地デジの「水平偏波」「垂直偏波」の違いとは?

2022年09月18日

あさひアンテナのコラムでは、これまでも、いわゆる地上デジタル放送(地デジ)と衛星放送(BS/CS放送)の違い。それぞれの電波の形式や、放送ごとのテレビアンテナの種類などをご説明してまいりました。
たとえば「地デジ」「BS/CS」のテレビアンテナやそれぞれの電波の違い。地デジのテレビアンテナには、主に「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「ユニコーンアンテナ」があること。またテレビ受信における各種トラブルの原因や、テレビアンテナ修理の手順などは、当コラムの記事をお読みいただければ、おわかりいただけると思います。

このようにテレビアンテナやテレビ電波について基礎知識をお持ちの方が、地デジ用にテレビアンテナについてお調べの際に「水平偏波用」「垂直偏波用」といった言葉に出くわされたことはないでしょうか?
言葉からして、テレビ電波の種類であることはご理解いただけると思います。ただこの言葉だけでは、一体どういうものかはわかりにくく、間違ったテレビアンテナ機種を選ぶと地デジ受信ができなくなるのではないか、とご心配の方もおられるでしょう。

ここでは、地デジのテレビ放送における「水平偏波」「垂直偏波」とはそもそもどういうものかを、2022年(令和4年)の最新情報にもとづいて、まず電波に関する基礎知識から、それぞれの電波としての違いと、使用される理由。またそれぞれに対応する地デジのテレビアンテナや、お住まいの地域で使われているのはどちらの電波で、どのようなテレビアンテナを選択すればいいかまで、さまざまな疑問を徹底的にご説明いたします。

【現在のテレビ放送の形式と電波、テレビアンテナの違い】
まずは現在のテレビ放送の主流「地デジ」「衛星放送」の、電波の送信形式や使用されるテレビアンテナについておさらいいたします。

・地上波デジタル放送(地デジ)
地デジ放送は、現在の主なテレビ放送として知られています。放送の形式としては、東京都墨田区の東京スカイツリーをはじめ、日本国内の各地に数多く設置された中継局(電波塔)から送信される地デジ電波を、ご家庭などに設置されたテレビアンテナ(地デジアンテナ)で受信し、テレビなどの機器で視聴するものです。
基本的に日本国内では、中継局からの地デジ電波が届きにくい山地や、中継局がカバーしていない地デジの難視聴地域などの一部エリアを除くほとんどの地域で、テレビアンテナ設置による地デジ放送のご視聴が可能です。
地デジで放送されるチャンネルは、国営放送であるNHK。日本全国でほぼ同じテレビ番組が視聴できる各チャンネルの広域民放。そして東京都の東京MXなど、一部都道府県やその周辺でのみ視聴できる独立放送局、いわゆる地方局、地方チャンネルになります。
地デジ放送は、それ以前のアナログテレビ放送と入れ替えることを目的に、2003年(平成15年)12月1日の正午よりスタートしました。その後、移行期間として地デジ放送とアナログ放送を並行する形で放送されていましたが、2011年(平成23年)7月24日の正午に、アナログ放送が完全に停止し、地上波放送は地デジのみになりました。
なおアナログ放送で使われていた電波には、NHK、広域民放で使われていた「VHF(超短波)」と、独立放送局で使われていた「UHF(極超短波)」の二種類がございました。
しかし地デジ放送では、デジタル化でデータを圧縮することにより、アナログ放送に比べて使用される電波の周波数帯が大きく削減されたため、すべての放送局の電波が「UHF」に統一されました。また大量のデータを送信することが可能になったため、映像のハイビジョン化やデータ放送、双方向サービス、マルチチャンネルなど、アナログ放送にはなかったさまざまな機能も実現しました。
テレビ放送が地デジへ転換された主な理由としては、携帯電話の急激な普及をはじめ、技術の発展により社会で使用される電波の周波数帯が不足してきたため、それまで多くの周波数帯を使用してきたテレビ放送の電波を削減するという目的がございました。
地デジ放送を視聴する主な方法としては、インターネット配信などを除けば、ご自宅に地デジのテレビアンテナを設置する方法と、ケーブルテレビ(CATV)会社と契約する方法がございます。
ただケーブルテレビは月額料金などが必要であるのに対し、地デジアンテナ設置では、テレビアンテナやテレビ機器などの設置を行えば、その後はほぼ永続的に、無料で地デジ放送を視聴できるというメリットがございます。
ケーブルテレビは、各会社が設置した大型のテレビアンテナで地デジ、BS/CS放送などの電波を受信し、そのアンテナから直接、対応エリア内の各ご家庭にケーブルを通してテレビ電波を送信する形式であり、地デジの難視聴地域など、テレビアンテナでは地デジを受信しにくいエリアで主に利用されています。
地デジ用に使われるテレビアンテナには、屋根の上に見られる魚の骨に似た昔ながらのアンテナ機種で、高所に設置できるため現在でも高い地デジの受信性能を誇る一方、風雨や積雪などに影響されやすい「八木式アンテナ」。主に住宅の壁面などに設置される薄型軽量のアンテナで、住宅の外観性を乱さず、風雨などにも影響されにくい「デザインアンテナ」。ポールの先に円筒状に近いテレビアンテナ本体が設置されたもので、受信性能の高さとデザイン性、風雨などへの強さを兼ね備えた「ユニコーンアンテナ」の3種類がございます。
他にも、八木式アンテナに樹脂カバーを設置して風雨などへの強さを高めたものや、電波状態が極めて良好な現場でしか使用できませんが、手軽で使いやすい室内アンテナなどがございます。
これらの「地デジアンテナ」にあたるテレビアンテナは、主に形状や設置位置と、それに伴う受信感度や対候性(自然環境への強さ)が異なるだけで、どれもアンテナとしては同じ「UHFアンテナ」になります。

衛星放送(BS/CS放送)
日本における一般テレビ放送としての衛星放送は「BS放送」「CS放送」の2種類になります。BS放送、CS放送ともに、地球の上空、約36,000キロにあたる宇宙空間にて、赤道の周回軌道を回り続け、地球のほぼ半球部、同じ側を捕捉し続ける人工衛星から、地上へとテレビ放送の電波を送っております。なおBS放送は「Broadcasting Satellites(放送衛星)」、CS放送は「Communication Satellites(通信衛星)」と、それぞれ異なる人工衛星から電波を送信しております。
BS放送は一般家庭でのご視聴を目的とした衛星放送で、主なチャンネルには「NHK-BS1」「BSテレ朝」「BS-TBS」など、地デジと同じNHK、広域民放の各チャンネルがあり、これらはBS/CSアンテナや機器を設置することで、無料で視聴できます。他にも「WOWOW」など、チャンネルごとに月額契約を結んで視聴できる、有料のBSチャンネルも多く存在します。
CS放送は、一般的に110度CSデジタル放送「スカパー!」として知られるチャンネルです。CS放送は2022年現在で80以上の多チャンネルを誇り、その大半が有料チャンネルになっております。各チャンネルの内容は映画や各種スポーツ、テレビドラマ、海外ドラマ、時代劇、アニメ、お笑い、ドキュメンタリー、ミステリーなど多ジャンルに細分化されており、基本契約料金と個別チャンネルや複数のチャンネルパックで契約し、月額料金を支払うことで視聴できます。
またCS放送にはもうひとつ、124/128度CSデジタル放送「スカパー!プレミアムサービス」というサービスが存在します。こちらは「スカパー!」以上の多チャンネルと全チャンネルがハイビジョン対応という特徴がございます。ただこの放送は使用されている通信衛星の位置が「スカパー!」と異なるため、視聴するためにはBS/CS用テレビアンテナとは別の専用アンテナ、もしくは一台でBS放送およびCSの2サービスがすべて視聴できるマルチアンテナの設置が必要となります。
これら衛星放送の特徴は、地上に位置する中継局から周辺地域に地デジ電波を送る地デジ放送に比べて、はるかに広い範囲へテレビ電波を送信できて、地デジ電波を遮断してしまう山林や建物など、障害物が多いエリアでも電波の乱れが起こらないという点がございます。
そのため容量の大きい放送情報を極めて広範囲へ効率的に送信できる。また災害などにも強いといったメリットがあり、基本的にBS/CS放送は、衛星専用のテレビアンテナと機器を設置することで、日本全国、どのようなエリアでもご視聴が可能です。
BS/CS用のテレビアンテナは、皿のような円盤部分(ディッシュ)を衛星の方向に向けて電波を受信する「パラボラアンテナ」としてよく知られています。通常は太陽光の影響を受けにくいホワイトのパラボラアンテナになりますが、近年では太陽光に強い塗料をもちいたブラックその他のアンテナもございます。
通常、家庭用のBS/CSアンテナは「45型(ディッシュの直径が45センチ)」が主流ですが、他にも受信性能が高い半面、風雨などに影響されやすい「50型」や「60型」がございます。それ以上のサイズのものも存在しますが、それらのモデルは主にマンションなど集合住宅の共同受信用に使われます。
またBS/CS放送用のテレビアンテナは、人工衛星から地上に向けて送られるテレビ電波を受信するため、人工衛星が位置する東経110度(南西方向)へ正確に向ける必要がございます。風雨などによりアンテナの角度がずれると受信不良が生じる他、アンテナの前に山地や建築物などの障害物が存在する。また激しい豪雨や大雪などの際には、電波の遮断や乱反射などによる受信障害も起こってまいります。
他にも、人工衛星は赤道軌道上に位置するため、日本列島でも北部や離島など一部エリアでは電波が弱まってしまい、安定した受信のためにはやや大型のBS/CSアンテナを設置しなくてはならないケースもございます。
さらに2018年(平成30年)12月には、BS/CS放送の一環として「新4K8K衛星放送」がスタートしました。これはBS/CS放送の一部チャンネルで、いわゆる「4K」「8K」に対応する放送を行っているものです。
4K、8Kとは、従来のフルハイビジョン(2K、FHD)の約200万画素に対し、4Kは4倍の800万画素、8Kはさらに4倍、2Kの16倍にあたる3,300万画素の超高画質によるテレビ放送のことです。また映像の表示速度も、2Kの秒間30コマに対し、4K8Kは秒間120コマまで高速化されています。他にも広色域化、ビット深度、輝度なども強化されており、より鮮明な色彩や陰影、精細でなめらか色調の変化などを実現しております。
ただこの「新4K8K衛星放送」をご覧いただくためには、4K、8Kテレビをはじめ、一部のチャンネルを除いて、4K8K対応のBS/CSテレビアンテナやチューナー。またブースター分配器などテレビアンテナ関係の機器も、4K8K対応のものも必要となります。その理由については、後述する電波に関する解説でご説明いたします。

【地デジ電波の「水平偏波」と「垂直偏波」とは?】
さて、ここから本題の「水平偏波」「垂直偏波」についてご説明いたします。
地デジ用のテレビアンテナに記されていることから「水平偏波」「垂直偏波」とは、受信できる地デジ電波の種類であることはご理解いただけると思います。では、そもそも「電波」とは何なのでしょうか?

・「電波」とは?
「電波」とは「電磁波」の一種です。そして電磁波とは、電界(プラスとマイナスの電気的な力が働く空間)と、磁界(N極とS極が引き合う力が働く空間)が相互に影響しながら、光と同じ速さで空間を伝わる波(波動)のことです。簡単にまとめると、電波および電磁波とは、電線などが何もない空間を、波の形を描いて光の速さで伝わっていくエネルギーの流れと言えます。
ただ、この説明だけではややわかりにくいかと思われます。また電磁波といえば健康被害の問題も語られる他、アニメやSF映画などでは兵器や超能力などの原理にも使われることから、危険というイメージをお持ちの方もおられるかもしれません。ただ電磁波とは波長によりさまざまな種類があり、実際は非常に身近なものでもあるのです。
電磁波の「波長」とは、電磁波が持つ波(波動)の周期的な長さのことです。また電波についてよく聞かれる「周波数」とは、この波動が、単位時間あたりに繰り返される回数のことです。その単位には「Hz(ヘルツ)」が使用されます。
例えば1秒間に1000回、波が繰り返される電波であれば「1000Hz」となり、単位では「1KHz(キロヘルツ)」になります。同じように1KHzの1000倍になると1MHz(メガヘルツ)、以降、同じようにGHz(ギガヘルツ)、THz(テラヘルツ)の単位になってゆきます。パソコンやスマートフォン、レコーダーなどのメモリを理解されている方ならわかりやすいかと思われます。
そして「電波」とは、電磁波の中でも比較的、周波数が低い(波長が長い)ものを指します。電磁波のうち、おおよそ300GHzから3THzまでのものが電波と呼ばれており、日本の電波法においては3THzまでのものが「電波」と定義されています。また電波の中でも、その波長域によって「低周波」「超長波」「長波」「中波」「短波」「超短波」「マイクロ波」に分けられます。
電波より波長が短い(周波数が高い)電磁波としては、まず「光」が挙げられます。光は波長が短い順から、センサーなどにも使われる赤外線。目に見える光である可視光線。強い太陽光などに含まれ、日焼けなどを起こす紫外線に分類されます。
余談ですが、光(可視光線)によって表される色彩も、実際は光の波長の長短であり、波長の長い順に、赤、橙、黄、緑、水色、青、紫になります。「赤外線」「紫外線」とは。それぞれ赤い光より波長が長い、紫の光より波長が短いため、目に見えない光のことで、それぞれ「赤や紫の外にあたる線」という意味です。
さらに波長が短い高周波数の電磁波が「X線」や「ガンマ線」になります。元来、X線は電子励起から発生する電磁波、ガンマ線は核内励起から発生する電磁波として分類されるものですが、波長が10nm以下であればX線、より短い10pm以下であればガンマ線と呼ぶこともございます。X線は、物質などを透過して写真を撮影する「X線撮影」、いわゆる「レントゲン」にも利用されており、医療現場や空港などの手荷物検査や非破壊検査、また人気時代劇「必殺シリーズ」において、山﨑努さん演じる念仏の鉄の、素手による「骨外し」や、松岡昌宏さん演じる経師屋の涼次の、長い針を使って心臓を突き刺すといった必殺技の演出などでもよく知られています。
また、いわゆる電磁波による健康などへの影響としては、ガンマ線など強力な電磁波は放射線でもあるため、人間が大量に浴びると放射線障害が生じてまいります。紫外線も日焼けの原因として知られ、激しいものでは健康被害も生じてまいります。
それ以下の周波数である可視光線は、激しいものを直視すると目の角膜への悪影響を与えることもございます。マイクロ波や赤外線には熱を伝える性質があるため、電子レンジなどの調理器具や暖房器具などに利用されますが、使用法を誤ると火傷などの危険性もございます。
さらにそれ以下にあたり、テレビ放送や携帯端末などに使われる「電波」は、周波数の低さから健康への影響はほぼ皆無といわれています。
また携帯電話、携帯ゲーム機などをはじめとする電子機器や電化製品は、使用することでも電磁波を発生させます。そして精密な電子機器などは電磁波の影響を受けて誤作動を起こすこともあるため、航空機内や医療機関内ではスマートフォンなど電子機器の使用が制限されることもございます。映画「ゴジラ」シリーズでは作品によって、ゴジラや他の怪獣が光線などを発する際に強烈な電磁波を発生させ、周辺の広範囲に大規模な停電や電子機器の破壊などを巻き起こす描写がある。またゴジラが口から放つ破壊光線そのものが強力な電磁波であり、ゴジラが全身に電磁波のバリアーをまとうことで、あらゆる攻撃を防ぐといった設定の作品もございます。

・なぜ地デジ放送には「水平偏波」と「垂直偏波」が用いられるのか?
以上の説明で、「電波」というものが、波長(波)を描いて何もない空間を光の速さで伝わるエネルギーの波であることは、ご理解いただけたと思います。
現在の地デジ放送では、前述した「UHF(極超短波)」の電波が使用されています。UHFとはマイクロ波の中でも周波数帯が低い、300MHzから3GHzの電波にあたります。このUHFの周波数帯から、さらに一定の周波数帯が各放送局に割り当てられ、各テレビ局は割り当てられた周波数帯の電波で自局の放送を送信しています。
そして各ご家庭のテレビアンテナで受信した地デジ電波から、テレビの機器側で各周波数帯に番号を割り当て、その番号に合わせることで各放送局の番組をご視聴いただける、これがいわゆるテレビの「チャンネル(物理チャンネル)」です。
ちなみにチャンネル(channel)、またはチャネルとは、元来は、ふたつある水面や海などを結ぶ細長い水面、つまり海峡の意味です。
そこから転じて、船舶を通行させるための水路や、テレビ放送や無線連絡、無線LANなどの無線通信で、情報を伝達する電波の周波数帯を指す言葉になり、一般的には、テレビ放送において「〇チャンネル」という各放送局の通称にもなっています。
他にも、チャンネル(チャネル)という言葉は、電子機器で電流、信号が流れる経路や、経済や商業における「物流チャネル」「販売チャネル」など、さまざまな分野で用いられます。黒田bbさんによる4コマ漫画で、るん、トオル、ユー子、ナギの女子高生4人組を中心とした日常生活を描き、テレビアニメ化もされた「Aチャンネル」という作品がございますが、このタイトルには特に意味はないそうです。
それはさておき、地デジ放送の「水平偏波」「垂直偏波」とは、中継局(電波塔)から送信される地デジ電波の形式になります。
地デジ電波が空間で描く波(波動)の形が、地上と水平であるものが水平偏波。垂直であるものが垂直偏波です。わかりやすくご説明すると、長い縄の一端を持ち、左右に振って蛇行する形を作ったような、横の波で送られるのが水平偏波。逆に上下に振って、縦の波の形で送られるのが垂直偏波です。地面に対して水平な波だから水平偏波、垂直な波だから垂直偏波と呼ばれます。
そして全国各地に設置されている地デジの中継局には、地デジ電波を水平偏波で送信するものと、垂直偏波で送信するものがございます。中には水平偏波と垂直偏波の双方を発信する中継局もございますが、日本全国の中継局でいえば、90パーセント以上が水平偏波を送信しており、垂直偏波を送信する中継局は、全体の10パーセント以下となっています。
なぜ中継局によって電波の種類を変えるか、その理由は「混信」を避けるためです。
「混信」とは、周波数帯が近い二種類以上の電波が入り混じることで、混信が発生すると、地デジテレビ放送であれば画像の乱れや受信不良など、電波を利用する機器にさまざまな問題が生じてまいります。特に携帯電話やスマートフォン、無線LANなどの機器が一般化し、地デジ放送以外にもさまざまな形で電波が利用されている現代社会では、混信が起こりやすくなっているといえます。
ただ同じ周波数帯の電波でも、水平偏波と垂直偏波など波長が異なる電波であれば、混信は起こりにくくなります。そのため周辺に複数の中継局や、広範囲に電波を送信する施設があるなど、混信が起こる可能性のあるエリアでは、地デジ電波を一般的な水平偏波ではなく、垂直偏波によって送信することで、混信を避けているのです。

・「垂直偏波」と「水平偏波」で使用できる地デジテレビアンテナは異なる?
地デジ放送における「水平偏波」「垂直偏波」の違いと、双方が利用される理由は、おわかりいただけたでしょうか。
そして一般のご家庭にとって「水平偏波」「垂直偏波」について気になる点としては、やはり「自宅で受信できる地デジ電波は水平偏波と垂直偏波のどちらなのか?」「水平偏波と垂直偏波で使用できるテレビアンテナは異なるのか?」という点だと思われます。
お住まいのエリアで受信できる地デジ電波が水平偏波と垂直偏波のどちらであるか、日本全国で垂直偏波を送信する中継局の一覧などは、インターネット上の検索により確認することができます。また当あさひアンテナをはじめとするテレビアンテナ工事の専門業者は、各現場で受信できる地デジ放送局について、送信する電波が水平偏波と垂直偏波のどちらであるかを含め、熟知しております。そのためテレビアンテナ設置工事を専門業者にお任せいただければ、電波の種類に関しては特に問題はございません。
そして地デジのテレビアンテナについて、水平偏波、垂直偏波への対応は、波長の縦横が異なるため、アンテナ設置の方法、もしくは各偏波専用のアンテナで対応いたします。
まず魚の骨に似た形の素子がむき出しになった八木式アンテナでは、水平偏波の場合は、波長と同じく本体の魚の骨を横(地面から水平)に設置する形、垂直偏波では魚の骨を縦(地面から垂直)に設置する形と、設置角度を90度変えることで対応できます。
主に壁面へと設置する平面型のデザインアンテナも、性能的には同じ方法で対応可能ですが、その方法では外観性や設置位置など、デザインアンテナのメリットが失われることも多くなりますので、デザイン的には同じ形で「水平偏波用」「垂直偏波用」のアンテナがそれぞれ販売されております。
ユニコーンアンテナ」に関しては、最新鋭アンテナでまだモデル数が少ないこともあり、2022年現在は、どのモデルも水平偏波用になっており、垂直偏波に対応する機種は存在しません。今後の開発が待たれます。

・「新4K8K衛星放送」に使われる「左旋円偏波」とは?
コラムのテーマからはやや離れますが、ご参考までに、現在のBS/CS放送で使われる電波についてもご説明しておきます。
人工衛星から送信されるBS/CS放送のテレビ電波は、らせん状に回転する形で地上まで送られます。そして従来のBS、CS放送では、右回りに回転して送られる「右旋円偏波」が使用されていました。
しかし2018年よりスタートした、4K8K対応の「新4K8K衛星放送」では、右旋円偏波の電波では、使用できる周波数帯(チャンネル)が不足したため、新たに左回りで送信される「左旋円偏波」の、より高周波数帯が使用されることになりました。
新4K8K衛星放送のうち、BS放送の無料チャンネルである、NHKおよび広域民放の4Kチャンネル、計6チャンネルは、右旋円偏波を使用しているため、従来のBS/CS用テレビアンテナでも、4K8K対応のテレビおよびチューナーを設置することでご視聴いただけます。
ただそれ以外のBS、CS放送の、主に有料チャンネル、8Kチャンネルは、左旋円偏波の高周波数帯が使用されているため、ご視聴になるためにはBS/CSのテレビアンテナも、左旋円偏波に対応する機種を設置する必要がある他、ブースター分配器などの機器も、左旋円偏波の高周波数帯に対応できるものが必要となります。同軸ケーブルに関しても、設置時期が古く細いものに関しては、新4K8K衛星放送の電波に対応できないため、交換が必要となるケースもございます。
近年では家電店などで販売されているテレビも、画面が小型のものを除けばほとんどが4K、8Kテレビになっております。現在、BS/CS用テレビアンテナ設置をお考えの際には、現状でご自宅に4K8Kテレビが設置されていなくとも、将来的なことを考えて、4K8K対応のテレビアンテナ設置を行っておく方が、4K8Kテレビ導入後の再工事の手間や費用が必要なく、長い目で見ればお得といえます。

(まとめ)
地デジ放送の「水平偏波」「垂直偏波」をはじめ、電波の基礎知識。また「新4K8K衛星放送」の電波についてなど、現在のテレビ電波についてご理解いただけたでしょうか。

基本的に地デジの「水平偏波」「垂直偏波」に関しては、地デジのテレビアンテナ設置を、当あさひアンテナをはじめアンテナ工事の専門業者にお任せいただければ、的確な知識と電波調査による問題のないご対応が可能です。
「水平偏波」「垂直偏波」に限らず、地デジ、またはBS/CSのテレビアンテナに関するお問い合わせや、アンテナトラブルに際してのテレビアンテナ修理のご依頼などは、当あさひアンテナのフリーダイヤル(0120-540-527)。またはメールフォームLINEアカウントまで、お気軽にご相談いただければ、早急にご対応いたします。
特にテレビアンテナ修理に関しては、ご連絡から最短即日、夜間工事のご対応も可能となっております。天災や不慮の事故などによる突然のアンテナ故障に際しては、フリーダイヤルへのご一報で迅速に駆け付け、早急なアンテナ修理をお約束する、当あさひアンテナにご相談いただければ幸いです。

 

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アンテナ本体 型番

  • デザインアンテナ

    型番:UAH201(最新モデル)
    (同軸ケーブル:白か黒の2色のうち、おすすめは外壁になじむ色)

    工事費込み 20,000円(税込)

    カラーバリエーションはオフホワイトライトブラウンスーパーブラックブラックブラウンの4色から現場で選択することが可能です。同じUHF20素子相当のデザインアンテナを比較した場合、業界トップクラスの受信性能、高利得を誇る大手DXアンテナ社製。本体の厚みはわずか119mm、サイズは高さ590mm×幅220mmで業界最小クラス。コンパクトサイズのため狭い屋根裏や天井裏などへの取り付けも最適。壁面に取り付けの場合は、極細のビスを6箇所打ち込んで金具を取り付け、金具にガチャンと本体をはめ込みボルトを締めるだけの簡単施工が可能なため建物へのダメージを極力軽減できます。ブースターが必要な場合はUAH201の背面にスッキリ取り付けられる構造になっており、表にブースターが露出しないので外観もキレイに保てます(弊社では電波状況が悪くない限り、なるべくブースターも屋内の、分配器の近くに隠してしております)。修理の場合、ブースター内蔵タイプのデザインアンテナとは異なり、ブースターだけの交換をできるメリットがあります。太陽光発電システムや片流れ屋根で屋根上に屋根馬を立てられず昔ながらの八木アンテナを設置できない住宅にも最適。耐風速(破戒風速)50m/sですが、屋内や外壁など、強風の影響を受けにくい取り付け位置と形状をしているため、災害にも強いアンテナとなっております。当店人気ナンバー1の地デジアンテナでございます。

  • 八木アンテナ

    型番:UA20(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    その昔、八木秀次博士が発明した形状(魚の骨のような形状)からマイナーチェンジを繰り返し洗練されたフォルムとなり、中・弱電界エリアにも対応可能な安心のDXアンテナ社製。UHF20素子アンテナの性能で、吹きさらしで障害物の少ない屋根上に設置することが多いため利得が高くなっております。万が一、壁面や屋内でデザインアンテナを取り付けられない物件 にも最適。従来の鉄製の太いワイヤーとは異なり、ステンレス製の丈夫で錆びにくいワイヤー(支線)を採用。アンテナマストから屋根の四隅に向けて4本の支線を張り巡らせ、さらに張り巡らせた支線の途中からも屋根馬に向けて4本の支線をバランスよく張り、合計8本の支線で頑丈に設置しております。サイズは51.8cm×34cm×101.4cmとなっており、VHF(アナログアンテナ)と比較して、大幅なサイズダウンと軽量化がなされています。しかも耐風速(破壊風速)50m/s。地デジ放送が始まる前の時代より、屋根上に設置するアンテナは災害に強くなっていると言えるでしょう。当店で人気ナンバー2の地デジアンテナでございます。

  • 2K4K8K対応 BS/CS110度アンテナ

    型番:BC45AS(最新モデル)
    工事費込み 15,000円(税込)

    2018年12月1日以降、実用放送開始予定の4K8K衛星放送(NHKのみ4K&8Kを同時配信)に備えてオールマイティーなDXアンテナ社製のBC453をBS放送、CS放送をご覧になりたいすべての方へ提供しております(大規模な集合住宅は例外)。従来の2K専用BS/CS110 度アンテナと同じでサイズで円盤の直径は45センチ。そうでありながら、電送周波数の帯域が広いため、従来のフルハイビジョン(2K放送・約200万画素)からスーパーハイビジョン(4K放送・約800万画素/8K放送・約3,300万画素)まで受信可能です。「大は小を兼ねる」と言えます。2020年のオリンピックに向けて4K8Kの実用放送がますます拡充されるということが総務省より発表され、各メーカーの4K8Kテレビは増産がはじまり、その価格も落ち着いてきました。そのような状況のなか、あさひアンテナにも2K4K8K対応BS/CS110度アンテナの問合せが数多く寄せられております。最新式のアンテナでも、大量仕入れでコストをおさえて仕入れておりますので、低価格を実現できました。