奈良県磯城郡田原本町でテレビアンテナ工事をお考えの方へ

田原本町 てどんなところ？？

奈良県磯城郡田原本町は、県の北西部で、奈良盆地の中央に位置する町です。東西にやや長い町域の東部には大和川、中央部に寺川、西部には飛鳥川、曽我川がそれぞれ北流しています。また地形は周囲を三輪山や二上山などに囲まれた典型的な盆地、平坦地となっています。
田原本町の気候は、夏場が暑く冬場は冷え込む、奈良盆地特有の典型的な盆地型気候に含まれます。町内の年間降水量は1,500ミリほどで、周辺の山地に比べて降雨が少ない点が特徴になっています。
田原本町の歴史を遡ると、古代、ヤマト政権の時代を含む奈良時代から平安時代頃には、大和国の郡鏡作郷、室原郷、黒田郷、賀美郷、十市郡飯富郷の地であったことが、平安時代の法典である「延喜式」などの資料に記録されています。また町内には「延喜式」の巻九、十にあたる、当時の「官社」に指定されていた全国の神社一覧「延喜式神名帳」に含まれる延喜式神社として、八尾の鏡作神社や多神社などが鎮座しています。
町内にはさらに古い時代の史跡として、弥生時代の代表的遺跡である唐古・鍵遺跡も存在しており、太古の昔から文明が広まっていた土地であることが窺い知れます。戦国時代をへて安土桃山時代には、1595年（文禄4年）に、羽柴（豊臣）秀吉に仕えた賤ヶ岳の七本槍のひとり、平野長泰が田原本町の近隣七ヶ村を領地にしています。のちに平野氏は徳川家に仕えて江戸幕府の交代寄合旗本となり、幕末期まで同じ領地を領収し続け、後に明治維新期のわずかな期間ながら、新政府によって加増され田原本藩となっています。
明治維新以降、今日の田原本町にいたるまでの沿革としては、1889年（明治22年）の町村制の施行に伴い、江戸時代に田原本村と呼ばれていた区域が、十市郡田原本町として発足しました。その後、1897年（明治30年）には、十市郡から磯城郡に所属郡を変更。1956年（昭和31年）に、磯崎軍の多村、川東村、平野村、都村と合併し、あらためて田原本町として発足しました。
その後、1957年（昭和32年）には、町域より大字飯高、大垣、豊田、西新堂、新口が橿原市に編入。1958年（昭和33年）には町域から大字檜垣、遠田、海知、武蔵が天理市に編入されています。
なお磯城郡田原本町は、その名称通り地方自治体では「町」にあたります。地方自治法における普通地方公共団体（地方自治体）の「市」「町」「村」とは、まず市は基本的に人口が5万人以上であり、中心的な市街地に全戸数の6割以上が集中している。また商工業その他の都市的な業態に従事する者、それと同一世帯に属する者の数が、自治体の全人口のうち6割以上を占める。その他、各都道府県の条例で定める施設など都市的要件を備えるという条件を満たす自治体になります。
町は都道府県ごとに条件が異なりますが、奈良県ではまず8,000人以上の人口を有し、一定の建築物の連なりである連坦戸数や連坦率、一定の官公署の存在、産業別就業人口割合など、各都道府県の条例で定められる「町」の要件を満たす自治体になります。村には特に法的な要件は定められておらず、市や町の要件を満たさない自治体が村となります。
また田原本町が属する磯城郡の「郡」ですが、これは明治以降の制度では複数の町村を編成した行政区画のことで、市や町と同じく郡役所や郡長の役職などが置かれていました。この制度は第二次世界大戦後の地方自治法によって改正され、現在では広域連合や住所表記、選挙区の区画割りなどでしか使われなくなっています。さらに市や区は郡に属さないため、市制施行や合併で村や町が市になると、属していた郡から外れます。2022年現在、奈良県で磯城郡に属するのは、田原本町と川西町、三宅町の３町になっています。
前述のように田原本町の歴史は太古にまで遡ることができ、大和（現在の奈良県）の中ではもっとも早くから文明が開けていた土地といわれています。そのため弥生時代の大遺跡、唐古・鍵遺跡の他にも数多くの文化遺産が見られます。古代より条里制によって水田が整備され、中世（鎌倉、室町時代）頃には、東大寺や興福寺などの荘園も存在していました。
また河川なども含む水陸交通の要衝の地でもあったことから、中世頃には町の中央、田原本地区が楽田寺の門前町として栄え、近世（江戸時代）には教行寺の寺内町として発展しました。その後、大名とほぼ同等の位であった交代寄合（参勤交代を行う格式をもつ旗本）であった、前述の平野氏の陣屋町としても発展し、「大和の大坂」といわれるほどに商業が隆盛しています。
明治以降、町村制施行によって田原本町が発足した後は、1918年（大正7年）に大和鉄道（現在の近畿日本鉄道（近鉄）田原本線）が、1923年（大正12年）には大軌電車（現在の近鉄橿原線)が開通しました。町内の田原本駅前には、映画館や飲食店が多い商店街が作られ、近隣町村を含む広範囲な商圏も形成されました。昭和40年代以降から現在までは、京阪神のベットタウンとして宅地開発が進み、町の人口も増加傾向にあります。
田原本町の町名の由来は「た（接頭語）」＋「はら（原）」＋「もと（手前）」で「原の手前」か、または「たわ（たわんだ地形）」＋「ら（接尾語）」＋「もと（側）」で「低くなった所の側」という説。他にも「俵本」とも書いた。古代、多米連（ためのむらじ）の居住地であっため「ためらもと」と称した。低地を表す「タワ」と場所を意味する「モト」が合わさった地名とする説などもあります。
現在の田原本町の名産品、特産品には、台杉、キク（菊）、バラ（薔薇）、シクラメン、鉢花類などがあります。他にも弥生時代から豊かな農地を持ち、約2,000年前から米づくりが行われていたため、ナス（茄子）、ホウレンソウ（法蓮草）、イチゴ（苺）、モモ（桃）、そして戦前から奈良で栽培されている品目「大和の伝統野菜」にも認定された、味間いも（芋）などが特産品です。
味間いもは、丸い形状を特徴とするサトイモ（里芋）の一種で、煮っ転がしや田楽、蒸し芋、味噌汁など、幅広い料理に使うことができます。昭和30年代には、松下電器産業（現在のパナソニック）創業者、社長であり、「経営の神様」といわれた松下幸之助さんが、味間出身の重役からお歳暮に贈られた味間いもを食べて「これはうまい。これを食べると他の芋は食べられない」と絶賛。それ以来、この重役は毎年、松下さんにお歳暮として味間いもを届けたという逸話も残っています。
田原本町の名所、旧跡には、日本最古の歴史書のひとつである「日本書紀」にも記録が残る、「大和の古道」のひとつ、中ツ道がハイキングコースとして栄えています。この中ツ道は一説によると、653年(白雉4年)、孝徳天皇の命によって整備された道ともと言われる、橿原市の天香具山北麓から奈良市の北之庄町にいたる直線道で、現在の奈良県道51号天理環状線とほぼ合致し平行しています。平安時代には吉野詣の客で賑わった他、「御堂関白記」には藤原道長もこの道を通って吉野へ向かったと記録があります。
町内には他にも、奈良時代の天才的な政治家といわれるも、その人物像は後世、創作されたものとする説もある聖徳太子が往来したとの伝説が残る、法隆寺街道があります。この道は法隆寺と飛鳥宮をまっすぐつないでおり、7世紀頃には「筋違道」という名で整備されましたが、弥生、古墳時代の遺跡が多く発掘されており、整備以前から道であったことが判明しているため、正確な成立年代は不明です。
町内の旧跡として有名なのが、国の史跡にも指定されている前述の唐古・鍵遺跡です。これは環濠集落の遺跡であり、出土品は国の重要文化財にも指定されています。2018年（平成30年）には周辺が唐古・鍵遺跡史跡公園として整備され、同時期に「道の駅レスティ唐古・鍵」も開業しています。史跡公園のシンボルになっている復元楼閣は、うずまき型の屋根飾りがついた特徴的な建物であり、発掘された絵画土器に描かれた絵を元に復元建築されたものです。
他にも町内には、奈良県指定史跡の黒田大塚古墳があります。古墳時代の6世紀初頭頃に築造されたと見られており、奈良盆地では数少ない後期大型前方後円墳として注目されています。
田原本町の寺社仏閣には、古代の歴史書「古事記」「日本書紀」に記録が残る多坐弥志理都比古神社、鏡作坐天照御魂神社、村屋坐弥冨都比売神社。正倉院文書である「大倭国正税帳」に記録が残る池坐朝霧黄幡比売神社。毎年７月に祇園祭が開催される津島神社。紀元前291年に第7代天皇の孝霊天皇が、田原本町の黒田周辺に遷都したという伝承に基づく孝霊神社（庵戸神社）。平安時代初期の僧侶で、真言宗の開祖として知られる空海が唐から戻った後、梵字「阿」の形の池を境内に作ったという言い伝えが残る秦楽寺。前述した安土桃山時代から江戸時代の町域の領主、平野氏の2代目である平野長勝が、江戸時代初期に建立した寺院で、本堂が奈良県指定有形文化財に指定されている浄照寺などがあります。
田原本町の観光スポットには他にも、唐古・鍵遺跡の復元楼閣や大和平野の山並みを一望できる、しきのみち・はせがわ展望公園。唐古・鍵遺跡をはじめ町内の各遺跡から出土した土器、石器など約950点が収蔵されている唐古・鍵考古学ミュージアム。イチゴ狩り体験ができる取田農園。四季折々の草花樹木を楽しめる、やすらぎ公園などがあります。
田原本町の祭事、イベントなどには、秋祭り。夏越し大祓い。祇園まつり。綱かけ。華鎮祭。おおれんぞ。初戎。御田植祭。蛇巻きなどがあります。
また田原本町は童話「桃太郎」の生誕の地ともいわれています。古代の話であり史実かどうかは不明ですが、前述した第七代天皇、孝霊天皇が、現在の田原本町、黒田周辺に都を造営した際に、妃である阿礼比売命との間に、倭迹迹日百襲姫命と彦五十狭芹彦命（後の大吉備津彦命）が生まれ、妃の妹との間に若建吉備津彦命が生まれたという伝説があります。この大吉備津彦命と若建吉備津彦命が、いわゆる「桃太郎」であったといわれています。
田原本町で栽培されているモモ（桃）は「古代桃」と呼ばれる品種で、まさに童話の「桃太郎」に登場するような、先が少し尖った形をしたものです。また町では、「桃太郎」を通して町を盛り上げる団体「田原本桃太郎会」を立ち上げ、そのキャラクターである「ももたん」も誕生しています。ももたんはモモを割って飛び出した元気な男の子であり、町内のイベントなどに登場してPR活動を行っています。
田原本町を舞台にした小説には、ホラー、伝奇小説の書き手として知られる板東眞砂子さんの「蛇鏡」があります。この作品は、神器である蛇鏡をきっかけに蛇神が蘇る展開を中心にして、田原本町を舞台に人の心の移ろいを描き出すホラー小説です。

田原本町 の場所

奈良県磯城郡田原本町は、県の北西部に位置し、磯城郡の南端にあたる町です。町域の北東側を天理市に、南東側を桜井市に、南側を橿原市に、南西側を北葛城郡広陵町に、北側を磯城郡三宅町に接しています。
田原本町の町域では弥生、古墳時代から文明が広まっていたとみられており、飛鳥時代には法隆寺と都を結ぶ要衝地として、中世から近世にかけては大きな寺院の門前町として栄えました。現在の田原本町は、駅周辺の外は田園風景が続く農村となっています。町内には近畿日本鉄道の橿原線、田原本線が通っており、それぞれ２駅の計４駅が存在します。そのため町内には両線の乗り継ぎ利用者が多く、通勤時間帯には多くの人が行き来します。そのため2009年（平成21年）には大きく開けたロータリーが整備されました。
現在の田原本町は京都市、大阪市、奈良市のベッドタウンとして発展しています。京都へは急行で乗り換えなく１時間程度でアクセスできます。また大阪方面では、大和八木駅で乗り換える大阪線ルート。大和西大寺駅で乗り換える奈良線ルート。橿原神宮前駅で乗り換える南大阪線ルート。西田原本駅から王寺駅でJRに乗り換えるJRルートなど、いくつかの経路があります。総じて閑静な住宅街ながら利便性が高く、暮らしやすい町だといえます。
田原本町の町章は頭文字「タ」をデフォルメした形で、円形の左側から外側に短い突起が出て、その下が少し欠け、また円の左側にも横棒が入ったものです。全体的には円に横線が入ったような形で、町の上昇発展と平和隆昌を表しているデザインになります。この町章は、町の編成が変更された1958年に制定されたものです。
田原本町の歌は「田原本町歌」です。作詞は藤本武重さん、作曲は吉井邦彦さん、編曲は橋本充さんによる曲です。1986年（昭和61年）に田原本町合併60周年を記念して、この町歌と町民憲章、町の木、花が合わせて制定されました。
そして田原本町の木はイチイガシ（一位樫）、町の花はスイセン（水仙）です。
イチイガシはブナ科コナラ属の常緑高木で、日本では本州でも関東より西の太平洋側と四国、九州など。海外では大韓民国の済州島、台湾、中国などに分布しています。大きいものは高さ30メートルに達し、樹皮が剥がれ落ちる特徴があります。葉は倒非針形から広倒非針形で、やや硬くなります。日本では神社に植栽されることが多く、特に奈良公園に多く見られます。
イチイガシの実は、カシ類では例外的にあく抜きをせずとも食べることができます。そのため縄文時代から食用とされ、遺跡などから発見されている他、木材は建築材や器具材などに使われます。イチイガシは町内では古代から育成されてきた木です。また食糧にもなる縁起の良い植物であることから、町の躍進を約束する木として選ばれました。
スイセンはヒガンバナ科の属のひとつであるスイゼン属の植物の総称です。この属にはニホンズイセン、ラッパスイセンなど色や形の異なる種や品種が多くありますが、多年草で、主に冬から春にかけて白や黄の花を咲かせる品種が多くなります。園芸用としてさまざまな品種が愛好されていますが、有毒植物でもあり、葉がニラ（韮）に酷似しているため誤って食べてしまう事件もときおり発生しており、注意が必要です。スイセンは球根草で、内に秘めた強い力と長く生きる不変の町民の精神を表す花として選ばれました。
田原本町のマスコットキャラクターは「タワラモトン」です。「唐古・鍵遺跡」でブタと思わしき骨が発掘されたことから、田原本町観光PVでミニブタを登場させました。その後、ブタ（豚）を公式キャラクターに決めてデザインの公募を行い、住民投票の結果、2018年に大阪市のグラフィックデザイナー、塩崎榮一さんのデザインが採用されたものが、タワラモトンです。
タワラモトンは、直立する愛らしいブタのキャラクターで、復元楼閣のうずまき型屋根飾りをモチーフに、黄色いスイセンらしき花が入った帽子をかぶり、「タワラモトン」の名札がついた青い法被を着ています。また町の名産品である古代桃と柿の葉寿司が描かれた衣装を着ることもあります。さらに胸の真ん中には、丸の中に「タ」が入ったマークもついています。
田原本町のPRのため長い眠りから目覚めたというタワラモトンの誕生日は9月30日で、好きな食べ物は、おにぎり、味間イモ、イチゴです。性格は活発で明るく超ポジティブで、気が向いたら飴を配るそうです。また語尾に「トン」をつけるのが特徴で「よろしくトン♪」だそうです。

田原本町 の鉄道路線

奈良県磯城郡田原本町の鉄道路線
近畿日本鉄道（近鉄）
橿原線
・田原本駅
・笠縫駅
田原本線
・黒田駅
・西田原本駅

奈良県磯城郡田原本町のバス路線
・広陵町コミュニティバス「広陵元気号」中央幹線

田原本町 の主要道路

奈良県磯城郡田原本町の主要道路
高規格幹線道路
・京奈和自動車道（田原本IC）
一般国道
・国道24号（橿原バイパス）
県道
主要地方道
・奈良県道14号桜井田原本王寺線
・奈良県道36号天理王寺線
・奈良県道50号大和高田桜井線
・奈良県道51号天理環状線
一般県道
・奈良県道112号田原本広陵線
・奈良県道151号田原本停車場線
・奈良県道196号柳本田原本線
・奈良県道197号結崎田原本線
・奈良県道273号大和郡山田原本橿原自転車道線

田原本町 出身の芸能人

奈良県磯城郡田原本町出身の著名人には、差別について描いた代表作「橋のない川」で知られる作家の住井すゑさん。書家で日展参事、日本書道連盟関西総支部長、日本書芸院会長などを歴任し、1953年（昭和28年）には日本芸術院賞を受賞している辻本史邑さん。旧日本海軍の元軍人で最終階級は少尉。戦後は国会議員として衆議院議員、参議院議員を務めた吉田之久さん。UCC上島珈琲の創業者で、世界初の缶コーヒー（珈琲）考案者にして全日本コーヒー協会会長を務めるなど、日本におけるコーヒー普及に尽力した実業家の上島忠雄さん。吉本新喜劇に所属するお笑い芸人、喜劇女優で、ふくよかな体形で知られ、女性初の吉本新喜劇レギュラー座長も務める他、2017年（平成29年）に「たわらもと広報大使」へ就任。引き続き2020年（令和2年）には「たわらもとPR大使」に再就任した酒井藍さんなどがいます。
スポーツ界の田原本町出身者には、関西外国語大学卒の元プロ野球選手で、同大学および外語大卒では初めてプロ野球選手になった人物でもあり、広島東洋カープで投手を務めた森跳二さん。バスケットボールを題材とした漫画「スラムダンク」の作者である漫画家、井上雄彦さんが創設した「スラムダンク奨学金」の第2期奨学生としてアメリカに留学した後、プロバスケットボール選手となり、秋田ノーザンハピネッツ、広島ドラゴンフライズなどを経て、現在は茨城ロボッツに所属する谷口大智選手。全日本大学女子駅伝などで数々の区間賞を受賞した元陸上競技選手で、中距離走を専門とした小島一恵さん。プロバレーボール選手で、ヴォレアス北海道にセッターとして所属した後、2021年（令和3年）6月にはプロビーチバレーボール選手へと転向した辰巳遼選手。出身は桜井市である自転車競技（ロードレース&トラックレース）選手の吉田隼人選手などがいます。