面倒な工事も不要!2,000円で地デジ放送を楽しめる「室内アンテナ」について!
現在の地上デジタル放送(地デジ)を楽しむためには、地デジアンテナ設置、またはケーブルテレビ(CATV)や光テレビなどへの加入が必要です。中でもテレビアンテナの設置は、いったん設置すれば、ケーブルテレビや光テレビのような月額料金は不要、無料で地デジ放送を視聴し続けることができるため、現在でも、もっとも一般的な地デジの視聴方法になっております。
ただ地デジアンテナもアンテナ設置工事の時点では、本体価格や各種機器の代金、アンテナ設置工事費などが必要となってまいります。さらに分配器を使ってアンテナケーブルを各部屋に配線し、アンテナ端子を設置した部屋の他に、新しくテレビを設置したい場合は、追加の工事や配線などが必要となるケースもございます。
一人暮らしの住宅などで、テレビは一台あれば十分。また現在、ご自宅内のアンテナ端子をすべて使っていて、さらに新しいテレビを追加したいといった場合には、費用のかかる大仰なアンテナ工事は無駄に思えるかもしれません。
そのような場合にお勧めできるのが、地デジの「室内アンテナ」です。
室内アンテナとはその名の通り、テレビに直接、接続できて、室内(屋内)に設置できるタイプのコンパクトな地デジアンテナです。
室外アンテナのように余計な工事や手間は不要で、テレビに接続して適切な位置に設置するだけの非常に手軽なアンテナであり、小型のテレビを屋内のさまざまな部屋に移動して使いたい場合などにも重宝します。一方で、室内アンテナを使用できるかどうかは現場の電波状態や条件などに大きく左右され、どのような現場でも必ず使えるわけではない、といった弱点も存在します。
本コラムでは、使用できれば非常に便利な反面、使用できる条件が限られてくる地デジの室内アンテナについて、その種類や特徴、使用できる条件などを解説いたします。地デジ受信方法として室内アンテナを選択肢に入れる場合には、本コラムを参考にしてください。
室内アンテナとはどういうもの?
テレビの「室内アンテナ」とは、地デジ放送の電波である「UHF波(極超短波)」を受信するUHFアンテナの中でも、室内に設置できるタイプのアンテナを指します。
一般的な地デジのUHFアンテナといえば、現在では主要機種として、屋根の上などに設置される、魚の骨のような形状の八木式アンテナと、平面薄型で壁面に設置されるデザインアンテナがございます。他にも最新鋭機種として、円筒形で屋根の上をはじめさまざまな位置に設置でき、デザイン性と耐風性などに優れるユニコーンアンテナという機種もございます。
これらの機種は、基本的に屋根の上や壁面などの外壁に設置され、同軸ケーブルの配線によって屋内のテレビなど機器に接続されます。
室外アンテナのメリットは、機種によってやや差はございますが、おおむね地デジ電波の受信性能が高く、屋内にある複数のテレビなどに接続する場合も、すべてのテレビで安定した地デジ受信を実現できる点にあります。
一方で室外アンテナの設置には、アンテナ本体価格だけでなく、ブースター、分配器など機器の設置。配線工事などの費用が必要となります。室外アンテナの本体価格は機種や性能にもよりますが、4,000円から30,000円程度。ブースターや分配器、配線などを含めた地デジアンテナ設置工事の費用総額は、使用する機種や工事内容、業者によっても異なりますが、おおむね35,000円から50,000程度になります。
詳しくは以下の、地デジアンテナ本体や設置費用に関するコラムをご参照ください。
業種別・アンテナ設置工事の標準価格と対応できる工事
対する室内アンテナは、その名の通り、住宅内のテレビに直接、接続して、住宅の室内に設置できるアンテナです。
室内アンテナは、設置方法によって主に次の2種類に分かれます。
・卓上タイプ
室内アンテナ本体を、室内の卓上、テレビ台、窓際などに置くだけで設置できるタイプのものです。
形状はポール型や板型など多彩であり、性能も普及型から高性能モデルなど、さまざまなバリエーションがございます。
・ペーパータイプ
極薄パネルのようなデザインの室内アンテナで、主に窓や壁などに貼り付けて設置します。
卓上タイプと比べると製品のバリエーションは少ないものの、高性能モデルも存在します。
室内アンテナのメリット
室内アンテナには、一般的な屋外アンテナとは異なる特徴がございます。屋外アンテナにはない室内アンテナ特有のメリットには、以下のようなものが挙げられます。
・設置費用が安い。
前述のように、自宅に屋外アンテナを設置して地デジ放送を視聴するには、機器の価格や工事費などで数万円程度の費用がかかります。
しかし室内アンテナの価格は非常に廉価であり、安いものでは2,000円程度から購入できます。ブースター内蔵型や、さまざまな場所への設置、角度調整が可能など、高性能、多機能なものでも主に7,000円から10,000円以下の価格になります。
そのため屋外アンテナに比べると、導入コストを非常に安く抑えられます。
・設置作業が簡単。
屋外アンテナでは多くの場合、アンテナの設置は専門のアンテナ工事業者に依頼することになります。ベランダへ設置できるなど安全な条件が整っていれば、個人での設置も不可能ではありませんが、適切な地デジ電波受信のため、緻密なアンテナの方向調整などが必要となり、非常に手間のかかる作業となります。
一方、室内アンテナではほとんどの機種が、ケーブルでテレビと接続して、アンテナ本体は適切な場所に設置、また窓に貼り付けるなど、設置の作業が非常に簡単となります。また指向性が広く、緻密な角度の調整が必要ないため、一般の方にも簡単に設置できます。
業者への設置依頼が必要ないため、導入コストもほとんど室内アンテナの購入価格だけとなり、費用の安さにもつながります。
・天候などの影響を受けにくい。
屋外アンテナ、特に屋根の上に設置する八木式アンテナは、風雨や雪、海沿いであれば潮風の影響などを受けるため、徐々に、しかし確実に老朽化が進んでゆきます。そして老朽化したアンテナが台風や豪雪、地震などを受けると、故障や倒壊などのリスクも生じます。
室内アンテナであれば、このような自然環境の影響による劣化、故障のリスクなどはほとんどなくなります。
・住宅の外観や景観を損ねない。
屋外アンテナでもやはり八木式アンテナでは、比較的、大型で屋根の上に設置されることから目立ってしまい、住宅の外観や景観を乱してしまうことがございます。またアンテナの一部が隣家の教会にはみ出す「越境問題」が生じることも考えられます。
屋内に設置する室内アンテナであれば、そのような問題は生じません。また室内アンテナはデザインが豊富で、サイズもコンパクトなものが多いため、調度品のような形状で、インテリアを損なわないデザインの機種を選ぶこともできます。
・アウトドアでも使用できる。
室内アンテナは、卓上タイプなどであれば、屋外で使用することも可能です。
室外に常設することは難しくなりますが、屋内で小型のテレビを、あちこちの部屋に移動して視聴する。さらには庭先にテレビを持ち出す。またキャンプなどのアウトドアでも使用できるため、いま流行の「ゆるキャン△」でも、自動車を使ったオートキャンプなどであれば、小型のテレビとバッテリー、室内アンテナを用いて、大自然の中でテレビを視聴するといった楽しみ方も可能となります。
室内アンテナのデメリット
このようにメリットの多い室内アンテナですが、一方で大きなデメリットもございます。
それは屋外アンテナに比べると、地デジ電波の受信感度が低くなるという点です。そのため使用したい住宅のエリアや、建物に使われている建材、設備などによっては地デジ電波の受信が難しくなり、使用できないケースも多くなります。
ある特定の現場で受信できる地デジ電波の強弱(電波レベル)は、おおよそその現場から、地デジ電波を送信する近隣の中継局(電波塔)までの距離、そしてその間の障害物の有無などで決まります。そのため中継局からの距離が遠い場所や、放送局との間に高層マンションなどの建築物、また山地、山林などの障害物がある場所では、地デジ電波が遮断され、電波レベルが弱くなる傾向がございます。
また地デジ電波は基本的に、通常の壁や瓦屋根、ガラス窓などを通り抜けるため屋内でも受信できますが、コンクリートや土壁、断熱材などは電波を減衰(弱める)させる性質がある他、金属素材は電波を反射、吸収してしまいます。
そのためご自宅の屋根材や断熱材の素材、またガラスに金網が設置されているなど、住宅の建材によっては、地デジ電波が遮られ、室内アンテナを使えないケースがございます。
特に太陽光発電システムのソーラーパネルを設置している場合は、パネルによって地デジ電波が遮られてしまいます。ソーラーパネルを設置している、もしくは設置予定がある場合は、屋内アンテナの使用を断念する必要がございます。
他にも、室内アンテナは基本的に地デジ受信専用になります。BS、CS放送など衛星放送を受信するBS/CSアンテナの室内設置も不可能ではなく、実際に室内向けのBS/CSアンテナや設置用スタンドも販売されております。
ただBS、CSの衛星放送はパラボラアンテナになるため、室内に設置する場合も場所を取ってしまいます。また衛星放送の電波は、放送用の人工衛星が位置する東経110度(南西方向)に向けなければならない上、その電波も地デジ電波など障害物に弱くなっております。
そのためBS/CSの室内アンテナは窓際など、南西方向にあたる障害物のない場所に設置しなければならない。前述のように周辺環境や住宅の建材などによっては受信できないなど、受信の条件がより複雑かつ厳しくなります。
さらに室内用のBS/CSアンテナは比較的、高価であり、特に高性能のポータブルタイプは数万円もするなど、室外用のBS/CSアンテナの本体価格および設置費用より高額になることもございます。
地デジ電波レベルの基準
エリアごとの地デジ電波の強度としては、電波の強さを示す単位「㏈(デシベル)」において、おおむね「80dB」以上の電波を受信できる「強電界地域」。「70dB」以上を受信できる「中電界地域」。「60dB」以上を受信できる「弱電界地域」の3段階に分類できます。
通常、弱電界地域では、屋外アンテナでも高所に設置できる八木式アンテナの高性能タイプが必要となることが多く、室内アンテナの使用は難しくなります。中電界地域でも室内アンテナは使用できないケースがあるため、室内アンテナは強電界地域のみでの使用を前提とした製品も少なくありません。
他にも前述のように強電界地域であっても、現場の周辺に高層マンションなどの障害物が存在する。また住宅の建材やソーラーパネルの存在などによって、地デジ電波が弱まり、室内アンテナが使用できないこともございます。
エリアごとの電波レベルについては、以下のコラムをご参照ください。
地デジアンテナ設置に重要となる「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」とは
室内の電波レベルを確認する方法
前述のようにご自宅で室内アンテナを使用できるかどうかの判断は、その現場の電波レベルによって大きく左右されます。
そのため室内アンテナを使用したい場所での電波レベル確認が不十分では、室内アンテナを購入しても、いざ設置すると十分な地デジ電波を受信できず、地デジ放送を視聴できないというケースも考えられます。
室内アンテナのご使用には、ご購入前にご自宅の屋内における電波レベルを確認することが重要となります。電波レベルを確認する方法には、以下のようなものがございます。
・電波塔と設置施設との距離や位置関係を調べる。
ご自宅などの周辺にあり、現場に地デジ電波を送信する中継局の位置は「一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)」のWebサイトで調べることが可能です。アンテナを設置したいエリアの地名や郵便番号、住所などを入力し、その場所がどの電波塔のエリアに属するかを調べます。
同サイトでは、地図上に中継局の位置と、その中継局で強電界地域にあたるエリアの目安が色彩によって表示されるため、受信環境の参考にできます。ただし画面上では強電界地域に含まれるエリアであっても、近隣の高層建築物の存在など、その他の要因で現場の電波レベルが弱くなることもございます。同サイトの情報はあくまで目安と考えてください。
・周囲の住宅のアンテナ形状から推測する。
ご自宅など室内アンテナを設置したい場所の、周囲住宅に設置されている室外アンテナの形状を確認し、一帯の電波レベルを推測する方法もございます。中電界、弱電界地域では電波レベルが弱く、デザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどが使いにくく、屋根の上などに設置する八木式アンテナを使用する必要がございます。特に弱電界地域では、受信感度の高い大型の八木式アンテナが多く見られます。
一方、強電界地域では受信環境が良好なため、デザインアンテナ使用する住宅も多く見られます。また中には、最新鋭機種であるユニコーンアンテナを設置している住宅も見られるかもしれません。
このように周辺の住宅で使われているアンテナの種類を確認して、ほとんどすべてが八木式アンテナで、特により高所に設置される、大型のものが多い場合は、中電界から弱電界地域だと考えられます。
逆にデザインアンテナなどが見られ、八木式アンテナでも小型のものが多く、比較的、低い位置に設置されているものもある場合などは、さほど高性能、好感度のアンテナを使わなくとも地デジ放送が視聴できるエリア、つまり強電界地域であると推測できます。
各機種の具体的な違いについては、こちらのコラムをご参照ください。
台風対策に最適!地デジ「デザインアンテナ」と「ユニコーンアンテナ」とは?
・レベルチェッカーで電波強度を測定する。
室内など特定の場所における地デジやBS/CSなどの電波レベルは、市販のレベルチェッカーという機器で測定可能です。これは個人レベルで可能な中では、もっとも正確に電波レベルを測定できる方法です。
レベルチェッカーはインターネット通販などで、安いものでは3,000円程度から入手できますが、個人でレベルチェッカーを使う機会は、自宅でのアンテナ設置時など非常に少ないため、コストパフォーマンス的にはやや悪い方法ともいえます。またチェッカーの種類によっては、一般の方では使い方や測定値の判断がわかりにくい場合もあります。
そのためご自分でレベルチェッカーを購入するのではなく、普段からレベルチェッカーを使っているアンテナ関係の業者などから情報を入手するのも、ひとつの方法といえます。
室内アンテナの性能と選び方
室内アンテナの機種を選ぶためには、設置施設の電波強度を踏まえて、アンテナの性能を考慮しなくてはなりません。室内アンテナを含む各種地デジアンテナの性能を示す指標には「動作利得」と「素子数」がございます。
アンテナを選ぶ際には、この動作利得と素子数が、設置する現場の電波レベルに合っているかを確認することが必要です。まずは電波強度の基準と動作利得、素子数について簡単にご説明いたします。
・動作利得
動作利得とは、電波の感度を示す数値です。単位は前述した「㏈」で表され、この数値が大きいほどアンテナの感度が高く、性能が高いことを示します。ただし動作利得が高いほど価格も高くなる傾向がございますので、高性能であればよいとも限りません。一般的には、設置現場の電波レベルに合った動作利得の機種を選ぶのがおすすめです。
アンテナの動作利得の目安としては、強電界地域であれば約3㏈から5dB、中電界地域であれば約5㏈から10㏈、弱電界地域では約7㏈から14㏈のアンテナが適しているといわれます。一般的な室内アンテナの動作利得がおよそ4㏈から8㏈とされているため、動作利得の面では強電界、中電界地域であれば、室内アンテナでもおおむね受信可能だと考えられます。
・素子数
素子とは、簡単にいえばテレビ電波を受信するための部品です。この素子数が多いほど、動作利得も大きくなります。八木式アンテナの場合、魚の横骨のようなパーツが素子になります。室内アンテナには素子数を見て確認できるパーツがなく、性能表などで「4素子相当」「10素子相当」などと表記されるのが一般的です。
通常、地デジの受信に必要な素子数は、強電界地域では4素子以上、中電界地域では14素子以上が目安とされています。
室外用の地デジアンテナでは、どの機種も20素子(相当)が標準機種になります。一方、室内アンテナの素子数は4素子から8素子といわれており、素子数から見ると強電界地域では受信できるものの、中電界地域ではやや難しいと考えられます。
室内アンテナの選び方
室内アンテナの具体的な選び方としては、現場の電波レベルとアンテナの性能を考え合わせる必要がございます。
・電波レベルに適した動作利得、素子数のアンテナを選ぶ。
基本的に、室内アンテナでは高性能の機種を使うに越したことはありませんが、高性能機種は価格も高く、強電界地域ではオーバースペックとなり、コストパフォーマンスが悪くなる場合もございます。そのため、現場の電波レベルに適したスペックの機種を選ぶことがおすすめとなります。強電界地域に室内アンテナを設置する場合は、動作利得が3㏈から5㏈、素子数が4以上でも、十分なレベルで地デジ放送を視聴できます。
・中電界、弱電界エリア対応のアンテナを選ぶ場合。
電波レベルの弱い中電界、弱電界地域では、屋外アンテナの設置が無難となります。このようなエリアで室内アンテナの使用を検討する場合には、エリアの電波レベルに対応した室内アンテナを選ぶ必要がございます。
ただし「中・弱電界エリア対応」と表記される室内アンテナでも、実際の設置現場の電波レベルに適合するかどうかはわかりません。動作利得や素子数などのスペックを、パッケージやメーカーの公式サイト、インターネットショップであれば商品概要などで確認してください。
また電波の弱いエリアで室内アンテナを使用する場合は、受信した地デジ電波を増幅できる、ブースター(増幅器)を内蔵しているタイプを用いるのもひとつの方法ですが、ブースターには電波に含まれるノイズも増幅してしまう性質もございます。ブースター内蔵の機種を使用する場合には、事前に販売店の店員や、アンテナ業者などの専門家に相談することがおすすめです。
・屋外/室内兼用のアンテナを選ぶ。
屋外アンテナでもデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなどには、付属のスタンドに設置することで室内アンテナとして使える機種もございます。屋外アンテナとして使用する場合は、建物の外壁などにも設置できます。
屋外に取りつける場合も、高さなどに危険がない位置であれば、自力での設置が可能となり、比較的、気軽に設置位置を切り替えられるため、中電界、弱電界地域で室内アンテナを使用したい場合、不安であれば屋外でも使えるタイプを選ぶのもひとつの方法といえます。
室内アンテナ設置時のポイント
室内アンテナの機種を決めた後は、屋内のどこに設置するかを考える必要がございます。前述のように、設置する建物自体は強電界地域に位置していていても、設置する場所によって受信できる電波レベルが大きく変化するケースもございます。設置場所を決める際には、次のようなポイントを考慮するといいでしょう。
・窓際や屋根裏は地デジ電波を受信しやすい。
窓際は建物の中でも遮蔽物が少なく、特に窓の材質であるガラスは電波が通りやすい物質になります。そのため窓際では地デジ電波が受信しやすく、室内アンテナの設置場所としてはおすすめです。
ただし窓の外に高層建築物や樹木などの遮蔽物があると、地デジ電波の受信が妨げられるケースもございます。また金網が入っているなど、窓ガラスの構造によっては電波が通りにくい場合もあるので注意が必要です。
また、住宅内でも高い位置のほうが、地デジ電波を受信しやすい傾向にあります。そのため、建物の中でもっとも高い場所である屋根裏は、室内アンテナの設置場所に適しています。屋根裏に設置するとアンテナが見えなくなるため、インテリアにこだわりがある場合でも、室内での調和を気にする必要がございません。
室外アンテナであるデザインアンテナを屋根裏に設置する方法もございます。室内アンテナを屋根裏に設置する場合の参考にもなりますので、以下のコラムをご参照ください。
徹底解説!屋根裏や天井裏にテレビアンテナは設置できる?
・周辺の遮蔽物や家電製品などに注意する。
建物や樹木など外部の遮蔽物の他にも、周辺に電波の受信を妨げる要因となるものがあると、室内アンテナの設置に適しているように思える場所でも、受信できる電波レベルが弱まる可能性がございます。そのため室内アンテナの周囲からは、遮蔽物になるものを遠ざけることが必要となります。
地デジ電波を妨げる要因には、前述のように、電波を反射、吸収してしまうソーラーパネルなどの金属。また電波を通しにくいコンクリートなどの素材。電子レンジやエアコンなど電波に干渉しやすい家電製品などがございます。
また水も電波を吸収する性質があるため、室内アンテナとの相性はよくありません。室内アンテナのそばには、花瓶など水の入ったものを置かないように注意してください。
・室内の電波状況はスマートフォンで確認可能。
一般的には各種の電波を受信しやすいと考えられる場所であっても、前述した要素の他、さまざまな気づきにくい原因により、地デジ電波が受信しにくくなるケースもございます。実際に室内アンテナを設置する場所の地デジ電波状況は、スマートフォンの電波がつながりやすいかどうかで、ある程度、判断することも可能です。
・適切な長さのアンテナケーブルを使用する。
室内、室外ともテレビアンテナの設置には、テレビなどの機器とアンテナを結ぶケーブル(同軸ケーブル)が必要です。ケーブルの長さが足りないと接続できないため、テレビからアンテナの設置場所までの距離を把握した上で、適した長さのケーブルを準備する必要がございます。ただしケーブルは長ければよいというわけでもございません。
ケーブルが長すぎる場合、アンテナからテレビ機器まで電波を届ける間に電波の減衰が起こり、テレビ映像の乱れなどの原因にもなります。室内アンテナで地デジ放送を快適に視聴するためには、必要最小限の長さのケーブルを選ぶことが必要となります。
まとめ
地デジの室内アンテナは、快適に使用できるエリアであれば、低価格で手軽に使用できる、非常に便利なものになります。
ただし屋外アンテナに比べると受信性能が低いため、基本的に強電界地域で電波を遮断する障害物なども存在しない現場など、使用できる条件はかなり限られてくるという弱点もございます。
そのため下調べが不十分なまま室内アンテナを購入しても、いざ設置すると地デジ受信ができないというケースも考えられます。
ご自宅などで室内アンテナをご使用になりたいお客様には、当コラムを参考に、現場の地デジ受信条件などをしっかりと確認した上で、確実な地デジ受信を実現できる室内アンテナをお選びいただければ幸いです。