新築住宅のテレビアンテナ設置工事の種類や業者の選び方、費用を解説!【地デジ・あさひアンテナ】

2022年12月29日

##新築住宅のテレビアンテナ設置工事の種類や業者の選び方、費用を解説!【地デジ・あさひアンテナ】

本記事では、新築や既存の戸建て住宅におけるテレビアンテナ工事について、アンテナ機種や設置方法、依頼できる業者から工事の費用までを解説いたします。

 

新築住宅、既存住宅を問わず、今日の戸建住宅で多くの場合、必要な工事のひとつが、テレビアンテナ工事です。

ケーブルテレビ(CATV)、光テレビなどをご利用になる場合を除いて、新築住宅でテレビ放送をご視聴になるためには、地上波デジタル放送(地デジ)や衛星放送のBS放送、CS放送など、ご視聴になりたいテレビ放送に合わせたテレビアンテナを設置する必要がございます。

またすでにテレビアンテナが設置された中古住宅を購入し引っ越しする場合や、既存の住宅の場合なども、既存のアンテナの老朽化や、衛星放送用のアンテナを追加するなどで、アンテナ工事が必要になることもございます。

 

ただテレビアンテナはいったん設置すれば、大きなトラブルなどがない限り、十年以上はそのまま使い続けることが可能です。機種によっては二十年以上、大きなトラブルもなくご利用になれるケースも珍しくありません。

そのため、新築住宅やBS/CSアンテナなどの新規設置。または既存住宅のアンテナ交換などが必要となった際に、一帯どのようなアンテナを設置、交換できるのか、どのような業者に頼んでいいのか、かいもく見当がつかないという方もおられるのではないでしょうか?

 

当コラムでは、2023年(令和5年)の最新データに基づき、これから新規設置、交換など、各種のアンテナ工事を考えておられる方に、今現在、設置できる主なアンテナ機種から、設置位置などの工法。工事費用の相場。また依頼できる業者などの基礎知識を解説してまいります。

本記事をお読みいただくことで、ご自宅の条件に最適な設置位置から、施工技術が高く工費もリーズナブルな業者選びまで、費用を抑えてご希望の高品質な工事を実現していただければ幸いです。設置位置をどこに選ぶのがベストか、せっかく購入した家にアンテナを取り付けるなら、実績ある工事会社に頼んで外観も大切にしていきましょう。

アンテナ工事が実質0円!

戸建て住宅に設置されるテレビアンテナの種類

今日、戸建住宅に設置されるテレビアンテナ機種は、大きく「地デジアンテナ」と「衛星放送用アンテナ」の2種類になります。

戸建住宅の場合は、まず適切な機種を選択して地デジアンテナを設置します。さらに衛星放送もご視聴になりたい場合は、やはり適切なBS/CSアンテナを設置することになります。

基本的に、戸建住宅に設置されるテレビアンテナはこれら1基、または2基になります。ただ現場の条件と、ご視聴になりたいチャンネルによっては、さらに別のアンテナを設置する必要が出るケースがございます。

以下、地デジ、衛星放送の各テレビ放送について解説いたします。

 

地上波デジタル放送(地デジ)

これは、日本国内の各地に設置された中継局(電波塔)から地デジ電波を送信し、各住宅などに設置されたテレビアンテナ(地デジアンテナ)で受信する形式の、一般的なテレビ放送です。NHK、広域民放などのチャンネルを視聴できます。

基本的には日本国内でも、都市や住宅地など、人が住んでいるほとんどのエリアで受信可能です。ただ中継局からの距離や地形によって、その地域で受信できる電波レベル(電波強度)が変わってきます。エリアごとの電波強度は大きく「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」に分けられます。また強電界地域などでも高層建築など障害物の陰になる場所では、局地的に電波レベルが低下することもございます。

現在の地デジアンテナ機種には、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の三機種が存在します。

戸建て住宅あれば、基本的に一台の地デジアンテナですべての地デジチャンネルを受信できます。ただ、東京MX、千葉テレビなど、特定の都府県のみに存在し、そのエリアのみで視聴できる「独立放送局」の「地方チャンネル」と、NHK、広域民放の中継局の場所が異なり、電波の方向も大きく異なる場合は、地方チャンネルをご視聴になるため、メインの地デジアンテナとは別途に、地方チャンネル用の地デジアンテナを設置する必要も出てまいります。

地デジ放送についての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。

地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識

 

衛星放送

日本における衛星放送は、地上からおよそ36,000キロ上空、宇宙空間の赤道軌道上を周回して、日本列島を捕捉し続ける人工衛星から送信される、テレビ電波を、住宅などに設置された衛星放送用の電波で受信する形式のテレビ放送です。

日本の衛星放送には、放送衛星を用いる「BS放送」と、通信衛星を用いる「CS放送」の二種類がございます。どちらも主な人工衛星は東経110度に位置するため、一台のBS/CSアンテナで双方とも受信できます。ただ位置の異なる人工衛星を用いる一部のCS放送サービスについては、専用のアンテナが必要となります。なおBS/CSアンテナは、基本的にどれも構造は同じパラボラアンテナになります。

BS放送、CS放送とも人工衛星から電波が送信されるため、基本的に日本全国で受信可能ですが、日本列島の南北の端付近や離島部などでは、やや電波が弱いこともございます。またアンテナを正確に衛星の方向へ向けなければならず、ミリ単位のズレでも受信感度が低下する。衛星とアンテナとの間に障害物があると受信できない。豪雨、大雪などの場合も受信不良が生じるなどの特性がございます。

衛星放送についての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。

衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識

 

戸建て住宅に設置できる主な地デジアンテナの種類

ここでは、前述した戸建て住宅に設置される地デジアンテナについて、詳細を解説してまいります。

 

八木式アンテナ

八木式アンテナは、八木アンテナ、八木・宇田アンテナとも呼ばれ、主に屋根の上などに見られる、魚の骨の形をした地デジアンテナです。アナログ放送時代から使われる古典的な機種で、現在でもテレビアンテナといえばこの形のイメージが強くなっております。

八木式アンテナの特長は、シンプルな構造で機種によって素子数を増やすことができる。また高所に設置できることから、他の地デジアンテナよりも受信性能が高く、弱電界地域をはじめ、電波レベルの弱いエリアでも使用できる点です。

上記に加え、八木式アンテナのシンプルな構造、古典的な機種であるという点は、他の地デジアンテナよりも本体価格の低価格化にもつながっております。そのため、アンテナ工事の費用を抑えたい方にとっては適したアンテナ機種といえます。

八木式アンテナの性能は、中心の太い棒(支柱)から平行に設置された短い横棒に設置された素子(エレメント)の数で決まります。

エレメントが14個であれば14素子アンテナ、20個であれば20素子アンテナと呼ばれます。この素子数が多いほど地デジ電波に対する応答性が高くなり、アンテナの性能が向上します。

この点は後述するデザインアンテナ、ユニコーンアンテナでも同じで、外観から素子が見えないこれらのモデルは、機種ごとに「20素子相当」のような表記でその性能を表します。

一般的な八木式アンテナのモデルは20素子になります。一方、強電界地域では14素子程度、弱電界地域では27素子程度やパラスタックアンテナを設置します。ただ素子数が多い高性能の八木式アンテナは、その分、本体が大型化します。

パラスタックアンテナとは、素子の部分にⅩ字型の金具を設置し、上下に素子を設置することで、素子数を倍加した八木式アンテナのことです。パラスダックアンテナでは30素子以上の高性能化や、同じ素子数でアンテナ本体をコンパクト化することも可能ですが、指向性(特定の方向のみで電波を受信できる性質)が高くなるという弱点もございます。

安価で受信性能が高い八木式アンテナのデメリットとしては、風雨などに影響されやすく老朽化がデザインアンテナよりは進みやすい。その形状と設置場所が屋根上になることが多いため鳥が留まりやすく鳥害を受けやすい。見た目により住宅の外観性や景観を乱し、景観地域などでは条例で使用できないこともある。アンテナの一部が隣家の敷地にはみだす「越境問題」が発生するケースがあるなどの点がございます。

八木式アンテナの寿命は、基本的に「10年」とされています。ただ自然環境が穏やかなエリアでは、10年以上にわたって安定して使用できること。逆に環境が厳しいエリアでは10年を待たず寿命を迎えることもございます。

八木式アンテナについての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。

地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

 

デザインアンテナ

デザインアンテナとは、基本的に壁面などに設置される、平面型で軽量の地デジアンテナです。基本的には長方形の薄い箱のような形が多く、壁面アンテナ、平面アンテナ、ボックスアンテナとも呼ばれます。また機種によって多くの形状やカラーバリエーションもあり、八木式アンテナの表面にカバーを設置したモデルや、後述するユニコーンアンテナも広義のデザインアンテナに含まれることがございます。

デザインアンテナの設置位置は、主に壁面やベランダの内外ですが、他に屋根の上のマスト(支柱)や、電波状態や建材などの条件が許せば、屋根裏空間への設置も可能です。

デザインアンテナの特徴は、壁面で目立たず色合いもマッチする優れた外観性にあります。その形状は外観性だけでなく、風雨などの影響を受けにくいことにもつながり、経年劣化が進みにくく寿命が長くなるというメリットもございます。

またその形状から越境問題も生じにくいなどメリットが多く、現在では一番人気の地デジアンテナになります。

デザインアンテナのデメリットは、八木式アンテナに比べると本体価格、設置費用がやや高価になる点。そして設置位置もあって受信性能もやや及ばないという点になります。デザインアンテナには主に20素子、26素子のモデルがございますが、弱電界地域など地デジ電波レベルが弱いエリアでは、十分な地デジ受信ができず使用できないこともございます。

また壁面に設置する場合には、壁面に穴を開ける必要があるのもデメリットです。壁面への設置工事の際には、ネジ穴への防水加工など、丁寧な施工を行う業者をおすすめいたします。

デザインアンテナおよび後述するユニコーンアンテナについては、以下のコラム記事の情報もご参照ください。

台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

 

ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナは、日本三大アンテナメーカーのひとつとされる大手メーカー「マスプロ電工」さんが2017年(平成30年)に発売した地デジアンテナです。その名称も同社の登録商標ですが、ポール型アンテナと呼ばれることもございます。

形状は、ポールの先にほぼ円筒形の小型アンテナ本体を設置したもので、伝説上の生物、ユニコーン(一角獣)の角のような形状から命名されました。カラーバリエーションは、光を反射しにくいブラックブロンズとウォームホワイトの2種類になります。

ユニコーンアンテナは、八木式アンテナとデザインアンテナの長所を兼ね備えたアンテナといわれます。主な設置位置は、屋根の上、屋根の張り出し部(破風板)、住宅の壁面でも高い位置になります。

ユニコーンアンテナの特徴は、そのデザイン性と軽量さから、住宅の外観性を乱さない。また風雨などに影響されにくく、経年劣化を抑えて長寿命を実現できます。さらに設置位置の高さから高い地デジの受信感度を確保できる。ポール部分にBS/CSアンテナを設置できる。形状や設置位置から太陽光発電システムの邪魔になりにくい、などのメリットもございます。

デメリットは、現状の最新型地デジアンテナであるため、本体価格、設置費用は地デジアンテナではもっとも高価になること。また八木式アンテナに比べるとやや受信性能は及ばず、弱電界地域では使用できないこともあることです。そのため地デジ電波の弱いエリアでユニコーンアンテナを設置なさりたい場合には、事前の電波調査で設置可能かどうかを確認しておく必要がございます。

 

戸建て住宅に設置できる主な衛星放送用アンテナ(BS/CSアンテナ)の種類

ここからは、戸建て住宅に設置される、衛星放送用アンテナのモデルについてご紹介します。

基本的にはどのモデルも、電波を受け止め、反射する皿状の「ディッシュ」と、電波を集める装置「コンバーター」。およびコンバーターを支える「アーム」から成り立っています。また背面にはマストなどに取り付ける固定金具が設置されています。

 

BS/110度CSアンテナ(4K8K対応)

これは2018年(平成30年)にスタートした、衛星放送の4K8K放送「新4K8K衛星放送」を視聴するため必要なBS/CSアンテナです。

従来の2K衛星放送では「右旋円偏波」という電波が使用されていましたが、新4K8K衛星放送でチャンネルを追加するにあたり、電波の周波数帯が不足したため、4K8K放送の多くのチャンネルで「左旋円偏波」が導入されました。そのため一部のチャンネルを除いて、新4K8K衛星放送を視聴するためには、左旋の電波を受信できる4K8K対応アンテナが必要となったのです。

現在のBS/CSアンテナは、大半が4K8K対応型になっております。また4K8K対応型に限らず、家庭用BS/CSアンテナはディッシュの直径(センチ数)が45型のものが一般的ですが、50型、60型などの大型も存在します。大型のBS/CSアンテナは受信感度が高まり、受信不良にも強くなりますが、一方で風雨に影響されやすくなる弱点もございます。

他にも基本色は太陽光に強い白色系ながら、紫外線に強い塗料を用いた黒などのカラーバリエーション。日本三大アンテナメーカーのひとつ「DXアンテナ」さん製で、さまざまな工夫により高い耐風性能を誇る「BC453SG」などのモデルも存在します。

これら4K8K対応BS/CSアンテナの価格は、モデルによっておおむね5,000円から12,000円程度となっております。

 

BS/110度CSアンテナ(2Kタイプ)

これは「新4K8K衛星放送」が開始される2018年以前の主なBS/CSアンテナ機種であり、現在でも設置されている例が多くなります。

基本的には、左旋円偏波が受信できず、新4K8K衛星放送の多くのチャンネルを視聴できない以外は、4K8K対応型と違いはございません。価格は4,000円から10,000円前後と4K8K対応型に比べて割安ですが、4K8K対応型が主流の近年では取り扱いが少なくなっております。

 

CSアンテナ

CSアンテナは、その名前の通り、衛星放送のCS放送のみを受信できるアンテナです。そのためBS放送はご視聴いただけません。

本体価格は8,000円から10,000円程度となります。本体の形状など、基本的にはBS/CSアンテナと大きな違いはございませんが、BS放送が視聴できないため、NHK(BS放送の「NHK-BS」)受信料を支払う必要がなくなるメリットがございます。

また衛星放送の初期には、BS放送のみを受信できるBSアンテナも存在しましたが、現在ではほとんど見られなくなっております。

 

東経124度・128度CSデジタル放送対応アンテナ/マルチアンテナ

CS放送には、通常の東経110度に位置するCS放送「スカパー!」以外に、東経124度、128度に位置する通信衛星を用いた東経124度・128度CSデジタル放送「スカパー!プレミアムサービス」が存在します。

しかし使用される通信衛星が異なる「スカパー!プレミアムサービス」をご視聴になるには、通常のBS/110度CSアンテナとは別に、専用のスカパー!プレミアム専用アンテナ。もしくはすべてのBS/CS放送の電波を受信できるマルチアンテナが必要となります。

 

戸建て住宅におけるテレビ放送視聴方法

ここでは、戸建て住宅におけるテレビ放送の視聴方法を紹介していきます。

主な方法は、テレビアンテナの設置の他、ケーブルテレビ、光テレビの三通りになります。以下、それぞれについて解説してゆきます。

 

テレビアンテナ設置

戸建て住宅におけるもっとも一般的なテレビ視聴方法が、テレビアンテナの設置です。

アンテナ本体や設置工事費などの初期費用はかかりますが、一度設置すれば、BS/CSの有料チャンネルや故障などの場合を除いて、ほぼ永続的に無料でテレビ視聴が可能であるのが最大のメリットです。

ただ新規設置の場合は、配線工事やブースター、分配器など機器の設置も必要となるため、工事費の総額は地デジアンテナのみで機種や工事内容によって30,000円から50,000円程度。BS/CSアンテナを追加すると、そこに15,000円から20,000円程度の加算となります。

また弱電界地域などでは設置できる地デジアンテナ機種や工事内容が限られる他、地デジ電波がほとんど届かない「難視聴地域」などではアンテナによる地デジ受信ができないこともございます。

 

ケーブルテレビ(CATV)

ケーブルテレビは、日本国内でも特定の都道府県内の一部市町村エリアなど、地域密着型のサービスです。ケーブルテレビ局に設置された大型のテレビアンテナから、契約した各ご家庭へとケーブルを敷設し、テレビ電波を送信するという仕組みです。

主に地デジや4K8K含むBS、CS放送の各チャンネルの他、ケーブルテレビ局独自のコミュニティチャンネルなども視聴できます。ただ会社によってはBS、CSの一部チャンネルに対応していないこともございます。

ご視聴になるためには、初期費用とケーブル工事をはじめ、視聴するチャンネルパックにより毎月の視聴料金が必要となります。

基本的には地デジ難視聴地域向けのサービスですが、視聴環境が非常に安定する他、インターネット、スマートフォン、固定電話などのサービスとセットになっていることも多く、それらの総額では割安になることがございます。特にインターネット回線は柔軟性が高く、付帯サービスも充実しているため、品質面でも優れております。

 

光テレビ

インターネットの光回線に加入している住宅では、光回線を利用してテレビ信号を送信する「光テレビ」を利用することができます。

光テレビのご利用にも月額視聴料金が必要となりますが、地デジや4K8Kを含めたBS、CS放送の各チャンネルをご視聴いただけ、現場の電波状態に関係なく、非常に安定したテレビのご視聴が可能となります。

また業者によってはインターネット回線、スマートフォンなどその他サービスとのセット割引が用意されていることもあり、これらの総額で割安に視聴することも可能です。

 

テレビアンテナ、ケーブルテレビ、光テレビの比較については、以下のコラム記事もご参照ください。

テレビ放送の視聴方法3選・徹底比較!(テレビアンテナ・光テレビ・ケーブルテレビ(CATV)

 

戸建て住宅におけるテレビアンテナ配線方法

前述のように、戸建て住宅にテレビアンテナを設置して、各部屋にある複数台のテレビ、レコーダーまでテレビ電波を送るためには、アンテナ配線が必要となります。ここでは、戸建住宅に用いられる二通りのアンテナ配線についてご説明します。

 

「スター配線」方式

スター配線とは、テレビアンテナから屋内へ伸びるアンテナケーブルに「分配器」という装置を設置して、複数へのケーブルと電波を分配し、各部屋のアンテナコンセントへとテレビ電波を届ける、現在では主流の配線方法です。

後述する送り配線方式に比べると分配器やアンテナケーブルの長さが必要となるため、工事費用のコストは高くなります。しかし分配器は、すべての出力先に均等な電波レベルを分配するため、各部屋に届く電波レベルが均一になり、特定の部屋のみ電波状態が悪くなることはほとんどございません。またメンテナンスも簡単になるメリットがございます。

なお「スター配線」の名称は、分配器に接続される複数のケーブルが、星の輝きに見えることに由来するとされています。

 

「送り配線」方式

送り配線とは、テレビアンテナから延びる一本の長いアンテナケーブルを、途中で戸建て住宅内のすべてのアンテナコンセントに接続して、テレビ電波を送信していく配線方法です。

送り配線のメリットは、配線が1本で済むため、施工の手間が少なく、工事のコストが低く済むという点になります。一方で、ケーブルの先に行くほど電波レベルが低くなるというデメリットもあるため、すべての部屋に十分なテレビ電波を送るためには、あらかじめ現場の地デジ電波状態を確認することや、ブースターを設置して適切なレベルに電波を増幅するなどの必要がございます。

送り配線方式はひと昔前の配線方式で、現在ではあまり採用されることはございません。ただ低コスト性から、アンテナコンセント数の少ない住宅などでは、現在でもときに利用されることがございます。

 

戸建て住宅のアンテナ配線については、以下のコラム記事にも情報がございます。

戸建住宅におけるテレビアンテナ配線を徹底解説!

 

戸建て住宅のテレビアンテナ配線に設置されるアンテナ関係機器

前述の戸建住宅におけるアンテナ配線には、分配器の他にもさまざまな機器が設置されます。

ここでは、アンテナ配線に使用される主な機器について詳しく解説してゆきます。

 

アンテナブースター

ブースター(増幅器)とは、地デジ、衛星放送の電波を必要なレベルまで増幅する装置です。主に中電界地域以下など地デジ電波が弱い地域で使用されますが、戸建て住宅に複数台のテレビが置かれる現代では設置はほぼ必須となっております。

一般的に用いられるのは電波の増幅性能が高い屋外用ブースターで、主にアンテナの真下や屋根裏などに設置されます。また地デジ、衛星放送、4K8K放送など、それぞれの放送(電波)に対応するブースターが必要となります。

また難しいのは地デジ電波は強すぎても画面の乱れなどが生じるケースがあり、その場合は電波レベルを適度に弱めるアッテネーター(減衰器)という機器を設置します。近年のテレビ、レコーダーなどにはアッテネーター機能を内蔵するものもございます。

ブースターについて詳しくは、以下のコラム記事をご参照ください。

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

 

分配器

分配器は、前述のように、ブースターを介して増幅された地デジ電波を、複数のケーブルに分配する装置です。

分配器を通したテレビ電波は、電波レベルが分配数で割られる形になって低下するため、屋内全体で必要な電波レベルを計算して、ブースター側で増幅する必要がございます。

分配器には分配数によって2分配器から8分配器(7分配を除く)までの機種がある他、ブースターと同じく、地デジ、BS/CS、4K8K対応型。BS/CSアンテナ側に電源を供給する方法によって使い分ける「一端子通電型」「全端子通電型」。室内側で複数の機器に電波を分配する「ケーブル一体型」「ブースター内蔵型」なども存在します。分配器が設置されているのはどこかは職人の経験で、大体わかります。

分配器についての詳細は、以下のコラム記事をご参照ください。

ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!

テレビアンテナの分配器の設置・接続、交換方法と注意点

アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い

 

分波器・混合器

混合器とは、地デジとBS/CS、また地方局用など、複数のアンテナを設置している場合に、それらのケーブルを一本にまとめる装置です。

混合器でケーブルをまとめることにより、それ以降のアンテナ配線がシンプルになり、トラブルのリスクやコストを軽減できます。ブースターと混合器が一体化された機器も存在します。

またテレビ、レコーダー側で地デジとBS/CSの入力端子に接続する際には、分波器を設置して、再度、地デジとBS/CSの電波を2本のケーブルに分けることになります。

 

戸建て住宅のテレビアンテナ設置工事を依頼できる業者は?

アンテナ機器については以上の通りです。ここでは戸建住宅のアンテナ設置、交換などの工事を依頼できる業者について解説いたします。

 

家電量販店・ホームセンター

お近くの家電量販店、ホームセンターなどでテレビアンテナを購入した際、アンテナ工事も依頼することができます。

そのメリットはアンテナ購入時、その地域に適した機種を確認でき、購入と同時に工事を依頼できることです。

しかし実際に工事を行うのは、それぞれの店舗ではなく下請け業者であるため、施工技術にばらつきがある他、仲介料などが加算されて工事費用が割高になります。また即日工事が難しく、現地調査や見積もりと工事が別日程のことが多い。工事後の保証期間が短いことが多いなどのデメリットもございます。

 

個人経営の電気店

商店街にある町の電気店などにも、アンテナ工事を依頼できることがございます。

メリットは店舗が身近にあり相談しやすいこと。知人の紹介などで工事料金を安くしてもらえる場合もあることなどです。

デメリットは、このような店舗はアンテナ工事の専門ではないため価格相場にうとく、逆に料金が相場より高額になることもあり、最新のアンテナ工事の技術にうといこともある。閉店廃業などにより相談先がなくなる場合もあるなどの点です。

 

インターネット系のアンテナ工事専門業者

インターネットに公式サイトを持つアンテナ工事の専門業者です。

このような業者は専門業者としてアンテナ工事の知識や技術が確かでさまざまな工事に対応できる他、競争により高品質なサービスを低価格で提供する業者が多く、保証期間も5年から10年程度と長期のことが多くなります。

基本的にアンテナ工事はこのような業者に依頼することがおすすめですが、数が多いため中には質の低い業者もあり、お客様の側で優良業者を見極める必要がある点がデメリットといえます。

 

各業者の比較については、以下のコラム記事もご参照ください。

新築戸建におけるテレビアンテナ工事

業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事

 

戸建て住宅におけるテレビアンテナ設置工事の流れ

ここでは、テレビアンテナ工事の専門業者に依頼する場合に中心にした、戸建て住宅におけるテレビアンテナ設置工事の流れについて解説してゆきます。

 

電波調査と打ち合わせ

まずは現場(お住まい)の電波状態を確認するため、業者に電波調査を依頼します。電波調査では電波測定器(アンテナレベルチェッカー)でお住まいの各地で電波レベルを測定し、アンテナ設置にもっとも適した位置や、設置できるアンテナ機種、設置方法などを割り出します。

その結果を元に、お客様とご相談(打ち合わせ)を行い、例えばデザインアンテナを屋根裏に設置したいなどのご要望と、その現場で設置可能かを確認して、現実に可能な範疇で、もっともご要望に近いアンテナ工事のプランを組み立ててゆきます。

なお電波調査と打ち合わせについては、無料と有料の場合があり、他に現地への出張料やキャンセル料が発生することもあるため、それらすべてが無料である業者を確認してご依頼になるといいでしょう。

 

お見積もり

お客様とのご相談により、実際に行う工事の概要が決まったら、その工事の見積もりを行います。

ただ一件の業者から見積もりを取るだけでは、見積もりが妥当なものか判断できないので、複数の業者に見積もりを依頼して、相見積もりを取るといいでしょう。相見積もりに対応できる点も、信頼できる業者の証と言えます。

また現地調査、見積もり時のスタッフの対応についても、説明が明確でわかりやすく、お客様のご要望が優先で強引に契約を求めない、などの点が、優良業者を見極めるポイントです。見積もり料金は安さだけでなく、前述の対応などによる業者の信頼性や、保証期間などを含めた総合的なコストパフォーマンスで判断されるといいでしょう。

また見積もり外の追加費用、工事が加算されることがないかを確認し、念のため、その旨を書面などで確認しておくのもオススメです。

 

本契約

業者の説明や見積もりに納得できたら、アンテナ工事の本契約を結びます。

アンテナ工事の専門業者によっては即日工事も可能ですが、後日、ご都合のいい日程に工事を行うこともできます。

 

工事当日

工事当日はお客様の立ち会いが必要となりますが、工事の最初から最後まで確認している必要はございません。工事の要所での確認や、必要に応じた業者との相談ができれば、その他の時間は屋内で待機されていても大丈夫です。

アンテナ工事の所要時間は現場の条件や施工内容でも変わってきますが、地デジアンテナ設置で1時間程度、BS/CSアンテナ設置やブースター、分配器設置を含む配線工事なども含めれば、2時間から3時間程度になります。

 

最終確認とお支払い

アンテナ工事が完了した後は、住宅内のテレビ側で正しく受信できるか確認して、問題がなければ作業は完了です。テレビが未設置の場合は、アンテナコンセントにレベルチェッカーを接続して、電波が適切なレベルで届いているかを確認します。

作業終了後は、工事料金のお支払いになります。アンテナ工事の専門業者は多くの場合、現金の他、クレジットカードや電子マネーにも対応しております。その後、業者から工事の保証書を受け取れば工事は終了です。なお業者の保証期間中は、保証書の提示により、保障内容に応じてトラブル時の対応、復旧やメンテナンスなどを無償で受けることができるため、保証書は大切に保管しておいてください。

 

まとめ

戸建て住宅のアンテナ工事に関する基礎知識は、以上です。これらを把握していただければ、ご自宅に設置なさりたいアンテナ機種から、実際に工事を依頼する業者のご選択。実際のアンテナ工事まで、スムーズに進めていただけることと存じます。

特に新築住宅のアンテナ設置に関しては、以下のコラム記事も参考になると思われます。

新築戸建て住宅向けテレビアンテナ工事の種類と費用は? 設置から相場、業者選びまで解説!

 

あさひアンテナでは、地デジ、BS/CSアンテナや各種機材について、主要部材は日本三大アンテナメーカーをはじめ国産有名メーカーの高品質機器を豊富にご用意し、アンテナ本体や機材の価格をセットにした、ハウスメーカーよりははるかに低価格で、かつ業界最安に挑む工事価格でご提供しております。

また現地電波調査やお見積もりも、出張料、キャンセル料ご不要の完全無料で行っております。

アンテナ工事も条件が許す限り、お客様のご要望にお応えする形で行い、当初のお見積もり価格から決して無断で工事、機材などを追加しない施工を実践しております。

また保障に関しても、業界最長クラスとなる10年保証をご用意しております。保証書を紛失された場合も、ご相談いただければ、お客様の情報と弊社のデータベースを確認し、弊社での施工を確認でき次第、保証書があるのと同じ保証対応をいたします。

各種テレビアンテナ工事のご相談については、まずは当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)かメールフォームLINEアカウントまで、お気軽にお寄せいただければ幸いです。

 

トップページに戻る

無料見積もり

無料見積もり


LINE見積もりバナー

LINE見積もりバナー


フリーダイヤルバナー

フリーダイヤルバナー


アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。