【プロに聞く】ブースター内蔵の室内アンテナおすすめ5選:弱電界地域でも映る?失敗しない室内アンテナの選び方と設置のコツ
「賃貸住宅なので勝手にアンテナ工事ができない」
「寝室や書斎にもう一台テレビを置きたいけど、アンテナの配線が面倒」
このようなお悩みから、安全かつ手軽に利用できる室内アンテナをご検討の方も多いのではないでしょうか。
しかし一方で「室内アンテナは映りが悪い」「受信性能が弱く一部のエリアでしか映らない」という評判を聞いて、購入をためらう気持ちもあるのではないでしょうか。
特に地デジの電波塔からやや遠く、電波レベルが弱い地域では「買っても映らなくて無駄になるのでは?」という不安は尽きません。
その不安を解決するのが、今回ご紹介する「ブースター内蔵型の室内アンテナ」です。
この記事では、ブースター内蔵室内アンテナの概要や仕組みから、ご自身の環境に本当に必要かどうかの診断方法、そして国内大手メーカー製を中心とした最適な製品の選び方など、関連の情報までを徹底解説します。
記事内容については、年間6,000件以上の実績を誇る大手アンテナ工事専門業者「あさひアンテナ」の監修を受けており、プロの専門知識と経験による、正確かつ詳細な情報をお送りします。
アンテナや受信についての専門知識がなくても、この記事を最後までお読みいただければ、室内アンテナで「買ってから映らなかった」という失敗を確実に避けることができるでしょう。
お客様の環境にぴったりの室内アンテナを見つけて、お手軽で快適なテレビライフをスタートしてください。
【結論】ブースター内蔵室内アンテナおすすめ人気ランキングTOP5
まずは「結局、室内アンテナはどの製品を選べばいいの?」というお客様の疑問に、シンプルにお答えします。
以下、アンテナ専門家の視点から、性能、価格、デザイン、使いやすさを総合的に評価した、ブースター内蔵型室内アンテナのおすすめ製品をランキング形式のガイドでご紹介します。
このランキング順位は執筆者による基準ですが、本当にどの機種が優れているかは、お客様のご要望や受信環境によっても大きく変わってきます。
ご自身の重視するポイントに合わせて、最適な一台を見つけてください。
※上記は本体の特徴と売れ行きやユーザーレビュー内容なども参考にした、執筆者の独自基準によるランキングです。したがって下位の製品が上位製品に比べて劣るとは限りません。
1位:DXアンテナ US120A/US120AW|ローノイズ設計で安定受信
日本三大アンテナメーカーの一社であるDXアンテナのUS120A/US120AWは、一見、手桶か華道の花器のようにも見える、独特のスタイリッシュな形状をもった室内アンテナです。
「US120A」がブラック、US120AWがホワイトのモデルになります。
本モデルは、独自設計のローノイズブースターを内蔵している点が最大の特徴です。
ローノイズブースターとは、電子機器であるブースターが、室内で受信した微弱な電波を増幅する際に発生させるノイズを最小限に抑えることで、室内アンテナでもクリアな映像を実現する内蔵ブースターのことです。
アンテナ全体としてはコンパクトな円筒形で、上部が空洞になった未来的ともいえる形状です。そのためテレビの近くや窓際に置いてもインテリアのようで設置場所を選ばず、強電界地域から中電界地域まで幅広く対応できる安定感が魅力です。
※上記はUS120A/US120AWの基本スペックになります。
2位:マスプロ電工 UDF2A|スタイリッシュな高利得モデル
日本三大アンテナメーカーでもトップシェアを誇るマスプロ電工のUDF2Aは、横25センチ、縦17センチ弱の金属板のようなシンプルなデザインです。そのためリビングにあるテレビの横などに置いてもインテリアの邪魔をしません。
表面はブルーに横ラインが入ったメタリック感ある外観で、屋外用のデザインアンテナ(平面アンテナ)を日本で最初に開発した同社の面目躍如ともいえる洒落たデザインのモデルになります。
このモデルは背面のスタンドで自立する他、壁にかけて絵画の額縁のような形で使うこともできます。また設置角度を変えることで、水平偏波、垂直偏波の双方を受信できます。
性能面では、室内アンテナの基本になるダイポールアンテナを直接、増幅回路に接続するという同社独自の回路技術により、高い利得(電波を増幅する能力)を実現しています。
デザイン性と受信性能の両方で妥協なさりたくない方におすすめの製品です。
※上記はUDF2Aの基本スペックになります。
3位:日本アンテナ ARBL1|軽量コンパクトでPCにも最適
日本三大アンテナメーカーの中でも、ブースターなど周辺機器の品質に定評のある日本アンテナ製の室内アンテナ、ARBL1は、本体が395グラムと軽量で非常にコンパクトな点が魅力です。
高さ19.1センチ、横幅10.8センチ、奥行き6.6センチのサイズで、板状の本体部と据え置き用の土台部分が一体化されたスタイリッシュなデザインで、テレビ周りの限られたスペースにもすっきりと収まります。
カラーバリエーションはブラック(B)とホワイト(W)の2色で、艶消しの部分と光沢のある部分の2トーンや、本体ロゴのデザインも秀逸です。
パソコンに接続してテレビチューナーで視聴する際にも便利です。商品としてはシンプルなブリスターパックに入っているため、箱などの余計なゴミが出ないのも魅力です。
寝室用のセカンドテレビや、一人暮らしの部屋に最適な一台と言えるでしょう。
※上記はARBL1の基本スペックになります。
4位:ROBINER ペーパーアンテナ|薄型で窓に貼れる自由な設置性
ROBINERなどに代表されるペーパー型アンテナは、紙のように薄い形状が特徴です。
ペーパー型のアンテナとは、本体に当たる受信部が薄いプラスチックなどのシートや板でできており、電波塔の方向に当たる壁や窓に貼り付けることで、全体で電波をキャッチする仕組みのアンテナです。その名称は紙のように薄いという例えに由来しています。
地デジ電波は、電波を反射する金属や吸収するウレタン、コンクリートなどの素材を除けば、一定の減衰は生じるものの、屋根や壁面、窓を通り抜ける性質があるため、ペーパー型の室内アンテナは受信効率が高くなるのです。特に窓ガラスは、複層ガラスや金属入りガラスを除けば電波を通しやすいため、ペーパー型のアンテナを窓に貼り付けると受信感度が向上します。
ペーパーアンテナといっても実際にはさまざまな種類があり、本当に紙のように丸めることも可能なタイプから、ブースターなどを内蔵し実際は板のように厚みのある製品も存在します。
ただいずれの製品も厚さは1センチ以下で、窓や壁に直接貼り付けることで設置できます。
この取付した本体とテレビをケーブルで接続するのですが、付属の同軸ケーブルも5メートル程度と長い製品が多く、テレビから離れた最適な受信ポイントに設置しやすい点もメリットです。
省スペースでアンテナの存在感をなくし、部屋をスマートに見せたい方にぴったりです。
※上記はROBINER製ペーパーアンテナ・ブースター内蔵モデルの基本スペックになります。
5位:サン電子 IDA-7CBシリーズ|豊富なカラーで部屋に合わせやすい
日本三大メーカーに並ぶ規模を誇る国内大手アンテナメーカー、サン電子では、各種アンテナ製品において、他社にない独自の工夫を凝らすことで注目を集めています。
同社製のIDA-7CBシリーズは、通常モデルの室内アンテナ「IDA-7C」のブースター内蔵モデルで、外観はどちらもほとんど変わりません。サイズは高さ207ミリ、横幅149ミリ、奥行き90ミリで、スタイリッシュな板状の本体に据え置きの土台となる固定部がついた形状です。
本モデルは、カラーバリエーションが豊富な点がユニークです。
アイボリーホワイトやセミグロスブラックの基本色のほか、ライトブルー、ライトグリーン、ライトイエロー、ライトオレンジ、ライトピンク、ワインレッドの鮮やかな8色が揃っており、お部屋のインテリアに合わせて本体色を選べます。
性能面でもブースターを内蔵しており、強電界地域での安定した受信をサポートしてくれます。ACアダプターだけでなく、USB給電でもブースター電源を使えるという特徴もあります。
機能性だけでなく、見た目にもこだわりたいというニーズに応える室内アンテナ製品です。
※上記はIDA-7CBシリーズの基本スペックになります。
そもそもブースター内蔵室内アンテナとは?仕組みと効果をわかりやすく解説
上記のおすすめ製品を一通り確認されたところで、「そもそもブースターって何?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。
「ブースター(ブースタ)」とは、テレビアンテナが受信した電波を増幅する装置のことです。
通常の屋外アンテナの場合は、ケーブル配線部でアンテナのすぐ近くに設置され、アンテナから送られる電波レベルを電波的に増幅して出力する、いわば「電波の拡声器」のような役割を果たす機器です。
電波塔から遠く、もともと受信できるテレビ電波が弱いエリアや、屋内に複数台のテレビを設置する現場で、必要な電波レベルを確保するために設置されます。
ただブースターは、入力されたテレビ電波の周波数だけでなく、混入するノイズも等しく増幅してしまう装置であるため、その点には注意が必要です。
そして室内アンテナはコンパクトで扱いやすい分、受信性能は低く、基本的には電波塔の付近で到達する電波レベルが強いエリアでしか使用できません。さらに電波を遮る障害物などの周辺環境などにも影響されやすくなります。
その弱点をカバーするため、室内アンテナ本体に小型のブースターを組み込んで、受信した電波を増幅するシステムを備えた商品が「ブースター内蔵型」の室内アンテナです。
あくまで室内アンテナの受信レベルに対応するブースターのため、もともとの受信レベルの弱さを補足する程度の機能になります。それでも室内アンテナの弱点である受信性能の弱さをカバーして、テレビ画面の状態が安定しやすくなります。
仕組みはシンプルですが、その効果を正しく理解することが失敗しないアンテナ選びの第一歩となります。
なお、ブースターは電気的にテレビ電波を増幅する装置であるため、電源の設置が必須になります。
室内アンテナの場合、ブースター非内蔵モデルであれば、本体でキャッチした地デジ電波をテレビに送るだけなので、電源は必要ありません。
しかしブースター内蔵モデルでは、ブースターを作動させるため、アンテナ本体に電源を供給する必要があります。室内アンテナではACアダプターを接続するモデルが主流ですが、近年ではパソコンなどからUSB給電が可能なモデルもあります。
以下、室内アンテナにおけるブースター内蔵モデルの基本的な特徴です。
※上記はブースター内蔵型室内アンテナの主なメリット・デメリットになります。
メリット:アンテナ工事不要で、テレビの映りを手軽に改善できる
ブースター内蔵型を含む室内アンテナの最大のメリットは、その手軽さと経済性です。
以下、そのメリットを簡単にまとめました。
- 工事不要:室内の適切な場所にセットしてテレビと接続するだけで使用できるため、専門業者によるアンテナ設置工事が必要なく、購入してすぐに自分で設置できます。
- コスト削減:屋外アンテナの設置費用(数万円)に比べ、数千円からブースター内蔵モデルなどの高性能モデルでも1万円程度で導入できます。
- 信号補強:アンテナ本体の性能に最適のブースターが組み込まれているため、アンテナからテレビまでの距離が長い場合や、複数のテレビに電波を分ける(分配する)際の信号ロスを効果的に補えます。
- 美観維持:アンテナ本体が室内で使用されるため、お住まいなど建物の外観を損ねず、台風などの悪天候によるアンテナ損傷の心配もありません。
デメリット:電波が弱い地域では限界も。ノイズまで増幅する可能性
室内アンテナは手軽な一方で、アンテナとしては弱点も多く、決して万能ではない点も理解しておく必要があります。以下、ブースター内蔵室内アンテナの主なデメリットを示します。
- 弱電界地域での限界:電波塔から遠いエリアや山間部など、受信できる電波が元より弱い地域では、増幅する元となる映像信号が弱すぎるため、ブースター内蔵型でも効果を発揮できません。
- ノイズ増幅:ブースターは電波の「品質」を上げるのではなく、「強度」を上げる装置です。そのため、元々の電波にノイズが多く含まれている場合、そのノイズごと増幅してしまい、かえって画質が劣化することがあります。
- オーバーゲイン:逆に強電界地域など電波が強すぎる地域で使うと、信号が過剰に増幅されてテレビのチューナーが処理できなくなり、映像が乱れる「オーバーゲイン」という現象が起きることがあります。
購入前に必須!あなたの家にブースターは必要?3ステップ簡単診断
ブースター内蔵型の室内アンテナは「自分の家でも使えるの?」というお客様の疑問を解決するため、本項目では、簡単な3ステップでご自宅の環境を診断してみましょう。
この診断を行えば、室内アンテナを購入した後に「接続してもテレビの映りが悪い、映らない」と後悔されるリスクを大幅に減らすことができます。
STEP1:自宅の「電界地域」を調べる3つの方法
まず、ご自宅がどのくらいの電波強度を持つエリア(電界地域)にあるかを確認します。
電界地域とは、特定の電波塔を目安に、電波塔からの距離や山地などの影響を踏まえて、その周辺エリアに届く電波の強さ(おおよその目安)で、各エリアを分類したものです。
この電界地域は、主にアンテナメーカーや放送局などが受信の目安として独自に示すもので、統一された基準がないため、使われる場所によって基準や分類が違うこともあるためご注意ください。
ただ一般的には、受信できる電波の強さに応じて「強電界」「中電界」「弱電界」に分けられます。
一般的に使用されることが多い電界地域の目安と、室内アンテナが使えるかどうかの点については、以下の一覧の通りになります。
※上記は一般的な電界地域の目安になります。
確認方法
- A-PABのサイトで確認:一般社団法人「放送サービス高度化推進協会(A-PAB)」のサイト(地デジ放送エリアのめやす)でお住まいの住所や郵便番号、地域などを入力すると、地図上で自宅周辺の電波塔の位置や、その電波塔の受信エリア(中電界地域まで)の目安が確認できます。
- 近所のアンテナを観察:周囲の家の屋根の上に、大きな魚の骨のようなアンテナ(八木式アンテナ)が設置されている家が多い場合、地デジ電波レベルが弱い地域である可能性が高くなります。逆に小型(8素子や14素子)の八木式アンテナやデザインアンテナが多く見られる場合は、強から中電界地域の可能性が高まります。
- スマホ等のワンセグで確認:地デジ電波とワンセグの電波は同じ電波塔から発信されており、電波レベルもほぼ同じになります。したがって、家の中のどこでもスマートフォンのワンセグが安定して映る場合は、電波が強い「強電界地域」の可能性が高くなります。ただワンセグ放送は地デジ放送に比べて受信しやすいため、注意が必要です。
STEP2:建物の構造と設置したい部屋の環境をチェック
次に、地デジ電波の通り道となる建物の環境を確認します。
前述の通り地デジ電波は家の屋根や壁、窓などを通り抜けますが、その際にある程度の減衰が生じます。また一部の建材や断熱材は電波を反射、吸収して家の中に届けることを遮ってしまうため、建物の構造(素材)は受信感度に大きく影響します。
以下、建材やお住まいの条件別に、地デジが室内まで届きやすいかの目安をご紹介します。
- 建物の構造は?:
- 木造住宅:電波を通しやすい。
- 鉄筋コンクリート造マンション:電波を通しにくい(10 dB以上減衰することも)。
- 設置したい部屋に窓はありますか?:窓際は電波が通り抜けやすく、受信しやすいため有利です。
- 窓の向きは電波塔の方向ですか?:STEP1で調べた電波塔の方向に窓があると、電波が直接的に送られてくるため、より受信しやすくなります。
- 窓の近くに障害物はありませんか?:高いビルや山、樹木などが、電波塔の方向や窓のすぐ近くにあると、地デジ電波が遮られてしまうことがあります。
診断結果:あなたにおすすめのアンテナタイプはこれ!
STEP1とSTEP2の結果を組み合わせて、お客様に最適なTVアンテナのタイプを判断しましょう。
以下、おおよその目安を一覧でまとめました。
※上記はアンテナ機種を選ぶ際の主な目安になります。
失敗しないブースター内蔵室内アンテナの選び方4つのポイント
ご自宅がブースター内蔵の室内アンテナに適していると判断できたら、次はいよいよ具体的な製品選びです。以下の4つのポイントを押さえることで、最適な室内アンテナ製品を選び出すことができます。
ポイント1:受信性能(動作利得・素子数)を地域に合わせる
アンテナの受信性能は「動作利得(dB)」や「素子数相当」という数値で表されます。
- 動作利得(dB):数値が大きいほど、電波をキャッチする能力が高いことを示します。
- 素子数相当:屋外用の八木式アンテナに換算した場合の性能(受信パーツである素子の数)を示し、これも数値が大きいほど高性能です。ただ、室内アンテナの場合は受診性能の低さから素子数相当の表記がないモデルも多くなります。
また、テレビアンテナの場合「大は小を兼ねる」とは限りません。
強電界地域で利得が高すぎるアンテナを使うと、前述の通り「オーバーゲイン」を引き起こす可能性があります。中電界地域なら利得の高いモデル、強電界地域なら標準的なモデル、といったように地域に合った性能を選ぶことが重要です。
ただ室内アンテナに関しては元の受信性能が低いため、よほど電波塔に近いエリアでもない限り、オーバーゲインについてはさほど気にする必要はないでしょう。
ポイント2:形状(卓上型/ペーパー型)を設置場所とデザインで選ぶ
室内アンテナの形状は、最初のおすすめ機種でもご紹介した通り、主に「卓上型」と「ペーパー型」の2種類です。
それぞれの特徴を理解し、設置したい場所やインテリアに合わせて選びましょう。
以下、各モデルの違いを、簡単にまとめました。
※上記は室内アンテナのうち卓上型とペーパー型の主な違いになります。
ポイント3:ケーブルの長さをテレビとの距離に合わせて確認する
意外と見落としがちになるのが、アンテナに付属している同軸ケーブルの長さです。
室内アンテナの場合、ケーブルが本体と一体型になっていることや、専用のケーブルが付属していることが多くなっています。
そのため、もっとも受信感度の良い窓際にアンテナを設置したくても、付属のケーブルがテレビまで届かなければ意味がありません。
設置したい場所からTVまでの距離をあらかじめ測っておき、十分な長さのケーブルが付属しているかどうかを確認しましょう。
一般的なケーブルの長さとして、卓上型は1.5~3メートル、ペーパー型は3~5メートル程度の製品が多くなっています。
なお、室内アンテナでケーブルの長さが不足している場合、市販のケーブルを使用してつぎ足すことも不可能ではありません。ただテレビ電波は、ケーブルが長くなることや接続部を経由することで減衰しやすくなるため、室内アンテナではあまりおすすめできる方法ではありません。
ポイント4:UHF(地デジ)対応と偏波(水平/垂直)を確認する
現在、地上デジタル放送(地デジ)は「UHF(極超短波)」という帯域の電波で送信されています。
購入するアンテナが「UHF対応」であることを必ず確認してください。現在の地デジ用室内アンテナは、必然的にすべてUHFアンテナになります。
ただし中古品などのきわめて古い製品や、海外製の製品などでは、まれにUHFに対応していないモデル(アナログ放送時代のVHFアンテナなど)もあるためご注意ください。
また、地デジ放送の電波には「水平偏波」と「垂直偏波」の2種類があり、主に電波塔によってどちら一方が採用されています。
これは、電波の波長の角度が地面に対して水平であるか垂直であるかだけの違いです。日本国内の大半の電波塔では水平偏波が採用されていますが、携帯電話の基地局などがあるエリアでは、電波が入り混じって電波障害の原因となる「混信」を避けるため、混信が生じにくいよう角度を変えた垂直偏波が使われるのです。
そして屋外用の地デジアンテナの場合は、この水平偏波・垂直偏波に合わせて、アンテナの設置角度を変える、それぞれの偏波に応じた機種を使用するなどの対応が必要となります。
室内アンテナの場合は、多くのモデルは両方に対応していますが、前述したマスプロ電工のUDF2Aなど、製品によっては向きを変える(縦置き/横置き)ことで対応するものもあるため、あらかじめアンテナの仕様や本体の説明書を確認しておくとより安心です。
受信感度が劇的アップ!室内アンテナの正しい設置方法と調整のコツ
お住まいに最適な室内アンテナを選んでも、設置場所が悪ければ性能を十分に発揮できません。
購入後に「映らない…」と慌てないために、この項目では受信感度を最大限に引き出す室内アンテナ設置のコツをご紹介します。
基本は「電波塔の方向の窓際」で「できるだけ高い位置」に置く
ここまででも何度かご説明した通り、地デジ電波は屋外から屋内に入るときに壁や建材などで減衰するため、設置場所は非常に重要です。
- 最適な場所:
- できるだけ屋外に近い「窓際」。
- 床よりも「高い位置」(棚の上など)。
- A-PABなどで調べた「電波塔のある方角」。
- 避けるべき場所:
- 電子レンジやエアコン、ドライヤーなど、ノイズを発生させる家電の近く。
- 金属製の棚やラックの上(電波を反射・遮蔽するため)。
- 水槽の近く(水は電波を吸収するため)。
テレビの「アンテナレベル表示」機能でベストポジションを探す
アンテナの位置を決める際は、勘に頼るのではなく、テレビの機能を使うのがもっとも確実です。
多くのデジタル放送対応テレビやレコーダーなどの受信機器には、受信している地デジ電波の強度や品質を数値で確認できる「アンテナレベル表示」機能が搭載されています。
アンテナレベル画面の表示方法は、主にリモコンを使ってテレビの設定画面から行います。
正確な確認の手順はテレビのメーカーやモデルによって異なりますが、一般的には以下の手順でアンテナレベル画面を確認し、室内アンテナの位置を決めます。
- テレビの設定メニューから「アンテナレベル」や「受信設定」などの項目を探して表示させます。
- アンテナレベルの画面を見ながら、室内アンテナを少しずつ動かしたり、向きを変えたりします。
- アンテナレベルの数値がもっとも高くなり、安定する場所を探し出します。
- その場所が、あなたの家にとって室内アンテナのベストポジションです。
注意点としては、アンテナレベル画面は、室内アンテナを動かした後、その受信レベルを表示するまでに数秒程度の時間差が生じます。そのため、アンテナの位置や角度を動かした後、アンテナレベルの変化を数秒待つ、気長で地道な作業が必要となります。
また、テレビのアンテナレベル画面の表示方法がわからない場合は、テレビ本体の取扱説明書やメーカー公式サイトをご確認ください。
【Q&A】それでも映らない…そんな時の原因と対処法
室内アンテナを正しく設置したはずなのにテレビ画面が映らない、画面が乱れる場合、まずはあわてずに以下のポイントを確認してみてください。
テレビ画面が正常に映らない原因は、アンテナトラブルやテレビ電波障害などではなく、ごく簡単な見落としが原因であることも少なくありません。
Q1. ケーブルの接続やB-CASカードは正しいですか?
- ケーブルの確認:室内アンテナから出ているケーブルが、テレビの「UHF」または「地デジ」入力端子にしっかりと接続されていますか? 「BS/CS」端子と間違えていないか、また接続端子の緩みがないかをきちんと確認してください。
- 電源の確認:前述の通り、ブースター内蔵アンテナは動作に電源が必要です。ACアダプターやUSBケーブルがコンセントに正しく接続されているかを確認してください。
- B-CASカードの確認:B-CASカード(またはminiB-CASカード)は、デジタル放送の受信に必須のICカードです。このカードが挿入されていないか、接触不良などがあるとテレビ画面が映りません。B-CASカードがテレビ本体に正しい向きで奥まで挿入されていますか? 一度抜き差ししてみることや、カードのICチップ部分を柔らかい布で拭って汚れを落とすことも有効です。
Q2. チャンネルスキャン(再設定)は試しましたか?
設置した新しいテレビにアンテナを初めて接続したときや、引っ越しなどでテレビの設置場所を大きく変えた(受信する電波塔が変わった)ときには、テレビ側でチャンネルを再スキャンする必要があります。
テレビは最初に設置する際、受信しているテレビ電波を基にチャンネル設定を行う必要があります。
そして移設などでテレビ内のチャンネル設定と受信している電波の情報が変わったときは、テレビの一部またはすべてのチャンネルが映らなくなることがあります。
このような場合は、テレビのリモコンの設定メニューから「チャンネル設定」や「地域スキャン」などの項目を選び、お住まいの地域に合わせてチャンネルスキャンを実行してください。
スキャンには数分かかりますが、チャンネル設定の正常化で正しく映るようになることもあります。
Q3. どうしても改善しない場合は?
上記のすべてを試しても映りが改善しない場合は、以下の可能性が考えられます。
- 製品の初期不良:購入した販売店やメーカーのサポートセンターに問い合わせてみましょう。
- 電波環境の問題:そもそもご自宅の電波環境が室内アンテナでは受信が難しいレベルである可能性があります。この場合は、残念ながら屋外アンテナの設置を検討する必要があります。信頼できる専門業者に電波調査を依頼することをおすすめします。
【室内アンテナ用】地デジ受信の基礎知識
お住まいに適した室内アンテナ機種を選び、最大限に活用するため、この項目で地デジ受信の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
地デジ放送は、日本各地にある電波塔から「UHF(極超短波)」という種類の電波を周辺エリアに送ることで成り立っています。
このUHFの電波には数十センチ程度の波長の幅があり、以下のような性質があります。
- ビルなどの障害物をある程度回り込んで広がる性質があります。
- しかし乗り越える性質も完全ではなく、山や高層ビル、隣接する家屋などのすぐ近くでは電波が遮られることもあります。
- 電波塔からの距離が遠くなるほど、電波の強度は弱まっていきます。
- 気候の影響、大雨や雪などの悪天候によっても、電波の強度は変動することがあります。
これらの性質から、地デジアンテナ、特に室内アンテナで安定した受信を実現するためには以下のポイントが重要になります。
- アンテナの方向を合わせる:アンテナの受信側(真正面)を電波塔の方向に向けるのが基本です。
- アンテナの高さを確保する:アンテナを高い位置に設置するほど、周辺の障害物の影響を受けにくくなり受信が安定します。
- 受信性能を合わせる:ご自宅の電波環境(電界地域)に合った受信性能のアンテナ機種を選ぶことが大切です。
- テレビの台数:一基のアンテナから複数のテレビに分配する場合、電波が分けられて弱くなるため、より高い受信レベルが必要になります。そのためブースターなどで電波を増強する必要が出ます。
まとめ:簡単診断で最適なアンテナを選び、快適なテレビライフを
ブースター内蔵の室内アンテナは、アンテナコンセントのない部屋でも、工事不要で手軽にテレビ環境を整えられる非常に便利なアイテムです。
しかし、その性能はご自宅の環境に大きく左右され、使用できないケースも多いため、購入前の確認が何よりも重要です。
最後に、適切な室内アンテナ選びのために、本記事の重要なポイントを振り返ります。
- まずは3ステップ診断:自宅の「電界地域」と「建物環境」を確認し、室内アンテナが有効かどうかを見極めましょう。
- 4つのポイントで製品選び:「受信性能」「形状」「ケーブル長」「UHF対応」を基準に、最適なモデルを選びましょう。
- 設置のコツを実践:「窓際・高い位置」を基本に、テレビのアンテナレベル機能を使ってベストポジションを探しましょう。
本記事で紹介した知識を活用すれば「性能のいい室内アンテナを買ったのに映らない」という最悪の事態を避け、お客様のお住まいにぴったりの室内アンテナを見つけられるはずです。
正しい知識で賢く製品を選び、快適なテレビライフを実現してください。
お住まいで適切な室内アンテナの機種がわからない、または室内アンテナか屋外用のアンテナかでお迷いなどの際は、本記事にもご協力いただいた「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、公式サイトのメールフォーム、公式LINEアカウントまでご相談になることを、筆者からもおすすめいたします。




