【すぐ直る?】一部の部屋や一台だけテレビが映らない原因:自分でできる簡単な対処法と故障のサインを解説
昭和の時代は「テレビは一家に一台」といわれていましたが、地デジ化や薄型テレビ、4K8Kや配信なども一般化した令和の現在では、お住まいの主な部屋に個別のテレビが用意されているのはごく普通のことです。
リビングの大型4Kテレビをはじめ、キッチンやご家族の自室などに適切なサイズのテレビを置き、ご家族のめいめいがお好きなときにお好きなテレビ番組や動画を視聴できるのも日常になっています。
しかし、そのようなお住まいで突然、特定の部屋にあるテレビだけが映らなくなるといったトラブルに見舞われたことはないでしょうか。
そのような事態になると「他の部屋のテレビは普通に映るのに、なぜこのテレビだけ?」「一台だけ映らないということは、テレビが故障したのかも」など、さまざまな気になる点が出てくるかと思われます。
しかし、お住まいにあるテレビのうち、特定の1台だけが映らない場合は、意外と簡単な方法で復旧できるケースも多いのです。
この記事では、お住まいにてテレビが一台だけ映らない場合の、その原因の切り分け方と、費用をかけずに自分で直す方法を分かりやすく解説します。
本記事は、アンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」の施工担当者が担当しています。プロの知見に基づく正確な情報をもとに、お住まいで一部のテレビだけがうまく映らない症状について、専門業者を呼ぶ前のチェックポイントをご紹介します。
本記事では、以下の内容について詳しく解説します。
※上記は本記事で解説するポイントの一覧です。
お住まいで特定のテレビが映らないときは、本記事を読み進めて、まずはご自身でできる対処法から順番に試してみましょう。
そしてご自宅で対処が難しい原因と思われる場合には、優良なアンテナ工事業者をお選びいただくことで、もっとも確実かつスムーズに、費用も抑えてトラブルを解決することができるでしょう。
なぜ?自宅で特定の「テレビ一台だけ映らない」問題:考えられる原因
家に置いてある複数のテレビのうち、特定の一台だけが映らなくなって、他の部屋のテレビは正常に映っているとします。
この場合、屋根の上にあるアンテナ本体やブースターなどが故障している可能性は低いといえます。その場合は、お住まいのテレビ全体に問題が出るはずだからです。
つまりこのケースでは、屋外のアンテナ全体ではなく、その部屋までのケーブルの経路かテレビ本体の問題である可能性が高いと言えます。
以下は、お住まいで一台のテレビだけが突然映らない状態になった場合に考えられる具体的なケースの例です。
※上記は映らないテレビの数や台数別に考えられるトラブル(原因)の事例です。
このように状況からおおよその原因を切り分けることで、テレビが映らない問題に対して、過度な不安を抱えずに済みます。
論理的に問題のある箇所を絞り込んでいくことが、トラブル解決への一番の近道です。
以下は、お住まいで一台だけテレビが映らない原因として、考えられる具体的な要因について解説していきます。
原因1:テレビ本体・周辺機器のトラブル
お住まいで特定のテレビだけが映らない場合、もっとも可能性が高いのは、テレビ周りのトラブルです。テレビ本体の設定や、本体のすぐ裏側にある周辺機器、ケーブルに原因が潜んでいるケースが多数を占めます。
以下のようにご自分で確認しやすく、すぐ直せる可能性が高いのも本ケースの特徴です。
※上記はテレビ機器周辺のトラブルで多いトラブルの具体例です。
まずは、テレビのすぐ近くにあるものから順番にチェックしていくことが大切です。
アンテナの故障など大きなトラブルを疑う前に、身近な範囲にある簡単な原因を探っていきましょう。
B-CASカードの不具合やケーブルの接触不良・設定ミス
テレビの背面には多くのケーブルなどが接続されています。
これらが物理的に接触不良を起こしていると、テレビ映像が正しく表示されません。
たとえば、掃除の際にテレビを動かすなどして、アンテナケーブルやB-CASカードの接続・接触などが少しずれてしまっただけでも、不具合によるエラーが出ます。
アンテナケーブルはアンテナからのテレビ電波(映像信号)を送る、テレビ映像の動脈ともいうべき重要な設備です。またB-CASカードは、テレビのデジタル映像信号に施されている暗号化を解除するICカードです。
したがって、これらの部分に接続の不具合や接触不良が起こっていると、特定のテレビが映らない原因になります。
またテレビは最初に設置する際や、引っ越しで受信できる電波が変わった際など、受信しているテレビ電波のチャンネルをテレビ本体に読み込ませて、チャンネル設定(チャンネルスキャン)を行う必要があります。
このテレビのチャンネル設定に不具合が出る、受信できる電波(チャンネル)が変化するなどすると、電波とチャンネル設定の齟齬からテレビが映らなくなります。
以下は、上記の不具合として考えられる具体的なケースです。
- 壁のアンテナ端子からテレビまでのケーブルが抜けかかっている。
- ケーブル内部の芯線が折れたり、劣化したりしている。
- リモコンのボタンを押し間違えて入力切替が変わっている。
- 地域設定やチャンネル設定がリセットされている。
このような、ちょっとした設定ミスや接触不良が原因で、特定の一台のテレビだけが映らなくなることは決して珍しくはありません。
これらの点については後ほど紹介する対処法で、確実に見直してみることが重要です。
原因2:アンテナ・受信設備のトラブル
テレビ本体の設定などやケーブルに問題がない場合、受信設備にトラブルが起きている可能性があります。
受信設備とは、アンテナが受信した電波を各部屋へ届けるための機器のことです。
地デジとBS/CSそれぞれ一基のアンテナから、各部屋のテレビまで十分なレベルの電波を送るためには、アンテナからテレビまでをケーブルで接続するだけでなく、その途中に地デジ・BS/CSの電波レベルを増幅し、一本のケーブルにまとめる混合ブースター、電波を複数の部屋(ケーブル)に分ける分配器、テレビの前で混合された地デジとBS/CSの電波をあらためて分ける分波器などの機器が設置されています。
これらの機材に不具合があると、特定の部屋にだけ十分なレベルの電波が届かなくなり、その部屋のテレビだけが映らない原因になります。
以下は、各機器についての解説と、考えられる主なトラブルの事例です。
※上記は配線部の各機器部で考えられる主なトラブルの例です。
これらの機器は屋根裏・天井裏の空間やマルチメディアボックスなど、普段は目立たない場所にありますが、テレビ画面を映し出す上で重要な役割を担っています。
特に一部のテレビだけが映らない場合は、分配器より先の配線部に問題がある可能性が高くなります。
部屋へ電波を分ける「分配器」や「ブースター」の不具合
複数の部屋でテレビを見るためには、ケーブルからの電波を等分に複数のケーブルへと分ける「分配器」という機器が必須です。
この分配器は、アンテナ本体やブースターを経由した電波(ケーブル)に接続され、各部屋のアンテナコンセントまで電波を分けています。
この分配器の特定の端子だけに経年劣化で不具合が生じると、その部屋だけテレビが映らなくなります。
また多くの場合、アンテナからの電波を分配器で分けるだけでは、分けられた先の電波レベルが数分の一になってしまうため、各部屋のテレビでは電波レベルが不足して映らなくなります。
そこでアンテナが受信した直後のノイズの少ない電波(アンテナ直近のケーブル)に、映像信号を強くする「ブースター(増幅器)」を設置し、電波を電気的に強化します。
このブースターが調整不良や不具合で十分に電波を増幅できなくなると、住宅内で多くのテレビ画面に問題が出ることが多くなりますが、アンテナから遠くて電波が減衰しやすい一部の部屋のテレビのみ画面が乱れる、映らない場合もあります。
以下は、特にこれらの機器において考えられる主な不具合の事例です。
- 分配器の1つの出力端子だけがサビや劣化で故障している。
- テレビを増設したことで、各部屋に届く電波の量が減ってしまった。
- ブースターの出力が弱く、アンテナから一番遠い部屋まで電波が届かない。
- 屋外に設置された分配器が雨水でショートしてしまった。
こうしたアンテナ配線部にある機器の不具合は、専門的な知識がないと見つけるのが難しい部分です。
他の簡単な原因を排除してから、最後に疑うべきチェックポイントとなります。
原因3:特定のチャンネルだけ映らない場合
お住まいで一部のテレビに問題が出ている場合「すべてのチャンネル・放送ではなく、特定のチャンネルだけが正常に映らない」という現象もよく起こります。
これは、テレビ放送でもチャンネルごとに使用している周波数帯が異なるためです。
例えば地デジ放送の場合、UHF(極超短波)の470MHzから710MHzまでの周波数帯を、6MHzずつに分割したものをチャンネルとして、各放送局に割り当てています。
ただ、同じ電波塔から送られる電波でも、周波数帯の高いチャンネルほど減衰しやすい性質があります。
また地デジ放送でも、テレビ神奈川(TVK)やテレビ埼玉(テレ玉)など、特定の都府県を放送エリアとした地方局(地方チャンネル・ローカル局)では、NHK、広域民放の主なテレビ電波塔とは別の電波塔から送信されることが多くなり、他チャンネルとは電波の方向や受信レベルが変わることが多くなります。
そのため地デジアンテナの設置では、これら電波強度や方向の違いも含めて、すべてのチャンネルをバランスよく受信するため、的確な角度の微調整が重要です。
これらチャンネル別の電波強度や方向の違い、また一部の電波が障害物に遮られるなどの問題により、アンテナで受信できる電波のうち、特定の周波数のチャンネルだけが弱くなることがあります。
以下は、テレビ放送で特定のチャンネルが映らなくなるケースの主な要因です。
※上記はお住まいのテレビで特定のチャンネル、放送が映らない際に考えられる主な原因の例です。
特に地デジ放送と衛星放送では、電波の性質や受信の条件が大きく異なります。
衛星放送は、赤道軌道上に位置し、空の一点に静止して見える「静止衛星」から、日本の全域に光を当てるようなイメージで、周波数帯が高く直進的な電波(12GHz帯)を送信しています。
この電波は電波塔から限られた周囲一帯に送られる地デジ電波と違い、日本全域どこでも安定して受信できるという特徴があります。
一方で、12GHz帯は静止衛星の方向から直進的に届いているため、以下のような点が衛星放送のみ受信できない要因になります。
- アンテナの設置位置から見て、静止衛星のある南西上空・東経110度の方向が山や建物、樹木、電線、洗濯物などで遮られている。
- 豪雨や大雪などで大粒の雨・雪が12GHz帯の電波を吸収し、乱反射させることで衛星放送が十分に受信できなくなる。(降雨減衰・降雪減衰)
- BS/CSアンテナのディッシュを上下・左右とも東経110度へと正確に合わせる必要があり、ミリ単位のズレでも受信感度が大きく低下する。
- BS/CSアンテナはコンバーターを作動させる電源が必要となり、テレビなど受信機やブースター電源部の「BS電源設定」が適切でないと衛星放送を受信できない。
具体的には、近隣に高層建築が建てられる、樹木が伸びる、悪天候などで電波が遮られる、また長年の風雨などでBS/CSアンテナの角度がズレる、テレビの不具合や買い替えなどで電源設定が変わるなどすると、テレビでBS放送(衛星放送)だけが映らないトラブルの要因になります。
豪雨や大雪での受信不良が原因であれば天候の回復で、電源設定の問題であれば適切な再設定で復旧しますが、障害物やアンテナ角度のずれなどそれ以外の問題であれば、専門業者に連絡してアンテナ位置や角度の調整を行う必要があります。
業者を呼ぶ前に!お金をかけず簡単にできる確認手順と直し方
お住まいでテレビが一台だけ映らないときは、詳しい原因が分からなくても、まずは自分でできる確認手順を試してみましょう。
すぐに専門業者を呼ぶと出張料や調査費などが加算され、大きな問題ではなくても一定の出費になる可能性がありますが、ご自分でチェックして解決できれば無料です。
テレビやアンテナなどの専門知識がなくても、テレビ本体の不具合については、以下の手順を順番にこなすだけで解決するケースが多くあります。
- 手順1:テレビの完全再起動。(コンセント抜き差し)
- 手順2:B-CASカードの掃除と差し直し。
- 手順3:アンテナケーブル・配線の挿し直しと状態確認。
- 手順4:チャンネルの再スキャン。(再設定)
- 手順5:テレビ画面で「アンテナレベル」を確認する。
これらのステップは、コストや症状が悪化するなどのリスクがなく、誰でも安全に行える方法ばかりです。
まずは各手順をひとつずつ確実に行い、テレビの問題が解消するかどうかをチェックしてください。
手順1:テレビの完全再起動(コンセント抜き差し)
テレビ本体の画面の不具合、誤動作など、テレビそのものの問題が考えられる場合、もっとも簡単で効果的な方法が、テレビの完全な再起動です。
テレビの電源を断つ際、リモコンの電源ボタンでスイッチを切るだけでは、待機電力により、内部基盤などが通電したままになります。
本体の主電源を切り、コンセントから電源プラグを抜くことで、本体への通電が完全に断たれ、内部機器が完全な休止状態になります。
ここからふたたび電源を入れることで、テレビ本体を再起動することになり、一時的なシステムエラーなどであればリセットできます。
以下は、メーカーやモデルを問わず。テレビを再起動する際の基本的な手順です。
※上記はテレビの電源を断つことによる再起動の一般的な手順です。
この単純な作業だけで驚くほど簡単に、テレビの動作不良があっさりと直ってしまうことがよくあります。
これはパソコンやスマートフォンの動作が重いといった不具合が、再起動で解決するのと同じ仕組みです。テレビの不具合の際は、まずは基本として試してください。
手順2:B-CASカードの掃除と差し直し
テレビに挿入されているB-CASカードの接触不良も、よくある原因です。
前述の通り、B-CASカードは映像信号の暗号化を解除する重要な役割を果たしているため、カードが挿入されていない、また接触不良でテレビがカードを認識できないと、そのテレビでテレビ放送が映らなくなります。
特に、カードの裏面にある金色のICチップ部分が長年のホコリなどで汚れていると、カードからの情報が正しく読み取れません。
このような場合は以下の手順でテレビ本体からB-CASカードをいったん抜き取り、きれいにしてから正しい向きであらためて挿入し直しましょう。
- テレビの主電源スイッチを完全に切ってから作業を始める。
- B-CASカードをテレビ本体のスロットからゆっくりと引き抜く。
- 金色のICチップ部分を、メガネ拭きなどの柔らかい布で優しく拭く。
- カードにある矢印の方向を確認し、スロットの奥までしっかりと挿入し直す。
このとき、B-CASカードを無理に曲げたり、水で濡らしたりしないよう注意してください。
正しい向きでカチッと手応えがあるまで押し込むことがポイントです。
カードが正常な状態で挿入されれば、テレビ画面も問題なく映るようになります。
手順3:アンテナケーブル・配線の挿し直しと状態確認
次にテレビと壁のアンテナコンセントを接続するアンテナケーブルの抜けや緩みを確認します。アンテナケーブルは長年の使用による振動の積み重ねや、特に掃除機をぶつけたり、模様替えでテレビを動かしたりした際の衝撃にて、接続が緩むことが多くなります。
この場合の対処としては、ケーブルをテレビとコンセントの両端から外し、以下のポイントに注意して、再度しっかりと奥まで挿し直してください。
※上記は室内アンテナケーブルの主なチェックポイントです。
ケーブルの外観に問題はなくても、目に見えない内部で断線している場合もあるため、予備のケーブルがあれば交換してみるのも有効です。
特にケーブルの一部が急角度に折り曲げられている、家具などの下敷きになっているなどの状況は負担が大きいため、すぐに解消することが重要です。
またアンテナコンセントからテレビまでの接続に、レコーダーなどの機器を経由している場合は、すべての中間配線を確認しましょう。
手順4:チャンネルの再スキャン(再設定)
前述のように、テレビ内部のチャンネル設定が何らかの拍子に消えてしまったり、受信できるテレビ電波の内容が変わった場合にも、テレビが映らなくなるケースがあります。
この場合には、チャンネルの再スキャンが必要です。特にお引っ越しの直後や、放送局側で周波数の変更があった際には、この方法が効果を発揮します。
具体的には以下の手順で、リモコンのメニュー画面から新しいチャンネル情報をテレビに読み込ませます。
- リモコンの「メニュー」または「設定」ボタンを押す。
- 「初期設定」や「放送受信設定」の項目を探して選択する。
- 「地上デジタル放送設定」から「チャンネル再スキャン」を実行する。
- スキャンが100%完了するまで数分間待つ。
正確な操作方法や選択する項目の名称などはテレビのメーカー・モデルによっても少し異なりますので、テレビの取扱説明書も併せて確認してください。
この作業を行うことで多くの場合、その地域で本来、映るはずのチャンネルが正常に表示されるようになります。
手順5:テレビ画面で「アンテナレベル」を確認する
ここまでの手順でテレビ画面の問題が直らない場合は、テレビまで実際に届いている電波の強さを確認する必要があります。
具体的な方法としては、テレビのメニュー画面から、地デジ・BS別に「アンテナレベル(受信レベル)」という数値をチェックできます。
この数値がテレビ視聴の為の基準を満たしていない場合は、電波レベル不足が原因であることが確定します。以下は主要メーカー別に必要なテレビアンテナレベルの目安です。
※メーカーやモデル・年式によって目安のアンテナレベル数値は異なります。
テレビのアンテナレベルが極端に低い場合は、周辺の電波状況やアンテナの状態、また特定の一台のテレビだけアンテナレベルが低い場合は、そのテレビに近い配線部の問題などが考えられます。
画面の「エラーコード」で一発解決!よくある表示と意味
テレビが映らない時、真っ暗になったテレビ画面の隅や中央に、アルファベット「E」と三ケタの数字が表示されることがあります。
これは「エラーコード」と呼ばれるもので、テレビからの重要なSOSのサインです。
電波状況や受信設備、テレビ各部の問題でテレビ画面が映し出せないとき、テレビ本体がその原因を分析し、読者に示すものがエラーコードです。
基本的なエラーコードの多くはテレビのメーカーやモデルを問わず共通しており、原因に応じて個別のコードが表示されます。またコードと同時に原因を示す簡単なメッセージが表示されることも多くなります。
以下の一覧のように、表示されているエラーコードの意味を知ることで、テレビが映らない原因をすぐに特定し、適切な対処ができます。
※上記は一般的に表示されることが多いエラーコードの主な例です。他にもケーブルのショートなど、症状に応じてさまざまなコードが存在します。
まずは、ご自身のテレビに表示されている番号を、上記の一覧や本記事の解説と照らし合わせてみてください。
番号ごとの詳しい意味と対策を、次の項目でさらに深掘りして解説します。
「E100」などのB-CASカード関連エラー
画面に「E100」「E101」「E102」が表示されたら、B-CASカードのエラーです。
これは、カードの未挿入や接触不良、カードそのものの不具合など、コードによって示す意味の詳細は異なりますが、いずれにせよテレビがB-CASカードの情報を正しく読み取れていないことを意味しています。
原因のほとんどは、カードの挿入ミスや接触部分の汚れによるものです。
この場合の対処の手順は、以下の通りです。
- 手順2で紹介した「カードの清掃と差し直し」をまずは実行する。
- 別の部屋に正常に映るテレビがあれば、そちらのB-CASカードと入れ替えてみる。
- 入れ替えて映るなら、元のカード自体の故障(破損)が疑われる。
- カードの故障が確定した場合は、B-CAS社へ再発行の手続きを行う。
カードの不具合であれば、高額な修理費用はかかりません。
落ち着いて抜き差しを試すだけで、あっという間に直ることが多いエラーです。
ただカードが破損している場合は、カードの貸与元である「B-CAS社(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社)」に、1枚2,310円で交換してもらう必要があります。
このB-CASカードは、同社からの貸与品であるため、同社での交換以外、第三者からの交換や、譲渡・転売などは認められていません。
また近年の4K/8Kテレビには、B-CASカードを使わず、同様の役割を持つ「ACASチップ」を内蔵するモデルもあります。
このようなモデルで上記のエラーコードが表示された場合は、前述した電源によるテレビの再起動を試してください。
「E201」「E202」はアンテナレベル低下・受信エラー
「E201」と「E202」は、前述した通り、電波の受信状況に関する重大なエラーです。
「E201」は「テレビまで電波は来ているがレベルが弱すぎる」、「E202」は「テレビに電波がまったく届いていない(もしくは極端に微弱)」状態を表します。
どちらの状態でも、デジタル放送の映像にブロックノイズが入ったり、画面がまったく映らず真っ暗になったりします。
以下は、これらエラーコードで想定される原因の主な例です。
※上記は各エラーコードで想定される不具合と症状の重さの一例です。
これらのエラーコードが大雨や台風の最中に表示された場合は、テレビ電波やアンテナ設備が一時的な影響を受けている可能性も考えられます。その場合は、天候の回復とともに自然に消えることもあります。
しかし、天候が回復しても「E202」が消えない場合は、アンテナなど受信設備が物理的なダメージを受けた可能性を疑いましょう。
「E203」は放送休止中または電波不足
「E203」というエラーコードは、同じく受信の問題を表すコードですが、少し特殊な状況で表示されます。
基本的には、選んだチャンネルが深夜のメンテナンスや緊急のトラブルなどで「放送休止中」であることを意味します。
しかし、昼間で通常放送中のはずなのに、このエラーが表示される場合は、以下のような確認と注意が必要です。
- まずは新聞やインターネットの番組表を見て、本当に放送休止中か確認する。
- 他のチャンネル(NHKなど)に切り替えて、正常に映るかテストする。
- 放送中なのにE203が出る場合、電波が極端に弱くなっているサインである。
- その場合は、E201やE202と同じようにケーブルや受信設備の見直しを行う。
アンテナの不具合などでアンテナレベルが弱まっている場合にも、テレビが診断ミスにより「E203」を表示するケースも考えられます。
そのため、「E203」が表示されたときは、まず放送局側の問題か、自宅の設備の問題かを見極めることが重要です。
あわてずに、まずはその他のチャンネルの状況を確認してみてください。
今後のために知っておきたい!複数台でテレビを見る仕組みと故障のサイン
テレビ画面のトラブルに直面した今だからこそ、テレビの受信に関する基本的な仕組みを知っておきましょう。この仕組みを少し理解しておくだけで、次に同じような問題が起きた際に慌てず対処できます。
また、テレビ本体の故障の兆候を見逃さないための、以下のような知識も大切です。
- 屋根上のアンテナからどのように電波が届くのか。
- 分配器はどのような役割を果たしているのか。
- テレビ本体の寿命はどのくらいか。
- 修理よりも買い替えを選ぶべきサインは何か。
これらの潜在的な疑問を解消し、ご家庭のテレビ環境をより深く理解していきましょう。
このセクションでは、テレビのトラブル時や買い替えを考える際に知っておいて損はない、お役立ち知識をまとめました。
各部屋に電波を届ける「分配器」の仕組み
屋根の上に立つアンテナは通常、地デジ用、BS/CS(衛星放送用)で、それぞれ一基だけです。(地デジでNHK、広域民放のメイン電波塔と、東京MXなど地方局の電波塔の方角が大きく異なる現場では、メインの地デジアンテナと別に、地方局用の地デジアンテナがもう一基設置される場合もあります)
いずれにせよ、各アンテナからの電波は、アンテナ付近の混合ブースターや混合器などで、一本のケーブルにまとめられます。そこから一本のケーブルを家中に張り巡らせた複数のケーブルに分岐させて、各部屋のアンテナコンセントやテレビに届けています。
このとき、各部屋に電波を等分に分ける役割を果たしているのが、前半でも解説した「分配器」です。
一般的に分配器は、戸建て住宅ではアンテナやブースターから送られてくる電波を、各部屋へと等分に分ける役割を持っており、屋内でテレビを設置する部屋の数に合わせて、2分配から8分配まで、7分配を除く6種類の分配数の機器があります。
しかし分配器は前述の通り、元の電波レベルを分配数に応じて等分に分配する機器であるため、個々の分配先の電波レベルは、元の電波レベルから、分配数分の一のレベルになります。さらに分配器やその端子を通過する際にも、抵抗により若干の減衰が生じます。
以下は、分配器を使った際の、電波レベルの減少の例です。
※上記は分配器使用による電波レベル変化の一例です。
これも前述した通り、分配器での電波レベル低下を補うためには、アンテナ付近に設置したブースターで、電波レベルを増幅する必要があります。
しかしブースターでも安定して増幅できるレベルには限度があるため、現場の電波レベルや増幅レベルと、住宅内の分配数でバランスを取ることが重要になります。
このバランスがうまくとれていないほか、分配器の一部端子だけが劣化する、一部の部屋だけケーブルが長く電波の減衰量が多いなどの状況では、特定の部屋にあるテレビだけが映らないという現象も考えられるのです。
寿命の目安(約10年)とテレビ本体故障のサイン
テレビが一台だけ映らない場合の問題として、電波の問題ではなく、実際にそのテレビ本体が物理的に故障しているという可能性も考えられます。
一般的な液晶テレビの寿命は、製造から約10年が目安とされています。
設置から10年近く使用しているテレビで、以下のサインが出たら、テレビ本体の故障を疑いましょう。
- 電源を入れても音だけで、画面が真っ暗なまま。(バックライトの故障)
- 画面に横線や縦線が入り、ノイズが消えない。(液晶パネルの故障)
- リモコンではなく本体の電源ボタンを押しても反応しない。(基盤の故障)
- テレビの本体から異音や焦げたような臭いがする。(危険な状態)
これらの症状は、テレビ本体のハード部分に破損や不具合が出ているため、ケーブルの挿し直しや再起動では直すことができません。
メーカーのサポート窓口や購入店などに連絡し、修理や点検を依頼する必要があります。
テレビが一台だけ映らない状態を自分で直せない際の最終手段と相談先
ここまでの手順をすべて試しても特定のテレビが映らない問題を解決できない場合は、それ以上、ご自分で無理をしてはいけません。
ご自身の手に負えないアンテナ機材などの複雑な故障や、高所作業が必要なトラブルが発生している証拠です。
一般の方による高所作業には転落をはじめさまざまな危険が伴います。無理をして屋根に上ったり、テレビやアンテナの機器を分解したりするのは絶対にやめましょう。
以下は、ご自宅での初歩対応で解決できない場合の、主な対処の選択肢です。
※上記は重大なテレビ画面トラブルの場合の主な対処法です。
ここまでの対処で解決できない事態に至ると、状況に合わせて、適切な専門家の力を借りるタイミングが来ているといえます。
このセクションにて、どこに相談すべきか、正しい判断基準を整理しておきましょう。
修理と買い替えの判断基準(費用と寿命)
テレビ本体の故障が疑われる場合には、テレビを修理に出すか、新しく買い替えるかで迷うはずです。
この判断は、テレビの使用年数と修理費用のバランスを見て決めるのが賢明です。
ひとつの目安として、修理費用が新品価格の50%を超えるなら買い替えをおすすめします。テレビの故障で修理か買い替えか、主な判断のポイントは以下の通りです。
- 保証期間内(通常1年、延長保証で5年など)であれば、迷わず無償修理を依頼する。
- 購入から8〜10年以上経過している場合、修理部品の在庫がないことが多い。
- 古いテレビを高いお金で修理しても、すぐに別の箇所が壊れるリスクがある。
- 省エネ性能や4K8Kなど画質・性能の向上を考慮すると、新しいテレビに買い替えた方がお得な場合もある。
まずは家電量販店のスタッフやメーカーのサポートデスクに相談し、修理の見積もりを取りましょう。その金額をもとに、ご家庭の予算に合わせて修理か買い替えかを冷静に判断してください。
アンテナ関連の不具合は専門業者へ・集合住宅は管理会社へ
テレビ本体ではなく、屋外のアンテナ本体や分配器、ブースターの故障、または周辺環境の変化が疑われる場合はどうでしょうか。
この場合は、迷わずアンテナ工事の専門業者に点検を依頼してください。
専用の測定器を使って、目に見えない電波の問題を正確に診断してくれます。
そして不具合の原因に応じて、機器の修理や交換、受信環境のいい場所へのアンテナ移設など、最適の対処を提案してくれるでしょう。
以下は、お住まいのタイプ別で、アンテナ修理業者に相談する場合の注意点です。
※上記は主に戸建ての持ち家、賃貸住宅、集合住宅の場合のアンテナ修理での注意点になります。
特に賃貸物件や、分譲でもマンションなどの集合住宅では、各棟の共用設備である大型のアンテナ設備で各部屋にテレビ電波を送っている場合が多くなります。
このような共用設備について、お住まいの個人が勝手に工事を進めてはいけません。工事費用が個人負担になるほか、賃貸契約違反になる恐れもあります。
まずは管理会社や管理人・大家などへテレビが映らない状況を報告し、管理者側で業者へ連絡するなどの対処を取ってもらいましょう。
まとめ:テレビが一台だけ映らない場合は落ち着いて基本のチェックを!
お住まいにて、特定の一台だけテレビが映らなくなると、多くの方はテレビの故障と考え、すぐに業者を呼びたくなるものです。
しかし本記事でもご紹介した通り、その原因の多くは、意外と身近で簡単なものであるケースも多いのです。
あわててお金をかける前に、まずは落ち着いて、ご自身で以下の基本チェックを行ってみてください。
- コンセントを抜いて、テレビを完全に再起動させる。
- B-CASカードをきれいに拭いて、正しい向きで差し直す。
- アンテナコンセントとテレビや各機器を接続するケーブルがゆるんでいないか、しっかり奥まで挿し直す。
- 画面にエラーコードが出ている場合は、その意味に合わせて対処する。
- テレビの寿命(約10年)や物理的な故障のサインがないか確認する。
これらの簡単なステップだけで、テレビが映らないトラブルが嘘のように解決するケースも数多くあります。
しかし、本記事にある初期対応をすべて試しても直らない場合や、アンテナ由来のエラーコードが消えない場合は無理をしないでください。
アンテナ付近の高所作業や専門機器の点検が必要な場合は、プロの技術が必須です。
ご自身による解決が難しいと感じられた場合は、本記事にもご協力いただいた、年間施工実績も豊富な有料業者「あさひアンテナ」などの専門業者へご相談ください。
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ご自宅の対処では解決できないテレビ画面・アンテナトラブルの際は、まずは「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、メールフォーム、LINEアカウントまでご相談いただければ、優秀なスタッフによる原因の推測から、現地調査で迅速かつ安全に真の原因を突き止め、快適なテレビのある日常を取り戻すサポートをしてくれるでしょう。




