中古住宅におけるテレビアンテナ設置、交換について

2022年11月12日

近年では、戸建のマイホームとして、あえて「中古住宅」をお選びになる方も多くおられます。

日本全体の高齢化や少子化につれて、お住まいの方が亡くなられるなどして居住者がいなくなり、正確な所有者が不明なまま放置される「空き家問題」が社会問題として認知されている一方、2006年(平成18年)には、国が「長期優良住宅」の認定制度を導入したことで、中古物件であっても、住宅の性能的には新築物件にも劣らない住宅を購入することも難しくはなくなっております。

また下町の古民家、町屋など、レトロな雰囲気を求めて、あえて古い住宅をリフォームしてお住まいになる方もおられます。

 

近年ではリフォーム、リノベーションの技術が進歩していることもあり、古い住宅であっても、新築同然に改修することや、最新の住宅に近い住宅性能を持たせることも難しくはございません。

ただ中古物件をリフォーム、リノベーションする際に問題となるのが、購入時の施設をどこまで残すかといった点です。

中古物件がかなり古いものである場合は、電気、ガス設備の大幅な交換、インターネット環境の整備などをまとめて行わなければならないこともございます。ただ比較的、新しい物件であれば、簡単な交換などで済む場合もあるでしょう。

 

そのような中古物件の設備として悩みどころとなるもののひとつが、テレビアンテナだといえます。

アンテナ設置の時期がかなり古いと思われる場合でも、問題なくテレビ放送が視聴できる場合は、交換の必要はないように思われます。

ただアンテナの老朽化によるトラブルの恐れや、地上デジタル放送用の地デジアンテナしか設置されておらず、衛星放送用のBS/CSアンテナを追加したい場合など、ただアンテナを追加するだけか、あるいはアンテナ設備をすべて交換すべきか、お悩みになることも多いと思われます。

 

当コラムでは、中古の戸建住宅をご購入された、またはご購入をお考えの方々のために、中古物件での新規アンテナ設置、交換について、既存のものを使い続けても大丈夫な場合。交換をおすすめする場合などを、2023年(令和5年)度の最新データを元に、ケース別にご説明してまいります。

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【物件に設置されている可能性が高いテレビアンテナ】

中古物件を購入される際には、テレビ放送をご視聴になるために、物件に設置されているテレビアンテナがどのような種類で、どのような状態であるかの確認が必要となります。

テレビアンテナはその多くが、屋外の屋根の上など、風雨を受けやすい場所に設置されております。そのため物件の築年数などによっては、アンテナの老朽化が進んでいる場合や、アンテナ本体が旧式で、テレビ放送の一部が受信できない場合などがございます。

老朽化が進んだテレビアンテナでは、お住まいになってから、ある日突然、アンテナトラブルが発生してテレビが視聴できなくなる事態も考えられます。さらに屋根の上でアンテナを支えるマストやワイヤーなどが劣化している場合は、台風などの際に、アンテナが倒壊を起こし、屋根から落下して大変な事故を招くリスクもございます。

 

中古物件に設置されているアンテナがかなり古いものである場合。デザインや耐久性にご不満がある場合。ご視聴になりたいテレビ放送に対応していない場合などには、既存のアンテナを取り外して、新しいテレビアンテナに交換する必要がございます。このアンテナ交換に関しては、既存のアンテナの種類や、引っ越された後、ご覧になりたいテレビ放送の種類によっても方法が変わってきます。

現在の地デジおよびBS/CS用のテレビアンテナであり、中古物件に設置されている可能性が考えられるアンテナ。もしくは交換することになる新しいアンテナとしては、以下のような種類が挙げられます。

 

(地デジアンテナ)

八木式アンテナ

これは、地上波アナログ放送時代から一般的に使われて続けている、主に屋根の上に見られる、魚の骨に似たテレビアンテナです。

八木式アンテナは開発されてから、現在で100年近くになる古典的なアンテナですが、シンプルで完成度の高い構造から、地デジ化された現在でも、地デジ電波を受信する性能が非常に高く、地デジアンテナとしても広く利用されております。

特にアナログ放送時代は、日本各地のNHK、広域民放などに使用されていたVHF(超短波)の電波を受信する「VHFアンテナ」と、東京MX、千葉テレビなど、主に特定の都府県やその周辺を放送エリアとする独立放送局(地方チャンネル)の電波、UHF(極超短波)を受信するための「UHFアンテナ」の2台の八木式アンテナが、一本のマストに設置されていることもございました。

そして2011年(平成23年)に、アナログ放送から地デジ放送に完全転換されて以降、地デジのテレビ電波はUHFに一本化されたため、アナログ放送時代のUHFアンテナを、現在でも地デジアンテナとして流用している例もございます。

八木式アンテナはシンプルな構造で、機種によって、横棒にあたる「素子数」を変えることで受信性能を調整できることから、現在でも強電界地域から弱電界地域まで、あらゆるエリアで地デジを受信できる。さらに屋根の上にマストを立てて設置する場合が多いため、現在でも地デジアンテナの中ではもっとも高い受信感度を誇るなどの長所がございます。

また古典的なアンテナであるため、地デジアンテナではアンテナ本体価格や設置費用がもっとも低価格になるのもメリットといえます。

一方で、屋根の上に設置されることから、風雨や雪、また海沿いでは潮風の影響を受けやすく、さらに鳥が留まりフンを受けるなどのこともあり、老朽化が進みやすい。特に老朽化したアンテナでは、アンテナ方向のズレや倒壊などのトラブルも生じやすくなる。またメンテナンスなどもアンテナ工事の専門業者でないと難しいなどのデメリットもございます。

八木式アンテナは、前述のようにアナログテレビ時代のものが、地デジアンテナとして使い続けられている可能性もあり、中古物件に設置されている地デジアンテナとしては、もっとも可能性の高いアンテナになります。

ただそれだけに、設置年代が古いものではかなりの老朽化が進んでいるケースも考えられ、特にアナログテレビ時代のものであれば、早急な交換が必要となってまいります。

八木式アンテナの詳細、およびアナログ放送時代のVHF、UHFアンテナについては、以下のコラムをご確認ください。

 

地デジテレビアンテナの長老「八木式アンテナ(八木アンテナ)」とは?

VHFアンテナとは? UHFアンテナとは? 基礎知識とアナログテレビアンテナの問題点

 

デザインアンテナ

デザインアンテナは、アンテナの素子部などを主に長方形や円形などのケースに収めた、薄型軽量で、主に壁面に設置される地デジアンテナです。アナログ放送から地デジへの転換期であった2009年(平成21年)頃に広く普及した第2世代といえる地デジアンテナで、その形状や設置位置から、平面アンテナ、壁面アンテナ、フラットアンテナとも呼ばれます。

デザインアンテナの特徴は、スタイリッシュなデザインに加えカラーバリエーションも多く、壁面に設置しても目立たず、住宅の外観を損ねない。さらに壁面に設置されることから、風雨や雪などの影響を受けにくく、経年劣化を抑えて故障のリスクを低くできる。ベランダの内外などにも設置でき、メンテナンスも簡単になるなどメリットが多く、そのため近年では非常に人気の高い地デジアンテナ機種です。

一方、設置位置などから、八木式アンテナに比べるとやや受信感度が低くなるため、弱電界地域などでは使用できないケースもある。設置費用なども、八木式アンテナに比べるとやや割高になるなどのデメリットもございます。

デザインアンテナは普及してから十数年になるため、中古物件でも比較的、築年数が新しい住宅や、ここ十年程度の間に、元の持ち主がアンテナの交換を行った場合などに見られることがございます。

デザインアンテナと、後述するユニコーンアンテナに関しての詳細は、以下のコラムをご確認ください。

台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?

 

ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナとは、2017年(平成29年)に登場した、現在では最新鋭の、第3世代といえる地デジアンテナです。

ポールの先にほぼ円筒形のアンテナ本体を設置した形状のアンテナで、ポール型アンテナともいわれ、デザインアンテナと同様にスタイリッシュなデザインが特徴です。主な設置位置は住宅の屋根の上や、屋根の張り出し部である破風。また壁面などに、専用の設置具を固定して設置できます。

ユニコーンアンテナの特徴は、スタイリッシュなデザインで住宅の外観を乱さず、その形状から風雨などの影響も受けにくい。その一方で高所に設置できるため、高い受信感度を確保できるといったメリットもあり、総じて、八木式アンテナとデザインアンテナの長所を兼ね備えた地デジアンテナといえます。

一方、デメリットとしては、八木式アンテナの高性能機種に比べるとやや受信感度が低くなるため、弱電界地域などでは使用できないケースもある。最新機種であることから、本体価格や設置費用が、地デジアンテナではもっとも高価になる点などが挙げられます。

ユニコーンアンテナは、かなり近年のアンテナ機種であるため、中古物件の住宅では、ここ5年以内にアンテナ交換工事を行ったなどの例を除き、見ることは珍しいアンテナになります。

 

BS/CSアンテナ(衛星放送用アンテナ))

現在の衛星放送であるBS放送、CS放送を受信するためのテレビアンテナは、パラボラアンテナであるBS/CSアンテナになります。

BS/CSアンテナは、パラボラアンテナの特徴である、皿のような円盤の「ディッシュ」と、電波を受信する「コンバーター」およびそれを支える「コンバーターアーム」から成り立っています。

そのためBS/CSアンテナの構造は、どのメーカーの機種も基本的には同じになります。ただ大きさでは、家庭用として一般的な45型(ディッシュ部の直径が45センチ)の他、日本でも北端部や南端部、また離島部など、BS/CSアンテナの電波がやや弱いエリアで用いられる50型から75型。さらにマンションなどの共同受信用に用いられるそれ以上の大型機種がございます。

他にも本体色は太陽光の影響を避けるための白が基本ですが、熱に影響されにくい塗料を用いた黒などのモデル。またディッシュ部に無数のパンチングホールを設置する他、各部を強化することで耐風性能を高めたモデルなどもございます。

設置位置としては、衛星放送用の人工衛星が位置する東経110度(南西方向)にディッシュを向ける形で設置され、屋根の上に八木式アンテナなどが設置されている場合は、同じマストに設置される。デザインアンテナなどの場合は、近い位置にあたる壁面やベランダに設置されるなど、さまざまな形になります。

また中古物件に設置されている可能性がある衛星放送用アンテナには、以下の種類がございます。

 

・BSアンテナ

BS放送がはじまった初期の時代に使われていた、BS放送のみが受信できる初期型のパラボラアンテナです。使用されていたのはおよそ20年以上前になるため、現在では中古住宅などでもあまり見られることはございません。

 

・2K対応BS/CSアンテナ

BS放送にやや遅れて、CS放送がスタートした後に登場した、BS、CS双方の放送を受信できるパラボラアンテナです。

従来の2K放送にあたるBS/CS放送の他、後述する「新4K8K衛星放送」の一部チャンネルも受信することができ、長年、BS/CSアンテナの主流機種として使われてきたアンテナです。そのため、中古住宅にBS/CSアンテナが設置されている場合は、このモデルである可能性がもっとも高くなります。

 

4K8K対応BS/CSアンテナ

2018年(平成30年)にスタートした「新4K8K衛星放送」に完全対応するBS/CSアンテナです。「新4K8K衛星放送」とは、衛星放送でも4K、8Kテレビにより視聴できる、4K8Kの超高画質放送に対応するチャンネルのことです。ただ4K8K対応チャンネルの追加に際して、従来の衛星放送の電波(右旋円偏波)では周波数帯が不足したため、BSの一部無料チャンネルを除く、衛星放送の4K8Kチャンネルの多くでは、新たに「左旋円偏波」の電波を使用することになりました。

そのため新4K8K衛星放送でも左旋の電波を使うチャンネルを視聴するためには、4Kや8Kテレビの他、4K8K対応のBS/CSアンテナ。またブースター、分配器などの機器も、対応する機種を設置する必要が生じております。

現在、一般で販売されているBS/CSアンテナは、ほとんどが4K8K対応型に転換されていますが、普及した時期が近いため、中古物件に設置されている可能性はやや低くなっております。

 

なお、BS/CSアンテナの基礎知識や4K8K対応、高耐風仕様のBS/CSアンテナについては、詳しくは以下のコラムをご確認ください。

BS/CSアンテナの設置方法と工事費用の目安

「新4K8K放送」を視聴するためのアンテナ工事、配線について徹底解説!

台風対策に最適! 究極の高耐風BS110度CSアンテナ「BC453SG」(DXアンテナ)

 

【中古住宅に設置されているテレビアンテナ交換の具体例】

ここでは、中古の戸建住宅物件に古いテレビアンテナが設置されている場合と、交換や追加設置が必要となる場合について考えられるパターンをご紹介し、その具体的な方法を解説してゆきます。

 

・地デジアンテナのみが設置されている場合。

中古住宅に設置されているのが、八木式アンテナやデザインアンテナなどの地デジアンテナだけである場合、見た目から左程老朽化が感じられず、実際にテレビを設置して、地デジ放送が問題なく受信できるようであれば特に交換する必要はございません。

ただ、設置されている八木式アンテナが、アナログテレビ放送時代のもので、現在では不要となったVHFアンテナが残っている。その他、マストを含め表面がさび付いている。また傾いている、破損しているなどが確認できる場合はアンテナ交換をおすすめします。

アンテナにサビや傾き、破損が見られる場合は、台風や地震などの際に、アンテナの傾きやズレが大きくなる、または電波を受信する素

子が破損するなどの事態で地デジ受信ができなくなるだけでなく、屋根の上で倒壊する。さらに屋根から落下するなどのリスクも考えられます。その場合は住宅の屋根が破損する他に、落ちてきたアンテナで重大な物損、人身事故が起こる恐れもございます。

特に八木式アンテナが傾いている場合は、アンテナを支える土台である屋根馬や、屋根の四方から張り巡らされて屋根馬を固定しているステンレスワイヤーの支線などの老朽化で問題が出ている可能性があり、倒壊のリスクも高くなってまいります。

比較的、新しいモデルで風雨などに強いデザインアンテナの寿命は十数年程度といわれており、中古住宅に設置されている場合は、交換の必要は少なくなります。劣化などが目立ち、交換される場合も、多くの場合は壁面やベランダなどに取り付けられている設置具から古いデザインアンテナ本体のみを外し、新しいアンテナを取り付けるだけで完了となります。ただ別メーカーのデザインアンテナなどで、既存の設置具に対応していない場合は、設置具ごとの交換が必要となります。

 

・地デジアンテナとBS/CSアンテナが設置されている場合。

地デジアンテナとBS/CSアンテナの両方が設置されている場合は、多くのパターンが考えられます。

まず考えられるのは八木式アンテナなどの地デジアンテナとBS/CSアンテナが、屋根の上などに設置されたマストに設置されている状態です。この場合は地デジアンテナのみの交換や、BS/CSアンテナのみの交換、もしくはその両方を交換する方法が考えられます。

それぞれのアンテナ本体について交換の必要性は、それぞれの老朽化の具合や、アンテナの受信レベルなどによって変わってきますので、個々の判断が必要となります。ただマストそのものの傾きや劣化が見られる場合は、マストごと交換が必要になってまいります。

さらに地デジアンテナとBS/CSアンテナが近い場所に設置されている場合、多くはアンテナの近くにそれぞれのアンテナケーブル(電波)を、一本のケーブルにまとめて配線するための「混合器」が設置されています。ブースターと混合器が一体型の場合もございますが、混合器なども老朽化の具合によっては交換が必要となる可能性がございます。

他のパターンとしては、地デジアンテナとBS/CSアンテナが別個に設置されているケースもございます。この場合、地デジアンテナは屋根の上などに設置され、住宅内の各部屋にあるアンテナコンセントなどに配線されています。一方、BS/CSアンテナは壁面やベランダなどに設置され、設置位置に近い一か所の部屋に呑み配線され、その部屋でのみ衛星放送が視聴できるというパターンです。

この場合は、地デジ、BS/CSそれぞれのアンテナ本体や配線なども別個のものと考えていいので、個々の受信状態やアンテナの状態などから、交換の必要性を判断されるといいでしょう

 

・アンテナの配線部や関連機器、アンテナコンセントの交換。

中古住宅に設置されているテレビアンテナ設備の場合、交換が必要となるケースがあるのは、アンテナ本体やマストなどの設置具だけではございません。

前述のように、テレビアンテナの近くには多くの場合、現場の電波状態や住宅内のテレビの台数に合わせて、テレビ電波のレベルを増幅する「ブースター」が設置されています。また地デジとBS/CSアンテナが設置されている場合は、双方のアンテナケーブルを一本にまとめる「混合器」も設置され、ブースターと混合器が一体になった機器も存在します。その後、ケーブルが屋内に引き込まれた後、アンテナケーブルをタコ足状に分けて、各部屋のアンテナコンセントへ電波を等分に分配する「分配器」に接続されます。

また混合器を使用している場合は、各部屋のアンテナコンセントか、テレビなど機器の前で、あらためて地デジとBS/CSの電波を分ける、二股の分配器に似た「分波器」に接続して、それぞれをテレビの地デジ、BS/CSのチューナーに接続します。

これらの機器も、特に電源が必要となるブースターは経年劣化が進行します。そのため設置時期が古いとみられる場合は、これらの機器も交換が必要となります。これらの機器が屋根裏空間など、手が届きやすい場所に設置されている場合は、ご自宅での交換も難しくはございませんが、屋根の上などに設置されている場合は危険が伴います。ご自宅での交換が難しい場合や、交換方法がよくわからない場合は、アンテナ工事の専門業者に交換を依頼することが確実といえます。

他にも、各部屋に設置されるアンテナコンセント(アンテナケーブルとテレビの接続)も、設置された年代によって、現在の「F型端子」から「プッシュ端子」「直付端子」「フィーダ端子」「アンテナケーブル直結」などのタイプがございます。

プッシュ端子であれば現在のF型端子と一定の互換性もございますが、それ以前の端子である場合は、電波の漏洩や混入により、テレビ電波や周辺の無線LAN機器などへの混信の可能性も生じてまいります。そのため古いタイプの端子の場合は、最新のアンテナコンセント、またはLAN端子などと一体化したメディアコンセントへの交換をおすすめいたします。またプッシュ端子は接続が抜けやすく、F型端子用のケーブルが使用できないなど利便性の問題もあり、こちらも可能であれば交換するほうがいいでしょう。

ブースターなどの各アンテナ機材、またアンテナコンセントについて、詳しくは以下のコラムをご確認ください。

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・前編(基礎知識編)

テレビアンテナの「ブースター」徹底解説・後編(機種選び・設置編)

アンテナ工事の「分配器」とは何?「分波器」「分岐器」との違い

テレビ端子(アンテナコンセント)がない部屋でのテレビ番組ご視聴方法

 

(既存のテレビアンテナが旧式である・老朽化している場合)

中古住宅に設置されているテレビアンテナが老朽化しており、故障や倒壊のリスクが高い。また旧式である場合も、新型のアンテナに交換することでメリットが多くなる場合もございます。

地デジアンテナであれば、八木式アンテナからデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどに交換することで住宅の外観性が向上し、風などの影響も受けにくくなるといった利便性がございます。BS/CSアンテナの場合は、前述のように旧式のアンテナでは、最新のチャンネルの一部が視聴できない場合もある他、耐風性の高いモデルに交換するという選択肢もございます。

既存のアンテナやブースターなどの機器が老朽化している場合のトラブルを避けるためにも、中古物件を購入する際には、可能であればアンテナの設置年数も確認しておくとよいでしょう。前述のようにテレビアンテナは、各機種別はもちろん、設置場所や周辺環境によっても老朽化の進行具合が変わってまいります。基本的に、既存のアンテナが設置されてから10年以上経っている場合は、交換を検討されたほうがよいと申せます。

 

・八木式アンテナからデザインアンテナ、ユニコーンアンテナへと交換したい場合。あるいはその逆。

前述のように中古住宅に設置されている地デジアンテナは、八木式アンテナであることが多く、外観性や耐久性の問題から、デザインアンテナやユニコーンアンテナへの交換を希望されるケースも増えております。

この場合、八木式アンテナの多くは屋根の上に設置されているのに対し、デザインアンテナは主に壁面やベランダなどに取り付けられます。またユニコーンアンテナも壁面や屋根の張り出し部に設置されることが多いため、まず屋根の上のアンテナやマスト、屋根馬などの撤去する必要がございます。ブースターや分配器などの機器は、老朽化していなければ再利用できることもございますが、アンテナそのものはほぼ一から設置しなおす形になります。

ただ注意点として、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナは、八木式アンテナよりやや受信強度が弱いという点が挙げられます。そのため安易に交換を行うと、電波の受信レベルが低くなり、地デジ放送のご視聴に支障が出るケースも考えられます。

八木式アンテナからデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどに交換する場合は、まずアンテナ工事業者などに無料の電波調査を依頼し、現場の電界地域や電波状態を調べて、交換後も安定した地デジ受信が可能かを確認する必要がございます。

他にも、デザインアンテナなどが設置されている中古住宅で、その後の周辺環境の変化によって受信環境が悪化した。また設置されている八木式アンテナが、アナログ放送時代のUHFアンテナなど古すぎる場合は、最新の八木式アンテナに交換するという選択肢もございます。

八木式アンテナは、現在でももっとも受信性能が高い地デジアンテナになる他、最新モデルであれば軽量化や表面加工の進歩により、古いモデルよりは耐風性、耐水性が向上して、寿命も長くなっております。

 

・BS/CSアンテナを追加する場合。

中古住宅に地デジアンテナしか設置されておらず、BS放送やCS放送をご視聴になりたい場合は、地デジアンテナを交換するしないとは別に、BS/CSアンテナも追加設置する必要がございます。

この場合はやはり地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットにして設置する方法と、BS/CSアンテナを単独で設置する方法がございます。

地デジアンテナとBS/CSアンテナをセットにする方法では、前述のように双方のケーブルを混合器で一本にまとめ、アンテナコンセントかテレビの前で分波器によって電波を分けることになります。

この施工を行うことで、使用するアンテナケーブルの長さやブースターなどの機器を最小限に抑えられますが、元は地デジアンテナだけの住宅にBS/CSアンテナを追加設置する場合、ブースターや分配器なども、BS/CS対応のものに交換しなければならないケースもございます。

まずBS/CSアンテナを単独で設置する方法は、一台のテレビのみでBS/CS放送をご視聴になる場合になり、その部屋の窓枠やベランダ、壁面などにBS/CSアンテナを設置し、エアコンなどのダクト口からケーブルを通す、薄型ケーブルで窓の冊子を通すなどの方法で室内のテレビに配線する、シンプルな形になります。

他にも既存の地デジアンテナとは別にBS/CSアンテナを設置し、配線も別個にして必要な部屋に部屋へ配線する方法もございます。この方法では地デジアンテナの設置位置と関係なくBS/CSアンテナを配置ことが可能ですが、BS/CS電波用のブースターや分配器を含めた、新しい配線工事を行う必要が出てまいります。

 

・4K8K放送対応のBS/CSアンテナに交換したい場合。

前述のように中古住宅にBS/CSアンテナが設置されている場合、2K対応型である可能性が高く、4K、8Kテレビを設置して「新4K8K衛星放送」をご視聴になる場合には、4K8K対応型のBS/CSアンテナへの交換が必要となります。

「新4K8K衛星放送」では、BS放送でもNHK、各広域民放の無料チャンネルを除き、異なる種類の電波を利用しているため、BS/CSアンテナも対応するタイプが必要になるためです。

BS/CSアンテナ自体は、マストなどの設置部が老朽化していない限り、元のアンテナを取り外して、その位置に4K8K対応型を取り付けるだけで交換は完了します。

ただ4K8K放送をご視聴になるためには、ブースターや分配器も、4K8Kの電波に対応する機器に交換する必要がございます。またアンテナケーブルも、古くて細いものの場合は4K8K放送に対応できるものに交換する必要が出てくるため、注意が必要となります。

4K、8Kのテレビが屋内に一台しかない場合であれば、既存のBS/CSアンテナとは別に、その部屋の近くに4K8K対応のBS/CSアンテナを設置し、4K8Kテレビと接続するという方法もございます。

 

【まとめ】

中古住宅に設置されているテレビアンテナについて、交換の必要性は、既存のアンテナの老朽化の度合いやモデルの世代、また入居される方のご要望によって変わってまいります。

具体的な交換方法や設置位置、アンテナ機種の選択などについては、以下のコラムがご参考になると思われます。

ご要望別・地デジアンテナの機種と設置の方法

テレビアンテナ設置場所のポイント(地デジ・BS/CSアンテナ編)

地デジ・BS/CSテレビアンテナ設置工事の手順

テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)の交換・撤去(前編・時期編)

テレビアンテナ(地デジ、BS/CS)およびアンテナ機材の交換・撤去(後編・手順編)

 

中古住宅において、設置されているアンテナや各機器のモデル、老朽化の度合いの確認から、交換するために適切なアンテナ機種のご選択。また実際のアンテナ撤去、交換工事について、ご不明な点がおありの場合は、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)か、メールフォームLINEアカウントまで、お気軽にご相談いただければ幸いです。

 

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 25,000円(27,500円税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 22,000円(24,200円税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 18,000円(19,800円税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。