新築のテレビアンテナ工事をどこに頼むか。おすすめの業者の選び方・相場比較・依頼できる施工の種類・費用を解説
新築住宅、また既存住宅のテレビアンテナ交換などはどこの業者に頼めばいいか? 業者、会社ごとに依頼できるアンテナ工事から、費用までを解説し、おすすめの業者をご紹介します。
新築住宅にお引越しされる際、必要となる工事のひとつが、テレビアンテナ工事です。ご入居される前に、あらかじめ地デジ(地上デジタル放送)や、衛星放送(BS/CS)など、ご覧になりたいテレビ放送のアンテナを選択し、アンテナ設置や配線の工事、またテレビ本体の設置などを行い、リモコンを操作するだけで快適にテレビ放送をご覧になれる環境を整えておく必要がございます。
すでにテレビアンテナが設置されている既存住宅でも、長年、設置されてきたアンテナは老朽化が進み、受信性能の低下や倒壊などのリスクが生じてまいります。さらに周辺環境の変化により十分な電波が受信できなくなる。衛星放送や新4K8K衛星放送など、新しいテレビ放送に対応できるアンテナを追加したい、などの理由で、あらためてアンテナ工事が必要となることがございます。
当コラムでは、新築、既存住宅を含め、各種のテレビアンテナ工事が必要となった場合について、2023年(令和5年)度の最新情報に基づき、アンテナ工事を依頼できる業者や、対応できる工事内容。またその価格相場について解説してまいります。初期費用のみでランニングコストがかからないのがアンテナの最大の魅力です。しかも設置のための金額は、10年、20年単位で計算した場合、CATVや光テレビと比較して数十万円変わってくることがあります。
地デジ放送、衛星放送の基礎知識
2023年現在のテレビ放送には、いわゆる地デジ放送の「地上デジタル放送」と、BS放送、CS放送の「衛星放送」がございます。
これらのテレビ放送のチャンネルは、主に地デジ、衛星放送のテレビアンテナ設置で視聴可能ですが、他にも光テレビ、ケーブルテレビ(CATV)のご利用でも視聴可能になります。
地デジ放送は、現在の日本では非常に普及率の高い、もっとも一般的なテレビ放送ですが、衛星放送も現在の普及率は全世帯の7割に達しているといわれています。以下、各放送の概要をご説明いたします。
地上波デジタル放送
地デジ放送は、戸建て住宅や集合住宅など、建築物に「地デジアンテナ」を設置することで、日本国内の各地に設置された数々の中継局(電波塔)から、周辺一帯に送信される地デジ電波を受信して、テレビなど受信機器により地デジテレビ放送を視聴する方法です。
地デジの中継局は、日本国内の要所に数多く設置されております。例えば関東であれば、東京都墨田区に設置され、東京都や周辺の都道府県の広範囲に地デジ電波を送信する東京スカイツリーや、関西であれば、奈良県と大阪府の県境、生駒山に位置し、大阪府を中心に周辺エリアでも受信できる大阪局などが、大規模な中継局となります。
またその他にも、人口の多い主要市街地や住宅地には、ほとんどの場合、近辺に中継局が設置されているため、日本国内であればほとんどのエリアで地デジ放送を視聴できます。
地デジ放送で視聴できるテレビ放送局(チャンネル)は、おおむね日本国内の全域で視聴できるNHK、広域民放と、国内の主な都市圏に位置するテレビ局、独立中継局が、その都府県一帯を放送エリアとして送信している地方チャンネルが存在します。
この地デジ電波の受信強度は、日本国内の各エリアでも、中継局からの距離や、周辺の地形により変動します。この受信レベルの違いにより、日本国内でも地域ごとに「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」に分けられる他、中継局から遠い過疎地や、電波が遮断されやすい山間部などで、地デジ電波の受信が難しくなる「難視聴地域」が存在します。
各電界地域に公式の定義はございませんが、一般的には「㏈(デシベル)」の電波レベルにおいて、受信できる地デジ電波強度が「80㏈」以上の地域は強電界地域。「80㏈」から「60㏈」の地域は中電界地域。「60㏈」以下の地域が弱電界地域にあたります。
ただこれら電界地域とは関係なく、現場の付近に高層建築物などの障害物があって電波が遮断される、また山間部や窪地に当たるといった地形などの要因で、局地的に電波状態が悪化することもございますのでご注意ください。
地デジ放送、および電界地域についての詳細は、以下のコラムをご確認ください。
地上デジタル放送の「地デジ電波」基礎知識
地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
衛星放送
衛星放送とは、地上からおよそ36,000キロ離れた宇宙空間において、赤道上空の周回軌道を回り続ける人工衛星(静止衛星)から、地球上へと放送電波を送信するテレビ放送です。衛星放送用の陣恋衛星は、地球の自転に合わせて周回するため、地上から見れば常に一転にとどまっているように見えます。
この衛星放送の特徴は、宇宙空間からの電波送信になるため、地上の中継局を使用する地デジ放送に比べて、広範囲へと効率的に電波を送信でき、地上の地形や障害物、災害などにも影響されにくいというメリットがございます。
日本国内の衛星放送には「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」の2種類があります。また2018年(平成30年)には「新4K8K衛星放送」がスタートし、従来は2Kフルハイビジョン画質であったBS放送、CS放送に、それぞれ4K、8Kのチャンネルも追加されております。
これらの衛星放送は、住宅などにBS/CSアンテナと、BS/CSチューナーを内臓したテレビ、レコーダーなどの受信機器で視聴することができます。
BS放送とCSの放送の違いは、BS放送は「放送衛星」を使用しており、CS放送は「通信衛星」を使用している点になります。
「BS放送」は、一般家庭で視聴されることを想定した衛星放送で、現在は東経110度に位置する放送衛星を使用しております。
BS放送にはNHKや民放各局の「NHK-BS」「BS日テレ」「BSフジ」などのチャンネルがあり、これらのチャンネルは、NHKの受信料を除いて無料で視聴することができます。他にも「WOWOW」など多くの有料チャンネルがあり、これらのチャンネルは月額契約料金を支払うことにより視聴できます。
「CS放送」は、やはり東経110度に位置する通信衛星を利用した「110度CS(スカパー!)」と、東経124度、128度に位置する通信衛星を使用する「124度/128度CS(スカパー!プレミアムサービス)」がございます。
現在の主要なCS放送は110度CSであり、双方とも大半のチャンネルが有料ですが、細分化されたさまざまなチャンネルが存在し、お好みのチャンネルをお選びいただけることが特徴です。CS放送をご視聴になるにはスカパーの基本料金と、ご視聴になりたい各チャンネルの契約料金が必要となります。
これらの衛星放送をご視聴になるための設備としては、まずBS放送および110度CS(スカパー)をご視聴になるには、現在の主要な衛星放送用パラボラアンテナである「BS/110度CSアンテナ」を設置し、BS,CSチューナー、またはそれを内蔵したテレビ、レコーダーなどが必要となります。BS/CSアンテナからのケーブルをチューナーに機器に接続、そして有料チャンネルに関しては契約を行うことで、各BS、CS放送のチャンネルをご視聴になれます。
ただ124度/128度CS放送に関しては、通信衛星の位置が異なるため、ご視聴になるためには、BS/110度CSアンテナとは別個に、124度/128度CS放送専用のパラボラアンテナ、または一基で110度BS/CS、124度/128度CS、すべての放送を視聴できる「3波対応アンテナ(マルチアンテナ)」。およびプレミアムサービス専用チューナーが必要になります。
また新4K8K衛星放送については、従来の2KのBS、CS放送に4K、8Kのチャンネルを追加する際、従来の衛星放送で使用されていた右旋の電波では周波数帯が不足したため、多くのチャンネルで新しく左旋の電波を使用することになりました。
そのため従来の右旋電波に対応する2K対応BS/CSアンテナでは、左旋電波の4K8Kチャンネルを受信できません。新4K8K衛星放送をすべて受信するためには、左旋の電波にも対応できる4K8K対応BS/CSアンテナと、やはり4K8Kの電波に対応できるブースター、分配器などの機器、そして4K、8Kテレビが必要となります。
BS/CSアンテナの設置にあたっては、人工衛星から直進的に送信される電波を正確に受信するため、人工衛星が位置する東経110度などの方向へアンテナを正確に向ける必要があり、ミリ単位の角度のズレでも、受信感度が大きく低下することがございます。
また人工衛星の方向に電波を遮る高層建築や山地、樹木などの障害物があると、やはり受信が困難となります。この障害物については、例えばアンテナより5メートル高い障害物の場合は、障害物とアンテナの距離が7.5メートル以上、離れているなど、アンテナから障害物の高さに対して、アンテナと障害物の距離が1.5倍以上あれば影響はなくなります。
他にも衛星放送の電波の特性としては、人工衛星からの距離がやや遠くなる日本の北部や南端部、離島部などでは、電波レベルがやや低下します。また衛星放送の電波は周波数が短く、波長の大きさが雨や雪に近くなるため、地上で豪雨や降雪があると、電波が吸収され、乱反射が生じてしまい、電波状態が低下し、受信が困難になることもございます、このような現象を「降雨(降雪)減退」と呼ばれます。
BS/CSの衛星放送についての詳細は、以下のコラム記事でもご説明しております。
衛星放送(BS放送・CS放送)の「テレビ電波」基礎知識
テレビアンテナ工事を依頼できる主な業者
戸建て住宅などで、テレビアンテナの新規設置や交換、修理などのアンテナ工事を行ってくれる会社は、主に家電量販店やホームセンター、ハウスメーカー、引っ越し業者、町の電気店、アンテナ工事専門業者などがございますが。
それぞれの業者には、依頼するにあたってのメリット、デメリットがございますので、以下、詳しくご説明いたします。
家電量販店・ホームセンター
業界でも評判の良いヤマダ電機、ジョーシン、カインズホームなどの有名家電量販店やホームセンターでは、各種テレビアンテナを販売しており、アンテナの購入と同時に、アンテナ工事の手配を行うこともできます。そのため工事業者を手配する手間が省けますし、販売スタッフがアンテナに関する知識や、周辺地域の電波状態に関する知識をもっていることが多くなります。そのため直接、さまざまな質問に答えてもらえるというメリットがございます。
またチェーン店舗などにもよりますが、多くの店舗では、1年保証のようなアフターサービスが付いていることも多くなります。
デメリットとしては、販売スタッフはアンテナ工事の専門家ではないため、工事や電波に関する知識や情報が不正確なケースも考えられます。また実際の工事は、店舗ではなく下請け業者が行うため、仲介手数料が加算されて相場よりも工事費用が割高になる。施工技術にバラつきが出る等の問題もございます。
他にも、現場や電波調査が有料であるケースや、即日工事が難しい場合もある。またエアコン工事の繁忙期には、アンテナ工事が行われるまでに時間がかかる、といったケースもございます。
ハウスメーカー
戸建て住宅の新築やリフォームを依頼したハウスメーカー、工務店にアンテナ工事を任せることもできます。ハウスメーカーによっては、住宅建築時のオプション設備にテレビアンテナが含まれることもあり、住宅のお引き渡し時にはアンテナが設置されていることもあります。
これらの業者のメリットとしては、住宅を建築する会社がアンテナ工事も行うため手続きが簡単になる他、アンテナ工事費用も住宅の販売価格に含まれるため、支払いも簡単になる点です。
デメリットは、やはり実際のアンテナ工事は下請け業者が行うため、仲介料などで工事費用が割高になり、施工技術にもバラつきが出ることが多くなります。またアンテナ工事業者とのやり取りは、ハウスメーカーの担当者が仲介するため、施工の日程や工事についての注文。また設置後の保証対応などに手間がかかることが多くなります。ハウスメーカー側で保証対応がない場合は、工事後の保証やアフターサービスが存在しない点もデメリットになります。
引っ越し業者
新居へとお引越しされるに際は、引っ越し業者にアンテナ工事を依頼することもできます。この場合は、以前の住宅から取り外したテレビアンテナや機器などを新居に再設置してもらうこともできます。アンテナや機器を流用することで、新規にアンテナや配線を購入する必要がなくなります。さらにその他の家電製品の設置、配線などとまとめて対応してもらえるため、さまざまな作業が必要となる引っ越しの手間を、大幅に省くことができるという点がメリットになります。
デメリットとしては、引っ越し業者のオプション工事には費用がかかるため、結果的には新規アンテナ工事と費用がさほど変わらなくなってしまう場合もある点です。さらに工事は多くの場合、下請け業者が行うため、仲介手数料により工事費用が高くなる、業者によって施工技術に差が出るなど、上記の業者と同じデメリットが生じてまいります。
町の電気店
お住まいの地域の商店街などにある、昔ながらの町の電気屋さんにも、アンテナ工事を依頼できることがございます。
このような業者のメリットとしては、近隣に位置することから、現地の電波状況や環境など、地元の状況に詳しい点。さらに近くにあるため工事後のメンテナンス等も相談しやすい点などが挙げられます。また地域の人間関係による紹介によって、工事価格を割り引いてもらえるケース等もございます。
デメリットは、店により工事価格や技術の差が大きく、現代のアンテナ工事の技術や、価格相場に疎いこともあるため、電波調査や見積もりが有料になり、最新のアンテナ機器や工事などには対応できない。また工事費用もかえって割高になる場合もあることです。また保証期間が短い場合や、個人経営の店舗であるため、店舗が閉店廃業してしまい、その後の相談先がなくなる可能性がある点も、大きなデメリットといえます。
アンテナ工事専門業者
当あさひアンテナのように、インターネット上にホームページを掲載している、アンテナ工事の専門業者に依頼する方法もございます。
これらの業者はアンテナ工事の専門家になるため、アンテナ本体や工事に関する専門知識も豊富であり、高い施工品質で多彩な工事に対応してもらうことが可能です。また完全自社施工の業者であれば、前述の前述の業者のように仲介手数料が必要なく、施工技術も安定しております、
業者間の価格やサービス競争が激しいため、基本工事価格には高品質のアンテナ本体や備品などが付属することが多く、トータルの費用も低価格になります。
さらに多くの場合、電波調査や見積もりは無料。即日工事にも対応してもらえる。長期間の保証を用意していることが多いなど、多くのメリットがございます。
デメリットとしては、インターネット上にさまざまな業者が存在するため、中には施工技術が低く、粗悪な機材を使用して、不必要な機材や工事を追加することで高額な工事料金を請求する悪質な業者も存在するという点です。
優良なアンテナ工事業者を選択するポイントとしては、公式サイトで使用する機材のメーカーや型番、各工事の施工費用やサービスの価格体系が明快でわかりやすいか。公式サイトからの問い合わせの応答が早いか。アンテナ設置後の保証期間が、10年程度と長いか。自社施工でアンテナ工事を行っているか。相見積もりに対応してくれるか。電波調査や見積もり時のスタッフの対応はどうか、質問などに丁寧に答えてくれて、無理に契約を推し進めようとしないか、といった点をよくご確認の上で検討される必要がございます。
各業者の詳細や、アンテナ工事業者の選び方・検索などについての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。
新築戸建て住宅向けテレビアンテナ工事の種類と費用は? 設置から相場、業者選びまで解説!
業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事
アンテナ工事業者が行ってくれる各種アンテナ設置工事、オプション工事
以下、アンテナ工事業者が対応してくれる主なアンテナ工事と、価格相場についてご説明いたします。
現在、戸建て住宅などに設置される地デジアンテナは「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」の三機種。衛星放送用のアンテナは主に「BS/110度CSアンテナ」ですが、前述のようなモデルがございます。
工事費用については、ブースターなど機器含むアンテナ配線がなされた住宅で、各種テレビアンテナを設置するだけの工事であれば、アンテナ設置工事の基本価格のみになります。ただ新築住宅などで、ブースターなどの機器や配線などがまったく設置されていない場合は、アンテナ設置費用に加え、必要に応じてブースターや分配器などを設置する工費費用との総額になってまいります。
なお以下に解説する工事は、基本的にアンテナ工事の専門業者が対応できるものを記しております。その他の業者では対応できないこともございますので、どうかご注意ください。
地デジアンテナ「八木式アンテナ」設置
八木式アンテナは、主に戸建て住宅の屋根の上などに見られる、魚の骨に似た形状の地デジアンテナです。
八木式アンテナは、開発されたのは大正時代の1920年代で、昭和期のアナログテレビ時代からテレビアンテナとして使用されているため、現在でもこの形状が、一般的なテレビアンテナのイメージとして知られています。
八木アンテナの構造は、矢印のような骨組みのうち横棒に当たり、電波を導く「導波器(ディレクター)」と、矢印の先端に当たり、余計な電波をカットしつつ、通りすぎた電波を導波器に送る「反射器(リフレクター)」。そして導波器と反射器の間に設置され、集まった電波をケーブルで送信する「輻射器(ラジエーター)」からなります。
そしてこの導波器や反射器に、短い横棒がいくつもついているため、全体が魚の骨のように見えるのです。この横棒は「素子(エレメント)」といい、この素子数が多いほど受診性能が高いアンテナになります。
八木式アンテナはモデルによってこの素子数が幅広く、強電界地域向けでは4素子や8素子。中電界地域向けでは14素子や20素子。弱電界地域向けでは20素子から28素子など、各地域に適したさまざまなモデルがございます。さらに「×」型の金具の上下に2つの素子を設置したパラスダックアンテナでは、30素子以上の高性能アンテナも可能となります。
八木式アンテナについての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。
地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?
地デジアンテナ設置に八木式アンテナを選ぶメリットは、上記のように受信性能が幅広く、高性能機種もある。さらに屋根の上などへの設置で障害物を避けられることから、さまざまな電波状態のエリアに対応でき、地デジの受信感度を確保できることです。弱電界地域では、屋根の上に高性能の八木式アンテナを設置する以外の選択肢がないこともございます。
また古くからのモデルで研究されつくしたシンプルな構造から、設置費用が地デジアンテナの中ではもっとも安価になります。
一方で、八木式アンテナにはいくつかのデメリットもございます。
屋根の上に設置される昔ながらの形状から、住宅のデザイン性や景観を乱す恐れがあること。また風雨や積雪などに影響されやすく、アンテナ角度のズレや経年劣化によるトラブルなどが発生しやすくなる。設置位置によってはアンテナの一部が隣家の敷地に入ってしまう「越境問題」が生じることもあるなどの点です。
八木式アンテナの受信性能を十分に発揮させるためには、基本的には障害物などに影響されにくい、屋根の上などの高所に設置する必要がございます。ただ現場の電波状態によっては、住宅のベランダに設置することもございます。
ベランダへの設置では、ベランダ内にマストを立てて設置する。手すりに設置する。天井から設置具で吊り下げるなどになります。また壁面に設置句を取りつけてアンテナを立てる方法もございます。
このような位置への設置は、高所作業の必要がなくなる。景観を損ねない。風雨の影響を受けにくくなるなどのメリットがございます。ただし設置位置がやや低いことから、周辺の障害物などの影響により、やや受信感度が低くなる場合もあるなどのデメリットも生じます。
八木式アンテナは、20素子の標準機種であれば、有名メーカーの商品でも4,000円〜8,000円程度で購入でき、高性能機種でも10,000円台になります。アンテナ工事業者に設置を依頼する場合は、20素子の標準機種であれば最新モデルのアンテナ本体に、屋根馬やマストなどの設置具、ケーブルなど必要な機材。またアンテナ本体の防水加工などがセットになった工事費用でも、15,000円〜25,000円程度で設置が可能になります。
地デジアンテナ「デザインアンテナ」設置
デザインアンテナは、アンテナ機器を主に長方形、薄型のケースに収めたタイプの地デジアンテナです。
設置位置は壁面やベランダの内外などになり、カラーバリエーションも豊富なため、住宅のデザインにマッチして外観性や景観を損ねません。また、その形状から風雨などに影響されにくく、経年劣化も進みにくいため寿命が長くなります。
ベランダ設置であれば、ご自宅でのメンテナンスも容易になります。また条件が整っていれば、住宅の屋根裏や天井裏空間にも設置することが可能です。
ただ受信性能に関しては、20素子相当から26素子相当までになり、また同素子数の八木式アンテナと比べてもやや低めになります。さらに設置位置が低めになることもあり、受信感度では八木式アンテナには及びません。そのため弱電界地域や、周辺に高層建築などの障害物がある。住宅密集地などでは十分な受信性能が発揮できないこともございます。
またアンテナ工事の専門業者に設置を依頼する場合の工事費用は、本体価格から八木式アンテナよりやや割高になりますが、やはりアンテナ本体や設置具、ケーブルなどの機材込みで、20,000円〜30,000円程度になります。
デザインアンテナ、および後述するユニコーンアンテナについての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。
地デジ用テレビアンテナ一番人気のデザインアンテナとは? 価格から工事費用、料金相場、失敗しない業者の選び方まで徹底解説!
台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
「デザインアンテナ」の屋根裏空間設置
前述のように、デザインアンテナは条件によっては屋根裏、天井裏空間への設置も可能になります。
屋根裏設置の場合は、設置位置も屋根とほぼ同じ高さになる上、住宅の外観にも影響せず、また天候などの影響をもっとも受けにくい設置工事になります。そのためアンテナの経年劣化も抑えられ、長寿命を望むことができます。
ただこの場合、デザインアンテナを設置できる天井裏の広さや設置位置が必要となります。具体的には、まず職人が屋根裏空間へ入るための点検口や、アンテナを設置して配線するスペースとして屋根裏に最低限、1立方メートルの空間は必要となります。
また住宅の屋根材や壁面、断熱材が、地デジ電波を通しにくい素材ではないか確認することも重要です。金属や土壁、コンクリートなどは電波を通しにくくなります。また屋根の上の太陽光パネルや冬場の積雪が、地デジ電波を遮ることもあるため、注意が必要です。
このような諸条件に該当せず、屋根裏でも十分な電波レベルが確保できるということが、屋根裏設置では必須となります。
なおデザインアンテナの屋根裏設置に関しては、業者によっては追加工事費が発生することもございますが、通常のデザインアンテナと同じ工事費用で施工する業者もございます。
デザインアンテナの屋根裏空間などへの設置は、以下のコラム記事もご確認ください。
徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?
地デジ「ユニコーンアンテナ」設置
ユニコーンアンテナは、2017年(平成29年)に、大手アンテナメーカー「マスプロ電工」さんが発売した地デジアンテナの最新モデルです。マストの先にほぼ円筒形のアンテナ本体を設置したスタイリッシュな形状で、ポール型アンテナとも呼ばれます。
設置位置は屋根の上や、屋根の張り出し部である破風板。また壁面の高所などになります。
ユニコーンアンテナの受信性能は20素子相当ですが、高所に設置されることで受信感度を確保でき、デザインアンテナが設置できない現場でも利用できる。またつやのない白と黒のカラーバリエーションもあり、住宅の外観性や景観を乱さない。形状から風雨などを受け流すため経年劣化が進みにくく、トラブルの発生を抑えて長寿命が期待できる。
また太陽光パネルに影を落とさず邪魔にもなりにくい。BS/CSアンテナをマスト部分に取り付けるなどの施工も可能で、八木式アンテナとデザインアンテナのメリットを兼備したアンテナモデルと言えます。
デメリットとしては、本体の受信性能では同素子数から高性能モデルの八木式アンテナには及ばず、弱電界地域などでは使用できない場合もあること。最新モデルであるため、本体価格や設置費用も地デジアンテナではもっとも高額になることです。
ユニコーンアンテナの設置を業者に依頼した場合は、現状ではアンテナ本体や必要な機材などを合わせて、35,000円〜45,000円程度の工事費用となります。
ユニコーンアンテナについての詳細は、以下のコラム記事でも解説しております。
地デジアンテナの最先端、ユニコーンアンテナとは? 特徴、メリット、工事費用の相場まで徹底解説!
地デジ用の「高性能アンテナ」設置
弱電界地域など電波状態が悪いエリアでは、前述した八木式アンテナの高性能機種、パラスダックアンテナや、デザインアンテナでも26素子相当などの高性能タイプのアンテナが必要となります。
このようなモデルの設置工事費用は、20素子程度の標準機種に比べるとアンテナの本体価格が高価になる上、相応の設置方法も必要となるため、上記のアンテナ設置費用に比べるとやや高額になります。具体的な費用は、上記の各アンテナ設置費用に、10,000円程度の追加費用を加算した価格になってまいります。
地デジの「地方チャンネル用アンテナ」追加設置
地デジ放送には、前述のようにNHKや広域民放の他、特定の都府県や近隣エリアのみで受信できる独立放送局の地方チャンネルがございます。例えば、東京都の東京MX、兵庫県のサンテレビなどが地方チャンネルです。これらのチャンネルでは、放送エリアが限られることを生かした地元密着型のオリジナル番組から、古いドラマや時代劇、アニメの再放送など、独自の番組構成を行っております。
このような地方チャンネルは、基本的にはNHK、広域民放と同じ地デジアンテナで受信できますが、地域によってはNHKや広域民放を送信する中継局と、地方チャンネルを送信する中継局が別々で、方向も大きく異なる場合もございます。
そのため一台の地デジアンテナで、NHKや広域民放と地方チャンネル、双方の受信がどうしても難しい場合に、地方チャンネルをご覧になりたい場合は、NHK、広域民放用の地デジアンテナとは別に、地方チャンネルの専用アンテナを追加設置する必要がございます。
地方チャンネル用のアンテナ追加設置は、通常の地デジアンテナ設置工事費に加算される形で、追加費用は15,000円程度になります。
地方チャンネルについての詳細は、以下のコラム記事で解説しております。
地方チャンネル(独立放送局)とはどういうものか?
衛星放送用「BS/CSアンテナ」設置
戸建て住宅におけるBS/CSアンテナ設置工事に関しては、基本的に45型のBS/110度CSアンテナの設置になります。ただ地域やご要望によっては、60型から75型の大型アンテナ設置にも対応できる他、マンションなどのオーナー様からの依頼で、集合住宅に90型以上の超大型BS/CSアンテナを設置する工事にも対応できます。ここでは戸建て住宅向けの設置を前提にご説明いたします。
前述のように、BS/CSアンテナには、現在の新4K8K衛星放送を受信できる4K8K対応型と、4K8K放送がスタートする以前の2K型がございますが、現在のBS/CSアンテナ設置工事に使われるモデルは、すべて4K8K対応型になっております、
BS/CSアンテナ設置に関しては、単独で設置する場合は、専門のアンテナ職人が、ご自宅内で東経110度へと正確に向けられる位置のうち、将来的にも障害物が発生しないと考えられる位置を選択し、さらに風雨などの影響を避ける、外観性の重視など、お客様のご要望を勘案して、設置位置をご提案することになります。
主な設置位置は屋根の上の他、専用の設置具を用いて、壁面やベランダの手すりに取り付けることも可能です。
また地デジの八木式アンテナ、ユニコーンアンテナが設置されているか、セット設置の場合であれば、同じマストにBS/CSアンテナも設置でき、配線なども整理することができます。
通常の45型BS/CSアンテナの設置であれば、設置工費はアンテナ本体や部材の価格も含め、16,000円〜26,000円程度になります。
BS/CSアンテナについての詳細は、以下のコラム記事でも解説しております。
BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ)の基礎知識
衛星放送用「高耐風BS/CSアンテナ」設置
高耐風BS/CSアンテナとは、ディッシュを風を通すパンチングホール仕様などにする、各固定部などを強化するといった工夫で、従来品より格段に耐風性能を高めたBS/CSアンテナです。代表的なモデルには、国内の大手アンテナメーカー「DXアンテナ」さんが販売する45型、4K8K対応モデル「BC453SG」などがございます。
設置方法は、一般的なBS/CSアンテナと同様ですが、例えば「BC453SG」では、マウント部(マスト抑え金具)も強固に改良されており、マストをがっちり挟み込む形で固定され、風雨によるアンテナ角度のズレを防止いたします。
このタイプのBS/CSアンテナは、通常モデルよりはやや本体価格が高価になるため、設置費用は本体価格込みで22,000円〜32,000円程度になります。
「BC453SG」についての詳細は、以下のコラムもご参照ください。
台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)
「アンテナブースター」設置
アンテナブースター(増幅器)とは、テレビアンテナが受信した電波を増幅する装置で、通常はアンテナの真下や屋根裏など、アンテナの近くに設置されます。これは、ブースターは電波に混じるノイズも増幅してしまう性質があるため、できるだけノイズが混入しにくい位置に設置する必要があるためです。
ブースターは主に地デジや衛星放送の電波状態が弱いエリアで使用される機器ですが、現在では戸建て住宅に複数台のテレビなど受信機器が設置されることが多く、台数分の電波レベルが必要となるため、一部の強電界地域を除き、ほとんどの場合はアンテナ工事の際にブースターが設置されます。
ブースターの種類には、主に「屋内型」と「屋外型」がございます。屋外型はアンテナの真下など、主に屋外に設置されるもので、電波の増幅性能が高く、アンテナ工事の際には主にこの機種が選択されます。屋内型は文字通り屋内に設置されるコンパクトなモデルで、増幅性能は屋外型より低いものの、屋内設置のため劣化が少なく安定して使用でき、電波の増幅レベルが低くてもいい場合に使用されます。
なおどちらのモデルも、基本的にブースターには電源が必要となります。
またブースターは、対応できるテレビ電波によって地デジ専用のUHF帯ブースターと、加えてBS/CS放送にも対応するUHF・BS・CS混合ブースター。さらに4K8K対応タイプなどもございますので、ご視聴になるテレビ放送に合わせたものを選択する必要がございます。
ブースターの設置工事費用はブースター本体価格、電源の配置などを含めて、UHF帯ブースターで、20,000円〜25,000円程度。UHF・BS・CS混合(4K8K対応)ブースターで、25,000円〜30,000円程度になります。
また地デジ電波の場合、テレビなどに届く電波レベルが高すぎる場合や、地方局との電波レベル差が大きい場合も正しく受信できない原因となるため、この場合は、電波を適度に弱める「アッテネーター(減衰器)」という機器を設置して調整します。
アッテネーター設置の費用は、アンテナ工事のオプションとして、5,000円程度からで依頼できます。
アンテナブースターについての詳細は、以下のコラム記事もご参照ください。
テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)
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テレビ放送の映りが悪い際にアンテナブースターの交換は必要?
「分配器」設置
分配器は、テレビアンテナやブースターを経由して電波を送信する一本のアンテナケーブルを、複数のケーブルに分配して各部屋のアンテナコンセントに電波を送る機器で、基本的には屋根裏に設置されます。どこにあるか心配な方は依頼するアンテナ工事専門業者が探すのでご安心ください。
分配器には2分配器から8分配器まで、7分配を除く種類がございます、分配数が多いほど価格が高くなり、おおよそ4,000円程度から15,000円程度となります。またブースターと同じくUHF(地デジ)対応型、BS/CS、4K8K対応型の違いがある他、BS/CSアンテナに電波を供給する場合に使い分けられるタイプとして「全端子通電型」「1端子通電型」がございます。
また分配器は、入力された電波レベルが分配される数に応じて、例えば4分配であれば4分の1など、個々の分配先では電波レベルが低くなります。そのためブースターで電波を増幅する必要があるのです。
分配器の設置工事も、やはりテレビアンテナ工事のオプション一つとして、5,000円程度からで可能です。ただ分配数が多くなるにつれて、本体価格の分だけ設置費用も高くなりますので、ご注意ください。
分配器についての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。
ご自宅のすべてのテレビに電波を送る「分配器」とは? その種類と選び方を徹底解説!
テレビアンテナの分配器の設置・接続、交換方法と注意点
「混合器・分波器」設置工事
混合器とは、複数のアンテナから電波を送信する2本以上のケーブルを、一本のケーブルにまとめる装置です。
地デジとBS/CSアンテナ、また地方チャンネル用の地デジアンテナなど、アンテナを複数、設置した場合に必要となります。配線をシンプルにすることで、工事のコストや配線トラブルの危険性を軽減できます。
分波器は、テレビなど受信機器の前で、一本のケーブルに混合した地デジ、BS/CSの電波を再度、2本のケーブルに分け、テレビ側の地デジ、BS/CSの入力端子に接続するための装置です。
混合器は基本的にUHFアンテナのポールに設置し、3つある端子のうち、UHFケーブルとBS/CSを混合器の端と端に挿し込み、真ん中からケーブルを屋内に引き込みます。屋内に引き込んだケーブルは、ブースターから分配器、分波器、テレビなどの順番で接続されます。
また新4K8K衛星放送を受信する場合は、混合器や分波器も4K8K対応の機器を使用する必要がございます。混合器の設置費用は、本体価格込みで15,000円程度になります。
分波器などについての詳細は、以下のコラム記事もご確認ください。
アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い
アンテナ修理・方向調整
ご自宅に設置されているテレビアンテナに、アンテナ角度のズレやケーブル接続部の不調など、軽度の問題によって受信トラブルが生じた場合は、アンテナ修理のみで復旧できることもございます。アンテナ本体に大きな破損や老朽化がない場合は、修理を行う方がリーズナブルとなります。アンテナ修理は作業内容にもよりますが、費用は5,000円程度からになります。
アンテナ角度のズレの場合は、再調整を行い、しっかりと固定し直すことで、受信感度が回復して再発も防止できます。この場合は、8,000円程度からの工事費用で対応可能です。
古いアンテナの撤去・処分
屋根の上に設置されてから10年以上がすぎた八木式アンテナは、老朽化による受信性能の低下やアンテナ本体の倒壊。屋根からの落下などのリスクも生じてまいります。場合によっては大きな事故を招くこともございます。ただ屋根の上に設置されたアンテナの撤去には危険を伴います。また古いアンテナの処分方法についても各自治体によって異なり、費用が生じることもございます。
そこで、新しいアンテナを交換する際などに、アンテナ工事業者に、八木式アンテナに限らず、古いアンテナの撤去と処分を、まとめて依頼することが可能です。撤去、処分費用は、1.8メートルまでのアンテナであれば、5,000円程度からで対応可能です。
新築 アンテナ工事まとめ
戸建て住宅でのテレビアンテナ設置、交換の際に必要となる主な設置機器、工事は、以上の通りです。
アンテナの新規設置や交換については、以下のコラム記事も参考になると思われます。
ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法
BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安
テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)
テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)
戸建住宅におけるテレビアンテナ配線を徹底解説!
テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)
地デジ・BS/CSテレビアンテナ設置工事の手順
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