4K8K対応テレビアンテナケーブルは交換が必要?簡単診断でわかる4K8K衛星放送用ケーブルの選び方と注意点
近年では衛星放送でも4K8K放送がスタートし、映画などの映像ソフトやインターネット配信も、4K8K映像に対応するものが多くなっています。
そのため家電量販店などで市販される通常のテレビ機器も、一定以上の画面サイズの商品は、すっかり4K8Kテレビが主流になり、その高画質と臨場感で人気を集めています。
しかし、そんな最新の4Kテレビを購入して設置された後、さっそく衛星放送で4Kチャンネルを視聴しようとして、画質が期待したほどではなかったり、または特定のチャンネルが映らなかったりするというご経験はありませんか。
もしかしたら、その原因は、アンテナからテレビまでを結ぶ「アンテナケーブル(同軸ケーブル)」にあるかもしれません。
と申し上げると、皆様の中には「今のアンテナケーブルのままでも映るんじゃないの?」「ケーブル1本でそんなに画質が変わるの?」といった疑問をお持ちになる方も多いでしょう。
この記事をお読みいただければ、ご自身の環境でアンテナケーブルの交換が必要かどうかが、すぐに分かります。さらにもし交換が必要な場合でも、無駄な出費をせずに最適な製品を選ぶ方法や、見落としがちな周辺機器の注意点まで、専門的な知識がなくても確かに理解できるように解説します。
本記事の執筆に際しては、専門のライターがアンテナ工事の専門業者「あさひアンテナ」に取材を行った上、記事内容についても同社の施工担当者に詳細な監修を受けています。そのためプロの知見による正確な知識や関連の最新情報を、一般の方にもわかりやすくご説明する記事内容になっています。
この記事を最後までご一読いただければ、ご自宅の4Kテレビが持つ本来の性能を最大限に引き出して、最高の映像体験を手に入れることができるはずです。
結論:一部の4K8K放送(BS/CS)を見るならケーブル交換が必須!その理由とは?
結論から申し上げると、お住まいですべての4K8K放送(チャンネル)をご視聴になりたい場合、アンテナ本体からテレビまでを結ぶアンテナケーブルの交換が必須になる可能性があります。
なぜなら、2018年(平成30年)より新しく始まった4K放送(新4K8K衛星放送)では、これまでとは異なる「周波数」の電波が使われているからです。
周波数とは、波長の幅による電波の種類です。そして電波(電磁波)とは、一定の波長(波)を描いて空間を光の速さで伝わる電気的なエネルギーのことです。
この電波の波長の幅は数キロから数ミリまで幅広く、波長が短いほど1秒間に描かれる波長の数が多くなり、電波に乗せられる情報量も増加します。
また波長の幅が広い(周波数帯が低い)電波は広がりやすく、障害物を乗り越えやすい性質があります。逆に波長の幅が狭い(周波数帯が高い)電波ほど、直進性が高くなり遠くまで届く一方、障害物に遮られやすくなります。
衛星放送では、人工衛星(静止衛星)から送られるテレビ電波として、波長の幅が25ミリ前後で非常に周波数帯が高い「12GHz(ぎがへるつ)帯」という電波が使われています。
12GHz帯は非常に直進性が強いため、宇宙空間の人工衛星から地上まで長距離を送られる衛星放送の電波に適しているのです。
そして日本における衛星放送のスタート時から、BS放送、CS放送とも、この12GHz帯の電波として「右旋円偏波(うせんえんへんぱ)」と呼ばれる、右回りの螺旋を描いて送信される電波を使っていました。
しかし新4K8K衛星放送のスタートで、多くの4K8Kチャンネルを追加する際に、これまでの右旋円偏波では、追加チャンネルに割り当てることができる未使用の周波数帯が不足したのです。
そこで、4K8K放送のチャンネルを増やすために、同じ12GHz帯で、新たに「左旋円偏波(させんえんへんぱ)」という左回りの螺旋を描く電波が追加されました。
螺旋の方向が異なる電波を使うことで、同じ静止衛星から送られる12GHz帯でも、電波が入り混じって乱れる「混信」が生じることなく、より多くのチャンネルを送信できるのです。
ただ電波の性質として12GHz帯は周波数帯が高すぎるため、パラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)で受信した後、そのままでは減衰量が多くなり、ケーブルで送信することができません。
そこでBS/CSアンテナに付随する「コンバーター(変換器)」という機材で、12GHz帯からMHz帯に変換された後、ケーブルへと送信されます。
このとき、従来の衛星放送である右旋放送(右旋円偏波)は1032MHzから2072MHzまでに変換されていました。しかし新しく追加された左旋放送(左旋円偏波)では、より周波数帯の高い2224MHzから3224MHzまでに変換されるのです。そして電波は周波数帯が高いほど、ケーブルなどで送信される際に減衰(弱まり)、漏洩しやすくなります。
したがって、左旋円偏波の送信を想定していなかった従来のアンテナケーブルの多くは、この新しい周波数の電波をうまく通すことができません。
古いケーブルに2224MHzから3224MHzの周波数帯を通すと、途中で大きく減衰してしまい、テレビに入力される頃には電波レベルが弱くなってしまいます。
その結果、電波障害が生じたのと同様にテレビの映像信号に乱れが出て、テレビ画面の映像にブロックノイズが出たり、最悪の場合はまったく映らないなどの症状が想定されるのです。
以下、衛星放送の右旋円偏波と左旋円偏波について、一覧でまとめました。
※上記は右旋・左旋の電波の主な違いになります。
つまり、多くの4K8K放送に使われる左旋円偏波(左旋放送)を受信するためには、アンテナ本体からテレビまで電波を送る経路(ケーブルやその間の機材)が、すべて2224MHzから3224MHzまでを問題なく送信できる品質である必要があります。
また衛星放送を受信するBS/CSアンテナも、右旋放送だけでなく、左旋放送も受信できる2K4K8K(右旋・左旋)対応のテレビアンテナモデルである必要があります。
なお、4K8K(左旋)放送が想定されていた2018年以降、新しく生産されるBS/CSアンテナは2K4K8K対応モデルへと切り替えられており、2K(右旋)のみ対応のアンテナモデルは製造終了になっています。
ただし左旋放送が想定されていなかった2018年以前に設置されたBS/CSアンテナは、2K(右旋放送)対応モデルである可能性が高くなり、4K8K(左旋放送)は受信できません。
したがってすべての4K8Kチャンネルを受信するためには、アンテナケーブルをはじめとした配線部が3224MHzまでの周波数帯に対応しているだけでなく、BS/CSアンテナ本体も2K4K8K対応モデルであることが必須なのです。
【まずはココから】我が家は交換が必要?不要?1分でわかる簡単セルフチェック
上記のご説明で、4K8K放送を視聴するにあたって「うちのアンテナケーブルは専用の商品に交換しなけれければならないのか?」とご不安に思われた方も、まずはご安心ください。
以下の簡単な質問に順を追って答えていくだけで、ご自宅における衛星放送の受信環境や機材の状況で、ケーブル交換が必要かどうかをすぐに判断できます。
ステップ1:見たい4Kチャンネルを確認する(右旋・左旋の違い)
まず、お客様がご視聴になりたい4K8Kチャンネルが、前述したどの電波(右旋・左旋)で放送されているかという点を確認してください。
というのも、衛星放送における4K8Kチャンネルのすべてが、左旋の電波で送信されるわけではありません。一部の4Kチャンネルは右旋で放送されているからです。
前述の通り、左旋の電波が導入された理由は、それまでの右旋の電波では、追加される4K8Kチャンネル数に対して、使用できる周波数帯が不足したためです。
そのため、4K8K放送がスタートした2018年当初は、基幹的なチャンネルである、BS放送のNHK、広域民放の4Kチャンネルを右旋の空き周波数帯に当てはめ、それ以外のBS、CSの4K8Kチャンネルは左旋で送信するという対処がとられました。
したがって4Kチャンネルであっても、右旋放送に当たるチャンネルであれば、従来のBS/CSアンテナやケーブル、配線部でも問題なく視聴できます。
そしてその後、4K対応設備や番組制作にかかるコストや、4K8K受信世帯の伸び悩みなどから、民間放送局の多くが4K放送から撤退。2024年から2025年(令和6年から7年)にかけて、多くの4Kチャンネルが放送終了し、右旋放送と左旋放送のチャンネル再編も行われました。
つまりケーブルの交換が必要になるのは、主に「左旋」で放送されている4K8Kチャンネルをご覧になりたい場合です。
そして2026年現在の4K8Kチャンネルを、右旋・左旋で分けた一覧は、以下の通りです。
以下の表で、ご覧になりたいチャンネルがどちらに含まれるかチェックしてみてください。
※上記は2026年3月時点で放送されているBS、CSの4K8Kチャンネルを右旋・左旋の放送に分けたものです。
4K8K放送のスタート当初は上記の他にも、「WOWOW 4K」「ザ・シネマ 4K」「J SPORTS1〜4 4K」「日本映画+時代劇 4K」「スターチャンネル 4K」「スカチャン1・2 4K」などの4Kチャンネルが左旋で放送されていました。
また「ショップチャンネル 4K」「4K QVC」は左旋で放送されていました。
しかし前述した放送終了や周波数帯再編により、残った4Kチャンネルがすべて右旋放送にまとめられ、左旋放送は「NHK BS8K」だけになっています。
もし、お客様がご覧になりたいチャンネルが上の表の「右旋」だけであれば、ケーブル交換の必要性は低いと考えられます。
しかし、「左旋」のチャンネルもお楽しみになりたい場合は、ガイドから次のステップに進んでケーブルの品質が対応しているかをご確認になる必要があります。
ステップ2:現在のケーブルの印字で「4K対応か」を見分ける
ご自宅で使っているアンテナケーブルが4K(左旋放送)に対応しているかは、アンテナを設置された当時の記録や記憶、ケーブルの取扱説明書などがなくとも、ケーブル本体に印刷されている記号を見ることで簡単に見分けられます。
テレビの裏側などにあるケーブルの側面を見て、どのような記号が書かれているか確認してみましょう。
詳しく確認すべきは「S-4C-FB」などの型番にある各記号です。
この記号(個々のアルファベットや数値)には、ケーブルの性能に関する情報が詰まっています。
以下、ケーブル側面の記号の意味を最初から解説していきます。
※上記はケーブル記号の基本的な解説になります。
4K放送を安定して視聴するためには、ケーブルに「S-4C-FB」以上の規格が推奨されます。
また、より分かりやすい目印として、以下のマークや表記があるかどうかも確認してください。
- 「HSマーク(ハイシールドマーク)」
- 「4K8K対応」
- 「3224MHz対応」
これらの表記があれば、そのケーブルは4K8K(左旋放送)に対応しています。
もしこれらの表記がなく、型番が「S-〇C-FB」でなかったり、古い「〇C-FV」などだったりした場合は、交換が必要です。
2K(右旋)衛星放送用のアンテナケーブルで4K8K放送(左旋)はまったく送信できないのか?
上記のように、BS/CSアンテナが受信した左旋放送(2224MHzから3224MHzの周波数帯)の電波を送信するためには、その周波数帯に対応できる品質(4K8K/3224MHz対応)のケーブルが必要です。
周波数帯に対応できるケーブルのシールド性能(電波の漏洩やノイズの混入を防止する性能)がないと、途中での減衰やノイズの混入が激しくなり、電波を十分に送信できないためです。
しかし実際には、2K衛星放送(右旋)のみ対応のケーブルでも、左旋の4K8Kチャンネルを問題なく視聴できるケースもあります。
というのも、4K8K放送に非対応のケーブルでも、実際にはシールド性能にある程度の余裕が持たされていることが多いからです。
つまり冒頭に「S」のついた2K衛星放送対応のケーブルでも、2027MHz以上の周波数帯がまったく送信できないわけではありません。2K衛星放送の周波数帯で十分なシールド性能を確保するため、実際にはそれ以上の周波数帯にもある程度は対応できる仕様を持つ製品も存在します。
また右旋放送の4K8Kチャンネルも、すべてのチャンネルが3224MHzまで使われるわけではなく、送信の安定を確保するため、できるだけ低めの周波数帯が選ばれる傾向があります。
総合すると、記号の冒頭に「S」がない、地デジのみ対応のケーブルでは流石に難しくなりますが、2K衛星放送(右旋放送)に対応できるケーブルであれば、右旋放送のチャンネルもある程度は問題なく送信できる可能性があるのです。
お住まいのケーブルがどの程度の周波数帯まで対応できるか、正確に調べるには専門家の確認が必要となります。ただ左旋の4K8Kチャンネルが問題なく映り、ご自宅で電波障害などのトラブルも生じないようであれば、実用には問題がないと考えていいでしょう。
4K対応アンテナケーブルの失敗しない選び方|3つのポイント
ご家庭でセルフチェックの結果、アンテナケーブルの交換が必要だと判明した方のために、ここからは失敗しないケーブルの選び方のポイントを3つに絞って解説します。
アンテナケーブルにはさまざまな種類があって選択に迷ってしまうこともありますが、以下の3点を押さえれば、お客様の環境に最適な一本がきっと見つかります。
Point 1:性能と太さの基本規格「S-4C-FB」以上を選ぶ
まずもっとも重要なのが、ケーブルの基本性能を示す規格です。
先ほども触れましたが、4K放送を安定して視聴するためには「S-4C-FB」以上の規格を選びましょう。
この規格は、外部からのノイズや電波の漏洩を防ぐ「シールド性能」が高く、左旋4K8K放送の高周波信号をしっかり守ってくれます。
さらに、ケーブルの「太さ」も重要なポイントです。
ケーブルは太いほど信号の損失(減衰)が少なくなり、長距離の配線でも安定して映像を届けることができます。
以下、太さ別のケーブルの性質とその用途、4K8Kへの適合などを一覧でまとめました。
※上記はそれぞれの太さのケーブルの一般的な用途になります。またケーブルの品質(シールド性能)は絶縁体や外部導体の品質にも大きく左右されます。
基本的には、室内の一般的なケーブル配線であれば「S-4C-FB」で十分です。
もし、アンテナからテレビまでの距離が10m以上ある場合や、電波を複数の部屋に分ける「分配器」を使っている場合は、より信号の損失が少ない「S-5C-FB」を選ぶと安心です。
Point 2:長さ・端子の形・付加機能(金メッキ等)で最適な一本を
ケーブルの基本性能が決まったら、次は使い勝手に関する部分を選んでいきましょう。
以下の3つの要素を考慮すると、より快適に設置できます。
- ケーブルの長さ
- 必要な長さを正確に測り、少し余裕を持たせた(30cm~50cm程度)長さを選びましょう。
- ケーブルが長すぎると信号が弱まる原因になり、余ったケーブルも邪魔になります。
- 逆にケーブルが短すぎると適切に接続できないため、正確な計測が重要です。
- 端子(プラグ)の形状
- テレビや壁の端子周りのスペースに合わせて、最適な形状を選びましょう。
- 端子の形状によって接続のしやすさや安定性が変わります。
以下、接続端子(プラグ)の主な種類とその特徴の一覧です。
- 付加機能(金メッキなど)
- プラグ部分に金メッキが施されたケーブルは、サビに強く、接触不良による信号劣化を防ぐ効果があります。
- 長期的に安定した高画質を維持したい、画質にこだわりたいという方におすすめです。
【落とし穴】ケーブル交換だけでは不十分!4K視聴の周辺機器総チェック
前項目のチェックポイントを基にして「よし、これで完璧なケーブルを選ぶことができた!」とご安心になるのは、まだ少し早いかもしれません。
というのも、一般住宅などでテレビアンテナから各部屋のテレビまでを結び、電波を送る配線部には、ケーブルだけでなくさまざまなシステム機器が使用されているからです。
そして左旋の4K8K放送を視聴するためには、配線部のアンテナケーブルだけでなく、これらケーブルの途中にある「すべての機器」が左旋4K8K(3224MHz)に対応している必要があります。
BSアンテナが4K8Kに対応していないことをはじめ、配線部の機器にひとつでも3224MHzに対応できない古い機器が混ざっていると、そこがボトルネックとなり、せっかくの4K8K映像が映らない原因になります。
以下のチェックリストを基に、ご自宅の配線部の設備を総点検してみてください。
※上記はケーブル配線部に使用される主な周辺機器、機材の一覧です。
BS/CSアンテナ本体やブースター、分配器などシステム機器で4K8K放送に対応できる製品には「4K8K」「3224MHz対応」などの他「SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)」が表示されています。
「SHマーク」とは、一般社団法人「電子情報技術産業協会(JEITA)」で審査されて、スーパーハイビジョン衛星放送の受信に適した一定以上の性能を持つ衛星放送用アンテナや受信システム機器に付与されるシンボルマークです。
対象機器は、BS/CSアンテナやブースター、分配器、壁面アンテナ端子、混合器、分波器、直列ユニットなどになります。
なお、前述したアンテナケーブルの「HSマーク」も、同じくJEITAの審査で、衛星放送の中間周波数帯域にて、一定以上のシールド性能を有する機器に付与されているシンボルマークです。
ケーブルの場合はシールド性能だけが問題になるため「HSマーク」が付与されます。
また、「SHマーク」の審査基準には「HSマーク」と同等のシールド性能も含まれるため、「SHマーク」が付与されている製品に、別途に「HSマーク」が追加されることはありません。
もし、ケーブルだけでなくこれらの周辺機器が4K8K(左旋)に対応していない場合は、ケーブルと合わせて交換が必要となります。
特にマンションなどの集合住宅では、共用のアンテナ設備が対応していないケースもありますので、まずは管理会社へとご確認になることをおすすめします。
4Kアンテナケーブルに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、アンテナケーブルに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q1. 地デジ放送を見る場合も4K8K対応ケーブルは必要ですか?
A1. いいえ、必要ありません。
現在の地上デジタル放送では、4K放送は行われていません。
また地デジ放送に使われている電波も、2Kや4K8K(右旋・左旋)の衛星放送よりは周波数帯が低い、UHF(極超短波)のうち、470MHzから710MHzまでの周波数帯になります。
そのため、地デジ放送のご視聴だけであれば、従来のアンテナケーブルのままでもまったく問題はありません。
Q2. HDMIケーブルも4K8K対応品にすべきですか?
A2. はい、その通りです。
4Kブルーレイレコーダーやゲーム機などから4K8K映像をテレビに送るためには、4K8K信号の伝送に対応したHDMIケーブル(バージョン2.0以上)が必要です。
アンテナケーブルだけでなく、HDMIケーブルも見直しましょう。
Q3. アンテナ工事なしで4K8K放送を見る方法はありますか?
A3. はい、あります。
光回線を利用した「フレッツ・テレビ」や「ひかりTV」、または4K8Kに対応しているケーブルテレビ(CATV)などの映像配信サービスを契約する方法です。
この視聴方法なら、BS/CSアンテナや同軸ケーブルは不要で、天候にも左右されず安定した4K8K放送を楽しむことができます。
ただし、これらのサービスを視聴するためには、別途にサービス利用料や月額視聴料金が必要です。
また、民放キー局系のBS放送局は今後の4K放送について、総務省の4K放送認定が2027年(令和9年)1月に期限切れを迎えた後、再認定を申請しない方針を固めています。
しかしその代替策として民間放送局各社は、共同のインターネット動画配信サービス「TVer(ティーバー)」か、新たなサービスを立ち上げる形で4K番組のネット配信を検討しています。
このサービスが実現すれば、将来的にテレビ放送ではなくインターネット経由で4K放送を視聴できるようになる可能性もあります。
【参考情報】衛星放送の基礎知識
4K8K衛星放送を的確に受信するための知識として、ここでは衛星放送(BS放送、CS放送)の基本的な仕組みについても少し触れておきます。
衛星放送であるBS放送、CS放送は、宇宙空間で赤道軌道上を周回し、地上からは空の一点(東経110度上空)に静止して見える静止衛星から、前述した直進性の高い12GHz帯で送信されています。
空の一点に静止している静止衛星から、日本全域にライトを当てるような形で12GHz帯を照射しているというのが、衛星放送の送信イメージになります。
ちなみにBS放送とは「放送衛星(Broadcast Satellite)」による衛星放送で、アンテナを設置するだけで視聴できるNHK、広域民放などの無料チャンネルと、有料チャンネルがある基本的な衛星放送です。
CS放送は「通信衛星(Communication Satellite)」による衛星放送で、放送事業者との契約により、多数の専門チャンネルからお好みのチャンネルを選んで視聴できる有料放送サービス(スカパー!)として知られています。
この静止衛星からの12GHz帯を、地上に設置されたお皿のような形のパラボラアンテナ(BS/CSアンテナ)で受信しています。BS放送と主なCS放送(110度CS放送「スカパー!」)は、同じ東経110度の上空に位置する放送衛星・通信衛星から12GHz帯を送信しているため、一基のパラボラアンテナでどちらも受信できます。つまりBSアンテナの設置は、同時にスカパーのアンテナ工事を行うことにもなります。
そしてBS/CSアンテナでは、光のように直進性の強い12GHz帯を、パラボラアンテナの皿の部分(ディッシュ・放物面反射器)で受け止めて反射させ、正面の一点に集める形で受信します。
この電波が集まる一点に固定された一次放射器で電波を集め、コンバーターでMHz帯に変換した後、ケーブルを通してテレビまで電波を送る仕組みになっています。
以下、BS/CSアンテナで12GHz帯(衛星放送)を受信する際の詳しいポイントについて解説します。
- 電波(12GHz帯)の通り道と受信の注意点
- BS、CSの静止衛星は赤道上空、東経110度の位置にあり、そこから日本全国へ向けて12GHz帯の電波を発信しています。
- そのためBS/CSアンテナのディッシュは、仰角と方位角を東経110度の方向へと調整し、正確に向ける必要があり、この角度がミリ単位でズレても受信不良につながります。
- また静止衛星から届く12GHz帯の電波は障害物に遮られやすいため、BS/CSアンテナと静止衛星を結ぶ電波の経路に、山や建物をはじめ、樹木や電柱、電線、洗濯物などわずかな障害物があってもいけません。
- また12GHz帯をMHz帯に変換するコンバーターを作動させるため、テレビなど受信機器の「BS電源設定」やコンバーター電源部から、アンテナケーブルを通じてBS/CSアンテナ側に電源を供給する必要があります。この電源設定が行われていないと衛星放送を受信できません。
- 12GHz帯の波長は25ミリしかないため、大粒の激しい雨や雪が降り注いだ場合は、雨や雪が細かな障害物となって電波を吸収し、乱反射させて、一時的に衛星放送の受信不良が生じます。これを降雨減衰・降雪減衰と言い、基本的な対策は天候の回復を待つことになります。
- 右旋と左旋の違い
- 前述の通り、従来の2K放送は「右旋円偏波」、新しい4K/8K放送は主に「左旋円偏波」という異なる性質の電波を使います。
- BS/CSアンテナのコンバーターでこの右旋と左旋の周波数帯を変換する際、左旋の電波は従来の右旋の電波よりも高い周波数帯に変換されます、
- そのためすべての4K/8Kチャンネルを視聴するためには、この両方の電波を受信できる4K8K対応のBS/CSアンテナと、その信号を間違いなく伝送できるケーブルおよび周辺機器が必要になるのです。
ただし上記の通り、現状では左旋で放送されている4K8Kチャンネルが少なくなっているため、ご自身でご覧になりたい番組が右旋放送のみであれば、急いでアンテナ本体や設備を交換する必要はありません。
しかし将来的に見たいチャンネルが増える可能性を考えて、これからBS/CSアンテナ工事でアンテナ本体や周辺機器を新設・交換する際には、4K8K対応品を選んでおくと安心です。
まとめ:最適なケーブルを選んで最高の4K画質をストレスなく楽しもう
今回は、4K・8Kテレビの性能を最大限に引き出すためのアンテナケーブル(同軸ケーブル)の選び方について解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- まずはセルフチェックから
- 見たい4Kチャンネルが「右旋」か「左旋」かを確認し、本当に交換が必要か判断しましょう。
- 2026年現在では多くの場合、今すぐのケーブル交換は不要かもしれません。
- 交換が必要なら、3つのポイントで選ぶ
- 基本は「S-4C-FB」以上の規格を選びましょう。
- 配線距離や分配器の有無に応じて、より太い「S-5C-FB」も検討しましょう。
- 設置場所に合わせた「長さ」と「端子の形状」を選ぶことで、配線がスッキリします。
- 周辺機器の見落としに注意
- アンテナからテレビまでのすべての部品(分配器、ブースター、壁端子など)が4K対応であるかを確認しましょう。
- ひとつでも非対応の部品があると、高画質な映像は楽しめません。
正しい知識を持って右旋・左旋の双方に対応できる適切なアンテナ本体やアンテナケーブル、周辺機器を選ぶことにより、美麗な4K8K放送をノイズのないクリアな映像でストレスなく楽しむことができます。
せっかくの4Kテレビです。その場しのぎの対策ではなく、アンテナをはじめとする受信環境すべてを整えることで、将来性にも備えた最高の視聴体験を手に入れてください。
もし4K8K放送をご視聴になるため、アンテナ本体やケーブル配線部の交換が必要になる、その他あらゆるアンテナ工事のご相談については、本記事にもご協力いただいた「あさひアンテナ」のフリーダイヤル、公式ホームページのメールフォーム、公式LINEアカウントまでお気軽にお問い合わせください。
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