BSアンテナの雪対策完全ガイド!積雪・着雪でテレビが映らない原因と自分でできる対処法、プロによる根本対策を解説
雪と言えば、美しい雪景色やウインタースポーツなど、多くの方にとって親しみ深いものです。
ただ雪の多い地域にとっては、冬場の積雪で生活に支障をきたすことも多く、対策が必要になるという面もあります。
特に住宅の屋根の上でマストに立てられることが多い地デジアンテナやBSアンテナは、アンテナに雪がこびりつく、積雪で埋もれる、またテレビ電波も影響を受けるなど、雪対策が重要な設備のひとつです。
特に冬場、積雪時のBSアンテナについては、
「雪が降り始めた途端に、自宅でBS放送が映らなくなった」
「地デジの映りは正常なのに、BSやCS放送だけ雪が降ると画面が乱れる」
「BSアンテナのお皿の部分に雪が積もっているけれど、自分で取り除いても大丈夫?」
「毎年、冬になると雪の影響で衛星放送が映らなくなる。根本的な雪対策はないの?」
など、BS放送の受信トラブルにお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
特に北海道や東北、北陸、甲信越など、降雪量の多い地域では、BS/110度CSアンテナに雪が付着したり、吹雪によって受信状態が悪くなったりすることも珍しくありません。
また首都圏や京阪神の中心部など、普段は積雪の少ないエリアでも、時に予想外の大雪となり、思いもよらなかったBS放送のトラブルであわてるという例もあります。
コンテンツの豊富なBS放送、CS放送で、お気に入りのアニメやドラマ、スポーツ中継を楽しんでいる最中に、突然テレビ画面が四角いブロック状に乱れたり、「E202」「受信できません」などのエラーが表示されたりすると、せっかくの楽しみが中断されるだけでなく、テレビやアンテナが雪で故障したのではないかと心配になるものです。
しかし、雪の日にBS放送(衛星放送)が映らなくなる原因は、必ずしもアンテナの故障とは限りません。
特にBS放送などの衛星放送では、静止衛星から届くテレビ電波が雪や雨の影響で弱まることがあります。
また、アンテナ本体へ雪が積もることで受信性能が低下するケースや、積雪・落雪・強風によってアンテナの向きや固定状態が変化する、機器部が損傷するケースも考えられます。
これら雪や気候による衛星放送トラブルでは、その原因によっては、天候が回復したり雪が自然に溶けたりすることで、特別なアンテナ修理を行わなくても受信状態が回復する場合があります。
一方、雪の重みでアンテナの固定状態が大きく変形している、雪が溶けても衛星放送が映らない、冬になると毎年同じトラブルが発生するといった場合には、専門業者によるアンテナ点検や、対策となる設置方法の見直しが必要になることもあります。
そして、雪によるアンテナトラブルで特に注意したいことが、作業時の安全性です。
屋根上やベランダの外側などに設置されたBSアンテナの雪を、一般の方が無理に取り除こうとすると、積もった雪による滑落や落下事故につながる危険性が高くなります。
雪による衛星放送のトラブルでは、テレビを映すために、屋根など危険な場所へ上がって雪下ろしをすることは絶対に避けてください。
この記事では、テレビアンテナ工事専門業者「あさひアンテナ」に十年以上在籍し、現場での施工経験を持つ営業担当スタッフ・本田祐一氏の専門的な知見をもとに、BSアンテナの雪対策について詳しく解説します。
取材・構成・執筆は、テレビアンテナ関連の記事を専門に手がけるライター・山崎鉄が、客観的な視点で担当しました。
本記事では、雪でBS放送が映らなくなる原因、テレビ画面の症状から不具合を切り分ける方法、ご自分でもできる安全な応急処置、雪対策グッズの効果と注意点、アンテナの移設・交換・融雪装置など、雪によるBSアンテナのトラブルについて、すぐに解決する方法から、今後のトラブルを抑える長期的な対策までわかりやすくご紹介します。
毎年、冬になるとBS放送が映らなくなるお住まいでも、突然の大雪で衛星放送が映らずお困りの方も、ご自宅の環境や状態に合った対策を見つけるための参考にしてください。
なぜ雪でBSアンテナが映らなくなる?主な原因は4つ
雪の日(または大雨など悪天候の日)にBS放送が映らなくなる原因を調べる際には、まず「雪がアンテナ本体の受信性能に影響を与えているのか」「降っている雪によって衛星放送の電波そのものが弱まっているのか」を区別することが重要です。
なおこの記事では「BSアンテナやBS放送が雪に受ける影響」について解説します。ただ衛星放送には、BS放送だけでなく有料放送のCS放送もあるのでは、と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
このうち衛星放送のBS放送(放送衛星)とCS放送(通信衛星)の中の「110度CS放送」は、主な静止衛星の位置や使用される周波数帯、放送の仕組みが近いものになっています。
現在では家庭用のBSアンテナも、BS放送と110度CS放送をまとめて受信できる「BS/110度CSアンテナ」が中心になっています。
そのため、衛星放送が雪による影響を受ける際には、BS放送と110度CS放送で共通する受信障害が起こる場合があります。
したがって本記事では、主に家庭用のBS/110度CSアンテナを対象として、BS放送と110度CS放送に共通する、雪による受信障害とその対策を解説します。
他にも、雪などの気候によるBSアンテナの問題では、強風や積雪によるアンテナの変形、配線設備の不具合なども考慮する必要があります。
以下の一覧が、雪が降った際に起こり得るBS放送トラブルの、主な要因になります。
雪によるBS受信障害の原因一覧
| 原因 | 発生する仕組み | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 着雪・積雪 | アンテナの反射鏡(ディッシュ)や受信部の周辺に雪が付着する。 | 雪が付着している間、BS放送の受信品質が悪化する場合がある。 |
| 降雪減衰 | 雪や水分によって衛星放送の電波が減衰する。 | 降雪が強い時間帯に症状が現れやすい。 |
| アンテナの方向ずれ・変形 | 落雪や強風などの外力で設備の状態が変化する。 | 雪が止んでも不具合が続く場合がある。 |
| 配線・給電設備の不具合 | 接栓の浸水、コンバーターや同軸ケーブルの損傷、給電不良など。 | 雪が溶けても回復しないことがある。 |
※上記は積雪で考えられるBSアンテナ、BS放送の不具合の主な事例です。
ただしこの4つの原因は、必ずしも単独で発生するわけではありません。
例えば、降雪によって衛星放送の電波が弱まっているところへ、アンテナの反射鏡にも雪が付着し、さらに受信状態が悪化して、受信不良に至る場合があります。
以下の各項目で、それぞれの原因と仕組みについて、詳しく見ていきましょう。
原因1:アンテナの反射鏡やコンバーター周辺への着雪
BS/110度CSアンテナは、一般的に円盤状の反射鏡(放物面反射器・ディッシュ)を持つパラボラアンテナです。
静止衛星から届く12GHz帯の電波を反射鏡で集め、一次放射器を通じてコンバーターへ導きます。
反射鏡の正面に固定されたコンバーターは、受信した12GHz帯の衛星放送信号を、同軸ケーブルで伝送しやすい中間周波数へ変換します。
このBSアンテナ受信の仕組みに大きな影響を与える自然現象のひとつが、アンテナへの雪の付着です。
雪(水分)は電波を吸収する性質があるため、BSアンテナの反射鏡の表面に雪が積もったり、一次放射器の周辺に雪や氷が付着したりすると、電波の反射・伝搬が妨げられ、受信性能が低下することがあります。
特に、湿った雪が付着した場合には、水分の影響が大きくなるため、受信障害が起こる可能性があります。
ただし、BSアンテナの反射鏡に少量の雪が付いたからといって、必ずBS放送が映らなくなるわけではありません。
不具合の症状はアンテナに付着した雪の厚さや水分量、付着位置、アンテナの受信性能の余裕などによって異なります。
このような症状の場合、アンテナから自然と雪が落下したり、溶け落ちたりすることで、正常な衛星放送の受信状態へ戻る場合があります。
原因2:降雪減衰によって衛星電波が弱まる
BS/110度CS放送では、赤道上空にある静止衛星(地上からは空の同じ位置に見える人工衛星)から送信される12GHz帯の電波を受信しています。
この12GHz帯の電波は、地デジ放送のUHF帯と比べ、建物などの障害物や降水による影響を受けやすい特徴があります。
そのため、衛星方向に障害物がなく、十分な受信品質を確保できる設置環境が重要です。
そして12GHz帯は、雨や雪などの降水によっても吸収・散乱され、結果として、BSアンテナに届く映像信号が弱まる場合があります。このような現象を降雪減衰といいます。
同じ仕組みで豪雨の際にもBS放送の電波が弱まることがあり、この場合は降雨減衰と呼ばれます。
ただし、雪がBS放送に及ぼす影響の大きさは、降雪の強さ、雪に含まれる水分量、気温、電波が降雪域を通過する距離などによって異なります。
一般に、湿った雪やみぞれなどでは、水分の影響でより12GHz帯が吸収されやすくなり、受信に問題が生じることがあります。
特にBS放送の受信には、一定の信号品質が必要です。
降雪によって受信の余裕が不足すると、BS放送の画面にブロックノイズや映像の停止、エラー表示などが発生します。
なお降雪減衰は、アンテナの故障とは異なる現象です。
そのため、降雪が弱まることで自然にBS放送の受信状態が改善する場合があります。
一方、不具合の原因が降雪減衰だけの場合、BSアンテナ表面の雪を取り除いても、電波そのものが弱まっているため、必ず受信状態が回復するとは限りません。
雨天時の衛星放送受信不良との違いについては、関連記事「BSが雨の日に映らない原因とE202エラーの対処法」でも詳しく解説しています。
原因3:雪の重み・落雪・強風による方向ずれ
BSアンテナは、静止衛星が位置する方向へ反射鏡を正確に向けて設置する必要があります。
静止衛星からまっすぐに届く12GHz帯を、角度を調整した反射鏡で一点に集中するように反射させ、正面の一次放射器に送る仕組みだからです。
そのため、BSアンテナ本体の固定や、反射鏡の仰角・方位角が変化すると、反射した電波が一次放射器から外れて、受信状態が悪化する場合があります。
特に降雪地域では、次のような外力による、アンテナ角度の変化に注意が必要です。
- アンテナや支持金具への積雪
- 屋根から滑り落ちる雪の衝突
- 吹雪や強風による繰り返しの荷重
- 氷雪の付着による設備への負担
- もともと劣化していた固定金具の緩み
ただし、正常な角度に固定されたBSアンテナが、少量の雪だけで簡単に方向ずれを起こすとは限りません。
特に問題となるのは、アンテナに強い外力が加わった場合や、固定金具に腐食・緩みなどが生じて固定が弱まっている場合です。
また、アンテナを圧迫する雪が溶けた後も、アンテナが傾いたままになっていて受信に問題が出ている場合は、専門業者による点検・角度調整が必要になる可能性があります。
原因4:同軸ケーブルやコンバーターなどの不具合
雪の日にBS放送が正常に映らなくなる原因は、降雪減衰やアンテナの角度ズレだけではありません。
アンテナからテレビまでの配線設備に不具合が発生しているケースも考えられます。例えば、屋外でケーブルを接続する接栓部に水分が浸入したり、落雪によって同軸ケーブルが損傷したりすると、正常に映像信号を伝送できなくなる可能性があります。
また、アンテナ本体に付随する電子機器、コンバーターの故障や給電の不良などでも、BS/CS放送だけが映らなくなる場合があります。
このような場合は、雪が止んでも症状が改善しないことが多くなります。
そのため、降雪後にも長時間、BS放送の受信不良が続く場合には、アンテナ本体だけでなく配線・給電系統の状態も確認することが重要なのです。
アンテナ本体やコンバーターの故障が疑われる場合は、関連記事「BSアンテナが壊れた?故障の症状と対処法」も参考にしてください。
着雪と降雪減衰の違いは?雪が止んでも映らない場合の判断
雪によるBS放送の受信障害では、その症状が発生するタイミングと、天候が回復した後の状態が、原因の特定で重要な判断材料になります。
以下、具体的な不具合の症状から想定できる原因の例です。
BS受信不良の症状から考えられる原因
※上記はBS放送の不具合別に考えられる主な原因の例です。
雪による地デジ・BSアンテナの倒壊や配線トラブル全般については、関連記事「雪でアンテナが倒れた・地デジやBSが映らない場合の対処法」をご確認ください。
ただし、上記の例はあくまで原因を推測するための目安です。
実際の受信トラブル・アンテナ故障の原因を特定するためには、現場におけるBS受信レベルや信号品質の測定、アンテナ設備の点検などが必要になる場合があります。
天候の回復後にBSが映るようになった場合
雪が止んで、BSアンテナに付着した雪が自然に溶けた後、BS放送が正常に映るようになった場合は、一時的な降雪減衰やアンテナへの着雪が影響していた可能性があります。
この場合、アンテナ設備の故障ではなく一時的な現象だった可能性があり、必ずしもアンテナ本体の交換が必要になるわけではありません。
ただし、毎年アンテナの同じ場所で着雪が発生し、BS放送が頻繁に視聴できなくなる場合には、アンテナ設置位置の変更など抜本的な対策を検討する価値があります。
天候が回復してもBSが映らない場合
雪が止み、BSアンテナ表面の雪も消えたにもかかわらず、BS放送が映らない状態が続く場合は、ほかの原因を疑う必要があります。
例えば、アンテナの方向ずれ、コンバーターの故障、接続部分の浸水、同軸ケーブルの断線など、アンテナ設備の物理的な破損が考えられます。
この段階で無理にアンテナの角度を調整すると、本来の原因を切り分けにくくなる場合があります。
雪が溶けてもBSの受信障害が続く場合は、自己判断でアンテナを動かさず、速やかに専門業者へご相談になることをおすすめします。
雪でBSが映らないときに自分でできる安全な応急処置
お住まいで突然BS放送が映らなくなった場合は、屋外、特に屋根などの高所にあるBSアンテナに触れる前に、まずは室内で確認できる項目から調べましょう。
特に降雪時のアンテナトラブルでは、何よりも無理な雪下ろしなど危険な作業を避けることが最優先です。
以下では、BS放送トラブルの際にまず室内で取るべき対処について、ステップ順に解説していきます。
STEP1:地デジ放送が映るか確認する
BS放送の映りに問題があるときは、まず地デジ放送が正常に映るか確認してください。
地デジは問題なく映るのにBS/CS放送だけが映らない場合は、衛星放送のアンテナ設備や配線・給電系統、雪の影響などが関係している可能性があります。
一方、地デジもBS/CSも同時に映らなくなっている場合は、共通の配線やブースター、電源などの問題である可能性が考えられます。
STEP2:ほかのテレビでも同じ症状か確認する
住宅内に複数のテレビがある場合は、各テレビで同じBSチャンネルを視聴できるか調べます。
複数のテレビで同じ症状が発生している場合は、共通のBSアンテナ設備に問題がある可能性があります。
一方、1台だけBS放送が映らない場合は、そのテレビ本体や室内配線の不具合である可能性が高まります。
ただし、この確認だけで屋外のBSアンテナが故障しているとすぐに判断することはできません。
STEP3:エラーコードを確認する
テレビの画面に「E201」「E202」などのエラーコードが表示された場合は、その表示内容を記録してください。
一般的に、これらのエラーコードは受信信号の不足や正常な信号を受信できない状態などに関係するエラーです。
具体的には、「E201」は信号のレベルが低下している、「E202」は信号がまったく届いていないか、非常に微弱であることを示します。
なおエラーコードは不具合の原因別に、ほかにもさまざまな種類が存在します。
一般的なエラーコードはテレビのメーカーやモデル問わずほぼ共通していますが、一部のコードや表示条件はメーカー・モデルで異なるケースもあります。
そのため、各コードの正確な意味は、テレビの取扱説明書やメーカーの公式案内などで確認しましょう。
なお、降雪によるBSアンテナへの影響が見られ、BS放送の画面にエラーコードが表示されていても、エラーの表示内容だけで着雪が原因であると断定することはできません。
エラーを引き起こす大本の要因はほかにある可能性も考えられます。
STEP4:アンテナレベルを確認する
多くのテレビには、リモコンを操作して、設定画面などから項目を選ぶことで、アンテナレベル(受信状態の目安となる数値)を確認できる機能があります。
このアンテナレベル画面で、雪が降っているときと、天候が回復した後の数値を比較すると、アンテナによる受信状態の変化を把握する手掛かりになります。
ただし、テレビに表示されるアンテナレベルは、メーカーやモデルによって表示の形式や数値の基準が異なります。
メーカー・モデルごとに、受信信号の強さや電波の品質などを反映した独自の指標でアンテナレベルを表しているため、その数値をそのまま他機種と比較することはできません。
また、アンテナレベルが下がっていても、その原因が着雪であるか、降雪減衰なのか、設備の故障なのか、正確な原因までは判断できません。
STEP5:室内のケーブルと給電設定を確認する
室内にて安全に確認できる範囲で、テレビ背面に接続されているアンテナケーブルが外れていないか調べてください。
アンテナコンセントからテレビまで、レコーダーなどの機器を経由してケーブルが接続されている場合は、そのすべての接続状態も確認しましょう。
また、BS/CSアンテナでは、アンテナ本体のコンバーターを作動させるため、アンテナに電源を供給する必要があります。
戸建て住宅では一般的にテレビやレコーダーの受信機器によるBS電源設定、またブースター電源部などから、配線部を通じてアンテナへと給電する構成が考えられます。
ただし、これらの給電方法は、住宅や現場の条件によって異なるため、むやみにテレビ側から設定を変更しないでください。
安易にBS電源設定を変更すると、BSアンテナに電源が供給されずBS放送が映らないほか、機器の構成によって給電状態に問題が生じるおそれもあります。
またマンションなど集合住宅の共用BSアンテナでは、電源も各棟の共用アンテナ設備から給電されている場合もあります。
BSアンテナのケーブル接続やアンテナへの給電方式が不明な場合は、テレビやアンテナの説明書を確認するか、設置業者の案内に従ってください。
STEP6:自然に雪が溶けるのを待つ
雪による一時的なBS放送の受信障害が疑われる場合、もっとも安全な対応が、天候の回復を待つことです。
特に、吹雪や大雪の間だけBS放送が映らない場合は、屋外へ出てアンテナを操作しても改善するとは限りません。
また、アンテナ表面に付いた雪が自然に溶けることで、受信状態が回復する場合もあります。
天候の回復を待っている間は、アンテナの向きやテレビの受信設定をむやみに変更しないようにしましょう。
BSトラブル時の応急処置の早見表
以下は、この項目で解説したBS放送トラブル時の応急処置を、早見表としてまとめたものです。実際の対処の参考にしてください。
※上記はBS画面が映らない際、ご自身で行うべき初期対応になります。この対応で問題が解決できないときは、業者への相談を含めた次のステップに移行する必要があります。
BSアンテナの雪を自分で落としても大丈夫?絶対に避けたい危険行為
積雪によってBS放送が映らなくなったとき、アンテナに積もった、または付着した雪を直接取り除けば問題が解決するのではないか、と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、BSアンテナの設置場所によっては、ご自身で雪を取り除く作業に大変な危険が伴います。
特に屋根上や外壁の高い位置、ベランダの外側などにあるアンテナは、一般の方が無理に触れないようにしてください。
以下、お住まいのBSアンテナから雪を落とす際の注意点について、ポイント別に解説します。
屋根上のBSアンテナ近くへ上がらない
基本的な事項として、BSアンテナなどのテレビアンテナが屋根の上や破風板、壁面の高所などにある場合は、確認や調整のためでも、決してご自身で近づいてはいけません。
高所作業の技術や装備がない一般の方が屋根の上に登ると、誤って転落することをはじめ、大変な事故にいたるリスクが高くなります。
特に屋根に積雪がある状態では、通常よりも屋根が滑りやすくなる上、足元の状態も確認しにくくなります。
雪の下に屋根材の段差や障害物が隠れている場合もあるため、雪の屋根で躓いたり足が滑ったりして、転落する危険性がさらに高くなるのです。
そのため、雪でBSアンテナの受信不良が起きていると思われる場合も、屋根の上のアンテナを確認するために、はしごを掛けて登ったり、屋根の端へ近づいたりすることは避けてください。
BSアンテナの受信不良を直すために、屋根からの転落などの大事故を起こしてしまっては、取り返しがつかない事態に至ります。
ベランダの外へ身を乗り出さない
ベランダの手すりなどにBSアンテナが設置されている場合は、一般の方でも雪落としや調整が行いやすいと思われるでしょう。
しかしベランダのBSアンテナでも、手すりの外側へ身を乗り出して雪を落とすことは、バランスを崩して転落するリスクもあって危険です。
また、ベランダの足元が凍結している場合や、手すりの上に雪が積もっている場合などは、さらに転倒して大きな事故にいたるおそれがあります。
ベランダの内側からBSアンテナまで安全に手が届く位置であっても、アンテナを強く押したり、無理に動かしたりしないでください。
アンテナの角度がズレたり、破損したりして、かえってBS受信トラブルを悪化させることも考えられます。
BSアンテナに熱湯を掛けない
BSアンテナに付着した雪や氷を早く溶かすために、アンテナに熱湯を掛けることを考える方もおられるでしょう。
しかし、このような除雪の方法はおすすめできません。
雪や気候で冷えたアンテナに熱湯をかけると、急激な温度変化により、収縮した金属が膨張してアンテナ部材へ負担が掛かり、歪みが生じる可能性があります。
またコンバーターなどの電気部品や接続部分へ水が浸入し、故障を招くおそれもあります。
さらに、熱湯が周囲へ飛び散ることによるヤケドや、溶けた水が再凍結して滑りやすくなるといった危険性も考えられます。
硬い棒や工具でBSアンテナの雪を叩き落とさない
BSアンテナの反射鏡は、静止衛星からまっすぐに届く電波を、放物面で反射させ、焦点付近の一次放射器へと適切に集める形状になっています。
そのため雪を落とそうとして反射鏡やディッシュ部を硬い棒や工具で叩くと、反射鏡が変形したり、表面の塗装が傷ついたりする可能性があります。
反射鏡やディッシュに歪みや傷が生じると、電波が正確に反射しなくなり、受信性能が大きく低下する原因にもなります。
また、コンバーターやその支持アームに衝撃が加わると、電子機器部の破損や受信位置のずれが生じ、受信性能に影響するおそれがあります。
特に反射鏡やコンバーターの破損は受信性能が失われることもあり、修理も難しいため、BSアンテナを丸ごと交換する必要が出てきます。
BSアンテナの雪を落とすためでも、アンテナを叩いたり、揺らしたりすることは避けてください。
BSアンテナの向きを自己判断で変更しない
ここまででも何度か説明した通り、BS/110度CSアンテナは、直進的な電波を受け止めるため、ディッシュの上下(仰角)、左右(方位角)を、静止衛星の方向へと正確に向ける必要があります。
そして、積雪時に受信不良が生じる原因が降雪減衰であるにもかかわらず、雪を落とそうとしてアンテナの向きを変更すると、正常だった角度がかえってずれてしまい、雪が止んだあとも、BS放送が正常に映らなくなる可能性があります。
BSアンテナの角度調整には電波測定器による確認と正確な微調整が望ましいため、アンテナ工事の専門業者へとご相談ください。
BSアンテナに撥水スプレーは使える?雪対策グッズの効果と注意点
BSアンテナへの雪の付着を防ぐ方法として、市販の離雪スプレーや撥水スプレーの塗布をご検討になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、市販の離雪・撥水スプレーがすべてBSアンテナに使用できるわけではありません。
特に、一般的な防水スプレーや塗装用製品を、BSアンテナへ自己判断で吹き付けることは、トラブルの原因になる可能性もあるため避ける必要があります。
以下の項目では、市販の撥水スプレーなどをBSアンテナに使う場合の注意点を解説します。
一般用の撥水・離雪スプレーは慎重に判断する
市販の撥水スプレーや離雪スプレーには、フッ素系、シリコーン系など、さまざまな製品があります。
しかし、これらの製品は、主に衣類、屋根材、自動車用品などを対象としている場合もあります。
一般的な撥水・離雪スプレーには、対象物の表面に撥水性の高い膜を形成し、水分を付着しにくくする製品があります。
そのため、BSアンテナでも電波を受けとめる反射鏡や樹脂部品などにこのような膜を張った場合の安全性や、受信性能への影響が確認されていない製品もあります。
また、アンテナメーカーによっては、反射鏡への塗装や表面処理を行わないよう案内している場合もあります。
BSアンテナへの使用が明確に認められていない一般用の撥水・離雪スプレーを、アンテナの雪対策としておすすめすることはできません。
撥水・離雪スプレーを使う前に確認すべきこと
以下では、BSアンテナに撥水・離雪スプレーを使う際に、あらかじめ確認すべきことを、一覧でまとめました。
※上記は、特にBSアンテナに撥水スプレーなどを使う際に、製品についてチェックすべきポイントです。
なお、BSアンテナ向けに設計された専用の着雪防止処理には、一定の条件下で効果を確認した製品や技術も存在します。
ただし、その結果をすべての市販スプレーに当てはめることはできません。
また、スプレー効果の持続期間についても「フッ素系なら1シーズン」「シリコーン系なら半年」などと一律に判断することは適切ではありません。
おおよその効果持続期間の目安が表示されている場合も、実際の効果は製品の仕様や使用環境によって異なるためです。
コンバーター周辺への薬剤噴射にも注意
BSアンテナの先端側には、一次放射器やコンバーターなど、電子機器を含む重要な部品があります。
そのため、撥水スプレーの薬剤が適切でない場所へ付着すると、部材の劣化や不具合などにつながる可能性があります。
また、アンテナへの直接噴射が認められている製品であっても、実際に使用できる範囲は製品ごとに異なります。
必ず、各製品の説明書や公式サイトなど、アンテナメーカーと薬剤メーカーによる説明を確認してください。
すでに設置されたアンテナへのDIY塗布はおすすめしない
たとえBSアンテナに使用可能なスプレー製品であっても、屋根上などの高所に設置されたアンテナへ自分で塗布することは、ここまでに何度か解説した通り、大きな危険につながります。
また、BSアンテナを取り外して塗布する場合には、再設置時の固定や角度調整が必要になることがあります。
BSアンテナの着雪対策をご検討になる際は、アンテナ交換のタイミングや専門業者による施工も含めてご判断ください。
BSアンテナの防雪カバーは効果的?製品選びで注意したいポイント
BSアンテナの雪対策として、専用の防雪カバー製品も存在します。
このような製品は、アンテナの一部や全体を覆って雪の付着を抑える目的で設計されており、受信性能への影響も抑える構造になっています。
ただしこれらの製品は、どのアンテナにも自由に取り付けられるものではなく、事前に製品ごとの適合性を確認する必要があります。
この項目は、BSアンテナ用の防雪カバーを選び、使用する際の注意点について解説します。
BSアンテナ用防雪カバーの仕組み
防雪カバーは、アンテナの一部または全体への着雪を減らすことを目的とした用品です。
専用設計のカバーであれば、一定の条件下で雪の付着を抑えられる可能性があります。
ただし、カバーを使用すると、反射鏡の表面をはじめ、アンテナの受信経路に別の材料が入る場合があります。
そのため、カバーの材質や形状、取り付け方法によっては、受信性能に影響を及ぼす可能性があります。
また、カバーの設置によって強風を受ける面積が増える場合には、アンテナ固定部分への負担にも注意が必要です。
BSアンテナ用防雪カバーを選ぶ際の注意点
ここでは、BSアンテナ用の防雪カバー商品を選ぶ際のポイントを、一覧表としてまとめました。
※上記はBSアンテナ用の防雪カバーを選ぶ際の主なチェックポイントです。
カバー選びで特に避けたいことは、一般的なビニール袋やシートを、自己判断でアンテナにかぶせる方法です。
一般的なビニール袋やシートは、衛星放送の受信経路で使用することを想定していないため、材質や水分の付着状態などによって受信性能に影響するおそれがあります。
さらに袋やシートが風で破れたり、アンテナの一部に絡まったりすると、受信障害や設備の損傷につながる可能性もあります。
BSアンテナ用の専用品であっても確実な効果や受信性能の確保を保証するものではなく、ご自宅のアンテナとの適合性や安全性を重視してチェックすることが重要です。
雪国のBSアンテナ対策は設置場所が重要!プロによる根本的な解決法
雪が多い地域で、毎年の冬には同じようにBSアンテナへ雪が積もり、受信障害が発生する、さらにアンテナがダメージを受ける場合は、雪に対する応急処置だけでは十分といえない可能性もあります。
そのような場合には、BSアンテナの設置位置や機種、固定方法などを根本的に見直すことも有効です。
ただし、どの方法にも適した条件があり、すべての住宅で雪による受信障害を完全に防げるわけではありません。
以下、考えられるBSアンテナの根本的な雪対策について解説します。
対策1:軒下や壁面など、雪が付きにくい場所へBSアンテナを移設する
BSアンテナが屋根上などの露出した場所に設置されている場合、雪が付着しにくい位置へ移設する方法が有力な候補になります。
例えば、屋根の軒下や建物の壁面など、アンテナ本体が直接、降雪を受けにくい場所を検討することがあります。
ただし、BSアンテナの移設先でも、静止衛星の方向(南西上空、東経110度に位置する静止衛星の方向)に十分な見通しが確保されていなければなりません。
前述の通り、BS/110度CS放送は、東経110度の静止衛星から届く電波を受信します。
この電波は障害物に弱いため、アンテナを向ける方向と静止衛星の間に、わずかでも障害物があると電波が遮られ、受信感度が低下する、まったく受信できなくなることもあります。
日本国内では、おおむね南西方向の上空にBSアンテナを向けることになりますが、正確な方位角や仰角は地域によって異なります。
そのため、住宅の軒下へBSアンテナを移設すると、軒そのものが静止衛星の方向への障害物になる場合があります。
また、屋根から落ちる雪がアンテナに直撃するような位置も避けなければなりません。
アンテナに雪が付きにくいことと、静止衛星からの電波を安定して受信できることを両立できる設置場所が必要です。
対策2:落雪の経路を避ける
積雪地域では、BSアンテナへ直接降る雪だけでなく、屋根から滑り落ちる雪(落雪)にも注意が必要です。
特に屋根の軒先や落雪しやすい方向へアンテナを取り付けると、落雪時に大量の雪が降り注ぎ、アンテナを押しつぶすおそれがあります。
この落雪による衝撃は、アンテナ本体だけでなく、固定金具や同軸ケーブルにも影響を与える可能性があります。
そのため、雪を避けるBSアンテナの設置位置を選ぶ際には、屋根の形状、雪の落下方向、周辺の設備などを確認することが重要です。
対策3:積雪地域に適した固定金具を選ぶ
アンテナの雪対策では、設置位置だけでなく固定方法も重要です。
例えば、屋根上のアンテナマストが雪や風の影響を受けやすい場合、耐候性や耐食性に配慮した支持金具や固定方法の見直しが必要になることがあります。
ただし、単にアンテナ固定の支線を太くする、金具を増やすといった方法が、すべての設備で適切とは限りません。
金具類や設置方法の選定には、アンテナ本体、マスト、固定箇所、建物の構造などを考慮する必要があります。
また、積雪や落雪の荷重を十分に考慮せず、壁面やベランダ部でも弱い下地へ固定することは避けなければなりません。
専門業者によるアンテナの施工では、設置条件と使用する金具の仕様を踏まえ、安全な固定方法を検討することを重視しています。
対策4:受信余裕を増やすためにアンテナ口径を見直す
一般家庭用のBS/110度CSアンテナでは、45cm級の反射鏡を持つ製品(ディッシュ直径が45センチ強)が広く使用されています。
一方で現場の受信環境によっては、より大きな口径のBSアンテナを使用することで、受信利得(キャッチできる電波の強さ)を高められる場合があります。
口径を大きくして受信に余裕が増えれば、降雪・降雨などで信号が弱まった際にも、一定の条件下で受信状態を維持しやすくなる可能性があります。
ただし、大型BSアンテナへの交換で、降雪減衰や着雪の影響を完全に防止できるわけではありません。
また、アンテナが大型化すると、風荷重や設置スペース、固定強度などの条件も変わります。
そのため、アンテナの口径を大きくすることだけを目的に交換するのではなく、電波の受信状態やアンテナの設置条件を測定・確認したうえで判断する必要があります。
対策5:融雪ヒーター付きアンテナを検討する
積雪の多い地域では、アンテナへの着雪を減らすために、融雪ヒーターを備えた衛星放送用アンテナや、専用の融雪設備が使用される場合があります。
これらはヒーターによってアンテナの一部を加熱し、雪の付着や堆積を抑えることを目的とした設備です。
ただし、これらはすべての家庭用BSアンテナに、簡単に後付けできるものではありません。
また、その融雪能力は気温、風速、降雪量、雪の水分量などの条件によって異なります。
そのため、アンテナに融雪機能を付与したからといって、どのような大雪でも受信障害が発生しなくなるわけではありません。
また設備の仕様によっては、電源工事や制御設備が必要になる場合もあります。
通常のアンテナ設置や移設と比較して融雪設備が適切な選択肢になるかどうかは、設置環境や導入費用を踏まえて、総合的に判断する必要があります。
BSアンテナの根本的な雪対策の比較
以下の一覧表では、この項目で説明したBSアンテナ雪対策の効果と注意点についてまとめました。
BSアンテナの雪対策にブースターは必要?できること・できないこと
現在の戸建て住宅では、アンテナで受信できる電波レベルの不足を補うため、アンテナ近くの配線に、電波を増幅できる「ブースター(増幅器)」を設置することが多くなっています。
そこで、雪の日にBS放送が映らなくなる問題にも、ブースターを取り付ければ解決できるのではないか、と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ブースターとは、アンテナでキャッチした電波(テレビ信号)をそのまま増幅する設備であり、安定した増幅にも限界があります。
そのため着雪や降雪減衰によって、アンテナで受信できる映像信号の品質に問題がある、極端に弱いなどの場合は、ブースターの効果が及ばない場合もあります。
この項目では、雪によるBS放送の受信不良について、ブースターの効果がある場合と、改善が難しい場合についてそれぞれ解説します。
降雪時にブースターでBS受信の改善が期待できる場合
一般的なブースターは、アンテナで良好な品質の信号を受信できているものの、長い同軸ケーブルや分配器などによってテレビに届く信号レベルが低下する場合に有効なことがあります。
これは、アンテナで受信できる電波(映像信号)の品質は十分であるものの、レベルが不足しているため、ブースターによる増幅で改善が期待できるケースです。
例えるなら音が小さくて聞こえにくい音声を、アンプで拡大してはっきり聞こえるようにすることに似ています。
ただし、降雪や着雪によってアンテナで受信した時点の信号品質が悪化している場合、ブースターだけで改善するとは限りません。
ブースターで適切に電波を増幅するためには、機種(増幅性能や対応周波数帯)や設置位置、増幅レベルの調節などを適切に選ぶ必要があります。
ブースターでは降雪時のBS受信を改善しにくい場合
一方で、雪によるBS受信トラブルで、ブースターでは改善が難しいケースもあります。
例えばアンテナの反射鏡に大量の雪が付着し、そもそも衛星電波を正常に受信できていない場合は、元の電波が微弱なため、ブースターによる増幅でも問題を解消できません。
また降雪減衰によって、電波がアンテナに入力された時点でノイズ(雑音)が多く、映像信号の品質が悪化している場合も、ただ電波を増幅するだけでは正常な受信品質を取り戻せないことがあります。
この場合は、例えるなら元の音が極端に小さすぎる、または雑音が混ざって音声が聞き取れない状態であるため、アンプで増幅しても正確に聞き取れないというイメージです。
ブースターは必要な映像信号の電波と共に、混入するノイズ成分も増幅するため、元の電波品質が悪いと、増幅によっても問題が解決できないことがあります。
BSアンテナの雪対策では、ブースターの追加よりも、まず着雪・降雪減衰・設備不良と不具合の原因や症状を区別することが重要です。
雪国でBSアンテナを新設するなら?設置前に確認したいポイント
降雪地域に新しくBSアンテナを設置する場合は、冬場の積雪対策だけでなく、年間を通して安定して使用できる設置条件を確認することが重要です。
特に、屋根の上に積雪があるなど降雪量の多い地域では、雪が降った際の受信状態と設備の安全性を考慮した施工が求められます。
この項目では、降雪地域の雪対策を中心に、BSアンテナを設置する際、安定した受信と長期の利用のために注意すべきポイントを解説します。
静止衛星の方向と積雪時の障害物
ここまででも何度か述べた通り、BS/110度CSアンテナの設置位置では、静止衛星のある南西上空、東経110度に当たる方向に障害物がないことが必要です。
特に降雪地域では、通常時に電波の経路が確保されていても、冬になると屋根の雪がせり出したり、周辺の設備へ大量の雪が積もったりして、受信経路を遮る場合があります。
そのため、雪の多い地域でBSアンテナの設置場所を判断する際は、設置する季節を問わず、周囲に雪が積もった状態も想定する必要があります。
屋根からの落雪予防
傾斜のある屋根など、屋根の上の積雪が滑り落ちる可能性のある場所では、BSアンテナを屋根の上や破風板に設置した場合、アンテナ本体や配線設備へ大きな外力が加わる可能性があります。
特にBSアンテナの皿のような形状は、落雪があった際に、その影響を受け止めやすくなります。
そのため、屋根上の傾斜部や、破風板、軒先の直下などへアンテナを設置する場合は、屋根の上からの落雪経路を想定して、影響を受けにくい位置になることを確認しましょう。
凍結と同軸ケーブルの防水処理
アンテナ本体だけでなく、屋外に露出した同軸ケーブルや接続部分は、雨水や雪解け水の影響を受ける場合があります。
ケーブルの接続部の防水処理が不十分、またはケーブル外被の損傷により、内部に水分が浸入すると、受信不良や腐食などの原因になる可能性があります。
また冬場、ケーブルなどについた水分が凍結することも、ケーブルの劣化を促進する要因になります。
そのためケーブル配線部についても、使用する接栓や防水部材の仕様に合わせて、専門技術による防水テープ処理など、適切な施工を行うことが重要です。
将来のアンテナ点検・交換のしやすさ
降雪地域では、家屋への積雪や凍結などにより、アンテナ工事のプロであっても、冬季の高所作業が難しくなる場合もあります。
そのため、BSアンテナを始めテレビアンテナを設置する際は、必要になったときに安全に点検・交換できるかどうかも検討するとよいでしょう。
ただし、BSアンテナのメンテナンス性だけを優先して設置位置を低くすると、静止衛星の方向に障害物が入って受信できなくなる可能性があります。
特に低い位置のBSアンテナは、設置時点では受信に問題がなくても、その後、建物が建つ、樹木が伸びる、洗濯物などの影響で受信不良が生じることもあるので、周辺の確認に注意が必要です。
BS放送の受信品質とBSアンテナの施工条件や安全性を、総合的に判断することが大切です。
雪でBSアンテナが映らない場合の修理・交換費用は?
雪によるBSアンテナの受信障害が続く場合、専門業者による点検や修理が必要になることがあります。
特にBSアンテナが屋根の上など高所にある場合や、正確な原因の特定が難しい場合は、専門業者へのご相談を優先してください。
業者依頼で発生する工事費用は、雪を取り除けば済む状態なのか、アンテナの方向調整が必要なのか、機器の交換が必要なのかなど、具体的な作業内容によって異なります。
本項目では、雪によるBSアンテナや受信のトラブルで、専門業者に修理や交換を依頼する場合の費用の目安をご紹介します。
BSアンテナ工事内容別の費用目安
以下は、主にBSアンテナで、雪による不具合の対処となる各種工事別の、一般的な費用の目安・相場を一覧でまとめたものです。
※上記は実際の工事費用を検討するための概算の一例です。この金額は全国平均を示す統計値でも「あさひアンテナ」の確定料金でもありません。実際にかかる費用は地域、施工条件、アンテナの種類、積雪状況、高所作業の必要性などによっても変動します。
上記の他にも、雪害によるBSアンテナの修理では、冬季の作業条件にも注意が必要です。
例えば、屋根上の積雪や凍結によって安全な作業ができない場合は、天候の回復まで工事を延期する必要があることもあります。
また、足場の構築や高所作業車などが必要になる場合には、追加費用が発生することがあります。
アンテナ交換と移設はどちらがよい?
既存のBSアンテナ本体に故障や老朽化などの問題がなく正常に使用できる状態で、設置場所による着雪だけが問題の場合は、アンテナの移設が候補になることもあります。
一方、アンテナ本体が大きく変形していたり、コンバーターが故障していたりする場合は、交換を検討する必要があります。
また、古いアンテナを取り外して別の場所へ移設すると、接合部などの劣化した部材に新たな負荷が掛かる可能性もあります。
そのため、移設か交換かの判断のためには、アンテナ本体や金具の状態を確認し、再利用することが適切かどうか判断しましょう。
雪によるBSアンテナの故障に火災保険は使える?
大雪や落雪によってBSアンテナが明らかに故障、破損した場合、気になるのはやはり修理にかかる費用でしょう。
そこで耳寄り情報として、本項目では、雪でお住まいのBSアンテナが破損した場合の修理費用が、火災保険の補償対象になるかどうかについて解説します。
契約内容によって違いはありますが、火災保険には、雪災などによる建物・家財の損害を補償する契約(風災・雪災保証など)があります。
ただし、雪が原因でアンテナやテレビの受信状態が悪くなったというだけで、必ず補償対象になるわけではありません。
以下にて、雪で生じたBSアンテナ(テレビアンテナ)の問題が、火災保険の対象になる事例について詳しく解説します。
雪災による物理的損害がポイント
上記の通り、火災保険では、契約内容によって、火災以外にも風災・雪災・雹災などによる損害が補償対象となる場合があります。地震による損害は、一般に別途地震保険などの契約を確認する必要があります。
雪害については、例えば、屋根から落ちた雪がアンテナに衝突し、アンテナ本体や固定金具が破損した場合など、雪による物理的ダメージでアンテナが破損した場合には、火災保険の契約内容にもよりますが、保険の対象になる可能性があります。
一方、降雪減衰による一時的な受信不良(アンテナ本体の破損ではない)や、長年の使用によるアンテナの経年劣化などは、通常の自然災害などによる物理的損害とは区別して考える必要があります。
また、実際の補償の可否は、ご自宅の火災保険の契約条件や、実際の詳しい損害の原因によっても異なります。
アンテナ修理前に損害状況を記録する
雪などによるアンテナの破損で火災保険の申請を検討する場合は、まずは安全な場所から、実際の損害状況の写真などを記録しておくと役立つ場合があります。
ただし、被害状況の写真を撮るために屋根へ上がるなど、危険な場所(特に高所)へ近づいたりしないでください。
また、業者にアンテナ修理をご依頼になる際は、工事内容や損害状況がわかる見積書を確認するとよいでしょう。
保険のご利用についての詳細は、契約している保険会社や代理店へ相談してください。
例えば「あさひアンテナ」では、アンテナ修理に伴う火災保険の申請にもご相談いただければ、修理を進めつつ、申請に必要な修理前後の現場写真や、修理報告を含む見積書などをすべて用意します。
さらに、お客様の保険申請についても、保険の知識を持つスタッフによるアドバイスなどのサポート体制をご用意しているので、アンテナ修理だけでなく保険の申請についても安心してお任せいただけます。
信頼できるBSアンテナ工事業者を選ぶポイント
雪によるBSアンテナのトラブルでは、その原因や状況によって適切な対応が異なります。
そのため、修理に対応できる業者については、単にアンテナを交換するだけでなく、現地の受信状況や積雪環境を踏まえて詳細をわかりやすく説明できる業者を選ぶことが重要です。
この項目では、雪によるBSアンテナの故障を中心に、修理を依頼すべき業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
受信レベルだけでなく信号品質を確認する
BSアンテナの受信不良では、まずはアンテナで十分な信号レベルが確保されているかを確認することが重要です。
また、衛星放送の信号品質についても、対応した測定器などで確認する必要があります。
BSアンテナの向きを調整する作業も、地域ごとに異なる仰角・方位角を正しく設定したうえで、実際の受信レベルや信号品質を測定しながら微調整することが重要です。
そのため適切な測定を行い、受信余裕を確保できる業者をお選びになることが望ましいといえます。
着雪とアンテナ設備の故障を区別して説明できる
雪が原因でBS放送が映らなくなった場合でも、その正確な原因がアンテナへの着雪なのか、雪の影響による故障なのか、またはアンテナには問題のない降雪減衰や、アンテナの方向がずれただけなのかによって、適切な対応は異なります。
特に降雪減衰や方向ズレの場合、アンテナ本体には問題がなく、天候の回復やわずかな調整だけで問題が解決することも多くなります。
そのため、不具合に対する具体的な原因を調べず、最初から高額なアンテナ交換だけを勧める業者にはご注意ください。
「あさひアンテナ」などの優良業者であれば、事前に綿密な現場調査を行い、不具合の原因と必要な工事、その料金についても、詳細で明快な見積もりと共にわかりやすく説明してくれます。
雪国のアンテナ設置環境を考慮できる
前述の通り積雪地域では、BSアンテナの設置や交換、移設について、屋根からの落雪、着雪、強風、凍結などを考慮する必要があります。
そのため、現地での作業経験が豊富で、アンテナ設置予定の位置での雪の付きやすさや、屋根からの落雪経路などを経験に基づいて判断できる業者を選ぶことが重要です。
工事後の保証内容を詳しく確認する
アンテナ工事業者が提供する保証は、工事内容や契約条件によってその対象範囲が異なります。
中には5年以上の長期保証を用意している業者もありますが、保証期間だけで信頼性が決まるわけではありません。
保証の対象範囲については、例えば施工不良による固定金具の不具合が保証対象でも、自然災害による破損が対象になるとは限りません。
そのため業者の保証については、期間だけでなく、対象となる不具合や免責条件なども事前に詳しくご確認ください。
あさひアンテナでは雪によるBS受信トラブルにどう対応する?
本記事にもご協力いただいた「あさひアンテナ」は、地デジアンテナやBS/110度CSアンテナ、その他アンテナ関係設備の設置・交換・修理などを専門に手がけるアンテナ工事業者です。
同社では各種アンテナ工事について、事前の電波調査やお見積もりを、出張費やキャンセル費など諸費用含む完全無料で実施しています。
また即日工事や他業者との相見積もりにも対応できます。
前述の通りアンテナ不具合の場合は、正確な電波調査・現地調査でその原因を特定し、原因や対処法についてわかりやすくご説明します。
見積もり内容も詳細であることはもちろん、ご契約後、事前の見積もりにない工事・費用は決して加算しないこともお約束しています。
工事は熟練のスタッフによる完全自社施工で、国産一流メーカー製の機材のみを使った丁寧で高品質な施工を、中間マージンのない適正価格でご提供しています。
また施工後には、業界最長クラスである10年保証もご用意しています。
お住まいで雪によってBS放送が映らなくなった場合は、まず着雪や降雪減衰などの一時的な現象なのか、アンテナの方向ずれや設備の故障なのかを確認することが重要になります。
「あさひアンテナ」では、まずは無料の現地調査で設備の状態を確認し、必要な工事をご提案します。
また毎年、冬になるとアンテナへ雪が付着して受信障害が起こる場合には、設置位置の変更や固定方法の見直しなど、長期的な対策も候補としてご提案します。
ただし同じ地域でも、すべての住宅で同じ対策が適しているわけではありません。
特に積雪地域では、現場ごとに静止衛星方向への見通し、屋根からの落雪、設置金具の支持条件などを確認する必要があります。
そのため、「あさひアンテナ」へお問い合わせの際は、まずはお住まいの状況と発生している症状を詳しくお伝えいただき、対応可能な工事方法についてご相談いただくことをおすすめします。
お問い合わせ時に伝えるとよい情報
「あさひアンテナ」のフリーダイヤルやメールフォーム、LINEアカウントなど、雪によるBSアンテナのトラブルで業者へお問い合わせになる場合には、事前に以下の情報をまとめておくと話が進みやすくなります。
※上記は業者に相談する際に確認しておくポイントの一例です。
こうした情報を整理しておくと、専門業者が現場で原因を調べる際の参考になり、調査や工事の検討をスムーズに進められる可能性が高くなります。
ただ、降雪時のアンテナ修理・交換などは、現地の安全状況によっては作業できない場合があります。
業者による現地調査や修理の対応条件、工事費用、保証対象などについては、事前に業者に対して確認してください。
まとめ:BSアンテナの雪対策は着雪・降雪減衰・故障を正しく見分けよう
本記事でもご説明した通り、雪の日にBS放送が映らなくなる主な原因には、アンテナへの着雪、降雪減衰、アンテナの方向ずれ、ケーブル配線設備や周辺機器の不具合などが考えられます。
特に、BS/110度CS放送で使用する12GHz帯の電波は、強い雨や雪などの影響を受ける場合があり、アンテナの不具合がなくても一時的な受信不良が起こり得ます。
また、反射鏡や一次放射器の周辺へ雪が付着すると、やはり一時的に受信性能が低下することもあります。
ただし、これらは必ずしもアンテナの故障を意味するものではありません。雪が止み、アンテナに付着した雪が自然に溶けることで、正常に受信できるようになるケースもあります。
そのため、突然BS放送が映らなくなった場合は、まず室内で安全に確認できる項目を調べ、天候との関係を整理することが重要です。
一方、雪が溶け落ちてもBS放送の受信不良が続く場合や、アンテナを視認して傾きや破損が見られる場合、さらに毎年の冬に繰り返し同じ問題が発生する場合には、専門業者による点検や設置環境の見直しをご検討ください。
また、市販の撥水スプレーや防雪カバーについても、その効果や安全性は製品の仕様と設置条件によって異なるため、プロへのご相談が推奨されます。
BSアンテナの雪対策でもっとも重要となるのは、屋根の上などで危険なDIY作業を行わず、ご自宅の受信環境に合った方法を選ぶことです。
アンテナ設置以外の視聴方法も比較したい場合は、関連記事「アンテナなしでBSを見る方法:光回線・ケーブルテレビ・配信サービスの比較」も参考になります。
毎年冬になるとBS放送が映らなくなる場合は、軒下や壁面への移設、固定方法の見直し、アンテナの大型化、融雪設備の導入などを検討する方法があります。
ただし、いずれの方法も、すべての雪害を完全に防ぐものではありません。
「あさひアンテナ」では、BS/110度CSアンテナの設置・交換・修理に関するご相談も受け付けております。
雪による受信不良や、アンテナの設置位置についてお困りの場合は、まずは同社のフリーダイヤルなどご相談窓口まで、住宅の状況や症状を伝え、必要な調査や工事についてお問い合わせください。
雪の影響とアンテナ設備の不具合を正しく見極め、無理のない対策を選ぶことが、冬場でも安定したBS放送やテレビ視聴環境を維持するための第一歩になります。
監修者プロフィール:本田祐一(ほんだ ゆういち)
あさひアンテナ 営業担当/元アンテナ工事スタッフ
テレビアンテナ工事専門業者「あさひアンテナ」に十数年間在籍するベテランスタッフ。
入社後はアンテナ工事の現場作業に従事し、地デジ・BS/110度CSアンテナの新規設置、交換、修理など、さまざまな住宅環境での施工経験を積んできました。
現在は営業担当として、これまでの現場経験と専門知識を活かし、アンテナ工事やテレビ受信トラブルに関するお客様からのご相談に対応しています。
特に、アンテナの設置位置や固定方法、電波の受信状態、風雨などの気象条件による影響について、施工現場の実情を踏まえた判断を大切にしています。
本記事では、BS/110度CSアンテナへの着雪、降雪減衰、積雪や強風による設備への影響、安全な応急処置、アンテナの移設や交換による再発防止策について、専門的な知見に基づく技術監修を担当しています。
執筆者プロフィール:山崎鉄(やまざき てつ)
ライター/テレビアンテナ関連コラムの取材・構成・執筆担当
雑誌やWebメディアなど、さまざまな媒体で執筆活動を行ってきたライター。現在はテレビアンテナに関する専門的なコラムの執筆を中心に活動しています。
地デジ・BS/110度CS放送の受信設備、アンテナ工事、テレビの受信障害、設備のメンテナンスなど、一般の方には理解しにくい技術的な情報を、わかりやすく解説する記事の制作に取り組んでいます。
記事の制作では、アンテナ工事の専門家から得た知見やメーカーの技術資料などを参考に、読者がトラブルの原因を理解し、安全かつ適切な対処方法を判断できるよう、正確で実用的な情報を伝えることを重視しています。
本記事では、雪によるBSアンテナの受信障害の仕組み、自分でできる安全な確認方法、撥水スプレーや防雪カバーの注意点、専門業者による雪対策と工事費用などについて、専門家の知見を踏まえて取材・構成・執筆を担当しています。




