴できます。

BS放送、CS放送は、東経110度に位置する人工衛星からの放送であれば、一基のBS/CSアンテナ(BS/110度CSアンテナ)を設置することで、双方とも受信可能です。ただ東経124度、128度に位置する人工衛星のCS放送を受信するためには、別個の専用アンテナ、また東経110度を含めすべての衛星からの電波を受信できるマルチアンテナの設置が必要となります。

また、2018年(平成30年)12月1日からは「新4K8K衛星放送」もはじまっております。
新4K8K衛星放送とは、従来のBS放送、CS放送に、新しく4K放送、8K放送のチャンネルが追加されたもので、有料チャンネルの視聴料を除けば、特に別途の料金などは必要ございません。
従来のBS放送、CS放送は、地デジ放送と同じく2Kのフルハイビジョン(FHD)放送ですが、4K放送は2Kの4倍、8K放送は4Kのさらに4倍にあたる画素数と、色彩や色調、動画の細かさや音質も飛躍的に向上した、よりリアルで精細な映像と動画を視聴できます。
ただ従来の衛星放送が、右旋円偏波と呼ばれる電波による「右旋放送」を行っていたのに対し、新4K8K衛星放送では右旋の周波数帯が不足したため、BSのNHK、広域民放の4Kチャンネルを除く、多くのチャンネルで新しく左旋円偏波による「左旋放送」を行っています。

そのため新4K8K衛星放送のすべてのチャンネルを視聴するためには、4K、8Kテレビをはじめ、4K8K対応型のBS/CSアンテナ。またブースター、分配器などの機器も、左旋電波の周波数である「3442MHz(4K8K対応型)」が必要となります。

上記の衛星放送の詳細については、以下のコラム記事でもご説明しております。

衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

「新4K8K衛星放送」ご視聴に必要な機器・完全チェック解説! テレビで全4K8Kチャンネルを見るための機材とは?

「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

地デジ、衛星放送のアンテナレベルとは何か?

さて、本題である「アンテナレベル」とは、住宅内に設置され、アンテナコンセントを通じてテレビアンテナと接続された、テレビ、レコーダーなど受信機器に届いている地デジ、衛星放送の電波レベルを示す数値のことです。
アンテナに接続したテレビなどの機器で、テレビ放送を安定してご視聴いただくには、一定以上のアンテナレベルが必要となります。このアンテナレベルの基準値より低くなると、テレビ映像にノイズが入る、映らなくなるなど、テレビ放送の映りに問題が生じます。
特にアンテナレベルがゼロになると、テレビ側に電波がまったく届いていないため、テレビ放送の視聴は不可能となります。アンテナレベルが低下するケースには、すべてのチャンネルの映りが悪くなるケースと、一部のチャンネルのみ映りが悪くなるケースがございます。
なおアンテナレベルの基準値は、テレビなど機器のメーカーやモデル、製造年式などによって表示方法や基準が異なってまいります。
また、アンテナレベルは高ければよいというものでもありません。特に地デジ放送で、アンテナレベルが高すぎる場合にも画面の乱れなどの受信不良が起こることがございます。

アンテナレベルの確認方法

各テレビやレコーダーのアンテナレベルは、特に専門知識がなくとも、テレビとリモコンを使えば確認可能です。
詳しい方法は、やはり機器のメーカーやモデル、年式によって異なるものの、一般的にはリモコンを使って、テレビなど機器のメニュー画面から設定画面を表示し、アンテナや受信強度などをの設定を選択していくことで確認できます。
現在のテレビ機器の多くでは「受信設定」「アンテナ設定」などのメニュー名で選択できる他、選択する項目の説明文なども表示されることが多いため、比較的、簡単に操作が可能です。
詳しい操作方法がわからない場合は、機器に付属するマニュアルや、メーカーの公式サイトなどでご確認ください。

アンテナレベルが低下する原因:アンテナトラブル

ここからは、アンテナレベルが低下してしまう原因とその対処法について解説してまいります。
アンテナレベルが低下する原因のひとつに、アンテナトラブルが考えられます。地デジ、衛星放送では受信に使用するアンテナが別個であるため、トラブルの原因などが同じとは限りません。
ここでは、故障や不具合などのアンテナトラブルによるアンテナレベルの低下について、地デジと衛星放送で別個にご説明いたします。

地デジ放送のアンテナトラブル

地デジ放送用の地デジアンテナの場合、アンテナそのものの破損や故障。またアンテナ本体の角度が、地デジ電波の方向からずれることによってアンテナレベルが下がるケースがございます。
現在、戸建て住宅に設置される地デジアンテナには主に、屋根の上に設置される魚の骨のような形をした古典的モデルの八木式アンテナ
薄型パネルのような形状で、住宅の壁面やベランダなどに設置されるデザインアンテナ。マスト(支柱)の先にほぼ円筒形のコンパクトなアンテナ本体を設置したユニコーンアンテナの3種類に分かれています。
八木式アンテナは「素子(エレメント)」数が多い高性能機種も豊富で、主に屋根の上に設置されることから障害物の影響を受けにくく、地デジアンテナの中ではもっとも高い受信性能を誇ります。半面、その形状や設置位置から風雨、積雪など自然環境の影響を受けやすく、老朽化の進行や、風雨や雪、また鳥が留まるなどの影響によるアンテナ角度のズレが生じやすくなります。
デザインアンテナ、ユニコーンアンテナは、その形状や設置位置などから、風雨などの影響に強く、アンテナの経年劣化が進行しにくいため、ズレなどのトラブルも生じにくくなります。
なお、地デジアンテナの各モデルについては、以下のコラム記事をご参照ください。
地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

衛星放送のアンテナトラブル

衛星放送用のBS/CSアンテナでアンテナレベルが低下する場合も、地デジアンテナと同様、アンテナの破損や故障、角度のずれが原因となることがほとんどです。
現在のBS放送、および110度CS放送を受信するためのBS/CSアンテナは、皿のようなディッシュ部と、アームで支えられてその中央で、ディッシュに反射した電波を集めるコンバーターで構成されています。
このBS/CSアンテナは、衛星放送から直進的に送信される高周波の電波を受信するため、指向性が極めて高く、人工衛星が位置する東経110度(南西から南南西)へと正確に向ける必要がございます。そしてミリ単位のズレでも、受信感度(アンテナレベル)が大きく低下し、衛星放送の視聴が困難になることもございます。
またBS/CSアンテナはディッシュ部が風を受けやすい形状であり、風雨などに影響されやすい点も、アンテナ角度のズレが生じやすい要因になっております。
衛星放送用BS/CSアンテナについては、以下のコラム記事もご参照ください。
BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識

アンテナレベルが低下する原因:アンテナ配線や機器のトラブル

地デジ、BS/CSアンテナ本体のトラブルの他にも、アンテナからテレビなど受信機器までの接続する配線や、中継機器にトラブルや劣化が発生し、テレビ側に十分なレベルの電波が届かないことで、アンテナレベルの低下を引き起こすケースも考えられます。
以下、考えられる主な配線、機器のトラブルについて解説してゆきます。

配線・機器の寿命

配線・機器トラブルの原因のひとつとして、配線や機器の寿命が挙げられます。耐用年数を過ぎるとケーブルや機器の端子に劣化、故障などが生じる可能性が高まります。
以下、アンテナ配線に設置される主な機器とその役割、耐用年数の目安などを解説してゆきます。

・混合器

地デジのBS/CSのアンテナを設置している場合、双方のケーブルから送られるそれぞれのテレビ電波を一本のケーブルにまとめる装置です。混合器の使用により、アンテナ配線をシンプルにでき、トラブルの可能性や設置のコストを抑えることができます。
この混合器も長期使用による劣化により電波を的確に混合することができなくなり、アンテナレベルの低下につながることがございます。混合器の寿命はおおむね10年程度と言われておりますが、アンテナの近くで屋外に設置されることが多いため、やや短くなることもございます。

・ブースター

アンテナが受信したテレビ電波を必要なレベルまで増幅する装置です。主に受信できる地デジ、BS/CSの電波が弱いエリアで使用されますが、現在では多くの住宅で複数台のテレビが設置されるため、各テレビで十分な電波レベル(アンテナレベル)を確保するために設置はほぼ必須になっております。
ノイズを避けるため、主な設置位置はアンテナの真下、屋根裏などのアンテナに近い位置となります。また電源が必要な機器であるため、一般的な寿命は10年程度ですが、設置位置(屋外か屋根裏空間)によっても寿命はやや変化します。このブースターの故障でも、電波レベルの増幅が行われなくなるため、アンテナレベルの低下につながります。

・分配器

ブースターから送られるテレビ電波のケーブルを接続し、複数の出力端子からそれぞれのケーブルへと電波を分配し、屋内の各アンテナコンセントへと送信する装置です。個々の分配先での電波レベルは、元の電波レベルを分配数で割る形になって低くなります。
分配器の寿命も10年程度で、経年劣化によって一部、またはすべての分配先のアンテナレベルが低下することがございます。

・分波器

混合器で一本のケーブルにまとめられた地デジとBS/CSの電波を、再度、二本のケーブルに分け、テレビ側の地デジ、BS/CSのチューナー端子に接続する装置です。寿命は10年程度ですが、主に屋内で使用されるため、やや長くなることも多くなりマシ。
この分波器の経年劣化でトラブルが書y汁と、二種類の電波を分離する性能が低下し、どちらか一方のアンテナレベルが低下するケースがございます。

・同軸ケーブル(アンテナケーブル)

各機器同士を接続するアンテナケーブルのことです。その寿命はケーブルの太さや素材、品質によっても変化しますが、おおむね15年から20年程度と考えられております。テレビ電波がアンテナケーブルを流れる際に、徐々に電波レベルの弱まり(減衰)が起こりますが、劣化したケーブルではこの減衰量が多くなり、アンテナレベルの低下につながります。

これら機器についての詳細は、以下のコラム記事もご参照ください。

テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)
ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
テレビ放送や機器に合わせたアンテナケーブル(同軸ケーブル)の種類と選び方、徹底解説!

その他、配線や機器のトラブル例

配線や機器の寿命以外にも、各種のトラブルによってアンテナレベルの低下を引き起こすことがございます。
その具体例は以下の通りです。

・ケーブルの接続不良や断線。

アンテナから各種機器を経てテレビ、レコーダーにいたるアンテナケーブルの接続部がゆるんでいる、また汚れなどがたまることで接触不良が生じ、アンテナレベルが下がるケースもございます。またケーブルの接続などには問題がなくとも、ケーブルが内部で断線している場合もあり、やはりアンテナレベル低下の原因となります。

・分配数の増加。

前述のように、分配器を通すと、電波レベルは、元のレベルから分配数により数分の一へと等分にレベルが下がります。そのため、アンテナコンセントから分配器などを使い、テレビやレコーダーなどに機器に電波を送ると、個々の送信先で元の電波レベルから半減してしまうため、十分なアンテナレベルに届かなくなることもございます。
そのため、分配器の先に分配器を接続するような「カスケード接続」はできるだけ避ける必要がございます。

アンテナレベルが低下する原因:アンテナとテレビとの距離が遠い

前述のように、テレビアンテナからテレビなど受信機器に至るまでの距離が遠い場合も、ケーブルの長さや各機器の接続部などで徐々に電波の減衰が起こり、テレビ側の届いた頃にはアンテナレベルが低下することもあります。
一例として、部屋の模様替えなどで、テレビをアンテナから離れた部屋に移動した後、そのテレビのアンテナレベルが低下した場合は、アンテナから距離が離れたことが原因とも考えられます。また引っ越し後に設置したテレビなどでアンテナレベルの低下が生じた場合も、アンテナとテレビとの距離が前の住居よりも遠いことが原因となっている可能性がございます。

アンテナレベルが低下する原因:周辺の電波状態が弱い

地デジの弱電界地域、衛星放送の電波レベルが低くなる日本国内の北部などでは、そもそもアンテナで受信できる電波のレベルが低いため、アンテナ本体や機器などには特に問題がなくとも、アンテナレベルが低下します。
例えば、地デジの弱電界地域であれば、もともと受信できる地デジ電波レベルが低いため、普段は地デジ放送を正常に視聴できていたとしても、必要なアンテナレベルにギリギリ届くレベルであるため、一年を通した気候による電波レベルの変動や、豪雨や雷など、悪天候時の電波レベル低下によって、アンテナレベルが低下して地デジ放送の画面が乱れることもございます。

また衛星放送では、地域による電波レベルの低下の他、波長の短い高周波の電波を使用していることから、雨や雪などの際には、電波が雨粒や雪に吸収されて、電波レベルの低下や乱反射が起こって、BS/CSアンテナで十分なレベルの電波が受信できなくなることがございます。
これを「降雨減衰」「降雪減衰」と呼びます。雨や雪による減衰は、天候の回復を待つことで解消される他、ディッシュ部が50型、60型など大型のBS/CSアンテナを使用することも対策になります。ただ大型のBS/CSアンテナは風雨に影響されやすくなり、アンテナ角度のズレなどのトラブルも生じやすくなる問題もございます。

アンテナレベルが低下する原因:アンテナ設置現場の周辺に障害物などが存在する

テレビアンテナを設置した住宅の周辺に、マンションなどの高層建築物や山地、高い樹木といった障害物が存在すると、テレビ電波が遮断されてしまい、アンテナレベルの低下が起こることがございます。
アンテナを設置した時点では障害物は存在せず、良好にテレビ電波を受信できる状態でも、その後、電波の通り道に高層マンションなどが建築されたなどの場合は、急に電波状態が悪化してしまうこともございます。
地デジ電波では、電波が建物に反射するといった性質もあるため、中継局から直接、届く電波ではなく、この「反射波」を受信するケースもございます。ただこの場合、電波を反射させていた建物が取り壊されるなどにより、それまで届いていた電波が届かなくなることもございます。

またBS/CSの電波は、人工衛星から送信されており直進性が強いため、人工衛星へと正確に向けられたBS/CSアンテナへ届くまでの間に障害物が発生すると、電波が遮断されてほとんど受信できなくなります。衛星放送の場合は建物などだけでなく、樹木が伸び、葉が生い茂る。洗濯物が干されるといった要因でも電波が遮断されることがございます。
なおBS/CSアンテナと障害物の関係では、アンテナを起点にした障害物の高さから、障害物とアンテナが約1.5倍離れていれば、障害物の影響を受けないとされております。例えばBS/CSアンテナを向けた方向に、アンテナより5メートル高い建築物があった場合は、建築物とアンテナの間が7.5メートル以上、離れていれば障害物に影響されないことになります。

地デジ、BS/CSのアンテナを設置する場合には、設置する位置で現在、電波が遮断されないかだけではなく、将来にわたって障害物が発生する可能性が低く、安定してテレビ電波を受信できるかを考慮する必要がございます。

アンテナレベルが低下する原因:テレビなど受信機器のトラブル

テレビアンテナ本体や配線、電波状態ではなく、テレビやレコーダーなどの受信機器に問題があるケースもあります。
アンテナや機器と同様、テレビやレコーダーも10年程度が寿命となり、それ以上の使用は各部の劣化がはじまり、故障や誤作動などの不具合が発生してくることもございます。またテレビ、レコーダーに接続されているアンテナケーブルの接続が甘い、汚れがたまっているなどの場合も、アンテナレベルが下がる要因になります。
他にも、テレビ本体だけでなく、テレビに挿入されている「B-CASカード」がしっかり挿入されていないなどの問題でも、テレビ放送が正しく映らないことがございます。B-CASカードのトラブルの場合は「E100(カード未挿入)」「E101(カードが読み取れない)」「E102(使用できないカード)」などのエラーコードが表示されます。

自宅でのアンテナレベル低下への対処

テレビなどの受信機器側でアンテナレベルが低下している場合、その原因によってはご自宅で対処することも可能です。
対処が可能なケースでは、テレビやレコーダーが原因である場合が多く、特別な道具やスキルも必要なく、室内で簡単に可能な作業になっております。以下、主な対処方法についてご説明いたします。

テレビやレコーダーを再起動する

パソコンやスマートフォンなどと同様に、テレビやレコーダーも、再起動することで不具合が解消される場合があります。
テレビの再起動方法は、本体の主電源を切り、電源プラグをコンセントから抜いて数分ほど待ちます。その後、あらためて電源プラグを差し込み、本体の電源を入れ直すというものです。
レコーダーもほぼ同様か、また電源ボタンを長押しするという方法で再起動が可能です。正確な方法はメーカーや機器のモデル、型番にょっても異なりますので、機器に付属するマニュアル、メーカーの公式サイト、ホームページなどでご確認ください、
テレビ本体のトラブルやその対処については、以下のコラム記事もご参照ください。
テレビ本体の不具合・故障とその原因、症状別の対処法と修理費用

各機器のアンテナケーブルを接続し直す

前述のように、アンテナコンセントやテレビ、レコーダーのアンテナケーブルがきちんと接続されていない、接続部が汚れているなどの場合も、送信される電波レベルが低いものになり、アンテナレベルが低下することにつながります。
ケーブルの接続を確認し、接続部の汚れを落として正しく接続し直してください。アンテナレベルが低下する前にテレビの配線作業や再接続などを行った場合は、接続するケーブル端子を間違った可能性もあるため、マニュアルなどを確認しつつ、あらためて接続場所を確認してください。
なおケーブルの接続作業時は、いったんテレビやレコーダーの電源を切ってから作業を行ってください。

アンテナのコンセントとテレビ・レコーダーなどとの接続方法を変更する

ケーブルの接続に問題はなくとも、ケーブルそのものが劣化して、電波を送信する役目を果たせていないこともございます。ケーブルの状態も可能な範疇で確認して、劣化している、古くなっている場合は、新しいものに交換することも改善、対処方法のひとつとなります。

B-CASカードを挿し直す

前述のようにB-CASカードのトラブルで、テレビ放送が映らなくなるケースもございます。この場合はいったんテレビなどの機器からカードを抜き、柔らかい布などで端子部の汚れを落としてからあらためて挿し直します。
なお、B-CASカードを挿し直すとチャンネル設定が初期状態に戻ってしまうこともあるため、その場合は、テレビ側のチャンネル設定もあらためて行ってください。
B-CASカードについての詳細は、以下のコラム記事もご参照ください。
「B-CASカード」の基礎知識とテレビ画面のトラブル

テレビなどのチャンネル設定を行う

チャンネル設定(チャンネルスキャン)とは、新しく購入、設置したテレビや、引っ越しなどで従来とは受信できる地デジ電波が異なる場所にテレビを設置した場合に、テレビなど機器側で、そのエリアで受信できる地デジ電波の種類を確認し、各チャンネルに当てはめていく初期設定です。
チャンネルスキャン自体は、アンテナケーブルに接続したテレビ機器側で、設定画面などから「チャンネル設定」を選択し「初期スキャン」または「再スキャン」を実行するだけで、あとは自動的に設定が行われます。
受信トラブルやテレビなど機器のトラブルでチャンネル設定が狂い、アンテナレベルが低下した場合は、この操作で復旧できることがございます。機種ごとの正確なチャンネルスキャンの方法は、やはり本体付属のマニュアル、メーカーの公式サイト、ホームページなどをご確認ください。
またチャンネルスキャンについては、以下のコラム記事もご参照ください。
テレビ側で地上デジタル放送(地デジ)のチャンネルスキャンができないときの受信、設定の対処方法

アンテナレベルの低下で業者に依頼する場合は

前項の対策を行っても症状が改善されない場合は、一般の方による復旧は難しくなる可能性がございます。
その場合は、アンテナ工事の専門業者にご相談の上、アンテナ本体や配線部の状態確認、アンテナ角度やブースターの調整など、各種の修理を依頼されるのがおすすめです。

業者へのご依頼では、費用が発生する点はデメリットとも思われますが、早急にトラブルの原因を特定し、ご自宅では難しい作業を迅速かつ正確に行い、復旧してもらえるという大きなメリットもございます。また大掛かりな修理工事になる場合などは、多くの業者は無料で見積もりを行ってくれるため、安心してご相談できます。
業者に依頼する必要が生じるのは、主に次のようなケースが挙げられます。

現場周辺の電波状態の確認

地デジの電界地域やBS/CS放送の電波の方向などは、インターネットのサイトやスマートフォンのアプリなどでも、大まかな目安を調べることは可能です。
ただし地デジの場合は、同じ電界地域でも中継局からの距離や、地形、障害物などによって、個々の現場の電波状態は変化するため、お住まいの住宅の電波状態を正確に調べられるわけではございません。電波状態を調査するレベルチェッカーも市販されているものの、高品質なものはそれだけ価格も高くなる他、知識のない一般の方では、情報を正しく読み取れないことも多くなります。
専門知識があるアンテナ工事業者であれば、アンテナチェッカーなどの的確な使用で、お住まいの各場所における電波状態を、正確に割り出すことが可能です。また周辺の電波状態が悪化したことでアンテナレベルが低下している場合、その対策も一般の方には困難となります。対策となるアンテナ工事なども考慮して、電波状態の確認を依頼されるのもよいでしょう。

アンテナの角度調整

前述のように、風雨などの影響や、経年劣化によるアンテナ本体の強度低下でアンテナ角度がずれ、アンテナレベルが低下することもございます。
特に屋根の上など高所に八木式アンテナ、BS/CSアンテナが設置されている場合、アンテナ角度の調整には大変な危険が伴いますので、決してご自宅では行われず、専門の技術と装備を備えた専門業者にご依頼なさってください。
またベランダなど、安全に作業できる位置にBS/CSアンテナを設置している場合も、特にBS/CSアンテナの角度調整をご自宅で行う場合、ミリ単位で角度を調整し、数秒待ってテレビ側でアンテナレベルの変化を確認するといった、非常に手間のかかる作業となります。
専門業者であれば、専門知識と技術、機材により、迅速かつ確実な調整と、トラブルが再発しにくいアンテナの固定が可能となります。

アンテナ交換

現在のテレビアンテナが劣化、強度低下して受信性能が低下している場合は、アンテナ交換が必要となります。
この場合も、やはり高所作業などには危険が伴うため、アンテナ工事の専門業者に依頼することが確実です。現在では高品質アンテナ本体価格込みで、割安のアンテナ設置工事を行う業者も多いため、可能であればトラブルが生じるリスクが低い、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどの機種を採用されるのもいいでしょう。
また古いアンテナの処分には、粗大ごみの回収費など、費用がかかることがございます。アンテナ工事業者であれば、古いアンテナの撤去と処分を、一定の工事費により一括で行ってもらえます。

ブースターの調整

障害物などにより周辺の電波状態が悪化した。また住宅内でテレビなどの受信機器を追加して必要な電波レベルが高くなったなどの場合は、ブースターの電波増幅レベルを調整することで、アンテナレベルが改善することもございます。
ただこのブースターも屋根の上など高所に設置されていることもあり、またアンテナから各部屋の距離などで、部屋ごとにアンテナレベルの差が出ることもございます。地デジ電波の場合、テレビに届く電波レベルが強すぎる場合も画面の乱れなどの原因となるため、この場合は、電波を適度に減衰させるアッテネーターを接続するなどの対処が必要となります。
このような対処を含め、住宅全体でバランスよく的確なアンテナレベルを保つには、緻密な調整が必要となります。そのため、専門業者にご依頼になることが確実と言えます。

その他、機器の状態確認・交換

ここまで例示した以外にも、アンテナ本体や周辺機器、ケーブルなど、さまざまなトラブルが想定され、原因の特定は、専門知識がないと困難となるケースも多くございます。ご自宅のテレビ機器でアンテナレベルの低下が起こり、その原因がわからない場合は、ひとまずテレビアンテナ工事の専門業者にご相談されることをおすすめいたします。

まとめ

テレビ機器の「アンテナレベル」とはどういうものか、低下した際の対処について。ご理解いただけたでしょうか?

もしご自宅のテレビなどでアンテナレベルが低下し、ご自宅でのテレビのご視聴に支障が出ているという状況で、ご自宅での原因の特定や対処が難しい場合は、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)。またはメールフォームLINEアカウントまでご一報ください。
専門知識と技術に優れた弊社の職人が、最短即日で現場に急行し、早急な現場調査によって原因を特定し、同時にアンテナレベルの回復と、安定したご視聴の復旧をお約束いたします。

アンテナレベルの低下をはじめ、さまざまなトラブルで地デジ、衛星放送のご視聴にトラブルが生じた際は、当あさひアンテナへ、お気軽にご相談ください。

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。